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特許7048000放送情報信号を送受信するための送信機および/または受信機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-28
(45)【発行日】2022-04-05
(54)【発明の名称】放送情報信号を送受信するための送信機および/または受信機
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20220329BHJP
   H04W 4/06 20090101ALI20220329BHJP
【FI】
H04L27/26 113
H04W4/06
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020537704
(86)(22)【出願日】2018-11-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-04-22
(86)【国際出願番号】 EP2018082421
(87)【国際公開番号】W WO2019137682
(87)【国際公開日】2019-07-18
【審査請求日】2020-08-28
(31)【優先権主張番号】102018000000832
(32)【優先日】2018-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】511109386
【氏名又は名称】インスティテュート フューア ランドファンクテクニック ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】メンゼル、クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】モルガデ プリエト、ハビエル
(72)【発明者】
【氏名】ギメネズ ガンディア、ジョルディ ジョアン
【審査官】川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/164069(WO,A1)
【文献】特表2015-512167(JP,A)
【文献】国際公開第2010/032850(WO,A1)
【文献】特表2017-529719(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H04W 4/06
H04H 20/28 - 20/36
3GPP TSG RAN WG1-4
3GPP TSG SA WG1-2
3GPP TSG CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送情報信号のマルチプレックスを受信するための入力部と、放送情報信号の前記マルチプレックスのデータのブロックをエンコードしてデータのエンコードされたブロックを生成するためのエンコーダユニットと、データの前記エンコードされたブロックを放送伝送信号のメディア放送サブフレーム内に記録するためのマルチプレクサユニットとを備え、一つまたは複数の放送情報信号のマルチプレックスを、伝送媒体を介して放送伝送モードで伝送するためのOFDMに基づく送信機において、前記送信機は、さらに、一つまたは複数の放送情報信号の第二のマルチプレックスを受信するように設定されていて、前記エンコーダユニットは、放送情報信号の前記第二のマルチプレックスのデータのブロックをエンコードしてデータの第二のエンコードされたブロックを生成するように設定されていて、前記マルチプレクサユニットは、さらに、放送伝送信号の同じメディア放送サブフレーム内にデータの前記第二のエンコードされたブロックを記録するように設定されており
前記送信機は、制御信号を生成するための制御信号生成ユニットを備え、前記制御信号は、前記マルチプレックスのおよび前記第二のマルチプレックスの前記エンコードされた複数のブロックがメディア放送サブフレーム内のどこにあるのかを示す位置についての尺度であり、
前記マルチプレクサユニットは、前記制御信号をフレームの前記同じメディア放送サブフレーム内の第一のOFDMシンボルに格納するように設定され、
前記マルチプレクサユニットは、さらに、前記制御信号を、伝送チャンネルの中心周波数の周囲のスペクトル的に隣接するリソースブロック内に格納するように設定されている、
OFDMに基づく送信機。
【請求項2】
放送伝送信号の前記マルチプレックスのデータのエンコードされた複数のブロックと、放送伝送信号の前記第二のマルチプレックスのデータのエンコードされた複数のブロックとは、それぞれ個別にデコード可能である、請求項1に記載のOFDMに基づく送信機。
【請求項3】
前記メディア放送サブフレームは、MBSFNサブフレームまたはeMBMSサブフレームである、請求項1または2に記載のOFDMに基づく送信機。
【請求項4】
記制御信号は、さらに前記マルチプレックスおよび前記第二のマルチプレックスのデータの前記エンコードされた複数のブロックのサイズについての尺度である、請求項1から3のいずれか1項に記載のOFDMに基づく送信機。
【請求項5】
前記送信機は、一つまたは複数のメディア放送サブフレームを含むフレームを伝送するための送信機であり、前記制御信号は、フレーム内の全てのメディア放送サブフレーム内の前記マルチプレックスのデータおよび前記第二のマルチプレックスのデータの前記エンコードされた複数のブロックのサイズについての尺度および/または前記マルチプレックスおよび前記第二のマルチプレックスの前記エンコードされたブロックがフレーム内の全てのメディア放送サブフレーム内のどこに存在するのかを示す位置についての尺度であり、前記マルチプレクサユニットは、前記フレーム内に前記制御信号を格納するように設定されている、請求項4に記載のOFDMに基づく送信機。
【請求項6】
前記制御信号生成ユニットは、さらに、第二の制御信号を生成するように設定されていて、前記第二の制御信号は、フレーム内の前記制御信号の位置についての尺度であり、前記マルチプレクサユニットは、さらに、前記フレーム内に前記第二の制御信号を格納するように設定されている、請求項5に記載のOFDMに基づく送信機。
【請求項7】
前記第二の制御信号は、前記制御信号が格納されているフレーム内のメディア放送サブフレームの位置についての尺度である、請求項に記載のOFDMに基づく送信機。
【請求項8】
前記マルチプレクサユニットは、システム情報ブロックメッセージ内に前記第二の制御信号を格納するように設定されている、請求項またはに記載のOLDMに基づく送信機。
【請求項9】
前記マルチプレクサユニットは、メディア放送サブフレームの非整数の数のリソースブロック内にマルチプレックスのデータのブロックを格納するように設定されている、請求項1から4のいずれか1項に記載のOLDMに基づく送信機。
【請求項10】
前記送信機は、LTE標準仕様と互換性があるか、またはxG標準仕様と互換性があり、xは、4に等しいかまたはより大きい整数である、請求項1からのいずれか1項記載のOFDMに基づく送信機。
【請求項11】
放送伝送信号を、放送受信モードで受信するためのOFDMに基づく受信機であって、前記放送伝送信号は、メディア放送サブフレームを含み、メディア放送サブフレームは、データのエンコードされたブロックを含み、前記エンコードされたブロックは、一つまたは複数の放送情報信号のマルチプレックスのデータのブロックをエンコードすることにより生成され、前記受信機は、前記放送伝送信号を受信するための入力部と、前記放送伝送信号から前記マルチプレックスのデータの前記エンコードされたブロックを抽出するためのデマルチプレクサユニットと、データの前記エンコードされたブロックをデコードして、一つまたは複数の放送情報信号の前記マルチプレックスのデータのブロックを得るためのデコーダユニットと、前記マルチプレックスから少なくとも一つの放送情報信号を出力するための出力部とを備えたOFDMに基づく受信機において、前記メディア放送サブフレームは、一つまたは複数の放送情報信号の第二のマルチプレックスのデータのエンコードされたブロックを含み、前記デマルチプレクサユニットは、さらに、放送伝送信号の前記第二のマルチプレックスのデータの前記エンコードされたブロックを抽出するように設定されていて、前記デコーダユニットは、さらに、前記第二のマルチプレックスのデータの前記エンコードされたブロックをデコードして、前記第二のマルチプレックスのデータのデコードされたブロックにするように設定されており
前記放送伝送信号は、制御信号を含み、前記制御信号は、前記マルチプレックスおよび前記第二のマルチプレックスのデータの前記エンコードされた複数のブロックがメディア放送サブフレーム内のどこに含まれているかを示す位置についての尺度であり、
前記制御信号は、フレームの第一のメディア放送サブフレーム内に記録されていて、さらに、前記デマルチプレクサユニットは、前記フレームの前記第一のメディア放送サブフレーム内の第一のOFDMシンボルから前記制御信号を抽出するように設定され、
前記デマルチプレクサユニットは、さらに、伝送チャンネルの中心周波数の周囲のスペクトル的に隣接するリソースブロックから、前記制御信号を抽出するように設定される、OFDMに基づく受信機。
【請求項12】
放送情報信号の前記マルチプレックスのデータの前記エンコードされた複数のブロックと、放送情報信号の前記第二のマルチプレックスのデータの前記エンコードされた複数のブロックとは、それぞれ個別にデコード可能である、請求項11に記載のOFDMに基づく受信機。
【請求項13】
前記メディア放送サブフレームは、MBSFNサブフレームまたはeMBMSサブフレームであり、前記デマルチプレクサユニットは、前記MBSFNサブフレームまたはeMBMSサブフレームから、前記マルチプレックスのデータおよび/または前記第二のマルチプレックスのデータの前記エンコードされたブロックを抽出するように設定されている、請求項11または12に記載のOFDMに基づく受信機。
【請求項14】
記制御信号は、さらに、前記マルチプレックスおよび前記第二のマルチプレックスのデータの前記エンコードされた複数のブロックのサイズについての尺度であり、前記デマルチプレクサユニットは、前記放送伝送信号から前記制御信号を抽出するように設定されていて、さらに前記デマルチプレクサユニットは、前記制御信号に応じてメディア放送サブフレームからマルチプレックスのデータのエンコードされたブロックを抽出するように設定されている、請求項11から13のいずれか1項に記載のOFDMに基づく受信機。
【請求項15】
前記受信機は、一つまたは複数のメディア放送サブフレームを含むフレームを受信するように設定されていて、前記制御信号は、前記マルチプレックスおよび前記第二マルチプレックスのデータの前記エンコードされた複数のブロックのサイズについての尺度および/または前記マルチプレックスおよび前記第二マルチプレックスのデータの前記エンコードされた複数のブロックが、フレーム内のメディア放送サブフレーム内のどこに含まれているのかを示す位置についての尺度であり、前記デマルチプレクサユニットは、フレームから前記制御信号を抽出するように設定されている、請求項14に記載のOFDMに基づく受信機。
【請求項16】
前記デマルチプレクサユニットは、さらに、フレームから第二の制御信号を抽出するように設定されていて、前記第二の制御信号は、フレーム内の前記制御信号の位置についての尺度である、請求項14に記載のOFDMに基づく受信機。
【請求項17】
前記デマルチプレクサユニットは、前記第二の制御信号に応じてメディア放送サブフレームから前記制御信号を抽出するように設定されている、請求項16に記載のOFDMに基づく受信機。
【請求項18】
前記デマルチプレクサユニットは、システム情報ブロックメッセージから前記第二の制御信号を抽出するように設定されている、請求項16または17に記載のOFDMに基づく受信機。
【請求項19】
前記デマルチプレクサユニットは、メディア放送サブフレームの非整数の数のリソースブロックからマルチプレックスのデータのエンコードされたブロックを抽出する、請求項11から14のいずれか1項に記載のOFDMに基づく受信機。
【請求項20】
前記受信機は、LTE標準仕様と互換性があるか、またはxG標準と互換性があり、xは、4に等しいかまたはより大きい整数である、請求項11から19のいずれか1項記載のOFDMに基づく受信機。
【請求項21】
メディア放送サブフレーム内に格納されている前記マルチプレックスのデータのエンコードされた複数のブロックは、それぞれ個別にアクセス可能であり、前記受信機は、前記メディア放送サブフレーム内に格納されているデータの前記エンコードされた複数のブロックの一つに個別にアクセスしかつ前記メディア放送サブフレームからデータの前記ブロックを導出するように設定されている、請求項11から20のいずれか1項記載のOFDMに基づく受信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念による、放送伝送モードで、一つまたは複数の放送情報信号のマルチプレックスを送信するための送信機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の送信機は、米国特許出願公開第20130114497号明細書から公知である。
【0003】
本発明は、同様に、請求項13の上位概念による、放送受信モードで、一つの放送伝送信号を受信するための受信機にも関する。この種の受信機も同様に、米国特許出願公開第20130114497号明細書から公知である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明の説明
本発明の課題は、受信機と送信機との間での改善された放送伝送を実現することである。請求項1の上位概念による送信機は、第一の請求項の特徴部に定義されたように特徴付けられる。送信機の本発明による他の実施例は、従属請求項2~12に請求されている。受信機は、請求項13~25により特徴付けられる。
【0005】
本発明は、以下の発明思想に基づいている。
異なる受信可能範囲(つまり地方配信と全国配信)を有する放送番組を一つのマルチプレックスで配信する場合、供給境界域ではSFN(=単一周波数ネットワーク)運転でこのマルチプレックスを放送することができないという問題が生じる。
【0006】
理由は、隣接する送信機の隣接する供給領域内で放送される二つのマルチプレックスで、一つ(または複数)の番組が異なる場合、全体のマルチプレックスは、それぞれ隣接する供給領域では、SFN運転で放送できない、というのも両方のマルチプレックスは、コンテンツが異なるために互いに妨害するためである。SFNは、同一の信号またはマルチプレックスでのみ機能する。この問題は、基本的にマルチプレックスに基づく番組配信の場合、つまりDVB-T/T2、DAB/DAB+でも、さらにはLTEもしくは考えられる将来的なxGシステム(xは4に等しいかまたはより大きな整数である)の一つの範囲内のMBSFN(またはeMBMS)も存在する。
【0007】
しかしながら、LTEシステムまたはxGシステムでは(場合によってはDVBおよび/またはDABでも)、MBSFN(またはeMBMS)の現在のチャンネル構造の変更が可能であり、この変更がこの問題を明らかに低減し、それにより明らかにスペクトル効率のより良い放送配信に寄与している。
【0008】
この説明された問題は、確かに、基本的にマルチプレックスを用いてデジタル放送を配信する場合に存在する。しかしながら、それは、たとえばLTE-MBSFN(もしくはLTE-eMBMS)またはxG-MBSFN(もしくはxG-eMBMS)を用いて、オーディオ/ビデオプログラム(「テレビ」)だけでなく、純粋なラジオ(DAB-via-MBSFN/eMBMS)も、またはラジオ放送とテレビ放送との混合系を伝送する場合にも特に明らかになる。これについての理由は、個々のラジオ番組が、テレビよりも明らかに低いデータレートを有することにある(ラジオでは約128kbpsであるが、それに対してテレビでは1.5~4Mbpsである)。
【0009】
それにより、MBSFN(またはeMBMS)チャンネルあたり、テレビ番組よりも明らかに多いラジオ番組を伝送することができ、それにより、空間的に隣接するマルチプレックスコンテンツが地域的番組に関して異なるような上記の状況が出現する蓋然性は高くなる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の問題は、一つのMBSFN(またはeMBMS)チャンネルで、複数の明らかに分離可能なマルチプレックスを伝送することにより解決される。換言すると、一つまたは複数の放送情報信号の少なくとも二つの伝送されるべきマルチプレックスの各々について、メディア放送サブフレーム(たとえばMBSFNサブフレームまたはeMBMSサブフレーム)内で個別にエンコードされた複数のブロックが伝送されることにより、これらは受信機で受信される際に個別にアクセス可能で、かつまた個別にデコード可能である。明らかに分離可能または個別にデコード可能とは、マルチプレックスが、メディア放送サブフレーム(たとえばMBSFNサブフレームまたはeMBMSサブフレーム)の個別の物理リソースブロックまたは物理リソースブロックのグループに割り当てられることを意味する。このようなマルチプレックスが同一である場合、所属する物理リソースブロックまたはサブキャリアは、SFNモードで送ることができる。このようなマルチプレックスは、他のマルチプレックスにより妨害されない、というのもそのコンテンツは、他の物理リソースブロックもしくはサブキャリア上にあるためである。
【0011】
本発明の実施例の更なる利点は、メディア放送サブフレーム(たとえばMBSFNサブフレームまたはeMBMSサブフレーム)からマルチプレックスのデータのエンコードされたブロックを個別に読み取りかつ個別にデコードすることができることにより、受信機での計算の手間が大幅に軽減され、そのためバッテリーエネルギーが節約されることにある。
【0012】
今までのeMBMSと比べて、メディア放送サブフレーム(たとえばMBSFNサブフレームもしくはeMBMSサブフレーム)またはメディア放送チャンネル(たとえばMBSFNチャンネルもしくはeMBMSチャンネル)を、時間的に並行して個別のマルチプレックスが伝送されるサブキャリアおよび/またはPRB(物理リソースブロック)のグループに区分することは、新規である。この方法は、今まで存在しておらず、それによりマルチプレックスは常に、放送伝送フレーム(たとえばLTEフレームまたはxGフレーム)の少なくとも一つの完全なサブフレームを含んでいなければならなかった。
【0013】
それにより、簡単な実現の利点が生じる。放送伝送変調(たとえばLTE-OFDM変調またはxG変調)の今までの基本原理に関しては何も変わらない、というのも、たとえば、サブフレーム内のOFDMシンボルもしくはリソースエレメントの異なる長さまたはサブフレーム内の可変のサブキャリア距離を使用する必要がないためである。それにより、本発明の実施例の実現のために、使用されるOFDM方法の変更は必要ない。
【0014】
本発明の実施例の利点は、放送番組、特にラジオ番組のスペクトル効率のよい分配にある、それというのも、この場合に使用されるマルチプレックスはより小さく構成することができ、かつこの場合に比較的小さなマルチプレックスのいくつかをスペクトル効率のよいSFN運転に分配することができるためである(たとえば、全国の、広域番組用に)。これらのマルチプレックスは、いくつかの地方にだけ分配されるプログラムに悪い影響を及ぼさない、というのもこれらのマルチプレックスは分離されているためである。
【0015】
ここで、またさらに、マルチプレックスについて言及しているところでは、マルチプレックスとは、一つだけの放送情報信号であるか、または一緒に処理されかつ伝送される複数の放送情報信号であると解釈すべきであることを言及する必要がある。放送情報信号は、ここでは、ビデオ/テレビ情報信号であるか、またはビデオ/テレビ情報信号とそれに所属するオーディオ情報信号であるか、またはオーディオ情報信号だけであるか、または他の情報を含む情報信号であると解釈すべきである。
【0016】
さらに、特許請求の範囲で、第一に述べたマルチプレックスと第二のマルチプレックスとについて言及しているところでは、本発明の実施例は、もちろん三つまたはそれより多くのマルチプレックスを一つのメディア放送サブフレームで伝送する実施例を含むことを言及する必要がある。
【0017】
本発明の実施例を、以下の図面の説明に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】先行技術によるメディア放送サブフレーム(たとえばMBSFNサブフレーム)を表す。
図2】本発明によるメディア放送サブフレーム(たとえばMBSFNサブフレーム)の第一の実施例を表す。
図3】本発明によるメディア放送サブフレーム(たとえばMBSFNサブフレーム)の第二の実施例を表す。
図4】本発明によるメディア放送サブフレーム(たとえばMBSFNサブフレーム)の第三の実施例を表す。
図4A】本発明によるメディア放送サブフレーム(たとえばMBSFNサブフレーム)の第四の実施例を表す。
図5】本発明によるメディア放送サブフレーム(たとえばMBSFNサブフレーム)の第五の実施例を表す。
図6】伝送ネットワークでの送信機と受信機の間でのシグナリング手順を示す。
図7】LTE/xG標準仕様において規定されているようなシステム情報ブロックSIB2およびSIB13の構造を示す。
図8】第一の制御信号の位置をシグナリングするための本発明により提案されたシステム情報ブロックSIBxの構造を示す。
図9】送信機から受信機へのシステム情報ブロックSIBxの伝送によって拡張された図6のシグナリング手順を示す。
図9A】システム情報ブロックSIB1の内容を示す。
図10】本発明による送信機の一実施例を示す。
図11】本発明による受信機の一実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
詳細な図面の説明
図1は、従来技術によるメディア放送サブフレーム102の実施例を示す。メディア放送サブフレームは、LTEフレーム内に含まれているような、またはxGフレーム内に含まれているようなMBSFNサブフレームであってよく、xは、4以上の整数である(つまり、4Gフレーム、5Gフレーム、…)。
【0020】
MBSFNは、「MBMS単一周波数ネットワーク」を表し、MBMSは、「マルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス」を意味する。
【0021】
MBSFNサブフレームは、LTE(ロングタームエボリューション)において、eMBMSサブフレーム(進化したマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス)とも言われる。
【0022】
図1は、1.4MHzのチャンネル帯域幅の場合のメディア放送サブフレームを示す。現在のLTE/5G標準によると、図1に示すように、一つのMBSFN(またはeMBMS)チャンネル内に、MBSFN(またはeMBMS)サブフレームを表すPMCH(物理マルチキャストチャンネル)を介して、一つだけのマルチプレックスが伝送される。
【0023】
LTEフレームは、LTE/3GPP標準仕様において詳細に説明および定義されている。この実施例では、LTEフレームは、それぞれ二つのスロットからなる10のサブフレームを含む。水平方向には時間が示され、垂直方向には、OFDM周波数キャリアの周波数値についての周波数が示されている。図1から明らかなように、フレームのフレーム期間は、10msである。垂直方向では、周波数領域は、6つの部分領域に分けられている。それにより、各スロット内に、符号100で示さるような六つのいわゆるリソースブロックが含まれている。
【0024】
現在のLTEフレーム内には、一つだけのMBSFN(またはeMBMS)サブフレームが含まれている。しかしながら、複数のMBSFNサブフレームが、LTEフレーム内に含まれていてよい。連続するフレームは、同様に一つまたは複数のMBSFNサブフレームを含み、それによりそれぞれ一つまたは複数の放送情報信号の一つまたは複数のマルチプレックスを伝送することができるMBSFNチャンネルを形成する。放送情報信号とは、デジタルテレビ信号(つまり、ビデオおよび/またはオーディオ情報信号)またはデジタルラジオ信号であると考えられる。
【0025】
これらのMBSFNサブフレームは、MBSFN放送伝送モードで動作する送信機により生成される。LTEフレーム内の、MBSFN伝送のために使用されない他のサブフレームは、ユニキャスト伝送のために利用され、したがって、送信機がユニキャスト伝送モードで動作する場合に、送信機により生成される。
【0026】
たとえば、それぞれ一つまたは複数の放送情報信号の三つのマルチプレックスを、MBSFNチャンネル(MBSFNフレーム)で伝送すべき場合、先行技術による送信機内で、三つのマルチプレックスのデータの複数のブロックが一緒に符号化されて、三つのマルチプレックスのデータの一つのエンコードされたブロックが得られる。データのエンコードされたブロックは、MBSFNサブフレーム102内に格納され、その後で伝送される。受信の際には、三つのマルチプレックスの一つのデータを得るために、全体のMBSFNサブフレームを読み取り、全体をデコードしなければならない。
【0027】
本発明によると、三つのマルチプレックスのデータの複数のブロックを、データのエンコードされる複数のブロックに個別にエンコードし、かつ一つのMBSFNサブフレームに格納することが提案され、このようにデータのこれらのブロックは、受信の際に個別にアクセス可能であり、かつまた放送伝送信号から個別に導出可能であり、かつ個別にデコード可能である。このことが、図2に示されている。それにより、一つのサブフレーム内で、時間的に複数の比較的狭いMBSFNチャンネルが伝送される。これらのMBSFNチャンネルは、LTEのチャンネルモデルで、個別の物理マルチキャストチャンネルPMCHに対応することになる。図2に示されたMBSFNサブフレーム内には、データ202(MCH1)、204(MCH2)および206(MCH3)の三つのエンコードされた複数のブロックが格納されている。
【0028】
受信の際には、受信機のユーザが、第一のマルチプレックス(この第一のマルチプレックスは、連続するMBSFNサブフレーム内にエンコードされた複数のブロックMCH1で伝送される)から放送情報信号を受信したいと仮定すると、受信機はMBSFNサブフレームから複数のブロックMCH1を読み取る必要があるだけである。これらの複数のブロックは、個別にデコード可能なデータを含むので、第一のマルチプレックスを受信し、かつこの第一のマルチプレックスから放送情報信号の一つを導出するためにデコードすることができ、その結果、(テレビ信号の場合には)視聴することができ、(ラジオ信号の場合には)聴取することができる。
【0029】
この場合の利点は、MBSFNサブフレームから個別にマルチプレックスの一つだけのエンコードされたブロックを読み取り、デコードすることができることにより、受信機内での計算の手間が大幅に軽減されるので、受信機内のバッテリーエネルギーが節約されることにある。
【0030】
図2から明らかなように、MBSFNフレーム202内に記録されている放送情報信号の三つのマルチプレックスのデータのエンコードされた複数のブロックは、リソースブロック100の整数倍の大きさであり、つまり4つまたは6つまたは2つのリソースブロックである。これは、LTEチャンネルが、たとえば5MHzまたは20MHzの幅である場合、より多くてもよい。
【0031】
あるいは、一つのMBSFNサブフレームを表すPMCHを介して、複数のMBSFNトランスポートチャンネル(マルチキャストチャンネル-MCH)を伝送することができ、各MCHは、MBSFNサブフレームの個々に構成されるべき数のサブキャリアまたは個々に構築されるべき数の物理リソースブロックPRBを含む。
【0032】
サブブロックMCH1、MCH2およびMCH3のサイズは、図3ではMBSFNサブフレーム302内にサブブロックMCH1およびMCH2について示されているように、非整数の数のリソースブロック100である。
【0033】
本発明の他の実施例において、MBSFNチャンネルは、複数のサブフレームにわたって拡張されてもよい。
【0034】
既存のMBSFNの場合のように、MBSFNチャンネルの存在に関する情報は、ネットワークから端末に、たとえばいわゆるシステムインフォメーションメッセージの形で送信することができる。この情報は、個々のPMCHまたはMCHの数、場所および構成を記載する情報を伝送するために拡張されることが好ましく、それにより、受信機(端末)は、その中に含まれるマルチプレックスを検出することができる。この場合、放送受信機は、一般に、受信機能だけを有し、送信機と接続するために、送信機能を有していないことが重要である。これは、どのように受信機がスイッチオン後に挙動し、受信機が放送チャンネルの構造を突き止めることができるかの結果である。
【0035】
これについては、さらに図4以降を用いて詳細に説明する。
【0036】
図4は、送信機が、一つのフレームの全てのMBSFNサブフレームにおいて、マルチプレックスだけを送信する実施例を示す。図4では、六つのマルチプレックス401~406が問題となり、これらのマルチプレックスの一つは、第一のMBSFNサブフレーム内にデータ401の符号化されたブロックを有し、かつフレーム内の第二のMBSFNサブフレーム内にデータのエンコードされたブロックも有する。さらに、第一の制御信号、いわゆるブロードキャストインフォメーションメッセージBIM(LTE/xG標準仕様にはまだ記述されていない)は、物理的BIMチャンネルPBIMCH407で伝送される。
【0037】
この第一の制御信号BIMは、マルチプレックスのデータのエンコードされた複数のブロックが、MBSFNサブフレーム内のどこに存在するのかおよび/またはMBSFNサブフレーム内のマルチプレックスのデータのエンコードされた複数のブロックのサイズを示す。図4は、第一の制御信号が、フレーム内のマルチプレックスのデータの複数のブロックの位置またはサイズを示す実施例を示す。
【0038】
このBIMチャンネルPBIMCH407は、図4にも示すように、たとえばフレームの第一のMBSFNサブフレームに含まれていてよい。このPBIMCH407は、LTE/5Gフレーム内で、一定数のリソースエレメントを伝送する。好ましくは、図4でも明らかなように、PBIMCHチャンネル407は、LTE/5Gチャンネルの中心周波数の周囲に存在するリソースエレメントにより形成される。
【0039】
ブロードキャストインフォメーションメッセージBIMのコンテンツは頻繁に変化しないことにより、PBIMCHチャンネル407の容量利用は制限される。それにより、PBIMCHチャンネル407の伝送のために各LTE/xGフレームの少しのもしくは一つのOFDMシンボルを必要とするだけである。好ましくは、このために、各LTE/xGフレームの第一のサブフレーム(サブフレーム番号ゼロ)の第一のOFDMシンボルが利用される。
【0040】
図4Aは、図4のLTE/xGフレームと同様に見えるLTE/xGフレームの実施例を示す。ここでも、フレームは、メディア放送サブフレーム(MBSFNまたはeMBMSサブフレーム)だけを含む。このメディア放送サブフレーム内には、この実施例の場合に、一つまたは複数の放送情報信号の、符号401、402、403および404により示される四つだけのマルチプレックスを含む。これは、この場合に、メディア放送サブフレーム3~10は空いていることを意味する。BIMチャンネルPBIMCHは、ここでもフレームの第一のメディア放送サブフレーム内に含まれている。この第一の制御信号BIMは、四つの部分制御信号408、410、412および414を含むことが明らかである。これらの部分制御信号は、LTE/xGフレーム内のマルチプレックスのデータのエンコードされた複数のブロックの位置を参照する。たとえば、部分制御信号408は、マルチプレックスのエンコードされたブロック404の位置を、部分制御信号410は、エンドードされたブロック403の位置を、部分制御信号412は、エンコードされたブロック402の位置を、部分制御信号414は、エンコードされたブロック401の位置を参照し、このマルチプレックスは、この実施例において、2つのMBSFNサブフレームに及ぶ。
【0041】
図5には、LTE/xGフレームが、4つのMBSFNサブフレームを含む実施例を示す。フレーム内の残りのサブフレームは、この実施例では、たとえばユニキャスト接続のような他の目的のために使用することができる。図5は、サブフレーム2、3、7及び8内にMBSFNサブフレームを示す。図5の実施例では、4つのMBSFNサブフレーム内で、六つのマルチプレックス501~506のデータのエンコードされた複数のブロックが伝送される。ブロードキャストインフォメーションメッセージBIMは、ここで物理的BIMチャンネルPBIMCH507内で伝送される。この実施例では、また、BIMチャンネルPBIMCH507は、有利に、LTE/5Gチャンネルの中心周波数の周囲に存在するリソースエレメントにより形成され、また、有利にPBIMチャンネル507を伝送するために、第一のMBSFNサブフレームの一つの第一のOFDMシンボルまたは複数の第一のOFDMシンボルが使用される。この実施例では、さらに、どのMBSFNサブフレーム内にBIMチャンネルPBIMCH507が存在するのかを示すために、第二の制御信号のインジケーションINDが必要とされる。この第二の制御信号が放送伝送信号内のどこに格納されるのかについては、後に説明する。
【0042】
今日のLTE/xG標準仕様の、たとえばRel13または14によると、第一のサブフレームは、サブフレーム番号ゼロで、PCH、SCH、PBCH(物理ブロードキャストチャンネル)のようなシグナリングチャンネルを含む。PDCCH(物理ダウンリンクコントロールチャンネル)、PDSCH(物理ダウンリンクシェアドチャンネル)のような他のシグナリングチャンネルは、他のサブフレーム内に含まれていてよい。
【0043】
この場合、PBCHは、LTEフレーム内のどこにPDCCHの物理的リソース(物理リソースブロック)が割り当てられているか、およびPDCCHが、またPDSCHの物理的リソースのどこに割り当てられているかを示す。PBCHおよびPDSCHを介して、無線セルの構成に関する情報(たとえばMIB、SIB1およびMBSFNについてはSIB2、SIB13および場合により新たなSIBxが、LTE/5G端末に送信される。MBSFN可能なLTE/xG端末が、MBSFNサブフレーム、PBIMCHおよびそれによりマルチプレックスのデータのエンコードされた複数のブロックの位置の迅速な見つけ出しを可能にするために、システム情報ブロックのリスト内に上述の表示INDを、たとえば実施例の図8および9の場合のような新たなSIBxメッセージの形で記録することが推奨される。
【0044】
これについては、以下にさらに説明する。
【0045】
以下に、特に図5による実施例のために、MBSFNサブフレーム内のPBIMCHの存在および位置をシグナリングするために、シグナリング(具体的にはシステム情報メッセージ)をどのように拡張することができるかを示す。この変形態様の場合には、このシグナリングは、新たなシステム情報ブロックx(SIBx)により行われる。このSIBx(本発明による第二の制御信号)は、たとえば今までのMBSFNのSIB2およびSIB13の場合と同様に、MBSFN用に構成されていないサブフレーム内で送信される。図4による実施例では、LTEフレームは、MBSFNサブフレームだけを含み、PBIMCHの位置またはLTEフレーム内でPBIMCHを突き止めるための手順は、(たとえば図4との関連ですでに上述したように)標準において明確に定義することができる。この場合、第二の制御信号は必要ない。
【0046】
図6は、現在までLTE/xG標準仕様において定義されているような、送信機(E-UTRAN=進化したUMTS地上波放送アクセスネットワーク)と受信機(UE=ユーザー機器)との間のシグナリング手順を概略的に示す。特に、この場合、標準において定義されたシステム情報が問題である。受信機が必要とする特定のシステム情報は、特に、受信機UEの受信特性に依存する。
【0047】
MBMS(=マルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス)の場合、特定のシステム情報ブロック(SIB)は標準化されている。
【0048】
たとえば、
LTE/4Gまたは5Gフレーム内に含まれている特定のMBSFNサブフレームを特定するためのシステム情報ブロック2(SIB2)。
【0049】
システム情報ブロック13(SIB13)によって、送信機は、eMBMSシステムのMCCHがどこに送られるかを通知する。
【0050】
図7は、LTE標準において定められているような、システム情報ブロックSIB2およびSIB13の構造を示す。
【0051】
更なる説明は必要ない、というのも図6および7との関連での上述のシグナリング方法は、LTEに関する文書において詳細に説明されているためである。
【0052】
図9は、伝送ステップ901により拡張された、送信機(E-UTRAN=進化したUMTS地上波放送アクセスネットワーク)と受信機(UE=ユーザー機器)との間の図6のシグナリング手順を概略的に示し、この場合、さらにかつ本発明により、送信機は、受信機により受信されるシステムブロックSIBxを送信する。
【0053】
図9Aは、図9のSIB1において、使用されたシステム情報ブロックのリスト中に新たなSIBxメッセージの存在が、情報「SibX-<ver>SystemInformationBlockTypeX-<ver>」の追加により受信機に通知されることが示される、図9Aの符号902参照。
【0054】
受信機がスイッチオンされかつ送信機からLTEフレーム内でMBSFNサブフレームもユニキャストサブフレームも送信される場合(図1、2、3および5)、受信機は、PBCH、PDCCHおよびPDSCHを介して特別な本発明によるシステム情報SIBx(第二の制御信号)を見つけるために、LTE/5Gにおいて公知の同期のための手順(PSS-一次同期信号、SSS-二次同期信号)を実行する。
【0055】
システム情報SIBxおよび他のシステム情報から、受信機は、図5の実施例の場合に、LTEフレーム内のどこにMBSFNサブフレームが存在するのか、および特にPBIMCHが、MBSFNサブフレーム内のどこに存在するのかを読み取る。PBIMCH情報から、受信機は、MBSFNサブフレーム上のどこに、放送情報信号のマルチプレックスのエンコードされた複数のブロックを含むそれぞれの、場合によるSFNエリア特有のMBSFNチャンネルが存在するのかを読み取る。それにより、受信機は、図5の実施例の場合に、たとえば放送伝送信号からマルチプレックスを導出し、マルチプレックスからテレビ番組またはラジオ番組を導出し、出力部に出力することができる。
【0056】
ユニキャストしか対応しないため、したがってMBSFNサブフレームをデコードできない携帯電話は、MBSFNサブフレームの存在により影響を受けない。この携帯電話は、PBCH、PDCCHおよびPDSCHを用いて送信されたシステム情報SIBxを無視する。この携帯電話は、ユニキャスト接続用のMBSFNサブフレームとして構成されていないサブフレームを利用する。
【0057】
図4および図4Aの実施例の場合のように、LTEフレームの全てのサブフレームが、MBSFNサブフレームとして構成されている場合、LTEフレーム内にPBCH、PDCCH、PDSCHなども存在しない。この場合を、受信機は、このLTEフレーム内にPBCHが存在しないことで識別する。この場合でかつスイッチオンの後に、受信機は、確かに同期手順も実行する(PSS-一次同期信号、SSS-に自動機信号)。しかしながら、受信機がLTEフレームに同期した後に(つまり、時間状況およびサブフレーム番号付けは受信機に知られている)、受信機は即座にPBIMCH(第一の制御信号)をデコードし、受信機は、MBSFNサブフレーム上のどこに、放送情報信号のマルチプレックスを含むそれぞれの、場合によりSFNエリア特有のMBSFNチャンネルが存在するのかをPBIMCH情報から読み取る。
【0058】
MBSFNまたはeMBMS機能を持たない受信機または端末、つまりMBSFN非対応のモバイル機器またはスマートフォンは、図4による伝送信号を処理することはできない。しかしながら、MBSFN(またはeMBMS)を受信可能な受信機は、PBIMCHチャンネル407の検出のために検索手順が実行され、そこからBIM情報を抽出する。受信機が、BIM情報を見つけた場合、受信機は、PMCH構造およびMBSFN/eMBMSサブフレーム内の多様なMBSFN(またはeMBMS)チャンネルの位置を認識する。次いで、受信機は、所望のMBSFNチャンネル(マルチプレックス)を抽出してデコードし、こうして得られたビデオデータストリームおよび/またはオーディオデータストリームを出力することができる。
【0059】
現在の放送適用のために、放送番組の伝送されるべきマルチプレックスの数およびモード、ならびにそれによるPMCHの構造は、まれにしか変化しないことを予想することができる。新しサービスおよびアプリケーションの導入に伴い、これは将来的に変更されることがある。したがって、受信機は、規則的にPBIMCH情報を読み取り、PMCH構造およびプログラムのコンテンツの変更を確認することが必要である。
【0060】
本発明による放送伝送のこの方法は、今までに詳しく述べかつ標準化されたMBSFNとは本質的に異なる。
【0061】
図10は、本発明による送信機1000の実施例を概略的に示す。OFDMに基づく送信機1000は、上述のように、伝送媒体を介して放送情報信号の多数の少なくとも二つのマルチプレックスをMBSFN放送伝送モードで伝送するように設定されている。図10は、送信機1000が、放送情報信号の二つのマルチプレックスを伝送する実施例を示す。
【0062】
このために、送信機は、放送情報信号S1とS2のそれぞれの少なくとも二つのマルチプレックスを受信するための入力部(部分入力部1002および1004)を備える。送信機は、放送情報信号S1とS2のそれぞれのマルチプレックスをエンコードするための二つの部分エンコードユニット1006および1008を有するエンコードユニット1010を備える。したがって、エンコードユニット1010は、二つの部分エンコードユニットから構成されている、というのも各部分エンコードユニット1006および1008は、マルチプレックスM1とM2のそれぞれのデータの複数のブロックを個別にエンコードして、したがって個別にデコード可能でもあるデータのエンコードされた複数のブロックにする。送信機1000は、さらにマルチプレクサユニット1012を備え、このマルチプレクサユニットは、図2~5に基づきすでに説明したように、放送伝送信号SoutのMBSFNサブフレーム内に二つのマルチプレックスのデータのエンコードされた複数のブロックを記録するように設定されている。このように得られた放送伝送信号Soutは、出力部1014から提供される。
【0063】
送信機1000は、さらに、第一の制御信号BIMを生成するために制御信号生成ユニット1016を備える。この制御信号BIMは、二つのマルチプレックスのデータのエンコードされた複数のブロックのサイズについての尺度および/または二つのマルチプレックスのデータのエンコードされた複数のブロックがMBSFNサブフレーム内のどこに含まれているかを示す位置についての尺度である。この制御信号BIMは、同様に、マルチプレクサユニット1012にも提供され、マルチプレクサユニット1012は、このためにこの制御信号BIMを放送伝送信号内に記録するように手配する。OFDMシステムの場合には、マルチプレクサユニットは、とりわけ、エンコードされた複数のブロックと共にIFFTも実行する。こうして得られた放送伝送信号Soutは、出力部1014に提供され、その後に送信される。
【0064】
送信機1000が、一つまたは複数のMBSFNサブフレームを含むLTEフレームを伝送するためのLTEまたはxG(xは4以上)互換送信機である場合、制御信号BIMは、二つのマルチプレックスのデータのエンコードされた複数のブロックについてのサイズの尺度および/または二つのマルチプレックスのデータのエンコードされた複数のブロックがLTE/xGフレーム内のMBSFNサブフレーム内のどこに記録されているかを示す位置についての尺度であり、マルチプレクサユニット1012は、このLTE/xGフレーム内に制御信号BIMを格納するように設定されている。好ましくは、この場合、制御信号BIMは、LTE/xGフレームの第一のMBSFNサブフレーム内に格納される。
【0065】
マルチプレクサユニット1012は、さらに、図4および図5にも示されるように、LTE/xGチャンネルの中心周波数の周囲で、スペクトル的に隣接するリソースブロック内に制御信号BIMを格納するように設定されていてよい。
【0066】
LTEフレームが非MBSFNサブフレームも含む場合(図5の実施例)、制御信号生成ユニット1016は、さらに、第二の制御信号INDを生成するように設定されている。すでに上述したように、第二の制御信号INDは、LTE/xGフレーム内の第一の制御信号BIMの位置についての尺度である。この制御信号INDは、マルチプレクサユニット1012に提供され、マルチプレクサユニット1012は、この制御信号INDを非MBSFNサブフレーム内のシグナリングチャンネル内に記録することを手配する。好ましくは、マルチプレクサユニット1012は、第二の制御信号INDをLTEフレームのPBCH情報内に格納する。
【0067】
図11は、本発明による受信機1100の実施例を示す。OFDMに基づく受信機1100は、上述のように、図10の送信機から伝送されたような放送伝送信号Soutを、MBSFN受信モードで受信するように設定されている。
【0068】
受信機1100は、放送伝送信号Soutの受信のための入力部1102を備え、かつマルチプレックス(M1またはM2)のデータのエンコードされたブロックをデコードしてマルチプレックス(M1またはM2)のデータのデコードされたブロックを得るためのデコーダユニット1106を備える。このマルチプレックスは、一つまたは複数の放送情報信号を含む。受信機110のユーザがマルチプレックスからどの放送情報信号を受信しようとするかに依存して、デコーダユニット1106は、さらにマルチプレックスから一つの放送情報信号を選択し、この放送情報信号を出力部1108に引き渡す。
【0069】
マルチプレックス(M1またはM2)のデータのエンコードされた複数のブロックは、抽出ユニット1114により、放送伝送信号内のMBSFNサブフレームから導出される。さらに、抽出ユニット1114と一緒にデマルチプレクサユニット1104を形成するIND DETECTユニット1110と、BIM DETECTユニット1112も予定されている。
【0070】
LTEフレームが非MBSFNサブフレームも含む場合(図5の実施例)、IND DETECTユニット1110は、伝送信号Soutから、SIBxブロック内に格納されているような第二の制御信号INDを導出する。これは、LTEフレーム内のどこにPBIMCHが存在するかを示す情報であり、この情報(つまり第二の制御信号)は、BIM DETECTユニット1112に転送されることを意味する。次いで、BIM DETECTユニット1112は、伝送信号SoutからPBIMCH情報(つまり第一の制御信号)を導出する。この第一の制御信号は、上述のように、MBSFNサブフレーム内の放送情報信号(=MBSFNチャンネル)のマルチプレクサのエンコードされた複数のブロックの位置および/またはサイズについて表す。この第一の制御信号は、抽出ユニット1114に送られ、この抽出ユニットは、放送伝送信号Soutからマルチプレックスのデータのエンコードされた複数のブロックを抽出し、かつこのブロックをデコーダユニット1106に提供するために、この第一の制御信号を利用する。
【0071】
LTEフレームが、MBSFNサブフレームだけを含み(実施例4および4A)、したがってSIBx情報(第二の制御信号)は抽出されない/受信可能でない場合、IND検出ユニット1104はスイッチオフされる。BIM DETECTユニット1112は、この場合、MBSFNサブフレーム内の標準化された位置に見つけることができるPBIMCH情報(第一の制御信号BIM)を、伝送信号Soutから導出する。このPBIMCH情報は、第一の制御信号として抽出ユニット1114に供給され、この抽出ユニットは、すでに上述したように、放送伝送信号Soutから一つまたは複数の放送情報信号のマルチプレックスのデータのエンコードされた複数のブロックを抽出し、かつデコーダユニット1106に供給するために、この情報を利用する。
【0072】
受信機内では、所望の場合に、複数の放送情報信号を受信し、出力部1108に出力することもできる。
【0073】
すでに上述のように、メディア放送サブフレーム内に格納されているマルチプレックスのデータのエンコードされた複数のブロックは、それぞれ個別にアクセス可能である。受信機は、この場合、メディア放送サブフレーム内に格納されているデータのエンコードされた複数のブロックの一つに個別にアクセスし、かつメディア放送サブフレームからデータのこの一つのブロックを導出するように設定されている。
【0074】
ここでさらに、本発明は、ここに示されかつ論じされた実施例だけに限定されないことに言及する。本発明の保護範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義されている。たとえば、一つまたは複数の放送情報信号の二つ以上のマルチプレックスのエンコードされた複数のブロックが、一つのサブフレーム内に記録されてもよい。送信機および受信機の記載された全ての機能は、ハードウェアまたはソフトウェアで実現することができる。
図1
図2
図3
図4
図4A
図5
図6
図7
図8
図9
図9A
図10
図11