(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-28
(45)【発行日】2022-04-05
(54)【発明の名称】エアフィルタの状態感知
(51)【国際特許分類】
B01D 46/42 20060101AFI20220329BHJP
【FI】
B01D46/42 A
(21)【出願番号】P 2019506681
(86)(22)【出願日】2017-08-04
(86)【国際出願番号】 US2017045492
(87)【国際公開番号】W WO2018031403
(87)【国際公開日】2018-02-15
【審査請求日】2020-08-03
(32)【優先日】2016-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】アーサー, ジョナサン ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ブルードルン, カール ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】チャクラバルティー, ジャヤント
(72)【発明者】
【氏名】ポルテッリ, ジーン ビー.
(72)【発明者】
【氏名】グラス, デニス エム.
(72)【発明者】
【氏名】メイス, マイケル エー.
(72)【発明者】
【氏名】ルッペス, ライル エル.
(72)【発明者】
【氏名】ヘンネン, ダニエル ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】フレッチャー, ダグラス ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ヘムベルク, エリック オー.
(72)【発明者】
【氏名】ヘムベルク, オスカー エム.
【審査官】山崎 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-042015(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0052978(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0260424(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0197829(US,A1)
【文献】特開2002-174445(JP,A)
【文献】特開平10-078253(JP,A)
【文献】国際公開第2016/096786(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00
F24F 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動エア処理システムであって、
フィルタ媒体を含むエアフィルタと、
前記エアフィルタの下流に配置される少なくとも1つの圧力センサであって、前記電動エア処理システム
の下流の圧力を表す圧力情報を生成する少なくとも1つの
圧力センサと、
前記エアフィルタ上に局所的に存在する情報源であって、前記フィルタ媒体の濾過特性に関する情報を示す情報源と、
を含み、
前記電動エア処理システムが、
前記フィルタ媒体の濾過特性に関する情報と組み合わせた前記圧力情報の関数として前記エアフィルタの状態のインジケーションを生成し、
前記情報源が、前記エアフィルタに取り付けられたRFIDタグ、又は、前記エアフィルタに取り付けられた二次元コードである、電動エア処理システム
。
【請求項2】
前記少なくとも1つの
圧力センサが、30秒当たり1回以下かつ1日当たり1回以上の頻度で間欠的にアナログ圧力データを取得するように構成さ
れた、請求項1に記載の
電動エア処理システム。
【請求項3】
電動エア処理システム内に設置されたエアフィルタの状態を監視し報告する方法であって、
前記電動エア処理システムの少なくとも下流の圧力を表す圧力情報であって、少なくとも1つの圧力センサから発生する圧力情報を無線で受信することと、
前記エアフィルタ上に局所的に存在する情報源から前記エアフィルタのフィルタ媒体の濾過特性に関する情報を受信することと、
前記エアフィルタ媒体の濾過特性に関する前記情報と組み合わせた前記圧力情報の関数として前記エアフィルタの状態のインジケーションを生成することと、を含
み、
前記エアフィルタ上に局所的に存在する情報源が、前記エアフィルタに取り付けられたRFIDタグ、又は、前記エアフィルタに取り付けられた二次元コードである、方法。
【請求項4】
前記圧力情報が、エアが前記エアフィルタを通って移動している間に入手されたデータと、エアが前記エアフィルタを通って移動していない間に入手されたデータとを含む、請求項
3に記載の方法
。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
エアフィルタは、暖房炉及び独立型エア清浄器に含まれていることがある。エアは、フィルタを介して吸い込まれ、フィルタは、粒子を捕らえて、粒子がダクトを介して、暖房、冷房、又は別の方法で調節されている環境空間に進むことを防止する。
【0002】
宅内の暖房炉用エアフィルタは、経時的に効果的でなくなり又は閉塞し、暖房炉のファンモータの摩耗を最小化するために、並びにエア浄化効率を維持して適切なエアの流れを維持するために、交換する必要がある。従来のフィルタ閉塞は、エアフローに対してフィルタの前とフィルタの後との圧力差によって定義される。圧力差の増大は、フィルタがより閉塞して交換を必要としていることを示す。
【発明の概要】
【0003】
大まかな概要では、エアフィルタのエアフィルタ媒体の状態を表すデータを得るため、及びそのようなデータを使用してエアフィルタ媒体の状態のインジケーションをユーザに提示するためのデバイス、システム、及び方法を本明細書で開示する。これら及び他の態様は、下記の発明を実施するための形態から明らかとなろう。しかしながら、いかなる場合であっても、このような主題が、本出願の出願当初の特許請求の範囲において、又は補正後の特許請求の範囲において提示されたものであろうと、あるいはまた、中間処理において提示されたものであろうと、この大まかな要約は、特許請求可能な主題を限定するものと解釈してはならない。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】例示的実施形態による使い捨て式エアフィルタを含む写真である。
【
図2】例示的実施形態によるフィルタ媒体に結合するための差圧センサの写真である。
【
図3】例示的実施形態による、差圧センサを有するフィルタのブロック図である。
【
図4】例示的実施形態による、モバイルデバイス上で稼働するアプリケーションの模擬したユーザインターフェイスの図である。
【
図5A】例示的実施形態による、1分当たりのフィートでの送風機速度、ミリバールでの差圧センサの測定値、ダクト圧力、計算した圧力、及び結果を
図5Bに示すようなグラフに相関させる文字A、B、又はCを示す表である。
【
図5B】例示的実施形態による、計算した圧力を示すグラフである。
【
図6】例示的実施形態による、送風機を異なる速度で動作させた試験から得られた圧力を比較するグラフである。
【
図7】例示的実施形態による、
図5Aと同様の表である。
【
図8】例示的実施形態による、送風機を異なる速度で動作させた試験から得られた圧力を比較するグラフである。
【
図9】例示的実施形態による、異なる時間間隔での圧力を示すグラフである。
【
図10】例示的実施形態による、エアフィルタの閉塞を感知するためのシステムのブロック図である。
【
図11】例示的実施形態による、フィルタセンサと相互作用するモバイルデバイスの構成及び使用を示すブロック流れ図である。
【
図12】例示的実施形態による、2つの圧力センサを用いる例示的システムのブロック図である。
【
図13】例示的実施形態による、圧力センサの校正を示すブロック流れ図である。
【
図14】例示的実施形態による、例示的な温湿度センサに関する情報を提供する。
【
図15】例示的実施形態による、スマートフィルタを試験するための実験的システムの写真である。
【
図16】例示的実施形態による、スマートフィルタ回路からストリーミング配信されるデータの図を提供する。
【
図17】例示的実施形態による、通常の家庭用暖房炉配管に設置されたフィルタの写真である。
【
図18】例示的実施形態による、ファンを最初にオフにし、その後オンにし、その後再度オフにした、フィルタ間の圧力差を示すグラフである。
【
図19】例示的実施形態による、スマートフィルタを含むシステムの動作中に送信されて収集された情報を示す表である。
【
図20】例示的実施形態による、フィルタが汚れていて交換の必要があることが既知であり、暖房炉又はファンをオフにし、その後オンにした、単一の下流側圧力センサからの測定値を示すグラフである。
【
図21】例示的実施形態による、フィルタのIDを提供する、フィルタ媒体の状態を感知する、及び任意選択的にエアの品質を感知するための様々なオプションを有するスマートフィルタのブロック図である。
【
図22】例示的実施形態による、スマートフィルタシステムの複数の要素及び代替要素のブロック図である。
【
図23】例示的実施形態による、フィルタ寿命を判定するための、複数の情報源からの情報の構成及び使用を示すブロック流れ図である。
【
図24】例示的実施形態による、経時的に変化する状態下でのフィルタ間の差圧を示す複数の圧力測定値を示す。
【
図25】例示的実施形態による、フィルタが挿入されているダクト内のy方向の振動を測定する加速度計センサから収集したデータを示す。
【
図26】例示的実施形態による、x方向の振動の測定値を同様に示す。
【
図27】例示的実施形態による、z方向の振動の測定値を同様に示す。
【
図28】例示的実施形態による、y方向の時間に対する加速度計の結果を示す。
【
図29】例示的実施形態による、x方向の時間に対する加速度計の結果を示す。
【
図30】例示的実施形態による、z方向の時間に対する加速度計の結果を示す。
【
図31】例示的実施形態による、回路及び方法を実施するためのコンピュータシステムの概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の説明では、本明細書の一部を成すとともに、実施し得る特定の実施形態を例示の目的で示す添付の図面を参照する。これらの実施形態は、当業者による本発明の実施を可能にするよう十分詳細に記載されるが、他の実施形態を利用でき、本発明の範囲を逸脱することなしに構造的、論理的、及び電気的変更を行なうことができることを理解すべきである。したがって、例示的実施形態の以下の説明は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0006】
本明細書で説明する機能又はアルゴリズムは、一実施形態ではソフトウェアで実施することができる。ソフトウェアは、ローカル又はネットワーク上のいずれかの、1つ又は複数の非一時的メモリ又は他の種類のハードウェアベースの記憶デバイスなどの、コンピュータ可読媒体又はコンピュータ可読記憶デバイス上に記憶されたコンピュータ実行可能命令で構成することができる。更に、そのような機能は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせとすることができる、モジュールに対応する。複数の機能は、所望により1つ又は複数のモジュールで実行することができ、説明する実施形態は、単なる例である。ソフトウェアは、パーソナルコンピュータ、サーバ、又は他のコンピュータシステムなどのコンピュータシステム上で動作する、デジタル信号プロセッサ、ASIC、マイクロプロセッサ、又は他の種類のプロセッサ上で実行することができ、そのようなコンピュータシステムを、専用にプログラムされた機械に変えることができる。本明細書で後の議論から明らかとなるように、いくつかの実施形態では、一部のそのような機能は、本明細書で開示するセンサと同じ場所に配置された回路によって実行することができるが、いくつかの簡便な実施形態では、多くのそのような機能は、センサから遠隔の場所、例えば、センサと同じ場所に配置された回路に無線で結合されたモバイルデバイス又はクラウドプラットフォームで実行することができる。
【0007】
実施形態は、いつエアフィルタを交換すべきかを識別するように記載される。実施形態は、センサ及び分析を用いて、エアフィルタの交換が望ましい場合及び時を判定する。ネットワーク接続を使用して、交換すべきフィルタのインジケーションを通信することができる。インジケーションは、例えば、ネットワークを介してインジケーションを受信するモバイルデバイス上で稼働するアプリケーションにより、ユーザに提供することができる。情報は、例えば、センサとフィルタに関連付けられた分析デバイスとの間のBluetooth Low Energy(BLE)接続方向、Wi-Fi接続、ZigBee、又はZwaveなどのネットワーク接続に基づいて転送することができる。更なる実施形態では、RFIDベースの接続又は他の接続を使用して、情報を転送することができる。アプリケーションは、自動的に、又はアプリケーションによってモバイルデバイス上に提供されるユーザが選択可能なオプションに応じてのいずれかで、交換用フィルタの注文を可能にすることができる。アプリケーションはまた、フィルタからのバーコード、QRコード、又は他の情報の読み取りを提供して、そのような情報を用いて指定されたフィルタ上のみのセンサの使用を制御することができる。また、情報を使用して、対応するフィルタに関する許可された圧力低下又はエアフローの測定パラメータに対して、センサ及び/又はアプリケーションを構成することができる。
【0008】
各種実施形態では、単一の圧力センサ、又は異なる複数のセンサを用いて、フィルタの圧力閉塞を識別することができる。単一のセンサは、フィルタが次第に閉塞してくるにつれてモータの増大する作用によって生成される真空現象を用いて、フィルタとファン側との間の清浄なエアの側のフィルタの後に配置することができる。換言すれば、ファンが動作している間の圧力は、フィルタがより閉塞するにつれて低下がより大きくなって、低下する。一実施形態では、ファンがオフである時と比較したファンがオンである間の2パスカル以上の低下などの閾値を使用して、フィルタを交換するための顧客通知をトリガすることができる。
【0009】
一実施形態では、単一の圧力センサは、プロセッサ上で実行している分析ソフトウェアに圧力測定値を提供する。いくつかの実施形態では、プロセッサ及び圧力センサは、統合ユニットとして形成することができる。例えば、両方のそのような品物を、センサハウジング内に配置することができる(例えば、それらは、ハウジング内に配置された共通の回路基板上に支持することができる)。統合ユニットはまた、ネットワーク機能を含むことができる。単一の圧力センサの使用で、センサは、ファンをオン状態及びファンをオフ状態で圧力を観測することにより校正することができる。その場合、ファンがオン状態の圧力は、フィルタの両側の間の圧力差を表すと仮定することができる。センサデータを利用してフィルタ閉塞の通知を生成するアルゴリズムのいくつかの実施例を以下に提示する。
【0010】
フィードバックを顧客に提供して、エア濾過フィルタの有効性、並びに交換するタイミング及びデータを置き換える必要性を伝達することができる。前の概念は、フィルタの上流側の汚れたエアによる目詰まりの影響を受けやすい。2つのセンサを維持しなければならないことはまた、消費者に対するセンサコストを増大させる。手頃な価格のセンサを消費者に提供して、消費者の宅内暖房炉用フィルタの適切な保守点検により、消費者が家での高いエア品質基準を維持することを支援することができる。
【0011】
更なる実施形態では、差圧センサを、フィルタ媒体の両側の2つの開口部を有するフィルタ媒体に結合して(例えば、物理的に取り付けて)、それぞれの側の圧力を、圧力差に応じて屈曲するコンデンサプレート又は圧電素子などの差圧感知要素に伝達することができる。感知要素は、第1の開口部を有する1つの側に、媒体を貫通して媒体の他の側に延びる第2の開口部を有する管とともに配置することができる。開口部は、差圧感知要素のいずれかの側に配置される。
【0012】
更なる実施形態では、圧力以外の少なくとも1つのパラメータを測定又は感知して、フィルタを交換する時を示すフィルタ状態と相関させることができる。そのようなパラメータとしては、例えば、ファンモータ上の負荷、エア速度、乱流、微粒子、光学的透明度、振動、1つ以上のワイヤの温度、屈曲を示すひずみゲージなどが挙げられる。また更なる実施形態では、1つ又は複数のセンサによるデータを分析ソフトウェアによって融合又は別の方法で組み合わせて、フィルタ交換のためのインジケーションを生成することができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、センサ及び/又は統合センサユニットは、フィルタ媒体に取り付ける若しくはそれと一体化する、又はフィルタ媒体のフレームに取り付けることができる。フレームは、恒久的に詰め替え可能なプラスチック製フィルタフレームとすることができる。いくつかの実施形態では、ユニットは、フィルタ媒体又はフィルタのフレームに取り付けて、ユニットを取り外してユニットを交換用フィルタ、フィルタフレーム、又はフィルタ媒体に取り付けることにより、再使用することができる。ユニットはまた、交換可能なフィルタ媒体を有するフィルタのフレームに取り付けることができる。
【0014】
他の実施形態では、センサ及び/又は統合センサユニットは、エアフィルタに物理的に取り付け(例えば、張り付け)なくてもよく、むしろ、電動エア処理システム内に存在することになる。そのような実施形態では、そのようなセンサ又はセンサユニットは、エア処理システム内の任意の好適な位置、例えば、システムのエア復帰ダクト若しくはプレナム又はエア送出ダクト若しくはプレナム上又はその中、システムの送風機キャビネット上又はその中などに配置することができる。任意のそのようなセンサ又は複数のセンサは、所望により、エアフィルタから下流(すなわち、システムの「清浄な」側)又はエアフィルタから上流に配置することができる。いくつかの実施形態では、単一のセンサ又は統合センサユニットを使用して(例えば、システムの下流/清浄な側)、例えば、本明細書の他の所で説明するように、絶対圧力のインジケーションを提供することができる。他の実施形態では、差圧のインジケーションを得ることができるように、2つ以上のセンサ又は統合センサユニットを、例えば、エアフィルタの上流に1つを配置し下流に1つを配置して、使用することができる。特定の実施形態では、エアフィルタがエア処理システムの指定された受け部に挿入されると、センサ(単数又は複数)がエアフィルタのフィルタ媒体に対して所望の位置に(例えば、ごく近接して、例えば、10、5、2、又は1cm以内に)あることになるように、任意のそのようなセンサ又は複数のセンサを、エア処理システム内に設置することができる。任意のそのようなセンサは、任意の好適な方法でエア処理システム内に設置することができる。例えば、センサは、システムのダクト、プレナム、パネル、若しくはキャビネットの表面にボルト留めする、ねじ留めする、若しくは粘着的に張り付けることができる、又は、例えば、センサを保持する特定の目的のために設けられた固定具若しくはホルダに挿入することができる。
【0015】
図1は、使い捨て式エアフィルタ100を含む写真である。フィルタ100は、概ね矩形形状(正方形形状を含む)を有することができる。使い捨て式フィルタ100は、上流面101(離れて向いていて見えない)及び下流面102を含むことができ、任意選択の外周フレーム103によって囲まれたフィルタ媒体107を含むことができる。フィルタ媒体107は、フレームからフィルタ媒体を取り外して、フィルタ媒体を新しい又は再生したフィルタ媒体と交換することにより、交換可能とすることができる。更なる実施形態では、フィルタ媒体は、エアフローを受けた時にエアを濾過するための効果的な形状を維持する十分な構造的完全性を有して形成された場合に、フレームを有さない自己支持型とすることができる。各種実施形態では、フィルタ媒体107は、容易に識別可能なプリーツ108を呈するようにプリーツ状とすることができる、又はプリーツ状でなくすることができる。図示した実施形態では、圧力センサなどのセンサ110は、フィルタによって支持される。センサ110は、フィルタ媒体状態を示すセンサ測定値を処理して通信する電子機器を含むことができる。センサは、
図1で110に示すような吊り下げ構造によって支持する、又はフィルタ媒体若しくはフレームに直接貼ることができる。
【0016】
外周フレーム103は、多くの場合、フレームに入ったフィルタの末端縁部を画定する側壁(例えば、上、下、左、及び右の側壁)104を含むことができる。フレーム103は、様々な側壁を提供するように折り畳むことができる、任意の好適な材料(単数又は複数)、例えば、板紙又はボール紙で製造することができる。いくつかの実施形態では、フレーム103は、射出成形したプラスチック材料で製造することができる。いくつかの実施形態では、フィルタ100の少なくとも下流面102は、(任意の方向に)フィルタ媒体107にわたって少なくとも部分的に延びる支持部材を含むことができる。そのような部材は、特にフィルタ媒体の下流側の追加の支持を提供することができ、(特にプリーツ状のフィルタ媒体に関して)そのような部材は、室内用エア清浄器の動作中のエア圧力に応じたフィルタ媒体の変形を最小化する又は変形の一貫性を保証することを支援することができる。いくつかの実施形態では、そのような部材は、それらの末端部でフレーム103に接続することができる板紙のストリップとすることができる。他の実施形態では、そのような部材は、複数本の接着剤ストランドの長さとすることができる。フィルタ媒体がプリーツ状である場合、任意のそのような接着剤ストランドは、フィルタ媒体がプリーツ状にされる前又は後のいずれかに配置することができる。
【0017】
様々なプリーツオプションを有する異なる多くの種類のフィルタ形式を使用することができる。例えば、ミニプリーツ設計は、フィルタの片側又は両側にプリーツ山部に貼り付けたワイヤを使用することができる。マイクロプリーツ設計は、フィルタ媒体の片側にワイヤを使用することができ、ワイヤは、媒体のプリーツに外形を合わせてプリーツ形状を維持する。フラットパネルフィルタ媒体は、ワイヤ及び/又はポリオレフィンネットを使用することができる。一部のフィルタ設計は、接着剤ストランドに対して、ポリオレフィンストランドを使用してプリーツ間隔を維持することができる。
【0018】
使い捨て式エアフィルタ100のフィルタ媒体107(プリーツ状か否か)は、移動するエアを濾過することができる、ほぼ任意の材料、任意の構成で構成することができる。そのような媒体としては、線維性材料(例えば、不織布ウェブ、ガラス繊維ウェブなど)、フィルタ媒体及び/又は吸着剤を装填したハニカム構造体などを挙げることができるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、フィルタ媒体は、エレクトレット材料を形成するように電気的又は静電的に帯電することができる少なくともなんらかの材料を含む、少なくとも1つの層を含むことができる。特定の実施形態では、フィルタ媒体は、エレクトレット材料を含む少なくとも1つの層及び吸着剤を含む少なくとも1つの層を含む、多層媒体とすることができる。いくつかの実施形態では、フィルタ媒体107は、HEPA濾過の能力がある少なくとも1つの層を含むことができる。静電的に帯電している媒体は、微粒子捕捉を強化することができる。静電的に帯電している媒体は、電流及び接地ワイヤを有し、かつ典型的には洗浄可能な、静電集塵装置に使用することができる。
【0019】
フィルタ媒体107の少なくとも1つの層が吸着剤機能を呈するためのものである場合、任意の簡便な物理形態の任意の好適な吸着剤(単数又は複数)を、そのような層に含めることができる。特定の実施形態では、そのような吸着剤は、ホルムアルデヒドを捕捉する能力があってもよい(ホルムアルデヒドは、典型的な炭素フィルタによって捕捉することができない非常に軽い気体である)。多くの炭素フィルタは、尿素、調理の臭気などの更により重い気体を捕捉する。これらのフィルタは、活性炭を使用する。ホルムアルデヒド及びトルエンガスを捕捉するために、処理された(多くの場合、酸処理された)炭素を使用することができる。いくつかの実施形態では、吸着剤は、少なくともなんらかの活性炭を含む。所望により、活性炭を処理して、そのホルムアルデヒドを捕捉する能力を強化することができる。好適な処理は、例えば、活性炭に少なくともなんらかのアミン官能性及び/又は少なくともなんらかのマンガン酸塩官能性及び/又は少なくともなんらかのヨウ化物官能性を提供することができる。好適であり得る処理された活性炭の具体的な例としては、例えば、過マンガン酸カリウム、尿素、尿素/リン酸、及び/又はヨウ化カリウムで処理されたものが挙げられる。例えば、ホルムアルデヒドを除去するために潜在的に好適であり得る他の吸着剤としては、例えば、処理されたゼオライト及び処理された活性アルミナが挙げられる。所望により、例えば、処理された活性炭とともに、そのような材料を含めることができる。
【0020】
1つ以上の吸着剤は、任意の使用可能な形態で、例えば、粉末、ビーズ、フレーク、ウィスカ、顆粒、又は粒塊とすることができる、例えば、粒子として提供することができる。吸着剤の粒子サイズは、所望により異なることができる。吸着剤粒子は、任意の所望の方法でフィルタ媒体107の層内に又は層上に組み込むことができる。例えば、各種実施形態では、吸着剤粒子は、フィルタ媒体107の層の繊維と物理的に絡めることができる、そのような繊維に粘着的に結合することができる、又は両方のメカニズムのなんらかの組み合わせを使用することができる。
【0021】
一実施形態では、使い捨て式エアフィルタ100は、少なくとも1つのRFID(無線周波数識別(radiofrequency identification))タグ120を含むことができる。いくつかの実施形態では、RFIDタグ120は、エアフィルタ100の外周フレーム103の任意の部分に取り付けることができる。例えば、RFIDタグ120は、フレームの側壁の内側主表面、又はフレームの上流若しくは下流フランジの外側若しくは内側(すなわち、見える又は見えない)主表面に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、RFIDタグ120は、使い捨て式エアフィルタ100の外周フレーム103の側壁104の外側主表面に取り付けられる(例えば、貼り付けられる、例えば、粘着的に貼り付けられる)。RFIDタグ120は、任意の好適なRFIDタグとすることができる。多くの実施形態では、RFIDタグ120は、パッシブタグとすることができ、これは、それがなんらの種類の電源を含まず、単にRFIDリーダによってそれに作用する電磁エネルギによって電力を供給されることを意味する。いくつかの実施形態では、RFIDタグ120は、範囲が特に限定されていない従来のRFIDタグ(例えば、高、中、又は低周波数で動作する)とすることができる。特定の実施形態では、RFIDタグ120は、いわゆる近距離無線通信(Near Field Communication)(NFC)タグとすることができ、これは、数センチメートル(例えば、10センチメートル以下)の範囲にわたってのみ(例えば、13.56MHzで)動作する特定の種類のRFIDタグであるとして当業者によって認識されるであろう。いくつかの実施形態では、RFIDタグ120は、読取可能(のみの)タグであり、他の実施形態では、読取可能/書込可能タグとすることができる。いくつかの実施形態では、RFIDタグ120は、RFIDタグ120をフィルタ100のフレームの側壁104の表面上に素早く容易に設置することができるように、接着剤バッキングを有して好都合に供給することができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、RFIDタグ120を搭載したエアフィルタ100が設置されることになる電動エア処理システムは、エアフィルタのRFIDタグからの情報を読み取るように構成されたRFIDリーダを含むことができる。他の実施形態では、エアフィルタのRFIDタグは、RFIDリーダによって読み取ることができ、RFIDリーダは、例えば、モバイルデバイス上に存在し、かつ、情報をクラウドプラットフォームに転送することができるようにこのように読み取られた情報をモバイルデバイス上に常駐するアプリケーションに通信することができる。そのようなRFIDタグに存在することができる情報としては、例えば、RFIDタグ上に予めロードした(例えば、フィルタの製造業者によって)以下の情報:型番、製造日、有効期限、フィルタの種類、サイズなど、フィルタの等級、フィルタのロットナンバー及び/又はシリアルナンバー、並びに認証情報のいずれか又は全てが挙げられる。エアフィルタのRFIDタグと組み合わせた電動エア処理システム(この場合では、エア清浄器)のRFIDリーダの使用の更なる詳細は、2016年3月24日出願の「ROOM AIR PURIFIER WITH RFID READER」と題された国際(PCT)特許出願第CN2016/077210号、及びその結果として生じる、同じ題名を有するUS 371国内特許出願第xx/xxx,xxx号に見出され、これらの特許文献の両方は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、RFIDリーダ(例えば、モバイルデバイス上又はエア処理システム上に存在するかにかかわらず)は、RFIDタグから入手した少なくとも特定の情報を、任意の好適な手段により、例えば、クラウドプラットフォームに送信するように構成することができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、エアフィルタのRFIDタグ上に存在する少なくともなんらかの情報を、本明細書で開示するような少なくとも1つのセンサによって入手したデータと組み合わせて使用して、フィルタ媒体の状態を表す強化された情報を提供することができる。例えば、そのようなRFIDタグに存在する情報は、フィルタ媒体の濾過特性に関する情報、具体的には、特定の種類のフィルタ媒体が粒子で充填された際に増大した圧力低下を呈することが見出されている(例えば、フィルタ製造業者による試験において)程度を含むことができる。そのような情報を使用して、問題の特定のエアフィルタの有用な寿命に関する、本明細書で開示する装置の予測能力を強化することができる。
【0024】
したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で開示する装置及び方法は、1つ以上のセンサによって取得したようなデータ(例えば、圧力データ)だけの使用を伴うことができるのでなく、むしろ、問題のエアフィルタ媒体の特定の濾過特性に関するエアフィルタのRFIDタグの問い合わせによって取得した情報と組み合わせた、そのようなデータの使用を伴うことができることが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、エアフィルタの種類及び型番などの情報は、例えば、モバイルデバイスのアプリケーションを介して入力することができ、このモバイルデバイスのアプリケーションは、使用中のエアフィルタの濾過特性に関する情報の同様な使用を可能にする。あるいは、エアフィルタは、例えば、モバイルデバイスに関連付けられたバーコードリーダによってスキャンしてそのような情報を入手することができる、バーコードを含むことができる。
【0025】
例えば、RFIDタグ(例えば、NFCタグ)、バーコード、又はQRコードなどの使用は、全て、エアフィルタ上に局所的に存在する情報源から入手される情報を、エアフィルタ上に配置されたタグ又は他の情報保管場所の問い合わせによって入手することができ、かつ、フィルタ寿命の向上した予測を実現するために、そのエアフィルタの設置された性能を監視するセンサによって取得されるデータとともに使用することができる、一般的手法の特定の実施形態であることが理解されるであろう。そのような一実施形態では、エアフィルタ上に局所的に存在する情報は、単一回、問い合わせ/取得される必要がある(その情報が変化しないことになるため)のに対して、センサは、継続してデータを取得する。そのような手法の、エア処理システム上に存在するRFIDリーダと組み合わせたエアフィルタ上のRFIDタグの使用は、エアフィルタをエア処理システムに挿入すること以上に必要なユーザの操作をほとんど又はなにもなしに、そのような情報を自動的に入手することを好都合に可能にすることができる。しかし、所望により、この一般的手法内の任意の好適な装置を使用することができる。
【0026】
一実施形態では、単一の差圧センサを用いて、
図2に示すように小さなプラスチックハウジング200内に入れることができる。ハウジング200は、差圧を測定する1つ又は複数のセンサ、処理用電子機器、及びBluetooth Low Energy通信電子機器を含むことができる。圧力センサ(単数又は複数)は、フィルタの性能及びいつフィルタを交換すべきか(すなわち、フィルタに関する寿命の終了)を判定するために、フィルタの圧力低下を測定する。
【0027】
一実施形態では、ハウジング200は、濾過されることになるエアを受け入れるフィルタの側に第1の開口部212を提供するために、フィルタのファン側からフィルタ材料を介して押されるようになっている管210を含む。一実施形態では、管210は、フィルタ媒体を刺すために使用される、小さな鋭いポートとして形成することができる。キャップ又はロックナット215は、管の上に嵌合して、第1の開口部を介してハウジング200内の差圧センサの片側への圧力の連通を可能にしながら、ハウジングをフィルタに対して適所にスナップ嵌合、摩擦嵌合、ねじ留め、又は別の方向で保持することができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、センサ又は複数のセンサを有するハウジング200は、フィルタ媒体の交換を可能にするフィルタフレームの場合では、ロックナット215を取り外し、フィルタからハウジング200の残部を取り外し、新しいフィルタ又はフィルタ媒体上に設置を繰り返すことにより、新しいフィルタ又はフィルタ媒体上で再使用することができる。センサ又は複数のセンサを有するハウジングは、フィルタフレーム上に設置し、任意選択的に再使用することができる。
【0029】
図示しない第2の開口部は、ハウジング200の他方の側に配置され、差圧センサが第1の開口部と第2の開口部との間の圧力差を測定するように、フィルタ材料のファン側から差圧センサへの圧力の連通を提供する。
【0030】
そのような装置は、バイパス経路を含むハウジング又は組立体の一部としてセンサが設けられた、センサがバイパスを通るエアフローに応じて信号を生成するように構成された構成とは異なることが理解されるであろう。したがって、少なくともいくつかの実施形態では、本明細書で開示する装置は、バイパスを通るエアフローの監視を含まない、又はそれに依拠しない。
【0031】
処理用電子機器(この場合では、センサICに内蔵される)は、Bluetooth通信電子機器のために、圧力測定値を電気入力信号(この場合では、デジタル)に変換する。したがって、いくつかの実施形態では、センサに結合された(例えば、ハウジング上又はハウジング内のセンサと同じ場所に配置された)回路は、ただ単にセンサによって出力されるアナログデータを無線送信のためにデジタルデータに変換するように機能することができる。他の実施形態では、そのような回路は、データの追加の処理を実行することができ、例えば、平滑化又は平均化の機能を実行することができる。また他の実施形態では、そのような回路は、データのより大幅な操作を実行することができ、例えば、アルゴリズムを使用して、データを操作し残りのフィルタ寿命のインジケーションを生成することができる。そのようなインジケーションは、ハウジング自体の上で(例えば、視覚又は可聴信号により)生成することができる。しかし、多くの実施形態では、センサと同じ場所に配置された任意のそのような回路は、単にデータをアナログからデジタル形式に変換(及び、後述するように任意選択的にデータを記憶)するように機能することができ、このデジタルデータをその後、残りのフィルタ寿命のインジケーションを生成するためのデータの実際の操作のために他の場所に無線で送信することが簡便であり得る。いくつかの実施形態では、そのような操作は、例えば、モバイルデバイス上又はエア処理システム内に設置された専用のデバイス上で実行することができる。しかし、実際のデータ操作を実行しその後結果として得られる残りのフィルタ寿命のインジケーションを通知ユニットに送信するクラウドプラットフォームに、デジタルデータをそのようなデバイスによって転送することが簡便であり得る。上述したように、そのような通知ユニットは、モバイルデバイス(例えば、デジタル化したデータをクラウドプラットフォームに通信した同じモバイルデバイス)とすることができる、又は、例えば、エア処理システムのサーモスタットのディスプレイスクリーンとすることができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、回路は、直ちに無線でデータを送信するのではなく、一定時間の間デジタル化したデータを記憶するように構成することができる。これにより、電力消費を低減することができ、回路の範囲内にあることができる受信機(例えば、スマートフォン)に連続的にではなく間欠的にデータが送信されることになる場合では有利であり得る。更に、各種実施形態では、センサは、連続的に又は間欠的にデータを取得するように構成することができる。データ取得が間欠的である場合、任意の所望の頻度、例えば、30秒当たり1回若しくは1分当たり1回以下、5、10、20、若しくは30分当たり1回以下、1、2、4、若しくは8時間当たり1回以下、又は1日当たり1回以下の頻度でデータ(例えば、圧力データ)を取ることができる。更なる実施形態では、1週間当たり1回、1日当たり1回、10、6、若しくは3時間当たり1回、又は40、25、若しくは15分当たり1回より多い頻度でそのようなデータを取ることができる。そのような測定は、例えば、連続的に動作するセンサ及び/又は関連付けられた回路に対する電力消費を好都合に低減することができる。
【0033】
更なる実施形態では、処理用電子機器は、施設又は家のエア品質の測定値(フィルタの前及び/又は後の)、フィルタ稼働時間、湿度などを提供する他の含まれているセンサからの信号を処理するように拡張することができる。
【0034】
Bluetooth通信電子機器は、ユーザがデバイス上で稼働する1つ以上のアプリケーションを介してフィルタの性能を監視して、フィルタを交換すべき時を知ることができるように、センサ情報をユーザのBluetoothデバイス(すなわち、モバイルデバイス、スマートフォン、タブレットなど)に送信することができる。監視することに加えて、アプリケーションは、フィルタを交換する時になるとユーザに通知するように構成することができる。(いくつかの実施形態では、そのような情報は、例えば、電動エア処理システム自体の表示デバイスなどの通知ユニットに、例えば、上述したようなエア処理システムを操作するために使用されるサーモスタットのディスプレイスクリーンに送信することができる。)センサは、コイン電池によって電力を供給することができる。このコイン電池は、顧客によって容易に交換可能であろう。更なる実施形態では、燃料電池及び充電式電池を含む他の種類の電池を使用することができる。電池の電圧レベルを表示することができ、電池電圧低下警告をユーザに提供して電池を交換するようにユーザに通知することができる。センサがエア処理システムのなんらかの場所に設けられる(例えば、エアフィルタ自体に取り付けられるのではなく)実施形態では、センサは、エア処理システムに配線で接続することができる。あるいは、そのようなエア処理システムに取り付けたセンサは、電池で電力を供給することができる。
【0035】
アクティブ型暖房炉用エアフィルタセンサ300のブロック図を
図3に示す。センサが目詰まりすることを防止するために、センサナット215上に、小さな機械的ダストキャップ305を成形することができる。ダストキャップ305は、埃がセンサポートを目詰まりさせることを防止することになる。センサ300は、上流開口部212との組み合わせで差圧センサ315の間の圧力差を提供する下流開口部310を含む。一実施形態では、差圧センサ315は、背面絶対圧センサ、又はその前後の圧力差に応じて屈曲してプレートを含む回路の容量を変化させるコンデンサプレートを含むことができる。プロセッサ320は、センサ315から感知した圧力データを受信して分析を実行し、フィルタの状態を判定してそのような状態を表す警告を生成するようにプログラムすることができる。Bluetooth通信回路などの無線回路325をプロセッサ320によって使用して、無線ネットワーク接続を介して通信することができる。電池330を使用して、プロセッサ、センサ、及び回路に電力を供給することができる。アンテナ335も、無線信号の送信及び受信のために通信回路325に結合される。
【0036】
図4は、モバイルデバイス400上で稼働するアプリケーションの模擬した、グラフィカルユーザインターフェイスの図である。各種実施形態では、ユーザインターフェイスは、監視されているフィルタの状態のインジケーションを提供する。アプリケーションは、フィルタの状態を表すセンサ300からの通信を受信して、410で示すユーザインターフェイスを介して情報をユーザに提供する。ユーザインターフェイスは、フィルタの閉塞パーセンテージ、フィルタの使用パーセンテージ、及びフィルタの交換までの予想される時間を示す線などの、フィルタ性能を示すグラフ415又は他の表現を含むことができる。ユーザに、設定420及び承認425などのオプションを提供することができる。オプションは、選択された有用な残り寿命に対応する時に、又はフィルタ性能が選択された閾値若しくは判定閾値を過ぎて劣化したという判定の際に直ちに、交換用フィルタを自動的に注文するオプションを含むことができる。アプリケーションは、RFID若しくはNFCリーダを介して、又は更にフィルタ上のバーコード若しくはQRコードをスキャンすることにより、上述したようにフィルタに関連付けられたIDから交換用フィルタの部品情報を得ることができる。あるいは、フィルタに関連付けられたIDは、フィルタセンサから、Bluetooth若しくは他の無線通信プロトコルを介して直接又は間接的にアプリケーションを実行しているデバイスに通信することができる。
【0037】
フィルタセンサが暖房炉システムに設置されるとフィルタセンサを校正するために使用することができる、様々な方法が存在する。試験を実行して、それぞれの校正方法の利点及び欠点を判定することができる。
【0038】
フィルタセンサ校正方法#1:
1.フィルタセンサをフィルタに設置する
2.フィルタを暖房炉システムに設置する
3.デバイスアプリケーションを開始する
4.「校正する」ボタンを押して、差圧=0に設定する
5.暖房炉を起動する
6.「データを得る」を押して、差圧測定値を取る
【0039】
いくつかの実施形態では、モバイルデバイスのアプリケーションを使用して、可視コードをスキャンする、又はRFID、NFC、若しくは他の無線方法を用いてフィルタから情報を入手し、フィルタを識別することができる。いくつかの実施形態では、フィルタを識別するために必要な情報は、センサ上に記憶して、モバイルデバイスに(直接又は間接的に)送信することができる。フィルタの識別を用いて、適切な設定のために表を確認し、フィルタを交換すべきであることをユーザに通知するか否かを判定することができる。フィルタ識別が適切でない場合、そのフィルタで動作しないように、アプリを設計することができる。例えば、アプリケーションは、フィルタ寿命の終了を既に示しているセンサに対するリセットを防止するように構成することができる。アプリケーションは、メモリにセンサアドレス及びフィルタ状態を記憶する又はそれにアクセスすることができ、ユーザが第1のフィルタから取り外されて第2のフィルタに結合されたセンサとペアリングすることを防止することができる。
【0040】
フィルタセンサ校正方法#2:
1.フィルタセンサをフィルタに設置する
2.フィルタを暖房炉システムに設置する
3.暖房炉を起動する
4.モバイルデバイスのアプリケーションを開始する
5.「校正する」ボタンを押して、差圧=0に設定する
6.「データを得る」を押して、差圧測定値を取る
【0041】
圧力感知ユニットの性能及び動作を確認するために、感知ユニットを用いて1)実験室規模の冷暖房(hvac)システム及び2)実際の家庭用暖房炉に関して、2つの実験を遂行した。最初に感知ユニットを、送風機速度を変更し、エアフロー速度を測定し、圧力トランスデューサを用いてフィルタの間の圧力低下を測定する能力を有する、実験室規模の冷暖房(HVAC)システムに配置した。送風機速度を制御する能力により、この試験は、広範囲のエアフロー速度を用いてセンサ応答の範囲を提供するように行った。
【0042】
センサは、フィルタの中心付近に取り付け、次に、フィルタホルダに、かつ実験室規模の冷暖房システムに設置した。
図5Aは、1分当たりのフィートでの送風機速度、ミリバールでの差圧センサの測定値、ダクト圧力、計算した圧力、及び結果を計算した圧力を示す
図5Bに示すようなグラフに相関させる文字A、B、又はCを示す表である。送風機速度は、フィルタを通る300フィート/分(典型的な試験速度)に等しい流速を実現するように設定した。試験は、定常状態条件での圧力低下データを生成するように、数分間作動させた。次に、送風機速度を400フィート/分及び500フィート/分に増大して、これらのより高いエアフロー速度で再度センサ応答を測定した。試験速度の各々で、圧力低下を圧力トランスデューサから記録した。次に、記録した圧力低下をセンサの圧力低下と比較して、これらの応答に関する相関を確立した。
【0043】
結果は、実験室規模の冷暖房システムのdPとセンサのdPとの間の非常に良好な相関(R
2=0.996、圧力を比較するプロットを示す
図6を参照)を示している。
図7、
図8、及び
図9は、空調オン及び空調オフ両方でのファンのオン及びオフを含む冷暖房モードを変更した更なる試験を示す。再度、文字を用いて、
図7の表の試験結果を
図9のグラフと相関させている。
図8は、
図6と同様の方法で圧力を比較するプロットである。ファン及び/又は空調のオンで、著しい圧力差が示されている。一実施形態では、向上したセンサのサンプリングは、エアフローの乱流を低減又は除去するスルーチャネル又は設計されたチャネルを有するフィルタの使用により得ることができる。一実施形態では、センサは、エアフローに垂直に配置する、直接のエアフローから遮蔽する、エアフローに対して引っ込ませる、サンプリングを向上する垂直以外のなんらかの他の角度に設定する、後向きに設定することができる、又は自己洗浄能力を有することができる。
【0044】
図10は、例示的実施形態による、エアフィルタの閉塞を感知するための例示的なデバイス又はシステム1000のブロック図である。システム1000は、フィルタ1015の清浄な側の単一の圧力センサ1010を含む。センサ1010は、フィルタ1015に取り付けることができる、又は、エア処理システムのファン1025が動作している間にフィルタとファン1025との間の吸引が圧力差を生成するフィルタ1015の清浄な側1020に圧力センサ又はエアフロー機能を設けることができるかぎり、エア処理システムの任意の好適な位置に配置することができる。フィルタ1015とファン1025との間の圧力及びエアフローは、フィルタが使用により老朽化するとフィルタが汚染物質で閉塞するにつれて減少する。
【0045】
デバイス又はシステムは、コイン電池によって電力を供給することができる。より長い寿命のために、より大きな電池パックを使用することもできる。好ましくは、環境発電機(power harvester)を使用して、エアフロー、振動、熱の差、又は他の手段を用いて電力を生成し電池に充電することになる。データは、1分当たり多数回の更新の頻度で提供することができる。更なる実施形態では、より頻繁な更新又はセンサのサンプリングを提供することができる、又は低減した速度として、交換が推奨されるようにフィルタが著しく閉塞するまでの予想される時間と比較したような電池の予想される寿命に基づいて、電池寿命を節約することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、センサ1010は、加速度計を含むことができる。加速度計センサの測定値は、移動の単位の形式とすることができる。圧力センサは、パスカル単位、又はインチの水(Inches of Water)(85lpm(リットル毎分)のエアフローでのデルタP)である。エアフローセンサ(ベーン、熱電、屈曲、振動)はまた、組み合わせて加速度計及び/又は圧力センサの代用品として機能し、フィルタの清浄な側及び汚れた側のうちの少なくとも1つのエアフロー及び圧力の特性を判定することができる。
【0047】
通信は、モバイルデバイス1030若しくはWi-Fiルータ1035、又は、クラウドプラットフォームにアップリンクするための他の無線デバイスへのものとすることができる。いくつかの実施形態では、通信は、エアフィルタが使用されるエア処理システム内に存在する専用のデバイスへのものとすることができる。例えば、そのようなデバイス(エア処理システムに配線で接続することができる、又は電池で電力を供給することができる)は、携帯電話と同様だが移動できる又は持ち運びできることなしに機能することができる。無線機能としては、ZigBee、Zwave、LoRa、Halo(新しいWi-Fi)、Bluetooth、及びBluetooth BLEを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0048】
データは、例えば、モバイルデバイス上のアプリケーションに直接、及び/又は、セルラー接続、Wi-Fiルータ、若しくはハブを介してクラウドプラットフォームシステム1045に直接、通信することができる。センサは、通信リンクを確立する前に校正する必要がない。センサは、デバイスの最初のアクティブ化の間又はその後に校正することができる。
【0049】
デバイスは、インテリジェント状態管理を用いて自己校正することになる。デバイスは、加速度計又は他のセンサを使用して、暖房炉のファンモータがオフ(低減した振動又はエアフロー)である時及びファンモータがオン(増大した振動又はエアフロー)である時を識別することができる。オフ状態を使用して、校正し、機械学習アルゴリズム1050によりなど、デバイスを経時的にオン状態と比較することになる。
【0050】
図11は、フィルタセンサと相互作用する通信デバイス(
図11の例示ではモバイルデバイス)の構成及び使用を示す例示的な装置のブロック流れ図である。(「フィルタセンサ」によって意味するのは、フィルタのフィルタ媒体の状態を表すデータを得るように構成されたセンサである。これは、センサをフィルタ自体に直接物理的に取り付けなければならないことを必ずしも必要としないが、所望により、これを行なうことができる。)フィルタセンサとの通信デバイスのペアリングを行ない、デバイスを介してWi-Fi認証の入力を可能にすることができる。これにより、フィルタセンサが顧客/ユーザの家の中のルータと直接通信することを可能にすることができる。フィルタからのデータの更新により、性能(例えば、劣化した性能、適切な性能、又は最適な性能)及び残りの有用なフィルタ寿命のうちの少なくとも1つを示すユーザインターフェイスのユーザへの提示となる。フィルタが汚れている、閉塞している、又は別様に交換の必要がある場合があるという通知を送信することもでき、この通知を、例えば、ユーザが見るためにモバイルデバイス上又はエア処理システムのサーモスタットのディスプレイパネル上に表示することができる、又は、交換用フィルタを自動的に注文する、若しくはユーザが交換用フィルタを簡便に注文するオプションを選択することを可能にするようにプログラムすることができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、フィルタ交換の必要性を判定する分析において、特定のユーザニーズを考慮することができる。ユーザは、通常より高いエア品質が所望される場合がある花粉症又は他の呼吸状態などの、特定の医学的状態を示すプロファイルを入力することができる。そのような情報をアプリケーションによって使用して、異なるフィルタを推奨する、又は交換が必要なフィルタのインジケーションを生成するための閾値を変更することができる。ユーザのニーズに適合する機能は、スマートフィルタシステムのより良好な全体体験及び使いやすさをユーザに提供し、ユーザがフィルタの状態をより詳細に追跡する必要をなくす、又はユーザがより良好な生活の質に必要な好適なエア品質を提供することができないフィルタを使用することをなくすことができる。
【0052】
図12は、2つの圧力センサ1410及び1415をフィルタのそれぞれの側に1つ用いる例示的なシステム1400のブロック図である。2つの圧力センサの使用により、フィルタの前(汚れたエアの矢印1420によって示すような汚れた側)及びフィルタの後(清浄なエアの矢印1425によって示すような清浄な側)のエア圧力を検出する、2つの独立した圧力センサを提供する。一実施形態では、システムは、2つの圧力センサ1410、1415、圧力差を判定する回路及び/又はロジック1430、並びに、Bluetooth BLE、Bluetooth、又はルータ1445に示すWi-Fiを介して携帯電話1440に通信する無線機(アンテナ1435によって表される)を含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサ(例えば、圧力センサ)は、電動エア処理システム内に設置されることになるエアフィルタに物理的に取り付けることができる。他の実施形態では、少なくとも1つのセンサは、エア処理システム内に存在することになり、これは、エア処理システム内に設置されるが、エアフィルタに物理的に取り付けられないことを意味する。そのような実施形態では、センサ又は複数のセンサは、所望により、エアフィルタに物理的に近接して、又はエアフィルタから少なくともいくらか遠隔に配置することができる。いくつかの実施形態では、そのようなセンサ又は複数のセンサは、エア処理システムが製造及び/又は設置される時にエア処理システム内に設置することができる。他の実施形態では、そのようなセンサ又は複数のセンサは、アフターマーケット用品として設置することができる。例えば、そのようなセンサは、エアフィルタの供給業者によって提供することができ、特定のエアフィルタとともに使用するように構成することができる。そのようなセンサは、例えば、前述したように、エア処理システムの表面に(例えば、システムのダクト、プレナム、又は送風機キャビネットの内面に)取り付けることができる。特定の実施形態では、単一のセンサを、例えば、エアフィルタの清浄な側(すなわち、下流)に使用することができる。他の実施形態では、2つのそのようなセンサを、例えば、エアフィルタから上流及び1つを下流に使用することができる。
【0054】
本明細書で装置は、所望により、任意のそのようなセンサ又は複数のセンサ、及び関連付けられた回路、プロセッサ(単数又は複数)、デバイス(単数又は複数)、システム(単数又は複数)、ディスプレイ(単数又は複数)などを複数のフィルタとともに引き続いて使用することができる。すなわち、センサをエアフィルタ上に設けてその後使用したフィルタとともに廃棄又は再生利用するのではなく、そのようなセンサを、設置された新しいフィルタに移動することができる。あるいは、上述したように、いくつかの実施形態では、そのようなセンサは、エアフィルタが変更された後でもセンサがエア処理システム内の適所に留まることになるように、エア処理システム自体の中に存在することができる。当然、任意の関連付けられたデバイス及びシステムは、新しいエアフィルタの挿入を学習する(例えば、新しく設置されたエアフィルタのRFIDタグの問い合わせによって)ように構成することができ、その際に本明細書で説明するように任意の必要な校正などを実行することができる。
【0055】
コイン電池型の電池を使用して、システム1400に電力を供給することができる。より長い寿命のために、より大きな電池パック又は他の種類の電源を使用することもできる。更新の形態のデータを、例えば、1分当たり1回など周期的に提供することができる。所望により、より頻繁な若しくはより頻繁でない更新又はセンサのサンプリングを提供することができる。より頻繁でない更新は、フィルタが所望のパラメータ内で機能すると予想される時間の長さと一致して電池寿命を節約するのに役立つことができる。一実施形態では、センサ測定値は、パスカル単位、又はインチの水(85lpm(リットル毎分)のエアフローでのデルタP)である。通信は、携帯電話若しくはWi-Fiルータ、又は、クラウドプラットフォームにアップリンクするための他の無線デバイスへのものとすることができる。データは、電話上のアプリケーションに直接、及び/又はWi-Fiルータ1445を介してクラウドプラットフォームシステムに通信することができる。圧力センサは、使用前に校正する必要がない。一実施形態では、圧力センサは、システムの最初のアクティブ化の間に校正することができる。
【0056】
一実施形態では、2つの圧力センサは、
図13のブロック流れ
図1500に示すように、工場で又は初期セットアップで互いに対して校正することができる。デバイス上の校正補正値は、エアフローがゼロである場合に1510での式S1=S2+校正補正値によって表されることになる。校正は、1520でファンがオフ、及び1530でファンがオンの状態で圧力を読み取ることにより実行することができる。1540で、センサ1及びセンサ2に対する測定値の平均値が判定され、1510で校正補正値のために提供される。
【0057】
例示的な圧力センサとしては、AdaFruit BME280 I2c又はSPI温湿度圧力センサ、MPL3115A2-I2C気圧/高度/温度センサ(それぞれAdafruit Industries,LLCから入手可能)、並びにMPXM2010DT1及びMPXM2010D(NXP USA,Inc.から入手可能)が挙げられる。例示的な市販の加速度計は、STMicroelectronics(Geneva,Switzerland)からのLIS2DH12TRデジタル加速度計である。センサのいずれか1つ又は両方は、容易に商業的に入手可能な既製の部品とすることができる。
【0058】
更なる例示的なシステムでは、1つ又は複数のセンサは、フィルタの清浄な側及び汚れた側(フィルタの前及び後)の圧力、エアフロー、エア品質、温度、湿度、フィルタの歪み、エアフロー特性、及び振動を監視する。例示的な湿度センサ、AdaFruit BME280 I2c又はSPI温湿度圧力センサを
図14に示す。
【0059】
本明細書で開示する装置の例示的な実装形態として、実験室規模の暖房炉の実験的システム1700を
図15に示す。制御可能なファン速度を有するファン1710は、配管の中央のフィルタ1720及び回路基板の形態のセンサ回路1725を有する模擬した配管を通してエアを吸引する。センサ回路1725は、上述したように、フィルタ状態を表す1つ又は複数のパラメータを測定する1つ又は複数のセンサからデータを受信して、結果として得られる情報を送信する。センサ回路1725は、モノのインターネット(internet of things)(IoT)アプリケーションプロトコルを実施して、リアルタイム観察、取得、及び分析のためにデータをリモートプラットフォーム上に自動的にアップロードし維持することができる。
【0060】
図16は、モノのインターネットプロトコルを介してネットワークに無線で結合することができる回路1725からのデータストリーミング配信の一実施例を示す。
【0061】
図17は、本明細書で開示する装置の別の例示的実装形態として、より大きな試験環境を提供する通常の家庭用暖房炉配管に設置されたフィルタの写真である。例えば、センサパックの形態の複数のセンサを、フィルタの前及び後に設置することができる。1つのセンサパックは、試験用に、フィルタとモータとの間の空間に見える。フィルタの前の左側に第2のセンサパックが存在する(試験/校正用)。Wi-Fi信号は、接続されたセンサパックを有するこの構成では問題なく金属の暖房炉を透過することができる。センサパックは、例えば、高解像度試験データのための非常に高速なサンプリングレートを提供するために、電源に接続された「センサハット」を有するRaspberry Pi3とすることができる。データは、IoTプラットフォームにアップロードされている。最初の試験は、センサがフィルタの前とフィルタの後との圧力差を検出することができることを示した。センサは、「清浄な」フィルタとして数日間にわたって動作して、より長い時間にわたるセンサの変化及び感度を判定することができる。
【0062】
図18は、ファンを最初にオフにし、その後オンにし、その後再度オフにした、フィルタ間の圧力差を示すグラフである。ファンがオフである時、圧力差は、ゼロでない場合は無視できる。上の線は、フィルタの上流のセンサからのデータを表し、下の線は、フィルタの下流のセンサからのデータを表す。グラフの開始及びまたグラフの終了で暖房炉がオフである時、2つの線が再度一緒になることに留意されたい。
【0063】
図19は、スマートフィルタを含むシステムの動作中に送信されて収集された情報を示すスプレッドシートベースの表である。
【0064】
フィルタ交換で開始されている個々のセンサユニットの点での暖房炉に関する動作の「状態」が識別される。これらの状態は、以下を含む。
【0065】
暖房炉オフ-暖房炉は、低レベルの振動を有しながら周囲エアの圧力レベルを仮定する。
【0066】
暖房炉オン、清浄なフィルタ-清浄な側のセンサは、圧力のレベルを確立する。
【0067】
暖房炉オン、振動1...n-暖房炉は、経時的に動作するにつれて、いくつかの潜在的な通常「状態」を確立する。これらの状態は、使用中のフィルタの2か月の時期の間に確立される。
【0068】
暖房炉オン、汚れている-閉塞のレベルは、最初の2か月の間に確立された暖房炉オン振動状態に対して判定される。
【0069】
交換を必要とする暖房炉フィルタ-これは、暖房炉フィルタが、例えば、前に確立された状態の圧力より平均1.5パスカルの圧力低い、又は任意の状態に対して暖房炉オンの間に3.25か月に到達したなどの、所定の状態に到達すると確立される。
【0070】
実物大の暖房炉に関する最初の実験1からのデータファイルは、以下の平均化した結果により、以下のように確認した。
フィルタの前-Piシリアルナンバー43-オフ校正、平均986.3636
フィルタの後-Piシリアルナンバー36-オフ校正、平均986.3614
フィルタの前-Piシリアルナンバー43-清浄な動作、平均986.2444
フィルタの後-Piシリアルナンバー36-清浄な動作、平均985.8823
フィルタの前-Piシリアルナンバー43-不明な汚れ、平均986.0958
フィルタの後-Piシリアルナンバー36-不明な汚れ、平均985.2246
フィルタの前-Piシリアルナンバー43-汚れ0.74、平均986.1727
フィルタの後-Piシリアルナンバー36-汚れ0.74、平均985.2684
フィルタの前-Piシリアルナンバー43-汚れ1.54、平均986.3910
フィルタの後-Piシリアルナンバー36-汚れ1.54、平均984.1002
【0071】
最初の結果は、暖房炉のフィルタの前の区域とフィルタの後の区域との間の圧力差を確立することができる低コストセンサの能力を示す。結果はまた、効果的に1つ又は複数のセンサで経時的に状態を確立するシステムの能力を示唆する。「暖房炉オフ」状態は、大気圧変化並びに経時的な暖房炉構成の変化に対して1つ又は複数のセンサを校正することができることになる。
アルゴリズム方法
【0072】
加速度計センサに加えて1つ又は複数の圧力センサを含むシステムは、暖房炉の状態を経時的に確立することができる。
S0-フィルタ設置-暖房炉オフ
S1-フィルタ清浄-暖房炉オン
S2..n-月1~2内の自己特性化状態
Sr-交換が必要-S0に対してオン状態にある間にS0から若しくはフィルタ前圧力センサからの2+パスカルの差、又はS2..nの自己特性化状態のいずれかと比較して1.5+パスカル、の平均変化によって特性化される。
異なる実施形態では、フィルタ媒体の状態を直接表すことができる異なるパラメータを感知する異なる種類のセンサを使用することができるため、より汎用のアルゴリズムは、圧力センサのみの使用に限定されない類似のステップを含むことができる。「交換が必要」の閾値は、以下に更に詳細に説明するように、エアフローの変化、モータ負荷の変化、振動の変化、及び適切なセンサによって感知される他のパラメータに基づくことができる。
追加の方法の詳細
【0073】
状態値-状態の値は、多段階のプロセスにより計算される。主要な決定的状態は、オン又はオフである暖房炉の状態である。第2のステップは、エアフロー、振動、及び圧力の安定化のための、暖房炉をオン又はオフにした後の2分の遅延などの安定化期間である。第3のステップは、一定時間(例えば、2分)の間データを収集することである。移動平均の2倍の異常値データは除去され、フィルタ後の圧力センサに対して、その期間に対する移動平均が確立される。振動(加速度計データ)を使用して、暖房炉のオン/オフ状態を更に判定することができる。最初の実験は、この判定のために単一のセンサを使用することができることを示唆する。
追加の要因
【0074】
室内エアの汚染情報(微粒子及び他の汚染物質)を使用して、エア濾過媒体を変更する必要性の精度を向上することができる。
【0075】
メタデータ/概略調査情報-喫煙、ろうそくの使用、ペットの所有の情報を使用して、変化をより積極的に判定するようにアルゴリズムに通知することができる。
【0076】
一般的建築物構成-窓の開放/閉鎖、敷物、並びに他の情報を使用して、アルゴリズムに通知することができる。
【0077】
屋外のエア汚染-エア品質監視サイトから情報を収集して、交換の積極性を判定することができる。
【0078】
分析を使用して、フィルタの寿命全体にわたってエア品質の助言、暖房炉の状態、及びフィルタ交換状態を、フィルタリングして提供することができる。システムは、コイン電池によって電力を供給することができる。より長い寿命のために、より大きな電池パックを使用することもできる。環境発電機を使用して、エアフロー、振動、熱の差、又は他の手段を用いて電力を生成し電池に充電することができる。必要により、他の電源及び貯蔵方法を使用することができる。システムは、1分当たり多数回などの様々な時間間隔で更新を提供することができる。より頻繁な更新又はセンサのサンプリングを提供することができる。更新の頻度は、エアの移動によって制御することができる。
【0079】
エア圧力は、圧力差を判定することができるように、フィルタの前及び後で測定することができる。複数のセンサを使用して、個々のセンサの故障に対して補正することができる。フィルタの前及び後のエアチャンバ内のエアの乱流のマップを提供するために、フィラメント及びエアフローセンサを含めることができる。エアの乱流情報を使用して、閉塞又はフィルタ若しくは暖房炉制御の準最適化した性能を判定することができる。
【0080】
また、エア品質をフィルタの前及びフィルタの後で監視して、微粒子及び非大気気体の値を提供し、フィルタ性能及び処理の前及び後のエア品質を監視することができる。また、エア品質モニタ/センサを、冷暖房システムの外側及び建築物又は家の中に配置することができる。気流中のエアの温度も監視することができる。気流中のエアの湿度も監視することができる。ひずみセンサを使用して、フィルタの寿命の間の物理的フィルタ形状の歪みを監視することができる。ひずみゲージ機能は、フィルタのフィラメントに織り込むことができる。
【0081】
方向(ジャイロスコープ)及び非方向(加速度計)測定値をセンサによって提供して、暖房炉システムの構成要素内の相対ひずみをもたらす場合がある振動を理解することができる。携帯電話などのモバイルデバイス若しくはWi-Fiルータ、又はクラウドプラットフォームにアップリンクするための他の無線デバイスに情報を提供するために、通信機能を含めることができる。無線機能としては、ZigBee、Zwave、LoRa、Halo(新しいWi-Fi)、Bluetooth、及びBluetooth BLEを挙げることができるが、これらに限定されない。通知を含むデータは、モバイルデバイス上のアプリケーションに直接、及び/又はWi-Fiルータを介してクラウドプラットフォームシステムに通信することができる。センサは、前もって校正する必要がないことに留意されたい。センサは、デバイスの最初のアクティブ化において校正することができる。
【0082】
図20は、フィルタが汚れていて交換の必要があることが既知であり、暖房炉又はファンをオフにし、その後オンにした、単一の下流側圧力センサからの測定値を示すグラフである。圧力は、2パスカルより大きく変化し、オフの時のほぼ986.5パスカルからオンの時の984.5パスカル未満に移動することに留意されたい。ファンがオン及びオフの時の両方で圧力を記録することにより、減算によって差を見出すことができる。2パスカルの閾値との比較により、
図20に示すデータに基づいて、この閾値を上回っていることを示す。
【0083】
校正していないパスカルでの圧力(低コストセンサ)は、X軸上の時間増分とともに経時的に左側(Y軸)上(982~987)である。サンプル実験データは、オフ状態が986.5000の高い圧力から暖房炉をオンにした時の約984.0000に変化することを示す。圧力差は、約984へのエア圧力の低減を生成する閉塞したファンの背後の暖房炉ファンのファン動作によって周囲エア圧力(約986)の差が妨げられることによって生成される。
【0084】
単一の圧力センサを使用して、圧力変化の急速な性質によって暖房炉の状態(オン又はオフ)を判定することができる。大気圧の変化は、より緩やかに生じる。オン/オフ期間を使用して、状態Sr(フィルタを交換する必要がある)の判定のためのコンパレータを判定する。
【0085】
異なるいくつかの例示的実施形態を上述した。
図21は、フィルタのIDを提供する、フィルタ媒体の状態を感知する、及び任意選択的にエアの品質を感知するための様々なオプションを有するスマートフィルタのブロック図である。オプションに関する更なる詳細は、
図22の議論で提供する。
【0086】
ここで、様々なオプションを有する全体のスマートフィルタシステムを説明する(これは、エアフィルタが使用中に自己認識であるように少なくとも1つのセンサがエアフィルタに取り付けられた例示的な装置を説明していることに留意されたい)。
図22は、スマートフィルタシステム2400の複数の要素及び代替要素のブロック図である。システム2400は、3つの主要素、使用中の時に自己認識するエアフィルタ2410と、フィルタ2410からデータを収集するソフトウェアアルゴリズム2412と、例えば、モバイルデバイスのディスプレイなどのディスプレイ上に関連情報を表示するユーザインターフェイス2414とを含む。モバイルデバイスは、ラップトップコンピュータ、携帯電話、タブレット、又は、情報を受信し、処理し、表示することができる他のデバイスとすることができる。
【0087】
自己認識フィルタ2410は、フィルタに組み込まれた、設置中にフィルタに取り付けられた、又はフィルタを保持するフレーム内の回路により、自己認識することができる。フィルタが設置されると、フィルタは、フィルタの特定のブランドであることを識別して、動作中にフィルタに関するデジタルデータを提供することができる。加えて、フィルタは、システム2400を通って移動するエアのエア品質に関するデータを提供することができる。
【0088】
ソフトウェアアルゴリズム2412は、1つ又は複数のセンサからデータを収集して、将来の分析のためにこのデータを操作し、将来の送信及び報告のために複数のデータ列(複数の収集セッションからの)を記憶する。
【0089】
ユーザインターフェイス2414は、エンドユーザにフィルタ性能を容易に理解させるフォーマットでデータを提示する。ユーザインターフェイスは、履歴データ及び/又は現在の状態を提供することができる。ユーザインターフェイスは、フィルタ状態及び使用の時間に基づいて、フィルタ交換までの時間の予測を提供することができる。ユーザインターフェイスは、警告及び自動注文機能を含む、消費者に有用な任意のフォーマットでデータを提供することができる。ユーザインターフェイスは、部屋、建築物、又は施設レベルのエア品質のデータを表示することができる。エア品質のデータは、外部のエア品質監視サービス、冷暖房システムの外側のエア品質監視デバイス、又は冷暖房システム内の1つ又は複数のセンサから取ることができる。
【0090】
フィルタID 2416は、パッシブ2418又はアクティブ2420とすることができる。パッシブIDの実施形態は、フィルタが挿入されると閉じる磁気スイッチ2422の使用、又はプラグに接続されると回路を作動させる、フィルタに内蔵された簡単なソケット2424を有することによりを含むことができる。アクティブ手段2420は、フィルタ及びセンサ回路が内部に設置されると共振する、冷暖房デバイスに取り付けられたパッシブ共振回路2426により実現することができる。RF IDタグ2428、NFCタグ2430、又はバーコード若しくはQRコード2432を読み取ることによるなどの他の手段を使用して、フィルタを検出することができる。別の実施形態では、フィルタIDは、センサ2431上にプログラムして、Bluetooth又は他の無線通信プロトコルを介してセンサからモバイルデバイス又はクラウドプラットフォームに通信することができる。
【0091】
媒体状態2434は、電子データ収集回路及びセンサ2436によって判定して、通信ブロック2438の下に示す無線送信によって報告することができる。フィルタの状態を評価するために使用することができる様々なセンサ2436が存在する。物理的センサ2440は、ひずみゲージ2442を使用してフィルタの最終的な湾曲を評価することができる。使用することができる他のセンサは、光学2444、圧力2446、エアフロー2448、又は振動2450が挙げられる。これらのセンサの各種類の異なる多数のバージョンが存在する。圧力センサ2446は、差圧センサ2452、又は圧力を経時的に積分する若しくはファンがオン及びオフの時の圧力測定値を比較することができる単一の圧力センサ2454とすることができる。
【0092】
光学2444の媒体状態感知は、例えば、光検出器を介して媒体を透過する光の透過を測定することにより、フォーリング(fowling)2456を検出することができる。エアフロー2448は、ファン動作を示すことができ、ファン動作は、単一の下流フィルタからの圧力測定値と併せて使用して、フィルタの状態を判定することができる。更なる実施形態では、エアフローセンサを使用して、減少したエアフローをフィルタ媒体の劣化した状態に関連付けて、エアフローの変化を経時的に測定することができる。エアフローの減少に対応する閾値を使用して、フィルタを交換すべきことを判定することができる。エアフローは、例えば、振動センサ2460、熱電センサ2462、又は屈曲センサ2464(一実施形態では、圧電式の)を含む、電気的手段2458によって測定することができる。感知の機械的手段2466は、乱流がフィルタ媒体状態の劣化に応じて変化し得るため、ファン動作並びにフィルタ媒体状態を表すことができるエアの乱流を測定するベーンベースのセンサ2468を含むことができる。これらのセンサのそれぞれは、ファンの動作に関する情報を提供する。いくつかの実施形態では、ファンの動作は、フィルタ媒体の状態を直接表すことができるファンモータの負荷のインジケーションを提供するために、ファンへの電流フローを測定することにより、検出することができる。
【0093】
複数のセンサからのデータが収集される場合、データを異なる複数の方法で融合して、フィルタ媒体状態を判定することができる。例えば、一実施形態では、ファン動作を表すデータは、単一の下流圧力測定値とともに使用することができる。更なる実施形態では、振動情報を、圧力と組み合わせることができる。更なる実施形態では、複数の振動及び乱流の測定値を使用することができる。各種実施形態では、異なる多くのセンサは、個々に又は組み合わせてのいずれかで、センサのうちのいずれか1つから若しくは複数のセンサからの情報から又は複数のセンサからの融合した情報からのいずれかでフィルタ媒体の状態を計算することができる、情報を提供することができる。
【0094】
収集されたデータは、通信2438の下の1つ又は複数のオプションで通信することができる。無線手段による通信は、無線2.4GHz若しくは5GHzの、Bluetooth若しくはBluetooth BLE 2470、ZigBee 2472、Zwave 2474、Halo、又は2476で表される他の標準若しくはカスタムプロトコルを含む、様々な無線プロトコルを使用して実現することができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのセンサに結合された回路によって無線で送信されるデータは、回路がセンサから受信するデータと少なくとも実質的に同じデータとすることができることが本明細書の説明から明らかであろう。例えば、そのような回路は、圧力センサによってアナログ形式で出力されるデータを受信することができ、そのようなデータを無線で送信するために、このデータをデジタル形式に変換することができる。他の実施形態では、回路によって送信されるそのようなデータは、センサから受信されるデータから導出することができるが、もはや実質的に同じ形式でないように回路によって処理することができる。例えば、そのような導出したデータは、例えば、平滑化、平均化、又は別の方法で処理することができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、そのような導出したデータは、例えば、データを単に平均化又は平滑化するのではなく、1つ以上のアルゴリズムに従って受信した状態のデータを操作することから得ることができる。例えば、そのようなアルゴリズムは、例えば、圧力の形式でデータを受信することができ、例えば、使用中の特定のエアフィルタのフィルタ媒体の濾過特性などの情報とともに、この特定のエアフィルタのフィルタ寿命を予測する強化した能力を提供する導出したデータ又は情報を得るために、このデータを処理することができる。すなわち、いくつかの実施形態では、データのそのような操作は、センサに結合された(例えば、センサを収容するハウジング内の同じ場所に配置された)回路によって行なうことができる。したがって、そのような回路によって無線で送信されるそのようなデータの概念は、いくつかの実施形態では、導出したデータを含むことができる。しかし、いくつかの簡便な実施形態では、そのような回路は、受信したデータを無線送信のためにデジタルフォーマットに変換するだけのように機能し、導出したデータを得るため(及び残りのフィルタ寿命を計算するため)のデータの実際の操作を、本明細書で前述したように遠隔の場所、例えば、クラウドプラットフォームで実行することができるように、することができる。
【0097】
上述の説明から、いくつかの実施形態では、ハウジングは、センサ及びセンサによって出力されたデータをデジタル化して送信するために十分な回路のみを含み、追加の回路は、送信されたデータを受信し更なるデータ操作を実行するために他の所に配置するように、できることが理解されるであろう。しかし、他の実施形態では、そのようなハウジングは、任意の所望の方法でデータを処理又は操作しその後結果として得られる導出したデータを無線で送信するために十分な回路(例えば、1つ以上のプロセッサ、ファームウェア、ソフトウェアなどを含む)を含むことができる。任意のそのようなデータは、例えば、その元の、デジタル化した、又は導出した形式であろうと、例えば、スマートフォンなどのモバイルデバイス、ホームコンピュータ、又はエア処理システム自体の中に存在するデバイスなどのデバイスに送信することができる。いくつかの実施形態では、そのようなデバイスは、データの処理及び/又は操作を実行することができる、あるいは、デバイスは、そのような操作のために例えば、クラウドプラットフォームにデータを転送することができる。
【0098】
データ操作の最終的な作業結果(例えば、クラウドプラットフォームによって出力されるような)は、エアフィルタのフィルタ媒体の状態のインジケーションであり、通知ユニットに提供することができる。そのような通知ユニットは、例えば、モバイルデバイス若しくはコンピュータ(例えば、クラウドプラットフォームにデータを転送したのと同じもの)とすることができる、又はエア処理システムの構成要素とすることができる。すなわち、残りのフィルタ寿命のインジケーション(フィルタがその有用な寿命の終了に近く交換すべきであるという助言を含むことができる)は、例えば、エア処理システムのサーモスタットのディスプレイスクリーン上に表示される通知として提供することができる、又はモバイルデバイス、ホームコンピュータ、ラップトップコンピュータ、若しくはタブレットコンピュータなどのスクリーン上に表示することができる。そのような通知は、任意のそのような通知ユニットからの可聴信号の形態を取ることができる、又は、上述したように視覚信号として好都合に提示することができる。各種実施形態では、そのような通知は、電子メール、テキストメッセージ、例えば、モバイルデバイスのアプリケーションによって送出されるメッセージなどの形態を取ることができる。
【0099】
本明細書の装置は、センサによって得られる任意のそのようなデータを任意の特定の形式で(具体的には、圧力などの形式で)ユーザに提示しなければならないことを必要とせず、指定されたユニットの圧力低下、微粒子負荷などの任意の特定のパラメータを常に明示的に計算しなければならないことを必ずしも必要としないことが留意される。むしろ、必要なことは、フィルタ状態のインジケーション(例えば、エアフィルタを交換することが推奨されるという通知)をユーザに提供することができる十分な程度にデータを処理又は操作することだけである。
【0100】
センサを含む回路用の電力2478は、様々な情報源から取ることができる。1つのオプションは、電池2480である。あるいは、回路を動作させるためのエネルギは、環境から発電する(2482)ことができる。例としては、タービン2486などの冷暖房システムが動作している時のエアの移動2484から、又は圧電2489若しくは誘導発電機2490を有する振動リボンを利用した振動2488により、電力を生成するデバイスとすることができる。あるいは、熱電効果2492を用いて電力を生成することができる、又はRF送信信号2494により外部から電力を供給することができる。
【0101】
エア品質2496は、多くの要因に依存して多数の方法で定義することができるが、清浄なエアの側の微粒子のセンサ2498による測定、VOCの測定、所与の部屋又は建築物内の微粒子の測定を挙げることができる。
【0102】
特定の状況下では、スマートフィルタシステムは、1つのセンサ又は多数のセンサからのデータのみに基づいて媒体状態を判定するために十分な情報が欠如していることがある。例えば、ユーザは、1週間の間留守にしていて、更にユーザの冷暖房システムを稼働させたままにしていることがある。別の例として、ユーザは、無線通信信号の到達範囲を越えた家又は施設内の場所に移動することがある。それぞれの状況は、センサとユーザのモバイルデバイスとの間のデータ通信の潜在的喪失をもたらすが、フィルタ状態は、劣化し続けることになる。通信喪失の持続時間に依存して、ユーザに報告される媒体状態は、フィルタ媒体の状態を正確に反映しないことがある。これら及び他の状況では、必要な期間にわたってセンサデータに対して予測するフィルタ交換アルゴリズムの出力を補足することが可能であり得る。
【0103】
一実施例では、欠けているデータは、冷暖房ファン稼働時間の関数として交換状態を推定することにより補足される。ファンの稼働時間は、屋外気象データを用いて推定することができ、居住パラメータ、冷暖房使用パラメータ、ユーザプリファレンスパラメータ、及びフィルタパラメータなどの、特定のエアフィルタ及び/又は冷暖房システムの動作状態に関するパラメータに従って調整することができる。気象データは、例えば、オンラインデータサービスから、特定の地域に関して入手することができる。気象データを使用して、エアフィルタ稼働時間を推定することができ、エアフィルタ稼働時間を使用して、エアフィルタの交換状態を推定することができる。ファン稼働時間の関数としてフィルタ交換状態を推定するための例示的な方法は、国際公開第WO2016/089688号(Foxら)に記載されており、その特許文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0104】
図24は、フィルタ状態の報告においてセンサデータと推定した状態との間で移行するための例示的なシーケンスを示す。ステップ3000かつ「時刻0」で、自己認識フィルタとモバイルデバイス又はクラウドプラットフォームとの間で通信リンクが確立される。ステップ3100かつ「時刻1」で、通信は、センサからの基準を満たさないデータを提供する、又はデータを提供しない。データは、例えば、所与の出力パラメータに割り当てられた信頼値が満たされない又はそれを上回る場合に基準を満たさないとすることができる。ステップ3200かつ「時刻2」で、基準を満たさない又は欠如しているデータの期間は、正常な通信リンクの間の時間又は予測結果に基づくことができる、移行閾値に到達する又はそれを上回る。移行閾値を上回ると、ステップ3300で、冷暖房システムに関連する地理的地域に関する屋外気象データが入手される(例えば、オンラインデータサービスから電子的に取得される)。屋外気象データは、センサ(単数又は複数)からのデータと同時に収集することができる、又はそのような収集は、移行閾値に到達した際にトリガすることができる。ステップ3400で、エアフィルタの交換状態は、屋外気象データを用いて近似される。例えば、屋外気象データを使用して、エアフィルタ稼働時間を推定し、エアフィルタ稼働時間を使用して、エアフィルタの交換状態を予測する。予測は、主にセンサデータを前提とする推定と同様な知覚体験を共有する又は共有しないことができるユーザインターフェイスを介して、ユーザに提供することができる。ステップ3500で、自己認識フィルタは、ユーザのモバイルデバイスと通信リンクを確立する、及び/又は関連出力パラメータは、「時刻3」で受け入れ可能と見なされる。システムは、ステップ3700で、センサから受信したデータに基づいてフィルタ状態を予測することに直ちに(又はほぼ直ちに)移行して戻ることができる、又は復帰閾値を上回る期間の間好適なリンクが確立されるまで気象に基づく推定に基づいて動作し続けることができる。
【0105】
フィルタの前に1つ及びフィルタの後に1つの2つのセンサを用いた実験は、異なる状態(states)(状態(conditions))の間に以下の結果をもたらした。フィルタ閉塞測定値に対する判定としてP1センサとP2センサと(それぞれフィルタの前とフィルタの後)の間の圧力差を用いることは、十分に理解されている。フィルタの前の単一のセンサ又はフィルタの後の単一のセンサがフィルタ閉塞を判定するために十分な情報を提供することができるかを判定することは、以前に理解されていなかった。
【0106】
実験的暖房炉に関する動作の異なる状態の間のデータのサンプルは、以下のグラフデータを提供する。
【0107】
図24は、経時的に変化する状態下でのフィルタ間の差圧を示す複数の圧力測定値を示す。凡例は、参照番号により様々な要因を示す。右の凡例(要因(実験))に列挙された異なる状態は、以下のようである。
【0108】
清浄なフィルタが動作している2510-これは、ファンが新しい清浄なフィルタで動作している暖房炉である。
【0109】
汚れている0.74dP 2520-0.74インチの水の値を有する閉塞したフィルタ
【0110】
汚れている1.54dP 2530-1.54インチの水の値を有する(0.74より閉塞した)閉塞したフィルタ
【0111】
オフ校正2540-暖房炉は動作しておらず、圧力は、両方のチャンバ内で大気圧に等しくされている。
【0112】
不明の汚れた動作2550-不明の濾過レベルの閉塞したフィルタ
【0113】
【0114】
図25は、フィルタが挿入されているダクト内のy方向の振動を測定する加速度計センサから収集したデータを示す。
図26は、x方向の振動の測定値を同様に示す。
図27は、z方向の振動の測定値を同様に示す。
図28は、y方向の時間に対する加速度計の結果を示す。
図29は、x方向の時間に対する加速度計の結果を示す。
図30は、z方向の時間に対する加速度計の結果を示す。
【0115】
要因(ip)は、異なる2つのセンサを区別していることに留意されたい。169.12.46.245は、下流であり、169.12.46.250は、上流である。フィルタが汚れているほど、下流で圧力低下がより大きい。上流のセンサは、著しい圧力差を識別しない(グラフの右側)。これらの結果は、単一の圧力センサが使用される場合、圧力センサは、典型的には下流側(フィルタの後)に配置すべきであることを示唆する。
【0116】
圧力差は、閉塞したフィルタとエアを吸引するファンとの間の吸引によって生成される。
P1=上流センサの圧力
P2=下流センサの圧力
Δ=P1-P2=上流センサの圧力と下流センサの圧力との間の圧力差
T=時間
【0117】
単一のセンサは、下流(フィルタの後)で機能することができ、システムは、時間並びに暖房炉の状態を認識して、センサ性能を補助することができる。加速度計情報により状態を判定して、暖房炉が動作しているか否かを識別することができる。又は代わりに、圧力測定値の時間的分析によって、状態を推測することができる。単純に高い測定値と低い測定値を分離してそれらを平均化することにより、どの測定値が暖房炉の状態に対応するかを明確に識別することができる。暖房炉がオフの時の圧力を判定することは、現在の大気圧に対するベースラインを判定するのに有用であり得る。一実施形態では、単一のセンサからフィルタ状態を判定することは、センサから時間に基づく圧力データ点を入手することと、入手した隣接する圧力データ点間の平均差を計算することと、閾値圧力差より大きな隣接する点の圧力差の識別に基づいてフィルタ寿命を予測することとを含む。
【0118】
図31は、スマートフィルタ回路及び通信の実施並びにモバイルデバイスの実施などの、例示的実施形態による方法を実施するコンピュータシステム3200の概略ブロック図である。各種実施形態では、全ての構成要素を使用する必要はない。
【0119】
コンピュータ3200の形態の1つの例示的コンピューティングデバイスは、処理ユニット3202と、メモリ3203と、取り外し可能な記憶装置3210と、取り外し可能でない記憶装置3212とを含むことができる。例示的なコンピューティングデバイスは、コンピュータ3200として図示され説明されているが、異なる実施形態では、コンピューティングデバイスは、異なる形態とすることができる。例えば、コンピューティングデバイスは、代わりに、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、又は
図32に関して図示して説明するのと同じ若しくは類似の要素を含む他のコンピューティングデバイスとすることができる。スマートフォン、タブレット、及びスマートウォッチなどのデバイスは、一般的に、モバイルデバイスと集合的に呼ばれる。更に、様々なデータ記憶要素がコンピュータ3200の一部として示されているが、記憶装置は、インターネットなどのネットワークを介してアクセス可能なクラウドベースの記憶装置も含む又はそれを代わりに含むことができる。
【0120】
メモリ3203は、揮発性メモリ3214及び不揮発性メモリ3208を含むことができる。コンピュータ3200は、揮発性メモリ3214及び不揮発性メモリ3208、取り外し可能記憶装置3210及び取り外し可能でない記憶装置3212などの様々なコンピュータ可読媒体を含む、又はそれを含むコンピューティング環境へのアクセスを有することができる。コンピュータの記憶装置としては、ランダムアクセスメモリ(random access memory)(RAM)、読み出し専用メモリ(readonly memory)(ROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(erasableprogrammable read-only memory)(EPROM)及び電気的消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory)(EEPROM)、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(compact disc read-only memory)(CD ROM)、デジタル多用途ディスク(Digital Versatile Disks)(DVD)、又は他の光学ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置、又は本明細書で説明する機能を実行するように実行するためのコンピュータ可読命令を記憶することができる他の磁気記憶デバイスが挙げられる。
【0121】
コンピュータ3200は、入力3206、出力3204、及び通信接続3216を含む、又はそれを含むコンピューティング環境へのアクセスを有することができる。出力3204は、入力デバイスとしても機能することができるタッチスクリーンなどのディスプレイデバイスを含むことができる。入力3206は、タッチスクリーン、タッチパッド、マウス、キーボード、カメラ、1つ又は複数のデバイス固有のボタン、コンピュータ3200に一体化された又はそれに有線若しくは無線データ接続を介して結合された1つ又は複数のセンサ、及び他の入力デバイスのうちの1つ又は複数を含むことができる。コンピュータは、通信接続を用いてネットワーク化環境で動作して、クラウドベースのサーバ及び記憶装置を含むデータベースサーバなどの1つ又は複数のリモートコンピュータに接続することができる。リモートコンピュータとしては、パーソナルコンピュータ(personal computer)(PC)、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ピアデバイス、又は他の共通ネットワークノードなどを挙げることができる。通信接続としては、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network)(LAN)、広域ネットワーク(Wide AreaNetwork)(WAN)、セルラー、Wi-Fi、Bluetooth、又は他のネットワークを挙げることができる。
【0122】
コンピュータ可読記憶デバイス上に記憶されたコンピュータ可読命令は、コンピュータ3200の処理ユニット3202によって実行可能である。ハードドライブ、CD-ROM、及びRAMは、記憶デバイスなどの非一時的なコンピュータ可読媒体を含む物品の一部の例である。コンピュータ可読媒体及び記憶デバイスという用語は、搬送波を含まない。
【0123】
本明細書で開示する装置は、任意の好適な電動エア処理システムとともに使用することができる。いくつかの実施形態では、そのようなエア処理システムは、例えば、住宅(例えば、単一の家族用の家)、商業用若しくは小売り用の建築物又はスペースなどのための、暖房・換気・空調(heating-ventilation-air-conditioning)(HVAC)システムとすることができる。HVACという用語は、幅広く使用され、各種実施形態では、HVACシステムは、所望により、暖房を実行する、冷房を実行する、又は暖房若しくは冷房のいずれかを実行するように構成することができる。いくつかの実施形態では、そのような冷暖房システムは、処理されることになるエアが複数のエア復帰口(例えば、建築物の複数の部屋に配置された)を介して収集される、集中型エア処理システムとすることができる。そのようなシステムは、多くの場合、複数の部屋から相対的に大量のエアを処理するように構成された単一の中央送風機を含み、そのエアが、集中型エアフィルタを通過する。他の実施形態では、そのようなエア処理システムは、単一のエア復帰口を介してエアを局所的に収集し、かつ主に単一の部屋内のエアを再循環させるように設計された送風機を含む、いわゆるミニスプリットシステム(多くの場合「ダクトレス」システムと呼ばれる)とすることができる。代表的なミニスプリットHVACシステムとしては、例えば、商品名HALCYONとしてFujitsu(Tokyo,JP)から入手可能な製品が挙げられる。一部の建築物は、それぞれが建築物の特定の部屋又は複数の部屋に専用の、多数のミニスプリットシステムを含む場合がある。(大型の建築物は、それぞれが建築物の異なる部分又はウイングのために機能する、複数の集中型HVACシステムを含む場合がある。)いくつかの実施形態では、電動エア処理システムは、いわゆる部屋用エア清浄器(例えば、なんら有意な暖房又は冷房能力を保有しない)とすることができ、他の実施形態では、電動エア処理システムは、部屋用エア清浄器ではない。
例示的な実施形態の一覧
【0124】
実施形態1は、フィルタ媒体を含むエアフィルタと、電動エア処理システム内に存在する少なくとも1つのセンサと、センサに結合された回路とを含み、回路が、フィルタ媒体の状態を表すセンサからのデータを受信し、そのようなデータを無線で送信するように構成された、電動エア処理システムである。
【0125】
実施形態2は、少なくとも1つのセンサが、少なくとも1つの圧力センサを含む、実施形態1に記載のエアフィルタである。実施形態3は、少なくとも1つの圧力センサが、エアがフィルタ媒体を通して移動されている間にフィルタ媒体に対して、上流の圧力に露出されるように配置された第1の圧力センサ、及び下流の圧力に露出されるように配置された第2の圧力センサを含む、実施形態2に記載のエアフィルタである。実施形態4は、少なくとも1つの圧力センサが、エアがフィルタ媒体を通して移動されている間に下流の圧力を測定するために、フィルタ媒体の下流に配置された絶対圧力センサである、実施形態2に記載のエアフィルタである。実施形態5は、回路が、絶対圧力センサからのデータの関数としてフィルタ媒体の前後の圧力差を判定するように適合された、実施形態4に記載のエアフィルタである。実施形態6は、第2のデータを提供する第2のセンサを更に含み、回路が、第2のデータを圧力センサからのデータと組み合わせて圧力差を判定するように更に適合された、実施形態4又は5に記載のエアフィルタである。実施形態7は、第2のセンサが、フィルタ材料を通ってエアを移動させるファンの動作を感知するように構成された少なくとも1つのセンサを含む、実施形態6に記載のエアフィルタである。実施形態8は、第2のセンサが、ひずみゲージセンサ、振動センサ、熱電式エアフローセンサ、ひずみゲージエアフローセンサ、及びベーンエアフローセンサからなる群から選択される、実施形態6に記載のエアフィルタである。実施形態9は、少なくとも1つのセンサが、30秒当たり1回以下かつ1日当たり1回以上の頻度で間欠的にアナログ圧力データを取得するように構成された圧力センサを含み、センサに結合された回路が、アナログ圧力データをデジタル化した圧力データに変換するように、かつデジタル化した圧力が無線で送信されるまでデジタル化した圧力データを記憶するように構成された、実施形態1から8のいずれか一項に記載のエアフィルタである。
【0126】
実施形態10は、エアフィルタが、エアフィルタ上に局所的に存在する情報を含む、実施形態1から9のいずれか一項に記載のエアフィルタである。実施形態11は、情報が、エアフィルタに取り付けられたRFIDタグ上にロードされることによりエアフィルタ上に局所的に存在する、実施形態10に記載のエアフィルタである。実施形態12は、電動エア処理システムが、エアフィルタのRFIDタグに問い合わせするように構成されたRFIDリーダを含む、実施形態11のエアフィルタである。
【0127】
実施形態13は、回路が、フィルタの感知された状態の関数としてエアフィルタを交換する時を示す警告を生成するように構成された、実施形態1から12のいずれか一項に記載のエアフィルタである。実施形態14は、回路が、Bluetooth、Bluetooth Low Energy、ZigBee、Zwave、及びWi-Fiからなる群から選択される少なくとも1つの通信プロトコルによってデータを無線で送信する、実施形態1から13のいずれか一項に記載のエアフィルタである。実施形態15は、電動エア処理システムが、建築物の集中型HVACシステムである、実施形態1から14のいずれか一項に記載のエアフィルタである。
【0128】
実施形態16は、電動エア処理システム内に設置されたエアフィルタの状態を監視し報告する方法であって、電動エア処理システムの少なくとも下流の圧力を表す圧力情報であって、少なくとも1つの圧力センサから発生する圧力情報を無線で受信することと、エアフィルタ上に局所的に存在する情報源からエアフィルタのフィルタ媒体の濾過特性に関する情報を受信することと、エアフィルタ媒体の濾過特性に関する情報と組み合わせた圧力情報の関数としてエアフィルタの状態のインジケーションを生成することと、を含む方法である。
【0129】
実施形態17は、エアフィルタの濾過特性に関する局所的に存在する情報の情報源が、エアフィルタに取り付けられたRFIDタグである、実施形態16に記載の方法である。実施形態18は、圧力情報が、エアがエアフィルタを通って移動している間に入手されたデータとエアがエアフィルタを通って移動していない間に入手されたデータとを含む、実施形態16又は17に記載の方法である。実施形態19は、圧力情報が、エアフィルタの下流に配置された第1の圧力センサから入手されたデータとエアフィルタの上流に配置された第2の圧力センサから入手されたデータとを含む、実施形態16から18のいずれか一項に記載の方法である。
【0130】
実施形態20は、少なくとも1つの圧力センサが、電動エア処理システム内に存在する、実施形態16から19のいずれか一項に記載の方法である。実施形態21は、少なくとも1つの圧力センサが、ハウジング内に配置され、回路が、ハウジング内に圧力センサと同じ場所に配置され、圧力センサから発生する圧力データをアナログ形式からデジタル形式に変換し、デジタル圧力情報を無線で送信する、実施形態16から20のいずれか一項に記載の方法である。実施形態22は、デジタル圧力情報が、デジタル圧力情報をエアフィルタ媒体の濾過特性に関する情報と組み合わせて使用してエアフィルタの状態のインジケーションを生成するクラウドプラットフォームにデジタル圧力情報を転送するデバイスによって無線で受信される、実施形態16から21のいずれか一項に記載の方法である。
【0131】
実施形態23は、エアフィルタのフィルタ媒体の濾過特性に関する情報が、エアフィルタに取り付けられたRFIDタグから読み取られる、実施形態16から22のいずれか一項に記載の方法である。実施形態24は、RFIDタグ上の情報が、モバイルデバイスに取り付けられた、又は電動エア処理システムに取り付けられたRFIDリーダによって読み取られる、実施形態23に記載の方法である。実施形態25は、RFIDリーダによって読み取られる情報が、クラウドプラットフォームに無線で送信される、実施形態23又は24に記載の方法である。
【0132】
実施形態26は、エアフィルタの状態のインジケーションが、エアフィルタの残りのフィルタ寿命のインジケーションを含み、インジケーションが、モバイルデバイス、コンピュータ、又は電動エア処理システムのサーモスタットのディスプレイ上で提示される、実施形態16から25のいずれか一項に記載の方法である。実施形態27は、無線で受信される圧力情報が、30秒当たり1回以下かつ1日当たり1回以上の頻度で間欠的に圧力センサによってアナログ形式で取られたデータであって、データがその後デジタル化され、デジタル化され記憶されたデータを無線で送信されることができる時まで記憶されたデータを含む、実施形態16から26のいずれか一項に記載の方法である。
【0133】
いくつかの実施形態を上記で詳細に説明してきたが、他の修正形態が可能である。例えば、図に示した論理フローは、望ましい結果を実現するために、示された特定の順序又は連続順序を必要としない。他のステップを提供することができ、又は説明したフローからステップを省略することができ、他の構成要素を、説明したシステムに加える又は説明したシステムから除去することができる。他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内とすることができる。
【0134】
本明細書に開示の特定の例示的な要素、構造、特徴、詳細、構成などは、多数の実施形態において改変及び/又は組み合わされ得ることが、当業者には明らかであろう。全てのこのような変更及び組み合わせは、例示的な説明のために選択された代表的な設計としてだけではなく、考案された発明の範囲内にあることが、本発明者によって想定される。したがって、本発明の範囲は、本明細書に記載の特定の例示的な構造に限定されるのではなく、少なくとも特許請求の範囲の文言によって説明される構造、及びこれらの構造の同等物にまで拡大する。本明細書に代替物として明確に記載されている要素のいずれも、所望により、任意の組み合わせにおいて、特許請求の範囲に明示的に含まれる場合がある、又は、特許請求の範囲から除外される場合がある。オープンエンドの用語(例えば、を含む及びその派生語)で本明細書に記載されている要素又は要素の組み合わせのいずれも、クローズエンドの用語(例えば、からなる及びその派生語)及び部分的にクローズエンドの用語(例えば、から本質的になる、及びその派生語)で更に記載されているものと見なされる。本明細書の記載と、参照によって本明細書に組み込んだいずれかの文書の開示との間に何らかの矛盾又は不一致が存在する場合、本明細書の記載が優先するものとする。
【0135】
本出願は、米国特許仮出願第62/372,156号、及び同第62/374,040号に基づく優先権を主張するものであり、これらの出願の両方は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。