(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-28
(45)【発行日】2022-04-05
(54)【発明の名称】多プライ繊維状水溶性製品の作製プロセス
(51)【国際特許分類】
B32B 37/20 20060101AFI20220329BHJP
C11D 17/04 20060101ALI20220329BHJP
C11D 3/50 20060101ALI20220329BHJP
C11D 3/386 20060101ALI20220329BHJP
C11D 3/395 20060101ALI20220329BHJP
C11D 3/37 20060101ALI20220329BHJP
D06M 23/08 20060101ALI20220329BHJP
D06M 13/00 20060101ALI20220329BHJP
B32B 5/26 20060101ALI20220329BHJP
D04H 3/00 20120101ALI20220329BHJP
【FI】
B32B37/20
C11D17/04
C11D3/50
C11D3/386
C11D3/395
C11D3/37
D06M23/08
D06M13/00
B32B5/26
D04H3/00
(21)【出願番号】P 2020536742
(86)(22)【出願日】2019-01-22
(86)【国際出願番号】 US2019014451
(87)【国際公開番号】W WO2019147530
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2020-06-30
(32)【優先日】2018-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100212657
【氏名又は名称】塚原 一久
(72)【発明者】
【氏名】プラット、マイケル・ショーン
(72)【発明者】
【氏名】リード、アントニー・エドワード
(72)【発明者】
【氏名】グラスメイヤー、スティーヴン・ロバート
(72)【発明者】
【氏名】シヴィク、マーク・ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ニャンジロ、ディナー・アチョラ
【審査官】深谷 陽子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0004552(US,A1)
【文献】米国特許第03402227(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0172166(US,A1)
【文献】特表2012-504691(JP,A)
【文献】特開2003-160443(JP,A)
【文献】特表2017-535333(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0282525(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0286437(US,A1)
【文献】特表2012-512061(JP,A)
【文献】特表2015-518091(JP,A)
【文献】特表2008-526424(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
C11D 1/00-19/00
D06M 10/00-16/00、19/00-23/18
D04H 1/00-18/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性(5)製品を製造するためのプロセスであって、
水溶性繊維状親連続プライウェブ(59)を供給する工程であって、前記親連続プライウェブが、機械方向(MD)と、前記機械方向に対して直交する横断方向(CD)と、前記機械方向及び前記横断方向によって画定された平面に対して直交する方向における厚みと、を有し、操作者縁部(61)と駆動縁部(62)との間で前記横断方向に延在し、前記駆動縁部及び前記操作者縁部よりも、前記操作者縁部と前記駆動縁部との間でより厚くなっている前記親連続プライウェブを供給する工程と、
前記機械方向において前記親連続プライウェブを切断して、前記駆動縁部を含む第1の連続プライウェブ(60)と、前記操作者縁部を含む第2の連続プライウェブ(65)と、を供給する工程と、
前記操作者縁部及び前記駆動縁部が、前記機械方向において、ウェブ積層体の中心線の両側上にあるように、前記第1の連続プライウェブ及び前記第2の連続プライウェブを重ね合わせて、前記ウェブ積層体(66)を形成する工程と、
前記ウェブ積層体の部分を切断及び接合して、前記水溶性製品を形成する工程と、
前記横断方向における前記第1の連続プライウェブと前記第2の連続プライウェブとの間の第3の連続プライウェブ(130)を、前記機械方向における前記親連続プライウェブから切断する工程と、
前記第3の連続プライウェブを、前記第1の連続プライウェブ及び前記第2の連続プライウェブと重ね合わせて、前記ウェブ積層体を形成する工程と、を含み、
前記第1の連続プライウェブが、第1の連続プライウェブベルト側と、反対側の第1の連続プライウェブ空気側と、を有し、前記第2の連続プライウェブが、第2の連続プライウェブベルト側と、反対側の第2の連続プライウェブ空気側と、を有し、前記第3の連続プライウェブが、第3の連続プライウェブベルト側と、反対側の第3の連続プライウェブ空気側と、を有し、
前記ウェブ積層体が、上に面する表面(600)と、反対側の下に面する表面(601)と、を有し、
前記プロセスは、前記上に面する表面及び前記下に面する表面が、前記第1の連続プライウェブベルト側、前記第2の連続プライウェブベルト側、及び前記第3の連続プライウェブベルト側からなる群から選択され、かつ前記上に面する表面が、前記下に面する表面と同じではないように、前記第1の連続プライウェブ、前記第2の連続プライウェブ、及び前記第3の連続プライウェブを位置決めする工程を更に含む、プロセス。
【請求項2】
水溶性(5)製品を製造するためのプロセスであって、
水溶性繊維状親連続プライウェブ(59)を供給する工程であって、前記親連続プライウェブが、機械方向(MD)と、前記機械方向に対して直交する横断方向(CD)と、前記機械方向及び前記横断方向によって画定された平面に対して直交する方向における厚みと、を有し、操作者縁部(61)と駆動縁部(62)との間で前記横断方向に延在し、前記駆動縁部及び前記操作者縁部よりも、前記操作者縁部と前記駆動縁部との間でより厚くなっている前記親連続プライウェブを供給する工程と、
前記機械方向において前記親連続プライウェブを切断して、前記駆動縁部を含む第1の連続プライウェブ(60)と、前記操作者縁部を含む第2の連続プライウェブ(65)と、を供給する工程と、
前記操作者縁部及び前記駆動縁部が、前記機械方向において、ウェブ積層体の中心線の両側上にあるように、前記第1の連続プライウェブ及び前記第2の連続プライウェブを重ね合わせて、前記ウェブ積層体(66)を形成する工程と、
前記ウェブ積層体の部分を切断及び接合して、前記水溶性製品を形成する工程と、
複数の水溶性粒子(95)を前記親連続プライウェブに供給する工程と、を含む、プロセス。
【請求項3】
前記ウェブ積層体の部分を接合する前記工程が、前記ウェブ積層体の部分を切断する前又は後に行われる、請求項1
又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記第2の連続プライウェブを、前記ウェブ積層体内の前記第1の連続プライウェブと前記第3の連続プライウェブとの間に位置決めする工程、又は前記第1の連続プライウェブを、前記第2の連続プライウェブと前記第3の連続プライウェブとの間に位置決めする工程、を更に含む、請求項
1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記上に面する表面と前記下に面する表面との間に、非カプセル化香料、カプセル化香料、香料プレミックス、界面活性剤、酵素、漂白剤、漂白活性化剤、キレート剤、構造化剤、ビルダ、有機ポリマー化合物、増白剤、色相剤、抑泡剤、コンディショニング剤、湿潤剤、アルカリ性系、pH制御系、緩衝アルカノールアミン、防虫剤、ヘアケア剤、ヘアコンディショニング剤、スキンケア剤、日焼け止め剤、皮膚コンディショニング剤、布地柔軟剤、抗シワ剤、静電気防止剤、布地ケア染み除去剤、汚れ放出剤、分散剤、泡抑制剤、泡増強剤、消泡剤、布地清涼化剤、食器洗浄剤、硬質表面ケア剤、抗微生物剤、抗菌剤、抗真菌剤、漂白活性化剤、キレート剤、ビルダ、ローション、空気ケア剤、カーペットケア剤、移染防止剤、粘土汚れ除去剤、再付着防止剤、ポリマー汚れ放出剤、ポリマー分散剤、アルコキシル化ポリアミンポリマー、アルコキシル化ポリカルボキシレートポリマー、両親媒性グラフトコポリマー、溶解助剤、緩衝系、水柔軟化剤、水硬化剤、pH調整剤、凝集剤、発泡剤、防腐剤、化粧剤、メークアップ除去剤、発泡剤、付着助剤、コアセルベート形成剤、粘土、増粘剤、ラテックス、シリカ、乾燥剤、臭気抑制剤、制汗剤、冷感剤、温感剤、吸収性ゲル剤、抗炎症剤、染料、色相剤、顔料、酸、塩基、液体処理活性剤、農業用活性剤、工業用活性剤、摂取可能な活性剤、薬剤、睡眠補助薬、歯ホワイトニング剤、歯ケア剤、マウスウォッシュ剤、歯周歯肉ケア剤、ダイエット剤、ビタミン、ミネラル、水処理剤、水浄化剤、水殺菌剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される活性剤(190)を塗布する工程を更に含む、請求項
1に記載のプロセス。
【請求項6】
繊維状の第1の層(20)を供給する工程と、
前記第1の層に面する繊維状の第2の層(25)を供給する工程であって、前記第1の層及び前記第2の層が、前記親連続プライウェブを共に形成する、供給する工程と、を更に含む、請求項1~
5のいずれかに記載のプロセス。
【請求項7】
前記繊維状の第2の層に前記水溶性粒子を供給する工程を更に含む、請求項
6に記載のプロセス。
【請求項8】
前記第1の連続プライウェブベルト側、第2の連続プライウェブベルト側、及び前記第3の連続プライウェブベルト側が、前記第1の層を含む、請求項
6又は
7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記第2の連続プライウェブと前記第1の連続プライウェブとの間に、非カプセル化香料、香料プレミックス、カプセル化香料、界面活性剤、酵素、漂白剤、漂白活性化剤、キレート剤、構造化剤、ビルダ、有機ポリマー化合物、増白剤、色相剤、抑泡剤、コンディショニング剤、湿潤剤、アルカリ性系、pH制御系、緩衝アルカノールアミン、防虫剤、ヘアケア剤、ヘアコンディショニング剤、スキンケア剤、日焼け止め剤、皮膚コンディショニング剤、布地柔軟剤、抗シワ剤、静電気防止剤、布地ケア染み除去剤、汚れ放出剤、分散剤、泡抑制剤、泡増強剤、消泡剤、布地清涼化剤、食器洗浄剤、硬質表面ケア剤、抗微生物剤、抗菌剤、抗真菌剤、漂白活性化剤、キレート剤、ビルダ、ローション、空気ケア剤、カーペットケア剤、移染防止剤、粘土汚れ除去剤、再付着防止剤、ポリマー汚れ放出剤、ポリマー分散剤、アルコキシル化ポリアミンポリマー、アルコキシル化ポリカルボキシレートポリマー、両親媒性グラフトコポリマー、溶解助剤、緩衝系、水柔軟化剤、水硬化剤、pH調整剤、凝集剤、発泡剤、防腐剤、化粧剤、メークアップ除去剤、発泡剤、付着助剤、コアセルベート形成剤、粘土、増粘剤、ラテックス、シリカ、乾燥剤、臭気抑制剤、制汗剤、冷感剤、温感剤、吸収性ゲル剤、抗炎症剤、染料、色相剤、顔料、酸、塩基、液体処理活性剤、農業用活性剤、工業用活性剤、摂取可能な活性剤、薬剤、睡眠補助薬、歯ホワイトニング剤、歯ケア剤、マウスウォッシュ剤、歯周歯肉ケア剤、ダイエット剤、ビタミン、ミネラル、水処理剤、水浄化剤、水殺菌剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される活性剤を塗布する工程を更に含む、請求項1~
8のいずれかに記載のプロセス。
【請求項10】
繊維状の第1の層を供給する工程と、
前記第1の層に面する繊維状の第2の層を供給する工程と、前記第1の層及び前記第2の層が、前記親連続プライウェブを共に形成する工程と、を更に含む、請求項1~
9のいずれかに記載のプロセス。
【請求項11】
フィラメント形成組成物の溶液を供給する工程と、
複数の紡糸口金を備える1つ以上のダイブロックアセンブリに前記フィラメント形成組成物を通過させて、複数の繊維状要素を形成する工程と、
前記複数の繊維状要素を前記機械方向に移動するベルト上に堆積させて、前記親連続プライウェブを形成する工程と、を更に含み、
前記プロセスが、連続プロセスである、請求項1~
10のいずれかに記載のプロセス。
【請求項12】
前記第1の連続プライウェブ及び前記第2の連続プライウェブのうちの1つ以上の上に印刷する工程を更に含む、請求項1~
11のいずれかに記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
多プライ繊維状水溶性単位用量物品及び作製プロセス。
【背景技術】
【0002】
繊維状水溶性単位用量物品に対する消費者の関心がますます高まってきている。このような物品に関連する技術は、消費者が達成しようとする作業を行うことを可能にする物品と共に、所望の活性剤を供給するという面から進化し続けている。
【0003】
消費財の分野において、単に正しい活性剤を送達することが、消費者を満足させるために十分というわけではない。製品の外観及び感触も、多くの場合、消費者意識にとって重要である。
【0004】
繊維状基材は、乾燥用シート、トイレ用品、及び拭き取り用品を含む消費財に歴史的に使用されてきた。このような製品は、製品が使用されるとき、消費者の手又は指の周囲にだらりと垂れ、ひだが寄る傾向がある。このことで、製品を、消費者がきれいに取り扱うことを困難又は不快にしている可能性がある。活性剤を含むかかる製品の場合、消費者の手と活性剤との間の接触を制限することが望ましい場合がある。いくつかの繊維状基材は、一部の消費者が触感的に不十分であると感じる表面質感を有する。更に、活性剤が繊維状基材に担持されるとき、消費者は、活性剤に触れることが不快であると感じる場合がある。
【0005】
物品の個々のプライを互いに結合して、密着した製品を形成する必要があるため、多プライ物品の製造は、困難であり得る。個々の物品のキャリパが物品の表面にわたって変化する場合、多プライ物品を結合及び切断することは困難であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの制限を念頭に置いて、制御されたキャリパを有する繊維状水溶性単位用量物品を作製するためのプロセスに対して、継続的に対処されない必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
水溶性製品を製造するためのプロセスは、水溶性繊維状親連続プライウェブを供給する工程であって、親連続プライウェブが、機械方向と、機械方向に対して直交する横断方向と、機械方向及び横断方向によって画定される平面に対して直交する方向における厚みと、を有し、操作者縁部と駆動縁部との間で横断方向に延在し、駆動縁部及び操作者縁部よりも、操作者縁部と駆動縁部との間でより厚くなっている、親連続プライウェブを供給する工程と、親連続プライウェブを機械方向に切断して、駆動縁部を含む第1の連続プライウェブと、操作者縁部を含む第2の連続プライウェブと、を供給する工程と、操作者縁部及び駆動縁部が、機械方向において、ウェブ積層体の中心線の両側にあるように、第1の連続プライウェブ及び第2の連続プライウェブを重ね合わせて、ウェブ積層体を形成する工程と、ウェブ積層体の部分を切断及び接合して、水溶性製品を形成する工程と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】第1の層及び第2の層を有する第1のプライである。
【
図4】2プライ製品を作製するための製造ラインである。
【
図5】連続プライウェブが粒子を含む、ウェブ積層体の断面図である。
【
図7】親連続プライウェブが多層連続プライウェブである、ウェブ積層体の断面図である。
【
図8】3プライ製品を作製するための製造ラインである。
【
図9】3プライの製品の断面図であり、各プライが多層プライである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
水溶性製品5が、
図1に示される。水溶性製品5は、互いに重ね合わされた水溶性繊維状下部プライ10及び水溶性繊維状上部プライ15を含むことができる。下部プライ10及び上部プライ15は、一体型水溶性製品5を形成するために互いに接合される。水溶性製品5は、約50mg~約30g、任意に約100mg~約20g、任意に約1g~約20gの質量を有することができる。水溶性製品5は、約5mm~約20cm、任意に約1cm~約10cmの長さ及び幅、並びに1mm~約2cm、任意に約2mm~約10mmの厚みを有することができる。
【0010】
本明細書に記載される水溶性繊維状プライのタイプに関して、消費者が製品を使用するとき、だらりと垂れず、十分に剛性である個々のプライを製造することは困難であり得る。水溶性製品は、約1cm2~約100cm2の平面面積を有し得る。繊維状プライの剛性は、プライの厚み、プライを構成する個々の繊維状の強度及び剛性、繊維状間結合の量、繊維状の絡み合いの程度及び性質、並びに繊維状間結合の強度の関数であり得る。本明細書で考察される繊維状プライを構成する繊維状に関して、十分に強固かつ硬い水溶性繊維状を有し、所望の構造で互いに十分に相互結合されかつ絡み合い、かかる繊維状から作製されるプライが、その自重下でだらりと垂れないように互いに結合される、十分に厚いプライを供給することは困難であり得る。
【0011】
多プライ水溶性製品5を供給することは、これらの制限を克服するのに役立ち得る。プライを層化及び接合することによって達成される水溶性製品の増加した厚みは、曲げ軸の周りの慣性モーメントが増加するため、より高い面内曲げ剛性を供給することができる。かかる製品5は、より薄い単一プライ製品と同じようにだらりと垂れない。更に、かかる製品5の増加した厚みは、消費者が把持及び取り扱うことを容易にする。更なる多プライ製品5は、消費者が活性剤と接触しないように活性剤を配置することができる、製品の内部の位置を供給する。
【0012】
水溶性製品5のプライは、消費者が水溶性製品5と相互作用し、プライが作製される原材料に対して後方に作用する形態から始まり、階層的に見ることができる。
【0013】
I.繊維状プライ
A.繊維状構造体
繊維状プライは、繊維状構造体であり得る。繊維状構造体は、1つ以上の繊維状要素を含む。繊維状要素は、互いに関連付けられて構造体を形成することができる。繊維状構造体は、構造体内及び又は構造体上に粒子を含み得る。繊維状構造体は、均質、層状、単一、ゾーン形、又は別様に所望されるとおりであってもよく、異なる活性剤が様々な前述の部分を画定する。
【0014】
繊維状構造体は、1つ以上の層を含むことができ、層は共にプライを形成する。例えば、
図2に示されるように、下部プライ10は、第1の層20及び第2の層25を含むことができる。第1の層20及び第2の層25は、複数の繊維状要素30を含むことができる。下部プライ10は、第1の層20と第2の層25との間の、第1の層20、第2の層25、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される場所において、複数の粒子を含むことができる。複数の層を有するプライは、第1の層20を形成するために識別特性を有する複数の繊維状要素30を堆積させ、次いで、第1の層20の上部上に繊維状要素30の第2の層25を堆積させることによって形成することができる。明確にするために、多層プライについては、層を構成する繊維状の混在があり得る。更に、明確にするために、プライを構成する繊維状の混在があり得る。
【0015】
繊維状構造体は、繊維状要素30の組成上の観点から、同一又は実質的に同一である複数のものを含み得る。任意に、繊維状構造体は、2つ以上の異なる繊維状要素30を含んでもよい。繊維状要素30の相違の非限定的な例は、直径、長さ、テクスチャ、形状、剛性、弾性の相違等の物理的な相違;架橋レベル、溶解度、融点、ガラス転移温度、活性剤、フィラメント形成材料、色、活性剤の濃度、坪量、フィラメント形成材料の濃度、繊維状要素上の任意のコーティングの存在、生分解性であるか否か、疎水性であるか否か、接触角などの化学的な相違;意図される使用条件に繊維状要素30が曝されたときに、繊維状要素がその物理的構造を失うかどうかの相違;意図される使用条件に繊維状要素30が曝されたときに、繊維状要素30の形態が変化するかどうかの相違;及び意図される使用条件に繊維状要素30が曝されたときに、繊維状要素30がその活性剤のうちの1つ以上を放出する速度の相違であり得る。一実施例では、繊維状構造体内の2つ以上の繊維状要素30及び/又は粒子は、異なる活性剤を含んでもよい。
【0016】
繊維状構造体は、坪量の異なる領域、密度及び/又はキャリパ、表面質感、繊維状構造体のパターン、エンボスパターン、開口、パターン内の開口などの異なる領域を呈し得る。
【0017】
本発明の繊維状構造体の使用の非限定的な例としては、限定されるものではないが、洗濯機、乾燥機内で使用される溶解可能及び/又は溶融可能な基材、洗浄及び/又は研磨のための硬質表面の処理、基材を洗浄及び/又は研磨するための床の処理、皮膚を処理するため、防虫剤を適用するため、水泳プールを処理するため、息清涼剤、脱臭剤として、創傷包帯として、薬剤送達のため、スキンケア基材、ヘアケア基材、空気ケア基材、水処理基材及び/又はフィルタ、便器洗浄基材、キャンディ基材、歯ホワイトニング基材、カーペット洗浄基材、及び本発明の活性剤の他の好適な使用が挙げられる。
【0018】
本発明の繊維状構造体は、そのまま使用されてもよく、又は1つ以上の活性剤でコーティングされてもよい。
【0019】
B.繊維状要素
繊維状要素30は、水溶性であってもよい。繊維状要素30は、1つ以上のフィラメント形成材料、1つ以上の活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される構成材料を含み得る。活性剤は、意図される使用条件に繊維状要素30及び/又は繊維状要素30を含む繊維状構造体が曝されたときなどに、繊維状要素30から放出可能であり得る。
【0020】
繊維状要素30は、乾燥繊維状要素基準及び/又は乾燥繊維状構造体基準で、約5重量%~約100%重量%の1つ以上のフィラメント形成材料を含むことができる。繊維状要素30は、乾燥繊維状要素基準及び/又は乾燥繊維状構造体基準で約5重量%~約100重量%の1つ以上のフィラメント形成材料と、乾燥繊維状要素基準及び/又は乾燥繊維状構造体基準で約5重量%~約95重量%の1つ以上の活性剤を含むことができる。
【0021】
繊維状要素30は、乾燥繊維状要素基準及び/又は乾燥繊維状構造体基準で約50重量%超の1つ以上のフィラメント形成材料と、乾燥繊維状要素基準及び/又は乾燥繊維状構造体基準で約50重量%未満の1つ以上の活性剤を含むことができる。
【0022】
繊維状要素30は、乾燥繊維状要素基準及び/又は乾燥繊維状構造体基準で約50重量%未満の1つ以上のフィラメント形成材料と、乾燥繊維状要素基準及び/又は乾燥繊維状構造体基準で約50重量%超の1つ以上の活性剤を含むことができる。
【0023】
繊維状要素30は、意図される使用条件に繊維状要素及び/又は繊維状要素を含む繊維状構造体が曝されたときに、繊維状要素から放出可能である、及び/又は放出される、酵素、漂白剤、ビルダ、キレート剤、感覚惹起剤、分散剤、香料、抗微生物剤、抗菌剤、抗真菌剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上のフィラメント形成材料及び1つ以上の活性剤を含むことができる。
【0024】
繊維状要素30は、メルトブローン繊維状要素30、スパンボンド繊維状要素30、中空繊維状要素30などであってもよい。繊維状要素30は、親水性又は疎水性であり得る。繊維状要素30は、繊維状要素固有の親水性又は疎水性を変化させるために、表面処理及び/又は内部処理されてもよい。繊維状要素30は、本明細書に記載の直径試験法に従って測定したとき、約100μm未満、及び/又は約75μm未満、及び/又は約50μm未満、及び/又は約25μm未満、及び/又は約10μm未満、及び/又は約5μm未満、及び/又は約1μm未満の直径を有することができる。繊維状要素30は、本明細書に記載の直径試験方法に従って、約1μm~約500μm、任意に約1μm~約100μm、任意に約1μm~約50μm、任意に約1μm~約30μm、任意に約5μm~約15μm、任意に約7μm~約15μmの直径を有することができる。繊維状要素30は、本明細書に記載の直径試験法に従って測定したとき、約1μm超の直径を有することができる。直径が小さいほど、活性剤の放出速度及び繊維状要素30の物理的構造の損失速度及び/又は変化率が速くなる。
【0025】
繊維状要素30は、繊維状要素内の活性剤、及び繊維状要素30上の活性剤コーティングなどの繊維状要素30の外側表面上の活性剤を含み得る。繊維状要素30の外側表面上の活性剤は、繊維状要素30中に存在する活性剤と同じであってもよく、又はこれと異なっていてもよい。異なる場合は、活性剤は互いに相溶性であってもよく、又は非相溶性であってもよい。
【0026】
1つ以上の活性剤は、繊維状要素30全体に均一に分布又は実質的に均一に分布していてもよい。1つ以上の活性剤は、繊維状要素30内に離散領域として分布してもよい。活性剤は、繊維状要素30全体に均一に又は実質的に均一に分布し得、少なくとも1つの他の活性剤は、繊維状要素30内に1つ以上の分離した領域として分布する。任意に、少なくとも1つの活性剤は、繊維状要素30内に1つ以上の分離した領域として分布し、少なくとも1つの他の活性剤は、繊維状要素30内に第1の分離した領域とは異なる1つ以上の分離した領域として分布する。
【0027】
C.フィラメント形成材料
フィラメント形成材料は、紡糸プロセスなどによってフィラメントを製造するのに好適な特性を呈するポリマー又はポリマーを製造することができるモノマーなど、任意の好適な材料である。フィラメント形成材料は、アルコール可溶性材料及び/又は水溶性材料などの極性溶媒可溶性材料を含んでもよく、これは水の使用を含む製品用途に有益であり得る。
【0028】
フィラメント形成材料は、非極性溶媒可溶性材料を含んでもよい。
【0029】
フィラメント形成材料は、水溶性材料を含んでもよく、非水溶性材料を含まなくてもよい(乾燥繊維状要素基準及び/又は乾燥繊維状構造体基準で5重量%未満、及び/又は3重量%未満、及び/又は1重量%未満及び/又は0重量%)。
【0030】
フィラメント形成材料は、エチレン性不飽和性カルボン酸モノマー及びエチレン性不飽和モノマーなどのアクリルモノマーから誘導されたポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルムアミド、ポリビニルアミン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、アクリル酸及びメチルアクリルレートのコポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、デンプン及びデンプン誘導体、プルラン、ゼラチン、セルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースカルボキシメチルセルロース)からなる群から選択されるポリマーを含み得る。
【0031】
フィラメント形成材料は、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、デンプン、デンプン誘導体、セルロース誘導体、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、タンパク質、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キトサン、キトサン誘導体、ポリエチレングリコール、テトラメチレンエーテルグリコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含んでもよい。
【0032】
フィラメント形成材料は、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、トラガカントガム、グアーガム、アカシアガム、アラビアガム、ポリアクリル酸、メチルメタクリレートコポリマー、カルボキシビニルポリマー、デキストリン、ペクチン、キチン、レバン、エルシナン、コラーゲン、ゼラチン、ゼイン、グルテン、大豆タンパク質、カゼイン、ポリビニルアルコール、カルボキシル化ポリビニルアルコール、スルホン化ポリビニルアルコール、デンプン、デンプン誘導体、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、タンパク質、キトサン、キトサン誘導体、ポリエチレングリコール、テトラメチレンエーテルグリコール、ヒドロキシメチルセルロース、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含み得る。
【0033】
1.水溶性材料
水溶性材料の非限定的な例には、水溶性ポリマーが含まれる。水溶性ポリマーは合成物であっても又は天然由来であってもよく、かつ化学的に及び/又は物理的に修飾されてもよい。
【0034】
水溶性ポリマーの非限定的な例としては、水溶性ヒドロキシルポリマー、水溶性熱可塑性ポリマー、水溶性生分解性ポリマー、水溶性非生分解性ポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。水溶性ポリマーは、ポリビニルアルコールを含んでもよい。別の例では、水溶性ポリマーは、デンプンを含んでもよい。水溶性ポリマーは、ポリビニルアルコール、及びデンプンを含んでもよい。水溶性ポリマーは、カルボキシメチルセルロースを含んでもよい。ポリマーは、カルボキシメチルセルロース及びポリビニルアルコールを含んでもよい。
【0035】
a.水溶性ヒドロキシルポリマー
本発明による水溶性ヒドロキシルポリマーの非限定的な例としては、ポリオール、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、ポリビニルアルコールコポリマー、デンプン、デンプン誘導体、デンプンコポリマー、キトサン、キトサン誘導体、キトサンコポリマー、セルロース誘導体、例えば、セルロースエーテル及びエステル誘導体、セルロースコポリマー、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、ヘミセルロースコポリマー、ガム、アラビナン、ガラクタン、タンパク質及び他の多様な多糖類、並びにこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0036】
本明細書におけるポリビニルアルコールは、その特性を改質するために他のモノマーによりグラフトすることができる。広範なモノマーをポリビニルアルコールにグラフトすることに成功している。このようなモノマーの非限定的な例としては、酢酸ビニル、スチレン、アクリルアミド、アクリル酸、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリロニトリル、1,3-ブタジエン、メチルメタクリレート、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、メチルアリルスルホン酸ナトリウム、フェニルアリルエーテルスルホン酸ナトリウム、フェニルメタアリルエーテルスルホン酸ナトリウム、2-アクリルアミド-メチルプロパンスルホン酸(acrylamido-methyl propane sulfonic acid、AMP)、塩化ビニリデン、塩化ビニル、ビニルアミン、及び様々なアクリレートエステルが挙げられる。
【0037】
一実施例では、水溶性ヒドロキシルポリマーは、ポリビニルアルコール、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物からなる群から選択される。好適なポリビニルアルコールの非限定的な例としては、Sekisui Specialty Chemicals America,LLC(Dallas,Tex.)から商標名CELVOL(登録商標)として市販されているものが挙げられる。好適なポリビニルアルコールの他の非限定例としては、Nippon Ghoseiより市販されているG Polymerが挙げられる。好適なヒドロキシプロピルメチルセルロースの非限定例にとしては、上記のポリビニルアルコールとの組み合わせを含む、Dow Chemical Company(Midland,Mich.)から商標METHOCEL(登録商標)で市販されているものが挙げられる。
【0038】
b.水溶性熱可塑性ポリマー
好適な水溶性熱可塑性ポリマーの非限定的な例としては、熱可塑性デンプン及び/又はデンプン誘導体、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリカプロラクトン、ポリエステルアミド、及び特定のポリエステル、並びにこれらの混合物が挙げられる。水溶性熱可塑性ポリマーは、親水性又は疎水性であってもよい。水溶性熱可塑性ポリマーは、熱可塑性ポリマー固有の親水性若しくは疎水性を変化させるために、表面処理及び/又は内部処理され得る。水溶性熱可塑性ポリマーは、生分解性ポリマーを含んでもよい。熱可塑性ポリマーのために任意の好適な重量平均分子量を使用してもよい。例えば、本発明による熱可塑性ポリマーの重量平均分子量は、約10,000g/モル超、及び/又は約40,000g/モル超、及び/又は約50,000g/モル超、及び/又は約500,000g/モル未満、及び/又は約400,000g/モル未満、及び/又は約200,000g/モル未満であり得る。
【0039】
D.活性剤
活性剤は、例えば、繊維状要素及び/又は粒子及び/又は繊維状構造体の外部の環境に利益をもたらす等、繊維状要素及び/又は粒子及び/又は繊維状構造体自体以外の何かに利益をもたらすように設計及び意図される添加剤の部類である。活性剤は、以下からなる群から選択されてもよい:パーソナルクレンジング及び/又はコンディショニング剤、例えば、ヘアケア剤(例えば、シャンプー剤及び/又は染毛剤)、ヘアコンディショニング剤、スキンケア剤、日焼け止め剤、及びスキンコンディショニング剤;洗濯物ケア及び/又はコンディショニング剤、例えば、布地ケア剤、布地コンディショニング剤、布地柔軟剤、布地シワ防止剤、布地ケア静電気防止剤、布地ケア染み除去剤、汚れ放出剤、分散剤、発泡抑制剤、発泡促進剤、消泡剤、及び布地清涼化剤;液体及び/又は粉末食器洗浄剤(食器手洗い及び/又は自動食器洗浄機用)、硬質表面ケア剤及び/又はコンディショニング剤及び/又は研磨剤;他の洗浄及び/又はコンディショニング剤、例えば、抗微生物剤、抗菌剤、抗真菌剤、布地色相剤、香料、漂白剤(例えば、酸素漂白剤、過酸化水素、過炭酸塩漂白剤、過ホウ酸塩漂白剤、塩化物漂白剤)、漂白活性化剤、キレート剤、ビルダ、ローション、増白剤、空気ケア剤、カーペットケア剤、転染阻害剤、粘土汚れ除去剤、再付着防止剤、高分子汚れ放出剤、高分子分散剤、アルコキシ化ポリアミンポリマー、アルコキシ化ポリカルボキシレートポリマー、両親媒性グラフトコポリマー、溶解助剤、緩衝系、水軟化剤、水硬化剤、pH調整剤、酵素、凝集剤、発泡剤、防腐剤、化粧剤、メークアップ除去剤、起泡剤、付着助剤、コアセルベート形成剤、粘土、増粘剤、ラテックス、シリカ、乾燥剤、臭気制御剤、制汗剤、冷却剤、加温剤、吸収性ゲル剤、抗炎症剤、染料、顔料、酸、及び塩基;液体処理活性剤;農業用活性剤;工業用活性剤;摂取可能な活性剤、例えば、医薬剤、歯ホワイトニング剤、歯ケア剤、洗口剤、歯周歯肉ケア剤、可食性剤、ダイエット剤、ビタミン、ミネラル;水処理剤、例えば、水浄化剤及び/又は水殺菌剤、並びにこれらの混合物。
【0040】
1.界面活性剤
好適な界面活性剤の非限定的な例としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双極性イオン界面活性剤、両性界面活性剤、及びこれらの混合物が挙げられる。共界面活性剤はまた、繊維状要素30及び/又は粒子に含まれてもよい。洗濯洗浄剤及び/又は食器洗浄剤としての使用に設計されている繊維状要素30及び/又は粒子に関して、界面活性剤の総濃度は、染み及び/又は臭気除去を含む洗浄を供給するのに十分であるべきであり、一般的に約0.5%~約95%の範囲である。更に、洗濯洗浄剤及び/又は食器洗浄剤用の繊維状要素30及び/又は粒子で使用するために設計されている2つ以上の界面活性剤を含む界面活性剤系は、全アニオン性界面活性剤系、アニオン性及び非イオン性界面活性剤の混合物を含む混合物系界面活性剤系、又は非イオン性-カチオン性界面活性剤の混合物又は低発泡性非イオン性界面活性剤を含んでもよい。本明細書に記載の界面活性剤は、直鎖又は分岐鎖であってもよい。1つの例では、好適な直鎖界面活性剤としては、例えばココヤシ油、パーム核油、大豆油、又は他の野菜系油など、農業化学油由来のものが挙げられる。
【0041】
2.香料
1つ以上の香料及び/又は香料の原材料、例えば調和剤及び/又はノートは、本発明の1つ以上の繊維状要素30及び/又は粒子に組み込まれてもよい。香料は、アルデヒド香料成分、ケトン香料成分、エステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される香料成分を含んでもよい。オレンジ油、レモン油、バラ抽出物、ラベンダー、ムスク、パチョリ、バルサムエキス、サンダルウッド油、パイン油、シーダーなどの成分の複雑な混合物を含むことができる様々な天然の抽出物及びエキスも挙げられる。1つの例では、完成した香料は、典型的には、乾燥フィラメント基準及び/又は乾燥粒子基準及び/又は乾燥繊維状構造体基準で、約0.01重量%~約2重量%を含む。
【0042】
香料は、香料送達材料によって送達され得る。香料送達系は、ポリマー支援型送達系であり得る。この香料送達技術は、香料材料を送達するためにポリマー材料を使用する。古典的なコアセルベーション、水溶性又は部分水溶性から水不溶性の荷電又は中性ポリマー、液晶、ホットメルト、ヒドロゲル、香料付与プラスチック、カプセル化香料、ナノ-及びマイクロラテックス、ポリマー性フィルム形成剤、及びポリマー吸収剤、ポリマー吸着剤等が、いくつかの例である。ポリマー支援型送達系は、芳香剤がポリマーマトリックス又は粒子中に溶解又は分散されるマトリックス系であり得る。
【0043】
香料送達系は、カプセル体であり得る。カプセル化香料は、香料であるコアと、カプセル壁であるシェルと、を含む。カプセル体は、感圧性カプセル体であってもよい。
【0044】
香料送達系は、繊維状支援型送達系であり得る。香料は、繊維状の表面上に充填される、及び若しくは貯蔵されてもよく、又は繊維状に吸収され得る。使用時、香料は、繊維状から放出され得る。
【0045】
香料送達系は、アミン支援型送達系であり得る。アミン支援型送達系は、香料の蓄積量を増加させるか又は製品の使用中の香料放出を変化させるためにアミン基を有する材料を含むことができる。本明細書で使用するのに好適なアミン支援型送達系材料は、非芳香族であってもよく、例えば、ポリエチレンイミン(polyethyleneimine、PEI)若しくはポリビニルアミン(polyvinylamine、PVAm)等のポリアルキルイミン又は芳香族、例えばアントラニレートであり得る。このような材料は、ポリマーであってもよく、又は非ポリマーであってもよい。一態様では、このような材料は、少なくとも1つの第1級アミンを含有する。
【0046】
香料送達系は、シクロデキストリン送達系であり得る。この技術のアプローチは、香料の送達を改善するために環状オリゴ糖又はシクロデキストリンを使用する。典型的に、香料とシクロデキストリンとの複合体を形成する。
【0047】
香料送達系は、デンプンカプセル化アコードであり得る。この技術は、デンプンなどの成分を添加することによって固体に変換された液体香料を用いる。
【0048】
香料送達系は、無機担体送達系であり得る。このような系では、香料は、無機担体、例えば、ゼオライト、多孔質ゼオライト、又は他の無機材料に充填される。
【0049】
香料送達系は、プロ香料であり得る。この技術は、担体に共有結合した香料を含む。プロ香料は、アミン反応生成物であり得る。すなわち、1つ以上の香料原料と反応してアミン反応生成物を形成するポリマーアミンである。
【0050】
3.抗微生物剤、抗菌剤、及び抗真菌剤
活性剤は、抗微生物剤、抗菌剤、抗真菌剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0051】
4.漂白剤
本発明の繊維状要素30及び/又は粒子は、1つ以上の漂白剤を含んでもよい。好適な漂白剤の非限定的な例としては、ペルオキシ酸、過ホウ酸塩、過炭酸塩、塩素系漂白剤、過酸素系漂白剤、過カルボン酸系漂白剤及びその塩、酸素系漂白剤、過硫酸塩系漂白剤、次亜ハロゲン酸系漂白剤、漂白剤前駆体、漂白活性剤、漂白触媒、過酸化水素、漂白促進剤、光漂白剤、漂白性酵素、フリーラジカル開始剤、過酸素系漂白剤、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0052】
本発明の繊維状要素30及び/又は粒子に含まれ得る1つ以上の漂白剤は、乾燥繊維状要素基準、及び/又は乾燥粒子基準、及び/又は乾燥繊維状構造体基準で約0.05重量%~約30重量%、及び/又は約1重量%~約20重量%の濃度で含まれ得る。存在する場合には、漂白活性剤は、乾燥繊維状要素基準、及び/又は乾燥粒子基準、及び/又は乾燥繊維状構造体基準で約0.1重量%~約60重量%、及び/又は約0.5重量%~約40重量%の濃度で本発明の繊維状要素30及び/又は粒子に存在してもよい。
【0053】
5.移染防止剤
繊維状要素30及び/又は粒子は、1つ以上の移染防止剤を含んでもよい。好適なポリマー移染防止剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN-オキシドポリマー、N-ビニルピロリドン及びN-ビニルイミダゾールのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン、並びにポリビニルイミダゾール、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。移染防止剤は、乾燥繊維状要素基準、及び/又は乾燥粒子基準、及び/又は乾燥繊維状構造体基準で、約0.0001%~約10%、約0.01%~約5%、又は更には約0.1%~約3重量%の濃度で、本発明の繊維状要素30、及び/又は粒子、及び/又は繊維状構造体製品に存在してもよい。
【0054】
6.増白剤
本発明の繊維状要素30及び/又は粒子は、増白剤、例えば、蛍光増白剤などの活性剤を含有してもよい。かかる増白剤は、洗浄される物品に薄い色を付けてもよい。繊維状要素30及び/又は粒子は、アルファ-結晶形態のC.I.蛍光増白剤260を含んでもよい。
【0055】
7.色相剤
組成物は、色相剤を含んでもよい。好適な色相剤としては、染料、染料-粘土複合体、及び顔料が挙げられる。好適な染料としては、低分子染料及びポリマー染料が挙げられる。好適な小分子染料としては、ダイレクトブルー、ダイレクトレッド、ダイレクトバイオレット、アシッドブルー、アッシドレッド、アッシドバイオレット、ベーシックブルー、ベーシックバイオレット及びベーシックレッド、又はこれらの混合物の色指数(Colour Index、C.I.)分類に区分される染料からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。
【0056】
別の態様では、好適な小分子染料には、カラーインデックス(Society of Dyers and Colourists(Bradford,UK))番号で、ダイレクトバイオレット9、ダイレクトバイオレット35、ダイレクトバイオレット48、ダイレクトバイオレット51、ダイレクトバイオレット66、ダイレクトバイオレット99、ダイレクトブルー1、ダイレクトブルー71、ダイレクトブルー80、ダイレクトブルー279、アシッドレッド17、アシッドレッド73、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドバイオレット15、アシッドバイオレット17、アシッドバイオレット24、アシッドバイオレット43、アシッドレッド52、アシッドバイオレット49、アシッドバイオレット50、アシッドブルー15、アシッドブルー17、アシッドブルー25、アシッドブルー29、アシッドブルー40、アシッドブルー45、アシッドブルー75、アシッドブルー80、アシッドブルー83、アシッドブルー90、及びアシッドブルー113、アシッドブラック1、ベーシックバイオレット1、ベーシックバイオレット3、ベーシックバイオレット4、ベーシックバイオレット10、ベーシックバイオレット35、ベーシックブルー3、ベーシックブルー16、ベーシックブルー22、ベーシックブルー47、ベーシックブルー66、ベーシックブルー75、ベーシックブルー159並びにこれらの混合物からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。別の態様では、好適な小分子染料には、カラーインデックス(Society of Dyers and Colourists(Bradford,UK))番号で、アシッドバイオレット17、アシッドバイオレット43、アシッドレッド52、アシッドレッド73、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドブルー25、アシッドブルー29、アシッドブルー45、アシッドブルー113、アシッドブラック1、ダイレクトブルー1、ダイレクトブルー71、ダイレクトバイオレット51、及びこれらの混合物からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。別の一態様において、好適な小分子染料には、カラーインデックス(Society of Dyers and Colourists(Bradford,UK))番号で、アシッドバイオレット17、ダイレクトブルー71、ダイレクトバイオレット51、ダイレクトブルー1、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドブルー29、アシッドブルー113、又はこれらの混合物からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。
【0057】
活性剤は、顔料であってもよい。好適な顔料としては、フラバントロン、インダントロン、1~4個の塩素原子を含有する塩素化インダントロン、ピラントロン、ジクロロピラントロン、モノブロモジクロロピラントロン、ジブロモジクロロピラントロン、テトラブロモピラントロン、ペリレン-3,4,9,10-テトラカルボン酸ジイミド(イミド基は、非置換であっても、C1~C3-アルキル若しくはフェニル若しくは複素環式ラジカルによって置換されていてもよく、これらのフェニル及び複素環式ラジカルは、水溶性を付与しない置換基を更に有してもよい)、アントラピリミジンカルボン酸アミド、ビオラントロン、イソビオラントロン、ジオキサジン顔料、1分子あたり最大2個の塩素原子を含有し得る銅フタロシアニン、1分子あたり最大14個の臭素原子を含有するポリクロロ-銅フタロシアニン又はポリブロモクロロ-銅フタロシアニン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される顔料が挙げられ得る。
【0058】
好適な顔料としては、ウルトラマリンブルー(C.I.ピグメントブルー29)、ウルトラマリンバイオレット(C.I.ピグメントバイオレット15)、及びこれらの混合物からなる群から選択される顔料が挙げられる。
【0059】
8.酵素
1つ以上の酵素が、本発明の繊維状要素30及び/又は粒子中に存在してもよい。好適な酵素の非限定的な例としては、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、マンナナーゼ及びエンドグルカナーゼを含むカルボヒドラーゼ、ペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、キシラナーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ(penosanase)、マラナーゼ、グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0060】
本発明の繊維状要素30及び/又は粒子中に存在するとき、酵素は、「洗浄に有効な量」を供給するのに十分な濃度で存在し得る。「洗浄に有効な量」という用語は、基材、例えば布地、食器類、床材、陶磁器、金属表面などに対して、洗浄、染み除去、汚れ除去、増白、脱臭、又は洗いたて感の改善効果を生じることが可能な量を指す。現在の市販製剤に関する実際の問題として、活性酵素の典型的な量は、本発明の繊維状要素及び/又は粒子1グラム当たり、重量で最高約5mgまで、更に典型的には、0.01mg~3mgである。別様に述べると、本発明の繊維状要素30及び/又は粒子は、典型的には、乾燥繊維状要素基準、及び/又は乾燥粒子基準、及び/又は乾燥繊維状構造体基準で約0.001重量%~約5重量%、及び/又は約0.01重量%~約3重量%、及び/又は約0.01重量%~約1重量%を構成する。
【0061】
繊維状要素及び/又は粒子が製造された後、1つ以上の酵素が繊維状要素及び/又は粒子に適用されてもよい。
【0062】
酵素が本発明の繊維状要素30及び/又は粒子中に存在するとき、酵素安定剤系もまた、繊維状要素30及び/又は粒子中に含まれてもよい。酵素は、様々な技術によって安定化させることができる。
【0063】
9.熱形成剤
本発明の繊維状要素30及び/又は粒子は、熱形成剤を含有し得る。熱形成剤は、水及び/又は酸素の存在下(例えば、空気中の酸素など)で熱が発生し、それによって、水及び/又は酸素の存在下で繊維状構造体の分解速度を加速し、繊維状要素内の1つ以上の活性物質の効率を向上するために配合される。熱形成剤は、繊維状構造体からの1つ以上の活性物質の放出速度を加速するために使用することができる。熱形成剤は、酸素(すなわち、空気中の酸素、水中の酸素など)及び/又は水に曝されたとき、発熱反応が起きるように配合され得る。繊維状構造体に使用され得る非限定的な熱形成剤としては、電解質塩(例えば、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、塩化第二銅、塩化第一銅、硫酸鉄、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化マンガン、硫酸マンガン、塩化カリウム、硫酸カリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸カリウムなど)、グリコール(例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなど)、石灰(例えば、生石灰、消石灰など)、金属(例えば、クロム、銅、鉄、マグネシウム、マンガンなど)、酸化金属(例えば、酸化アルミニウム、酸化鉄など)、ポリアルキレンアミン、ポリアルキレンイミン、ポリビニルアミン、ゼオライト、グリセリン、1,3,プロパンジオール、ポリソルベートエステル(例えば、Tweens20、60、85、80)、及び/又はポリグリセロールエステル(例えば、Noobe,Drewpol and Drewmulze(Stepan))が挙げられる。熱形成剤は、1つ以上の材料から形成され得る。例えば、硫酸マグネシウムは、単独で熱形成剤を形成し得る。別の非限定的な例では、約2~25重量パーセントの活性炭、約30~70重量パーセントの鉄粉末及び約1~10重量パーセントの金属塩の組み合わせで、熱形成剤を形成し得る。理解されるように、他の材料又は更なる材料が、単独又は他の材料と共に使用され、熱形成剤が形成され得る。
【0064】
10.分解促進剤
本発明の繊維状要素30及び/又は粒子は、水及び/又は酸素の存在下で繊維状構造体が分解する速度を加速するための分解促進剤を含有し得る。使用されるとき、分解促進剤は、概して、水及び/又は酸素に曝されたときにガスを放出するように設計され、繊維状構造体周辺の領域を揺動して、繊維状構造体の担体フィルムの分解を促進させる。使用されるとき、分解促進剤はまた、又は代替的に、繊維状構造体からの1つ以上の活性物質の放出速度を加速するために使用することができる。分解促進剤としては、限定するものではないが、アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)、アルカリ金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなど)、炭酸アンモニウムなどの1つ以上の材料が挙げられ得る。使用されるとき、繊維状構造体中に含まれ得る活性剤の非限定的な例としては、有機酸(例えば、ヒドロキシ-カルボン酸[クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸など]、飽和脂肪族カルボン酸[酢酸、コハク酸など]、不飽和脂肪族カルボン酸[例えば、フマル酸など]が挙げられ得る。
【0065】
E.活性剤の放出
繊維状要素及び/又は粒子及び/又は繊維状構造体が誘発条件に曝されたとき、繊維状要素及び/又は粒子及び/又は繊維状構造体から1つ以上の活性剤が放出され得る。活性剤は、繊維状要素及び/又は繊維状構造体から放出されてもよく、又はその一部は、その物理的構造を失い(例えば、溶解、溶融)、その物理的構造を変化させる(例えば、膨張、収縮、伸長、短縮)。活性剤は、繊維状構造体又はその一部が形態変化するときに放出され得る。
【0066】
繊維状要素及び/又は粒子及び/又は繊維状構造体は、上述のとおり繊維状要素及び/又は粒子及び/又は繊維状構造体のアイデンティティを失わせるか又は変化させることによってなど、繊維状要素及び/又は粒子及び/又は繊維状構造体が活性剤を放出させる誘発条件に曝されている際に、活性剤を放出し得る。誘発条件の非限定的な例としては、溶媒、極性溶媒(アルコール及び/若しくは水など)、並びに/又は非極性溶媒に繊維状要素、並びに/又は粒子、及び/若しくは繊維状構造体を曝すこと(これは、フィラメント形成材料が、極性溶媒可溶性材料及び/若しくは非極性溶媒可溶性材料を含むかどうかに依存して、逐次行ってもよい);繊維状要素及び/若しくは粒子並びに/又は繊維状構造体を熱及び/若しくは摩擦に曝すこと、かつ/あるいは繊維状構造体製品を用いて布地物品上の染みを前処理し、繊維状構造体製品を水と接触させることによって洗浄液を形成すること;乾燥機内で繊維状構造体製品を回転させること;乾燥機内で繊維状構造体製品を加熱すること;並びに及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0067】
F.フィラメント形成組成物
本発明の繊維状要素30は、フィラメント形成組成物から作製される。フィラメント形成組成物は、極性溶媒系組成物であり得る。一実施例では、フィラメント形成組成物は、1つ以上のフィラメント形成材料及び1つ以上の活性剤を含む水溶性組成物である。
【0068】
本発明のフィラメント形成組成物は、本明細書に記載される剪断粘度試験法に従って測定したとき、3,000秒-1の剪断速度及び加工温度(50℃~100℃)における測定で、約1パスカル秒~約25パスカル秒、及び/又は約2パスカル秒~約20パスカル秒、及び/又は約3パスカル秒~約10パスカル秒の剪断粘度を有し得る。フィラメント形成組成物は、フィラメント形成組成物から繊維状要素30を作製するとき、約25℃~約100℃、及び/又は約65℃~約95℃、及び/又は約70℃~約90℃の温度で処理してもよい。
【0069】
一実施例では、フィラメント形成組成物は、少なくとも20重量%、及び/又は少なくとも30重量%、及び/又は少なくとも40重量%、及び/又は少なくとも45重量%、及び/又は少なくとも50重量%~約90重量%まで、及び/又は約85重量%まで、及び/又は約80重量%まで、及び/又は約75重量%までの1つ以上のフィラメント形成材料、1つ以上の活性剤、及びこれらの混合物を含み得る。フィラメント形成組成物は、約10重量%~約80%の極性溶媒、例えば水を含んでいてもよい。
【0070】
繊維状要素の紡糸プロセスでは、繊維状要素30は、紡糸用ダイを出るときに初期安定性を有する必要がある。毛管数は、この初期安定性基準を特徴付けるために使用される。ダイ条件において、毛管数は、約0.5~約10、少なくとも1、及び/又は少なくとも3、及び/又は少なくとも4、及び/又は少なくとも5であり得る。
【0071】
一実施例では、フィラメント形成組成物は、フィラメント形成組成物が繊維状要素に有効にポリマー加工され得るように、約1~約50、及び/又は約3~約50、及び/又は約5~約30及び/又は約0.5~約20、及び/又は約9~約15、及び/又は約15~約20の毛管数を呈する。
【0072】
本明細書で使用するとき、「ポリマー加工」は、加工されたフィラメント形成材料を含む繊維状要素が、フィラメント形成組成物から形成される、任意の紡糸操作及び/又は紡糸プロセスを意味する。紡糸操作及び/又はプロセスは、スパンボンド、メルトブローン、エレクトロスピニング、回転紡糸、連続フィラメント製造、及び/又はトウ繊維状製造操作/プロセスを含んでもよい。本明細書で使用されるとき、「処理されたフィラメント形成材料」は、溶融処理作業、及びその後のポリマー処理作業を受け、結果として繊維状要素となった、任意のフィラメント形成材料を意味する。
【0073】
毛管数は、この液滴の破断の可能性を特徴付けるために使用される無次元数である。大きい毛管数は、ダイを出る際の流体安定性がより大きいことを示す。毛管数、caは、以下のように定義される:
【0074】
【数1】
式中、Vは、ダイ出口における平均流体速度(時間当たりの長さの単位)であり、ηは、ダイの出口条件における流体粘度(長さ×時間当たりの質量単位)であり、σは、流体の表面張力(時間
2当たりの質量単位)である。
【0075】
一実施例では、フィラメント形成組成物は、1つ以上の剥離剤及び/又は潤滑剤を含み得る。好適な離型剤及び/又は潤滑剤の非限定的な例としては、脂肪酸、脂肪酸塩、脂肪族アルコール、脂肪族エステル、スルホン化脂肪酸エステル、脂肪族アミンアセテート、及び脂肪酸アミド、シリコーン、アミノシリコーン、フルオロポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0076】
一例では、フィラメント形成組成物は、1つ以上のブロッキング防止剤及び/又は粘着性除去剤を含み得る。好適なブロッキング防止剤及び/又は粘着性除去剤の非限定例としては、デンプン、加工デンプン、架橋ポリビニルピロリドン、架橋セルロース、微結晶セルロース、シリカ、金属酸化物、炭酸カルシウム、タルク及び雲母が挙げられる。
【0077】
本発明の活性剤は、繊維状要素形成前に及び/又は繊維状要素形成中にフィラメント形成組成物に添加してもよく、並びに/又は繊維状要素形成後に繊維状要素に添加してもよい。例えば、本発明に従って繊維状要素及び/又は繊維状要素を含む繊維状構造体を形成した後に、香料活性剤を繊維状要素及び/又は繊維状構造体に適用してもよい。別の例では、本発明に従って繊維状要素及び/又は繊維状要素を含む繊維状構造体を形成した後に、酵素活性剤を繊維状要素及び/又は繊維状構造体に適用してもよい。更に別の例では、本発明に従って繊維状要素及び/又は繊維状要素を含む繊維状構造体を形成した後に、(繊維状要素を作製するための紡糸プロセスを通過するのに好適でなくともよい)1つ以上の粒子を繊維状要素及び/又は繊維状構造体に適用してもよい。
【0078】
G.伸長助剤
1つの例では、繊維状要素は、伸張助剤を含む。伸長助剤の非限定的な例としては、ポリマー、他の伸長助剤、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。高分子量の伸長助剤は、伸長融解粘度を増加させ、かつ融解破壊を低減する能力を有するので、使用されることができる。
【0079】
伸長助剤は、メルトブロープロセスにおいて使用する場合、紡糸プロセス中の繊維の融解破壊及び毛管破壊を明らかに低減するのに有効な量で本発明の組成物に添加され、比較的一貫した直径を有する実質的に連続的な繊維を融解紡糸することができるようにする。伸長助剤は、1つの例では、乾燥繊維状要素基準及び/又は乾燥粒子基準及び/又は乾燥繊維状構造体基準で約0.001重量%~約10重量%、別の例では、乾燥繊維状要素基準及び/又は乾燥粒子基準及び/又は乾燥繊維状構造体基準で約0.005重量%~約5重量%、更に別の例では、乾燥繊維状要素基準及び/又は乾燥粒子基準及び/又は乾燥繊維状構造体基準で約0.01重量%~約1重量%、別の例では、乾燥繊維状要素基準及び/又は乾燥粒子基準及び/又は乾燥繊維状構造体基準で約0.05重量%~約0.5重量%で存在し得る。
【0080】
伸長助剤として使用することができるポリマーの非限定的な例としては、アルギン酸塩、カラギーナン、ペクチン、キチン、グアーガム、キサンタンガム、アガー、アラビアゴム、カラヤゴム、トラガカントガム、ローカストビーンガム、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、及びこれらの混合物を挙げることができる。他の伸長助剤の非限定的な例としては、修飾及び非修飾ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリエチレンイミン、ポリアミド、ポリアルキレンオキシド(ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンプロピレンオキシドを含む)、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0081】
H.繊維状要素及びプライを作製するための方法
繊維状要素30及び繊維状要素から形成されたプライは、任意の好適なプロセスによって作製され得る。プライ及び連続プライウェブを作製するための好適なプロセスの非限定的な例を
図3に示す。フィラメント形成組成物35の溶液が、供給される。フィラメント形成組成物は、1つ以上のフィラメント形成材料と、所望により1つ以上の活性剤とを含んでいてもよい。フィラメント形成組成物35は、複数の紡糸口金45を含む1つ以上のダイブロックアセンブリ40を通過して、1つ以上のフィラメント形成材料と所望により1つ以上の活性剤とを含む複数の繊維状要素30を形成する。複数のダイブロック組立体40を用いて、繊維状要素30の異なる層を紡糸することができ、異なる層の繊維状要素30は、互いに異なるか、又は互いに同じである組成を有する。すなわち、1つのダイブロックアセンブリ40に供給されるフィラメント形成組成物35は、別のダイブロックアセンブリ40に供給されるフィラメント形成組成物35とは組成的に異なり得る。所与のプライにおいて3つ、4つ、又は任意の他の整数の層を形成するために、連続した2つを超えるダイブロックアセンブリを供給することができる。
【0082】
機械方向MDに移動しているベルト50上に繊維状要素30を堆積させて、親連続プライウェブ59を形成することができる。ベルト50は、有孔ベルトであってもよい。空気透過性であるベルト50は、ベルトに及びベルトを通して真空を適用することができることが望ましい。ベルト50は、F.N.Shepard&Co.Erlanger、KY、USAから入手可能なXBE2A9ベルトであり得る。ベルト50は、ポリエステルストランド又は他のポリマーストランドから形成することができる。ベルト50が小さい開口部を有し、そのためその上に担持されたウェブが開口部内で変形されないことが望ましい。ベルト50は、ベルト50の表面張力を、ベルト50上に担持されたウェブに対して下げるようにコーティングすることができる。ベルト50は、約1m/分~約100m/分、任意に約2m/分~約30m/分の速度で移動することができる。
【0083】
本明細書に開示される連続プライウェブを移動させる駆動力は、1つ以上のベルト50によって供給されてもよい。ベルト50が移動すると、連続プライウェブは、別の材料、例えば、別の連続プライウェブを介してベルト50上に直接又は間接的に乗る。連続プライウェブがベルト50と接触しない場所に関して、連続プライウェブがベルト50と接触しない場所の下流の連続プライウェブ内で結集する張力が、連続プライウェブを引張ることができる。連続プライウェブ59における張力は、材料の機能及び美的一体性を維持するために、許容可能な範囲に低いレベルで維持されるべきである。任意に、連続プライウェブがベルトから外れているとき、駆動力は、電動ローラによって供給され得る。
【0084】
紡糸口金45は、空気などの、流体が約10℃~約100℃の温度で通過することができる同心細径化流体用孔によって取り囲まれた溶解した毛管を含む複数の繊維状要素形成孔を含んで、繊維状要素形成孔を出る際に、フィラメント形成組成物35の繊維状要素30中への細径化を容易にし得る。フィラメント形成組成物は、孔当たり約0.1~約2g/分の速度で、繊維状要素形成孔に供給することができ、これは、フィラメント形成組成物の組成に基づいて設定することができる。
【0085】
フィラメント形成組成物35中に存在する、水などの、揮発性溶媒は、紡糸工程中に、繊維状要素30が形成される際に、例えば乾燥によって除去することができる。水などの、フィラメント形成組成物の揮発性溶媒のうち、30重量%超、及び/又は40重量%超、及び/又は50重量%超、及び/又は60重量%超は、紡糸工程中に、例えば製造する繊維状要素を乾燥させることによって除去することができる。
【0086】
フィラメント形成組成物35は、メルトブロー、スパンボンディング、エレクトロスピニング及び/又は回転紡績などの、任意の好適な紡糸プロセスによって、1つ以上の繊維状要素30並びに/若しくは粒子に紡糸される。一実施例では、フィラメント形成組成物は、メルトブローによって複数の繊維状要素30及び/又は粒子に紡糸される。例えば、フィラメント形成組成物35は、タンクからメルトブロー紡糸口金(spinnerette)45にポンプ移送され得る。紡糸口金45内のフィラメント形成孔のうちの1つ以上を出ると、フィラメント形成組成物35は、空気によって細径化されて、1つ以上の繊維状要素30及び/又は粒子を形成する。次いで、繊維状要素30及び/又は粒子を乾燥させて、水などの、紡糸のために使用される任意の残留溶媒を除去してもよい。
【0087】
本発明の繊維状要素30及び/又は粒子を、ベルト50、例えばパターン化されたベルト、又は平坦なベルト上に収集して、繊維状要素30及び/又は繊維状要素30に方向付けられる粒子を含む繊維状構造体を形成してもよい。
【0088】
ダイブロックアセンブリ40とベルト50との間の繊維状要素30の流れに粒子を導入することができる。粒子95は、粒子受け部からベルトフィーダ41又は所望によりスクリューフィーダに供給することができる。所望の粒子塊をプロセスに送達するように、ベルトフィーダ41を設定及び制御することができる。ベルトフィーダは、空気流中の粒子を繊維状要素30に懸濁させ、方向付けるエアナイフ42を供給して、その後ベルト50上に堆積する繊維状要素30及び粒子が混合された混合物を形成することができる。任意に、粒子は、プライ又はプライの層の層内に均一に分布させることができる。粒子は、親連続プライウェブの横断方向に均一に分布させることができる。任意に、繊維状要素30がベルト50上に堆積された後に、粒子を導入することができる。任意に、粒子は、重力によって、又は任意にフィラメント形成組成物の流れの間に導入することができる。エアレイド成形ヘッド又はシフタを使用して粒子を導入することができる。
【0089】
多層プライは、
図3に示されるような非限定的な例として、2つのダイブロックアセンブリ40(1つのダイブロックアセンブリ40を別のダイブロックアセンブリ40の下流に)供給することによって形成することができる。
【0090】
バッチ操作に好適な加圧されたタンクは、紡糸用に好適なフィラメント形成組成物35で満たすことができる。Sanford,N.C.,USA社のParker Hannifin Corporation Zenith Pumps部により製造され、1回転当たり5.0立方センチメートル(cc/rev)の容量を有する、ZENITH、タイプPEP IIなどのポンプが、フィラメント形成組成物35の紡糸口金45への輸送を容易にするために使用され得る。
【0091】
ダイブロックアセンブリ40は、約1.524ミリメートルのピッチPで互いに離間された円形押し出しノズル(繊維状要素形成孔)のいくつかの列を有することができる。ノズルは、約0.305ミリメートルの個々の内径、及び約0.813ミリメートルの個々の外径を有することができる。各個々のノズルは、環状かつ末広のフレア状オリフィス(細径化空気を各個々の溶解した毛管に供給するための同心の細径化流体孔)によって取り囲むことができる。ノズルを通して押し出されるフィラメント形成組成物35は、オリフィスを通して供給されるほぼ円筒形の湿った空気の流れにより、囲まれ、かつ細径化され得る。
【0092】
細径化空気は、供給源からの圧縮空気を電気抵抗ヒータ、例えば、Emerson Electricの一部門であるChromalox(Pittsburgh,Pa.,USA)によって製造されたヒータによって加熱することによって供給され得る。適切な量の蒸気が、電気的に加熱され、サーモスタット制御される送達パイプ内の条件下で、加熱された空気を飽和又はほとんど飽和するために加えられ得る。凝縮物は、電気的に加熱され、サーモスタット制御される分離器中で除去することができる。
【0093】
初期繊維状要素30は、乾燥ノズルを通して供給された電気抵抗加熱器により約149℃~約315℃の温度を有する乾燥空気流によって乾燥され得、押し出される非熱可塑性の初期繊維状の全体的な配向に対して、約90°以下の角度で放出され得る。乾燥した初期繊維状要素30は、移動可能な有孔ベルト、パターン化された回収ベルト、又は平坦なベルトなどの回収デバイス上で回収することができる。形成域の真下に真空源を追加して、繊維の収集を補助するために使用してもよい。
【0094】
II.水溶性製品を製造するためのプロセス
接合されるとは、要素が互いに直接取り付けられる、若しくは接続される、又は接合されると称されている要素に取り付けられるか若しくは接続される1つ以上の中間要素を介して、間接的に互いに取り付けられる、若しくは接続されることを意味する。
【0095】
水溶性製品5を製造するためのプロセスは、非限定的な例として、
図4に示されるように、以下の工程を含むことができる。水溶性繊維状親連続プライウェブ59が、供給され得る。親連続プライウェブ59は、機械方向MDと、機械方向に直交する横断方向CDと、を有することができる。親連続プライウェブ59は、機械方向MD及び横断方向CDによって画定される平面に直交する方向において厚みを有することができる。親連続プライウェブ59は、操作者縁部61と駆動縁部62との間で横断方向CDにおいて延在することができる。更に、親連続プライウェブ59は、操作者縁部61及び駆動縁部62よりも操作者縁部61と駆動縁部62との間でより厚くなり得る。
【0096】
親連続プライウェブ59は、機械方向MDにおいて、例えば、ナイフ70によって切断されて、駆動縁部62を含む第1の連続プライウェブ60と、操作者縁部61を含む第2の連続プライウェブ65と、を供給することができる。操作者の縁部61とは、親連続プライウェブ59の中心線の一方の側面上にある親連続プライウェブ59の縁部であり、親連続プライウェブ59の中心線は、機械方向にあることを意味する。駆動縁部62は、操作者縁部61とは、中心線の反対側上にある。操作者縁部61は、変換装置の動作、アクセス、及び/又は維持を担当する人に向けて配向される連続プライウェブ59の縁部であり得る。利便性及びアクセシビリティのために、モータ、フレーム、ハンガーなどは、変換装置の側上に存在してもよく、それに向かって駆動縁部62が配向される。
【0097】
図4は、2プライ製品5が形成され得る方法の非限定的な例である。第1の連続プライウェブ60及び第2の連続プライウェブ65は、最終的に製品5内の下部プライ10及び上部プライ15になるものを重ね合わせるために、重ね合わせることができる。このプロセスのこの段階では、個々の水溶性製品5が最終的になるものは、連続マルチプライウェブの一部であり得る。プライを構成する繊維の混在であり得る。これは、製品5を形成するプライが互いに接触し、及び/又は互いに結合されるときに生じ得る。
【0098】
約20cm~約500cm、又は約20cm~約100cm、又は約20cm~約80cm、又は約40cm~約70cm、又は約60cmの幅を有する第1の連続プライウェブ60を紡糸することが実用的であり得る。このような第1の連続プライウェブ60は、機械方向において切断されて、製品5の製造の1つ以上のレーン内に1つ以上の製品5を形成して積層され得る、複数のプライを形成することができる。例えば、幅約60cmの第1の連続プライウェブ60を供給し、各々約20cmの幅を有する3つの連続プライに切断し、これら3つの連続プライを積層し、これらの3つのプライを共に接合して、横断方向CDにおいて、2つ以上の製品5を形成することが実用的であり得る。
【0099】
図4では、製品5は、複数の製品5を横断方向CDにおいて作製する可能性を有する単一のレーンに縮小する。
【0100】
重ね合わされた第1の連続プライウェブ60及び第2の連続プライウェブ65は、互いに接合され、切断されて、水溶性製品5を形成することができる。下部プライ10の第1の部分11を、上部プライ15の第2の部分16に接合させて、水溶性製品5を形成することができる。
【0101】
親連続プライウェブ59は、材料の親ロールとして供給され得る。水溶性繊維状ウェブを取り扱い、貯蔵することが困難であり得るため、親連続プライウェブ59の形成から最終製品5への連続プロセスを用いることが実用的であり得る。
【0102】
第2の連続プライウェブ65は、親連続プライウェブ59から機械方向MDにおいて切断することができる。例えば、親連続プライウェブ59は、ダイブロックアセンブリ40上で形成され、次いで、
図4に示されるように、例えば、機械方向MDにおいて切断する、回転切断ナイフの、ナイフ70によって、機械方向MDにおいて切断することができる。親連続プライウェブ59からプライウェブを切断することは、単一のダイブロックアセンブリのみが制御されなければならず、制御端部は各連続プライウェブに普遍的に適用されるのみであるため、より良好な製造品質制御を供給することに対して実用的であり得る。1つのダイブロックが1つの連続プライウェブを形成するために使用され、別のダイブロックが別の連続プライウェブを形成するために使用されるという状況を対比し、両方のダイブロックは慎重に監視及び制御されなければならない。また、かかる配置は、トリミング屑を最小限に抑えるために有用であり得、これは製品5の作製に用いるには薄すぎるプライウェブの縁部に必要とされ得る。連続プライウェブの薄い縁部は、例えば、減少したキャリパを有する縁部をトリミングすること、又はプライが重ね合わされて、製品5を形成する配向に注意を払うことによって、不均一なキャリパを有する連続プライウェブ及び製品5を処理する、又は取り扱う必要性をもたらし得る。
【0103】
第1の連続プライウェブ60及び第2の連続プライウェブ65は、ウェブ積層体66を形成するために重ね合わせることができ、そのため以前親連続プライウェブ59であった操作者縁部61及び駆動縁部62は、機械方向MDにおいて、ウェブ積層体66の中心線Cの両側上にある。連続プライウェブが重ね合わされて、ウェブ積層体66を形成するとき、連続プライウェブを構成する繊維の混在があり得る。
【0104】
操作者縁部61及び駆動縁部62は、操作者縁部61と駆動縁部62との間の親連続プライウェブ59よりも薄くなり得るため、操作者縁部61及び駆動縁部62が、ウェブ積層体66の中心線Cの両側にあるようにウェブ積層体66を形成することは、比較的薄い操作者縁部61及び駆動縁部62がウェブ積層体66の中心線Cの同じ側上にある場合よりも、横断方向CDにわたってより均一な厚みを有するウェブ積層体66を供給するのに役立ち得る。更に、操作者縁部61及び駆動縁部62をそのように配置することは、ウェブ積層体66の横方向縁部17を供給することに役立ち得、ウェブ積層体は、横方向縁部17の近位のウェブ材料と同じ又はほぼ同様の量を有し、これは、複数のプライ又は連続プライウェブを互いに結合するために使用される結合装置の設計及び制御を簡略化することができる。更に、操作者縁部61及び駆動縁部62を中心線Cの両側に配置することは、ウェブ積層体の一方の横方向縁部17が、横方向縁部17から離れたウェブ積層体66の部分よりも薄く、又は実質的に薄くなることを回避する。操作者縁部61及び駆動縁部62が中心線Cの同じ側上にある場合、ウェブ積層体は、ウェブ積層体66の横断方向CDにおける異なる場所において、不均一な厚みを有してもよい。更に、横方向縁部17の近位のウェブ積層体66の部分から形成される最終製品5は、横断方向CDにおける異なる場所において不均一な厚みを有してもよい。ウェブの取り扱い、結合、及び切断は、ウェブ積層体66の厚みが横断方向CDにおける異なる場所で変化する場合、より複雑であり得る。
【0105】
任意に、親連続プライウェブ59は、トリミングされた連続プライウェブであってもよい。すなわち、連続プライウェブは、ベルト50上に敷設されてもよい。横断方向50における連続プライウェブの端部は、薄すぎる、緩い繊維状要素30を有する、曲げられた繊維状要素30を有する、及び製品5に含まれるのに不適切なこれらの端部を作製する不規則な形状の縁部を有する場合がある。これらの端部は、トリミングされてもよい。これらの端部が連続プライウェブからトリミングされても、残りの親連続プライウェブ59は、操作者縁部61と駆動縁部62との間の親連続プライウェブ59よりも薄い、操作者縁部61及び駆動縁部62を有し得る。本観念は、親連続プライウェブ59を形成するために使用される原材料及びエネルギーが、製品5の作製コストのかなりの割合を占め得るため、製品5を形成するために使用される親連続プライウェブ59の横断方向CDにおける幅を最大化することである。トリミングは、親連続プライウェブ59を形成するウェブの残りの部分が構造的に安定しており、有能に働くように、可能な限り最小の量まで最小化され得る。これが達成される場合であっても、操作者縁部61及び駆動縁部62は、親連続プライウェブ59の中心線により近い親連続プライウェブ59の部分よりもまだ薄い場合がある。
【0106】
ウェブ積層体66の上方若しくは下方、又は連続プライウェブの間に、1つ以上の追加の連続プライウェブ又は1つ以上の材料プライが存在してもよい。プライの繊維を、そのプライのすぐ隣にあるプライと混在させることができる。
【0107】
ウェブ積層体66の部分は、水溶性製品5を形成するために、切断及び接合され得る。ウェブ積層体66の部分を接合する工程は、ウェブ積層体66の部分の切断前、切断中、又は切断後に行うことができる。例えば、第1の連続プライウェブ60及び第2の連続プライウェブ65は、接合されている部分が、まだ上流側連続プライウェブに接続される間のプロセスの段階で、互いに接合することができる。任意に、ウェブ積層体66は、製品5の前駆体部分に切断することができ、前駆体部分を、互いに接合して、最終製品5を形成することができる。更に任意に、製品5を形成するためのウェブ積層体66の部分の切断及び接合が、同時に行われてもよい。ウェブ積層体66の部分を接合する工程が、最終的に製品5を形成するはずのウェブ積層体66の部分が、上流連続プライウェブから分離される工程の前、最中、又は後に行われるかどうかにかかわらず、ウェブ積層体66の部分を切断及び接合して、水溶性製品5を形成する工程は、ウェブ積層体66を形成する連続プライウェブの数(例えば、存在する場合、第1の連続プライウェブ60、第2の連続プライウェブ65、及び第3の連続プライウェブ)にかかわらず、製品5を形成するこの工程のための少なくとも各々のこれらの可能な動作順序を包含するように画定される。
【0108】
第1の連続プライウェブ60、第2の連続プライウェブ65、及び第3の連続プライウェブは、存在する場合、ベルト側71及び反対側の空気側72を有すると考えることができる。第1の連続プライウェブ60のベルト側71は、第1の連続プライウェブベルト側75として考えることができる。同様に、第2の連続プライウェブ65のベルト側71は、第2の連続プライウェブベルト側80として考えることができる。また、存在する場合、第3の連続プライウェブのベルト側71は、第3の連続プライウェブベルト側として考えることができる。ベルト側は、親連続プライウェブ59の側、又は表面52又はベルト50に対して形成された任意の連続プライウェブである。第1の連続プライウェブ60は、第1の連続プライウェブベルト側75とは反対側の第1の連続プライウェブ空気側90を有すると考えることができる。また、第2の連続プライウェブ65は、第2の連続プライウェブベルト側80とは反対側の第2の連続プライウェブ空気側85を有すると考えることができる。連続プライウェブの空気側は、そのような連続プライウェブが完全に形成された少なくとも直後に、大気に曝された連続プライウェブの自由側である。
【0109】
プロセスは、操作者縁部61及び駆動縁部62が、機械方向MDにおいて、ウェブ積層体66の中心線Cの両側上にあるように、第1の連続プライウェブ60及び第2の連続プライウェブ65を重ね合わせる工程を更に含むことができる。前述の連続プライウェブは、前述の連続プライウェブのうちの1つを持ち上げ、それを他の連続プライウェブ上に配置することによって、重ね合わせることができる。これは、限定されるものではないが、連続プライウェブを別の連続プライウェブの上方又は下方に向けることができる成形された表面を含む、ターンバー77、又は当該技術分野において既知の他の器具のシステムを使用することによって達成することができる。
【0110】
ターンバー77は、静的研磨金属ターンバー77であってもよく、又はモータ、若しくはローラなどのターンバー77を通過する連続プライウェブの牽引力によって駆動される軸の周りを回転するターンバー77であってもよい。ターンバー77は、連続プライウェブが、ターンバー77からの僅かな牽引力でターンバー77の上を摺動することを可能にするように、研磨された金属ターンバー77であってもよく、そのため連続プライウェブは、許容可能範囲を超えて伸長しない。
【0111】
連続プライウェブのベルト側71及び空気側72は、表面質感の差を有し得る。プライ又は連続プライウェブのベルト側は、繊維状要素30が堆積されたベルト50と接触して形成された、プライ又は連続プライウェブの側である。すなわち、プライ又は連続プライウェブのベルト側は、繊維状要素30が堆積されたベルト50に面しかつ接する、プライ又は連続プライウェブの側であり得る。ベルト側71は、繊維状要素30が乗るベルト50の表面52に、繊維状要素30が適合するか、又は部分的に適合し得るため、空気側よりも平坦な表面プロファイルを有する傾向があり得る。空気側は、拘束面を有しない。堆積処理後には、プライの空気側72は、ベルト側71よりもより毛羽立ち、又はより高くなり、場合によってはあまり密着しない傾向があり得る。外向きに面するプライのベルト側71を有する製品5を供給することは、後続の印刷のための外向きのプライのより滑らかな表面、より良好な触感及び外観、並びに粒子を含有するより良好な能力を提示するのに実用的であり得る。また、多層プライが供給される場合、粒子を含有するプライは、製品5の内部に固定することができ、そのため使用者は、活性剤を含み得る粒子を有しないか、又は粒子との限定された接触を有する。
【0112】
連続プライウェブのうちの1つ以上は、
図5に示される非限定的な例として、1つ以上の活性剤を含む粒子を備えてもよい。例えば、第1の連続プライウェブ60は、複数の水溶性粒子95を備えることができる。同様に、第2の連続プライウェブ65は、複数の水溶性粒子95を備えることができる。
【0113】
本明細書に記載される製造プロセスは、複数のプライを有し、及び任意に、複数のプライのうちの1つ以上を形成する多層プライを有する製品5を都合よく用いられた製造方法であり得る。複数のプライ及び多層プライは、製造業者が、各プライ又は層、製品5の外側表面を形成する層から離れた活性剤、その上に印刷するのに好都合な表面、及び手触りが好ましい製品5における、異なる製品利益を供給することを可能にする。
【0114】
本明細書に記載される製造プロセスは、繊維状の第1の層20を供給する工程と、繊維状の第1の層20に面しているか、又は面する関係にあるか、又は面しかつ接触する関係にある、繊維状の第2の層25を供給する工程と、を更に含むことができる。共に、繊維状の第1の層20及び繊維状の第2の層25は、例えば、
図6に示されるように、親連続プライウェブ59を形成することができる。親連続プライウェブ59は、繊維状の第1の層20と、繊維状の第1の層20に面する繊維状の第2の層25と、を含むことができる。繊維状の第1の層20及び繊維状の第2の層20は、親連続プライウェブ59を共に形成することができる。別様に、本明細書に記載されるプロセスは、繊維状の第1の層20を供給する工程と、繊維状の第1の層20に面する、繊維状の第2の層25を供給する工程と、を更に含むことができ、繊維状の第1の層20及び繊維状の第2の層25は、共に親連続プライウェブ59を形成する。第1の層10を構成する繊維及び第2の層25を構成する繊維の混在が存在し得る。
【0115】
多層連続プライウェブ59は、機械方向MDに切断され、
図4に示される様式で積層されて、ウェブ積層体66を形成することができる。親連続プライウェブ59が多層連続プライウェブ59であるウェブ積層体66が、
図7に示される。
図7に示されるように、第1の連続プライウェブ60は、繊維状の第1の層20、及び繊維状の第2の層25を含むことができる。第1の層20及び第2の層25は、共に第1の連続プライウェブ60を形成することができる。同様に、第2の連続プライウェブ65は、繊維状の第1の層20及び繊維状の第2の層25を含むことができる。及び、操作者縁部61及び駆動縁部62は、機械方向MDにおいて、ウェブ積層体66の中心線Cの両側上にあり得る。第1の連続プライウェブ60の繊維状の第2の層25及び第2の連続プライウェブ65の繊維状の第2の層25は、互いに面しかつ接触する関係であり得る。
【0116】
親連続プライウェブ59は、複数の水溶性粒子95を備えることができる。多層プライは、
図3に示される様式で形成することができる。水溶性粒子95は、親連続プライウェブ59の第1の層20及び/又は第2の層25に供給され得る。
図7に示されるウェブ積層体66では、水溶性粒子95は、親連続プライウェブ59の第2の層25に供給される。第1の層20ではなく、第2の層25内に水溶性粒子95を供給して、よりきれいな製造操作を供給することが実用的であり得る。水溶性粒子95が第1の層20を形成する繊維状要素30に方向付けられる場合、水溶性粒子95の一部は、生産性を低下させる可能性のある通常の洗浄を必要とし得る、ベルト50上で潜在的に終端するか、又は更には蓄積し得る。
【0117】
多層連続プライウェブ59が用いられる場合、第1の連続プライウェブベルト側75、第2の連続プライウェブベルト側80、及び存在する場合、第3の連続プライウェブベルト側525は、第1の層20を含むことができる。水溶性粒子95は、第2の層25を形成する繊維状要素30が第1の層20上に堆積される際、又はその前に、第2の層に供給することができる。連続プライウェブ及び粒子のための多層構造に関するこの配置は、第1の層20が、連続プライウェブのベルト側71と粒子95との間の分離層として作用することができるため、好都合であり得る。そのため、連続プライウェブ59が最終的に切断され、積層されて、製品5を形成するとき、以前は連続プライウェブ59のベルト側71であったものは、製品5の外側表面又は複数の表面を形成することができる。
【0118】
多層連続プライウェブ59を供給することは、製品5の剛性を向上させる傾向があり得る。更に、多層連続プライウェブ59は、製品設計者が、プライの選択された層に活性剤を配置すること、任意に、プライの異なる層に異なる活性剤を供給すること、及び任意に、層とプライとの間に活性剤を配置することを可能にし得る。
【0119】
多層連続プライウェブは、非限定的な例として、
図3に示されるように形成することができる。任意に、本明細書に記載されるように、水溶性粒子95を導入することができる。
【0120】
第1の層20は、坪量試験方法に従って、約20gsm~約500gsm、任意に約40gsm~約100gsm、任意に約50gsm~80gsmの坪量を有することができる。第2の層25は、坪量試験方法に従って、約20gsm~約500gsm、任意に約40gsm~約300gsm、任意に約200gsmの坪量を有することができる。
【0121】
本明細書で企図される任意の実施形態では、第1の連続プライウェブ60及び第2の連続プライウェブ65、並びに第3の連続プライウェブ(存在する場合)は、坪量試験方法に従って、約100gsm~約800gsm、任意に約150gsm~約500gsm、任意に約200gsm~約300gsmの坪量を有することができる。
【0122】
印刷が容易であり、かつ手触りが好ましい表面を有する製品5を供給するために、製品5の外側表面を形成する連続プライウェブのベルト側71を有することが実用的であり得る。多層プライに関して、この配置は、水溶性粒子95を、製品5の内部に向かって、及び製品が取り扱われる際に消費者の手と接触することから離れて配置する利益を供給することができる。
【0123】
3プライ製品5もまた、実用的であり得る。連続プロセスで3プライ製品5を作製するためのプロセスの非限定的な例を、
図8に示す。連続プロセスは、フィラメント形成組成物35を供給する工程から、水溶性製品5の形成まで、水溶性製品5が、互いに接合された複数の水溶性製品5のウェブの一部として存在するか、又は互いから分離された別個の水溶性製品5のウェブの一部として存在するかどうかで、中断されない場合がある。連続プロセスの利益は、プライ又は連続プライウェブが、このような材料を水溶性製品5に変換する前に保管される必要がないことである。水溶性であるプライ又は連続プライウェブの保管は、かかる材料の完全性を保つために、温度、湿度、及び丁寧な取り扱いに過度の注意を要する場合がある。連続プロセスによって、プロセスの工程は、連続製造ライン上で発生することを意味する。
【0124】
プロセスの上流において、フィラメント形成組成物35を供給することができる。フィラメント形成組成物は、複数の紡糸口金45を含むダイブロックアセンブリ40を通過して、複数の繊維状要素30を形成することができる。繊維状要素30は、機械方向に移動しているベルト50上に堆積されて、第1の層20を形成することができる。次いで、第1の層20は、フィラメント形成組成物35が複数の紡糸口金45を通って出て、複数の繊維状要素30を形成する、別のダイブロックアセンブリ40の下を通過することができる。粒子は、繊維状要素30の流れに挿入することができる。繊維状要素30及び粒子は、第2の層25内の第1の層20の上部上に敷設され得る。共に、第1の層20及び第2の層25は、親連続プライウェブ59を形成することができる。
【0125】
親連続プライウェブ59は、機械方向MDにおいて、連続プライウェブの3つのレーン125に切断され得る。中央レーンは、第3の連続プライウェブ13であり得る。外側レーン125は、第1の連続プライウェブ60及び第2の連続プライウェブ65であり得る。1つ以上の活性剤アプリケータ135は、1つ以上の活性剤を第2の層25に塗布することができる。
【0126】
プロセスは、機械方向MDにおける親連続プライウェブ59から、横断方向CDにおける第1の連続プライウェブ60と第2の連続プライウェブ65との間の第3の連続プライウェブ130を切断する工程を更に含むことができる。プロセスは、第3の連続プライウェブ130を第1の連続プライウェブ60及び第2の連続プライウェブ65と重ね合わせて、ウェブ積層体66を形成する工程を更に含むことができる。
【0127】
第2の連続プライウェブ65は、第1の連続プライウェブ60と第3の連続プライウェブ130との間に位置決めすることができる。任意に、第1の連続プライウェブ60は、第2の連続プライウェブ65と第3の連続プライウェブ130との間に位置決めすることができる。様々な連続プライウェブを積層する工程は、一連のターンバー77で達成することができる。製品5の第3のプライは、第3の連続プライウェブ130の一部として供給することができる。好都合には、第3の連続プライウェブ130は、親連続プライウェブ59から機械方向MDに切断することができる。例えば、親連続プライウェブ59は、繊維状要素30をベルト50上に堆積させることによって供給することができる。任意に、水溶性粒子95は、ダイブロックアセンブリ40とベルト50との間の繊維状要素30の流れに導入することができる。更に任意に、水溶性粒子95は、親連続プライウェブ59の空気側に導入することができる。第1の連続プライウェブ60、第2の連続プライウェブ65、及び第3の連続プライウェブ130は、親連続プライウェブ59から機械方向MDにおいて切断され得る。第3の連続プライウェブ130は、親連続プライウェブ59から直接機械方向MDに切断されるか、第1の連続プライウェブ60又は第2の連続プライウェブ65のうちの1つが、機械方向MDにおいて、親連続プライウェブ59から切断された後、中間連続プライウェブから機械方向MDにおいて切断される場合、機械方向MDにおいて、親連続プライウェブ59から切断されると考えられる。例えば、親連続プライウェブ59からの様々な連続プライウェブを切断することは、加工装置の機械方向MDに沿って複数の工程で生じ得る。第1の連続プライウェブ60及び第2の連続プライウェブ65のうちの1つは、連続プライウェブの広いレーンを残して、親連続プライウェブ59から機械方向MDに切断されてもよい。連続プライウェブの広いレーンは、続いて機械方向MDにおいて切断されて、残りの連続プライウェブを形成することができる。ウェブ積層体66を形成する前に、第3の連続プライウェブ130は、第1の連続プライウェブ60と第2の連続プライウェブ65との間であってもよい。
【0128】
プロセスの1つの構成では、別個の連続プライウェブの3つのレーン125が、機械方向MDにおいて供給され得る。連続プライウェブのレーンは、横断方向において任意の順序であってもよく、ウェブ取り扱い付属物は、ベルト50から個々の連続プライウェブを持ち上げ、ベルト側71又は空気側72のいずれかが上向きの状態で、それらを別の連続プライウェブ上に敷設するために使用されてもよい。単一の親連続プライウェブ59から開始し、連続プライウェブを切断して、第1の連続プライウェブ60、第2の連続プライウェブ65、及び第3の連続プライウェブ130を形成することは、単一のダイブロックアセンブリ40及び任意に粒子供給装置のみを監視及び制御する必要があるため、製造品質管理を簡略化することができる。
【0129】
第1の連続プライウェブ60、第2の連続プライウェブ65、及び第3の連続プライウェブ130を重ね合わせて、ウェブ積層体66を形成した後、このような連続プライウェブは、切断されて、水溶性製品5を形成することができる。任意に、第1の連続プライウェブ60及び第2の連続プライウェブ65は、まず互いに接合され、次いで、切断されて、水溶性製品5を形成することができる。任意に、連続プライウェブのうちの2つ以上を接合し、かかるウェブを切断して、水溶性製品5を形成する工程は、単一の工程で組み合わせることができる。更に任意に、かかるプライのうちの2つ以上を接合して、水溶性製品5を形成する前に、かかる連続プライウェブは、下部プライ10、上部プライ15、及び内部プライ120を供給するために切断することができる。
【0130】
親連続プライウェブ59は、親連続プライウェブベルト側71及び反対側の親連続プライウェブ空気側72を有すると考えることができる。親連続プライウェブベルト側71は、ベルト50上に形成された親連続プライウェブ59の表面である。親連続プライウェブを第1の連続プライウェブ60、第2の連続プライウェブ65、及び第3の連続プライウェブ130に切断することは、これらの連続プライウェブの各々がベルト側71及び空気側72を有することを生じさせる。そのため、第1の連続プライウェブ60は、第1の連続プライウェブベルト側75、及び反対側の第1の連続プライウェブ空気側90を含むことができる。第2の連続プライウェブ65は、第2の連続プライウェブベルト側80、及び反対側の第2の連続プライウェブ空気側85を含むことができる。第3の連続プライウェブ130は、第3の連続プライウェブベルト側525、及び反対側の第3の連続プライウェブ空気側530を含むことができる。ウェブ積層体が構築され、製品がそこから切断され、結合される際に、1つのプライを構成する繊維が、そのプライの隣にあるプライと混在することができる。
【0131】
連続プライウェブが所望の様式で積層されると、ウェブ積層体66は、上に面する表面600、及び反対側の下に面する表面601を有すると考えることができる。下に面する表面601は、ウェブ積層体の下向きに配向された表面であってもよい。下に面する表面601は、ベルト、任意にベルト50、又はベルト50の下流のベルトに面することができる。
【0132】
プロセスは、上に面する表面及600及び下に面する表面601が、第1の連続プライウェブベルト側75、第2の連続プライウェブベルト側80、及び第3の連続プライウェブベルト側525からなる群から選択され、かつ上に面する表面600が、下に面する表面601と同じではないように、第1の連続プライウェブ60、第2の連続プライウェブ65、及び第3の連続プライウェブ130を位置決めする工程を更に含む。
【0133】
ウェブ積層体66の上に面する表面600及び下に面する表面が、連続プライウェブのうちの1つのベルト側71であり、製品5を形成する前又は後に印刷し、かつ手触りが好ましい製品5を供給するのに好都合であり得る、ウェブ積層体66の外に面する側を供給することが望ましい場合がある。更に、粒子がプライのうちの1つに、又はプライのうちのいずれかの間に、又はプライのうちのいずれかを構成する層の間に供給される場合、外部に面する表面としてベルト側を提示することは、そのような粒子を製品の使用者と接触させることから隔離することに役立ち得る。同様に、活性剤がプライのうちの1つに、又はプライのうちのいずれかの間に、又はプライのうちいずれかを構成する層の間に供給される場合、同じ利益を達成することができる。
【0134】
上述した2つのプライ水溶性製品5と同様に、上記と同様の理由で、内部プライが下部プライ10と上部プライ15との間に位置決めされるとき、プロセスが、第1の連続プライウェブベルト側75及び第2の連続プライウェブベルト側80を、下部プライ10の部分並びに上部プライ15の部分を接合する前、又は第1の連続プライウェブ60の部分並びに第2の連続プライウェブ65の部分を接合する前に、互いから離れて面するように位置付ける工程を更に含むことが実用的であり得る。
【0135】
プロセスは、第1の連続プライウェブ60、第2の連続プライウェブ65、及び第3の連続プライウェブ130、かかる連続プライウェブの空気側72又はベルト側71のいずれか、若しくは両方の上の、又はウェブ積層体66の上に面する表面600と下に面する表面601との間、又は第1の連続プライウェブ60と第2の連続プライウェブ65との間の、かかるプライの任意の層(例えば、第1の層20、第2の層25、又は任意の付加的な層)のうちの1つ以上の上又はその中に、非カプセル化香料、カプセル化香料、界面活性剤、酵素、漂白剤、キレート剤、構造化剤、ビルダ、有機ポリマー化合物、増白剤、色相剤、抑泡剤、コンディショニング剤、湿潤剤、アルカリ性系、pH制御系、緩衝アルカノールアミン、防虫剤、ヘアケア剤、ヘアコンディショニング剤、スキンケア剤、日焼け止め剤、皮膚コンディショニング剤、布地柔軟剤、抗シワ剤、静電気防止剤、布地ケア染み除去剤、汚れ放出剤、分散剤、泡抑制剤、泡増強剤、消泡剤、布地清涼化剤、食器洗浄剤、硬質表面ケア剤、抗微生物剤、抗菌剤、抗真菌剤、漂白活性化剤、キレート剤、ビルダ、ローション、空気ケア剤、カーペットケア剤、移染防止剤、粘土汚れ除去剤、再付着防止剤、ポリマー汚れ放出剤、ポリマー分散剤、アルコキシル化ポリアミンポリマー、アルコキシル化ポリカルボキシレートポリマー、両親媒性グラフトコポリマー、溶解助剤、緩衝系、水柔軟化剤、水硬化剤、pH調整剤、凝集剤、発泡剤、防腐剤、化粧剤、メークアップ除去剤、発泡剤、付着助剤、コアセルベート形成剤、粘土、増粘剤、ラテックス、シリカ、乾燥剤、臭気抑制剤、制汗剤、冷感剤、温感剤、吸収性ゲル剤、抗炎症剤、染料、顔料、酸、塩基、液体処理活性剤、農業用活性剤、工業用活性剤、摂取可能な活性剤、薬剤、歯ホワイトニング剤、歯ケア剤、マウスウォッシュ剤、歯周歯肉ケア剤、ダイエット剤、ビタミン、ミネラル、水処理剤、水浄化剤、水殺菌剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される活性剤を塗布する工程を更に含むことができる。活性剤は、ダイブロックアセンブリ40のいずれかから放出される繊維状要素30に関する流れに導入される粒子として供給されてもよい。活性剤は、製品5のプライの間に位置決めされて、製品5を形成するプライのうちの1つ以上に埋め込まれて、又は製品5を形成するプライのうちの1つ以上に部分的に埋め込まれて、終端してもよい。
【0136】
製品5を製造するプロセス中、活性剤は、任意のプライの若しくは任意のプライ中の上に面する表面600上、又は任意のプライ上若しくは任意のプライ中、又は任意の連続プライウェブの空気側72上、又は活性剤アプリケータ135により任意の連続プライウェブ中に堆積されてもよい。1つ以上の活性剤アプリケータ135は、製造ライン140上に供給することができる。活性剤アプリケータ135は、ノズル、押出機、シフタ、印刷機、トランスファーロール、空気噴霧スプレーノズル、油圧噴霧スプレーノズル、流体アプリケータ、押出アプリケータ、ホットメルトアプリケータ、インクジェット、フレキソ印刷機、グラビア印刷機、オフセットグラビア、ドロップオンデマンドインクジェット、又は活性剤をプライ、特に移動プライ上に堆積させるのに好適な任意の他のデバイスであり得る。活性剤アプリケータ135は、任意のレーン又は任意のプライの上に位置決めすることができる。
【0137】
実際には、連続プライウェブが所望の側を上向きにするように位置決めされた後、活性剤は、任意の連続プライウェブの上向きの側上又はその中、若しくは上向きの側上かつ中に配置されてもよい。連続プライウェブが最終的に製品5の垂直位置に配置される前に、活性剤が、連続プライウェブ上又はその中、若しくは連続プライウェブ上かつその中に適用される場合、活性剤は、ターンバー77に接触し得る。活性剤残渣がターンバー77上に蓄積する場合、ウェブ取り扱いが不十分となり得る。例えば、
図8に示されるように、活性剤アプリケータ135は、第2の連続プライウェブ65が第3の連続プライウェブ130の上部上に位置付けられた後に、活性剤を第2の連続プライウェブ65上に配置する。活性剤が第2の連続プライウェブ65上に配置された後、第1の連続プライウェブ60は、第2の連続プライウェブ65の上部上に配置することができ、そのため第2の連続プライウェブ65は、第3の連続プライウェブ130と第1の連続プライウェブ60との間にある。このように、3つのプライ製品5が用いられるとき、活性剤は、第2の連続プライウェブ65上又はその中、第2の連続プライウェブ65のいずれかの表面上又はその中、及び第3の連続プライウェブ130の上に面する表面上又はその中に、好都合に供給され得る。そのため、3つのプライ製品5の場合、複数の不適合な活性剤は、第2のプライによって互いに好都合に分離され得る。
【0138】
プロセスは、フィラメント形成組成物35の溶液を供給する工程を更に含み得る。フィラメント形成組成物35は、複数の紡糸口金45を含む1つ以上のダイブロックアセンブリ40を通過して、複数の繊維状要素30を形成することができる。複数の繊維状要素30は、機械方向MDに移動しているベルト50上に堆積されて、親連続プライウェブ59を形成することができる。任意に、複数のフィラメント形成組成物は、単一のダイブロックアセンブリ40又はその部分に供給されてもよく、又は複数のフィラメント形成組成物は、複数のダイブロックアセンブリ40に供給されてもよい。
【0139】
繊維状要素30がベルト50上に堆積される前に、粒子95は、繊維状要素30の流れに導入することができる。
【0140】
図8に示されるように、ターンバー77は、第1のウェブ取り扱いステーション78及び第2のウェブ取り扱いステーション79において供給することができる。第1のウェブ取り扱いステーション78は、ダイブロックアセンブリ40の下流、及び第2のウェブ取り扱いステーション79の上流にあってもよい。活性剤アプリケータ又は複数のアプリケータ135は、第1のウェブ取り扱いステーション78の上流に、及び/又は第1のウェブ取り扱いステーション78と第2のウェブ取り扱いステーション79との間に位置決めすることができる。活性剤アプリケータ135は、第1のウェブ取り扱いステーション79の上流に位置決めされ、第1の連続プライウェブ60の上に重なるように位置決めされてもよい。任意に、活性剤アプリケータ135は、第1のウェブ取り扱いステーション78と第2のウェブ取り扱いステーション79との間に位置決めされてもよく、そのため、第2の連続プライウェブ65の上に重なり、第3の連続プライウェブ130が、付随して、第2の連続プライウェブ65の下になる。活性アプリケータ又は複数のアプリケータ135を位置決めすることは、そのため活性剤を最終製品5の内部に向けて位置決めすることが可能となり、消費者が活性剤と接触する可能性を低減する。
【0141】
水溶性製品5は、1つ以上の印刷ユニット150によって印刷され得る。印刷ユニット150は、製造ライン上の任意の場所に位置決めすることができ、そのため、存在する場合、第1の連続プライウェブ60、第2の連続プライウェブ65、及び/又は第3の連続プライウェブ130のうちの1つ以上の所望の表面が、印刷され得る。印刷は、CMYK印刷であり得る。印刷は、レーザージェット、インクジェット、グラビア、パッド、輪転グラビア、フレキソ、オフセット、スクリーン、リソグラフ、又は材料のウェブを印刷するのに好適な任意の他の印刷手法、特に不織布材料に最も好適なプロセスであり得る。乾燥機220は、印刷ユニット150の下流又は上流に位置付けることができる。
【0142】
2つのプライ水溶性製品5の場合、第1の連続プライウェブ60及び第2の連続プライウェブ65、又はその部分は、例えば、結合ロールを使用して互いに接合されて、水溶性製品5を形成することができる。第3の連続プライウェブ130と第1の連続プライウェブ60又は第2の連続プライウェブ65のうちの1つとの間に連続プライウェブが存在する場合、水溶性製品5の外側プライは、互いに結合され、外側プライの間に1つ以上のプライを含有することができる。任意に、水溶性製品5を形成するプライの各々は、互いに結合して、水溶性製品5の密着性を供給することができる。
【0143】
第1のプライ10と第2のプライ15との間に内部プライが存在する場合、内部プライは、第1のプライ10及び第2のプライ15内に含有され得る。任意に、第1のプライ10及び第2のプライ15は、内部プライに接合することができ、そのため第1のプライ10及び第2のプライ15は、内部プライ120を通して互いに接合される。
【0144】
連続プライウェブは、熱接着によって互いに結合され得る。熱接着は、プライが熱可塑性粉末、任意に水溶性熱可塑性材料を含有する場合、実用的であり得る。熱接着はまた、プライを構成する繊維が熱可塑性である場合、実用的であり得る。連続プライウェブは、任意に、カレンダー結合、ポイント結合、超音波結合、赤外線結合、空気結合、ニードルパンチ、水流交絡、溶融結合、接着剤結合、又は材料プライを結合するための他の既知の技術的手法であり得る。
【0145】
水溶性製品5は、ダイカッター160、任意に回転ダイカッター160によって互いに分離することができる。回転ダイカッター160は、ダイロールとアンビルロールとを備え、ダイロール及びアンビルは、互いに反対に回転している。
【0146】
連続プライウェブは、往復結合及びダイ切断装置、又は単一の回転結合及びダイ切断装置を使用する単一の工程で、互いに結合及びダイカットすることができる。結合とダイカットとを組み合わせた回転結合及びダイ切断装置では、ダイは、ダイカットを供給するように成形され、その中で切断される材料が、ダイのナイフエッジとアンビルの滑らかな表面との間で挟まれる。更に、ダイは、プライ、又は連続プライウェブ、及びこれらの層を互いに結合するために、プライ、又は連続プライウェブ、及びそれらの層の部分を共に圧縮するように成形される。ダイは、プライ、連続プライウェブ、及びそれらの層に切断及び結合パターンを供給する、パターン化されたダイであり得る。任意に、ダイを加熱することができ、これはプライ、連続プライウェブ、及びそれらの層の熱接着に実用的であり得る。
【0147】
3つのプライの水溶性パウチ5が、
図9に示される。プライの各々は、多層プライであってもよい。
図9に示されるように、内部プライ120は、下部プライ10と上部プライ15との間にあり得る。1つのプライの繊維が、そのプライの隣にあるプライの繊維と混在することができる。内部プライ120は、単一層プライ又は多層プライであってもよい。内部プライ120は、内側プライベルト側165と、内側プライベルト側165とは反対側の内側プライ空気側170と、を有することができる。任意に、内部プライ120は、複数の粒子95を含むことができる。1つ以上の活性剤190は、内部プライ120と上部プライ15との間にあり得る。内部プライ120は、任意に、
図9に示されるものに対して反転することができる。同様に、プライは、任意の所望の配向で、任意の所望の順序で配置することができる。
【0148】
製品5内のプライには2以上の任意の整数が存在し得る。このような数のプライ又は連続プライウェブを供給することと、かかるプライ又は連続プライウェブを積層することと、所望に応じてプライ又は連続プライウェブのいずれかを反転させ、かかるプライ又は連続プライウェブをそのような製品5に組み立てることと、によって達成され得る。
【0149】
本明細書に開示されるプロセスは、制御された環境で実行することができる。このプロセスは、相対湿度が約15%~約85%、任意に約30%~約60%、任意に約45%、及び温度が約15℃~約40℃、任意に約15℃~約30℃、任意に約18℃~約25℃の温度、並びに前述の範囲又は相対湿度及び温度の値の任意の組み合わせである環境で、実施することができる。理論に束縛されるものではないが、これらの相対湿度及び温度の範囲は、プライが製造され、最終製品に変換され得る条件を供給すると考えられる。
【0150】
直径試験法
走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)又は光学顕微鏡、及び画像解析ソフトウェアを使用して、離散繊維状要素又は繊維状構造体内の繊維状要素の直径を求める。繊維状要素を測定のために好適に拡大するように、200~10,000倍の倍率を選択する。SEMを使用する場合には、電子ビーム中での繊維状要素の帯電及び振動を避けるために、試料を金又はパラジウム化合物でスパッタリングする。SEM又は光学顕微鏡を用いて得られた画像(モニタスクリーン上)から繊維状要素の直径を測定するにはマニュアルの手順を用いる。マウス及びカーソルツールを使用して、ランダムに選択された繊維状要素の縁部を探し、その後、その幅(すなわち、その点における繊維状要素の方向に対して垂直な)にわたって繊維状要素の他方の縁部まで測定する。スケーリングされ、較正された画像解析ツールは、mu mで実際の読み取り値を得るためのスケーリングを供給する。繊維状構造体内の繊維状要素については、SEM又は光学顕微鏡を使用して、繊維状構造体の試料全体からいくつかの繊維状要素を無作為に選択する。繊維状構造体の少なくとも2つの部分を切り取り、この様式で試験する。統計解析のために、このような測定を全部で少なくとも100回実施し、次いで、全てのデータを記録する。記録したデータを用いて、繊維状要素の直径の平均値(平均)、繊維状要素の直径の標準偏差、及び繊維状要素の直径の中央値を計算する。別の有用な統計値として、特定の上限未満である繊維状要素の集合の量を算出する。この統計値を決定するために、繊維状要素の直径の結果のいくつが上限よりも小さいかをカウントするようにソフトウェアをプログラムし、そのカウント(データの合計数で除算し、100%を乗算する)を、上限よりも小さいパーセント(例えば直径が1マイクロメートル未満のパーセント又はサブミクロン%)として、パーセントで記録する。本発明者らは、個々の円形繊維状要素に関し測定された直径(μmで)をdiとして表す。
【0151】
繊維状要素が非円形断面を有する場合、繊維状要素の直径の測定値は、水力直径として求められ、水力直径と等しいものと設定され、水力直径とは繊維状要素の断面積を4倍して、繊維状要素の断面の周囲長さ(中空の繊維状要素の場合は外周囲長さ)で除したものである。数-平均直径、あるいは平均直径は、以下のとおりに計算する:
【0152】
【0153】
剪断粘度試験方法
本発明のフィラメント形成組成物の剪断粘度は、毛管レオメータである、Goettfert USA(Rock Hill S.C.,USA)で製造されたGoettfert Rheograph6000を使用して測定する。測定は、1.0mmの直径D及び30mmの長さL(すなわちL/30)を有する毛管ダイを使用して行う。レオメータの20mmのバレルの下端にダイを取り付け、75℃のダイ試験温度に保持する。ダイ試験温度に予め熱しておいたフィラメント形成組成物の60gの試料を、レオメータのバレル領域にロードする。試料から、閉じ込められた空気を全て取り除く。一連の選択された速度1,000~10,000秒-1で、試料をバレルから毛管ダイを通して押し出す。見かけ剪断粘度は、試料がバレルからキャピラリーダイを通って進むときに試料に生じる圧力低下及びキャピラリーダイを通る試料の流量から、レオメータのソフトウェアを用いて計算することができる。ログ(見かけの剪断粘度)は、ログ(剪断速度)に逆らってプロットすることができ、プロットは、数式に従い、指数法則によって適合できる。
【0154】
【数3】
式中、ηは、見かけの剪断粘度であり、Kは、材料の粘度定数であり、nはv材料の減粘指数であり、γは、剪断速度である。本明細書におけるフィラメント形成組成物の見かけの剪断粘度の報告値は、指数法則関係を用いて剪断速度3,000秒
-1に対する補間から計算される。
【0155】
坪量試験法
+-0.001gの感度限界の上皿化学天秤を使用して、12個の使用可能なユニットを積み重ねて繊維状構造体の坪量を測定する。風防を使用して、天秤を気流及び他の外乱から保護する。8.890cm+-0.0089cm×8.890cm+-0.0089cmの精密切断ダイを使用して、全ての試料を準備する。精密切断用金型を用いて、試料を正方形に切断する。切断した正方形をまとめて、試料12個の厚さに積み重ねる。積み重ねた試料の質量を測定し、結果を0.001g単位で記録する。
【0156】
坪量は、以下のようにg/m2で計算される:坪量=(積層体の質量)/[(積層体の1平方の面積)*(積層体の正方形のスパン)]例えば、坪量(g/m2)=積層体の質量(g)/[79.032(cm2)/10,000(cm2/m2)*12]結果を0.1g/m2単位で報告する。試料の寸法は、上述のように同様の精密カッターを使用して変更又は変化させることができ、それにより、積層体内に少なくとも645.16cm2の試料領域が存在し、坪量計算が適宜調整される。
【0157】
厚さ試験法
各切断された試料がVIR Electronic Thickness Tester Model II(Thwing-Albert Instrument Company(Philadelphia,Pa)から入手可能)のロードフット搭載面よりも大きなサイズになるように、繊維状構造体試料から5つの試料を切り取ることによって、繊維状構造体の厚みを測定する。典型的に、ロードフット搭載面は、約20.258cm2の円形表面積を有する。試料を水平な平面とロードフット搭載面との間に固定する。ロードフット搭載面は、15.5g/cm2の拘束圧を試料に印加する。各試料の厚さとは、平面とロードフット搭載面との間に結果として生じる隔たりである。厚さは5つの試料の平均の厚さとして算出される。結果をミリメートル(mm)で報告する。
【0158】
実施例及び組み合わせ
以下に実施例を示す。
1.水溶性(5)製品を製造するためのプロセスであって、
水溶性繊維状親連続プライウェブ(59)を供給する工程であって、親連続プライウェブが、機械方向(mashine direction、MD)と、機械方向に対して直交する横断方向(cross direction、CD)と、機械方向及び横断方向によって画定されている平面に対して直交する方向における厚みと、を有し、操作者縁部(61)と駆動縁部(62)との間で横断方向に延在し、駆動縁部及び操作者縁部よりも、操作者縁部と駆動縁部との間でより厚くなっている、供給する工程と、
機械方向において親連続プライウェブを切断して、駆動縁部を含む第1の連続プライウェブ(60)と、操作者縁部を含む第2の連続プライウェブ(65)と、を供給する工程と、
操作者縁部及び駆動縁部が、機械方向において、ウェブ積層体の中心線の両側にあるように、第1の連続プライウェブ及び第2の連続プライウェブを重ね合わせて、ウェブ積層体(66)を形成する工程と、
ウェブ積層体の部分を切断及び接合して、水溶性製品を形成する工程と、を含む、プロセス。
2.ウェブ積層体の部分を接合する工程が、ウェブ積層体の部分を切断する前又は後に行われる、パラグラフBに記載のプロセス。
3.横断方向における第1の連続プライウェブと第2の連続プライウェブとの間の第3の連続プライウェブ(130)を、機械方向における親連続プライウェブから切断する工程と、
第3の連続プライウェブを、第1の連続プライウェブ及び第2の連続プライウェブと重ね合わせて、ウェブ積層体を形成する工程と、を更に含む、パラグラフA又はBに記載のプロセス。
4.第2の連続プライウェブを、ウェブ積層体内の第1の連続プライウェブと第3の連続プライウェブとの間に位置決めする工程、又は第1の連続プライウェブを、第2の連続プライウェブと第3の連続プライウェブとの間に位置決めする工程、を更に含む、パラグラフCに記載のプロセス。
5.第1の連続プライウェブが、第1の連続プライウェブベルト側と、反対側の第1の連続プライウェブ空気側と、を有し、第2の連続プライウェブが、第2の連続プライウェブベルト側と、反対側の第2の連続プライウェブ空気側と、を有し、第3の連続プライウェブが、第3の連続プライウェブベルト側と、反対側の第3の連続プライウェブ空気側と、を有し、
ウェブ積層体が、上に面する表面(600)と、反対側の下に面する表面(601)と、を有し、
プロセスは、上に面する表面及び下に面する表面が、第1の連続プライウェブベルト側、第2の連続プライウェブベルト側、及び第3の連続プライウェブベルト側からなる群から選択され、かつ上に面する表面が、下に面する表面と同じではないように、第1の連続プライウェブ、第2の連続プライウェブ、及び第3の連続プライウェブを位置決めする工程を更に含む、パラグラフC又はDに記載のプロセス。
6.前記上に面する表面と前記下に面する表面との間に、非カプセル化香料、カプセル化香料、香料プレミックス、界面活性剤、酵素、漂白剤、漂白活性化剤、キレート剤、構造化剤、ビルダ、有機ポリマー化合物、増白剤、色相剤、抑泡剤、コンディショニング剤、湿潤剤、アルカリ性系、pH制御系、緩衝アルカノールアミン、防虫剤、ヘアケア剤、ヘアコンディショニング剤、スキンケア剤、日焼け止め剤、皮膚コンディショニング剤、布地柔軟剤、抗シワ剤、静電気防止剤、布地ケア染み除去剤、汚れ放出剤、分散剤、泡抑制剤、泡増強剤、消泡剤、布地清涼化剤、食器洗浄剤、硬質表面ケア剤、抗微生物剤、抗菌剤、抗真菌剤、漂白活性化剤、キレート剤、ビルダ、ローション、空気ケア剤、カーペットケア剤、移染防止剤、粘土汚れ除去剤、再付着防止剤、ポリマー汚れ放出剤、ポリマー分散剤、アルコキシル化ポリアミンポリマー、アルコキシル化ポリカルボキシレートポリマー、両親媒性グラフトコポリマー、溶解助剤、緩衝系、水柔軟化剤、水硬化剤、pH調整剤、凝集剤、発泡剤、防腐剤、化粧剤、メークアップ除去剤、発泡剤、付着助剤、コアセルベート形成剤、粘土、増粘剤、ラテックス、シリカ、乾燥剤、臭気抑制剤、制汗剤、冷感剤、温感剤、吸収性ゲル剤、抗炎症剤、染料、色相剤、顔料、酸、塩基、液体処理活性剤、農業用活性剤、工業用活性剤、摂取可能な活性剤、薬剤、睡眠補助薬、歯ホワイトニング剤、歯ケア剤、マウスウォッシュ剤、歯周歯肉ケア剤、ダイエット剤、ビタミン、ミネラル、水処理剤、水浄化剤、水殺菌剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される活性剤(190)を塗布する工程を更に含む、パラグラフEに記載のプロセス。
7.複数の水溶性粒子(95)を親連続プライウェブに供給する工程を更に含む、パラグラフA~Fのいずれかに記載のプロセス。
8.繊維状の第1の層(20)を供給する工程と、
第1の層に面する繊維状の第2の層(25)を供給する工程であって、第1の層及び第2の層が、親連続プライウェブを共に形成する、供給する工程と、を更に含む、パラグラフA~Gのいずれかに記載のプロセス。
9.繊維状の第2の層に水溶性粒子を供給する工程を更に含む、パラグラフHに記載のプロセス。
10.第1の連続プライウェブベルト側、第2の連続プライウェブベルト側、及び第3の連続プライウェブベルト側が、第1の層を含む、パラグラフH又はIに記載のプロセス。
11.第2の連続プライウェブと第1の連続プライウェブとの間に、非カプセル化香料、香料プレミックス、カプセル化香料、界面活性剤、酵素、漂白剤、漂白活性化剤、キレート剤、構造化剤、ビルダ、有機ポリマー化合物、増白剤、色相剤、抑泡剤、コンディショニング剤、湿潤剤、アルカリ性系、pH制御系、緩衝アルカノールアミン、防虫剤、ヘアケア剤、ヘアコンディショニング剤、スキンケア剤、日焼け止め剤、皮膚コンディショニング剤、布地柔軟剤、抗シワ剤、静電気防止剤、布地ケア染み除去剤、汚れ放出剤、分散剤、泡抑制剤、泡増強剤、消泡剤、布地清涼化剤、食器洗浄剤、硬質表面ケア剤、抗微生物剤、抗菌剤、抗真菌剤、漂白活性化剤、キレート剤、ビルダ、ローション、空気ケア剤、カーペットケア剤、移染防止剤、粘土汚れ除去剤、再付着防止剤、ポリマー汚れ放出剤、ポリマー分散剤、アルコキシル化ポリアミンポリマー、アルコキシル化ポリカルボキシレートポリマー、両親媒性グラフトコポリマー、溶解助剤、緩衝系、水柔軟化剤、水硬化剤、pH調整剤、凝集剤、発泡剤、防腐剤、化粧剤、メークアップ除去剤、発泡剤、付着助剤、コアセルベート形成剤、粘土、増粘剤、ラテックス、シリカ、乾燥剤、臭気抑制剤、制汗剤、冷感剤、温感剤、吸収性ゲル剤、抗炎症剤、染料、色相剤、顔料、酸、塩基、液体処理活性剤、農業用活性剤、工業用活性剤、摂取可能な活性剤、薬剤、睡眠補助薬、歯ホワイトニング剤、歯ケア剤、マウスウォッシュ剤、歯周歯肉ケア剤、ダイエット剤、ビタミン、ミネラル、水処理剤、水浄化剤、水殺菌剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される活性剤を塗布する工程を更に含む、パラグラフA~Jのいずれかに記載のプロセス。
12.繊維状の第1の層を供給する工程と、
第1の層に面する繊維状の第2の層を供給する工程と、第1の層及び第2の層が、親連続プライウェブを共に形成する工程と、を更に含む、パラグラフA~Kのいずれかに記載のプロセス。
13.フィラメント形成組成物の溶液を供給する工程と、
複数の紡糸口金を備える1つ以上のダイブロックアセンブリにフィラメント形成組成物を通過させて、複数の繊維状要素を形成する工程と、
複数の繊維状要素を機械方向に移動するベルト上に堆積させて、親連続プライウェブを形成する工程と、を更に含み、
前記プロセスが、連続プロセスである、パラグラフA~Lのいずれかに記載のプロセス。
14.第1の連続プライウェブ及び第2の連続プライウェブのうちの1つ以上の上に印刷する工程を更に含む、パラグラフA~Mのいずれかに記載のプロセス。
【0159】
本明細書で開示する寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限られるとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0160】
相互参照される又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとも見なされず、あるいはそれを単独で又は他のいかなる参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような発明全てを教示、示唆、又は開示するとも見なされない。更に、本文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0161】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図されている。