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特許7048718検体の特性を評価するための迷光補償方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-28
(45)【発行日】2022-04-05
(54)【発明の名称】検体の特性を評価するための迷光補償方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20220329BHJP
【FI】
G01N35/00 E
【請求項の数】 37
(21)【出願番号】P 2020502194
(86)(22)【出願日】2018-07-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-10
(86)【国際出願番号】 US2018042341
(87)【国際公開番号】W WO2019018313
(87)【国際公開日】2019-01-24
【審査請求日】2021-01-18
(31)【優先権主張番号】62/534,645
(32)【優先日】2017-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507269175
【氏名又は名称】シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】SIEMENS HEALTHCARE DIAGNOSTICS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】特許業務法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】ヴィスマン,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ポラック,ベンジャミン エス.
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0025756(US,A1)
【文献】特表2013-501937(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0355208(US,A1)
【文献】特開2006-145549(JP,A)
【文献】特開2015-004811(JP,A)
【文献】特開2010-032517(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00 - 35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下から構成される品質チェックモジュール。
検体を収納した検体容器を受け取るように構成された品質チェックモジュール内の撮像位置;
1以上の視点から前記撮像位置の画像を捕捉するように構成された1以上の画像捕捉装置;
前記1以上の画像捕捉装置に背面照射を提供するように構成された1以上の光源;及び
前記1以上の光源から迷光を受ける領域であって、少なくとも前記1以上の画像捕捉装置により前記画像が捕捉される場合に前記1以上の画像捕捉装置によって撮像可能な領域に位置する又は配置可能な1以上の迷光パッチ。
【請求項2】
前記1以上の光源が少なくとも2つの光スペクトル間でスペクトル切り替え可能である、請求項1に記載の品質チェックモジュール。
【請求項3】
前記1つ以上の迷光パッチが前記検体容器を保持するキャリア上に設けられている、請求項1に記載の品質チェックモジュール。
【請求項4】
前記キャリアは1以上のタインを備え、
前記1以上の迷光パッチは、前記1以上のタイン上に設けられている、請求項3に記載の品質チェックモジュール。
【請求項5】
前記1以上の迷光パッチは、前記キャリアが前記撮像位置に位置する場合に、前記1以上の画像捕捉装置のビューウィンドウ内位置する、請求項3に記載の品質チェックモジュール。
【請求項6】
前記キャリア上に設けられた複数の迷光パッチを含む、請求項3に記載の品質チェックモジュール。
【請求項7】
複数の画像捕捉装置を含む品質チェックモジュールであって、前記1以上の迷光パッチの少なくとも1つは、前記キャリアが前記撮像位置に位置する場合に、前記複数の画像捕捉装置の各々のビューウィンドウ内に位置する、請求項3に記載の品質チェックモジュール。
【請求項8】
前記撮像位置を含む空間の少なくとも一部を囲む撮像チャンバを形成する囲いを備え、
前記1以上の画像捕捉装置の少なくとも1つは、前記撮像チャンバの外部に配置されている、請求項1に記載の品質チェックモジュール。
【請求項9】
前記1つ以上の迷光パッチが、前記検体容器を支持するキャリアに連結されていない固定支持体上に、設けられている請求項1に記載の品質チェックモジュール。
【請求項10】
前記1つ以上の迷光パッチが、前記検体容器を支持するキャリアに連結されていない可動支持体上に、設けられている請求項1に記載の品質チェックモジュール。
【請求項11】
前記可動支持体が前記撮像位置から離れた第1の位置から前記撮像位置に隣接する第2の位置に移動するように構成され、ここで、前記可動支持体が前記第2の位置に位置する場合に前記撮像が行なわれる、請求項10に記載の品質チェックモジュール。
【請求項12】
前記1以上の迷光パッチが前記検体容器の本体上、前記検体容器のキャップ上又はその両方に設けられている請求項1に記載の品質チェックモジュール。
【請求項13】
前記1以上の迷光パッチが前記検体容器上のラベル上に提供される請求項1に記載の品質チェックモジュール。
【請求項14】
前記1以上の迷光パッチが撮像中に前記検体容器に直接隣接して位置する請求項1に記載の品質チェックモジュール。
【請求項15】
前記1以上の迷光パッチが撮像中に試料容器から30mm以内に位置する、請求項1に記載の品質チェックモジュール。
【請求項16】
前記1以上の迷光パッチの各1つが少なくとも1mmの露光パッチ領域を含む、請求項1に記載の品質チェックモジュール。
【請求項17】
前記1以上の迷光パッチが白色の表面を含む、請求項1に記載の品質チェックモジュール。
【請求項18】
少なくとも前記1以上の迷光パッチにおける迷光強度ρc,bに基づいて迷光補償画像を決定するように構成されたコンピュータを含む、請求項1に記載の品質チェックモジュール。
【請求項19】
以下から構成される品質チェックモジュール。
検体を収納した検体容器を受け取るように構成された撮像位置;
前記撮像位置に配置された前記検体容器及び検体の像を捕捉するように構成された画像捕捉装置;
前記撮像位置に隣接して位置し、前記画像捕捉装置のための背面照射を提供するように構成された光源;
前記光源から迷光を受け取る領域であって、少なくとも前記画像捕捉装置により前記像が捕捉される場合に、前記画像捕捉装置によって撮像可能な領域に位置する又は配置可能な迷光パッチ;及び
少なくとも記迷光パッチにおける迷光強度ρc,bに基づいて迷光補償画像を決定するように構成されたコンピュータ。
【請求項20】
前記コンピュータが空間的に分解された光学補正係数を決定するように構成され動作可能である、請求項19に記載の品質チェックモジュール。
【請求項21】
前記コンピュータが較正対象の前面の較正画像強度Ic,bを決定するように構成され動作可能である、請求項19に記載の品質チェックモジュール。
【請求項22】
以下のステップを含む較正方法。
撮像位置、前記撮像位置の前側に配置された画像捕捉装置、及び、前記撮像位置の前記前反対の後ろ側に配された背面光源を提供するステップ;
前記撮像位置に較正対象を提供するステップ;
前記撮像位置に隣接した迷光パッチを提供するステップ;
前記撮像位置及び前記較正対象を前記背面光源で照明するステップ;
前記較正対象の前記前側の面である前面及び前記迷光パッチの画像を前記画像捕捉装置で捕捉するステップ;並びに
前記迷光パッチの迷光強度ρc,b及び前記較正対象の前記前面の較正画像強度Ic,bを決定するステップ。
【請求項23】
光学補正係数を決定するステップを含む、請求項22に記載の較正方法。
【請求項24】
前記迷光強度ρc,b、前記較正画像強度Ic,b、及び前記光学補正係数と、検体画像について得られた検体画像強度I s,b 及び迷光強度ρ s,b と、を用いて、迷光補償画像を決定するステップを含
前記検体画像は、検体を収容して前記撮像位置に提供された検体容器の前記前側の面である前面と、前記検体容器に隣接した迷光パッチとを、前記背面光源で照明した状態で前記画像捕捉装置を用いて捕捉したものである、請求項23に記載の較正方法。
【請求項25】
以下のステップを含む特性評価法。
検体を収納した検体容器を撮像位置に用意するステップ;
前記撮像位置で画像を捕捉するように構成された1以上の画像捕捉装置を提供するステップ;
1以上の光源で前記撮像位置を背面照射するステップ;
前記1以上の光源からの迷光を受け取る領域であって、少なくとも前記1以上の画像捕捉装置により前記画像が捕捉される場合に、前記1以上の画像捕捉装置によって撮像可能な領域に位置する又は配置可能な迷光パッチを提供するステップ;
前記1以上の画像捕捉装置で前記検体容器、前記検体及び前記迷光パッチの第1の画像を捕捉するステップ
前記撮像位置に較正対象を提供するステップ;
前記撮像位置に隣接した迷光パッチを提供するステップ;
前記撮像位置及び前記較正対象を前記1以上の光源で照明するステップ;
前記較正対象の前記前側の面である前面及び前記迷光パッチの第2の画像を前記1以上の画像捕捉装置で捕捉するステップ;
前記迷光パッチの迷光強度ρ c,b 及び前記較正対象の前記前面の較正画像強度I c,b を決定するステップ;並びに
前記第1の画像における検体画像強度I s,b 及び迷光強度ρ s,b と、前記第2の画像における前記迷光強度ρ c,b 、前記較正画像強度I c,b 及び光学補正係数とを用いて、前記第1の画像についての迷光補償画像を決定するステップ。
【請求項26】
以下を含有する検体容器キャリア。
キャリアベース;
その中に検体容器を収容するように適合されたリセプタクルを形成する、前記キャリアベースに連結した支持要素;及び
前記検体容器キャリア上に提供された1つ以上の迷光パッチ。
【請求項27】
前記1つ以上の迷光パッチの迷光パッチが、検体容器キャリア上に提供されたデータコードに対して固定された方向に構成されていてもよい、請求項26に記載の検体容器キャリア。
【請求項28】
前記支持要素が、前記キャリアベースから伸びる複数のタイン及び前記キャリアベースに連結された1つ以上のスプリングを含み、前記複数のタイン及び前記1つ以上のスプリングがリセプタクルを形成するように構成されている、請求項26に記載の検体容器キャリア。
【請求項29】
前記1つ以上の迷光パッチが前記複数のタインの少なくとも1つのタイン上又は前記キャリアベースに連結されたパッチ支持体上に設けられている、請求項28に記載の検体容器キャリア
【請求項30】
前記複数のタインのうちの少なくとも1つのタインが、側面のより薄い端部を含み、前記1つ以上の迷光パッチの迷光パッチが、前記少なくとも1つのタインの前記より薄い端部に提供され得る、請求項29に記載の検体容器キャリア。
【請求項31】
少なくとも1つの短いタイン及び少なくとも1つの長いタインを含み、前記短いタインの高さが前記長いタインの高さよりも短い、請求項29に記載の検体容器キャリア。
【請求項32】
前記長いタインの高さが、前記キャリアベースの頂部から前記長いタインの頂部までの高さで、25mmから75mmの間である、請求項31に記載の検体容器キャリア。
【請求項33】
前記短いタインの高さが、前記検体容器に含まれる血清又は血漿部分の撮像を妨げないように十分に短く選択される、請求項31に記載の検体容器キャリア。
【請求項34】
前記短いタインの高さが、キャリアベースの頂部から前記短いタインの頂部までの高さで、5mmから25mmの間である、請求項33に記載の検体容器キャリア。
【請求項35】
前記1つ以上の迷光パッチの1つの迷光パッチが、前記タインの側面に設けられ、且つ血清又は血漿部分を含む前記検体容器内の高さに近接すると決定される高さ位置に設けられる、請求項29に記載の検体容器キャリア。
【請求項36】
前記1つ以上の迷光パッチの1つの迷光パッチが、タインの側面上で画像捕捉装置によって撮像可能な位置に提供される、請求項29に記載の検体容器キャリア。
【請求項37】
前記1つ以上の迷光パッチの1つの迷光パッチが、前記検体容器キャリアのパッチ支持体上に提供される、請求項26に記載の検体容器キャリア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2017年7月19日に提出された米国仮出願(出願番号62/534,645)に基づく優先権を主張するものであり、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、生体試料を試験するための方法及び装置に関し、より詳細には、検体容器及び/又はその内容物の特性を評価するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
自動試験システムは、尿、血清、血漿、間質液、脳脊髄液などの生体試料中の分析物又は他の成分を同定するために、1つ以上の試薬を用いて臨床化学又は検査を行なうことができる。利便性及び安全上の理由から、これらの検体は、殆ど例外なく検体容器(例えば、採血管)に収容される。
【0004】
自動試験の改良に伴い、バッチ調製、検体成分を分離するための検体の遠心分離、検体アクセスを容易にするためのキャップ除去、アリコート調製、溶血(H)、黄疸(I)及び/又は脂血症(L)(以下、「HIL」という。)の事前スクリーニング、又は正規性(N)等の自動化された分析前検体処理が対応して進歩した。このような自動化された分析前検体処理は、実験室自動化システム(LAS)の一部であってよい。LASは、検体容器に収納された検体を分析前検体処理用キャリア上並びに臨床化学分析装置及び/又は検査機器を収納した分析ステーション(本明細書では「分析装置」と総称する。)に自動的に搬送し、試験を行なう。試験反応又は検査反応は、様々な変化を発生させ、これらは、読み取られ及び/又はその他の方法で操作されて検体に含まれる分析物又は他の成分の濃度を決定する。
【0005】
LASは、(バーコードラベルなどで)標識された検体容器に含まれる検体を一度に何種類でも扱うことができ、検体容器はサイズや種類がすべて異なっていてもよく、サイズや種類が混在していてもよい。バーコードラベルは、病院の実験室情報システム(LIS)に入力される人口統計情報に関連付けることができる受託番号を、試験の順番及び他の情報と共に含んでいてもよい。LISは、LASとインターフェースを形成し、通信することができる。オペレータは、標識された検体容器をLAS上に置くことができ、LASは、この検体容器を分析前処理操作のために自動的に輸送することができ、これらは、全て、検体が実際に臨床分析に供されるか又は1つ以上の分析装置によるアッセイに供される前に行なわれる。
【0006】
LAS上の自動化された分析前検体処理のいくつかの実施形態において、品質チェックモジュールは、検体を含む検体容器を受け取り、HILのような干渉物質の存在について検体を事前スクリーニングすることができる。HILの事前スクリーニングでは、検体容器及び検体の1つ以上の画像を捕捉した後、この画像データを処理して、H、I及び/又はLが存在するかどうか、もし、存在する場合はH、I及び/又はLのインデックス(相対量)を、又は検体が正常(N)であるかどうかを判定する。サンプル処理又は患者の病状の結果として、検体中に特定の干渉物質が存在することは、後に分析装置から得られる分析物又は成分測定の試験結果の精度に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0007】
Millerに与えられた特許文献1に記載されているようないくつかのシステムでは、検体容器を回転させることで、検体容器上の1つ以上の標識で遮られていないビューウィンドウを見つけることができると記載されている。撮像は、ビューウィンドウを見つけたときに行なわれることがある。
【0008】
Parkらの特許文献2に記載されているような他のシステムでは、検体容器及び検体を複数の視点から撮像し、検体容器の回転が不要となるようにモデルベースのシステムで処理する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許第9,322,761号
【文献】国際出願公開第2016/133900号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、このようなシステムは、ある条件下では、1つ以上の画像捕捉装置からの多少破損している可能性がある画像データを提供することがある。従って、このような検体及び/又は検体容器の破損した画像データを補償するように構成された改良された方法及び装置が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第一の態様によれば、品質チェックモジュールが提供される。品質チェックモジュールは、検体を含む検体容器を受け取るように構成された品質チェックモジュール内の撮像位置、1以上の視点から撮像位置の画像を捕捉するように構成された1以上の画像捕捉装置、1以上の画像捕捉装置に背面照射を提供するように構成された1以上の光源、及び1以上の光源から迷光を受け取る領域に位置する1以上の迷光パッチを含む。
【0012】
別の態様では、品質チェックモジュールが提供される。品質チェックモジュールは、検体を含む検体容器を受け取るように構成された撮像位置と、撮像位置で検体容器及び検体の画像を捕捉するように構成された画像捕捉装置と、撮像位置に隣接して画像捕捉装置のための背面照射を提供するように構成された光源と、光源から迷光を受け取る領域に位置する迷光パッチと、1以上の迷光パッチにおいて少なくとも迷光強度ρc,bに基づいて迷光補償画像を決定するように構成されたコンピュータとを含む。
【0013】
更に別の態様によれば、較正方法が提供される。較正方法は、撮像位置、撮像位置の第1側面に画像捕捉装置、及び第1側面とは対向する撮像位置の第2側面に背面光源を設けるステップと、撮像位置に較正対象を設けるステップと、撮像位置に隣接する迷光パッチを設けるステップと、撮像位置及び較正対象を背面光源で照明するステップと、較正対象の前面の画像及び迷光パッチの画像を撮像装置で捕捉するステップと、迷光パッチの迷光強度ρc,b及び較正対象の前面の較正画像強度Ic,bを決定するステップとを含む。
【0014】
更に、別の態様によれば、特性評価方法が提供される。特性評価方法は、検体を含む検体容器を提供すること、撮像位置で画像を捕捉するように構成された1以上の画像捕捉装置を提供すること、1以上の光源で撮像位置を背面照射すること、1以上の光源から迷光を受けている領域に位置する迷光パッチを提供すること、検体容器、検体及び迷光パッチの画像を1以上の画像捕捉装置で捕捉すること、並びに迷光補償画像を決定することを含む。
【0015】
別の態様では、検体容器キャリアが提供される。検体容器キャリアは、キャリアベース、キャリアベースから伸びる複数のタイン(枝角状物:tyne)、キャリアベースに結合された1つ以上のスプリング(ここで、複数のタイン及び1つ以上のスプリングは、その中に検体容器を受け入れるように構成されたレセプタクル(容器:receptcle)を形成するように構成されている。)、並びに検体容器キャリア上に提供された1つ以上の迷光パッチを備える。
【0016】
更に、本開示の他の態様、特徴及び利点は、本発明を実施するために意図された最良のモードを含む多数の例示的な実施形態を示す以下の説明から容易に明らかになるであろう。本発明は、また、他の実施形態及び異なる実施形態も可能であり、そのいくつかの詳細は、全て本開示の範囲から逸脱することなく、様々な点で修正することができる。更に、特定の利点が列挙されているけれども、様々な実施形態は、列挙された利点の全て又はいくつかを含んでいてもよく、また、ひとつも含んでいなくてもよい。従って、図面及び説明は、本質的に例示的であると見なされるべきであり、限定的とみなされるべきではない。開示は、クレームの範囲内にある全ての修正、等価物及び代替物を網羅する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
以下に述べる図は、例示的な目的のためのものであり、必ずしも縮尺どおりに描かれているわけではない。図面は、決して本発明の範囲を限定するものではない。
図1図1は、1以上の実施形態に従って迷光補償方法を実施するように構成された1以上の品質チェックモジュールを含む検体試験装置の上面模式図を示す。
図2図2は、検体を含む検体容器の側面図を示す。
図3図3は、検体及びゲルセパレータを含む検体容器の側面図を示す。
図4A図4Aは、1以上の実施形態による、迷光補償を含む品質チェックモジュールの等角投影図を示す。
図4B図4Bは、1つ以上の実施形態による、図4Aの光パネルアセンブリの等角投影図を示す。
図4C図4Cは、1つ以上の実施形態による、図4Bの光パネルアセンブリの様々な構成要素の分解図を示す。
図4D図4Dは、1つ以上の実施形態による、1つ以上の迷光パッチを含む検体容器キャリアの模式的側面図を示す。
図4E図4Eは、1つ以上の実施形態による、1つ以上の迷光パッチを含む検体容器キャリアの模式的な上面図を示す。
図5A図5Aは、1つ以上の実施形態による、固定搭載された迷光パッチを含む品質チェックモジュールの構成要素の模式的側面図を示す。
図5B図5Bは、1以上の実施形態による、可動式に搭載された迷光パッチを含む品質チェックモジュールの構成要素の模式的側面図を示す。
図6図6は、1以上の実施形態による、複数の画像捕捉装置及び各視点について少なくとも1つの迷光パッチを含む品質チェックモジュールの部品の模式的な上面図を示す。
図7A図7Aは、1以上の実施形態による、迷光補償を含む品質チェックモジュールの機能的構成要素のブロック図を示す。
図7B図7Bは、1つ以上の実施形態による、1つ以上の迷光パッチを含み較正対象を支持する検体容器キャリアの模式的側面図を示す。
図8図8は、1以上の実施形態による、較正方法のフローチャートを示す。
図9A図9Aは、1以上の実施形態による、光学補正係数を決定する方法のフローチャートを示す。
図9B図9Bは、1以上の実施形態による、反射率に基づいて光学補正係数を決定する方法のフローチャートである。
図10図10は、1つ以上の実施形態による、迷光補償画像を決定する特性評価方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
第1の広範な態様において、本開示の実施形態は、1以上の画像を捕捉し、検体容器に含まれる検体の特性を評価するように構成された方法及び装置を提供し、ここで、1以上の捕捉画像は迷光補償される。1つ以上の実施形態において、特性評価方法の1つの最終結果は、H、I及び/若しくはL、又はN(以下、「HILN」という。)の定量化であってもよい。
【0019】
特に、開示の実施形態は、1以上の画像捕捉装置から、検体容器の前面から外れた迷光の反射によって破損しない撮像データを、提供するように構成された装置及び方法に向けられている。特許文献2に記載されているような、検体容器内の検体の特性を評価するための先行技術の撮像システムでは、光源からの迷光が検体容器や検体を通過して正面視画像が得られるだけでなく、場合によっては、迷光が検体容器の周囲を通過し、検体撮像を行なう品質チェックモジュールの内部表面や構成要素から反射することがある。検体を通過しない迷光は、検体容器の前面に反射され、望ましくないことにその前面を照明する可能性があり、それにより、画像捕捉装置によって捕捉される強度の読み取りを人為的に高くする。従って、本明細書に開示された装置及び方法は、このような迷光を補償し、従って、画像強度を調整して、迷光の影響を最小限にする。
【0020】
本明細書に記載するように、検体は、採血管などの検体容器に採取され、分離(例えば、遠心分離を用いた分画)の後、沈降血液部分と血清及び血漿部分とを含み得る。沈降血液部分(ときに「充填細胞部分(packed cell portion)」と称される。)は、白血球(白血球)、赤血球(赤血球)及び血小板(血小板)のような血液細胞から構成され、これらは凝集し、血清又は血漿部分から分離される。これは、一般に検体容器の底部に見出される。血清又は血漿部分は、血液の液体成分であって、沈降血液部分の一部ではない。これは、概ね、沈降血液部分の上にある。血漿と血清とは、主として、主にフィブリノーゲンである凝固成分の含量が異なる。血漿は凝固していない液体であるが、血清とは、内因性酵素又は外因性成分の影響下に凝固させた血液血漿を指す。検体容器の中には、沈降血液部分と分画中の血清又は血漿部分との間に配置される小型のゲルセパレータ(例えば、プラグ)を用いるものがある。これは、2つの部分の間の障壁として機能する。
【0021】
1以上の実施形態によれば、本明細書に記載される特性評価装置及び方法は、分析前試験又は事前スクリーニングを実施するために使用することができる。例えば、1以上の実施形態では、特性評価方法は、試料が1以上の分析装置での分析(臨床化学又はアッセイ)に供される前に実施することができる。特に、本開示の1つ以上の実施形態は、更なる試験のための必要条件として検体の特性評価を提供する。1つ以上の実施形態において、検体の特性評価は、品質チェックモジュールで決定され得る。品質チェックモジュールは、検体容器及び検体の側方2D画像を1つ以上の異なる側方視点から提供するように配置された1つ以上の画像捕捉装置を含むことができる。画像捕捉の間、検体容器及び検体は、背面照射されてもよい、即ち、検体容器及び検体の後ろから照射されてもよい。生成される照明は、光パネルアセンブリによってもよい。
【0022】
1以上の実施形態では、検体及び/又は検体容器の特性評価は、ハイダイナミックレンジ(HDR)画像処理と組み合わせたパネル化光源による背面照射を用いて行なうことができる。本発明の方法及び装置は、検体を定量化するために使用することができ、これには、光透過の強度が様々な空間的位置で検体を透過するかどうかの定量化が含まれる。場合により又はこれに追加して、特性評価方法及び装置を用いて、血清若しくは血漿部分及び/又は沈降血液部分、及び/又はゲルセパレータの界面境界の位置、並びにHDR画像処理及び迷光補償を用いて非常に精密にこれらの成分の体積及び/又は深さを決定してもよい。いくつかの実施形態において、容器の種類(高さ及び/又は幅の同定により)、キャップの種類及び/又はキャップの色などの検体容器の幾何学的又は他の特徴の特性評価は、本発明の装置及び方法を用いて決定することができる。
【0023】
要するに、背面照明され、迷光が補償された、1つ以上の視点に関する2D画像データセットを、検体容器及び/又は検体の特性を評価するために使用することができる。また、パネル化された光源で背面照射され迷光補償された2D画像データセットは、検体中に溶血(H)、黄疸(I)及び/又は脂血症(L)(以下、「HIL」)などの干渉物質が存在するかどうか或いは検体が正常(N)であるかどうかなど、検体に関する情報を決定し又は検証するために使用することができる。
【0024】
本発明の方法及び装置による特性評価の後、血清又は血漿部分が1つ以上のH、I及び/又はLを含有することが判明した場合、検体は更なる処理に供することができる。例えば、検体は、脂肪血を低下させるために、又は、H、I又はLのための指標のより正確な特性評価のために更なる処理に供され得る。このような更なる処理の後、検体は、いくつかの実施形態において、1つ以上の分析装置によるいつもどおりの分析を継続し、受けることを許され得る。それ以外の場合は、検体を廃棄してやり直してもよい。他の実施形態では、検体は、品質チェックモジュールによって2回目に事前スクリーニングされ得る。事前スクリーニングで検体が正常(N)であることが判明した場合は、検体を1台以上の分析装置に直接送り、いつもどおりの分析を行なうことがある。
【0025】
1つ以上の実施形態において、品質チェックモジュールは、軌道(track)が検体を1つ以上の分析装置に、そして、軌道上又は軌道に沿った任意の適切な位置に提供された品質チェックモジュールに、輸送するLASの一部として、提供され得る。例えば、品質チェックモジュールは、搭載領域に又は軌道に沿った他の場所に配置することができ、これにより、検体及び検体容器は軌道に乗っている間に特性評価される。但し、明確にするために言えば、背面照射及び迷光補償を含む品質チェックモジュールは、軌道上に含まれなくてもよく、検体を含む検体容器は、手動で又はロボットによって、それに積み込まれ、それから積み下ろしされてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態において、特性評価は、複数の露光(例えば、露光時間)において及び異なる公称波長を有する複数の異なるスペクトルを使用する背面照明を用いて複数の画像を捕捉することを始めとするHDR画像データ処理を含むことができる。複数の画像は、1つ以上の画像捕捉装置を用いて取得することができる。例えば、いくつかの実施形態では、複数の画像捕捉装置を配置して、異なる側方視点から画像を撮影することができる。画像は、各視点についてパネル化背面照明を用いて作製してもよい。背面照明のためのスペクトル光源は、赤色(R)光源、緑色(G)光源、及び青色(B)光源を含むことができる。所望により、白色光、近赤外光、又は赤外光源さえも使用することができる。各スペクトルについての複数の露光時間での画像は、品質チェックモジュールによって取得することができる。例えば、各スペクトル(又は波長範囲)において、異なる露光時間での4~8画像を得ることができる。次に、これらの複数の画像をコンピュータによって更に処理して、特性評価結果を生成することができる。画像処理の一環として、迷光補償を実施して、画像強度を適切に調整し迷光の影響を最小限に抑える。
【0027】
本発明の特性評価方法、品質チェックモジュール及び1以上の品質チェックモジュールを含む検体試験装置の更なる詳細は、本明細書の図1~10を参照して更に記述する。
【0028】
図1は、検体容器102(例えば、検体採取管-図2及び3参照)の複数の検体を自動的に処理することができる検体試験装置100を示す。検体容器102は、1つ以上の分析装置(例えば、検体試験装置100の周囲に配置された、それぞれ、第1、第2及び第3の分析装置106、108及び110)への輸送前及び分析装置による分析前に、搭載領域105において1つ以上のラック104に収納されていてもよい。より多くの数又はより少ない数の分析装置を使用できることは明らかである。分析装置は、臨床化学分析装置、検査機器及び/又はその他の任意の組合せでよい。検体容器102は、採血管、試験管、試料カップ、キュベット等の一般的に透明又は半透明の任意の容器、又はその中に検体212を収納するように構成された他の一般的に透明なガラス又はプラスチックの容器でよい。
【0029】
典型的には、自動的に処理されるべき検体212(図2及び3)が、蓋214で蓋をされていてもよい検体容器102中に提供され得る(図2及び3)。蓋214は、異なる形状及び/又は異なる色(例えば、赤色、藤紫色、淡青色、緑色、灰色、黄色、又は色の組合せ)を有していてもよく、これは、検体容器102がどのような試験に用いられるか、そこに含まれる添加物のタイプなどの点で意味を有する可能性がある。他の色を使用してもよい。ある態様によれば、蓋を撮像して蓋についての情報を特性評価し、それを用いて試験順序とのクロスチェックができるようにすることが望ましい場合がある。
【0030】
検体容器102の各々は、検体試験装置100の周囲の位置で機械的に読み取ることができるバーコード、アルファベット、数字、英数字、又はこれらの組合せなどの識別情報218i(即ち、徴候(indicia))を与えられていてもよい。識別情報218iは、実験室情報システム(LIS)147を介して、患者の識別並びに検体212について実施される検査、又は例えばLIS147からの他の情報を示すことができ、又は相関させることができる。このような識別情報218iは、一般に、検体容器102に付着し又は他の方法で側面に提供されるラベル218上に提供され得る。ラベル218は、概して、試料容器102の周囲全体に亘って又は試料容器102の高さ全体に亘って延びるものではない。いくつかの実施形態において、複数のラベル218が、付着していてもよく、互いに僅かに重複していてもよい。従って、ラベル218は検体212の一部を見えなくすることがあるが、検体212の一部は依然として一定の視点から見ることができる。方法及び品質チェックモジュールの1つ以上の実施形態により、検体容器102を回転せずに、検体212及び/又は検体容器の特性評価を可能にする。
【0031】
図2及び3に最も良く示されているように、検体212は、管215内に含まれる血清又は血漿部分212SP及び沈降血液部分212SBを含むことができる。空気216は、血清及び血漿部分212SPの上方に供給することができ、空気216と血清及び血漿部分212SPとの間のライン又は分界は、ここでは液体-空気界面(LA)として定義される。血清又は血漿部分212SPと沈降血液部分212SBとの間の分界線は、ここでは血清-血液界面(SB)として定義され、図2に示されている。空気216と蓋214との間の界面を、本明細書では管-蓋界面(TC)と称する。血清又は血漿部分212SPの高さは、(HSP)であり、血清又は血漿部分212SPの頂部から沈降血液部分212SBの頂部までの高さと定義される。沈降血液部分212SBの高さは、(HSB)であり、沈降血液部分212SBの底部から図2の沈降血液部分212SBの頂部SBまでの高さと定義される。図2のHTOTは、検体212の全高さであり、HTOT=HSP+HSBである。
【0032】
ゲルセパレータ313を使用する場合(図3参照)、血清又は血漿部分212SPの高さは(HSP)であり、血清又は血漿部分212SPの頂部LAからゲルセパレータ313の頂部SGまでの高さと定義される。沈降血液部分212SBの高さは(HSB)であり、沈降血液部分212SBの底部BGからゲルセパレータ313の底部までの高さと定義される。図3のHTOTは、検体212の全高さであり、HTOT=HSP+HSB+ゲルセパレータ313の高さと定義される。いずれの場合も、検体容器102の壁厚はTw、外側の幅はW、内側の幅はWiである。管の高さ(HT)は、ここでは、管215の最下部から蓋214の底部までの高さと定義される。
【0033】
より詳細には、検体試験装置100は、基部120(例えば、枠又は他の構造)を含み、その上に軌道121を配置することができる。軌道121は、レール付き軌道(例えば、モノ又は複数のレール付き軌道)、コンベヤベルト、コンベヤチェーン又はリンク、可動プラットフォーム、又は他の適切なタイプの搬送メカニズムの集合体であってもよい。軌道121は、円形でも、蛇行形でも、又は他の適当な形状であってもよく、閉じた軌道(例えば、無限軌道)であってよい。軌道121は、作業中に、検体容器キャリア122(以下、「キャリア122」)内の軌道121の周囲に間隔を空けて配置された目的地へ、個々の検体容器102を輸送することができる。
【0034】
キャリア122は、軌道121上を単一の検体容器102を運ぶように構成された受動的で非電動のパック(puck)であってもよく、このとき、軌道121は、可動である。
所望により、キャリア122は、軌道121の周囲を移動し予めプログラムされた位置で停止するようにプログラムされたリニアモータなどのオンボード駆動モータを含めて自動化されてもよく、ここでは、軌道121は静止している。いずれの場合においても、キャリア122は、各々、規定された直立位置に検体容器102を保持するように構成されたホルダー122H(図4A、4D、4E)を含むことができる。ホルダー122Hは、キャリア122内で検体容器102を支持し固定することができる複数の爪バネ若しくは板バネ又はそれらの組み合わせを含むことができるが、その一部は、そこで受け取る検体容器102の種々のサイズに対応するために側方移動可能又は可撓性であってよい。キャリア122は、搭載領域105から出ることができる。いくつかの実施形態において、搭載領域105は、分析完了後にキャリア122から検体容器102を外すことを可能にする二重機能を果たし得る。或いは、適切なオフロードレーン(図示せず)を、軌道121の他の場所に設けることができる。
【0035】
ロボット124は、搭載領域105に設けられてもよく、1つ又は他のラック104からの検体容器102を把持し、それをキャリア122に、入力レーン上や軌道121の他の位置などに搭載するように構成されてもよい。ロボット124は、X及びZ、Y及びZ、X、Y及びZ、r及びθ、又はr、θ及びZ運動が可能な1つ又は複数(例えば、少なくとも2つ)のロボットアーム又は構成要素を備えることができ、ここで、Zは図1の紙面の外側にある。ロボット124は、ガントリロボット、関節アームロボット、R-θロボット又は他の適切なタイプのロボットでよく、ロボット124は、ロボットグリッパーフィンガーを備えることができ、このフィンガーは、検体容器102を拾い上げてプログラムされた位置に配置することができるように寸法決めされていてよい。
【0036】
軌道121上に積み込まれると、キャリア122によって運ばれた検体容器102は、検体212の分画を行なうように構成された遠心分離機125に向かって進行することができる。検体容器102を運ぶキャリア122は、流入レーン又は適切なロボット(図示せず)によって遠心機125に方向転換することができる。遠心分離された後、検体容器102は出て、軌道121上を進み続けることができる。図示された実施形態では、キャリア122内の検体容器102は、次に、迷光補償を含む品質チェックモジュール130に輸送され得る。迷光補償については、図4A~4Cを参照して、本明細書で更に記述される。
【0037】
品質チェックモジュール130は、検体容器102に含まれる検体212の特性評価をするように構成され改造されており、一部の実施形態では、検体容器102の特性評価をするように改造されていてもよい。検体212の定量化は、品質チェックモジュール130で行なわれてもよく、HSP、HSB又はHTOTさえも決定し、LA、SB又はSG、及び/又はBGの位置を決定することを含むことができる。品質チェックモジュール130は、また、検体212に含まれる溶血(H)、黄疸(I)及び/又は脂血症(L)の1つ又はそれ以上のような干渉物質の存在を決定するために構成されてもよい。いくつかの実施形態では、HT、管の外幅(W)及び/又は管の内幅(Wi)、TC、又はキャップ色又はキャップタイプ等の検体容器102の決定のような物理的属性の定量化は、品質チェックモジュール130で行なわれ得る。従って、検体容器102の大きさ及び型式を決定することができる。
【0038】
一旦、検体212が特性評価されると、検体212は、各試料容器102を取り外しのために搭載領域105に戻す前に、1つ以上の分析装置(例えば、第1、第2及び第3の分析装置106、108及び/又は110)で分析されるように転送されてもよい。更に、付加的なステーション(図示せず)が、軌道121の周囲に、キャップ除去ステーション、分注ステーション、1つ以上の付加的な品質チェックモジュールなどのような種々の所望の位置で、配置されてもよい。
【0039】
検体試験装置100は、軌道121の周囲の1以上の位置にセンサ116を備えることができる。センサ116は、検体容器102上に置かれた識別情報218i(図2及び3)を読み取ることによって、軌道121に沿った検体容器102の位置又は各キャリア122上に提供された同様の情報(図示せず)を検出するために使用することができる。いくつかの実施形態において、バーコードをキャリア122上に設けることができる。キャリア122の位置を追跡するための他の手段、例えば近接センサなど、を使用してもよい。センサ116の全ては、各試料容器102の位置を常時知ることができるように、コンピュータ143と接続することができる。
【0040】
検体試験装置100は、コンピュータ143によって制御することができ、コンピュータ143は、適切な記憶並びに適当なコンディショニングエレクトロニクス、ドライバ、及び種々の自動化された構成要素を操作するためのソフトウェアを備えた、マイクロプロセッサベースの中央処理ユニット(CPU)であってもよい。コンピュータ143は、基部120の一部として又は基部120から分離して、収容されてもよい。コンピュータ143は、キャリア122の搭載領域105への及び搭載領域105からの移動、軌道121周辺の運動、遠心分離機125への及び遠心分離機125からの移動、品質チェックモジュール130への及びそれからの移動を制御するように、動作することができる。コンピュータ143は、また、品質チェックモジュール130の操作並びに本明細書に記載された特性評価及び迷光補償を制御することができる。コンピュータ143又は別個のコンピュータは、遠心分離機125の操作並びに各分析装置106、108、110への移動及びこれらからの移動を制御することができる。通常、別個のコンピュータは、各分析装置106、108、110の動作を制御することができる。
【0041】
品質チェックモジュール130を除く全てについて、コンピュータ143は、ニューヨーク州、タリータウンのシーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティクス社が販売するDimension(登録商標)臨床化学分析装置上で使用されるもののようなソフトウェア、ファームウェア及び/又はハードウエアの指令又は回路に従って、検体試験装置100を制御することができ、そのような制御は、コンピュータベースの電気機械的制御プログラミングの当業者に典型的であり、本明細書ではそれ以上記述しない。しかしながら、試料検査システム100制御用の他の適切な装置を使用してもよい。
【0042】
本開示の実施形態は、ユーザが種々の状態に容易にアクセスし表示画面を制御することを可能にするコンピュータインターフェースモジュール(CIM)145を用いて実施することができる。これらの状態及び制御スクリーンは、検体212の事前スクリーニング、調製及び分析のために使用される複数の相互に関連した自動化装置の一部又は全ての側面を記述することができる。CIM145は、複数の相互に関連した自動化装置の作動状態に関する情報、並びに任意の検体212の位置を記述する情報、並びに検体212について実施されるべき又は検体212について実施されている試験の状態を提供するために使用され得る。従って、CIM145は、オペレータと検体試験装置100との間の相互作用を容易にするように適合させることができる。CIM145は、オペレータがそれを通して試料検査装置100と連携するアイコン、スクロールバー、ボックス及びボタンを始めとするメニューを表示するように構成された表示画面を含んでいてもよい。メニューは、試料検査装置100の機能的な態様を表示するようにプログラムされた多数の機能ボタンを含んでいてもよい。
【0043】
開示の1以上の側面に従って検体212を事前スクリーニングすることにより、血清又は血漿部分212SP及び/又は沈降血液部分212SBの相対量、及び/又はこれらの間の比率の正確な定量化が可能となる。更に、事前スクリーニングは、LA、SB又はSGの物理的な垂直位置、及び/又は、検体容器102の最下部を決定することができる。定量化により、指示された検査を実施するには不十分な量の血清又は血漿部分212SPしか利用できない場合、検体212が1つ以上の分析装置106、108、110に進行するのを止めることが保証される。このようにして、空気の吸引の可能性を避けることによって、不正確な検査結果を避けることができる。LA及びSB又はSGの物理的位置を正確に定量する能力は、空気を吸引する可能性を最小限にするだけでなく、沈降血液部分212SB又はゲルセパレータ313(存在する場合)のいずれかを吸引する可能性を最小限にすることができる。従って、分析装置106、108、110のための又は分注ステーションにおける血清又は血漿部分212SPを吸引するために使用される検体吸引ピペットの詰まり及び汚染を回避又は最小限にすることができる。
【0044】
図4A~4Cを参照して、スペクトル的に切り替え可能な光源を含むことができる光パネルアセンブリ450として具体化された照明源を含む品質チェックモジュール130の第1の実施形態を示し、記述する。品質チェックモジュール130は、自動的に検体212(例えば、血清又は血漿部分212SP、沈降血液部分212SB、又はその両方)の特性評価及び/又は定量化をするように構成され適合されてもよく、及び/又は検体容器102を定量化してもよい。品質チェックモジュール130によって得られる画像は、正確な吸引ピペット及び/又はグリッパーの位置決めを可能にすることができ、血清又は血漿部分212SPの十分な量(例えば、体積又は高さ)が、指示された試験に対して、及び/又はH、I、及び/又はL又はN(以下、HILN)の同定のために利用可能であることを決定することができる。従って、品質チェックモジュール130を使用すると、グリッパーの衝突、ピペットの詰まり、ピペットによる空気の吸引の回避及び/又はHILNの同定に役立ち、その結果、価値のある分析装置資源が無駄にならず、試験結果に対する信頼性が向上する可能性がある。
【0045】
さて、図4Aを参照すると、品質チェックモジュール130の第1の実施形態が示されている。品質チェックモジュール130は、撮像位置のデジタル画像(即ち、画素化画像)を側面視点から捕捉するように構成された画像捕捉装置440を備えることができる。画像捕捉装置440は、デジタルカメラ、電荷結合素子(CCD)、一続きの光検出器、1つ以上のCMOSセンサなどであってよい。画像捕捉装置440は、この実施形態では、検体容器102及びそこに含まれる検体212の画像を単一の側面から撮影するように構成されている。撮像装置440は、任意の適切な画像サイズを有するデジタル画像を撮影することができる。画像サイズは、例えば、2560画素×694画素(高さ×幅)であり得る。別の実施形態では、画像捕捉装置440は、1280ピクセル×384ピクセルの画像サイズを有することができる。他の大きさ及び画素密度を用いることができる。
【0046】
画像捕捉装置440は、検体容器102の予想される位置を含む撮像位置441において、ビューウィンドウ449に近接して設けられ、それを捕捉するように向けられ又は焦点を合わすことができる。いくつかの実施形態において、検体容器102は、ビューウィンドウ449の中心にほぼ位置するように、軌道121上で停止するか、ロボットによって撮像位置441に配置されるなどにより、撮像位置441に配置し又は停止させることができる。設定どおり、画像捕捉装置440は、例えば、血清又は血漿部分212SPの一部、沈降血液部分212SBの一部、及び蓋214の一部、そして恐らくは管215の最下部212Bを含むデジタル画像を生成することができる。
【0047】
再度、図4A~4Cに言及すると、品質チェックモジュール130は、スペクトル的に切り替え可能な背面照射を提供するために、図に示すように、光パネルアセンブリ450によって提供されるスペクトル的に切り替え可能な光源を含んでいてよい。スペクトル的に切り替え可能な光源は、少なくとも2つの光スペクトル間で、そして、いくつかの実施形態においては、3以上の離散スペクトル間で、スペクトル的に切り替え可能であり得る。光パネルアセンブリ450は、図4B及び4Cに示されるように、フレーム452、光ガイド454、及び、前面450Sからの発光を引き起こすように作動する光源456を含んでいてよい。図示の実施形態では、光源456は、光ガイド454の側面稜L、R(例えば、側端)に光を放出することができる。光パネルアセンブリ450は、更に、拡散装置457を備えることができ、ここで、拡散装置457の一面は、光パネルアセンブリ450の前面450Sとして機能する。光パネルアセンブリ450は、図示されているように、1つ以上の画像捕捉装置440に背面照射を提供するように構成された光源である。
【0048】
フレーム452は、プラスチックなどの硬質材料でできていてもよく、固定された取付けロッド(図示せず)上に取り付けられるように適合されている穴455などの適切な固定構造を含んでいてもよい。撮像位置441に向けて固定された方向に光パネルアセンブリ450を取付けるために、他の適切な取り付け機構を備えることができる。フレーム452は、ポケット458を含むことができ、このポケットは、前面及び頂部が開いており、背面458B及び底部が閉じていて、光ガイド454及び拡散装置457(使用される場合)をその中に受け入れて位置決めするように構成される。光ガイド454及び拡散装置457は、頂部からポケット458に挿入され、固定部材459で所定の位置に固定されてもよい。光ガイド454及び拡散装置457をフレーム452内に固定するための他の手段を使用してもよい。光ガイド454は、内部光拡散粒子又は内部光拡散の他の手段を含むプラスチックシートによって提供されるような、光拡散能力を含む適当に透明な導光材料でできていてもよい。1つの適切な材料は、Evonik Industries AG(ドイツ国、エッセン)から入手可能な製品であるAcrylite LED(登録商標)EndLightenである。光ガイド454は、例えば、約60mm~約150mmの幅、約120mm~180mmの高さ及び約3mm~約5mmの厚さを有する、シートで構成され得る。背面照射に有用な一実施形態では、光ガイド454は、例えば、幅約60mm、高さ約150mm、厚さ約4mmのシートで構成されてもよい。他の適切なサイズを使用してもよい。
【0049】
図4A及び4Bに図示された実施形態では、光ガイド454は、光源456の光アレイ456L(LEDストリップモジュール)によって、光ガイドのバルク材料を通して、側面稜L、R内に放出される光を導き、その内部の光拡散粒子との光相互作用により、光ガイド454の前面454F及び後面454R上に光を放出することによって、機能する。いくつかの実施形態において、光ガイド454の後面454Rは、背面458Bに向かって通過する任意の光伝達を反射し又は後方散乱し、光ガイド454のバルク物質中に戻して、次いでそれが前面454Fから放出するように、その上に形成された高反射性材料を含むことができる。所望により、フレーム452の背面458B上に、又は背面458Bと光ガイド454との間の個々の要素として、高反射性材料を備えることができる。高反射性材料は、鏡若しくは白色プラスチック要素として、又は、例えば銀、金、クロム、スズ若しくはこれらの組合せの金属塗膜を有する他のプラスチック若しくはガラス要素として提供することができる。前面454Fから放出される光は、光パネルアセンブリ450の全前面450Sに亘って実質的に均一に放射され、検体容器102及び検体212を照明することができる。
【0050】
光源456は、光ガイド454の両側面稜L、Rに隣接して配置された光アレイ456Lを含むことができる。光アレイ456Lは、光ガイド454の側面稜L、Rに沿って直線的に配置された個々の光源要素(例えば、発光ダイオード-LED)の直線状アレイを含むLEDストリップモジュールであってもよい。光アレイ456Lは、例えば約8~80個のLEDなどの複数のLEDを含むことができ、これらはコンピュータ143への電気的接続を可能にするために備えられた接続部456Cを有する回路基板上に配置することができる。光アレイ456Lは、ポケット458のそれぞれの側面に沿って設けることができ、光源(例えば、LED)の各々の発光部分が側面稜L、Rに直接隣接して、可能であれば側面稜L、Rに触れることさえできるように、設けられるように、構成されている。
【0051】
光アレイ456Lは、切り替え可能なマルチスペクトル照明を提供することができる。例えば、一実施形態では、光アレイ456Lは、複数の独立に切り替え可能な照射要素、又は異なる発光スペクトルを有するLEDなどの一団で切り替え可能な照明要素を含むことができる。照射要素の切り替えは、適切な電源及びドライバと組み合わせたコンピュータ143上で操作可能なソフトウェアによって達成することができる。従って、光パネルアセンブリ450は、一度に照明用の照射要素の一部のみを選択することによって、異なる公称波長を有する複数の異なるスペクトルで照明されてもよい。
【0052】
例えば、LEDは、異なる公称波長で光スペクトルを発する赤色LED460(R)、緑色LED461(G)及び青色LED462(B)などの異なった着色LEDを含むことができる。光パネルアセンブリ450は、例えば、634nm+/-35nmで赤色光を、537nm+/-35nmで緑色を、455nm+/-35nmで青色を発することができる。特に、光アレイ456Lは、光アレイ456Lの高さに沿って反復パターンで反復的に配列され得るR、G&B LED460、461、462のクラスタを含むことができる。例えば、ドイツ国、RegensburgのOsram Opto Semiconductors GmbHから入手可能な高出力Oslon SSLモデルLEDを使用することができる。同じ色のLEDは、それぞれ一度に照明することができる。例えば、赤色LED460の各々は、同時にオンにして光パネルアセンブリ450から赤色照明を提供することができ、検体212を含む検体容器102をその撮像中に撮像位置441で照明する。同様に、緑LED461の各々は、同時にオンにして、撮像中に緑の照明を提供することができる。同様に、青色LED462の各々は、同時にオンにして撮像中に青色照明を提供することができる。R、G及びBは単なる例であり、他の波長の光源を使用することができる。
【0053】
いくつかの実施形態において、光源の一部は、白色光(例えば、約400nm~約700nmの波長範囲)が或るタイプの画像化のために選択され得るように、白色光源を含むことができる。他の実施形態では、UV(約10nm~約400nmの波長範囲)、近赤外線(約700nm~約1,250nmの波長範囲)又は中赤外線(約1,250nm~約2,500nmの波長範囲)をさえ含めることができ、或るタイプの画像のために時々スイッチをオンにすることができる。従って、光パネルアセンブリ450の1つ以上の実施形態は、異なる発光スペクトルを有する少なくとも2つの切り替え可能な照明要素を含むことができる。いくつかの実施形態において、切り替え可能なR、G及びB照明要素が提供される。いくつかの実施形態において、切り替え可能なR、G、B及び白色の照明要素が提供される。更に他の実施形態では、切り替え可能なR、G、B及びUV照明要素が提供される。更に他の実施形態では、切り替え可能なR、G、B及び近赤外照明要素が提供される。光パネルアセンブリ450において、切り替え可能なR、G、B、白色、紫外線及び近赤外線照明要素の2つ以上の任意の組合せが提供され得る。近赤外線については、波長850nm+/-20nmのLEDを使用してもよい。全ての実施形態において、切り替え可能な照明要素の組合せは、光ガイド454の高さに沿って、一般的に等量かつ一般的に等間隔で、提供することができる。
【0054】
光パネルアセンブリ450は、所望により、拡散特性を有する拡散装置457を含み、幾つかの実施形態において、ドイツ国エッセンのEVONIKから入手可能なアクリライト(登録商標)Satinceのシートとして提供することができる。0D010 DF無色は良好に機能することが分かった。拡散装置457は、例えば、光ガイド454とほぼ同じ寸法の高さ及び幅と、約2mmから約4mmの厚さを有するシートでよい。他の寸法が用いられることもある。拡散装置457は、それを通過する光を散乱することによって機能する。拡散装置457と光ガイド454とは、その間に僅かな間隙が形成された状態で互いに間隔を空けて設けてもよい。間隙は、例えば、約1mmから約5mmの間であってよく、いくつかの実施形態では約2.4mmであってもよい。品質チェックモジュール130は、軌道121を少なくとも部分的に囲んだり覆ったりすることができる囲い446(点線で示されている)を備えることができる。囲い446は、周囲の照明の変化による照明の変動を排除するために設けられた箱のような構造とすることができる。囲い446は、撮像位置441を含む空間の少なくとも一部を囲む撮像チャンバ446Cを形成し、1つ以上の画像捕捉装置440は、撮像チャンバ446Cの外側の位置に存在する(例えば、配置される)撮像は、囲い446内に形成された開口部446Aを介して行なわれ得る。囲い446は、囲い446の反対側に位置し、検体容器102を保持するキャリア122が軌道121上の撮像チャンバ446Cに出入りすることを可能にするドア(図4Bには示されていない)を備えることができる。
【0055】
図示の実施形態では、検体容器102を保持するように構成された検体容器キャリア122は、その上に1つ以上の迷光パッチ423を含むことができる。1つ以上の迷光パッチ423は、光源(例えば、光パネルアセンブリ450)から迷光を受ける領域に位置している。迷光は、本明細書では、検体容器102の周囲を通過し、囲い446の内壁又は撮像チャンバ446Cの内部の他の構造体から反射され、画像捕捉装置440に面する検体容器102の前面上に反射された光と定義される。迷光パッチ423は、白色のステッカーのような物質のパッチであってもよい。迷光パッチ423の色は、それが備えられるバックグラウンド物質よりも淡いはずである。いくつかの実施形態において、迷光パッチ423は、その上に、迷光パッチ423を配置する助けとなるより暗い境界を含むことができる。
【0056】
図4D及び図4Eに示すように、検体容器102を直立方向に支持し、検体容器102を輸送するように構成された検体容器キャリア122(以下、「キャリア」)が示されている。キャリア122は、キャリアベース122B及びキャリアベース122Bに連結されてレセプタクルRを形成する支持要素を備えることができ、このレセプタクルRは、その中に検体容器102を受け入れて支持するように構成されて適合されている。支持要素は、検体容器102を垂直方向に支持するように構成された任意の適切な構造、例えば、キャリアベース122Bから上方に伸びる複数のタイン122T、122Tであってもよく、キャリアベース122Bに連結された1つ以上のばねであってもよい。他の適切な支持要素を使用してもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、1つ以上の迷光パッチ423を、キャリア122の一部であるホルダー122Hの1つ以上のタイン122T、又はキャリア122上の他の場所に適用することができる。しかしながら、本明細書に記載される他の実施形態では、1つ以上の迷光パッチをキャリア122上以外の位置に設けることができる。
【0058】
キャリア122が1つ以上の迷光パッチ423を含む一実施形態では、ホルダー122Hは、上方に伸びていてもよい複数のタイン122Tを含み、1つ以上のスプリング部材122Sと共に、その中に検体容器102を受け入れ、支持し、保持するように構成されたレセプタクルRを区画することができる。1つ以上の迷光パッチ423は、撮像上最も重要な領域に直接隣接する領域に位置することができる。例えば、迷光パッチ423は、血清又は血漿部分212SPに可能な限り近接して配置することができる。というのは、これが正確な画像強度情報が求められる1つの領域であるからである。例えば、正確なHILN測定及び定量化のためには、正確な画像強度測定が望まれる。特に、画像捕捉装置440での受信信号強度が比較的低いような、検体212を通る光透過を妨げる可能性のある比較的高レベルのHILが存在する可能性がある場合には、迷光補償が非常に重要である。この場合、迷光は、画像捕捉装置440で受けたうちのかなりの量の光である可能性がある。
【0059】
いくつかの実施形態では、1つ以上の迷光パッチ423は、撮像中に検体容器102に直接隣接して配置されてもよく、できるだけ近くに配置することができるが、一部の実施形態では、検体容器102内の血清又は血漿部分212SPから少なくとも約30mm以内に、また一部の実施形態では、血清又は血漿部分212SPから約1mmから約30mmまでの間に、横方向又は垂直方向に配置することができる。他の間隔も可能である。1つ以上の迷光パッチ423は、画像捕捉装置440によって撮像可能な位置に、即ち画像捕捉装置440のビューウィンドウ449(点線で示されている)内に位置する位置に、提供されるべきである。1以上の迷光パッチ423は、撮像可能な少なくとも1mmの露出パッチ領域を含むことができる。他の露出パッチエリアも考えられる。
【0060】
特に、迷光パッチ423は、1つ以上のタイン122Tの側面に設けることができ、血清又は血漿部分212SPをそこに含むであろう検体容器102内の高さに隣接していると判定された高さ位置に設けることができる。高さ位置は、品質チェックモジュール130で受信されると予想される検体容器102の履歴数及びサイズに関する情報並びに存在する血清及び血漿部分212SP及び沈降血液部分212SBの相対量に関する履歴情報に基づいて決定され得る。いくつかの実施形態では、複数の迷光パッチ423が、ビューウィンドウ449内でキャリア122上に設けられることがある。
【0061】
1つの代替実施形態では、1つ以上の迷光パッチ423Eが、所望により、又は画像捕捉装置440によって撮像可能な任意のタイン122Tの側面に設けられた1つ以上の迷光パッチ423に追加して、タイン122Tのより薄い端面に設けられてもよい。側面適用される迷光パッチ423よりも小さい可能性があるとしても、この位置は、ビューウィンドウ449のほぼ中心に位置するタイン122T上に且つ血清又は血漿部分212S上に位置することによって、血清又は血漿部分212SPに対して非常に近接し、ビューウィンドウ449に対して横方向に中心に位置することができる。
【0062】
別の実施形態では、迷光パッチ423iを、パッチ支持体432又はキャリア122の他の構造物若しくは構成要素又はその支持要素上に設けることができる。迷光パッチ423iは、本明細書に記載されるような大きさ、形状及び色のものでよい。迷光パッチ423iは、図4Dに示されるように、キャリア122の側面にオフセットして配置することができる。
【0063】
別の実施形態では、迷光パッチ423Lは、検体容器102上に貼り付けられるか又は他の方法で提供されるラベル218の一部として提供することができる。例えば、迷光パッチ423Lは、より暗い輪郭によって囲まれた白色のパッチであってもよく、これは、撮像ソフトウェアで捕捉された画像における迷光パッチ423Lの位置を特定する際に役立つ可能性がある。この実施形態では、検体容器は、迷光パッチ423Lがビューウィンドウ449の片側に向けられ、画像捕捉装置440によって視認可能になるように向けられるであろう。
【0064】
更に別の実施形態では、迷光パッチ423S自体は、検体容器102の前面に、画像捕捉装置440によって撮像可能な位置において、付着され又は他の方法で設けられたステッカーであってもよい。例えば、迷光パッチ423Sは、空気216の領域の上部に、蓋214上に、又は空気216の領域及び蓋214の両方と重なるように、設けられてもよい。この実施形態では、迷光パッチ423Sは、ビューウィンドウ449の中心に配置してもよい。この実施形態では、検体容器102は、ラベル218が検体容器102の左右にほぼ等量現われ、検体容器102の裏側を横切って血清又は血漿部分212SPの少なくとも一部が前面から見えるように向けられる。各場合において、本明細書に記載された品質チェックモジュール130のうち、検体容器102及びキャリア122の向きは、軌道121に対して固定されて不動であり、その結果、血清又は血漿部分212SPの一部が画像捕捉装置440によって視認可能となる。向きは、検体容器をホルダー122H内の観察可能な方向に配置する操作者によって手動で設定することができる。所望により、ロボットは、ラック104から検体容器102を拾い上げ(図1)、それをキャリア122上で視認可能な方向に置くことができる。例えば、ロボットは、検体容器102を回転させ、撮像装置でその側面を撮像して、ラベル218によって遮られていない領域を決定し、次に、検体容器102を、遮られていない領域が画像捕捉装置440によって視認可能になるように、ホルダー122H内の方向に配置することができる。ラベル218が、検体容器102の両側に、ほぼ等量見える適切な方向が図4Dに示されている。
【0065】
キャリア122は、迷光パッチ423に加えて、撮像ソフトウェアで捕捉された画像から機械的に読み取り可能なデータコード425を含むことができる。所望により、別個のバーコードリーダー装置(図示せず)が、画像捕捉装置440に隣接して設置され、データコード425を読み取るように構成されてもよい。データコード425は、一次元バーコード(例えば、UPCコード、EANコード、コード39、コード128、インターリーブド2/5(ITF)、コード93、コーダバー、GS1データバー、MSIプレッシーなど)又は二次元バーコード(例えば、QRコード(登録商標)、データマトリックスコード、PDF417、AZTECなど)のような任意の適切なバーコードであってよい。大量のデータをコード化できるように、二次元バーコードを使用してもよい。
【0066】
迷光パッチ423は、撮像ソフトウェアが捕捉画像中の迷光パッチを容易に位置決めできるように、キャリア122上のデータコード425に対して固定された方向に構成されてもよい。いくつかの実施形態において、迷光パッチ423の中心位置は、データ426のようなデータコード425上に提供される1つ以上の幾何学的データに対して位置決めすることができる。データ426は、一連の線、ボックス又は他の幾何学的特徴であり得る。いくつかの実施形態では、迷光パッチ423及びデータコード425は、それぞれ、キャリア122上に提供された、例えば、そのタイン122T上に付着された、単一のステッカーに提供され得る。
【0067】
迷光パッチ423及びデータコード425をキャリア122上で互いに一定の方向に向けて提供するための他の手段としては、白色のペイントを用いて、データコード425及び迷光パッチ423をキャリア122上に塗装するか又は印刷することを含む。いくつかの実施形態において、タイン122Tの色は、キャリア122の色と実質的に対照的であってよい。例えば、キャリア122は、黒色又は暗色のプラスチックの成形タイン122Tを含むことができ、一方、迷光パッチ423は、白色のような対比色であることができる。迷光パッチ423は、画像ソフトウェアによって容易に認識できる正方形又は長方形などの境界形状を含むことができる。例えば、円形、三角形、八角形、六角形、又は他の多角形等の他の形状が、1つ以上の迷光パッチ423に対して使用され得る。
【0068】
図4Eに示されているように、タイン122T、122Tsは、キャリアベース122B上で互いに、そしてまた、中心線CLに対して、互いに角度をもった方向に配列されてもよい。タインは、長いタイン122Tと短いタイン122Tsで構成されることがある。長いタイン122T、短いタイン122Ts、上部スプリング122S及び下部スプリング122Sが、検体容器102を支持し直立方向に配向させる。上部スプリング122S及び下部スプリング122Sは、検体容器102の上部及び下部を支持し、それらを長いタイン122Tに向けて偏らせる。短いタイン122Tsは、検体容器102の前側及び後側に位置し、検体容器102が前後に傾くのを防止する。短いタイン122Tsは、長いタイン122Tよりも長さが短く、血清又は血漿部分212SPの撮像を妨げないようにする。特に、長いタイン122Tは、キャリアベース122Bの頂部からタイン122Tの頂部までの高さが約25mmから約75mmの間の高さ寸法を有することができ、短いタイン122Tは、キャリアベース122Bの頂部から短いタイン122Tsの頂部までの高さが約5mmから約25mmの間の高さ寸法を有することができる。他の高さを用いることもある。いくつかの実施形態において、短いタイン122Tsは、図4Dに示されるように、沈降血液部分212SBの上方に伸長しないように、高さが十分に短くなければならない。かくして、血清又は血漿部分212SPの最大量は、前側で短いタイン122Tsによって妨げられないので、前側で撮像され得、パネルライトアセンブリ450からの背面照射は、後側に位置する短いタイン122Tsによって妨げられない。
【0069】
いくつかの実施形態では、キャリアベース122Bは、例えば、キャリア122を軌道121に沿って移動させるように動作可能なリニアモータ装置上に設けられたピン427Pを受け入れる孔のような、接続機能427を備えることができる。所望により、ピン427Pは、軌道121の可動部分の一部であってもよい。更に他の実施形態では、キャリア122は、単に軌道121上に静止するのみであり、軌道121上のキャリア122の回転方向はトラック側によって維持することができ、これはキャリア基底側428に密接し、軌道121上でのキャリア122の回転を妨げることができる。
【0070】
さて、図5Aを参照すると、品質チェックモジュール530Aの別の実施形態が示され、記述されている。この実施形態は、図4A~4Cを参照して記述された実施形態と実質的に同一であるが、図4A及び4Dに記述された迷光パッチ423とサイズが同一であり得る1つ以上の迷光パッチ523Aが、検体容器102を支持するキャリア122に連結されていない固定支持体532上に設けられている点で異なる。例えば、固定支持体532は、図示のように、囲い446の一部に結合されていてもよく、或いは品質チェックモジュール530Aの不動部分に固定されていてもよい。図示のように、固定支持体532は、囲い446の天井壁に結合して示されているが、固定支持体532は、床壁を始めとする壁又は撮像チャンバ446C内の、又はその外側のものでもよいが、他の構造などの任意の適切な支持体構造と、結合されていてもよい。固定支持体532及び1つ以上の迷光パッチ523Aは、例えば歴史的データに基づいて、1つ以上の迷光パッチ523Aが、血清又は血漿部分212SPのおおよその垂直中心の垂直位置にほぼ位置するように配置され得る。固定支持体532及び1つ以上の迷光パッチ523Aは、一方の側に、例えば前側に、横向きに配置することができ、その結果、キャリア122及び検体容器102は、ドア開口部533を通って撮像チャンバ446Cに入り込み、更に干渉されることなく撮像位置441に入ることができる。1以上の迷光パッチ523Aは、図4D~4Eに示された迷光パッチ523iと同様の方法で、即ち、画像捕捉装置440による血清又は血漿部分212SPの撮像を妨げないように、検体容器102の前側の側面にできるだけ近づけて、配置することができる。
【0071】
さて、図5Bを参照して、品質チェックモジュール530Bの別の実施形態が示され、記述される。この実施形態は、図4A~4Cを参照して記述された実施形態と実質的に同一であるが、図4A及び4Dに記述された迷光パッチ423とサイズが同一であってもよい1つ以上の迷光パッチ523Bが、検体容器102を支持するキャリア122に連結されていない可動支持体534上に設けられている点で異なっている。例えば、図示のように、可動支持体534は、囲い446及びキャリア122の一部に対して移動可能であり得る。可動支持体534は、可動支持体534のためのベアリング表面として機能することができるガイド部材535に受け入れられてもよく、その中を滑るように操作可能であり、運動生成装置536の作動によって伸張し退縮することができる。運動生成装置536は、例えば、可動支持体534上の又は可動支持体534と一体となったラック536Rに係合したピニオン536Pを回転駆動するように構成されたステッパーモーターのようなモータ536Mを備えることができる。モータ536Mの回転は、ピニオン536Pの回転及び可動支持体534の退縮又は伸長を引き起こし、従って、1つ以上の迷光パッチ523Bの伸展又は退縮を引き起こす。このようにして、迷光パッチ523Bは、撮像チャンバ446C内の最適な位置まで下げられ(延長され)、そこでは、迷光パッチ523Bは、キャリア122が囲い446内のドア開口部533を通って入る際に、軌道121上の検体容器102の経路に位置することができ、次いで撮像が完了した後にキャリア122が軌道121上を移動する準備が整ったときに、引き込まれる。かくして、図示のように、可動支持体534は、撮像位置441から離れた第1の位置から撮像位置441に隣接する第2の位置に移動するように構成されており、ここで、画像捕捉装置440による撮像は、迷光パッチ523Bが下がったときなど、可動支持体534が第2の位置に位置するときに行なわれる。
【0072】
さて、図6を参照すると、品質チェックモジュール630の別の実施形態が示される。品質チェックモジュール630は、検体容器102の複数の画像を複数の視点(例えば、視点1、2、3)から得ることができるという点で、図4Aの実施形態と異なる。ここで、各視点1、2及び3は、それぞれ、画像捕捉装置440A~440Cを含む。それぞれの視点1、2及び3は、図6に示すように、光パネルアセンブリ450A~450Cを含む。品質チェックモジュール630は、(例えば、血清又は血漿部分212SP、沈降血液部分212SB、又はその両方を含む)検体212を自動的に特性評価及び/又は定量化するように構成され適合されてよく、且つ/又は、検体212が撮像位置641に位置する場合に、検体容器102を追加的に又は所望により定量化することができる。撮像位置は、例えば、視点1、2及び3の各々からの法線ベクトルが、例えば交差する場所でよい。
【0073】
品質チェックモジュール630の光パネルアセンブリ450A~450Cは、図4B~4Cを参照して前述のように構築することができ、上述のように選択的に切替えることができる。光パネルアセンブリ450A~450Cの発光光源は、例えば、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、白色光、NIR、及び/又はIRスペクトルを発することができる。3つの画像捕捉装置440A~440Cを図6に示すが、2つ以上、3つ以上、更に4つ以上のこのような装置を使用することができる。エッジの歪みを最小限にするために、3つ以上の画像捕捉装置440A~440Cを使用してもよい。画像捕捉装置440A~440Cは、既に議論したようにデジタル画像(即ち、画素化画像)を捕捉することができる従来のデジタル装置であってもよい。例えば、3つの画像捕捉装置440A、440B、440Cは、複数の(例えば、3つの)例えば、上述のような適切な画像サイズを有する異なる側方視点1、2、及び3から画像を撮影するように構成されてもよい。捕捉された複数の画像は、本明細書に記載するようにコンピュータ143によって処理することができ、場合によっては、計算負荷を軽減するために超画素(例えば11x11ピクセルの収集物)を使用して処理することができる。
【0074】
各画像捕捉装置440A~440Cは、検体容器102の少なくとも一部及び検体212の少なくとも一部の複数の側方画像を撮影するように構成され、動作可能である(図2~3参照)。例えば、画像捕捉装置440A~440Cは、ラベル218、蓋214及び管215の一部を始めとする、検体212(図2~3参照)及び/又は検体容器102の一部を捕捉することができる。最終的に、複数の画像から、各画像捕捉装置440A~440Cによって2Dデータセットが生成され、コンピュータ143内のメモリに保存することができる。これらの2Dデータセットから、検体212及び/又は検体容器102の属性の処理を行なうことができる。各場合において、2Dデータセットの画像強度は、本明細書中で更に説明するように、撮像パッチ623A~623Cの撮像から得られる情報に基づいて調整することができる。明白であるように、コンピュータ143は、少なくとも、1つ以上の迷光パッチ423における迷光強度ρc,bに基づいて、迷光補償画像(以下、Is,comp)を決定するように構成されてもよい。
【0075】
図示した実施形態では、複数の画像捕捉装置440A~440Cが撮像位置441の周囲に配置され、複数の視点1、2、3から側方画像を捕捉するように構成されている。3つの撮像装置440A、440B及び440Cを使用する場合、視点1、2及び3は、示されているように、互いにほぼ等間隔になるように、例えばお互いから約120度など、間隔を空けてもよい。図示されているように、画像捕捉装置440A~440Cは、軌道121の端部の周囲に配置されてもよい。複数の画像捕捉装置440A~440Cの他の配置及び間隔を使用してもよい。このようにして、検体容器102内の検体212の画像は、検体容器102がキャリア122内に存在している間に撮影することができる。一部の実施形態では、画像が僅かに重複することがある。
【0076】
画像捕捉装置440A~440Cは、画像ウィンドウ、即ち、検体容器102の予想される位置を含む撮像位置641、を捕捉するために、検体容器102が画像ウィンドウのほぼ中央に位置するように停止することができるように、近接して提供され、狙いをつけ焦点を合わせることができる。動作中、キャリア122が品質チェックモジュール630内の撮像位置641に位置するという信号を、コンピュータ143が受信したときに、各画像は、コンピュータによって送信され通信回線で提供されたトリガー信号に応答してトリガーされ捕捉される。捕捉された画像の各々は、本明細書に提供される迷光補償を含む方法の1つ以上の実施形態に従って処理することができる。特に、HDR画像処理を用いて、画像を捕捉し処理して、検体212及び検体容器102を高レベルの詳細及び情報内容で特性評価することができる。
【0077】
より詳細には、異なる視点1、2及び3から複数の異なる(異なる公称波長を含む)スペクトルで照明しながら、複数の異なる露光(例えば、複数の露光時間)において、品質チェックモジュール630によって、検体212の複数の画像が捕捉されてもよい。例えば、各画像捕捉装置440A~440Cは、異なる露光時間及び複数のスペクトル(例えば、R、G、B)で4~8の画像を撮ることができる。
【0078】
複数の実施形態では、複数のスペクトル画像は、光パネルアセンブリ450A~450Cからの光によって背面照明されている間に達成することができる。光パネルアセンブリ450A~450Cとして実施されるスペクトル的に切り替え可能な光源は、図6に示すように光検体容器102を背面照明してもよく、上述のように切り替え可能な光源を含む。複数のカラー画像の捕捉及び使用は、分析のための情報内容を増加させ、特定のスペクトルで撮像する場合、特定の特徴的な吸収スペクトルを強調することがある。
【0079】
例えば、第一のスペクトルで照明して画像を捕捉するために、光パネルアセンブリ450A~450C(公称波長約64nm+/-35nm)の各々の赤色LED460(図4C)を用いて、3つの側方位置から検体212を照明することができる。光パネルアセンブリ450A~450Cによる赤色照明は、異なる露光時間で複数の画像(例えば、4~8以上の画像)が各画像捕捉装置440A~440Cによって捕捉されるように提供されてもよい。いくつかの実施形態では、露光時間は、約0.1m秒~256m秒の間でよい。他の露光時間を使用してもよい。各画像捕捉装置440A~440Cについて赤色光で照射されている各露光時間画像を撮影し、コンピュータ143のメモリに保存することができる。同時に、各画像について、各視点1、2及び3に関連する迷光パッチ623A~623Cを撮像することにより、迷光強度を測定する。迷光パッチ623A~623Cは、キャリア122上のような本明細書に記載されているような任意の適切な位置に位置することができ、或いは囲い646の内側の撮像チャンバ646C内の静止又は移動可能な位置として設けることができる。例えば、迷光パッチは、図6に点線で示されている3つの位置に位置してもよく、図5Aに示されているように静止しているか又は図5Bに示されているように可動であってもよい。
【0080】
一旦、赤色照明された画像が捕捉されると、赤色LED460を消して、別の光スペクトル、例えば、緑色LED461(公称波長約537nm+/-35nm)、を点けてもよく、その照明スペクトルで異なる露光時間で複数の画像(例えば、4~8以上の画像)を、各画像捕捉装置440A~440Cによって捕捉してもよい。これは、各画像捕捉装置440A~440Cに対して青色LED462(公称波長約455nm+/-35nm)で繰り返すことができる。いくつかの実施形態において、光パネルアセンブリ450A~450Cからの背面照射は、白色光、NIR及び/又はIR光源を使用することによって達成することができる。光パネルアセンブリ450A~450Cは、画像捕捉装置440A~440Cの全視野に亘って均質な発光を提供することができる。
【0081】
品質チェックモジュール630は、軌道121を少なくとも部分的に囲んだり覆ったりすることができる囲い646を備えることができ、検体容器102は、画像e及び迷光補償相の間、囲い646の内側に位置することができる。囲い446は、キャリア122が囲い646に出入りすることを可能にするために、1つ以上のドア646Dを備えることができる。
【0082】
上記の設定の各々について、各個別のスペクトル(例えば、R、G、B、白色光源、NIR及び/又はIR)について複数の露光時間で撮影されたこれらの複数の画像の全てが、迅速に連続して得られ、その結果、検体212のための複数の視点1、2及び3からの画像の全収集が、例えば、数秒未満で得られることがある。他の長さの時間を用いてもよい。
【0083】
上述のように、光パネルアセンブリ450、450A~450Cのような光源からの背面照射は、検体及び検体容器を通してだけでなく、囲い446、646の内部表面から及び/又は撮像チャンバ446C、646C中に存在し得る他の任意の構成要素の他の表面から反射された迷光によって、検体容器102のそれぞれの画像捕捉装置440、440A~440Cに面する前面を照明することができる。場合によっては、迷光は、一部は、散乱され、囲い446、646の表面に方向転換され、その後、囲い446、646の表面から反射された、検体212を透過した光に由来することさえある。このような迷光は、光学的撮像及び分析に影響を及ぼす可能性があるため、望ましくない。このような迷光は、感知された信号レベルが、光源(例えば、光パネルアセンブリ450、450A~450C)の放出照明出力に関して低い場合、HILNの分析結果にとって特に問題となり得る。例えば、検体212を通過する透過率を測定する場合であって、血清又は血漿部分212SP中に高レベルの脂血症、溶血及び/又は黄疸が存在する場合などのように検体212の透過率レベルが低い場合、低信号応答は、比較的高い重複した迷光信号によって著しく歪められることがある。従って、本明細書に記載した迷光補償を提供する実施形態は、検体212の透過率測定の改善を可能にする。
【0084】
従って、実施形態によれば、迷光補償の方法が提供される。第1の態様によれば、迷光較正の方法が提供される。迷光分布は局所的に変化することがある。従って、検体容器102の迷光照射は、迷光パッチ423上等で観察される迷光強度などと一致するとは予想できない。従って、迷光パッチ位置における推定迷光と検体容器102上の迷光分布との関係は、較正方法により推定できる。
【0085】
較正方法は、理想的には事前スクリーニング撮像測定が実際に品質チェックモジュール130、630によって行なわれる前に行なわれる撮像を、含む。従って、較正は、再較正が再度実施される前に、複数の事前スクリーニング操作(例えば、複数の検体容器102の事前スクリーニング)に対して使用することができる。いくつかの実施形態では、検体212を含む検体容器102の特定のラックについて、多くの検体212について、ある数の検体212が事前スクリーニングされた後又は他の適当な較正間隔の後、1日、1週間若しくは1ヶ月の期間又は他の時間間隔で、単一の較正を行なうことができる。
【0086】
較正方法は、較正対象709を撮像することを含む(図7B)。較正対象は、撮像位置441、641で受けられると予想される検体容器102と実質的に類似した形状を有していてもよい。部分は光沢のない黒色に塗布することができ、少なくとも部分709Pは、迷光パッチ423と同様の散乱性の反射特性を有していてもよい比較的散乱性の反射特性を有する材料(例えば、白色の紙で包んだもの)を含むことができる。しかし、散乱性の反射特性を有する可能性がある任意の適切な不透明較正対象を使用することができる。較正対象709は、一実施形態では不透明であってもよく、艶のない又は光沢のない白色の部分を含んでもよい。不透明な特徴は、較正対象709を通過する透過光が、画像捕捉装置440、440A~440Cに到達することを排除し、その結果、迷光のみが画像捕捉装置440、440A~440Cに到達するように設計されている。較正対象709の前面709Fは、比較的散乱性の反射特性を含むことができ、そこからの較正中の反射を最小限にするために、比較的高い反射係数を有することができる。較正対象709は、較正中にキャリア122内に配置され、撮像チャンバ446C、646C内の撮像位置441、641に位置することができる。一旦、位置決めされ所望のスペクトルの光で照明されると、較正対象709の前面709F上の光分布が、ビューウィンドウ内の迷光パッチ423と共に、捕捉装置440、440A~440Cで撮像することによって記録される。この背面照射較正強度画像Ic,bは、一実施形態では、較正対象709の前面709F(それぞれの画像捕捉装置440、440A~440Cに最も近い側)における迷光の空間分布の画像マップを提供することができる。較正撮像は、また、迷光パッチ強度ρc,bを提供する。
【0087】
迷光パッチ強度ρc,bは、以上の迷光パッチ423、623A~623Cのサブ領域423R上の強度値の範囲を測定することによって、計算することができる。他の実施形態では、迷光パッチ強度ρc、bは、1以上の迷光パッチ423E、423L、423S、423i、523A、523Bのサブ領域上の強度値の範囲を測定することによって、追加的に又は所望により、計算することができる(図4A、5A及び5B参照)。一以上の迷光パッチ423等の面積を評価して、例えば、平均値、最大値及び/又は強度値の中央値を決定することができ、それらのいずれか1つを、迷光パッチ423等によって受け取られるスカラー迷光パッチ強度ρc,bの代表として使用することができる。画像中の迷光パッチ423等、ひいてはサブ領域423Rの位置は、迷光パッチ423等がビューウィンドウ449、649A~C内の選択された位置に位置することを予め知っておくことによって見出すことができる。他の実施形態では、迷光パッチ423は、データコード425に対して予め定義された位置に位置することができ、画像処理アルゴリズムによって迷光パッチ423の位置を見つけることを単純化することができる。或いは、色のコントラスト又は他のマーキングを用いて1つ以上のボーダー又はその輪郭を発見するような、任意の他の適切な方法を使用して、迷光パッチ423などを位置決めすることができる。
【0088】
背面照射較正強度画像Ic、bの場合、一実施形態では、708において得られた検体画像Is、bを、画素毎(又はスーパー画素毎)ベースの迷光に対して補償するために、マップを使用することができる。より単純な実施形態では、迷光補償により、背面照射較正強度画像Ic,bを捕捉して、較正対象709の前面709Fの小領域709R(点線で示す)を平均して、背面照射較正強度画像Ic,bのスカラー値を得て使用してもよい。
【0089】
従って、今や、較正画像強度Ic、b(マトリックス又はスカラー値のいずれか)及びスカラー迷光パッチ強度ρc,bが知られた。ここでcは較正を、bは背面照射を表わす。更に、較正画像強度Ic,bとスカラー迷光パッチ強度ρc,bとの関係も、今や、知られている。従って、較正方法から決定されたこれらの強度値は、品質チェックモジュール130、530A、530B、630で行なわれる実際の事前スクリーニング方法の間に使用され得る。特に、迷光補償画像Is,compを得ることができ、ここで、sは検体を、compは補償されたことを表わす。
【0090】
迷光補償画像Is,compは、以下のように計算されることがある。
s,comp=Is,b-Copt{(ρs,b/ρc,b)Ic,b}-C・・・・・(式1)
上記の式において、Coptは、光学補正係数を示す。光学補正係数Coptは、検体容器102の前面が較正対象709の表面とは複数の光学特性を有する可能性があることを考慮に入れた要因となる可能性がある。特性が等しい場合は、Copt=1と推定する。単純化した実施形態では、Copt=1を1つの単純な近似として使用してもよい。
【0091】
他の実施形態では、より精巧なCoptの推定を用いることができる。例えば、検体容器102の前面の反射率の低い領域(沈降血液部分212SBなど)は、迷光を反射するのではなく、本質的にそれを吸収することができる。反対に、ラベル218のような、前面の反射性のより高い物体は、迷光を高い割合で反映している可能性があり、従って、透過率測定を歪める可能性がある。
【0092】
上記式のCは定数マップであり、検体212内部の散乱など乗法的補償項でカバーされない影響を考慮に入れることができる。典型的な構成では、Cは適切な近似のためにゼロに設定され、従って無視され得る。しかしながら、いくつかの実施形態においては、Cもまた、セグメンテーションデータから推定することができる。
【0093】
実施形態では、迷光補償方法及び較正方法は、例えば、ラベル218、血清又は血漿部分212SP、沈降血液部分212SB、ゲルセパレータ313、空気216などのような、前面の迷光によって大きく影響される特徴を、Cの推定において考慮することができる。試料容器のこのような特徴の存在及び位置は、プレセグメンテーション705によって局所的に決定され得る。更に、以下に更に説明するいくつかの実施形態では、それらの反射光学特性を推定することができる。
【0094】
このプレセグメンテーション705の1つの結果は、特徴(例えば、ラベル218、血清又は血漿部分、沈降血液部分212SB、ゲルセパレータ313、空気216など)の空間分布のマップである。従って、一実施形態では、Coptの推定値は、プレセグメンテーション705の結果から視点に存在すると決定されるこのようなセグメント化領域ごとに、割り当てることができる。この実施形態では、コンピュータ143は、プレセグメンテーション705に基づいて、空間分解された光学補正係数Coptを決定するように構成され、動作可能である。
【0095】
プレセグメンテーション705は、例えば、セグメンテーション711のために本明細書に記載されたもののような任意の適切な画像処理及び/又は機械学習方法を用いることによって、検体容器102の画像を計算機的に評価することによって達成することができる。いくつかの実施形態では、プレセグメンテーション705は、背面照明画像ではなく、(例えば、図6の他の2つの光パネルアセンブリを使用するか、又は図4A、5A及び5Bの前方光源を含めることによって)前方照明下に707で捕捉された画像について実施することができ、これは708で撮影され、迷光を補償するためにも使用される。
【0096】
1つの実施形態では、プレセグメンテーション705を使用して、割り当てられた予め設定された局所Copt値の空間地図を作成することができる。割り当てられた予め設定された局所値は、予め決定されており、予想される分割されたクラスタイプごとにコンピュータ143のメモリに予め保存されていることがある。従って、各セグメントクラスは、それに関連する異なる局所Coptを有することができ、それは、メモリ内で予め設定された局所反射率の推定に依存して、各セグメントに対して異なるレベルの迷光補償を提供し得る。事前に設定された局所Copt値の推定は、以前に撮像された較正検体からの平均値に基づいてもよい。
【0097】
より進展した場合には、検体容器102の前面の画像を、プレセグメンテーション705に基づいて捕捉された画像中でどのクラスが決定されるかに応じて迷光補償の大きさの複数のケースに分類することができ、検体容器102の前面のその視点において実際に測定された光反射特性に基づいて、クラスセグメントごとに適切なCopt推定値を決定してもよい。
【0098】
或いは、プレセグメンテーション705は、検体容器102の前面の表面反射率の直接的な推定に置き換えることができる。検体容器102の前面の反射率を推定するために、704内の追加の反射率較正画像Ic,r及び707内の反射率検体画像Is,rが、それぞれ、前面照明(前面照射)されたまま捕捉される。反射率較正画像Ic,rは、703、708における迷光較正画像と同じ条件下(同一スペクトル及び同一露光時間)で取得されることがあるが、迷光から生じるのではなく直接照明からのみ生じる反射を本質的に発生させる照明下で取得される(図6参照)。例えば、視点1については、光パネルアセンブリ450B及び450Cを用いて、直接照明を行なうことができ、ここでは、反射率検体画像Is,rが画像捕捉装置440Aによって捕捉される。検体容器102及び検体212のプレスクリーニング測定中に、直接前面照射照明により707内の追加の反射率検体画像Is,rが取得される。反射率較正画像Ic,r及び反射率検体画像Is,rを用いて、光学補正係数を、以下のように、式2により近似することができる。
Copt≒Is,r/Ic,r・・・・・(式2)
Coptは、画素毎(又はスーパー画素毎)ベースでの補償を可能にするためのスカラー値(例えば、平均)又はマトリクス因子であり得る。しかしながら、検体容器102及び検体212が不透明でないため、上記近似の精度は限定的であり、従って、内部散乱は反射のみでなく何らかの光伝播を引き起こす可能性がある。
【0099】
複数の迷光条件が評価される場合(例えば、R、G、B光源のようなスペクトル的に切り替え可能な光源又は他のスペクトル的に切り替え可能な光源の場合、又は複数の視点(例えば、視点1、2、3)、又は照明の範囲(例えば、異なる露光量))において、迷光較正、推定及び補償をそのような条件ごとに行なうことができ、それにより、Is,compを、得られたCopt及びIs、b及びρs、bの値を用いて、迷光補償706における各条件に対して個別に決定できる。Copt値は、較正値と707における前方照射画像捕捉からの測定値と708において捕捉された背面照明画像との組合せから、セグメンテーション及び/又は反射率を用いて予め設定することができ、又は得ることができる。次いで、迷光補償画像Is,compは、上記の式に従って決定することができ、次いで、セグメンテーション711に提供され、それによって操作される。
【0100】
複数の画像捕捉装置440A~440Cを含む品質チェックモジュール630の場合、各画像捕捉装置440A~440Cの撮像ウィンドウ内に少なくとも1つの迷光検知パッチ623A~623Cが見えるはずである。いくつかの実施形態において、複数の迷光検知パッチ623A~623Cを、視点1、2、及び/又は3に使用することができる。較正方法及び迷光補償方法は、各撮像装置440A~440Cについて個別に行なうことができる。実施形態によれば、本明細書に記載されている高ダイナミックレンジ(HDR)撮像技術を用いて、全ての画像(例えば、較正対象709の迷光較正画像並びに検体容器102及び検体212の画像)を取得することができる。
【0101】
いくつか又は全ての実施形態において、光パネルアセンブリ450、450A~450Cによる背面照明の使用によって、前面照明の使用もそうだが、能動(active)照明下で取得された画像は、そのような能動照明なしに捕捉されたそれぞれの追加画像の減算によって、環境光をキャンセルすることができる。従って、周囲の光の影響を取り除くことができる。
【0102】
迷光較正画像Ic,bは、例えば、較正対象709の前面反射領域を計算的に概算し及び/又は傾けることによって、測定すべきキャリア122内の検体容器102のおおよその形状及び位置に適合するように計算的に変換することができる。
【0103】
撮像が、HDR画像処理を伴うような多スペクトル及び多重露光画像を含む場合には、迷光補償画像データの処理には、例えば、異なる露光時間及び各スペクトルでの複数の撮捕捉画像の画像データから、複数の画像捕捉装置が使用される場合には各画像捕捉装置440A~440Cについて、最適に露光された画素を選択することが更に含まれ、これにより、各スペクトルについて(例えば、RGB色画像)及び各画像捕捉装置440A~440Cについて最適に露光された画像データを生成する。これを本明細書では「画像統合(image consolidation)」と呼ぶ。各対応画素について、各視点(例えば、1、2及び3)からの各画像について、最適な画像強度を示す画素を、複数の露光時間の画像の各々から選択することができる。
【0104】
1つの実施形態において、最適な画像強度は、例えば、所定の範囲内(例えば、0~255のスケールで180~254の間)に入る画素であり得る。他の適切な範囲が使用されてもよい。(1つの画像捕捉装置からの)2つの画像の対応する位置における複数の画素が最適に露出されていると決定された場合、2つのうちのより高い強度が選択される。最適に露光された強度値の各々は、それぞれの露光時間によって正規化される。その結果、全ての画素が最適に露光される各視点(例えば、スペクトル当たり1つの画像データセット(例えば、R、G及びB)及び視点について、複数の正規化及び統合された2Dカラー画像データセット(例えば、R、G、B)が得られる。
【0105】
さて、迷光が補償されて集約されたデータは、セグメンテーション711において操作されて、1つの2D集約画像を生成し、各視点についてその中の各画素に対してクラスを同定することができる。例えば、画素は、血清又は血漿部分212SP、沈降血液部分212SB、ゲルセパレータ313(存在する場合)、空気216、チューブ212T又はラベル218に分類することができる。蓋214も分類してよい。分類は、複数のトレーニングセットから生成される複数クラス分類装置(classifier)(例えば、図7の複数クラス分類装置715)に基づいてもよい。
【0106】
SVMを用いて画素レベル分類を実施するために、統計データは、複数の視点について異なる公称波長(例えば、R、G、B)での最適に露光された画素の複数の各々に対して計算され、714において2D統計データセットが生成される。2D統計データセットには、平均値及び共分散を含めることができる。他の統計が生成されることがある。統計データは、各画素に対する二次までの属性を含むことがあり、これには、平均値、変動及び相関値が含まれる。特に、共分散行列は、識別パターンを表わす多次元データ上で計算される。
【0107】
いったん生成されると、各2D統計データセットは、複数クラス分類装置715に提示され、それによって操作される。複数クラス分類装置715は、画像データセット内の画素を、1:血清又は血漿部分、2:沈降血液部分、3:ゲルセパレータ(使用された場合)、4:空気、5:管、6:ラベル、及び更には7:キャップのような、716内の複数のクラスラベルの1つに属するものとして分類することができる。これから、血清及び血漿部分212SP並びに他の領域を構成する画素を同定することができる。セグメンテーションの結果は、統合された2Dデータセットであり、そこにあるすべてのピクセルが分類された視点1、2、3ごとの1つのデータセットである。
【0108】
複数クラス分類装置715は、線形又はカーネルベースのいずれかであるサポートベクトルマシン(SVM)、適応ブースティング分類装置(例えば、AdaBoost、LogitBoostなど)のようなブースティング分類装置、曲率ニューラルネットワークのような人工ニューラルネットワーク、ツリーベース分類装置(例えば、決定木、ランダム決定フォレスト)、多重クラス分類装置としてのロジスティック回帰、又は例えば、任意の他の適切な多重クラス分類装置のような、線形又は非線形の任意の適切なタイプの管理された分類モデルであり得る。SVMは、検体212及び試料容器102の分析で見出されるような、液体と非液体との間の分類に特に有効であり得る。SVMは、データを分析してパターンを認識する学習アルゴリズムを備えた教師あり学習モデルである。
【0109】
複数セットのトレーニング例を使用して、複数クラス分類装置715を訓練してデータセットを所望のクラスに分割し、次に画像データセットを操作し、各画素を結果として分類することができる。複数クラス分類装置715は、様々な検体条件、ラベル218による閉塞、血清又は血漿部分212SP及び沈降血液部分212SBのレベル、ゲルセパレータ313を含むか否かなど、を有する検体容器102の多数の例に分類すべき様々な領域を図式的に概観することによって訓練することができる。訓練には500以上の画像を使用してもよい。各トレーニング画像は、手動で輪郭を描いて、各クラスに属する領域を同定し複数クラス分類装置715に教示することができる。
【0110】
迷光が補償されセグメント化された複数クラス分類装置715の結果、特にクラス血清又は血漿部分212SPのものとみなされる結果、を、次いで検体212を更に定量化するために使用することができる。次いで、最適に露光され迷光補償された2Dデータセットは、複数クラス分類装置715によって操作され、716内の画像データセットに存在する画素クラスを識別する。各画素(又はスーパーピクセル)位置に対して、統計的記述が抽出される。スーパーピクセルの場合、記述は小さなパッチ(例えば、11x11ピクセルのスーパーピクセル)内にある。各パッチは、評価プロセスで考慮される記述子を提供する。典型的には、複数クラス分類装置715は、特徴記述子に対して動作し、評価中に出力クラスを提供する。各画素又はスーパー画素に対する最終クラスは、最大信頼値を決定することができる。計算された統計値はクラスの特定の特性をコードし、従って異なるクラス間の識別に使用される。
【0111】
この方法によれば、検体212の様々な部分を定量することができる。第1の態様において、血清又は血漿部分212SPは、718において同定され得る。これは、クラス-血清又は血漿部分212SPからの全ての画素をグループ化し、次いで、719における液体(血清又は血漿部分212SP)と空気216との間の上部界面(即ち、LA)の位置を決定することを含むことができる。上部界面LAは、同定された血清又は血漿部分212SPの最上部の範囲にあるピクセルのラインを選択することによって決定することができる。これは、各視点1、2及び3について行なわれることがある。LAのための数値は、各視点について血清又は血漿部分212SPとして分類される最上位画素の垂直位置を平均することによって、統合された2D画像データセットの各々に対して、計算され得る。実質的な外れ値はいずれも棄却され、平均では用いられない可能性がある。x及びz空間における画像空間と座標空間との間の以前の較正(図4D参照)は、各視点1、2及び3についての任意の既知の方法によって達成され得る。
【0112】
検体212においてゲルセパレータ313が使用されるかどうかに応じて、次に定量法は、各視点1、2及び3について、720におけるSB又はSG(ゲルセパレータが存在する場合)の位置を決定することができる。各視点についてのSB又はSGの数値は、716において血清又は血漿部分212SPに分類される最下位画素の位置を平均し又は集計することによって、720において計算することができる。SB又はSGの単一値は、視点1、2及び3についてのSB又はSG値を平均することによって決定することができる。LA及びSB又はSGの位置から、血清又は血漿部分HSPの高さ(図2及び3)を、LA及びSB又はSGの平均値を差し引くことで決定することができる。LA、SB又はSGのこれらの値は、後で検体試験装置100内の血清又は血漿部分212SPを吸引する際に、ピペットチップを適切に位置決めするために使用することができる(図1)。
【0113】
血清又は血漿部分212SPを定量することは、更に、726において検体容器102の内側の幅(Wi)を決定することを含むことができる。いくつかの実施形態において、外側幅(W)は、まず、セグメンテーション711によって管215として分類される画素を同定し、管215の側面外縁上に位置する画素の対応するものの位置を減じ(例えば、LAとSB又はSGの間で測定されるように)、次に、各視点1、2及び3について減算値を平均することによって、決定され得る。Wの最終値は、1、2、3の視点からのW値を平均して求めることができる。実質的な外れ値は無視してもよい。Wから、壁厚Twの2倍を差し引くことによってWからWiを求めることができる。Twは、メモリ中に保存されている全ての検体容器102について推定されている平均壁厚値であってもよいし、Wiは、外側幅W及び高さHT値に基づいて決定された管タイプに基づいてルックアップテーブルから得られ、これは検体容器102について決定されてもよい。
【0114】
HSP及びWiから、血清又は血漿部分212SPの体積は、式3における以下の関係を用いて、728において決定され得る。
VSP=HSP{Pi/(4*Wi)}・・・・・(式3)
【0115】
沈降血液部分212SBを定量するために、同様の方法に従うことができる。沈降血液部分212SBのクラスに対応する画素は、最初に730において同定され得る。ゲルセパレータ313が存在するかどうかに応じて、各統合された2D画像データセットにおいて沈降血液部分212SBの最下部の画素の位置を特定し、次いでSB又はBGのいずれかを差し引くことによって、732において各視点について沈降血液部分HSBの高さを決定することができる。SBは、720において決定され得る。ゲルセパレータ313が存在する場合、BGは、ゲルセパレータ313として分類される画素の最下垂直位置を平均することによって、各視点について決定してもよい。沈降血液部分212SBの最下画素は、検体容器102の最下垂直寸法を見出し、次に各視点1、2及び3について壁厚Twを差し引くことによって決定することができる。Wiは726において決定され得る。HSBの最終値は、視点1、2及び3各々の各HSB値を平均することによって決定することができる。HSB及びWiの最終値から、沈降血液部分212SBの体積は、3Dモデルについて以下の式4を用いて534において決定され得る。
VSB=[HSB(Pi/(4*Wi))]-(1/2)Wi+(Pi/24)*Wi ・・・・(式4)
【0116】
一旦、718において血清又は血漿部分212SPが同定されると、その中の干渉物質(例えば、H、I及び/又はL)の存在は、1以上の干渉物質分類装置722を用いて血清又は血漿部分212SPの迷光補償2Dデータセットについて操作することによって、721において決定され得る。1つの実施形態において、別個の分類装置を、H、I及びL、更にはN(Normal)の各々に対して使用することができる。所望により、干渉物質分類装置721は、複数クラス分類装置であってもよい。セグメンテーションに使用される上記の訓練されたモデルのいずれも、適切に訓練され、HILN検出に使用され得る。訓練は、様々なレベルのHIL及びNを有する数百又は数千の検体212に関する撮像及びデータ入力を含むことができる。従って、HILNの全体的な決定をこの方法によって行なうことができるだけでなく、平均インデックス値を使用してHILインデックス値(Havg、Iavg、Lavg)を721において提供し、これを使用して検体212の血清又は血漿部分212SPについての干渉レベルの推定を複数視点の平均として提供し得ることを認識すべきである。従って、検体212の血清又は血漿部分212SPについてのH、I、L又はNについての一貫した分類並びに一貫したHIL指数値(Havg、Iavg、Lavg)を得ることができる。
【0117】
従って、迷光補償を含むモデルに基づく定量法700が、品質チェックモジュール130、430、530A、530B、630によって実施されてもよく、ここで、血清又は血漿部分212SP及び/又は検体212の沈降血液部分212SBの迅速な定量化をもたらす可能性があることは明白である。最終結果及び判定は、複数視点に亘って集約することができ、いくつかの実施形態において3Dモデルとして表示することができる。
【0118】
図8は、上述の品質チェックモジュール130、530A、530B、630のいずれか1つで操作可能な較正方法800のフローチャートを図示しており、本明細書及び図9に記載されている関連する迷光補償方法のためのデータを提供する。1以上の実施形態によれば、較正方法800は、802において、撮像位置(例えば、撮像位置441、641)、撮像位置の片側面の画像捕捉装置(例えば、画像捕捉装置440、440A~440C)、及び第1側面と反対側の撮像位置の第2側面に背面光源(例えば、光パネルアセンブリ450、450A~450C)を提供することを含む。いくつかの実施形態において、前方光源は、図9A及び9Bに関する以下の議論から明らかになるように、前面反射率を考慮に入れたより高度な較正を提供するために提供され得る。
【0119】
較正方法800は、804において、撮像位置(例えば、撮像位置441、641)において較正用品(例えば、較正対象709)を提供することを更に含む。較正対象709は、光パネルアセンブリ450、450A~450Cからの光が通過できないような不透明であるとして本明細書に記載されるような対象物であってもよい。較正対象709の前面709F(図7B)は拡散反射特性を有していてもよい。即ち、前面709Fは比較的高い反射係数を有していてもよい。反射係数は、入射波に対する反射波の振幅の比によって定義されるパラメータである。例えば、75%を超える反射係数を用いることができる。例えば、ラベル218に使用されるのと同じ白色紙を、それぞれの画像捕捉装置440、440A~440Cに面する較正対象709の前面709Fの部分709Pに使用してもよい。反射係数の他の値を用いてもよい。
【0120】
較正方法800は、更に、806において、撮像位置(例えば、撮像位置441、641)において迷光パッチ(例えば、迷光パッチ423、423E、423i、423L、423S、523A、523B及び/又は623A~623C)を提供することを含む。1つ以上の迷光パッチは、キャリア122の1つ以上のタイン122T(迷光パッチ423、423E、623A~623C)上、又はキャリア122のパッチ支持体432又は他の構成要素(例えば、迷光パッチ423i)上に位置してもよい。他の実施形態では、1つ以上の迷光パッチは、キャリア122上以外に、例えば、固定支持体532(例えば、迷光パッチ523A)上、又は検体容器102を支持するキャリア122に連結されていない可動支持体534(例えば、迷光パッチ523B)上に、位置してもよい。品質チェックモジュール630が複数の視点(例えば、視点1、2、3)を含む場合、画像捕捉装置440A~440Cによって撮像可能な視点ごとに、ビューウィンドウ内に迷光パッチ623A~623Cを設けることができる。全ての例において、迷光パッチ(例えば、迷光パッチ423、423E、423i、423L、423S、523A、523B、及び/又は623A~623C)は、撮像ウィンドウに、撮像位置441、641においてキャリア122内の検体容器102の前面にできるだけ近く設けられるべきである。
【0121】
較正方法800は、更に、808において撮像位置(例えば、撮像位置441、641)及び較正対象709の背面を背面光源で照明し、810において較正対象709の前面709F及び迷光パッチ(例えば、迷光パッチ423、423E、423i、423L、423S、523A、523B、及び/又は623A~623C)の画像を、画像捕捉装置(例えば、画像捕捉装置440、440A~440C)で、同じやり方及び方向で、事前スクリーニング中に使用されるであろう迷光パッチと同じ種類及び位置で、捕捉することを含む。
【0122】
較正方法800は、更に、812において、迷光パッチの迷光強度ρc,b(例えば、迷光パッチ423、423E、423i、423L、423S、523A、523B、及び/又は623A~623C)及び較正対象709の前面709Fの較正画像強度Ic,bを決定することを含む。一実施形態では、較正画像強度Ic,bはマトリクス量であってもよいが、他実施形態では、較正画像強度Ic,bは、小さな領域709R(例えば、小さな領域709R全体の平均)で測定されるスカラー量であってもよい。いくつかの実施形態において、較正方法800は、814において、光学補正係数Coptを提供することを含むことができる。Copt=1を割り当てること、705におけるプレセグメンテーションに基づいて平均局所Coptを決定すること、前面上の迷光の分布を考慮に入れて705におけるプレセグメンテーションに基づいて局所Coptマトリックスを決定すること、及び表面反射率を実際に光学的に測定することに基づいてCoptを決定することを、含む、上記で議論した光学補正係数Coptを提供するための方法のいずれも、使用することができる。
【0123】
次いで、各状態(及び視点)に対して決定された迷光強度ρc、b、較正画像強度Ic、b及び光学補正因子Coptの値を用いて、迷光補償画像Is,compを決定してもよい。従って、較正方法800から決定されたこれらの値を、品質チェックモジュール130、530A、530B、630で行なわれる実際の事前スクリーニングの間に使用して、その結果、迷光補償画像Is,compが得られ得ることを認識しておくべきである。これらの迷光補償画像Is,compは、セグメンテーション711について使用され得る。更に、それらは、721におけるHILN検出及び/又は検体特性評価装置723における検体の更なる特性評価のために使用され得る。
【0124】
図9Aは、光学補正係数Coptを決定する方法のフローチャートを示す。方法900Aは、902Aにおいて、検体212を含む前面照明された検体容器の画像を撮像位置(例えば、撮像位置441、641)で捕捉することを含む。方法900Aは、更に、904Aにおいて、前面照明画像を予めセグメント化し、次に906Aにおいて光学補正係数Coptを決定することを含む。撮像位置(例えば、撮像位置441、641)における検体(例えば、検体212)を含む検体容器(例えば、キャップ付き採血管などの検体容器102)の前面照明画像のプレセグメンテーションにより、血清又は血漿部分212SP、沈降血液部分212SB、ゲルセパレータ、空気216などのセグメント化領域の同定ができる。906Aにおいて光学補正係数Coptを決定することは、プレセグメンテーションに基づくことができ、ここで、1つの実施形態において、出力は、画像中の908Aにおける各セグメントについて予め設定されたCoptであり、又は所望により910AにおけるCoptマップ、即ち、検体容器102の前面の一部又は全部にマッピングされたCopt値のマトリックスであり得る。Copt値はコンピュータ143のメモリに保存され得る。
【0125】
図9Bに示すように、Coptを提供する別の方法900Bを示して記述する。方法900Bは、902Bにおいて、較正対象(例えば、較正対象709)の前面照射照明下の較正画像Ic,rを撮像位置(例えば、撮像位置441、641)で捕捉することを含む。この方法は、更に、904Bにおいて、検体(例えば、212)を含む検体容器(例えば、検体容器102)の前面照射画像Is,rを撮像位置(例えば、撮像位置441、641)において捕捉することを含む。いくつかの実施形態において、較正画像は、事前スクリーニングの前に捕捉される。更に、方法900Bは、906Bにおいて、反射率に基づいて光学補正係数Copt(ここで、Copt=Ic,r/Is,r)を決定することを含む。この場合、Coptは、較正対象709及び検体容器102の前面の広がりをマッピングする値のマトリクスである。理解されるように、Coptは異なるスペクトルごとに、また、視点1、2、及び3ごとに決定してもよい。
【0126】
別の態様では、図10に示されるように、特性評価方法1000は、1002において、検体(例えば、検体212)を含む検体容器(例えば、検体容器102)を撮像位置(例えば、撮像位置441、641)で提供することを含むことができる。
【0127】
方法1000は、更に、1004において、撮像位置で画像を捕捉するように構成された1つ以上の画像捕捉装置(例えば、画像捕捉装置440、440A~440C)を提供し、1006においては、1つ以上の光源(例えば、光パネルアセンブリ450、450A~450Cを含む光源)で撮像位置を背面照射することを含む。
【0128】
方法1000は、更に、1008において、1以上の光源から迷光を受け取る領域に位置する迷光パッチ(例えば、迷光パッチ423、423E、423L、423S、423i、523A、523B、623A~623C)を提供し、1010において、検体容器、検体及び迷光パッチの画像を1以上の画像捕捉装置で捕捉することを含む。1012において、方法1000は、次に、上記の式1に従い且つ本明細書に記載されているように、迷光補償画像(例えば、迷光補償画像Is,comp)を決定することを含む。
【0129】
本開示は種々の改変及び代替形態を受け入れるが、具体的なシステム、装置及び方法の実施形態は、図面に例として示されており、本明細書に詳細に記載されている。しかしながら、本開示を、開示された特定のシステム、装置又は方法に限定することを意図しておらず、反対に、その意図はクレームの範囲内に入る全ての改変、等価物及び代替形態を網羅することを意図していることが理解されるべきである。
【符号の説明】
【0130】
1 :視点
2 :視点
3 :視点
100 :検体試験装置
102 :検体容器
104 :ラック
105 :搭載領域
106 :第一の分析装置
108 :第二の分析装置
110 :第三の分析装置
116 :センサ
120 :基部
121 :軌道
122 :検体容器キャリア
122B :キャリアベース
122H :ホルダー
122S :スプリング部材
122S:下部スプリング
122S:上部スプリング部
122T :タイン
122T:短いタイン
124 :ロボット
125 :遠心分離機
130 :品質チェックモジュール
143 :コンピュータ
145 :コンピュータインターフェースモジュール
147 :実験室情報システム
212 :検体
212SB:沈降血液部分
212SP:血清又は血漿部分
214 :蓋
215 :管
216 :空気
218 :ラベル
218i :識別情報
313 :ゲルセパレータ
423 :迷光パッチ
423E :迷光パッチ
423i :迷光パッチ
423L :迷光パッチ
423R :サブ領域
423S :迷光パッチ
425 :データコード
426 :データ
427 :接続機能
427P :ピン
428 :キャリア基底側
432 :パッチ支持体
440 :画像捕捉装置
440A :画像捕捉装置
440B :画像捕捉装置
440C :画像捕捉装置
441 :撮像位置
446 :囲い
446A :開口部
446C :撮像チャンバ
449 :ビューウィンドウ
450 :光パネルアセンブリ
450A :光パネルアセンブリ
450B :光パネルアセンブリ
450C :光パネルアセンブリ
450S :光パネルアセンブリ450の全前面
452 :フレーム
454 :光ガイド
454F :光ガイドの前面
454R :光ガイドの後面
455 :穴
456 :光源456
456C :接続部
456L :光アレイ
457 :拡散装置
458 :ポケット
458B :フレームの背面
459 :固定部材
460 :赤色LED
461 :緑色LED
462 :青色LED
523A :迷光パッチ
523B :迷光パッチ
530A :品質チェックモジュール
530B :品質チェックモジュール
532 :固定支持体
533 :ドア開口部
534 :可動支持体
535 :ガイド部材
536 :運動生成装置
536M :モータ
536P :ピニオン
536R :ラック
623A :迷光パッチ
623B :迷光パッチ
623C :迷光パッチ
630 :品質チェックモジュール
641 :撮像位置
646 :囲い
646C :撮像チャンバ
646D :ドア
649A :ビューウィンドウ
649B :ビューウィンドウ
649C :ビューウィンドウ
700 :迷光補償を含むモデルに基づく定量法
709 :較正対象
709F :較正対象の前面
709P :較正対象の前面の部分
709R :較正対象の前面の小領域
723 :検体特性評価装置
800 :較正方法
900A :光学補正係数Coptを決定する方法
900B :光学補正係数Coptを決定する方法
1000 :特性評価方法
c,b :背面照射較正画像強度
c,r :前面照射較正画像強度
s,r :前面照射検体画像強度
s,b :背面照射検体画像強度
s,comp:迷光補償画像
ρc,b :迷光強度
LIS :実験室情報システム
CIM :コンピュータインターフェースモジュール
TC :管-蓋界面
LA :血清又は血漿部分の頂部
SB :沈降血液部分
SG :ゲルセパレータの頂部
BG :沈降血液部分の底部
HSB :沈降血液部分の高さ
HSP :血清又は血漿部分の高さ
HTOT :検体の全高さ
HT :管の高さ
W :検体容器の外側の幅
Wi :検体容器の内側の幅
Tw :検体容器の壁厚
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10