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特許7048483タッチ構造及びその製造方法並びにタッチ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-28
(45)【発行日】2022-04-05
(54)【発明の名称】タッチ構造及びその製造方法並びにタッチ装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/044 20060101AFI20220329BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20220329BHJP
【FI】
G06F3/044 125
G06F3/041 490
G06F3/044 122
G06F3/041 495
G06F3/041 660
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018506386
(86)(22)【出願日】2017-06-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-21
(86)【国際出願番号】 CN2017090892
(87)【国際公開番号】W WO2018082324
(87)【国際公開日】2018-05-11
【審査請求日】2020-04-28
(31)【優先権主張番号】201610972840.3
(32)【優先日】2016-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】512282165
【氏名又は名称】合肥▲シン▼晟光▲電▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI XINSHENG OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Xinzhan Industrial Park,Hefei,Anhui,230012,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】王 静
(72)【発明者】
【氏名】郭 ▲総▼杰
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 明
(72)【発明者】
【氏名】何 ▲敏▼
(72)【発明者】
【氏名】▲謝▼ ▲曉▼冬
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲貴▼玉
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼ ▲チ▼涛
(72)【発明者】
【氏名】胡 小娟
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲緒▼杰
(72)【発明者】
【氏名】李 冬
【審査官】木内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-503102(JP,A)
【文献】特開2014-153791(JP,A)
【文献】特表2014-529128(JP,A)
【文献】特開2016-081531(JP,A)
【文献】特開2013-069261(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0117027(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0111709(US,A1)
【文献】特開2014-194720(JP,A)
【文献】特開2013-054618(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/044
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに交差する第1タッチ電極と第2タッチ電極を含み、
前記第1タッチ電極と前記第2タッチ電極は互いに絶縁し、
前記第2タッチ電極は互いに間隔をおいた複数の電極パターン及び互いに間隔をおいた複数の接続パターンを含み、各接続パターンはその隣接する電極パターンに接続され、且つ各接続パターンは格子状パターンを含み、前記接続パターンに接続される前記電極パターンの各々は、透かし部がない中実の塊状構造であり、
各接続パターンは複数本のリード線を含み、各リード線は前記接続パターンと隣接する電極パターンに接続され、前記複数本のリード線は、前記格子状パターンを形成するように、複数の透かし部を形成し、前記複数の透かし部の平面形状は、異なる数の辺及び平面領域を有する異なる多角形であり、X個の辺を持つ多角形の1つの透かし部は、異なる平面形状の多角形の他のX個の多角形に隣接し、Xが4以上の正の整数である、タッチ構造。
【請求項2】
前記接続パターンの材料は金属を含む、請求項1に記載のタッチ構造。
【請求項3】
各リード線の幅は4ミクロン~6ミクロンである、請求項2に記載のタッチ構造。
【請求項4】
前記接続パターンの材料は透明導電性金属酸化物を含む、請求項1に記載のタッチ構造。
【請求項5】
各リード線の幅は15ミクロン~30ミクロンである、請求項4に記載のタッチ構造。
【請求項6】
前記第1タッチ電極は平面形状が格子状である、請求項1~5のいずれかに記載のタッチ構造。
【請求項7】
それぞれ前記第1タッチ電極及び前記第2タッチ電極に接続される複数本の信号伝送線をさらに含む、請求項1~6のいずれかに記載のタッチ構造。
【請求項8】
前記信号伝送線は前記接続パターンと同一層に設置される請求項7に記載のタッチ構造。
【請求項9】
さらに絶縁層を含み、前記絶縁層は、前記第1タッチ電極と前記第2タッチ電極を互いに絶縁するように、前記第1タッチ電極と前記第2タッチ電極との交差位置に設けられた部分を含む、請求項1~8のいずれかに記載のタッチ構造。
【請求項10】
互いに交差する第1タッチ電極と第2タッチ電極を形成するステップを含み、
前記第1タッチ電極と前記第2タッチ電極は互いに絶縁し、
前記第2タッチ電極は互いに間隔をおいた複数の電極パターン及び互いに間隔をおいた複数の接続パターンを含み、各接続パターンはその隣接する電極パターンに接続され、且つ各接続パターンの平面形状は格子状パターンを含み、前記接続パターンに接続される前記電極パターンの各々は、透かし部がない中実の塊状構造であり、
各接続パターンは複数本のリード線によって形成され、各リード線は前記接続パターンと隣接する電極パターンに接続され、前記複数本のリード線は、前記格子状パターンを形成するように、複数の透かし部を形成し、前記複数の透かし部の平面形状は、異なる数の辺及び平面領域を有する異なる多角形であり、X個の辺を持つ多角形の1つの透かし部は、異なる平面形状の多角形の他のX個の多角形に隣接し、Xが4以上の正の整数である、タッチ構造の製造方法。
【請求項11】
複数本の信号伝送線を形成するステップをさらに含み、前記信号伝送線及び前記接続パターンは同一の導電性薄膜に対してパターニングプロセスを行うことにより形成され、前記複数本の信号伝送線がそれぞれ前記第1タッチ電極及び前記第2タッチ電極に接続され、前記複数本のリード線は、前記形成された信号伝送線である、請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
前記接続パターンと前記信号伝送線のうちの少なくとも一方を対応して被覆するように、保護絶縁層を形成するステップをさらに含む、請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
前記第1タッチ電極と互いに間隔をおいた複数の前記電極パターンとを形成するように、第1導電性薄膜を形成するとともに前記第1導電性薄膜に対して第1パターニングプロセスを行い、
絶縁層を形成するとともに前記第1タッチ電極と前記電極パターンとを前記絶縁層の第1側に形成するように、絶縁層薄膜を形成するとともに前記絶縁層薄膜に対して第2パターニングプロセスを行い、
互いに間隔をおいた複数の前記接続パターンを形成するように、第2導電性薄膜を形成するとともに前記第2導電性薄膜に対して第3パターニングプロセスを行い、各接続パターンは、平面形状が格子状であり、且つ前記絶縁層の第2側に形成された部分を含み、前記第2側が前記第1側とは反対であり、前記第2タッチ電極を形成するように、各接続パターンはそれと隣接する電極パターンを接続し、前記第2タッチ電極は前記絶縁層を介して前記第1タッチ電極と絶縁する、請求項10~12のいずれかに記載の製造方法。
【請求項14】
請求項1~9のいずれかに記載のタッチ構造を含む、タッチ装置。
【請求項15】
さらに表示パネルを含み、前記表示パネルは対向に設置されたアレイ基板と対向基板を含み、前記タッチ構造は前記対向基板の前記アレイ基板から離れる側に設置される請求項14に記載のタッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例はタッチ構造及びその製造方法並びにタッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチ技術の登場以来、その普及率がますます高くなり、異なるセンシング方式によれば、タッチスクリーンは、抵抗式、容量式、赤外線式、音波式に大別される。容量式タッチスクリーンのうちの相互容量式タッチスクリーンは、マルチタッチを実現できるためタッチスクリーン市場の主流となり、且つ将来の発展傾向になる。相互容量式タッチスクリーンはアドオン型タッチスクリーンとインセル型タッチスクリーンに分けられる。アドオン型タッチスクリーンは、たとえばOGS(One Glass Solution)及びOn cell等のタイプを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の実施例はタッチ構造及びその製造方法並びにタッチ装置を提供し、本発明の実施例によって、タッチ電極の接続パターンが使用者に見られにくい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の少なくとも1つの実施例は、互いに交差し且つ互いに絶縁する第1タッチ電極と第2タッチ電極を含むタッチ構造を提供する。前記第2タッチ電極は互いに間隔をおいた複数の電極パターン及び互いに間隔をおいた複数の接続パターンを含み、各接続パターンはその隣接する電極パターンに接続され、且つ各接続パターンは格子状パターンを含む。
【0005】
たとえば、各接続パターンは複数本のリード線を含み、各リード線は前記接続パターンと隣接する電極パターンに接続され、前記複数本のリード線は、前記格子状パターンを形成するように、複数の透かし部を形成する。
【0006】
たとえば、前記接続パターンの材料は金属を含む。たとえば、各リード線の幅は4ミクロン~6ミクロンである。
【0007】
たとえば、前記接続パターンの材料は透明導電性金属酸化物を含む。たとえば、各リード線の幅は15ミクロン~30ミクロンである。
【0008】
たとえば、少なくとも一部の前記リード線は平面形状が折線形である。
【0009】
たとえば、各透かし部の平面輪郭形状は多角形である。
【0010】
たとえば、前記複数の透かし部は異なる辺の数を有する複数の多角形を含む。
【0011】
たとえば、前記第1タッチ電極と前記電極パターンのうち少なくとも一方は平面形状が格子状である。
【0012】
たとえば、前記タッチ構造は、それぞれ前記第1タッチ電極及び前記第2タッチ電極に接続される複数本の信号伝送線をさらに含む。
【0013】
たとえば、前記信号伝送線は前記接続パターンと同一層に設置される。
【0014】
たとえば、前記タッチ構造はさらに絶縁層を含み、前記絶縁層は、前記第1タッチ電極と前記第2タッチ電極を互いに絶縁するように、前記第1タッチ電極と前記第2タッチ電極との交差位置に設けられた部分を含む。
【0015】
本発明の少なくとも1つの実施例はさらにタッチ構造の製造方法を提供し、互いに交差する第1タッチ電極と第2タッチ電極を形成するステップを含む。該方法では、前記第1タッチ電極と前記第2タッチ電極は互いに絶縁し、前記第2タッチ電極は互いに間隔をおいた複数の電極パターン及び互いに間隔をおいた複数の接続パターンを含み、各接続パターンはその隣接する電極パターンに接続され、且つ各接続パターンの平面形状は格子状パターンを含む。
【0016】
たとえば、前記製造方法は、複数本の信号伝送線を形成するステップをさらに含み、前記信号伝送線及び前記接続パターンは同一の導電性薄膜に対してパターニングプロセスを行うことにより形成され、前記信号伝送線がそれぞれ前記第1タッチ電極及び前記第2タッチ電極に接続される。
【0017】
たとえば、前記製造方法は、前記接続パターンと前記信号伝送線のうちの少なくとも一方を対応して被覆するように、保護絶縁層を形成するステップをさらに含む。
【0018】
たとえば、前記第1タッチ電極と互いに間隔をおいた複数の前記電極パターンとを形成するように、第1導電性薄膜を形成するとともに前記第1導電性薄膜に対して第1パターニングプロセスを行い、前記絶縁層を形成するとともに前記第1タッチ電極と前記電極パターンとを前記絶縁層の第1側に形成するように、絶縁層薄膜を形成するとともに前記絶縁層薄膜に対して第2パターニングプロセスを行い、互いに間隔をおいた複数の前記接続パターンを形成するように、第2導電性薄膜を形成するとともに前記第2導電性薄膜に対して第3パターニングプロセスを行い、各接続パターンは、平面形状が格子状であり、且つ前記絶縁層の第2側に形成された部分を含み、前記第2側が前記第1側とは反対であり、前記第2タッチ電極を形成するように、各接続パターンはそれと隣接する電極パターンを接続し、前記第2タッチ電極は前記絶縁層を介して前記第1タッチ電極と絶縁する。
【0019】
本発明の少なくとも1つの実施例は、以上のいずれかに記載のタッチ構造を含むタッチ装置をさらに提供する。
【0020】
たとえば、前記タッチ装置はさらに表示パネルを含み、前記表示パネルは対向に設置されたアレイ基板と対向基板を含み、前記タッチ構造は前記対向基板の前記アレイ基板から離れる側に設置される。
【0021】
本発明の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下では実施例の図面を簡単に説明し、勿論、下記図面は本発明の一部の実施例に関するものに過ぎず、本発明を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1はITO電極パターンと導電性ブリッジを組み合わせたタッチ構造の断面模式図である。
図2図2は本発明の実施例に係るタッチ構造の平面模式図1である。
図3図3は本発明の実施例に係るタッチ構造の平面模式図2である。
図4図4は本発明の実施例に係るOGSタッチ装置に用いられるタッチ構造の断面模式図である。
図5a図5aは図4に示されたタッチ構造の製造ステップの模式図である。
図5b図5bは図4に示されたタッチ構造の製造ステップの模式図である。
図5c図5cは図4に示されたタッチ構造の製造ステップの模式図である。
図5d図5dは図4に示されたタッチ構造の製造ステップの模式図である。
図5e図5eは図4に示されたタッチ構造の製造ステップの模式図である。
図5f図5fは図4に示されたタッチ構造の製造ステップの模式図である。
図6図6は本発明の実施例に係るタッチ装置の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施例の目的、技術案及び利点をより明瞭にするために、以下、本発明の実施例の図面をもって、本発明の実施例の技術案を明瞭且つ完全に説明する。勿論、下記実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、全部の実施例ではない。下記本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を必要とせずに想到し得るすべての他の実施例は、本発明の保護範囲に属する。
【0024】
特に定義しない限り、本開示で使用される技術用語又は科学用語は、当業者が理解できる一般的な意味を有する。本開示で使用される「第1」、「第2」及び類似する用語は、順序、数量又は重要性を示すものではなく、異なる構成要素を区別するためのものにすぎない。「備える」又は「含む」等の類似する用語は、「備える」又は「含む」の前に記載された要素や部材が、「備える」又は「含む」の後に挙げられる要素や部材及びそれらと同等のものをカバーすることを指し、他の要素や部材を排除しない。「接続」又は「連結」等の類似する用語は、物理的又は機械的な接続に限定されるのではなく、直接的又は間接的な接続にかかわらず、電気的な接続も含む。「上」、「下」、「左」、「右」等は、相対的な位置関係を指すだけであり、説明された対象の絶対的な位置が変化すると、該相対的な位置関係も対応して変化する可能性がある。
【0025】
従来、On cell及びOGSタッチスクリーンでは、タッチ構造は、一般的にITO(酸化インジウムスズ)電極パターンと導電性ブリッジの組み合わせ方式を用いる。たとえば、図1に示すように、タッチ構造は、交差位置において絶縁層3を介して互いに絶縁する第1タッチ電極1と第2タッチ電極2を含み、第1タッチ電極1はITOにより製造され且つ連続的に形成され、第2タッチ電極2は分割して形成され、且つ間隔をおいて設置された複数の電極パターン2a(電極パターン2aはITOで製造される)及び間隔をおいて設置された複数の接続パターン2b(導電性ブリッジとも呼ばれ、図1に1つの接続パターン2bが示される)を含み、隣接する電極パターン2aは接続パターン2bを介して接続され、タッチ構造は、それぞれ第1タッチ電極1及び第2タッチ電極2に接続される信号伝送線をさらに含み、信号伝送線は金属で製造される。
【0026】
図1に示されるタッチ構造に対して、本願の発明者は、接続パターン2bがITO等の透明導電性金属酸化物で製造された場合、信号伝送線と接続パターン2bの製造材料が異なるため異なるリソグラフィプロセスで製造され、製造コストの増加をもたらし、従って接続パターン2bは通常金属材料で製造され、しかし、金属材料で製造された接続パターン2bの抵抗を小さくするために、接続パターン2bの幅(図1の垂直方向に沿う寸法)が通常約10ミクロンであり、それにより、該接続パターンが使用者に見られにやすい(すなわちパターン可視抑制効果が悪い)ことがわかった。
【0027】
本発明の少なくとも1つの実施例はタッチ構造を提供する。図2に示すように、該タッチ構造100は、互いに交差する第1タッチ電極10と第2タッチ電極20を含む(図2には2つの第1タッチ電極10及び1つの第2タッチ電極20が示される)。第1タッチ電極10と第2タッチ電極20との交差位置において、第1タッチ電極10と第2タッチ電極20が互いに絶縁し、たとえば、該タッチ構造100はさらに絶縁層30を含み、該絶縁層30は、第1タッチ電極10と第2タッチ電極20を互いに絶縁するように、第1タッチ電極10と第2タッチ電極20との交差位置に設置された部分を含む。第2タッチ電極20は、互いに間隔をおいた複数の電極パターン21及び互いに間隔をおいて、第1タッチ電極10と第2タッチ電極20との交差位置に位置する複数の接続パターン22を含み、各接続パターン22はそれと隣接する電極パターン21を接続し、且つ各接続パターン22は格子状パターンを含む。たとえば、各第1タッチ電極10は、複数の電極パターン11(たとえば、電極パターン11が菱形構造である)と、隣接する電極パターン11を接続する複数の接続パターン(図2に未図示)とを含んでもよく、且つ電極パターン11と接続パターンが一体形成される。たとえば、第1タッチ電極10の接続パターン11は非格子状構造である。
【0028】
たとえば、各接続パターン22は複数本のリード線を含み(図2は4本のリード線を例として説明し、22a-22dを参照する)、各リード線は接続パターン22と隣接する電極パターン21を電気的に接続することにより、該複数本のリード線は互いに並列接続され、且つ格子状パターンを形成するように、該複数本のリード線は交差によって複数の閉じた透かし部220(図2の菱形の閉じた開口に示される)を形成する。たとえば、複数の内部格子ノード221及び複数の閉じた透かし部220を形成するように、該複数本のリード線のうちの少なくとも2本のリード線は、端点以外の部分が交差し、たとえば、内部格子ノード221を形成した上で、外部格子ノード222を形成するように、該少なくとも2本のリード線の端点が重なってもよい。
【0029】
本発明の実施例では、タッチ構造は、互いに交差し且つ交差する位置において絶縁層を介して互いに絶縁する第1タッチ電極と第2タッチ電極を含み、該第2タッチ電極は互いに間隔をおいた複数の電極パターン及び互いに間隔をおいた複数の接続パターンを含み、各接続パターンはそれと隣接する電極パターンを電気的に接続し、各接続パターンの平面形状が格子状である。図1に示されたタッチ構造の接続パターン2bが単一の金属接続ブリッジを用いる方式に比べて、本発明の実施例における格子状接続パターンの格子線を細く製造することができ、それにより該格子状接続パターンが使用者に見られにくく、且つ該格子状接続パターンがより小さいインピーダンスを有し、それにより接続パターンでの静電気放電(ESD)現象の発生確率を低減させる。また、タッチ領域全体に連続的に形成された格子状構造によって隣接する電極パターンを接続する方式に比べて、本発明の実施例の第2タッチ電極に含まれる接続パターンは互いに間隔をおかれてモアレパターン現象が発生しにくい。
【0030】
たとえば、図2に示すように、接続パターン22に含まれる少なくとも一部のリード線は平面形状(すなわち平面視形状)が折線形であり、たとえば、少なくとも2本のリード線は折線形又は各リード線はいずれも折線形である。折線は、すなわち複数本の線分が順次に首尾接続して形成される曲げ接続線である。本発明の実施例では、接続パターン22に含まれるリード線が折線形に設置されることにより、該リード線が第1タッチ電極10及び第2タッチ電極20の延伸方向に対して傾斜し、直線形リード線に比べて、少数のリード線によって多数の透かし部を形成することに有利である。
【0031】
たとえば、各透かし部220の平面輪郭形状は多角形であってもよい。たとえば、各透かし部220の平面形状は同一の多角形であってもよく、たとえば、図2に示すように、各透かし部の平面形状は菱形である。たとえば、図3に示すように、接続パターン22に含まれる複数の透かし部220は異なる辺の数を有する多角形を含み、たとえば、図3に示される四角形透かし部、五角形透かし部及び六角形透かし部を参照する。該複数の透かし部220に異なる形状を有させることによって、モアレパターン現象を回避し且つパターン可視抑制効果を最適化することにさらに有利である。勿論、接続パターン22の透かし部220の設置形態は図2及び図3に示される実施例を含むが、それらに制限されない。
【0032】
たとえば、接続パターン22の材料は金属であってもよく、たとえばアルミニウム、アルミニウムネオジム合金、銅、ジルコニウム、チタン等の金属である。たとえば、図2に示すように、本発明の少なくとも1つの実施例に係るタッチ構造100は、それぞれ第1タッチ電極10及び第2タッチ電極20の信号伝送に用いられるようにそれぞれ第1タッチ電極10及び第2タッチ電極20に接続される複数本の信号伝送線40をさらに含む。たとえば、信号伝送線40は接続パターン22と同一層に設置されてもよい(すなわち同一薄膜に対してパターニングプロセスを行って形成される)。信号伝送線40と接続パターン22はいずれも金属で製造される場合、同一の金属薄膜に対してパターニングプロセス(たとえばリソグラフィプロセス)を行うことにより形成されることができ、それによりプロセスを簡略化させ、製造コストを低減させる。
【0033】
たとえば、接続パターン22の材料が金属である場合、接続パターン22に含まれる各リード線の幅は4ミクロン~6ミクロンである。これで分かるように、図1に示されたタッチ構造の接続パターン2bが約10ミクロン幅の単一金属ブリッジを用いる方式に比べて、本発明の実施例の接続パターン22に含まれる各リード線は細く製造され、それにより使用者に見られにくい。
【0034】
たとえば、接続パターン22の材料が金属である場合、図2に示すように、本発明の少なくとも1つの実施例に係るタッチ構造100は、金属で製造された接続パターン22が酸化されることを防止するように、該接続パターン22を被覆する保護絶縁層50をさらに含んでもよい。
【0035】
たとえば、接続パターン22の材料は透明導電性金属酸化物であってもよく、たとえばインジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)等である。透明導電性金属酸化物で接続パターン22を製造することによって、接続パターン22が使用者に見られにくく、また、図1に示されたタッチ構造の接続パターン2bが単一のITO導電性ブリッジを用いる方式に比べて、本発明の実施例の接続パターン22は格子状構造を用いるので、抵抗がより小さい。
【0036】
たとえば、接続パターン22の材料が透明導電性金属酸化物である場合、接続パターン22に含まれる各リード線は、幅が15ミクロン~30ミクロンであってもく、たとえば15~20ミクロンである。
【0037】
たとえば、第2タッチ電極20の電極パターン21及び第1タッチ電極10はいずれも透明導電性金属酸化物、たとえばインジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)等で製造することができる。たとえば、この場合、第2タッチ電極20の電極パターン21及び第1タッチ電極10の電極パターン11はいずれも中実の塊状構造(たとえば、塊状の菱形構造)であってもよい。
【0038】
たとえば、抵抗を小さくするために、第1タッチ電極10及び電極パターン21のうち少なくとも一方の平面形状(すなわち平面視形状)が格子状である。たとえば、第1タッチ電極10の電極パターン11の平面形状が格子状であってもよく、それにより第1タッチ電極10の平面形状が格子状であり、それに基づき、たとえば、第1タッチ電極10の接続パターンも格子状であってもよい。たとえば、格子状の第1タッチ電極10及び/又は電極パターン21は金属材料で製造される。
【0039】
たとえば、絶縁層30及び保護絶縁層50のそれぞれは有機絶縁層又は無機絶縁層又は有機絶縁層と無機絶縁層の積層構造であってもよい。たとえば、図2及び図3に示すように、絶縁層30は分割して形成されてもよく(すなわち互いに間隔をおいてそれぞれ接続パターン22に位置する複数の絶縁層パターンを含む)、又は、絶縁層30はタッチ領域内で連続的に形成されてもよく、接続パターン22は絶縁層30のビアホールを介して隣接する電極パターン21を接続する。
【0040】
たとえば、本発明の実施例に係るタッチ構造はOGSタッチ装置又はOn Cell型タッチ装置に用いられてもよい。
【0041】
図4は本発明の実施例に係るOGSタッチ装置に用いられるタッチ構造の断面模式図である。たとえば、図4に示すように、タッチ構造100はベース基板90と、その上に設置された第1タッチ電極10、第2タッチ電極20及び絶縁層30とを含む。第2タッチ電極20の複数の電極パターン21及び複数の接続パターン22はいずれも互いに間隔をおき、接続パターン22と電極パターン21とは異なる層に設置され(すなわち異なる層に対してパターニングプロセスを行って形成される)、第1タッチ電極10と第2タッチ電極20の接続パターン22とはそれぞれ絶縁層30の反対する両側(図4の絶縁層30の下側と上側を参照する)に設置されてもよく、第1タッチ電極10と第2タッチ電極20の電極パターン21とは絶縁層30の同一側に設置されてもよく、たとえばそれらが同一層に設置される。たとえば、タッチ構造は、絶縁層30のベース基板90に対向する側に設置されたブラックマトリックス80と、信号伝送線40と、信号伝送線40を被覆する保護絶縁層50とをさらに含む。なお、第2タッチ電極20の電極パターン21と接続パターン22の位置は交換可能である。
【0042】
たとえば、本発明の実施例に係るタッチ構造はOn Cell型タッチ装置に用いられる場合、ブラックマトリックスを含まなくてもよい。
【0043】
たとえば、本発明の実施例に係るタッチ構造は相互容量原理を用いてもよく、すなわち第1タッチ電極と第2タッチ電極のうちの一方はタッチ駆動電極で、他方はタッチセンシング電極である。
【0044】
本発明の少なくとも1つの実施例はさらにタッチ構造の製造方法を提供し、図2図4に示されるタッチ構造100を参照して、該製造方法は、互いに交差する第1タッチ電極10と第2タッチ電極20を形成するステップを含み、該方法では、第1タッチ電極10と第2タッチ電極20との交差位置において、第1タッチ電極10と第2タッチ電極20は互いに絶縁し、たとえば、該方法は、絶縁層30を形成するステップをさらに含み、該絶縁層30は、第1タッチ電極10と第2タッチ電極20を互いに絶縁するように、第1タッチ電極10と第2タッチ電極20との交差位置に形成された部分を含む。該製造方法では、第2タッチ電極20は互いに間隔をおいた複数の電極パターン21及び互いに間隔をおいた複数の接続パターン22を含み、各接続パターン22はそれと隣接する電極パターン21を接続し、且つ各接続パターン22の平面形状は格子状パターンを含む。たとえば、各接続パターン22は複数本のリード線を含み、各リード線は接続パターン22と隣接する電極パターン21を接続することにより、該複数本のリード線は互いに並列接続され、且つ格子状パターンを形成するように、該複数本のリード線は複数の透かし部220を形成する。
【0045】
たとえば、本発明の少なくとも1つの実施例に係る製造方法は、複数本の信号伝送線40を形成するステップをさらに含み、信号伝送線40と接続パターン22は同一の導電性薄膜に対してパターニングプロセスを行うことにより形成され、それぞれ第1タッチ電極10及び第2タッチ電極20の信号伝送に用いられるように、信号伝送線40はそれぞれ第1タッチ電極10及び第2タッチ電極20に接続される。同一の導電性薄膜に対してパターニングプロセスを行うことにより信号伝送線40と接続パターン22を形成し、それで、プロセスを簡略化させ、コストを低減させることができる。
【0046】
たとえば、図4に示されるタッチ構造100に対しては、本発明の少なくとも1つの実施例に係る製造方法は、以下のステップS41~ステップS43を含み、以下、図5a~図5fを参照しながら説明する。
【0047】
ステップS41:図5aに示すように、第1導電性薄膜10’を形成し、図5bに示すように、第1タッチ電極10と互いに間隔をおいた複数の電極パターン21とを形成するように、第1導電性薄膜10’に対して第1パターニングプロセスを行う。
【0048】
たとえば、第1パターニングプロセスは、第1導電性薄膜10’でのフォトレジスト塗布、露光、現像及びエッチングステップを含む。
【0049】
ステップS42:図5cに示すように、絶縁層薄膜30’を形成し、図5dに示すように、絶縁層30を形成するとともに第1タッチ電極10と電極パターン21とを絶縁層30の第1側に形成するように、絶縁層薄膜30’に対して第2パターニングプロセスを行う。
【0050】
たとえば、絶縁層薄膜30’はフォトレジスト性質を有する材料を用いてもよく、それにより、第2パターニングプロセスは露光と現像ステップを含むとともにエッチングステップを省くことができる。
【0051】
ステップS43:図5eに示すように、第2導電性薄膜20’を形成し、図5fに示すように、互いに間隔をおいた複数の接続パターン22を形成するように、第2導電性薄膜20’に対して第3パターニングプロセスを行い、各接続パターン22は、平面形状が格子状であり、且つ絶縁層30の第2側に形成された部分を含み、該第2側は上記第1側とは反対であり、第2タッチ電極20を形成するように、各接続パターン22はそれと隣接する電極パターン21を接続し、第2タッチ電極20は第1タッチ電極10と交差する位置において絶縁層30を介して第1タッチ電極10と絶縁する。
【0052】
たとえば、第3パターニングプロセスは、第2導電性薄膜20’でのフォトレジスト塗布、露光、現像及びエッチングステップを含む。
【0053】
たとえば、該ステップS43では、第2導電性薄膜20’に対して第3パターニングプロセスを行う過程で、図5fに示すように、信号伝送線40を形成してもよく、それにより、製造プロセスを省く。
【0054】
なお、本発明の実施例のステップS41とステップS43の順序を交換可能である。
【0055】
たとえば、接続パターン22と信号伝送線40のうち少なくとも一方が金属で製造される場合、図4に示すように、本発明の少なくとも1つの実施例に係る製造方法は、接続パターン22と信号伝送線40のうち少なくとも一方を対応して被覆するように、保護絶縁層50を形成するステップをさらに含む。
【0056】
たとえば、図4に示されるタッチ構造がOGSタッチ装置に用いられる場合、本発明の実施例に係る製造方法は、ステップS41を行う前に、ベース基板90上にブラックマトリックス80を形成するステップをさらに含み、たとえば、フォトレジスト塗布、露光及び現像ステップによって所要のブラックマトリックスを形成してもよい。
【0057】
本発明の実施例に係る方法の各構造はタッチ構造の実施例の関連説明を参照することができ、繰り返し説明しない。
【0058】
本発明の少なくとも1つの実施例は、以上のいずれか実施例に係るタッチ構造100を含むタッチ装置をさらに提供する。
【0059】
たとえば、図6に示すように、本発明の少なくとも1つのタッチ装置はさらに表示パネル300を含み、表示パネル300は、対向に設置されたアレイ基板310と対向基板320を含み、タッチ構造100は対向基板320のアレイ基板310から離れる側に設置される。たとえば、該タッチ装置は、図6に示すように、On Cell型タッチ装置であってもよく、たとえば、該タッチ装置はOGSタッチ装置であってもよく、つまり、タッチ装置は、対向基板320のアレイ基板310から離れる側に設置された保護基板をさらに含み、タッチ構造100は該保護基板に設置されるとともに該保護基板の対向基板320に対向する側に位置する。
【0060】
たとえば、本発明の実施例に係るタッチ装置は、表示領域と、表示領域の周辺に位置するフレーム領域とを含んでもよく、タッチ構造は表示領域に設置されてもよい。
【0061】
たとえば、該タッチ装置は、タッチ液晶パネル、電子ペーパー、タッチOLED(有機発光ダイオード)パネル、携帯電話、タブレットPC、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲータ、指紋認識装置等のタッチ機能を有するいずれかの製品又は部材であってもよい。
【0062】
以上のように、本発明の実施例に係るタッチ構造及びその製造方法並びにタッチ装置は以下の利点を有する。
【0063】
1、図1に示されたタッチ構造の接続パターン2bが単一の金属ブリッジを用いる方式に比べて、本発明の実施例の格子状接続パターンは使用者に見られにくく、且つより小さいインピーダンスを有するため、接続パターンでの静電気放電(ESD)現象の発生確率を低減させることができる。
【0064】
2、全面にわたって形成された格子状構造によって隣接する電極パターンを接続する方式に比べて、本発明の実施例の第2タッチ電極に含まれる複数の接続パターンは互いに間隔をおかれてモアレパターン現象が発生しにくい。
【0065】
3、図1に記載のタッチ構造の接続パターン2bが単一のITO導電性ブリッジを用いる方式に比べて、本発明の実施例に係るタッチ構造は、接続パターンと信号伝送線を金属材料で製造し、且つ同一のパターニングプロセスで形成することによって、製造プロセスを省き、コストを低減させることができる。
【0066】
なお、(1)本発明の実施例の図面は、本発明の実施例に関する構造のみに関し、他の構造は通常設計を参照できる。(2)明瞭のために、本発明の実施例を説明するための図面に、層又は領域の厚さは実際の縮尺に応じたものではない。(3)衝突しない限り、本発明の実施例及び実施例の特徴を組み合わせることができる。
【0067】
以上、本発明の例示的な実施形態を説明したが、本発明の保護範囲を制限するためのものではなく、本発明の保護範囲は添付した特許請求の範囲により決められる。
【0068】
本願は2016年11月7日に出願した中国特許出願第201610972840.3号の優先権を主張し、ここで上記中国特許出願の全内容を援用して本願の一部として組み込む。
【符号の説明】
【0069】
1 第1タッチ電極
2 第2タッチ電極
2a 電極パターン
2b 接続パターン
3 絶縁層
10 第1タッチ電極
10’ 第1導電性薄膜
11 電極パターン
20 第2タッチ電極
20’ 第2導電性薄膜
21 電極パターン
22 接続パターン
22a リード線
22b リード線
22c リード線
22d リード線
30 絶縁層
30’ 絶縁層薄膜
40 信号伝送線
50 保護絶縁層
80 ブラックマトリックス
90 ベース基板
100 タッチ構造
220 透かし部
221 内部格子ノード
222 外部格子ノード
300 表示パネル
310 アレイ基板
320 対向基板
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図5d
図5e
図5f
図6