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特許7047592操作画面の表示装置、画像処理装置及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-28
(45)【発行日】2022-04-05
(54)【発明の名称】操作画面の表示装置、画像処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20220329BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20220329BHJP
   G06F 3/0482 20130101ALI20220329BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20220329BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20220329BHJP
【FI】
H04N1/00 350
G06F3/16 610
G06F3/0482
G03G21/00 386
B41J29/42 F
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2018097852
(22)【出願日】2018-05-22
(65)【公開番号】P2019205027
(43)【公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-04-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099885
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 健市
(72)【発明者】
【氏名】中田 正樹
【審査官】西谷 憲人
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-208798(JP,A)
【文献】特開2007-021808(JP,A)
【文献】特開2014-218075(JP,A)
【文献】特開2003-005897(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06F 3/16
G06F 3/0482
G03G 21/00
B41J 29/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置を操作するための操作画面の表示装置であって、
表示手段と、
操作手段と、
ジョブの実行に際し、ジョブの動作条件の1個または複数個の設定項目を有する操作画面を、前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記操作画面に表示された少なくとも1個の設定項目に対して前記操作手段を介して行われたユーザーの操作入力を受け付ける第1の受付手段と、
前記操作画面における少なくとも1個の設定項目に対して音声入力装置を介して行われたユーザーの音声入力を、前記第1の受付手段によるユーザーの操作入力を受け付け可能な状態で受け付ける第2の受付手段と、
を備え、
前記第2の受付手段による音声入力の受付時には、前記表示制御手段は、音声入力に適した設定項目を操作画面から削除し、操作入力に適した設定項目を有する操作画面を前記表示手段に表示することを特徴とする操作画面の表示装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、削除した前記設定項目以外の設定項目を再配置した操作画面を前記表示手段に表示する請求項1に記載の操作画面の表示装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、削除した前記設定項目に代えて、前記操作入力に適した設定項目を操作画面に追加表示する請求項1または2に記載の操作画面の表示装置。
【請求項4】
前記操作入力に適した設定項目は、設定入力を図示によって行う項目、複数の設定の組み合わせによって機能を指定する項目、設定値が桁数の多い数値である項目、のうちの少なくとも何れかである請求項3に記載の操作画面の表示装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、再配置される設定項目の大きさを変更した操作画面を前記表示手段に表示させる請求項2~4の何れかに記載の操作画面の表示装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記第2の受付手段により音声入力が受け付けられた設定項目に関係した設定項目を優先して操作画面に表示する請求項2~5の何れかに記載の操作画面の表示装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記第2の受付手段により音声入力が受け付けられた設定項目の下位階層の設定項目を優先して操作画面に表示する請求項6に記載の操作画面の表示装置。
【請求項8】
表示手段と、
操作手段と、
ジョブの実行に際し、ジョブの動作条件の1個または複数個の設定項目を有する操作画面を、前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記操作画面に表示された少なくとも1個の設定項目に対して前記操作手段を介して行われたユーザーの操作入力を受け付ける第1の受付手段と、
前記操作画面における少なくとも1個の設定項目に対して音声入力装置を介して行われたユーザーの音声入力を受け付ける第2の受付手段と、
前記第2の受付手段により音声入力が受け付けられた設定項目を記憶する記憶手段と、
を備え、
前記第2の受付手段による音声入力の受付時には、前記表示制御手段は、音声入力に適した設定項目を削除した操作画面を、前記表示手段に表示するとともに、前記記憶手段に記憶されている、前記第2の受付手段により音声入力が受け付けられた設定項目を優先して削除することを特徴とする操作画面の表示装置。
【請求項9】
前記表示制御手段は、前記記憶手段に記憶されている設定項目であっても、その後に第1の受付手段により操作入力が受け付けられた設定項目については、削除しない請求項8に記載の操作画面の表示装置。
【請求項10】
表示手段と、
操作手段と、
ジョブの実行に際し、ジョブの動作条件の1個または複数個の設定項目を有する操作画面を、前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記操作画面に表示された少なくとも1個の設定項目に対して前記操作手段を介して行われたユーザーの操作入力を受け付ける第1の受付手段と、
前記操作画面における少なくとも1個の設定項目に対して音声入力装置を介して行われたユーザーの音声入力を受け付ける第2の受付手段と、
前記第1の受付手段により操作入力が受け付けられた設定項目を記憶する記憶手段と、
を備え、
前記第2の受付手段による音声入力の受付時には、前記表示制御手段は、音声入力に適した設定項目を削除した操作画面を、前記表示手段に表示するとともに、前記記憶手段に記憶されている、前記第1の受付手段により操作入力が受け付けられた設定項目を優先して操作画面に表示することを特徴とする操作画面の表示装置。
【請求項11】
前記表示制御手段は、前記記憶手段に記憶されている、前記第1の受付手段により操作入力が受け付けられた設定項目であっても、その後に第2の受付手段により音声入力が受け付けられた設定項目は削除する請求項10に記載の操作画面の表示装置。
【請求項12】
自装置が起動したときの初期状態では、前記表示制御手段は、前記操作入力に適した設定項目を有する操作画面を表示する請求項1~11の何れかに記載の操作画面の表示装置。
【請求項13】
音声入力モードで自装置がスリープモードに移行したときは、スリープモードから復帰しても音声入力モードが維持される請求項12に記載の操作画面の表示装置。
【請求項14】
前記第2の受付手段による音声入力の受付が連続的に行われた場合、前記表示制御手段はその都度、前記音声入力に適した設定項目を削除する請求項1~13の何れかに記載の操作画面の表示装置。
【請求項15】
前記第2の受付手段による音声入力の受付後に、前記第1の受付手段による操作入力の受付が連続して行われた場合、前記表示制御手段は、前記音声入力に適した設定項目を削除しない操作入力用の操作画面を前記表示手段に表示する請求項1~14の何れかに記載の操作画面の表示装置。
【請求項16】
前記表示制御手段は、ユーザーに応じた操作画面を前記表示手段に表示する請求項1~15の何れかに記載の操作画面の表示装置。
【請求項17】
ユーザーに応じた操作画面は、初期画面において表示される操作画面である請求項16に記載の操作画面の表示装置。
【請求項18】
ユーザーに応じて表示される操作画面は、前記第2の受付手段による音声入力の受付後の操作画面である請求項16に記載の操作画面の表示装置。
【請求項19】
表示手段と、
操作手段と、
ジョブの実行に際し、ジョブの動作条件の1個または複数個の設定項目を有する操作画面を、前記表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記操作画面に表示された少なくとも1個の設定項目に対して前記操作手段を介して行われたユーザーの操作入力を受け付ける第1の受付手段と、
前記操作画面における少なくとも1個の設定項目に対して音声入力装置を介して行われたユーザーの音声入力を受け付ける第2の受付手段と、
ユーザー毎の情報を記憶する記憶手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記記憶手段に記憶された情報に基づいてユーザーに応じた操作画面を前記表示手段に表示し、
前記記憶手段に記憶されるユーザー毎の情報は、前記第2の受付手段により音声入力が受け付けられた設定項目、前記第2の受付手段により音声入力が受け付けられた設定項目の設定順序、前記第2の受付手段により音声入力が受け付けられた設定項目の設定頻度、前記第1の受付手段により操作入力が受け付けられた設定項目、前記第1の受付手段により操作入力が受け付けられた設定項目の設定順序、前記第1の受付手段により操作入力が受け付けられた設定項目の設定頻度、のうちの少なくとも一つであることを特徴とする操作画面の表示装置。
【請求項20】
請求項1~19の何れかに記載の操作画面の表示装置を備えた画像処理装置。
【請求項21】
画像形成装置を操作するための操作画面の表示装置であって、表示手段と操作手段を有する操作画面の表示装置のコンピュータに、
ジョブの実行に際し、ジョブの動作条件の1個または複数個の設定項目を有する操作画面を、前記表示手段に表示させる表示制御ステップと、
前記操作画面に表示された少なくとも1個の設定項目に対して前記操作手段を介して行われたユーザーの操作入力を受け付ける第1の受付ステップと、
音声入力モードにおいて、前記操作画面における少なくとも1個の設定項目に対して音声入力装置を介して行われたユーザーの音声入力を、前記第1の受付ステップによるユーザーの操作入力を受け付け可能な状態で受け付ける第2の受付ステップと
を実行させ、
前記第2の受付ステップによる音声入力の受付時には、前記表示制御ステップでは、音声入力に適した設定項目を操作画面から削除し、操作入力に適した設定項目を有する操作画面を前記表示手段に表示する処理を、前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像処理装置等により実行されるジョブの動作条件を設定するための操作画面を表示可能な操作画面の表示装置、この操作画面の表示装置を備えた画像処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、MFP(Multi Function Peripheral)と称される多機能デジタル複合機等の画像処理装置として、ジョブの実行に際して動作条件の設定値の入力を、操作パネルや外部端末装置等からの操作により行うのに加え、マイク等の音声入力装置を介してユーザーの音声により行うことが可能な装置が、従来より知られている。
【0003】
音声入力は直感的な操作を可能とし、また操作パネル等の操作による操作入力の場合のような階層構造の操作画面を辿っていく必要がないため、素早い入力が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-162691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、入力する音声を思いつかない場合や、複数の設定値の組み合わせによって機能を指定するような場合には、音声入力が困難であるという課題がある。
【0006】
従って、音声入力による設定を行っている状況下であっても、上記のように音声入力が困難な場合には、音声入力と併せて操作パネル等の操作手段による操作入力も行われているのが現状であり、このため両入力方式を併用する場合に効率良く入力を行うための技術が求められている。
【0007】
なお、特許文献1には、音声入力による操作が可能なメニューがどのメニューであるかをユーザに容易に認識してもらうことができる車載情報端末として、複数配置される操作ボタンと、前記操作ボタンによる手動操作が可能な複数のメニューが表示されるディスプレイと、前記ディスプレイの表示を制御する表示制御手段と、音声受付手段とを備え、前記操作ボタンによる手動操作が可能な複数のメニューは、前記音声受付手段による音声操作も可能な第1類のメニューと、前記音声受付手段による音声操作が不能な第2類のメニューとを含み、前記表示制御手段は、前記第1類のメニューを前記第2類のメニューと識別可能な異なる態様で前記ディスプレイ上に同時に表示するものが開示されている。
【0008】
しかし、この技術では、音声入力可能な設定項目と不可能な設定項目をユーザーに明示することはできるものの、音声入力方式と操作入力方式が併用される場合に、効率良く入力を行うための解決策を提供するする技術ではなかった。
【0009】
この発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたものであって、音声入力方式と操作入力方式が併用される場合に、効率良くジョブの設定入力を行うことができる操作性に優れた操作画面の表示装置、画像処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的は、以下の手段によって達成される。
(1)画像形成装置を操作するための操作画面の表示装置であって、表示手段と、操作手段と、ジョブの実行に際し、ジョブの動作条件の1個または複数個の設定項目を有する操作画面を、前記表示手段に表示させる表示制御手段と、前記操作画面に表示された少なくとも1個の設定項目に対して前記操作手段を介して行われたユーザーの操作入力を受け付ける第1の受付手段と、前記操作画面における少なくとも1個の設定項目に対して音声入力装置を介して行われたユーザーの音声入力を、前記第1の受付手段によるユーザーの操作入力を受け付け可能な状態で受け付ける第2の受付手段と、を備え、前記第2の受付手段による音声入力の受付時には、前記表示制御手段は、音声入力に適した設定項目を操作画面から削除し、操作入力に適した設定項目を有する操作画面を前記表示手段に表示することを特徴とする操作画面の表示装置。
(2)前記表示制御手段は、削除した前記設定項目以外の設定項目を再配置した操作画面を前記表示手段に表示する前項1に記載の操作画面の表示装置。
(3)前記表示制御手段は、削除した前記設定項目に代えて、前記操作入力に適した設定項目を操作画面に追加表示する前項1または2に記載の操作画面の表示装置。
(4)前記操作入力に適した設定項目は、設定入力を図示によって行う項目、複数の設定の組み合わせによって機能を指定する項目、設定値が桁数の多い数値である項目、のうちの少なくとも何れかである前項3に記載の操作画面の表示装置。
(5)前記表示制御手段は、再配置される設定項目の大きさを変更した操作画面を前記表示手段に表示させる前項2~4の何れかに記載の操作画面の表示装置。
(6)前記表示制御手段は、前記第2の受付手段により音声入力が受け付けられた設定項目に関係した設定項目を優先して操作画面に表示する前項2~5の何れかに記載の操作画面の表示装置。
(7)前記表示制御手段は、前記第2の受付手段により音声入力が受け付けられた設定項目の下位階層の設定項目を優先して操作画面に表示する前項6に記載の操作画面の表示装置。
(8)表示手段と、操作手段と、ジョブの実行に際し、ジョブの動作条件の1個または複数個の設定項目を有する操作画面を、前記表示手段に表示させる表示制御手段と、前記操作画面に表示された少なくとも1個の設定項目に対して前記操作手段を介して行われたユーザーの操作入力を受け付ける第1の受付手段と、前記操作画面における少なくとも1個の設定項目に対して音声入力装置を介して行われたユーザーの音声入力を受け付ける第2の受付手段と、前記第2の受付手段により音声入力が受け付けられた設定項目を記憶する記憶手段と、を備え、前記第2の受付手段による音声入力の受付時には、前記表示制御手段は、音声入力に適した設定項目を削除した操作画面を、前記表示手段に表示するとともに、前記記憶手段に記憶されている、前記第2の受付手段により音声入力が受け付けられた設定項目を優先して削除することを特徴とする操作画面の表示装置。
(9)前記表示制御手段は、前記記憶手段に記憶されている設定項目であっても、その後に第1の受付手段により操作入力が受け付けられた設定項目については、削除しない前項8に記載の操作画面の表示装置。
(10)表示手段と、操作手段と、ジョブの実行に際し、ジョブの動作条件の1個または複数個の設定項目を有する操作画面を、前記表示手段に表示させる表示制御手段と、前記操作画面に表示された少なくとも1個の設定項目に対して前記操作手段を介して行われたユーザーの操作入力を受け付ける第1の受付手段と、前記操作画面における少なくとも1個の設定項目に対して音声入力装置を介して行われたユーザーの音声入力を受け付ける第2の受付手段と、前記第1の受付手段により操作入力が受け付けられた設定項目を記憶する記憶手段と、を備え、前記第2の受付手段による音声入力の受付時には、前記表示制御手段は、音声入力に適した設定項目を削除した操作画面を、前記表示手段に表示するとともに、前記記憶手段に記憶されている、前記第1の受付手段により操作入力が受け付けられた設定項目を優先して操作画面に表示することを特徴とする操作画面の表示装置。
(11)前記表示制御手段は、前記記憶手段に記憶されている、前記第1の受付手段により操作入力が受け付けられた設定項目であっても、その後に第2の受付手段により音声入力が受け付けられた設定項目は削除する前項10に記載の操作画面の表示装置。
(12)自装置が起動したときの初期状態では、前記表示制御手段は、前記操作入力に適した設定項目を有する操作画面を表示する前項1~11の何れかに記載の操作画面の表示装置。
(13)前記音声入力モードで自装置がスリープモードに移行したときは、スリープモードから復帰しても音声入力モードが維持される前項12に記載の操作画面の表示装置。
(14)前記第2の受付手段による音声入力の受付が連続的に行われた場合、前記表示制御手段はその都度、前記音声入力に適した設定項目を削除する前項1~13の何れかに記
載の操作画面の表示装置。
(15)前記第2の受付手段による音声入力の受付後に、前記第1の受付手段による操作入力の受付が連続して行われた場合、前記表示制御手段は、前記音声入力に適した設定項目を削除しない操作入力用の操作画面を前記表示手段に表示する前項1~14の何れかに記載の操作画面の表示装置。
(16)前記表示制御手段は、ユーザーに応じた操作画面を前記表示手段に表示する前項1~15の何れかに記載の操作画面の表示装置。
(17)ユーザーに応じた操作画面は、初期画面において表示される操作画面である前項16に記載の操作画面の表示装置。
(18)ユーザーに応じて表示される操作画面は、前記第2の受付手段による音声入力の受付後の操作画面である前項16に記載の操作画面の表示装置。
(19)表示手段と、操作手段と、ジョブの実行に際し、ジョブの動作条件の1個または複数個の設定項目を有する操作画面を、前記表示手段に表示させる表示制御手段と、前記操作画面に表示された少なくとも1個の設定項目に対して前記操作手段を介して行われたユーザーの操作入力を受け付ける第1の受付手段と、前記操作画面における少なくとも1個の設定項目に対して音声入力装置を介して行われたユーザーの音声入力を受け付ける第2の受付手段と、ユーザー毎の情報を記憶する記憶手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記記憶手段に記憶された情報に基づいてユーザーに応じた操作画面を前記表示手段に表示し、前記記憶手段に記憶されるユーザー毎の情報は、前記第2の受付手段により音声入力が受け付けられた設定項目、前記第2の受付手段により音声入力が受け付けられた設定項目の設定順序、前記第2の受付手段により音声入力が受け付けられた設定項目の設定頻度、前記第1の受付手段により操作入力が受け付けられた設定項目、前記第1の受付手段により操作入力が受け付けられた設定項目の設定順序、前記第1の受付手段により操作入力が受け付けられた設定項目の設定頻度、のうちの少なくとも一つであることを特徴とする操作画面の表示装置。
(20)前項1~19の何れかに記載の操作画面の表示装置を備えた画像処理装置。
(21)画像形成装置を操作するための操作画面の表示装置であって、表示手段と操作手段を有する操作画面の表示装置のコンピュータに、ジョブの実行に際し、ジョブの動作条件の1個または複数個の設定項目を有する操作画面を、前記表示手段に表示させる表示制御ステップと、前記操作画面に表示された少なくとも1個の設定項目に対して前記操作手段を介して行われたユーザーの操作入力を受け付ける第1の受付ステップと、音声入力モードにおいて、前記操作画面における少なくとも1個の設定項目に対して音声入力装置を介して行われたユーザーの音声入力を、前記第1の受付ステップによるユーザーの操作入力を受け付け可能な状態で受け付ける第2の受付ステップとを実行させ、前記第2の受付ステップによる音声入力の受付時には、前記表示制御ステップでは、音声入力に適した設定項目を操作画面から削除し、操作入力に適した設定項目を有する操作画面を前記表示手段に表示する処理を、前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0011】
前項(1)に記載の発明によれば、画像形成装置を操作するための操作画面の表示装置は、表示手段に表示された操作画面に表示されたジョブの動作条件の1個または複数個の設定項目のうち、少なくとも1個の設定項目に対して操作手段を介して行われたユーザーの操作入力を受け付ける第1の受付手段と、操作画面における少なくとも1個の設定項目に対して音声入力装置を介して行われたユーザーの音声入力を、第1の受付手段によるユーザーの操作入力を受け付け可能な状態で受け付ける第2の受付手段とを備えている。そして、第2の受付手段による音声入力の受付時には、ユーザーは、音声入力に適した設定項目については音声入力を使用するものと考えられることから、音声入力に適した設定項目を削除し、操作入力に適した設定項目を有する操作画面を表示手段に表示する。これにより、効率良くジョブの設定入力を行うことができる操作性に優れた操作画面の表示装置とすることができる。
【0012】
前項(2)に記載の発明によれば、削除した設定項目以外の設定項目を再配置した操作画面が表示されるから、ユーザーが効率的に操作しやすい操作画面を表示することができる。
【0013】
前項(3)に記載の発明によれば、削除した設定項目に代えて、操作入力に適した設定項目が操作画面に追加表示されるから、操作入力に適した設定項目の表示個数を増やすことができ、より効率的な設定値の入力を行うことができる。
【0014】
前項(4)に記載の発明によれば、設定入力を図示によって行う項目、複数の設定の組み合わせによって機能を指定する項目、設定値が桁数の多い数値である項目、のうちの少なくとも何れかの設定項目を、削除された設定項目に代えて操作画面に表示できる。
【0015】
前項(5)に記載の発明によれば、再配置される設定項目の大きさを変更した操作画面が表示手段に表示されるから、ユーザーの見やすい大きさで表示することができる。
【0016】
前項(6)に記載の発明によれば、第2の受付手段により音声入力が受け付けられた設定項目に関係した設定項目が優先して操作画面に表示されるから、操作入力と音声入力とを組み合わせたときの設定入力を効率よく行うことができる。
【0017】
前項(7)に記載の発明によれば、第2の受付手段により音声入力が受け付けられた設定項目の下位階層の設定項目が優先して操作画面に表示されるから、操作入力と音声入力とを組み合わせたときの設定入力を効率よく行うことができる。
【0018】
前項(8)に記載の発明によれば、記憶手段に記憶されている、音声入力が受け付けられた設定項目が優先して削除されるから、過去の実績に基づいて音声入力される可能性が低いと推測される設定項目を優先して削除することができる。
【0019】
前項(9)に記載の発明によれば、記憶手段に記憶されている設定項目であっても、その後に操作入力が受け付けられた設定項目については、操作入力される可能性があると推測されることから、削除しないようにして、良好な操作性を確保する。
【0020】
前項(10)に記載の発明によれば、記憶手段に記憶されている、操作入力が受け付けられた設定項目が優先して操作画面に表示されるから、過去の実績に基づいて操作入力される可能性が高いと推測される設定項目を優先的に表示することができる。
【0021】
前項(11)に記載の発明によれば、記憶手段に記憶されている、操作入力が受け付けられた設定項目であっても、その後に音声入力が受け付けられた設定項目は、音声入力される可能性が高いと推測されることから、削除される。
【0022】
前項(12)に記載の発明によれば、自装置が起動したときの初期状態では、音声入力モードはオフになっており、従って操作入力に適した設定項目を有する操作画面が表示される。
【0023】
前項(13)に記載の発明によれば、音声入力モードで自装置がスリープモードに移行したときは、スリープモードから復帰しても音声入力モードが維持されるから、ユーザーはそのまま第2の受付手段による設定値の入力を行うことができる。
【0024】
前項(14)に記載の発明によれば、第2の受付手段による音声入力の受付が連続的に行われた場合はその都度、音声入力に適した設定項目が削除される。
【0025】
前項(15)に記載の発明によれば、音声入力の受付後に、操作入力の受付が連続して行われた場合、ユーザーは操作入力を行うことが予測されるから、音声入力に適した設定項目を削除しない操作入力用の操作画面が表示される。
【0026】
前項(16)に記載の発明によれば、表示する操作画面をユーザーに応じて変更することができ、各ユーザーにとって使い勝手の良いものとなる。
【0027】
前項(17)に記載の発明によれば、初期画面において表示される操作画面をユーザーに応じて表示することができる。
【0028】
前項(18)に記載の発明によれば、第2の受付手段による音声入力の受付後の操作画面を、ユーザーに応じて表示することができる。
【0029】
前項(19)に記載の発明によれば、第2の受付手段により音声入力が受け付けられた設定項目、音声入力が受け付けられた設定項目の設定順序、音声入力が受け付けられた設定項目の設定頻度、第1の受付手段により操作入力が受け付けられた設定項目、操作入力が受け付けられた設定項目の設定順序、操作入力が受け付けられた設定項目の設定頻度、のうちの少なくとも一つを記憶手段に記憶し、この記憶された情報に基づいてユーザーに応じた操作画面が表示される。
【0030】
前項(20)に記載の発明によれば、効率良く設定値の入力を行うことができる操作性に優れた操作画面の表示装置を備えた画像処理装置となる。
【0031】
前項(21)に記載の発明によれば、画像形成装置を操作するための操作画面の表示装置のコンピュータに、第2の受付ステップによる音声入力の受付時には、音声入力に適した設定項目を操作画面から削除し、操作入力に適した設定項目を有する操作画面を、表示手段に表示する処理を実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】この発明の一実施形態に係る操作画面の表示装置を備えた画像処理装置としての画像形成装置の構成を示すブロック図である。
図2】ジョブの実行に際し、ユーザーがジョブの動作条件を設定するための1個または複数個の設定項目に対して設定入力を行ったときの画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
図3】初期操作画面の一例を示す図である。
図4】音声入力に適した設定項目を削除した操作画面の一例を示す図である。
図5】削除した設定項目の代わりに、パネル入力に適した設定項目を追加した操作画面の一例を示す図である。
図6】記憶装置に記憶されたユーザーの履歴情報の一例を示す図である。
図7】ジョブの実行に際し、ユーザーがジョブの1個または複数個の設定項目に対して設定値の入力を行ったときに、ユーザーに応じたジョブの操作画面を表示する場合の画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
図8】この発明の他の実施形態の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0034】
図1は、この発明の一実施形態に係る操作画面の表示装置を備えた画像処理装置としての画像形成装置1の構成を示すブロック図である。この実施形態では、画像形成装置1として、コピー機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能、スキャン機能等を備えた多機能デジタル複合機である前述したMFPが用いられている。以下、画像形成装置をMFPともいう。
【0035】
図1に示すように、MFP1は、制御部100、記憶装置110、画像読取装置120、操作パネル130、画像出力装置140、プリンタコントローラ150及びネットワークインターフェイス(ネットワークI/F)160、無線通信インターフェース(無線通信I/F)170、認証部180、マイク190等を備え、互いにシステムバス175を介して接続されている。
【0036】
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、S-RAM(Static Random Access Memory)103、NV-RAM(Non Volatile RAM)104及び時計IC105等を備えている。
【0037】
CPU101は、ROM102等に保存されている動作プログラムを実行することにより、MFP1の全体を統括的に制御する。例えばコピー機能、プリンタ機能、スキャン機能、ファクシミリ機能等を実行可能に制御したり、ユーザーによる操作パネル135の操作入力を受け付けて、指示されたジョブの動作条件の設定値を設定する処理を行う。更にこの実施形態では、音声入力モードにおいて、マイク190から入力されたユーザーの音声入力を受け付けると共に、この音声入力を公知の音声認識技術を用いて解析することにより、ユーザーによって指示されたジョブの動作条件の設定値を設定する処理を行ったり、音声入力モードにおいて操作パネルの表示部134に表示される操作画面の表示内容を変更する等の処理を行うが、詳細は後述する。
【0038】
ROM102は、CPU101が実行するプログラムやその他のデータを格納する。
【0039】
S-RAM103は、CPU101がプログラムを実行する際の作業領域となるものであり、プログラムやプログラムを実行する際のデータ等を一時的に保存する。
【0040】
NV-RAM104は、バッテリでバックアップされた不揮発メモリであり、画像形成に係わる各種の設定等を記憶するものである。
【0041】
時計IC105は、時刻を計時すると共に、内部タイマーとして機能し処理時間の計測等を行う。
【0042】
記憶装置110は、ハードディスク等からなり、プログラムや各種データ等を保存する。特にこの実施形態では、ジョブの動作条件の設定値の入力方式、設定項目、設定値等についてユーザー毎の過去の履歴を記憶する。
【0043】
画像読取装置120は、スキャナ等を備え、プラテンガラス上にセットされた原稿を走査することによって読み取り、読み取った原稿を画像データに変換する。
【0044】
操作パネル130は、操作手段として、ユーザーがMFP1へジョブ等の指示や各種設定を行う際に用いられるものであり、リセットキー131、スタートキー132、ストップキー133、表示部134及びタッチパネル135等を備えている。
【0045】
リセットキー131は、設定をリセットする際に使用されるものであり、スタートキー132はスキャン等の開始操作に使用されるものであり、ストップキー133は動作を中断する場合等に押下されるものである。
【0046】
表示部134は、例えば液晶表示装置からなりメッセージや各種の操作画面等を表示するものであり、タッチパネル135は表示部134の画面上に形成され、ユーザーのタッチ操作を検出する。
【0047】
画像出力装置140は、画像読取装置120で読み取られた原稿の画像データや、端末装置3から送信されたプリントデータから生成された複写画像を用紙上に印字し印刷物として出力するものである。
【0048】
プリンタコントローラ150は、ネットワークインターフェース160によって受信されたプリントデータから複写画像を生成するものである。
【0049】
ネットワークI/F160は、ネットワーク4を介してデータの送受信を行う通信手段として機能し、無線通信I/F170は近距離無線通信により外部装置と通信を行うためのインターフェースである。
【0050】
認証部180はログインするユーザーの認証用情報を取得し、この認証用情報を予め固定記憶装置110等に保存されている照合用の情報と比較照合して認証を行うものである。なお、ユーザーの認証用情報と照合用の情報との比較照合は、外部の認証サーバーにより行い、認証部180が認証サーバーから認証結果を受信することにより認証が行われても良い。
【0051】
マイク190はユーザーの音声を入力する音声入力装置として機能するものである。
【0052】
次に、例えば印刷ジョブ等のジョブの実行に際し、ユーザーがジョブの動作条件を設定するための1個または複数個の設定項目に対して設定入力を行ったときのMFP1の動作を、図2のフローチャートを参照して説明する。図2のフローチャートに示される動作は、MFP1のCPU101がROM102等の記録媒体に格納された動作プログラムに従って動作することにより実行される。
【0053】
この実施形態では、操作パネル130の操作による操作入力(以下、パネル入力ともいう)と、マイク190を介してのユーザーの音声による音声入力が可能となっている。自装置が起動したときの初期状態や通常動作時には、音声入力モードはオフになっていてパネル入力が可能となっている。音声入力モードがオンになると、パネル入力と音声入力の両方が可能となる。従ってユーザーは音声入力を行いながら、音声入力が困難な設定項目についてはパネル入力により設定値を入力できるようになっている。
【0054】
音声モードをオンにする方法としては、限定はされないが、ユーザーがマイク190のスイッチをオンにする方法や、表示画面上の音声モードボタンを押してオンにする等の方法を挙げることができる。あるいは、音声入力を検知したときにオンになっても良い。
【0055】
なお、音声入力モードで操作パネル130を含む自装置がスリープモードに移行したときは、スリープモードから復帰しても音声入力モードが維持され、従ってユーザーはパネル入力と音声入力の両方が可能となっている。
【0056】
ステップS01でジョブ設定の開始指示を受け付ける。この例では、音声入力モードがオンとなっており、パネル入力と音声入力がいずれも可能となっているものとする。ジョブ設定の開始指示は、操作パネル130の操作によっても良いし、音声によっても良い。また、MFP1がユーザー認証を必要としている場合は、認証部180によるユーザー認証を行っても良い。ユーザー認証は操作パネル130から認証に必要な項目を入力することにより行われる。また、音声による話者識別によりユーザー認証を行っても良い。
【0057】
ステップS02では、1個又は複数個の設定項目を有する初期操作画面を表示部134に表示したのち、ステップS03で入力を受け付ける。
【0058】
図3に初期操作画面の一例を示す。この初期操作画面はパネル入力を想定したものであり、「カラー」「部数」「濃度」「フィニッシング」「画質」「両面設定」の各設定項目のボタンと、「スタート」「ストップ」ボタンが表示されている。「フィニッシング」ボタンは後処理装置によるステープル処理やパンチ処理等を設定するためのボタンである。
【0059】
ステップS04では、受け付けた入力がジョブ生成指示の入力であるかどうかを調べ、ジョブ生成指示の入力でなければ(ステップS04でNO)、ステップS05に進み、音声入力かどうかを判断する。音声入力であれば(ステップS05でYES)、ステップS06で、操作画面から音声入力に適した設定項目のボタンを削除したのち、ステップS07で、入力内容を反映すると共にパネル入力に適した設定項目のボタンのみを有する操作画面に変更する。そしてステップS08で、表示内容を変更した操作画面を表示部134に表示したのち、ステップS03に戻る。
【0060】
ステップS03で再度の入力を受け付け、それが音声入力であった場合(ステップS05でYES)、ステップS06で、操作画面から音声入力に適した設定項目のボタンが削除される。このように、音声入力の受付が連続的に行われた場合、その都度、音声入力に適した設定項目が削除される。
【0061】
ステップS05において、音声入力でなければ(ステップS05でNO)、ステップS07で、通常のパネル入力の場合と同様に、入力内容を反映するとともに音声入力に適した設定項目を削除しない操作画面を表示部134に表示したのち、ステップS03に戻る。
【0062】
なお、音声入力の受付後、操作入力の受付が連続して行われた場合に、音声入力に適した設定項目を削除しない操作入力用の操作画面を表示部134に表示する構成としても良い。音声入力の受付後、操作入力の受付が連続して行われた場合は、ユーザーは音声入力では無く操作入力を継続して行う可能性が高いことが予測されるからである。
【0063】
ステップS04で、受け付けた入力がジョブ生成指示であれば(ステップS04でYES)、入力済みの設定値が設定されたジョブを生成するため、本処理を終了する。
【0064】
図4に、音声入力に適した設定項目のボタンを削除した操作画面の一例を示す。図4の例では、ステップS03で受け付けた入力が音声入力によるカラーモードの設定入力であった場合に、図3に示した初期操作画面から「カラー」ボタンを削除すると共に、その他音声入力に適した項目として「部数」「両面設定」の各設定項目のボタンも併せて削除する。そして、図5に示すように、削除した設定項目のボタンの代わりに、パネル入力に適した設定項目のボタンとして、「拡大率」「レイアウト」「セキュリティ」の各ボタンを表示する。また、音声認識モード(音声入力モード)であることを示すメッセージと「戻す」ボタンも表示される。「戻す」ボタンが押されると、通常のパネル入力の場合の操作画面に戻る。
【0065】
パネル入力に特に適した設定項目の一例としては、設定入力を図示によって行う設定項目、複数の設定の組み合わせによって機能を指定する設定項目、設定値が桁数の多い数値である設定項目、のうちの少なくとも何れかを挙げることができる。設定値の入力を図示によって行う設定項目としては、例えばステープルの位置を図示で設定する場合であり、複数の設定値の組み合わせによって機能を指定する設定項目としては、例えば、1枚の縦向き用紙に4ページを集約印刷する「縦向き4in1」を指定する場合に、「縦向き」の設定と「4in1」の設定の2回の設定で指定する場合である。
【0066】
また、音声による話者識別によりユーザー認証が行われた場合、または、入力を音声認識で開始した場合は、図3に示す初期操作画面をパネル入力に適した設定項目のボタンのみが表示された画面としても良い。
【0067】
なお、図5の例では、削除した設定項目の代わりに、パネル入力に適した設定項目のボタンである「拡大率」「レイアウト」「セキュリティ」の各ボタンを、削除した設定項目と同じ大きさで同じ位置に配置したが、削除した設定項目の代わりにパネル入力に適した設定項目のボタンを追加することなく、あるいは追加配置した状態で、各設定項目のボタンの大きさや配置を変えて、操作しやすくしてもよい。
【0068】
また、削除した設定項目のボタンの代わりに、音声入力された設定項目に関係した設定項目のボタンを優先して操作画面に表示してもよいし、あるいは音声入力された設定項目の下位階層の設定項目のボタンを優先して操作画面に表示してもよい。音声入力された設定項目に関係した項目としては、例えば「カラー」設定を行った場合の「色調」の設定項目があり、音声入力された設定項目の下位階層の設定項目としては、「とじ代」をオン設定した場合の「とじ代長さ」の設定項目がある。
【0069】
さらには、過去の入力内容に応じてパネル入力に適したもの、音声入力に適したものを変更してもよい。具体的には、各設定項目が音声入力及びパネル入力いずれで受け付けられたかを記憶装置110に記憶しておき、次回以降のジョブ設定時に反映してもよい。例えば、パネル表示をパネル入力に適したものに変更する際に、過去に音声入力で受け付けられている設定項目を優先して削除しても良い。この場合、音声入力で受け付けられている設定項目であっても、その後に操作入力が受け付けられたことのある設定項目については、その情報を記憶装置110に上書き保存しておき、操作画面から削除しないようにしても良い。あるいはさらに、操作入力で受け付けられている設定項目を優先して操作画面に表示してもよい。この場合、操作入力で受け付けられている設定項目であっても、その後に音声入力が受け付けられた設定項目については、その情報を記憶装置110に上書き保存しておき、削除しても良い。
【0070】
このような設定項目についての過去の実績及びそれに基づく設定項目の操作画面からの削除や操作画面への追加表示、あるいは初期操作画面の表示等は、ユーザー毎に行われても良い。この場合、記憶装置110には図6に示すような管理テーブルで示される履歴情報がユーザー毎に記憶される。
【0071】
図6の管理テーブルでは、「カラー」「部数」「濃度」「フィニッシング」などの各設定項目に対して、初期優先度及び音声操作可能かどうかが初期値として記憶されている。初期優先度は、音声入力が行われない場合の表示優先度である。
【0072】
さらに、過去のパネル入力及び音声入力の設定回数(受け付け回数)、設定履歴が記憶されている。設定履歴は直近の実績であり、各設定項目に対して一定数(図6の例では5個)保存されているが、記憶装置110の記憶容量が大きい場合は全ての履歴を保存してもよい。また、図示は省略したが、音声入力に基づいて設定が行われた設定項目の順序や、操作入力に基づいて設定が行われた設定項目の順序も、履歴情報として管理テーブルに記憶されていても良い。
【0073】
図6の管理テーブルに示したユーザー毎の履歴情報の内容を基に、操作画面を作成し表示部134に表示する。音声入力モードでない場合、操作画面にはパネル入力に適した設定項目のボタンと音声入力に適した設定項目のボタンの両方が表示されるため、過去に設定された回数が多い設定項目のボタンから順に表示するようにしても良い。
【0074】
音声入力モードがオンになり音声入力による設定が開始された場合は、音声入力に適した設定項目のボタンを操作画面から削除し、パネル入力に適した設定項目のボタンのみが表示された操作画面に変更する。この場合は、例えば、過去にパネル入力で設定された回数が多い設定項目のボタンを優先して表示しても良い。また、パネル入力で設定された回数が多い設定項目であっても、音声入力で設定された回数がそれ以上多い場合は表示しないのが良い。さらに、設定履歴を基に、過去に音声入力を連続して行った設定項目のボタンは表示せず、過去にパネル入力を連続して行った設定項目のボタンは優先して表示するようにしても良い。
【0075】
また、音声操作可能でない設定項目のボタンは、音声入力時の操作画面に優先して表示するのが良い。
【0076】
図7は、印刷ジョブ等のジョブの実行に際し、ユーザーがジョブの1個または複数個の設定項目に対して設定値の入力を行ったときに、ユーザーに応じたジョブの操作画面を表示する場合のMFP1の動作を示すフローチャートである。図7のフローチャートに示される動作は、MFP1のCPU101がROM102等の記録媒体に格納された動作プログラムに従って動作することにより実行される。
【0077】
ステップS11でユーザー認証を行いユーザーを特定する。次いでステップS12でジョブ設定の開始指示を受け付けたのち、ステップS13で、ユーザー毎に記憶装置110に記憶され管理テーブル(図6に示す)で管理されている履歴情報を取得した後、ステップS14で、履歴情報に応じた設定項目のボタンを有する操作画面を表示する。
【0078】
次にステップS15で入力を受け付け、ステップS16で、受け付けた入力がジョブ生成指示の入力であるかどうかを調べる。ジョブ生成指示の入力でなければ(ステップS16でNO)、ステップS17に進み、音声入力かどうかを判断する。音声入力であれば(ステップS17でYES)、ステップS18で、履歴情報を基に、操作画面から音声入力に適した設定項目のボタンを削除する。ステップS19では、入力内容を反映すると共に、履歴情報を基にパネル入力に適した設定項目のボタンのみを有する操作画面に変更したのち、ステップS20に進む。
【0079】
ステップS17において、音声入力でなければ(ステップS17でNO)、そのままステップS20に進む。
【0080】
ステップS20では、今回設定された設定項目や入力方式等をユーザーの管理テーブルに保存し、ステップS21で、操作画面を表示部134に表示したのち、ステップS15に戻る。パネル入力の場合は、通常のパネル入力の場合と同様に、入力内容を反映した操作画面を表示部134が表示される。
【0081】
ステップS16で、受け付けた入力がジョブ生成指示であれば(ステップS16でYES)、今までに入力された設定値が設定されたジョブを生成するため、本処理を終了する。
【0082】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることはない。例えば、操作画面の表示装置がMFP1に備えられている場合を説明したが、図8に示すように、MFP1等の画像処理装置を操作するための操作画面を、プリンタドライバ等のアプリケーションに基づいて表示部に表示可能で、かつ操作手段による操作画面の操作が可能であり、ジョブの動作条件の設定と共にジョブの実行指示をネットワーク3を介してMFP1に送信可能な情報処理装置である端末装置4に備えられていても良い。端末装置4としては、デスクトップ型パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等を挙げることができる。
【0083】
端末装置4は音声入力装置2を介してユーザーの音声入力データを受領し、MFP1の場合と同様に、表示部の操作画面の表示内容を変更する。
【0084】
また、音声入力装置2はMFP1や端末装置4に備えられていても良いし、MFP1や端末装置4と別体で構成され、ネットワーク3を介して音声データがMFP1や端末装置4に入力される構成であっても良い。
【符号の説明】
【0085】
1 MFP(画像処理装置)
2 マイク(音声入力装置)
3 ネットワーク
4 携帯端末装置(操作手段)
100 制御部
101 CPU
102 ROM
103 RAM
110 記憶装置
130 操作パネル(操作手段)
134 表示部
140 画像出力装置
160 ネットワークインターフェース
190 マイク(音声入力装置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8