(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-28
(45)【発行日】2022-04-05
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1343 20060101AFI20220329BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20220329BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20220329BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20220329BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20220329BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20220329BHJP
【FI】
G02F1/1343
G02F1/1368
G02F1/1335 505
G02F1/133 550
G09G3/36
G09G3/20 611E
G09G3/20 642K
G09G3/20 621B
G09G3/20 680H
(21)【出願番号】P 2018126793
(22)【出願日】2018-07-03
【審査請求日】2021-01-07
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加邉 正章
(72)【発明者】
【氏名】廣澤 仁
(72)【発明者】
【氏名】倉澤 隼人
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-050987(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0116807(US,A1)
【文献】特開2015-225300(JP,A)
【文献】特開2016-004177(JP,A)
【文献】特開2012-234178(JP,A)
【文献】特開2010-164728(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1343
G02F 1/1368
G02F 1/1335
G02F 1/133
G09G 3/36
G09G 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
液晶を挟んで前記第1基板と対向する第2基板と、
第1色の副画素と、第2色の副画素と、第3色の副画素とを含む第1画素と、
前記第1色の副画素と、前記第2色の副画素と、第4色の副画素とを含む第2画素とを備え、
前記第1画素と前記第2画素は、行方向及び列方向に交互に配置され、
前記第3色の副画素と前記第4色の副画素は、前記列方向に交互に配置され、
前記副画素が有する画素電極は、所定方向に延出するブランチ電極を含み、
前記列方向に隣り合う2つの前記第1色の副画素の一方が有する前記ブランチ電極の第1延出方向と他方が有する前記ブランチ電極の第2延出方向とは異なり、
前記列方向に隣り合う2つの前記第2色の副画素の一方が有する前記ブランチ電極の主部の前記第1延出方向と他方が有する前記ブランチ電極の主部の前記第2延出方向とは異なり、
前記第1延出方向及び前記第2延出方向は、前記行方向及び前記列方向と異なり、
前記第3色の副画素が有する前記ブランチ電極及び前記第4色の副画素が有する前記ブランチ電極は、屈曲する屈曲部を含
み、
前記行方向に隣り合う前記副画素に印加される電圧の極性が異なり、印加される電圧の極性を所定の周期で反転するカラム反転駆動方式であり、
前記副画素に印加される電圧に応じた電位差を前記画素電極との間に生じる共通電極と、前記画素電極と、は前記第1基板に設けられている
表示装置。
【請求項2】
前記画素電極と、前記共通電極と、は絶縁層を挟んで対向し、互いの対向方向に直交する平面視点で重畳する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記副画素は各々複数のブランチ電極を有し、複数のブランチ電極の終端が接続部で接続され、複数のブランチ電極間に開口部を有する
請求項1
又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記行方向に沿い、前記列方向に並ぶ複数の走査線を備え、
前記列方向に交互に配置された前記第3色の副画素と前記第4色の副画素の境界線は、前記列方向に隣り合う前記走査線間に位置する
請求項1
から3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記屈曲部の行方向に、前記第1色の副画素及び前記第2色の副画素が位置しない
請求項1から4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記行方向に沿い、前記列方向に並ぶ複数の走査線を備え、
前記屈曲部は、前記走査線と平面視で重なる
請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記行方向に並ぶ複数の前記副画素間に配置される複数の信号線を備え、
前記信号線は、前記ブランチ電極に沿って設けられる
請求項1から6のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記列方向に隣り合う前記第3色の副画素の前記ブランチ電極と前記第4色の副画素の前記ブランチ電極の前記屈曲部を挟んで異なる方向に延出する前記ブランチ電極の一方は前記第1延出方向又は前記第2延出方向の一方に沿い、前記屈曲部を挟んで異なる方向に延出する前記ブランチ電極の他方は前記第1延出方向又は前記第2延出方向の他方に沿う
請求項1から7のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記列方向に隣り合う前記第3色の副画素の前記ブランチ電極と前記第4色の副画素の前記ブランチ電極は、前記屈曲部の鋭角の向きが逆である
請求項1から8のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第3色の副画素又は前記第4色の副画素の一方を挟んで前記列方向に並ぶ2つの他方は、前記屈曲部の鋭角の向きが逆である
請求項1から8のいずれか一項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
それぞれ配向が異なる複数種類の副画素を設けた所謂マルチドメイン方式の表示装置が知られている(例えば特許文献1、特許文献2等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-29072号公報
【文献】国際公開第2014/185122号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マルチドメイン方式を採用した場合、液晶表示パネルで行われる反転駆動の方式によっては、反転駆動の切り替わり前後で輝度差が生じることによるフリッカが視認されることがあった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、フリッカをより確実に抑制することができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様による表示装置は、第1色の副画素と、第2色の副画素と、第3色の副画素とを含む第1画素と、前記第1色の副画素と、前記第2色の副画素と、第4色の副画素とを含む第2画素とを備え、前記第1画素と前記第2画素は、行方向及び列方向に交互に配置され、前記第3色の副画素と前記第4色の副画素は、前記列方向に交互に配置され、前記副画素が有する画素電極は、所定方向に延出するブランチ電極を含み、前記列方向に隣り合う2つの前記第1色の副画素の一方が有する前記ブランチ電極の主部の第1延出方向と他方が有する前記ブランチ電極の主部の第2延出方向とは異なり、前記列方向に隣り合う2つの前記第2色の副画素の一方が有する前記ブランチ電極の主部の前記第1延出方向と他方が有する前記ブランチ電極の主部の前記第2延出方向とは異なり、前記第1延出方向及び前記第2延出方向は、前記行方向及び前記列方向と異なり、前記第3色の副画素が有する前記ブランチ電極及び前記第4色の副画素が有する前記ブランチ電極は、屈曲する屈曲部を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る表示装置の一例を表す説明図である。
【
図2】
図2は、
図1の表示装置のシステム例を表すブロック図である。
【
図3】
図3は、副画素を駆動する駆動回路の一例を示す回路図である。
【
図5】
図5は、走査線と、信号線と、画素電極との配置関係及び形状を示す模式図である。
【
図6】
図6は、副画素をスイッチングするための主要構成を模式的に示す断面図である。
【
図7】
図7は、
図5とは異なる走査線と、信号線と、画素電極との関係を示す模式図である。
【
図8】
図8は、
図5とは異なる走査線と、信号線と、画素電極との関係を示す模式図である。
【
図9】
図9は、カラム反転駆動方式で駆動した表示領域を説明するための模式図である。
【
図10】
図10は、カラム反転駆動方式で駆動した表示領域を説明するための模式図である。
【
図11】
図11は、カラム反転駆動方式で駆動した場合の信号線電位と、画素電位との関係を説明するための模式図である。
【
図12】
図12は、実施形態におけるX×Y=2×4(8つ)の画素にそれぞれ割り当てられる色及び画素電極の種類の一例を示す模式図である。
【
図13】
図13は、
図12に示す8つの画素にカラム反転を適用した場合の極性分布を示す説明図である。
【
図14】
図14は、比較例によるX×Y=4×2の画素領域にカラム反転を適用した場合の極性分布を示す説明図である。
【
図16】
図16は、変形例1におけるX×Y=2×4(8つ)の画素にそれぞれ割り当てられる色及び画素電極の種類の一例を示す模式図である。
【
図17】
図17は、
図16に示す8つの画素にカラム反転を適用した場合の極性分布を示す説明図である。
【
図18】
図18は、変形例2におけるX×Y=2×4(8つ)の画素にそれぞれ割り当てられる色及び画素電極の種類の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
図1は、実施形態に係る表示装置1の一例を表す説明図である。
図2は、
図1の表示装置1のシステム例を表すブロック図である。
図1を含め、説明で参照する図は模式的に表したものであり、実際の寸法、形状と同一とは限らない。
【0010】
表示装置1は、表示部2と、ドライバIC3と、バックライト6と、を備えている。表示装置1は、透過型、又は半透過型の表示装置であってもよく、バックライト6を備えない、反射型の表示装置であってもよい。図示しないフレキシブルプリント基板(FPC(Flexible Printed Circuits))は、ドライバIC3への外部信号又はドライバIC3を駆動する駆動電力を伝送する。表示部2は、透光性絶縁基板、例えばガラス基板11と、ガラス基板11の表面にあり、画素Pixが行列方向に沿ってマトリクス状に多数配置されてなる表示領域21と、水平ドライバ(水平駆動回路)23と、第1垂直ドライバ22Aと、第2垂直ドライバ22Bとを備えている。第1垂直ドライバ22Aと、第2垂直ドライバ22Bは、垂直駆動回路である。第1垂直ドライバ22Aと第2垂直ドライバ22Bは、表示領域21を挟むように配置されているが、第1垂直ドライバ22Aまたは第2垂直ドライバ22Bのいずれか一方のみであってもよい。ガラス基板11は、能動素子(例えば、トランジスタ)を含む多数の画素回路が配置形成される第1基板と、この第1の基板と所定の間隙をもって対向して配置される第2基板とを含む。そして、ガラス基板11は、第1基板、第2基板の間に液晶が封入されることで形成された液晶層54(
図4参照)を有する。水平ドライバ23と、第1垂直ドライバ22Aと、第2垂直ドライバ22Bは、第1基板に形成されるので、周辺回路ともよばれる。以下、複数の画素Pixが並ぶ行方向をX方向とし、列方向をY方向とする。また、X-Y平面に直交する方向をZ方向とする。
【0011】
表示部2の額縁領域11gr、11glは、ガラス基板11上に形成され、液晶素子LC(
図3参照)を含む画素Pixが多数配置されてなる表示領域21の外側にある、非表示領域である。第1垂直ドライバ22Aと、第2垂直ドライバ22Bは、額縁領域11gr、11glに配置されている。
【0012】
バックライト6は、表示部2の裏面側(画像を表示する面とは反対側の面)に配置されている。バックライト6は、表示部2に向けて光を照射し、表示領域21の全面に光を入射させる。バックライト6は、例えば光源と、光源から出力された光を導いて、表示部2の裏面に向けて出射させる導光板と、を含む。
【0013】
表示部2は、ガラス基板11上に、表示領域21と、インターフェース(I/F)及びタイミングジェネレータの機能を備えるドライバIC3と、第1垂直ドライバ22A、第2垂直ドライバ22B及び水平ドライバ23とを備えている。
【0014】
表示領域21は、液晶層54(
図4参照)を含む副画素Vpixが、表示上の1画素を構成するユニットがX-Y平面に沿って配置されている。画素Pixは、3つの副画素Vpixを含む。表示領域21には、X方向に沿って複数の走査線24が配線されている。また、表示領域21には、X方向と交差する方向に複数の信号線25が配線されている。
【0015】
表示領域21は、X-Y平面視点において、走査線24と信号線25がブラックマトリクスと重なる領域に配置されている。また、表示領域21は、ブラックマトリクスが配置されていない領域が開口部となる。
【0016】
表示部2には、外部から外部信号である、マスタークロック、水平同期信号及び垂直同期信号が入力され、ドライバIC3に与えられる。ドライバIC3は、外部電源の電圧振幅のマスタークロック、水平同期信号及び垂直同期信号を、液晶の駆動に必要な内部電源の電圧振幅にレベル変換(昇圧)し、マスタークロック、水平同期信号及び垂直同期信号を生成する。ドライバIC3は、生成したマスタークロック、水平同期信号及び垂直同期信号をそれぞれ第1垂直ドライバ22A、第2垂直ドライバ22B及び水平ドライバ23に与える。ドライバIC3は、副画素Vpix毎の画素電極72(
図5参照)に対して各画素Pix共通に与える共通電位を生成して表示領域21に与える。
【0017】
第1垂直ドライバ22A、第2垂直ドライバ22Bは、シフトレジスタを含み、さらにラッチ回路等を含む。第1垂直ドライバ22A、第2垂直ドライバ22Bは、ラッチ回路が、垂直クロックパルスに同期してドライバIC3から出力される表示データを1水平期間で順次サンプリングしラッチする。第1垂直ドライバ22A、第2垂直ドライバ22Bは、ラッチ回路においてラッチされた1水平ライン分のデジタルデータを垂直走査パルスとして順に出力し、走査の対象になる走査線24に与えることによって副画素Vpixを行単位で順次選択する。第1垂直ドライバ22A、第2垂直ドライバ22Bは、走査線24を挟むように配置されている。第1垂直ドライバ22A、第2垂直ドライバ22Bは、例えば、走査線24の表示領域21の上寄り、垂直走査上方向から、表示領域21の下寄り、垂直走査下方向へ順にデジタルデータを出力する。また、第1垂直ドライバ22A、第2垂直ドライバ22Bは、走査線24の表示領域21の下寄り、垂直走査下方向から、表示領域21の上寄り、垂直走査上方向へ順にデジタルデータを出力することもできる。なお、垂直走査における上方向とは、走査線24の並び方向に沿う二方向のうちいずれか任意の一方向である。下方向とは、上方向の反対側の方向である。
【0018】
水平ドライバ23には、所定ビット数(例えば6ビット)の赤(R)、緑(G)、青(B)、白(W)の表示データが与えられる。水平ドライバ23は、第1垂直ドライバ22A、第2垂直ドライバ22Bによる垂直走査によって選択された行の各副画素Vpixに対して、画素Pix毎に、もしくは複数画素Pix毎に、あるいは全画素Pix一斉に、信号線25を介して表示データを書き込む。実施形態では、赤(R)が第1色であり、緑(G)が第2色であり、青(B)が第3色であり、白(W)が第4色であるが、これは一例であってこれに限られるものでない。第1色、第2色、第3色、第4色はそれぞれ異なる色に適宜変更可能である。例えば、第4色はイエロー(Y)であってもよい。また、第1色、第2色、第3色はそれぞれ、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)であってもよい。その場合、第4色は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)以外の色である。
【0019】
図3は、副画素Vpixを駆動する駆動回路の一例を示す回路図である。表示領域21には、
図3に示す各副画素Vpixの薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)Trに表示データとして画素信号を供給する信号線25、各薄膜トランジスタTrを駆動する走査線24等の配線が形成されている。このように、信号線25は、上述したガラス基板11の表面と平行な平面に延在し、副画素Vpixに画像を表示するための画素信号を供給する。副画素Vpixは、薄膜トランジスタTr及び液晶素子LCを備えている。薄膜トランジスタTrは、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。薄膜トランジスタTrのソース及びドレインのうち一方は信号線25に接続され、ゲートは走査線24に接続され、ソース及びドレインのうち他方は液晶素子LCの一端に接続されている。液晶素子LCは、一端が薄膜トランジスタTrに接続され、他端が共通電極comに接続されている。
【0020】
副画素Vpixは、走査線24により、表示領域21の同じ行に属する他の副画素Vpixと互いに接続されている。第1垂直ドライバ22A、第2垂直ドライバ22Bは、走査方向の走査線24に交互に垂直走査パルスを印加する。また、副画素Vpixは、信号線25により、表示領域21の同じ列に属する他の副画素Vpixと互いに接続されている。信号線25は、水平ドライバ23と接続され、水平ドライバ23より画素信号が供給される。共通電極comは、不図示の駆動電極ドライバと接続され、駆動電極ドライバより電圧が供給される。さらに、副画素Vpixは、共通電極comにより、表示領域21の同じ列に属する他の副画素Vpixと互いに接続されている。
【0021】
図1及び
図2に示す第1垂直ドライバ22A、第2垂直ドライバ22Bは、垂直走査パルスを、
図3に示す走査線24を介して、副画素Vpixの薄膜トランジスタTrのゲートに印加することにより、表示領域21に形成されている副画素Vpixのうちの1行(1水平ライン)を表示駆動の対象として順次選択する。
図1及び
図2に示す水平ドライバ23は、画素信号を、
図3に示す信号線25を介して、第1垂直ドライバ22A、第2垂直ドライバ22Bにより順次選択される1水平ラインを含む各副画素Vpixにそれぞれ供給する。そして、これらの副画素Vpixでは、供給される画素信号に応じて、1水平ラインの表示が行われるようになっている。この表示動作を行う際、駆動電極ドライバは、その1水平ラインに対応する共通電極comを印加するようになっている。
【0022】
次に、表示領域21の構成を詳細に説明する。
図4は、表示部2の一例を示す断面図である。表示部2は、
図4に示すように、第1基板(上側基板)50と、この第1基板50に対してZ方向に対向して配置された第2基板(下側基板)52と、第1基板50と第2基板52との間に挿設された液晶層54とを備えている。なお、第1基板50は、液晶層54とは反対側の面に、バックライト6が配置されている。第1基板50及び第2基板52ならびに第1基板50及び第2基板52に含まれる積層される構成は、X-Y平面に沿う。
【0023】
液晶層54は、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものである。液晶層54に含まれる液晶分子が、副画素Vpix単位で液晶素子LCを構成する。実施形態では、FFS(Fringe Field Switching)又はIPS等の横電界モードが採用されている。すなわち、液晶分子は、2つの基板(第1基板50と第2基板52)の間で、当該2つの基板と平行な面内で回転する。具体的には、液晶分子は、当該2つの基板の積層方向(Z方向)に立ち上がる方向の回転をせず、当該積層方向に直交する平面に沿って配向角度を変化させるように駆動される。
【0024】
第1基板50は、ガラスなどの透光性基板71を用いた画素基板60と、画素基板60の液晶層54側に積層された第1配向膜62と、画素基板60の液晶層54とは反対側に積層された第1偏光板63と、を有する。画素基板60については後述する。第1配向膜62は、液晶層54内の液晶分子を所定の方向に配向させるものであり、液晶層54と直接に接している。第1配向膜62は、例えば、ポリイミドなどの高分子材料からなり、例えば、塗布したポリイミド等に対して配向処理を施すことにより形成されたものである。第1偏光板63は、バックライト6側から入射してきた光を直線偏光に変換する機能を有している。
【0025】
第2基板52は、ガラスなどの透光性基板を用いた対向基板64と、この対向基板64の液晶層54側に形成されたカラーフィルタ66と、カラーフィルタ66の液晶層54側に形成された第2配向膜67と、対向基板64の液晶層54側とは反対側に形成された位相差板68と、位相差板68の対向基板64側とは反対側に形成された第2偏光板69と、を含む。カラーフィルタ66は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色に着色された色領域を含む。実施形態のカラーフィルタ66は、着色されておらず全ての色の光を透過させる領域を含む。以下、この着色されていない領域を白(W)の色領域と記載する。カラーフィルタ66は、格子状のブラックマトリクスの開口部に例えば赤(R)、緑(G)、青(B)、白(W)の4色の色領域を形成する。副画素Vpixの色は、カラーフィルタ66が設けられている場合のカラーフィルタ66の色に応じて決定される。
【0026】
カラーフィルタ66は、液晶層54とZ方向に対向する。なお、カラーフィルタ66は、異なる色に着色されていれば、他の色の組み合わせであってもよい。一般に、カラーフィルタ66は、緑(G)の色領域の輝度が、赤(R)の色領域及び青(B)の色領域の輝度よりも高い。なお、副画素Vpix毎にカラーフィルタ66を仕切るブラックマトリクスが形成されていてもよい。このブラックマトリクスは、二次元配置された副画素Vpixと副画素Vpixとの境界に配置されることで、格子形状となる。そして、ブラックマトリクスは、光の吸収率が高い材料で形成される。
【0027】
第2配向膜67は、第1配向膜62と同様に、液晶層54内の液晶分子を所定の方向に配向させるものであり、液晶層54と直接に接している。第2配向膜67は、例えば、ポリイミドなどの高分子材料からなり、例えば、塗布したポリイミド等に対して配向処理を施すことにより形成されたものである。位相差板68は、第1偏光板63及び第2偏光板69に生じる偏光板起因の視野角を補償する機能を有する。第2偏光板69は、偏光板吸収軸と平行な直線偏光成分を吸収し、直交する偏光成分を透過する機能を有している。第2偏光板69は、液晶のON/OFF状態に依存して光を透過/遮断する機能を有している。位相差板68の反対側に位置する第2偏光板69の一面が、実施形態における表示面である。
【0028】
このように、実施形態では、各副画素Vpixが有する液晶素子LCにおける液晶分子の配向は、第1配向膜62及び第2配向膜67に基づいて決定されている。
【0029】
次に、
図5及び
図6を用いて、画素基板60の主要構成について説明する。
図5は、走査線24と、信号線25と、画素電極72との配置関係及び形状を示す模式図である。
図6は、副画素Vpixをスイッチングするための主要構成を模式的に示す断面図である。画素基板60は、透光性基板71に各種回路が形成されたTFT基板であり、この画素基板60上に配設された複数の画素電極72と、共通電極comと、を含む。
図6に示すように、画素電極72と共通電極comとは、第4絶縁膜73dで絶縁され、Z方向に対向している。画素電極72及び共通電極comは、ITO(Indium Tin Oxide)等の透光性導電材料(透光性導電酸化物)で形成される透光性電極である。
【0030】
図3に示す副画素Vpixのスイッチング素子である薄膜トランジスタTrをトランジスタTr1とする場合、画素基板60は、透光性基板71に、上述した各副画素Vpixのスイッチング素子であるトランジスタTr1が形成された半導体層であるアイランド25c、各画素電極72に画素信号を供給する信号線25、トランジスタTr1を駆動する走査線24等の配線が積層されている。
【0031】
図5及び
図6に示すように、走査線24は、アイランド25cの一部と立体交差して、トランジスタTr1のゲートとして作用する。トランジスタTr1は、例えばソース線25a,ドレイン線25b及びアイランド25cの電気的接続関係によってnチャネルであるチャネル領域chがパターニングされている。半導体層は、例えば、低温ポリシリコンで形成されている。信号線25は、透光性基板71の表面と平行な平面に延在し、画素Pixに画像を表示するための画素信号を供給する。半導体層は、一部が信号線25のソース線25aと接し、他の一部が信号線25と同一の層に形成されたドレイン線25bと電気的に接続している。実施形態のドレイン線25bは、スルーホールSH1において、画素電極72と電気的に接続している。実施形態において、走査線24は、例えばモリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)等の金属の配線であり、信号線25は、アルミニウム等の金属の配線である。実施形態の画素基板60は、透光性基板71上に、アイランド25c、第1絶縁膜73a、走査線24、第2絶縁膜73b、信号線25(ソース線25a及びドレイン線25bを含む)、第3絶縁膜74a、共通電極com、第4絶縁膜73d、画素電極72、第1配向膜62の順で積層されている。
【0032】
実施形態の第1絶縁膜73a、第2絶縁膜73b、第3絶縁膜73c及び第4絶縁膜73dは、例えばSiNx(窒化シリコン)又は酸化シリコン等の無機絶縁材料若しくはポリイミド樹脂等の有機系絶縁材料で形成されている。なお、第1絶縁膜73a、第2絶縁膜73b、第3絶縁膜73c及び第4絶縁膜73dの各層を形成する材料はこれに限定されない。また、第1絶縁膜73a、第2絶縁膜73b、第3絶縁膜73c及び第4絶縁膜73dは、同じ絶縁材料で構成されたものであってもよいし、一部又は全部がそれぞれ異なる絶縁材料で構成されたものであってもよい。
【0033】
図5に示すように、画素基板60は、各副画素Vpixに対応して画素電極72に開口部79が形成されている。共通電極comと画素電極72との間に形成される電界のうち、画素電極72の開口部79からもれた電界(フリンジ電界)が液晶分子を駆動させる。このように、実施形態の表示部2は、対向する2つの基板(画素基板60と、対向基板64)のうち一方の基板(例えば、画素基板60)に設けられた電極(画素電極72)に与えられる電位に基づいて、当該2つの基板の間に設けられた液晶層54の液晶分子を回転させる液晶パネルである。
【0034】
画素電極72は、開口部79を挟んでX方向に並ぶブランチ電極76を含む。言い換えれば、1つの開口部79は、X方向に並ぶ2つのブランチ電極76に挟まれて形成されている。ブランチ電極76及び開口部79の延出方向は、電圧印加時の液晶の回転方向に寄与する。なお、電圧非印加時は、第1配向膜62、第2配向膜67の配向方向に基づいて決定されており、例えばY方向に沿う。実施形態では、開口部79を挟んで並ぶ複数のブランチ電極76がY方向の両端の接続部78で接続されているが、開口部79はなくてもよい。すなわち、画素電極72は、1つのブランチ電極76を有する構成であってもよい。また、複数のブランチ電極76の端部が接続部78で接続されていない構成とすることもできる。実施形態の記載では、各副画素Vpixの液晶分子の電圧印加時の配向方向を決定しているブランチ電極76の長手方向に延在する部分を、「ブランチ電極76の主部」と記載することがある。実施形態では、ブランチ電極76の主部は、走査線24と交差する方向に延在し、信号線25(後述する第1部分251又は第2部分252)の延在方向に実質沿って延在する。また、ブランチ電極76の主部に挟まれて形成されている開口部79の全部又は大部分を、「開口部79の主部」と記載することがある。
【0035】
実施形態の副画素Vpixは、ブランチ電極76の主部の特徴の相違によって副画素Vpixa、副画素Vpixb、副画素Vpixc、副画素Vpixdの4種類に分類される。副画素Vpixaは、第1ブランチ電極76aの主部及び第1開口部79aの主部の方向が第1延出方向V1に沿う。副画素Vpixbは、第1ブランチ電極76bの主部及び第1開口部79bの主部の方向が第2延出方向V2に沿う。
【0036】
副画素Vpixc及び副画素Vpixdは、ブランチ電極76の主部が屈曲部77を含む。副画素Vpixcのブランチ電極76の主部は、第1延出方向V1に沿う第1延出電極761cと、第2延出方向V2に沿う第2延出電極762cとを含む。第1延出電極761cと第2延出電極762cとは、屈曲部77cを挟んで連続する。第1延出電極761c、屈曲部77c及び第2延出電極762cによって形成される第3開口部79cは、屈曲部77cに対応する位置で屈曲し、当該屈曲を挟んで第1延出方向V1に沿う部分と第2延出方向V2に沿う部分とを含む。副画素Vpixdのブランチ電極76の主部は、第2延出方向V2に沿う第3延出電極761dと、第1延出方向V1に沿う第4延出電極762dとを含む。第3延出電極761dと第4延出電極762dとは、屈曲部77dを挟んで連続する。第3延出電極761d、屈曲部77d及び第4延出電極762dによって形成される第4開口部79dは、屈曲部77dに対応する位置で屈曲し、当該屈曲を挟んで第2延出方向V2に沿う部分と第1延出方向V1に沿う部分とを含む。
【0037】
屈曲部77cと屈曲部77dとは、鋭角の方向が逆である。第1延出電極761cと第2延出電極762cが形成する屈曲部77cの鋭角は、X方向の一方向に向く。第3延出電極761dと第4延出電極762dが形成する屈曲部77dの鋭角は、X方向の他方向に向く。
【0038】
また、実施形態の信号線25は、ブランチ電極76の主部と平行になるよう設けられる。具体的には、信号線25は、第1延出方向V1に沿う第1部分251と、第2延出方向V2に沿う第2部分252とを含む。第1部分251は、第1ブランチ電極76a、第1延出電極761c、第4延出電極762dに沿う。第2部分252は、第2ブランチ電極76b、第2延出電極762c、第3延出電極761dに沿う。
【0039】
なお、第1延出方向V1と第2延出方向V2は、X方向及びY方向のうち少なくとも一方に対して対称の関係となるよう、当該少なくとも一方と形成する鋭角が同一の角度であることが好ましい。第1延出方向V1と第2延出方向V2は、対称でなくてもよく、当該少なくとも一方と形成する鋭角が同一角度でなくてもよい。
【0040】
実施形態では、第1ブランチ電極76a、第2ブランチ電極76b、第1延出電極761c、第2延出電極762c、第3延出電極761d、第4延出電極762d、を区別しない場合、単にブランチ電極76と記載する。また、第1開口部79a、第2開口部79b、第3開口部79c、第4開口部79dを区別しない場合、単に開口部79と記載する。
【0041】
実施形態の表示領域21には、X方向の一方(
図1及び
図5の左側)から他方に向かって順に第1列CR、第2列CG、第3列CBW、第1列CR、第2列CG、第3列CBW…のように、第1列CR、第2列CG、第3列CBWを1つずつ含む3列の画素列が配置されている。なお、1つの周期内における第1列CRと第2列CGと第3列CBWのX方向に並ぶ順序はこれに限られるものでなく、適宜変更可能である。
【0042】
第1列CR及び第2列CGには、Y方向に沿って副画素Vpixaと副画素Vpixbが交互に配置されている。第3列CBWには、Y方向に沿って副画素Vpixcと副画素Vpixdが交互に配置されている。
【0043】
第1列CRの副画素Vpixの色と、第2列CGの副画素Vpixの色と、第3列CBWの副画素Vpixの色とは異なる。副画素Vpixの色の相違は、カラーフィルタ66が透過する光のスペクトルの相違によって決定される。第1列CRの副画素Vpixと、第2列CGの副画素Vpixと、第3列CBWの副画素Vpixにはそれぞれ異なる色のカラーフィルタ66が設けられる。各副画素Vpixのカラーフィルタ66は、ブラックマトリクスで区切られる。
【0044】
第1列CRの副画素Vpixには、赤(R)のカラーフィルタ66が設けられる。第2列CGの副画素Vpixには、緑(G)のカラーフィルタ66が設けられる。第3列CBWの副画素Vpixには、青(B)又は白(W)のカラーフィルタ66が設けられる。白(W)のカラーフィルタは、例えば透明な樹脂が塗布された無色のフィルタか、樹脂が塗布されない無色のフィルタである。なお、白(W)のカラーフィルタ66を設けることに代えて、白(W)の副画素Vpixを設ける目的で、カラーフィルタ66が設けられていない開口部を設けてもよい。
【0045】
第1列CRに配置される赤(R)の副画素Vpix及び第2列CGに配置される緑の副画素Vpixが有する画素電極72は、第1画素電極72a又は第2画素電極72bである。また、第3列CBWに配置される青(B)及び白(W)の副画素Vpixが有する画素電極72は、第3画素電極72c又は第4画素電極72dである。
【0046】
1つの画素Pixを構成する3つの副画素Vpixは、第1列CRに設けられた1つの副画素Vpixと、第2列CGに設けられた1つの副画素Vpixと、第3列CBWに設けられた1つの副画素Vpixとを含む。ここで、第3列CBWに設けられた副画素Vpixのうち、青(B)の副画素Vpixを含む画素Pixを第1画素とする。また、第3列CBWに設けられた副画素Vpixのうち、白(W)の副画素Vpixを含む画素Pixを第2画素とする。
【0047】
第1列CRの副画素Vpixaと第2列CGの副画素Vpixaとは、X方向に並ぶ。また、第1列CRの副画素Vpixbと第2列CGの副画素Vpixbとは、X方向に並ぶ。このように、第1列CRと第2列CGが含む副画素Vpixは、X方向に隣り合う2つの副画素Vpixが有するブランチ電極76の主部及び開口部79の主部の方向が同一である。1つの画素Pixが含む第1列CRの副画素Vpixaと第2列CGの副画素Vpixaは、ブランチ電極76の主部及び開口部79の主部の方向が同一である。また、1つの画素Pixは、このようにブランチ電極76の主部及び開口部79の主部の方向が同一である第1列CRの副画素Vpixaと第2列CGの副画素Vpixaのうち一方に隣り合う第3列CBWの副画素Vpixを含む。従って、1つの画素Pixが含む副画素Vpixの組み合わせは、2つの副画素Vpixaと1つの副画素Vpixc、2つの副画素Vpixaと1つの副画素Vpixd、2つの副画素Vpixbと1つの副画素Vpixc又は2つの副画素Vpixbと1つの副画素Vpixdのいずれかである。
【0048】
実施形態の画素Pixは、第1列CRの副画素Vpixと、第2列CGの副画素Vpixと、第2列CGに隣り合う第3列CBWの副画素Vpixとを1つずつ含む。ここで、画素Pixは、第2列CGに隣り合う第3列CBWの副画素Vpixに代えて、第1列CRに隣り合う第3列CBWの副画素Vpixを含んでいてもよい。
【0049】
図7及び
図8は、
図5とは異なる走査線24と、信号線25と、画素電極72との関係を示す模式図である。
図7及び
図8に示すように、画素電極72と信号線25は、ポリシリコンの半導体部PLを介して接続されてもよい。半導体部PLと信号線25との接続部分には、コンタクトホールCH1が形成される。半導体部PLと画素電極72との接続部分には、コンタクトホールCH2が形成される。また、半導体部PLと画素電極72とを接続するため、
図7及び
図8に示すように、X-Y平面視でコンタクトホールCH2を内側に含むように配置されたアルミ台座ALを設けてもよい。半導体部PLは、走査線24に対する垂直走査パルスに応じて信号線25に供給された画素信号に応じた信号を画素電極72に伝送する。なお、
図7に1つの副画素Vpixaと1つの副画素Vpixbを抜粋して示し、
図8に1つの副画素Vpixcと1つの副画素Vpixdを抜粋して示しているが、副画素Vpixaと副画素Vpixbと副画素Vpixcと副画素Vpixdの配置及び位置関係は、
図5を参照して説明した通りである。
【0050】
屈曲部77は、走査線24と重なるように配置されてもよい。
図8に示す例では、屈曲部77は、X方向に沿う走査線24のY方向の中心線CLに位置する。一方、
図7に示すように、副画素Vpixa及び副画素Vpixbの画素電極72は、X-Y平面視で走査線24と重ならない配置である。すなわち、屈曲部77のX方向には、第1列CR及び第2列CGの副画素Vpixa及び副画素Vpixbが配置されない。
【0051】
次に、副画素Vpixの駆動について説明する。表示装置1は、液晶素子LCに同極性の直流電圧が印加され続けることによって液晶の比抵抗(物質固有の抵抗値)等が劣化する可能性がある。表示装置1は、液晶の比抵抗(物質固有の抵抗値)等の劣化を防ぐため、駆動信号を基準として画素信号の極性を所定の周期で反転させる駆動方式が採られる。
【0052】
実施形態の表示装置1のような液晶表示パネルの駆動方式として、カラム反転駆動方式、ライン反転駆動方式、ドット反転駆動方式、フレーム反転駆動方式などの駆動方式が知られている。カラム反転駆動方式は、副画素又は副画素が組み合わされた画素Pixの隣り合う1カラム(列)が互いに逆極性の電圧が印加され、印加する当該電圧の極性を所定の周期で反転する駆動方式である。これにより、ドット反転駆動方式に比較して、カラム反転駆動方式の駆動方式は信号線25における充放電が少なく低消費電力になることが知られている。信号処理部20は、特公平5-43118号公報に記載されている各種回路が適用可能である。
【0053】
図9及び
図10は、カラム反転駆動方式で駆動した表示領域21を説明するための模式図である。
図11は、カラム反転駆動方式で駆動した場合の信号線電位と、画素電位との関係を説明するための模式図である。以降の説明では、赤(R)のカラーフィルタ66が設けられた副画素Vpixを第1副画素49Rとしている。また、緑(G)のカラーフィルタ66が設けられた副画素Vpixを第2副画素49Gとしている。また、青(B)のカラーフィルタ66が設けられた副画素Vpixを第3副画素49Bとしている。また、白(W)の副画素Vpixを第4副画素49Wとしている。また、
図9及び
図10では、画素Pixにおける第1副画素49R、第2副画素49Gと第3副画素49B又は第4副画素49Wとの位置関係及び画素電極72の形状に応じた副画素Vpixの形状を簡略化し、単純な矩形で模式化している。
【0054】
例えば、第1副画素49Rと、第2副画素49Gと、第3副画素49B(第4副画素49W)とに対応する行方向の副画素Vpix毎に、共通電極comの電位を基準電位とした場合、基準電位に対して高い電位(以下プラス(+)極性という。)と、基準電位に対して低い電位(以下マイナス(―)極性という。)とで、
図9に示す印加状態PCoddと
図10に示す印加状態PCevenの状態を交互に繰り返す。実施形態では、基準電位を共通電極comの電位としたが、基準電位は、共通電極comの電位に限定されず、所定の電位であればよい。このように、カラム反転駆動方式は、副画素49の隣り合う1カラム(列)の画素電極72が互いに基準の電位に対して電位が異なるように、電圧を印加し、印加する当該電圧の極性を所定の周期で反転する。そして、隣り合う信号線25は、互いに異なる電圧(例えば逆極性)が印加され、印加する当該電圧の極性が所定の周期で反転される。
【0055】
図11に示すように、
図9に示す印加状態PCoddの期間Foddと
図10に示す印加状態PCevenの状態の期間Fevenとは、書き込み期間Fgを境に交互に繰り返している。
図11に示すように、画素電極72の電位の極性反転周期と、信号線25の電位の極性反転周期とは、期間Fodd又は期間Fevenとほぼ一致する。
【0056】
以下、副画素Vpixが有する画素電極72の種類と、カラム反転との関係について
図12及び
図13を参照して説明する。
図12は、実施形態におけるX×Y=2×4(8つ)の画素Pixにそれぞれ割り当てられる色及び画素電極72の種類の一例を示す模式図である。
図13は、
図12に示す8つの画素Pixにカラム反転を適用した場合の極性分布を示す説明図である。
【0057】
図12に示すように、X×Y=2×2の画素Pixは、それぞれ異なる。2×2の画素Pixは、1つの画素Pix1と、画素Pix2と、画素Pix3と、画素Pix4とを含む。画素Pix1及び画素Pix4は、第1副画素49R、第2副画素49G及び第3副画素49Bを含む第1画素である。画素Pix2及び画素Pix3は、第1副画素49R、第2副画素49G及び第4副画素49Wを含む第2画素である。画素Pix1及び画素Pix2が含む第1副画素49Rの画素電極72及び第2副画素49Gの画素電極72は、第1画素電極72aである。画素Pix3及び画素Pix4が含む第1副画素49Rの画素電極72及び第2副画素49Gの画素電極72は、第2画素電極72bである。画素Pix1が含む第3副画素49Bの画素電極72と画素Pix2が含む第4副画素49Wの画素電極72は、第4画素電極72dである。画素Pix3が含む第4副画素49Wの画素電極72と画素Pix4が含む第3副画素49Bの画素電極72は、第3画素電極72cである。
【0058】
画素Pix1のX方向に画素Pix2が隣り合う。画素Pix1のY方向に画素Pix3が隣り合う。画素Pix3のX方向に画素Pix4が隣り合う。画素Pix2のY方向に画素Pix4が隣り合う。このように、第1画素と前記第2画素は、X方向及びY方向に交互に配置される。
【0059】
X×Y=2×2の画素Pixを含む画素領域には、第1副画素49R及び第2副画素49Gが4つ設けられ、第3副画素49B及び第4副画素49Wが2つ設けられる。ここで、画素電極72が第1画素電極72aである第1副画素49Rの数と、画素電極72が第2画素電極72bである第1副画素49Rの数とは等しい。また、画素電極72が第1画素電極72aである第2副画素49Gの数と、画素電極72が第2画素電極72bである第2副画素49Gの数とは等しい。また、画素電極72が第3画素電極72cである第3副画素49Bの数と、画素電極72が第4画素電極72dである第3副画素49Bの数とは等しい。また、画素電極72が第3画素電極72cである第4副画素49Wの数と、画素電極72が第4画素電極72dである第4副画素49Wの数とは等しい。
【0060】
図12及び
図13では、第3副画素49Bの画素電極72が第4画素電極72dであり、かつ、第4副画素49Wの画素電極72が第3画素電極72cである第3列CBWを列C1としている。列C1には、画素Pix1の第3副画素49B(第4画素電極72d)と、画素Pix3の第4副画素49W(第3画素電極72c)とがY方向に交互に並ぶ。また、第3副画素49Bの画素電極72が第3画素電極72cであり、かつ、第4副画素49Wの画素電極72が第4画素電極72dである第3列CBWを列C2としている。列C2には、画素Pix2の第4副画素49W(第4画素電極72d)と、画素Pix4の第3副画素49B(第3画素電極72c)とがY方向に交互に並ぶ。
【0061】
図12及び
図13では、X×Y=2×2の画素Pixを含む画素領域がY方向に2つ分連続しているが、実際には、このような画素領域が表示領域21にマトリクス状に配置されている。
【0062】
図13に示すように、カラム反転が適用されることで、X方向に隣り合う1カラム(列)毎に互いに電位が異なるように電圧が印加される。ここで、1つの画素Pixの画素領域は、3カラムを含む。このため、X方向に隣り合う位置関係にある2つの画素Pixは、カラム単位で極性が反転する関係になる。具体的には、画素Pix1の第1列CRの極性と画素Pix2の第1列CRの極性とは異なる。また、画素Pix1の第2列CGの極性と画素Pix2の第2列CGの極性とは異なる。また、画素Pix1の列C1の極性と画素Pix2の列C2の極性とは異なる。画素Pix3の極性と画素Pix4の極性との関係も、このような画素Pix1の極性と画素Pix2の極性との関係と同様である。なお、カラム反転では、カラム単位の極性がY方向に並ぶ複数の画素Pixで共通になる。すなわち、画素Pix1と画素Pix3は、カラム単位の極性が共通になる。また、画素Pix2と画素Pix4は、カラム単位の極性が共通になる。
【0063】
印加状態PCoddでは、画素Pix1及び画素Pix3が配置される第1列CRの極性はプラスであり、画素Pix2及び画素Pix4が配置される第1列CRの極性はマイナスである。このように、X×Y=2×2の画素Pixを含む画素領域内で、第1画素電極72aを有するプラス極性の第1副画素49R(画素Pix1)と、第1画素電極72aを有するマイナス極性の第1副画素49R(画素Pix2)と第2画素電極72bを有するプラス極性の第1副画素49R(画素Pix3)と、第2画素電極72bを有するマイナス極性の第1副画素49R(画素Pix4)は、それぞれ1つずつになる。
【0064】
極性及び画素電極72が有するブランチ電極76、開口部79の主部の方向によって決定される液晶分子の配向に偏りが生じると、反転駆動の切り替わり前後で輝度差が生じることによるフリッカが視認されることがある。これに対し、実施形態では、X×Y=2×2の画素Pixを含む画素領域内で、第1画素電極72aを有するプラス極性の第1副画素49R(画素Pix1)と、第1画素電極72aを有するマイナス極性の第1副画素49R(画素Pix2)と第2画素電極72bを有するプラス極性の第1副画素49R(画素Pix3)と、第2画素電極72bを有するマイナス極性の第1副画素49R(画素Pix4)は、それぞれ1つずつになる。このため、赤(R)は、特定の極性と、特定のブランチ電極76、開口部79の主部の方向との組み合わせに偏ることがない。従って、極性とブランチ電極76、開口部79の主部の方向との対応関係の観点で、X×Y=2×2の画素領域単位でフリッカを抑制するための仕組みを設けることができる。
【0065】
また、印加状態PCoddでは、画素Pix1及び画素Pix3が配置される第2列CGの極性はマイナスであり、画素Pix2及び画素Pix4が配置される第2列CGの極性はプラスである。このように、X×Y=2×2の画素Pixを含む画素領域内で、第1画素電極72aを有するプラス極性の第2副画素49G(画素Pix2)と、第1画素電極72aを有するマイナス極性の第2副画素49G(画素Pix1)と第2画素電極72bを有するプラス極性の第2副画素49G(画素Pix4)と、第2画素電極72bを有するマイナス極性の第2副画素49G(画素Pix3)は、それぞれ1つずつになる。従って、緑(G)も、赤(R)と同様、X×Y=2×2の画素領域単位でフリッカを抑制するための仕組みを設けることができる。
【0066】
また、印加状態PCoddでは、画素Pix1及び画素Pix3が配置される列C1の極性はプラスであり、画素Pix2及び画素Pix4が配置される列C2の極性はマイナスである。このため、画素Pix1に含まれる第3副画素49Bの極性がプラスになり、画素Pix4に含まれる第3副画素49Bの極性がマイナスになる。ここで、画素Pix1に含まれる第3副画素49Bの第4画素電極72dは、第4延出電極762dが第1延出方向V1に沿い、第3延出電極761dが第2延出方向V2に沿う(
図5参照)。すなわち、画素Pix1に含まれる第3副画素49Bの第4画素電極72dは、第1延出方向V1に沿うプラス極性部分と、第2延出方向V2に沿うプラス極性部分とを含む。また、画素Pix4に含まれる第3副画素49Bの第3画素電極72cは、第1延出電極761cが第1延出方向V1に沿い、第2延出電極762cが第2延出方向V2に沿う(
図5参照)。すなわち、画素Pix4に含まれる第3副画素49Bの第3画素電極72cは、第1延出方向V1に沿うマイナス極性部分と、第2延出方向V2に沿うマイナス極性部分とを含む。このように、青(B)は、X×Y=2×2の画素Pixを含む画素領域内で、第1延出方向V1に沿うプラス極性部分と、第2延出方向V2に沿うプラス極性部分と、第1延出方向V1に沿うマイナス極性部分と、第2延出方向V2に沿うマイナス極性部分とを含む。従って、青(B)も、赤(R)及び緑(G)と同様、X×Y=2×2の画素領域単位でフリッカを抑制するための仕組みを設けることができる。
【0067】
また、印加状態PCoddでは、画素Pix2に含まれる第4副画素49Wの極性がマイナスになり、画素Pix3に含まれる第4副画素49Wの極性がプラスになる。ここで、画素Pix2に含まれる第4副画素49Wの第4画素電極72dは、第4延出電極762dが第1延出方向V1に沿い、第3延出電極761dが第2延出方向V2に沿う(
図5参照)。すなわち、画素Pix2に含まれる第4副画素49Wの第4画素電極72dは、第1延出方向V1に沿うマイナス極性部分と、第2延出方向V2に沿うマイナス極性部分とを含む。また、画素Pix3に含まれる第4副画素49Wの第3画素電極72cは、第1延出電極761cが第1延出方向V1に沿い、第2延出電極762cが第2延出方向V2に沿う(
図5参照)。すなわち、画素Pix3に含まれる第4副画素49Wの第3画素電極72cは、第1延出方向V1に沿うプラス極性部分と、第2延出方向V2に沿うプラス極性部分とを含む。このように、白(W)は、X×Y=2×2の画素Pixを含む画素領域内で、第1延出方向V1に沿うプラス極性部分と、第2延出方向V2に沿うプラス極性部分と、第1延出方向V1に沿うマイナス極性部分と、第2延出方向V2に沿うマイナス極性部分とを含む。従って、白(W)も、赤(R)、緑(G)及び青(B)と同様、X×Y=2×2の画素領域単位でフリッカを抑制するための仕組みを設けることができる。
【0068】
なお、印加状態PCevenの極性は、印加状態PCoddと逆になる。すなわち、単に極性が逆になるだけであるため、印加状態PCevenであっても、印加状態PCoddと同様、特定の極性と特定のブランチ電極76、開口部79の主部の方向との組み合わせへの偏りが生じない。
【0069】
なお、
図7及び
図8を参照して説明したように、
図12に示す屈曲部77は、走査線24と重なるように配置される。一方、第1列CR及び第2列CGの画素電極72は、X-Y平面視で走査線24と重ならない配置である。このように、屈曲部77のX方向には、第1副画素49R及び第2副画素49Gが配置されない。また、
図12に示すように、Y方向に隣り合う2つの走査線24間に第3副画素49Bと第4副画素49Wの境界線BLがある。
【0070】
図14は、比較例によるX×Y=4×2の画素領域にカラム反転を適用した場合の極性分布を示す説明図である。比較例では、実施形態の列C1と列C2に代えて、列C3と列C4が設けられている。列C3と列C4は、第1列CR及び第2列CGと同様、第1画素電極72aと第2画素電極72bとがY方向に交互に並ぶカラム(列)である。このため、
図14に示すように、印加状態PCoddの青(B)において、第1延出方向V1に沿うプラス極性部分と第2延出方向V2に沿うマイナス極性部分のみが生じ、第2延出方向V2に沿うプラス極性部分と第1延出方向V1に沿うマイナス極性部分が生じない。また、白(W)において、第1延出方向V1に沿うマイナス極性部分と第2延出方向V2に沿うプラス極性部分のみが生じ、第1延出方向V1に沿うプラス極性部分と第2延出方向V2に沿うマイナス極性部分が生じない。このように、比較例では、特定の極性と特定のブランチ電極76、開口部79の主部の方向との組み合わせへの偏りが生じる。印加状態PCevenには、印加状態PCoddと逆の極性になり、やはり特定の極性と特定のブランチ電極76、開口部79の主部の方向との組み合わせへの偏りが生じる。
【0071】
図15は、比較例の輝度視野角特性図である。
図15では、
図14における画素行Laの輝度視野角特性と、画素行Lbの輝度視野角特性とを個別に示している。
図14を参照して説明したように、青(B)及び白(W)で特定の極性と特定のブランチ電極76、開口部79の主部の方向との組み合わせへの偏りが生じると、
図15に示すような輝度視野角特性に対応する輝度分布の偏りによって、視野角によってはフリッカが視認されることがある。特に低周波で駆動するほどフリッカがより顕著に認識される。
【0072】
これに対し、実施形態によれば、特定の極性と特定のブランチ電極76、開口部79の主部の方向との組み合わせへの偏りが生じない。このため、比較例でフリッカが認識された周波数においてもフリッカをより確実に抑制することができる。
【0073】
また、カラム反転によって、液晶の比抵抗(物質固有の抵抗値)等の劣化を抑制することができる。すなわち、実施形態によれば、液晶の比抵抗(物質固有の抵抗値)等の劣化の抑制とフリッカの抑制とを両立することができる。
【0074】
また、屈曲部77を走査線24と重ねることで、屈曲部77cを挟んで設けられる第1延出電極761cの延出長と第2延出電極762cの延出長の関係を均等又は均等に近い関係にしやすくなる。屈曲部77dを挟んで設けられる第3延出電極761dの延出長と第4延出電極762dの延出長の関係についても同様である。このため、特定のブランチ電極76、開口部79の主部の方向の偏りによるフリッカをより確実に抑制することができる。
【0075】
また、第1部分251と第2部分252をブランチ電極76の主部と平行にすることで、信号線25と画素電極72とをより密集させて配置することができる。
【0076】
また、屈曲部77cを挟んで設けられる第1延出電極761cの延出方向と第2延出電極762cの延出方向及び屈曲部77dを挟んで設けられる第4延出電極762dの延出方向と第3延出電極761dの延出方向を、第1延出方向V1と第2延出方向V2に沿わせることで、第1画素電極72a、第2画素電極72bと第3画素電極72c、第4画素電極72dとをより密集させて配置することができる。
【0077】
また、Y方向に隣り合う第1画素と第2画素において、第1画素の第3副画素49Bに設けられた画素電極72が有する屈曲部77の鋭角と第2画素の第4副画素49Wに設けられた画素電極72が有する屈曲部77の鋭角とが逆向きであることで、第1画素電極72a、第2画素電極72bと第3画素電極72c、第4画素電極72dとをより密集させて配置することができる。
【0078】
(変形例)
以下、実施形態の変形例について、
図16から
図18を参照して説明する。
【0079】
(変形例1)
図16は、変形例1におけるX×Y=2×4(8つ)の画素Pixにそれぞれ割り当てられる色及び画素電極72の種類の一例を示す模式図である。変形例1の画素Pixは、実施形態の画素Pix1、画素Pix2、画素Pix3及び画素Pix4に加えて、さらに画素Pix5、画素Pix6、画素Pix7及び画素Pix8を含む。
【0080】
画素Pix5及び画素Pix8は、第1副画素49R、第2副画素49G及び第3副画素49Bを含む第1画素である。画素Pix6及び画素Pix7は、第1副画素49R、第2副画素49G及び第4副画素49Wを含む第2画素である。画素Pix5及び画素Pix6が含む第1副画素49Rの画素電極72及び第2副画素49Gの画素電極72は、第1画素電極72aである。画素Pix7及び画素Pix8が含む第1副画素49Rの画素電極72及び第2副画素49Gの画素電極72は、第2画素電極72bである。画素Pix5が含む第3副画素49Bの画素電極72と画素Pix6が含む第4副画素49Wの画素電極72は、第3画素電極72cである。画素Pix7が含む第4副画素49Wの画素電極72と画素Pix8が含む第3副画素49Bの画素電極72は、第4画素電極72dである。
【0081】
X×Y=2×2の画素Pixを含む画素領域内で、画素Pix5のX方向に画素Pix6が隣り合う。画素Pix5のY方向に画素Pix7が隣り合う。画素Pix7のX方向に画素Pix8が隣り合う。画素Pix6のY方向に画素Pix8が隣り合う。
【0082】
また、X×Y=2×2の画素Pixを含む画素領域内に画素Pix1、画素Pix2、画素Pix3及び画素Pix4を含む画素領域と、X×Y=2×2の画素Pixを含む画素領域内に画素Pix5、画素Pix6、画素Pix7及び画素Pix8を含む画素領域とは、Y方向に交互に配置される。
【0083】
変形例1では、実施形態の列C1、列C2に代えて、列C5、列C6が配置される。列C5には、画素Pix1の第3副画素49B(第4画素電極72d)と、画素Pix3の第4副画素49W(第3画素電極72c)と、画素Pix5の第3副画素49B(第3画素電極72c)と、画素Pix7の第4副画素49W(第4画素電極72d)とがY方向に周期的に並ぶ。列C6は、画素Pix2の第4副画素49W(第4画素電極72d)と、画素Pix4の第3副画素49B(第3画素電極72c)と、画素Pix6の第4副画素49W(第3画素電極72c)と、画素Pix8の第3副画素49B(第4画素電極72d)とがY方向に周期的に並ぶ。このように、変形例1では、第3副画素49B又は第4副画素49Wの一方を挟んでY方向に配置される2つの他方は、屈曲部77の鋭角の向きが逆である。なお、
図16に示すように、画素Pix5、画素Pix6、画素Pix7及び画素Pix8を含む画素領域内では、信号線25は、第3画素電極72c及び第4画素電極72dが有するブランチ電極76の主部に沿わない。
【0084】
図17は、
図16に示す8つの画素Pixにカラム反転を適用した場合の極性分布を示す説明図である。印加状態PCoddでは、画素Pix5及び画素Pix7が配置される列C5の極性はプラスであり、画素Pix6及び画素Pix8が配置される列C6の極性はマイナスである。このため、画素Pix5に含まれる第3副画素49Bの極性がプラスになり、画素Pix8に含まれる第3副画素49Bの極性がマイナスになる。ここで、画素Pix5に含まれる第3副画素49Bの第3画素電極72cは、第1延出電極761cが第1延出方向V1に沿い、第2延出電極762cが第2延出方向V2に沿う(
図5参照)。すなわち、画素Pix5に含まれる第3副画素49Bの第3画素電極72cは、第1延出方向V1に沿うプラス極性部分と、第2延出方向V2に沿うプラス極性部分とを含む。また、画素Pix8に含まれる第3副画素49Bの第4画素電極72dは、第4延出電極762dが第1延出方向V1に沿い、第3延出電極761dが第2延出方向V2に沿う(
図5参照)。すなわち、画素Pix8に含まれる第3副画素49Bの第4画素電極72dは、第1延出方向V1に沿うマイナス極性部分と、第2延出方向V2に沿うマイナス極性部分とを含む。このように、青(B)は、X×Y=2×2の画素Pixを含む画素領域内で、第1延出方向V1に沿うプラス極性部分と、第2延出方向V2に沿うプラス極性部分と、第1延出方向V1に沿うマイナス極性部分と、第2延出方向V2に沿うマイナス極性部分とを含む。
【0085】
また、印加状態PCoddでは、画素Pix6に含まれる第4副画素49Wの極性がマイナスになり、画素Pix7に含まれる第4副画素49Wの極性がプラスになる。ここで、画素Pix6に含まれる第4副画素49Wの第3画素電極72cは、第1延出電極761cが第1延出方向V1に沿い、第2延出電極762cが第2延出方向V2に沿う(
図5参照)。すなわち、画素Pix6に含まれる第4副画素49Wの第3画素電極72cは、第1延出方向V1に沿うマイナス極性部分と、第2延出方向V2に沿うマイナス極性部分とを含む。また、画素Pix7に含まれる第4副画素49Wの第4画素電極72dは、第4延出電極762dが第1延出方向V1に沿い、第3延出電極761dが第2延出方向V2に沿う(
図5参照)。すなわち、画素Pix7に含まれる第4副画素49Wの第3画素電極72dは、第1延出方向V1に沿うプラス極性部分と、第2延出方向V2に沿うプラス極性部分とを含む。このように、白(W)は、X×Y=2×2の画素Pixを含む画素領域内で、第1延出方向V1に沿うプラス極性部分と、第2延出方向V2に沿うプラス極性部分と、第1延出方向V1に沿うマイナス極性部分と、第2延出方向V2に沿うマイナス極性部分とを含む。
【0086】
従って、画素Pix5、画素Pix6、画素Pix7及び画素Pix8を含む画素領域においても、画素Pix1、画素Pix2、画素Pix3及び画素Pix4を含む画素領域と同様、X×Y=2×2の画素領域単位でフリッカを抑制するための仕組みを設けることができる。また、第3副画素49B及び第4副画素49Wのそれぞれの屈曲部77の鋭角の向きを、カラム(列)内で複数種類にすることができる。このため、カラム(列)単位で第3副画素49B及び第4副画素49Wのパターンの偏りを抑制することができる。
【0087】
(変形例2)
図18は、変形例2におけるX×Y=2×4(8つ)の画素Pixにそれぞれ割り当てられる色及び画素電極72の種類の一例を示す模式図である。変形例2では、実施形態に比して第3副画素49BのX-Y平面視の大きさをより大きくし、第4副画素49WのX-Y平面視の大きさをより小さくしている。変形例2では、1つの第3副画素49Bの大きさは、1つの第1副画素49R及び1つの第2副画素49Gの大きさよりも大きい。また、1つの第4副画素49Wの大きさは、1つの第1副画素49R及び1つの第2副画素49Gの大きさよりも小さい。
【0088】
実施形態では、第3副画素49Bであるか第4副画素49Wであるかに関わらず、第3画素電極72c及び第4画素電極72dのX-Y平面視の形状及び大きさは統一されている。これに対し、変形例2では、青(B)のカラーフィルタ66とX-Y平面視で重なる位置にある第3画素電極72c及び第4画素電極72dのY方向の幅が、白(W)のカラーフィルタ66とX-Y平面視で重なる(又はカラーフィルタ66が設けられない)位置にある第3画素電極72c及び第4画素電極72dのY方向の幅に比して大きくなる。第3副画素49Bに設けられるカラーフィルタ66のY方向の幅も、第3画素電極72c及び第4画素電極72dと同様、白(W)に比して大きくなる。
【0089】
変形例2における第3副画素49Bと第4副画素49Wの面積比率をB:Wとした場合、1:1~5:1の範囲内で任意に決定可能であるが、1:1~3:1の範囲内であることが望ましい。
【0090】
変形例2によれば、第3副画素49Bの大きさをより大きくすることで、青(B)の輝度をより確保することができる。
【0091】
なお、信号線25は第1部分251と第2部分252を含む構成に限定されない。信号線25は、Y方向に沿っていてもよい。
【0092】
また、実施形態及び変形例において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0093】
1 表示装置
24 走査線
25 信号線
49R 第1副画素
49G 第2副画素
49B 第3副画素
49W 第4副画素
72 画素電極
76 ブランチ電極
77 屈曲部
79 開口部
Pix 画素
V1 第1延出方向
V2 第2延出方向