(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-28
(45)【発行日】2022-04-05
(54)【発明の名称】親水化材料、親水化部材及びそれを用いた気液接触装置
(51)【国際特許分類】
B01J 19/32 20060101AFI20220329BHJP
B01D 53/18 20060101ALI20220329BHJP
B01D 53/56 20060101ALI20220329BHJP
B01D 53/62 20060101ALI20220329BHJP
B01D 53/50 20060101ALI20220329BHJP
B01D 53/78 20060101ALI20220329BHJP
【FI】
B01J19/32 ZAB
B01D53/18 130
B01D53/56 200
B01D53/62
B01D53/50 240
B01D53/78
(21)【出願番号】P 2017143328
(22)【出願日】2017-07-25
【審査請求日】2020-06-02
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(72)【発明者】
【氏名】池田 諒介
(72)【発明者】
【氏名】磯 良行
(72)【発明者】
【氏名】中村 至高
(72)【発明者】
【氏名】奥原 洋人
(72)【発明者】
【氏名】高野 健司
【審査官】中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-297691(JP,A)
【文献】特開2015-096060(JP,A)
【文献】特開2006-291884(JP,A)
【文献】特開2011-051101(JP,A)
【文献】国際公開第2012/032922(WO,A1)
【文献】特開2013-146711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 10/00、14/00、19/30-32
B01D 3/00-40、47/14、53/14-18、50-62、78
C08J 7/056
F28F 13/00、25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
算術平均粗さが0.3μm以上且つ1.0μm以下であって、粗さ曲線要素の平均長さが0.1mm以下である表面粗さが付与された表面を有
し、ステンレス鋼によって構成された親水化材料によって構成される複数の充填材要素を有する気液接触部と、
前記気液接触部に液体を供給し、前記複数の充填材要素の表面に沿って前記液体を流下させる液供給システムと、
前記複数の充填材要素の表面に沿って流下する液体に接触するように前記気液接触部にガスを供給するガス供給システムと
を有する気液接触装置。
【請求項2】
前記表面における算術平均粗さが、0.3~0.8μmであり、粗さ曲線要素の平均長さが、0.02~0.1mmである請求項1に記載の気液接触装置。
【請求項3】
前記液供給システムは、液体として、前記ガスに含まれる成分を吸収可能な吸収液を供給し、前記気液接触部におけるガスと液体との接触を通じて、前記ガスに含まれる成分が前記吸収液に移行するガス分離装置として構成される請求項
1又は2に記載の気液接触装置。
【請求項4】
前記吸収液は、アミン化合物を含有する水性液であり、前記吸収液に移行する前記ガスの成分は二酸化炭素である請求項
3に記載の気液接触装置。
【請求項5】
前記複数の充填材要素は、平板状であり、並列するように立設される請求項1~
4の何れか一項に記載の気液接触装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気液接触における気体-液体間の物質移動に有用な親水化材料、それを利用して提供される親水化部材、及び、気液接触を利用して分離、精製、熱交換などの物質移動や熱移動を行う気液接触装置に関する。
【背景技術】
【0002】
化学プラントや火力発電所等においては、酸性ガスや有害ガス等の様々な種類の成分を含む排ガスや混合ガスが排出されている。このようなガスを処理するために、従来、ガスから特定成分を分離、除去又は回収するガス分離装置が使用され、排ガスや混合ガスの浄化や二酸化炭素等の分離回収が行われている。例えば、二酸化炭素回収装置では、モノエタノールアミン水溶液等の吸収液に二酸化炭素を含むガスを接触させることによって二酸化炭素を吸収分離し、吸収した後の吸収液を加熱しながら気液接触させることによって二酸化炭素を気相に放出させて回収する。また、排ガスから有害ガス成分を除去するためのガス浄化装置や、混合ガスから特定ガス成分を分離するためのガス分離装置においても、気液接触を利用して吸収液による特定ガス成分の吸収が行われる。
【0003】
一般的に、気液接触を行う装置は、液体とガスとの接触面積を増大させるための充填材を有し、充填材表面において液体とガスとを気液接触させて、ガス中の特定ガス成分や熱を液体に移行させる。このような処理において気液接触面積を確保するために、液体に対する表面の濡れ性が良好な充填材が求められ、様々な改良を施した充填材が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、基板の表面を親水化処理し、複数段の孔群からなる液分散構造と、凸状の液受け構造とを有する基板を気液接触板として、ガス浄化装置を構成することが記載される。基板の親水化処理として、ブラスト処理等の物理的処理や、プラズマ処理等の化学的処理が挙げられている。
【0005】
一方、特許文献2には、ガス吸収装置用濡壁が記載され、濡壁は、表面に高密度に電解ピットが形成される。電解ピットは、特異な形状の微細ピットであるために、アルカノールアミン水溶液を表面に付着保持することが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第5794775号公報
【文献】特許第4413416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように、材料表面の濡れ性を向上させる方法として、物理的処理又は化学的処理による表面の粗面化が利用されている。UV処理やプラズマ処理等の化学的処理では、表面が活性化されて酸素リッチな官能基や親水性の官能基が形成されることや、有機物汚染が除去されることが、濡れ性を改善する要素であると考えられている。但し、化学的処理によって向上する濡れ性は持続性が低く、濡れ性を維持するために表面処理を繰り返す必要があることが、実用上の問題である。
【0008】
一方、ブラスト処理やダルロール加工等の物理的処理による粗面化は、表面積の増加が濡れ性を改善する要素であると考えられている。物理的処理における濡れ性の向上は、持続性があり、短時間で減退することはない。しかし、濡れ性の改善程度は、化学的処理の場合ほど顕著ではなく、満足な濡れ性を得るためには数%~数十%の表面積の増加が必要であると言われており、このような粗面化は難しい。この点は、上記特許文献2にも記載されている。
【0009】
しかし、物理的処理による粗面化における濡れ性の改善効果が持続する点は、棄て難い利点である。特に、多数の充填材を使用するガス分離装置等の分野においては、濡れ性の持続によって充填材の再処理や交換の必要度が減少するので、物理的処理による粗面化によって満足な濡れ性が得られるなら、実用上非常に有利な技術となるので、技術的改良が期待される。
【0010】
本発明は、上述した問題点に鑑みて創案されたものであり、物理的処理による粗面化に伴う濡れ性の向上が良好で、効率的な気液接触を実現可能な親水化材料、親水化部材及びそれを用いた気液接触装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の一態様によれば、親水化材料は、算術平均粗さが0.3μm以上且つ1.0μm以下であって、粗さ曲線要素の平均長さが0.1mm以下である表面粗さが付与された表面を有することを要旨とする。
【0012】
前記表面における算術平均粗さが、0.3~0.8μmであり、粗さ曲線要素の平均長さが、0.02~0.1mmであると好適である。親水化材料は、金属又はプラスチックによって構成すると良く、前記金属は、鉄、銅、ニッケル、チタン、ジルコニウム及びアルミニウムから選択される少なくとも一種の金属元素によって構成される単味金属又は合金を含み、前記プラスチックは、アクリル重合体、ポリイミド、ポリオレフィン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル及びフッ素樹脂から選択される少なくとも一種のプラスチックを含む。
【0013】
又、本発明の一態様によれば、親水化部材は、上記の親水化材料によって少なくとも一部が構成される、液体と接触することを要旨とする。
【0014】
上記親水化部材は、液体を排出するための吐出口を有するノズルとして構成することができ、前記吐出口は、前記表面粗さが付与された表面を有する。或いは、上記親水化部材は、上記の親水化材料によって構成され、気液接触に伴う物質移動又は熱移動を利用するための充填材要素として使用することができる。
【0015】
更に、本発明の一態様によれば、気液接触装置は、上記の親水化材料によって構成される複数の充填材要素を有する気液接触部と、前記気液接触部に液体を供給し、前記複数の充填材要素の表面に沿って前記液体を流下させる液供給システムと、前記複数の充填材要素の表面に沿って流下する液体に接触するように前記気液接触部にガスを供給するガス供給システムとを有することを要旨とする。
【0016】
前記気液接触装置において、前記液供給システムは、液体として、前記ガスに含まれる成分を吸収可能な吸収液を供給するように構成することができ、前記気液接触部におけるガスと液体との接触を通じて、前記ガスに含まれる成分が前記吸収液に移行することにより、気液接触装置はガス分離装置として機能する。前記吸収液は、アミン化合物を含有する水性液であり、前記吸収液に移行する前記ガスの成分は二酸化炭素である場合、二酸化炭素を分離回収するガス分離装置として機能する。前記複数の充填材要素は、平板状であり、並列するように立設されると、気液接触装置における流通抵抗が小さくなる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、物理的処理による粗面化に伴って満足な濡れ性が付与され、持続して発揮される親水化材料及び親水化部材が提供可能であり、それを用いたガス分離装置によって、良好な気液接触を長期にわたって実施可能であり、気液接触処理に使用する装置や部品の交換やメンテナンスの必要度が低下する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】材料の表面粗さを評価するための、平均表面粗さ(Ra)と接触角との関係を示すグラフである。
【
図2】材料の表面粗さを評価するための、粗さ曲線要素の平均長さ(Rsm)と接触角との関係を示すグラフである。
【
図3】平均表面粗さ(Ra)が同程度である材料における、粗さ曲線要素の平均長さ(Rsm)と接触角との関係を示すグラフである。
【
図4】親水化材料を利用した充填材要素によって構成される充填材の一実施形態を示す概略図である。
【
図5】
図4に例示される充填材を使用する気液接触装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態について、図面を参照して、以下に詳細に説明する。尚、実施形態において示す寸法、材料、その他、具体的な数値等は、内容の理解を容易とするための記載であって、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。又、本願明細書及び図面において、実質的に同一の機能及び構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0020】
材料表面の粗面化は、材料表面の濡れ性の改善や、接着剤等の付着性の改善などに利用可能な技術である。粗面化処理として用いられる物理的処理には、研磨、ショットブラスト加工、ダルロール加工、エッチング等があり、粗面化処理による濡れ性の向上を強化可能な条件を特定するために、加工条件を様々に変えた研究が行われている。しかし、これまでに知られている範囲では、粗面化によって満足な濡れ性を得ることは容易ではなく、特殊な形状の凹凸や溝を加える等、複雑且つ煩雑な構成に至ることが多い。
【0021】
しかし、表面測定の技術向上に伴って、材料の表面状態に関してより精密な調査が可能となっている。そこで、このような表面測定技術を利用して、粗面化処理の効果について改めて検討したところ、特定の粗さ条件を満足する範囲において濡れ性が著しく向上することを見出した。濡れ性が著しく向上する粗さ条件は、親水化処理として従来検討されていた表面粗さの領域に比べてかなり小さい粗さの領域であり、粗面化より、むしろ、艶消しや平滑化等のような外観処理として認識される範囲である。
【0022】
具体的には、粗面化処理を施した材料が、表面における算術平均粗さ(Ra)が0.3μm以上且つ1.0μm以下であって、粗さ曲線要素の平均長さ(Rsm)が0.1mm以下であるような微細な凹凸が形成された表面を有すると、著しく向上した濡れ性を発揮する。従って、特定の粗面化によって、優れた親水化材料が得られる。この点は、粗面化する物理的処理の種類には関係なく、表面粗さの条件が満たされれば共通して顕れる性質である。つまり、上述の何れの加工又は処理による粗面化においても、表面粗さに応じて親水性が付与される。
【0023】
算術平均粗さ(Ra)は、表面の凹凸の高さ方向の変動を表し、粗さ曲線要素の平均長さ(Rsm)は、凹部又は凸部の横方向の長さ又は幅を表す。従って、上述で特定される表面粗さは、幅が0.1mm程度以下で、深さが0.3μm程度以上である凹みが存在するような凹凸状態と見なすことができ、非常に微細な凹凸である。
【0024】
材料の濡れ性は、材料表面における液滴の接触角によって評価することができ、接触角が小さければ濡れ性が高いと評価される。
図1は、粗面化処理を施した材料表面における接触角(静的接触角)の測定によって、表面粗さと濡れ性との関係を調べたグラフであり、算術平均粗さ(Ra)による接触角の変化を、水、エチレングリコール水溶液及びアミン水溶液の各液体を用いた場合について示している。
図1のグラフにおいては、算術平均粗さ(Ra)が1.0μm以下となる範囲において著しく接触角が減少し、0.3~1.0μm程度における濡れ性が格段に向上することが明らかで、0.3~0.8μm程度における濡れ性が特に優れている。この傾向は、3種の液体の何れにおいても見られることから、親水性基等に起因するものではなく、物理的な表面形状に起因すると見なすことができる。
【0025】
図1のグラフを作成した材料における接触角の測定データを、粗さ曲線要素の平均長さ(Rsm)との関係としてグラフ化すると、
図2のようなグラフが得られる。
図2においては、接触角が小さい(濡れ性が高い)ものは、平均長さ(Rsm)が0.10mm程度以下の範囲に存在する一方、この範囲における接触角のデータには大きなバラツキが見られる。このことから、平均長さ(Rsm)が0.10mm程度以下であることは、濡れ性を向上させる必要条件であるが、十分条件ではないと考えられる。
【0026】
平均長さ(Rsm)が0.10mm程度以下の範囲において接触角が大きい値を示す材料について検討すると、これらは、算術平均粗さ(Ra)の値が1.0μmを超える材料、又は、粗面化処理が施されない材料(Ra:0.069μm)である。このため、算術平均粗さ(Ra)の値が近い材料(Ra:0.7μm前後)を選び出して、接触角と平均長さ(Rsm)との関係をグラフ化すると、
図3のようなグラフが得られる。このグラフによれば、平均長さ(Rsm)の減少によって接触角が減少することが明らかである。つまり、算術平均粗さ(Ra)の値が所定の範囲内であれば、平均長さ(Rsm)が0.10mm程度以下の範囲において良好な濡れ性が発揮され、この点に基づいて
図2のグラフを評価すると、平均長さ(Rsm)が0.02~0.10mm程度の範囲にある材料は優れた濡れ性を示している。
【0027】
上述のような粗面化による良好な濡れ性は、非常に微細な凹凸によって発揮されることから、濡れ性の改善効果は、毛管力のような作用に起因すると考えられる。つまり、毛管力が作用し得るような狭い(細い)凹部が、所定以上の深さで形成されることによって液体を保持する効果が発揮されて濡れ性が向上する。従って、毛管力が作用し得るような凹凸の範囲が、0.10mm以下の平均長さ(Rsm)によって規定され、毛管力による効果が顕著になるような凹凸の範囲が、0.3μm以上の算術平均粗さ(Ra)によって規定される。これに関して、算術平均粗さ(Ra)が1.0μmを超える範囲において濡れ性の改善が得られないのは、物理的な手法による粗面化における特徴に起因すると考えられる。つまり、算術平均粗さ(Ra)が大きい凹凸を物理的手法によって形成する場合、凹凸の横幅の拡大が避けられず、算術平均粗さ(Ra)が大きく平均長さ(Rsm)が小さくなるような粗面化が困難であることに因ると考えられる。
【0028】
上述のような表面粗さに粗面化することが可能な物理的処理には、例えば、研磨、ショットブラスト加工、ダルロール加工、エッチング等があり、物理的処理の種類は何れであっても良い。粗面化処理によって施される表面粗さは、材料の材質によっても異なるので、材質に応じて、使用する研削材の選択や、圧延ロールの表面粗さの設定を行って、上述したような微細な凹凸を形成可能な様に処理条件を調整すればよい。
【0029】
ショットブラストは、研削材を表面に噴射して凹凸を形成する粗面化方法である。研削材は、金属やセラミックス、ガラス、鉱物質、プラスチック等の様々な材質を用いて、粒状や先鋭な稜角(グリット)を有する変形粒状など、様々な形状及び寸法に成形されたものが市販されている。例えば、硅砂、硅石粒、鋳鉄粒、褐色アルミナ、ホワイトアルミナ、ガラスビーズ、鋼球などが挙げられる。研削材の材質によって硬度が異なるので、粗面化処理を施す材料の材質に応じて、上述の表面粗さに加工可能な研削材及びその大きさや形状を適宜選択して使用することができる。
【0030】
研磨は、数μm~数mmの砥粒(細かな研削材)を用いて調製されるペーストや研磨シート等によって材料表面を摩擦する粗面化方法であり、研削材の材質として、天然鉱物や、人造ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、炭化珪素、コランダム(酸化アルミニウム)等の人造鉱物が挙げられる。粗面化処理を施す材料の材質に応じて、研削材を選択して研磨することにより、上述の表面粗さに加工使用することができる。尚、粗面化する材料が鉄鋼又は銅である場合、ダイヤモンド及び炭化珪素は研削材として不向きであり、炭素及びケイ素を含まない研削材が適している。
【0031】
ダルロール加工は、表面を粗面化した圧延ロール(ダルロール)を用いて、材料を圧延加工することによって材料表面を粗面化する加工である。圧延ロールの表面の粗面化には、放電加工、レーザー加工、電解処理などが用いられる。上述のショットブラストによっても容易に粗面化が行えるが、表面粗さのバラツキや加工範囲の大きさ等の点において、放電加工やレーザー加工等が利用し易い。ダルロールの表面粗さ及び圧延条件に応じて、圧延される材料表面に凹凸が形成されるので、上述した表面粗さに対応した適切な粗面化を表面に施したダルロールを用意して、適正な圧延条件で材料を圧延することによって、材料の表面に上述のような表面粗さが付与され、濡れ性が好適に改善された親水化材料が得られる。
【0032】
上述のような粗面化処理による濡れ性の改善は、粗面化可能な材料、つまり、可塑性を有する材料において可能である。つまり、各種金属材料や様々なプラスチック素材に対して適用することができ、金属製又はプラスチック製の素材を利用して、様々な親水化材料を提供することができる。金属材料として、例えば、鉄、銅、ニッケル、チタン、ジルコニウム、アルミニウム等の金属元素で構成される単味金属材料、及び、上記のような金属元素から選択される少なくとも一種を含む二元合金又は多元合金で構成される合金材料が挙げられる。金属材料に粗面化処理を施して、濡れ性の良好な金属製の親水化材料を提供することができる。又、プラスチックとしては、例えば、アクリル重合体、ポリイミド、ポリオレフィン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂等を挙げることができ、このようなプラスチック素材から適宜選択して、プラスチック製の親水化材料を提供することができる。その利用については、上述のような様々な種類の親水化材料から、一種のみを利用しても、或いは、二種以上の親水化材料を組み合わせて利用しても良い。金属製の親水化材料とプラスチック製の親水化材料とを組み合わせてもよい。このような親水化材料を構造材等として利用して、親水化部材や様々な装置を構成することができる。ステンレス綱やめっき鋼等の鉄鋼を主体とする材料は、装置や器具、部品等の製造において汎用される材料であり、これらの材料に上述のような粗面化処理を施した親水化材料は、濡れ性を必要とする装置や器具等の製造において有用である。
【0033】
上述のような粗面化処理によって好適な表面粗さを付与した材料は、濡れ性が各段に向上して親水化されるので、液体と良好に接触することが求められる部材として利用することができる。例えば、実質的に全表面を粗面化処理した親水化部材は、気液接触に伴う物質移動又は熱移動を利用するための気液接触装置の充填材要素として提供することができ、吸収塔、脱硫塔などのガス分離装置、蒸留塔等の精製装置、冷却塔やボイラー等の熱交換装置に利用できる。又、人工衛星用スラスタの燃焼室壁面に適用すると、燃料液膜の形成によって壁面の過熱を防止する効果を高めることができる。又、用途に応じて、材料表面の少なくとも一部を粗面化処理した親水化材料として提供できる。例えば、印刷用材、壁材等の建材、装置又は器具を製造する構造材などとして利用される材料は、使用時に塗料や溶融金属が塗工されるので、塗装面、印刷面、ハンダ付け面、溶接面等になる材料の表面に上述の粗面化を施して好適な表面粗さを付与すると、このような用途に特化した親水化材料として提供することができる。
【0034】
更に、液体と接触する部材や器具について、液体と接触する面の一部又は全部が好適な表面粗さを有するように親水化材料で構成した親水化部材として提供してもよい。例えば、液体を排出する先端の吐出口の表面が好適な表面粗さを有するように親水化材料で構成したノズルなどが挙げられ、吐出口において液体の濡れ阻害による悪影響が抑制されて、液体を供給する際の吐出精度の向上が可能である。このようなノズルは、吐出口を有する先端部のみを親水化材料で構成しても、或いは、吐出口の表面が好適な表面粗さを有するように部分的に粗面化処理が施された親水化材料でノズル全体を構成してもよい。このような親水化部材は、粗面化されていない材料で構成される部材を製造した後に、粗面化処理を所望の表面に施して上述のような表面粗さを付与して得ても良い。このように、好適な表面粗さによって良好な濡れ性を発揮する親水化材料は、液膜形成を利用する各種用途への適用が可能である。
【0035】
上述のような表面粗さが付与された親水化材料は、気液接触装置においてガスと液体とを接触させる気液接触部を構成する充填材要素として有用である。特に、複数の平板状の充填材要素を並列状態に立設させた充填材は、気液接触装置に装填した状態でのガスの流通抵抗が小さいので、このような充填材に適用する材料として、上述の親水化材料は有用性が高い。上述の親水化材料の適用によって、充填材要素の良好な濡れ性と流通抵抗の低さとを兼ね備えた気液接触装置が提供され、高い処理効率と操業費用の削減を実現することが可能である。
【0036】
図4は、複数の平板状の充填材要素を並列状態に立設させた充填材の一例を示す。この例では、同一の長さで横幅が異なる平板状の充填材要素Peを等間隔で並列させて、円柱状の充填材Pを構成している。このような平板状の充填材要素Peで構成される充填材Pでは、充填材要素Peの間の真っ直ぐな空間をガスが流通するので、ガスを供給する際の流通抵抗が小さい。ガスと液体とを接触させる際のガスの流通抵抗は、操業時の消費エネルギーを左右するので、操業費用を削減しつつ効率的なガス処理を行うには、このような充填材Pに、上述の表面粗さが付与された親水化材料の板材を適用することが有効である。耐食性等の観点から、ステンレス鋼製の充填材要素が好適に利用される。
【0037】
充填材要素Peの形状は、円柱を軸方向に沿って等間隔に切断した平行な断面に対応する長方形であるので、使用する充填材要素Peの幅は各々異なる。充填材要素Pe間の距離はスペーサーSによって維持され、並列する充填材要素Peの周囲を囲んで纏めるバンドBによって、全体形状が円柱状に固定される。スペーサーSを使用する代わりに、充填材要素Peの表面に突起を設ける、或いは、小型のリブを充填材要素Peに付設する等の方法によって、並列する充填材要素Peの間隔を保持するようにしても良い。尚、長方形の充填材要素Peを用いて、円柱状の充填材に限らず、四角柱状等の多角柱状や楕円柱状等のような様々な柱状の充填材Pを構成可能であることは、容易に理解される。
【0038】
図4のような複数の充填材要素で構成される充填材Pを、気体-液体接触用の充填材として使用する気液接触装置の一実施形態を
図5に示す。気液接触装置1は、充填材要素を有する気液接触部と、気液接触部に液体を供給する液供給システムと、気液接触部にガスを供給するガス供給システムとを有し、
図5のように、気液接触装置1の容器2内に充填材Pを装填することによって、容器2内に気液接触部3が構成される。液供給システムは、充填材Pの上方に配置される散布管4、及び、散布管4に接続される液体供給ライン5を有する。液体供給ライン5を通じて気液接触装置1内の散布管4へ供給される液体Lは、散布管4から充填材Pへ散布される。一方、ガス供給システムとして、容器2の下部に接続されるガス供給ライン6が設けられ、ガス供給ライン6を通じて気液接触装置1へ供給されるガスGは、気液接触部3を上昇する。液体Lは、充填材Pの充填材要素の表面に沿って流下し、流下する液体Lと上昇するガスGとが接触する。
【0039】
この気液接触装置1は、ガスに含まれる成分を吸収液へ移行させて分離するガス分離装置として構成され、液体Lとして、ガスGに含まれる成分を吸収可能な吸収液が供給される。従って、気液接触部3における気液接触の間に、充填材P上で液膜を形成する液体Lは、ガスG中の特定成分を吸収する。液体Lによって特定成分が分離除去されたガスG’は、容器2頂部に接続されるガス排出ライン7を通じて外部へ放出され、大気中に放出したり、必要に応じて他の処理設備へ搬送する。吸収液として機能した液体L’は、容器2の底部に貯留された後、底部に接続される排液ライン8を通じて外部へ排出される。排出された液体L’は、化学プラントや火力発電所等の設備内で精製(再生)し、必要に応じて貯留槽に貯留した後に、液体供給ライン5に供給することができる。或いは、液体L用の再生装置を付設して、液体が気液接触装置1と再生装置とを循環するように構成しても良い。吸収液として、アミン化合物を含有する水性液を使用すると、ガスに含まれる二酸化炭素が吸収液に移行し、ガス中の二酸化炭素を吸収分離するガス分離装置として利用することができる。
【0040】
上述のような構造の充填材Pは、気液接触装置1において平板状の充填材要素が立設する状態で使用されるので、ガスGの流路は、等間隔で並列する充填材要素間の真っ直ぐで簡素な形状であるため、流通抵抗が少ない。充填材要素として利用する親水化材料において粗面化処理に要する費用も少ないので、製造加工コストも削減可能である。
【0041】
気液接触装置1において、容器2は、内部に充填用空間を有する中空形状であれば良く、概して、略筒状の形状のものが利用される。散布管4は、充填材Pの上部に並列状又は格子状に配置される複数の管によって構成される。
図5においては、散布管4の各管の下部に、液体Lを放出するストローノズルが設けられるが、散布管4は、このような構造に限定されず、ノズルがなく放出口が形成された管で構成されたものでも良く、シャワーヘッド、スプレーノズル等のような一般に使用される散布手段を適宜使用することができる。又、
図5においては、ガスGを容器2の下方から供給して上昇させるように構成しているが、上方から供給して下降するように変形してもよい。気液接触装置1には、必要に応じて、ガスGを予め冷却する冷却装置や、ドレンを排出するドレン回収装置等を付設してもよい。
【0042】
気液接触装置1によって処理されるガスGとして、例えば、化学プラントや火力発電所等の設備内で発生した廃ガス(排ガス)や反応ガスが挙げられ、屡々、二酸化炭素や、窒素酸化物、硫黄酸化物等の酸性ガスが特定成分として処理される。ガスGから除去する特定成分に応じて、吸収液として使用する液体Lが選択され、例えば、二酸化炭素の回収除去には、環状アミン化合物やアルカノール系アミンやフェノール系アミン、アルカリ金属塩等のアルカリ剤の水溶液が屡々用いられ、硫黄酸化物の除去には、カルシウム化合物、マグネシウム化合物などのアルカリ剤の水性液が一般的に用いられる。二酸化炭素の回収において屡々用いられるモノエタノールアミン(MEA)水溶液では、二酸化炭素との反応によって、カルバミン酸塩・アミン塩(カーバメート)、炭酸塩、重炭酸塩等が生じる。
【0043】
このため、気液接触装置1を構成する各部は、上述したようなガスGの成分や液体Lに含まれる化学薬剤に対して耐性を有する素材で製造される。従って、充填材P及び充填材要素Peは、処理するガスG及び使用する液体Lとの反応(腐食)を生じない素材で構成され、そのような素材として、例えば、ステンレス綱、アルミニウム、ニッケル、チタン、炭素鋼、真鍮、銅、モネル、銀、スズ、ニオブ等の金属や、ポリエチレン、ポリプロピレン、PTFE等の樹脂が挙げられる。
【0044】
充填材要素Peは、少なくとも表面が上述のような耐食性の素材で構成された層状の材料を用いて、やすりがけ、サンドブラスト処理、ダルロール加工などの表面加工によって微細な凹凸を表面に形成することによって、上述したような表面粗さを付与した親水化材料が使用される。厚さが均一な平板、又は、開口を有する板材や網目状のシートの形態で好適に使用される。
【0045】
充填材Pは、上述のような特定成分を吸収・分離・除去するための気液接触装置に限らず、種々の化学プラントにおいて使用される蒸留塔、精製塔、放散塔(再生塔)等の装置に適用して、蒸留、精製、放散等を実施することも可能である。
【実施例】
【0046】
以下に記載する試料No1~No11のステンレス綱板(SUS304)を用意し、アセトンを用いた脱脂洗浄及び乾燥を行った後に、室温環境下で、以下の測定及び評価に使用した。
【0047】
試料No1:調質圧延を施した仕上げ材(表面仕上げ名称:2B)
試料No2:ダルロール加工材(日本金属(株)社製、規格名称:PW)
試料No3:ダルロール加工材(日本金属(株)社製、規格名称:PW7)
試料No4:ショットブラスト加工材(太華工業(株)社製、ロット番号:55256-2)
試料No5:ショットブラスト加工材(太華工業(株)社製、ロット番号:なし)
試料No6:ダルロール加工材(日本金属(株)社製、規格名称:PF15)
試料No7:ショットブラスト加工材(太華工業(株)社製、ロット番号:55256-1)
試料No8:ダルロール加工材(ナス鋼帯(株)社製、ロット番号:17S00021)
試料No9:ダルロール加工材(ナス鋼帯(株)社製、ロット番号:16K00407)
試料No10:ダルロール加工材(日本金属(株)社製、規格名称:PF30)
試料No11:ダルロール加工材(日本金属(株)社製、規格名称:PF70)
【0048】
<濡れ性の評価>
各試料の表面粗さを測定して、平均表面粗さ(Ra)及び粗さ曲線要素の平均長さ(Rsm)を求めた。更に、各試料の濡れ性を評価するために、表面における液体の接触角(静的接触角、θ/2法による)を測定した。測定は、液体として、水、エチレングリコール水溶液(濃度:80質量%)及び脂肪族アミン混合水溶液(濃度:45質量%)の各々を用いて行った。測定結果を表1に示す。
【0049】
【0050】
表1に示す試料No1~No11の鋼板の測定結果から、平均表面粗さ(Ra)と接触角との関係を調べたところ、
図1のようなグラフが得られた。
図1において、算術平均粗さ(Ra)が1.0μm以下となる範囲において著しく接触角が減少し、0.3~1.0μmにおける濡れ性が各段に向上することが明らかである。この傾向は、3種の液体の何れにおいても見られる。従って、物理的な表面形状に起因すると見なすことができる。
【0051】
試料No1~No11の鋼板の測定結果から、粗さ曲線要素の平均長さ(Rsm)と接触角の関係との関係を調べたところ、
図2のようなグラフが得られた。
図2において、接触角が小さい(濡れ性が高い)試料における平均長さ(Rsm)の値は、0.02~0.10mm程度の範囲にあり、0.10mmを超える範囲の値は見られない。しかし、平均長さ(Rsm)の値が0.02~0.10mm程度の範囲であっても接触角が大きい試料が存在する。
【0052】
試料No6~No8の鋼板について、粗さ曲線要素の平均長さ(Rsm)と接触角の関係との関係を調べたところ、
図3のようなグラフが得られた。
図3においては、平均長さ(Rsm)の減少によって接触角が減少することが明らかである。試料No6~No8の鋼板の何れも、算術平均粗さ(Ra)の値は0.7μm前後であり、
図1において濡れ性が向上することが明らかな範囲にあるので、算術平均粗さ(Ra)の値が好適な範囲内であれば、平均長さ(Rsm)が0.10mm程度以下の範囲において良好な濡れ性が発揮されると見なすことができる。
【0053】
試料No1~No11の鋼板は、異なる加工によって表面処理が施されたものを含んでおり、上記測定結果は、加工の種類による影響を受けているとは見られないので、濡れ性の変化は、表面粗さの状態に起因するものであり、加工の種類に関わらず、共通の性質を示していると見なすことができる。
【0054】
<濡れ試験及び濡れ面積の測定>
上述の試料No1,No6及びNo10の各鋼板について、長さが70mm、幅が50mmの試験片を用意して鉛直に設置し、以下の濡れ試験を行った。
【0055】
散布管として、5本のノズル(内径:φ2mm、外径:φ4mm)が6mmピッチで下向きに取り付けられた多点ノズルを用意して、試験片の上方に配置した。多点ノズルから試験片の上端に液体を供給して試験片に対する濡れ試験を行った。この際、液体としてエチレングリコール水溶液(濃度:80質量%)を使用した。乾いた状態の試験片に一定流量で液体を供給する状態(条件C1)と、条件C1の流量の2倍の流量で液体を予め供給した後に条件C1の流量に減少させた状態(条件C2)の各々において濡れ試験を行って、試験片に沿って流下する液体による濡れ状態を目視で観察した。
【0056】
更に、使用する液体を赤色染料(プロキシン、濃度:0.02質量%)で着色して、条件C1及び条件C2の各々で上述の濡れ試験を行い、濡れ面に形成される液膜の写真撮影を行って画像処理によって濡れ面積を測定した。写真撮影は、試験片の両面について行い、両面の測定値の相加平均値として濡れ面積を決定した。得られた濡れ面積の値から、試験片の一面の表面積に対する濡れ面積の割合(%)を計算した。その結果を表2に示す。尚、濡れ面積の測定において、液膜表面の波や凹凸は考慮されていない。又、目視観察において、染料による濡れ性への影響はないことを確認している。
【0057】
【0058】
試験片の濡れ状態の観察の結果、試料No1及びNo10は、条件C1及び条件C2の何れにおいても、類似の濡れ状態を示し、条件C1においては、ノズルの各々から流れる液体が線状に下方に伸びて、5つの長細い液膜の形成が見られた。条件C2においても、線状に流れる液体の一部に合流が見られたこと以外は同様に、細長い液膜が形成された。一方、試料No6においては、条件C1及び条件C2の何れにおいても、ノズルから流れる液体が横方向に濡れ拡がって連続し、一つの幅広い液膜が形成された。この観察結果の相違は、表2に示す濡れ面積の測定結果において、数値の差として明確に現れており、試料No1及びNo10の鋼板に比べて、試料No6の鋼板における濡れ性が格段に高いことが明らかである。これは、
図1~
図3に示す接触角の測定結果とも符合している。
【0059】
<充填材としての性能評価>
上述の試料No1(厚さ:0.50mm)及びNo6(厚さ:0.15mm)の各鋼板を用いて、
図4に示されるような、複数の充填材要素が並列する円柱形状の充填材(直径:60mm、高さ:210mm)を作製した。
図5に示すような構成の気液接触装置内に、得られた充填材を5つ鉛直方向に並べて装填して5段構造の気液接触部を構成し、以下の吸収試験を行った。
【0060】
脂肪族アミン混合水溶液(濃度:45質量%)を調製し、これを吸収液として用いて、25℃の温度に調整して散布管から気液接触部へ一定の流量で供給した。気液接触部を通過した底部の吸収液は、温度を再調整して散布管へ還流させて吸収液を循環させた。この間に、二酸化炭素濃度が5容積%のガス(温度:27℃)を気液接触部へ供給して2m/sの流速で上昇させ、気液接触装置の頂部から排出されるガスの二酸化炭素濃度を測定して、二酸化炭素の吸収速度として気液接触部の吸収性能を評価した。評価結果を、市販の波形板材を用いて作製した充填材における吸収性能を基準(100)とする相対的な性能値として示すと、試料No1における吸収性能が約143[-]であったのに対し、試料No6における吸収性能は、180[-]であった。このことから、試料No6の鋼板は、粗面化処理を行っていない試料No1の鋼板に比べて、気液接触効率が25%程度向上していると見なせる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
物理的処理による粗面化に伴って付与される満足な濡れ性が持続して発揮される親水化材料及び親水化部材が提供可能であり、ガス分離装置等の気液接触装置の操業において、装置や部品の交換やメンテナンスの必要度が軽減される。このため、化学処理や製造加工における経済性の向上に基づく汎用化や、燃焼ガス等の排ガスの処理の普及による環境汚染の防止等に貢献する。
【符号の説明】
【0062】
1 気液接触装置
2 容器
3 気液接触部
4 散布管
5 液体供給ライン
6 ガス供給ライン
7 ガス排出ライン
8 排液ライン
G,G’ ガス
L,L’ 液体
P 充填材
Pe 充填材要素
S スペーサー
B バンド