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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-28
(45)【発行日】2022-04-05
(54)【発明の名称】ライダーシステム
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20220329BHJP
   G01S 17/10 20200101ALI20220329BHJP
   G01S 17/93 20200101ALI20220329BHJP
   G01S 7/484 20060101ALI20220329BHJP
   H04B 10/80 20130101ALI20220329BHJP
【FI】
G01S7/481 Z
G01S17/10
G01S17/93
G01S7/484
H04B10/80
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019556542
(86)(22)【出願日】2017-12-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-27
(86)【国際出願番号】 US2017068268
(87)【国際公開番号】W WO2018125823
(87)【国際公開日】2018-07-05
【審査請求日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】62/440,730
(32)【優先日】2016-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/487,171
(32)【優先日】2017-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518156417
【氏名又は名称】ズークス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ライアン マクマイケル
(72)【発明者】
【氏名】アダム バージャー
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ピルニック
(72)【発明者】
【氏名】デニス ニキーチン
(72)【発明者】
【氏名】ライリー アンドリューズ
【審査官】渡辺 慶人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0050676(US,A1)
【文献】特表2016-534346(JP,A)
【文献】国際公開第2011/021262(WO,A1)
【文献】特開2016-127214(JP,A)
【文献】塩澤奨 渡辺寛望 丹沢勉 清弘智昭,マルチパスによる誤検出を防ぐ超音波距離センサの送信信号解析,第28回日本ロボット学会学術講演会予稿集 [DVD-ROM],日本,社団法人日本ロボット学会,2010年09月24日,Pages 1434-1437
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00 - 7/51
13/00 - 13/95
17/00 - 17/95
G01C 3/00 - 3/32
H01S 5/00 - 5/50
H04B 10/00 - 10/90
H04J 14/00 - 14/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のレーザ光源および第2のレーザ光源であって、前記第1のレーザ光源および前記第2のレーザ光源は、距離測定を実行する光パルスのバーストを放出するよう構成され、前記放出されたバーストのうちの放出されたバーストは、継続時間を有する時間間隔によって分離された第1および第2の光パルスを含む、第1のレーザ光源および第2のレーザ光源と、
異なる放出されたバーストに対して前記時間間隔の前記継続時間を変える前記第1のレーザ光源および前記第2のレーザ光源に通信接続された制御ロジックと、
前記第1のレーザ光源に関連付けられた第1の光センサおよび前記第2のレーザ光源に関連付けられた第2の光センサであって、前記第1の光センサおよび前記第2の光センサは、前記放出されたバーストにそれぞれ対応する反射された光バーストを感知するように構成された、前記第1のレーザ光源に関連付けられた第1の光センサおよび前記第2のレーザ光源に関連付けられた第2の光センサと、
伝搬時間を決定するために前記放出されたバーストと前記反射された光バーストのうち対応する1つとの相互相関を分析するように構成された前記第1の光センサおよび前記第2の光センサに通信接続された分析ロジックと
を備え、前記第1のレーザ光源および前記第1の光センサは、第1のチャネルを含み、
前記第2のレーザ光源および前記第2の光センサは、第2のチャネルを含み、
第1の充電バンクは、前記第1のチャネルに電気接続され、
第2の充電バンクは、前記第2のチャネルに電気接続され、
前記制御ロジックは、前記第1の充電バンクおよび前記第2の充電バンクを交互に充電するように構成されたデバイス。
【請求項2】
前記第1のレーザ光源および前記第2のレーザ光源のためのシャーシであって、前記シャーシは、シーンにわたって前記放出されたバーストを光学的に走査するために回転可能である、シャーシをさらに備え、
前記制御ロジックが、前記シャーシの回転ごとに前記時間間隔の前記継続時間を少なくとも1回変えるようにさらに構成された、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
光パルスの前記放出されたバーストを作り出すために第1および第2の電気パルスを発生する電気回路であって、前記電気回路は、インダクタ、第1のコンデンサ、および第2のコンデンサを有し、
前記インダクタは、並列に前記第1および第2のコンデンサを充電するよう接続され、
前記第1および第2のコンデンサは、前記第1および第2の電気パルスを作り出すために別々に放電するよう構成される、電気回路をさらに備えた、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第1のレーザ光源は、レーザエミッタを含み
前記第1のコンデンサは、前記レーザエミッタに直列であり、
前記電気回路は、前記第1のコンデンサに前記レーザエミッタを介して選択的に放電させるよう接続された第1のトランジスタをさらに有し、
前記第2のコンデンサは、前記レーザエミッタに直列に接続され、
前記電気回路は、前記第2のコンデンサに前記レーザエミッタを介して選択的に放電させるよう接続された第2のトランジスタをさらに有した、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第1のトランジスタは、第1のGaN FET(窒化ガリウム電界効果トランジスタ)を有し、
前記第2のトランジスタは、第2のGaN FETを有した、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
測定チャネルの第1のグループおよび測定チャネルの第2のグループにより放出されるバーストの連続において光パルスのバーストを放出するステップであって、前記測定チャネルのうちの測定チャネルは、距離測定を実行するレーザエミッタおよび関連センサ要素を含み、前記放出されたバーストのうちの個々の放出されたバーストは、継続時間を有する時間間隔によって分離された第1の光パルスおよび第2の光パルスを含み、前記連続は、測定チャネルの前記第1のグループおよび測定チャネルの前記第2のグループの間において交互に起こる、ステップと、
光パルスの異なる放出されたバーストに対して前記時間間隔の前記継続時間を変えるステップと、
反射された光バーストを感知するステップと、
光パルスの前記放出されたバーストと前記反射された光バーストのうち対応する1つとを相互相関させて伝搬時間を決定するステップと
を含む、方法。
【請求項7】
ャーシを回転させてシーンにわたって前記放出されたバーストを光学的に走査するステップをさらに含み、
前記継続時間を変えるステップは、前記シャーシの回転ごとに前記継続時間を少なくとも1回変更するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記レーザエミッタは、第1のレーザエミッタを含み、
光パルスの前記バーストを放出するステップは、少なくとも前記第1のレーザエミッタおよび第2のレーザエミッタから光パルスの前記バーストを放出するステップを含み、
前記継続時間を変えるステップは、(a)前記第1のレーザエミッタによって放出された光パルスが分離される前記時間間隔の第1の継続時間を選択するステップ、および(b)前記第2のレーザエミッタによって放出された光パルスが分離される前記時間間隔の第2の継続時間を選択するステップを含み、
前記第1および第2の継続時間は、互いに異なる、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、前記第1のレーザエミッタおよび前記第2のレーザエミッタを回転させて、シーンにわたって前記放出されたバーストを光学的に走査するステップをさらに含み、
前記方法は、(a)回転ごとに前記第1の継続時間を変更するステップ、および(b)回転ごとに前記第2の継続時間を変更するステップをさらに含む、前記継続時間を変えるステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記レーザエミッタは、第1のレーザエミッタを含み、
前記方法は、前記第1のレーザエミッタおよび第2のレーザエミッタに対して、前記第1のレーザエミッタおよび前記第2のレーザエミッタによって放出された光パルスが分離される前記時間間隔の前記継続時間をランダムに選択するステップを含む、前記継続時間を変えるステップをさらに含む、請求項6または8に記載の方法。
【請求項11】
前記レーザエミッタは、第1のレーザエミッタを含み、
前記方法は
第1のレーザエミッタおよび第2のレーザエミッタを回転させて、シーンにわたって前記放出されたバーストを光学的に走査するステップ
前記第1のレーザエミッタおよび前記第2のレーザエミッタに対してならびに前記第1のレーザエミッタおよび前記第2のレーザエミッタの各回転に対して、前記第1のレーザエミッタおよび前記第2のレーザエミッタによって放出される光パルスが分離される前記時間間隔の前記継続時間をランダムに選択するステップを含む、前記継続時間を変えるステップと
をさらに含む、請求項6または8に記載の方法。
【請求項12】
前記レーザエミッタは、第1のレーザエミッタを含み、
前記方法は
第1のレーザエミッタおよび第2のレーザエミッタを回転させて、シーンにわたって前記放出されたバーストを光学的に走査するステップ
前記第1のレーザエミッタおよび前記第2のレーザエミッタの各回転に対して、前記第1のレーザエミッタおよび前記第2のレーザエミッタによって放出される光パルスが分離される前記時間間隔の新しい継続時間を選択するステップを含む、前記継続時間を変えるステップと
をさらに含む、請求項6または8に記載の方法。
【請求項13】
定チャネルの前記第1のグループは、第1のアナログ-ディジタル変換器(ADC)に関連付けられ、測定チャネルの前記第2のグループは、第2のADCに関連付けられ、請求項6ないし12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記レーザエミッタは、第1のレーザエミッタを含み、
前記方法は、
光パルスの前記バーストを放出するステップであって
前記第1のADCに関連付けられた第1の測定チャネルの前記第1のレーザエミッタから光パルスの第1のバーストを放出するステップであって、光パルスの前記第1のバーストは、往復の伝搬時間を有する、ステップと、
前記第2のADCに関連付けられた第2の測定チャネルの第2のレーザエミッタから光パルスの第2のバーストを放出するステップであって、光パルスの前記第2のバーストは、前記往復の伝搬時間の間に放出される、ステップと
を含む、ステップ
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
実行されると1つまたは複数のプロセッサに請求項6ないし14のいずれか一項に記載の方法を実装させる命令を格納するコンピュータ読み取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライダーシステムに関し、より詳細には、目に見える面のリアルタイム座標を決定するライダーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年4月13日に出願された米国特許出願第15/487,171号のPCT国際出願であり、2016年12月30日に出願され、「ライダーシステム」という名称の米国特許仮出願第62/440,730号に対する優先権を請求し、少なくともすべての目的に対して全て参照によって本明細書に組み入れられる。
【0003】
用語「ライダー(LIDAR)」は、光を放出し光の反射の特性を測定することによって、目に見える面からの距離を測定する技法に言及する。用語は、単語「light」および「radar」の一部を組み合わせであるとはいえ、「Light Detection and Ranging」の頭字語としてしばしば考えられる。本明細書において使用されるように、用語「ライダー」は、測定デバイスと1つまたは複数の対象点との間における光の伝搬時間を決定することに基づく距離測定技法に言及する。
【0004】
ライダーシステムは、通常、少なくとも1つの光エミッタと、対応する光センサとを有する。光エミッタは、強いコヒーレント光を物体または表面の方向に向けるILD(注入型レーザダイオード)などのレーザを含むことができる。光センサは、光強度を対応する電気信号に変換する光電子増倍管またはAPD(アバランシェフォトダイオード)などの光検出器を含むことができる。レンズやミラーなどの光学要素は、光送受信パスに使用されて、光を集束し、向けることができる。
【0005】
ライダーシステムは、反射光信号を分析して、放出されたレーザ光が反射された面までの距離を決定する信号処理コンポーネントを有する。例えば、システムは、光信号がレーザエミッタから、面に伝わり光センサに戻るときの光信号の伝搬時間を測定することができる。次いで、距離は、飛行時間および既知の光速度に基づいて計算される。
【0006】
いくつかのライダーデバイスは、シーン内における多数の面上の点からの距離を測定することができる。各面上の点に対して、ライダーシステムは、デバイスに関して、面上の点からの距離と、その角度方向との両方を決定することができる。この能力を使用して、多数の面上の点についての3次元座標を含むポイントクラウドを作り出すことができる。
【0007】
多数の面上の点についての座標を測定するために、ライダーシステムは、多数のレーザエミッタおよび/または多数の光センサを使用することができる。代替えとして、ライダーシステムは、異なる複数の面上の点の測定値を繰り返し取得している間に、1つまたは複数のレーザおよび/または検出器を物理的に動かしてシーンにわたって走査することができる。
【0008】
ライダーシステムは、自律車両において誘導、ナビゲーションおよび制御システムに通知するのに使用されてきた。このようなシステムにおいて、1つまたは複数のライダーデバイスは、車両の周囲の目に見える面上の点についての3D座標を示す表面マップを生成するよう構成される。誘導、ナビゲーションおよび制御システムは、このデータを分析して、障害物の識別、障害物回避の実施、および望ましい移動経路の決定を行う。
【発明の概要】
【0009】
本明細書において、シーン内にある目に見える面のリアルタイム座標を決定するための装置および関連技法が説明される。装置および技法を様々な種類のビジョンシステムにおいて使用して、装置の視点から見える表面の3次元(3D)座標を示すポイントクラウドを生成することができる。例として、装置および技法は、自動車や航空機や船などの自律車両の、誘導、ナビゲーションおよび制御システムが使用することができる。また、装置および技法は、例えばロボット、有人車両、およびコンピュータビジョンシステムなど、リアルタイム、マルチポイントおよび走査距離の測定を必要とする他のアプリケーションにおいて使用することができる。
【0010】
装置は、ライダー距離測定システムを実装するためのコンポーネントを収容する回転可能なシャーシを備える。説明される実施形態において、シャーシは、垂直な回転軸を中心に回転してシーンにわたり水平に走査するが、他の実施形態において、シャーシは、非垂直に調整され得る。
【0011】
装置は、装置の周囲のシーンの視野全体を画定する1つまたは複数のレンズを有する。シャーシが回転するので、視野は、シーンにわたって移動または走査する。
【0012】
装置は、1つまたは複数のレンズを通してレーザ光を外向きに投射するようにシャーシ内で位置決めされた多数のレーザエミッタを有する。また、装置は、いずれか特定のエミッタからの光が反射して1つまたは複数のレンズを通して対応するセンサ要素に届くように、多数の光センサ要素を有する。考察の目的のために、用語「チャネル」は、本明細書において、個別のレーザエミッタ、対応するセンサ要素、エミッタおよびセンサ要素に関連する回路に言及するのに使用される。
【0013】
詳細な説明は、添付の図面に関して説明される。図面において、参照番号の左端の数字は、最初に現れる図面を識別する。異なる図面の同一の参照番号は、同様または同一のコンポーネントまたは特徴を指し示す。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】例示的な回転ライダー構成単位の断面斜視図である。
図1B】例示的な回転ライダー構成単位の断面斜視図である。
図2図1Aおよび1Bのライダー構成単位において使用することができる例示的な光センサを表した上面図である。
図3】例示的な充填配列を例示する例示的な光センサを表した上面図である。
図4図1Aおよび1Bのライダー構成単位において使用することができる例示的なレーザ光源を表した上面図である。
図5図1Aおよび1Bのライダー構成単位において使用することができる例示的なレーザ光源の斜視図である。
図6】いくつかの実施例においてライダー測定チャネルと共に使用することができる高水準のコンポーネントを例示するブロック図である。
図7】ライダー測定チャネルにおいて発生するまたは受信することができる例示的な波形を例示するグラフである。
図8A】1対のレーザパルスを発生するために測定チャネルにおいて使用することができる例示的な電気回路の概略図である。
図8B】レーザエミッタを発射するために測定チャネルにおいて使用することができるトリガ回路の概略図である。
図9】単一のレーザパルスを発生するために測定チャネルにおいて使用することができる例示的な電気回路の概略図である。
図10】レーザエミッタの例示的なアレイおよび異なる充電バンクとの関連を表した図である。
図11】センサ要素の例示的なアレイおよび異なるADC(アナログ-ディジタル変換器)グループとの関連を例示するブロック図である。
図12】例示的な測定チャネルシーケンスを例示するグラフである。
図13】チャネルの順序を例示するのに使用される測定チャネルの例示的なアレイを表した図である。
図14】距離測定を実施する例示的な方法を例示するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
いくつかの実施例において、レーザエミッタおよびセンサ要素は、装置の視野全体に関して、同様または同一の物理的配列またはレイアウトを有することができる。例えば、センサ要素は、x軸(シャーシの回転に伴ってシーンがそれに沿って走査される軸)と、直交するy軸とを有するセンサ画像フレーム内に配列されてよい。回転軸が垂直に整合される場合の、例証される実施形態において、x軸はシーンの横軸に対応し、y軸はシーンの縦軸に対応する。
【0016】
いくつかの実施例において、センサ要素は、x軸からわずかに傾斜した、互い違いに配置された一連の列として配列される。このレイアウトの2次元性質は、フォトダイオードに、y軸ピッチに対応する、センサコンポーネント自体の直径よりも小さく、線形配列に可能であるよりも小さい効果的な解像度を有することを可能にする。
【0017】
いくつかの実施例において、x軸からの傾斜量は、センサ要素がセンサ画像フレームのy軸に対して一様な間隔またはピッチを有するように選択される。他の実施例において、レーザおよび/またはセンサ要素のy軸間隔は、非一様であってもよい。
【0018】
いくつかの実施例において、レーザエミッタは、エミッタ画像フレーム内で同様に配列される。エミッタ画像フレームは、本明細書において走査軸とも呼ばれ、センサフレームのx軸に対応するx軸を有する。エミッタ画像フレームは、センサフレームのy軸に対応するy軸を有する。1つまたは複数のレンズは、エミッタによって生成された光を、エミッタ画像フレームから1つまたは複数のレンズの視野中に外向きに送る。
【0019】
1つまたは複数のレンズは、エミッタフレームに対して特定のx-y位置にあるレーザエミッタからの光が、対応する方向に外向きに送られるように構成される。同じ方向から受け取られた光が、1つまたは複数のレンズによって、センサフレームに対して同じx-y位置にある対応するセンサ要素に内向きに送られる。
【0020】
例示される実施例において、センサ要素は、単一の平面状のプリント回路板に搭載される。しかしながら、レーザエミッタは、多数のプリント回路板に搭載される。各エミッタ板は、レーザエミッタの対応する列を支え、レーザエミッタは、板の縁部に搭載されて、1つまたは複数のレンズに向けられる。エミッタ板の縁部は曲げられ、エミッタ板は互いに関して内側に傾き、したがってレーザエミッタがレンズ入射瞳からすべて等距離にあり、さらにレンズ入射瞳において収束するようすべて向けられる。
【0021】
測定チャネルを個別に順次使用して、個々の距離測定が実施される。各距離測定に対して、チャネルのレーザエミッタが1つまたは複数のパルスを放出し、戻り反射がチャネルのセンサ要素によって感知される。センサ要素は、やがて反射光の強度を表す戻り信号を作り出す。
【0022】
説明される実施形態において、チャネルのレーザエミッタは、1つまたは複数の近接に間隔をあけたパルスのバーストを放出する。放出されたバーストが物体に当たって反射されると、戻り信号は、放出されたバーストに関して遅延した、放出されたパルスと同様の形状のパルスのバーストを含む。次いで、放出されたバーストと返されたバーストとの間の時間遅延が計算される。一実施形態において、戻り信号と基準信号との間で相互相関が実施されて、時間遅延が決定される。自己相関の最高ピークが識別され、最高ピークのタイミングが、放出されたバーストの往復の伝搬時間を示すものと見なされる。次いで、伝搬時間に基づいて距離が計算される。
【0023】
一実施形態において、パルスは、継続時間がやがてそしてチャネル間において変えられて漏話の影響を低減することができる時間間隔によって、互に一時的に間隔をあけられる。漏話は、例えば、センサ要素が異なるチャネルのエミッタによって放出された光の反射を受け取ると、またはセンサ要素が別のライダー装置から放出された光を受け取ると、生じることがある。パルス間隔を変えることは、異なる光放出間の曖昧さを低減し、したがって相互相関は本質的に、元々放出されたバーストの間隔とは異なる間隔を有する反射バーストを遮蔽する傾向がある。間隔は、異なる複数のチャネルにわたり変えることができ、さらに個別のチャネルに対してやがて変えることができる。例えば、各チャネルのパルス間隔を、シャーシの回転ごとにランダムに変化させることができる。
【0024】
いくつかの実施形態において、パルスの大きさを、バースト内においてかつ/またはバーストにわたり変えることができ、パルス間の間隔を変えることに加えてまたは代替えとして、相互相関を使用して、放出されたバーストと対応する戻りバーストとの間の時間遅延を決定することができる。
【0025】
いくつかの実施形態において、チャネルは、各チャネル測定が先行するチャネルによって放出されたレーザバーストの最大予想飛行時間の間に開始されるような速さにおいて、予め定義された順序で使用される。したがって、2つ(またはもしかするとより多く)のレーザバーストは、与えられるといつでも、「飛行中」であるとすることができる。
【0026】
2つのADC(アナログ-ディジタル変換器)を使用して、例示される実施例において、フォトダイオードによって生成された信号をディジタル化する。ADCは、交互順に使用され、したがって特定のADCがレーザ放出ごとにディジタル化する。例えば、第1のレーザバーストからの反射は第1のADCによってディジタル化され、第2のレーザバーストからの反射は第2のADCによってディジタル化され、第3のレーザバーストからの反射は第1のADCによってディジタル化され、第4のレーザバーストからの反射は第2のADCによってディジタル化されるなどである。2つのADCを、2つのレーザバーストが与えられるといつでも飛行中であり得る実施形態において、使用することができる。他の実施例において、多数のレーザバーストが同時に飛行中であり得て、追加のADCを、使用することができる。
【0027】
各レーザエミッタを、対応する個々のレーザバーストに対して2つのエネルギーパルスを発生するのに使用される1対のコンデンサに関連付けることができる。各対のコンデンサは、通常のブースト回路によって共通に充電され、1対のFET(電界効果トランジスタ)を使用して対応するレーザエミッタ中に別々に放電される。いくつかの実施形態において、これらのFETは、eGaN FETとも呼ばれる、エンハンスメント・モード窒化ガリウム(GaN)FETを含むことができる。レーザバーストが2つより多いパルスを含む実施形態において、3つ以上のコンデンサを使用して、多数回、レーザエミッタを発射するための多数のエネルギーバーストを提供することができる。
【0028】
チャネルは、多数の充電バンクに分けられる。説明される実施形態において、チャネルは、2つの充電バンクに分けられる。ひとつの充電バンクのレーザエミッタに対応するコンデンサは、もう一方の充電バンクのレーザエミッタが発射されている間に充電される。このことは、チャネルの第1のバンクが早い速さにおいて使用されることを可能にする一方、各チャネルのコンデンサを充電することができる、より遅い速さを見込む。
【0029】
チャネルの順序は、チャネル間漏話の可能性をさらに最小限に抑えるために、連続的に発射されるレーザエミッタ間の物理的な距離を最大にするように選択される。チャネルの順序は、(a)連続的に発射されるチャネルが異なるADCに関連付けられる、および、(b)順序が、最初に第1の充電バンクのすべてのチャネルを、次に第2の充電バンクのすべてのチャネルを繰り返し指定するべきであるという制限を必要とする。各充電バンクは両方のADCグループのチャネルを含むことに留意されたい。
【0030】
図1Aおよび1Bに、ライダーセンサデバイスまたはシステムの一部として使用できる回転可能なセンサ構成単位100の例示的な構成を示す。
【0031】
センサ構成単位100は、回転軸104を中心に回転するシャーシ102を備える。いくつかの実施形態において、回転軸は垂直である。他の実施形態において、回転軸は、垂直から傾斜していてもよく、または、センサ構成単位100が使用されている特定の環境に適したあらゆる配向であってよい。
【0032】
シャーシ102は、回転軸104について概して対称な外輪郭を有する。シャーシ102は、円筒形の外輪郭を有する下部106(a)と、円筒形の外輪郭を有する上部106(b)と、下部106(a)のより大きい直径と上部106(b)のより小さい直径との間で円錐台を形成する外輪郭を有する中間部106(c)とを有する。
【0033】
上部106(b)は、平面108を形成するカットアウトを有し、平面108は、シャーシ102に対して、z方向とも呼ばれる、前方向110に面する。平面108は、第1および第2のレンズ112および114を収容するための1つまたは複数の開口を有する。第1および第2のレンズ112および114は、それらの光軸が回転軸104に対して概して直角であり前方向110に対して概して平行であるように、搭載される。実際には、第1および第2のレンズ112および114のそれぞれは、3つの個別レンズ要素、または他のあらゆる数のレンズ要素を有することができる。いくつかの実施形態において、第1および第2のレンズ112および114は、互いに重なり合う場合があり、重なり合う部分は使用されない。
【0034】
第1および第2のレンズ112および114は、シーンの共通の視野を有する。シャーシ102の回転により、視野は、シーンにわたって、x方向とも呼ばれる、走査方向116に移動または走査する。回転軸104が垂直である場合の、例証される実施形態において、走査方向116は水平である。
【0035】
シャーシ102は、部分的に2つに分かれた内壁118を有し、内壁118は、シャーシ102の横に並んだ2つの側のそれぞれに区画を形成する。図1Aにおいて、シャーシ102の一方の側にセンサ区画120が示されている。図1Bにおいて、シャーシ102の他方の側にエミッタ区画122が示されている。センサ区画120は、光センサ124を収容する。エミッタ区画122は、レーザ光源126を収容する。
【0036】
第1のレンズ112は、概して、センサ区画120よりも上にあり、光センサ124よりも前にある。第2のレンズ114は、概して、エミッタ区画122よりも上にあり、レーザ光源126よりも前にある。
【0037】
1つまたは複数のミラー128は、放出された光および受け取られた光を水平方向と垂直方向との間で方向変換するために、シャーシ102内で第1および第2のレンズ112および114の奥に位置決めされる。受け取られた光は、第1のレンズ112から概して水平にシャーシに入り、1つまたは複数のミラー128によって光センサ124に向けて下向きに方向変換される。レーザ光源126は、レーザ光を上方向に放出する。放出された光は、1つまたは複数のミラー128に当たり、水平かつ外向きに方向変換されて、第2のレンズ114を通して前方向110に送られる。
【0038】
第1のレンズ112は、光センサ124のセンサフレーム130上に画像を投影する。センサフレーム130は、走査方向116に光学的に対応するx軸134を有するエリアである。シャーシ102が回転するのに伴い、シーンの画像がセンサフレーム130のx軸134に沿って走査する。したがって、センサフレーム130のx軸は、センサフレーム130の走査軸と呼ばれることもある。回転軸104が垂直である場合の、例証される配向において、x軸134は、投影された画像の水平方向に光学的に対応する。
【0039】
センサフレーム130は、x軸に対して直角なy軸136を有する。回転軸104が垂直である場合の、例証される配向において、センサフレーム130のy軸136は、投影された画像の垂直方向に光学的に対応する。
【0040】
光源126のエミッタフレーム132内におけるレーザエミッタが、第2のレンズ114を通してレーザ光をシーン中に投射する。エミッタフレーム132は、走査方向116に光学的に対応する、走査軸とも呼ばれる、x軸138を有する。シャーシ102が回転するのに伴い、投射された光は走査方向116に走査する。エミッタフレーム132は、x軸138に対して直角なy軸140を有する。回転軸104が垂直である場合の、例証される配向において、エミッタフレーム132のx軸138は、レーザ光が投射されるシーンの水平方向に光学的に対応する。エミッタフレーム132のy軸140は、レーザ光が投射されるシーンの垂直方向に光学的に対応する。
【0041】
一般に、レーザ光源126は、1つまたは多数のレーザエミッタを有し、光センサ124は、1つまたは多数の対応するセンサ要素を有する。各レーザエミッタはそれぞれのセンサ要素に対応し、エミッタと対応するセンサ要素とからなる対は、チャネルと呼ばれる。さらに、用語「チャネル」は、エミッタ/センサ対に関連付けられる、支えの回路を包含ことができる。以下で説明するように、チャネルを使用して、レーザ光バーストが放出され、バーストの反射の特性が測定される。
【0042】
本明細書において説明される実施例は、38個の測定チャネルを含み、したがって、38個のレーザエミッタと、それぞれに対応する38個の光センサとを含む。異なる実施形態において、所望のセンサ解像度および被写域角度に応じて、異なる数のチャネルを使用することもできる。ここで、被写域は、水平線に対する相対的な視野に対応する。
【0043】
図2に、光センサ124に関するさらに他の詳細を示す。光センサ124は、個別のセンサ要素202のアレイを備える。いくつかの実施形態において、センサ要素202は、アバランシェフォトダイオード(APD)を備える。
【0044】
センサ要素202は、平面状のプリント回路板204に搭載される。センサ要素202はセンサフレーム130内に位置決めされ、センサフレーム130は、第1のレンズ112が外部シーンの画像を投影するエリアである。図2はx軸134を示し、x軸134は、シーンに対するシャーシ102の走査方向116に対応する軸である。x軸134は、本明細書において走査軸とも呼ばれ、シャーシ102の回転に伴ってシーンの画像がそれに沿って平行移動される軸を表す。
【0045】
センサ要素202は多数の平行な列に配列され、1つおきの列が互い違いに配置されて、より高い充填密度が達成されている。各列は、x軸134に関して角度が付けられた線に沿って延び、したがって、各センサ要素202は、y軸136に関して異なる高さにある。ここで、y軸136は、走査軸134に直交する。
【0046】
図2は、センサ要素202の1つの列がそれに沿って延びる線206を示す。線206は、x軸134に対して角度208にある。例証される列ピッチにおいて、角度208により、各センサ要素202は固有のy軸位置または高さを有することになる。加えて、センサ要素202は、一様なy軸ピッチを有する。
【0047】
図3に、比較的高い充填密度およびそれに応じた細かいy軸ピッチを達成するために、どのようにセンサ要素202が充填されるかに関するさらに他の詳細を示す。図3において、各センサ要素202に関連するエリアが六角形302として示され、六角形302は、互いに直に接するように充填されている。これは六方充填(hexagonal packing)として知られる。各六角形302は、センサ要素202と、センサ要素202の近くに位置する関連する回路があればその回路と、によって占められるエリアを表す。
【0048】
一実施形態において、各センサ要素およびそれに関連する回路は、6ミリメートルのセンサ間ピッチを考慮したエリアを占める。このセンサ間ピッチで、106ミリメートルの焦点距離を有するレンズを使用すると、角度208は0.5度である。これは、0.86ミリメートルのy軸ピッチを生成する。例証される配列は、センサ要素202の数を変動させること、および所望のy軸分布になるように角度208を変動させることによって、変動させることができる。加えて、例証される構成は正方形または円の中にほぼ納まるが、非対称配列を含めた他の配列が使用されてもよい。
【0049】
図4に、レーザ光源126の例示的な実施形態に関する詳細を示す。レーザ光源126は、図2のセンサと同様に配列された複数の個別のレーザエミッタ402を備える。説明される実施形態において、レーザエミッタ402は、注入型レーザダイオード(ILD)を備える。
【0050】
レーザエミッタ402はエミッタフレーム132内に位置決めされ、エミッタフレーム132内は、第2のレンズ114が投射する起点となるエリアである。図4はx軸138を示し、x軸138は、シーンに対するシャーシ102の走査方向116に対応する軸である。
【0051】
レーザエミッタ402は多数の平行な列に配列され、1つおきの列が互い違いに配置されて、より高い充填密度が達成されている。各列は、x軸138に関して角度が付けられた線に沿って延び、したがって、各レーザエミッタ402は、y軸140に関して異なる高さにある。ここで、y軸140は、走査軸138に直交する。
【0052】
図4は、レーザエミッタ402の1つの列がそれに沿って延びる線404を示す。線404は、x軸138に対して角度406にある。例証される列ピッチにおいて、角度406により、各レーザエミッタ402は固有のy軸位置または高さを有することになる。加えて、レーザエミッタ402は、一様なy軸ピッチを有する。
【0053】
この実施例において、レーザエミッタ402はセンサ要素202と同じ間隔で配列され、角度406は角度208と等しい。しかし、他の実施例において、レーザエミッタ402の間隔および/またはオフセット角度は、センサ要素202に用いられるものとは異なってもよい。
【0054】
レーザエミッタ402は、エミッタ板408とも呼ばれ、レーザエミッタ402の対応する列を位置決めするのに使用される各エミッタ板408を有する、プリント回路板408の縁部に沿って搭載される。
【0055】
いくつかの実施形態において、速軸コリメータ(FAC)レンズ(図示せず)は、エミッタ402の速軸の発散を低減し、速軸の発散をセンサ構成単位100の大きさ(etendue)に合致させるために、各レーザエミッタ402の前に位置決めされる。これは、スループットが改善され非点収差が低減され、よって画質が改善される傾向がある。
【0056】
図5に、レーザ光源126およびエミッタ板408のさらに他の詳細を示す。例証されるように、レーザエミッタ402は、エミッタ板408の上縁部502に沿って搭載される。エミッタ板408および上縁部502は、レーザエミッタ402を想像上の球体に沿って位置決めするように構成され、それにより、すべてのレーザエミッタ402は、第2のレンズ114の入射瞳から光学的に等距離にある。
【0057】
より具体的には、各上縁部502は、レーザエミッタ402と第2のレンズ114の入射瞳との間の光学的距離に等しい半径の凹曲面を有する。板408は、レーザエミッタ402をレンズ入射瞳の方に向けるために、互いに関して内側に傾いている。各レーザエミッタ402は、放出されたレーザ光が第2のレンズ114の入射瞳において収束するように、湾曲した上縁部502に対して直角に整合される。この整合は、第2のレンズ114の設計を単純化する。特に、これは、どのチャネルの間もすべて一貫性を保証し、したがって、多くの場合、異なる経路長を構成するための、(a)チャネルの具体的な較正および/または(b)複雑なレンズ構造の必要がなくなるであろう。
【0058】
他の実施形態において、レーザエミッタ402は、単一の面に位置決めされながらも、なお第2のレンズ114の入射瞳において収束するように光を放出するよう整合されてもよい。
【0059】
前述のように、測定チャネルは、レーザエミッタ402と、光学的に対応する位置にあるセンサ要素202と、関連する回路とを備える。動作時、測定チャネルは、シーンの点からの距離を決定するために起動されるかまたは順次使用される。距離測定を実施するために、チャネルのレーザエミッタ402が起動されて、光パルスの短いバーストを生成する。バーストは、シーンの面上の点から反射され、チャネルの対応するセンサ要素202によって受光される。次いで、以下でより詳細に説明されるプロセスにおいて、放出されたバーストに対する受け取られたバーストの時間関係が分析されて、構成単位100と面上の点との間の距離が決定される。充電に対応するため、限られた数のADC(アナログ-ディジタル)コンポーネントの共用に対応するため、およびチャネル間の漏話の可能性を最小限に抑えるために、チャネルは、一定のあらかじめ決められた順において使用される。
【0060】
図6に、前述のようなレーザ/センサ配列を用いてまたはそれに関連して距離測定または測距を実施するのに使用できる、ライダー距離測定システム600の論理的要素を示す。図6は、共有される制御コンポーネント、ならびに、単一の測定チャネルに専用の要素を示す。
【0061】
測定チャネルは、レーザエミッタ402のうちの1つと、センサ要素202のうちの対応する1つとを備える。単一の距離測定のために、レーザエミッタ402は、レーザ光パルスのバーストを、第2のレンズ114を通して外向きの経路602に沿って放出するように制御される。バーストは、シーンの表面604によって反射され、戻り経路606に沿って、レンズ112を通りセンサ要素202に戻る。
【0062】
第2のレンズ114は、エミッタフレーム132内における異なる物理的位置にあるレーザエミッタ402からのビームが異なる角度で外向きに送られるように設計される。具体的には、第2のレンズ114は、特定のチャネルのレーザエミッタ402からの光を、対応する固有の方向に向けるように設計される。第1のレンズ112は、チャネルの対応するセンサ要素202が同じ方向からの反射光を受光するように設計される。
【0063】
システム600は、多数のチャネルのための制御および分析ロジックを実装する制御器608を有する。制御器608は、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、マイクロプロセッサ、DSP(ディジタル信号プロセッサ)、または、これらならびに他の制御および処理要素の1つもしくは複数の組合せによって、部分的に実装されてよく、関連するプログラムおよびデータを記憶するための関連するメモリを有してよい。
【0064】
単一のチャネルを使用した単一の距離測定を開始するために、制御器608は、トリガ信号610を発生する。トリガ信号610は、パルス発生器612によって受信される。パルス発生器612は、トリガ信号610を受信したのに応答して、バースト信号614を発生する。バースト信号614は、レーザエミッタ402が起動またはオンにされるべき時点を示す1対の連続的なパルスを含む。エミッタを起動またはオンにすることを、エミッタを「発射する」と言う場合がある。各エミッタが発射されて、短い継続時間を有する光パルスが作り出される。
【0065】
いくつかの実施形態において、パルスの立上りを使用して、レーザエミッタ402が起動またはオンにされるべき時点を示すことができる。図6に示すように、パルス発生器612の機能は、実際の実装形態において、制御器608によって実施されるものとすることができる。
【0066】
バースト信号614は、容量性ドライバ616によって受信される。容量性ドライバ616は、それに応答して、エミッタ駆動信号618を提供する。エミッタ駆動信号618は、バースト信号614のパルスに時間的に対応する1対の連続的なエネルギーパルスを含む。エミッタ駆動信号618は、レーザエミッタ402に接続されて、レーザエミッタ402を発射し、レーザ光のパルスを生成する。
【0067】
放出されたレーザ光が表面604から反射されるとすると、センサ要素202は、反射光を受光し、戻り信号620を生成する。戻り信号620は、エミッタ駆動信号618と概して同じ形状だが、雑音、干渉、異なるエミッタ/センサ対の間の漏話、他のライダーデバイスからの干渉信号などの結果として、ある程度異なる場合がある。さらに、戻り信号620は、エミッタ駆動信号618に関して、放出されたレーザバーストの往復の伝搬時間に対応する量の遅延があるだろう。
【0068】
ADC(アナログ-ディジタル変換器)622が、戻り信号620を受信しディジタル化して、ディジタル化された戻り信号624を生成する。ディジタル化された戻り信号624は、時間経過に伴う戻り信号620の大きさを示すディジタル値のストリームである。ADC622は、共有コンポーネントであり、異なる時点で多くの異なるセンサ要素202によって提供された信号をディジタル化するのに使用されることに留意されたい。
【0069】
遅延計算器626は、ディジタル化された戻り信号624を受信し、レーザエミッタ402から放出された光パルスとセンサ要素202において受け取られた光パルスとの間の位相差またはタイムシフトを計算する。説明される実施形態において、遅延計算器は、ディジタル化された戻り信号624と基準波形628との間で相互相関を実施して相互相関信号630を生成する、本明細書において相互相関器626とも呼ばれる相互相関コンポーネントを有する。他の実施形態において、直接的なピークトゥピーク(peak-to-peak)の測定など、他の位相差決定方法を使用することもできる。図6に示すように、遅延計算器626の機能は、制御器608によって実施されてよい。
【0070】
基準波形628は、レーザエミッタ402によって実際に放出される光のタイミングおよび強度を表す。いくつかの実施形態において、基準波形628は、較正サイクル中に得られるものとすることができる。例えば、いくつかの実施形態において、レーザエミッタの出力を向けることができる基準面があってよい。基準面は、場合によっては、シャーシ102の支持構造の一部を構成することができ、第1および第2のレンズ112および114から比較的近い既知の距離にあってよい。レーザエミッタ402の出力が基準面の方に向けられると、容量性ドライバ616は、レーザエミッタ402を駆動して出力バーストを生成する。次いで、センサ要素202およびADC622を使用して、基準面から反射された光に対応する波形が取り込まれる。この取り込まれた波形を基準波形628として使用することができる。基準波形628は、各チャネルにつき一意に取り込むことができ、記憶して多数の後続の測定に使用することができ、熱ドリフトおよび/または他の変数を反映するように時間経過に伴って更新することができる。いくつかの実施形態において、基準波形628は、シャーシの旋回ごとに少なくとも1回更新することができる。
【0071】
他の実施形態において、シャーシ102の内部または外部にある1つまたは複数の異なるセンサを使用して、レーザエミッタ402の1回または複数回の較正放出の間に基準波形628を取り込むことができる。さらに、多数の読取りを実施して平均し、基準波形628を作り出すこともできる。
【0072】
制御器608は、相互相関信号630を受信し、相互相関信号630を分析して、最高ピークを見つけ、レーザエミッタ402から放出された光パルスと、センサ要素202において受け取られた光パルスとの間の位相差またはタイムシフトを指し示す。
【0073】
図6は、一般的な特徴を説明する目的のために、簡略化したやり方において論理的コンポーネントおよび信号を示していることに留意されたい。実際の実装において、種々の異なる種類の信号は、レーザエミッタ402を発射するために、およびレーザエミッタの出力とセンサ要素202によって感知された反射光との位相差を測定するために、生成され、使用されることがあり得る。
【0074】
図7に、放出された光パルス、反射された光パルス、および放出された光パルスと反射された光パルスとの相互相関の、さらに他の一般的な特徴を示す。図7は、図6の基準波形628によって示されうるような、レーザエミッタ402によって放出された光のタイミングおよび強度を表す第1の波形702を示す。単一の距離測定のための光は、多数のパルスのシーケンスまたはバーストとして放出され、この実施例において1対のパルス704(a)および704(b)を含み、各パルスは約5~50ナノ秒の幅を有する。しかし、他の実施例において、より長いかまたはより短い継続時間の2つより多いパルスを有するパルスシーケンスまたはバーストを使用することもできる。例示される実施例において、パルスの対は、継続時間t1を有する時間間隔によってお互いから間隔をあけられる。一実施形態において、各パルスは、20ナノ秒と50ナノ秒との間で変動する時間間隔の継続時間を有する。パルスは、レーザエミッタを介したコンデンサの放電によって発生され、したがってガウス形状を有する。
【0075】
パルス704が間隔をあけられる時間間隔の継続時間t1は、異なる発生されたバースト対して異なり、制御器608によって確立される。例えば、異なるチャネルによって生成されたバーストが、異なる時間間隔の継続時間を使用することができ、継続時間はシャーシ102の回転ごとに変更されてもよい。場合によっては、パルス間の間隔に使用される時間間隔の継続時間は、各チャネルにつき、またシャーシ102の各回転につき、ランダムに選択され割り当てられてもよい。これにより、チャネル間および他のライダーデバイス間のトークを低減することができる。
【0076】
図7は、図6の戻り信号620によって示されうるような、センサ要素202によって受光され検出された反射光の大きさを表す第2の波形706を示す。第2の波形706は、パルス704(a)および704(b)にそれぞれ対応する1対のパルス708(a)および708(b)を有する。しかし、第2の波形706のパルスは、第1の波形702に対して時間t2だけ遅延されている。第2の波形706のパルス間のタイミング関係は、放出されたパルス704のそれと同じであるはずである。
【0077】
図7は、図6の相互相関信号630によって示されうるような、第1の波形702と第2の波形706との相互相関を表す第3の波形710を示す。第3の波形710の最高ピーク712は、第1の波形702と第2の波形706との位相差であるt2に時間的に対応する。
【0078】
異なるチャネルからの戻り光信号など、漏話の場合、放出されたパルスの間隔が可変および/またはランダムであれば、戻り信号が異なるパルス間隔を有する可能性があることになり、第3の波形710によって表されるような相互相関によって強力に相関されることはないことになる。こうすれば、チャネル間および/または異なるライダーデバイス間のどんな漏話の影響も低減される傾向がある。
【0079】
図8Aに、個別のレーザエミッタ402を駆動するための、特に2つの短いパルスのバーストにおいてレーザエミッタ402上で発射するための、例示的な電気回路800を示す。この実施例において、レーザエミッタ402は、アノードとカソードとを有する注入型レーザダイオードを備える。各測定チャネルは、回路800のインスタンスを有する。この例の回路800は2つのパルスを生成するように構成されているが、回路800は、あらゆる数のパルスを生成するように拡張されてよく、単一のパルスのみを生成するように修正されてもよいことに留意されたい。
【0080】
回路800は、インダクタ802とトランジスタ804とを含む誘導性ブースト充電部を有する。いくつかの実施形態において、トランジスタ804は、FET(電界効果トランジスタ)またはeGaN FETと呼ばれる、エンハンストモードのGaN FET(窒化ガリウム電界効果トランジスタ)を含む。インダクタ802の第1の端子は電源806に接続され、電源806は、接地基準808に対して正電圧を有する。例えば、電源806は、5ボルトのDC(直流)電圧源とすることができる。インダクタの第2の端子は、トランジスタ804のドレインに接続される。トランジスタ804のソースは、接地基準808に接続される。
【0081】
回路800は、第1および第2のエネルギー蓄積コンデンサ810(a)および810(b)を有し、これらのコンデンサは、いくつかの実施形態において無極性セラミックコンデンサを含むことができる。考察の目的のために、これらの各コンデンサは、「A」端子および「B」端子を有するものとして符号が付けられている。回路の動作中、A端子はB端子に対して正に帯電する。
【0082】
エネルギー蓄積コンデンサ810(a)および810(b)は、対応するブロッキングダイオード812(a)および812(b)を介してインダクタ802の第2の端子に接続され、それにより、インダクタ802によって供給される電流で充電される。具体的には、ブロッキングダイオード812(a)および812(b)のアノードは、インダクタ802の第2の端子に接続される。ブロッキングダイオード812(a)のカソードは、第1のエネルギー蓄積コンデンサ810(a)のA端子に接続される。ブロッキングダイオード812(b)のカソードは、第2のエネルギー蓄積コンデンサ810(b)のA端子に接続される。
【0083】
コンデンサ810(a)および810(b)のB端子は、レーザエミッタ402のカソードに共通に接続される。
【0084】
場合によっては、コンデンサ810(a)および810(b)のそれぞれによって表されるキャパシタンスは、並列の多数のコンデンサによって提供されてもよいことに留意されたい。
【0085】
第1および第2のトランジスタ814(a)および814(b)が、それぞれ第1および第2のエネルギー蓄積コンデンサ810(a)および810(b)に関連する。説明される実施形態において、トランジスタ814(a)および814(b)のそれぞれは、FETを含み、いくつかの実施形態においてGaN FETを含むことができる。第1のトランジスタ814(a)のドレインは、第1のエネルギー蓄積コンデンサ810(a)のA端子に接続される。第2のトランジスタ814(b)のドレインは、第2のエネルギー蓄積コンデンサ810(b)のA端子に接続される。第1および第2のトランジスタ814(a)および814(b)のソースは、接地基準808に接続される。レーザエミッタ402のアノードもまた、接地基準808に接続される。
【0086】
回路800はまた、1つまたは複数のフライバックダイオード816を有することができる。各フライバックダイオード816のアノードは、レーザエミッタ402のカソードに接続される。各フライバックダイオード816のカソードは、レーザエミッタ402のアノードと、接地基準808とに接続される。フライバックダイオードは、レーザエミッタ402のアノードにおいて誘導されうる負電圧を制限する。
【0087】
動作時、トランジスタ804のゲートは、充電信号818に接続される。充電信号818がトランジスタ804をオンにすると、電流が、電源806からインダクタ802およびトランジスタ804を通って接地基準808に流れる。
【0088】
インダクタ802を通る電流がインダクタ802の飽和点近くになると、トランジスタ804はオフにされ、次いで、インダクタ電流はコンデンサ810に流れ、A端子をB端子に対して正に帯電させる。コンデンサ810が充電される相対電圧を、本明細書において充電電圧と呼ぶであろう。
【0089】
説明される実施形態において、トランジスタ804は、約2マイクロ秒にわたってオンにされる。トランジスタ804がオフにされると、コンデンサ810が充電されるのに約500ナノ秒かかる。したがって、総充電時間は2.5マイクロ秒以上である。
【0090】
第1のトランジスタ814(a)のゲートは、第1のトリガ信号820(a)に接続され、この第1のトリガ信号820(a)は、レーザエミッタ402が第1のパルスを放出するときに第1のトランジスタ814(a)をオンにするのに使用される。第1のトランジスタ814(a)をオンにすると、A端子における電圧が接地基準808の電圧近くまで下がり、それに応じて、B端子の電圧も、充電電圧にほぼ等しい量だけ下がる。したがって、レーザエミッタ402のカソードは、現在、アノードに関して負の電位にあることになり、コンデンサの蓄積エネルギーは、レーザエミッタ402を介して放電される。レーザエミッタ402を通る結果的な電流により、レーザエミッタ402は光を放出する。
【0091】
第2のトランジスタ814(b)のゲートは、第2のトリガ信号820(b)に接続される。第2のトリガ信号820(b)は、第2のパルスを作り出すためにレーザエミッタ402を介して第2のコンデンサ810(b)を放電するのに使用される。
【0092】
動作時、第1のトランジスタ814(a)がオンにされてレーザバーストの第1のパルスが開始され、少しあとに第2のトランジスタ814(b)がオンにされて第2のパルスが開始される。
【0093】
回路800は、トランジスタ814についてn型またはエンハンスメント・モードGaN FETを使用するものとして示されているが、p型またはディプリーションモード(depletion mode)GaN FETを使用する同様の回路を使用してもよい。加えて、回路は、あらゆる数のレーザエミッタを順次発射するのに使用されるあらゆる数のパルスの生成をサポートするように拡張されてもよい。
【0094】
いくつかの実施形態において、スナバを追加して、寄生キャパシタンスおよびインダクタンスによって通常なら発生しうる駆動電流における電圧振動を低減することができる。このような振動の発生が許容される場合、レーザエミッタ402を発射する前に振動が鎮まるのを待つことが必要になる可能性がある。スナバは、抵抗器822およびコンデンサ824を備えることができ、これらは、インダクタ802の第2の端子におけるどんな電圧振動および電流振動も減衰させるように、インダクタ802の第2の端子と接地基準808との間で直列接続される。
【0095】
回路800は、単一のパルスまたは2つより多いパルスを含めた、あらゆる数のレーザパルスを生成するように修正されてよい。図8Aにおいて、破線を使用して、第1および第2の発射回路826(a)および826(b)のコンポーネントが示されている。これらの発射回路は、あらゆる数のパルスを作り出すように必要に応じて複製されてよい。単一の駆動パルスを作り出すには、単一の発射回路826を使用すればよい。3つの駆動パルスを作り出すには、3つの発射回路826を使用すればよく、各発射回路は、図8Aに示されるようにインダクタ802およびエミッタ402に接続される。
【0096】
図8Bに、図8Aに示されるような発射回路826のいくつかの実施形態で使用できる追加の要素を示す。
【0097】
トランジスタ814ならびにその関連コンポーネントおよび相互接続に関連付けられた寄生キャパシタンスおよびインダクタンスは、ある状況において発射回路826によって生成されるパルスの短さを制限することがあり得て、そうでなければ可能であるだろうよりも短いパルスを生成することが望まれることがあり得る。これらの状況において、比較的小さい抵抗828を、エネルギー蓄積コンデンサ810のA端子とトランジスタ814のドレインとの間に直列に配置することができる。寄生キャパシタンスおよびインダクタンスを組み合わせて、抵抗828は、コンデンサ810のA端子における電圧が振動して、そうでなければ起こるだろうよりも短い初期電流パルスを作り出すほどの、共振を作り出す。いくつかの実施形態において、さらに、キャパシタンス830を、コンデンサ810のA端子と接地基準808との間に加えて、この効果を強化するまたはさらに調整することができる。いくつかの実施形態において、同様に、キャパシタンス832を、コンデンサ810のB端子と接地基準808との間に加えて、この効果をさらに強化することができる。加えられる抵抗およびキャパシタンスの値は、所望の初期パルスの継続時間を達成するために、具体的な実装の特徴に基づいて計算され、または決定される。
【0098】
場合によっては、トランジスタ814は複製されてもよく、したがって2つのこのようなトランジスタが並列で使用されて、エネルギー蓄積コンデンサ810からの電流が駆動される。2つのトランジスタを並列で使用することで、寄生インダクタンスおよびキャパシタンスの影響を低減することができる。
【0099】
図9に、レーザエミッタ402を駆動するための別の例示的な電気回路900を示す。ただしこの実施例において、回路900は、多数のパルスではなく、単一の放出された光パルスのみを提供する。このような回路は、マルチパルスバーストではなく単一のレーザパルスを使用して各距離測定が実施される実施形態で使用することができる。
【0100】
回路900は、インダクタ902とトランジスタ904とを含む誘導性ブースト充電部を有する。トランジスタ904は、FETまたはeGaN FETを含むことができる。インダクタ902の第1の端子は電源906に接続され、電源906は、接地基準908に対して正電圧を有する。例えば、電源906は、5ボルトのDC(直流)電圧源とすることができる。インダクタの第2の端子は、トランジスタ904のドレインに接続される。トランジスタ904のソースは、接地基準908に接続される。
【0101】
電気回路900は、エネルギー蓄積コンデンサ910を有する。エネルギー蓄積コンデンサ910は、「A」および「B」端子を有するものとして符号が付けられている。回路の動作中、A端子はB端子に対して正に帯電する。
【0102】
エネルギー蓄積コンデンサ910は、ダイオード912を介してインダクタ902の第2の端子に接続され、それにより、インダクタ902によって供給される電流で充電される。具体的には、ダイオード912のアノードは、インダクタ902の第2の端子に接続される。ダイオード912のカソードは、エネルギー蓄積コンデンサ910のA端子に接続される。コンデンサ910のB端子は、接地基準908に接続される。
【0103】
レーザエミッタ402のアノードは、エネルギー蓄積コンデンサ910のA端子に接続される。トランジスタ914が、レーザエミッタ402のカソードと、接地基準908との間に接続される。具体的には、トランジスタ914のドレインは、レーザエミッタ402のカソードに接続され、トランジスタのドレインは、接地基準908に接続される。
【0104】
動作時、トランジスタ904のゲートは、充電信号916に接続される。充電信号916がトランジスタ904をオンにすると、電流が、電源906からインダクタ902およびトランジスタ904を通って接地基準908に流れる。
【0105】
インダクタ902を通る電流がインダクタ902の飽和点に近くなると、トランジスタ904はオフにされ、次いで、インダクタ電流はコンデンサ910に流れ、A端子をB端子に対して相対的に帯電させる。
【0106】
トランジスタ914のゲートはトリガ信号918に接続され、このトリガ信号918は、レーザエミッタ402からパルスを放出するために適時にトランジスタ914をオンにするのに使用される。トランジスタ914をオンにすると、エネルギー蓄積コンデンサ910によって蓄積されたエネルギーが、レーザエミッタ402を介して放電される。
【0107】
トランジスタ914は、この実施形態においてn型エンハンスメント・モードGaN FETを含むが、p型ディプリーションモードGaN FETまたは他のあらゆるタイプのFETと共に使用される同様の回路が実装されてもよい。
【0108】
図10に、充電バンクの概念を示す。いくつかの実施形態において、測定チャネルは、異なる複数の充電バンクに分けられる、または割り当てられる。説明される実施形態において2つの充電バンクを使用するが、異なる実施形態において、異なる数の充電バンクを使用することもできる。
【0109】
説明される実施形態において、各チャネルは、2つの充電バンクのうちの一方または他方に割り当てられる。単一の充電バンクのエミッタのすべてに関連するコンデンサの充電が、同時に実施される。充電は、最初に第1の充電バンクのエミッタに関連するコンデンサを充電し、次いで第2の充電バンクのエミッタに関連するコンデンサを充電する、という繰返しサイクルにおいて実施される。バンクが充電されている間、他方のバンクのチャネルは距離測定に使用される。
【0110】
例証される実施形態において、チャネル(図10においてチャネルのレーザエミッタ402によって表される)の1つおきの列が、それぞれ第1および第2の充電バンク1002(a)および1002(b)に割り当てられる。例示される実施例において、上から下に、第1、第3、第5、および第7の列が、第1の充電バンク1002(a)に属する。第2、第4、および第6の列が、第2の充電バンク1002(b)に属する。
【0111】
動作中、第1の充電バンク1002(a)のレーザエミッタ402に関連する蓄積コンデンサ810が同時に充電され、一方、第2の充電バンク1002(b)のレーザエミッタ402に関連する蓄積コンデンサ810を使用してレーザパルスが作り出される。続いて、第2の充電バンク1002(b)のレーザエミッタ402に関連する蓄積コンデンサ810が同時に充電され、一方、第1の充電バンク1002(a)のレーザエミッタ402に関連する蓄積コンデンサ810を使用してレーザパルスが作り出される。このシーケンスが継続的に繰り返され、一方のバンクが発射されている間に他方のバンクが充電される。
【0112】
図11に、ADCグループの概念を示す。説明される実施形態において、2つのADCを使用して、光センサ124の38個のセンサ要素によって作り出される信号がディジタル化される。これを達成するために、第1のADCグループ1102(a)と呼ばれる、センサ要素の半分からの信号が、第1のADC622(a)に多重化される。第2のADCグループ1102(b)と呼ばれる、センサ要素の他の半分からの信号が、第2のADC622(b)に多重化される。この実施例において、第1のADCグループ1102(a)は、光センサ124の左側(図中での)のセンサ要素を含み、第2のADCグループ1102(b)は、光センサ124の右側(図中での)のセンサ要素を含む。このように、第1のADCグループ1102(a)は、第1の充電バンク1002(a)と第2の充電バンク1002(b)の両方のチャネルに対応するチャネルを含む。同様に、第2のADCグループ1102(b)も、第1の充電バンク1002(a)と第2の充電バンク1002(b)の両方のチャネルに対応するチャネルを含む。様々な実施形態で、ADCグループへの種々のチャネルマッピングを使用できることに留意されたい。
【0113】
いくつかの実施形態において、連続的に使用されるチャネル間の漏話を低減するために、異なる複数の波長の光を作り出すレーザエミッタを使用することができる。例えば、いくつかのレーザエミッタは905ナノメートルの光を放出することができ、他のレーザエミッタは1064ナノメートルの光を放出することができる。次に、異なる波長のレーザエミッタを交互に使用することができ、したがって、放出された光は、905ナノメートルと1064ナノメートルとの間で交替する。光センサも同様に、それぞれの波長に対して感光性があり他の波長をフィルタリングするように、構成されてよい。
【0114】
図12に、充電バンクとADCグループとの両方の存在を考慮した予め定義されたシーケンスにおいて、種々の位置に位置決めされた測定チャネルをどのように使用できるかについての例を示す。
【0115】
水平タイムライン1202が示されており、これに沿って時間が左から右に増加する。垂直矢印1204を使用して、異なる複数のチャネルからのレーザバーストを示す。図12は単一のサイクルを示し、このサイクル中に、規則的なシーケンスにおいてすべてのチャネルが1回起動される。このサイクルが、デバイスの動作中に継続的に繰り返される。
【0116】
上向きの各矢印1204は、第1のADCグループ1102(a)のチャネルからのバーストを表す。下向きの各矢印1204は、第2のADCグループ1102(b)のチャネルからのバーストを表す。図示のように、規則的なシーケンスは、第1のADCグループと第2のADCグループとから交互にくるチャネルを指定する。
【0117】
各バーストの次に、破線の矩形エリア1206によって示される観察期間が続く。観察期間は、放出されたバーストが外向きに移動し反射されてデバイスの方に内向きに戻るときの、放出されたバーストの最大予想伝搬時間であり、この期間中、反射があるかどうかセンサ要素が監視される。説明される実施形態において、観察期間は、約1ミリ秒であり、放出された光パルスが140メートルまで離れた表面に伝搬して戻るのに十分な時間である。
【0118】
図12は、観察期間1206が重複することになるレートで、チャネルが使用されることを示す。このことは、それぞれの測定チャネルによって作り出された2つまでのレーザバーストが、所与のどんな時点でも「飛行中」でありうることを意味する。2つのADC622(a)および622(b)を使用して、これらの重複する観察期間中に反射光が感知される。
【0119】
第1のADCグループのチャネルがレーザバーストを放出すると、チャネルのセンサ要素は、マルチプレクサ1104(a)を介して第1のADC622(a)に接続され、第1のADC622(a)を使用して、センサ要素によって発生された信号をディジタル化する。この接続は、後続の観察期間1206を通して維持される。しかし、この観察期間中、第2のADCグループのチャネルが、別のレーザバーストを放出する。この第2のレーザバーストの後に、対応する観察期間が続き、この観察期間中、第2のADCグループのチャネルのセンサ要素は、マルチプレクサ1104(b)を介して第2のADC622(b)に接続される。
【0120】
要約すると、レーザバーストは、所与のどんな時点でも2つのレーザバーストが飛行中でありうるようなレートで発生する。第1のADC622(a)を使用して、飛行中のレーザバーストのうちの一方からの戻り信号がディジタル化され、第2のADC622(b)を使用して、飛行中のレーザバーストのうちの他方からの戻り信号がディジタル化される。第3のバーストが放出されたときは、第1のADC622(a)を使用して、第3の飛行中レーザバーストからの戻り信号がディジタル化される。
【0121】
図12は、規則的なシーケンスが、最初に第1の充電バンク1002(a)のすべてのチャネルを含み、次いで第2の充電バンク1002(b)のすべてのチャネルを含むことを示す。
【0122】
図13に、前述のチャネル配列のコンテキストにおける規則的なチャネルシーケンスの具体的な実施例を示す。一般に、連続的に使用されるチャネル間の最小程度の物理的間隔を少なくとも提供するチャネルの順序を選択することが望ましい。これは、あるチャネルによって放出されたバーストが、近接するチャネルによって受光され検出される可能性がいくらかあるからである。
【0123】
したがって、連続的に使用されるチャネル間の物理的距離を増加させれば、チャネル間の漏話の可能性が低下する。しかし、チャネルの順序はまた、ADCグループおよび充電バンクの性質によっても制約される。具体的には、チャネルの順序は以下の制約を受ける。すなわち、(a)連続的に使用されるチャネルは、異なるADCグループからのものである必要があること、および、(b)順序は、第1の充電バンクのすべてのチャネルを共にグループ化し、次いで第2の充電バンクのすべてのチャネルを共にグループ化するという順序でなければならないことである。
【0124】
図13は、すでに述べた配列を用いた多数のチャネル1302のレイアウトを示す。チャネルは、上から下に数字0~37を使用して符号が付けられている。例えば、チャネル0は一番上のチャネルであり、チャネル1は次に低いチャネルであり、以下同様に、一番下のチャネル37まで続く。
【0125】
前述の制約に従い、以下の発射の順序が最適化されて、連続的に使用されるチャネル間で少なくとも最小間隔が達成される。
20-16-29-7-32-28-19-6-10-27-31-18-9-5-30-8-21-17-25-11-34-3-26-12-4-33-24-2-37-23-15-1-36-22-14-0-35-13
【0126】
この実施例において、最小間隔は3である。すなわち、連続的に発射されるチャネルは、相互から少なくとも3つ離れた位置にある。異なる数および/または構成のレーザおよび検出器を使用する他の実施例において、最小間隔は3よりも大きいかまたは小さくてもよい。
【0127】
図14に例示的な方法1400を示すが、この方法は、それぞれの距離測定の実施に使用される多数のライダー測定チャネルを有する環境で実施されるものとして説明される。説明される実施形態において、各測定チャネルが、レーザエミッタおよび対応する光センサを備える。レーザエミッタおよびセンサは、前述のように、または種々の異なるやり方において配列されてよい。
【0128】
作動1402は、各チャネルを、少なくとも2つの充電バンクのうちの1つに割り当てることを含む。説明される実施形態において、チャネルは、チャネルのいくつかが第1の充電グループに属し、チャネルのいくつかが第2の充電グループに属するように、分けられる。第2の充電グループのチャネルが逐次的に距離測定に使用されている間、第1の充電グループのすべてのチャネルが同時に充電される。次いで、第1の充電グループのチャネルが逐次的に距離測定に使用されている間、第2の充電グループのすべてのチャネルが同時に充電される。このサイクルが無期限に繰り返される。
【0129】
作動1404は、各測定チャネルを、第1のADCグループか第2のADCグループかのいずれかの一部として構成することを含む。説明される実施形態において、チャネルは、グループ間で等しく分けられる。第1のグループは、戻り信号のディジタル化に第1のADCが使用されるチャネルを含む。第2のグループは、戻り信号のディジタル化に第2のADCが使用されるチャネルを含む。ADCグループ構成の例が図11に示されている。
【0130】
作動1406は、チャネルの順序を選択することを含み、チャネル順序は、測定チャネルが距離測定の実施に使用されるだろう順序またはシーケンスである。チャネルの順序は、互いに一時的に近接して使用されるチャネル間においてできるだけ大きい物理的間隔を提供するように選択された、測定チャネルの規則的なシーケンスを含む。より具体的には、規則的なシーケンスは、続けざまになど連続的に使用されるチャネル間で、できるだけ大きい物理的間隔を提供するように選択される。
【0131】
チャネルの順序は、所定のチャネルを所定の充電バンクに割り当てること、および所定のチャネルを所定のADCグループで構成することによって制約される。具体的には、規則的なシーケンスは、(a)第1の充電バンクのすべてのチャネル、次いで(b)第2の充電バンクのすべてのチャネル、の繰返しサイクルを含む。加えて、重複する時間期間中に2つのチャネルが使用されるのを可能にするために、規則的なシーケンスのチャネルは、第1のADCグループと第2のADCグループとから交互にくるチャネルである。
【0132】
作動1408は、測定チャネルのレーザエミッタおよび光センサを支えるシャーシを回転させることを含む。説明される実施形態において、シャーシは、多数の回転において、一定の回転速度で継続的に回転される。各回転は、レーザエミッタおよび光センサを、シーンにわたってまたはシーンを横切って、水平に走査する。他の実施形態において、シーンにわたる走査は回転以外の方法で実施されてもよいことに留意されたい。
【0133】
1組の作動1410が、シャーシについての多数の回転の各々に対して実施される。
【0134】
作動1412は、各チャネルによって使用されるパルス間隔を選択することを含む。説明される実施形態において、パルス間隔は、隣接するパルスの間隔をあける時間期間の継続時間として指定される。継続時間は、各チャネルにつきランダムに選択することができ、シャーシの回転ごとに新たに選択することができる。他の実施形態において、間隔の継続時間は、各チャネルにつき選択することができ、各チャネルに永続的に割り当てるかまたは定義済みのパルス間隔プランに従って割り当てることができる。さらに他の実施形態において、多数パルスバーストではなく単一のパルスを測定に使用することもできる。
【0135】
作動1414は、それぞれ、各チャネルに対して基準波形を生成することを含む。個別のチャネルについての基準波形は、チャネルのレーザエミッタからレーザバーストを基準面の方向に放出することによって得ることができる。例えば、基準面は、シャーシの支持構造の非回転部分とすることができる。レーザバーストの反射は、チャネルのセンサ要素によって感知され、関連するADCによってディジタル化され、将来の使用のために記憶される。いくつかの実施形態において、このようにして多数の測定を行い、平均をとって基準波形を作り出すことができる。いくつかの実施形態において、各チャネルについての基準波形は、シャーシの回転ごとに再度取り込んで更新することもできる。
【0136】
1組の作動1416は、作動1406に関して上述したチャネルの順序において、測定チャネルごとに実施される。
【0137】
作動1418は、光パルスのバーストを放出して距離測定を実施することを含む。各放出されたバーストは、継続時間を有する時間間隔で時間的に分離された1対の光パルスを含む。作動1418は、前述の作動1412に従って、光パルスの異なる放出されたバーストについて時間間隔の継続時間を変動させることを含む。いくつかの実施形態において、継続時間は、異なる複数の測定チャネルにわたって変動させ、また、各測定チャネルにつき繰り返し変動させる。より具体的には、特定の測定チャネルによって発生されるバーストにおいて使用される継続時間を、シャーシの回転ごとに変動させる。
【0138】
いくつかの実施形態において、各チャネルは、バーストパルス間の間隔について、異なる固有の継続時間を使用することができる。いくつかの実施形態において、時間間隔の継続時間は、ランダムに選択されて個々のチャネルに割り当てられてよい。いくつかの実施形態において、固有の時間間隔の継続時間が、各チャネルに永続的に割り当てられてよい。
【0139】
説明される実施形態において、各バーストは、予想される最大の往復の伝搬時間を有する。これは、最大予想距離にある表面にバーストが伝搬して戻ってくるのに要する時間である。チャネルは、重複しインタレースされるようにして使用され、したがって、第1のバーストが放出され、第1のバーストについての往復の伝搬時間の間に第2のバーストが放出される。チャネルの順序は、このような重複するバーストが、異なるADCに関連することを保証する。
【0140】
作動1420は、放出された光バーストに対応する反射された光バーストを感知することを含む。この作動は、放出された光バーストが起点としたレーザエミッタに対応するチャネルのセンサ要素によって実施される。この作動は、センサ要素によって作り出された信号をディジタル化して、ディジタル化された戻り光信号を作り出すことを含む。ディジタル化は、チャネルに関連するADCによって実施される。
【0141】
作動1422は、放出されたバーストの伝搬時間または飛行時間を決定することを含む。本明細書で説明されるいくつかの実施形態において、作動1422は、各放出されたバーストを対応する反射光バーストと相互相関させて伝搬時間を決定することを含む。例えば、作動1422は、特定のチャネルについて、チャネルに対応する基準波形と、チャネルに対応する反射光信号との相互相関を計算することを含むことができる。作動1422はさらに、相互相関の最高ピークを見つけ、基準波形に対する最高ピークの時間関係に基づいて伝搬時間を決定することを含むこともできる。
【0142】
本明細書で説明される環境において、前述の作動はいずれも、図6で参照される制御器608によって少なくとも部分的に実施、制御、または監督することができる。
【0143】
例示的な条項
A.例示的なデバイスは、
光パルスのバーストを放出して距離測定を実施するように構成されたレーザ光源であって、各放出されたバーストは、継続時間を有する時間間隔によって隔てられた第1の光パルスおよび第2の光パルスを含む、レーザ光源と、
異なる放出されたバーストについての時間間隔の継続時間を変動させる、レーザ光源に通信可能に結合された制御ロジックと、
放出されたバーストにそれぞれ対応する反射光バーストを感知する光センサと、
各放出されたバーストの、反射光バーストのうちの対応する1つとの相互相関を分析して伝搬時間を決定する、光センサに通信可能に結合された分析ロジックと
を備える。
【0144】
B.例Aによる例示的なデバイスであって、
レーザ光源のためのシャーシであって、放出されたバーストをシーンにわたって光学的に走査するように回転可能であるシャーシをさらに備え、
制御ロジックは、シャーシの回転のたびに時間間隔の継続時間を少なくとも1回変動させるように構成された、デバイス。
【0145】
C.例Aまたは例Bによる例示的なデバイスであって、
第1の電気パルスおよび第2の電気パルスを発生して光パルスの第1の放出されたバーストを作り出す電気回路をさらに備え、電気回路は、インダクタ、第1のコンデンサ、および第2のコンデンサを備え、
インダクタは、第1のコンデンサおよび第2のコンデンサを並列に充電するように接続され、
第1のコンデンサおよび第2のコンデンサは、別々に放電して第1の電気パルスおよび第2の電気パルスを作り出すように構成された、デバイス。
【0146】
D.例Cによる例示的なデバイスであって、
レーザ光源はレーザエミッタを備え、
第1のコンデンサはレーザエミッタに直列であり、
電気回路は、第1のコンデンサにレーザエミッタを介して選択的に放電させるように接続された第1のトランジスタをさらに備え、
第2のコンデンサはレーザエミッタに直列に接続され、
電気回路は、第2のコンデンサにレーザエミッタを介して選択的に放電させるように接続された第2のトランジスタをさらに備える、デバイス。
【0147】
E.例Cまたは例Dによる例示的なデバイスであって、
第1のトランジスタは第1のGaN FET(窒化ガリウム電界効果トランジスタ)を含み、
第2のトランジスタは第2のGaN FETを含む、デバイス。
【0148】
F.例示的なデバイスは、
多数のレーザエミッタと、
レーザエミッタにそれぞれ対応する多数の光センサと、
規則的なシーケンスにおいて使用されて距離測定を実施する多数の測定チャネルであって、各測定チャネルはレーザエミッタのうちの1つと光センサのうちの対応する1つとを備え、第1の測定チャネルおよび第2の測定チャネルを含む測定チャネルと、
作動を実施するように構成された制御器と
を備え、これらの作動は、
第1の測定チャネルの第1のレーザエミッタを使用して光パルスの第1のバーストを放出する作動であって、光パルスの第1のバーストは、第1の継続時間の第1の時間間隔によって隔てられた光パルスの第1のセットを含む、作動と、
第2の測定チャネルの第2のレーザエミッタを使用して光パルスの第2のバーストを放出する作動であって、光パルスの第2のバーストは、第2の継続時間の第2の時間間隔によって隔てられた光パルスの第2のセットを含み、第2の継続時間は第1の継続時間と異なる、作動と、
第1の測定チャネルの第1の光センサを使用して第1の反射光信号を決定する作動であって、第1の反射光信号は光パルスの第1のバーストに対応する、作動と、
第2の測定チャネルの第2の光センサを使用して第2の反射光信号を決定する作動であって、第2の反射光信号は光パルスの第2のバーストに対応する、作動と、
光パルスの第1のバーストの、第1の反射光信号との第1の相互相関を作り出す作動と、
第1の相互相関を分析して、光パルスの第1のバーストの第1の伝搬時間を決定する作動と、
光パルスの第2のバーストの、第2の反射光信号との第2の相互相関を作り出す作動と、
第2の相互相関を分析して、光パルスの第2のバーストの第2の伝搬時間を決定する作動と
を含む。
【0149】
G.例Fによる例示的なデバイスであって、作動は、
第1の継続時間をランダムに選択する作動と、
第2の継続時間をランダムに選択する作動と
をさらに含む、デバイス。
【0150】
H.例Fまたは例Gによる例示的なデバイスであって、
第1の測定チャネルは、光パルスの第1のバーストを第1の波長で放出するように構成され、
第2の測定チャネルは、光パルスの第2のバーストを第2の波長で放出するように構成された、デバイス。
【0151】
I.例F~Hのいずれか1つによる例示的なデバイスであって、
チャネルは、チャネルの第1のグループおよびチャネルの第2のグループを含み、
デバイスは、チャネルの第1のグループに通信可能に結合された第1のADC(アナログ-ディジタル変換器)と、チャネルの第2のグループと共に使用される第2のADCとをさらに備え、
規則的なシーケンスのチャネルは、第1のグループと第2のグループとから交互にくるチャネルである、デバイス。
【0152】
J.例F~Iのいずれか1つによる例示的なデバイスであって、第1のバーストは往復の飛行時間を有し、第2のバーストは第1のバーストについての往復の伝搬時間中に放出される、デバイス。
【0153】
K.例F~Jのいずれか1つによる例示的なデバイスであって、
第1の充電バンクはチャネルの第1のセットを含み、
第2の充電バンクはチャネルの第2のセットを含み、
規則的なシーケンスは、(a)第1の充電バンクのチャネル、次いで(b)第2の充電バンクのチャネル、の繰返しサイクルを含む、デバイス。
【0154】
L.例F~Kのいずれか1つによる例示的なデバイスであって、規則的なシーケンスは、連続的に使用されるチャネルのレーザエミッタ間で少なくとも最小物理的間隔を提供するように選択される、デバイス。
【0155】
M.例F~Lのいずれか1つによる例示的なデバイスであって、
放出されたバーストを走査方向に光学的に走査するように回転可能なシャーシをさらに備え、光センサはシャーシによって支えられ、走査方向は、光センサが相対的に位置決めされる走査軸に対応し、
光センサは平行な列に配列され、光センサの特定の列は、走査軸に関して角度が付けられた線に沿って延びる、デバイス。
【0156】
N.例F~Mのいずれか1つによる例示的なデバイスであって、レーザエミッタは六方格子に配列された、デバイス。
【0157】
O.例F~Nのいずれか1つによる例示的なデバイスであって、平行な列は走査軸に関して互い違いに配置された、デバイス。
【0158】
P.例F~Oのいずれか1つによる例示的なデバイスであって、
放出されたバーストを走査方向に光学的に走査するように回転可能なシャーシをさらに備え、光センサはシャーシによって支えられ、走査方向は、光センサが相対的に位置決めされる走査軸に対応し、
光センサは平行な列に配列され、光センサの特定の列は、走査軸に関して角度が付けられた線に沿って延びる、デバイス。
【0159】
Q.例F~Pのいずれか1つによる例示的なデバイスであって、光センサは六方格子に配列された、デバイス。
【0160】
R.例F~Qのいずれか1つによる例示的なデバイスであって、平行な列は走査軸に対して互い違いに配置された、デバイス。
【0161】
S.例示的な方法は、
光パルスのバーストを放出して距離測定を実施するステップであって、各放出されたバーストは、継続時間を有する時間間隔によって隔てられた第1の光パルスおよび第2の光パルスを含む、ステップと、
光パルスの異なる放出されたバーストについての時間間隔の継続時間を変動させるステップと、
反射光バーストを感知するステップと、
各放出されたバーストを反射光バーストのうちの対応する1つと相互相関させて伝搬時間を決定するステップと
を含む。
【0162】
T.例Sによる例示的な方法であって、
シャーシを回転の繰返しにおいて回転させて、放出されたバーストをシーンにわたって光学的に走査するステップをさらに含み、
継続時間を変動させるステップは、シャーシの回転のたびに継続時間を少なくとも1回変更するステップを含む、方法。
【0163】
U.例Sまたは例Tによる例示的な方法であって、
光パルスのバーストを放出するステップは、少なくとも第1のレーザエミッタおよび第2のレーザエミッタからバーストを放出するステップを含み、
継続時間を変動させるステップは、(a)第1のレーザエミッタによって放出される光パルスが隔てられる時間間隔の第1の継続時間を選択するステップと、(b)第2のレーザエミッタによって放出される光パルスが隔てられる時間間隔の第2の継続時間を選択するステップとを含み、
第1および第2の継続時間は相互と異なる、方法。
【0164】
V.例Sまたは例Uによる例示的な方法であって、
第1のレーザエミッタおよび第2のレーザエミッタを回転の繰返しにおいて回転させて、放出されたバーストをシーンにわたって光学的に走査するステップをさらに含み、
継続時間を変動させるステップは、(a)第1の継続時間を回転ごとに変更するステップと、(b)第2の継続時間を回転ごとに変更するステップとをさらに含む、方法。
【0165】
W.例Sまたは例Uによる例示的な方法であって、
光パルスのバーストを放出するステップは、バーストを多数のレーザエミッタから放出するステップを含み、
継続時間を変動させるステップは、各レーザエミッタにつき、レーザエミッタによって放出される光パルスが隔てられる時間間隔の継続時間をランダムに選択するステップを含む、方法。
【0166】
X.例Sまたは例Uによる例示的な方法であって、
光パルスのバーストを放出するステップは、バーストを多数のレーザエミッタから放出するステップを含み、
この方法は、レーザエミッタを回転の繰返しにおいて回転させて放出されたバーストをシーンにわたって光学的に走査するステップをさらに含み、
継続時間を変動させるステップは、各レーザエミッタにつき、かつレーザエミッタの各回転につき、レーザエミッタによって放出される光パルスが隔てられる時間間隔の継続時間をランダムに選択するステップを含む、方法。
【0167】
Y.例Sまたは例Uによる例示的な方法であって、
光パルスのバーストを放出するステップは、バーストを多数のレーザエミッタから放出するステップを含み、
方法は、レーザエミッタを回転の繰返しにおいて回転させてバーストをシーンにわたって光学的に走査するステップをさらに含み、
継続時間を変動させるステップは、各レーザエミッタの各回転につき、レーザエミッタによって放出される光パルスが隔てられる時間間隔の新しい継続時間を選択するステップを含む、方法。
【0168】
Z.例S~Yのいずれか1つによる例示的な方法であって、
光パルスのバーストを放出するステップは、測定チャネルの規則的なシーケンスを使用して実施され、各測定チャネルはレーザエミッタおよび対応するセンサ要素を備え、規則的なシーケンスの測定チャネルは、測定チャネルの第1のグループと測定チャネルの第2のグループとから交互にくる測定チャネルであり、
測定チャネルの第1のグループは、第1のアナログ-ディジタル変換器(ADC)に関連する測定チャネルを含み、測定チャネルの第2のグループは、第2のADCに関連する測定チャネルを含む、方法。
【0169】
AA.例S~Zのいずれか1つによる例示的な方法であって、
光パルスのバーストを放出するステップは、
第1のADCに関連する測定チャネルの第1のレーザエミッタから光パルスの第1のバーストを放出するステップであって、第1のバーストは往復の伝搬時間を有する、ステップと、
第2のADCに関連する測定チャネルの第2のレーザエミッタから光パルスの第2のバーストを放出するステップであって、光パルスの第2のバーストは往復の伝搬時間の間に放出される、ステップと
を含む、方法。
【0170】
BB.例S~AAのうちのいずれか1つによる例示的な方法であって、
各測定チャネルを少なくとも第1の充電バンクおよび第2の充電バンクのうちの1つに割り当てるステップをさらに含み、
規則的なシーケンスは、(a)第1の充電バンクの測定チャネル、次いで(b)第2の充電バンクの測定チャネル、の繰返しサイクルを含む、方法。
【0171】
CC.例Z~BBのいずれか1つによる例示的な方法であって、規則的なシーケンスは、連続的に使用されるチャネルのレーザエミッタ間で少なくとも最小物理的間隔を提供するように選択される、方法。
【0172】
DD.レーザ光を作り出すレーザ光源と、
反射レーザ光を感知する光センサと、
レーザ光源および光センサを支えるシャーシであって、回転軸を中心に走査方向に回転可能であり、走査方向は回転軸に直交する、シャーシと
を備える例示的なデバイスであって、
レーザ光源は、レーザ光源の第1の走査軸に関して互い違いに配置された平行な列に配列された多数のレーザエミッタを備え、第1の走査軸は走査方向に光学的に対応し、
光センサは、光センサの第2の走査軸に対して互い違いに配置された平行な列に配列された多数のセンサ要素を備え、第2の走査軸は走査方向に光学的に対応し、
レーザエミッタの特定の列は、第1の走査軸に対して第1の角度にある第1の線に沿って延び、
センサ要素の特定の列は、第2の走査軸に関して第1の角度にある第2の線に沿って延びる、デバイス。
【0173】
EE.例DDによる例示的なデバイスであって、レーザ光源は、光パルスのバーストを放出して距離測定を実施するように構成され、各放出されたバーストは、継続時間を有する時間間隔によって隔てられた第1の光パルスおよび第2の光パルスを含む、デバイス。
【0174】
FF.例DDまたは例FFによる例示的なデバイスであって、異なる放出されたバーストについての時間間隔の継続時間を変動させる、レーザ光源に通信可能に結合された制御ロジックをさらに備える、デバイス。
【0175】
GG.例DD~FFのいずれか1つによる例示的なデバイスであって、光センサは、放出されたバーストにそれぞれ対応する反射光バーストを感知する、デバイス。
【0176】
HH.例DD~GGのいずれか1つによる例示的なデバイスであって、各放出されたバーストの、反射光バーストのうちの対応する1つとの相互相関を分析して伝搬時間を決定する、光センサに通信可能に結合された分析ロジックをさらに備える、デバイス。
【0177】
II.例DD~HHのいずれか1つによる例示的なデバイスであって、規則的なシーケンスにおいて使用されて距離測定を実施する多数の測定チャネルをさらに備え、各測定チャネルは、レーザ光源のうちの1つと、光センサのうちの対応する1つとを備える、デバイス。
【0178】
JJ.例IIによる例示的なデバイスであって、測定チャネルは第1の測定チャネルおよび第2の測定チャネルを含み、第1の測定チャネルは、光の第1のバーストを第1の波長で放出するように構成され、第2の測定チャネルは、光パルスの第2のバーストを第2の波長で放出するように構成された、デバイス。
【0179】
KK.例IIまたは例JJによる例示的なデバイスであって、測定チャネルの第1のグループに通信可能に結合された第1のADC(アナログ-ディジタル変換器)と、測定チャネルの第2のグループと共に使用される第2のADCとをさらに備えるデバイス。
【0180】
LL.例KKによる例示的なデバイスであって、規則的なシーケンスの測定チャネルは、第1のグループと第2のグループとから交互にくるチャネルである、デバイス。
【0181】
MM.例II~LLのいずれかによる例示的なデバイスであって、第1のバーストは往復の伝搬時間を有し、第2のバーストは第1のバーストについての往復の飛行時間の間に放出される、デバイス。
【0182】
NN.例DD~MMのいずれかによる例示的なデバイスであって、
第1の充電バンクは測定チャネルの第1のセットを含み、
第2の充電バンクは測定チャネルの第2のセットを含み、
規則的なシーケンスは、(a)第1の充電バンクの測定チャネル、次いで(b)第2の充電バンクの測定チャネル、の繰返しサイクルを含む、デバイス。
【0183】
OO.例DD~NNのいずれか1つによる例示的なデバイスであって、レーザエミッタは六方格子に配列された、デバイス。
【0184】
結び
上の考察は、説明される技法の例示的な実装を述べるが、他の構成は、説明される機能性を実装するのに使用され、本開示の範囲内にあることを意図することができる。さらに、本主題について、構造上の特徴および/または方法上の行為に特有の言葉で述べたが、添付の特許請求の範囲で定義される本主題は、述べた具体的な特徴または行為に必ずしも限定されないことを理解されたい。そうではなく、これらの具体的な特徴および行為は、特許請求の範囲を実装する例示的な形として開示される。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14