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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-28
(45)【発行日】2022-04-05
(54)【発明の名称】カテーテル用滅菌包装システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 50/33 20160101AFI20220329BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20220329BHJP
   A61F 2/82 20130101ALI20220329BHJP
   B65D 85/20 20060101ALI20220329BHJP
   A61L 2/18 20060101ALI20220329BHJP
   A61L 101/44 20060101ALN20220329BHJP
【FI】
A61B50/33
A61M25/00
A61F2/82
B65D85/20 Z
A61L2/18
A61L101:44
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020524717
(86)(22)【出願日】2018-07-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-24
(86)【国際出願番号】 US2018042297
(87)【国際公開番号】W WO2019018290
(87)【国際公開日】2019-01-24
【審査請求日】2021-07-14
(31)【優先権主張番号】62/533,429
(32)【優先日】2017-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520020100
【氏名又は名称】アンテリス テクノロジーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Anteris Technologies Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ニースリング、ウィリアム モリス レオナルド
(72)【発明者】
【氏名】オリグ、クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ブリス、スコット
(72)【発明者】
【氏名】パターソン、ウェイン
(72)【発明者】
【氏名】ハースタッド、フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ドアン、トゥアン
(72)【発明者】
【氏名】ピーターソン、アレックス
(72)【発明者】
【氏名】ブレーザー、デイビッド
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-272494(JP,A)
【文献】特表2010-520021(JP,A)
【文献】国際公開第2017/040684(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0103840(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0290262(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0278012(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 50/00 - 50/39
A61M 25/00 - 25/18
A61F 2/00 - 2/97
B65D 85/00 - 85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
展開可能な医療装置の包装システムであって、
少なくとも1つの密閉された継ぎ目を有する密閉容器と、
前記密閉容器内に配置されたトレイとを備え、前記トレイは近位端および遠位端を有し、前記トレイはさらに、前記トレイの遠位端にある第1チャンバと、
前記第1チャンバと流体連通している第2チャンバとを備え、
前記包装システムは、
前記第1チャンバ内に格納形態で配置され、カテーテルと係合し、前記カテーテルの遠位端から遠位に部分的に展開された状態で配置される展開可能な医療装置と、
前記第1チャンバ内に配置された滅菌流体と
を備え、
前記第2チャンバは前記第1チャンバと流体連通していることにより、前記滅菌流体は前記第1チャンバから前記第2チャンバに分配可能であり、
前記滅菌流体はプロピレングリコールに変換される酸化プロピレン溶液である、
展開可能な医療装置の包装システム。
【請求項2】
前記トレイは、前記カテーテルにハンドルを取り付けるための前記トレイの近位端の取り付け手段をさらに備える、請求項1に記載の包装システム。
【請求項3】
外側密閉可能容器をさらに備え、前記トレイを備えた前記密閉容器は、前記外側密閉可能容器内に配置される、請求項1に記載の包装システム。
【請求項4】
前記展開可能な医療装置は組織材料を含む、請求項1に記載の包装システム。
【請求項5】
前記組織材料が、前記滅菌流体と少なくとも部分的に接触している、請求項4に記載の包装システム。
【請求項6】
前記トレイは、上壁、底壁、第1側壁および第2側壁を有し、前記第1チャンバと前記第2チャンバとの間に第3チャンバをさらに有し、前記第3チャンバは前記第1チャンバおよび前記第2チャンバと流体連通していることにより、前記滅菌流体が前記第1チャンバから前記第3チャンバに分配可能であり、前記第3チャンバから前記第2チャンバへ分配可能である、請求項1に記載の包装システム。
【請求項7】
前記トレイの前記上壁内に配置されたチャネルは、前記第1チャンバおよび前記第1チャンバに隣接する前記第3チャンバに連結して、前記第1チャンバと前記第3チャンバとの間の流体連通を可能にする、請求項6に記載の包装システム。
【請求項8】
前記チャネルは前記カテーテルの少なくとも一部を受け入れ、前記カテーテルが前記第1チャンバと前記第3チャンバとの間にわたっている、請求項7に記載の包装システム。
【請求項9】
前記トレイは前記カテーテルの近位端においてハンドル部分を受け入れるためのチャンバをさらに備える、請求項1に記載の包装システム。
【請求項10】
前記第2チャンバは前記第1チャンバと前記ハンドル部分を受け入れるためのチャンバとの間にある、請求項9に記載の包装システム。
【請求項11】
展開可能な医療装置を滅菌環境で保管するための包装システムであって、
密閉容器であって、前記密閉容器の密閉可能な端における少なくとも1つの密閉された継ぎ目を有する密閉容器と、
前記密閉容器内に配置されたトレイと、を備え、前記トレイは近位端および遠位端を有し、前記トレイはさらに、
前記トレイの遠位端にある第1チャンバと、
前記第1チャンバの近位に配置され、前記第1チャンバと流体連通している第2チャンバと、
前記第1チャンバと前記第2チャンバとの間に配置され、前記第1チャンバおよび前記第2チャンバと流体連通している第3チャンバと、
カテーテルと係合し、前記第1チャンバ内に格納形態で配置され、前記格納形態において、前記カテーテルの遠位端から遠位に部分的に展開された状態で配置され、前記カテーテルは前記第1チャンバと前記第2チャンバとの間にわたって配置される展開可能な医療装置と、
前記第1チャンバ、前記第2チャンバおよび前記第3チャンバの少なくとも1つ内に配置された滅菌流体と
を備え、
前記第1チャンバ、前記第2チャンバおよび前記第3チャンバが流体連通していることにより、前記滅菌流体は、それが配置された前記第1チャンバ、前記第2チャンバおよび前記第3チャンバの少なくとも1つのチャンバから、そのチャンバとは別のチャンバに分配可能であり、
前記滅菌流体はプロピレングリコールに変換される酸化プロピレン溶液である、
包装システム。
【請求項12】
前記展開可能な医療装置は、組織材料を含む、請求項11に記載の包装システム。
【請求項13】
前記組織材料は、前記展開可能な医療装置が前記第1チャンバ内に配置されているとき、前記滅菌流体と少なくとも部分的に接触している、請求項11に記載の包装システム。
【請求項14】
前記第2チャンバは前記カテーテルの近位端においてハンドルを受け入れるように構成された、請求項11に記載の包装システム。
【請求項15】
カテーテルと係合している展開可能な医療装置のための包装システムであって、
少なくとも1つの密閉された継ぎ目を有する密閉容器と、
前記密閉容器内に配置されたトレイとを備え、前記トレイは近位端および遠位端を有し、前記トレイはさらに、前記トレイの遠位端にある第1チャンバと、前記第1チャンバと流体連通している第2チャンバとを備え、
前記トレイは、上壁、第1側壁および第2側壁を有し、前記第1チャンバと前記第2チャンバとの間に第3チャンバをさらに有し、
前記トレイは、前記トレイの前記上壁内に配置されたチャネルを備え、そのチャネルは、前記第1チャンバおよび前記第1チャンバに隣接する前記第3チャンバに連結して、前記第1チャンバと前記第3チャンバとの間の流体連通を可能にし、
前記チャネルは、前記カテーテルが前記第1チャンバと前記第3チャンバとの間にわたるよう、前記カテーテルの少なくとも一部を受け入れ、
前記包装システムは、
前記第1チャンバ、前記第2チャンバおよび前記第3チャンバの少なくとも1つ内に配置された滅菌流体を備え、
前記第1チャンバ、前記第2チャンバおよび前記第3チャンバが流体連通していることにより、前記滅菌流体は、それが配置された前記第1チャンバ、前記第2チャンバおよび前記第3チャンバの少なくとも1つのチャンバから、そのチャンバとは別のチャンバに分配可能であり、
前記滅菌流体はプロピレングリコールに変換される酸化プロピレン溶液であり、
組織材料を含み、前記第1チャンバ内に格納形態で配置され、前記格納形態において少なくとも部分的に前記滅菌流体と接触している、展開可能な医療装置を備える、
包装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、製造業者から手術室または他のエンドユーザーへのカテーテル装置の輸送のための新規かつ有利な包装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書で提供される背景の説明は、本開示の文脈を一般的に提示する目的のためである。本発明者の研究は、この背景技術に記載されている範囲、および出願時に先行技術として認められない可能性のある説明の側面について、本開示に対して明示的または黙示的な先行技術としては認められない。
【0003】
カテーテルは、人体の脈管構造、尿路系または腹膜を通して、画像化システム、ステントまたは他の移植可能装置などの展開可能な医療装置を送達するための既知の手段である。カテーテルシステムは一般に、ハンドル、しばしばハンドルに取り外し可能に連結されるハブ、少なくとも1つの内腔を有する少なくとも1つのチューブ、および少なくとも1つのチューブの少なくとも1つの内腔内に配置される少なくとも1つのガイドワイヤを含む。展開可能な医療装置は通常、処置の前にカテーテル内に装填される。これらの展開可能な医療装置およびステントの一部では、使用前に拡張状態で保管または輸送する必要があるため、装置またはステントが装填状態で長時間永久形状をとらないようにする必要がある。ステントの装填に費やされる時間に加えて、かなりの量の手術前の時間および他のリソースが、処置の前にカテーテル留置室でカテーテルおよび展開可能な装置を別々に滅菌するのに費やされる。例えば、経カテーテル弁置換の場合、有毒な残留物の除去を助けるために弁をすすぎ、その後、カテーテルの遠位端からカテーテルにクリンプさせて装填する必要がある。カテーテル上の少なくとも部分的に装填された位置及び滅菌環境内で、展開可能な医療装置をパッケージ化することにより、これらの手術前処置に必要な時間と他のリソースを削減することが望ましい。したがって、ユーザは、コンポーネントを滅菌し、展開可能な医療装置を送達システムに装填する必要なく、滅菌された包装から医療装置を取り出すだけでよい。
【0004】
当技術分野では、これらの準備ステップを削減するように、パッケージ化されて、滅菌されたカテーテルシステムが必要である。参照により本明細書に組み込まれる特許文献1は、移植可能装置のための滅菌包装システムを開示している。そこに記載されているように、移植可能装置は湿潤区画包装システム内に保管され、カテーテルまたは送達装置は必然的に包装システムの乾燥区画内に保管される。ここでのシステムは、湿潤区画から完全に分離された乾燥区画を必要とする。移植可能装置は、シースに入れられた状態で湿潤区画に送達されるように現れ、その後、シースは引き込まれ、滅菌流体で満たされた湿潤区画に移植可能装置を配置するように現れる。このシステムは滅菌パッケージを提供するが、カテーテルから保存溶液の痕跡を除去するための洗浄ステップが必要である。医師がカテーテルをパッケージから取り出して、追加の準備ステップをほとんどまたはまったく使用せずにカテーテルを使用できる場所までカテーテルを無菌環境に維持するパッケージ化された滅菌カテーテルシステムが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第7,721,606号明細書
【発明の概要】
【0006】
以下に、実施形態の基本的な理解を提供するために、本開示の1つ以上の実施形態の簡略化された概要を提示する。この概要は、考えられるすべての実施形態の広範な概要ではなく、すべての実施形態の主要または重要な要素を特定することも、すべての実施形態の範囲を線引きすることも意図していない。
【0007】
本開示は、最終滅菌環境で製造業者からカテーテルを輸送するための包装システムに関し、カテーテルは、カテーテルの遠位端と少なくとも係合する展開可能な医療装置を有する。いくつかの実施形態では、展開可能な医療装置は、カテーテルの遠位端内に少なくとも部分的に装填されてよい。包装システムは、バッグ、パウチ、容器、または同様の容器であり得る密閉可能な容器内に配置されたトレイを含む。トレイは、カテーテルおよび展開可能な医療装置を保持するための少なくとも1つのチャンバを備えていてよい。少なくとも1つの実施形態では、トレイは、トレイの遠位端付近の展開可能な医療装置用の少なくとも1つのチャンバと、トレイの近位端付近のカテーテル用の少なくとも1つのチャンバとを含む。チャンバは、互いに流体連通しているため、少なくとも1つの実施形態では、展開可能な医療装置は、滅菌または保存用の流体で濡れたままである。いくつかの実施形態では、保管されたアセンブリ全体は、滅菌または保存用の流体で湿ったままである。展開可能な医療装置用の少なくとも1つのチャンバは、「滅菌プロセス」と題され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第15/150,025号明細書(米国公開特許公報2016/0287748A1)に記載されている方法およびプロセスなどであるが、これらに限定されない滅菌プロセスの成分および最終製品である流体を含むことができる。展開可能な医療装置の少なくとも1つのチャンバは、酸化プロピレンまたは2-メチルオキシランなどの滅菌流体を含むことができるが、これらに限定されない。少なくとも1つの実施形態では、滅菌流体は、4%から6%のプロピレンオキシドの溶液を含み得る。展開可能な医療装置は、展開可能な医療装置がカテーテルの遠位端から遠位に配置される格納形態でカテーテルと係合する。少なくとも1つの実施形態では、展開可能な医療装置は、カテーテルで少なくとも部分的に装填される。展開可能な医療装置とカテーテルは、滅菌液を含むトレイのチャンバに一緒に配置される。次に、トレイを密閉可能な容器内に挿入し、容器を密閉することができる。次に、真空圧を加えて、トレイのチャンバから少なくとも一部の過剰な空気および/または流体を除去し、展開可能な医療装置およびカテーテルが十分に濡れたままになり、エンドユーザーによって開封されるまで滅菌流体と接触することができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、パッケージングシステムは、取り外し可能なハンドルをカテーテルに取り付けるためにトレイの近位端に取り付け機構を備えてよい。
複数の実施形態が開示されるが、本開示のさらに他の実施形態は、本発明の例示的な実施形態を示して説明する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。理解されるように、本開示の様々な実施形態は、本開示の趣旨および範囲からすべて逸脱することなく、様々な明白な態様において修正が可能である。したがって、図面および詳細な説明は、本質的に例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。
【0009】
本明細書の記載は、本開示の様々な実施形態を形成すると見なされる主題を特に指摘し明確に主張する特許請求の範囲で終わるが、本発明は添付の図面と併せて以下の説明からよりよく理解されると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態による、開位置にあるトレイおよび密閉可能な容器を有する包装システム内に配置されたカテーテル装置の斜視図である。
図2】本開示の一実施形態による、包装システムのトレイ内に配置されたカテーテル装置の斜視図である。
図3】本開示の一実施形態による、包装システムのトレイの斜視図である。
図4】本開示の一実施形態による、トレイの上面図である。
図5】本開示の一実施形態による、密閉可能な容器が閉位置にある包装システムの斜視図である。
図6】本開示の一実施形態による、取り外し可能なハンドルの図である。
図7】本開示の一実施形態による、完全に密閉された包装システムの一実施形態の斜視図である。
図8】本開示の一実施形態による、包装システムのトレイの一実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、ステント、大動脈弁置換装置、経カテーテル弁修復または置換装置などの医療装置と係合する最終滅菌カテーテルアセンブリ用のパッケージングシステム、組織アブレーションまたは切除に使用されるシステム、心臓ペーシング装置の展開に使用される装置、心臓検知装置の展開に使用される装置、心臓監視装置の展開に使用される装置、イメージング装置の展開に使用される装置、およびカテーテルによって展開される他の適切な装置に関する。
【0012】
以下の詳細な説明では、いくつかの実施形態の完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細が述べられている。しかしながら、これらの特定の詳細なしでいくつかの実施形態が実施され得ることは、当業者によって理解されるであろう。他の例では、議論を不明瞭にしないために、よく知られた方法、手順、コンポーネント、ユニット、および/または回路は詳細に説明されていない。
【0013】
図1は、カテーテルアセンブリの遠位端で展開可能な医療装置103と係合する最終滅菌カテーテルアセンブリ102を備えた包装システム100の一実施形態を示す。いくつかの実施形態では、展開可能な医療装置103の少なくとも一部は、組織材料または他の生体材料を含み得る。いくつかの実施形態では、組織材料または生体材料は、心臓血管組織、心臓組織、心臓弁、大動脈根、大動脈壁、大動脈弁尖、心膜組織、結合組織、硬膜、真皮組織、血管組織、軟骨、心膜、靭帯、腱、血管、臍組織、骨組織、筋膜、粘膜下組織および皮膚からなる群から選択される無細胞組織または細胞組織を含む架橋コラーゲンベースの生体材料であってよい。いくつかの実施形態では、組織材料または生体材料は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる2005年12月21日に出願され、「移植可能な生体材料およびその製造方法」という表題の米国特許第9,205,172号明細書の開示に記載される生体材料などの移植可能な生体材料である。いくつかの実施形態では、展開可能な装置は、ペースメーカー、アブレーション技術、中隔切除に使用されるものなどの切除装置、および心血管系、消化器系、内分泌系、尿路系、生殖系および呼吸器系を含むがこれらに限定されない体内の様々な系で展開可能な他の装置であり得る。カテーテルアセンブリ102は、遠位端104および近位端106を有してよい。展開可能な医療装置103は、遠位端104に配置されてよい。カテーテルアセンブリは、遠位端104の近くの位置から近位端106の近くの位置まで伸びる少なくとも1つのシース108を備えてよい。カテーテルアセンブリ102は、これに限定されないが、イントロデューサシース、中間シース、格納式シース、およびその他のシースなど、複数のシースを含むことができる。カテーテルアセンブリ102は、いくつかの実施形態では、展開可能な医療装置から近位に延びるガイドワイヤをさらに含むことができる。カテーテルアセンブリ102は、近位端106にハンドル部分110をさらに備えてよい。
【0014】
少なくとも図示の実施形態では、包装システム100は、カテーテルアセンブリ102を受け入れることができるトレイ112と、トレイ112を受け入れることができる密閉可能な容器113とを備える。カテーテルアセンブリ102は、トレイ112内に配置することができる。トレイに配置されたカテーテルアセンブリ102は、密閉可能な容器113に挿入され得る。トレイ112は、遠位端114および近位端116を有し得る。トレイ112は、滅菌流体を含み得る複数のチャンバを備え得る。複数のチャンバは、これらに限定されないが、展開可能な医療装置103を受け入れるために、トレイ112の遠位端114に、またはその遠位端114の実質的に近くに配置された第1チャンバ122と、第1チャンバ122と近位端116との間に少なくとも第2チャンバ124を含み得る。少なくとも1つの実施形態では、トレイは、カテーテルアセンブリのハンドル部分110を受容するために、トレイ112の近位端116にまたは実質的に近くにチャンバ126を有し得る。トレイ112は、カテーテルアセンブリ102をトレイ112に対して望ましい位置に保つために、カテーテルアセンブリ102の少なくとも一部をトレイ112上に保持するための保持機構128をさらに備えてよい。少なくとも1つの実施形態では、少なくとも1つの保持機構は、カテーテル102と少なくとも係合し、かつ、カテーテルシャフト112内に部分的に装填される展開可能な医療装置103を、トレイ112に対して望ましい位置に、保持する。トレイ112は、ポリマー材料を含んでよい。
【0015】
チャンバ122、124、126のうちの1つ以上は、滅菌剤などの多量の滅菌流体を含むことができる。いくつかの実施形態において、滅菌流体は、非毒性の保存溶液に変換され得る。いくつかの実施形態では、滅菌流体は、経時的にジオールに変換される初期滅菌溶液を含んでよい。装置が生体材料を含むいくつかの実施形態では、流体は、「滅菌プロセス」と題され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第15/150,025号明細書(米国公開特許公報2016/0287748A1)に記載されている方法およびプロセスに従って生体材料の滅菌および保存のためにプロピレングリコールに変換される酸化プロピレン溶液を最初に含んでよい。いくつかの実施形態では、流体が包装システムに導入されるとき、酸化プロピレン溶液として導入されてよい。使用のためにカテーテルアセンブリがパッケージングシステムから後で取り出されるとき、流体は、生体材料の存在下でプロピレンオキシド溶液の変換から生じるプロピレングリコールであり得る。
【0016】
密閉可能な容器113は、遠位端132および近位端134を有してよい。シール可能な容器113は、遠位端132と近位端134との間に延びる第1側壁136と、遠位端132と近位端134との間に延びる第2側壁138とをさらに含むことができる。第1側壁136および第2側壁138は、透明材料からなる。少なくとも1つの実施形態では、密閉可能な容器はポリマーからなり得る。密閉可能な容器は、透明な無孔性材料から構成されてよい。いくつかの実施形態では、密閉可能な容器113の一端が最初に閉じられ、密閉端、第1側壁136の内面、および第2側壁138の内面は、容器のチャンバ140を画定し得る。少なくとも1つの実施形態では、遠位端132は容器113において初期には閉鎖端部であり、近位端134は容器113において初期では開いているが密閉可能な端部であり得る。このような実施形態では、トレイ112上に配置されたカテーテルアセンブリ102を含むトレイ112は、近位端134から容器113、より詳細にはチャンバ140に挿入され得る。少なくとも1つの他の実施形態では、近位端134は、容器113において初期には閉鎖端部であり、遠位端132は容器113において初期では開いているが密閉可能な端部であり得る。このような実施形態では、トレイ112上に配置されたカテーテルアセンブリ102を含むトレイ112は、近位端134から容器113、より詳細にはポーチチャンバ140に挿入され得る。いくつかの実施形態では、トレイ112およびカテーテルアセンブリ102が容器113に一旦、完全に挿入されると、滅菌流体の少なくとも一部がポーチチャンバ140に分配され得る。他の実施形態では、トレイ112およびカテーテルアセンブリ102が少なくとも部分的に容器113に一旦、挿入されると、少なくともいくらかの滅菌流体がポーチチャンバ140に分配され得る。いくつかの実施形態では、トレイ112およびカテーテルアセンブリ102が容器113に挿入される前に、滅菌流体の少なくとも一部をポーチチャンバ140に分配することができる。トレイ112が容器113に完全に挿入されると、開口した密閉可能な容器113の端部(近位端134または遠位端132のどちらか)は密閉されてよい。図1に示すように、開口した密閉可能な端部は、密閉可能な容器113の遠位端132である。端部は、接着剤を使用することにより、熱を加えることにより、他の機械的手段により、および/またはそれらの組み合わせにより密閉され得る。少なくとも1つの実施形態では、ポーチは接着ストリップを有してよい。少なくとも1つの実施形態では、ポーチは、ポーチの開口端部の上に折り畳むことができる第1壁または第2壁の一方から延びるフラップを有してよい。少なくとも1つの実施形態では、フラップは、フラップの端部に少なくとも1つの接着ストリップを有してよい。フラップは、フラップがフラップの各露出端部または端部で密閉されるように、フラップの各端部に接着ストリップをさらに備えてよい。少なくとも1つの実施形態では、カテーテルアセンブリ102および滅菌流体を備えたトレイ112がすべて容器113内に配置された容器113は、追加のバリア層を提供するために第2密閉可能な容器に挿入され得る。少なくとも1つの実施形態では、内側ポーチはエチレンオキシドまたは他の滅菌方法を使用して滅菌されることができる。第1の密閉可能な容器と第2の密閉可能な容器によって形成される二重障壁により、非滅菌作業者は外側の第2の容器を開け、滅菌作業者は完全な無菌状態で外側の第2の容器から内側の第1の容器を取り外して第1の容器を完全に開けることができる。このようにして、既にカテーテルと動作可能に係合している滅菌した展開可能な医療装置を容器から取り出すための、密閉可能な容器への単一の入口点のみが存在する。
【0017】
いくつかの実施形態では、外側の第2の容器はタイベック(登録商標)を含み、滅菌した内側容器は外側容器に挿入されてよい。外側の容器を密閉してから、エチレンオキシドなどでアセンブリ全体を滅菌してよい。
【0018】
少なくとも1つの実施形態では、カテーテルアセンブリ102を最終滅菌を伴って包装する方法は、カテーテルアセンブリ102をトレイ112上に配置すること、容器の開口端で容器112にトレイ112を挿入すること、そして、非毒性の保存溶液に変換される滅菌剤などの滅菌流体を少なくとも容器113に分配する前に、または容器113またはトレイ112の少なくとも1つに滅菌流体を分配した後に、容器113の開口端部を密閉すること、を含み得る。少なくとも1つの実施形態では、展開可能な医療装置を十分に濡れた状態に保つために、十分な滅菌流体をトレイ112および/または容器113に供給しなければならない。いくつかの実施形態では、容器113の開口端を密閉することは、容器の開口端部を少なくとも一方の容器の反対側の端部に向かって折り畳み、容器に接着剤または熱を加えることを含み得る。いくつかの実施形態では、この方法は、カテーテルアセンブリ102をトレイに対して適切な位置に保持するために、拘束部材をトレイに貼り付けるか、取り付けるか、または別の方法で連結することをさらに含む。この方法は、密閉容器113を第2の容器に配置し、第2の容器の開口端を密閉することをさらに含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、密閉された端部が最初に第2の容器の開口端部に挿入される。他の実施形態では、最初に第2の容器の元々の閉鎖端部が第2の容器の開口端部に挿入される。使用のために包装システム100からカテーテルアセンブリ102を取り外すために、密閉容器のシールが最初に破られてよい。いくつかの実施形態では、使用のために包装システムからカテーテルアセンブリ102を取り外すために、容器の閉鎖端部が最初に開かれてよい。少なくとも1つの実施形態では、滅菌流体は非毒性の保存溶液に変換されるため、使用前にアルデヒド溶液でカテーテルをすすぐなどのすすぎステップは不要である。
【0019】
図2は、トレイ212内に配置されたカテーテルアセンブリ202を有するトレイ212の実施形態を示す。カテーテルアセンブリ202は、遠位端204および近位端206を有し得る。展開可能な医療装置203は、遠位端204に配置され得る。カテーテルアセンブリは、遠位端204の近くの位置から近位端206の近くの位置まで延びる少なくとも1つのシース208を備えてよい。示されるように、カテーテルアセンブリ102は、近位端206にハンドル部分210をさらに含む。トレイ212は、遠位端214および近位端216を有し得る。トレイ212は、図2に示すように、ほぼ矩形の形状であってよい。しかし、トレイ212は、カテーテルアセンブリ202を適切な位置に保持するための任意の適切な構成を有し得る。トレイ212は、上壁218、底壁220、第1側壁222、および第2側壁224を備えてよい。トレイ212は、トレイの上壁218内に配置された1つ以上のチャンバを備えてよい。トレイ212は、展開可能な医療装置203を受容するためにトレイ212の遠位端214またはその付近に第1チャンバ228を備えてよい。第1チャンバ228は、展開可能な医療装置203を受け入れるように構成されてよい。第1チャンバ228は、概ね長方形または他の構成を持つことができる。少なくとも1つの実施形態では、第1チャンバ228は、展開可能な医療装置と同様のサイズおよび形状と、滅菌流体のための所望の容積とを有するように構成され得る。トレイ212は、いくつかの実施形態では、第1チャンバ228と近位端216との間に第2チャンバ230をさらに含み得る。少なくとも1つの実施形態では、第2チャンバ230は、ハンドル部分210を受容するように構成され得る。一部の実施形態では、第2チャンバ230は、第1チャンバ228とは異なるサイズおよび形状であってよい。いくつかの実施形態では、第2チャンバ230は、ハンドル部分210を受け入れるように構成された溝であってよい。トレイ212は、第1チャンバ228と第2チャンバ230との間に少なくとも第3のチャンバ232を含むことができる。いくつかの実施形態では、第3のチャンバ232は、滅菌流体の一部を保持してよい。図2に示すように、トレイ212は、第1チャンバ228と第2チャンバ230との間に5つのチャンバ232を有する。少なくとも1つの実施形態では、チャンバ232は第1チャンバ228と第2チャンバ230の少なくとも一方に比べて小さい。一実施形態では、チャンバ232は、第1チャンバ228よりも小さい。図2に示されるように、カテーテルアセンブリがトレイ212内に配置されると、シース208は、第1チャンバ228と第2チャンバ230との間の1つ以上のチャンバ232の長さにわたって配置される。各チャンバと隣接するチャンバの間(例えば、第1チャンバ228と第3のチャンバ232との間)で、上壁218は、リブ部分242を形成し得る。各リブ部242は、上壁218内に配置されたチャネル244をさらに備えてよい。チャネル244は、1つのチャンバを隣接するチャンバに連結して、隣接するチャンバ間(たとえば、チャンバ228と232の間)の流体連通を可能にする。チャネル244は、トレイ212の長手方向軸に平行な長手方向軸を有することができる。代替的または追加的に、チャネル244は、カテーテルアセンブリ202のシャフト208を受け入れることができる。いくつかの実施形態では、チャンバ232は、チャンネル244と同じサイズであってよい。
【0020】
図2に示すように、複数の保持部材250がトレイに取り付けられて、カテーテルアセンブリ202をトレイ212に対して所定の位置に保持する。装置保持部材252は、少なくとも部分的に展開可能な医療装置203の上に配置され、展開可能な医療装置および第1チャンバ228を少なくとも部分的に覆う。装置保持部材252は、図示のように、トレイ212の上壁218に貼り付けるか、取り付けるか、または別の方法で連結することができる。いくつかの実施形態では、装置保持部材252は、側壁222、224または底壁220のうちの1つまたは複数に貼り付けるか、取り付けるか、または別の方法で連結することができる。いくつかの実施形態では、保持部材250は、上壁218または側壁222、224内に形成されたタブであって、上壁218または側壁222、224のタブを受け入れることができる開口部と係合してよい。少なくとも図示の実施形態では、ハンドル保持部材254は、ハンドル部分210および第2チャンバ230を少なくとも部分的に覆うハンドル部分210の上に配置される。ハンドル保持部材254は、装置保持部材252に関して上述した手段のいずれかを使用して示されるように、トレイ212の上壁218に貼り付けるか、取り付けるか、または他の方法で連結することができる。いくつかの実施形態では、ハンドル保持部材254は、側壁222、224または底壁220の1つまたは複数に貼り付けるか、取り付けるか、または他の方法で連結することができる。少なくとも図示の実施形態では、シース保持部材256は、リブ部242でシース208の上方に配置されている。シース保持部材256は、シース208の一部を部分的に覆う。シース保持部材256は、装置保持部材252に関して説明した手段のいずれかを使用して示されるように、トレイ212の上壁218に貼り付けるか、取り付けるか、または他の方法で連結することができる。いくつかの実施形態では、シース保持部材256は、側壁222、224または底壁220のうちの1つ以上に貼り付けるか、取り付けるか、または他の方法で連結することができる。
【0021】
図3は、図2に示されるトレイと類似しているが、カテーテルアセンブリを有しないトレイ312を示す。トレイ312は、遠位端314および近位端316を有してよい。トレイ312は、上壁318、底壁320、第1側壁322、および第2側壁324を備えてよい。トレイ312は、展開可能な医療装置を受け入れるためのトレイ312の遠位端314またはその付近に配置された第1チャンバ328、カテーテルの近位端を受け入れるための近位端316の近くに配置された第2チャンバ330、及び、第1チャンバ328と第2チャンバ330との間の1つ以上の追加のチャンバ332を有し得る。各チャンバ328、330、332は、側壁334、端壁336、および底部338を有する。チャンバ328、330、332は、それぞれ異なる深さ(言い換えれば、チャンバの上壁318および底部338の間の距離)または同じ深さを有してよい。チャンバ328、330、332はそれぞれ異なる幅(言い換えれば、側壁334の間の距離)を有してもよく、幅は各チャンバ内で異なってもよく、または同じ深さを有してよい。チャンバ328、330、332はそれぞれ異なる長さ(言い換えれば、端壁336の間の距離)を有してもよく、長さは各チャンバ内で異なってもよく、または同じ長さを有してよい。いくつかの実施形態では、チャンバ328、330、332のうちの1つ以上は、トレイの深さ全体を貫通する開口部であってよい。少なくとも示された実施形態では、チャンバ330は、近位端316に凹部339を有する。少なくとも1つの実施形態では、凹部339は、ハンドルアセンブリの位置決めまたは除去を支援し得る。少なくとも1つの実施形態では、凹部339は、容器に入る殺菌流体の、流体の流れを改善するために外部容器のポートと位置合わせされることができる。各チャンバと隣接するチャンバとの間で、上壁318はリブ部分342を形成し得る。各リブ部分342は、隣接するチャンバ間の流体連通およびカテーテル装置のシースの受容の少なくとも一方のために上壁318内に配置されるチャネル344をさらに含み得る。チャネル344は、少なくとも底面346を有してよい。少なくとも1つの実施形態では、チャネル344は、隣接するチャンバのそれぞれよりも浅くてよい。言い換えれば、チャネル344は、図3に示されるように、隣接するチャンバ328、330のいずれかの深さよりも小さいその最下点での深さを有し得る。チャンネル344は、少なくともシースを受け入れるために丸み付けられた底面を有することができるが、他の実施形態では、底面は角度が付けられ、平らであるか、または他の方法で構成されてよい。
【0022】
図3は、トレイ312に固定された複数の保持部材350をさらに示す。少なくとも示される実施形態では、各保持部材350は、上面352、底面353、近位端354、遠位端355、第1側356および第2側357を有する。少なくとも示される実施形態では、各保持部材350は、湾曲した上面352および湾曲した底面353を有するが、本発明では他の構成も考えられる。各保持部材350は、トレイ312上の嵌合機構に連結するように構成された取り付け機構362を有する。少なくとも図示の実施形態では、装置保持部材364は、第1チャンバ328の上方に配置される。少なくとも図示の実施形態では、ハンドル保持部材366が第2チャンバ330の上に配置される。1つ以上のシース保持部材368がチャネル344の上に配置されてよい。保持部材350は、カテーテルアセンブリをトレイ312に対し所定の位置に維持するのを助ける。
【0023】
図4は、図2及び図3に示されるトレイと同様であるが、カテーテル装置がトレイ412内に配置されておらず、いかなる保持部材もないトレイ412の上面図を示す。トレイ412は、遠位端414および近位端416を有してよい。トレイ412は、上壁418、底壁(図示せず)、第1側壁422、および第2側壁424を備えてよい。トレイ412は、展開可能な医療装置を受け入れるために、トレイ412の遠位端414またはその付近に配置された第1チャンバ428、ハンドル部分を受け入れるための近位端416の近くに配置された第2チャンバ430、および第1チャンバ428と第2チャンバ430との間に配置された1つまたは複数の追加のチャンバ432を有してよい。図4に示されるように、第1チャンバ428は、第1部分428aおよび第2部分428bを有し得、第2部分428bは、第1部分428aとは異なる構成を有し得る。各チャンバと隣接するチャンバとの間で、上壁418はリブ部分442を形成してよい。各リブ部分442は、隣接するチャンバ間の流体連通およびカテーテル装置のシースの受容の少なくとも一方のために上壁418内に配置されるチャネル444をさらに備えてよい。トレイ412は、各リブ部分442内または上壁418上に配置され得る、上述の保持部材上の取り付け機構と連結するための取り付け機構450をさらに備える。取り付け機構450は、円形、正方形、長方形、多角形または他の形状であり得る上壁418のくぼみであってよく、またはそれぞれの保持部材の対応する取り付け機構への圧入連結のための他の構成を有してよい。
【0024】
図5に示す実施形態500のような包装システムのいくつかの実施形態では、包装システムは、遠位端514、近位端516、第1側壁520、および第2側壁522を有する密閉可能な容器513内に配置されたトレイ512を含み得る。密閉可能な容器513は、図5に示されるように容器の近位端516に配置され得る少なくとも1つの注ぎ口524をさらに備え得る。少なくとも1つの注ぎ口524は、容器の遠位端514、容器の第1側壁520、または容器の第2側壁522に配置されてよい。注ぎ口は、密閉容器に液体を挿入するため、または密閉容器から空気および/または液体を除去するために使用されてよい。図5は、容器内に配置されたカテーテルアセンブリ502と、閉鎖および密閉位置にある包装システムとを示している。少なくとも1つの実施形態では、トレイ512は、容器の開口端部から密閉可能な容器513に挿入されてよい。注ぎ口524が端部514、516に配置される場合、トレイ512は、注ぎ口524が位置する端部の反対側の端部から挿入される。次いで、容器513の開口端部は、加熱、接着剤または他の密閉手段を使用して密閉され得る。次に、注ぎ口524を滅菌液ディスペンサーに連結することにより、滅菌液を注ぎ口524を通して容器チャンバ内に配置することができる。過剰な空気および/または液体は、注ぎ口524を介して、または(複数の注ぎ口が提供される場合)密閉可能な容器上の別の注ぎ口を介して容器から除去することができる。少なくとも1つの実施形態では、キャップ526が少なくとも1つの注ぎ口524のそれぞれに配置されて、包装システムを最終的に密閉する。
【0025】
いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリを滅菌するためのプロセスは、トレイ内に配置されたカテーテルアセンブリを、既にある量の滅菌流体を含んでも含まなくてよい密閉可能な容器に挿入することを含み得る。カテーテルアセンブリおよびトレイが「乾燥した」密閉可能な容器に挿入される場合、滅菌流体は、密閉可能な容器の開口端部または注ぎ口のいずれかを介して密閉可能な容器に配置されてよい。次に、密閉可能な容器の開口端部を密閉するか、キャップで口を密閉可能に閉じることにより、密閉可能な容器を密閉することができる。いくつかの実施形態では、密閉可能な容器を完全に密閉する前に真空圧を加えて、密閉可能な容器から過剰な空気または過剰な流体の一部または全部を除去してよい。一旦密閉されると、滅菌流体は、滅菌期間の間、密閉可能な容器内のカテーテルアセンブリを滅菌し始める。いくつかの実施形態では、完全に密閉されると、包装システムは、滅菌期間中に回転されるか、そうでなければ攪拌されてよい。包装システムは、包装システムの縦軸を中心に第1方向に回転させることができる。いくつかの実施形態では、包装システムは、包装システムの長手方向軸の周りで第2方向に回転されてよい。さらに他の実施形態では、包装システムを第1方向に回転させ、次に第2方向に回転させ、これら2つの方向を交互に変えて包装システムを攪拌してよい。いくつかの実施形態では、包装システムは、包装システムの第1端部が包装システムの第1端部とは反対側の第2端部より高い位置に移動され、その後、第2端部が第1端部より高い位置に移動される撹拌機で撹拌され得るので、流体はアセンブリ内を端から端まで移動する。この攪拌ステップは、カテーテル内に存在する可能性のある小さな気泡を移動するのに役立ち、滅菌液がカテーテルの表面、より具体的にはカテーテル内腔に接触するのを助ける。
【0026】
少なくとも1つの実施形態では、滅菌期間が終了し、滅菌流体が保存溶液に変換された後、シールの一部を切断または除去することにより、密閉容器の一端の少なくとも一部を開封し、密閉容器内に開口部を作成する。保存溶液の少なくとも一部は、開口部を通して密閉容器から排出されてよい。少なくとも1つの実施形態では、保存溶液は容器から無菌的に排出される。これにより、コンテナ内が真空になる。その後、使用前に開口部を再封鎖してよい。
【0027】
少なくともいくつかの実施形態では、包装システムは、取り外し可能なハンドルを有するカテーテルアセンブリとともに使用されてよい。そのような実施形態では、包装されたカテーテルアセンブリは、ガイドワイヤ、展開可能な装置、および展開に必要なシース(単数または複数)のみを含み得る。カテーテルアセンブリは、1つのシースの近位端にハンドル取り付け機構を有し得る。少なくとも1つの実施形態では、カテーテルアセンブリは、展開可能な装置を部分的に展開された状態に維持するために、展開を防止する安全ロックを、展開可能な装置とシースの近位端のハンドル取り付け機構との間に備えてよい。次いで、このカテーテルアセンブリは、展開可能な医療装置用のチャンバと安全ロックを受けるためのチャンバとを有するトレイ内に配置され得る。ハンドルには、ハンドル取り付け機構と嵌合するスナップアタッチメント機構がある。スナップ取り付け機構は、嵌合するフランジ付き端部と、ハンドルノブに対して回転可能な制御チューブを備えている。スナップアタッチメント機構には展開安全ロックがあり、カテーテルに連結すると取り外し可能となる。ハンドルノブは回転できる。ノブの方向を逆にすると、制御チューブが収縮し、バルブを展開できる。いくつかの実施形態では、展開可能な装置が包装内に残っている間に、ハンドルをハンドル取り付け機構に連結することができる。いくつかの実施形態では、展開可能な装置が無菌環境で包装から取り出されると、ハンドルを取り付け機構に連結することができる。図6に示す実施形態などのいくつかの実施形態では、取り外し可能なハンドル600は、密閉容器602内に別個に包装されてよい。密閉容器602は、ハーメチックシールされてよく、そうでなければ密閉されてよい。密閉容器602は、滅菌流体を含んでよく、または単に空気中で真空密閉されてよい。医師がカテーテルおよびハンドルを使用する準備ができたら、ハンドル付きの密閉容器602を開き、カテーテルアセンブリ付きの包装システムを開き、取り外し可能なハンドル600をカテーテルアセンブリの近位端に取り付けることができる。少なくとも1つの実施形態では、取り外し可能なハンドル600は、処置後に滅菌され、密閉容器に密閉され、再利用され得る。
【0028】
図7および図8は、展開可能な医療装置と遠位端で係合する最終滅菌カテーテルアセンブリ702を備えた包装システム700の別の実施形態を示す。カテーテルアセンブリ702は、カテーテルアセンブリ702の近位端を、図6に示す取り外し可能なハンドルなどの取り外し可能なハンドルに連結するためのハンドル取り付け機構704をさらに備えてよい。少なくとも図7および図8に示す実施形態では、包装システム700は、カテーテルアセンブリ702を受け入れることができるトレイ712と、トレイ712を受け入れることができる密閉可能な容器713とを備える。図7に示されるように、カテーテルアセンブリ702はトレイ712内に配置され、トレイ712は密閉可能な容器713内に配置される。図示の実施形態では、密閉可能な容器713は、密閉可能な容器713の端部付近にタブ711を有し、タブ711を引っ張って密閉可能な容器713の残りの部分からタブ711を分離させ、容器を開くことができる。少なくとも1つの実施形態では、タブ711は密閉可能な容器713の遠位端にあり、他の実施形態では、タブ711は近位端にあり得る。いくつかの実施形態では、密閉可能な容器は、複数のタブ711を有してよい。図8は、密閉可能な容器713から取り外されたトレイ712を示す。トレイ712は、遠位端714および近位端716を有し得る。トレイ712は、滅菌流体を含み得る複数のチャンバ718を備え得る。複数のチャンバ718は、限定されないが、展開可能な医療装置703を受け入れるためのトレイ712の遠位端714またはその付近の第1チャンバ722と、第1チャンバ722と近位端716との間の少なくとも一つの第2チャンバ724とを有してよい。
【0029】
チャンバ718は、チャネル726によって互いに連結され、チャンバ718は、チャネル726を通じて互いに流体連通していてよい。少なくとも1つの実施形態では、カテーテルアセンブリ702の一部は、チャネル726内にある。トレイ712は、特に装置が組織を備える場合、展開可能な医療装置703に何らかの追加の保護を提供する装置カバー728をさらに備えてよい。装置カバー728は、いくつかの実施形態では、装置カバー728上の対応する取り付け機構と嵌合することができるトレイ上のいくつかの取り付け機構729によりトレイ712に保持されてよい。いくつかの実施形態において、取り付け機構729は、装置カバー728をトレイ712に取り外し可能に連結するためののりまたは別の接着剤を含むことができる。装置カバー728は、第1チャンバ722に完全に、または少なくとも実質的に重なるサイズにすることができる。装置カバー728は、透明材料を含むことができる。これにより、展開可能な医療装置がトレイ内にまだ保管されている間に、展開可能な医療装置703を観察することができる。
【0030】
上記の説明および図面は、一般的に容器内に配置されたトレイによる本開示の発明の実施形態を説明しているが、本発明においては、限定されないが、非毒性の保存溶液に変換される滅菌剤などの滅菌流体を使用する本開示の他の包装システムが考えられる。少なくとも1つの実施形態では、カテーテルおよび展開可能な医療装置を所望の位置に保持するための保持機構を備えた平坦なカードが提供されてよい。平坦なカードはコンテナに挿入されることができる。一実施形態では、器の近位端に取り外し可能なキャップを備えたプラスチックまたはガラスの器が提供されてよい。器の内面は、滅菌流体およびカテーテルの少なくとも1つのシャフトと動作可能に係合している展開可能な医療装置を受け入れるためのチャンバを画定してよい。いくつかの実施形態では、チャンバはさらにカテーテルハンドルを受け入れてよい。いくつかの実施形態では、取り外し可能なキャップは、ハンドルが遠位キャップの近位端でカテーテルシャフトに取り付けられ得る密閉された開口部を有し得る。いくつかの実施形態では、器は、展開可能な医療装置を所望の位置に保持するのを助ける発泡部材を備えた柔軟であるが十分に剛性のプラスチックチューブであってよい。一端または両端のキャップは、機械的に密封され得るか、接着剤で密封され得る。1つ以上の実施形態において、キャップの少なくとも1つは、滅菌流体を器に分配するためのポートを有し得る。別の実施形態では、トレイは、トレイに旋回可能に取り付けられたカバーを有して、トレイが展開可能な医療装置用のクラムシェル型包装を形成するようにしてよい。カバーがトレイに対して開いた位置にあるとき、展開可能な医療装置と少なくともカテーテルシャフトがトレイに挿入されてよい。少なくとも1つの実施形態では、カテーテルハンドルもまたトレイに挿入されてよい。次に、カバーをトレイに対して閉じた位置に旋回させ、カバーがトレイに隣接するトレイのすべての結合していない外縁に沿って密閉されてよい。いくつかの実施形態では、カバーを閉じて密閉する前に、滅菌流体をトレイのチャンバに分配してよい。カバーおよびトレイの少なくとも一方は、滅菌流体をトレイの少なくとも1つのチャンバに送達するための開口部を有してよい。少なくとも1つの実施形態では、カバーは、トレイに旋回可能に連結されるのではなく、トレイから分離されていてよい。そのような実施形態では、カバーは、閉位置でトレイ上に配置され、カバーがトレイに隣接するトレイのすべての結合していない外縁に沿って密閉されてよい。
【0031】
本明細書で使用される「実質的に」または「一般に」という用語は、動作、特性、プロパティ、状態、構造、項目、または結果の完全またはほぼ完全な範囲または程度を指す。たとえば、「実質的に」または「一般に」囲まれているオブジェクトは、オブジェクトが完全に囲まれているか、ほぼ完全に囲まれていることを意味する。絶対的な完全性からの正確な許容逸脱度は、特定の状況に依存する場合がある。ただし、一般的に言えば、完了に近いということは、絶対かつ完全な完了が得られた場合とほぼ同じ全体的な結果が得られるようになることをいう。「実質的に」または「一般的に」の使用は、動作、特性、プロパティ、状態、構造、項目、または結果の完全またはほぼ完全な欠如を指す否定的な含意で使用される場合に等しく適用できる。例えば、成分または要素を「実質的に含まない」または「実質的に含まない」要素、組み合わせ、実施形態、または組成物には、測定可能な効果が一般にないのであれば、実際にその状況が含まれ得る。
【0032】
本明細書で使用される「一実施形態」または「実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の要素、特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な場所での「一実施形態では」という句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているわけではない。
【0033】
本明細書で使用する「からなる」、「からなっている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」、という用語はまたはその他のバリエーションは、非排他的な包含を対象としている。たとえば、要素のリストを含むプロセス、方法、記事、または装置は、必ずしもそれらの要素だけに限定されず、明示的にリストされていないか、そのようなプロセス、方法、記事、または装置に固有のその他の要素を含む場合がある。さらに、そうではないと明示的に述べられていない限り、「または」は、包括的なORを指し、排他的なORではない。たとえば、次のいずれかによって条件AまたはBが満たされる:Aは真(または存在する)、Bは偽(または存在しない)、Aは偽(または存在しない)、Bは真(または存在する)、およびAとBの両方が真(または存在する)である。
【0034】
加えて、「a」または「an」の使用は、本明細書の実施形態の要素および構成要素を説明するために使用される。これは単に便宜上、説明の一般的な意味を与えるために行われる。この説明は、1つまたは少なくとも1つを含むように理解されるべきであり、単数形は、そうでないことを意味することが明らかでない限り、複数形も含む。
【0035】
さらに、図面は、例示のみを目的として、好ましい実施形態を示している。当業者は、本明細書での議論から、本明細書で説明した原理から逸脱することなく、本明細書で例示した構造および方法の代替実施形態を採用できることを容易に認識するであろう。
【0036】
本開示を読むと、当業者は、カスタマイズされたurnのさらなる追加の代替構造および機能設計を理解するであろう。したがって、特定の実施形態および用途が図示および説明されたが、開示された実施形態は、本明細書に開示された正確な構造および構成要素に限定されないことを理解されたい。添付の特許請求の範囲に定義された精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に開示された方法および装置の配置、動作および詳細において、当業者に明らかな様々な修正、変更および変形を行うことができる。
【0037】
本明細書で説明されるシステムおよび方法は、いくつかの例示的な実施形態を参照して説明されているが、これらの実施形態は限定的ではなく、必ずしも互いに排他的ではなく、様々な実施形態の特定の特徴を省略または組み合わせて、本発明の範囲内に留まりながら、他の実施形態の特徴と共に使用されることができると考えられる。本明細書に記載の実施形態の特徴は、実施形態において、他の実施形態の特徴とともに使用することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8