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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-28
(45)【発行日】2022-04-05
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220329BHJP
【FI】
A63F5/04 511E
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020039410
(22)【出願日】2020-03-06
(65)【公開番号】P2021137430
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2021-05-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】特許業務法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】椎野 真一
(72)【発明者】
【氏名】井川 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】雪江 恵理
(72)【発明者】
【氏名】黒田 絵美
(72)【発明者】
【氏名】鏡 泰裕
【審査官】岡崎 彦哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-037580(JP,A)
【文献】特開平11-076497(JP,A)
【文献】特開2010-131217(JP,A)
【文献】特開2013-252226(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04、7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な基材に複数種類の塗料が印刷された帯状のリールテープと、前記リールテープが巻きつけられるフレームと、を有するリールと、
前記リールテープを内側から照明するバックライトと、を備え、
前記リールテープは、長手方向に沿って配置された複数の図柄を有し、
前記複数の図柄は、特定図柄を含み、
前記フレームは、一対の円環部を有し、
前記一対の円環部は、前記リールテープの短手方向の両側で前記リールテープの内面に当接し、
前記リールテープには、前記塗料により形成された、図柄部と、背景部と、遮光部と、があり、
前記図柄部には、前記バックライトからの光が透過しやすい透光部と、前記透光部より前記バックライトからの光が透過しにくい縁部と、があり、
前記縁部は、前記透光部を囲むようになっており、
前記背景部には、所定の光輝性顔料があり、
前記透光部には、前記所定の光輝性顔料がなく、
前記背景部の印刷順は、前記縁部より後であり、
前記遮光部の印刷順は、前記背景部より後であり、
前記背景部の印刷範囲は、前記縁部を囲むようになっており、
前記遮光部の印刷範囲は、前記縁部を囲むようになっており、
前記背景部の内周は、前記縁部に達するようになっているが、前記縁部の内周までは達しないようになっており、
前記遮光部の内周は、前記縁部に達するようになっているが、前記縁部の内周までは達しないようになっており
前記特定図柄において、
前記透光部と前記縁部とが接するようになっており、
前記透光部は、前記一対の円環部と重ならないように配置され、
前記縁部は、前記一対の円環部と重なるように配置されている、ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外周面に図柄が配列された複数のリールを備えた遊技機(回胴式遊技機、スロットマシン)が知られている。この種の遊技機は、メダルやパチンコ玉などの遊技媒体に対して一定の遊技価値を付与し、このような遊技媒体を獲得するための遊技を行うものである。また、この種の遊技機は、遊技者によるスタートレバーに対する開始操作を契機として、内部抽選を行うとともに複数のリールの回転を開始させ、遊技者によるストップボタンに対する停止操作を契機として、内部抽選の結果に応じた態様で複数のリールを停止させる制御を行っている。そして、遊技の結果は、複数のリールが停止した状態における入賞判定ライン上に表示された図柄組合せによって判定され、遊技の結果に応じてメダル等の払い出しなどが行われる。
【0003】
この種の遊技機においては、リールに配置された図柄のうち特定の図柄が光を透過させる強発光窓部を有し、この強発光窓部を介してリフレクタで反射させたバックライトからの光を遊技者に視認させることが可能なスロットマシンが開示されている(特許文献1参照)。このスロットマシンは、特定の図柄にのみ強発光窓部を設けることで他の図柄と視覚的な差別化を図り、特定の図柄の視認性を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-195635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、多くの図柄に強発光窓部を設けると図柄同士の視覚的な差別化が行いにくくなるとともに遊技者が眩しさを感じることがあり、リールに配置された図柄のうち一部の図柄の視認性を向上させることしかできなかった。
【0006】
そこで、本発明は、リールの図柄の視認性を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、透明な基材に複数種類の塗料が印刷された帯状のリールテープと、前記リールテープが巻きつけられるフレームと、を有するリールと、前記リールテープを内側から照明するバックライトと、を備え、前記リールテープは、長手方向に沿って配置された複数の図柄を有し、前記複数の図柄は、特定図柄を含み、前記フレームは、一対の円環部を有し、前記一対の円環部は、前記リールテープの短手方向の両側で前記リールテープの内面に当接し、前記リールテープには、前記塗料により形成された、図柄部と、背景部と、遮光部と、があり、前記図柄部には、前記バックライトからの光が透過しやすい透光部と、前記透光部より前記バックライトからの光が透過しにくい縁部と、があり、前記縁部は、前記透光部を囲むようになっており、前記背景部には、所定の光輝性顔料があり、前記透光部には、前記所定の光輝性顔料がなく、前記背景部の印刷順は、前記縁部より後であり、前記遮光部の印刷順は、前記背景部より後であり、前記背景部の印刷範囲は、前記縁部を囲むようになっており、前記遮光部の印刷範囲は、前記縁部を囲むようになっており、前記背景部の内周は、前記縁部に達するようになっているが、前記縁部の内周までは達しないようになっており、前記遮光部の内周は、前記縁部に達するようになっているが、前記縁部の内周までは達しないようになっており前記特定図柄において、前記透光部と前記縁部とが接するようになっており、前記透光部は、前記一対の円環部と重ならないように配置され、前記縁部は、前記一対の円環部と重なるように配置されている、ことを特徴とする遊技機である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、リールの図柄の視認性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る遊技機の外観構成を示す正面図。
図2】本実施形態に係る遊技機の筐体の内部の構成を示す正面図。
図3】本実施形態に係る遊技機のリールを示す斜視図。
図4】本実施形態に係る遊技機のリールテープを示す図で、(a)は第1リールのリールテープを表面から視た図、(b)は第2リールのリールテープを表面から視た図、(c)は第3リールのリールテープを表面から視た図。
図5】本実施形態に係る遊技機のリールテープを示す図で、(a)は第1リールのリールテープを裏面から視た図、(b)は第2リールのリールテープを裏面から視た図、(c)は第3リールのリールテープを裏面から視た図。
図6】本実施形態に係る遊技機のリールテープを示す図で、(a)は図4(a)のA-A断面図、(b)は図4(a)のB-B断面図。
図7】本実施形態に係る遊技機の重なり領域周辺のリールを示す拡大図。
図8】本実施形態に係る遊技機の識別表示を示す拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。また、以下の記載において、「平行」、「直交」、「(寸法や形状等が)同じ(同一)」との説明があるが、これらを寸法誤差(設計誤差、製造誤差)等により厳密に「平行」、「直交」、「同一」とすることは現実的には困難であり、「平行」、「直交」、「同一」には、それぞれ「略平行」、「略直交」、「略同じ(略同一)」であるものを含むものとする。
【0011】
[遊技機の構成の概要]
図1は、本実施形態のスロットマシン1の外観構成を示す正面図である。本実施形態のスロットマシン1は、いわゆる回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。なお、以下において、遊技者の方(手前)を「前方」、反対を「後方」と記載する。また、図1の正面図を基準に遊技機の上下左右を規定する。
【0012】
本実施形態のスロットマシン1は、遊技者に対向する側である前面側(前方側)に開口BXa(図2参照)が形成された箱形の筐体BX、開閉可能に筐体BXに支持された前扉としての前面扉FDを備えており、筐体BX内に左右方向に並べて配置された複数のリールとしての第1リールR1~第3リールR3を有するリールユニット310が収められている。また、筐体BX内のリールユニット310の下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット320(図2参照)が収められている。また、本実施形態のスロットマシン1の筐体BX内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、スロットマシン1の動作を制御する制御基板10(図2参照)も収められている。
【0013】
最も左方側に配置された第1リールR1、第1リールR1の右方側に配置された第2リールR2、及び第2リールR2の右方側に配置された第3リールR3は、それぞれ外周面を一定の間隔で複数の仮想領域(本実施形態では20の仮想領域(以下、各仮想領域を「コマ」又は「図柄配置領域」とも記載する)に区画した場合の各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また、第1リールR1~第3リールR3は、リール駆動手段としてのステッピングモータM(図2参照)に軸支されており、それぞれステッピングモータMの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータMの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。
【0014】
前面扉FDは、それぞれ個別に開閉可能で、開口BXaの上半部を閉じることが可能な前面上扉UDと、開口BXaの下半部を閉じることが可能な前面下扉DDと、に分割部DVにおいて上下に分割して構成されている。前面上扉UDには、第1リールR1~第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1~第3リールR3の停止状態では、第1リールR1~第3リールR3それぞれの外周面に周方向に沿って配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)をスロットマシン1の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
【0015】
また、本実施形態のスロットマシン1では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態のスロットマシン1では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数がいずれの遊技状態においても3枚に設定されており、規定投入数に相当するメダルが投入されると第1リールR1~第3リールR3の中段によって構成される有効ラインL1が有効化される。
【0016】
そして、遊技結果は、表示窓DW内の有効ラインL1上に停止表示された有効図柄組合せによって判定され、有効ラインL1上の有効図柄組合せが予め定められた役に対応した組合せである場合に、その役が入賞したものとしてホッパーユニット320からメダルの払い出し等が行われる。
【0017】
前面上扉UDには、第1リールR1~第3リールR3を外部から照明するリール照明装置(不図示)が設けられている。リール照明装置は、表示窓DWの裏側(奥側)上方に配置されており、第1リールR1~第3リールR3を前上方から照明して、図柄の視認性を向上させている。なお、リール照明装置は、表示窓DWの裏側下方に配置されて、第1リールR1~第3リールR3を前下方から照明するように構成されていてもよいし、表示窓DWの裏側上方及び裏側下方の両方に配置されていてもよい。
【0018】
前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス状態でのメダルの払出数の合計あるいは獲得数の合計、今回の遊技で当選した役の情報、メダルの払い出しに関係するストップボタンB1~ストップボタンB3の押し方を示唆する情報の表示等の各種遊技情報が表示される。
【0019】
遊技情報表示部DSには、7セグメント表示器から構成される主制御表示装置500が含まれており、規定投入数のメダルが投入されスタートレバーSLが傾動操作された際に、今回の遊技で当選した役の情報である当選情報に基づき作成される制御信号である当選コマンドに対応する表示である報知表示が表示され、報知表示の表示後に第1リールR1~第3リールR3が停止した際に、報知表示が終了するとともにメダルの払出数あるいは獲得数が表示される。本実施形態のスロットマシン1では、当選コマンドに応じた表示態様で主制御表示装置500の各セグメントが点灯及び消灯する報知表示が実行される。
【0020】
また、主制御表示装置500には、7セグメント表示器のドットであり、図示しない有利区間制御手段によって有利区間が開始されている場合に点灯し、有利区間が開始されていない、つまり非有利区間が開始されている場合に消灯することで有利区間が開始されているか否かを報知する有利区間報知部500Aが設けられている。
【0021】
また、スロットマシン1には、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりする、遊技に関する演出を実行可能な演出装置300が設けられている。演出装置300には、前面上扉UDに設けられている、表示装置330、可動役物装置350、及び複数の電飾装置360、前面下扉に設けられている複数の電飾装置370が含まれる。表示装置330は、例えば液晶ディスプレイから構成され、遊技の進行に応じて各種の映像や画像を表示する演出を実行する。可動役物装置350は、例えば、表示装置330の前方に配置されており、遊技の進行に応じてモータやソレノイド等の駆動手段により移動し、表示装置330の画面を遮蔽させたり露出させたりする演出を実行する。電飾装置360,370は、遊技の進行に応じて発光する演出を実行する。また、演出装置300には、前面上扉UD及び前面下扉DDに設けられている、複数の音響装置380,390を含む。音響装置380,390は、遊技の進行に応じて各種の音声を出力する演出を実行する。
【0022】
前面下扉DDは、正面視において前面下扉DDと略同サイズで、電飾装置370、音響装置390、メダル受け皿MP等が取付けられる合成樹脂製の下扉ベースDBを有している。下扉ベースDBには、各種の操作手段が取付けられている操作部CPが一体的に形成されている。操作部CPは、上方を向いた操作部上面CPaと、前方を向いた操作部前面CPbと、を有している。操作部上面CPaには、遊技者が1枚ずつメダルを投入するためのメダル投入口MI、及びメダルがクレジット(貯留)されている状態で、クレジットされたメダルのうちから一度の操作によって規定投入数のメダルを投入する投入操作を受付ける投入操作手段としてのマックスベットボタンMB(ベットボタン)が取付けられている。
【0023】
操作部前面CPbには、投入操作手段としてのシングルベットボタンBT、開始操作手段としてのスタートレバーSLを有するスタートレバーユニットLU、停止操作手段としての複数のストップボタンであるストップボタンB1~ストップボタンB3を有するストップボタンユニットBU、ストップボタンユニットBUの前面側を覆うボタンカバーBC及びクレジットされたメダルを清算するための清算ボタンBSが取付けられている。シングルベットボタンBTは、メダルがクレジットされている状態で、クレジットされたメダルのうちから1枚のメダルを投入する投入操作を受付ける。スタートレバーSLは、第1リールR1~第3リールR3を回転させる契機となる開始操作を受付ける。ストップボタンB1~ストップボタンB3は、ステッピングモータM(図2参照)により回転駆動されている第1リールR1~第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる停止操作を受付ける。クレジットされているメダルは、貯留手段としての制御基板10に記憶(貯留)されている。
【0024】
本実施形態のスロットマシン1では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、メダルが規定投入数以上にクレジットされている場合に、規定投入数と同じ回数シングルベットボタンBTを後方に向けて押下するシングルベット操作(投入操作)又はマックスベットボタンMBを下方に向けて押下するマックスベット操作(投入操作)を行うことで、規定投入数のメダルが投入状態に設定され、第1リールR1~第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLに対してスタートレバーSLを傾動させる開始操作(傾動操作)を実行すると、制御基板10において第1リールR1~第3リールR3をステッピングモータMの駆動により回転開始させるとともに、乱数を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1~第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇し定常回転になったことを条件に、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下操作が許可、すなわちストップボタンB1~ストップボタンB3による停止操作が有効化される。
【0025】
なお、本実施形態のスロットマシン1は、第1リールR1~第3リールR3を回転開始させた場合に、ウェイト(又はウェイト時間)と称される待機時間(約4.1秒)を設定するように構成されている。そして、スロットマシン1は、待機時間の設定から待機時間が経過するまでの期間内に再び開始操作が行われた場合に、待機時間が経過した後に第1リールR1~第3リールR3を回転開始させるように構成されている。
【0026】
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1~ストップボタンB3を後方に向けて押下(以下、「押下タイミング」と記載)していくと、ストップボタンB1~ストップボタンB3のそれぞれに内蔵されている停止信号出力手段としてのストップスイッチ(不図示)がON動作を行い、制御基板10へ出力するリール停止信号をOFF状態からON状態へ変化させる。
【0027】
また、遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1~ストップボタンB3を解放すると、ストップボタンB1~ストップボタンB3それぞれに対応するストップスイッチがOFF動作を行い、制御基板10へ出力するリール停止信号をON状態からOFF状態に変化させる。そして、制御基板10は、ストップボタンB1~ストップボタンB3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のOFF状態からON状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1~第3リールR3を停止させる。
【0028】
また、前面下扉DDの下部の下皿前面51には、メダル払出口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払出口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。また、制御基板10にクレジットされたメダルが記憶されている状態で、清算ボタンBSが押下された場合、清算ボタンBSの押下に伴って清算ボタンBSに内蔵されているメダル清算スイッチ(不図示)がON動作を行い、制御基板10へ出力するメダル清算信号をOFF状態からON状態へ変化させる。制御基板10は、メダル清算信号のOFF状態からON状態への変化に伴って、第1リールR1~第3リールR3が回転しておらずかつメダルがベットされていない状態に限り、ホッパーユニット320からクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に相当する枚数のメダルを払い出す清算処理を実行し、メダル払出口MOからメダル受け皿MPへメダルを払い出す。
【0029】
下皿前面51のメダル払出口MOの左右には、証紙類(公的機関による試験の適合を証する証紙、特許権等の実施許諾を証する証紙、各遊技機の個別情報(機種情報や製造情報)を符号や数字等で記録した識別ラベル、銘板など)を配置するための証紙類配置部52L、52Rがそれぞれ配置されている。証紙類配置部52L、52Rは、例えば、証紙類を収容する凹部とそれを覆う透明カバーなどから構成することができる。あるいは、証紙類配置部52L、52Rは単に証紙類(証紙や銘板など)を貼付や接着するための平面部であってもよい。下皿前面51の後方かつ証紙類配置部52L、52Rの左右外側には、上記の音響装置390,390が配置されており、音響装置390,390の前方の下皿前面51には、音響装置390,390からの音を前方に出力するための多数の開口からなる開口部53,53が配置されている。
【0030】
[リールユニットの詳細]
次に、リールユニット310の詳細について説明する。図2に示すように、筐体BXは、側方に配置された左右の側板BXe,BXfを有している。側板BXe,BXf間には、上フレーム11及び中フレーム12が上下方向に離間して架け渡されている。
【0031】
リールユニット310は、上フレーム11及び中フレーム12にねじ留めされるリールベースBAと、リールベースBAに保持され、第1リールR1~第3リールR3のそれぞれに設けられて各リールを回転駆動するステッピングモータMと、各ステッピングモータMの駆動軸に支持された第1リールR1~第3リールR3と、第1リールR1~第3リールR3のそれぞれに対応して設けられて各リールの回転位置を検出するための透過型の光学センサであるリールセンサ26(図3参照)と、を有する。また、リールユニット310は、リールベースBAに保持され、第1リールR1~第3リールR3のそれぞれに設けられて各リールを内側から前方に向けて照明する複数のLEDを有するバックライトとしてのリールバックライト基板BLと、リールバックライト基板BLからの光を反射して前方に案内するリフレクタRLと、を有する。
【0032】
図3に示すように、第1リールR1は、リールフレーム(第1フレーム)FR1と、複数の図柄が長手方向(周方向)Yに沿って一列状に並んで配置された薄い帯状のリールテープ(第1リールテープ)T1と、インデックス部27と、を有する。第2リールR2は、リールフレーム(第2フレーム)FR2と、複数の図柄が長手方向(周方向)Yに沿って一列状に並んで配置された薄い帯状のリールテープ(第2リールテープ)T2と、インデックス部27と、を有する。第3リールR3は、リールフレーム(第3フレーム)FR3と、複数の図柄が長手方向(周方向)Yに沿って一列状に並んで配置された薄い帯状のリールテープ(第3リールテープ)T3と、インデックス部27と、を有する。インデックス部27は、リールセンサ26の光軸を遮蔽可能にリールフレームFR1~リールフレームFR3に保持されており、リールセンサ26の光軸を遮蔽及び透過するタイミングによってリールセンサ26に各リールの回転位置を検出させる。
【0033】
リールフレームFR1~リールフレームFR3は、それぞれ、ステッピングモータMの回転軸に取付けられるハブ部24と、第1円環部(円環部)としての第1リム部21及び第2円環部(円環部)としての第2リム部22と、これら第1及び第2リム部21,22の間を接続する複数の接続部23と、複数のスポーク部25と、を有し、透光性が高い(本実施の形態では透明な)合成樹脂によって一体的に形成されている。
【0034】
第1リム部21及び第2リム部22は、ステッピングモータMの回転軸と同心の円環状に形成され、左右方向(軸方向)、即ちリールテープT1~リールテープT3の長手方向Yと直交する短手方向(幅方向)Xに離間して配置されている。接続部23は、第1リム部21及び第2リム部22の円周上の異なる位置に複数設けられて、第1リム部21及び第2リム部22の間を架け渡すように短手方向Xに沿って延在し、第1リム部21と第2リム部22とを接続している。
【0035】
なお、リールフレームは、接続部を有しておらず、第1リム部と第2リム部とが独立して形成され、リールテープを介して第1リム部と第2リム部とが接続されるように構成されていてもよい。また、リールフレームは、着色された合成樹脂によって形成されていてもよく、着色された合成樹脂(例えば黒色の合成樹脂)によって形成されている場合、上述のインデックス部をリールフレームと一体的に形成することが可能となる。
【0036】
スポーク部25は、第1リム部21及び第2リム部22のいずれか一方の周方向における異なる位置に複数設けられて、第1リム部21及び第2リム部22のいずれか一方とハブ部24とを接続し、ステッピングモータの回転力をハブ部24から第1リム部21及び第2リム部22へ伝達する。本実施形態では、スポーク部25は、ハブ部24と第2リム部22とを接続している。
【0037】
第1リム部21及び第2リム部22のそれぞれの外周には、左右方向に所定の幅(例えば3.5mm~6.5mm程度)を有して形成され、リールテープT1~リールテープT3の内面(裏面)に当接してリールテープT1~リールテープT3の左右端部をリールの径方向に支持する円筒面状の端部支持面(当接面)21a,22aが形成されている。本実施形態においては、第1リム部21及び第2リム部22は、短手方向Xにおける端部支持面21aの幅j1(図7参照)と端部支持面22aの幅j2(図7参照)とが略同じ寸法となるように形成されている。なお、第1リム部及び第2リム部は、互いの端部支持面の幅が異なる寸法となるように形成されていてもよい。
【0038】
また、第1リム部21及び第2リム部22は、端部支持面21a,22aよりも左右方向の外側に、リールテープT1~リールテープT3の短手方向X端に当接可能なフランジ部21b、22bを有している。フランジ部21b、22bは、例えば、左右方向に0.7mm~1.5mm程度の幅となるように形成されており、リールテープT1~リールテープT3の左右方向の位置を規制している。
【0039】
接続部23には、第1リム部21及び第2リム部22の端部支持面21a,22aと連続し、第1リム部21と第2リム部22との間でリールテープT1~リールテープT3をリールの径方向に支持するための接続支持面23aが形成されている。この接続支持面23aと、上述した端部支持面21a,22aと、によって、リールテープT1~リールテープT3をリールの径方向に支持する支持面FRaが形成されている。
【0040】
[リールテープの取付け構造]
次に、図3図4(a)、図5(a)及び図6(a)を参照しながら、リールテープT1~リールテープT3の取付け構造について説明する。リールテープT1~リールテープT3の各取付け構造は同様であるため、以下、リールテープT1の取付け構造を例に説明し、リールテープT2及びリールテープT3の取付け構造の詳細については省略する。
【0041】
図3図4(a)、図5(a)及び図6(a)に示すように、リールテープT1の短手方向Xの両端部の裏面には、第1リム部21の端部支持面21a及び第2リム部22の端部支持面22aに対してリールテープT1を接着するための接着剤が塗布される接着領域65が形成されている。この接着領域65は、リールテープT1の短手方向Xにおける一端T1cから内方へ距離bの範囲である第1接着領域651、及びリールテープT1の短手方向Xにおける他端(X2方向側の端縁)T1dから内方へ距離bの範囲である第2接着領域652を含む。例えば、距離bは、4mmから6mmの範囲の距離に設定されており、端部支持面21a,22aよりも1mm程度(例えば0.5mm~1.5mm)左右方向(短手方向X)に大きく形成されていることが望ましい。
【0042】
リールフレームFR1に巻き回された(巻きつけられた)リールテープT1は、接着領域65に塗布された接着剤によって、内面(裏面)に形成された第1接着領域651と端部支持面21aとが接着され、内面に形成された第2接着領域652と端部支持面22aとが接着されて、リールフレームFR1に保持される。なお、接着領域65に塗布されている接着剤は、接着領域65に均一に塗布されているものに限定されず、例えば、長手方向に所定の長さ(例えば4mm程度)で塗布された接着剤が所定の隙間(例えば1mm~5mm程度)を存して繰り返し並べられるように塗布されていてもよい。
【0043】
また、上述したようにリールテープT1は、長手方向Yの長さが、端部支持面21a,22aの周方向の長さ(円周長さ)よりも長くなるように形成されており、長手方向Yにおける一方側の端部(始端部)T11に対して他方側の端部(終端部)T12がリールの径方向の外側から重なるようにリールフレームFR1に巻き回されて(巻きつけられて)いる。リールテープT1は、リールフレームFR1に巻き回されている状態で、透明部63と、長手方向Yにおける最も他方側に配置された図柄(1番図柄Pa)である図柄P5と、がリールの径方向に重なっている。言い換えると、リールテープT1がリールフレームFR1に巻き回されている状態で、透明部63は、長手方向Yの他方側の端部T12によって外面(表面、外周面)が覆われている。
【0044】
また、リールテープT1は、リールフレームに巻き回された状態で、リールテープT1の長手方向Yにおける他方側の端部T12と、一方側の端部T11とが、接着部材66(図5(a)のハッチング部)によって接着されている。この接着部材66は、他端T1bから内方へ距離cの範囲内に短手方向Xに沿って延在し、例えば、白、乳白色、透明等でリールバックライト基板BLからの光が透過しやすい素材の両面テープや、リールテープT1の裏面に塗布された接着剤等から構成されている。リールテープT1は、接着部材66によって他方側の端部T12の裏面と一方側の端部T11の表面とが密着した状態を維持することが可能となっている。なお、距離cは、例えば、8mmから12mmの範囲の距離に設定されている。
【0045】
[リールテープの詳細]
リールテープT1~リールテープT3は、長手方向Yにおける一方側(Y1方向側)の端部T11に対して長手方向Yにおける他方側(Y2方向側)の端部T12が外側から重なるような形で、円筒状(無端状)となるようにリールフレームFR1~リールフレームFR3の支持面FRaに巻き回されている。
【0046】
図4(a)~(c)は、リールテープT1~リールテープT3をそれぞれ表面側(リールフレームFR1~リールフレームFR3(図3参照)に巻き回された状態での外周面側)から見た図、図5(a)~(c)は、リールテープT1~リールテープT3を裏面側(リールフレームFR1~リールフレームFR3に巻き回された状態での内面側)から見た図、図6(a)は、図4(a)のA-A断面図、図6(b)は、図4(a)のB-B断面図である。リールテープT1~リールテープT3は、それぞれ図柄の配置(図柄の種類、特定の図柄の個数、図柄が並ぶ順番等)及び後述する識別表示70が異なり、他の構成は同様であるため、以下、リールテープT1を例に説明し、リールテープT2及びリールテープT3のリールテープT1と同様の構成については省略する。
【0047】
図4(a)、図5(a)、図6(a)及び(b)に示すように、リールテープT1は、透明な合成樹脂製の基材60の裏面に対し、複数種類の塗料等による印刷層が積層されて構成されており、例えば、基材60の裏面に近い側から順番に、複数の図柄を形成する図柄形成層(図柄部)67、表面側から視た際の図柄の周囲に延在する領域である背景Hを形成する背景形成層(背景部)61a、リールテープT1のベース色の塗料によって形成されるベース層61b、リールバックライト基板BLからの光を遮蔽するための遮光層62、リールバックライト基板BLからの光を拡散するための拡散層64が重ねられて、それぞれの層がスクリーン印刷等によって形成されている。また、リールテープT1の長手方向Yにおける一方側(Y1方向側、図4(a)に示す下方側)の端部T11には、図柄形成層67、背景形成層61a、ベース層61b、遮光層62及び拡散層64のいずれも形成されない透明部63が形成されている。
【0048】
図柄形成層67は、複数種類の塗料等が重ねられて形成されており、例えば、基材60の裏面に近い側から順番に、図柄の縁部(P1a,P2a,P3a,P4a,P5a,P6a)を形成する縁形成層67aと、上記縁部の内部領域の少なくとも一部を形成する内部形成層67bと、が重ねられて形成されている。縁部は、図柄の外形(輪郭)を形成している。縁形成層67aは、例えば、リールバックライト基板BLからの光(可視光)が透過しにくい明度の低い塗料(黒色、暗灰色、濃紺等の塗料)によって形成されている。なお、縁形成層67aは、少なくとも図柄の縁部を形成していればよく、縁部を形成する塗料と同一の塗料等によって縁部の内部領域の一部が形成されていてもよい。また、縁形成層67aは、各図柄間で同一の塗料等によって形成されているものに限らず、各図柄間で異なる塗料によって形成されていてもよい。
【0049】
内部形成層67bは、例えば、縁形成層67aよりも彩度や明度が高く光が透過しやすい塗料によって形成されている。なお、内部形成層67bを形成する塗料は、各図柄間で異なる複数色の塗料による印刷層が重ねられて形成されていてもよい。
【0050】
本実施形態のスロットマシン1は、背景形成層61aに、光を反射させやすくかつ光が透過しにくい光輝性顔料(所謂、ラメ顔料)を有している。具体的には、背景形成層61aは、光輝性顔料と、この光輝性顔料を定着させる展色剤と、を含有する塗料によって形成されている。背景形成層61aに用いられる光輝性顔料は、例えば、金属フレーク(金属箔)、金属フレークを合成樹脂で被覆したもの、合成樹脂フレークを金属で被覆したもの等であり、これらを着色剤で着色したものであってもよい。また、例えば、背景形成層61aに用いられる光輝性顔料は、粒子(箔)のサイズが100μm~数mm程度となっている。背景形成層61aは、リール照明装置から表面側に照射された光を、光輝性顔料によって不規則的に遊技者に向けて反射させやすくしている。なお、背景形成層を形成する塗料は、光輝性顔料と透明な展色剤とから構成されていてもよいし、光輝性顔料と着色された展色剤とから構成されていてもよい。また、背景形成層を形成する塗料が、光輝性顔料と透明な展色剤とから構成されている場合、背景形成層とベース層との間に、更に別の着色層が形成されていてもよい。
【0051】
ベース層61bは、縁形成層67aや遮光層62よりもリールバックライト基板BLからの光が透過しやすい塗料、例えば、白、乳白色、薄い青、薄い紫色、薄いピンク色等、明度の高い色の塗料によって、長手方向Yにおける透明部63の他端(Y2方向側の端縁)からリールテープT1の他端(Y2方向側の端縁)T1bまでの領域のうち、図柄形成層67と重なる領域の一部を除く略全面に形成されている。ベース層61bは、リールテープT1の表面側から遮光層62が見えてしまうことや、図柄形成層67が形成されていない部分においてリールバックライト基板BLからの光による不要な光漏れ等を防ぐとともに、リールテープT1がリール照明装置からの光を反射させやすくしている。
【0052】
遮光層62は、内部形成層67bやベース層61bよりもリールバックライト基板BLからの光が透過しにくい塗料、例えば、黒色、暗灰色、濃紺等の塗料によって、ベース層61bが形成されている領域のうち、少なくとも図柄形成層67と重なる領域の一部を除く略全面に形成されている。遮光層62は、リールバックライト基板BLからの光を遮光して遮光層62が重なる領域を暗く見せることによって、遮光層62が重ならない領域の視認性を向上させている。
【0053】
拡散層64は、所謂チヂミと呼ばれるもので、図柄形成層67が形成されてかつ遮光層62が形成されていない領域の少なくとも一部に形成されている。拡散層64は、例えば、紫外線硬化型の透明な塗料を厚く塗布し、紫外線を照射して塗料を硬化収縮させることにより、裏面側に細かい凹凸を形成したものである。これにより、拡散層64が形成された領域をリールバックライト基板BLからの光が透過する際、光を不規則的に屈折及び反射させて拡散させることが可能となり、例えば、ベース層61b及び遮光層62のいずれも形成されておらずリールバックライト基板BLからの光が透過しやすい部分に形成されて、透過する光によって遊技者が眩しさを感じることの抑制を図っている。
【0054】
上述したように、リールテープT1には、複数の図柄が、図柄を配置する範囲を示すための複数の仮想領域であって、外周面を一定の間隔で複数の仮想領域に区画した場合の仮想領域(周方向における各領域の寸法が同じである複数の仮想領域(図柄配置領域))に1つずつ配置されている。言い換えると、リールテープT1には、リールフレームFR1に巻き回された状態で、リールテープT1を周方向(長手方向Y)に所定数の仮想領域(本実施形態では20個の仮想領域)に仮想的に均等分割した場合の複数の仮想領域内に、それぞれ1つずつ図柄が配置されている。具体的には、リールテープT1がリールフレームFR1に巻き回された状態で、リールテープT1の周方向(長手方向Y)の一方側の端部T11においてリールテープT1がリールテープT1の他端T1bと重なる仮想線を仮想線T1fzとすると、リールテープT1には、リールテープT1の他端T1bから仮想線T1fzまでを長手方向Yに距離gとなる一定の長さ毎に仮想的に均等分割した20個の図柄配置領域(仮想領域)内に、それぞれ1つずつ図柄が配置されている。本実施形態では、距離gは、リールフレームFR1に巻き回された状態のリールテープT1の円周長さの20分の1の長さである。このため、リールフレームFR1に巻き回された状態で、リールテープT1の他端T1bは、図柄配置領域のうち長手方向Yの最も一方側(Y1方向側)に配置された一端領域(第1仮想領域)T1gzと、最も他方側(Y2方向側)に配置された他端領域T1gaと、の境界を形成する。なお、リールテープT2及びリールテープT3にも、同様に、上記の通り均等分割した20個の図柄配置領域内に、それぞれ1つずつ図柄が配置されている。
【0055】
上述したように、リールテープT1~リールテープT3は、それぞれ図柄の種類や特定の図柄の個数が異なっているため、使用されている各塗料等の重量(質量)が互いに異なる。第1リールR1~第3リールR3は、それぞれ同一のステッピングモータM及び同一の回転制御によって加速及び減速が制御されているため、リールテープT1~リールテープT3間の重量の差が大きくなると、第1リールR1~第3リールR3の制御が不安定になる虞がある。このため、本実施形態において、リールテープT1~リールテープT3は、互いの重量差が2g以下となるように形成されている。例えば、リールテープT1~リールテープT3は、拡散層64が形成される図柄の数の差が、互いに2つ以内となっている。これにより、第1リールR1~第3リールR3間の重量差を抑制し、第1リールR1~第3リールR3の制御を安定させることが可能となる。なお、本実施形態において、リールテープT1~リールテープT3の重量は、それぞれ12g以上18g以下となっている。また、リールテープT1~リールテープT3の上記重量は、接着領域65に塗布された接着剤を含み、接着部材66を含まない。
【0056】
[図柄の詳細]
リールテープT1~リールテープT3に配置されている複数の図柄は、例えば、機種固有にデザインされた数字、文字列、フルーツ、キャラクタ等や、これらの組合せから構成されており、これら複数の図柄には、例えば、第2特定図柄としての図柄P1(図柄「7」)、図柄P2(図柄「BAR」)、図柄P3(図柄「チェリー」)、第1特定図柄(特定図柄)及び第1図柄としての図柄P4(図柄「スイカ」)、第2図柄としての図柄P5(図柄「ベル」)及び図柄P6(図柄「リプレイ」)等が含まれる。
【0057】
図柄P1及び図柄P2は、内部抽選の結果等に応じて所定のタイミングで停止ボタンを停止操作した場合に有効ライン上又は表示窓DW内に表示可能な図柄で、遊技者にとって有利な状態、例えばボーナス状態やAT状態(アシスト状態)へ移行する契機となる図柄組合せの一部を構成する。図柄P3及び図柄P4は、内部抽選の結果等に応じて所定のタイミングで停止ボタンを停止操作した場合に有効ライン上又は表示窓DW内に表示可能な図柄で、遊技者に有利な抽選の契機となるチャンス役の図柄組合せや、遊技者に有利な特典が付与される契機となる図柄組合せの一部を構成している。
【0058】
なお、以下の説明において、上記リールテープT1~リールテープT3に配置された複数の図柄のうち、長手方向Yの最も他方(Y2方向)側に配置された図柄を1番図柄(他端図柄)Pa、1番図柄PaからY1方向に向けて順番に、2番図柄、3番図柄、・・・19番図柄、長手方向Yの最も一方(Y1方向)側に配置された図柄を0番図柄(一端図柄)Pz(図4参照)ともいう。また、各リールテープには、これら図柄P1~図柄P6がそれぞれ複数配置されていてもよいし、1つずつ配置されていてもよいし、上述した図柄P1~図柄P6以外の図柄が配置されていてもよい。
【0059】
図4(a)、図5(a)及び図6(a)に示すように、図柄P1(図柄「7」)は、少なくとも短手方向Xにおいて図柄P3~図柄P6よりも大きく形成されており、リールの回転中における視認性が高い図柄となっている。図柄P1は、縁形成層67aによって縁部P1aが形成されており、内部形成層67b及び拡散層64が積層されて縁部P1aの内部領域が形成されている。上述したように、内部形成層67bは、縁形成層67aよりもリールバックライト基板BLからの光が透過しやすく、また、縁部P1aの内部領域には背景形成層61aや遮光層62が形成されておらず、縁部P1aの内部領域は、周囲に配置されている縁部P1aよりもリールバックライト基板BLからの光が透過しやすい透光部P1bとなっている。
【0060】
図柄P1は、径方向に視て、縁部P1aが、第1リム部21、第2リム部22、第1接着領域651及び第2接着領域652と、一部が短手方向Xに重なるように、かつ透光部P1bが、第1リム部21及び第2リム部22のいずれとも重ならないように配置されている。これにより、透光部P1bを透過するリールバックライト基板BLからの光が第1リム部21及び第2リム部22によって遮られることなく、図柄P1を短手方向Xに大きく見せることができる。同様に、図柄P2は、径方向に視て、縁部P2aが、第1リム部21、第2リム部22、第1接着領域651及び第2接着領域652と、一部が短手方向Xに重なるように、かつ第1透光部P2b及び第2透光部P2cが、第1リム部21及び第2リム部22のいずれとも重ならないように配置されている。これにより、第1透光部P2b及び第2透光部P2cを透過するリールバックライト基板BLからの光が第1リム部21及び第2リム部22によって遮られることなく、図柄P2を短手方向Xに大きく見せることができる。
【0061】
なお、径方向に視て、縁部P1a及び縁部P2aが、第1リム部21、第2リム部22、第1接着領域651及び第2接着領域652のいずれに対しても、一部が重なるように配置されているものに限らず、少なくとも第1リム部21、第2リム部22、第1接着領域651及び第2接着領域652のいずれか1つと、一部が重なるように配置されていればよい。また、図柄P1の縁部P1aは、透光部P1bと隣接するように形成されているものに限定されない。例えば、縁部の内部領域の一部に縁部よりもリールバックライト基板からの光が透過しにくい遮光部を有していてもよい。また、縁部は、背景Hよりも光が透過しやすいものであっても透過しにくいものであってもよい。
【0062】
図4(a)、図5(a)及び図6(b)に示すように、図柄P4(図柄「スイカ」)は、縁形成層67aによって縁部P4a(図7参照)が形成されており、内部形成層67b及びベース層61bが積層されて縁部P4aの内部領域が形成されている。図柄P1と同様に、縁部P4aの内部領域には背景形成層61aや遮光層62が形成されておらず、縁部P4aの内部領域は、周辺に配置されている縁部P4aよりもリールバックライト基板BLからの光が透過しやすい透光部P4bとなっている。
【0063】
また、図7に示すように、図柄P4は、右方(X1方向)に向けて先端が細く尖るように突出する突尖部P4cを右上部(X1方向側かつY2方向側)に有している。このため、図柄P4は、短手方向Xの全長P41の中心線(中心)P4dよりも重心(不図示)がX2方向の側に配置されており、短手方向Xに非対称となるように形成されている。言い換えると、リールテープの短手方向Xにおいて、図柄P4は、図柄の中心線P4dに対し一方側(X1方向側)の面積S1が、中心線P4dに対し他方側(X2方向側)の面積S2よりも小さい。また、言い換えると、図柄P4は、図柄の短手方向Xの中心線P4dと図柄の長手方向Yの中心線P4eとの交点である図柄P4の中心(所定の中心)OP4に対し、短手方向Xの一方側(X1方向側)の面積S1が、短手方向Xの他方側(X2方向側)の面積S2よりも小さい。
【0064】
また、図柄P4は、図柄の外形において長手方向Yの長さが最大となる位置である点P4f及び点P4gを通り、長手方向Yと平行な仮想線P4hから短手方向Xの図柄の中心線P4dまでの距離を距離r1とすると、仮想線P4hから図柄の一端(一方側の端縁、X1方向端)までの距離((P41/2)+r1)が、仮想線P4hから図柄の他端(他方側の端縁、X2方向端)までの距離((P41/2)-r1)よりも大きい。
【0065】
図4(a)及び図5(b)に示すように、図柄P2(図柄「BAR」)は、短手方向Xにおいて図柄P1と略同サイズとなるように形成されており、リールの回転中における視認性が高い図柄となっている。図柄P2は、縁形成層67aによって縁部P2aが形成されており、内部形成層67b、ベース層61b及び拡散層64が積層されて縁部P2aの内部領域が形成されている。具体的には、図柄P2は、縁部P2aの内部領域において、内部形成層67b及び拡散層64が積層されて形成された第1透光部(透光部)P2bと、内部形成層67b及びベース層61bが積層されて形成された第2透光部(透光部)P2cと、を有している。第2透光部P2cは、背景形成層61aや遮光層62が形成されておらず、周辺に配置されている縁部P5aよりもリールバックライト基板BLからの光が透過しやすい。第1透光部P2bは、背景形成層61a、ベース層61b及び遮光層62が形成されておらず、第2透光部P2cよりもリールバックライト基板BLからの光が透過しやすい。なお、図柄P2は、図柄の外形(輪郭)が短手方向Xに対称(左右対称)となるように形成されている。
【0066】
図4(a)及び図5(a)に示すように、図柄P3(図柄「チェリー」)は、縁形成層67aによって縁部P3aが形成されており、内部形成層67b、ベース層61b及び拡散層64が積層されて縁部P3aの内部領域が形成されている。具体的には、図柄P3は、縁部P3aの内部領域において、内部形成層67b及び拡散層64が積層されて形成された第1透光部(透光部)P3bと、内部形成層67b及びベース層61bが積層されて形成された第2透光部(透光部)P3cと、を有している。第2透光部P3cは、背景形成層61aや遮光層62が形成されておらず、周辺に配置されている縁部P3aよりもリールバックライト基板BLからの光が透過しやすい。第1透光部P3bは、背景形成層61a、ベース層61b及び遮光層62が形成されておらず、第2透光部P3cよりもリールバックライト基板BLからの光が透過しやすい。
【0067】
図4(a)に示すように、図柄P5(図柄「ベル」)は、縁形成層67aによって縁部P5a(図7参照)が形成されており、内部形成層67b、ベース層61b及び遮光層62が積層されて縁部P5aの内部領域が形成されている。同様に、図柄P6(図柄「リプレイ」)は、縁形成層67aによって縁部P6aが形成されており、内部形成層67b、ベース層61b及び遮光層62が積層されて縁部P6aの内部領域が形成されている。なお、図柄P5及び図柄P6は、図柄の外形(輪郭)が短手方向Xに対称となるように形成されている。
【0068】
このように、図柄P1~図柄P4は、縁部の内部領域に、背景形成層61a及び遮光層62が重ならず、縁部よりもリールバックライト基板BLからの光が透過しやすい透光部を有しているため、縁部と透光部との明るさの差によって図柄の視認性を向上させることができる。一般に、上述したような光輝性顔料は、光が透過しにくいため、仮に、透光部と重なるように光輝性顔料を含有する塗料が使用されている場合、光輝性顔料が透光部を透過するリールバックライト基板BLからの光を遮ってしまう。本実施形態のスロットマシン1は、図柄の縁部(P1a,P2a,P3a,P4a,P5a,P6a)を除く部分、具体的には、図柄の透光部(P1b,P2b,P2c,P3b,P3c,P4b)に、光輝性顔料を有していない。例えば、スロットマシン1では、図柄形成層67、ベース層61b、拡散層64には光輝性顔料を含有する塗料が使用されていない。このため、光輝性顔料によって透光部を透過する光が遮られることがなく、図柄の視認性を向上させることができる。なお、背景形成層61a、ベース層61b、内部形成層67b、遮光層62及び拡散層64は、一部が各図柄の縁部と重なっていてもよいし、重なっていなくてもよい。また、背景形成層61a等に含まれている光輝性顔料の一部が各図柄の縁部と重なっていてもよいし、各図柄の縁部が光輝性顔料を含む塗料によって形成されていてもよい。
【0069】
また、図柄P1~図柄P6の各縁部は、互いに同系色となるように形成されていることが望ましい。ここで、同系色とは、同一色の他、類似色、例えば、赤に対するマゼンタ、青に対するシアン、黒に対するグレー等を含む色である。具体的には、同系色とは色差(ΔEab)が小さい色であり、好ましくは、色差が10未満、より好ましくは、5.0未満となる色である。なお、ΔEabは、ΔEab=√((ΔL+(Δa+(Δb)で表される値であり、値が大きいほど目視したときの色の違いが大きい。
【0070】
図4(a)、図5(a)、図6(a)及び(b)に示すように、背景Hは、背景形成層61a、ベース層61b及び遮光層62が積層されて形成されている。このため、上述した図柄P1~図柄P4の各透光部は、背景Hよりもリールバックライト基板BLからの光が透過しやすくなっており、表面側から目視した際にリールバックライト基板BLからの光によって背景Hよりも明るく見えるため、視認性が高くなっている。
【0071】
また、背景Hは、リールバックライト基板BLからの光を遮光層62によって遮光するとともに、リール照明装置から表面側に照射された光を背景形成層61aの光輝性顔料によって不規則的に遊技者に向けて反射させる。本実施形態は、図柄形成層67には光輝性顔料を含む塗料が使用されていないことにより、遊技者が、背景Hと、各図柄の縁部や透光部と、を外観の違いにより一見して識別可能となっており、リールの図柄の視認性を向上させることができる。なお、背景形成層61aは、背景Hの全域に延在して背景H全体を形成しているものに限定されない。背景形成層は、少なくとも背景部の一部を形成していればよく、即ち、表面側から視た際に図柄の周囲の一部において目視可能であればよく、例えば、背景部の一部の領域に形成された背景形成層と、ベース層と、によって背景部が形成されていてもよい。
【0072】
また、背景Hは、図4(a)に示す距離dの範囲において、長手方向Yにおける他方側の端部H12(リールテープT1の他方側の端部T12)と一方側の端部H11とが、長手方向Yにおいて重なっている(図7のハッチング部分)。例えば、距離dは、1mmから6mmの範囲の距離に設定されている。これにより、リールテープT1が、端部支持面の周方向の長さが大きいリールフレームに巻き回された場合であっても、長手方向Yにおける背景Hの一端(Y1方向側の端縁)T1eと他端(リールテープT1の他端T1b)との間の継ぎ目からリールバックライト基板BLの光が漏れることを防止できる。なお、背景Hの長手方向Yにおける他方側の端部H12と一方側の端部H11とが重なる重なり領域68(図7参照)は、リールの径方向内側から外側に視て、接続部23(図3参照)と重ならないように配置されていることが望ましい。
【0073】
[図柄の配置の詳細]
次に、図4図5及び図7を参照して、リールテープT1~リールテープT3の図柄の配置の詳細について説明する。上述したように、リールテープT1~リールテープT3には、長手方向(周方向)Yに距離gの長さで均等分割された20個の図柄配置領域のそれぞれに1つずつ図柄が配置されており、例えば、リールテープT1の1番図柄Paである図柄P5は、長手方向Yにおいて、図柄の全長P52の中心線と図柄配置領域の長さgの中心線Uaとが一致するように配置されている。言い換えると、図柄P5は、図柄の短手方向Xの中心線と図柄の長手方向Yの中心線との交点である図柄P5の中心と、長手方向Yにおける図柄配置領域の長さgの中心線Uaとが一致するように配置されている。
【0074】
また、リールテープT1~リールテープT3は、長手方向Yにおける一方側の端部T11に対して他方側の端部T12がリールの径方向の外側から重なるようにリールフレームFR1~リールフレームFR3に巻き回されている。このため、リールテープT1~リールテープT3がリールフレームFR1~リールフレームFR3に巻き回された状態で、0番図柄Pzは、長手方向Yにおける図柄の一端(Y1方向端)がリールテープT1~リールテープT3の他端T1bに対し、長手方向Yに隣接して配置される。
【0075】
このような0番図柄Pzが、リールテープT1~リールテープT3の長手方向Yにおける他端T1bと近接して配置された場合、0番図柄Pzと他端T1bとの距離が小さ過ぎると、0番図柄Pzの長手方向Yにおける図柄の一端が見え辛くなり、図柄の視認性が良好でなくなる場合がある。また、このようなリールテープT1~リールテープT3が、端部支持面の周方向の長さが小さいリールフレームに巻き回された場合、0番図柄PzがリールテープT1~リールテープT3の他端と当接又は重なることによって、図柄の視認性が良好でなくなる場合がある。
【0076】
本実施形態では、長手方向Yに沿って配置されている20個の図柄配置領域のうち、長手方向Yにおける最も一方側の図柄配置領域(0番図柄Pzが配置される図柄配置領域、第1仮想領域)である一端領域T1gzにおいて、0番図柄Pzの長手方向Yの中心線P4eが、一端領域T1gzの長手方向Yの中心線Uzと一致していない。具体的には、一端領域T1gzにおいて、0番図柄Pzの長手方向Yの中心線P4eが、長手方向Yにおいて一方側の端部T11から離れた位置となるように、一端領域T1gzの長手方向Yの中心線Uzよりも長手方向Yの他方側(Y2方向側、一方側の端部T11とは反対側)に配置されている。言い換えると、長手方向Yにおける一端領域T1gzの一端(Y1方向側の端縁、仮想線T1fz)から0番図柄Pzまでの距離は、一端領域T1gzの他端(Y2方向側の端縁)から0番図柄Pzまでの距離よりも大きい。また、言い換えると、0番図柄Pzは、一端領域T1gz内で他方側に寄せて配置されている。また、言い換えると、一端領域T1gzに配置された0番図柄Pzは、当該図柄の中心(所定の中心)OP4が、一端領域T1gzの短手方向Xの中心線kと中心線Uzとの交点である一端領域T1gzの中心(所定の中心)Ozよりも、長手方向(周方向)YにおいてY2方向側(始端部とは反対側)に位置するように配置されている。
【0077】
例えば、図7に示すように、リールテープT1の一端領域T1gzにおいて、0番図柄Pzである図柄P4の長手方向Yの長さP42の中心線P4eは、一端領域T1gzの長手方向Yの長さgの中心線Uzよりも距離pの分、長手方向Yの他方側(Y2方向側)に配置されている。言い換えると、リールテープT1において、長手方向Yの一端領域T1gzの一端(始端部側端縁、Y1方向側の端縁、仮想線T1fz)から0番図柄Pzである図柄P4までの距離w1は、一端領域T1gzの他端(Y2方向側の端縁)T1fyから0番図柄Pzである図柄P4までの距離w2よりも大きい(w1>w2、w1-p=w2)。
【0078】
このように0番図柄Pzが配置されることにより、0番図柄PzとリールテープT1~リールテープT3の長手方向Yにおける他端T1bとの距離を確保し、0番図柄Pzの視認性を向上させることができる。また、仮に、リールテープT1~リールテープT3が、端部支持面の周方向の長さが小さいリールフレームに巻き回された場合であっても、0番図柄PzがリールテープT1~リールテープT3の長手方向Yにおける他端と重なることなく、0番図柄Pzの視認性を向上させることができる。
【0079】
また、リールテープT1は、一端領域T1gz以外の図柄配置領域内に配置され、当該図柄配置領域の長手方向Yの一端(始端部側端縁、Y1方向側の端縁)からの距離が、一端領域T1gzの長手方向Yの一端から0番図柄Pzである図柄P4までの距離w1と同じ距離となるように配置され、かつ0番図柄Pzと外観が同じである同位置図柄としての図柄P4を有している。例えば、リールテープT1では、0番図柄Pzと4番図柄が共に図柄P4であり、4番図柄である図柄P4が、4番図柄が配置されている図柄配置領域(第2仮想領域)T1g4の長手方向Yの一端(始端部側端縁、Y1方向側の端縁)からの距離が距離w1となるように配置されている。
【0080】
更に、リールテープT2及びリールテープT3は、一端領域T1gz以外の図柄配置領域内に配置され、当該図柄配置領域の長手方向Yの一端(始端部側端縁)からの距離が、リールテープT1の一端領域T1gzの長手方向Yの一端からリールテープT1の0番図柄Pzである図柄P4までの距離w1と同じ距離となるように配置され、かつリールテープT1の0番図柄Pzと外観が同じである同位置図柄としての図柄P4を有している。例えば、リールテープT2の14番図柄、及びリールテープT3の14番図柄が共に図柄P4であり、これらの図柄P4が、図柄配置領域の長手方向Yの一端(始端部側端縁)からの距離が距離w1となるように配置されている。
【0081】
本実施形態では、このように図柄が配置されることにより、リールテープT1~リールテープT3に配置された複数の図柄のうち、0番図柄Pzだけが長手方向Yの他方側に寄せて配置された場合の見た目の不均衡を抑制し、第1リールR1~第3リールR3の見栄えを向上させることができる。
【0082】
なお、本実施形態においては、0番図柄と外観が同じである図柄が、図柄配置領域の一端からの距離が0番図柄と同じ距離となるようにリールテープに配置されているが、これに限定されない。上述した同位置図柄は、0番図柄と少なくとも外形が同じ又は略同じであればよく、例えば、0番図柄と色や内部領域のデザインが異なっていてもよいし、図柄の付記的な部分が異なっていてもよい。外形が略同じとは、例えば、図柄の輪郭線の全長のうち50%以上が一致する図柄同士をいい、好ましくは、図柄の輪郭線の全長のうち70%以上が一致する図柄同士をいう。また、リールテープT1~リールテープT3のいずれかのリールテープは、一端領域T1gz以外の図柄配置領域(第3仮想領域)内において、当該図柄配置領域の長手方向Yの一端(始端部側端縁)からの距離が、一端領域T1gzの長手方向Yの一端から0番図柄Pzである図柄P4までの距離w1と異なるように配置され、かつ0番図柄Pzと少なくとも外形が同じである異位置図柄としての図柄P4を有していてもよい。
【0083】
また、リールテープT1~リールテープT3に配置された複数の図柄のうち、リールテープT1~リールテープT3におけるいずれかの0番図柄と少なくとも外形が同じで一端領域以外の図柄配置領域内に配置されている図柄の全てが、図柄配置領域の一端からの距離が0番図柄と同じ距離となるようにリールテープに配置されていてもよい。例えば、リールテープT2及びリールテープT3の0番図柄Pzである図柄P5は、長手方向Yにおける図柄配置領域の一端(Y1方向側の端縁)までの距離t1が、長手方向Yにおける図柄配置領域の他端(Y2方向側の端縁)までの距離t2よりも大きいように配置されて、リールテープT2及びリールテープT3の0番図柄ではない全ての図柄P5も、長手方向Yにおける図柄配置領域の一端までの距離が距離t1となるように配置されていてもよい。また、複数のリールにおけるいずれかの0番図柄と外形が同じ又は略同じで0番図柄ではない全ての図柄が、図柄配置領域の一端からの距離が当該0番図柄と異なるように配置されていてもよいし、いずれかの0番図柄と外形が同じ又は略同じで0番図柄ではない全ての図柄が、長手方向Yにおける図柄配置領域の中央に配置されていてもよい。
【0084】
本実施形態では、リールテープT1~リールテープT3には、長手方向(周方向)Yに均等分割された20個の図柄配置領域のそれぞれに1つずつ図柄が配置されているが、図柄の大きさやデザインが図柄ごとに異なるため、長手方向Yにおいて図柄の中心と図柄配置領域の中心とが一致するように図柄が配置された場合、必ずしも見栄えがよい配置になるとは限らない。このため、リールテープT1~リールテープT3は、上述したように0番図柄Pz及び0番図柄Pzと同じ外形の図柄の(長手方向Yの)中心が図柄配置領域の(長手方向Yの)中心よりも長手方向Yの他方側(Y2方向側)に配置されるだけでなく、リール全体としての見栄えがよくなるように各図柄が大きさやデザインに応じて適宜調整された位置に配置されている。しかしながら、例えば、長手方向Yに隣接する同じ図柄組合せの図柄間の間隔が配置されている場所によって異なると、遊技者が外観上の違和感を覚える等、見栄えが良好とならず、遊技者の遊技に対する興趣を十分に向上することができない場合がある。また、長手方向Yに隣接する同じ図柄組合せの図柄間の間隔が配置されている場所によって大きく異なると、遊技者が回転中のリールを目視した場合に別の図柄であると誤解をする虞や、図柄の視認性が良好でなくなる場合がある。
【0085】
このため、本実施形態では、リールテープT1~リールテープT3のうち少なくともいずれかのリールテープでは、リールテープがリールフレームに巻き回された状態で、所定の順序で周方向(長手方向Y)に互いに隣接する特定種類の2つの図柄で構成された複数の図柄組合せにおいて、図柄間の間隔が全て同じとなっている。また、当該リールテープには、少なくとも一方の図柄が上記特定種類の2つの図柄のいずれとも異なる種類の図柄である図柄の組合せであって、上記特定種類の2つの図柄で構成されたいずれかの図柄組合せとは図柄間の間隔が異なる図柄の組合せが配置されている。例えば、図柄P4(図柄「スイカ」、第1図柄)と図柄P4に対し長手方向Yの一方側に隣接する図柄P5(図柄「ベル」、第2図柄)とで構成される図柄の組合せを特定図柄組合せC1、図柄P5と図柄P5に対し長手方向Yの一方側(Y1方向側)に隣接する図柄P6(図柄「リプレイ」)とで構成される図柄組合せを所定図柄組合せD1、とすると、リールテープT1では、所定図柄組合せD1における2つの図柄間の間隔h2と、特定図柄組合せC1における図柄P4と図柄P5との間隔h1と、は互いに異なる間隔(寸法)となるようにそれぞれ配置されているが、特定図柄組合せの図柄P4と図柄P5との図柄間の間隔は、複数個所において全て同じ間隔h1となっている。
【0086】
具体的には、リールテープT1において、4番図柄である図柄P4(第1図柄)と5番図柄である図柄P5(第2図柄)とで構成された特定図柄組合せC1(第11特定図柄組合せC11)と、15番図柄である図柄P4(第1図柄)と16番図柄である図柄P5(第2図柄)とで構成された特定図柄組合せC1と、はそれぞれの図柄P4と図柄P5との間隔が同じ間隔h1となるように配置されている。また、5番図柄である図柄P5(第2図柄)と6番図柄である図柄P6(第2図柄)とで構成された所定図柄組合せD1(第11所定図柄組合せD11)は、2つの図柄間の間隔h2が、4番図柄である図柄P4(第1図柄)と5番図柄である図柄P5(第2図柄)とで構成された特定図柄組合せC1(第11特定図柄組合せC11)の図柄P4と図柄P5との図柄間の間隔h1とは異なる間隔となるようにそれぞれの図柄が配置されている。
【0087】
また、リールテープT2及びリールテープT3における上記特定図柄組合せC1の図柄間の間隔は、リールテープT1における特定図柄組合せC1の図柄間の間隔と同じ間隔h1となっている。具体的には、リールテープT2における14番図柄である図柄P4と15番図柄である図柄P5とで構成される特定図柄組合せC1(第21特定図柄組合せC21)の図柄間の間隔と、リールテープT3における14番図柄である図柄P4と15番図柄である図柄P5とで構成される特定図柄組合せC1の図柄間の間隔と、はリールテープT1における4番図柄である図柄P4と5番図柄である図柄P5とで構成される特定図柄組合せC1(第11特定図柄組合せC11)の図柄P4と図柄P5との図柄間の間隔h1と同じ間隔となるようにそれぞれの図柄が配置されている。
【0088】
また、特定図柄組合せとは逆の順序で長手方向Yに互いに隣接する図柄P4と図柄P5とで構成される図柄組合せ、即ち、図柄P4と図柄P4に対し長手方向Yの他方側(Y2方向側)に隣接する図柄P5とで構成される図柄の組合せを特別図柄組合せE1とすると、リールテープT1~リールテープT3に配置された全ての特別図柄組合せE1の図柄間の間隔は、上述した特定図柄組合せC1の図柄間の間隔と同じ間隔h1となるようにそれぞれの図柄が配置されている。具体的には、リールテープT3における第4図柄である図柄P5と第5図柄である図柄P4で構成される特別図柄組合せE1(第31特別図柄組合せE31)は、リールテープT1における4番図柄である図柄P4(第1図柄)と5番図柄である図柄P5(第2図柄)とで構成された特定図柄組合せC1(第11特定図柄組合せC11)の図柄P4と図柄P5との図柄間の間隔h1と同じ間隔となるようにそれぞれの図柄が配置されている。
【0089】
なお、上記特定図柄組合せC1は、図4に示すように平坦な状態のリールテープにおいて長手方向Yに隣接する図柄の組合せに限定されない。例えば、特定図柄組合せC1は、図3図7に示すように、リールテープがリールフレームに巻き回された状態で周方向(長手方向Y)に隣接する図柄の組合せであってもよい。具体的には、リールフレームFR1に巻き回された状態のリールテープT1において、0番図柄Pzである図柄P4(第1図柄)と、当該図柄P4に対し長手方向Yの他方側に隣接する1番図柄Paである図柄P5(第2図柄)とで構成された特定図柄組合せC1(第12特定図柄組合せC12)は、図柄P4と図柄P5との図柄間の間隔h4が、リールテープT1における他の特定図柄組合せC1(例えば、第11特定図柄組合せC11)の図柄P4と図柄P5との図柄間の間隔h1と同じ間隔となるように配置されている。なお、この場合の同じ間隔の範囲は、複数の特定図柄組合せの図柄間の間隔の「同じ間隔」に含まれる範囲よりも大きく、例えば、間隔(距離)の差が2mm以内程度の差を有するものを含む。
【0090】
本実施形態では、このように長手方向Yに隣接する同じ図柄組合せ及び類似の図柄組合せの図柄間の間隔を統一することにより、リールテープT1~リールテープT3の図柄を観察した際に遊技者が違和感を覚えることを抑制し、第1リールR1~第3リールR3の見栄えを向上させることができる。また、リールの回転中においても図柄の視認性を良好とするとともに、第1リールR1~第3リールR3が停止した際、同じ図柄が左右方向(短手方向X)に並んだ場合において、これら同じ図柄が略直線的に並んで配置され、第1リールR1~第3リールR3の見栄えを向上させることができる。
【0091】
また、図7に示すように、図柄の外形が左右対称となるように形成されている図柄P5は、短手方向Xにおいて、図柄の全長P51の中心線とリールテープT1の短手方向Xの中心線kとが一致するように配置されている。言い換えると、図柄P5は、図柄の短手方向Xの中心線と図柄の長手方向Yの中心線との交点である図柄P5の中心と、短手方向Xにおける図柄配置領域の長さjの中心線kとが一致するように配置されている。即ち、図柄P5は、図柄P5の中心と図柄配置領域の中心Oaとが一致するように配置されている。同様に、図柄の外形が左右対称となるように形成されている図柄P2及び図柄P6(図4(a)参照)も、短手方向Xの中心線(中心)がリールテープT1の短手方向Xの中心線(中心)と一致するように配置されている。しかしながら、短手方向Xに非対称である図柄が、短手方向Xの中心線がリールテープT1の短手方向Xの中心線と一致するように配置されると、図柄の形状によっては図柄が短手方向Xにずれて配置されているように見えてしまう場合がある。
【0092】
このため、本実施形態では、突尖部P4cを有し、リールテープT1の短手方向Xにおいて、図柄の中心線P4dに対し一方側(X1方向側)の面積S1が他方側(X2方向側)の面積S2よりも小さい図柄P4が、図柄配置領域の一方側に距離qの分、寄せて配置されている。言い換えると、短手方向Xにおいて、図柄P4の最も一方側の端縁(突尖部P4cの先端)から、リールテープT1の一端(X1方向側の端縁)T1cまでの距離n1は、図柄P4の最も他方側の端縁から、リールテープT1の他端(X2方向側の端縁)T1dまでの距離n2よりも距離qの分、小さい(n1<n2、n1+q=n2)。
【0093】
また、図柄P4は、上述したように、図柄の外形において長手方向Yの長さが最大となる位置である点P4f及び点P4gを通り、長手方向Yと平行な仮想線P4hから図柄の一端(X1方向端)までの距離((P41/2)+r1)が、仮想線P4hから図柄の他端(X2方向側の端縁)までの距離((P41/2)-r1)よりも大きくなっている。このため、図柄P4は、図柄の外形において長手方向Yの長さが最大となる位置である点P4f及び点P4gが、リールテープT1の短手方向Xの中心線kの側に寄せて配置されている。言い換えると、仮想線P4hから短手方向Xにおける図柄の中心線P4dまでの距離r1は、仮想線P4hから短手方向XにおけるリールテープT1の中心線kまでの距離r2よりも大きい(r1>r2)。
【0094】
本実施形態では、図柄P4の目立つ部分である、図柄P4の外形における長手方向Yの長さが最大となる部分が、リールテープT1の短手方向Xの中心線kの側に寄せて配置されることにより、短手方向Xに非対称である図柄P4が短手方向Xにずれて配置されているように見えてしまうことを防ぎ、リールの見栄えを向上させることができる。
【0095】
なお、短手方向Xにおいて、図柄P4からリールテープT1の一端までの距離n1は、図柄P4からリールテープT1の他端までの距離n2の半分以上となっている(n1≧(n2/2))。また、短手方向Xにおいて、図柄P4の一方側の端縁は、図柄P1の透光部P1bの一方側の端縁よりも、他方側に配置されている。これにより、図柄が短手方向Xの一方に偏り過ぎることなく、リールの見栄えを向上させることができる。
【0096】
また、図柄P4は、短手方向Xの一方側に寄せて配置されているが、リールの径方向から視て、図柄P4の透光部P4bの一端(X1方向端)とリールフレームFR1の第1リム部21及びリールテープT1の接着領域65(第2接着領域652)とが重ならないように配置されている。なお、図柄P4は、リールの径方向から視て、図柄P4の一端(X1方向端)とリールフレームFR1の第1リム部21及びリールテープT1の接着領域65(第2接着領域652)とが重ならないように配置されていることが望ましい。
【0097】
これにより、図柄が短手方向Xの一方に寄せて配置されていても、リールバックライト基板BLからの光が第1リム部21、第2リム部22や接着領域65によって遮られることがないので、図柄の視認性が低下することを抑制することができる。
【0098】
なお、リールテープT1~リールテープT3のうちいずれかのリールテープにおいて、複数の図柄P4が配置されている場合、1枚のリールテープ内では全ての図柄P4の短手方向Xの位置が同じ位置となっていることが望ましい。このように配置されることにより、第1リールR1~第3リールR3の回転中に同じ図柄が短手方向Xにずれて見える等で、見栄えが良好でなくなったり、リールの回転中における図柄の視認性が低下したりすることを抑制することができる。
【0099】
[識別表示]
次に、図4及び図8を参照して、透明部63に設けられた識別表示70について説明する。図4(a)に示すように、透明部63は、長手方向YにおけるリールテープT1の一端(Y1方向側の端縁)T1aから長手方向Yに沿った距離aの範囲で、リールテープT1の一端T1aと、背景Hの一端T1eと、の間に形成されており、透明部63には、第1リールR1~第3リールR3のいずれのリールテープであるかを識別するための識別表示70が裏面側から印刷されている。具体的には、識別表示70は、リールテープの印刷内容に固有の記号や文字列等からなり、リールテープを識別するためのものである。例えば、識別表示70は、改訂識別部71、機種識別部72及びリール識別部73を有している。識別表示70は、リールの径方向に視て第2リム部22の端部支持面22a及び接着領域65と重なる領域内において、透明部63に配置されている。
【0100】
改訂識別部71は、例えば、リールテープT1~リールテープT3の印刷内容等の改訂の進度に応じた記号等、例えば、丸型、星型、多角形等の記号、数字、文字等からなり、リールテープT1~リールテープT3の改訂の進度に係る情報を識別可能としている。機種識別部72は、例えば、複数の文字を含むリールテープT1~リールテープT3が使用される機種固有の文字列、例えば機種名(製品名)の略称等を示す文字列からなり、リールテープT1~リールテープT3が使用される機種に係る情報を識別可能としている。
【0101】
リール識別部73は、例えば、取り付けられる第1リールR1~第3リールR3に応じた値「1」~値「3」のいずれかの数値からなり、第1リールR1~第3リールR3のいずれのリールテープであるかを識別可能としている。これにより、リールテープT1~リールテープT3がリールフレームFR1~リールフレームFR3に巻き回される前の単品の状態で、リールテープの改訂情報、機種情報及び第1リールR1~第3リールR3のいずれのリールテープであるかを作業者が識別可能となっている。また、リールテープT1~リールテープT3がリールフレームFR1~リールフレームFR3に巻き回されている状態では、識別表示70がリールバックライト基板BLからの光が透過しにくい接着領域65や支持面FRaと重なる領域内に配置されていることにより、識別表示70を目立ちにくくしている。
【0102】
なお、識別表示は、少なくとも一部が端部支持面や接着領域と重なっていればよく、例えば、一部が端部支持面と重ならないように配置されていてもよいし、第1リム部の端部支持面と一部が重なるように配置されていてもよいし、リールテープの短手方向の両側に配置されていてもよい。また、識別表示は、改訂識別部、機種識別部及びリール識別部の少なくともいずれか1つを有していればよく、記号のみでも数字のみでもよいし、日本語の文字やラテン文字でもよいし、これらの組合せであってもよい。
【0103】
図8に示すように、識別表示70は、文字や記号等の内部に複数の隙間76が形成されるように複数のドット部75が規則的に配置されたドット印刷によって構成されており、複数の隙間76を介してリールバックライト基板BLからの光を透過可能となっている。具体的には、識別表示70は、黄色の塗料によって印刷されていることが望ましい。
【0104】
これにより、リールの径方向に視てリールテープT1~リールテープT3と識別表示70とが重なっている部分と重なっていない部分との外観(明るさ)の差を小さくし、リールフレームFR1~リールフレームFR3に巻き回されている状態で識別表示70を目立ちにくくしている。なお、識別表示70の色は、白や透光しやすい薄い色でもよいし、ベース層61bを形成する塗料と同じ色でもよいし、リールフレームが着色された合成樹脂によって形成されている場合には、リールフレームの色と同系色としてもよい。具体的には、ベース層61bが白色の塗料で形成されている場合には、識別表示は白色の塗料によって印刷されていてもよいし、リールフレームが黒色である場合には、識別表示は黒色の塗料によって印刷されていてもよい。このようにすることで、リールテープがリールフレームに巻き回された状態で識別表示を目立ちにくくすることが可能である。
【0105】
また、識別表示は、各リールテープ毎に色分けして、色によって第1リールR1~第3リールR3のいずれのリールテープであるかを識別可能としてもよい。また、塗料が付着する部分であるドット部75は、円形であるものに限定されず、例えば、略楕円状、略正方形状、略長方形状、略六角形状など他の形状であってもよい。また、隣接するドット部同士は、接触するように配置されていてもよいし、離間するように配置されていてもよい。
【0106】
[本実施形態のまとめ]
本実施形態に係る遊技機(1)は、帯状のリールテープ(T1~T3)と、前記リールテープ(T1~T3)が巻きつけられるフレーム(FR1~FR3)と、を有するリール(R1~R3)と、
前記リールテープ(T1~T3)を内側から照明するバックライト(BL)と、を備え、
前記リールテープ(T1~T3)は、透明な基材(60)と、前記基材(60)の裏面に印刷されて図柄(P1~P4)を形成する図柄部(67)と、前記基材(60)の裏面に印刷されて前記図柄(P1~P4)の周囲における背景(H)を形成する背景部(61a)と、を有し、
前記図柄(P1~P4)は、前記図柄(P1~P4)の外形を形成する縁部(P1a~P4a)と、前記縁部(P1a~P4a)よりも前記バックライト(BL)からの光が透過しやすい透光部(P1b,P2b,P2c,P3b,P3c,P4b)と、を有し、
前記背景部(61a)には、光輝性顔料を有し、
前記透光部(P1b,P2b,P2c,P3b,P3c,P4b)には、光輝性顔料を有していない、ことを特徴とする。
【0107】
これにより、背景形成層61aの光輝性顔料が周囲の光を反射させて背景Hと各図柄の縁部や透光部とが異なる外観となるので、光輝性顔料によって透光部を透過する光が遮られることなく、リールの図柄の視認性の向上させることができる。
【0108】
なお、本実施形態において、リールテープT1~リールテープT3には、図柄P1~図柄P6が配置されており、図柄P4が特定図柄及び第1図柄を構成し、図柄P5が第2図柄を構成しているが、これに限定されない。特定図柄、第1図柄、第2図柄を構成する図柄は、それぞれ図柄P1~図柄P6のいずれの図柄であってもよいし、図示しない他のデザインの図柄であってもよい。また、上述した図柄の形状や配置は一例であり、他の多様な図柄のデザインが考えられる。
【0109】
また、本実施形態において、第12特定図柄組合せC12は、リールテープT1の0番図柄Pzである図柄P4(第1図柄)と、当該図柄P4に対し長手方向Yの他方側に隣接する1番図柄Paである図柄P5(第2図柄)とで構成されているが、これに限定されない。第12特定図柄組合せは、所定の順序で周方向に互いに隣接する第1図柄と第2図柄とで構成されていればよく、例えば、リールテープT1の4番図柄であるP4図柄(第1図柄)と5番図柄であるP5(第2図柄)とで構成されていてもよいし、他の場所に配置されていてもよい。
【0110】
また、本実施形態において、図柄P5と図柄P5に対し長手方向Yの一方側(Y1方向側)に隣接する図柄P6とで構成される図柄組合せが所定図柄組合せD1を構成しているが、これに限定されない。所定図柄組合せは、周方向に互いに隣接する所定の2つの図柄で構成された特定図柄組合せとは異なる図柄の組合せであればよく、例えば、所定図柄組合せは、第1図柄及び第2図柄のいずれも含まない2つの図柄で構成されていてもよいし、第1図柄及び第2図柄のいずれか一方を含む2つの図柄で構成されていてもよい。
【0111】
また、本実施形態において、特別図柄組合せE1である第31特別図柄組合せE31は、リールテープT3(第3リールテープ)に1つ配置されているが、これに限定されない。特別図柄組合せは、特定図柄組合せとは逆の順序で周方向に互いに隣接する第1図柄と第2図柄とで構成され、第1リールテープ、第2リールテープ及び第3リールテープのうちの、少なくともいずれか1つのリールテープに配置されていればよい。例えば、特別図柄組合せは、第3リールテープに複数配置されていてもよいし、第1リールテープに配置されていてもよいし、第2リールテープに配置されていてもよいし、第1リールテープ~第3リールテープのうちの複数のリールテープにそれぞれ配置されていてもよいし、第1リールテープ~第3リールテープの全てのリールテープに配置されていてもよい。また、例えば、遊技機が複数の特別図柄組合せを有している場合、全ての特別図柄組合せの図柄の間隔がいずれかの特定図柄組合せと同じ間隔となっていてもよいし、一部の特別図柄組合せの図柄の間隔がいずれかの特定図柄組合せと同じ間隔となっていてもよい。
【0112】
また、本実施形態では、第1リールR1~第3リールR3に配置された全ての特定図柄組合せC1において、図柄の間隔が同じ間隔となっているが、これに限定されない。第1リールR1~第3リールR3のうちいずれかのリールに配置された少なくとも2つの特定図柄組合せにおいて、図柄の間隔が同じ間隔となっていればよく、例えば、第1リールR1~第3リールR3に配置された複数の特定図柄組合せのうち、いずれかの特定図柄組合せは、他の特定図柄組合せと図柄の間隔が異なっていてもよい。
【0113】
また、本実施形態において、第1リールR1は最も左方側に配置され、第2リールR2は第1リールR1の右方側に配置され、第3リールR3は最も右方側に配置されているが、これに限定されない。第1リール~第3リールが配置される順番はいずれの順番であってもよいし、第1リール~第3リール以外の第4のリールがあってもよい。
【0114】
また、本実施形態において、背景Hの長手方向Yの一端T1e、即ち、背景Hと透明部63との境界は、直線的に形成されているが、これに限定されない。背景Hの長手方向Yの一端は、リールフレームに巻き回された状態で、リールテープの他端よりも一端側に形成されていればよく、例えば、背景部の長手方向Yの一端は、一部が長手方向Yの一方側又は他方側にオフセットされていてもよいし、曲線で形成されていてもよい。
【0115】
また、本実施形態において、各図柄の内部形成層67bは、リールバックライト基板BLからの光を透過する塗料によって形成されているが、これに限定されない。内部形成層をバックライトからの光が透過可能であればよく、例えば、内部形成層が光を透過しにくい塗料の微小なドット(網点)の集合によって形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0116】
1 遊技機(スロットマシン)
60 基材
61a 背景部(背景形成層)
67 図柄部(図柄形成層)
BL バックライト(リールバックライト基板)
FR1~FR3 フレーム(リールフレーム)
H 背景
P1,P2,P3,P4 図柄
P1a,P2a,P3a,P4a 縁部
P1b,P2b,P2c,P3b,P3c,P4b 透光部
R1 リール(第1リール)
R2 リール(第2リール)
R3 リール(第3リール)
T1,T2,T3 リールテープ
図1
図2
図3
図4
図5
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図8