(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-28
(45)【発行日】2022-04-05
(54)【発明の名称】可搬型汎用電源出力装置およびシステム
(51)【国際特許分類】
H02J 9/08 20060101AFI20220329BHJP
H02B 1/52 20060101ALI20220329BHJP
H02B 3/00 20060101ALI20220329BHJP
【FI】
H02J9/08
H02B1/52
H02B3/00 M
(21)【出願番号】P 2020118760
(22)【出願日】2020-07-09
【審査請求日】2021-04-27
(31)【優先権主張番号】P 2020031452
(32)【優先日】2020-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000162593
【氏名又は名称】エクシオグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091306
【氏名又は名称】村上 友一
(72)【発明者】
【氏名】田中 政彦
(72)【発明者】
【氏名】片野 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】木下 能享
(72)【発明者】
【氏名】横内 宣明
(72)【発明者】
【氏名】増子 浩行
【審査官】大濱 伸也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-038118(JP,A)
【文献】特開2003-274604(JP,A)
【文献】特開2017-212868(JP,A)
【文献】特開2008-271734(JP,A)
【文献】特開2017-210178(JP,A)
【文献】特表2003-515913(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0230934(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0052481(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 9/00-11/00
H02B 1/52
H02B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変圧器を内蔵し、移動電源車
やレンタルエンジン
の移動型低圧発電機の出力端子に合わせた端子を介して接続可能
とすると共に前記変圧器に電源を供給して作動させる入力コネクタと、
前記変圧器から延設される電源供給ラインにつながる雌型接続コネクタと、から成る可搬型の変圧ユニットと、
前記雌型接続コネクタと接続可能な雄型接続コネクタと、前記雄型接続コネクタと電源供給ラインを介して接続される外部出力コネクタと、から成る可搬型の出力ユニットとを有し、
前記両ユニット
は、嵌め合いによる積層
を可能とし、
前記雌型接続コネクタと前記雄型接続コネクタとは、前記両ユニットの積層部に
設けられてワンタッチ接続を可能としてなり、前記出力ユニットは複数の出力ユニットを更に積層して増設可能としていることを特徴とする可搬型汎用電源出力装置。
【請求項2】
前記変圧ユニットは複数の変圧ユニットを更に積層して増設可能としていることを特徴とする請求項1に記載の可搬型汎用電源出力装置。
【請求項3】
前記入力コネクタには複数のタップを設けて複数の変圧ユニットに分配供給可能としてなることを特徴とする請求項1に記載の可搬型汎用電源出力装置。
【請求項4】
前記出力ユニットに接続されるインバータを設け、このインバータには電気自動車の充電器に接続される第2の入力コネクタを設けたことを特徴とする請求項1に記載の可搬型汎用電源出力装置。
【請求項5】
前記変圧ユニットおよび出力ユニットには積層状態で固定されるロック手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の可搬型汎用電源出力装置。
【請求項6】
前記変圧ユニットと出力ユニットの積層体の最上部にはルーフパネルを積層可能としていることを特徴とする請求項1に記載の可搬型汎用電源出力装置。
【請求項7】
前記変圧ユニットと出力ユニットの入力コネクタ、および外部出力コネクタは各ユニットケースの凹部箇所に設けたことを特徴とする請求項1に記載の可搬型汎用電源出力装置。
【請求項8】
移動電源車
やレンタルエンジン
の移動型低圧発電機と、
この移動型低圧発電機からの出力ケーブルと、
変圧器を内蔵し、前記出力ケーブルに接続可能
とすると共に前記変圧器に電源を供給して作動させる入力コネクタ
と、前記変圧器から延設される電源供給ラインにつながる雌型接続コネクタと、から成る可搬型の変圧ユニットと、
前記雌型接続コネクタと接続可能な雄型接続コネクタと、前記雄型接続コネクタと電源供給ラインを介して接続される外部出力コネクタと、から成る可搬型の出力ユニットと、を有し、
前記変圧ユニットと
前記出力ユニットとを
嵌め合いにより積層可能とし、
前記雌型接続コネクタと前記雄型接続コネクタとは、前記両ユニットの積層部に
設けられてワンタッチ接続を可能としてなり、
前記出力ユニットは複数の出力ユニットを更に積層して増設可能としている、ことを特徴とする可搬型汎用電源出力システム。
【請求項9】
前記出力ケーブルは、接続部が嵌合形のコネクタを有するコネクタ式移動電源車用電源ケーブルであることを特徴とする請求項8に記載の可搬型汎用電源出力システム。
【請求項10】
前記出力ケーブルは、接続部が嵌合形のコネクタを有するコネクタ式移動電源車用電源ケーブルと、これに接続され低圧発電機との接続部をコネクタ式から端子式へ変換するインターフェース変換電源ケーブルとを備えていることを特徴とする請求項8に記載の可搬型汎用電源出力システム。
【請求項11】
前記変圧ユニットは複数の変圧ユニットを更に積層して増設可能としていることを特徴とする請求項8に記載の可搬型汎用電源出力システム。
【請求項12】
前記可搬型汎用電源出力システムには電気自動車の充電器により駆動され前記出力ユニットに接続可能なインバータを搭載可能としていることを特徴とする請求項8に記載の可搬型汎用電源出力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は可搬型汎用電源出力装置およびシステムに係り、特に、電源出力部の増減が簡単にできるようにした可搬型汎用電源出力装置およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、非常用電源出力装置は、特許文献1に記載されているように、一般的には、一つのフレーム内に蓄電池とインバータおよびバッテリーチャージャーを搭載し、増設フレームにもインバータ以外の同設備を搭載し、両フレーム同士の支柱間を連結する連結部材により機械的連結を図った構成とされたものが知られている。蓄電池を搭載したフレームを増すことにより、使用電力の増大化に対応することができるようにしている。
【0003】
しかしながら、上述のような構成では、通常時商用電源にて蓄電池に充電し、停電時に蓄電池から直流電力をインバータ部で交流電力に変換する構成であり、蓄電池の充電量が無くなればそれで終了してしまう。充電量を増すためには蓄電池の数を増やさなければならないという欠点がある。また、上記構成では、商用電源出力口数が増えるたび、蓄電池を備えたフレームの増大を図らなければならず、特に電源が必要な避難所での使用に応えられない。
【0004】
また、住民が避難している場合、避難所には多くの被災者が集まり、避難所には電源救済に対応した設備がないのが実情である。発電機を準備しても電源を必要とする被災者のニーズと一致しておらず、スピーディな対応が必要であるにも拘わらず、どこで電源を必要となるか分からない問題がある。特に昨今では大多数の人々は携帯電話やスマートフォンが生活のマストアイテムとなっており、必要不可欠と言っても過言ではない。その様な中で、避難所の数少ないコンセントは延長タップを取り付け充電器が鈴なりとなっている状況である。更に、医療機器に電源が必要な入院中の患者が避難される場合、近隣の病院に受け入れられる人数は限られており、対応できる避難所も限られることが予想され、電源確保は大変重要だと考えられる。また、非常用発電機が準備されても容量が小さく、大容量であっても人々が必要としているAC100Vコンセントや充電用USBコンセントは不足する状況である。
【0005】
従来の仮設分電盤を配置することも考えられるが、これは建設現場等において建設途上に必要な電源を供給することを主たる目的としているものである。この場合、専門知識・技術を有する技術者が取り扱うため、外部配線の接続や分電盤内部の配線接続箇所および構成品といった部品も露出しており、一般の方にとっては生命の危険が生じるものである。従って、この様な仮設分電盤を設置するためには立入禁止措置や取扱者を限定する必要があった。また、筐体は金属製のため重量も重く運搬においても労力と時間が掛かるものであった。緊急避難場所における仮設電源は、小容量の携帯発電機から延長コード等でわずかな電源しか供給することができず、多くの電源を供給する場合は、そのような発電機を複数準備しなければならず、ユーザーのニーズに合致していないものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来の問題点に着目し、避難所等で安全かつ収容人数に見合う可変な出力容量を持ち、コンパクトで可搬性があり、汎用性の高い可搬型汎用電源出力装置およびシステムを提供することを目的とする。また、広い避難所の複数個所に設置することができる可搬型汎用電源出力装置およびシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る可搬型汎用電源出力装置は、変圧器を内蔵し、移動電源車やレンタルエンジンの移動型低圧発電機の出力端子に合わせた端子を介して接続可能とすると共に前記変圧器に電源を供給して作動させる入力コネクタと、前記変圧器から延設される電源供給ラインにつながる雌型接続コネクタと、から成る可搬型の変圧ユニットと、前記雌型接続コネクタと接続可能な雄型接続コネクタと、前記雄型接続コネクタと電源供給ラインを介して接続される外部出力コネクタと、から成る可搬型の出力ユニットとを有し、
前記両ユニットは、嵌め合いによる積層を可能とし、前記雌型接続コネクタと前記雄型接続コネクタとは、前記両ユニットの積層部に設けられてワンタッチ接続を可能としてなり、前記出力ユニットは複数の出力ユニットを更に積層して増設可能としてなる構成とした。
【0009】
前記出力ユニットは複数の出力ユニットを更に積層して増設可能とすることができる。同じく前記変圧ユニットも複数の変圧ユニットを更に積層して増設可能としている。前記入力コネクタには複数のタップを設けて複数の変圧ユニットに分配供給可能としてよい。前記出力ユニットに接続されるインバータを設け、このインバータには電気自動車の充電器に接続される第2の入力コネクタを設ける構成としても良い。
前記変圧ユニットおよび出力ユニットには積層状態で固定されるロック手段を備えればよい。更に、前記変圧ユニットと出力ユニットの積層体の最上部にはルーフパネルを積層可能としていることが望ましい。前記変圧ユニットと出力ユニットの入力コネクタ、および外部出力コネクタは各ユニットケースの凹部箇所に設けている方がよい。
【0010】
また、本発明に係る可搬型汎用電源出力システムは、移動電源車やレンタルエンジンの移動型低圧発電機と、この移動型低圧発電機からの出力ケーブルと、変圧器を内蔵し、前記出力ケーブルに接続可能とすると共に前記変圧器に電源を供給して作動させる入力コネクタと、前記変圧器から延設される電源供給ラインにつながる雌型接続コネクタと、から成る可搬型の変圧ユニットと、前記雌型接続コネクタと接続可能な雄型接続コネクタと、前記雄型接続コネクタと電源供給ラインを介して接続される外部出力コネクタと、から成る可搬型の出力ユニットと、を有し、前記変圧ユニットと前記出力ユニットとを嵌め合いにより積層可能とし、前記雌型接続コネクタと前記雄型接続コネクタとは、前記両ユニットの積層部に設けられてワンタッチ接続を可能としてなり、前記出力ユニットは複数の出力ユニットを更に積層して増設可能としてなるものである。
【0011】
前記出力ケーブルは、接続する状況によりコネクタ式移動電源車用電源ケーブルで直接、または、インターフェース変換電源ケーブルとコネクタ式移動電源車用電源ケーブルを接続して使用することができ、この場合接続部は嵌合形の接続コネクタ式とし通電部は外部露出することはないようにする。
更に、前記出力ユニットと変圧ユニットとは、複数積層させ増設を可能とし、また電気自動車の充電器により駆動され前記出力ユニットに接続可能なインバータを搭載可能とすることができる。
【発明の効果】
【0012】
上記本発明の構成によれば、発電機に合わせて外部出力コネクタを増設可能となり、避難所などでは収容人数に見合う可変容量にすることができる。また、各ユニットは可搬性があり、例えばFRPにより製作しコンパクトで持ち運びが容易であるため避難所には最適となる。更にユニット間の接続方法はコネクタ方式となり、外部配線が不要で誰でも簡易に安全に接続できるものとなる。また、入力コネクタは複数のタップを設けて複数の変圧ユニットに分配供給可能とすることにより、前記可搬型汎用電源出力装置を広い範囲で複数個所に配置することができ、分散配置して利便性を上げることができる。また、前記出力ユニットに接続されるインバータを設け、このインバータには電気自動車の充電器に接続される第2の入力コネクタを設けることにより、電気自動車を利用することが出来て電源供給源を増やすこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係る可搬型汎用電源出力装置の外観図を示すもので同図(1)は左側面図、同図(2)は正面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る同装置の分解正面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る同装置に用いられる変圧ユニットの左側面図(同図(1))、正面図(同図(2))、平面図(同図(3))である。
【
図4】本発明の実施形態に係る同装置に用いられる出力ユニットの左側面図(同図(1))、正面図(同図(2))、平面図(同図(3))である。
【
図5】本発明の実施形態に係る同装置の電気回路図である。
【
図6】本発明に係る可搬型汎用電源出力システムの外観構成図である。
【
図7】他の実施例に係る可搬型汎用電源出力システムの概略構成図である。
【
図8】複数の可搬型汎用電源出力装置を接続した場合の実施例を示す電気回路図である。
【
図9】可搬型汎用電源出力装置の変圧ユニットを嵌合型の接続コネクタを用いて積層させた例を示す実施例の電気回路図である。
【
図10】電気自動車の電源を利用する可搬型汎用電源出力装置の電気回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の可搬型汎用電源出力装置およびシステムに係る実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態は、本発明を実施するための好適な形態の一部であり、その対象や選択項目に変化を加えたとしても、本発明の効果を奏する限りにおいて、本発明の一部とみなすことができる。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る可搬型汎用電源出力装置の外観図を示すもので同図(1)は左側面図、同図(2)は正面図である。
図2は、本発明の実施形態に係る同装置の分解正面図である。
図3は、本発明の実施形態に係る同装置に用いられる変圧ユニットの左側面図(同図(1))、正面図(同図(2))、平面図(同図(3))である。
図4は、本発明の実施形態に係る同装置に用いられる出力ユニットの左側面図(同図(1))、正面図(同図(2))、平面図(同図(3))である。
図5は、本発明の実施形態に係る同装置の電気回路図である。
【0016】
図1は、可搬型汎用電源出力装置の実施形態を示しており、装置ユニット組立時の外観図である。この図に示すように、可搬型汎用電源出力装置10は、一つの変圧ユニット12と、これに積層される出力ユニット14A、更にこの上に増設される出力ユニット14B、および最上段に配置される増設出力ユニット14Bの上面をカバーするルーフパネル16から構成されている。
【0017】
各ユニット12、14(14A、14B)は略同一の形状を有する直方体からなり、筐体はFRP(繊維強化プラスチック)から形成され、電気的安全性を向上させている。変圧ユニット12の上面と出力ユニット14の上下面には、積み重ねると内部の電源供給ライン(後述する)と自動で接続状態となる嵌合型の接続コネクタ18が設けられ、ユニット間の外部配線を無くすようにしている。
【0018】
まず変圧ユニット12は、
図3に示しているように、内部に第1変圧器20aと第2変圧器20bを上下二段に配置しており、両者の入力部には主遮断器22を介して外部からの出力電源200Vを入力する雌型の入力コネクタ24が備えられている。主遮断器22と入力コネクタ24とは、変圧ユニット12のフレーム外側面部に形成された凹み部分、すなわち第1深堀部26から外部に臨んで配置されている。一方、内部の第1、第2の変圧器20(20a、20b)はそれぞれ入力電源200Vを100Vに変圧するように構成され、その出力電源100Vを電源供給ライン28a、28bから、外部すなわち上部の出力ユニット14Aに向けられた接続コネクタ18を構成している雌型接続コネクタ18a、18bに出力可能にしている。雌型接続コネクタ18a、18bは、
図3(3)の平面図で明らかなように、変圧器20の後部側に一定間隔に配置され、変圧ユニット12の上面に2系統の電源供給ライン28a、28bを形成している。この雌型接続コネクタ18a、18bは、変圧ユニット12の上面に形成した第2深堀部(表面から凹んでいる部分)30に配置されている。また、変圧ユニット12の前面部にも、上下2段重ねで配置される第1変圧器20a、第2変圧器20bの前面が臨まれる第3深堀部32が形成されている。
【0019】
一方、出力ユニット14A、14Bは同様に構成されており、これには変圧ユニット12の2系統の電源供給ライン28a、28bの端末となる雌型接続コネクタ18a、18bから電源の供給を受けるものとなっている。先ず、出力ユニット14の外観は、直方体形状とされ、投影平面は下部変圧ユニット12と同一とされ、下面部に第2深堀部30に嵌入可能な下部矩形フレーム34を突出させている。上面部にはその表面から凹んでいる部分とされ、前記矩形フレーム34が丁度嵌入する大きさの第4深堀部36が形成されている。また、出力ユニット14の前面部にも第5深堀部38が形成されている。したがって、出力ユニット14は変圧ユニット12の天井面で、水平面に沿った移動が防止されて積層可能となっている。さらに出力ユニット14同士の積層も可能で、下部矩形フレーム34を上段の出力ユニット14Bの第4深堀部36に嵌入することで多段に積み重ねることができる。
【0020】
このような出力ユニット14Aの下面部には、変圧ユニット12に積層した際、前記雌型接続コネクタ18a、18bから電源供給を受けるため、雄型接続コネクタ40a、40bが設けられている。雄型接続コネクタ40a、40bは、変圧ユニット12の上面に2系統の電源供給ライン28a、28bと同列、同間隔に形成されている。これにより下位の変圧ユニット12に積層した際、接続コネクタ18の雌型接続コネクタ18a、18bと雄型接続コネクタ40a、40bが嵌合して変圧ユニット12から電源供給を受けることができる。
【0021】
出力ユニット14Aの上面部には、第4深堀部36内に位置して、雄型接続コネクタ40a、40bと同様に配列された雌型接続コネクタ42a、42bが設けられている。雄型接続コネクタ40aと雌型接続コネクタ42aとは電源供給ライン44aで、また、雄型接続コネクタ40bと雌型接続コネクタ42bとは電源供給ライン44bでそれぞれ接続され、第1変圧器20aと第2変圧器20bの2系統で電源が供給される。
【0022】
出力ユニット14Aの内部では、電源供給ライン44a、44bから分岐された分岐路46a、46bに接続されている配線基板48a、48bが設けられ、この配線基板48a、48bから引き出された外部出力コネクタ50a、50bが設けられている。この外部出力コネクタ50a、50bとしては100Vコンセント52a、52bやUSBコンセント54a、54bなどである。そして、このような外部出力コネクタ50a、50bは、前述した第5深堀部38に配置され、外部に臨んでいる。また、前述した分岐路46a、46bには遮断器56a、56bが介在し、この遮断器50a、50bも第5深堀部38に設けられている。
【0023】
このような構成は増設される出力ユニット14Bでも全く同様であるので、同一番号を付して説明を省略する。
最下部に変圧ユニット12を配置し、その上部に出力ユニット14Aを積層し、さらにその上部に出力ユニット14Bを積層するが、そのままでは最上段の天井面から雌型接続コネクタ42a、40bが外部に晒されてしまう。そのため実施例に係る装置にはルーフパネル16を積層する構造とされている。ルーフパネル16は、施蓋可能なパネル本体58と、出力ユニット14の下部矩形フレーム34と同様な下部矩形フレーム60を有し、最上段の出力ユニット14Bの第4深堀部36に嵌合させている。
【0024】
また、変圧ユニット12、出力ユニット14A、および増設出力ユニット14Bの両側面部には取手62が設けられ、手持ち移動が容易になっている。また、各ユニット間およびルーフパネル16との間には、接続ロック機構64が設けられ、これはバックル機構によりロックさせるもので、ユニット間あるいはルーフパネル16を堅固に縛りつけるものとなっている。
【0025】
このような可搬型汎用電源出力装置10は、
図6に示されるように、AC200V(低圧発電機)を出力する移動電源車66と、コネクタ式移動電源車用電源ケーブル68を用いて接続している。あるいはレンタルエンジンと言われるAC200Vを出力する低圧発電機70とRST端子と接続可能なインターフェース変換電源ケーブル72とコネクタ式移動電源車用電源ケーブル68を利用して電源を供給するものである。したがって、低圧発電機としてその出力端子部分に合わせた端子を利用することができ、利用性が増す。
【0026】
このように構成された可搬型汎用電源出力装置10およびシステムでは、移動電源車66や低圧発電機70から電源が投入されると、変圧ユニット12で100Vに変換され、これが接続コネクタ18を介して2系統に分離し、それぞれ出力ユニット14Aに設けた外部出力コネクタ50a、50bを通じて100V仕様の電気器具の使用が可能となり、またUSBを接続することにより例えばスマートフォンやパソコンの利用が可能となる。タップが足りなくなれば、変圧器20の容量の範囲で出力ユニット14を積層して増設することが可能なり、出力ユニット14の容量を増大すればさらに出力ユニット14の数を増やすことができる。
【0027】
また、ユニットタイプとして積層構造としているので、積み重ねが容易でしかもFRP構造としているので軽量安全に作業することができる。また、ユニットタイプとして取手62を持って移動が簡易であり、避難所などへの搬入や搬出が簡単にでき、しかもユニットを積み重ねると自動で接続状態になるコネクタを採用しているので、ユニット間の外部配線が無くなり、誰でも安全に使用することができる。
【0028】
次に、
図7には、他の実施形態の可搬型汎用電源出力装置のシステム図を示している。この例では、移動電源車66若しくはレンタルエンジンの低圧発電機70と可搬型汎用電源出力装置10との間に、入力分配ユニット80を設け、入力分配ユニット80の複数のタップ82(CN1~CNn)を介して、複数の可搬型汎用電源出力装置10nに電源を供給するようにしている。これにより避難所が広い場所であっても、あるいは上下階層に分かれていても複数の箇所に可搬型汎用電源出力装置10nを配置できる。
【0029】
このようにした電気回路例を
図8に示す。移動電源車66若しくは低圧発電機70から入力分配ユニット80の入力端子CN0に入力し、これが分配されて各タップ82(CN1~CNn)から電源が供給される。電源が供給される可搬型汎用電源出力装置10は、
図5に示した回路例でもよいが、
図8に示されるような回路構成でもよい。これは一台の変圧ユニット20を内蔵する変圧ユニット12を最下部に配置し、この上部に出力ユニット14Aを積層し、さらにその上部に出力ユニット14Bを積層する。そしてルーフパネル16を積層して終了する。このような装置10
1~10nを、各入力タップ82に接続して、広い避難所に分散配置することで使用勝手が格段によくなる。
【0030】
次に、
図7の中央に配置された例を説明する。これは第1実施形態では変圧ユニット12は第1、第2の変圧器20a、20bを単に収納した形態であったのに対し、この実施形態では個別に変圧ユニット12に内蔵させた形態とした。電気回路例を
図9に示している。変圧ユニット12A、12Bを接続するために、ワンタッチ接続が可能な雌雄接続型のコネクタを設けている。これは第一実施形態の出力ユニット14同士と同様な構造のものを使用する。
【0031】
このように変圧ユニット12A、12Bを積層することによって、前記雌型接続コネクタ18a、18bから電源供給を受けるため、出力ユニット14側には雄型接続コネクタ40a、40bが設けられている。雄型接続コネクタ40a、40bは、変圧ユニット12の上面に2系統の電源供給ライン28a、28bと同列、同間隔に形成されている。これにより下位の変圧ユニット12に積層した際、接続コネクタ18の雌型接続コネクタ18a、18bと雄型接続コネクタ40a、40bが嵌合して変圧ユニット12から電源供給を受けることができる。
斯かる実施形態では、変圧ユニット12をそれぞれ積層接続するタイプとしたため、出力ユニット14の増設も簡単にできるというメリットが得られる。
【0032】
更に
図7の右側に記載した例を説明する。この例は電気自動車90の充電器によって動作可能なインバータ92を有し、このインバータ92を内蔵するインバータユニット94を設け、このインバータユニット94を出力ユニット14の外観構成と同様な構成としたものである。このような構成を付加することにより、インバータを用いて電気自動車からも電源供給を受け、益々可搬型汎用電源出力装置10の用途が高くなる。
【0033】
なお、これらの実施例には上下結合用の接続ロック機構64は取手62を設け、回路的には上部出力ユニット14の下面に設けた雄型接続コネクタ40に接続されるコネクタ18を設けて構成されることは共通している。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、避難所や病院などに用いることが出来、通信業者、マスコミ、イベント企画会社、商店などの企業利用が可能である。
【符号の説明】
【0035】
10……可搬型汎用電源出力装置、12……変圧ユニット、14A……出力ユニット、14B……出力ユニット(増設)、16……ルーフパネル、18……接続コネクタ、18a、18b……雌型接続コネクタ、20a……第1変圧器、20b……第2変圧器、22……主遮断器、24……入力コネクタ、26……第1深堀部、28a、28b……電源供給ライン、30……第2深堀部、32……第3深堀部、34……下部矩形フレーム、36……第4深堀部、38……第5深堀部、40a、40b……雄型接続コネクタ、42a、42b……雌型接続コネクタ、44a、44b……電源供給ライン、46a、44b……分岐路、48a、48b……配線基板、50a、50b……外部出力コネクタ、52a、52b……100Vコンセント、54a、54b……USBコンセント、56a、56b……遮断器、58……パネル本体、60……下部矩形フレーム、62……取手、64……接続ロック機構、66……移動電源車、68……コネクタ式移動電源車用電源ケーブル、70……低圧発電機、72……インターフェース変換電源ケーブル、80……入力分配ユニット、82……タップ、90……電気自動車、92……インバータ、94……インバータユニット。