(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-28
(45)【発行日】2022-04-05
(54)【発明の名称】制御ソフトウエアを書き換え可能な冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/00 20060101AFI20220329BHJP
F25D 11/00 20060101ALI20220329BHJP
G06F 8/65 20180101ALI20220329BHJP
【FI】
F25D23/00 301Z
F25D11/00 101B
G06F8/65
(21)【出願番号】P 2018143096
(22)【出願日】2018-07-31
【審査請求日】2020-08-14
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 直之
【審査官】飯星 潤耶
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-176582(JP,A)
【文献】特開2016-143318(JP,A)
【文献】特開2000-020300(JP,A)
【文献】国際公開第2016/016991(WO,A1)
【文献】特開2011-208907(JP,A)
【文献】特開2014-192937(JP,A)
【文献】特開2009-063215(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 1/00-31/00
G06F 8/00-8/77
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵庫制御ソフトウエアを書き換え可能で、前記冷蔵庫制御ソフトウエアの書き換え中、冷却制御が停止する冷蔵庫であって、
前記冷蔵庫制御ソフトウエアの実行中、ユーザが知覚可能な出力が可能な出力部と、前記冷蔵庫制御ソフトウエアの書き換え中、前記冷蔵庫制御ソフトウエアが書き換え中である旨又は前記出力部の出力若しくは前記冷却制御が停止中である旨を通知する通知部と、
前記冷蔵庫制御ソフトウエアを記憶可能なストレージ領域と、
新たな冷蔵庫制御ソフトウエアの一部を展開可能なRAM領域と、
を有し、
新たな冷蔵庫制御ソフトウエアの一部を前記RAM領域に受信し、
該一部を前記ストレージ領域に記憶された前記冷蔵庫制御ソフトウエアに書き換えて該一部を前記RAM領域から削除し、
新たな冷蔵庫制御ソフトウエアの他の一部又は残部を前記RAM領域に受信し、
前記冷蔵庫制御ソフトウエアの書き換えの開始に伴い、制御基板の状態が変化し、
該状態の変化によって流れる電流に基づいて前記通知部を動作させる回路をさらに有することを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
貯蔵室と、
該貯蔵室を開閉可能な貯蔵室扉と、
前記出力部としての、前記貯蔵室内に設けられ前記貯蔵室扉の開閉に応じて点灯及び消灯する庫内灯、又は、前記出力部としての、ユーザからの操作を受付けるコントロールパネルと、
前記庫内灯又は前記コントロールパネルの電力源と、を有し、
前記状態の変化によって流れる電流は、前記電力源から供給されることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記冷蔵庫制御ソフトウエアの書き換え開始前に、前記冷蔵庫制御ソフトウエアの書き換えの予定時刻又は時間帯を通知することを特徴とする請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
貯蔵室と、該貯蔵室を開閉する貯蔵室扉と、該貯蔵室扉の開閉を検知可能な扉センサと、を有し、
該扉センサの検知履歴を時刻情報と紐付けた冷蔵庫使用頻度情報を参照可能であり、前記予定時刻又は時間帯は、前記冷蔵庫使用頻度情報に基づいて、当該冷蔵庫の使用頻度が低い時間帯に設定されることを特徴とする請求項3に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
貯蔵室と、該貯蔵室を開閉する貯蔵室扉と、該貯蔵室扉の開閉を検知可能な扉センサと、前記貯蔵室内の温度を検知する温度センサと、を有し、
前記予定時刻又は時間帯前に、前記扉センサによる前記貯蔵室扉の開放、又は、前記温度センサの検知値の上昇を検出した場合、前記予定時刻又は時間帯を延期することを特徴とする請求項3又は4に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記予定時刻又は時間帯を承認または変更する旨の通知を前記予定時刻又は時間帯前に検知しない場合、前記予定時刻又は時間帯を延期することを特徴とする請求項3乃至5の何れか一項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御ソフトウエアを書き換え可能な冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、書き換え可能な冷蔵庫制御ソフトウエアを外部通信センターから受信する構成を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
冷蔵庫は、冷却制御等、その用途が明確かつ限定されているため、制御ソフトウエアの展開に求められるRAM領域の容量、制御ソフトウエアの実行演算のために求められるCPUリソース、制御ソフトウエアの記憶に求められるストレージ領域の容量等が事前に把握可能な専用機器である。このため、多少の余裕は確保され得るが、その用途の実行に求められる程度のCPUやメモリを通常搭載している。
【0005】
すると、冷蔵庫制御ソフトウエアを書き換えている間は、書き換え処理の演算実行にリソースの実質的に全部が用いられ、冷蔵庫のコントロールパネルなどのユーザインターフェースが反応できなかったり、冷蔵庫扉を開いた場合などに通常点灯する庫内灯を点灯させられなかったり、冷却制御といった専用機器の特徴となる制御が実行できない時間帯が通常生じる。このような状態のときに冷蔵庫をユーザが操作すると、冷蔵庫が故障しているのではないかとの心配を抱かせてしまう虞がある。しかし、特許文献1はこのような場合を想定した構成については何ら開示していない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記事情に鑑みてなされた第1の本発明は、
冷蔵庫制御ソフトウエアを書き換え可能で、前記冷蔵庫制御ソフトウエアの書き換え中、冷却制御が停止する冷蔵庫であって、
前記冷蔵庫制御ソフトウエアの実行中、ユーザが知覚可能な出力が可能な出力部と、
前記冷蔵庫制御ソフトウエアの書き換え中、前記冷蔵庫制御ソフトウエアが書き換え中である旨又は前記出力部の出力若しくは前記冷却制御が停止中である旨を通知する通知部と、
前記冷蔵庫制御ソフトウエアを記憶可能なストレージ領域と、
新たな冷蔵庫制御ソフトウエアの一部を展開可能なRAM領域と、
を有し、
新たな冷蔵庫制御ソフトウエアの一部を前記RAM領域に受信し、
該一部を前記ストレージ領域に記憶された前記冷蔵庫制御ソフトウエアに書き換えて該一部を前記RAM領域から削除し、
新たな冷蔵庫制御ソフトウエアの他の一部又は残部を前記RAM領域に受信し、
前記冷蔵庫制御ソフトウエアの書き換えの開始に伴い、制御基板の状態が変化し、
該状態の変化によって流れる電流に基づいて前記通知部を動作させる回路をさらに有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】実施例1のLEDのON/OFFを行うLED回路の概略図
【
図6】実施例2の冷蔵庫制御ソフトウェアの書き換え予定時刻通知画面
【
図7】実施例2の冷蔵庫制御ソフトウェアの書き換え制御フローチャート
【
図8】実施例3の冷蔵庫制御ソフトウェアの書き換えフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、専用機器システムの一例としての、本実施例の冷蔵庫システムの構成図である。
図2は本実施例の冷蔵庫1の構成例を示すブロック図である。
図3は本実施例の冷蔵庫1の外観正面図である。
冷蔵庫システムは、冷蔵庫1、インターネット等の広域ネットワーク2、冷蔵庫1から送信される情報を受信したり、冷蔵庫1に送信する冷蔵庫制御ソフトウェアを格納するサーバ機器3、及び携帯端末4を有する。
【0011】
[冷蔵庫1]
冷蔵庫1は、冷蔵室や冷凍室といった貯蔵室、各貯蔵室を開閉する貯蔵室扉、貯蔵室内に設けられた庫内灯105、ユーザからの操作を受付けるコントロールパネル(不図示)、を有する。
【0012】
冷蔵庫1は、貯蔵室扉の開閉状態を検知可能な扉開閉センサ111を有しており、各扉が開かれるとその扉に対応する貯蔵室の庫内灯105が点灯し、各扉が開かれると庫内灯105が消灯する。また、コントロールパネルがユーザの操作を検知すると、コントロールパネル表示部302が点灯する。これら庫内灯やコントロールパネル表示部302は、出力部の一例である。
【0013】
冷蔵庫1は、CPU(Central Processing Unit)101、冷蔵庫制御ソフトウエア102、書換制御ソフトウェア115、メモリ103、各貯蔵室内の温度を検知する温度センサ104、庫内灯105、圧縮機106、冷蔵庫1正面の人を検知する焦電センサ107、冷蔵庫1周囲の明るさを検知する照度センサ108、広域ネットワーク2を介して情報の送受信を行う通信部109、扉開閉センサ111、コントロールパネル、コントロールパネルへの操作に対する応答等を表示するコントロールパネル表示部302、コントロールパネル表示部302を照射して表示内容の視認性を高めるLED112、音声を出力するスピーカ113、コントロールパネル表示部302の表示内容を制御するコントロールパネル制御部114を備える。
【0014】
また、冷蔵庫1は、センサ104,107,108,111の入力を管理する入力制御部、電子部品105、LED112、及びスピーカ113を制御する出力制御部、圧縮機106を制御する圧縮機制御部、並びに、通信部109やコントロールパネル制御部114を制御する通信制御部それぞれを、インストール済の冷蔵庫制御ソフトウエア102で制御している。
【0015】
冷蔵庫1は、広域ネットワーク2と通信部109を介して、サーバ機器3から新たな冷蔵庫制御ソフトウエアの一部をダウンロードすることができる。
【0016】
本実施例は、演算部としてのCPU101は、メモリ103に展開された書換制御ソフトウエア115の実行演算を行い、通信部109を介して受信する新たな冷蔵庫制御ソフトウエアに冷蔵庫制御ソフトウエア102を書き換える。冷蔵庫制御ソフトウエア102の書き換え中は、冷蔵庫制御ソフトウエア102の実行演算を行うことが実質的にできない。このため、冷蔵庫制御ソフトウエア102の書き換え中は、庫内灯105のオンオフや、圧縮機106の駆動といった冷却制御を行えない。
メモリ103は、冷蔵庫制御ソフトウエア102を記憶する領域を含む不揮発性のストレージ領域と、CPU101の実行演算に供するために冷蔵庫制御ソフトウエア102を展開したり書換制御ソフトウエア115を展開したりできる領域と新たな冷蔵庫制御ソフトウエアの一部を記憶させることができる領域とを含む揮発性のRAM(Random Access Memory)と、を有する。冷蔵庫制御ソフトウエア102を新たなものに書き換える場合、ストレージ領域に記憶されている既存の冷蔵庫制御ソフトウエア102のうちの一部を、RAMにダウンロードした新たな制御ソフトウエアの一部に順次書き換えて更新することができる。すなわち、本実施例の冷蔵庫1は、新たな冷蔵庫制御ソフトウエアを部分的にダウンロードし、この部分を既存の冷蔵庫制御ソフトウエア102に適用して書き換え、書き換えを終えたらRAMにダウンロードした一部を消去し、新たな冷蔵庫制御ソフトウエアの他の一部をRAMにダウンロードすることを繰り返すことができる。
【0017】
冷蔵庫制御ソフトウエア102に従って実行演算するCPU101は各貯蔵室が適切な温度となるように圧縮機制御部を制御したり、LED112によりユーザに現在の設定内容の表示やユーザが変更した設定内容を表示するように出力制御部を制御したりしている。また、通信部109を介して受信する携帯端末4からの操作を受付けたり、コントロールパネル制御部114を通じてコントロールパネル表示部302の表示内容を変更したりできる。
【0018】
[コントロールパネル表示部にアップデート中表示を行う回路構成]
本実施例の冷蔵庫1が新たな冷蔵庫制御ソフトウエアにアップデート(書き換え)している間は、制御基板100(CPU101)は書き換え処理に演算リソースを割り当てて、冷蔵庫制御ソフトウエア102の書き換えを行っているため、冷蔵庫制御ソフトウエア102の実行を実質的に停止している。このため、庫内灯105の点灯やコントロールパネルへの操作に対する応答ができない。すると、アップデート中にユーザが貯蔵室扉を開放したりコントロールパネルを操作した場合、何らの出力変化もしないため、冷蔵庫1が故障しているのではないかという疑念を抱かせる虞がある。このため、本実施例では、アップデート中である旨と、アップデート中のため庫内灯105のような出力部が動作していない旨(非動作通知)をユーザに通知する構成を採用している。
図4は、本実施例のLED112のON/OFFを行うLED回路の概略図である。LED回路は、制御基板100から抵抗R3,R1がそれぞれ並列に接続しており、抵抗R3がトランジスタTr5のベースに接続している。トランジスタTr5のエミッタは接地し、コレクタにはコレクタ側から順にLED112と抵抗R2とが接続している。
【0019】
冷蔵庫1は、商用電源を変圧等して、0,5,12V等の定電圧源を作成している。LED112を挟んでトランジスタTr5の反対側には、電圧源の一例である5V電圧源に接続している。すなわち、トランジスタTr5のコレクタとエミッタの一方側にはLED112と第1電圧源が接続し、他方側には接地があるから、ベース電流が流れればコレクタ-エミッタ間に電流が通流してトランジスタTr5がONとなり、LED112が点灯する。また、制御基板100にはこれら定電圧源が接続しており、CPU101の指令に応じて抵抗R1,R3に向けて出力する電圧を変更できる。本実施例の制御基板100は、CPU101が冷蔵庫制御ソフトウエア102の書き換えを実行している間に初期状態となる。初期状態では5V電圧を出力するように設定されている。
【0020】
電圧源は、冷蔵庫1の庫内灯105や、冷気の調整を行うダンパ、庫内ファン、コントロールパネルへの電力源でもある。これらを共用することで冷蔵庫1の構成が複雑になることを抑制しつつLED112のオンオフの切替を行うことができる。
【0021】
ここで、ベースに接続する抵抗R3には、ベースと反対側にそれぞれ抵抗R1と制御基板100とが分岐して接続している。抵抗R1は、5V電圧源に接続している。また、制御基板100が動作している場合、制御基板100は0Vを出力することができ、これによりベース電位は0Vとなり、LED112に電流が流れず消灯させることができる。また、制御基板100が停止すると制御基板100は電圧源と等電位5Vを出力する。この場合、ベース電位は5Vとなり、LED112に電流が流れて点灯させることができる。すなわち、制御基板100がアップデート中になると抵抗R1側からの電圧が印加されるので、ベース電位が5VとなりLED112に電流が流れて点灯する。
【0022】
LED112はこのように、制御基板100が動作して0Vを出力していると消灯され、アップデートによって動作停止(初期状態)すると点灯する。LED112が点灯すると、コントロールパネル表示部302に例えば文字抜き印字されたアップデート実行中表示部の一例としての文字列「アップデート中」、「庫内灯は光りません」、「冷却制御が停止しています」等の視認性が向上する。このため、冷蔵庫1を利用しようとするユーザは、冷蔵庫1がアップデート中であるという事実と、アップデート中であるという原因のために、出力部が動作しない状態であること等を認識できる。
【0023】
このように制御基板100が動作中はコントロールパネル表示部を制御でき、初期状態時は「アップデート中」、「庫内灯は光りません」、「冷却制御が停止しています」等と表示できる回路構成であればよい。
【0024】
[冷蔵庫制御ソフトウエアの書き換え制御]
図5は本実施例の冷蔵庫1の制御フローチャートである。
冷蔵庫1がインストール済の冷蔵庫制御ソフトウエア102を用いて通常の冷却制御を行っている状態では、制御基板100は0Vを出力してLED112は消灯しており、アップデート実行中表示部の視認性は低下している(ステップS100)。
【0025】
サーバ機器3から冷蔵庫1が新たな冷蔵庫制御ソフトウェアの存在を受信していない場合(ステップS101,No)、通常制御を継続する(ステップS102)。新たな冷蔵庫制御ソフトウエアの存在を検知した場合(ステップS101,Yes)、冷蔵庫1は、冷蔵庫制御ソフトウェア102の書き換えを開始する(ステップS103)。このとき、冷蔵庫制御ソフトウェア書き換え中は、冷蔵庫制御基板100が初期状態となり、LED112が点灯してアップデート実行中表示部の視認性が高まる。これによりユーザは現在アップデート中であることを認識できる。冷蔵庫制御ソフトウェア書き換えが終了すると(ステップS104)、フローチャートのStartに戻る。すなわち、冷蔵庫制御基板100が動作を開始することによりLED112が消灯し、アップデート実行中表示部の視認性が低下する。なお、アップデート実行中である旨を、携帯端末4に送信して出力させても良い。
【0026】
なお、メモリ103にコントロールパネル制御部114やLED112に関する出力制御部のコピーを予め格納可能な程度にメモリ103の容量が確保されている場合は、制御ソフトウエアの書き換え中にもLED112のオンオフを制御させることができる。この場合は、制御ソフトウエアの書き換えを開始する前に、コントロールパネル制御部114にアップデートを開始する旨を通知し、LED112を点灯させるようにしてもよい。
なお、本実施例の制御ソフトウエアの書き換えやアップデート中であることのユーザへの通知を行うハードウエアやソフトウエアは、冷蔵庫以外の種々の専用機器に適用しても良い。
【0027】
ここでいう専用機器とは、パーソナルコンピュータやスマートフォンのような、インストールするプログラムやアプリケーションに応じて様々な機能を果たし得る機器、すなわち、必要と思われる演算リソースやメモリ容量を事前に把握することが通常困難なために、多くの余裕を以て演算リソースやメモリ容量を実装することが望まれる汎用機器を除外する趣旨である。専用機器としては例えば、冷蔵庫、洗濯機、電気掃除機、加熱調理器、空気清浄器、空気調和器、照明機器といった家電製品や、印刷機、自動車、工場機械等が挙げられる。
【実施例2】
【0028】
本実施例の構成は、次の点を除き実施例1と同様にできる。
[アップデート予定時刻]
図6は本実施例の冷蔵庫制御ソフトウェアの書き換え予定時刻通知画面である。携帯端末4の表示画面401は、冷蔵庫制御ソフトウェアの書き換え予定時刻402aを表示する。ユーザは、予定時刻を承認する場合は時刻承認部の一例としての「OK」ボタンを操作する。予定時刻を変更したい場合は時刻変更部の一例としての「時間変更」を操作する。この場合、表示画面401は、時刻変更受付部402bを表示する。時刻変更部402bの操作を通じて、ユーザは予定時刻を変更することができる。
【0029】
図7は本実施例の冷蔵庫制御ソフトウェアの書き換え制御フローチャートである。
サーバ機器3の送信制御部203は、携帯端末4に冷蔵庫制御ソフトウェアの書き換え予定時刻を送信し(ステップS200)、携帯端末4から予定時刻の承認又は変更の旨の受信を待機する(ステップS201)。承認又は変更された予定時刻を受信した場合(ステップS201,Yes)、サーバ機器3は予定時刻に到達するまで待つ。携帯端末4から予定時刻の承認又は変更の旨の受信ができずに予定時刻に近づいた(例えば1時間前)場合(ステップS202,Yes)、予定時刻を例えば24時間遅らせ(ステップS203)再度携帯端末4に予定時刻を送信する(ステップS200)。
【0030】
予定時刻が近付き、例えば1時間前になると(ステップS204,Yes)、冷蔵庫1は、ドア開閉や貯蔵室の温度上昇を検知したか(生じているか)を確認する(ステップS205)。検知した場合、サーバ機器3にその旨を通知し、サーバ機器3は冷蔵庫1に対して予定時刻を例えば1時間延期する旨を指令する。これによりユーザが冷蔵庫1を使用している時間帯や貯蔵室内の冷却が不十分な時間帯に書き換えが開始されることを抑制できる(ステップS206)。
【0031】
予定時刻に達すると(S207,Yes)、送信制御部203より冷蔵庫1の通信部109に新たな冷蔵庫制御ソフトウェアを送信する。冷蔵庫1は新たな冷蔵庫制御ソフトウェアをダウンロードしつつ、書き換えを行う。
【実施例3】
【0032】
本実施例の構成は、次の点を除き実施例1又は2と同様にできる。
図8は本実施例の冷蔵庫制御ソフトウェアの書き換えフローチャートである。
サーバ機器3に新たな冷蔵庫制御ソフトウェアがある場合、冷蔵庫1にその旨が送信される(ステップS300)。すると、冷蔵庫1はユーザの使用頻度が少ない時間帯を算出する(ステップS301)。算出方法としては例えば、単位時間あたりのドア開閉回数を収集し、ドア開閉回数が少ない時間帯がユーザの使用頻度が少ない時間帯とすることができる。算出したユーザの使用頻度が低い時間帯を予定時刻とし、冷蔵庫1からサーバ機器3に予定時刻を送信する。予定時刻に達すると(ステップS302,Yes)、サーバ機器3が冷蔵庫1に新たな冷蔵庫制御ソフトウェアを送信し、冷蔵庫1は冷蔵庫制御ソフトウェアの書き換えを開始する(ステップS303)。
【0033】
ユーザの使用頻度が低い時間帯としては、その他、冷蔵庫1周囲の照度を検知する照度センサ108により冷蔵庫周囲の光量を計測し、光量が少ない時間が一定時間継続した場合とすることができる。また、焦電センサ107でユーザが冷蔵庫の前に長時間(例えば3時間)いないことを検知し、ユーザの使用頻度が少ない状態であると判断してもよい。
【符号の説明】
【0034】
1:冷蔵庫
2:広域ネットワーク
3:サーバ機器
4:使用者端末
100:制御基板(冷蔵庫制御部)
101:CPU(演算部)
102:冷蔵庫制御ソフトウエア(制御ソフトウエア)
103:メモリ
104:各センサ
105:庫内灯
106:圧縮機
107:焦電センサ
108:照度センサ
109:通信部
110:通信制御部
111:扉開閉センサ
112:LED
113:スピーカ
114:コントロールパネル制御部
115:書換制御ソフトウエア(制御ソフトウエア)
201:受信制御部
202:判定制御部
203:送信制御部
301:冷蔵庫扉
302:コントロールパネル表示部
401:ユーザ携帯端末画面
402a:冷蔵庫制御ソフトウェア書き換え開始時間通知画面
402b:冷蔵庫制御ソフトウェア書き換え開始時間変更画面