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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-28
(45)【発行日】2022-04-05
(54)【発明の名称】濾過装置およびそれを含む濾過輸液容器
(51)【国際特許分類】
   B01D 27/08 20060101AFI20220329BHJP
   B01D 35/02 20060101ALI20220329BHJP
   A61M 5/165 20060101ALN20220329BHJP
【FI】
B01D27/08
B01D35/02 Z
A61M5/165 500B
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020524665
(86)(22)【出願日】2018-07-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-10
(86)【国際出願番号】 CN2018095363
(87)【国際公開番号】W WO2019015523
(87)【国際公開日】2019-01-24
【審査請求日】2020-03-03
(31)【優先権主張番号】201720896157.6
(32)【優先日】2017-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201710595779.X
(32)【優先日】2017-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520023938
【氏名又は名称】ジェムティア メディカル (ジャンス) インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】マオ チュンユアン
(72)【発明者】
【氏名】マオ ヤリン
【審査官】駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第205867223(CN,U)
【文献】実開昭59-001969(JP,U)
【文献】特開2015-084803(JP,A)
【文献】国際公開第2015/160823(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D23/00-35/04
B01D35/08-37/08
A61M 3/00- 9/00;31/00;39/00-39/28
B01D53/22;61/00-71/82;C02F1/44
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外殻を含み、前記外殻の第1側壁と底板とに囲まれて第1収容キャビティが形成された第1部材と、
前記第1部材に接続され、流体通路を含む第2部材と、
前記流体通路を開閉するために使用され、相互に接続されたヘッド部とロッド部とを含み、前記ヘッド部が第2部材に回転可能に接続され、前記ロッド部が前記流体通路に挿入して設けられ、且つ前記ロッド部の外表面がシールカバーでカバーされる執行部と、
前記第1部材と前記第2部材との間に挟まれる濾過膜と、
を含
前記第1部材は、内殻をさらに備え、前記内殻の一端は、前記第1収容キャビティを貫通して設けられ、前記内殻の他端は、前記外殻の底板を貫通して設けられ前記外殻の外側に位置し、前記底板が前記内殻の第2側壁の外表面に密閉接続し、前記第2側壁と頂板とに囲まれて第2収容キャビティを形成し、前記第1収容キャビティを貫通して設けられた前記内殻の前記第2側壁には幾つかの隙間が設けられ、前記隙間が全て前記第1収容キャビティおよび前記第2収容キャビティを連通し、
流路は、前記流体通路、前記濾過膜、前記第1収容キャビティ、前記隙間、および前記第2収容キャビティを順次に通過することを特徴とする、濾過装置
【請求項2】
前記執行部の中心軸が、前記流体通路の中心軸に垂直であり、前記執行部が、前記流体通路の中心軸に対して垂直な方向に直線的に移動しながら、前記執行部の中心軸を中心にして回転することを特徴とする請求項1に記載の濾過装置。
【請求項3】
前記第2部材は、マウントを備え、前記マウントにはインナーキャビティが設けられ、前記執行部の前記ロッド部は前記インナーキャビティに挿入して設けられ、前記インナーキャビティの中心軸は、前記流体通路の中心軸に垂直であることを特徴とする請求項2に記載の濾過装置。
【請求項4】
前記ヘッド部の前記流体通路に面する一側には、制限スロットが設けられ、前記マウントの側壁の前記制限スロットに面する一端は、前記制限スロットに挿入して設けられ、前記制限スロットと前記マウントの側壁とは係合して前記執行部の移動を制限するために使用されることを特徴とする請求項3に記載の濾過装置。
【請求項5】
前記マウントの側壁の外表面に回転突起が設けられ、前記制限スロットの内表面に前記回転突起に対応する回転溝が設けられ、前記回転突起と前記回転溝とは係合して、前記執行部の回転運動の軌道を制限することを特徴とする請求項4に記載の濾過装置。
【請求項6】
前記インナーキャビティの内壁は、径方向に沿って前記インナーキャビティの中心軸に向かって制限階段が延伸され、前記ロッド部の外壁は、径方向に沿って前記マウントに向かって制限突起が延伸され、前記制限突起が前記制限階段に当接し、且つ、前記制限突起と前記制限階段は係合して前記執行部が前記マウントから離れる方向に移動することを制限するために使用されることを特徴とする請求項3に記載の濾過装置。
【請求項7】
前記第1部材は一体成形されていることを特徴とする請求項に記載の濾過装置。
【請求項8】
前記内殻の第2側壁は、相互に接続する第1部分と第2部分とを含み、前記第1部分の厚さは前記第2部分の厚さより小さく、前記第1部分は前記第1収容キャビティに位置し、且つ前記第1部分には前記幾つかの隙間が設けられ、前記第2部分は前記外殻の外側に位置し、前記外殻の底板は前記第2部分の前記第1部分の一端に近づく外表面に密封接続されることを特徴とする請求項7に記載の濾過装置。
【請求項9】
前記内殻の他端にスナップし、且つ、前記第2収容キャビティをシールするために使用されるシール部材を更に含むことを特徴とする請求項に記載の濾過装置。
【請求項10】
前記シールカバーが前記ロッド部に螺合されていることを特徴とする請求項1に記載の濾過装置。
【請求項11】
前記シールカバーの材料がゴムであることを特徴とする請求項1に記載の濾過装置。
【請求項12】
前記第1部材の一端が前記第2部材の対応する一端にスナップし、且つ前記第1部材と前記第2部材は密閉接続されることを特徴とする請求項1に記載の濾過装置。
【請求項13】
請求項1に記載の濾過装置を備える濾過輸液容器であって、前記濾過輸液容器は輸液容器を備え、前記濾過装置が前記輸液容器に接続され、且つ前記流路の一端が前記輸液容器に通じ、他端が前記濾過膜に通じることを特徴とする濾過輸液容器。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、出願日が2017年7月20日の中国特許出願第201710595779.X号および第201720896157.6号の優先権を主張する。本出願は、上記の中国特許出願の全文を引用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、濾過装置およびそれを含む濾過輸液容器に関する。
【背景技術】
【0003】
臨床輸液する時、濾過膜を備えた濾過装置を使用する前に、最高の濾過効果を達成するために、濾過膜が完全性を維持する必要があり、つまり、濾過膜は、壊されない状態であるだけでなく、患者が使用する時のみ、最初に輸液液体と接触する。しかし、先行技術では、工場を出る前に前処理のさまざまな特定の滅菌プロセス(例えば蒸気滅菌などの様々な医薬業界での滅菌方法)に、蒸気およびその他の物質は濾過膜に接触しやすくために、濾過膜の予想される濾過効果を変更し、濾過膜の有効性が低下される。
【発明の概要】
【0004】
本発明が解決しようとする技術課題は、先行技術で患者が使用する前に蒸気およびその他の物質が濾過膜に接触するため、濾過膜の予想される濾過効果を変更し、濾過膜の有効性が低下される欠陥を克服するために、濾過装置およびそれを含む濾過輸液容器を提供する。
【0005】
本発明は、以下の技術案により上記の技術課題を解決する。
【0006】
濾過装置であって、前記濾過装置は、
外殻を含み、前記外殻の第1側壁と底板に囲まれて第1収容キャビティが形成された第1部材と、
前記第1部材に接続され、流体通路を含む第2部材と、
前記流体通路を開閉するために使用され、相互に接続されたヘッド部とロッド部を含み、前記ヘッド部が第2部材に回転可能に接続され、前記ロッド部が前記流体通路に挿入して設けられ、且つ前記ロッド部の外表面がシートカバーでカバーされる執行部と、
前記第1部材と前記第2部材の間に挟まれる濾過膜と、
を含み、
前記濾過装置は、流路を更に含み、前記流路は前記流体通路、前記濾過膜、及び前記第1収容キャビティを順次に通過することを特徴とする濾過装置である。
【0007】
本技術案では、シールカバーのこのようなシール方法により、濾過装置は、特定の滅菌プロセス(例えば蒸気滅菌などの様々な医薬業界での滅菌方法)を経った後でも、良好な密封を維持し続け、つまり、濾過膜は、患者が使用する前にずっと輸液液体と異なる閉空間に位置して、最適の完全性を維持し、同時に濾過装置は液漏れを引き起こさず、輸送中に執行部が緩むこともない。
【0008】
好ましくは、前記執行部の中心軸が、前記流体通路の中心軸に垂直であり、前記執行部が、前記流体通路の中心軸に対して垂直な方向に沿って直線的に移動しながら、前記執行部の中心軸を中心にして回転する。
【0009】
好ましくは、前記第2部材は、マウントを更に備え、前記マウントにはインナーキャビティが設けられ、前記執行部のロッド部は前記インナーキャビティに挿入して設けられ、前記インナーキャビティの中心軸は、前記流体通路の中心軸に垂直である。
【0010】
好ましくは、前記ヘッド部の前記流体通路に面する一側には、制限スロットが設けられ、前記マウントの側壁の前記制限スロットに面する一端は、前記制限スロットに挿入して設けられ、前記制限スロットと前記マウントの側壁は係合して前記執行部の動きを制限するために使用される。
【0011】
好ましくは、前記マウントの側壁の外面に回転突起が設けられ、前記制限スロットの内表面に前記回転突起に対応する回転溝が設けられ、前記回転突起と前記回転溝は係合して前記執行部の回転運動の軌道を制限する。
【0012】
本技術案では、相互に係合する回転突起と回転溝を設けることにより、執行部の動きをより安定させ、執行部が流体通路を開閉する移動速度と距離をより安定的に制御できる;同時に相互に係合する回転突起と回転溝は、執行部が圧力を受けて直接にマウントから離れる方向に運動することを制限でき、それにより流体通路の開放を回避できる。
【0013】
好ましくは、前記インナーキャビティの内壁は、径方向に沿って前記インナーキャビティの中心軸に向かって制限階段が延伸され、前記ロッド部の外壁は、径方向に沿って前記マウントに向かって制限突起が延伸され、前記制限突起が前記制限階段に当接し、且つ、前記制限突起と前記制限階段は係合して、前記執行部が前記マウントから離れる方向に移動することを制限するために使用される。
【0014】
本技術案では、相互に係合する制限突起と制限階段を設けることにより、執行部の移動位置が制限され、執行部がマウントから脱落することがなく、使用の安全性が確保される。
【0015】
好ましくは、前記第1部材は、内殻をさらに備え、前記内殻の一端は、前記第1収容キャビティを貫通して設けられ、前記内殻の他端は、前記外殻の底板を貫通して設けられ前記外殻の外側に位置し、前記底板が前記内殻の第2側壁の外表面に密閉接続し、前記第2側壁と頂板に囲まれて第2収容キャビティが形成され、前記内殻の前記第1収容キャビティを通過する第2側壁には幾つかの隙間が設けられ、前記幾つかの隙間はいずれも前記第1収容キャビティおよび前記第2収容キャビティを連通させ、
前記流路は、前記流体通路、前記濾過膜、前記第1収容キャビティ、前記隙間、および第2収容キャビティを順次に通過する。
【0016】
本技術案では、内殻の構造を設けることにより、輸液液体が流路に沿って第1収容キャビティに達した後、液体表面が指定された高さに達した後、隙間を通して第2収容キャビティに入り、その後、液体が排出され、これにより、輸液液体が濾過膜を介して濾過して水滴状で直接にボトル刺し針のピンホールに滴下するため、連続エアプラグを形成することを防ぐことができ、それにより、輸液プロセスをよりよく制御できる。同時に、内殻の構造を設けて、ボトル刺し針が第2収容キャビティに挿入される時、内殻の頂板のブロッキングにより、ボトル刺し針が濾過膜を直接貫通するのを防ぐことができ、操作過程の安全性が向上する。なお、本技術案における隙間は気泡が第2収容キャビティに入るのを防ぎ、輸液液体の安全性と信頼性を確保する。
【0017】
好ましくは、前記第1部材は一体成形される。
【0018】
好ましくは、前記内殻の第2側壁は、相互に接続する第1部分と第2部分とを含み、前記第1部分の厚さは前記第2部分の厚さより小さく、前記第1部分は前記第1収容キャビティに位置し、且つ前記第1部分には前述の幾つかの隙間が設けられ、前記第2部分は前記外殻の外側に位置し、前記外殻の底板は前記第2部分の前記第1部分の一端に近づく外表面に密封接続される。
【0019】
好ましくは、前記濾過装置は、前記内殻の他端にスナップし、且つ、前記第2収容キャビティをシールするためのシール部材を更に含む。
【0020】
好ましくは、前記シールカバーが前記ロッド部に螺合されている。
【0021】
好ましくは、前記シールカバーの材料がゴムである。
【0022】
好ましくは、前記第1部材の一端が前記第2部材の対応する一端にスナップし、且つ前記第1部材と前記第2部材は密閉接続される。
【0023】
本発明は、さらに濾過輸液容器を提供し、前記濾過輸液容器は上記の濾過装置を備え、前記濾過輸液容器は輸液容器をさらに備え、前記濾過装置が前記輸液容器に接続され、且つ前記流路の一端が前記輸液容器に通じ、他端が前記濾過膜に通じることを特徴とする濾過輸液容器である。
【0024】
本発明の積極的で進歩的な効果は以下の通りである:
1.本発明は、コンパクトな構造と高い空間利用率を有する。
【0025】
2.本発明は、執行部の外面にシールカバーを設置することにより、濾過装置が特定の滅菌プロセス(例えば蒸気滅菌などの様々な医薬業界での滅菌方法)を経った後でも、良好な密封を維持し続け、つまり、濾過膜が、患者が使用する前にずっと輸液液体と異なる閉空間に位置して、最適な完全性を維持し、同時に濾過装置が液漏れを引き起こさず、輸送中に執行部が緩むこともない。
【0026】
3.本発明は、相互に係合する回転突起と回転溝を設けることにより、執行部の動きをより安定させ、執行部が流体通路を開閉する移動速度と距離をより安定的に制御でき、同時に相互に係合する回転突起と回転溝は、執行部が圧力を受けて直接にマウントから離れる方向に移動することを制限することができ、それにより流体通路の開放を回避できる。
【0027】
4.本発明は、相互に係合する制限突起と制限階段を設けることにより、執行部の移動位置を制限し、執行部がマウントから脱落するのを防止し、使用の安全性を確保する。
【0028】
5.本発明は、内殻の構造を設けることにより、輸液液体が濾過膜を通過して水滴状で直接にボトル刺し針のピンホールに滴下するため、連続エアプラグを形成することを防ぐことができ、それにより、輸液プロセスをよりよく制御できるだけでなく、内殻の頂板のブロッキングにより、ボトル刺し針が濾過膜を直接貫通するのを防ぐことができ、操作中の安全性が向上され、同時に、内殻の隙間も気泡が第2収容キャビティに入るのを防ぎ、輸液液体の安全性と信頼性を確保する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の好ましい実施例に係る濾過輸液容器の分解図である。
図2】本発明の好ましい実施例に係る濾過輸液容器の斜視構造図である。
図3】本発明の好ましい実施例に係る濾過装置の執行部が流体通路を開ける時の断面図である。
【符号の説明】
【0030】
濾過装置1
シール部材10
第1部材20
外殻21
第1側壁211
ベースプレート212
第1収容キャビティ213
内殻22
第2側壁221
第1部分2211
第2部分2212
頂板222
第2収容キャビティ223
隙間224
濾過膜30
第2部材40
流体通路41
マウント43
インナーキャビティ431
制限階段4311
マウントの側壁432
回転突起4321
執行部50
ヘッド部51
制限スロット512
回転溝513
ロッド部52
制限突起521
シールカバー53
流路60
固定部品70
輸液容器2
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明を以下の実施例によってさらに説明するが、記載された実施例の範囲に本発明を限定することを意図するものではない。
【0032】
図1~3を参照すると理解されるように、本実施形態は、シール部材10と、第1部材20と、濾過膜30と、第2部材40と、執行部50とを含む濾過装置1を提供する。第1部材20の一端は、第2部材40の対応する一端にスナップし、且つ第1部材20と第2部材40は密閉接続される。濾過膜30は、第1部材20と第2部材40との間に挟まれる。第1部材20は一体成形される。
【0033】
第1部材20は、外殻21と内殻22とを含む。外殻21の第1側壁211と底板212に囲まれて、第1収容キャビティ213が形成される。内殻22の一端は、第1収容キャビティ213内を貫通して設けられ、内殻22の他端は、外殻21の底板212を貫通して設けられ、外殻21の外側に位置し、底板212が内殻22の第2側壁221の外表面に密閉接続され、第2側壁221と頂板222に囲まれて第2収容キャビティ223が形成され、内殻22が第1収容キャビティ213に貫通して設けられた第2側壁221には4つの隙間224が設けられ、4つの隙間224が全て第1収容キャビティ213および第2収容キャビティ223を連通させる。4つの隙間224は、第2収容キャビティ223の円周方向に沿って等間隔に配置される。他の代替実施形態では、隙間224の数は、2つ、3つ、または他の数であってもよい。
【0034】
内殻22の第2側壁221は、相互に接続する第1部分2211と第2部分2212とを含み、第1部分2211の厚さは第2部分2212の厚さより小さく、第1部分2211は第1収容キャビティ213内に位置し、且つ第1部分2211は前述の隙間224を設けられ、第2部分2212は前述の外殻21の外側に位置し、外殻21の底板212は第2部分2212の第1部分2211の一端に近づく外面に密封接続される。
【0035】
シール部材10は、内殻22の他端にスナップし、且つ、シール部材10は第2収容キャビティ223をシールするために使用される。シール部材10の材料はゴムである。本実施例では、シール部材10の外側に固定部品70でカバーされ、固定部品70の一端が、周方向に沿って内殻22のシール部材10に近づく一端の外側にスナップする。固定部品70はシール部材10が内殻22の一端により良く固定するために使用される。
【0036】
第2部材40は、流体通路41を含む。執行部50は、流体通路41を開閉するために使用される。執行部50の中心軸は、流体通路41の中心軸に対して垂直であり、執行部50は、流体通路41の中心軸に対して垂直な方向に沿って直線的に移動しながら、執行部50の中心軸を中心に回転する。執行部50は、相互に接続するヘッド部51とロッド部52を含み、ヘッド部51の直径はロッド部52の直径よりも大きい。執行部50のヘッド部51は、第2部材40に回転可能に接続される。執行部50のロッド部52は流体通路41に挿入して設けられ、且つ、執行部50のロッド部52の外表面がシールカバー53でカバーされる。このように、シールカバー53のこんなシール方法により、濾過装置1は、特定の滅菌プロセス(例えば蒸気滅菌などの様々な医薬業界での滅菌方法)を経った後でも、良好な密封を維持し続け、つまり、濾過膜30が、患者が使用する前にずっと輸液液体と異なる閉空間に位置させ、ろ過膜の最適な完全性を維持し、同時に濾過装置は液漏れを引き起こさず、輸送中に執行部が緩むこともない。本実施例では、シールカバー53がロッド部52に螺合されている。シールカバー53の材料はゴムである。
【0037】
第2部材40は、マウント43をさらに含む。マウントにはインナーキャビティ431が設けられ、執行部50のロッド部52はインナーキャビティ431に挿入して設けられ、インナーキャビティ431の中心軸は、流体通路41の中心軸に垂直である。
【0038】
ヘッド部51の流体通路41に面する一側には、制限スロット512が設けられ、マウントの側壁432の制限スロット512に面する一端は、制限スロット512に挿入して設けられ、制限スロット512とマウントの側壁432は係合して執行部50の移動を制限するために使用される。
【0039】
本実施形態では、マウントの側壁432の外表面に回転突起4321が設けられ、制限スロット512の内表面に回転突起4321に対応する回転溝513が設けられ、回転突起4321と回転溝513は係合して執行部50の回転運動の軌道を制限する。このように、相互に係合する回転突起4321と回転溝513を設けることにより、執行部50の動きをより安定させ、執行部50が流体通路を開閉する移動速度と距離をより安定的に制御でき、同時に相互に係合する回転突起4321と回転溝513は、執行部50が圧力を受けて直接にマウント43から離れる方向に移動することを制限でき、それにより流体通路41の開放を回避できる。
【0040】
具体的には、執行部50のシールカバー53は、執行部50が流体通路41を閉じる時、同時に蒸気滅菌状態にある場合、上方の薬液が温度上昇による膨張する圧力がシールカバー53全体に広がり、この時、シールカバー53が流体通路41をシールの役割を果たす為、流体通路41の末端は一定の空間を持つデッドスペース(すなわち、空気を正常に排出できないもの)が形成され、同様に、蒸気滅菌状態では、温度(蒸気滅菌温度が121℃に達する)上昇はこの部分のデッドスペース内のガスが膨張することを引き起こす為、執行部50を押してマウント43から離れる方向に移動させ、つまり流体通路41を開ける方向に移動し、これにより、潜在的なリスクが生じ、即ち消毒中に流体通路41が開かれ、薬液が濾過膜に浸透して濾過膜を無効になるが、執行部の回転溝513とマウントの回転突起4321の螺合の係合により、空気の膨張による力をオフセットすることができ、それにより、消毒中に濾過膜が濡れないように保護する。
【0041】
マウントのインナーキャビティ431の内壁は、径方向に沿ってインナーキャビティ431の中心軸に向かって制限階段4311が延伸されており、ロッド部52の外壁は、径方向に沿ってマウント43に向かって制限突起521をが延伸されており、制限突起521が制限階段4311に当接し、且つ、制限突起521と制限階段4311は係合して執行部50がマウント43から離れる方向に移動することを制限するために使用される。このように、相互に係合する制限突起521と制限階段4311を設けることにより、執行部50の移動位置が制限され、執行部50がマウント43から脱落することがなく、使用の安全性が確保される。
【0042】
濾過装置1は流路60をさらに含み、流路60が流体通路41、濾過膜30、第1収容キャビティ213、隙間224、および第2収容キャビティ223を順次に通過する。
【0043】
本発明の動作原理:輸液液体が流路に沿って第1収容キャビティに達する時、輸液液体の水平面が徐々に上昇し、液体水平面が指定された高さに達した後、隙間を通して第2収容キャビティに入り、その後、液体が排出される。これにより、輸液液体が濾過膜を介して濾過して水滴状で直接にボトル刺し針のピンホールに滴下されて、連続的なエアプラグを形成することを防ぐことができ、それにより、輸液プロセスをよりよく制御できる。同時に、内殻の構造を設けることにより、ボトル刺し針が第2収容キャビティに挿入される時、内殻の頂板のブロックのため、ボトル刺し針が濾過膜を直接貫通するのを防ぐことができ、操作中の安全性が向上された。なお、本技術案における隙間は気泡が第2収容キャビティに入るのを防ぎ、輸液液体の安全性と信頼性を確保した。
【0044】
本実施例は、上述の濾過装置1を含む濾過輸液容器を更に提供し、濾過輸液容器は輸液容器2をさらに含み、濾過装置1が輸液容器2に接続され、且つ流路60の一端が輸液容器に通じ、他端が濾過膜30に通じる。
【0045】
上文には本発明の具体的な実施形態が説明されていたが、これらは例示な説明のみで、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲により限定されることは、当業者が理解すべきである。当業者は、本発明の原理および実質から逸脱しない限り、これらの実施形態に様々な変更または修正を行うことができ、これらの変更又は修正はいずれも本発明の保護範囲におちる。
図1
図2
図3