(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-28
(45)【発行日】2022-04-05
(54)【発明の名称】AMOLED表示基板とその製作方法及び表示装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/336 20060101AFI20220329BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20220329BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20220329BHJP
H01L 27/06 20060101ALI20220329BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20220329BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20220329BHJP
H01L 27/088 20060101ALI20220329BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20220329BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20220329BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20220329BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20220329BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220329BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20220329BHJP
【FI】
H01L29/78 612D
H01L27/06 102A
H01L27/04 C
H01L27/088 331E
H01L27/32
G09F9/00 338
G09F9/30 338
G09F9/30 365
H05B33/10
H05B33/14 A
H05B33/02
(21)【出願番号】P 2018500564
(86)(22)【出願日】2017-05-26
(86)【国際出願番号】 CN2017086074
(87)【国際公開番号】W WO2017219827
(87)【国際公開日】2017-12-28
【審査請求日】2020-05-08
(31)【優先権主張番号】201610473804.2
(32)【優先日】2016-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100133514
【氏名又は名称】寺山 啓進
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【氏名又は名称】松永 宣行
(72)【発明者】
【氏名】蓋 翠 麗
(72)【発明者】
【氏名】林 奕 呈
【審査官】綿引 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-177668(JP,A)
【文献】国際公開第2011/148537(WO,A1)
【文献】特表2015-505168(JP,A)
【文献】特開2015-179247(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 21/822
H01L 21/8234
H01L 27/32
H01L 27/088
H01L 29/786
H01L 51/50
G09F 9/00
G09F 9/30
H05B 33/02
H05B 33/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
AMOLED表示基板の製作方法であって、
複数の画素ユニットを形成するステップを含み、
各画素ユニットを形成するステップは、第1蓄積キャパシタ、薄膜トランジスタ及び発光ダイオードを形成することを含み、
前記第1蓄積キャパシタ及び薄膜トランジスタを形成することは、ワンタイムパターニングプロセスを通じて前記薄膜トランジスタの活性層及び前記第1蓄積キャパシタの第1電極を形成
することを含み、
前記第1電極は、導体材料により作られ
、
ワンタイムパターニングプロセスを通じて前記活性層及び第1電極を形成するステップは、
半導体膜層及び導電膜層を順次に形成し、前記半導体膜層及び導電膜層に対してワンタイムパターニングプロセスを行って、前記活性層及び第1電極を形成することを含み、
前記活性層は、前記半導体膜層により形成され、前記第1電極は、前記導電膜層により形成され、
前記半導体膜層及び導電膜層に対してワンタイムパターニングプロセスを行って、前記活性層及び第1電極を形成するステップは、
前記導電膜層上にフォトレジストを塗布するステップと、
ハーフトーン又はグレートーンのマスクを利用して前記フォトレジストに対して露光を行い、現像後、前記第1電極が所在する領域に対応するフォトレジストの完全保留領域、前記活性層が所在する領域に対応するフォトレジストの半分保留領域、及び他の領域に対応するフォトレジストの非保留領域を形成するステップと、
前記フォトレジストの非保留領域の導電膜層及び半導体膜層を除去するステップと、
アッシングプロセスを通じて前記フォトレジストの半分保留領域のフォトレジストを除去するステップと、
前記フォトレジストの半分保留領域の導電膜層を除去するステップと、
残りのフォトレジストを剥離して、前記活性層及び第1電極を形成するステップと、
を含み、
前記製作方法は、
前記活性層及び第1電極を覆い、ビアホールが含まれるエッチング阻止層を形成するステップと、
前記エッチング阻止層上に、前記ビアホールを介して前記活性層と電気的に接触される前記薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極を形成するステップと、を更に含み、
前記ドレイン電極の前記AMOLED表示基板が所在する平面における正投影と前記第1電極の前記AMOLED表示基板が所在する平面における正投影は、オーバーレイ領域が存在し、前記第1蓄積キャパシタの第2電極は、前記ドレイン電極である、
ことを特徴とする
AMOLED表示基板の製作方法。
【請求項2】
前記画素ユニットは、第2蓄積キャパシタを更に含み、前記第2蓄積キャパシタの一つの電極は、前記ドレイン電極であることを特徴とする請求項
1に記載の製作方法。
【請求項3】
前記製作方法は、
発光ダイオードの底部電極及び頂部電極を形成するステップを更に含み、前記底部電極が前記ドレイン電極と電気的に接続され、前記頂部電極が前記第1電極と電気的に接続さ
れ、前記第2蓄積キャパシタのもう一つの電極は、前記頂部電極であることを特徴とする請求項
2に記載の製作方法。
【請求項4】
AMOLED表示基板
であって、
複数の画素ユニットを含み、
前記複数の画素ユニットの各々は、第1蓄積キャパシタ、薄膜トランジスタ及び発光ダイオードを含み、
前記薄膜トランジスタは活性層を備えており、前記第1蓄積キャパシタは導体材料の第1電極を備えており、
前記第1電極の下方に前記第1電極のパターンと一致する半導体層のパターンを有し、前記半導体層及び前記活性層は、同一の膜層により作られ、
前記第1電極の前記AMOLED表示基板が所在する平面における正投影と前記薄膜トランジスタのドレイン電極の前記AMOLED表示基板が所在する平面における正投影は、オーバーレイ領域が存在し、前記第1電極と前記ドレイン電極の間にエッチング阻止層を有することにより、第1蓄積キャパシタを形成することを特徴とす
るAMOLED表示基板。
【請求項5】
前記発光ダイオードは、底部電極と、頂部電極とを含み、前記底部電極が前記ドレイン電極と電気的に接続され、前記頂部電極が前記第1電極と電気的に接続され、前記頂部電極の前記
AMOLED表示基板が所在する平面における正投影と前記ドレイン電極の前記
AMOLED表示基板が所在する平面における正投影は、オーバーレイ領域が存在し、前記頂部電極と前記ドレイン電極の間に絶縁層を有することにより、第2蓄積キャパシタを形成することを特徴とする請求項
4に記載のAMOLED表示基板。
【請求項6】
請求項
4又は5に記載のAMOLED表示基板を含むことを特徴とする表示装置。
【請求項7】
ベースと、
前記ベース上に設置されるゲート電極と、
前記ベース上に設置され、前記ゲート電極を覆うゲート絶縁層と、
前記ゲート絶縁層上に設置される活性層及び半導体層と、
前記半導体層上に直接設置される第1電極と、
前記ゲート絶縁層上に設置され、前記活性層及び前記第1電極を覆うエッチング阻止層と、
前記エッチング阻止層上に設置され、前記エッチング阻止層におけるビアホールを介して前記活性層と電気的に接触されるソース電極及びドレイン電極と、
蓄積キャパシタと、を含み、
前記第1電極と、前記ドレイン電極とは、前記ベースに垂直な方向において部分的に重複され、前記第1電極、前記ドレイン電極及び前記第1電極と前記ドレイン電極の間の前記エッチング阻止層は、前記蓄積キャパシタを形成すること
を特徴とするAMOLED表示基板。
【請求項8】
前記第1電極の前記ベースにおける正投影と前記ドレイン電極の前記ベースにおける正投影は、オーバーレイ領域が存在することを特徴とする請求項
7に記載のAMOLED表示基板。
【請求項9】
前記蓄積キャパシタと並列接続されるもう一つの蓄積キャパシタを更に含むことを特徴とする請求項
7に記載のAMOLED表示基板。
【請求項10】
前記エッチング阻止層上に設置され、前記ソース電極及び前記ドレイン電極を覆う第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に設置され、底部電極と、頂部電極と、前記底部電極と前記頂部電極
の間に位置する発光層とを含み、前記底部電極が前記第1絶縁層におけるビアホールを介して前記ドレイン電極と電気的に接続される発光ダイオードと、
前記第1絶縁層上に設置され、前記底部電極を覆い、前記底部電極に対応する箇所に開口が形成される第2絶縁層と、を更に含み、
前記発光層は、前記開口内に設置され、前記頂部電極は、前記第2絶縁層上に設置され、前記発光層と接触され、前記頂部電極と、前記ドレイン電極とは、前記ベースに垂直な方向において部分的に重複され、前記頂部電極、前記ドレイン電極、前記頂部電極と前記ドレイン電極の間に位置する前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は、もう一つの蓄積キャパシタを形成し、前記頂部電極が前記第1電極と電気的に接続されることを特徴とする請求項
7に記載のAMOLED表示基板。
【請求項11】
前記頂部電極の前記ベースにおける正投影と前記ドレイン電極の前記ベースにおける正投影は、オーバーレイ領域が存在することを特徴とする請求項
10に記載のAMOLED表示基板。
【請求項12】
前記活性層及び前記半導体層は、前記ゲート絶縁層上に直接形成され,前記活性層と前記半導体層は、同じ材料により作られることを特徴とする請求項
7乃至
11のいずれか一項に記載のAMOLED表示基板。
【請求項13】
前記第1電極は、導体材料により作られることを特徴とする請求項
12に記載のAMOLED表示基板。
【請求項14】
前記第1電極は、金属層であることを特徴とする請求項
12に記載のAMOLED表示基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2016年6月24日に中国特許庁に提出された中国特許出願第201610473804.2号明細書の優先権を主張し、その全ての内容が援用により本願に取り込まれる。
本発明は、表示の技術分野に関し、特にAMOLED表示基板とその製作方法及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、有機発光ダイオード(organic light emitting diode、OLED)は、日本国内外で大変な人気を博している新興フラットパネルディスプレイ製品であるが、これは、OLEDディスプレイが、自己発光、広い視野角、短い応答時間、高い発光効率、広い色再現域、低い動作電圧、薄いパネル、大型サイズのフレキシブルなパネルの製作可能及び簡単な製造過程等の特性を有し、しかもコストの低いポテンシャルを持つためである。
【0003】
OLEDは、駆動類型によって、パッシブ・マトリクス(PMOLED)と、アクティブ・マトリクスOLED(AMOLED)に区分できる。その内、AMOLEDの駆動は、通常酸化物薄膜トランジスタ(Thin-FilmTransistor、略称TFT)裏板又は低温ポリシリコンTFTを利用する。酸化物TFT裏板は、アモルファスシリコンTFTに比べ、比較的に高い移動度を持ち、ESL構造(エッチング停止構造)のTFTは、低温ポリシリコンTFTに対して、製造プロセスが簡単であり、マスクの使用数量が少なく、量産プロセスを容易に実現する。
【0004】
ESL構造のTFTにおいて、TFTの寄生容量Cgsが比較的大きく、表示機能を正常にするためには、十分大きい蓄積キャパシタCstを必要とする。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、AMOLED表示基板とその製作方法及び表示装置を提供することにより、簡単なプロセスを提供し、画素ユニットごとに一つの蓄積キャパシタを追加しようとする。
【0006】
上記の技術問題を解決するために、本開示の実施例は、AMOLED表示基板の製作方法を提供する。前記AMOLED表示基板の製作方法は、複数の画素ユニットを形成するステップを含み、各画素ユニットを形成するステップは、第1蓄積キャパシタ、薄膜トランジスタ及び発光ダイオードを形成することを含み、ワンタイムパターニングプロセス(One-time patterning process)を通じて前記薄膜トランジスタの活性層及び前記第1蓄積キャパシタの第1電極を形成し、前記第1電極は、導体材料により作られる。
【0007】
本開示の実施例は、上記の製作方法により作られるAMOLED表示基板を更に提供する。
【0008】
本開示の実施例は、上記のAMOLED表示基板を含む表示装置を更に提供する。
【0009】
本開示の上記の技術方案の有益的な効果は、下記のとおりである。
【0010】
上記の技術方案において、AMOLED表示基板は、並列接続される二つの蓄積キャパシタを含み、ワンタイムパターニングプロセスを通じてTFTの活性層及び新規追加された蓄積キャパシタの一つの電極を形成し、前記電極は、導体材料により作られ、導体化等の別途の処理を行う必要がなく、製作プロセスを簡素化し、コストを低下させる。
【0011】
本開示の実施例又は関連技術における技術方案をより明確に説明するために、以下、実施例又は関連技術の記載に使用するべき図面を簡単に紹介する。言うまでもなく、以下に記載される図面は、ただ本開示の一部の実施例であり、当業者にとって、創造的な労働をせずに、これらの図面によって他の図面を更に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の実施例における各画素ユニットの蓄積キャパシタの構造を示す模式図である。
【
図2】本開示の実施例におけるAMOLED表示基板の製作過程を示す模式図の一である。
【
図3】本開示の実施例におけるAMOLED表示基板の製作過程を示す模式図の一である。
【
図4】本開示の実施例におけるAMOLED表示基板の製作過程を示す模式図の一である。
【
図5】本開示の実施例におけるAMOLED表示基板の製作過程を示す模式図の一である。
【
図6】本開示の実施例におけるAMOLED表示基板の製作過程を示す模式図の一である。
【
図7】本開示の実施例におけるAMOLED表示基板の製作過程を示す模式図の一である。
【
図8】本開示の実施例におけるAMOLED表示基板の製作過程を示す模式図の二である。
【
図9】本開示の実施例におけるAMOLED表示基板の製作過程を示す模式図の二である。
【
図10】本開示の実施例におけるAMOLED表示基板の製作過程を示す模式図の二である。
【
図11】本開示の実施例におけるAMOLED表示基板の製作過程を示す模式図の二である。
【
図12】本開示の実施例におけるAMOLED表示基板の製作過程を示す模式図の二である。
【
図13】本開示の実施例におけるAMOLED表示基板の製作過程を示す模式図の二である。
【
図14】本開示の実施例におけるAMOLED表示基板の製作過程を示す模式図の二である。
【
図15】本開示の実施例におけるAMOLED表示基板の各画素ユニットの局部的な構造を示す模式図である。
【
図16】本開示の別の実施例におけるAMOLED表示基板の各画素ユニットの局部構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は、AMOLED表示基板及びその製作方法を提供する。前記表示基板は、複数の画素ユニットを含み、各画素ユニットは、薄膜トランジスタと、発光ダイオードとを含み、前記発光ダイオードは、底部電極と、頂部電極と、底部電極と頂部電極の間に位置する発光層とを含む。前記底部電極が前記薄膜トランジスタのドレイン電極と電気的に接続され、データ信号が薄膜トランジスタを通じて底部電極に伝送され、前記発光ダイオードを駆動して発光させる。各画素ユニットは、1フレーム画面の表示時間内で前記底部電極の電圧を維持し、画面表示を実現するための蓄積キャパシタを更に含む。
【0014】
寄生容量の干渉を克服するためには、蓄積キャパシタの容量を増加させる必要があるが、本開示は、前記蓄積キャパシタが並列接続される第1蓄積キャパシタと、第2蓄積キャパシタとを含むように設置するが、そうすると、前記蓄積キャパシタの容量は、第1蓄積キャパシタと、第2蓄積キャパシタとの容量の和になる。
【0015】
ここで、前記第2蓄積キャパシタは、前記薄膜トランジスタのドレイン電極、前記発光ダイオードの頂部電極及びドレイン電極と頂部電極との間に位置する第1媒体層により形成される。前記第1蓄積キャパシタは、前記第2蓄積キャパシタに対して、第1電極を追加し、前記第1電極、前記ドレイン電極及び前記第1電極とドレイン電極の間に位置する第2媒体層により形成され、第1蓄積キャパシタと、第2蓄積キャパシタとを並列接続させ、より大きな容量を提供し、1フレーム画面の表示時間内で前記底部電極における電圧を維持する。
【0016】
前記頂部電極に印加される電圧は、共用電圧であり、前記第1電極は、前記頂部電極と電気的に接続されても良い。
【0017】
以下、図面及び実施例を結合して、本開示の具体的な実施形態について更に詳細に記載する。下記の実施例は、本開示を説明するためのものであり、本開示の範囲を限定するものではない。
【0018】
本実施例におけるAMOLED表示基板の製作方法は、複数の画素ユニットを形成するステップを含み、各画素ユニットを形成するステップは、薄膜トランジスタ、発光ダイオード及び第1蓄積キャパシタを形成することを含み、ワンタイムパターニングプロセスを通じて前記薄膜トランジスタの活性層及び前記第1蓄積キャパシタの第1電極を形成し、前記第1電極は、導体材料により作られる。
【0019】
上記の製作方法は、ワンタイムパターニングプロセスを通じて前記薄膜トランジスタの活性層及び前記第1蓄積キャパシタの第1電極を形成し、単独な製作プロセスを追加して前記第1蓄積キャパシタの第1電極を形成する必要がなく、第1電極の材料は、導体材料であるので、導体化等の追加的な処理を行う必要がなくなり、製作プロセスを簡素化し、コストを低下させる。
【0020】
前記薄膜トランジスタの活性層は、シリコン半導体材料、例えば、アモルファスシリコン、多結晶シリコンにより作られても良く、金属酸化物半導体材料、例えば、ZnO、IZO、IGZO、ITZOにより作られても良い。
【0021】
その内、ワンタイムパターニングプロセスを通じて前記活性層及び第1電極を形成するステップは、半導体膜層及び導電膜層を順次に形成し、前記半導体膜層及び導電膜層に対してワンタイムパターニングプロセスを行って、前記活性層及び第1電極を形成することを含み、前記活性層は、前記半導体膜層により形成され、前記第1電極は、前記導電膜層により形成される。
【0022】
更に、
図2~
図7に示すように、ワンタイムパターニングプロセスを通じて前記活性層及び第1電極を形成するステップは、具体的には、
図2及び
図3に示すように、半導体膜層11及び導電膜層12を順次に形成するステップと、
図4に示すように、導電膜層12上に第1フォトレジスト20を塗布するステップと、
図4及び
図5に示すように、ハーフトーン又はグレートーンのマスク30を利用して第1フォトレジスト20に対して露光を行い、現像後、第1フォトレジストの完全保留領域21、第1フォトレジストの半分保留領域22及び第1フォトレジストの非保留領域23を形成し、第1フォトレジストの完全保留領域21は、前記第1電極が所在する領域に対応し、第1フォトレジストの半分保留領域22は、前記活性層が所在する領域に対応し、前記第1フォトレジストの非保留領域23は、他の領域に対応するステップと、
前記第1フォトレジストの非保留領域23における導電膜層及び半導体膜層を除去するステップと、
図6に示すように、アッシングプロセスを通じて第1フォトレジストの半分保留領域22における第1フォトレジストを除去するステップと、
第1フォトレジストの半分保留領域22の導電膜層を除去するステップと、
図7に示すように、残りのフォトレジストを剥離して、活性層1及び第1電極3を形成するステップと、を含む。
【0023】
上記のステップは、ハーフトーン又はグレートーンマスクを利用してフォトエッチングプロセスを行い、同時に薄膜トランジスタの活性層1及び第1蓄積キャパシタの第1電極3を形成する。作られた第1電極3の下方に第1電極3のパターンと一致する半導体層2のパターンを有する。
【0024】
もちろん、実際の応用過程においても、
図8~
図14及び
図7に示すように、以下のステップを通じて薄膜トランジスタの活性層及び第1蓄積キャパシタの第1電極を形成しても良い。具体的には、
【0025】
【0026】
図9に示すように、半導体膜層11上に第2フォトレジスト40を形成し、
【0027】
図11に示すように、第1マスク30を利用して第2フォトレジスト40に対して露光を行い、現像後,第2フォトレジストの保留領域41及び第2フォトレジストの非保留領域42を形成し、第2フォトレジストの保留領域41は、薄膜トランジスタの活性層及び第1蓄積キャパシタの第1電極が所在する領域に対応し、第2フォトレジストの非保留領域42は、他の領域に対応し、
【0028】
図12に示すように、第2フォトレジストの非保留領域42の半導体膜層を除去し、残りのフォトレジストを剥離して、薄膜トランジスタの活性層1及び半導体層2のパターンを形成し、
【0029】
図13に示すように、活性層1上に導電膜層12を形成し、導電膜層12上に第3フォトレジスト50を塗布し、第3マスク60を利用して第3フォトレジスト50に対して露光を行い、
【0030】
図14に示すように、現像後、第3フォトレジストの保留領域51及び第3フォトレジスト非保留領域52を形成し、第3フォトレジストの保留領域51は、第1蓄積キャパシタの第1電極が所在する領域に対応し、第3フォトレジストの非保留領域52は、他の領域に対応し、第3フォトレジストの非保留領域52の半導体膜層を除去し、
【0031】
図7に示すように、残りのフォトレジストを剥離して、薄膜トランジスタの第1蓄積キャパシタの第1電極3を形成する。
【0032】
具体的には、ドライエッチングにより半導体膜層を除去し、ウェットエッチングにより導電膜層を除去する。
【0033】
上記のステップを通じて作られた第1蓄積キャパシタの第1電極3は、導電膜層により作られ、その材料は、導体材料であり、導体化等の追加的な処理を行う必要がなく、ワンタイムパターニングプロセスを通じて同時に第1電極3及び活性層1を形成し、製作プロセスを簡素化し、コストを低下できる。且つ、作られた第1電極1の下方に第1電極3のパターンと一致する半導体層2のパターンを有する。半導体層2及び活性層1は、同一の膜層により作られる。
【0034】
前述した内容において、主に如何に第1蓄積キャパシタの第1電極3を製作するかについて紹介したが、第1蓄積キャパシタの第2電極は、薄膜トランジスタのドレイン電極であってもよく、金属電極は、より大きな容量を提供できる。
【0035】
本実施例における薄膜トランジスタは、エッチング阻止構造の薄膜トランジスタであってもよいが、これに限定されない。以下、エッチング阻止構造の薄膜トランジスタを例にして、本開示の技術方案を具体的に紹介することにする。
【0036】
エッチング阻止構造の薄膜トランジスタについて、
図15に示すように、前記製作方法は、活性層1及び第1電極3を覆うエッチング阻止層13を形成し、エッチング阻止層13にはビアホールが含まれるステップと、エッチング阻止層13上に前記薄膜トランジスタのソース電極4及びドレイン電極5を形成し、ソース電極4及びドレイン電極5は、前記ビアホールを介して活性層1と電気的に接触されるステップと、を更に含み、
【0037】
ドレイン電極5のベース10における投影と第1電極3のベース10における投影は、オーバーレイ領域が存在し、前記第1蓄積キャパシタの第2電極は、ドレイン電極5である。
【0038】
上記のステップを通じて第1蓄積キャパシタの媒体層(エッチング阻止層)及び第2電極5の製作を完了する。
【0039】
図15に模式的に示されるエッチング阻止構造の薄膜トランジスタは、ボトムゲート型であり、薄膜トランジスタを形成するステップは、具体的には、
【0040】
ベース10上にゲート電極6を形成するステップと、ゲート電極6を覆うゲート絶縁層14を形成するステップと、ゲート絶縁層14上に活性層1を形成するステップと、活性層1を覆うエッチング阻止層13を形成するステップと、エッチング阻止層13にビアホールを形成するステップと、エッチング阻止層13上にソース電極4及びドレイン電極5を形成し、ソース電極4及びドレイン電極5は、前記ビアホールを介して活性層1と電気的に接触されるステップと、を含む。
【0041】
表示基板の製作プロセスについて、上記のステップにおいて、活性層1を形成すると同時に、第1蓄積キャパシタの第1電極3を形成するが、その具体的なプロセス過程は、既に上記内容にて紹介したので、ここで重複して詳述しないことにする。第1電極3、ドレイン電極5及び第1電極3とドレイン電極5の間に位置するエッチング阻止層13は、第1蓄積キャパシタを形成する。
【0042】
本開示の技術方案は、エッチング阻止構造の薄膜トランジスタに適用されるだけでなく、他の構造の薄膜トランジスタにも適用される。前記薄膜トランジスタは、ボトムゲート型、トップゲート型又はコプレーナ型であってもよく、活性層1を形成する同時に第1電極3を形成し、第1電極3とドレイン電極5の間に絶縁層を形成して、第1蓄積キャパシタを形成すれば良い。
【0043】
寄生容量の干渉を克服するためには、蓄積キャパシタの容量を増加する必要があるが、本実施例において、各画素ユニットを形成するステップは、
図1が示すように、第1蓄積キャパシタCst1と並列接続される第2蓄積キャパシタCst2を形成するステップを更に含むが、そうすると、各画素ユニットの蓄積キャパシタの容量は、第1蓄積キャパシタCst1の容量と、第2蓄積キャパシタCst2の容量との和になり、十分大きい容量を提供できる。
【0044】
薄膜トランジスタのドレイン電極5は、同時に第1蓄積キャパシタCst1及び第2蓄積キャパシタCst2の一つの電極として機能して、第1蓄積キャパシタCst1と、第2蓄積キャパシタCst2との並列接続を実現する。
【0045】
第2蓄積キャパシタCst2のもう一つの電極は、発光ダイオードの頂部電極7であってもよく、頂部電極7に共用電圧が印加され、発光ダイオードの底部電極は、薄膜トランジスタのドレイン電極5と接続され、必要なデータ信号電圧は、薄膜トランジスタを通じて底部電極に伝送され、発光ダイオードの発光層を駆動して発光させる。更に、
図1に示すように、第1電極3と頂部電極7とが電気的に接続される。
【0046】
本実施例のおける発光ダイオードは、ボトム発光型でも良く、トップ発光型又は両面発光型でも良く、且つ具体的な類型によってベース10、底部電極及び頂部電極の材料を選び、例えば、ボトム発光型については、ベース10は、透明ベース、例えば、石英ベース、ガラスベースを選び、頂部電極は、反射材料、例えば、Agを選ぶ。
【0047】
同一の発明構想に基づいて、本実施例は、上記の製作方法により作られるAMOLED表示基板を提供し、具体的には、ワンタイムパターニングプロセスを通じて前記薄膜トランジスタの活性層及び前記第1蓄積キャパシタの第1電極を形成し、前記第1電極は、導体材料により作られ、単独な製作プロセスを追加して前記第1蓄積キャパシタの第1電極を形成する必要がなく、前記第1電極に対して導体化等の追加的な処理を行う必要がなくなり、製作プロセスを簡素化し、生産コストを低下させる。
【0048】
本実施例において、
図15に示すように、第1電極3の下方に第1電極3のパターンと一致する半導体層2のパターンを有し、半導体層2及び活性層1は、同一の膜層により作られ、従って、ハーフトーン又はグレートーンマスクを利用してフォトエッチングプロセスを一度だけ行なうことで、同時に活性層1及び第1電極3を形成できる。
【0049】
第1電極3の前記表示基板が所在する平面における正投影と前記薄膜トランジスタのドレイン電極5の前記表示基板が所在する平面における正投影は、オーバーレイ領域が存在し、前記第1電極と前記ドレイン電極の間にエッチング阻止層を有することにより、第1蓄積キャパシタを形成する。
【0050】
寄生容量の干渉を克服するためには、蓄積キャパシタの容量を増加する必要があるが、本実施例における各画素ユニットは、第1蓄積キャパシタと並列接続される第2蓄積キャパシタを更に含む。具体的には、前記発光ダイオードは、底部電極と、頂部電極とを含み、前記頂部電極に共用電圧が印加され、前記底部電極と、前記ドレイン電極とは、電気的に接続される。
図1に示すように、頂部電極7と、第1電極3とは、電気的に接続され、頂部電極7の前記表示基板が所在する平面における正投影とドレイン電極5の前記表示基板が所在する平面のおける正投影には、オーバーレイ領域が存在し、頂部電極7とドレイン電極5の間に絶縁層を有することにより、第2蓄積キャパシタCst2を形成する。ここで、ドレイン電極5は、同時に第1蓄積キャパシタCst1及び第2蓄積キャパシタCst2の一つの電極として機能して、第1蓄積キャパシタCst1と、第2蓄積キャパシタCst2との並列接続を実現し、各画素ユニットの蓄積キャパシタの容量を増加する。
【0051】
具体的に、
図16は、本開示の一つの実施例におけるAMOLED表示基板の各画素ユニットの局部的な構造を示す。
図16に示すように、前記表示基板の各画素ユニットは、薄膜トランジスタ110と、発光ダイオード120とを含む。薄膜トランジスタ110の構造は、上記の実施例における薄膜トランジスタの構造と同じであり、例えば、薄膜トランジスタ110は、ゲート電極6と、活性層1と、ソース電極4と、ドレイン電極5とを含んでもよい。
【0052】
前記発光ダイオード120は、底部電極80と、頂部電極7と、底部電極80と頂部電極7の間に位置する発光層82とを含む。前記底部電極80と、ドレイン電極5とは、電気的に接続され、データ信号は、薄膜トランジスタ110を通じて底部電極80に伝送され、前記発光ダイオード120を駆動して発光させる。
【0053】
なお、各画素ユニットは、第1絶縁層84と、第2絶縁層86とを更に含む。その内、第1絶縁層84は、ソース電極4及びドレイン電極5を覆う。第1絶縁層84上にビアホール88が形成される。底部電極80は、第1絶縁層84上に設置され、ビアホール88を通じてドレイン電極5と電気的に接続される。第2絶縁層86は、第1絶縁層84に設置され、底部電極80を覆う。第2絶縁層86上の底部電極80に対応する箇所に開口89が形成される。発光層82は、開口89内に設置される。頂部電極7は、第2絶縁層86上に設置され、発光層82と接触される。
【0054】
また、各画素ユニットは、1フレーム画面の表示時間内で底部電極80における電圧を維持して、画面表示を実現するための蓄積キャパシタを更に含む。
図16に示す実施例において、蓄積キャパシタは、第1蓄積キャパシタと、第1蓄積キャパシタと並列接続される第2蓄積キャパシタとを含む。
【0055】
第1蓄積キャパシタは、第1電極3と、ドレイン電極5と、第1電極3とドレイン電極5の間に位置するエッチング阻止層13とを含む。その内、第1電極3と、ドレイン電極5とは、ベース10に垂直な方向において部分的に重複され、即ち、第1電極3のベース10における正投影とドレイン電極5のベース10における正投影には、オーバーレイ領域が存在し、第1電極3は、直接半導体層2に形成され、半導体層2及び活性層1は、ゲート絶縁層14上に形成される。一つの実施例において、第1電極3は、導体材料により直接半導体層2上に形成されても良く、例えば、第1電極3は、直接半導体層2上に形成される金属層でもよい。
【0056】
第2蓄積キャパシタは、頂部電極7と、ドレイン電極5と、頂部電極7とドレイン電極5の間に位置する第1絶縁層84と、第2絶縁層86を含む。その内、頂部電極7と、ドレイン電極5とは、ベース10に垂直な方向において部分的に重複され、即ち、
図1に示すように、頂部電極7のベース10における正投影とドレイン電極5のベース10における正投影には、オーバーレイ領域が存在し、頂部電極7と、第1電極3とは、電気的に接続される。
【0057】
なお、本実施例は、上記の表示基板を含む表示装置により、製作プロセスを簡素化し、コストを低下させ、表示品質を保証しようとする。
【0058】
上記はただ本開示の選択可能な実施形態であり、言っておくことは、当業者にとって、本開示の技術原理を逸脱せずに、若干の改良及び切替えを行うことができ、これらの改良及び切替えは、本開示の保護範囲に含まれるとみなすべきである。