(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-28
(45)【発行日】2022-04-05
(54)【発明の名称】男性用下着
(51)【国際特許分類】
A41B 9/02 20060101AFI20220329BHJP
A41H 43/00 20060101ALI20220329BHJP
【FI】
A41B9/02 F
A41H43/00 B
(21)【出願番号】P 2020147746
(22)【出願日】2020-09-02
(62)【分割の表示】P 2016565668の分割
【原出願日】2015-05-07
【審査請求日】2020-09-02
(32)【優先日】2014-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510132406
【氏名又は名称】エイチビーアイ ブランデッド アパレル エンタープライゼズ,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】HBI Branded Apparel Enterprises,LLC
【住所又は居所原語表記】1000 East Hanes Mill Road 27105 Winston-Salem NC, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100097320
【氏名又は名称】宮川 貞二
(74)【代理人】
【識別番号】100155192
【氏名又は名称】金子 美代子
(74)【代理人】
【識別番号】100131820
【氏名又は名称】金井 俊幸
(74)【代理人】
【識別番号】100215049
【氏名又は名称】石川 貴志
(72)【発明者】
【氏名】フランツ,アダム
(72)【発明者】
【氏名】ペリー,タシャ
【審査官】冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-197853(JP,A)
【文献】特表2006-520859(JP,A)
【文献】実開平7-6203(JP,U)
【文献】特開2008-63704(JP,A)
【文献】国際公開第2010/020547(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41B9/02-9/04
A41H43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下着を作製する方法であって:
下着の本体を形成するために、筒状の未加工の生地を丸編みにより編成するステップを備え、
前記本体は:
前記本体の前面にあるポーチ領域と;
前記ポーチ領域を少なくとも部分的に縁取る保持
編目を備える
編目領域であって、前記本体の他の部分よりも横方向への伸縮性が低い前記
編目領域と;を備え、
下着の本体を形成するために、筒状の未加工の生地を丸編みにより編成する前記ステップは、前記ポーチ領域を少なくとも部分的に縁取る前記保持
編目を
一体的に編成するために、前記
編目領域内の
編目パターンを選択的に変更するステップを備え、
前記保持
編目は、前記ポーチ領域内に布地ギャザーを作り出すように構成されている、
下着を作製する方法。
【請求項2】
下着の本体を形成するために、筒状の未加工の生地を丸編みにより編成する前記ステップは、前記ポーチ領域の外周に沿って第1の
編目範囲と、前記ポーチ領域と前記第1の
編目範囲の間に第2の
編目範囲とを形成するために、前記
編目領域内の
編目パターンを選択的に変更するステップを備え、
前記第2の
編目範囲は、前記保持
編目を備え、前記第1の
編目範囲よりも横方向への伸縮性が低い、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
筒状の未加工の生地を丸編みにより編成する前記ステップは、第1の筒状の未加工の生地の第1の端部のウェルト部から開始して、前記第1の筒状の未加工の生地を丸編みにより編成するステップを備え、
前記下着を作製する方法は:
前記第1の筒状の未加工の生地に一対のスリットを切り込むステップであって、前記スリットは、前記第1の筒状の未加工の生地の円周上の対向した各位置に切り込まれ、前記第1の筒状の未加工の生地の前記第1の端部から縦方向に延在する、前記切り込むステップと;
第2の筒状の未加工の生地を、ウェルト部から開始してウェルト部にて終端するまで丸編みにより編成するステップと;
クロッチ片を形成するために、前記第2の筒状の未加工の生地の長さにかけて、前記第2の筒状の未加工の生地の一部を切断するステップであって、前記クロッチ片はウェルト部付き端部を有する、前記切断するステップと;
2つの脚部を形成するために、前記クロッチ片を前記第1の筒状の未加工の生地のスリットの縁上に縫合するステップと;をさらに備える、
請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも部分的に下着を製造する方法であって:
第1の筒状の未加工生地を、前記第1の筒状の未加工の生地の第1の端部におけるウェルト部から開始して、丸編みにより編成するステップと;
前記第1の筒状の未加工の生地に一対のスリットを切り込むステップであって、前記スリットは、前記第1の筒状の未加工の生地の円周上の対向する各位置に切り込まれ、前記第1の筒状の未加工の生地の前記第1の端部から、前記第1の筒状の未加工の生地の縦方向の長さに一部沿って延在する、前記スリットを切り込むステップと;
第2の筒状の未加工の生地を、第1の縦方向端部におけるウェルト部から開始し、第2の縦方向端部におけるウェルト部で終端を成すまで、丸編みにより編成するステップと;
前記第2の筒状の未加工の生地からクロッチ片を切断するステップであって、前記クロッチ片は、前記第2の筒状の未加工の生地の一区画であり、前記第1の縦方向端部におけるウェルト部から前記第2の縦方向端部におけるウェルト部まで延在する、前記切断するステップと;
2つの脚開口部を作製するために、前記クロッチ片を前記第1の筒状の未加工の生地のスリットの縁上に縫合するステップであって、前記クロッチ片の前記第1及び第2の縦方向端部の前記ウェルト部は、前記第1の筒状の未加工の生地の前記第1の端部の前記ウェルト部と整列する、前記縫合するステップと;を備え
、
第1の筒状の未加工の生地を丸編みにより編成する前記ステップは、保持編目の範囲によって少なくとも部分的に縁取られたポーチを一体的に編成するために、前記第1の筒状の未加工の生地の編目パターンを選択的に変更するステップを備える、
下着を製造する方法。
【請求項5】
ウエストバンドを、前記第1の筒状の未加工の生地の前記脚開口部に対向する位置に取り付けるステップをさらに備える、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
下着を作製する方法であって:
下着の本体を形成するために、筒状の未加工の生地を丸編みにより編成するステップを備え、
前記本体は:
前記本体の前面にあるポーチ領域と;
前記ポーチ領域を少なくとも部分的に縁取る保持
編目を備える
編目領域であって、前記本体の他の部分よりも横方向への伸縮性が低い前記
編目領域と;を備え、
下着の本体を形成するために、筒状の未加工の生地を丸編みにより編成する前記ステップは、前記ポーチ領域の外周に沿って第1の
編目範囲と、前記ポーチ領域と前記第1の
編目範囲の間に第2の
編目範囲とを形成するために、前記
編目領域内の
編目パターンを選択的に変更するステップを備え、
前記保持
編目は、前記ポーチ領域内に布地ギャザーを作り出すように構成されており、
前記第2の
編目範囲は、前記保持
編目を備え、前記第1の
編目範囲よりも横方向への伸縮性が低い、
下着を作製する方法。
【請求項7】
筒状の未加工の生地を丸編みにより編成する前記ステップは、第1の筒状の未加工の生地の第1の端部のウェルト部から開始して、前記第1の筒状の未加工の生地を丸編みにより編成するステップを備え、
前記下着を作製する方法は:
前記第1の筒状の未加工の生地に一対のスリットを切り込むステップであって、前記スリットは、前記第1の筒状の未加工の生地の円周上の対向した各位置に切り込まれ、前記第1の筒状の未加工の生地の前記第1の端部から縦方向に延在する、前記切り込むステップと;
第2の筒状の未加工の生地を、ウェルト部から開始してウェルト部にて終端するまで丸編みにより編成するステップと;
クロッチ片を形成するために、前記第2の筒状の未加工の生地の長さにかけて、前記第2の筒状の未加工の生地の一部を切断するステップであって、前記クロッチ片はウェルト部付き端部を有する、前記切断するステップと;
2つの脚部を形成するために、前記クロッチ片を前記第1の筒状の未加工の生地のスリットの縁上に縫合するステップと;をさらに備える、
請求項
6に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2014年5月7日に出願された米国仮出願第61/996,442号の特典を主張する。
【0002】
本開示は、肌着、例えば男性用の肌着又は下着に関する。
【背景技術】
【0003】
男性用ボクサーショーツ、男性用ブリーフ、更にこれらを組み合わせたボクサーブリーフなど、多数の形態の肌着が存在する。それぞれのスタイルは、フィット感、快適感、サポート感の異なる組み合わせを提供する。下着によるサポート性が不十分であると、エクササイズ又は他の運動中に、男性の解剖学的構造(身体構造)の動きにより不快感が生じる可能性がある。毎日の着用中に、不快感は、肌着が意図せず身体の上で移動してしまったり生地が部分的に寄り集まったりしてしまうことに帰着する。
【発明の概要】
【0004】
本開示は男性用下着について説明する。
【0005】
特定の態様は、実質的に筒状の形状で、使用者の胴体を少なくとも部分的に包囲するように構成された本体を含む肌着を包含する。本体は、本体の前面にあるポーチ(小袋)領域と、ポーチ領域を少なくとも部分的に縁取り、横方向の伸縮性(ストレッチ、stretch)が本体の他の部分よりも低い編目領域とを含む。
【0006】
この態様及び他の態様は、以下の特徴を1つ以上含むことができる。本体は、丸編みされた筒状の未加工の生地(ブランク、blank)で形成される。編目領域は保持編目を含み、保持編目はポーチ領域を少なくとも部分的に縁取っている。編目領域は、ポーチ領域の外周に沿う第1の編目範囲と、ポーチ領域と第1の編目範囲との間の第2の編目範囲とを含み、第2の編目範囲は保持編目を含み、第1の編目範囲よりも横方向への伸縮性が低い。第1の編目範囲は外側編目範囲と内側編目範囲とを含み、内側編目範囲は外側編目範囲よりも横方向への伸縮性が低い。外側編目範囲は第1のリブ構造を含み、内側編目範囲は、第1のリブ構造よりも幅広い第2のリブ構造を含む。外側編目範囲の第1のリブ構造は1×1のリブ構造を含み、内側編目範囲の第2のリブ構造は4×1のリブ構造を含む。第2の編目範囲は、第2の編目範囲付近のポーチ領域内に布地ギャザーを形成するために、保持編目のパターンを含む。本体は、第1の筒状脚部と、第1の筒状脚部に略平行な第2の筒状脚部とを含み、第1及び第2の脚部は本体の第1の端部に向かって延在している。第1の筒状脚部は、本体の第1の端部において第1の筒状脚部に編み込まれた第1の脚バンドを含み、第2の筒状脚部は、本体の第1の端部において第2の筒状脚部に編み込まれた第2の脚バンドを含む。肌着は、本体の第1の端部に対向する第2の端部において本体に取り付けられたウエストバンドを含む。肌着は、第1及び第2の筒状脚部の内側スリットに沿って縫合され、及び、編目領域及びポーチ領域に沿って少なくとも部分的に縫合されたクロッチ片(股布 crotch piece)を含む。編目領域は、クロッチ片とポーチ領域との間の第3の編目範囲を含む。第3の編目範囲は1×1のリブ構造を含む。
【0007】
特定の態様は、肌着を作製する方法を包含し、この方法は、肌着の本体を形成するべく筒状の未加工生地を丸編みにて編成するステップを含み、本体は、その前面辺りにポーチ領域と、ポーチ領域を少なくとも部分的に縁取る編目領域とを含み、編目領域は本体の他の部分よりも横方向への伸縮性が低い。
【0008】
この態様及び他の態様は、以下の特徴を1つ以上含むことができる。編目領域は保持編目を含み、保持編目はポーチ領域を少なくとも部分的に縁取っている。肌着の本体を形成するべく筒状の未加工生地を丸編みにより編成するステップは、ポーチ領域の外周に沿って第1の編目範囲と、ポーチ領域と第1の編目範囲の間の第2の編目範囲とを形成するために、編目領域内の編目パターンを選択的に変更するステップを含み、第2の編目範囲は保持編目を含み、第1の編目範囲よりも横方向への伸縮性が低い。肌着本体を形成するために筒状の未加工生地を丸編みにて編成するするステップは、ポーチ領域を少なくとも部分的に縁取る保持編目を形成するべく、編目領域内の編目パターンを選択的に変更するステップを含み、保持編目はポーチ領域内に布地ギャザーを作り出すように構成されている。筒状の未加工生地を丸編みにより編成するステップは、筒状の未加工生地を、筒状の未加工生地の第1の端部のウェルト部から開始して丸編みにより編成するステップを含み、この方法は:筒状の未加工生地に一対のスリットを切り込むステップであって、スリットは、筒状の未加工生地の円周上の対向した各位置に切り込まれ、筒状の未加工生地の第1の端部から縦方向に延在し;第2の筒状の未加工生地を、ウェルト部(縁飾り部)から開始してウェルト部にて終端するまで丸編みによって編成するステップ;クロッチ片を形成するために、第2の筒状の未加工生地の長さにかけて、第2の筒状の未加工生地の一部を切断するステップであって、クロッチ片はウェルト部付き端部を含み;及び、2つの脚部を形成するために、クロッチ片を最初に述べた筒状の未加工生地のスリットの縁上に縫合するステップ;を含む。
【0009】
特定の態様は、少なくとも部分的に肌着を製造する方法を包含し、この方法は、第1の筒状の未加工生地を、第1の筒状の未加工生地の第1の端部におけるウェルト部から開始して、丸編みにより編成するステップ;第1の筒状の未加工生地に一対のスリットを切り込むステップであって、スリットは第1の筒状の未加工生地の円周上の対向する各位置に切り込まれ、第1の筒状の未加工生地の第1の端部から、第1の筒状の未加工生地の縦方向長さに一部沿って延在し;第2の筒状の未加工生地を、第1の縦方向端部におけるウェルト部から開始し、第2の縦方向端部におけるウェルト部で終端を成すまで、丸編みにより編成するステップ;第2の筒状の未加工生地からクロッチ片を切断するステップであって、クロッチ片は第2の筒状の未加工生地の一区画であり、第1の縦方向端部におけるウェルト部から第2の縦方向端部におけるウェルト部まで延在し;2つの脚開口部を作製するために、クロッチ片を第1の筒状の未加工生地のスリットの縁上に縫合するステップであって、クロッチ片の第1及び第2の縦方向端部のウェルト部は、第1の筒状の未加工生地の第1の端部のウェルト部と整列する;上記各ステップを含む。
【0010】
この態様、及びその他の態様は、以下の特徴を1つ以上含むことができる。この方法は、ウエストバンドを、第1の筒状の未加工生地の脚開口部と対向する位置に取り付けるステップを含む。第1の筒状の未加工生地を丸編みにより編成するステップは、保持編目の範囲によって少なくとも部分的に縁取られたポーチを作製するために、第1の筒状の未加工生地の編目パターンを選択的に変更するステップを含む。
【0011】
本開示で説明する主題の1つ以上の実施の詳細は、添付の図面及び以下の詳細な説明において述べられる。本主題のその他の特徴、態様、利点は、詳細な説明、図面、特許請求の範囲から明白になろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【0013】
【
図3】肌着を作製する方法の実施例のフローチャートである。
【0014】
【
図4】少なくとも部分的に肌着を製造する方法の実施例のフローチャートである。
【0015】
様々な図面における同様の符号及び記号は同様の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示は、男性用の肌着、例えば、肌着使用者の動作(例えば日常的な活動、エクササイズ、及び/又はその他)の最中に男性の解剖学的構造をサポートする肌着について説明する。肌着は、伸縮性の異なるシームレス(継目なし)な布地領域を含み、例えば、肌着の選択された布地領域の伸縮を選択的に制限することにより男性の解剖学的構造をサポートする。いくつかの例では、サポート性のある下着は丸編みされた肌着を含む。丸編みとは、編地から成る筒状の未加工生地を作成する従来の編成技術である。この未加工生地に1つ以上の仕上げ工程を施して肌着に仕上げることができる。肌着の製造には丸編み装置を使用することができる。例えば、Santoni Companyは、直径がより大きな筒状の未加工生地を編成するように能力を高めた数種類の丸編み機械を開発した。いくつかの例では、丸編みした未加工生地を使用することで、完成衣類を形成するために縫い合わせる別個の布地片の数を減らすことができる。その結果、縫目を大幅に低減させた衣類を作成できる。布地片の数と縫目を低減させることで、衣類は、着用者にとってより快適になり、製造でのコスト効率を高めることができる。
【0017】
図1、
図2はそれぞれ、実施例である肌着100の正面図及び背面図である。実施例である肌着100はミッドサイ(mid-thigh、大腿の中間)丈ボクサーブリーフスタイルの肌着である。しかし、この実施例である肌着100は様々なスタイルのものであってよい(例えばブリーフ、ボクサー、トランクス、ローサイ(low-thigh、大腿の下部)丈、及び/又はその他)。実施例である肌着100は、実質的にシームレスな本体102、本体102に縫合されて本体の第1の端部にて脚部103を形成しているクロッチ片104、本体102の第1の端部に対向する第2の端部にて本体に接合(例えば、接着、縫合、及び/又はその他)されたウエストバンド106を含む。本体102は実質的に筒状の形状で、少なくとも一部が、本体102の第2の端部において、実施例である肌着100の使用者の胴体を包囲している。本体102の第1の端部にて、クロッチ片104が両方の脚部103にわたって設けられ、各脚部103に実質的に筒状の形状を提供している。本開示では、縦方向は、実質的に本体102の第1の端部と第2の端部の間(つまり、本体102に沿ってウエストバンド106と脚部103の間)に延在する方向として定義することができる。同様に、横方向は、本体102の表面に沿った又はこれと接した、縦方向に対して実質的に垂直な方向として定義することができる。
【0018】
いくつかの例では、本体102は第1の丸編みした未加工生地で形成され、クロッチ片104は、別の、丸編みにて編成された第2の未加工生地から切断される。実施例である肌着100は、第1の丸編みした未加工生地、又は本体102を、第1の端部の円周上の対向する2つの位置にスリット(切れ目)を入れて切り開くことによって形成でき、各々のスリットは第1の未加工生地の長さの一部に沿って(つまり、本体102の第1の端部から)縦方向に延在する。クロッチ片104は本体102又は第1の未加工生地のスリットの縁に沿って縫合されて、これにより本体102の第1の端部に脚開口部を各々設けた2つの別々の脚部103が形成される。本体102の、脚開口部と対向する第2の端部は、例えば縫合、接着、及び/又はその他の方法によってウエストバンド106に取り付けることができる。いくつかの例では、ウエストバンド106は第1の丸編みにより編成された未加工生地の一部として形成されている。いくつかの実施例では、ウエストバンド106は弾性のウエストバンドを含んでいる。
【0019】
図1、
図2の実施例である肌着100は男性が使用することができる。そのため、実施例である肌着100の本体102は、例えば第1の筒状の未加工生地の丸編み工程中に、本体102と一体的に編成されたポーチ108を含む。いくつかの例では、ポーチ108は、例えば別のポーチ用布地片を重ねて作成した、開口部を含む。本体102は、本体102の前面(例えば中央前方)辺りのポーチ領域108と、ポーチ領域108を(部分的に、ほぼ全体に、又は全体に)縁取り、第1の筒状の未加工生地内に一体的に編成された
編目領域110とを含む。例えば、男性使用者が肌着100を着用して動作している最中に、男性の解剖学的構造をポーチ領域108内でサポートするために、
編目領域110内には精選された各種の
編目パターンが含まれており、これによって、
編目領域110内の各範囲の(例えば横及び/又は縦方向への)伸縮を制限するようになっている。
編目領域110は、ポーチ領域108の一部を縁取っている保持
編目パターンを含む。保持
編目パターンは、肌着100着用者である男性の解剖学的構造を収容するスペースとなる布地ギャザー111(例えば、余分な本体布地、布地折り畳み、布地しわ、及び/又はその他のギャザー形態)をポーチ領域108内に形成する。
図1では布地ギャザー111がポーチ領域108のほぼ端部辺りと側部にあるように示されているが、布地ギャザー111はポーチ領域108の幅(その一部、ほぼ全体、又は全体)にわたって延在しても、及び/又は、ポーチ領域108の別の又は更に長い縦方向長さに沿って延在してもよい。
【0020】
実施例である肌着100の
編目領域110は、ポーチ領域108の外周に沿う第1の
編目範囲を含む。第1の
編目範囲は、ポーチ領域108の周囲に、ウエストバンド106からクロッチ片104に向かって全体的にU字型に延在している。第1の
編目範囲は、肌着100の正面平面図においてポーチ領域108に全体的に2次元的な形状を提供している(例えば、
図1の肌着の正面図)。第1の
編目範囲は、例えば本体の他の範囲と比べて編成構造(編組織)を狭くすることにより、本体102の他の範囲よりも伸縮性が低い。例えば、実施例である肌着の本体102は主として平編地又はジャージ編地構造(編組織)であってよい。主要本体(main body)102のジャージパターンをポーチ領域108内のジャージパターンから分離させる
編目領域110によって、ポーチ領域108は、本体102の他の範囲から境界を画されている。本体102を主にジャージ編地として説明したが、その他のパターンを用いて肌着100の大部分を形成することも可能である。
【0021】
図1の実施例である肌着100では、第1の
編目範囲は外側
編目範囲112と内側
編目範囲114とを含み、内側
編目範囲114は外側
編目範囲112よりも伸縮性が低い。いくつかの例では、内側
編目範囲114と外側
編目範囲112は異なるリブ構造を含み、例えば、内側
編目範囲114は外側
編目範囲112よりも幅広いリブ構造を設けることができる。実施例によっては、内側
編目範囲114のリブ構造は4×1、外側
編目範囲112のリブ構造は1×1である。
編目領域110は、ポーチ領域108と第1の
編目範囲の間に第2の
編目範囲116を更に含み、第2の
編目範囲116は、ポーチ領域108内に布地ギャザー111を形成する保持
編目のパターンを含む。第2の
編目範囲116は、例えばそのより幅広いリブ構造により、第1の
編目範囲よりも伸縮性が低い(即ち、外側
編目範囲112及び内側
編目範囲114よりも伸縮性が低い)。
編目領域110の内側
編目範囲114、外側
編目範囲112、及び/又は第2の
編目範囲116のリブ構造は、例えば該範囲の所望の伸縮性に基づいて変更することができる。
図1、
図2の実施例である肌着100では、外側
編目範囲112、内側
編目範囲114、第2の
編目範囲116の異なるリブ構造により、
編目領域110の外縁(例えば外側
編目範囲112)から、ポーチ領域108に近接した
編目領域110の内縁(例えば第2の
編目範囲116)までの横方向への伸縮性が徐々に減少する伸縮パターンが作られる。いくつかの例では、
編目範囲110の各範囲の伸縮を制限する方向は、例えば或る伸縮制限方向では、範囲ごとに異なる。例えば、外側
編目範囲112と内側
編目範囲114は実質的に横方向への伸縮を制限することができ、第2の
編目範囲116は実質的に縦方向への伸縮を制限することができる。
【0022】
内側編目範囲114、外側編目範囲112、第2の編目範囲116のリブ編み構造は、本体102のその他の部分及びポーチ領域108のジャージ編み部分と比べて、実施例である肌着100の本体102の横方向への伸縮性を変化させる。編目パターンはいくつかの針を超えて浮くので、例えば、リブ編みの内側及び外側編目範囲114、112は、ジャージ編み部分と比べてコース方向(即ち横方向)への復元力(例えば、弾性復元、弾性戻り、伸縮戻り、剛性、及び/又はその他の力)が高い。布地ギャザー111は、少なくとも部分的にポーチ領域108の3次元形状を提供し、布地ギャザー111は、第2の編目範囲116によって、容易にできる、又は少なくとも一部が提供される、又は画成される。第2の編目範囲116は、例えば、男性使用者が実施例である肌着100を着用して運動している最中に、男性の解剖学的構造の側方から側方への(即ち横方向への)動きの制限を補助するサポート性を実施例である肌着100に追加する。本体102の編目領域110での制限された伸縮性により、側方から側方へのサポート性は、第2の編目範囲116内の保持編目に基づいて増加する。いくつかの例では、第2の編目範囲116内の保持編目の保持ループは3乃至6コースについて保持される。保持編目の保持ループは、第2の編目範囲116のリブパターンと組み合わせて作成することができる。言い換えれば、第2の編目範囲116は、数コースについていくつかのループを更に保持して、保持編目を形成しながら、ベースリブパターンを有することができる。第2の編目範囲116内の保持ループは、更に耐伸縮性の高い部分を提供する。特定の例では、肌着100はいくつかの伸縮性ゾーンを設けており、本体102の大部分は第1の伸縮性A、外側編目範囲112は第2の伸縮性B、内側編目範囲114は第3の伸縮性C、第2の編目範囲116は第4の伸縮性Dを有し、ここでA>B>C>Dであると考慮できる。
【0023】
編目領域110は追加の、又は別の特徴を含むことができる。例えば、
図1、
図2の実施例である肌着100の
編目領域110は、クロッチ片104とポーチ領域108の間に第3の
編目範囲118を含む。
図1、
図2では、第3の
編目範囲118は、本体102をクロッチ片104に接合している縫目120に隣接した、ポーチ領域108の極めて底部に形成されている。いくつかの例では、第3の
編目範囲118は、外側
編目範囲112、又は他の適当な
編目パターンと同様に1×1といったリブパターンを設けることで、ほどけ防止機能(例えば布地のほどけ防止)を提供している。第3の
編目範囲118は、ポーチ領域108の3次元形状と、
編目領域110がポーチ領域108に与えるサポートレベルとに貢献することができる。実施例によっては、第3の
編目範囲118のリブは、さらに、クロッチ片104へのより滑らかな遷移と、一対の脚部103の交差部分の湾曲した形状を可能にするように本体102を成形する。
図2に示すような特定の例では、第3の
編目範囲118は、実施例である肌着100の背面の縫目120の弧に沿って同様に配置されている。いくつかの例では、第3の
編目範囲118は、横方向への伸縮を制限する第1の及び第2の
編目範囲116のリブパターンと比較して、縦方向への伸縮を制限するリブパターンを含む。
【0024】
実施例である肌着100の脚部103の各々は、本体102の第1の端部に脚バンド122を含む。脚バンド122は、本体102の大部分のジャージ編みと比較して、例えば、伸縮(即ち横方向伸縮)に抵抗し、パワー又は収縮力を付与するリブ編みパターンによって作成することができる。このパワーの増加は、脚バンド122が着用者の脚に沿って移動するのを阻止する上で補助となり、肌着100が寄り集まってしまうことを防ぐ。各脚バンド122の少なくとも一部は、本体102を形成している第1の筒状の未加工生地と一体に作製されている。各脚バンド122のその他の部分は、クロッチ片104に使用する第2の未加工生地と一体に作製されてもよい。各脚バンド122の一体化部分は、丸編み工程中にウェルト部として作製される。各ウェルト部(即ち脚バンド122)は、第1の層を第2の層上にひっくり返して編成された2層の布地を含み、第2の層は引き続き未加工生地の他の部分を形成する。
【0025】
ウェルト部は丸編みした未加工生地の各々の縦方向端部上に形成することができるが、しかし、未加工生地の開始端部に編み込まれたウェルト部は、よりすっきりとしてスムーズな、2層の生地が合わさる合流部分を作製することができる。この理由のために、筒状に編まれた未加工生地から成る従来のシームレスな衣類は、典型的には、最初にウエストバンド端部を編むことで、1次合流部分がウエストバンド端部に位置し、2次合流部分(ある場合)が脚バンド端部に位置するようにしている。肌着100の第2の端部にウエストバンド106を含んだ
図1、
図2の実施例である肌着100では、第1の丸編みにて編成された未加工生地の第1のウェルト部(即ち、本体102の第1の端部)を脚バンド122の部分として使用しており、ここで、第1の筒状の未加工生地の1次合流部分124は、ウエストバンド106に最も近い本体102の第2の端部と対向した、本体102の第1の端部に位置する。要するに、
図1、
図2の実施例である肌着100は、従来の肌着とは逆さまに編成される。肌着100を逆さまに編成することで、脚バンド122がより強力になるため、肌着100が脚部103の脚バンド122にて着用者身体の適所により上手く保持されるようになる。さらに、1次合流部分124が本体102の脚バンド122に沿っているため、巻き上がり易い及び丸まり易い余分なトリムオフ部(切り落とし部)が最小化されることで、脚バンド122の快適性が改善される。
【0026】
脚バンド122は、脚バンド122がクロッチ片104内部に位置する部分に沿ってクロッチ合流部分126を更に含んでいる。クロッチ片104は丸編みにて編成された第2の未加工生地で形成され、この未加工生地の両端部にウェルト部を設けているため、クロッチ片104は第1の端部に第1のウェルト部を1次合流部分と共に含み、これと対向した第2の端部に第2のウェルト部を2次合流部分と共に含む。したがって、一方の脚バンド122のクロッチ合流部分126は1次合流部分(即ち編成された第1のウェルト部)であり、他方の脚バンド122のクロッチ合流部分126は2次合流部分(即ち編成された第2のウェルト部)である。第1の筒状の未加工生地(即ち本体102)のウェルト部で形成された脚バンド122の各部が、第2の筒状の未加工生地(即ちクロッチ片104)のウェルト部で形成された脚バンド122の各部に、縫目120によって接合されている。クロッチ片104の1次及び/又は2次合流部分に関連したクロッチ合流部分126には、トリムオフ部分があってもよい。トリムオフ部は、クロッチ片104の2次合流部分に関連した1つの脚バンド122の円周部に少しあるだけなので、実施例である肌着100の全体についてのトリムオフ部は最小限に抑えられる。いくつかの例では、トリムオフ部はクロッチ合流部分126の1次合流部分には全く存在しない。いくつかの例では、各端部にウェルト部を形成するが、第1の端部のウェルト部にはトリムオフ部を設けず形成するように、丸編みにて編成された未加工生地を編成することができる。
【0027】
実施例である肌着100は弾性布地又は伸縮性を持たせて編成された編地によって編成することができる。このような布地は、柔らかさ、快適性、そして所望の伸縮特性を提供するために、例えば綿、ポリエステル、ナイロン、及び/又はスパンデックス糸の異なる組み合わせからできていてもよい。
【0028】
図3は、例えば
図1、
図2の実施例である肌着100のような肌着を作製する実施例である、方法200について述べたフローチャートである。ステップ202で、肌着の本体を形成するために丸編みによって筒状の未加工の生地を作成し、ここで、肌着の本体は、本体の前面辺りにポーチ領域と、保持
編目を含んだ
編目領域とを含み、保持
編目はポーチ領域を少なくとも部分的に縁取っており、
編目領域は本体の他の部分よりも横方向への伸縮性が低い。
【0029】
図4は、例えば
図1、
図2の実施例である肌着100のような肌着の少なくとも一部を製造する実施例である、方法300について述べたフローチャートである。ステップ302で、第1の筒状の未加工生地を、この未加工生地の第1の端部におけるウェルト部から開始して、丸編みにより形成する。ステップ304で、第1の筒状の未加工生地に一対のスリットを切り込む。スリットは、第1の筒状の未加工生地の円周上の対向する各位置に切り込まれ、および、第1の筒状の未加工生地の第1の端部から、第1の筒状の未加工生地の縦の長さに一部沿って延在する。ステップ306で、第2の筒状の未加工生地を、第2の筒状の未加工生地の第1の縦方向端部のウェルト部から開始し、同じ未加工生地の第2の縦方向端部のウェルト部で終端するまで丸編みにより形成する。ステップ308で、第2の筒状の未加工生地からクロッチ片を切断する。クロッチ片は、第2の筒状の未加工生地の一区画であり、第1の縦方向端部におけるウェルト部から第2の縦方向端部におけるウェルト部まで延在している。ステップ310で、クロッチ片を第1の筒状の未加工生地のスリット縁に縫合して、2つの脚開口部を作製する。クロッチ片の第1及び第2の縦方向端部のウェルト部は、第1の筒状の未加工生地の第1の端部のウェルト部と(一列に)整列する。
【0030】
多くの実施について説明した。しかし、本開示の趣旨及び範囲から逸脱せずに様々な改変が可能であることが理解されるであろう。
[第1の局面]
肌着であって:
実質的に筒状の形状を有し、使用者の胴体の少なくとも一部を包囲するように構成された本体を備え、
前記本体は:
前記本体の前面にあるポーチ領域と;
前記ポーチ領域を少なくとも部分的に縁取り、前記本体の他の部分よりも横方向への伸縮性が低い編目領域と;を備える、
肌着。
[第2の局面]
前記本体は、丸網みされた筒状の未加工の生地で形成された、
第1の局面に記載の肌着。
[第3の局面]
前記編目領域は、保持編目を備え、
前記保持編目は、前記ポーチ領域を少なくとも部分的に縁取る、
第1の局面または第2の局面に記載の肌着。
[第4の局面]
前記編目領域は、前記ポーチ領域の外周に沿う第1の編目範囲と、前記ポーチ領域と前記第1の編目範囲との間の第2の編目範囲とを備え、
前記第2の編目範囲は、前記保持編目を備え、前記第1の編目範囲よりも横方向への伸縮性が低い、
第3の局面に記載の肌着。
[第5の局面]
前記第1の編目範囲は、外側編目範囲と内側編目範囲とを備え、
前記内側編目範囲は、前記外側編目範囲よりも横方向への伸縮性が低い、
第4の局面に記載の肌着。
[第6の局面]
前記外側編目範囲は、第1のリブ構造を備え、
前記内側編目範囲は、前記第1のリブ構造よりも幅広い第2のリブ構造を備える、
第5の局面に記載の肌着。
[第7の局面]
前記外側編目範囲の第1のリブ構造は、1×1のリブ構造を備え、
前記内側編目範囲の第2のリブ構造は、4×1のリブ構造を備える、
第6の局面に記載の肌着。
[第8の局面]
前記第2の編目範囲は、前記第2の編目範囲付近の前記ポーチ領域内に布地ギャザーを形成するために、前記保持編目のパターンを備える、
第4の局面~第6の局面のいずれか1項に記載の肌着。
[第9の局面]
前記本体は、第1の筒状脚部と、前記第1の筒状脚部に略平行な第2の筒状脚部とを備え、
前記第1の脚部及び前記第2の脚部は、前記本体の第1の端部に向かって延在している、
第1の局面~第8の局面のいずれか1項に記載の肌着。
[第10の局面]
前記第1の筒状脚部は、前記本体の第1の端部において前記第1の筒状脚部に編み込まれた第1の脚バンドを備え、
前記第2の筒状脚部は、前記本体の第1の端部において前記第2の筒状脚部に編み込まれた第2の脚バンドを備える、
第9の局面に記載の肌着。
[第11の局面]
前記本体の前記第1の端部に対向する第2の端部において、前記本体に取り付けられたウエストバンドをさらに備える、
第9の局面または第10の局面に記載の肌着。
[第12の局面]
前記第1の筒状脚部及び前記第2の筒状脚部の内側スリットに沿って縫合され、前記編目領域及び前記ポーチ領域に沿って少なくとも部分的に縫合されたクロッチ片(股布、crotch piece)をさらに備える、
第9の局面~第11の局面のいずれか1項に記載の肌着。
[第13の局面]
前記編目領域は、前記クロッチ片と前記ポーチ領域との間の第3の編目範囲を備える、
第9の局面~第12の局面のいずれか1項に記載の肌着。
[第14の局面]
前記第3の編目範囲は、1×1のリブ構造を備える、
第13の局面に記載の肌着。
[第15の局面]
肌着を作製する方法であって:
肌着の本体を形成するために、筒状の未加工の生地を丸網みにより編成するステップを備え、
前記本体は:
前記本体の前面にあるポーチ領域と;
前記ポーチ領域を少なくとも部分的に縁取り、前記本体の他の部分よりも横方向への伸縮性が低い編目領域と;を備える、
肌着を作製する方法。
[第16の局面]
前記編目領域は、保持網目を備え、
前記保持網目は、前記ポーチ領域を少なくとも部分的に縁取る、
第15の局面に記載の方法。
[第17の局面]
前記肌着の本体を形成するために、筒状の未加工の生地を丸編みにより編成するステップは、前記ポーチ領域の外周に沿って第1の編目範囲と、前記ポーチ領域と前記第1の編目範囲の間に第2の編目範囲とを形成するために、前記編目領域内の編目パターンを選択的に変更するステップを備え、
前記第2の編目範囲は、保持編目を備え、前記第1の編目範囲よりも横方向への伸縮性が低い、
第15の局面または第16の局面に記載の方法。
[第18の局面]
前記肌着の本体を形成するために、筒状の未加工の生地を丸編みにより編成するステップは、前記ポーチ領域を少なくとも部分的に縁取る保持編目を形成するために、前記編目領域内の編目パターンを選択的に変更するステップを含み、
前記保持編目は、前記ポーチ領域内に布地ギャザーを作り出すように構成されている、
第15の局面~第17の局面のいずれか1項に記載の方法。
[第19の局面]
前記筒状の未加工の生地を丸編みにより編成するステップは、筒状の未加工の生地の第1の端部のウェルト部から開始して、筒状の未加工の生地を丸編みにより編成するステップを備え、
前記方法はさらに:
前記筒状の未加工の生地に一対のスリットを切り込むステップであって、前記スリットは、前記筒状の未加工の生地の円周上の対向した各位置に切り込まれ、前記筒状の未加工の生地の前記第1の端部から縦方向に延在する、スリットを切り込むステップと;
第2の筒状の未加工の生地を、ウェルト部から開始してウェルト部にて終端するまで丸編みにより編成するステップと;
クロッチ片を形成するために、前記第2の筒状の未加工の生地の長さにかけて、前記第2の筒状の未加工の生地の一部を切断するステップであって、前記クロッチ片は、ウェルト部付き端部を有する、切断するステップと;
2つの脚部を形成するために、前記クロッチ片を最初に述べた前記筒状の未加工の生地のスリットの縁上に縫合するステップと;を備える、
第15の局面~第18の局面のいずれか1項に記載の方法。
[第20の局面]
少なくとも部分的に肌着を製造する方法であって:
前記方法は:
第1の筒状の未加工生地を、前記第1の筒状の未加工の生地の第1の端部におけるウェルト部から開始して、丸編みにより編成するステップと;
前記第1の筒状の未加工の生地に一対のスリットを切り込むステップであって、前記スリットは前記第1の筒状の未加工の生地の円周上の対向する各位置に切り込まれ、前記第1の筒状の未加工の生地の前記第1の端部から、前記第1の筒状の未加工の生地の縦方向長さに一部沿って延在する、スリットを切り込むステップと;
第2の筒状の未加工の生地を、第1の縦方向端部におけるウェルト部から開始し、第2の縦方向端部におけるウェルト部で終端を成すまで、丸編みにより編成するステップと;
前記第2の筒状の未加工の生地からクロッチ片を切断するステップであって、前記クロッチ片は前記第2の筒状の未加工の生地の一区画であり、前記第1の縦方向端部におけるウェルト部から前記第2の縦方向端部におけるウェルト部まで延在する、クロッチ片を切断するステップと;
2つの脚開口部を作製するために、前記クロッチ片を前記第1の筒状の未加工の生地のスリットの縁上に縫合するステップであって、前記クロッチ片の第1及び第2の縦方向端部の前記ウェルト部は、前記第1の筒状の未加工の生地の前記第1の端部のウェルト部と整列する、縫合するステップと;を備える、
肌着を製造する方法。
[第21の局面]
ウエストバンドを、前記第1の筒状の未加工の生地の前記脚開口部に対向する位置に取り付けるステップをさらに備える、
第20の局面に記載の方法。
[第22の局面]
前記第1の筒状の未加工の生地を丸編みにより編成するステップは、保持編目の範囲によって少なくとも部分的に縁取られたポーチを作製するために、前記第1の筒状の未加工の生地の編目パターンを選択的に変更するステップを備える、
第20の局面または第21の局面に記載の方法。
【符号の説明】
【0031】
100 肌着
102 本体
103 脚部
104 クロッチ片
106 ウエストバンド
108 ポーチ、ポーチ領域
110 編目領域
111 布地ギャザー
112 外側編目範囲(第1の編目範囲)
114 内側編目範囲(第1の編目範囲)
116 第2の編目範囲
118 第3の編目範囲
120 縫目
122 脚バンド
124 1次合流部分
126 クロッチ合流部分