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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-28
(45)【発行日】2022-04-05
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20220329BHJP
   H01H 13/20 20060101ALI20220329BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20220329BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
G09F9/00 362
H01H13/20
B60K35/00 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018076675
(22)【出願日】2018-04-12
(65)【公開番号】P2019184865
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】有福 大輔
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-041501(JP,A)
【文献】特開平11-053972(JP,A)
【文献】特開2005-024318(JP,A)
【文献】特開2017-049027(JP,A)
【文献】特開2009-264871(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-46
G02F 1/13-1/141
1/15-1/19
H01H 13/00-13/88
B60K 35/00-37/06
B60R 9/00-11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報表示体を透視可能に構成された透視部と前記透視部の周囲に張り出す張出部と前記透視部の外周縁と前記張出部の内周縁とを繋ぐ繋ぎ部とを有する筐体と、
前記張出部に設けられた開口部に対応して配置される操作ユニットとを備え、
前記操作ユニットを、操作者が操作可能な操作部材と、前記操作部材を固定可能とした弾性部材とで構成し、
前記操作部材の操作に伴って前記弾性部材の背後に配置されたスイッチ素子が作動することで所定の機能を実行する表示装置において、
前記張出部は、前記透視部の形成位置よりも低い位置に設けられ、前記透視部を包囲するように前記透視部の周囲に張り出し、
前記操作者側から前記表示装置を見たときに前記繋ぎ部に隣接するように配置される前記操作部材は、前記繋ぎ部に対向する部分の全てが欠落部として欠落しているとともに、当該欠落部を除いた部分が前記張出部側に向けて延在する壁部を有し、
前記張出部と前記操作部材とのうち一方に位置決め部を設け、他方に前記位置決め部が位置決めされる被位置決め部を設けたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記張出部に複数個の前記位置決め部を設け、前記操作部材に複数個の前記位置決め部が各々位置決めされる複数個の前記被位置決め部を設け、
複数個の前記位置決め部が前記張出部の前記繋ぎ部との境界付近に設けられることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車や自動2輪車に搭載された表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の表示装置にあっては、例えば下記特許文献1に記載されているものが知られている。この特許文献1に記載の表示装置は、指針式表示部(情報表示体)を透視可能に構成された透視部と透視部の周囲に張り出すように透視部よりも一段低い位置に位置する水平壁部(張出部)と透視部と水平壁部とを繋ぐ立壁部(繋ぎ部)とを有する上部筐体(筐体)と、透視部の所定箇所に設けられた開口部に対応して配置される弾性部材とを備え、操作者による弾性部材の押圧操作に伴って弾性部材の背後に配置されたスイッチ素子が作動することで所定の機能を実行するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-49027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に記載の表示装置では、操作者側となる透視部の前方側に弾性部材の一部が飛び出る構成となっているが、近年では、このように透視部の前方側に弾性部材の一部を飛び出させずに、弾性部材の前方側に操作者が操作可能な樹脂製の操作部材を被せて固定し、この操作部材の最表面を透視部の最表面と略同一面とし、また弾性部材と(内部が比較的肉抜きされた状態の)操作部材とでなる操作ユニットを前記立壁部のすぐ外側に隣接配置する構成が散見されつつある。
【0005】
つまり、当該構成を実施するにあたって、一例として前記開口部を透視部ではなく上部筐体の水平壁部に設け、この水平壁部に設けられた開口部に前記操作ユニットを配置することが考えられる。従って、当該構成では、操作者が操作可能な操作部材と、操作部材を固定可能とした弾性部材とで前記操作ユニットが構成され、操作部材の操作に伴って弾性部材の背後に配置されたスイッチ素子が作動することで所定の機能を実行することになる。
【0006】
ところで、このように弾性部材の前方側に(内部が比較的肉抜きされた状態の)操作部材を固定した場合、操作部材が弾性部材から取り外されるのを抑制するために、上部筐体に操作部材固定用の専用の固定部材を取り付ける必要がある。例えば、操作部材の下端側全周に膨出するように設けられた略枠状の鍔部(膨出部)を上から押さえ付けるべく、適宜固定手段を用いて固定部材を上部筐体に固定する構造が採用されていた。
【0007】
しかしながら、操作部材を前記立壁部のすぐ外側に隣接配置させたい場合、操作部材の操作時に操作部材と前記立壁部とが干渉しないように操作部材の前記立壁部に対向(対応)する一側壁部分を排除(肉抜き)する必要がある。すると、当該一側壁部分の排除に伴い、前記鍔部を操作部材の全周囲に設けることができなくなり、結果的に、前記鍔部を略枠状ではなく、略コの字状としていた。
【0008】
つまり、このとき操作者が(一側壁部分の肉抜きされた状態の)操作部材を指で押圧操作すると、当該操作部材が左右方向、または上下方向にぶれることが考えられ、操作部材の操作性(もしくは操作部材操作時の操作者に与える感触)に悪影響を及ぼすという問題点があった。
そこで本発明は、前述の課題に対して対処するため、操作部材の操作性に悪影響を及ぼす虞のない表示装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、情報表示体を透視可能に構成された透視部と前記透視部の周囲に張り出す張出部と前記透視部の外周縁と前記張出部の内周縁とを繋ぐ繋ぎ部とを有する筐体と、前記張出部に設けられた開口部に対応して配置される操作ユニットとを備え、前記操作ユニットを、操作者が操作可能な操作部材と、前記操作部材を固定可能とした弾性部材とで構成し、前記操作部材の操作に伴って前記弾性部材の背後に配置されたスイッチ素子が作動することで所定の機能を実行する表示装置において、前記張出部は、前記透視部の形成位置よりも低い位置に設けられ、前記透視部を包囲するように前記透視部の周囲に張り出し、前記操作者側から前記表示装置を見たときに前記繋ぎ部に隣接するように配置される前記操作部材は、前記繋ぎ部に対向する部分の全てが欠落部として欠落しているとともに、当該欠落部を除いた部分が前記張出部側に向けて延在する壁部を有し、前記張出部と前記操作部材とのうち一方に位置決め部を設け、他方に前記位置決め部が位置決めされる被位置決め部を設けたことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、前記張出部に複数個の前記位置決め部を設け、前記操作部材に複数個の前記位置決め部が各々位置決めされる複数個の前記被位置決め部を設け、複数個の前記位置決め部が前記張出部の前記繋ぎ部との境界付近に設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、所期の目的を達成でき、操作部材の操作性に悪影響を及ぼす虞のない表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態による表示装置の正面図。
図2図1のA-A断面図(ハッチングは省略)。
図3図1のB-B断面図(ハッチングは省略)。
図4】同実施形態による筐体(上部筐体)の透視部と張出部と繋ぎ部とを示す要部斜視図。
図5】同実施形態による操作部材の背面図。
図6図2中、主に筐体と操作ユニットとを拡大して示す要部拡大断面図。
図7図1のC-C断面図(ハッチングは省略)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図1図7に基づいて、本発明の実施形態を車両に搭載された車両用計器に適用した場合を例に挙げて説明する。なお、以下の説明では、車両用計器(計器装置)を正視(視認)する視認者側(または操作者側)を前方側とし、当該視認者側とは反対側である反視認者側を背後側とする。
【0014】
図1図2において、本実施形態による表示装置としての車両用計器Dは、情報表示体10と、この情報表示体10の可視領域を定めるための後述する開口を有する覆い部材20と、この覆い部材20の前方側を覆うように設けられる筐体(上部筐体)としての透視パネル30と、情報表示体10に表示される各種情報の表示切替等に用いられる操作ユニット40と、この操作ユニット40の直下に位置する中継部材50と、この中継部材50の下端面に対向するようにスイッチ素子61が実装(配設)された回路基板60と、この回路基板60の背後側を覆うように設けられる下部筐体70と、操作ユニット40に備えられる後述する操作部材を固定するための固定部材80とを備えている。
【0015】
情報表示体10は、車両の走行速度をアナログ的に表示する指針式表示部11と、各種車両情報を表示する表示器12とで構成される。
【0016】
指針式表示部11は、指針11aと、この指針11aによって指示される目盛や数字等の指標部P1を有する表示板11bとから主に構成される。ここでの詳細図示は省略するが、指針11aは、この指針11aを駆動するように回路基板60に実装されるモータ(指針駆動手段)の回転軸に連結される。
【0017】
表示板11bの指標部P1は、例えば白色の透光性印刷層で形成され、背後側からの光を受けて発光する。なお、指標部P1を除いた表示板11b箇所は、例えば黒色の遮光性印刷層で形成された背景部(図示省略)となっている。車両用計器Dを視認する視認者は、前記モータの駆動に伴い表示板11b上を回転する指針11aと、表示板11bの指標部P1との対比判読により、車両の走行速度を把握することができる。
【0018】
表示器12は、受光型の液晶表示パネル等をはじめとした各種の表示媒体を適用することができ、表示板11bの下方側に開口形成された表示窓P2を臨むように配置される。例えばここでの詳細図示は省略するが、表示器12を受光型の液晶表示パネルとした場合には、表示器12に照明光を供給する発光素子や当該発光素子から受光型の液晶表示パネルへと至る照明経路中に配置される導光部材等を適宜設ければよい。なお、表示器12は、TFT型の液晶表示パネルであってもよい。
【0019】
そして、表示器12の表示領域(図示せず)には、例えば燃費情報や走行距離情報等の各種車両情報が視覚情報として表示される。走行距離情報としては、車両の走行した総距離を表示する総走行距離情報、特定区間の距離を表示する区間走行距離情報を挙げることができる。なお、表示器12は、図示しないフレキシブル配線板を用いて回路基板60と電気的に接続される。
【0020】
覆い部材20は、黒色の合成樹脂材料によって形成された射出成型体であり、その主要部が情報表示体10の前方側に配置される。この覆い部材20は、指針11aや指標部P1等を露出させるための開口21aを有する前面壁部21と、中継部材50を取り囲む包囲部22とを備える。なお、本例のように車両用計器Dの一構成部品である覆い部材20は、見返し部材と称されることもある。
【0021】
透視パネル30は、透光性の合成樹脂材料によって形成された射出成形体であり、情報表示体10を透視可能に構成された透視部31と、この透視部31の周囲に張り出すように設けられる張出部32と、透視部31と張出部32とを繋ぐ繋ぎ部33と、張出部32の外縁部から背後側に向けて垂下形成された側壁部34とを有する。
【0022】
透視部31は、透視パネル30の主要部を構成するものであり、平板形状(もしくは所定の曲率を有する曲面形状)に形成される。車両用計器Dを視認する視認者は透視部31を通じて指針11aや指標部P1、前記各種車両情報を透視(視認)することができるようになっている。
【0023】
張出部32は、透視部31の形成位置よりも一段低い位置に設けられ、車両用計器Dを前方側から正視した場合に、透視部31を包囲するように透視部31の周囲に延在している。張出部32には、その表裏を貫通するような開口部32aが開口形成される。なお、32bは、開口部32a周囲となる張出部32箇所に設けられた凸状の隆起部であり、この隆起部32bは張出部32から前方側に向けて突出形成される。
【0024】
また、この場合、張出部32には、操作ユニット40に備えられる後述する一対(複数個)の被位置決め部に対応する位置に、一対(複数個)の位置決め部32cが各々設けられている(図3図4参照)。位置決め部32cは、張出部32の前面32dから前方側に向けて突出形成された一対(複数個)の位置決めピンを適用することができ、張出部32の繋ぎ部33との境界付近に並設された状態で設けられている。
【0025】
繋ぎ部33は、透視部31の外周縁と張出部32の内周縁とを連結するように設けられた立壁部である。
【0026】
操作ユニット40は、張出部32に設けられた開口部32aに対応して配置され、操作部材41と、この操作部材41を固定可能とした弾性部材42とで構成される。
【0027】
操作部材41は、合成樹脂材料によって形成された射出成型体であり、操作者側から車両用計器Dを見たとき(正視したとき)に繋ぎ部33に隣接するように配置される。
【0028】
この操作部材41は、操作者が指等で操作可能(押圧操作可能)な正面視が略矩形状の操作本体部41aと、この操作本体部41aの背面側中央から背後側(中継部材50側)に向けて垂下形成された細長棒状の軸部41bと、透視パネル30の繋ぎ部33に対向(対応)する部分が欠落部Bとして欠落した状態で張出部32側に向けて延在する壁部41cと、一対(複数個)の位置決め部32cが各々位置決めされる一対(複数個)の被位置決め部41dと、軸部41bの周囲に略十字形状に形成される4つの補強リブ41eとを有する(図2図3図5参照)。
【0029】
壁部41cは、欠落部Bを除いた操作本体部41aの背面側周縁から張出部32側に向けて垂下形成された略コの字形状の周壁を構成している。すなわち、ここでの壁部41cは、操作本体部41aの操作時に操作部材41と繋ぎ部33とが極力干渉しないように操作部材41の繋ぎ部33に対向(対応)する一側壁部分が肉抜きされた構成となっており、この肉抜きされた部分が上述した欠落部Bに相当する。
【0030】
また、張出部32側となる壁部41cの下端部には膨出部Tが設けられる(図5参照)。ここでの膨出部Tは、壁部41cのうち、図5中、欠落部Bの近傍にある相対する一対の壁部Y1、Y2箇所のみに設けられる。
【0031】
また、操作部材41に設けられる被位置決め部41dは、略筒状の位置決め孔部からなり、欠落部Bと壁部41cとの境界付近に各々配置される。より具体的には、被位置決め部41dは、欠落部Bと壁部Y1との境界付近、並びに欠落部Bと壁部Y2との境界付近に設けられる。
【0032】
補強リブ41eは、軸部41bや壁部41cの強度を補うべく、軸部41bと壁部41cとを架け渡すように設けられる。なお、図5中、軸部41bの上下左右に形成される補強リブ41eのうち、下方側に位置する補強リブ41eは、繋ぎ部33側に位置する端部が面取りされた形状となっている(図3参照)。
【0033】
弾性部材42は、弾性を有する合成ゴム材料によって形成され、有底筒状部42aと、裾部42bと、上部張出部42cと、筒部42dと、下部張出部42eとを備える(図6参照)。
【0034】
有底筒状部42aには、操作部材41に設けられた軸部41bの軸線方向に沿った中心軸線C方向において、軸部41bが嵌合する凹溝形状からなる溝部42fが設けられる。
【0035】
裾部42bは、有底筒状部42aの略中央部付近から上部張出部42c側に向けて形成された薄肉部からなり、断面略ハの字形状に形成されている。
【0036】
上部張出部42cは、略リング状(もしくは略楕円状)に形成され、その背面に隆起部32bが嵌合する嵌合部42gが形成されている。また、ここでの上部張出部42cは、裾部42bを介して有底筒状部42aに連結され、裾部42bの周囲に張り出す(延在する)ように構成される。
【0037】
筒部42dは、有底筒状部42aを包囲する筒状に形成され、上部張出部42cと下部張出部42eとを繋ぐ連結部としての役割を果たしている。
【0038】
下部張出部42eは、有底筒状部42aを包囲する略リング状(もしくは略楕円状)に形成される。また、この場合、上部張出部42cと筒部42dと下部張出部42eとで囲まれた空洞領域に、張出部32の一部と隆起部32bとの双方が圧縮保持される。これにより操作ユニット40は透視パネル30に固定保持されることになる。
【0039】
中継部材50は、中心軸線Cに沿うように配置された略棒状の操作シャフトからなり、操作ユニット40(弾性部材42)とスイッチ素子61との間に介在し、操作者による操作本体部41a(操作部材41)の押圧操作力をスイッチ素子61側へと伝えるものである。つまり、この場合、操作本体部41a(操作部材41)の操作(押圧操作)に伴って中継部材50(弾性部材42)の背後に配設されたスイッチ素子61が作動することで所定の機能を実行する。
【0040】
回路基板60は、例えばガラスエポキシ系基材に配線パターンが施された硬質配線基板からなり、スイッチ素子61と、情報表示体10の表示制御を行う制御部62と、抵抗、コンデンサ等の各種回路部品とが前記配線パターンに導通接続される。
【0041】
スイッチ素子61は、例えば回路基板60の前方側に表面実装されたタクトスイッチからなり、その作動部61aが中継部材50の前記下端面と対向するように前記配線パターンに導通接続されている。
【0042】
またスイッチ素子61は、操作者による操作本体部41aの押圧操作により中継部材50を通じてオン・オフ動作する。スイッチ素子61は、制御部62に切替信号を出力する作動部61aを有し、この作動部61aを通じて発せられた切替信号が制御部62に入力されると、制御部62は表示切替のための出力信号を情報表示体10に出力し、これにより例えばそれまで情報表示体10に表示されていた前記総走行距離情報を前記区間走行距離情報に切り替える(所定の機能を実行する)ことが可能となる。
【0043】
下部筐体70は、白色の合成樹脂材料によって形成された射出成型体であり、透視パネル30と対をなすように設けられ、その内部空間にて回路基板60等を収容する。
【0044】
また、下部筐体70は、ネジ固定等の適宜固定手段を用いて透視パネル30と固定され、回路基板60の背後側を覆う底壁部71と、側壁部34と対をなす周壁部72とを備える。底壁部71には、スイッチ素子61が実装された回路基板60箇所を支持する支持部71aが形成されている。
【0045】
固定部材80は、例えば黒色の合成樹脂材料によって形成された射出成形体であり、前方側から見たときの形状が壁部41cを包囲するような略コの字形状となっている(図1参照)。
【0046】
この固定部材80は、操作部材41が弾性部材42から取り外されるのを防止するために設けられたものであり、図7に示すように壁部41cのうち一対の壁部Y1、Y2の外側に設けられた膨出部Tを前方側から各々押さえ込むように固定するための固定部81を有する。なお、図7では、壁部Y1について図示してあるが、当然のことながら壁部Y2についても固定部81を利用した同様の固定構造となっている。
【0047】
そして、ネジ等の適宜固定手段を用いて固定部材80が透視パネル30に固定されることで、各固定部81が各膨出部Tを前方側から各々押さえ込み、これにより操作部材41が固定保持される。
【0048】
以上のように、本実施形態によれば操作部材41は、繋ぎ部33に対応する部分が欠落した状態で張出部32側に向けて延在する壁部41cを有し、張出部32に位置決め部32cを設け、操作部材41に位置決め部32cが位置決めされる被位置決め部41dを設けたものである。また張出部32に複数個の位置決め部32cを設け、操作部材41に複数個の位置決め部32cが各々位置決めされる複数個の被位置決め部41dを設け、複数個の位置決め部32cが張出部32と繋ぎ部33との境界付近に設けられるものである。
【0049】
従って、この場合、操作部材41の各被位置決め部41dと透視パネル30の各位置決め部32cとが欠落部Bの付近で嵌め合わされることで、透視パネル30に対し操作部材41が位置決め固定された状態となり、操作者が、この位置決め固定された状態の操作部材41を指で押圧操作した際、操作部材41が図1中、左右方向または上下方向にぶれるのが防止され、操作部材41の操作性(もしくは操作部材41操作時の操作者に与える感触)に悪影響を及ぼす虞のない車両用計器Dを提供することができる。
【0050】
なお、本発明は、上述の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、実施形態及び図面に変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。
【0051】
例えば、上述した実施形態では、張出部32に複数個(例えば2つ)の位置決め部32cを設け、操作部材41に複数個(例えば2つ)の位置決め部32cが各々位置決めされる複数個(例えば2つ)の被位置決め部41dを設けたものであったが、これとは逆に、操作部材41に前記位置決め部を設けるとともに張出部32に前記位置決め部が各々位置決めされる前記被位置決め部を設けてもよい。要は、本発明においては、張出部32と操作部材41とのうち一方に前記位置決め部を設け、他方に前記位置決め部が位置決めされる前記被位置決め部を設けた構成であればよい。なお、前記位置決め部や前記被位置決め部の個数は1つでもよいし、3つ以上であってもよい。
【符号の説明】
【0052】
10 情報表示体
20 覆い部材
30 透視パネル(筐体)
31 透視部
32 張出部
32c 位置決め部
33 繋ぎ部
40 操作ユニット
41 操作部材
41a 操作部
41b 軸部
41c 壁部
41d 被位置決め部
42 弾性部材
42a 円筒部
42b 裾部
42c フランジ部
42d 円筒部
42e 円環部
50 中継部材
60 回路基板
61 スイッチ素子
61a 作動部
70 下部筐体
80 固定部材
B 欠落部
C 中心軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7