(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-29
(45)【発行日】2022-04-06
(54)【発明の名称】ベビーゲート
(51)【国際特許分類】
E05F 1/10 20060101AFI20220330BHJP
E06B 11/02 20060101ALI20220330BHJP
E05F 5/02 20060101ALI20220330BHJP
E05F 3/20 20060101ALI20220330BHJP
E05F 1/02 20060101ALI20220330BHJP
【FI】
E05F1/10
E06B11/02 K
E05F5/02 C
E05F3/20 Z
E05F1/02 A
(21)【出願番号】P 2018051299
(22)【出願日】2018-03-19
【審査請求日】2021-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】591069020
【氏名又は名称】株式会社グリーンライフ
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【氏名又は名称】坂本 智弘
(74)【代理人】
【識別番号】100186679
【氏名又は名称】矢田 歩
(74)【代理人】
【識別番号】100189186
【氏名又は名称】大石 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】外山 晴一
(72)【発明者】
【氏名】前澤 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】富澤 巧
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-247000(JP,A)
【文献】特開2008-202337(JP,A)
【文献】特開2000-245582(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0207180(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第01944447(EP,A2)
【文献】独国実用新案第202011105742(DE,U1)
【文献】登録実用新案第3023101(JP,U)
【文献】実開平4-82197(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 1/10 - 1/14
E06B 11/00 -11/08
E06B 9/02
A47D 13/06
E05F 5/02
E05F 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱を有し、通路に取り付け可能な枠部と、
前記枠部に回転可能に設けられ、回転することによって開位置と閉位置とを切り替える扉部材と、
前記支柱の上端部に設けられる上方軸受け部と、前記支柱の下端部に設けられる下方軸受け部と、上下方向に沿って延在するように前記扉部材に設けられて前記上方軸受け部及び前記下方軸受け部に支持される回転軸とを有し、前記扉部材を前記枠部に対して回転可能にするヒンジ手段と、
前記扉部材の
前記回転軸の
上端側に設けられ、前記扉部材を前記開位置から前記閉位置へ付勢させる第1付勢手段と、
前記扉部材の
前記回転軸の
下端側に設けられ、前記第1付勢手段に抗して前記開位置から前記閉位置へ向かう回転を抑制する第2付勢手段と、
を備え、
前記第1付勢手段及び前記第2付勢手段は、それぞれ、第1コイルばね及び第2コイルばねからなり、
前記第1コイルばねは、その上端が前記上方軸受け部に当接するとともにその下端が前記回転軸の上端側に設けられた上方側ばね受け部に当接するように配置され、
前記第2コイルばねは、その上端が前記回転軸の下端側に設けられた下方側ばね受け部に当接するとともにその下端が前記下方軸受け部に当接するように配置され、
前記扉部材は、前記回転軸が降下するように、前記開位置から前記閉位置へ向かって回転する
ことを特徴とするベビーゲート。
【請求項2】
前記枠部には、係合孔が形成され、
前記扉部材には、前記係合孔と係合可能な係合ピンが設けられ、
前記係合孔の内周側には、緩衝部材が設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載のベビーゲート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベビーゲートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、扉が開位置から閉位置へ自動的に回転するようになっているベビーゲートがよく知られているが、この場合、扉が開位置から閉位置へ一定速度で自動的に回転するため、扉に幼児が挟まれないように注意する必要がある。
【0003】
そこで、開位置から閉位置への扉の移動を制動できるベビーゲートを提供するために、枠部が通路に取付けられており、枠部の一方の支柱には、ベビーゲートの扉が開閉可能に取付けられており、扉への開操作力が解除されると、シャフトの鍔部とゲート側軸受部のスプリングストッパーとの間に設けたコイルバネの付勢力によって、扉が開位置から閉位置へ自動的に戻るようになっており、この時、扉の回転軸となるシャフトの同軸上に設けられた回転ダンパーによって、扉の開位置から閉位置への回転が制動されるようになっているベビーゲートが開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたベビーゲートでは、シャフトの同軸上に扉の開位置から閉位置への回転を制動するための回転ダンパーを設けなければならないため、ベビーゲート全体の構造が複雑となる課題があった。
【0006】
そこで、本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、簡易な構造で開位置から閉位置へ向かう回転を抑制できるベビーゲートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記課題を解決するために、本発明に係るベビーゲートは、通路に取り付け可能な枠部と、前記枠部に回転可能に設けられ、回転することによって開位置と閉位置とを切り替える扉部材と、前記扉部材の回転軸の一端に設けられ、前記扉部材を前記開位置から前記閉位置へ付勢させる第1付勢手段と、前記扉部材の回転軸の他端に設けられ、前記第1付勢手段に抗して前記開位置から前記閉位置へ向かう回転を抑制する第2付勢手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
(2)上記構成(1)において、前記第1付勢手段及び前記第2付勢手段は、それぞれ、第1コイルばね及び第2コイルばねからなり、前記第1コイルばねは、その一端が前記枠部に設けられた一端の軸受け部に当接するとともにその他端が前記回転軸の一端側に設けられた一端側ばね受け部に当接するように配置され、前記第2コイルばねは、その一端が前記回転軸の他端側に設けられた他端側ばね受け部に当接するとともにその他端が前記枠部に設けられた他端の軸受け部に当接するように配置され、前記扉部材は、前記回転軸が降下するように、前記開位置から前記閉位置へ向かって回転してもよい。
【0009】
(3)上記構成(1)又は(2)において、前記枠部には、係合孔が形成され、前記扉部材には、前記係合孔と係合可能な係合ピンが設けられ、前記係合孔の内周側には、緩衝部材が設けられてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡易な構造で開位置から閉位置へ向かう回転を抑制できるベビーゲートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係る実施形態のベビーゲートを示す正面図である。
【
図2】ベビーゲートの要部を示す概図、(a)扉部材が開位置に回転した状態であり、(b)扉部材が閉位置に回転した状態である。
【
図3】
図1における部分Aを拡大して示す断面斜視図、(a)扉部材が開位置に回転した状態であり、扉部材が閉位置に回転した状態である。
【
図4】
図1における部分Bを拡大して示す断面斜視図である。
【
図5】
図1における部分Cを拡大して示す断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本明細書の実施形態においては、全体を通じて、同一の部材には同一の符号を付している。なお、図中においては、X軸に沿って延在する方向を左右方向とし、X軸と直交するZ軸に沿って延在する方向を上下方向とする。
【0013】
図1は、本発明に係る実施形態のベビーゲート1を示す正面図である。
図2は、ベビーゲート1の要部を示す概図、(a)扉部材3が開位置に回転した状態であり、(b)扉部材3が閉位置に回転した状態である。
図3は、
図1における部分Aを拡大して示す断面斜視図、(a)扉部材3が開位置に回転した状態であり、(b)扉部材3が閉位置に回転した状態である。
【0014】
(ベビーゲート全体の構造)
図1から
図3に示すように、本発明に係る実施形態のベビーゲート1は、幼児の通行を阻止するためのものであり、通路に取り付け可能な枠部2と、枠部2に回転可能に設けられ、回転することによって開位置と閉位置とを切り替える扉部材3とを備えている。
【0015】
枠部2は、上方側が開口した矩形枠状となっており、左右一対の支柱21,22と、左右一対の支柱21,22の下端部を連結するための底板部25とを有している、また、一方(
図1の右側)の支柱21には、扉部材3がヒンジ接合されており、他方(
図1の左側)の支柱22の上端側には、扉部材3の上部31の左端に左右方向に沿って設けられるハンドル34のハンドルピン342(係合ピン)と係合可能なハンドルピン用係合孔221が形成されており(
図4参照)、底板部25の左端側には、扉部材3の下部32の左端に上下方向に沿って設けられるロック部35のロックピン352(係合ピン)と係合可能なロックピン用係合孔251が形成されている(
図5参照)。
【0016】
なお、ハンドル34、ハンドルピン342及びハンドルピン用係合孔221は、ハンドル機構を構成し、ロック部35、ロックピン352及びロックピン用係合孔251は、ロック機構を構成する。
【0017】
扉部材3は、左右方向に沿って延在する棒状の上部31及び下部32と、上部31と下部32との間に上下方向に沿って延在するように配置されるとともに左右方向に所定の間隔を空けて上部31と下部32とを連結する複数の連結部33とを有している。また、扉部材3の一端側(
図1の右側)は、一方の支柱21にヒンジ手段4によって回転可能に設けられている。
【0018】
このように、扉部材3は、ヒンジ手段4の軸線を回転中心として、通路を閉塞する閉位置と、この閉位置から所定角度(例えば、90度)回転し通路を開放する開位置と、へ回転可能に設けられている。
【0019】
(ヒンジ手段)
ヒンジ手段4は、一方の支柱21の上下端部からそれぞれ延設される上方軸受け部23及び下方軸受け部24と、上部31と下部32との間に上下方向に沿って延在するように扉部材3の一端側(
図1の左側)に設けられるとともに上方軸受け部23(一端の軸受け部)及び下方軸受け部24(他端の軸受け部)と連結する円筒状の回転軸36とを有して構成されている。
【0020】
上方軸受け部23は、上下方向を軸線方向とし、下方に向かって突出する上方円筒部231と、上方円筒部231の内周側に上方円筒部231と同一軸線上に設けられる上方円柱部232とを有している。上方円筒部231の内周面と上方円柱部232の外周面との間には、円筒状の回転軸36の一端361(
図2の上端)が挿入されるための上方溝部233が形成されている。この上方溝部233の底面234(
図2の上面)は、上下方向と直交する水平方向に延在する水平面となっている。
【0021】
一方、下方軸受け部24は、上下方向を軸線方向とし、上方に向かって突出する下方円筒部241と、下方円筒部241の内周側に下方円筒部241と同一軸線上に設けられる下方円柱部242とを有している。下方円筒部241の内周面と下方円柱部242の外周面との間には、円筒状の回転軸36の他端362(
図2の下端)が挿入されるための下方溝部243が形成されている。この下方溝部243の底面244(
図3の下面)は、一方の支柱21側から扉部材3に向かって下方へ傾斜した傾斜面となっている。
【0022】
回転軸36の他端362は、摺動部5を介して、下方溝部243に挿入されている。この摺動部5は、円筒状のものであり、下方溝部243に挿入される肉厚壁51と、肉厚壁51の上方に設けられるとともに回転軸36の他端362の内周面に固定される肉薄壁52とを有している。また、この摺動部5の下面53は、下方へ傾斜した傾斜面となっている(
図3参照)。
【0023】
円筒状の回転軸36は、その一端361側の内周面に取り付けられる上方環状部363と、その他端362側の内周面に取り付けられる下方環状部364とを有している。上方環状部363の上方には、第1コイルばね6(第1付勢手段)の他端(
図2の下端)に当接する上方側ばね受け部365(一端側ばね受け部)が設けられるとともに、下方環状部364の下方には、第2コイルばね7(第2付勢手段)の一端(
図2の上端)に当接する下方側ばね受け部366(他端側ばね受け部)が設けられている。
【0024】
第1コイルばね6は、扉部材3を開位置から閉位置へ付勢させるためのものであり、その一端が上方円柱部232の頂面(
図2の下面)に当接するとともにその他端が上方側ばね受け部365の上面に当接するように、上方軸受け部23及び上方側ばね受け部365の間に挟持されている。
【0025】
一方、第2コイルばね7は、第1コイルばね6に抗して扉部材3の開位置から閉位置へ向かう回転を抑制するためのものであり、その一端が下方側ばね受け部366の下面に当接するとともにその他端が下方円柱部242の頂面(
図2の上面)に当接するように、下方軸受け部24及び下方側ばね受け部366の間に挟持されている。
【0026】
図3(a)に示すように、扉部材3が操作力によって開位置に回転された状態である場合、回転軸36は、その一端361が上方溝部233の底面234に当接しており、その他端362に固定される摺動部5の傾斜した下面53が下方溝部243の傾斜した底面244に対して平行となっていない状態となっている。すなわち、扉部材3が操作力によって開位置に回転された状態である場合、回転軸36が最も上方に位置付けられている。
【0027】
この状態において、上方円柱部232の頂面と上方側ばね受け部365の上面との間の距離L1が最も小さくなっているため、第1コイルばね6が、最も圧縮されるように、上方軸受け部23及び上方側ばね受け部365の間に挟持されており、下方円柱部242の頂面と下方側ばね受け部366の下面との間の距離L2が最も大きくなっているため、第2コイルばね7が、最も圧縮されないように、下方軸受け部24及び下方側ばね受け部366の間に挟持されている。
【0028】
また、
図3(b)に示すように、扉部材3が閉位置に自動的に回転した状態である場合、回転軸36は、その一端361が上方溝部233の底面234に当接しておらず、その他端362に固定される摺動部5の傾斜した下面53が下方溝部243の傾斜した底面244に対して平行となっている状態となっている。すなわち、扉部材3が閉位置に自動的に回転した状態である場合、回転軸36が最も下方に位置付けられている。
【0029】
この状態において、上方円柱部232の頂面と上方側ばね受け部365の上面との間の距離L1が最も大きくなっているため、第1コイルばね6が、最も圧縮されないように、上方軸受け部23及び上方側ばね受け部365の間に挟持されており、下方円柱部242の頂面と下方側ばね受け部366の下面との間の距離L2が最も小さなくなっているため、第2コイルばね7が、最も圧縮されるように、下方軸受け部24及び下方側ばね受け部366の間に挟持されている。
【0030】
そして、操作力が扉部材3の開位置から解除されると、扉部材3の自重及び第1コイルばね6の付勢力によって、下方溝部243の傾斜した底面244に対して、摺動部5の傾斜した下面53が平行となる方向へ摺動する。この場合、扉部材3は、その回転軸36が上方から下方に向かって降下するとともに、開位置から閉位置へ自動的に回転するようになっている。
【0031】
扉部材3が開位置から閉位置へ自動的に回転していく際に、下方円柱部242の頂面と下方側ばね受け部366の下面との間の距離L2が小さくなるに従って、両者の間に挟持される第2コイルばね7は、圧縮されるようになっていき、扉部材3の自重及び第1コイルばね6の付勢力に抗して、扉部材3の開位置から閉位置へ向かう回転を抑制することになっている。
【0032】
一方、扉部材3が操作力によって閉位置から開位置へ回転される場合、下方溝部243の傾斜した底面244に対して、摺動部5の傾斜した下面53が回転しながら摺動することで、回転軸36が下方から上方へ上昇する。
【0033】
(ハンドル機構)
つぎに、ハンドル機構について、
図4を参照して詳細に説明する。
【0034】
図4は、
図1における部分Bを拡大して示す断面斜視図である。
図4に示すように、ハンドル34は、取っ手を有するハンドル機構の一部を構成するためのものであり、左右方向に沿って延在するように上部31に取り付けられる筒状のハンドルベース341と、ハンドルベース341の内側の一端(左端)側に左右方向に沿って摺動可能に設けられるハンドルピン342と、ハンドルピン342を一端側に付勢させるコイルばね343と、ハンドルベース341の内側の他端(右端)側に設けられるとともにコイルばね343を取り付けるばね取付部344と、ハンドルベース341の外側に左右方向に沿って摺動可能に設けられるハンドル操作部345と、左右方向に沿って延在するように形成される貫通スリット346と、ハンドルピン342とハンドル操作部345とを結合するものであって貫通スリット346に沿って摺動可能に設けられる結合部347とを有している。
【0035】
貫通スリット346の一端側(左側)には、コイルばね343の付勢による結合部347との衝突を緩和するための緩衝部材348が取り付けられている。なお、本実施形態では、緩衝部材348は、貫通スリット346の一端側に取り付けられているが、これに限定されるものではなく、例えば、結合部347の一端側(左側)に取り付けられてもよい。
【0036】
一方、他方の支柱22の上端側には、ハンドルピン342と係合可能なハンドルピン用係合孔221が形成されており、このハンドルピン用係合孔221は、その内周面にハンドルピン342との衝突を緩和する環状の緩衝部材222を備えている。なお、本実施形態では、環状の緩衝部材222は、ハンドルピン用係合孔221の内周面に取り付けられているが、これに限定されるものではなく、例えば、ハンドルピン342の先端の外周面に取り付けられてもよい。
【0037】
(ロック機構)
つぎに、ロック機構について、
図5を参照して詳細に説明する。
【0038】
図5は、
図1における部分Cを拡大して示す断面斜視図である。
図5に示すように、ロック部35は、ロック機構の一部を構成するためのものであり、上下方向に沿って延在するように下部32に取り付けられる筒状のロックベース351と、ロックベース351の内側の一端(下端)側に上下方向に沿って摺動可能に設けられるロックピン352と、ロックベース351の外側に上下方向に沿って摺動可能に設けられるロック解除部(図示しない)と、上下方向に沿って延在するように形成される貫通スリット(図示しない)と、ロックピン352とロック解除部とを結合するものであって貫通スリットに沿って摺動可能に設けられる結合部(図示しない)とを有している。
【0039】
一方、底板部25の左端側には、自重で落下するロックピン352と係合可能なロックピン用係合孔251が形成されており、このロックピン用係合孔251は、その内周面にロックピン352との衝突を緩和する環状の緩衝部材252を備えている。なお、本実施形態では、環状の緩衝部材252は、ロックピン用係合孔251の内周面に取り付けられているが、これに限定されるものではなく、例えば、ロックピン352の先端の外周面に取り付けられてもよい。
【0040】
(実施形態の効果)
このように構成される本発明の実施形態に係るベビーゲート1は、通路に取り付け可能な枠部2と、枠部2に回転可能に設けられ、回転することによって開位置と閉位置とを切り替える扉部材3と、扉部材3の回転軸36の一端に設けられ、扉部材3を開位置から閉位置へ付勢させる第1コイルばね6と、扉部材3の回転軸36の他端に設けられ、第1コイルばね6に抗して開位置から閉位置へ向かう回転を抑制する第2コイルばね7と、を備える。これにより、回転軸36に回転ダンパーを設けることなく、簡易な構造で開位置から閉位置へ向かう回転を抑制することができる。
【0041】
また、本発明の実施形態に係るベビーゲート1では、第1コイルばね6は、その一端が枠部2に設けられた一端の上方軸受け部23に当接するとともにその他端が回転軸36の一端側に設けられた上方側ばね受け部365に当接するように配置され、第2コイルばね7は、その一端が回転軸36の他端側に設けられた下方側ばね受け部366に当接するとともにその他端が枠部2に設けられた他端の下方軸受け部24に当接するように配置され、扉部材3は、回転軸36が降下するように、開位置から閉位置へ向かって回転する。これにより、新たな構造を追加することなく、第2コイルばね7を回転軸36の他端側にコンパクトに収納することができ、ベビーゲート1全体の簡易化及び小型化を図ることができる。
【0042】
さらに、本発明の実施形態に係るベビーゲート1では、枠部2には、ハンドルピン用係合孔221及びロックピン用係合孔251が形成され、扉部材3には、それぞれ、ハンドルピン用係合孔221及びロックピン用係合孔251と係合可能なハンドルピン342及びロックピン352が設けられ、ハンドルピン342及びロックピン352の内周側には、それぞれ、環状の緩衝部材222及び環状の緩衝部材252が設けられる。これにより、ハンドルピン342とハンドルピン用係合孔221との衝突及びロックピン352とロックピン用係合孔251との衝突を緩和することができ、衝突による衝撃音を抑制することができる。
【0043】
以上、本発明を、実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に記載の発明の範囲には限定されないことは言うまでもなく、上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0044】
1 ベビーゲート
2 枠部
21 一方の支柱
22 他方の支柱
221 ハンドルピン用係合孔
222 環状の緩衝部材
23 上方軸受け部
231 上方円筒部
232 上方円柱部
233 上方溝部
234 底面
24 下方軸受け部
241 下方円筒部
242 下方円柱部
243 下方溝部
244 底面
25 底板部
251 ロックピン用係合孔
252 環状の緩衝部材
3 扉部材
31 上部
32 下部
33 連結部
34 ハンドル
341 ハンドルベース
342 ハンドルピン
343 コイルばね
344 ばね取付部
345 ハンドル操作部
346 貫通スリット
347 結合部
348 緩衝部材
35 ロック部
351 ロックベース
352 ロックピン
353 コイルばね
354 ばね取付部
36 回転軸
361 一端
362 他端
363 上方環状部
364 下方環状部
365 上方側ばね受け部
366 下方側ばね受け部
4 ヒンジ手段
5 摺動部
51 肉厚壁
52 肉薄壁
53 下面
6 第1コイルばね
7 第2コイルばね