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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-29
(45)【発行日】2022-04-06
(54)【発明の名称】EFEM
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20220330BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018048429
(22)【出願日】2018-03-15
(65)【公開番号】P2019161115
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000002059
【氏名又は名称】シンフォニアテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河合 俊宏
(72)【発明者】
【氏名】小倉 源五郎
【審査官】鈴木 孝章
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-213446(JP,A)
【文献】特開2016-162818(JP,A)
【文献】特開2017-005283(JP,A)
【文献】特開2014-38888(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不活性ガスを循環させるための循環路が形成されたEFEMであって、
前記循環路は、
搬送ロボットが配置された搬送室と、
ガスを浄化して前記搬送室に送るように構成され且つ前記搬送室に層流を形成させるように構成されたファンフィルタユニット、が配置されたFFU設置室と、
前記搬送室内のガスを前記FFU設置室へ帰還させる帰還路と、を有し、
前記循環路に供給される前記不活性ガスの供給流量を変更可能な供給バルブと、
前記循環路から排出されるガスの排出流量を変更可能な排出バルブと、
前記循環路内の雰囲気の変化を検出する濃度検出部と、
前記循環路内の圧力を検出する圧力検出部と、
前記供給バルブ及び前記排出バルブを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記循環路内の圧力を大気圧よりも高い圧力に保つように前記排出バルブの開度を制御し、且つ、
前記濃度検出部の検出結果に基づいて、前記排出バルブの開度を、予め定められた値に決定することを特徴とするEFEM。
【請求項2】
不活性ガスを循環させるための循環路が形成されたEFEMであって、
前記循環路に供給される前記不活性ガスの供給流量を変更可能な供給バルブと、
前記循環路から排出されるガスの排出流量を変更可能な排出バルブと、
前記循環路内の雰囲気の変化を検出する濃度検出部と、
前記循環路内の圧力を検出する圧力検出部と、
前記供給バルブ及び前記排出バルブを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記濃度検出部の検出結果に基づいて、前記排出バルブの開度を、予め定められた値に決定し、
記循環路内の圧力が目標圧力に維持されるように、前記圧力検出部の検出結果に基づいて前記排出バルブの開度をフィードバック制御するフィードバックモードと、
前記濃度検出部の検出結果に基づいて前記排出バルブの開度を決定するフィードフォワードモードと、の間で制御モードの切り換えが可能であり、
前記濃度検出部の検出結果に基づいて前記供給バルブの開度を変更するときに、前記制御モードを前記フィードバックモードから前記フィードフォワードモードに切り換えることを特徴とするEFEM。
【請求項3】
前記制御部は、
前記制御モードが前記フィードバックモードから前記フィードフォワードモードに切り換えられた後、所定時間が経過したときに、前記制御モードを前記フィードフォワードモードから前記フィードバックモードに戻すことを特徴とする請求項2に記載のEFEM。
【請求項4】
前記制御部は、
前記雰囲気の変化に応じた複数の区分に区分けされ、前記区分ごとに前記供給バルブの開度及び前記排出バルブの開度が対応付けられているテーブル、を記憶している記憶部を有することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のEFEM。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不活性ガスを循環させることが可能なEFEM(Equipment Front End Module)に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、半導体基板(ウェハ)に所定の処理を施す処理装置と、ウェハが収容されるポッドとの間でウェハの受渡しを行う、EFEMが開示されている。EFEMは、ウェハの搬送が行われる受渡しゾーン(搬送室)が形成された筐体を備える。
【0003】
従来、ウェハ上で製造される半導体回路に対する搬送室内の酸素や水分等の影響は少なかったが、近年、半導体回路のさらなる微細化に伴い、それらの影響が顕在化してきている。そこで、特許文献1に記載のEFEMは、不活性ガスである窒素で搬送室内が満たされるように構成されている。具体的には、EFEMは、筐体の内部で窒素を循環させる、搬送室を含む循環路と、供給源から循環路に供給される窒素の供給流量を調節する流量制御器と、循環路からガスを排出するためのリリース弁とを備える。これにより、窒素を循環させながら、必要に応じて窒素の供給流量及びガスの排出流量を調節することで、窒素の供給流量の増大を抑えつつ、循環路内を窒素雰囲気に保つことが可能となる。
【0004】
さらに、上記EFEMは、循環路内の酸素濃度を測定する酸素濃度計と、循環路内の圧力を測定する圧力計と、制御部とを備える。制御部は、循環路内の酸素濃度が所定値を超えると、流路制御器を制御して窒素の供給流量を増加させ、循環路内の酸素濃度を下げる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-5283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
窒素を循環させるタイプのEFEMにおいては、循環路から外部への窒素の漏出を抑制しつつ、外部から循環路への大気の侵入を確実に抑制するために、循環路内の圧力を外部の圧力よりもわずかに高く保つ必要がある(例えば、3~500Pa(G)、好ましくは5~100Pa(G))。このため、制御部は、循環路内の圧力が所定の範囲から外れると、リリース弁の開度を変更することで窒素の排出流量を変更し、圧力が所定の目標圧力になるように調節する。このように、酸素濃度に基づいて窒素の供給流量が調節され、圧力に基づいて窒素の排出流量が調節されることで、酸素濃度及び圧力が制御される。
【0007】
何らかの原因により循環路内の酸素濃度が増加した場合は、ウェハへの酸素の影響を抑制するために、窒素の供給による酸素濃度の速やかな低減を行う必要があり、窒素の供給流量が一時的に増加することとなる。ここで、特許文献1に記載のEFEMにおいては、例えば循環路の容量が大きいと、窒素の供給流量が変更されてから、循環路内の圧力の変化が圧力計によって検出されるまで時間がかかるおそれがある。このため、供給流量の変更に対する排出流量の変更のタイミングが遅れ(つまり、圧力制御のタイミングが遅れ)、循環路内の圧力の変動が大きくなるおそれがある。これにより、循環路内の圧力が外部空間の圧力よりも高くなり過ぎて、循環路から外部空間に窒素が漏れやすくなるという問題や、循環路内の圧力が外部空間の圧力よりも低くなり過ぎて、外部空間から循環路に大気が流入しやすくなるという問題が発生しうる。
【0008】
本発明の目的は、不活性ガスの供給流量を変更したときの循環路内の圧力変動を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明のEFEMは、不活性ガスを循環させるための循環路が形成されたEFEMであって、前記循環路に供給される前記不活性ガスの供給流量を変更可能な供給バルブと、 前記循環路から排出されるガスの排出流量を変更可能な排出バルブと、前記循環路内の雰囲気変化を検出する濃度検出部と、前記循環路内の圧力を検出する圧力検出部と、前記供給バルブ及び前記排出バルブを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記濃度検出部の検出結果に基づいて、前記排出バルブの開度を、予め定められた値に決定することを特徴とするものである。
【0010】
本発明では、雰囲気の変化に応じて、排出バルブの開度が、予め定められた値に決定される。これにより、排出バルブの開度変更を供給バルブの開度変更と同時に行うことができる。つまり、供給流量を増やすタイミングに合わせて排出流量を増やし、供給流量を減らすタイミングに合わせて排出流量を減らすことで、循環路内の圧力変化を待って排出流量を変更する場合と比べて、循環路内の圧力変動を小さくすることができる。したがって、不活性ガスの供給流量を変更したときの循環路内の圧力変動を抑制することができる。
【0011】
第2の発明のEFEMは、前記第1の発明において、前記制御部は、前記循環路内の圧力が目標圧力に維持されるように、前記圧力検出部の検出結果に基づいて前記排出バルブの開度をフィードバック制御するフィードバックモードと、前記濃度検出部の検出結果に基づいて前記排出バルブの開度を決定するフィードフォワードモードと、の間で制御モードの切り換えが可能であり、前記濃度検出部の検出結果に基づいて前記供給バルブの開度を変更するときに、前記制御モードを前記フィードバックモードから前記フィードフォワードモードに切り換えることを特徴とするものである。
【0012】
本発明では、フィードバックモードとフィードフォワードモードとを適切に切り換えることで、通常時に循環路内の圧力を確実に安定的に制御し、且つ、不活性ガスの供給流量を変更したときに循環路内の圧力変動を効果的に抑制できる。
【0013】
第3の発明のEFEMは、前記第2の発明において、前記制御部は、前記制御モードが前記フィードバックモードから前記フィードフォワードモードに切り換えられた後、所定時間が経過したときに、前記制御モードを前記フィードフォワードモードから前記フィードバックモードに戻すことを特徴とするものである。
【0014】
本発明では、制御モードがフィードフォワードモードに切り換えられてから所定時間が経過し、循環路を構成する各部のガス流量がある程度安定化された後(循環路内の圧力分布がある程度均一化された後)に、制御モードがフィードバックモードに戻される。したがって、不活性ガスの供給流量を変更した後の圧力のフィードバック制御を安定させることができる。
【0015】
第4の発明のEFEMは、前記第2又は第3の発明において、前記制御部は、前記雰囲気の変化に応じた複数の区分に区分けされ、前記区分ごとに前記供給バルブの開度及び前記排出バルブの開度が対応付けられているテーブル、を記憶している記憶部を有することを特徴とするものである。
【0016】
例えば、酸素濃度と供給バルブの開度とが対応付けられている関数や、酸素濃度と排出バルブの開度とが対応付けられている関数がバルブの開度の制御に用いられる場合、供給流量や排出流量を最適化するためのパラメータ調整が煩雑になるおそれがある。本発明では、酸素濃度の区分ごとにバルブの開度の値を設定することができるため、供給流量や排出流量の調整を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態に係るEFEM及びその周辺の概略的な平面図である。
図2】EFEMの電気的構成を示す図である。
図3】筐体の正面図である。
図4図3のIV-IV断面図である。
図5図3のV-V断面図である。
図6】循環路内の圧力のフィードバック制御を示す図である。
図7】酸素濃度と窒素供給流量と排出バルブの開度との対応テーブルを示す図である。
図8】循環路内の酸素濃度の制御を示すフローチャートである。
図9】酸素濃度、窒素供給流量、及び排出バルブの開度それぞれの時間変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施の形態について、図1図9を参照しながら説明する。なお、説明の便宜上、図1に示す方向を前後左右方向とする。すなわち、EFEM(Equipment Front End Module)1と基板処理装置6とが並べられている方向を前後方向とする。EFEM1側を前方、基板処理装置6側を後方とする。前後方向と直交する、複数のロードポート4が並べられている方向を左右方向とする。また、前後方向及び左右方向の両方と直交する方向を上下方向とする。
【0019】
(EFEM及び周辺の概略構成)
まず、EFEM1及びその周辺の概略構成について、図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施形態に係るEFEM1及びその周辺の概略的な平面図である。図2は、EFEM1の電気的構成を示す図である。図1に示すように、EFEM1は、筐体2と、搬送ロボット3と、複数のロードポート4と、制御装置5(本発明の制御部)とを備える。EFEM1の後方には、ウェハWに所定の処理を施す基板処理装置6が配置されている。EFEM1は、筐体2内に配置された搬送ロボット3によって、ロードポート4に載置されているFOUP(Front-Opening Unified Pod)100と基板処理装置6との間でウェハWの受渡しを行う。FOUP100は、複数のウェハWを上下方向に並べて収容可能な容器であり、後端部(前後方向における筐体2側の端部)に蓋101が取り付けられている。FOUP100は、例えば、ロードポート4の上方に設けられた不図示のレールに吊り下げられて走行する、不図示のOHT(天井走行式無人搬送車)によって搬送される。OHTとロードポート4との間で、FOUP100の受渡しが行われる。
【0020】
筐体2は、複数のロードポート4と基板処理装置6とを接続するためのものである。筐体2の内部には、外部空間に対して略密閉された、ウェハWが搬送される搬送室41が形成されている。EFEM1が稼動しているとき、搬送室41は、窒素(本発明の不活性ガス)で満たされている。筐体2は、搬送室41を含む内部空間を窒素が循環するように構成されている(詳細については後述する)。また、筐体2の後端部にはドア2aが取り付けられ、搬送室41は、ドア2aを隔てて基板処理装置6と接続されている。
【0021】
搬送ロボット3は、搬送室41内に配置され、ウェハWの搬送を行う。搬送ロボット3は、位置が固定された基台部3a(図3参照)と、基台部3aの上方に配置され、ウェハWを保持して搬送するアーム機構3b(図3参照)と、ロボット制御部11(図2参照)とを有する。搬送ロボット3は、主に、FOUP100内のウェハWを取り出して基板処理装置6に渡す動作や、基板処理装置6によって処理されたウェハWを受け取ってFOUP100に戻す動作を行う。
【0022】
ロードポート4は、FOUP100を載置する(図5参照)ためのものである。複数のロードポート4は、それぞれの後端部が筐体2の前側の隔壁に沿うように、左右方向に並べて配置されている。ロードポート4は、FOUP100内の雰囲気を窒素等の不活性ガスに置換可能に構成されている。ロードポート4の後端部には、ドア4aが設けられている。ドア4aは、不図示のドア開閉機構によって開閉される。ドア4aは、FOUP100の蓋101のロックを解除可能、且つ、蓋101を保持可能に構成されている。ロックが解除された蓋101をドア4aが保持している状態で、ドア移動機構がドア4aを開けることで、蓋101が開けられる。これにより、FOUP100内のウェハWが、搬送ロボット3によって取出可能になる。
【0023】
図2に示すように、制御装置5は、各種パラメータの設定等を行うための設定部5aと、設定されたパラメータ等を記憶する記憶部5bと、を有する(詳細については後述する)。制御装置5は、搬送ロボット3のロボット制御部11、ロードポート4の制御部(不図示)、基板処理装置6の制御部(不図示)と電気的に接続されており、これらの制御部との通信を行う。制御装置5は、筐体2内に設置された酸素濃度計55(本発明の濃度検出部)、圧力計56(本発明の圧力検出部)、湿度計57等と電気的に接続されており、これらの計測機器の計測結果を受信して、筐体2内の雰囲気に関する情報を把握する。制御装置5は、供給バルブ61及び排出バルブ62(後述)と電気的に接続されており、これらのバルブの開度を調節することで、筐体2内の雰囲気を適宜調節する。
【0024】
図1に示すように、基板処理装置6は、例えば、ロードロック室6aと、処理室6bとを有する。ロードロック室6aは、筐体2のドア2aを隔てて搬送室41と接続された、ウェハWを一時的に待機させるための部屋である。処理室6bは、ドア6cを隔ててロードロック室6aと接続されている。処理室6bでは、不図示の処理機構によって、ウェハWに対して所定の処理が施される。
【0025】
(筐体及びその内部の構成)
次に、筐体2及びその内部の構成について、図3図5を用いて説明する。図3は、筐体2の正面図である。図4は、図3のIV-IV断面図である。図5は、図3のV-V断面図である。なお、図3においては、隔壁の図示を省略している。また、図5においては、搬送ロボット3等の図示を省略している。
【0026】
筐体2は、全体として直方体状である。図3図5に示すように、筐体2は、柱21~26と、隔壁31~36とを有する。上下方向に延びる柱21~26に隔壁31~36が取り付けられており、筐体2の内部空間が外部空間に対して略密閉されている。
【0027】
より具体的には、図4に示すように、筐体2の前端部において、柱21~24が左方から右方にかけて順番に並べて立設配置されている。柱21と柱24との間に配置された柱22、23は、柱21及び柱24よりも短い。筐体2の後端部の左右両側に、柱25、26が立設配置されている。
【0028】
図3に示すように、筐体2の底部に隔壁31が、天井部に隔壁32が配置されている。図4に示すように、前端部に隔壁33が、後端部に隔壁34が、左端部に隔壁35が、右端部に隔壁36が、それぞれ配置されている。筐体2の右端部には、後述するアライナ54が載置される載置部53(図3参照)が設けられている。アライナ54及び載置部53も、筐体2の内側に収容されている(図4参照)。
【0029】
図3及び図5に示すように、筐体2内の上側部分(柱22、23の上方)には、水平方向に延びる支持板37が配置されている。これにより、筐体2の内部は、下側に形成された前述の搬送室41と、上側に形成されたFFU設置室42とに分かれている。FFU設置室42内には、後述するFFU(ファンフィルタユニット)44が配置されている。支持板37の前後方向における中央部には、搬送室41とFFU設置室42とを連通させる開口37aが形成されている。なお、筐体2の隔壁33~36は、搬送室41用の下部壁とFFU設置室42用の上部壁とに分けられている(例えば、図5における前端部の隔壁33a、33b及び後端部の隔壁34a、34bを参照)。
【0030】
次に、筐体2の内部の構成について説明する。具体的には、筐体2内で窒素を循環させるための構成及びその周辺構成、並びに、搬送室41内に配置された機器等について説明する。
【0031】
筐体2内で窒素を循環させるための構成及びその周辺構成について、図3図5を用いて説明する。図5に示すように、筐体2の内部には、窒素を循環させるための循環路40が形成されている。循環路40は、搬送室41と、FFU設置室42と、帰還路43とによって構成されている。概要としては、循環路40においては、FFU設置室42から清浄な窒素が下方へ送り出され、搬送室41の下端部まで到達した後、帰還路43を通って上昇し、FFU設置室42に戻るようになっている(図5の矢印参照)。以下、詳細に説明する。
【0032】
FFU設置室42には、支持板37上に配置されたFFU44と、FFU44上に配置されたケミカルフィルタ45とが設けられている。FFU44は、ファン44aとフィルタ44bとを有する。FFU44は、ファン44aによってFFU設置室42内の窒素を下方に送出しつつ、窒素に含まれるパーティクル(不図示)をフィルタ44bによって除去する。ケミカルフィルタ45は、例えば基板処理装置6から循環路40内に持ち込まれた活性ガス等を除去するためのものである。FFU44及びケミカルフィルタ45によって清浄化された窒素は、FFU設置室42から、支持板37に形成された開口37aを介して搬送室41に送り出される。搬送室41に送り出された窒素は、層流を形成し、下方へ流れる。
【0033】
帰還路43は、筐体2の前端部に配置された柱21~24(図5においては柱23)及び支持板37に形成されている。すなわち、柱21~24は中空になっており、窒素が通れる空間21a~24aがそれぞれ形成されている(図4参照)。つまり、空間21a~24aが、それぞれ帰還路43を構成している。帰還路43は、支持板37の前端部に形成された開口37bによってFFU設置室42と連通している(図5参照)。
【0034】
帰還路43について、図5を参照しつつ、より具体的に説明する。なお、図5には柱23が示されているが、他の柱21、22、24についても同様である。柱23の下端部には、搬送室41内の窒素を帰還路43(空間23a)に流入させやすくするための導入ダクト27が取り付けられている。導入ダクト27には開口27aが形成され、搬送室41の下端部に到達した窒素が帰還路43に流入可能となっている。導入ダクト27の上部には、下方へ向かうほど後方に広がる拡大部27bが形成されている。拡大部27bの下方には、ファン46が配置されている。ファン46は、不図示のモータによって駆動され、搬送室41の下端部に到達した窒素を帰還路43(図5においては空間23a)に吸い込んで上方に送り出し、窒素をFFU設置室42に戻す。FFU設置室42に戻された窒素は、FFU44やケミカルフィルタ45によって清浄化され、再び搬送室41へ送り出される。以上のようにして、窒素が循環路40内を循環可能になっている。
【0035】
また、図3に示すように、FFU設置室42の側部には、循環路40内に窒素を供給するための供給管47が接続されている。供給管47は、窒素の供給源111に接続されている。供給管47の途中部には、窒素の単位時間あたりの供給量を変更可能な供給バルブ61が設けられている。また、図5に示すように、搬送室41の前端部には、循環路40内の気体を排出するための排出管48が接続されている。排出管48は、例えば不図示の排気ポートにつながっている。排出管48の途中部には、循環路40内の気体の単位時間あたりの排出量を変更可能な排出バルブ62が設けられている。供給バルブ61及び排出バルブ62は、制御装置5と電気的に接続されている(図2参照)。これにより、循環路40に窒素を適宜供給及び排出することが可能となっている。例えば、循環路40内の酸素濃度が上昇した場合に、供給源111から供給管47を介して循環路40に窒素を一時的に多く供給し、排出管48を介して窒素と共に酸素を排出することで、酸素濃度を下げることができる。詳細については後述する。
【0036】
次に、搬送室41内に配置された機器等について、図3及び図4を用いて説明する。図3及び図4に示すように、搬送室41内には、上述した搬送ロボット3と、制御部収容箱51と、計測機器収容箱52と、アライナ54とが配置されている。制御部収容箱51は、例えば搬送ロボット3の基台部3a(図3参照)の左方に設置され、アーム機構3b(図3参照)と干渉しないように配置されている。制御部収容箱51には、上述したロボット制御部11が収容されている。計測機器収容箱52は、例えば基台部3aの右方に設置され、アーム機構3bと干渉しないように配置されている。計測機器収容箱52には、上述した酸素濃度計55、圧力計56、湿度計57等の計測機器(図2参照)が収容可能となっている。
【0037】
アライナ54は、搬送ロボット3のアーム機構3b(図3参照)に保持されているウェハWの保持位置が、目標保持位置からどれだけずれているか検出するためのものである。例えば、上述したOHT(不図示)によって搬送されるFOUP100(図1参照)の内部では、ウェハWが微妙に動くおそれがある。そこで、搬送ロボット3は、FOUP100から取り出した処理前のウェハWを、いったんアライナ54に載置する。アライナ54は、ウェハWが搬送ロボット3によって目標保持位置からどれだけずれた位置で保持されていたか計測し、計測結果をロボット制御部11に送信する。ロボット制御部11は、上記計測結果に基づいて、アーム機構3bによる保持位置を補正し、アーム機構3bを制御して目標保持位置でウェハWを保持させ、基板処理装置6のロードロック室6aまで搬送させる。これにより、基板処理装置6によるウェハWの処理を正常に行うことができる。
【0038】
(圧力の制御について)
次に、制御装置5による循環路40内の圧力のフィードバック制御について、図6を用いて簡単に説明する。図6(a)は、循環路40内の圧力の時間変化を示す図である。図6(b)は、排出バルブ62の開度の時間変化を示す図である。
【0039】
制御装置5は、循環路40内の圧力が目標圧力に維持されるように、圧力計56(図2参照)の検出結果に基づいて排出バルブ62の開度をフィードバック制御可能に構成されている。目標圧力とは、例えば、筐体2の外部の圧力(大気圧)よりも10Pa高い圧力(10Pa(G))である。すなわち、循環路40から外部への窒素の漏出を抑制しつつ、外部から循環路40への大気の侵入を確実に抑制するために、循環路40内の圧力を外部の圧力よりもわずかに高く保つことが好ましい。一例としては、3~500Pa(G)の範囲内であり、好ましくは5~100Pa(G)の範囲内である。
【0040】
例えば、図6(a)に示すように、循環路40内の圧力が10Pa(G)よりも高くなると、制御装置5は、図6(b)に示すように、排出バルブ62の開度を大きくして循環路40のガスの排出流量を増加させ、循環路40内の圧力を10Pa(G)に近づける。逆に、循環路40内の圧力が10Pa(G)よりも低くなると、制御装置5は、排出バルブ62の開度を小さくして循環路40のガスの排出流量を減少させる。具体的な制御方式としては、一般的に知られているPID制御(比例制御、積分制御及び微分制御を行う制御)が好ましいが、これに限定されるものではない。
【0041】
(酸素濃度の制御について)
次に、循環路40内の酸素濃度の制御について簡単に説明する。何らかの原因により循環路40内の酸素濃度が増加した場合は、ウェハWへの酸素の影響を抑制するために、酸素濃度を速やかに低減することが求められる。例えば、循環路40内の酸素濃度は、100ppm未満に管理され、好ましくは70ppm未満、より好ましくは30ppm未満に管理される。制御装置5は、酸素濃度計55の検出結果に基づき、循環路40内の酸素濃度が増加したと判断した場合に、供給バルブ61を制御して供給バルブ61の開度を上げ、窒素の供給流量を増加させる。これにより、循環路40内のガスの入れ換えを積極的に行うことで、循環路40内の酸素濃度が下がる。逆に、酸素濃度がある程度まで低減されたら、制御装置5は、供給バルブ61を制御して窒素の供給流量を減らす。これにより、ランニングコストの増大が抑えられる。
【0042】
ここで、制御装置5が、供給バルブ61を制御して窒素の供給流量を変更した後、循環路40内の圧力の変化を待って排出バルブ62の開度を変更する構成(つまり、排出バルブ62の開度のフィードバック制御を行う構成)では、以下のような問題が生じうる。すなわち、窒素の供給流量が変更されてから、循環路40内の圧力の変化が圧力計56によって検出されるまで時間がかかるおそれがある。このため、供給流量の変更に対する排出流量の変更のタイミングが遅れ(つまり、圧力制御のタイミングが遅れ)、循環路40内の圧力の変動が大きくなるおそれがある。これにより、循環路40内の圧力が外部の圧力よりも高くなり過ぎて、循環路40から外部に窒素が漏れやすくなるという問題や、循環路40内の圧力が外部の圧力よりも低くなり過ぎて、外部から循環路40に大気が流入しやすくなるという問題が発生しうる。局所的な負圧が発生した場合でも大気が流入し、酸素濃度の上昇のおそれがある。そこで、本実施形態における制御装置5は、循環路40内の圧力の変動を抑制するために、以下のような構成を有する。
【0043】
(制御装置の詳細について)
制御装置5の詳細について説明する。まず、制御装置5は、排出バルブ62の制御モードを2つのモードの間で切換可能に構成されている。1つ目の制御モードは、前述したように、圧力計56の検出結果に基づいて排出バルブ62の開度をフィードバック制御するフィードバックモードである。2つ目の制御モードは、酸素濃度計55の検出結果に基づいて、供給バルブ61の開度変更と併せて排出バルブ62の開度変更を行う(すなわち、フィードフォワード制御を行う)フィードフォワードモードである。
【0044】
フィードフォワード制御に用いられる情報について、図7を用いて説明する。前述したように、制御装置5は、記憶部5b(図2参照)を有する。図7に示すように、記憶部5bには、循環路40内の酸素濃度と循環路40への窒素供給流量と排出バルブ62の開度とが対応付けられた対応テーブルが予め記憶されている。対応テーブルは、酸素濃度の範囲に応じて(言い換えると、循環路40内の雰囲気の変化に応じて)複数の区分に区分けされている。本実施形態では、5つの区分(図7の紙面上方から順に200ppm以上、100~199ppm、70~99ppm、30~69ppm、29ppm以下)に分けられている。これらの区分ごとに、窒素供給流量(供給バルブ61の開度に応じて変わる)及び排出バルブ62の開度が対応づけられている。対応テーブルは、予め記憶部5bに記憶されているが、設定部5a(図2参照)を操作することで数値を変更することも可能である。制御装置5は、制御モードがフィードフォワードモードであるときに、対応テーブルを参照して窒素供給流量及び排出バルブ62の開度を決定する。これにより、循環路40内の酸素濃度が変動したときに、供給バルブ61の開度変更と排出バルブ62の開度変更を同時に行うことが可能となっている。
【0045】
(酸素濃度の制御の詳細)
次に、制御装置5による酸素濃度の制御の詳細について、図7図9を用いて説明する。図8は、循環路40内の酸素濃度の制御を示すフローチャートである。図9(a)は、循環路40内の酸素濃度の時間変化を示す図である。図9(b)は、循環路40への窒素供給流量の時間変化を示す図である。図9(c)は、排出バルブ62の開度の時間変化を示す図である。図9(d)は、従来の方式(フィードバック制御のみを行った場合)における排出バルブ62の開度の時間変化を示す図である。図9(a)~(d)の横軸は、いずれも時刻を表す。
【0046】
初期状態として、例えば、酸素濃度が70~99ppmの範囲(図7に示す対応テーブルにおける中央の区分)に収まっており、窒素供給流量は200LPM(リットル毎分)となっている。また、排出バルブ62の制御モードはフィードバックモードであり、排出バルブ62の開度は50%前後で微調整されている。
【0047】
図8に示すように、まず、制御装置5は、酸素濃度計55の検出結果を受信し(S101)、対応テーブルを参照する(S102)。制御装置5は、酸素濃度計55の検出結果及び対応テーブルに基づき、循環路40内の酸素濃度の区分が変わったかどうか(具体例として、酸素濃度が70~99ppmの範囲から外れたかどうか)判断する(S103)。酸素濃度の区分が変わっていなければ(言い換えると、循環路40内の雰囲気の変化が小さければ)、ステップS101に戻る。酸素濃度の区分が変わり、例えば図9(a)に示すように、時刻t1において酸素濃度が100ppm以上となった場合、制御装置5は、供給バルブ61の開度を変更することで窒素供給流量を変更する。具体的には、酸素濃度100~199ppmの区分(図7における紙面上方から2番目の区分)に対応付けられた値(300LPM)に窒素供給流量を変更する。それとともに、制御装置5は、排出バルブ62の制御モードをフィードバックモードからフィードフォワードモードに切り換える。そして、排出バルブ62の開度を、予め定められた値(ここでは、酸素濃度100~199ppmの区分に対応づけられた値(70%))に決定し、排出バルブ62の開度を変更する(S104)。これにより、循環路40内への窒素の供給流量と循環路40からのガスの排出流量が同時に変更される。
【0048】
制御装置5は、ステップS104の後、所定時間T(図9(c)参照)が経過するまで、排出バルブ62の制御モードをフィードフォワードモードに維持する(S105)。所定時間Tとは、供給流量及び排出流量が変更されてから、循環路40を構成する各部(搬送室41、帰還路43、FFU室42等)のガス流量がある程度安定化されるまでの時間(循環路40内の圧力分布がある程度均一化されるまでの時間)である。所定時間Tの長さは、例えば3~5秒が好ましい。所定時間Tは、装置の流路(循環路40等)の形状や容積によるコンダクタンスに基づいて決定してもよく、シミュレーションソフトを用いて流体解析を行い決定してもよい。制御装置5は、所定時間Tが経過したときに、排出バルブ62の制御モードをフィードフォワードモードからフィードバックモードに戻す(S106)。これにより、排出バルブ62のフィードバック制御が再開される。
【0049】
上述した一連の制御の具体例について、図9を用いて説明する。時刻t1において、酸素濃度が100ppm以上となったとき(図9(a)参照)、制御装置5は、対応テーブルに基づき、窒素供給流量を200LPMから300LPMに変更する(図9(b)参照)。それとともに、制御装置5は、制御モードをフィードフォワードモードに切り換え、排出バルブ62の開度を70%に変更し、所定時間Tが経過するまで排出バルブ62の開度を70%に維持する(図9(c)参照)。制御モードがフィードフォワードモードに切り換えられてから所定時間Tが経過したとき、制御装置5は、制御モードをフィードバックモードに戻す。
【0050】
また、時刻t2において、酸素濃度が100ppm未満に下がったとき(図9(a)参照)、制御装置5は、窒素供給流量を300LPMから200LPMに戻す(図9(b)参照)。同時に、制御装置5は、排出バルブ62の制御モードをフィードフォワードモードに切り換え、排出バルブ62の開度を50%に変更する(図9(c)参照)。制御モードが切り換えられてから所定時間Tが経過したとき、制御装置5は、制御モードをフィードバックモードに戻す。以上のような制御が、制御装置5によって繰り返し行われる。
【0051】
ここで、図9(c)、(d)を用いて、本実施形態における排出バルブ62の開度の時間変化と、従来の方式(排出バルブ62に対してフィードバック制御のみを行う方式)における排出バルブ62の開度の時間変化とを比較する。従来の方式においては、例えば時刻t1において窒素供給流量が変更されたとき、排出バルブ62の開度は、圧力計56によって圧力の変化が検出されるまでは大きく変わらず、圧力の変化が検出されてから急激に変動する(図9(d)参照)。これにより、循環路40内の圧力の変動が大きくなるという問題が生じうる。一方、本実施形態では、供給バルブ61の開度変更と併せて排出バルブ62の開度変更を行うフィードフォワード制御が行われる(図9(c)参照)。これにより、循環路40内の圧力変化の検出を待って排出流量を変更する場合と比べて、排出バルブ62の開度の変動が抑制され、循環路40内の圧力の変動が抑制される。
【0052】
なお、本実施形態では、制御装置5が排出バルブ62を制御するものとしたが、これには限られない。例えば、制御装置5と排出バルブ62の間に、排出バルブ62を制御する排出制御部(不図示)が電気的に介在していても良い。このような構成において、排出制御部は、通常時は排出バルブ62の開度をフィードバック制御し、制御装置5からの指示によってフィードフォワード制御を行っても良い。つまり、排出制御部が、フィードバックモードとフィードフォワードモードとの間で制御モードを切換可能であっても良い。また、制御装置5が、酸素濃度計55の検出結果に基づいて、制御モードの切換を指示する信号を排出制御部に送信しても良い。この構成では、制御装置5及び排出制御部が、連動することで本発明の制御部として機能する。
【0053】
以上のように、循環路40内の雰囲気の変化に応じて、排出バルブ62の開度が、予め定められた値に決定される。これにより、排出バルブ62の開度変更を供給バルブ61の開度変更と同時に行うことができる。つまり、供給流量を増やすタイミングに合わせて排出流量を増やし、供給流量を減らすタイミングに合わせて排出流量を減らすことで、循環路40内の圧力変化を待って排出流量を変更する場合と比べて、循環路40内の圧力変動を小さくすることができる。したがって、不活性ガスの供給流量を変更したときの循環路40内の圧力変動を抑制することができる。
【0054】
また、フィードバックモードとフィードフォワードモードとを適切に切り換えることで、通常時に循環路40内の圧力を確実に安定的に制御し、且つ、窒素の供給流量を変更したときに循環路40内の圧力変動を効果的に抑制できる。
【0055】
また、制御モードがフィードフォワードモードに切り換えられてから所定時間Tが経過し、循環路40を構成する各部(搬送室41、帰還路43、FFU室42等)のガス流量がある程度安定化された後に、制御モードがフィードバックモードに戻される。したがって、窒素の供給流量を変更した後の圧力のフィードバック制御を安定させることができる。
【0056】
また、記憶部5bに対応テーブルが記憶されており、酸素濃度の区分ごとに供給バルブ61及び排出バルブ62の開度の値を設定することができるため、供給流量や排出流量の調整を容易に行うことができる。
【0057】
次に、前記実施形態に変更を加えた変形例について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
【0058】
(1)前記実施形態において、制御装置5は、供給バルブ61の開度の変更と同時に排出バルブ62の開度を変更するものとしたが、これには限られない。供給バルブ61の開度変更と排出バルブ62の開度変更のタイミングは、本発明の効果が得られる範囲でずれていても良い。
【0059】
(2)前記までの実施形態において、制御モードがフィードフォワードモードに切り換えられてから所定時間Tが経過した後に、制御モードがフィードバックモードに戻されるものとしたが、これには限られない。すなわち、制御装置5は、制御モードをフィードフォワードモードに切り換えて供給バルブ61及び排出バルブ62の開度を変更してから、制御モードを直ちにフィードバックモードに戻しても良い。
【0060】
(3)前記までの実施形態においては、記憶部5bに記憶されている対応テーブルの区分の数が5つであるものとしたが、これには限られない。区分の数は、複数であればいくつでも良い。或いは、対応テーブルの代わりに、例えば酸素濃度と供給バルブ61の開度とが対応づけられた関数、及び、酸素濃度と排出バルブ62の開度とが対応づけられた関数が、記憶部5bに記憶されていても良い。
【0061】
(4)前記までの実施形態においては、不活性ガスとして窒素を用いるものとしたが、これには限られない。例えば、不活性ガスとしてアルゴン等を用いても良い。
【0062】
(5)前記までの実施形態においては、酸素濃度の変化を検知し、ガスの供給と排気をコントロールしたが、これに限られるものではない。例えば、湿度計57(図2参照)によって循環路40内の湿度(水分濃度)の変化を検知して、制御装置5が排出バルブ62の開度を予め定められた値に決定してもよい。これにより、水分濃度の変化に応じて窒素(乾燥窒素)の供給流量を変更したときの循環路40内の圧力変動を抑制できる。また、酸素濃度と湿度とを両方検知してコントロールしてもよい。また、他の雰囲気変化を検知してコントロールしてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 EFEM
5 制御装置(制御部)
5b 記憶部
40 循環路
55 酸素濃度計(濃度検出部)
56 圧力計(圧力検出部)
61 供給バルブ
62 排出バルブ
T 所定時間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9