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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-28
(45)【発行日】2022-04-05
(54)【発明の名称】フォールダブル表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20220329BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20220329BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20220329BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20220329BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20220329BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20220329BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
G09F9/30 308Z
G02F1/1333
H01L27/32
H05B33/14 A
H05B33/02
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2017193343
(22)【出願日】2017-10-03
(65)【公開番号】P2018060201
(43)【公開日】2018-04-12
【審査請求日】2020-08-07
(31)【優先権主張番号】10-2016-0129963
(32)【優先日】2016-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】明 萬 植
(72)【発明者】
【氏名】李 雅 ラム
(72)【発明者】
【氏名】奇 仁 敍
(72)【発明者】
【氏名】柳 瀚 善
(72)【発明者】
【氏名】崔 成 哲
【審査官】中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-519626(JP,A)
【文献】国際公開第2015/100404(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0272559(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0238612(US,A1)
【文献】特開2015-228022(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00 - 9/46
H01L 51/50
H01L 27/32
H05B 33/00 - 33/28
G02F 1/1333
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォールダブル(foldable、折りたたみ式)表示装置であって、
表示部が位置する第1面と、前記第1面と反対側に位置する第2面とを備え、ベンディング可能領域及び前記ベンディング可能領域の両側に位置する二つの平坦領域を含む表示パネルと、
前記第2面と対向し前記表示パネルに結合されたパネル支持部とを有し、
前記パネル支持部は、
前記ベンディング可能領域に対応して第1方向に沿って並んで配列され、それぞれ前記表示パネルと向き合う第1支持面を備え、それぞれ二つの回動軸を中心に回動可能に結合された複数のリンク部材と、
前記二つの平坦領域に対応し、それぞれ前記表示パネルと対向する第2支持面を含む二つの支持板とを含み、
前記複数のリンク部材それぞれの前記二つの回動軸は、前記第2面から前記第1面に向かう方向に沿って前記第1支持面と離隔されており、
前記フォールダブル表示装置がフォールディング(folding)状態で、前記複数のリンク部材のうち、前記支持板に隣接したリンク部材の第1支持面の周縁は、前記第2支持面から第1距離と第2距離の差だけ、前記ベンディング可能領域の曲率中心に向かう方向に離隔して位置し、
前記第1距離は、前記リンク部材の前記支持板に隣接した回動軸と前記第1支持面との間の距離であり、
前記第2距離は、前記リンク部材の前記支持板に隣接した回動軸と前記第2支持面との間の距離であることを特徴とするフォールダブル表示装置。
【請求項2】
前記複数のリンク部材が備える複数の第1支持面は広げた状態で互いに離隔し、
前記複数のリンク部材それぞれの前記二つの回動軸の間の距離は、前記第1支持面の幅より大きいことを特徴とする請求項1に記載のフォールダブル表示装置。
【請求項3】
前記複数のリンク部材それぞれは、
前記第1支持面の第1方向に沿った両側端部の下方に位置し前記第1支持面と連結される二つの下部傾斜面と、
前記第1方向と交差する第2方向に沿った前記第1支持面の両側端部に位置する二つの第1突出部とを含むことを特徴とする請求項2に記載のフォールダブル表示装置。
【請求項4】
前記二つの第1突出部それぞれは、断面上で前記二つの下部傾斜面と同一平面上に位置する二つの上部傾斜面を含み、
前記二つの回動軸は、前記二つの上部傾斜面の上側端部に位置することを特徴とする請求項3に記載のフォールダブル表示装置。
【請求項5】
前記二つの第1突出部それぞれは、前記二つの上部傾斜面の上に位置する二つの垂直面をさらに含み、
広げた状態で、前記二つの垂直面は、前記第1方向に沿って隣接する前記第1突出部に含まれる前記垂直面と接触することを特徴とする請求項4に記載のフォールダブル表示装置。
【請求項6】
フォールディング(folding)状態で、前記複数の第1支持面は互いに連結され、前記二つの下部傾斜面は隣接する前記リンク部材の前記下部傾斜面に密着し、前記ベンディング(bending)可能領域は円弧形状にベンディングされることを特徴とする請求項4に記載のフォールダブル表示装置。
【請求項7】
前記二つの支持板それぞれは前記第2方向に沿った前記第2支持面の両側端部に位置する二つの第2突出部を含み、
前記二つの第2突出部と前記複数のリンク部材が含む複数の第1突出部とは、前記回動軸を有する回動結合部によって相互結合されることを特徴とする請求項に記載のフォールダブル表示装置。
【請求項8】
広げた状態で、二つの前記第2支持面は前記複数の第1支持面と並んでいることを特徴とする請求項に記載のフォールダブル表示装置。
【請求項9】
フォールディング状態で、前記複数の第1支持面は、二つの前記第2支持面を連結する仮想円弧の内側に位置することを特徴とする請求項に記載のフォールダブル表示装置。
【請求項10】
前記二つの第2突出部は、前記表示パネルの両側外側に互いに対向して位置し、
前記複数の第1突出部は、前記表示パネルの両側外側に互いに対向して位置することを特徴とする請求項に記載のフォールダブル表示装置。
【請求項11】
前記第1突出部の上面と前記第2突出部の上面は、前記第2面から前記第1面に向かう方向に沿って前記第1面から離隔されていることを特徴とする請求項に記載のフォールダブル表示装置。
【請求項12】
前記パネル支持部は中央支持板をさらに含み、
前記複数のリンク部材は、前記第1方向に沿った前記中央支持板の両側に位置することを特徴とする請求項に記載のフォールダブル表示装置。
【請求項13】
前記中央支持板は、前記表示パネルと向き合う第3支持面と、前記第2方向に沿った前記第3支持面の両側端部に位置する二つの第3突出部とを含み、
前記二つの第3突出部と前記複数の第1突出部とは、前記回動軸を有する回動結合部によって相互結合されることを特徴とする請求項12に記載のフォールダブル表示装置。
【請求項14】
広げた状態で、前記第3支持面は前記複数の第1支持面と並び、
フォールディング状態で、前記複数の第1支持面のうち前記第3支持面と接する前記第1支持面の周縁は、前記第3支持面から前記ベンディング可能領域の曲率中心に向かって離隔されることを特徴とする請求項13に記載のフォールダブル表示装置。
【請求項15】
フォールディング状態で、前記複数の第1支持面は、前記第2支持面と前記第3支持面とを連結する仮想円弧の内側に位置することを特徴とする請求項14に記載のフォールダブル表示装置。
【請求項16】
前記複数の第1支持面それぞれは中央面と、前記第1方向に沿った前記中央面の両側に位置する二つの面取り面とを含むことを特徴とする請求項4または12に記載のフォールダブル表示装置。
【請求項17】
前記二つの面取り面は、互いに同じ幅と互いに同じ面取り角を有することを特徴とする請求項16に記載のフォールダブル表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォールダブル表示装置に関し、より詳しくは、表示パネルに結合されたパネル支持部の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
可撓性(flexible)表示パネルは、可撓性基板と、可撓性基板上に配置された表示部とを含み、容易に曲がる性質を有する。最近、可撓性表示パネルを利用して画面を曲げたり半分に折ったりすることができるフォールダブル(foldable、折りたたみ式)表示装置が開発されている。
【0003】
フォールダブル表示装置は、可撓性表示パネルと、可撓性表示パネルに結合されたパネル支持部とを含む。パネル支持部は、可撓性表示パネルと共にフォールディング動作が行われる構造を有する。パネル支持部は、可撓性表示パネルを安定的に支持しなければならないし、またフォールディング状態で可撓性表示パネルを変形させてはならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来のフォールダブル表示装置における問題点に鑑みてなされたものであって、フォールディング状態で可撓性表示パネルが受けるストレスを最小化することができるフォールダブル表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によるフォールダブル表示装置は、表示部が位置する第1面と、前記第1面と反対側に位置する第2面とを備え、ベンディング可能領域及び前記ベンディング可能領域の両側に位置する二つの平坦領域を含む表示パネルと、前記第2面と対向し前記表示パネルに結合されたパネル支持部とを有し、前記パネル支持部は、前記ベンディング可能領域に対応して第1方向に沿って並んで配列され、それぞれ前記表示パネルと向き合う第1支持面を備え、それぞれ二つの回動軸を中心に回動可能に結合された複数のリンク部材と、前記二つの平坦領域に対応し、それぞれ前記表示パネルと対向する第2支持面を含む二つの支持板とを含み、前記複数のリンク部材それぞれの前記二つの回動軸は、前記第2面から前記第1面に向かう方向に沿って前記第1支持面と離隔されており、前記フォールダブル表示装置がフォールディング(folding)状態で、前記複数のリンク部材のうち、前記支持板に隣接したリンク部材の第1支持面の周縁は、前記第2支持面から第1距離と第2距離の差だけ、前記ベンディング可能領域の曲率中心に向かう方向に離隔して位置し、前記第1距離は、前記リンク部材の前記支持板に隣接した回動軸と前記第1支持面との間の距離であり、前記第2距離は、前記リンク部材の前記支持板に隣接した回動軸と前記第2支持面との間の距離であることを特徴とする。
【0006】
複数のリンク部材が備える複数の第1支持面は広げた状態で互いに離隔し、複数のリンク部材それぞれの二つの回動軸の間の距離は、第1支持面の幅より大きいこともある。
複数のリンク部材それぞれは、第1支持面の第1方向に沿った両側端部の下方に位置し第1支持面と連結される二つの下部傾斜面と、第1方向と交差する第2方向に沿った第1支持面の両側端部に位置する二つの第1突出部とをさらに含んでもよい。
【0007】
二つの第1突出部それぞれは、断面上で二つの下部傾斜面と同一平面上に位置する二つの上部傾斜面を含んでもよく、二つの回動軸は二つの上部傾斜面の上側端部に位置することができる。
【0008】
二つの第1突出部それぞれは、二つの上部傾斜面上に位置する二つの垂直面をさらに含んでもよく、広げた状態で、二つの垂直面は、第1方向に沿って隣接する第1突出部に含まれる垂直面と接触することができる。
【0009】
フォールディング状態で、複数の第1支持面は互いに連結されてもよく、二つの下部傾斜面は隣接するリンク部材の下部傾斜面に密着することができ、ベンディング可能領域は円弧形状にベンディングされてもよい。
【0010】
二つの支持板それぞれは第2方向に沿った第2支持面の両側端部に位置する二つの第2突出部を含んでもよい。二つの第2突出部と複数のリンク部材に含まれる複数の第1突出部は回動軸を有する回動結合部によって相互結合してもよい。
広げた状態で、二つの第2支持面は複数の第1支持面と並んでいてもよい。
【0011】
フォールディング状態で、複数の第1支持面は二つの第2支持面を連結する仮想円弧の内側に位置することができる。
二つの第2突出部は表示パネルの両側外側に互いに対向して位置することができ、複数の第1突出部は表示パネルの両側外側に互いに対向して位置することができる。
第1突出部の上面と第2突出部の上面は、第2面から第1面に向かう方向に沿って第1面から離隔できる。
【0012】
複数の第1支持面それぞれは中央面と、中央面の両側に位置する二つの面取り面を含んでもよい。
二つの面取り面は互いに同じ幅と互いに同じ面取り角を有してもよい。
パネル支持部は中央支持板をさらに含んでもよく、複数のリンク部材は第1方向に沿った中央支持板の両側に位置することができる。
【0013】
中央支持板は表示パネルと向き合う第3支持面と、第2方向に沿った第3支持面の両側端部に位置する二つの第3突出部とを含んでもよい。二つの第3突出部と複数の第1突出部とは回動軸を有する回動結合部によって相互結合してもよい。
広げた状態で、第3支持面は複数の第1支持面と並ぶことができ、フォールディング状態で、複数の第1支持面のうち第3支持面と接する第1支持面の周縁は第3支持面からベンディング可能領域の曲率中心に向かって離隔できる。
【0014】
フォールディング状態で、複数の第1支持面は第2支持面と第3支持面を連結する仮想円弧の内側に位置することができる。
複数の第1支持面それぞれは中央面と、第1方向に沿った中央面の両側に位置する二つの面取り面を含んでもよい。
二つの面取り面は互いに同じ幅と互いに同じ面取り角を有してもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の実施形態によれば、フォールディング状態で複数のリンク部材は表示パネルの変形を最少化し、表示パネルの破損の可能性を低くする。また、パネル支持部の第1突出部と第2突出部は表示パネルの保護装置として機能し、外部衝撃による表示パネルの破損を抑制する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態によるフォールダブル表示装置の広げた状態を示す分解斜視図である。
図2図1のII-II線に沿って切断したフォールダブル表示装置の結合状態断面図である。
図3図2の部分拡大図である。
図4図3に示す回動結合部の例を示す断面図である。
図5図2に示すフォールダブル表示装置のフォールディング状態を示す断面図である。
図6図5の部分拡大図である。
図7図6の部分拡大図である。
図8】比較例によるフォールダブル表示装置の広げた状態を示す部分拡大断面図である。
図9図8に示すフォールダブル表示装置のフォールディング状態を示す部分拡大断面図である。
図10】本発明の第2実施形態によるフォールダブル表示装置の広げた状態を示す部分拡大断面図である。
図11図10に示すフォールダブル表示装置のフォールディング状態を示す図である。
図12】本発明の第3実施形態によるフォールダブル表示装置の広げた状態を示す断面図である。
図13図12に示したフォールダブル表示装置のフォールディング状態を示す部分拡大図である。
図14】本発明の第4実施形態によるフォールダブル表示装置のフォールディング状態を示す部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明に係るフォールダブル表示装置を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明は様々な相異な形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付与する。
【0019】
図面に示す各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示すもので、本発明が必ずしも図示するところに限定されるものではない。図面では様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示す。そして図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示す。
層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“上に”または“上に”あるというとき、これは他の部分の“直上に”ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の“直上”にあるというときは、その中間に他の部分がないことを意味する。
【0020】
また、基準となる部分“の上に”にまたは“上に”あるというのは基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力と反対方向に向かって“の上に”または“上に”位置することを意味するのではない。
明細書全体で、ある部分がある構成要素を“含む”というとき、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
また、明細書全体で、“平面上”というとき、これは対象部分を上方から見た時を意味し、“断面上”というとき、これは対象部分を垂直に切断した断面を側方から見た時を意味する。
【0021】
図1は、本発明の第1実施形態によるフォールダブル表示装置の広げた状態を示す分解斜視図である。図2は、図1のII-II線に沿って切断したフォールダブル表示装置の結合状態断面図であり、図3は、図2の部分拡大図である。
図1乃至図3を参照すると、第1実施形態のフォールダブル表示装置100は、表示パネル10と、表示パネル10に結合して表示パネル10を支持するパネル支持部20とを含む。
【0022】
表示パネル10は、可撓性基板11と、可撓性基板11上に位置する表示部12とを含む。表示パネル10は、例えば有機発光表示パネル、液晶表示パネル、電気泳動表示パネルのうちのいずれか一つでありうる。
表示パネル10は、表示部12が位置する第1面S10と、第1面S10と反対になる第2面S20とを含む。第1面S10は表示面であり、第2面S20は表示面または非表示面でありうる。図1を基準にして表示パネル10の上面が第1面S10となり、表示パネル10の下面が第2面S20となる。
【0023】
表示パネル10は、平坦領域FAとベンディング可能領域BAとに区分される。例えば、表示パネル10は、中央に位置するベンディング可能領域BAと、ベンディング可能領域BAの両側に位置する二つの平坦領域FAとに区分される。第1方向DR1に沿う二つの平坦領域FAの長さは同一であっても互いに異なってもよい。
【0024】
パネル支持部20は、表示パネル10の第2面S20と対向し表示パネル10に結合される。パネル支持部20は、二つの平坦領域FAに対応する二つの支持板30と、ベンディング可能領域BAに対応する複数のリンク部材40とを含んでもよい。
複数のリンク部材40は、第1方向DR1に沿って並んで配列され、複数のリンク部材40それぞれは第1方向DR1と交差する第2方向DR2に沿って延長された棒形状であってもよい。断面上で観察される複数のリンク部材40それぞれの垂直幅a1(図3参照)は支持板30の垂直幅a2(図3参照)より小さくてもよい。
【0025】
複数のリンク部材40それぞれは表示パネル10と向き合う第1支持面41を備え、二つの支持板30それぞれは表示パネル10と向き合う第2支持面31を備える。表示パネル10のベンディング可能領域BAは複数の第1支持面41上に位置し、平坦領域FAは二つの第2支持面31上に位置する。広げた状態で複数の第1支持面41と二つの第2支持面31は第1方向DR1に沿って並んで、同じ高さに位置する。
【0026】
表示パネル10の平坦領域FAは図示しない粘着層によって支持板30の第2支持面31に取り付けられる。一方、表示パネル10のベンディング可能領域BAは複数のリンク部材40に取り付けられない。つまり、表示パネル10の平坦領域FAは第2支持面31に固定されるが、ベンディング可能領域BAは複数の第1支持面41と接触したり複数の第1支持面41からわずかに離れたりしている状態を維持できる。
【0027】
複数のリンク部材40それぞれは、第2方向DR2に沿った両側端部の上方に突出した第1突出部42を含んでもよい。支持板30は、第2方向DR2に沿った両側端部の上方に突出した第2突出部32を含んでもよい。第1突出部42および第2突出部32は表示パネル10と重畳されず、表示パネル10の両側外側に位置することができる。
ここで、‘上方に突出した’とは、図面を基準にして正(+)の第3方向に沿って突出したことを意味し、これは表示パネル10の第2面S20から第1面S10に向かう方向に沿って突出したのと同じ意味である。
【0028】
複数の第1突出部42と二つの第2突出部32は複数の回動結合部50によって相互結合する。複数の回動結合部50それぞれは回動軸51を有し、複数のリンク部材40それぞれは第1突出部42に位置する二つの回動軸51を中心に回動することができる。回動結合部50は、例えばヒンジ軸を有するヒンジ組立体で構成してもよい。この場合、回動軸51はヒンジ軸からなる。
【0029】
図4は、図3に示す回動結合部の例を示す断面図である。
図4を参照すると、回動結合部50はいずれか一つの第1突出部42に連結された第1リンクアーム52と、他の一つの第1突出部42に連結された第2リンクアーム53と、第1リンクアーム52と第2リンクアーム53とを貫通してこの二つをヒンジ結合させる回動軸51を含む。回動結合部50は示した例に限られない。
【0030】
図1乃至図3を再び参照すると、複数のリンク部材40それぞれは第1支持面41の下に位置する二つの下部傾斜面43を含む。複数の第1突出部42それぞれは、二つの上部傾斜面44を含む。上部傾斜面44は下部傾斜面43と同じ傾きを有し、断面上で下部傾斜面43と同一平面上に位置することができる。
【0031】
回動軸51と回動結合部50は上部傾斜面44の上側端部に位置することができる。二つの回動軸51は第1支持面41より高く位置し、正(+)の第3方向(広げた状態で第2面S20から第1面S10に向かう方向と一致)に沿って第1支持面41から所定の離隔距離G1(図3参照)を有する。
第1支持面41に対する回動軸51の離隔距離G1は表示パネル10の厚さより大きい。したがって、二つの回動軸51は表示パネル10の第1面S10より高く位置し、正(+)の第3方向DR3に沿って第1面S10から所定の離隔距離G2を有する。
【0032】
また、それぞれのリンク部材40で二つの回動軸51の間の距離D(図3参照)は第1支持面41の幅W(図3参照)より大きい。複数の第1突出部42それぞれは、二つの上部傾斜面44上で上部傾斜面44と連結された二つの垂直面45を含む。
広げた状態で、垂直面45は隣接する第1突出部42の垂直面45と接触し、上部傾斜面44は隣接する第1突出部42の上部傾斜面44と離隔する。複数の第1支持面41は互いに離隔し、下部傾斜面43は隣り合うリンク部材40の下部傾斜面43と離隔する。
広げた状態で、複数のリンク部材40のうち最外郭に位置するリンク部材40の第1支持面41は支持板30の第2支持面31と離隔し、最外郭に位置する上部傾斜面44と下部傾斜面43は支持板30の内面と離隔する。
【0033】
図5は、図2に示すフォールダブル表示装置のフォールディング状態を示す断面図である。図6は、図5の部分拡大図であり、図7は、図6の部分拡大図である。
図5乃至図7を参照すると、第1実施形態のフォールダブル表示装置100は複数のリンク部材40が回動軸51を中心に回動し、表示パネル10のベンディング可能領域BAが円弧形状に曲がりながらフォールディング状態に転換される。図5には、6つのリンク部材40が密着して断面上に半円を構成し、表示パネル10のベンディング可能領域BAが180゜にベンディングされた場合を示している。
【0034】
フォールディング状態で、複数の第1支持面41は互いに連結され、複数のリンク部材40は下部傾斜面43同士が接触し、最外郭のリンク部材40の下部傾斜面43は支持板30の内面と接触する。複数の第1突出部42は上部傾斜面44同士が接触し、最外郭の第1突出部42の上部傾斜面44は支持板30の内面と接触する。
反面、フォールディング状態で隣り合う二つの垂直面45は回動軸51を中心として広がり、最外郭の第1突出部42の垂直面45は支持板30の内面から離隔される。複数のリンク部材40で下部傾斜面43の角度は、フォールディング状態で複数のリンク部材40が互いに密着して半円を構成できるように設定される。
【0035】
複数のリンク部材40それぞれで二つの回動軸51が第1支持面41より高く位置することによって、フォールディング状態で最外郭のリンク部材40の第1支持面41の周縁は支持板30の第2支持面31からベンディング可能領域BAの曲率中心Cに向かって所定の離隔距離G3(図7参照)を有する。つまり、フォールディング状態で第1支持面41の周縁は第2支持面31の周縁と接せず、第2支持面31の周縁よりベンディング可能領域BAの曲率中心Cにさらに近く位置する。
【0036】
支持板30と最外郭のリンク部材40を連結する回動軸51において、回動軸51と第1支持面41の間の距離D1(図7参照)は、回動軸51と第2支持面31の間の距離D2(図7参照)より大きい。このような距離D1と距離D2の差がフォールディング状態で前述した離隔距離G3として現れる。
また、広げた状態で複数の第1支持面41は互いに離隔して位置する。これは、複数の第1支持面41の長さの和が広げた状態で二つの第2支持面31を連結する仮想線の長さより短いことを意味する。したがって、フォールディング状態で互いに接する複数の第1支持面41は、二つの第2支持面31を連結する仮想円弧ISC(図6参照)の内側に位置することができる。
【0037】
例えば、隣り合う二つの第1支持面41が接する複数の地点のうちの少なくとも一つの地点は仮想円弧ISC上に位置でき、第1支持面41の残りの部分は、仮想円弧ISCと距離をおいて仮想円弧ISCの内側に位置することができる。フォールディング状態でベンディング可能領域BAの第2面S20は、仮想円弧ISC上に位置することができる。
このように複数のリンク部材40は前述した回動軸51と第1支持面41の高さの差によって、フォールディング状態でベンディング可能領域BAの第2面S20から内側に(仮想円弧ISCまたはベンディング可能領域BAの曲率中心Cに向かう方向に)押し出されて位置する。したがって、複数のリンク部材40は、フォールディング状態で表示パネル10の変形を最少化して表示パネル10の不良発生を抑制することができる。
【0038】
図8は、比較例によるフォールダブル表示装置の広げた状態を示す部分拡大断面図であり、図9は、図8に示すフォールダブル表示装置のフォールディング状態を示す部分拡大断面図である。
図8および図9を参照すると、複数のリンク部材401は回動軸51を有する複数の回動結合部50によって相互結合され、複数のリンク部材401それぞれは、二つの回動軸51を中心に回動することができる。広げた状態で、二つの回動軸51は表示パネル10と向き合う第1支持面411および第2支持面311と同じ高さに位置する。
【0039】
この場合、フォールディング状態で隣り合う二つの第1支持面411が接する複数の地点P1、P2(図9参照)は、二つの第2支持面311を連結する仮想円弧ISCの外側に位置する。したがって、複数のリンク部材401は隣り合う二つの第1支持面411が接する複数の地点P1、P2で表示パネル10を仮想円弧ISCの曲率中心Cから遠くなる方向に押して変形させる。
【0040】
表示パネル10のベンディング可能領域BAはフォールディング状態で全体的に180゜曲がりながら変形が発生するが、隣り合う二つの第1支持面411が接する複数の地点P1、P2に対応して応力が他のところより大きく発生する。このような現象は、表示パネル10を構成する多層膜のうちの変形量に敏感な層が破損する確率を高める。
【0041】
例えば、表示パネル10は可撓性基板、表示部、密封層、タッチセンサ部、偏光フィルム、カバーウィンドウなどの多層膜で構成される。この時、カバーウィンドウのハードコーティング層や表示部の無機絶縁膜などは脆性的性質を有し、引張変形によって破損する確率が高い。したがって、比較例のフォールダブル表示装置は、フォールディング状態で急激な応力上昇によって表示パネル10の特定層が破損する可能性が大きい。
反面、第1実施形態のフォールダブル表示装置100は、前述した回動軸51と第1支持面41の高さの差によって、フォールディング状態で複数のリンク部材40が表示パネル10を押して変形させる量を最少化し、表示パネル10の破損の可能性を低くして製品の耐久性を高めることができる。
【0042】
また、第1実施形態のフォールダブル表示装置100で第1突出部42と第2突出部32の上面は、表示パネル10の第1面S10より高く位置する。つまり、広げた状態で第1突出部42と第2突出部32の上面は、正(+)の第3方向DR3に沿って表示パネル10の第1面S10から離隔距離G4(図2および図3参照)を有する。
フォールダブル表示装置100に落下衝撃のような外部衝撃が加わる場合、表示パネル10より上に突出した第1突出部42と第2突出部32に外部衝撃がまず加わることができる。この場合、第1突出部42および第2突出部32は、表示パネル10の保護装置として機能し、外部衝撃による表示パネル10の破損を抑制することができる。
【0043】
図10は、本発明の第2実施形態によるフォールダブル表示装置の広げた状態を示す部分拡大断面図であり、図11は、図10に示すフォールダブル表示装置のフォールディング状態を示す図である。
図10および図11を参照すると、第2実施形態のフォールダブル表示装置200で複数の第1支持面41それぞれは、両側周縁に位置する二つの面取り面41bを含む。
【0044】
具体的に、複数の第1支持面41それぞれは、広げた状態で第1方向DR1と並んだ中央面41aと、中央面41aの両側に位置する二つの面取り面41bを含むことができる。二つの面取り面41bの幅は互いに同じであってもよく、二つの面取り面41bの面取り角も互いに同一であってもよい。この場合、複数の第1支持面41それぞれは左右対称をなす。
【0045】
複数の第1支持面41それぞれが二つの面取り面41bを含むことによって、フォールディング状態で隣り合う二つの第1支持面41が接する複数の地点は、前述した第1実施形態の場合よりベンディング可能領域BAの曲率中心Cにさらに近く位置する。
つまり、第1実施形態の場合、フォールディング状態で隣り合う二つの第1支持面41はP3地点(図11参照)で接する。しかし、第2実施形態の場合、フォールディング状態で隣り合う二つの第1支持面41はP4地点(図11参照)で接する。P4地点はP3地点よりベンディング可能領域BAの曲率中心Cにさらに近く位置する。
【0046】
第2実施形態のフォールダブル表示装置200は、P3地点とP4地点との間の距離G5(図11参照)ほどリンク部材40の第1支持面41を表示パネル10から離隔させることができる。したがって、複数のリンク部材40はフォールディング状態で表示パネル10に実質的な変形を加えず、表示パネル10の応力発生を最少化できる。
第2実施形態のフォールダブル表示装置200は、複数のリンク部材40それぞれの第1支持面41が二つの面取り面41bを含むのを除いて、前述した第1実施形態と同一または類似の構成からなる。
【0047】
図12は、本発明の第3実施形態によるフォールダブル表示装置の広げた状態を示す断面図であり、図13は、図12に示したフォールダブル表示装置のフォールディング状態を示す部分拡大図である。
図12および図13を参照すると、第3実施形態のフォールダブル表示装置300でパネル支持部20は複数のリンク部材40の間に位置する中央支持板60を含む。中央支持板60はパネル支持部20の中央に位置し、複数のリンク部材40と二つの支持板30は、中央支持板60を中央に置いて左右対称に配置することができる。
【0048】
中央支持板60は表示パネル10と向き合う第3支持面61を含み、第2方向DR2に沿った両側端部の上方に突出した第3突出部62を含む。
複数の第1突出部42と二つの第2突出部32、および一つの第3突出部62は複数の回動結合部50によって相互結合する。複数の回動結合部50それぞれは回動軸51を有し、複数のリンク部材40それぞれは、第1突出部42に位置する二つの回動軸51を中心に回動することができる。
【0049】
フォールディング状態で、複数のリンク部材40は下部傾斜面43が互いに接するように密着し、複数の第1支持面41は支持板30と中央支持板60の間で90゜の円弧に対応する。表示パネル10は、中央支持板60および二つの支持板30に対応する三つの平坦領域FAと、複数のリンク部材40に対応する二つのベンディング可能領域BAとに区分される。
第3実施形態のフォールダブル表示装置300は、複数のリンク部材40の間に中央支持板60が位置するのを除いて、前述した第1実施形態と同一または類似の構成からなる。
【0050】
図14は、本発明の第4実施形態によるフォールダブル表示装置のフォールディング状態を示す部分拡大断面図である。
図14を参照すると、第4実施形態のフォールダブル表示装置400で複数の第1支持面41それぞれは、両側周縁に位置する二つの面取り面41bを含む。つまり、複数の第1支持面41それぞれは、広げた状態で第1方向DR1と並んだ中央面41aと、中央面41aの両側に位置する二つの面取り面41bとを含む。
【0051】
面取り面41bの作用については、前述した第2実施形態で説明したものと同様である。第4実施形態のフォールダブル表示装置400は、複数の第1支持面41それぞれが二つの面取り面41bを含むのを除いて、前述した第3実施形態と同一または類似の構成からなる。
【0052】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明および添付した図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属することは言うまでもない。
【符号の説明】
【0053】
10 表示パネル
11 可撓性基板
12 表示部
20 パネル支持部
30 支持板
31、41、61 (第2、第1、第3)支持面
32、42、62 (第2、第1、第3)突出部
40、401 リンク部材
43 下部傾斜面
44 上部傾斜面
45 垂直面
50 回動結合部
51 回動軸
52、53 (第1、第2)リンクアーム
60 中央支持板
100、200、300、400 フォールダブル表示装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14