(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-28
(45)【発行日】2022-04-05
(54)【発明の名称】基材上に構造を形成する方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20220329BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20220329BHJP
H01L 21/314 20060101ALI20220329BHJP
【FI】
H01L21/30 563
H01L21/302 301Z
H01L21/302 105A
H01L21/314 A
(21)【出願番号】P 2019531445
(86)(22)【出願日】2017-12-08
(86)【国際出願番号】 IB2017001656
(87)【国際公開番号】W WO2018109554
(87)【国際公開日】2018-06-21
【審査請求日】2020-11-25
(32)【優先日】2016-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516317045
【氏名又は名称】アーエスエム・イーぺー・ホールディング・ベスローテン・フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100104374
【氏名又は名称】野矢 宏彰
(72)【発明者】
【氏名】クナプエン,ベルナー
(72)【発明者】
【氏名】メイズ,ヤン・ビレム
(72)【発明者】
【氏名】ヨングブルート,ベルト
(72)【発明者】
【氏名】カヘル,クシシュトフ・カミル
(72)【発明者】
【氏名】ピエルー,ディーター
(72)【発明者】
【氏名】デ・ルースト,ダービド・クルト
【審査官】田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-034987(JP,A)
【文献】特開2015-179843(JP,A)
【文献】特開2009-108402(JP,A)
【文献】特開2007-208042(JP,A)
【文献】特表2014-532289(JP,A)
【文献】特表2015-516686(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
H01L 21/3065
H01L 21/314
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に構造を形成する方法であって、
反応チャンバー内で前記基材にハードマスク材料を提供すること、および
a) 第一の期間T1の間、前記反応チャンバー内の前記基材上の前記ハードマスク材料に第一の前駆体を提供すること、
b) 第二の期間T2の間、前記第一の前駆体の一部を前記反応チャンバーから除去すること、および、
c) 第三の期間T3の間、前記基材上の前記ハードマスク材料に第二の前駆体を提供し、前記第一および第二の前駆体に相互反応させて前記ハードマスク材料内に浸透材料を形成させること、を含む一つまたは複数の浸透サイクル中に前記ハードマスク材料を浸透材料で浸透させること、を含
み、
前記ハードマスク材料が、スピンオンガラス、スピンオンカーボン層、窒化ケイ素層、反射防止コーティング、アモルファスカーボン、SiCOH、またはSiOC材料を含む、
方法。
【請求項2】
前記方法が、
前記ハードマスク材料の上方にパターン付き層を提供すること、および、
前記パターン付き層のパターンを前記ハードマスク材料内にエッチングしてパターン付きハードマスクを形成すること、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パターン付き層を前記ハードマスク材料の上方に提供することが、
前記ハードマスク材料上にフォトレジスト層を提供すること、および、
リソグラフィー装置を用いて前記フォトレジスト層をパターニングすること、を含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
パターン付き層を前記ハードマスク材料の上方に提供することが、
前記ハードマスク材料上にブロックコポリマー膜を提供すること、および、
前記ブロックコポリマー膜の誘導自己組織化を促進して、前記パターン付き層を形成すること、を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記一つまたは複数の浸透サイクルが、
d) 第四の期間T4の間、前記第二の前駆体の一部を除去することであって、前記一つまたは複数の浸透サイクルが1~60回である、除去すること、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
基材上に構造を形成する方法であって、
反応チャンバー内で前記基材にハードマスク材料を提供すること、および
a) 第一の期間T1の間、前記反応チャンバー内の前記基材上の前記ハードマスク材料に第一の前駆体を提供すること、
b) 第二の期間T2の間、前記第一の前駆体の一部を前記反応チャンバーから除去すること、および、
c) 第三の期間T3の間、前記基材上の前記ハードマスク材料に第二の前駆体を提供し、前記第一および第二の前駆体に相互反応させて前記ハードマスク材料内に浸透材料を形成させること、を含む一つまたは複数の浸透サイクル中に前記ハードマスク材料を浸透材料で浸透させること、を含み、
前記
ハードマスク材料が多孔性である
、方法。
【請求項7】
前記第一および/または第二の前駆体を除去することが、前記第一または第二の前駆体を前記反応チャンバーからポンプで排出させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第一および/または第二の前駆体を除去することが、前記反応チャンバー内にパージガスを提供して前記第一および/または第二の前駆体をパージ除去することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記方法が、
少なくとも二つの反応チャンバーを備える逐次的浸透合成装置を提供することであって、各チャンバーが単一の基材を収容するよう構成および配置される、提供することと、
基材を各反応チャンバーに提供することと、
前記第一および/または第二の前駆体を、共通の前駆体供給システムを備える少なくとも二つの反応チャンバーに提供することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
N浸透サイクル中に、前記ハードマスク材料を浸透材料で浸透させる前に、前記反応チャンバーが20~600℃の温度で1~3000秒間パージされる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記方法が、前記反応チャンバーを20~450℃の温度に加熱することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記方法が、
前記反応チャンバー、排気ラインおよびバルブのすべての表面を20~450℃に加熱することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記チャンバー内の圧力は、0.001~1000Torrである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記浸透材料が金属を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第一または第二の前駆体が、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリエチルアルミニウム(TEA)、およびジメチルアルミニウムハイドライド(DMAH)からなる群から選択されるアルミニウムのアルキル化合物であり、前記浸透材料は前記金属としてアルミニウムを含む、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
前記第一または第二の前駆体が、塩化チタン(IV)(TiCl4)、タンタル(V)ペンタクロリド(TaCl5)、五塩化ニオブ(NbCl5)を含む、請求項
14に記載の方法。
【請求項17】
前記第一または第二の前駆体が、水、オゾン、または過酸化水素を含む群から選択される酸化剤、またはアンモニアおよびヒドラジンを含む群から選択される窒化剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記浸透材料は、塩化チタン(IV)(TiCl4)、タンタル(V)ペンタクロリド(TaCl5)、および五塩化ニオブ(NbCl5)からなる群から好ましくは選択される金属ハライドを含む前記第一および第二の前駆体の一方、およびトリメチルアルミニウム(TMA)、トリエチルアルミニウム(TEA)、およびジメチルアルミニウムハイドライド(DMAH)ジメチルエチルアミンアラン(DMEAA)、トリメチルアミンアラン(TEAA)、N-メチルピロリジンアラン(MPA)、トリ-イソブチルアルミニウム(TIBA)、トリtertブチルアルミニウム(TTBA)トリメチルホウ素およびトリエチルホウ素からなる群から好ましくは選択されるアルミニウムまたはホウ素炭化水素化合物を含む前記第一および第二の前駆体の他の一方によって作製される金属炭化物を含む、請求項
14に記載の方法。
【請求項19】
前記ハードマスク材料がパターン付けされている、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概ね、電子デバイスを製造するための方法およびシステムに関する。より具体的には、本開示は、基材上に構造を形成するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トレンドが半導体デバイスをより小さいサイズに推し進めるにしたがい、種々のパターニング技術が生まれてきた。これらの技術には、スペーサー法クオドパターニング(spacer defined quadruple patterning)、極紫外線リソグラフィー(EUV)、およびスペーサー法ダブルパターニング(Spacer Defined Double patterning)と組合せたEUVが含まれる。更に、誘導自己組織化(DSA)は、将来のリソグラフィー用途の選択肢と考えられている。DSAは、自己集合のためのパターンを画定するためにブロックコポリマーの使用を含む。使用されるブロックコポリマーは、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリスチレン、またはポリ(スチレン-ブロック-メチルメタクリレート)(PS-b-PMMA)を含み得る。他のブロックコポリマーは、潜在的に小さな寸法を可能にし得る新たな「高χ(high-Chi)」ポリマーを含み得る。
【0003】
上記のパターニング技術は、基材の高解像度パターニングを可能にするために、基材上に配置される少なくとも一つのポリマーレジストを利用することができる。高解像度およびラインエッジラフネスの両方の要求を満たすために、ポリマーレジストは通常薄い層であることができる。しかしながら、このような薄いポリマーレジストはいくつかの欠点を有することがある。特に、高解像度ポリマーレジストは、低いエッチング耐性を有することがある。この低いエッチング耐性のために、パターン形成されたレジストを下にある層へ転写することはより困難になる。半導体デバイスのサイズを更に縮小するために必要な高度な高解像度ポリマーレジストが更により低いエッチング耐性およびエッチング選択性を有する場合に、低いエッチング耐性はより大きな問題となる。更に、高解像度ポリマーレジストは、得られるパターンに大きなエッジラフネスが生じる可能性がある。
【0004】
したがって、ポリマーレジストのパターンをハードマスクに転写することが有利である場合がある。ハードマスクは、より高いエッチング耐性およびエッチング選択性を有するポリマーまたは他の有機「ソフト」レジスト材料の代わりに、エッチングマスクとして半導体プロセスにおいて使用される材料である。その結果、高度な特性を有するハードマスクシステムが必要とされる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の少なくとも一つの実施形態によれば、基材上に構造を形成する方法が提供される。当該方法は:
反応チャンバー内で基材にハードマスク材料を提供すること、および
一つまたは複数の浸透サイクル中にハードマスク材料を浸透材料で浸透させることを含む。当該サイクルは:
a) 第一の期間T1の間、反応チャンバー内の基材上のハードマスク材料に第一の前駆体を提供すること、
b) 第一の前駆体の一部を第二の期間T2の間、反応チャンバーから除去すること、および、
c) 第三の期間T3の間、基材上のハードマスク材料に第二の前駆体を提供し、第一および第二の前駆体に相互反応させてハードマスク材料内に浸透材料を形成させることを含む。
【0006】
従来の技術を超えて達成される本発明および利点を要約するために、本発明のある目的および利点について、本明細書において上に記載してきた。当然のことながら、必ずしもこうした目的または利点の全てが本発明の任意の特定の実施形態によって達成されなくてもよいことが理解されるべきである。それゆえ、例えば、本明細書に教授または示唆する通り、一つの利点または利点の一群を達成または最適化する形式で、本明細書に教授または示唆されてもよい、他の目的または利点を必ずしも達成することなく、本発明が具体化または実行されてもよいことを、当業者は認識するであろう。
【0007】
これらの実施形態の全ては、本明細書に開示する本発明の範囲内であることが意図されている。当業者には、これらのおよび他の実施形態は、添付の図面を参照して、以下のいくつかの実施形態の発明を実施するための形態から容易に明らかとなり、本発明は、開示される全ての特定の実施形態にも限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書で開示される本発明のこれらおよび他の特徴、態様、並びに利点は、ある特定の実施形態の図面を参照して以下に記載され、これは例示することを意図しており、本発明を限定することを意図してはいない。
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の少なくとも一つの実施形態によるフローチャートである。
【0010】
【
図2】
図2は、本開示の様々な例示的実施形態による例示的システムを示す。
【0011】
【
図3】
図3は、本開示の様々な例示的実施形態による追加の例示的なシステムを示す。
【0012】
図面の要素は、簡潔かつ明瞭にするために例示されており、必ずしも縮尺通りに描かれていないことが理解されよう。例えば、図内の要素のうちいくつかの寸法は、本開示の例示された実施形態の理解の向上を助けるために他の要素に対して相対的に誇張されている場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0013】
いくつかの実施形態および実施例を以下に開示するが、本発明が、具体的に開示する本発明の実施形態および/または用途、並びにその明白な変更および均等物を超えて拡大することは、当業者により理解されるであろう。それゆえ、開示する本発明の範囲は、以下に記載し具体的に開示する実施形態によって限定されるべきでないことが意図される。
【0014】
本発明による実施形態は、ハードマスクの膜浸透プロセスとの組合せに関する。ハードマスクと浸透プロセスとのこの組合せは、ハードマスクの特性(例えば、エッチング速度またはパターン化された形体の幅のLERさえも)を著しく変える可能性がある。
【0015】
図1は、本発明の少なくとも一つの実施形態による方法100を例示する。方法100は、基材を反応チャンバーに提供する第一の工程110を含み、基材は基材上に少なくとも一つのハードマスク材料を有する。
【0016】
ハードマスク材料は多孔性であってもよい。気孔率は、ハードマスク材料の全体積の一部分としてハードマスク材料の空隙を測定することによって測定され得、それは0~1の値を有し得る。ハードマスク材料は、全体積における空隙の部分が0.1より大きい、0.2より大きい、または0.3よりも大きい場合に、多孔性として認定され得る。
【0017】
ハードマスク材料は、例えば、スピンオンガラス、またはスピンオンカーボン層、窒化ケイ素層、反射防止コーティングまたはアモルファルカーボン膜を含んでもよい。ガラスまたはカーボン層を基材上にスピニングすることにより、スピンオンガラスまたはスピンオンカーボン層を設け、ハードマスク材料を提供することができる。さらに、ハードマスク材料は、SicOH、またはSiOCを含み得る。
【0018】
一実施形態では、パターン付き層はハードマスク材料の上方に提供されてもよく、パターン付き層のパターンは、パターン付きハードマスクを作成するハードマスク材料内にエッチングされてもよい。その後、パターン付き層を取り外してもよく、パターン付きハードマスクをさらなる処理のために使用してもよい。このことは、よりエッチング耐性のあるハードマスクを適用することによって、高分解能ハードマスク材料のエッチング抵抗が低い場合があるという問題を軽減し得る。ハードマスクは、パターン付きハードマスクのラインエッジラフネスまたはライン幅を改善するためにさらに処理されうる。ハードマスクとパターン付き層との間に中間層が有り得る。
【0019】
一実施形態では、パターン付き層は、ハードマスク材料の上部にレジスト(例えば、フォトレジスト)層を提供すること、および(光学的)リソグラフィー装置でレジスト層をパターニングすることによって、ハードマスク材料上に提供され得る。フォトレジスト層は、低いエッチング抵抗を有してもよく、またレジスト層のパターンをハードマスクに転写することによって、パターンのエッチング抵抗が改善され得る。
【0020】
レジスト層はアニールされてもよい。アニール工程は、レジストから水分または他の汚染物質を脱気する、レジストを硬化させる、またはレジストの部分を基材表面から選択的に焼失させる目的を有してもよい。
【0021】
一実施形態では、ハードマスク材料の上方にブロックコポリマー膜を有すること、およびブロックコポリマー膜の誘導自己組織化を促進してパターン付き層を形成することによって、ハードマスク材料上のパターン付き層が提供され得る。ブロックコポリマー膜は、低いエッチング抵抗を有してもよく、またコポリマーのパターンをハードマスクに転写することによって、パターンのエッチング抵抗が改善され得る。ブロックコポリマー膜を導くために必要な場合、中間パターン付き層が、ハードマスク材料とブロックコポリマー層との間に提供され得る。
【0022】
得られるパターン内の欠陥密度を低減するためにブロックコポリマー膜の自己組織化アニールを行う実施形態では、プロセスパラメータ、例えば時間、温度、ならびにアニールプロセスの周囲条件および圧力が重要である。低い欠陥密度を得るためには、長いアニール時間を必要とする場合がある。アニールを、100~400℃の範囲の温度、好ましくは200~300℃、最も好ましくは250℃で約60分間行うことができる。所望のアニールの量に応じて、他の温度および持続期間が可能である。しかし、自己組織化アニールの温度を高すぎないようにするべきであり、さもなければポリマーが分解し始める可能性がある。
【0023】
アニールを行う周囲環境は、窒素、アルゴン、ヘリウム、水素、酸素、オゾン、水蒸気、溶媒蒸気、またはこれらのガスの混合物を含むことができる。アニール周囲環境の圧力は、超高真空から大気圧まで範囲の任意の圧力、または大気圧を超える圧力とすることができる。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、アニールプロセスを単一ウェーハのホットプレート上で行うことができる。本発明の別の実施形態によれば、バッチ式反応器は、長いアニール時間を必要とするプロセスにとって有益であることが分かる。バッチ式反応器は、2~250枚の基材、好ましくは5~150枚の基材、または最も好ましくは約100枚の基材を保持することができる。例えば、二つ以上の反応チャンバーを備えるクラスターツールを、一つの反応チャンバー、好ましくはバッチ式反応器が、アニールプロセスに使用できるように作動させることができる。これにより、コスト効果の高い方法で、1~2時間程度の長いアニールを行う処理が可能となる。
【0025】
方法100は、一つまたは複数の浸透サイクル中にハードマスク材料が浸透材料で浸透され得る第二の工程120を含み得る。各浸透サイクルは、以下の工程を含み得る:
第一の期間T1の間、反応チャンバー内の基材上のハードマスク材料に第一の前駆体を提供する工程120a、
第一の前駆体の一部を第二の期間T2の間、除去する工程120b、および、
第三の期間T3の間、基材上のハードマスク材料に第二の前駆体を提供し、第一および第二の前駆体に相互反応させて浸透材料を形成させ、ハードマスク材料の強化をもたらす工程120cを含む。
【0026】
随意に、浸透サイクルは、第四の期間T4の間、第二の前駆体の一部を除去する工程120dを有してもよい。浸透シーケンスはN回繰り返すことができ、Nは1~60、好ましくは3~20、最も好ましくは5~12である。浸透120は、金属または誘電体を形成する前駆体がハードマスク材料に浸透するように行われてもよい。前駆体は、浸透中、好ましくは気体である。
【0027】
随意に、金属または誘電体などの浸透材料も、ハードマスクの全体積上に堆積され得る。これは、例えば、ハードマスクがパターンをより広く、かつよりエッチング耐性とするためにパターン化される場合に行われ得る。
【0028】
また、自己整列型ダブルパターニングマスク層を、ハードマスクの上にも浸透/堆積させることが可能になる。元のハードマスク層を除去した後、ダブルパターニングマスク層をさらなるパターン転写に使用し得る。
【0029】
第一および/または第二の前駆体を除去することは、第一または第二の前駆体を反応チャンバーから排気し、代替的にまたは追加的に、反応チャンバー内にパージガスを供給して第一および/または第二の前駆体をパージすることによって達成することができる。
【0030】
工程120aにおいて、第一の前駆体を1~20000、好ましくは20~6000、より好ましくは50~4000、最も好ましくは100~2000秒の第一の期間T1の間、浸透させることができる。このようにして、ハードマスク材料に第一の前駆体を深く浸透することが確保される。
【0031】
工程120bにおいて、第一の前駆体の一部を1~20000、好ましくは20~6000、より好ましくは50~4000、最も好ましくは100~2000の第二の期間T2の間、除去することができる。
【0032】
工程120における方法は、堆積/浸透システム200(
図2)、300(
図3)において実施され得る。この堆積システムは、拡散オーブン、化学蒸着システム、原子層堆積システムまたは順次浸透合成専用システムであってもよい。この方法は、反応チャンバーの温度を20~450℃、好ましくは50~150℃、より好ましくは60~110℃、最も好ましくは65~95℃の温度に加熱することを含むことができる。
【0033】
ここで
図2を参照すると、ハードマスク材料の少なくとも一部を浸透するためのシステム200が例示されている。システム200は、第一の反応チャンバー203、基材ホルダー204、およびガス分配システム206を更に備えることができる反応器202を備えることができる。システム200はまた、ガス前駆体供給システム201を備えることができ、ガス前駆体供給システムは第一の前駆体供給源207;第二の前駆体供給源208;キャリアガスまたはパージガス供給源210;ならびに供給源207、208、210と、216および反応器202との間に配置されたバルブ211、212、および214を更に備えることができる。
【0034】
反応チャンバー203は、スタンドアローンの反応チャンバーまたはクラスターツールの一部であってもよい。更に、反応チャンバー203は、本明細書に記載されているような浸透プロセス専用であってもよく、または反応チャンバー203は別のプロセス、例えば膜堆積、少なくとも一つのポリマー層の一部および一つもしくは複数の追加の層堆積の除去、ならびに/もしくはエッチングプロセスのために用いられてもよい。例えば、反応チャンバー203は、化学蒸着(CVD)および/または原子層堆積(ALD)プロセスに典型的に使用される反応チャンバーを備えることができ、ダイレクトプラズマおよび/またはリモートプラズマ装置を備えることもできる。
【0035】
更に反応チャンバー203は、真空下または大気圧に近い圧力下で動作することができる。一例として、反応チャンバー203は、第一の前駆体および第二の前駆体を少なくとも一つの基材上へ連続的にパルスすることによる膜のALD堆積に好適な反応チャンバーを備えることができ、膜は少なくとも第一の前駆体がハードマスク材料の中へ浸透することができるように構成される。システム200に適する例示的なALD反応チャンバーは、米国特許第8,152,922号に記載され、その内容が本発明と矛盾しない範囲で、その内容が本明細書に参照によって組み込まれる。
【0036】
基材ホルダー204は、少なくとも一つの基材、例えばハードマスク層が上に配置される基材216を、プロセス中に定位置に保持するように構成されることができる。追加的にまたは代替的に、基材ホルダー204は(例えば、発熱体205により)加熱、冷却されてもよく、またはプロセス中の周囲のプロセス温度であってもよい。いくつかの実施形態では、発熱体205は少なくとも一つの基材216上でアニール工程を行うように構成されてもよい。
【0037】
ガス分配システム206はブロック形式で例示されているが、ガス分配システム206は比較的複雑であり、ガス混合物を反応チャンバー203の残りの部分に分配する前に、第一の前駆体供給源207、第二の前駆体供給源208、およびガス供給源210からのパージガスからの蒸気(ガス)を混合するように設計されてもよい。更に、ガス分配システム206は、半導体表面へのガスの(図示されるような)垂直流または水平流を提供するように構成されてもよい。例示的なガス分配システムは、米国特許第8,152,922号に記載されている。
【0038】
第一の前駆体源207は、浸透プロセスに好適な金属含有材料の液体、固体、またはガスの供給源であってもよい。第一の前駆体源207が液体または固体である場合、原料を反応チャンバー203に入れる前に気化させることができる。
【0039】
第二の前駆体供給源208は、浸透プロセスに適する材料を含む液体、固体、またはガス供給源であってもよい。第二の前駆体源208が液体または固体である場合、原料を反応チャンバー203に入れる前に気化させることができる。
【0040】
第一の前駆体および第二の前駆体を共に利用して、ハードマスクを堆積および/または浸透させることができる。例えば、いくつかの実施形態では、システム200は、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化シリコン(SiO2)、窒化ケイ素(SiN)、オキシ窒化ケイ素(SiON)、炭窒化ケイ素(SiCN)、炭化ケイ素(SiC)、炭化チタン(TiC)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、タングステン(W)、コバルト(Co)、二酸化チタン(TiO2)、酸化タンタル(Ta2O5)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)、または二酸化ハフニウム(HfO2)を、ハードマスク上またはハードマスク中に堆積/浸透させるように構成されてもよい。
【0041】
パージガス供給源210は、第一の前駆体供給源207および/または第二の前駆体供給源208をパージするのに適する任意の適切なガスを含むことができる。キャリアガスまたはパージガス供給源210はまた、堆積および/または浸透プロセスの前、後またはその間に反応チャンバー203をパージするのに適する任意のガスを含むことができる。本開示の例示的な実施形態によれば、パージガスは、窒素、アルゴン、ヘリウム、またはそれらの組合せとすることができる。
【0042】
図2に例示するように、供給源207、208、および210は、バルブ211、212および214を介して反応チャンバー203と流体連通しており、これらのバルブを、反応チャンバー203へ供給ライン219、220、および222を用いて、それぞれの供給源物質の流れ、混合、および分配を制御するのに使用することができる。
【0043】
本開示の更なる実施形態では、ハードマスクを堆積および/または浸透させるためのシステム300が、
図3を参照して例示される。システム300は、システム200のものと同様であってもよいが、第一の反応チャンバー203Aおよび第二の反応チャンバー203Bを更に備えることができる反応器302を備えることができる。
図3は二つの反応チャンバーを含む反応器302を例示しているが、いくつかの実施形態では、本明細書に前述したとおり、反応器302は複数の反応チャンバーを含むことができ、各反応チャンバーは基材ホルダー204とガス分配システム206を含むことが理解されよう。基材ホルダーは、単一の基材、2~25枚の基材(ミニバッチ)または26~200枚の基材(フルバッチ)を保持するように構成されることができる。システム300はまた、第一の前駆体供給源207、第二の前駆体供給源208、キャリアガスまたはパージガス供給源210、ならびに供給源207、208、210と、反応器302との間に配置されたバルブ211、212、および214を備えることができる。
【0044】
システム300はまた、基材、例えば半導体を第一の反応チャンバー203Aおよび第二の反応チャンバー203Bからシステムの外部に搬送するために利用される搬送システム304を備えることができる。いくつかの実施形態では、反応チャンバー203Aおよび203Bは、本明細書に記載されているような浸透プロセス専用であってもよく、または反応チャンバー203Aおよび203Bは、他のプロセス、例えば層堆積および/またはエッチングプロセスにも使用されてもよい。例えば、反応チャンバー203Aおよび203Bは、本明細書で説明するように、化学蒸着(CVD)、浸透および/または原子層堆積プロセスに典型的に使用される反応チャンバーを備えることができる。更なる実施形態では、システム300は、追加の専用プロセス、例えば堆積およびエッチングプロセスを実行するための追加の反応チャンバーを備えることができる。
【0045】
図3に例示するように、供給源207および208は、バルブ211、212を介して反応器302と流体連通しており、これらのバルブは、反応チャンバー203Aおよび203Bへ供給ライン219および220、共通の前駆体供給システム201の全ての部分を用いて、それぞれの供給源物質の流れ、混合、および分配を制御するのに使用されることができる。この方法は、基材を各反応チャンバーに供給し、共通の前駆体供給システム201を用いて第一および/または第二の前駆体を少なくとも二つの反応チャンバーへ供給することを含む。
【0046】
このシステムは、共通の前駆体除去システム226(例えば、真空ポンプ)を含むことができる。本方法は、共通の除去システム226を用いて少なくとも二つの反応チャンバーから第一のまたは第二の前駆体を除去することを更に含むことができる。
【0047】
このシステムは、共通のパージシステム210、214、222を含むことができる。本方法は、共通のパージシステムを用いてパージガスを供給することにより少なくとも二つの反応チャンバーから第一のまたは第二の前駆体を除去することを含むことができる。
【0048】
一実施形態では、
図2のシステム200の反応チャンバーは、
図1の単一の基材21を収容するように構成され、および配置され、第一の前駆体を、1~20000、好ましくは20~4000、更に好ましくは30~1000秒の第一の期間T1の間、供給することができる。
【0049】
更なる一実施形態では、システムの反応チャンバーは、2~25の基材を収容するように構成され、および配置され、第一の前駆体を、1~16000、好ましくは20~7000、最も好ましくは30~1500秒の期間T1の間、供給することができる。
【0050】
別の実施形態では、反応チャンバーは、26~200の基材を収容するように構成され、および配置され、第一の前駆体を、1~20000、好ましくは100~10000、更に好ましくは200~6000、最も好ましくは300~4000秒の期間T1の間、供給することができる。
【0051】
パターン付きハードマスク材料を浸透材料で浸透させる前に、反応チャンバーを1~3000秒間、好ましくは120~1200秒間、20~600℃、好ましくは50~150℃、最も好ましくは70~100℃の温度でパージしてガス放出を強化することが有利である場合がある。
【0052】
工程120aにおいて、第一の前駆体をバブラーを用いて第一の期間T1の間、供給することができ、パージガスと混合する第一の前駆体のパルスを0.1~100秒、好ましくは1~3秒間とパージガスのパルスを0.1~20、好ましくは0.3~1秒間とを交互に行い、不連続な第一の前駆体流を供給する。
【0053】
第一の前駆体を、前駆体を反応チャンバーへ供給する前に、反応チャンバー圧力において室温と沸点との間の温度、好ましくは20~450℃、より好ましくは30~80℃、更により好ましくは35~60℃に加熱することができる。
【0054】
浸透システムに、コントローラ、ヒータ、および温度センサを備える温度制御システムを設けて反応チャンバー内の温度を20~450℃、好ましくは50~150℃、より好ましくは60~110℃、最も好ましくは65~95℃の温度に制御することができる。反応チャンバーを、20~450℃、好ましくは50~150℃、より好ましくは60~110℃、最も好ましくは65~95℃の温度に加熱することができる。反応チャンバー、排気ライン、およびバルブ内の全ての表面を、20~450℃、好ましくは50~150℃、より好ましくは60~110℃、最も好ましくは65~95℃に加熱して、システム内の前駆体のうちの少なくとも一つの凝縮を避けることができる。
【0055】
堆積システムに、コントローラ、ポンプ、およびパージガスまたは第一の前駆体供給部を備える圧力制御システムを設け、反応チャンバー内の圧力を制御することができる。チャンバー内の圧力を、0.001~1000Torr、好ましくは1~400Torr、より好ましくは5~100Torr、および最も好ましくは10~50Torrの値に制御することができる。
【0056】
浸透材料は金属を含み得る。第一の前駆体は、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリエチルアルミニウム(TEA)、およびジメチルアルミニウムハイドライド(DMAH)からなる群から選択されるアルミニウムのアルキル化合物であってもよく、浸透材料は金属としてアルミニウムを含む。
【0057】
第一または第二の前駆体は、塩化チタン(IV)(TiCl4)、タンタル(V)ペンタクロリド(TaCl5)、五塩化ニオブ(NbCl5)を含み得る。第二の前駆体は、酸化剤であってもよい。酸化剤は、水、オゾン、過酸化水素、アンモニア、およびヒドラジンを含む群から選択される。
【0058】
ジルコニウムまたはハフニウムを浸透させる場合、ZrまたはHf前駆体は、有機金属の(metalorganic)前駆体、有機金属の(organometallic)前駆体、またはハライド前駆体を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、前駆体はハライドである。いくつかの他の実施形態では、前駆体はHfまたはZrのアルキルアミン化合物、例えばTEMAZまたはTEMAHである。
【0059】
第二の工程120において堆積される金属または誘電体は、酸化アルミニウム(Al2O3)、二酸化ケイ素(SiO2)、窒化ケイ素(SiN)、オキシ炭化ケイ素(SiOC)、炭窒化ケイ素(SiCN)、炭化ケイ素(SiC)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化チタン(TiN)、炭化チタン(TiC)、窒化タンタル(TaN)、タングステン(W)、コバルト(Co)、二酸化チタン(TiO2)、酸化タンタル(Ta2O5)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)、または二酸化ハフニウム(HfO2)を含み得る。
【0060】
選択的堆積を行うために、金属を得るための前駆体、例えば酸化アルミニウム(Al2O3、AlO)の形成のためのトリメチルアルミニウム(TMA)および水(H2O)を使用することができる。第二の工程120における浸透および/または堆積は、20~300℃の範囲の温度で、酸化アルミニウムの形成の場合65~95℃の好ましい温度範囲で行うことができる。第二の工程120の間の温度は、前段階の温度より低くてもよいため、例示的アニールまたは脱ガス温度250℃から第二の段階130の温度70~100℃に冷却する工程が必要となる場合がある。任意のアニールまたはアウトガス放出プロセスの温度は、第二の工程120の温度よりも少なくとも25℃高くてもよく、第二の工程120の温度よりも25~300℃高くてもよく、より好ましくは第二の工程120より100~250℃高くてもよい。
【0061】
工程120aは、1秒~20000秒の範囲、好ましくは20~6000、より好ましくは50~4000秒、最も好ましくは100~2000秒、の期間T1の間、TMAなど第一の前駆体の供給を含むことができる。工程120bはまた、1秒~20000秒、好ましくは20~6000、より好ましくは50~4000、最も好ましくは100~2000秒の第二の期間T2の間の除去および/またはパージを含むことができる。
【0062】
そして、工程120cは、1~10000秒、好ましくは6~800秒、より好ましくは10~100秒の範囲の期間T3の間、第二の前駆体、例えば水の供給を含むことができる。第二の工程120dは次に、1~10000秒、好ましくは6~800秒の範囲の第四の期間T4を有する第二の除去/パージを含むことができる。
【0063】
更に、金属または誘電体の十分な浸透を得るために、必要に応じて、第二の工程120を繰り返すことができる。
【0064】
本発明の少なくとも一つの実施形態によれば、第二の工程120の浸透をアニールの任意の工程よりも前に行うことができる。この場合、金属または誘電体膜は、最初にハードマスク材料を浸透し、その後アニールプロセスを行ってもよい。本発明の少なくとも一つの実施形態では、任意のアニール工程および第二の工程120の浸透を周囲の空気に全く曝すことなく行うことができる。周囲の空気に曝さないことにより、かなりの量の酸素または水への曝露を回避する。周囲空気への暴露は、潜在的な吸水可能性により影響を受け得るため、ハードマスク材料の浸透に悪影響を与える場合がある。ハードマスク材料が水を吸収すると、望ましくない物質が堆積することがある。
【0065】
一実施形態によると、浸透材料は、塩化チタン(IV)(TiCl4)、タンタル(V)ペンタクロリド(TaCl5)、および五塩化ニオブ(NbCl5)からなる群から好ましくは選択される金属ハライドである第一の前駆体、およびトリメチルアルミニウム(TMA)、トリエチルアルミニウム(TEA)、およびジメチルアルミニウムハイドライド(DMAH)ジメチルエチルアミンアラン(DMEAA)、トリメチルアミンアラン(TEAA)、N-メチルピロリジンアラン(MPA)、トリ-イソブチルアルミニウム(TIBA)、トリtertブチルアルミニウム(TTBA)トリメチルホウ素およびトリエチルホウ素からなる群から好ましくは選択されるアルミニウムまたはホウ素炭化水素化合物である第二の前駆体によって作製される金属炭化物を含む。
【0066】
呈示され説明された特定の実施形態は、本発明およびその最良の形態を例示するものであり、態様および実施形態の範囲を何ら限定する意図はない。実際、簡潔さのために、従来の製造、関連、調製、およびシステムの他の機能的態様を詳細には説明しない場合がある。更に、様々な図に示される接続線は、様々な要素間の例示的な機能的関係および/または物理的結合を表すことを意図する。多くの代替的もしくは追加の機能的関係、もしくは物理的接続が実際のシステムに存在してもよく、および/またはいくつかの実施形態では存在しなくてもよい。
【0067】
本明細書に記載される構成および/または方法は本質的に例示的であり、これらの特定の実施形態または実施例は、数多くの変形が可能であるので、限定的な意味で考慮されるべきではないことを理解されたい。本明細書に記載される特定のルーチンまたは方法は、任意の数の処理方策のうちの一つまたは複数を表す場合がある。それゆえ、例示された様々な動作は、例示されるシーケンスで実施されてもよく、他のシーケンスで実施されてもよく、または場合によっては省略されてもよい。
【0068】
本開示の主題は、本明細書で開示される様々なプロセス、システム、および構成、ならびに他の特徴、機能、動作および/または特性の、全ての新規かつ自明でない組合せおよび部分的組合せ、ならびにその任意のおよび全ての均等物を含む。
本発明は以下の態様を含む。
[1]
基材上に構造を形成する方法であって、
反応チャンバー内で前記基材にハードマスク材料を提供すること、および
a) 第一の期間T1の間、前記反応チャンバー内の前記基材上の前記ハードマスク材料に第一の前駆体を提供すること、
b) 第二の期間T2の間、前記第一の前駆体の一部を前記反応チャンバーから除去すること、および、
c) 第三の期間T3の間、前記基材上の前記ハードマスク材料に第二の前駆体を提供し、前記第一および第二の前駆体に相互反応させて前記ハードマスク材料内に浸透材料を形成させること、を含む一つまたは複数の浸透サイクル中に前記ハードマスク材料を浸透材料で浸透させること、を含む、方法。
[2]
前記方法が、
前記ハードマスク材料の上方にパターン付き層を提供すること、および、
前記パターン付き層のパターンを前記ハードマスク材料内にエッチングしてパターン付きハードマスクを形成すること、を含む、[1]に記載の方法。
[3]
前記パターン付き層を前記ハードマスク材料の上方に提供することが、
前記ハードマスク材料上にフォトレジスト層を提供すること、および、
リソグラフィー装置を用いて前記フォトレジスト層をパターニングすること、を含む、
請求項2に記載の方法。
[4]
パターン付き層を前記ハードマスク材料の上方に提供することが、
前記ハードマスク材料上にブロックコポリマー膜を提供すること、および、
前記ブロックコポリマー膜の誘導自己組織化を促進して、前記パターン付き層を形成すること、を含む、請求項2に記載の方法。
[5]
前記一つまたは複数の浸透サイクルが、
d) 第四の期間T4の間、前記第二の前駆体の一部を除去することであって、前記一つまたは複数の浸透サイクルが1~60回である、除去すること、を含む、[1]に記載の方法。
[6]
前記マスク材料が多孔性である、[1]に記載の方法。
[7]
前記ハードマスク材料が、スピンオンガラスまたはスピンオンカーボン層を含む、[1]に記載の方法。
[8]
前記ハードマスク材料が、窒化ケイ素層を含む、[1]に記載の方法。
[9]
前記ハードマスク材料が、反射防止コーティングを含む、[1]に記載の方法。
[10]
前記ハードマスク材料が、アモルファスカーボン、SiCOH、またはSiOC材料を含む、[1]に記載の方法。
[11]
前記第一および/または第二の前駆体を除去することが、前記第一または第二の前駆体を前記反応チャンバーからポンプで排出させることを含む、[1]に記載の方法。
[12]
前記第一および/または第二の前駆体を除去することが、前記反応チャンバー内にパージガスを提供して前記第一および/または第二の前駆体をパージ除去することを含む、請求項1に記載の方法。
[13]
前記方法が、
少なくとも二つの反応チャンバーを備える逐次的浸透合成装置を提供することであって、各チャンバーが単一の基材を収容するよう構成および配置される、提供することと、
基材を各反応チャンバーに提供することと、
前記第一および/または第二の前駆体を、共通の前駆体供給システムを備える少なくとも二つの反応チャンバーに提供することと、を含む、[1]に記載の方法。
[14]
N浸透サイクル中に、前記ハードマスク材料を浸透材料で浸透させる前に、前記反応チャンバーが20~600℃の温度で1~3000秒間パージされる、[1]に記載の方法。
[15]
前記方法が、前記反応チャンバーを20~450℃の温度に加熱することを含む、[1]に記載の方法。
[16]
前記方法が、
前記反応チャンバー、排気ラインおよびバルブのすべての表面を20~450℃に加熱することを含む、[1]に記載の方法。
[17]
前記チャンバー内の圧力は、0.001~1000Torrである、[1]に記載の方法。
[18]
前記浸透材料が金属を含む、[1]に記載の方法。
[19]
前記第一または第二の前駆体が、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリエチルアルミニウム(TEA)、およびジメチルアルミニウムハイドライド(DMAH)からなる群から選択されるアルミニウムのアルキル化合物であり、前記浸透材料は前記金属としてアルミニウムを含む、[18]に記載の方法。
[20]
前記第一または第二の前駆体が、塩化チタン(IV)(TiCl4)、タンタル(V)ペンタクロリド(TaCl5)、五塩化ニオブ(NbCl5)を含む、[18]に記載の方法。
[21]
前記第一または第二の前駆体が、水、オゾン、または過酸化水素を含む群から選択される酸化剤、またはアンモニアおよびヒドラジンを含む群から選択される窒化剤である、[1]に記載の方法。
[22]
前記浸透材料は、塩化チタン(IV)(TiCl4)、タンタル(V)ペンタクロリド(TaCl5)、および五塩化ニオブ(NbCl5)からなる群から好ましくは選択される金属ハライドを含む前記第一および第二の前駆体の一方、およびトリメチルアルミニウム(TMA)、トリエチルアルミニウム(TEA)、およびジメチルアルミニウムハイドライド(DMAH)ジメチルエチルアミンアラン(DMEAA)、トリメチルアミンアラン(TEAA)、N-メチルピロリジンアラン(MPA)、トリ-イソブチルアルミニウム(TIBA)、トリtertブチルアルミニウム(TTBA)トリメチルホウ素およびトリエチルホウ素からなる群から好ましくは選択されるアルミニウムまたはホウ素炭化水素化合物を含む前記第一および第二の前駆体の他の一方によって作製される金属炭化物を含む、[18]に記載の方法。
[23]
前記ハードマスク材料がパターン付けされている、[1]に記載の方法。