(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-28
(45)【発行日】2022-04-05
(54)【発明の名称】マスク、呼吸負荷型マスクおよびマスクケース
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20220329BHJP
B65D 85/18 20060101ALI20220329BHJP
A62B 18/02 20060101ALI20220329BHJP
A62B 25/00 20060101ALI20220329BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
B65D85/18 Z
A62B18/02 C
A62B25/00
(21)【出願番号】P 2018525197
(86)(22)【出願日】2017-06-28
(86)【国際出願番号】 JP2017023689
(87)【国際公開番号】W WO2018003831
(87)【国際公開日】2018-01-04
【審査請求日】2020-04-18
(31)【優先権主張番号】P 2016129640
(32)【優先日】2016-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】506419179
【氏名又は名称】株式会社くればぁ
(74)【代理人】
【識別番号】100180057
【氏名又は名称】伴 昌樹
(74)【代理人】
【識別番号】100149320
【氏名又は名称】井川 浩文
(74)【代理人】
【識別番号】240000235
【氏名又は名称】弁護士法人柴田・中川法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中河原 毅
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-025115(JP,A)
【文献】特開2005-245835(JP,A)
【文献】特開2011-104553(JP,A)
【文献】登録実用新案第3171251(JP,U)
【文献】特開2010-229108(JP,A)
【文献】特開平04-153668(JP,A)
【文献】特開2007-054270(JP,A)
【文献】特許第5463481(JP,B1)
【文献】特開2008-279101(JP,A)
【文献】特開2015-029568(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D13/11
B65D85/18
A62B18/02
A62B25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフィルタを積層してなるマスクであって、少なくとも、ポリエステル系繊維による布帛にカーボン糸が織り込まれた静電防止フィルタと、トルアミド系複合化合物を含浸させた虫忌避フィルタと、水溶性の両性イオン性高分子が混合された防臭フィルタとが積層されていることを特徴とするマスク。
【請求項2】
本体部が、最も内側に積層される基部層と、最も外側に積層されるメッシュ状のナイロン製メッシュ生地による表面層とが非縫着領域を形成しつつ部分的に縫着してなり、前記複数のフィルタによるフィルタ構成部が、前記基部層と表面層との間に配置されるものである請求項1記載のマスク。
【請求項3】
本体部が、最も内側に積層される基部層と、最も外側に積層されるメッシュ状のナイロン製メッシュ生地による表面層とが非縫着領域を形成しつつ部分的に縫着してなり、
前記複数のフィルタのうち、任意のフィルタが基部層または表面層に積層され、残りのフィルタによるフィルタ構成部が、前記基部層と表面層との間に配置されるものである請求項1に記載のマスク。
【請求項4】
内側に配置される基部層および外側に配置される表面層を、非縫着領域を形成しつつ部分的に縫着してなる本体部と、前記非縫着領域から本体部に出し入れ可能なフィルタ構成部とを備え、
前記フィルタ構成部は、虫忌避剤を含浸させたフィルタ、および、
水溶性の両性イオン性高分子が混合された防臭フィルタの中から選択される一以上のフィルタを備えるものであって、前記フィルタ構成部が、前記基部層と表面層との間に配置されるものであり、前記基部層または表面層のいずれか一方は、上側に位置する端縁に庇状の面状部が形成され
、該面状部の先端縁には左右方向に連続する端縁部が設けられ、この端縁部の両端は、前記基部層または表面層の左右両側部に係止され、装着用の伸縮紐が前記端縁部内に挿通されていることを特徴とするマスク。
【請求項5】
内側に配置される基部層および外側に配置される表面層を、非縫着領域を形成しつつ部分的に縫着してなる本体部と、前記非縫着領域から本体部に出し入れ可能なフィルタ構成部とを備え、
虫忌避剤を含浸させたフィルタ、および、
水溶性の両性イオン性高分子が混合された防臭フィルタの中から選択される一または複数のフィルタが、二枚の基部材料フィルタによって構成された前記基部層の中間に配置され
、前記基部層または表面層のいずれか一方は、上側に位置する端縁に庇状の面状部が形成され、該面状部の先端縁には左右方向に連続する端縁部が設けられ、この端縁部の両端は、前記基部層または表面層の左右両側部に係止され、装着用の伸縮紐が前記端縁部内に挿通されていることを特徴とするマスク。
【請求項6】
前記本体部は、前記基部層と前記表面層とが、下端縁および左右両端縁において縫着され、上端縁において開口部が形成されるものであり、前記フィルタ構成部を該開口部から出し入れ自在にしてなる請求項2ないし5のいずれかに記載のマスク。
【請求項7】
前記開口部から自在に出し入れされるフィルタ構成部は、複数のフィルタが積層された状態で縫着により一体化された積層体によって形成されている
請求項6に記載のマスク。
【請求項8】
前記基部層は、二枚の基部材料フィルタによって構成され、前記防臭フィルタが、前記二枚の基部材料フィルタの中間に配置されている請求項2ないし7のいずれかに記載のマスク。
【請求項9】
前記防臭フィルタよりも内側の層には、適宜な肉厚の綿が積層されている請求項8に記載のマスク。
【請求項10】
本体部が、最も内側に積層される基部層と、最も外側に積層されるメッシュ状のナイロン製メッシュ生地による表面層とが非縫着領域を形成しつつ部分的に縫着してなり、少なくとも、ポリエステル系繊維による布帛にカーボン糸が織り込まれた静電防止フィルタと、トルアミド系複合化合物を含浸させた虫忌避フィルタと、水溶性の両性イオン性高分子が混合された防臭フィルタとが積層されているフィルタ構成部が、前記基部層と表面層との間に配置されるものであるマスクであって、前記基部層または表面層のいずれか一方は、上側に位置する端縁に庇状の面状部が形成され、該面状部の先端縁には左右方向に連続する端縁部が設けられ、この端縁部の両端は、前記基部層または表面層の左右両側部に係止され、かつ装着用の紐部材に連結されて
いるマスク。
【請求項11】
本体部が、最も内側に積層される基部層と、最も外側に積層されるメッシュ状のナイロン製メッシュ生地による表面層とが非縫着領域を形成しつつ部分的に縫着してなり、少なくとも、ポリエステル系繊維による布帛にカーボン糸が織り込まれた静電防止フィルタと、トルアミド系複合化合物を含浸させた虫忌避フィルタと、水溶性の両性イオン性高分子が混合された防臭フィルタとが積層されているフィルタ構成部が、前記基部層と表面層との間に配置されるものであるマスクであって、前記基部層または表面層のいずれか一方は、上側に位置する端縁に庇状の面状部が形成され、該面状部の先端縁には左右方向に連続する端縁部が設けられ、この端縁部の両端は、前記基部層または表面層の左右両側部に係止され、装着用の伸縮紐が前記端縁部内に挿通されて
いるマスク。
【請求項12】
前記面状部の端縁部には、その内部または表面に塑性変形可能な材質による長尺なワイヤ部材が該端縁部に沿って設けられている請求項11に記載のマスク。
【請求項13】
本体部が、最も内側に積層される基部層と、最も外側に積層されるメッシュ状のナイロン製メッシュ生地による表面層とが非縫着領域を形成しつつ部分的に縫着してなり、少なくとも、ポリエステル系繊維による布帛にカーボン糸が織り込まれた静電防止フィルタと、トルアミド系複合化合物を含浸させた虫忌避フィルタと、水溶性の両性イオン性高分子が混合された防臭フィルタとが積層されているフィルタ構成部が、前記基部層と表面層との間に配置されるものであるマスクであって、前記基部層または表面層のいずれか一方は、下側に位置する端縁に庇状の第2の面状部が形成され、該第2の面状部の先端縁には左右方向に連続する第2の端縁部が設けられ、この第2の端縁部の両端は、前記基部層または表面層の左右両側部に係止され、装着用の伸縮紐が前記第2の端縁部に挿通されて
いるマスク。
【請求項14】
前記基部層の上部には、適宜間隔を有する二箇所に弾性力を有する緩衝部材を備えるものである請求項2ないし13のいずれかに記載のマスク。
【請求項15】
請求項1ないし14のいずれかに記載のマスクであって、前記各フィルタのいずれかの一もしくは複数のフィルタ、またはこれらとは異なる個別のフィルタが、目開き長を60nm以下の微細なメッシュ構造で構成したことを特徴とする呼吸負荷型マスク。
【請求項16】
請求項1ないし15のいずれかに記載のマスクを収容するためのマスクケースであって、二又に分岐した底面部と、その中央に立設した頂上部とを備え、底面部の片方から頂上部に至る部分に開口端縁を設けて開口させ、頂上部から前記開口端縁を覆う庇状端縁部を形成してなることを特徴とするマスクケース。
【請求項17】
前記開口端縁と前記庇状端縁部とは、相互にファスナまたは面ファスナによって閉口自在に構成されている請求項16に記載のマスクケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のフィルタが積層されて構成されるマスクおよび専用のマスクケースに関し、特に、微細な粒子等の侵入を抑制し、または呼吸に負荷を与えることができるマスクと専用ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的なマスクは、花粉や粉塵の気管支への侵入を防止するための防塵用として使用されるもの、または、咳やくしゃみなどにより発生する飛沫等の拡散を防止するために使用されるものである。また、最近では、微粒子やウイルスなどから自己防衛的に防御する手段としてもマスクを装着することが多くなっている。ところで、上記のような目的のマスクには、一枚の不織布などによって構成される使い捨てタイプと、ガーゼなどのシート材を積層して構成される繰り返し使用可能なタイプとが存在していた。
【0003】
使い捨てタイプのマスクは、専ら不織布を使用したものであって、マスクに使用される不織布の製造においては、通気性と粒子の捕捉性とのバランスを考慮して、繊維径および目付量が設定されていた(特許文献1参照)。ところが、粉塵や飛沫などの粒径の比較的大きい粒子は、通気性を維持しつつ捕捉することは可能であるが、より粒径の小さな微粒子の侵入を防止するためには、捕捉性を向上させなければならず、微粒子の侵入を防止する粒子の捕捉性を向上させようとすれば、通気性が低下することとなっていた。
【0004】
そこで、上記の問題点である通気性低下を解消すべく、各部をパーツごとに構成し、これらを繋ぎ合わせる領域において、部分的に重ね合わせるとともに、当該積層部分の一部を接合してなる接合部と、それ以外の部分を接合しない非接合部とを構成してなるものが開発されている(特許文献2)。このような構成のマスクにあっては、吸引時においては気圧の影響により非接合部が密着し、呼気の排出時には、非接合部が開放することから、通気性(特に呼気の排出)を向上され得るとされるものである。
【0005】
その一方において、繰り返し使用可能なタイプのマスクにあっては、専らガーゼのような多孔質のシート材によって形成されたフィルタを積層したものであって、洗濯によって付着物を除去して再度使用できるように構成されているものが周知である。この種のマスクは、比較的粒径の大きい粒子の捕捉を目的とするものであり、微粒子やインフルエンザ等のウイルス感染予防に使用することは不向きであった。そこで、フィルタを積層するタイプのマスクにおいてもウイルス等の感染予防効果を得るため、マスクに付着したウイルスを不活性化させるシート材を積層するものが開発されており、例えば、最外層および最内層のフィルタにウイルス不活性化微粒子を担持させたものがあった(特許文献3参照)。
【0006】
前掲の特許文献においては、その使い勝手の良さから使い捨てタイプが普及されているものの、マスクによって捕捉すべき物質によって、捕捉性を変化させる必要があった。つまり、捕捉すべき物質の粒径が小さくなれば、捕捉性を向上させなければならなかった。しかしながら、前掲の特許文献1に示されるマスクにあっては、使用する繊維の径や目付量によって捕捉性を調整するものであるが、捕捉性を向上させようとすると、同時に通気性が低下する結果となり、無制限に捕捉性のみを向上させることが難しいものとなっていた。
【0007】
また、特許文献2に示されるように、各パーツを繋ぎ合わせる領域において部分的に積層し、接合部と非接合部とを設ける構成の場合には、呼気の排出時には非接合部の間隙を利用し、吸気時には非接合部は開口しないとされている。しかしながら、理論的には、吸気の際には、マスクの内側空間の気圧が低下するため、非接合部が重なった状態で閉じ合わされることから、非接合部の間隙から外気が流入せず、マスク本体を通過した空気を吸引することができるものとされるものの、マスク本体に皺などを生じさせて装着する場合には、当該非接合部の間隙から外気が流入するとの懸念が生じ得るものであった。
【0008】
さらに、上述のような使い捨てタイプのマスクをウイルス感染の予防のために使用する場合には、比較的粒子の大きい飛沫物質の捕捉は可能と想定されるが、マスク表面(特に外側表面)には捕捉された感染力のあるウイルス等を含む飛沫等が付着することとなり、不用意に当該表面を手指で触れる場合には、感染力が低下していない飛沫物質によって感染することが懸念されていた。そのため、使用後においては、マスク表面に触れないように顔面から取り外し、マスク表面を内側に折り畳むようにし、さらに、空気中に飛散しないように密封した状態で廃棄しなければならなかった。
【0009】
他方、特許文献3に示されるような繰り返し使用可能なタイプにマスクにあっては、マスクの表面に付着した飛沫等に含まれるウイルス等をウイルス不活性化微粒子によって不活性化させるものとされている。従って、マスクによって捕捉された(マスク表面に付着した)ウイルスを不活性化させるものであって、インフルエンザ等の感染予防として使用することに好適なものとされるが、当該マスクにあっては、捕捉性および通気性については特別な技術が用いられているものではなかった。つまり、ウイルスを有する飛沫物質等の捕捉性の如何によっては、十分な感染予防に資するものとなり得ない可能性を内在するものとなっていた。
【0010】
ところで、近年では、粒子状物質(PM)のうち粒径の小さい微粒子(例えば、PM2.5)、または、インフルエンザ等の微小ウイルスによって健康被害が拡大するとの報道がなされ、微粒子を十分に捕捉し得るマスクが切望されている。そこで、本願の出願人において、帯電フィルタと、目開き長の小さなメッシュフィルタと、抗菌フィルタとを積層したマスクを開発した(特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2009-273726号公報
【文献】特開2012-254272号公報
【文献】WO2011/040035号公報
【文献】特開2015-029568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前掲の特許文献4に記載のマスクは、粒子状物質(PM)のうち粒径の小さい微粒子(例えば、PM2.5)、または、インフルエンザ等の微小ウイルスに備えるためのマスクとしては好適であった。これは、帯電フィルタによって吸着させ、これを抗菌フィルタによって不活化させるものであったが、ウイルス等が帯電フィルタに留まるため、ウイルス等を全て除去できるものではなかった。また、近時報道されているジカ熱の発生原因である蚊の忌避など、飛来虫の接近に対処し得るものではなかった。さらに、積層される全てのフィルタが一体的に構成されていたことから交換ができず、マスク全体を洗濯して使用していたが、その回数に限界があった。さらに、使用者が防御すべき対象物に応じてフィルタを交換し得るマスクが切望されていた。
【0013】
本発明は、上記諸点にかんがみてなされたものであって、その目的とするところは、微粒子やウイルス等の侵入に備えるとともに、飛来虫の忌避効果を有するマスクを提供すること、および当該マスクの専用ケースの提供である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
そこで、マスクに係る本発明として、第1に、複数のフィルタを積層してなるマスクであって、少なくとも、ポリエステル系繊維による布帛にカーボン糸が織り込まれた静電防止フィルタと、トルアミド系複合化合物を含浸させた綿布による虫忌避フィルタと、水溶性の両性イオン性高分子が混合されたレーヨン繊維による布帛による防臭フィルタとが積層されていることを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、静電防止フィルタの存在により、微粒子やウイルス等は、第一義的にはフィルタによって防護され、第二義的に、微粒子やウイルス等をフィルタ表面に付着した状態でと留めることなく、排除させることが可能となる。また、虫忌避フィルタにより、飛来虫の接近を制限することができる。さらに、防臭フィルタにより、蚊等の飛来虫を引き寄せる臭い成分や二酸化炭素の拡散を制限し、飛来虫の忌避効果を向上させ得る。特に、防臭フィルタには、水溶性の両性イオン性高分子が混入されたレーヨン繊維が使用されているため、呼気に含まれる湿気を吸収し、二酸化炭素の水和性により、その発生を抑えることができる。
【0016】
上記構成の発明においては、各フィルタが、最も内側に積層される基部層と、最も外側に積層されるメッシュ状のナイロン製メッシュ生地による表面層との間に配置されるものとすることができる。このとき、基部層と表面層とが非縫着領域を形成しつつ部分的に縫着されており、前記複数の各フィルタによるフィルタ構成部が、前記基部層と表面層との間に配置されるように構成することができる。
【0017】
上記構成の場合には、基部層としてガーゼ等を使用することにより、皮膚が接触する部分の感触を良好にしつつ、ナイロン製メッシュ生地による形状の安定化を実現させることができる。なお、形状の安定化とは、自在に形状変化させた状態において、その復元を抑えることを意味するものであり、その形状が固定化させるという意味ではない。また、フィルタ構成部が複数のフィルタの集合体である場合、これらを一体的に積層した状態である場合のほか、複数のフィルタが分離可能な状態の場合もあり得る。
【0018】
上記構成の発明においては、本体部が、最も内側に積層される基部層と、最も外側に積層されるメッシュ状のナイロン製メッシュ生地による表面層とが非縫着領域を形成しつつ部分的に縫着してなり、前記複数のフィルタのうち、任意のフィルタが基部層または表面層に積層され、残りのフィルタによるフィルタ構成部が、前記基部層と表面層との間に配置されるものとすることができる。
【0019】
このような構成では、用途・目的にかかわりなく、マスクに共通するフィルタについては、基部層または表面層に固定的に設けられることとなる。特に、袋体が形成され、その袋体の内部にフィルタを挿入する形態の場合には、使用の目的等に合致するフィルタを挿入して使用するとしても、マスクとして機能させるべき最低限度のフィルタを備えた状態とすることができる。なお、縫着の用語は、縫い合わせて一体化させることを意味し、一般的なマスクの製造方法として使用されるものである。従って、直接縫い合わせる場合のほか、縫い代を被覆して縫い合わせる場合などを含む。また、縫い合わせて一体化させる場合の縫い方は限定されず、使用する糸の種類なども特に限定されるものではない。さらに、材料によっては溶着が可能な場合があり、特殊な接着剤によって接着が可能な場合などでは、縫着の語は溶着または接着という意味として理解されるものである。縫着の用語に関しては以下において同様である。
【0020】
また、マスクに係る本発明の第2としては、内側に配置される基部層および外側に配置される表面層を、非縫着領域を形成しつつ部分的に縫着してなる本体部と、前記非縫着領域から本体部に出し入れ可能なフィルタ構成部とを備え、前記フィルタ構成部は、ポリエステル系繊維による布帛にカーボン糸が織り込まれた静電防止フィルタ、トルアミド系複合化合物を含浸させた綿布による虫忌避フィルタ、および、水溶性の両性イオン性高分子が混合されたレーヨン繊維による布帛による防臭フィルタの中から選択される一以上のフィルタを備えるものであることを特徴とする。
【0021】
上記構成によれば、一つの本体部を使用しつつ、適宜異なる構成によるフィルタ構成部を用いることにより用途に応じたマスクとしての使用が可能となる。例えば、夏季における害虫の飛来が多い時期には虫忌避フィルタを備えたフィルタ構成部を使用し、冬季におけるウイルス等の排除のために静電防止フィルタを備えるフィルタ構成部を使用などのように、季節に応じて変更することができる。また、当然のことながら、前記フィルタを全て備えるフィルタ構成部を使用することも可能である。
【0022】
また、マスクに係る本発明の第3としては、内側に配置される基部層および外側に配置される表面層を、非縫着領域を形成しつつ部分的に縫着してなる本体部と、前記非縫着領域から本体部に出し入れ可能なフィルタ構成部とを備え、ポリエステル系繊維による布帛にカーボン糸が織り込まれた静電防止フィルタ、トルアミド系複合化合物を含浸させた綿布による虫忌避フィルタ、および、水溶性の両性イオン性高分子が混合されたレーヨン繊維による布帛による防臭フィルタの中から選択される一または複数のフィルタが、前記基部層、表面層もしくはフィルタ構成部のいずれかにまとめて、または二以上に分かれて積層されていることを特徴とする。
【0023】
上記構成によれば、特定の効果を有するフィルタを必須のフィルタとして、基部層または表面層に予め積層したうえで、別の効果を有するフィルタをフィルタ構成部として追加的に積層させることが可能となる。また、これらのフィルタは異なる効果のものである必要はなく、特定の効果を増大させるために同種のフィルタをフィルタ構成部として追加させることも可能である。なお、上記構成の場合には、表面層にメッシュ状のナイロン製メッシュ生地を使用してもよいが、表面層を他の素材またはフィルタによって構成し、当該ナイロン製メッシュ生地を基部層の一部に使用してもよい。このナイロン製メッシュ生地は形状の安定化を目的とするものであり、結果的に一体化される基部層と表面とが一体化されることにより、全体として形状の安定化が実現されればよく、いずれか一方に使用されることにより、その目的を達することができる。また、ナイロン製メッシュ生地を基部層に使用する場合には、基部層の最も内側にガーゼ等を使用することにより、皮膚が接触する部分の感触を良好にすることができる。
【0024】
上記構成の各発明のうち、基部層と表面層とを形成する発明においては、これらの二つの層が、下端縁および左右両端縁において縫着され、上端縁において開口部が形成される本体部を構成するものとし、前記フィルタ構成部を該開口部から出し入れ自在にしてなる構成とすることができる。
【0025】
上記構成の場合には、基部層と表面層とが袋体を形成することとなり、開口部から袋体の内部にフィルタ構成部を挿入し、または取り出すことが可能となるのである。このとき、前記フィルタ構成部を形成する各フィルタの全部または一部を出し入れすることが可能であるから、当該フィルタ構成部を形成するフィルタを交換することができるうえ、フィルタを取り出した状態で(すなわち袋体のみを)洗濯することも可能となる。なお、出し入れできるフィルタ構成部が前記各フィルタの一部とする場合には、他の必須のフィルタは、基部層または表面層のいずれかに縫着等されて一体的に構成することができる。
【0026】
さらに、上記構成の発明においては、前記開口部から自在に出し入れされるフィルタ構成部が、複数のフィルタを積層した状態で縫着により一体化された積層体によって形成されるものであってもよい。
【0027】
上記構成の場合には、使用時において使用者がフィルタ構成部を形成する際に、任意のフィルタを適当な順序で袋体に挿入するのではなく、予め必要なフィルタを好適な順序で積層した一体型の積層体をフィルタ構成部として挿入することで、好適な使用が可能となるものである。特に、フィルタ構成部を形成すべき全てのフィルタが一体的な積層体で構成される場合には、用途・目的に応じて、予め積層されたフィルタの積層体をもってフィルタ構成部とすることができ、積層体を単位としてフィルタ構成部を交換することが可能となる。なお、当然のことながら、複数のフィルタによって一体的に形成される積層体は、当該積層体を単位としてフィルタ構成部を形成することに限定されず、複数の積層体をさらに複数積層することによりフィルタ構成部を形成させてもよい。この場合、単層のフィルタと積層体とを同時に使用する場合もあり得る。
【0028】
また、上記各発明において、前記基部層は、二枚の基部材料フィルタによって構成され、前記防臭フィルタが、前記二枚の基部材料フィルタの中間に配置されている構成とすることができる。
【0029】
上記構成によれば、使用時において使用者の口元に接する基部層は、濃厚な呼気や唾液の飛沫を受けることとなるが、この基部層に防臭フィルタを設けることにより、これらを原因とする臭いを抑える効果を向上させる。特に、当該防臭フィルタは、上述のように、水溶性の両性イオン性高分子が混入されたレーヨン繊維が使用されているため、呼気に含まれる湿気を吸収し、水和性による二酸化炭素濃度を抑えるため、臭いの予防や飛来虫を忌避する効果を奏する。なお、基部層を構成する二枚の基部材料フィルタは、同一素材のフィルタである必要はなく、口元に接する側には、例えばガーゼで構成したフィルタを使用し、反対側には、例えば抗菌フィルタを使用することも可能である。
【0030】
上記構成の発明においては、前記防臭フィルタよりも内側の層に、適宜な肉厚の綿が積層されていることが好ましい。
【0031】
上記構成の場合には、口元から消臭フィルタまでの間に少なからず空隙部を形成させることとなり、この空隙部が存在することにより、使用者による息苦しさを解消させることができる。また、空隙部によって唾液の飛沫等を留めることにより、臭いの原因物質などを消臭フィルタよりも外側に放出することを抑えることとなる。
【0032】
上記各構成の発明において、前記基部層または表面層のいずれか一方には、上側に位置する端縁に庇状の面状部を形成し、該面状部の先端縁には左右方向に連続する端縁部を設け、この端縁部の両端が前記基部層または表面層の左右両側部に係止されるとともに、装着用の紐部材に連結される構成とすることができる。
【0033】
上記構成の場合には、面状部の端縁部の両端が、面状部の左右両側部とともに装着用の紐部材によって、使用者の顔面に引き寄せられ、マスクの装着状態を安定させることができる。また、庇状の面状部により、マスク周縁から漏れ出る呼気のうち、目元方向へ漏れる呼気が、目元(特にメガネのレンズ)に吹きかけられることを回避することができる。特に、マスクを装着した状態で、装着用の紐部材を引っ張ることにより、面状部の端縁部が集中的に引っ張られ、鼻周辺の隙間の発生を抑えることができる。なお、紐部材は、伸縮性のないものでもよいが、ゴム紐等の伸縮性を有する部材で構成してもよい。
【0034】
また、同様にして、上記発明において、前記基部層または表面層のいずれか一方は、上側に位置する端縁に庇状の面状部が形成され、該面状部の先端縁には左右方向に連続する端縁部が設けられ、この端縁部の両端は、前記基部層または表面層の左右両側部に係止され、装着用の伸縮紐が前記端縁部内に挿通されている構成としてもよい。
【0035】
上記構成の場合には、庇状の面状部において左右に連続する端縁部に、装着用の伸縮紐が挿通されていることから、伸縮紐を伸張させた状態でマスクを装着するとき、庇状の面状部の端縁部は、伸縮紐の復元力により頭部中心方向へ付勢される。これにより、面状部の端縁部を伸縮紐の形状に合致させ、顔面の起伏に対して柔軟に密着させることができる。
【0036】
なお、上記のように庇状の面状部を有する構成においては、さらに、前記面状部の端縁部には、その内部または表面に塑性変形可能な材質による長尺なワイヤ部材を該端縁部に沿って設け、また、前記基部層の上部には、適宜間隔を有する二箇所に弾性力を有する緩衝部材を備える構成とすることができる。
【0037】
上記のような構成の場合には、ワイヤ部材の塑性変形によって、面状部の端縁部の形状を安定化させることができ、マスクを装着する際に当該端縁部を鼻周辺の起伏に合わせて予め形状を調整した後、その形状を維持させることができる。従って、庇状の面状部の状態を安定させることとなるのである。また、間隔を有する二個所の緩衝部材により、適宜変形可能な緩衝部材が鼻の両側における密着性を向上させることができる。
【0038】
さらに、上記構成の各発明において、前記基部層または表面層のいずれか一方には、下側に位置する端縁に庇状の第2の面状部が形成され、該第2の面状部の先端縁には左右方向に連続する第2の端縁部が設けられ、この第2の端縁部の両端は、前記基部層または表面層の左右両側部に係止され、装着用の伸縮紐が前記第2の端縁部に挿通されているものとすることができる。
【0039】
上位機構成によれば、基部層または表面層の下端縁に設けられる第2の面状部が、顎の周辺を覆うように配置されることとなり、しかも、その端縁部に伸縮紐が挿通されることにより、顎周辺の形状に合わせて端縁部を密着させることができる。従って、マスクを装着した際、特に、会話等のために口を動かせる場合であっても、顎周辺におけるマスク周縁と顔面との間の間隙の発生を抑えることが可能となる。
【0040】
呼吸負荷型マスクとしての本発明は、前記各構成のマスクにかかる発明において、前記各フィルタのいずれかの一もしくは複数のフィルタ、またはこれらとは異なる個別のフィルタが、目開き長を60nm以下の微細なメッシュ構造で構成したことを特徴とするものである。
【0041】
上記構成によれば、敢えてマスクの着用によって、多少の息苦しい状態とすることで、呼吸に負荷を掛けることとなり、横隔膜以外の呼吸筋を鍛えることができる。すなわち、一般的な呼吸は、横隔膜および肋間筋が作用するとされているが、これらの他にも胸鎖乳突筋、腹直筋または斜角筋などが呼吸動作に作用するため、これらの筋肉を鍛えることにより、呼吸動作の改善を図ることができる。このようなトレーニングにより、代謝が高められることとなるからダイエット効果が期待できる。なお、呼吸動作の改善とは、例えば、上述のような呼吸に使用される筋肉が鍛えられることによって、呼吸の停止時間が短くなり、呼吸の停止回数も減少するということであり、このような呼吸動作の改善によって、睡眠時無呼吸症候群の発症を抑える効果も期待できる。
【0042】
なお、上記各構成のマスクを収容するための専用マスクケースとしては、二又に分岐した底面部と、その中央に立設した頂上部とを備え、底面部の片方から頂上部に至る部分に開口端縁を設けて開口させ、頂上部から前記開口端縁を覆う庇状端縁部を形成してなることを特徴としている。上記構成のマスクケースは、底面部が二又に分岐しているため。マスクの左右側両端を当該分岐した二つの底部に併せることにより、マスクの形状を維持した状態で収容できる。
【0043】
上記構成のマスク専用ケースにおいて、前記開口端縁と前記庇状端縁部とが、相互にファスナまたは面ファスナによって閉口自在に構成されたものとすることができる。このような構成の場合には、マスクをケース内に収納した状態において、容易に開口してマスクの表面が露出されることを防ぐことができる。特に、マスクを専用ケースに収納した状態では、マスクの変形を抑えることができることから、マスクを洗濯する際には専用ケースに収納した状態で洗濯槽に投入することができる。このとき、洗濯槽内で攪拌等が作用する場合であっても、上記構成により、マスクが専用ケース内に収まった状態を維持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】マスクに係る本発明の第1の実施形態を示す説明図である。
【
図5】マスクのフィルタ構成部(内挿用フィルタ)の構成を示す説明図である。
【
図6】マスクに係る本発明の第2の実施形態におけるマスクの本体部を示す説明図である。
【
図7】マスクに係る本発明の第2の実施形態におけるマスクの本体部を示す説明図である。
【
図8】マスクに係る本発明の第2の実施形態におけるマスクの本体部を示す説明図である。
【
図9】マスクに係る本発明の第2の実施形態の使用状態を示す説明図である。
【
図10】マスクケースに係る本発明の実施形態を示す説明図である。
【
図11】マスクケースの使用態様を示す説明図である。
【
図13】マスクケースの変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、マスクに係る本発明の第1の実施形態を示す図である。本実施形態は、マスク本体1とフィルタ構成部(内挿用フィルタ)2とで構成されるものであり、マスク本体1には、上端縁のみが開口する開口部11が形成されており、この開口部11から内挿用フィルタ2を挿入することにより、所定の効果を有するマスクAを構成するものである。なお、マスク本体1は、一部のフィルタ素材によって構成されており、前記内挿用フィルタ2とともに、所定の物質の侵入を防御し得るものである。ここで「フィルタ構成部」とは、一または複数のフィルタによって構成され、マスク本体1とは区別して設けられた部材であって、専らフィルタ機能を発揮させる目的を有する部分を示すものである。図示のように一体化した単一部材として構成される場合もあれば、複数に分割されて構成される場合もあり、さらには分離した単独フィルタによって構成される場合があり得る。マスク本体1に内挿する構成であることから、以下において「内挿用フィルタ」と称する場合がある。
【0046】
マスク本体1は、基部層3と表面層4とが、周辺を縫着されることによって一体化されたものである。但し、開口部11を形成すべき上端縁は縫着されていない非縫着領域としている。また、基部層3の上端縁には、布地を当該端縁から庇状に形成してなる面状部31が設けられ、基部層3よりも内側(使用者の顔側)の適宜範囲を被覆できるように構成している。そして、この面状部31の先端縁32には、帯状の端縁部が設けられ、その内部には、塑性変形可能な(弾性力が比較的小さい)樹脂製(ポリエチレン製)または金属製のワイヤ部材が縁部に沿って内挿されており、使用者の顔表面の起伏に応じて変形させ、当該端縁を顔面に密着させることができるようになっている。なお、マスク本体1の左右両側には、耳掛け用として伸縮性を有するゴム紐5,6が設けられるものである。このゴム紐5,6は、庇状の面状部の31の先端縁32の両端に連結されるものであり、当該両端部分は、後述のように表面層4の一部に係止されるものである。なお、このゴム紐5,6は、伸縮性のない紐材で構成してもよく、長さ調整を可能とする調節具を設けてもよい。
【0047】
ところで、マスク本体1は、
図2に示すように、基部層3と表面層4とが個別の異なるフィルタ層によって構成されており、これを縫着して一体化するものであるが、本実施形態においては、基部層3は、ポリエステル製の糸をメリヤス編みしたガーゼ等の柔軟な素材を主として使用し、表面層4はナイロンメッシュ素材等の形状が安定するような素材(形状安定化材料)を主として使用している。基部層3のガーゼ素材は、肌触りの良さのためであり、このほかに冷感素材を使用してもよい。冷感素材としては、接触冷感材料や吸湿速乾材料などを使用することができる。他方、形状安定材料としては、ナイロン製のメッシュ構造材料を使用するが、本実施形態ではメッシュの目開き長が比較的大きいもの(1.5mm~2.0mm)を二枚積層している。これは形状の安定化を優先するためであり、従って、この場合の鏡面層4は、マスクにおけるフィルタの一部としての機能を持たせていない。
【0048】
なお、基部層3および表面層4は、立体的な形状とするため、上端付近中央部および下端付近中央部を絞った状態で縫合している。また、庇状の面状部31は、基部層3に設けられ、基部層3とともに使用者の顔に容易に当接し得るようにしている。
【0049】
このように、マスク本体部1は、個別に設けられた基部層3と表面層4は、下端縁および左右両端縁が縫着されることにより一体化されるものであることから、縫着された状態は、簡易な袋状を形成することとなる。この状態を
図3に示す。
【0050】
図3(a)は、マスク本体部1の斜視図であり、(b)は、IIIB-IIIB断面図である。この図に示されるように、基部層3と表面層4との間において、縫着されていない部分は間隙を容易に形成させることができ、マスク本体1の上端縁の縫着されていない端縁(非縫着領域)は開口部11となり、両者3,4の中間は中空部分を形成することができる。この中空部分に、前述の内挿用フィルタ2を挿入することができるようになっているのである。また、庇状の面状部31は、マスク本体1(基部層3)の上端縁から庇状に張り出した状態としており、その先端縁32の帯状部分内部に樹脂製または金属製のワイヤ部材33が被覆されつつ内蔵されるように配置されている。このワイヤ部材33は、弾性力の小さなものであり、容易に塑性変形させることにより任意の形状に(顔の起伏に併せて)変形させることができるものである。
【0051】
面状部31の先端縁32に形成される帯状部分は、前述のようにワイヤ部材33を被覆するために布地が積層されて所定の強度を有している。この先端縁32の両端32a,32bは、表面層4の左右両側部41,42の上端41a,42aの近傍に係止され、さらに耳掛け用のゴム紐5,6の上端51,61に連結されるものである。本実施形態では、表面層4によって前記帯状部分両端32a,32bを係止するために、表面層4の両側部41,42には、当該両側部41,42を縫着するための当て布の先端を折り返し、前記帯状部分両端32a,32bを挿通させる貫通孔を形成している。この折り返し部分に帯状部分両端32a,2bが挿通されることによって、係止位置を固定させず、位置調整を可能としつつ係止できるようにしている。なお、ゴム紐5,6の上端51,61は、帯状部分両端32a,32bに縫着されており、他方の下端52,62は表面層の両側部下端41b,42bに縫着するなどによって連結されるものである。
【0052】
上記のように、面状部31の先端縁32に形成される帯状部分両端32a,32bが、耳掛け用のゴム紐5,6に連結されることにより、当該ゴム紐5,6によって、マスク1を使用者の顔面に引き寄せることができる。これにより、マスク1の装着状態が安定するとともに、マスクを装着した状態で、ゴム紐5,6の上端51,61の近傍を引っ張ることにより、面状部31の当該帯状部分を集中的に引っ張ることができ、当該帯状部分を鼻周辺の起伏に密着させることができるようになるのである。
【0053】
ところで、基部層3は、肌触りの良いガーゼ素材で構成されるが、一枚の素材で構成するほか、複数のフィルタを積層して構成してもよい。すなわち、
図4に示すように、使用者の顔に接触する最も内側(顔面側)にガーゼ素材(または冷感素材など)のシート材34を配置し、外側(表面層側)には異なる材質のフィルタ35としてもよいのである。さらに、その両者34,35の中間に別のフィルタ36を設ける構成とすることもでる。
【0054】
例えば、本実施形態では、最も外側(表面層側)のフィルタ35には、水溶性の両性イオン性高分子が混合されたレーヨン繊維で構成された布帛を使用した消臭フィルタとし、内部に積層するフィルタ36には、適宜肉厚の綿で構成したものを使用することができる。このような積層方法による場合、適宜肉厚の綿が中間に設けられることにより、息苦しさを軽減させている。綿の肉厚は10mm以下であり、中間に積層されることにより、圧縮されて約5mmの肉厚となるが、綿による中空層の存在により当該5mm程度でも楽に呼吸できるようになる。また、その外側に積層される消臭フィルタ35は、水溶性の両性イオン性高分子が混合されたレーヨン繊維によって構成されていることから、綿の内部に吐き出される呼気に含まれる湿気や唾液の飛沫などを吸収させ、臭気の発生を抑えることができる。
【0055】
さらに、図示のように、最内層のシート材34と綿によるフィルタ36の中間に、二つの緩衝部材37a,37bを配置してもよい。この緩衝部材37a,37bは、弾性材料が用いられ、綿やスポンジなどで構成することができる。この緩衝部材37a,37bは、使用者の鼻の両側辺りの位置に設けられるものであり、使用時に鼻の両側に生じやすい隙間を弾性変形しつつ解消させるものである。なお、この緩衝部材37a,37bは、これらのフィルタやシート材34~36を縫着する際に、上端縁を同時に縫着することによって内部に固定させることができる。なお、このような縫着の後に、庇状の面状部31の端縁が縫着されるものである。
【0056】
次に、内挿用フィルタ2について詳述する。内挿用フィルタ2は、
図5に示すように、複数のフィルタ21~25が積層されている。これらのフィルタ21~25は、同じ形状にカットされ、積層した状態で周囲を縫合することにより一体化している。これらのフィルタ21~25のうち、最外層(表面層側)のフィルタ21は、静電防止フィルタである。この静電防止フィルタは、ポリエステル系繊維による布帛の表面に、導電性カーボンによるカーボン糸を織り込んだものであり、縦横に2mm程度の間隔で格子状に織り込まれている。このようにカーボン糸を織り込むことにより、ポリエステル系繊維に帯電する電荷を放電し、静電気による微粒子やウイルス等の吸引・吸着を防止するのである。すなわち、ウイルス等をフィルタに吸着させて除去するのではなく、付着するウイルス等をフィルタに留めないようにしている。なお、ウイルスの侵入は、生地として使用するポリエステル系の布帛によって排除している。すなわち、静電防止フィルタ21の生地は、目開き長を20nm程度の微細なメッシュ状としている。このような微細なメッシュ状生地により、微粒子やウイルスなどの侵入を抑えたうえで、当該フィルタ21の表面に留まることがないように静電防止機能を持たせたものである。これにより、マスクそのものが不衛生なものとなることを防いでいるのである。
【0057】
また、内挿用フィルタ2は、他のフィルタ22~25を積層することができる。例えば、虫忌避フィルタ22を積層することにより、飛来虫の接近から防護することができる。虫忌避フィルタ22としては、トルアミド系複合化合物を含浸させた綿布を使用することができる。トルアミド系複合化合物は、飛来虫(特に蚊など)に対する忌避効果があるため、これを綿布に留めることにより、蚊の接近を防除し得る。さらには、第2の消臭フィルタ23として粒状の活性炭を付着させたものを積層してもよく、また、抗菌フィルタ24を積層してもよい。
【0058】
抗菌フィルタ24としては、綿素材のメッシュフィルタにウイルス不活性能を有する物質を担持させたものがある。当該物質としては、例えば、ヨウ化白金、ヨウ化パラジウム、ヨウ化銀、ヨウ化銅およびチオシアン酸銅から1種以上選択される物質がある。そのほかにも、繊維構造物に対し、2-ヒドロキシ-1,3,5-トリアジンナトリウム、ジアミノベンゼンスルフォン酸ナトリウムおよび塩化ジデシルジメチルアンモニウムを共存させた溶液を含浸させてなるものもある(特許第4832573号)。これらの材料を使用することにより、使用される物質に接したウイルスは不活性化され、また、菌類の増殖を抑え、または菌類の死滅を促すことができる。
【0059】
さらに、最も内側には不織布による補助フィルタ25を設けることにより、前掲の複数のフィルタ22~24を、表面の静電防止フィルタ21との間に挟むように構成することができる。この不織布による補助フィルタ25の存在により、中間に挟んだフィルタ22~24を保護することができる。すなわち、表面が擦れることによって機能が低下することを防いでいるのである。
【0060】
なお、上記のような内挿用フィルタ2を構成する各種フィルタ21~25に加えて、さらに目開き長の小さなフィルタとして、ポリエステル系繊維による布帛によるものを追加してもよい。これは静電防止フィルタ21の生地として使用されるものと同質であるが、このような微細なメッシュフィルタを追加することにより、呼吸に負荷を与えることができるのである。呼吸に負荷を掛けることは、すなわち、横隔膜以外の呼吸筋を鍛えることとなる。自然な呼吸では、横隔膜および肋間筋などの作用によることとなるが、息苦しい場合には、胸鎖乳突筋、腹直筋または斜角筋などをも使用することとなり、これらの筋肉を鍛えることができる。これらの筋肉強化により、呼吸動作の改善を図ることとなり、睡眠時無呼吸症候群の発症を抑える効果も期待できる。さらに、呼吸に負荷を与えることにより、低酸素運動と同様のトレーニング効果を得ることができ、身体の代謝を促進させることによるダイエット効果をも期待できる。このように、敢えて息苦しくなるようにし、呼吸に負荷を与える構成としたマスクを本願では呼吸負荷型マスクと称している。
【0061】
次に、マスクに係る本発明の第2の実施形態について説明する。
図6および
図7は、本実施形態の基部層と表面層とを分離した状態を示す図であり、
図6はマスク本体の外側(表面側)からの斜視の状態を、
図7はマスク本体の内側(裏面側)からの斜視の状態を示すものである。
【0062】
これらの図に示されるように、本実施形態のマスク本体101は、基本的構成は第1の実施形態と同様であって、基部層103と表面層104とで構成されるものである。なお、詳細は後述するが、基部層103と表面層104とは、非縫着領域を形成しつつ縫着されることによって一体化されるものである。そこで、本実施形態は、庇状の面状部(第1の面状部)108が、基部層103ではなく、表面層104に設けられているのである。表面層104の上部端縁143において、表面層104を構成する部材とともに縫着され、一体的に設けられるものである。また、この表面層104の下部端縁144には、同様の庇状の面状部(第2の面状部)109も設けられている。
【0063】
上記の面状部108,109は、いずれも端縁部181,191が設けられており、それぞれの両端部分が、表面層104の左右両端部の上端141a,142aと、下端141b,142bとに設けられる環状部分に挿通可能であり、この挿通により当該献上部分によって係止された状態となるものである。また、この端縁部181,191は、双方ともに帯状であるが、さらに中空の筒状となっており、この中空内部に装着用紐(伸縮紐)105,106が挿通できるようになっている。なお、図中の装着用紐105,106は、第1の面状部108の端縁部181には挿通していない状態を、第2の面状部材109の端縁部191には挿通した状態を示している。また、図中の符号は105,106と分けて(左右に区分されるものとして)示しているが、全体が連続する1本の紐が用いられている。また、ここで使用される装着用紐105,106は、端縁部181,191を挿通し得る長さを有するものであり、ゴム紐等の伸縮性を有するものであることから、その伸縮時における長さの変化を調整のために調整具150,160が設けられている。
【0064】
基部層103は、面状部材が設けられない点を除けば、基本的に第1の実施形態における基部層3と同じ構造である。ただし、本実施形態においては、ナイロン製メッシュ生地による形状安定化材料を最外層130に用いている。これは、庇状の面状部(第1および第2)108,109を表面層104に設けたことから、装着の状態により表面層104の形状が変化する可能性があり、マスク全体の形状の安定化を図るために、基部層103に設けたものである。なお、形状安定化材料を基部層103に設けたことに伴って、表面層104の最外層140には、他の材料を使用することができる。一例としては前掲の静電防止フィルタ21と同じ材料によって構成することができる。
【0065】
本実施形態のマスク本体部101は、第1の実施形態と同様に、基部層103および表面層104は、下端縁および左右両端縁を縫着し(上端縁は非縫着領域として開放し)、全体として一体化されるものである。この状態を
図8および
図9に示す。
【0066】
図8(a)は、マスク本体部101の斜視図、(b)は、VIIIB-VIIIB断面図であり、
図8は装着時におけるVIIIB-VIIIB断面図である。この図に示されるように、縫着されない上端縁(非縫着領域)は開口部111として機能し、基部層103と表面層104との中間に形成される中空部分には、前述の内挿用フィルタ2が挿入可能となっている。また、第1の面状部108の端縁部181には、その長手方向に沿ってワイヤ部材183が設けられている。このワイヤ部材183は、容易に塑性変形が可能な(弾性力が比較的小さい)樹脂製(ポリエチレン製)または金属製であり、1本または複数本を帯状に形成したものを側面に接着している。接着には、樹脂フィルムまたは布によってワイヤ部材183を被覆した状態で端縁部181に縫着した構成とし、ワイヤ部材183が表面に露出しないようにしている。なお、当該端縁部181には前述のとおり装着用紐105,106が挿通されるため、これと干渉しないように側面に接着したものであるが、ワイヤ部材183を端縁部181に内挿可能であれば、端縁部181の内部に設けてもよい。この種のワイヤ部材183を設けることにより、使用者の顔表面の起伏に応じて変形させ、当該端縁部181を顔面(特に鼻の周辺)に密着できるようにしている(
図9参照)。この密着状態は、起伏の形状に合わせたうえ、前記の装着用紐105,106による伸縮性(復元力)によって効果的なものとなる。
【0067】
これに対し、第2の面状部109の端縁部191には、ワイヤ部材を設けていない。これは、当該面状部材109が顎の周辺を覆うように装着されることから、会話等において口(下顎)を動作させる際、その形状や位置が常時変化するため、ワイヤ部材による形状の固定化が難しいことによる。そこで、このワイヤ部材に代えて、端縁部191の材料を柔軟な素材とすることにより、内部に挿通される伸縮性を有する装着用紐105,106によって、当該端縁部191を自在に変形させつつ、密着性を向上させているのである(
図9参照)。なお、表面層104の上下端143,144には、形状を安定化させるための樹脂製ワイヤ145,146を縁部に沿って挿入させてもよい。
【0068】
なお、
図9に示されているように、第1の面状部108は、前述のように表面層104に設けられ、装着時には顔面に密着されることから、非縫着領域で形成される開口部111は、面状部108によって閉口された状態となる。従って、マスク本体1の開口部111から挿入された内挿用フィルタ102は、マスクの使用時においては、内部に安定的に挿入された状態が維持されるものである。
【0069】
また、ここで使用される内挿用フィルタ102は、第1の実施形態における内挿用フィルタ102と同様であり、適宜機能を有する材質のフィルタが選択的に積層されるものである。これらの特定機能を有するフィルタは、内挿用フィルタに一括して積層する場合もあるが、基部層103または表面層104を構成するために特定機能を有するフィルタを使用する場合、内挿用フィルタから当該機能を有するフィルタを除くことができるものである。
【0070】
上記のように、本実施形態は、第1の面状部材108および第2の面状部材109により、マスクの上下両端をともに顔面との密着性を向上させ得るものであるから、特定物質(排除すべき物質)の侵入を有効に抑えることができるものとなる。さらには、前述のように、内挿用フィルタ2に目開き長の小さなフィルタとして、ポリエステル系繊維による布帛によるものを追加し、呼吸負荷型マスクとする場合には、外気の侵入経路が一層制限されることとなり、呼吸に際して付与する負荷を大きくすることとなる。特に、装着用紐(伸縮紐)105,106による引張力を調整することにより、密着状態を変化させることも可能となるから、低酸素運動と同様のトレーニング効果を得る目的の場合には、期待する効果に応じた密着状態に調整したうえで、トレーニングを行うことも可能となる。
【0071】
次に、マスクケースに係る実施形態について説明する。
図10は、本実施形態の概略を示す図である。この図に示されるように、マスクケース7は、底面部71,72が二又に分岐しており、両者71,72の中央には、立設された頂上部73が設けられ、全体として略三角柱を横向きにした形状を呈している。各部71~73は、一枚または数枚の布地を縫合して構成され、これら各部71~73の内部は中空となっている。この布地は、ナイロン製またはポリエステル製のメッシュ素材で構成され、通気性のよいものが使用されている。
【0072】
そして、一方の底面部72から頂上部73に至る途中には、前後方向(前記三角柱の母線方向)に切断された庇状端縁部76が設けられ、この庇状端縁部76によって開口部74が形成されている。この庇状端縁76部は、頂上部73の形状に合わせて弧状に形成され、底面部72から頂上部73に連続する布地は、その端縁部75が庇状端縁部76との間で部分的に積層できるように構成され、端縁部75の適宜範囲を当該庇状端縁部76の内側に積層させることによって、上記開口部74を閉口させ得る。
【0073】
このように構成されたマスクケース7は、
図11に示すように、底面部72から頂上部73に到達する端縁部75を頂上部73から引き出すことによって、開口部74が大きく開口するものである。この開口部74からマスクAを挿入することによって、内部に収容させることとなる。このとき、マスクAの表面側Aaを上向きとする(頂上部73の側に向ける)ことにより、マスクAの左右両端縁Ab,Acの片方を開口部74から侵入させることができる。
【0074】
そして、
図12に示すように、内部が断面略三角形状の中空となっているマスクケース7(
図12(a)参照)の内部において、マスクAの左右両端縁Ab,Acがそれぞれ二又の底面部71,72の内側に配置され、マスクAの表面側Aaを上向きとして収容することができるのである。
【0075】
なお、このマスクケース7は、基本的に底面部71,72と、頂上部73とが、同じ形状で構成していることから、マスクAの左右両端縁Ab,Acは、一方の底面部71と頂上部73とに当接させるように収容することも可能である。使用者がマスクAをケース7の内部に挿入しやすい方法によって、マスクAの収容状態を適宜変更してもよい。
【0076】
上記構成のマスクケース7は、さらに
図13に示すような形態とすることが可能である。すなわち、開口部74は、底面部72から頂上部73に到達する布地の端縁部75と、頂上部73から垂れ下がった庇状端縁部76との間に構成されることから、この両者を密着させるためのファスナ77(
図13(a)参照)または面ファスナ78(
図13(b)参照)を設けるのである。このファスナ77または面ファスナ78により、開口部74を閉口可能な状態とすることができる。このように、開口部74を閉口させることにより、内部に収納したマスクがケース7から不用意に飛び出すことを防止できるのであるが、これは洗濯において最も効果的である。つまり、マスクを洗濯する場合には、その型崩れを防止するためにケース7に収納した状態で洗濯機を使用するのである。ケース7そのものは、液体および気体が通過しやすい比較的柔軟な素材であるが、マスク単体を洗濯機によって洗濯する場合に比較して、ケース内に収容した状態での洗濯では、型崩れの度合いが異なり、さらに、その洗濯の際に、マスクをケース内に安定的に収納させることができるのである。
【0077】
本発明の実施形態は上記のとおりであるが、これらの実施形態は本発明の一例を示すものであって、本発明が上記の実施形態に限定される趣旨ではない。すなわち、これらの実施形態を適宜変更することができる。例えば、上述の実施形態のマスクAは、マスク本体1と内挿用フィルタ2とで構成したものを示しているが、両者1,2は分離させたものでなく一体化した構成でもよい。また、上記実施形態のマスク本体1は、基部層3と表面層4とで構成され、それぞれがフィルタを積層した構成について説明したが、第1の実施形態においては、少なくともナイロンメッシュによる形状安定化材料を最外層とし、ガーゼ素材を最内層とする袋状構造のマスク本体1を構成するものであればよい。さらに、第2の実施形態においては、ナイロンメッシュによる形状安定化材料は、基部層103の最外層として設けられているが、マスク全体の形状が安定する状態であれば、最外層出なくてもよい。
【0078】
また、マスクAの左右両端縁Ab,Ac(特に基部層3の左右両端縁)に、樹脂製のワイヤ部材を設ける構成としてもよい。マスクAの左右両端縁は、使用者の頬近傍に当接する部分であるから、当該端縁の形状を安定化させることによって、隙間の発生を抑えることができる。さらに、基部層3の上端(面状部31が設けられる基端)の縁部にも同様のワイヤ部材を設ける構成としてもよい。このような構成により、マスクAを装着したとき、マスクA(特に基部層3)の周縁が使用者の顔面に隙間なく当接することとなり、フィルタを経由しない部分からの外気の吸引を抑制することができる。
【0079】
さらに、内挿用フィルタ2を構成する各種のフィルタは、適宜変更することができ、上述のように、マスク本体1に防臭フィルタ35を積層しない構成の場合には、内挿用フィルタ2を構成するフィルタに上記防臭フィルタ35を積層させる構成とすることができる。さらに、呼吸負荷型マスクの場合には、基部層3に積層される綿36を積層しない構成としてもよく、庇状の面状部31および緩衝部材37a,37bは必須の部材ではなく、適宜省略することができる。
【0080】
また、マスクにかかる第1の実施形態においては、面状部材31を基部層3に設けたが、第2の実施形態に示されるように表面層4に設ける構成としてもよい。他方、第2の実施形態では、第1の面状部材108および第2の面状部材109をいずれも表面層104に設ける構成としたが、いずれか一方または双方を基部層103に設ける構成としてもよい。
【符号の説明】
【0081】
1,101 マスク本体
2,102 内挿用フィルタ
3,103 基部層
4,104 表面層
5,6,105,106 ゴム紐
7 マスクケース
11,111 マスク本体の開口部
21 静電防止フィルタ
22 虫退避フィルタ
23 第2の消臭フィルタ
24 抗菌フィルタ
25 補助フィルタ(不織布フィルタ)
31,108,109 庇状の面状部
32,181,191 面状部の先端縁(端縁部)
32a,32b,182a,182b,192a,192b 面状部の帯状部分両端(端縁部両端)
33,183 ワイヤ部材
34 最内層のシート材(ガーゼ素材等のシート材)
35 消臭フィルタ
36 綿
37a,37b 緩衝部材
41,42 表面層の左右両側部
41a,42a,141a,142a 左右両側部の上端
41b,42b,141b,142b 左右両側部の下端
51,61 ゴム紐の上端
52,62 ゴム紐の下端
71,72 マスクケースの底面部
73 マスクケースの頂上部
74 マスクケースの開口部
75 マスクケースの端縁部
76 マスクケースの庇状端縁部
77 ファスナ
78 面ファスナ
130 基部層の最外層
140 表面層の最外層
143 表面層の上部端縁
144 表面層の下部端縁
145,146 樹脂製ワイヤ
150,160 装着紐の長さ調整具
A マスク
Aa マスクの表面側
Ab,Ac マスクの左右両端縁