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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-28
(45)【発行日】2022-04-05
(54)【発明の名称】生体波形情報システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/339 20210101AFI20220329BHJP
   G16H 10/00 20180101ALI20220329BHJP
【FI】
A61B5/339
G16H10/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017190620
(22)【出願日】2017-09-29
(65)【公開番号】P2019063173
(43)【公開日】2019-04-25
【審査請求日】2020-07-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000230962
【氏名又は名称】日本光電工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】別府 嗣信
(72)【発明者】
【氏名】吉村 尚郎
(72)【発明者】
【氏名】及川 祥
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-095469(JP,A)
【文献】特開2003-319913(JP,A)
【文献】特開2003-153864(JP,A)
【文献】特開2005-323821(JP,A)
【文献】特開2014-076117(JP,A)
【文献】特開2016-073373(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0025695(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0100466(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0095526(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/318-5/367
A61B 5/00
G16H 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体波形情報収集装置と、
汎用表示端末と、
サーバと、を備え、
前記サーバは、前記汎用表示端末とネットワークを介して通信可能であり、
前記サーバは、
前記生体波形情報収集装置より受信した生体波形情報を保存する保存部と、
前記生体波形情報を処理する処理部と、
前記処理部で波形処理された前記生体波形情報に基づいて表示用データを生成するデータ生成部と、を備え、
前記汎用表示端末は、ユーザからの入力を受け付ける入力部を有し、前記入力部への入力に基づいて、前記処理部による前記処理の種類が設定され、
前記汎用表示端末の表示部には、前記処理の種類が表示され、前記入力部への入力により前記処理の種類が遷移し、
前記データ生成部が生成した前記表示用データは、前記ネットワークを介して前記汎用表示端末に送信されて、前記汎用表示端末において表示可能である、生体波形情報システム。
【請求項2】
前記生体波形情報は心電図データであり、前記処理部は、前記心電図データに基づいて疑似誘導波形を算出する、請求項1に記載の生体波形情報システム。
【請求項3】
前記処理部は、ハイパスフィルタ又はローパスフィルタを用いて前記生体波形情報を処理することができる、請求項1または2に記載の生体波形情報システム。
【請求項4】
前記データ生成部は、前記表示用データの表現形式を変更することができる、請求項1~3のいずれか一項に記載の生体波形情報システム。
【請求項5】
前記データ生成部が生成した前記表示用データは、汎用ブラウザにより、前記汎用表示端末に表示される、請求項1~4のいずれか一項に記載の生体波形情報システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体波形情報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
閉じられたネットワーク(たとえば、医療機関)に接続された生体波形情報システムにおいては、同ネットワークに接続された生体波形情報を生成するモダリティからデータが登録される。それにより、同ネットワークに接続されたクライアント端末等を操作する医療従事者等が、参照権限などの設定にしたがって、生体波形情報を閲覧することができる。
【0003】
医用画像を扱うクラウドベースのシステムとしては、例えば、通信回線を介して接続されるメディカル・アプリケーション・サービス・プロバイダ(MASP)と医療機関の端末装置間で医療情報を送受するためのシステムがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-132957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、生体波形情報システムに登録された生体波形情報を参照あるいは計測、解析する際、 医療従事者は、生体波形ビューアがインストールされている限られた専用端末で操作するしかなく、利便性に欠いていた。
【0006】
本発明は、限られた専用端末だけでなく汎用表示端末で生体波形情報を参照あるいは計測、解析する際の利便性を向上させることが可能な生体波形情報システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る生体波形情報システムは、
生体波形情報収集装置と、
汎用表示端末と、
サーバと、を備え、
前記サーバは、前記汎用表示端末とネットワークを介して通信可能であり、
前記サーバは、
前記生体波形情報収集装置より受信した生体波形情報を保存する保存部と、
前記生体波形情報を処理する処理部と、
処理された前記生体波形情報に基づいて表示用データを生成するデータ生成部と、を備え、
前記データ生成部が生成した前記表示用データは、前記ネットワークを介して前記汎用表示端末に送信されて、前記汎用表示端末において表示可能である。
【0008】
上記構成によれば、サーバが生体波形情報の処理を行い、さらに、その処理された生体波形情報に基づき、汎用表示端末に表示するためのデータも生成するため、汎用表示端末では生体波形情報の処理や表示用データの生成を行う必要がなくなる。
このように、上記構成によれば、汎用表示端末で生体波形情報を操作することができるので、利便性が向上する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、汎用表示端末で生体波形情報を参照あるいは計測、解析する際の利便性を向上させることが可能な生体波形情報システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る生体波形情報システムを示す図である。
図2】生体波形情報収集装置、サーバ、汎用表示端末の機能ブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る生体波形情報システムを説明するためのシーケンス図である。
図4】本発明の一実施形態に係る生体波形情報システムにおけるログイン画面を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係る生体波形情報システムにおける被検者検索画面を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る生体波形情報システムにおける検査履歴表示画面を示す図である。
図7】(a)は、導出12誘導心電図を表示させている状態を示す図である。(b)は、導出18誘導心電図を表示させている状態を示す図である。
図8】(a)~(c)は、誘導処理を入力部に入力する際のツールバーの遷移を示した拡大図である。
図9】は、表示部上での表示形式を変更したい場合の処理命令に関するアイコンの一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1は、実施形態に係る生体波形情報システム1を示している。図1に示すように、生体波形情報システム1は、生体波形情報収集装置100と、汎用表示端末200と、サーバ300と、を有している。生体波形情報収集装置100は、医療機関といった閉じられたネットワーク内にあり、ゲートウェイ2とオープンネットワーク5を介して外部ネットワーク上にあるサーバ300と通信可能である。サーバ300は、オープンネットワーク4を介して外部ネットワーク上にある汎用表示端末200や外部医療機関における閲覧端末3と通信可能である。汎用表示端末200としては、例えば、デスクトップタイプのPC、ノートPC、タブレット端末、スマートフォン等の電子機器が利用され得る。
【0013】
図2は、生体波形情報収集装置、サーバ、汎用表示端末の機能ブロック図である。生体波形情報収集装置100は、例えば、心電図記録装置であり、制御部101と、記憶装置102と、ネットワークインターフェース103と、表示部104と、入力操作部105と、センサインターフェース106と、を備える。これらはバス107を介して互いに通信可能に接続されている。
【0014】
制御部101は、メモリとプロセッサを備えている。メモリは、例えば、各種プログラム等が格納されたROM(Read Only Memory)やプロセッサにより実行される各種プログラム等が格納される複数ワークエリアを有するRAM(Random Access Memory)等から構成される。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)であって、ROMに組み込まれた各種プログラムから指定されたプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されている。例えば、制御部101は、RAMとの協働でプログラムを実行することで、センサインターフェース106を介して取得した生体波形情報を、記憶装置102に保存する処理を制御する。また、制御部101は、RAMとの協働でプログラムを実行することで、ネットワークインターフェース103を介して、生体波形情報をサーバ300に送信(アップロード)する処理を制御する。
【0015】
記憶装置102は、例えば、USBフラッシュメモリやSDカード等の記憶装置であって、プログラムや各種データを格納するように構成されている。
【0016】
ネットワークインターフェース103は、外部ネットワークにあるサーバ300と、ゲートウェイ2及びオープンネットワーク5を介して通信可能に接続されるように構成されている。このため、記憶装置102に記憶された生体波形情報は、ネットワークインターフェース103を介して外部にあるサーバ300に送信可能である。
【0017】
表示部104は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のディスプレイであって、センサインターフェース106を介してリアルタイムに取得された心電図波形データに基づいて、時間軸上に連続的に発生する複数の心電図波形をリアルタイムに表示するように構成されている。尚、表示部104は生体波形情報収集装置100に設けられていなくてもよい。
【0018】
入力操作部105は、生体波形情報収集装置100を操作するユーザ(医療従事者)の入力操作を受け付けると共に、当該入力操作に対応する指示信号を生成するように構成されている。入力操作部105は、例えば、表示部104上に重ねて配置されたタッチパネル、筐体に取り付けられた操作ボタン、イベントスイッチ等である。入力操作部105は、生体波形情報の取得を開始するための入力操作や、表示波形を切り換えるための入力操作等を受け付けて、当該入力操作に対応する操作信号を生成する。生成された指示信号は、バス107を介して制御部101に送信され、制御部101は、指示信号に基づいて、生体波形情報収集装置100の動作を制御するように構成されている。
【0019】
センサインターフェース106は、被検者に装着された複数の電極と不関電極に接続されている。電極は、被検者の測定部位に接触し、測定部位の電位変化を導出するためのセンサとして機能する。電極は、測定部位の電位差を導出するように構成され、不関電極は、電極に同相で誘導される外来雑音を除去するように構成される。
【0020】
センサインターフェース106には、電極から出力される電位変化(電位)を示す電気信号と、不関電極から出力される電位変化(電位)を示す電気信号が入力される。センサインターフェース106は、電極によって導出された電位と、他の電極によって導出された電位を差動増幅し、不関電極から導出された電位により外来雑音を除去し、増幅された心電図信号を生成する。さらに、センサインターフェース106は、増幅された心電図信号をアナログ-デジタル変換(AD変換)することで、心電図波形データを生成する。生成された心電図波形データは、バス107を介して制御部101のメモリに供給される。ここで、心電図波形データは、時間軸上に連続的に発生する複数の心電図波形(一拍動で生じる波形)を示すものである。
【0021】
尚、生体波形情報収集装置100は、図示しない電源を有している。電源は、例えば、乾電池である。
【0022】
サーバ300は、例えば、クラウドサーバであって、保存部301、第一ネットワークインターフェース304、第二ネットワークインターフェース305、制御部307を備える。これらはバス306を介して互いに通信可能に接続されている。
【0023】
保存部301は、生体波形情報等を保存可能な記憶領域を有している。
【0024】
制御部307は、処理部302及びデータ生成部303を備えている。処理部302とデータ生成部303は、メモリとプロセッサを備えている。メモリは、プロセッサにより実行される各種プログラム等が格納される複数ワークエリアを有するRAM(Random Access Memory)を備える。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)であって、指定されたプログラムをRAMに展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されている。制御部307は、RAMとの協働でプログラムを実行することで、処理部302による、生体波形情報収集装置100から送信された生体波形情報に対する波形処理を制御する。また、制御部307は、RAMとの協働でプログラムを実行することで、データ生成部303が、処理部302が処理した生体波形情報データから表示用データを生成する処理を制御する。
【0025】
第一ネットワークインターフェース304は、ゲートウェイ2及びオープンネットワーク5を介して、ネットワークインターフェース103と通信可能に接続されている。また、第二ネットワークインターフェース305は、オープンネットワーク4、例えば、Wi-Fiオープンネットワークを介して、汎用表示端末200や外部医療機関における閲覧端末3と通信可能に接続されている。
【0026】
汎用表示端末200は、表示部201と、入力部202と、制御部203と、ネットワークインターフェース204と、を備える。これらはバス205を介して互いに通信可能に接続されている。
【0027】
表示部201は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のディスプレイであって、画像(操作画像や各種アプリケーション画像等)を表示するように構成されている。
【0028】
入力部202は、汎用表示端末200を操作する医療従事者の入力操作を受け付けるように構成されており、例えば、表示部201上に重ねて配置されたタッチディスプレイや、表示部201とは別個に設けられた操作ボタン等である。
【0029】
制御部203は、メモリとプロセッサを備えている。メモリは、例えば、各種プログラム等が格納されたROM(Read Only Memory)やプロセッサにより実行される各種プログラム等が格納される複数ワークエリアを有するRAM(Random Access Memory)等から構成される。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)であって、ROMに組み込まれた各種プログラムから指定されたプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されている。制御部203は、汎用表示端末200の各種動作を制御するように構成されており、メモリに格納された端末プログラムに従って動作する。例えば、制御部203は、RAMとの協働でプログラムを実行することで、表示部201の各種動作を制御し、医療従事者の要求に応じた表示用データを表示部201上に表示させる。例えば、制御部203は、汎用ブラウザを起動させて、画像を表示部201に表示させる。
【0030】
ネットワークインターフェース204は、オープンネットワーク4を介して、第二ネットワークインターフェース305と通信可能に接続されている。
【0031】
図3は、本発明の一実施形態に係る生体波形情報システムを説明するためのシーケンス図である。
【0032】
図3に示すように、ステップS1において、生体波形情報収集装置100は、センサインターフェース106を介して被検者から生体波形情報を取得する。例えば、心電図を取得する場合、第一に、被検者の体表面の所定の部位に心電図測定電極を装着する。例えば、左右腕部と左右下肢の4箇所と、第4肋間胸骨左縁位置と左前腋窩線と第5肋間を横切る水平線との交点位置の2箇所の、合計6箇所の測定部位に心電図測定電極を装着する。
【0033】
次に、医療従事者は、被検者名、被検者年齢、被検者性別といった被検者情報を生体波形情報収集装置100の入力操作部105に入力する。その後、測定誘導数や測定誘導名を入力する。
【0034】
医療従事者は、生体波形情報収集装置100の測定スイッチをONする。測定スイッチがONされることによって、心電図の生成が開始される。
【0035】
次に、ステップS2において、取得された生体波形情報は、生体波形情報収集装置100とゲートウェイ2とオープンネットワーク5を介して接続されたサーバ300に送信(アップロード)される。
【0036】
ステップS3において、サーバ300は、生体波形情報収集装置100から送信された生体波形情報を保存部301に保存する。次に、ステップS4において、サーバ300は、生体波形情報を汎用表示端末200上で表示できる生体波形情報データにするため、処理部302で波形処理を行う。
【0037】
前記波形処理について、初期データとしての導出12誘導心電図(疑似誘導波形の一例)を生成して保存する場合を例にとって説明する。
【0038】
この場合、導出12誘導心電図を生成するには心電図信号が不足している。そこで、生体波形情報収集装置100は、心電図測定電極で実際には測定していない残り4つの胸部誘導の導出心電図を生成する。具体的には、生体波形情報収集装置100は、6個の心電図測定電極から取得した心電図信号に基づき、行列式等を用いて、導出12誘導心電図を生成し出力する。
【0039】
ステップS5において、医療従事者は、汎用表示端末200の表示部201を介して、ログインの処理を行う。表示部201上には、初期画面として、ログイン画面が表示される。
【0040】
図4は、本発明の一実施形態に係る生体波形情報システムにおけるログイン画面を示す図である。図4では、ウェブブラウザを介して、ログイン画面が汎用表示端末200の表示部201に表示されている。ログイン画面の画面中央部には、ユーザIDとパスワードを入力する箇所が配置されており、パスワードを入力する箇所の右下には、ログインと表示されたログインボタンが配置されている。この画面において、医療従事者は、自身のユーザIDとパスワードを所定の箇所に入力し、その後、ログインボタンをクリックする。これにより、医療従事者はログインできる。
【0041】
次に、ステップS6において、操作したい生体波形情報を有する被検者を被検者の一覧から選択する。ステップS5において、ログインが実行されると、被検者の一覧が表示部201上に表示される。
【0042】
図5は、本発明の一実施形態に係る生体波形情報システムにおける被検者検索画面を示す図である。図5に示すように、画面上部には、被検者を検索するための検索ボックスが配置されている。また、検索ボックスの下部には、被検者の一覧が表示されている。対象の被検者の選択に当たっては、この検索ボックスで検索することができ、被検者ID又は被検者名から被検者を検索することができる。検索に当たっては、完全一致検索でもよいし、あいまい検索であってもよい。また、漢字、カタカナ、ひらがないずれであっても検索可能である。また、これ以外の項目を検索キーとしてもよい。図5の例では、被検者名の検索ボックスにコウデンと入力して、対象被検者を被検者の一覧から探索している。医療従事者は、対象被検者名が表示された箇所をクリックすることで、対象被検者を選択することができる。
【0043】
図6は、本発明の一実施形態に係る生体波形情報システムにおける検査履歴表示画面を示す図である。ステップ6で一の被検者を選択すると、図6に示すように、当該選択した被検者の検査履歴が表示部201に表示される。検査履歴画面では、検査種別ごとに分類されてアイコンで表示されている。図6の例では、血液検査、心電図検査、超音波検査等に関するアイコンが表示されている。尚、図6の例では、アイコンが表示されているが、アイコンではなく、文字や写真が表示されてもよい。
【0044】
ステップS7において、医療従事者は、入力部202を介して、生体波形情報の閲覧等の処理を要求することができる。例えば、図6に示す表示画面において、医療従事者が、閲覧したい生体波形情報に関する検査のアイコンをクリックすると、当該閲覧の要求が汎用表示端末200に送られる。そうすると、ステップS8において、入力部202は医療従事者からの処理要求を受け付ける。そして、ステップS9において、汎用表示端末200は入力された処理要求を、オープンネットワーク4を介して接続されるサーバ300に伝達する。
【0045】
ステップS10において、処理部302は、汎用表示端末200から伝達された処理要求の種類を設定する。そして、設定された処理の種類に基づき、生体波形情報データを処理する。
【0046】
ステップS11において、データ生成部303は、処理部302が処理した生体波形情報データを表示用データとして生成する。次のステップS12において、汎用表示端末200は、オープンネットワーク4を介してサーバ300から表示用データを読み込む(ダウンロードする)。そして、ステップS13で 読み込まれた表示用データが、表示部201上に表示される。例えば、導出12誘導心電図が表示部201上に表示される場合、図7(a)に示す画像が表示部201上に表示される。これにより、医療従事者は表示用データ、すなわち、生体波形情報を閲覧することができる。
【0047】
医療従事者は、表示用データの表現形式、例えば、心電図の拡大・縮小、心電図の回転、誘導心電図の表示、更には心電図の誘導の切替等、さらなる処理要求をしたい場合、ステップS14において、表示用データの表現形式の変更要求を入力部202に入力する。ここでは、導出12誘導心電図が表示部201上に表示されている状態において、表示用データの表現形式を導出18誘導心電図(疑似誘導波形の一例)に変更する場合を例にとって説明する。
【0048】
図8(a)~(c)は、誘導処理を入力部に入力する際のツールバーの遷移を示した拡大図である。図8(a)に示すように、表示部201の右下に配置されているツールボタンに医療従事者が触れると、処理内容の種別が表示される。
【0049】
そして、波形書式を選択すると、図8(b)に画面が遷移する。図8(b)に示す画面では、波形処理の具体的内容を選択する。例えば、導出18誘導心電図を表示させたいときは、6ch×2+導出を選択する。
【0050】
図8(b)の画面において、波形処理の具体的内容を選択すると、図8(c)に画面が遷移する。以下では、表現形式として、連続を選択した場合について、説明する。
【0051】
ステップS15において、入力部202は医療従事者からの処理要求を受け付ける。そして、ステップS16において、汎用表示端末200は入力された処理要求を、オープンネットワーク4を介して接続されるサーバ300に伝達する。
【0052】
ステップS17において、処理部302は、汎用表示端末200から伝達された処理要求の種類を設定する。そして、設定された処理の種類に基づき、生体波形情報データを処理する。
【0053】
ステップS18において、データ生成部303は、処理部302が処理した生体波形情報データを表示用データとして生成する。例えば、図8(a)~(c)の入力が行われると、データ生成部303は、図8(a)~(c)の入力に基づき、図7(b)の表示用データを生成する。
【0054】
ステップS19では、汎用表示端末200は、オープンネットワーク4を介してサーバ300から表示用データを読み込む(ダウンロードする)。そして、読み込まれた表示用データは、ステップS20で、表示部201上に表示される。これにより、医療従事者は表現形式が変更された表示用データを閲覧することができる。例えば、図8(a)~(c)の入力が行われた場合、表示部201上では、図7(a)から図7(b)に切り替わる。
【0055】
上記では、表示用データの表現形式を導出12誘導心電図から導出18誘導心電図に変更する場合を例にとって説明してきた。次に、ステップS14において表示部201に表示されるアイコンの変形例を、図9を用いて説明する。図9は、表示部201上での表示形式を変更したい場合の処理命令に関するアイコンの一例を示した図である。当該アイコンは、表示部201の右下に配置されるツールボタンに医療従事者が触れると表示される。例えば、医療従事者が、拡大に関するアイコンに触れると、表示部201に表示されている表示用データの拡大処理の要求が、オープンネットワーク4を介して、汎用表示端末200から接続されるサーバ300へ伝達される。処理部302は、当該要求に従い、対象の表示用データを拡大処理する。そして、データ生成部303は新たな表示用データを生成する。新たに生成された表示用データは、オープンネットワーク4を介して、汎用表示端末200の表示部201上に表示される。尚、保存部301には、処理前の表示用データと処理後の表示用データの双方が保存される。
【0056】
尚、処理部302が行う心電図の波形処理については、ノイズを除去するために、ステップS14による変更要求の入力に基づき、ハイパスフィルタにより低周波成分を除去したり、ローパスフィルタにより高周波成分を除去してもよい。
【0057】
上述の実施形態では、汎用ウェブブラウザを介して、表示用データを汎用表示端末200に表示させているが、この例に限られず、他の汎用ブラウザであってもよい。例えば、JSON、PDF、jpeg等のデータフォーマットで、表示用データを汎用表示端末200に表示させてもよい。
【0058】
上述の実施形態では、表示用画像の表示形式を変更する例として、表示用データを拡大する例や誘導処理の例を用いて説明したが、この例に限られない。例えば、表示用データの表示位置の変更や、心電図における波形の記録感度の変更といった表示形式の変更等も考えられる。
【0059】
表示用データとしては、画像化された生体波形情報がある。表示用データは静止画に限られず、例えば、動画のようなデータであっても良い。
【0060】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【符号の説明】
【0061】
1:生体波形情報システム、2:ゲートウェイ、100:生体波形情報収集装置、101:制御部、102:記憶装置、103:ネットワークインターフェース、104:表示部、105:入力操作部、106:センサインターフェース、107:バス、200:汎用表示端末、201:表示部、202:入力部、203:制御部、204:ネットワークインターフェース、205:バス、300:サーバ、301:保存部、302:処理部、303:データ生成部、304:第一ネットワークインターフェース、305:第二ネットワークインターフェース、306:バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9