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  • 特許-研磨機用集塵装置及び研磨システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-28
(45)【発行日】2022-04-05
(54)【発明の名称】研磨機用集塵装置及び研磨システム
(51)【国際特許分類】
   B24B 55/06 20060101AFI20220329BHJP
   B24B 29/00 20060101ALI20220329BHJP
【FI】
B24B55/06
B24B29/00 J
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018063290
(22)【出願日】2018-03-28
(65)【公開番号】P2019171525
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2020-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000207816
【氏名又は名称】大豊精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000969
【氏名又は名称】特許業務法人中部国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100081776
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100120994
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100174713
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧川 彰人
(72)【発明者】
【氏名】浦川 隆幸
【審査官】山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-082644(JP,U)
【文献】実開昭54-038376(JP,U)
【文献】特開平04-105867(JP,A)
【文献】実開昭47-029893(JP,U)
【文献】実開昭56-121527(JP,U)
【文献】実開昭56-137909(JP,U)
【文献】米国特許第05228244(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 55/06
B24B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状のハウジング内に収容されて回転する研磨部をワークに接触させて研磨する研磨機に用いる集塵装置であって、
前記ハウジングの外周側で前記研磨部に近接して集塵口が配置される集塵領域を有し、前記ワークの研磨によって発生する粉塵を前記集塵口からエアの吸引により収集する集塵部と、
前記研磨部及び前記集塵領域を包括する領域の外周の少なくとも一部を囲んでエア噴出口が配置されるエア噴出領域を有し、前記エア噴出口から前記ワークに向かってエアを吹き付けるエアブロー部と、
を備え、
前記集塵領域は、前記研磨部の外周をその一部を除いて囲む馬蹄形状に設けられ、
前記エア噴出領域は、前記集塵領域の外周に沿って馬蹄形状に設けられ、
前記集塵領域及び前記エア噴出領域の前記馬蹄形状は、周方向における前記集塵装置の進行方向側に切り欠きが設けられる、研磨機用集塵装置。
【請求項2】
前記エア噴出口は、エア噴出方向に向かって前記研磨部及び前記集塵領域を包括する前記領域の内周側へ傾斜したエア通路を有する請求項1に記載の研磨機用集塵装置。
【請求項3】
内部空間が前記集塵口に連通する集塵側エア通路と前記エア噴出口に連通するブロー側エア通路とに区画され、前記集塵領域と前記エア噴出領域とが一体的に設けられたノズル部材を備える請求項1又は2に記載の研磨機用集塵装置。
【請求項4】
回転する研磨部をワークに接触させて研磨する研磨機と、
請求項1乃至のいずれか一項に記載の研磨機用集塵装置と、
を備える研磨システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転する研磨部をワークに接触させて研磨する研磨機に用いる研磨機用集塵装置及び研磨システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、樹脂成形品の表面仕上げは、研磨機を使用して、回転する研磨ブラシ等の研磨材を仕上げ前の樹脂成形品の表面に接触させて研磨することにより行われている。
【0003】
このような研磨機では、回転する研磨材によってワークとしての樹脂成形品を研磨する際に粉塵が発生するため、随時集塵して粉塵の飛散を防止する集塵装置を備えた研磨システムが提案されている(例えば特許文献1等参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の研磨システムにおいては、集塵装置に設けられた集塵用のフードをワーク表面に近づけ過ぎると、研磨材を移動させながら研磨する際にワーク表面の凹凸にフードが干渉して移動の妨げとなり、逆にワーク表面から遠ざけ過ぎると集塵力が低下して効率的に集塵できないという課題がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、ワーク表面の凹凸に干渉することなく粉塵の周囲への飛散を防止して効率的に集塵可能な研磨機用集塵装置及び研磨システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の研磨機用集塵装置は、円筒状のハウジング内に収容されて回転する研磨部をワークに接触させて研磨する研磨機に用いる集塵装置であって、前記ハウジングの外周側で前記研磨部に近接して集塵口が配置される集塵領域を有し、前記ワークの研磨によって発生する粉塵を前記集塵口からエアの吸引により収集する集塵部と、前記研磨部及び前記集塵領域を包括する領域の外周の少なくとも一部を囲んでエア噴出口が配置されるエア噴出領域を有し、前記エア噴出口から前記ワークに向かってエアを吹き付けるエアブロー部と、を備え、前記集塵領域は、前記研磨部の外周をその一部を除いて囲む馬蹄形状に設けられ、前記エア噴出領域は、前記集塵領域の外周に沿って馬蹄形状に設けられ、前記集塵領域及び前記エア噴出領域の前記馬蹄形状は、周方向における前記集塵装置の進行方向側に切り欠きが設けられる。
【0008】
本発明の研磨システムは、回転する研磨部をワークに接触させて研磨する研磨機と、上述した研磨機用集塵装置と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の研磨機用集塵装置によれば、ワーク表面の凹凸に干渉することなく粉塵の周囲への飛散を防止して効率的に集塵することができるという効果を奏する。
【0010】
本発明の研磨システムによれば、研磨機によりワークの研磨を実行するのと同時に、研磨機用集塵装置によりワーク表面の凹凸に干渉することなく粉塵の周囲への飛散を防止して効率的に集塵することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態の研磨システムを示す全体構成図である。
図2】実施形態の研磨システムを示す斜視図である。
図3】実施形態の研磨システムを示す縦断面図である。
図4】実施形態の研磨システムを示す底面図である。
図5】変形例の研磨システムを示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態の研磨システムSは、図1乃至図4に示すように、研磨機100と、集塵装置1とを備えて構成される。
【0013】
研磨機100は、研磨部としての研磨ブラシ101をワークWに接触させて研磨する公知の装置であって、円筒状の基台に多数のブラシ毛を取り付けてなる研磨ブラシ101と、研磨ブラシ101の中心に連結された回転軸102と、回転軸102を回転駆動するモータや減速機からなる駆動部103と、研磨ブラシ101を収容するハウジング104とを備えて構成される。ワークWは、例えば、表面に凹凸のある成形後仕上げ加工前の樹脂成形品などである。ワークWの研磨は、回転軸102の軸線をワークWの被研磨面の法線方向に対して所定範囲内の角度に保持し、研磨ブラシ101の先端側をワークWの被研磨面に当接させた状態で回転させることにより行われる。
【0014】
集塵装置1は、研磨機100によるワークWの研磨により発生する粉塵を収集する装置であって、エアブロー付き集塵ノズルNと、集塵パイプ30と、集塵機40と、ブローパイプ50と、エアブロー機60とを備えて構成される。
【0015】
エアブロー付き集塵ノズルNは、集塵とエアブローの両作用を発揮するために研磨機100に装着されるノズルである。エアブロー付き集塵ノズルNは、内部が集塵側エア通路11とブロー側エア通路21とに区画された中空の容器状に形成され、円筒部N1と、馬蹄形部N2とを備えている。
【0016】
円筒部N1は、有底円筒状を呈する部分であって、集塵側エア通路11に連通して上端にて開口する集塵機連結口12が設けられている。集塵機連結口12には、集塵パイプ30の一端が連結される。
【0017】
馬蹄形部N2は、円筒部N1側面から平面視馬蹄形状に延設された部分である。エアブロー付き集塵ノズルNは、馬蹄形部N2をハウジング104の外周に嵌めることにより研磨機100に装着される。馬蹄形部N2内周側の内部空間は、円筒部N1の集塵側エア通路11に連通している。馬蹄形部N2内周寄りの下端には、図4に示すように、馬蹄形状に沿って連続的に開口する1つの集塵口13aが形成され、この集塵口13aが配置される馬蹄形状の領域が集塵領域13となっている。
【0018】
馬蹄形部N2外周側の内部空間は、円筒部N1のブロー側エア通路21に連通している。馬蹄形部N2の外側面には外側へ突出して開口する2つのエアブロー機連結口22が設けられている。馬蹄形部N2外周よりの下端には、図4に示すように、馬蹄形に沿って複数の丸穴のエア噴出口23aが間隔を空けて開口し、これらエア噴出口23aが配置される馬蹄形状の領域がエア噴出領域23となっている。換言すれば、エア噴出領域23は、研磨ブラシ101及び集塵領域13を包括する領域R(図4で破線にて示す)の外周の少なくとも一部を囲んで配置される。各エア噴出口23aは、エア通路を形成する内壁がエア噴出方向である開口先端に向かって、研磨ブラシ101及び集塵領域13を包括する領域Rの内周側(馬蹄形内周側)へ傾斜している。エアブロー機連結口22には、ブローパイプ50の一端が連結される。
【0019】
集塵パイプ30は、エアブロー付き集塵ノズルNの集塵口13aから吸い込んだ粉塵を集塵機40へ送るためのパイプ部材であって、一端が集塵機連結口12に連結され、他端が集塵機40にそれぞれ連結される。
【0020】
集塵機40は、エアの吸引により粉塵を収集する公知の集塵装置であって、エアブロー付き集塵ノズルNの集塵口13aから吸い込んだ粉塵を、集塵機連結口12から集塵パイプ30を経由して収集する。
【0021】
2本のブローパイプ50は、エアブロー付き集塵ノズルNのエア噴出口23aに向かってエアを送るためのパイプ部材であって、一端がエアブロー機連結口22に連結され、他端がエアブロー機60にそれぞれ連結される。
【0022】
エアブロー機60は、圧縮エアを噴出する公知のエアブロー装置であって、圧縮エアをブローパイプ50へ送出し、エアブロー付き集塵ノズルNのエアブロー機連結口22を経由して各エア噴出口23aから噴出させる。
【0023】
尚、集塵機40と、集塵パイプ30と、エアブロー付き集塵ノズルNにおいて集塵機連結口12から集塵口13aに至る集塵側エア通路11及び集塵口13aが設けられる集塵領域13とによって、本発明の集塵部10が構成される。また、エアブロー機60と、ブローパイプ50と、エアブロー付き集塵ノズルNにおいてエアブロー機連結口22から各エア噴出口23aに至るブロー側エア通路21及び各エア噴出口23aが設けられるエア噴出領域23とによって、本発明のエアブロー部20が構成される。
【0024】
次に、研磨システムSを用いてワークWの研磨加工を行う際の各部の作用について説明する。研磨システムSの運転を開始すると、研磨機100において駆動部103が回転を開始し、回転軸102を介して研磨ブラシ101を回転させる。一方、集塵装置1において、集塵機40がエアの吸引を開始すると共に、エアブロー機60がエアの噴出を開始する。
【0025】
作業者が研磨ブラシ101を研磨対象のワークWの被研磨面に位置決めして接触させると、回転する研磨ブラシ101によってワークWの表面が研磨される。研磨によって発生する粉塵は、研磨ブラシ101の周囲に馬蹄形状に形成された集塵口13aから吸い込まれ、集塵パイプ30内を通って集塵機40により収集される。また、研磨ブラシ101の回転によって外周方向へ飛ばされた粉塵は、集塵口13aの外周側に配置された複数のエア噴出口23aから噴出されるエアによってワークWとの間にエアカーテンが形成されて周囲への飛散が阻止され、更にエア噴出口23aからの内周向きのエアの流れにより集塵領域13へ流動して集塵口13aから吸い込まれる。
【0026】
尚、馬蹄形部N2の周方向において切り欠きN2K側では、集塵口13aが存在しないため集塵されずにワークW表面上に粉塵が一時的に残るが、切り欠きN2K側を進行方向としてワークWに対して相対移動させると、集塵口13aがワークW表面上の粉塵に近づいていくことで最終的に集塵される。
【0027】
以上詳述したことから明らかなように、本実施形態の集塵装置1は、回転する研磨部としての研磨ブラシ101をワークWに接触させて研磨する研磨機100に用いる集塵装置であって、研磨ブラシ101に近接して集塵口13aが配置される集塵領域13を有し、ワークWの研磨によって発生する粉塵を集塵口13aからエアの吸引により収集する集塵部10と、研磨ブラシ101及び集塵領域13を包括する領域Rの外周の少なくとも一部を囲んで複数のエア噴出口23aが配置されるエア噴出領域23を有し、各エア噴出口23aからワークWに向かってエアを吹き付けるエアブロー部20と、を備える。
【0028】
この構成によれば、集塵部10において、回転する研磨ブラシ101によるワークWの研磨によって発生する粉塵を、研磨ブラシ101に近接して配置される集塵領域13の集塵口13aからエアの吸引により収集する。一方、エアブロー部20において、研磨ブラシ101及び集塵領域13を包括する領域Rの周囲の少なくとも一部を囲んで配置されるエア噴出領域23の各エア噴出口23aからワークWに向かってエアを吹き付けることによってエアカーテンが形成され、粉塵の周囲への飛散が防止される。
【0029】
よって、ワークW表面の凹凸に干渉することなく粉塵の周囲への飛散を防止して効率的に集塵することができる。
【0030】
また、集塵領域13は、研磨ブラシ101の外周の少なくとも一部を囲んで設けられ、エア噴出領域23は、集塵領域13の外周に沿って設けられている。
【0031】
この構成によれば、回転する研磨ブラシ101から周囲に広がる粉塵を、研磨ブラシ101の外周の少なくとも一部を囲んで設けられる集塵領域13の集塵口13aで効率的に集塵することができる。また、集塵領域13の外周に沿って設けられるエア噴出領域23の各エア噴出口23aから噴出されるエアによって形成されたエアカーテンが、研磨ブラシ101及び集塵領域13の外周を囲うことで粉塵の周囲への飛散を防止することができる。
【0032】
特に、集塵領域13は、研磨ブラシ101の外周をその一部(外周全体の1/4程度)を除いて囲む馬蹄形状に設けられ、エア噴出領域23は、集塵領域13の外周に沿って馬蹄形状に設けられている。
【0033】
この構成によれば、馬蹄形部N2の切り欠き部N2Kを通して、研磨ブラシ101を側方からロボットアーム等を用いて着脱することができる。また、回転する研磨ブラシ101のワークWの研磨により発生する粉塵を、研磨ブラシ101の外周において馬蹄形状に配置される集塵領域13の集塵口13aで効率的に集塵することができる。また、集塵領域13の馬蹄形状の領域の外周に沿ってエア噴出領域23の各エア噴出口23aが配置されているので、各エア噴出口23aから噴出されるエアによって形成されるエアカーテンが研磨ブラシ101及び集塵領域13を包括する領域Rの外周を囲うことで粉塵の周囲への飛散を防止することができる。ここで、集塵口13aが存在しない馬蹄形部N2の切り欠きN2K側でワークW表面上に一時的に残った粉塵は、切り欠きN2K側を進行方向としてワークWに対して相対移動させることで馬蹄形部分の集塵口13aが近づいていくことにより、最終的には集塵されることになる。
【0034】
また、各エア噴出口23aは、エア噴出方向に向かって研磨ブラシ101及び集塵領域13を包括する領域Rの内周側へ傾斜したエア通路を有する。この構成によれば、集塵領域13よりも外周側に飛散した粉塵は、各エア噴出口18からの内周向きのエアの流れにより内周側の集塵領域13へ流動して集塵口13aから吸い込まれる。
【0035】
また、集塵装置1は、内部空間が集塵口13aに連通する集塵側エア通路11と各エア噴出口23aに連通するブロー側エア通路21とに区画され、集塵領域13とエア噴出領域23とが一体的に設けられたノズル部材としてのエアブロー付き集塵ノズルNを備えている。この構成によれば、集塵領域13とエア噴出領域23とが研磨ブラシ101に対して予め適切に位置決めされているため、簡単な構成で粉塵の周囲への飛散を防止しつつ確実に集塵することができる。また、装置の小型化が可能となるため、ワークWへの干渉をさらに抑制して、研磨自由度の向上を図ることができる。
【0036】
本実施形態の研磨システムSは、回転する研磨部としての研磨ブラシ101をワークWに接触させて研磨する研磨機100と、上述した集塵装置1とを備える。この構成によれば、研磨機100によりワークWの研磨を実行するのと同時に、集塵装置1によりワークW表面の凹凸に干渉することなく粉塵の周囲への飛散を防止して効率的に集塵することができるという効果を奏する。
【0037】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々に変更を施すことが可能である。
【0038】
上記実施形態では、エアブロー付き集塵ノズルNが馬蹄形部N2を有し、集塵領域13が研磨ブラシ101の外周側において周方向の一部が切り欠かれた馬蹄形状に配置され、エア噴出領域23が集塵領域13の配置される馬蹄形状の領域に沿って外周側に配置される構成としたが、これには限られない。
【0039】
以下、本実施形態の変形例について、図5を参照しつつ説明する。尚、上記実施形態と同一部材には同一の符号を付し、それらについての詳細説明を省略する。本変形例は、上記実施形態の構成に代えて、図5に示すように、集塵口13aを有する集塵領域13が、研磨ブラシ101の外周全体を囲む周状をなす円環状に設けられ、複数のエア噴出口23aを有するエア噴出領域23が、集塵領域13の外周に沿って周状をなす円環状に設けられる構成としたものである。
【0040】
本変形例によれば、集塵領域13が研磨ブラシ101の外周全体を囲む周状に設けられているので、外周の全方向において確実に集塵することができる。また、エア噴出領域23が、集塵領域13の外周に沿って周状に設けられているので、集塵領域13外周全体を囲むようにエアカーテンが形成されて粉塵の周囲への飛散を確実に防止することができる。尚、本変形例では、研磨ブラシ101を底面側から着脱することができる。
【0041】
また、上記実施形態では、集塵領域13に1つの馬蹄形状の集塵口13aを設ける構成としたが、複数の丸穴状等の集塵口を馬蹄形状に配置して馬蹄形状の集塵領域13を形成してもよい。また、上記変形例では、集塵領域13に1つの円環状の集塵口13aを設ける構成としたが、複数の丸穴状等の集塵口を円環状に配置して円環状の集塵領域13を形成してもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、複数の丸穴状のエア噴出口23aを馬蹄形状に配置して馬蹄形状のエア噴出領域23を形成する構成としたが、集塵領域13に1つの馬蹄形状のエア噴出口を設ける構成としてもよい。また、上記変形例では、複数の丸穴状のエア噴出口23aを円環状に配置して円環状のエア噴出領域23を形成する構成としたが、エア噴出領域23に1つの円環状のエア噴出口を設ける構成としてもよい。
【0043】
また、上記実施形態又は変形例では、集塵領域13が研磨ブラシ101の外周の少なくとも一部を囲んで設けられる構成としたが、集塵領域13は研磨ブラシ101に近接して集塵口13aが配置される構成であればよい。要するに、研磨ブラシ101及び集塵領域13を包括する領域Rの外周の少なくとも一部を囲んで複数のエア噴出口23aが配置されるエア噴出領域23を設ける構成とすることにより、上記実施形態と同様の効果が奏される。
【符号の説明】
【0044】
1…集塵装置(研磨機用集塵装置)、10…集塵部、11…集塵側エア通路、13…集塵領域、13a…集塵口、20…エアブロー部、21…ブロー側エア通路、23…エア噴出領域、23a…エア噴出口、40…集塵機、60…エアブロー機、100…研磨機、101…研磨ブラシ(研磨部)、S…研磨システム、W…ワーク、R…領域、N…エアブロー付き集塵ノズル(ノズル部材)。
図1
図2
図3
図4
図5