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特許7048926情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-29
(45)【発行日】2022-04-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/392 20190101AFI20220330BHJP
【FI】
G01R31/392
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021577451
(86)(22)【出願日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 JP2021019208
【審査請求日】2021-12-27
(31)【優先権主張番号】P 2020089582
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514195425
【氏名又は名称】株式会社ニューズドテック
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】粟津 浜一
(72)【発明者】
【氏名】石垣 陽
【審査官】永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/044713(WO,A1)
【文献】特開2013-225441(JP,A)
【文献】国際公開第2019/181729(WO,A1)
【文献】特開2020-64781(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0351381(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/36
H01M 10/42
H01M 10/48
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーからの電力により駆動する1以上の対象装置の夫々を使用する、1以上のユーザの夫々から報知される、前記1以上の対象装置の夫々の前記バッテリーに関する情報を少なくとも含む、前記1以上の対象装置の夫々の利用に関する第1情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記第1情報に基づいて、前記1以上の対象装置又は他の対象装置のバッテリーの状態の推測に用いられる、前記1以上の対象装置の夫々の利用期間と前記バッテリーの状態との相関関係を示す第2情報を生成する第1生成手段と、
1以上の入力項目からなるアンケートを前記1以上のユーザの夫々に報知する制御を実行する第1報知制御手段と、
を備え
前記取得手段は、前記第1報知制御手段の制御により報知された前記アンケートによる調査の結果を前記第1情報として取得する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記取得手段は、前記対象装置の状態を示す情報を前記第1情報として取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1情報と、第2情報とに基づいて、前記対象装置のバッテリーの劣化の状態を示す第3情報を生成する第2生成手段をさらに備える、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第2生成手段により生成された前記第3情報を前記ユーザに報知する制御を実行する第2報知制御手段をさらに備える、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記対象装置にインストールされたアプリケーションが実行されている際に表示される画面のうち少なくとも一部に、前記第3情報を示す画像を表示させることで、前記第3情報を前記ユーザに報知する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第2生成手段により生成された前記第3情報に基づいて、前記対象装置の買取価格を算出する算出手段をさらに備える、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置が実行する情報処理方法において、
バッテリーからの電力により駆動する1以上の対象装置の夫々を使用する、1以上のユーザの夫々から報知される、前記1以上の対象装置の夫々の前記バッテリーに関する情報を少なくとも含む、前記1以上の対象装置の夫々の利用に関する第1情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップの処理により取得された前記第1情報に基づいて、前記1以上の対象装置又は他の対象装置のバッテリーの状態の推測に用いられる、前記1以上の対象装置の夫々の利用期間と前記バッテリーの状態との相関関係を示す第2情報を生成する第1生成ステップと、
1以上の入力項目からなるアンケートを前記1以上のユーザの夫々に報知する制御を実行する第1報知制御ステップと、
を含み、
前記取得ステップは、前記第1報知制御ステップの制御により報知された前記アンケートによる調査の結果を前記第1情報として取得する、
情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
バッテリーからの電力により駆動する1以上の対象装置の夫々を使用する、1以上のユーザの夫々から報知される、前記1以上の対象装置の夫々の前記バッテリーに関する情報を少なくとも含む、前記1以上の対象装置の夫々の利用に関する第1情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップの処理により取得された前記第1情報に基づいて、前記1以上の対象装置又は他の対象装置のバッテリーの状態の推測に用いられる、前記1以上の対象装置の夫々の利用期間と前記バッテリーの状態との相関関係を示す第2情報を生成する第1生成ステップと、
1以上の入力項目からなるアンケートを前記1以上のユーザの夫々に報知する制御を実行する第1報知制御ステップと、
を含み、
前記取得ステップは、前記第1報知制御ステップの制御により報知された前記アンケートによる調査の結果を前記第1情報として取得する、
制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン等のモバイル端末のバッテリーの劣化は、電池自体の性能や、その端末の利用者の利用態様との間に相関性を見出すことができるとされている。特にモバイル端末のおかれた環境がバッテリーの劣化に影響を与えるとされている。
これに対して、モバイル端末の市場では、バッテリーの状態が重視されることはなく、所定期間(例えば2年間)経過後の買い替えのサイクルによってモバイル端末の入れ替えを行うことが推奨されてきた。
しかしながら、モバイル端末を含む、バッテリーからの電力を利用して駆動する装置におけるバッテリーの経年劣化は重要課題とされる状況にある。
なお、バッテリーの劣化を診断するための技術は従来から存在する。例えば特許文献1には、鉛蓄電池の満充電状態における開回路電圧と、鉛蓄電池の内部抵抗とを算出し、満充電状態における開回路電圧及び内部抵抗から鉛蓄電池の放電容量を算出する、とされる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-201464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された技術を含む従来技術のような経験則に頼る手法ではなく、を利用者の利用実態に即してバッテリーの劣化の状態を個別に予測することができる技術の開発が求められている状況にある。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、経験則に頼ることなく、利用者の利用実態に即してバッテリーの劣化を個別に予測することができる手法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
バッテリーからの電力により駆動する1以上の対象装置の夫々を使用する、1以上のユーザの夫々から報知される、前記1以上の対象装置の夫々の前記バッテリーに関する情報を少なくとも含む、前記1以上の対象装置の夫々の利用に関する第1情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記第1情報に基づいて、前記1以上の対象装置又は他の対象装置のバッテリーの状態の推測に用いられる、前記1以上の対象装置の夫々の利用期間と前記バッテリーの状態との相関関係を示す第2情報を生成する生成手段と、
を備える情報処理装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、経験則に頼ることなく、利用者の利用実態に即してバッテリーの劣化を個別に予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムより実現可能となる本サービスの概要を示す図である。
図2】実態調査アンケートの結果のイメージを示す図である。
図3】重回帰分析曲線グラフのイメージを示す図である。
図4】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバを含む、情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図5図4に示す情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図6図5のサーバの機能的構成のうち、バッテリー劣化予測処理、及び買取価格算出処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
図7】モバイル端末に表示される専用アプリの画面であって、当該モバイル端末のバッテリーの劣化診断の結果として、劣化の要因となる各項目の評価が表示される画面の例を示している。
図8】モバイル端末に表示される専用アプリの画面であって、当該モバイル端末のバッテリーの劣化診断の結果(Report)に基づいて、当該モバイル端末の使い方を提案する画面の例を示している。
図9】モバイル端末に表示される専用アプリの画面であって、図8の画面においてアラートの設定が完了したことを示す画面である。
図10】モバイル端末に表示される専用アプリの画面であって、当該モバイル端末のバッテリーの劣化診断の結果に基づいて、当該モバイル端末の今後の取扱いを提案する画面の例を示している。
図11】モバイル端末に表示される専用アプリの画面であって、当該モバイル端末の不具合チェックで問題が無かった場合に表示される、当該モバイル端末の今後の取扱いを提案する画面の例を示している。
図12】モバイル端末に不具合行動があった場合に表示される専用アプリの画面であって、不具合チェック機能を発揮させるソフトウェアボタンを含む画面の例を示している。
図13】モバイル端末に表示される専用アプリの画面であって、当該モバイル端末の不具合チェックで異常が認められた場合に表示される、当該モバイル端末の今後の取扱いを提案する画面の例を示している。
図14】モバイル端末に表示される専用アプリの画面であって、サービス提供者によるモバイル端末の買取査定が行われる際に表示される、当該モバイル端末の今後の取扱いを提案する画面の例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
まず、図1乃至図3を参照して、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバ1が適用される情報処理システム(後述する図4参照)により実現可能となるサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の概要について説明する。
【0011】
図1は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムより実現可能となる本サービスの概要を示す図である。
図2は、実態調査アンケートの結果のイメージを示す図である。
図3は、重回帰分析曲線グラフのイメージを示す図である。
【0012】
本サービスは、サービス提供者Gにより管理されるサーバ1が適用される情報処理システムにより実現可能なサービスである。サービス提供者Gは、端末利用者C及び所定店舗の店舗スタッフSに対して提供されるサービスである。
端末利用者Cは、バッテリーで駆動するモバイル端末2を利用する者である。
店舗スタッフSは、業としてモバイル端末2を取扱う所定店舗の窓口スタッフである。「所定店舗」には、スマートフォン等の販売代理店、修理業者、買取業者等が含まれる。
【0013】
端末利用者Cは、本サービスを利用する場合、モバイル端末2にインストールされた、本サービスの利用を可能とする専用のアプリケーションソフトウェア(以下、「専用アプリ」と呼ぶ)に対する操作を行う。また、端末利用者Cは、モバイル端末2のブラウザ機能により表示される、本サービスの利用を可能とする専用のウェブサイト(以下、「専用サイト」と呼ぶ)にアクセスすることでも本サービスを利用することができる。
以下、「端末利用者Cがモバイル端末2を操作する」とは、端末利用者Cが専用アプリ又は専用サイトから本サービスを利用することを意味するものとする。
また、店舗スタッフSは、本サービスを利用する場合、店舗に配備された端末3(以下、「店舗端末3」と呼ぶ)にインストールされた専用アプリに対する操作を行う。また、店舗スタッフSは、店舗端末3のブラウザ機能により表示される専用サイトにアクセスすることでも本サービスを利用することができる。
以下、「店舗スタッフSが店舗端末3を操作する」とは、店舗スタッフSが専用アプリ又は専用サイトから本サービスを利用することを意味するものとする。
【0014】
本サービスでは、n人(nは1以上の任意の整数値)の端末利用者Cの夫々に対して、n台のモバイル端末2の利用に関するアンケート調査(以下、「実態調査アンケート」と呼ぶ)が実施される。なお、1人の端末利用者Cが複数台のモバイル端末2を利用する場合があるが、この場合、1台のモバイル端末2に対して端末利用者Cは1人としてカウントするものとする。また、1台のモバイル端末2を複数の端末利用者Cが共有する場合もあるが、この場合も、代表者を1人定めることとして、1台のモバイル端末2に対する端末利用者Cは1人としてカウントするものとする。
【0015】
実態調査アンケートは、1以上の質問事項とそれに対する入力項目からなるUI(User Interface)をモバイル端末2に表示させることで実施される。端末利用者Cは、モバイル端末2を操作することで実態調査アンケートに回答する。ただし、実態調査アンケートの実施の手法はこれに限定されない。例えば、端末利用者C宛てのメールに実態調査アンケートを添付し、これに端末利用者Cが回答する態様であってもよい。
【0016】
実態調査アンケートには、モバイル端末2の使用実態に関する一般的な質問事項とともにバッテリーに関する質問項目が含まれる。
図2には実態調査アンケートの具体例が示されている。
即ち、図2に示すように、n人の端末利用者Cに対して実施される実態調査アンケートには、No.1乃至19の質問項目が設けられている。具体的には例えば、「年齢をお聞かせください」、「性別をお聞かせください」、「郵便番号を入力してださい」、「ご職業をお聞かせください」、「家族構成をお聞かせください」、「いつ購入しましたか」、「どこで購入しましたか」、「機種名をお聞かせください」、「カバーを利用していますか」、「どのようなタイプですか」、「購入後にバッテリーを修理しましたか」、「どちらで修理しましたか」、「平均利用時間をお聞かせください」、「どこで利用することが多いですか」、「Wi-Fiをオンにしますか」、「電話以外のご利用目的をお聞かせください」、「充電器は純正品ですか」、「どのようなときに充電しますか」、「現在のバッテリー容量をお聞かせください」といった質問項目が設けられる。
【0017】
端末利用者Cは、このような質問事項に対し、例えば図2に示すような回答の入力を行う。即ち、図2に示すように、年齢は「35歳」、性別は「男」、郵便番号は「XXX-XXXX」、職業は「会社員」、家族構成は「既婚、子供2人」、モバイル端末2を購入日は「YYYY/MM/DD」、モバイル端末2の購入場所は「正規店(新品)」、モバイル端末2の機種名は「〇〇〇」、カバーの利用の有無は「はい」、カバーのタイプは「手帳タイプ」、モバイル端末2の購入後の修理実績は「はい」、修理の依頼先は「正規店」、モバイル端末2の1日あたりの利用時間は「1時間」、モバイル端末2の主な利用場所は「自宅」、Wi-Fiの利用の有無は「はい」、モバイル端末2の通話以外の利用目的は「ニュース、SNS(実名登録)、動画サイト、音楽、決済」、充電器が純正品であるかどうかについては「はい」、どのようなときに充電をするかについては「電池が無くなりそうになったら充電する(継ぎ足し充電)」、現在のバッテリー容量は「最大容量85%」といった回答が入力される。
【0018】
以上のような実態調査アンケートは、n人の端末利用者Cに対して行われる。そして、n人の端末利用者Cの夫々による入力の結果は、質問事項と対応付けられて、調査結果情報としてサーバ1により取得される。また、サーバ1は、実態調査アンケートの他、独自に実施されたインターネット調査の結果も調査結果情報として取得する。
調査の体制の具体例として、例えば所定店舗でモバイル端末2の買取りが行われる度に端末利用者Cに対する実態調査アンケートを実施する。これを所定期間(例えば3カ月間)実施することで多数の調査結果情報をサーバ1に集積させる。また、複数(例えば30名)のスタッフによる多様な視点に基づくインターネット調査を所定期間(例えば3カ月間)実施して調査結果情報をサーバ1に集積(例えば5000プロット)させる。
【0019】
そして、本サービスでは、サーバ1に集積させた複数の調査結果情報に基づいて、回帰分析が行われる。具体的には、サーバ1が、重回帰分析曲線グラフを生成する。重回帰分析曲線グラフは、n台のモバイル端末2の夫々の利用期間tと、バッテリーの劣化状態又は健全性を表す指標であるSOH(State of health)との相関関係を示すグラフである。SOHは、式「劣化時の満充電容量(Ah)/初期の満充電容量(Ah)×100」により算出される。
【0020】
図3には重回帰分析曲線グラフのイメージが示されている。
即ち、重回帰分析曲線グラフは、横軸を端末利用者Cによるモバイル端末2の利用期間tとし、縦軸をSOHとするグラフである。プロットされている複数の円は、モバイル端末2毎の利用期間tとSOHとの関係を示すものである。なお、1つの円は、1台のモバイル端末2を示すものであってもよいし、複数のモバイル端末2の群を示すものであってもよい。曲線Lは回帰曲線を示している。
図3に示すように、利用期間が短い方(グラフ左側)がSOHは高い値を示し、利用期間が長い方(グラフ右側)がSOHは高い値を示す傾向にある。なお、矢印で示すように回帰曲線(曲線L)から大きく離れているものは、端末利用者Cの利用の態様を原因として生じた劣化であることが推定できる。
【0021】
重回帰分析曲線グラフが生成されると、生成された重回帰分析曲線グラフに基づいて、集積させた複数の調査結果情報を入力データとするAI(人工知能)による機械学習が所定期間(例えば3カ月間)実施される。
このような機械学習が行われることにより、図3の重回帰分析曲線グラフと、図2の実態調査アンケートの回答との関連性を示す情報を出力することができるようになる。具体的には例えば、端末利用者Cの年齢とSOHとの関連性や、端末利用者Cがおかれた環境(例えば郵便番号より導出される気温)とSOHとの関連性等示す情報等を出力することができる。また例えば、モバイル端末2の購入場所(例えば正規で購入された新品や、海外で購入された中古品など)とSOHとの関連性等示す情報等を出力することができる。
【0022】
また例えば、重回帰分析曲線グラフによれば、現状のバッテリー容量が不明である場合であっても、利用期間tからSOHの値を推測することができる。
また、モバイル端末2のOS(Operating System)毎(例えば図1のOS1及び2)毎に重回帰分析曲線グラフを生成することもできる。また図示はしないが、メーカ毎、機種毎に重回帰分析曲線グラフを生成することもできる。例えば、メーカA乃至Cの夫々について重回帰分析曲線グラフを生成することもできる。また例えば、メーカAの機種a1乃至c3の夫々について重回帰分析曲線グラフを生成することもできる。また、OS、メーカ、機種を問わない重回帰分析曲線グラフを生成することもできる。この場合、例えばOS毎に生成された重回帰分析曲線グラフ(例えば図1の曲線L1及びL2の夫々により示される重回帰分析曲線グラフ)を正規化させる補正が行われることで共通の重回帰分析曲線グラフ(例えば図1の曲線Lにより示される重回帰分析曲線グラフ)が生成される。
【0023】
機械学習の結果、重回帰分析曲線グラフと、図2の実態調査アンケートの回答との関連性を示す情報が出力できるようになると、個々のモバイル端末2についてバッテリーの劣化診断や、バッテリーの劣化の状況が考慮された買取価格の算出が可能となる。例えばバッテリーの劣化診断は、端末利用者Cからの依頼に基づいて店舗スタッフSが行ってもよいし、専用アプリの一機能として所定期間毎に自動的に行われてもよい。
また、専用アプリの機能としてバッテリーの劣化診断が行われる場合には、劣化の程度を示す情報が「お知らせ」として端末利用者Cに報知されるようにしてもよい。これにより、端末利用者Cに対してモバイル端末2のバッテリーの劣化を認知させることができるので、同時にモバイル端末2の買い替えのタイミングを決めるための指標を与えることができる。その結果、端末利用者Cは、ベストなタイミングでモバイル端末2の買い替えを行うことができる。
また、バッテリー劣化診断結果に基づいて、バッテリーの劣化のスピードを緩和させるための補正データがモバイル端末2に送信されるようにしてもよい。これにより、モバイル端末2のバッテリーの長寿化を図ることができる。
【0024】
以上をまとめると、本サービスによれば例えば以下のような効果が期待できる。
即ち、本サービスによれば、中古市場に属する業界全体でバッテリーの劣化診断を推奨することで、端末利用者Cにバッテリーの修理を推奨したり、買い替えを指南したりすることができる。この場合、買い替え時におけるバッテリーの状態に応じて買取価格を変動させることもできる。これにより、中古市場におけるモバイル端末2の査定額の適正化を図ることもできる。その結果、中古市場におけるモバイル端末2の正常な流通が図られるので、中古市場でモバイル端末2を購入しようとする者は、モバイル端末2の状態(例えば推測される余命等)を納得したうえで購入することができる。
また、多くの端末利用者Cは、バッテリーの劣化を感じたタイミングで機種変更を行うため、本サービスが適用されることで、中古市場に限らず、新品市場においても機種変更の促進を図ることができる。
また、AI(人工知能)による機械学習が行われることで、個人差のあるバッテリーの状態を最適化させることができる。これにより、端末利用者Cにとってベストなタイミングでの売買機会の創出が可能となる。
また、店舗スタッフSとしては、端末利用者Cに対する修理の誘導や、買い替えへの誘導を正当な根拠に基づいて行うことができる。その結果、専用アプリにおける新たな広告需要を産み出すこともできる。
また、本サービスは、スマートフォンなど主要な消費財とされる商品に適用可能なサービスであるため、その利用価値や得られるメリットが甚大になることが期待できる。
【0025】
次に、図4を参照して、上述した本サービスの提供を実現化させる情報処理システム、即ち本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバ1を含む、情報処理システムの構成について説明する。
図4は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバを含む、情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【0026】
図4に示す情報処理システムは、サーバ1と、モバイル端末2-1乃至2―m(mはn以上の任意の整数値)と、店舗端末3とを含むように構成されている。なお、本明細書において、モバイル端末2-1乃至2―mの夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて「モバイル端末2」と呼ぶ。また、この場合、モバイル端末2を操作する者を「端末利用者C」と呼ぶ。
また、モバイル端末2が単に売却用に保持されているのみである場合には情報処理システムを構成することはないが、以下について、モバイル端末2は、単に売却用に保持されているのではなく、端末利用者Cによって操作されている場合を前提として説明する。
サーバ1、モバイル端末2、及び店舗端末3の夫々は、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されている。
【0027】
サーバ1は、サービス提供者Gにより管理される情報処理装置である。サーバ1は、モバイル端末2、及び店舗端末3の夫々と適宜通信をしながら、本サービスを実現するための各種処理を実行する。
【0028】
モバイル端末2は、端末利用者Cにより操作される情報処理装置である。モバイル端末2は、例えばスマートフォン、タブレット等で構成される。
【0029】
店舗端末3は、店舗の店舗スタッフSにより操作される情報処理装置である。店舗端末3は、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等で構成される。
【0030】
図5は、図4に示す情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0031】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0032】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0033】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0034】
入力部16は、例えばキーボード等により構成され、各種情報を出力する。
出力部17は、液晶等のディスプレイやスピーカ等により構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(例えば図2のモバイル端末2、及び店舗端末3)との間で通信を行う。
【0035】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア40が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア40から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア40は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0036】
なお、図示はしないが、図4のモバイル端末2、及び店舗端末3も、図5に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有することができる。従って、モバイル端末2、及び店舗端末3のハードウェア構成についての説明は省略する。
【0037】
このような図5のサーバ1の各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、サーバ1におけるバッテリー劣化予測処理、及び買取価格算出処理を含む各種処理の実行が可能になる。その結果、サービス提供者Gは、端末利用者C及び店舗スタッフSに対して上述の本サービスを提供することができる。
「バッテリー劣化予測処理」とは、上述の回帰分析の結果に基づく機械学習によって、端末利用者Cのモバイル端末2のバッテリーの劣化の予測を行う処理のことをいう。
「買取価格算出処理」とは、バッテリー劣化予測処理の結果に基づいて、端末利用者Cのモバイル端末2の買取価格を算出する処理のことをいう。
以下、サーバ1において実行される、バッテリー劣化予測処理、及び買取価格算出処理を実行するための機能的構成について説明する。
【0038】
図6は、図5のサーバの機能的構成のうち、バッテリー劣化予測処理、及び買取価格算出処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
【0039】
図6に示すように、サーバ1のCPU11においては、バッテリー劣化予測処理の実行が制御される場合、報知制御部101と、調査結果取得部102と、SOH分析部103と、劣化診断部104とが機能する。また、買取価格算出処理の実行が制御される場合、買取価格算出部105がさらに機能する。
なお、サーバ1の記憶部18の一領域には、調査結果DB181と、分析結果DB182とが設けられている。
【0040】
報知制御部101は、1以上の入力項目からなる実態調査アンケートをn人の端末利用者Cの夫々に報知する制御を実行する。具体的には、報知制御部101は、n台のモバイル端末2の夫々に実態調査アンケートの入力項目を表示させる制御を実行する。ただし、実態調査アンケートを報知する手法はこれに限定されない。例えば、端末利用者C宛てのメールに実態調査アンケートを添付することで報知してもよい。
【0041】
また、報知制御部101は、劣化診断部104により生成されたバッテリー劣化診断結果を、モバイル端末2と店舗端末3とのうち少なくとも一方に報知する制御を実行する。
【0042】
また、報知制御部101は、買取価格算出部105により算出された買取価格を、モバイル端末2と店舗端末3とのうち少なくとも一方に報知する制御を実行する。
【0043】
調査結果取得部102は、n台のモバイル端末2の夫々を使用する、n人の端末利用者Cの夫々から報知される、n台のモバイル端末2の夫々のバッテリーに関する情報を少なくとも含むn台のモバイル端末2の夫々の利用に関する情報を調査結果情報として取得する。調査結果取得部102により取得された調査結果情報は、調査結果DB181に記憶されて管理される。
【0044】
SOH分析部103は、調査結果情報に基づく回帰分析を行うことで、n台のモバイル端末2の夫々の利用期間tとSOHとの相関関係を示す重回帰分析曲線グラフを生成する。SOH分析部103により生成された重回帰分析曲線グラフは、分析結果DB182に記憶されて管理される。
【0045】
劣化診断部104は、SOH分析部103により生成された重回帰分析曲線グラフに基づいて、モバイル端末2k(kは1以上m以下の任意の整数値)のバッテリーの劣化の予測を行い、その結果としてのバッテリー劣化診断結果を生成する。具体的には、劣化診断部104は、重回帰分析曲線グラフにモバイル端末2kをあてはめることでバッテリーの劣化の状態の診断を行い、その結果としてのバッテリー劣化診断結果を生成する。
【0046】
買取価格算出部105は、劣化診断部104により生成されたモバイル端末2kのバッテリー劣化診断結果に基づいて、モバイル端末2kの買取価格を算出する。
【0047】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものとみなす。
【0048】
例えば、上述の実施形態では、AIによる機械学習では、図3の重回帰分析曲線グラフと、図2の実態調査アンケートの回答との関連性を示す情報が出力された。しかしながら、図3の重回帰分析曲線グラフとの関連性が判断される情報は、アンケートの回答に特に限定されず、任意の情報でよい。
例えば、バッテリーの劣化は、ながら充電、つぎたし充電、充電時間、発熱回数、通信頻度等の複数の要因が関連しておこる。したがって、モバイル端末2の劣化の要因となる1以上の項目と、図3の重回帰分析曲線グラフとの対応関係を示す情報が出力されてもよい。
ここで、この項目は、実態調査アンケートの回答として得ることもできるが、モバイル端末2の状態(端末利用者Cの使い方や目標等含む)から得ることもできる。即ち、このような場合、AIによる機械学習では、図3の重回帰分析曲線グラフと、劣化の要因となる1以上の項目の夫々との関連性を示す情報(以下、「項目関連情報」と呼ぶ)が出力されてもよい。
これにより、所定のモバイル端末2のバッテリーの劣化診断の結果として、当該所定のモバイル端末2の実際の状態と項目関連情報とに基づいて、1以上の項目の夫々についての所定のモバイル端末2の評価(例えば「優」「良」等の評価)が得られる。
【0049】
図7は、モバイル端末に表示される専用アプリの画面であって、当該モバイル端末のバッテリーの劣化診断の結果として、劣化の要因となる各項目の評価が表示される画面の例を示している。
図7の画面の上方における「○○○○くん」とは、モバイル端末2に対応するキャラクターの名前であり、専用アプリがインストールされた段階等で端末利用者Cにより設定されたものである。
図7の画面の「○○○○くん」の下方にある「順調です」は、モバイル端末2のバッテリーの劣化診断の総合結果である。その右方にある「2ポイントゲット」とは、所定のポイントが獲得されたことの表示である。当該ポイントは、例えばバッテリーの劣化診断の総合結果に応じて獲得可能であり、当該端末利用者Cの買い替え等において使用できるものである。
図7の画面の下方には、「Report」として、劣化の要因となる1以上の項目の夫々についての所定のモバイル端末2の評価(例えば「優」「良」等の評価)が表示されている。図7の例では、このような項目として、「ながら充電」、「つぎたし充電」、「充電時間」、「充電時間帯」、「発熱回数」、及び「通信頻度」が採用されている。
【0050】
なお、バッテリーの劣化診断の結果(評価)の画面への表示形態は、図7の例に特に限定されず、その他各種各様な形態を採用することができる。
例えば、「○○○○くん」というキャラクターを示す画像として、劣化の要因となる項目が悪いという評価の場合には、当該キャラクターが、膨らむ、割れる、赤く溶ける、燃える等の劣化の評価が悪い状態になっていることを示す画像が、モバイル端末2に表示されるようにしてもよい。
逆に、劣化の要因となる項目が良いという評価の場合には、当該キャラクターが、艶々したり、キリっとしたり、エリート感を感じさせるようにしたり、リゾートにいる雰囲気を出す等して、劣化の評価が良い状態で順調であることを示す画像が、モバイル端末2に表示されるようにしてもよい。
【0051】
図8は、モバイル端末に表示される専用アプリの画面であって、当該モバイル端末のバッテリーの劣化診断の結果(Report)に基づいて、当該モバイル端末の使い方を提案する画面の例を示している。
図8の例では、これ以上劣化をさせてないための一括制御として、劣化の要因となる1以上の項目の夫々について設定された以上の使い方をするとアラート(Push通知)がなされる提案が表示される。
このアラートは、当初はお薦めの値等が表示されるが、端末利用者Cが自在に設定可能なようになされている。お薦めの値等は必ずしも端末利用者Cにとって適切と感じるとは限らないからである。
また、このようなアラートの提案の下方には、バッテリー劣化を抑えるコツやテクニックを端末利用者Cに伝えるコンテンツ(例えば読み物や記事)が表示される。
【0052】
上述のアラートの設定が完了すると、図9に示される画面がモバイル端末2に表示される。
図9は、モバイル端末に表示される専用アプリの画面であって、図8の画面においてアラートの設定が完了したことを示す画面である。
なお、図9の画面に示されるように、端末利用者Cは、このようにして設定されたアラートに基づいてモバイル端末2を1週間使用した後に再度バッテリーの劣化診断(1週間Check)をするか否かを選択することができる。バッテリー劣化を抑制しようというユーザの意思を継続すべく、この1週間Checkにおいて良い結果が得られれば上述のポイントが獲得できるようにしてもよい。
【0053】
図10は、モバイル端末に表示される専用アプリの画面であって、当該モバイル端末のバッテリーの劣化診断の結果に基づいて、当該モバイル端末の今後の取扱いを提案する画面の例を示している。
モバイル端末2のバッテリーの劣化診断の結果が著しく悪い場合、例えば著しく劣化していて上述の図8の画面により提示された提案に従っても劣化診断の結果がよくならない場合、例えば図10に示される画面がモバイル端末2に表示される。
即ち、モバイル端末2の今後の取扱いの方法を夫々示すソフトウェアボタン、具体的には例えば「今すぐ買取査定する」というソフトウェアボタン、「まだ利用する」というソフトウェアボタン、及び「スマホカエルプロジェクトへ寄付する」というソフトウェアボタンが、図10の画面内に表示される。
「今すぐ買取査定する」というソフトウェアボタンが押下されると、サービス提供者によるモバイル端末2の買取査定が行われる画面に遷移する。
「まだ利用する」というソフトウェアボタンが押下されると、モバイル端末2が継続して利用されると判断されて、図示せぬ所定の画面に遷移する。
「スマホカエルプロジェクトへ寄付する」というソフトウェアボタンが押下されると、モバイル端末2の寄附のための手続等が行われる画面に遷移する。
【0054】
ここで、専用アプリの機能として、上述のバッテリーの劣化診断の機能の他、モバイル端末1の各部位の状態(不具合があるか否か)を確認する機能(以下、「不具合チェック機能」と呼ぶ)も含まれている。
不具合チェック機能は、所定のトリガにより発揮される。
この所定のトリガとしては、設定された所定期間が経過したときや、端末利用者Cから明示的な指示操作があった場合等が存在する。
このような不具合チェックが行われる項目として、例えば、画面割れ、バッテリー、充電不良、スピーカ、マイクロフォン、ホームボタン、及びカメラ不良が設定されている。
ここで、バッテリーの不具合チェックとして、図3の重回帰分析曲線グラフを用いた所定の手法が採用されている。
このような動作確認チェックの結果として問題が無かった場合には、図11に示される画面がモバイル端末2に表示される。
図11は、モバイル端末に表示される専用アプリの画面であって、当該モバイル端末の不具合チェックで問題が無かった場合に表示される、当該モバイル端末の今後の取扱いを提案する画面の例を示している。
【0055】
不具合チェック機能の発揮を開始させるための所定トリガは、特に上述の例に限定されない。例えば、モバイル端末2に内蔵された各種センサ(図示せず)により当該モバイル端末2に対する問題行動があったことが検出された場合、例えば図12に示される画面がモバイル端末2に表示され、画面内の「今すぐ動作確認チェックする」というソフトウェアボタンが押下されたことをトリガとして、不具合チェックが行われるようにしてもよい。
即ち、図12は、モバイル端末に不具合行動があった場合に表示される専用アプリの画面であって、不具合チェック機能を発揮させるソフトウェアボタンを含む画面の例を示している。
なお、問題行動は、モバイル端末2に内蔵された各種センサにより検出可能なものであれば特に限定されず、例えば、落下、衝突、水・水没、圧力、その他等を採用することができる。
【0056】
このようなモバイル端末2に対する問題行動が起因となって不具合チェックが行われて、当該モバイル端末2に異常が認められなかった場合には、図11の画面が表示されるが、仮に故障等の異常が認められ場合には、図13に示される画面が表示される。
図13は、モバイル端末に表示される専用アプリの画面であって、当該モバイル端末の不具合チェックで異常が認められた場合に表示される、当該モバイル端末の今後の取扱いを提案する画面の例を示している。
即ち、モバイル端末2の今後の取扱いの方法を夫々示すソフトウェアボタン、具体的には例えば「今すぐ修理して出す」というソフトウェアボタン、「まだ利用する」というソフトウェアボタン、及び「スマホカエルプロジェクトへ寄付する」というソフトウェアボタンが、図13の画面内に表示される。
「今すぐ修理して出す」というソフトウェアボタンが押下されると、サービス提供者によるモバイル端末2の修理のための手続等が行われる画面に遷移する。
「まだ利用する」というソフトウェアボタンが押下されると、モバイル端末2が継続して利用されると判断されて、図示せぬ所定の画面に遷移する。
「スマホカエルプロジェクトへ寄付する」というソフトウェアボタンが押下されると、モバイル端末2の寄附のための手続等が行われる画面に遷移する。
図13は、モバイル端末に表示される専用アプリの画面であって、当該モバイル端末の不具合チェックで異常が認められた場合に表示される、当該モバイル端末の今後の取扱いを提案する画面の例を示している。
【0057】
なお、図14は、モバイル端末に表示される専用アプリの画面であって、サービス提供者によるモバイル端末の買取査定が行われる際に表示される、当該モバイル端末の今後の取扱いを提案する画面の例を示している。
モバイル端末2の写真がアップロードされるとサービス提供者により買取査定が行われ、その査定結果として買取価格(図14の例では23,800円)が表示される。
即ち、モバイル端末2の今後の取扱いの方法を夫々示すソフトウェアボタン、具体的には例えば「ケイタイ市場で売るとQUOHポイントが2倍」というソフトウェアボタン、及び「」というソフトウェアボタンが、図14の画面内に表示される。
「ケイタイ市場で売るとQUOHポイントが2倍」というソフトウェアボタンが押下されると、サービス提供者によるモバイル端末2の買取を行うための手続等が行われる画面に遷移する。遷移後の画面においてモバイル端末2の買取が成立すると、図7で上述した所定のポイント(通常の2倍のポイント)が付与される。
「ざっくり予測 1年後の価格」というソフトウェアボタンが押下されると、モバイル端末2が継続して利用されると判断されて、買取が行わらずに12ケ月利用された場合における買取価格等を示す画面に遷移する。
【0058】
上述の実施形態に限定されないものとしては、さらに次のようなものが存在する。
即ち例えば上述の実施形態では、スマートフォンやタブレット等で構成されるモバイル端末2のバッテリーの劣化予測を行っているが、本発明における「対象装置」は、上述の実施形態に限定されない。即ち、バッテリーからの電力により駆動する装置であれば本発明における「対象装置」に含まれる。このため、例えばバッテリーで駆動する自動車、ドローン、各種のハードウェア等のあらゆる装置が「対象装置」に含まれ得る。
【0059】
また例えば、図3の実態調査アンケートの質問項目は例示に過ぎない。図3に示す質問項目の他、モバイル端末2の利用状況を把握するために必要となる各種の情報を得るための他の質問項目が含まれていてもよい。
【0060】
また、図4に示すシステム構成、及び図5に示すサーバ1のハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0061】
また、図6に示す機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が図4の情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは、特に図6の例に限定されない。
【0062】
また、機能ブロックの存在場所も、図6に限定されず、任意でよい。
例えば、図6の例において、上述のバッテリー劣化予測処理、及び買取価格算出処理はサーバ1側で行われる構成となっているが、これに限定されず、モバイル端末2側、又は店舗端末3側でこれらの処理の少なくとも一部が行われてもよい。
即ち、バッテリー劣化予測処理、及び買取価格算出処理の実行に必要となる機能ブロックは、サーバ1側が備える構成となっているが、これは例示に過ぎない。サーバ1側に配置された機能ブロックの少なくとも一部を、モバイル端末2側、又は店舗端末3側が備える構成としてもよい。
【0063】
また、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0064】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0065】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0066】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0067】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば図4のサーバ1)は、
バッテリーからの電力により駆動する1以上の対象装置(例えば上述のn台のモバイル端末2)の夫々を使用する、1以上のユーザ(例えば上述のn人の端末利用者C)の夫々から報知される、前記1以上の対象装置の夫々の前記バッテリーに関する情報(例えばモバイル端末2に表示されるバッテリーの容量)を少なくとも含む、前記1以上の対象装置の夫々の利用に関する第1情報(例えば上述の調査結果情報)を取得する取得手段(例えば図6の調査結果取得部102)と、
前記取得手段により取得された前記第1情報に基づいて、前記1以上の対象装置又は他の対象装置のバッテリーの状態の推測に用いられる、前記1以上の対象装置の夫々の利用期間(例えば図2の利用期間t)と前記バッテリーの状態(例えば図2のSOH)との相関関係を示す第2情報(例えば図2の重回帰分析曲線グラフ)を生成する生成手段(例えば図6のSOH分析部103)と、
を備える。
【0068】
これにより、バッテリーからの電力により駆動する1以上の対象装置の夫々から報知されるバッテリーの利用に関する第1情報に基づいて、1以上の対象装置の夫々の利用期間とバッテリーの状態との相関関係を示す第2情報が生成される。
その結果、第2情報を用いたバッテリーの劣化の予測が可能となる。即ち、経験則に頼ることなく、バッテリーの劣化をユーザの利用実態に即して個別に予測することが可能となる。
【0069】
また、1以上の入力項目からなるアンケート(例えば図1の実態調査アンケート)を前記1以上のユーザの夫々に報知する制御を実行する報知制御手段(例えば図6の報知制御部101)をさらに備え、
前記取得手段は、前記報知制御手段の制御により報知された前記アンケートによる調査の結果を前記第1情報として取得することができる。
或いはまた例えば、前記取得手段は、前記対象装置の状態を示す情報を前記第1情報として取得する、
【0070】
これにより、1以上の入力項目からなるアンケートが、1以上のユーザの夫々に報知される。そして、報知されたアンケートによる調査の結果が、バッテリーの利用に関する第1情報として取得される。或いはまた対象装置の状態を示す情報が第1情報として取得される。そして、1以上の対象装置の夫々から報知されるバッテリーに関する第1情報に基づいて、1以上の対象装置の夫々の利用期間とバッテリーの状態との相関関係を示す第2情報が生成される。
その結果、1以上のユーザからのアンケートによる調査の結果或いはまた対象装置の状態が考慮された第2情報を用いて、バッテリーの劣化の予測を行うことが可能となる。即ち、経験則に頼ることなく、バッテリーの劣化をユーザの利用実態に即して個別に予測することが可能となる。
【0071】
また、前記第1情報と、第2情報とに基づいて、前記対象装置のバッテリーの劣化の状態を示す第3情報(バッテリー劣化診断結果)を生成する第2生成手段(例えば図6の劣化診断部104)をさらに備えることができる。
【0072】
これにより、バッテリーの利用に関する第1情報と、対象装置の利用期間とバッテリーの状態との相関関係を示す第2情報とに基づいて、対象装置のバッテリーの劣化の状態を示す第3情報が生成される。
その結果、ユーザの利用実態に即して個別にバッテリーの劣化の予測を行うことができる。
【0073】
また、前記第2生成手段により生成された前記第3情報を前記ユーザに報知する制御を実行する第2報知制御手段(例えば図6の報知制御部101)をさらに備えることができる。
【0074】
これにより、ユーザに対して対象装置のバッテリーの劣化を認知させることができるので、同時に対象装置の買い替えのタイミングを決めるための指標を与えることができる。
その結果、ユーザは、ベストなタイミングで対象装置の買い替えを行うことができる。
ここで、前記対象装置にインストールされたアプリケーションが実行されている際に表示される画面のうち少なくとも一部に、前記第3情報を示す画像を表示させることで、前記第3情報を前記ユーザに報知するようにすることもできる。
【0075】
また、前記第2生成手段により生成された前記第3情報に基づいて、前記対象装置の買取価格を算出する算出手段(例えば図6の買取価格算出部105)をさらに備えることができる。
【0076】
これにより、対象装置のバッテリーの劣化の状態を示す第3情報に基づいて、対象装置の買取価格が算出される。
その結果、バッテリーの劣化の状態が考慮された適正な価格で下取りされた対象装置が中古市場で流通されることになる。
【符号の説明】
【0077】
1・・・サーバ、2・・・モバイル端末、3・・・店舗端末、11・・・CPU、12・・・ROM、13・・・RAM、14・・・バス、15・・・入出力インターフェース、16・・・入力部、17・・・出力部、18・・・記憶部、19・・・通信部、20・・・ドライブ、40・・・リムーバルメディア、101・・・報知制御部、102・・・調査結果取得部、103・・・SOH分析部、104・・・劣化診断部、105・・・買取価格算出部、181・・・調査結果DB、182・・・分析結果DB、G・・・サービス提供者、C・・・端末利用者、S・・・担当者、N・・・ネットワーク、L・・・回帰曲線
【要約】
経験則に頼ることなく、バッテリーの劣化を利用者の利用実態に即して個別に予測できるようにすることを課題とする。
調査結果取得部102は、n台のモバイル端末2の夫々を使用する、n人の端末利用者Cの夫々から報知される、n台のモバイル端末2の夫々のバッテリーの容量を少なくとも含む、n台のモバイル端末2の夫々の利用に関する調査結果情報を取得する。SOH分析部103は、取得された調査結果情報に基づいて、他の対象装置のバッテリーの状態の推測に用いられる、n台のモバイル端末2の夫々の利用期間tとSOHとの相関関係を示す重回帰分析曲線グラフを生成する。これにより、上記の課題を解決する。
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