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特許7048167生活習慣病の治療水および生活習慣病の治療方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-28
(45)【発行日】2022-04-05
(54)【発明の名称】生活習慣病の治療水および生活習慣病の治療方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 33/38 20060101AFI20220329BHJP
   A61K 33/242 20190101ALI20220329BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20220329BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20220329BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220329BHJP
   A61P 39/00 20060101ALI20220329BHJP
【FI】
A61K33/38
A61K33/242
A61P3/06
A61P3/10
A61P35/00
A61P39/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2016171633
(22)【出願日】2016-09-02
(65)【公開番号】P2018035120
(43)【公開日】2018-03-08
【審査請求日】2019-05-27
(73)【特許権者】
【識別番号】507051156
【氏名又は名称】市川 好男
(73)【特許権者】
【識別番号】516266503
【氏名又は名称】白川 太郎
(73)【特許権者】
【識別番号】516265388
【氏名又は名称】清 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100085224
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 重隆
(72)【発明者】
【氏名】市川 好男
(72)【発明者】
【氏名】白川 太郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 均
【審査官】金子 亜希
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-048348(JP,A)
【文献】特開2004-285166(JP,A)
【文献】特開2012-092027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 33/38
A61K 33/242
A61P 35/00
A61P 3/10
A61P 3/06
A61P 39/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)水1リットルに対し、
(b)チオ硫酸銀イオンを銀換算で3~15mg、および
(c)コロイド状金を金換算で1.1~5.4mg
を配合してなり、かつ、コロイド状白金を含まない治療剤であって、糖尿病患者における、糖尿病、腎臓病、肝臓病、肺病、心臓病、および胃腸病からなる群から選ばれた疾患の治療剤。
【請求項2】
(a)水が、水道水、ミネラル水、精製水、電解水およびその他の飲料水から選ばれた少なくとも1種である、請求項1に記載の治療剤。
【請求項3】
(b)成分のチオ硫酸銀イオンが、式[Ag(S3-および/または式[Ag(S11-で表される、請求項1または2に記載の治療剤。
【請求項4】
(a)水1リットルに対し、
(b)チオ硫酸銀イオンを銀換算で3~15mg、および
(c)コロイド状金を金換算で1.1~5.4mg
を配合してなり、かつ、コロイド状白金を含まない低下剤であって、糖尿病患者において全身の臓器のリスクを低下させるための低下剤。
【請求項5】
(a)水が、水道水、ミネラル水、精製水、電解水およびその他の飲料水から選ばれた少なくとも1種である、請求項4に記載の低下剤。
【請求項6】
(b)成分のチオ硫酸銀イオンが、式[Ag(S3-および/または式[Ag(S11-で表される、請求項4または5に記載の低下剤。
【請求項7】
全身の臓器が、心臓、肝臓、膵臓、食道、胃、胆嚢、小腸、大腸、腎臓、および膀胱である、請求項4~6のいずれかに記載の低下剤。
【請求項8】
臓器のリスクが、AMSAT(全自動皮膚抵抗測定システム)を用いて測定されるものである、請求項4~7のいずれかに記載の低下剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガンを始め、動脈硬化症、胃腸炎、肝炎、腎炎、糖尿病などの生活習慣病を治療あるいは予防するための治療水、および生活習慣病の治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、疾病の治療は、対症療法であり、発見された患部のみを対象にした薬剤、手術、放射線などによる治療法であり、この治療による副作用の発疹や痛みなどのほか、他器官や免疫組織の劣化などがあり、また再発の危険性などの問題がある。
ところで、本発明者らは、先に(a)水、(b)チオ硫酸銀イオン、および(c)コロイド状白金を主成分とする制癌剤を提案した(特許文献1)。この制癌剤は、1日に0.8~1.6リットルを飲み続けることにより、正常細胞にはまったく作用せずに、対象となる部位の癌細胞および転移した癌細胞や発見されていない小さな癌細胞までのすべての癌細胞のみに作用し、その浸潤、増殖を抑えて消滅させることができ、しかも治療期間中、さらにその後も、再発および副作用が生じることがなく、癌を完全に治癒することができる。
しかも、この制癌剤は、治療期間中、さらにその後も、癌の再発および副作用が生じることがなく、癌を完全に治癒することができるものである。
なお、この先行技術は、その新規性、進歩性が認められて、平成28年8月3日に特許査定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-48348号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、さらにこの制癌剤を検討した結果、水、銀錯体の陰イオンおよびコロイド状白金の系のうち、コロイド状白金に代えて、ごく微量のコロイド状金を用いると、さらに酸化還元電位が下がって、抗生物質のように、細菌・真菌・有膜性ウィルスに対し強い反応を示し、さらにインスリンを10年以上打ち続けている人の糖尿病患者がこの水を飲料水代わりに飲用し続けると、わずか5か月程度でインスリン不要の診断がでたとの情報などを確認した。
本発明は、以上のような知見に基づいてなされたものであり、本発明の生活習慣病の治療水を1日に0.5~1.5リットル飲用すると、この治療水が全身に廻り、対象疾患部に作用して、生活習慣病を治療するとともに、他の部位に前兆が見えれば、これにも作用して、さらに老化に伴う各種器官の能力低下を補って、これを健全化し、疾患部を根治することが可能な生活習慣病の治療水を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の(1)~(5)で構成される。
(1)(a)水1リットルに対し、
(b)チオ硫酸銀イオンを銀換算で3~15mg、および
(c)コロイド状金を金換算で0.1~0.5mg
を配合してなる、生活習慣病の治療水。
(2)(a)水が、水道水、ミネラル水、精製水、電解水およびその他の飲料水から選ばれた少なくとも1種である、(1)に記載の生活習慣病の治療水。
(3)(b)成分のチオ硫酸銀イオンが、式[Ag(S3-および/または式[Ag(S11-で表される(1)または(2)に記載の生活習慣病の治療水。
(4)生活習慣病が、ガン、糖尿病、動脈硬化症、腎臓病、肝臓病、肺病、心臓病、および胃腸病の群から選ばれた少なくとも1種である、(1)~(3)いずれかに記載の生活習慣病の治療水。
(5)上記(1)~(4)いずれかに記載の生活習慣病の治療水を、1日に0.5~1.5リットル、経口投与、点滴またはカテーテル投与する、生活習慣病の治療方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明の生活習慣病の治療水は、次のような性能により、癌を始め、動脈硬化症、胃腸炎、肝炎、腎炎、糖尿病などの生活習慣病を副作用が生じることなく根治するとともに、全身を健全な状態にすることが可能で、また特に健康に問題がない人の予防水として、1日に0.5~1.5リットル、飲料水感覚で飲用するだけでよく、従来の医療の方法とまったく異なる画期的なものである。
(1)本発明の生活習慣病の治療水は、浸透力、溶解力が大きく、脂質、特に酸化した過酸化脂質までも徐々に溶解・分解する浄化力が大きく、異物(花粉、PM、毒物などのほか、体内に発生する異物)などを体外に排出することができる。
(2)本発明の生活習慣病の治療水は、酸化防止力が大きく、老化の進行を抑える。
(3)本発明の生活習慣病の治療水は、好気性菌(悪玉菌)およびエンベロープウイルスに作用し、これらを不活化し、嫌気性細菌(善玉菌)を増殖することができる。
(4)本発明の生活習慣病の治療水は、アルコール、医薬品を分解する。
上記の(1)~(4)の性能を有する本発明の生活習慣病の治療水は、例えば次の疾病を治療、治癒することができ、また予防することができる。
【0007】
本発明の免疫活性化水の効能の具体例は下記のとおりである。
1)癌
本発明の生活習慣病の治療水は、全身を循環して、この治療水1種のみで、対象とする癌をはじめ、体内に生じている全ての癌細胞(未発見の小さな癌細胞も)のみに作用して、その浸潤・分裂増殖を抑えて消滅させ、転移、再発することなく根治することができ、しかも他の臓器も含めて正常細胞にはまったく作用せずに、特に他薬剤などにより劣化している免疫組織を正常化することができる。この作用は、癌細胞が出す特異な物質に本発明の治療水が作用して、これを破壊して、癌細胞の分裂、増殖を止めて消滅させるものと考えられる。
【0008】
2)糖尿病
血液中のブドウ糖が慢性的に過剰な状態になる糖尿病は、すい臓のβ細胞から分泌されるインスリン不足もさることながら、糖が血管の内臓脂肪の蓄積により、肝臓や筋肉に出にくくなったりすることの方が問題となっている。本発明の生活習慣病の治療水を、1日に1リットル前後服用し続けると、内臓脂肪が徐々に分解、溶解して血管が浄化されて、糖が出やすくなり、インスリン注射を10年以上続けている人でも、本発明の治療水の飲用のみで、4~6か月でインスリン注射を止めることができ、血糖値やAGEも正常な値になる。
【0009】
3)動脈硬化症
血管内部の汚れ(主に脂質)が堆積して血管を硬化させたり、狭くしたりする動脈硬化症は、本発明の治療水の飲用により、脂質、特に活性酸素により酸化されてできる過酸化脂質も分解・溶解して血管が浄化され、血液濃度や血流が改善されて、高脂血症、高血圧、さらに脳卒中(脳梗塞、脳出血、脳血栓など)や、心臓病(心筋梗塞、狭心症、心不全など)の治療または予防ができる。
【0010】
4)胃腸病
本発明の治療水を3~4か月飲用すると、好気性細菌が減少し、嫌気性細菌が増加して、腸内細菌のバランスが良好になり、排泄臭が消え、便秘が改善されて快便になる。さらに、免疫組織が集中している小腸の状態も改善されて、腸管免疫組織が正常化~活性化する。その結果、腹膜炎、大腸炎なども、短期間で治療することができる。
また、胃は、本発明の治療水により、ヘリコバクターやピロリ菌などを除菌し、さらに胃内部を浄化することにより、胃潰瘍、食道炎、慢性胃炎なども治療することができる。
【0011】
5)腎臓病
腎臓病は、自覚症状がないままで進行し、気づいたときは手遅れになることがある。慢性腎臓病は、悪化すると腎不全となり尿毒症を起こし、人工透析や腎移植が必要となる。本発明の治療水は、血液のろ過および分別を行う毛細血管の塊である糸球体を浄化し、炎症を防止して、血液のろ過、水分量や電解質の調節、ホルモンの分泌などを徐々に正常化して治療することができる。腎動脈狭窄症は、動脈硬化症である。
【0012】
6)肝臓病
肝臓の疾病は、脂肪肝→肝炎→肝硬変→肝癌へと進行していくが、その原因は、肥満、糖尿病、アルコールの飲みすぎなどである。
本発明の治療水は、過剰な脂質および有機物を分解、溶解して、肝臓の機能、特に解毒機能を活性化して肝臓の負担を低減し、上記の症状を治療することができる。
アルコールは、アセトアルデヒド→酢酸→炭酸ガスと水へと分解する工程を経るが、本発明の治療水は、この分解工程に関して負担を低減することができる。
特に、症状がほとんど自覚できない慢性肝炎は、本発明の治療水により予防することができる。
【0013】
以上のように、本発明の生活習慣病の治療水は、従来から続いている対症療法と異なり、これを飲用することにより、患部を含めて全身をかけ廻るため、この治療水1種類のみで、対象患部以外に患部あるいは予備軍的な箇所があれば、これも治療でき、全身を健康体にすることが可能であり、さらに副作用がまったく生じないため、病気の予防水として使用することができ、革命的な生活習慣病の治療水といっても過言ではい。
かくて、本発明の生活習慣病の治療水による医療費の削減は、計り知れないものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】試験例5の写真で、本発明の治療水を用いて、バターの酸化防止性、脂質分解性を試験した結果を示す写真である。写真上部は水道水を用いた例、写真下部は本発明の生活習慣病の治療水を用いた例である。
図2】試験例6の結果であり、本発明の治療水によるAMSATによる測定結果を示す写真である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の生活習慣病の治療水は、水を主剤とし、これにチオ硫酸銀イオンとコロイド状金が配合されている。
このため、本発明の治療水は、微量の銀マイナスイオンと触媒活性を有する金ナノ粒子を含有する、99.9%以上が水であり、これを飲用すると、体内に蓄積することなく循環して、下記のようにさまざまな生活習慣病の治療水としての性能を発揮するものである。
【0016】
(1)本発明の治療水の溶存酸素の酸素(O2)が、含有成分の銀に化学吸着して、一重項酸素()になり、この22Kcal/molのエネルギーにより、水分子の水素結合が切断されてクラスター(水分子の集合)が小さくなり、この治療水の浸透力、溶解力が大きくなり、脂質、特に過酸化脂質も徐々に分解、溶解する浄化性を有することになり、さらに電気伝導度、熱伝導度が大きくなっている。
(2)本発明の治療水は、フリーラジカル(O )を消去して、酸化の進行を防止する。
(3)本発明の治療水は、好気性細菌および真菌を除菌し、有膜性ウイルスを不活化する。
(4)本発明の治療水は、アルコール、薬品類を分解する。
(5)本発明の治療水は、身体に対し安全性が高く、副作用を生じることがない。このため、本発明の治療水を、健康な人も生活習慣病の予防のために飲用することができる。
【0017】
本発明の生活習慣病の治療水は、以上のような作用効果を奏するため、この治療水を1日に0.5~1.5リットル飲用すると、全身を廻り、体内の疾患部に作用して治療し、また病気の予備軍的な部位があればこれにも作用し、さらに老化に伴う臓器の能力低下を補って、これを正常化し、健康体を回復、保持することが可能となる。
【0018】
本発明の生活習慣病の治療水は、(a)水1リットルに対し、(b)チオ硫酸銀イオンを銀換算で3~15mg、および(c)コロイド状金を金換算で0.1~0.5mgを含有する。
以下、本発明の生活習慣病の治療水を構成する各成分ごとに説明する。
【0019】
(a)水
本発明に用いられる(a)水は、水道水、ミネラル水、精製水、電解水、およびその他の飲料水などから選ばれた少なくとも1種である。また、(a)水には、本発明の治療水を構成する(b)成分や(c)成分に含まれる水も包含し、(a)成分である水を合計すると、本発明の治療水に占める(a)水の割合は、99.9%以上となる。
【0020】
(b)チオ硫酸銀イオン
(b)チオ硫酸銀中のチオ硫酸銀イオンは、本発明の生活習慣病の治療水において、次のような性能を有するために使用される。
(1)浸透力、溶解力が大きく、脂質、特に身体に危険な過酸化脂質も徐々に溶解、分解して体外に排出することができる。この大きな洗浄力が、異物(外部からの花粉、PM、毒物などのほか、体内に発生して異常分裂増殖する癌細胞や異常なタンパク質など)を排除し、さらにアルコール、薬品なども分解する。
(2)体内のフリーラジカルを消去し、酸化の進行を防止する。
(3)好気性細菌類を除菌し、嫌気性細菌類を増殖させる。また、エンベロープの大部分が脂質からなるエンベロープウイルスを不活化する。
(4)チオ硫酸銀イオンは、陰イオンであり、体内に沈着、蓄積することがなく、さらに塩分とも反応せず、体内で循環して患部に接触し、治療する。
【0021】
(a)チオ硫酸銀イオンは、次の方法で作成されるが、これらに限定されるものではない。
(1)硝酸銀の溶液に苛性ソーダの水溶液を加えると黒褐色の酸化銀の沈殿ができる。この上澄液を除去し、充分に洗浄したのち、チオ硫酸ソーダ水溶液を加え、沈殿を溶かすと淡黄色の透明なチオ硫酸銀イオンの水溶液ができる。
(2)市販の微粒子状の酸化銀にチオ硫酸ソーダの水溶液を加えていくと、酸化銀が溶けてチオ硫酸銀イオンの溶液ができる。
【0022】
(b)成分におけるチオ硫酸銀イオンは、式[Ag(S3-および/または式[Ag(S11-で表されることが好ましい。
上記の方法でチオ硫酸イオンS 2-の濃度が低いときは[Ag(S3-に、チオ硫酸イオンS 2-の濃度が高いときは[Ag(S11-になる。
(b)チオ硫酸銀イオンは、(a)水1リットルに対し、銀換算で3~15mg(固形分換算で57~285mg)、好ましくは4~12mgであり、3mg未満では癌細胞の浸潤、増殖を抑える力や、好気性細菌、真菌、ウイルスを死滅させる力が不足し、生活習慣病を治療することが難しく、一方15mgを超えても、制癌効果、抗好気性細菌、抗真菌、抗ウイルス効果などの生活習慣病の抑止力が変わらないため経済的ではない。
【0023】
(c)コロイド状金
(c)コロイド状金は、金の平均一次粒子径が10nm前後で、水中に分散し安定している。本発明において、(c)コロイド状金は、併用する(b)成分のほとんどの性能を、その金ナノ粒子の触媒活性により、生活習慣病治療水の性能を強化することができると考えられる。
すなわち、(c)コロイド状金は、(b)成分との併用で効果が増し、あらゆる部位の癌細胞の浸潤、増殖を抑えて消滅させる作用が増大するものと考えられる。また、この(c)コロイド状金は、(b)成分との併用により、好気性細菌、真菌、ウイルスを死滅させることができる。
なお、(c)コロイド状金は、本発明の治療水の大部分が水であることから、通常、水性コロイド金が用いられる。
また、本発明に用いられる(c)コロイド状金は、(b)成分との併用により、水性コロイド状白金に比べて、得られる無機系抗生物質の酸化還元電位を大幅に下げることができ、これが、抗好気性細菌、抗真菌、抗ウイルス、抗腫瘍剤として、上記した特許文献1に比べて格段の有意差をもって効果を発揮できるものと考えられる。
【0024】
(c)コロイド状金の製造方法は、種々知られており(例えば、特公昭57-43125号公報、特公昭59-120249号公報、および特開平9-225317号公報、特開平10-176207号公報、特開2001-79382号公報、特開2001-122723号公報など)、当業者はこれらの方法を参照することによって微粒子を容易に調製することができる。例えば、金微粒子の製造方法として、沈殿法または金属塩還元反応法と呼ばれる化学的方法、あるいは燃焼法と呼ばれる物理的方法などを利用できる。本発明の(c)成分としては、いずれの方法で調製された微粒子を用いてもよいが、製造の容易性と品質面から金属塩還元反応法で調製された微粒子を用いることが好ましい。
【0025】
金属塩還元反応法では、例えば、水溶性もしくは有機溶媒可溶性の金(塩)または金錯体の水溶液または有機溶媒溶液を調製し、この溶液に水溶性高分子を加えた後、溶液のpHを9~11に調節し、不活性雰囲気下で加熱還流することにより還元して金微粒子を得ることができる。金の水溶性または有機溶媒可溶性の塩の種類は特に限定されないが、例えば、酢酸塩、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、スルホン酸塩、またはリン酸塩などを用いることができ、これらの錯体を用いてもよい。
【0026】
さらに、本発明に用いられる(c)コロイド状金の製造方法の具体例を以下に示す。
(1)テトラクロロ金(III)酸四酢酸水和物(塩化金酸 HAuCl・4H0)1gを、純水で500gにする(0.2%塩化金酸水溶液)
(2)水酸化カリウム(KOH)13,13gに純水を加えて、1,000gにし、これの900gと35%ホルマリン(HCHO)100gを混合して、酸化カリウム・ホルマリン混合液を作製する。
(3)上記(1)の0.2%塩化金酸液100gに、純水900gを加えて、1,000gにする(0.02%塩化金酸水溶液)。
(4)0.02%塩化金酸水溶液1,000gに、撹拌しながら上記(2)の水酸化カリウム・ホルマリン混合液40gを徐々に投入すると、赤紫色の金コロイドが生成する。
このときの金コロイドの濃度は、金換算で、約92mg/1kgである。
【0027】
なお、本発明の治療水には、上記(a)~(c)成分のほか、必要に応じて水性コロイド状白金などを含むこともできる。
【0028】
本発明の生活習慣病の治療水の調製方法としては、(a)成分に(b)~(c)成分を加えて、攪拌・混合する。また、必要に応じてこれにさらに(a)水を加えて攪拌・混合する。
【0029】
本発明の生活習慣病の治療水は、(a)水は、(b)成分および(c)成分の添加により、(a)水が改質されて、抗好気性細菌、抗真菌、抗ウイルス、抗腫瘍水になるものといえる。このため、本発明の治療水を、1日に0.5~1.5リットル飲用して全身を循環させることが必要であり、通常の飲料水感覚で毎日飲用することができる。
この改質された水は、抗酸化性(還元性)、脂質分解性、抗菌性(好気性菌のみ)、抗ウイルス性(有膜のみ)、抗エンベロープウイルス性、および浸透性、溶解性、浄化性に優れ、正常細胞には作用せず、生活習慣病の患部のみに作用して副作用を生じることなく、極めて安全性の高い治療水となり、各器官を浄化し、酸化を抑え、腸内殺菌のバランスを良好にして真の健康体を取り戻す飲料水になるものと考えられる。
【実施例
【0030】
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、特許請求の範囲を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1(治療水の調製)
(a)純水1,000gに、下記(b)成分75mg(銀換算で約3.96mg)と、下記(c)成分を1,5g(金換算で約0.14mg)を添加して、本発明の治療水を調製した。
(a)純水 1,000g
(b)チオ硫酸銀イオン 75mg(銀換算 約3.46mg)
(c)金コロイド 1.5g(金換算 約0.14mg)
【0031】
実施例2
(a)純水1,000gに、下記(b)成分132mg(銀換算で約6.98mg)と、下記(c)成分を3mg(金換算で約0.27mg)を添加して、本発明の治療水を調製した。
(a)純水 1,000g
(b)チオ硫酸銀イオン 132mg(銀換算 約6.98mg)
(c)金コロイド 3g(金換算 約0.27mg)
【0032】
実施例3
(a)純水1,000gに、下記(b)成分226mg(銀換算で約11.95mg)と、下記(c)成分を4,5mg(金換算で約0.41mg)を添加して、本発明の治療水を調製した。
(a)純水 1,000g
(b)チオ硫酸銀イオン 226mg(銀換算 約11.95mg)
(c)金コロイド 4.5g(金換算 約0.41mg)
【0033】
なお、(b)成分、(c)成分の調製は次のようにして実施した。
<(b)成分(チオ硫酸銀)の調製>
硝酸銀1gの水溶液に、5%苛性ソーダ液を加えて黒褐色の沈殿を作り、この上澄み液を除去して、純水で3回洗浄し、酸化銀を作った。
これに、無水チオ硫酸ソーダ4gを添加し、さらに純水を加えて濃度調整し、チオ硫酸銀イオン10g(銀換算で約529mg)を作製した。
【0034】
<(c)成分(水性コロイド状金)の調製>
塩化金酸(HAucl・4H2O)1gと水酸化カリウム(KOH)13.14g、および35%ホルマリン(HCHO)100g、純水を使用して、以下のようにしてコロイド状金を作製した。
1)塩化金酸1gを純水に溶かして、0.2%塩化金酸水溶液500gを作成し、さらにこの水溶液100gに純水900gを加えて、0.02%の塩化金酸水溶液1,000gを作製した。
2)水酸化カリウム13.14gを純水に溶かして、0.2%水酸化カリウム水溶液1,000gを作成し、この水溶液900gと35%ホルマリン液100gの混合液を作成した。
3)上記の1)の0.02%塩化金酸水溶液1,000gに、上記の2)の水酸化カリウム・ホルマリン混合水溶液40gを徐々に投入して、赤紫色の金コロイドを作成した。この金コロイドは、金成分が約92mg/1,000gである。
実施例1~3の治療水の詳細を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
試験例1
本発明の生活習慣病の治療水の抗細菌性を調べるため、実施例2の治療水[試料(2)]を用いて、好気性細菌である大腸菌(O-157:H7)、およびメチシリル耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の菌液を添加し、室温下、1時間、3時間保存後に、その菌数を測定した。結果を表2に示す。
なお、表2において、対照とは、試料(2)の作製に用いた純水である。また、「<10」とは、「検出せず」を示す。
【0037】
【表2】
【0038】
試験例2
実施例1で得られた治療水(1)[試料(1)]、実施例2で得られた治療水(2)[試料(2)]を用いて、嫌気性細菌である酵母菌(検体無添加の酵母)の菌液を添加し、室温下、24時間、38時間、72時間保存後に、その菌数を測定した。
なお、対照として、煮沸した水道水を用いて評価した。結果を表3に示す。
表3から、本発明の治療水を用いると、従来の水道水に比べて、酵母が順調に増殖していくことが分かる。
【0039】
【表3】
【0040】
試験例3
実施例で調製した本発明の治療水(1)および治療水(2)を用いて、酸化還元電位を測定した。対照として市販のミネラル水(1)およびミネラル水(2)を使用した。結果を表4に示す。
表4から、本発明の治療水を添加した添加水のpHは原水であるミネラル水と変わらないが、酸化還元電位が大幅に下がり、還元水状態になっていることが証明された。
【0041】
【表4】
【0042】
試験例4
本発明の生活習慣病の治療水のクラスター(水の凝集状態)を調べるため、実施例1の治療水(1)を用い、核磁気共鳴装置(NMR)で計測したスペクトルを数値化した線幅(Hz)を測定した。
<測定条件>
測定核種 17O(酸素-17)
使用装置 日本電子社製、JNM-EX270
測定温度 20℃
<結果>
検体[治療水(1)]の線幅(半値幅)を次のとおりであった。
ミネラル水(1)(上記参照) 85.7Hz
治療水(1)(実施例1) 61.2Hz
なお、半値幅とは、ピークの高さの二分の一の幅(太さ)であり、単位はHz(ヘルツ)である。
線幅の小さいほど、すなわち半値幅の小さいほど、クラスターの小さい水であり、浸透圧、溶解力が高く、電気伝導度、熱伝導度が大きくなる。
なお、一般に、水の線幅は、純水で140~150Hz、水道水で90~140Hz、ミネラル水で80~90Hzであり、本発明の治療水(1)は、クラスターが小さくなっていることが分かる。
【0043】
試験例5
実施例2で調製された本発明の治療水(2)の酸化防止性および脂肪分解性・溶解性を調べた。
まず、市販のバター(雪印乳業製)を2枚(4×3センチ角、厚さ約5mm)を用意した。次に、ガラス容器2個に、それぞれに、ミネラル水(pH7.3)単独、および治療水(2)を、それぞれ、350ml入れて、これに用意したバター片を1個ずついれて、ガラス板で軽くフタをし、室温下で28日間観察した。
結果を図1に示す。上側のミネラル水のみのガラス容器のものでは、表面が酸化して黒ずんで固まっている。
これに対し、下側の本発明の生活習慣病の治療水(2)では、酸化がみられず、バターの分解、溶解が進んでいることが分かる。
【0044】
試験例6
ドイツ製、医療機器認証番号221AIBZX00020000(一般名称;治療点検検索測定器 AMSAT「全自動皮膚抵抗測定システム」)を用いて、血糖値高めの男性(49才、血糖値=142mg/dL)に、本発明の生活習慣病の治療水(1)(実施例1)を3か月間、毎日1リットル摂取してもらい、摂取前と摂取3か月後(参考血糖値116mg/dL)の全身臓器のリスクを測定した。結果を図2に示す。
図2から、15臓器のリスクが僅か3か月で大幅に低下していることを示すデータが表れている。このデータから、一つの疾病は全身に影響を与えており、本発明の生活習慣病の治療水のように、全身に循環することにより、患部の治療はもとより、他の臓器のリスクを低減あるいは正常化して、健康体を維持することが可能になることが分かる。
【0045】
試験例7
生活習慣病の治療水による癌細胞の増殖抑制作用を調べた。
試験前日に、乳癌細胞MCF-7(2,000cells/well)と、肺癌細胞A549(500cells/well)とを、それぞれ、well plateに播種した。
試験当日に、実施例出得られた治療水(2)および治療水(3)を、個々のwellに150ml加えた。
その後、室温下で、6日間、細胞培養を行った。細胞培養終了後、NTT法により、570nmと620nmの吸光度を測定することで、細胞の生存率を測定した。コントロールとして、0日目の細胞数をNTT法により測定した。なお、治療水(2)、治療水(3)では、3回測定した。
<試験結果>
治療水(2)、治療水(3)により、細胞増殖抑制(完全)であることが、乳癌細胞MCF-7、肺癌細胞A549で確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の生活習慣病の治療水は、ごく微量の陰イオン化した銀とナノサイズ化した金を含有し、99.9%以上が水であり、これを1日に0.5~1.5リットル飲料水感覚で毎日経口により投与すると、この治療水が全身を循環して体内に生じたあらゆる癌細胞や好気性細菌、真菌、あるいはウイルスのみに作用して、その浸潤ならびに増殖を抑えて消滅させることができ、しかも正常細胞にはまったく作用せずに体内の酸化を抑え、過酸化脂質を分解し、好気性細菌、真菌および有膜性ウイルスを不活性化して副作用を生じさせることなく治癒することができ、さらに血管をはじめ各器官が浄化され、体内の酸化防止ができ、腸内細菌のバランスが良好になり、健康体を取り戻すことができるから、健康水としても利用することができる。
図1
図2