(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-29
(45)【発行日】2022-04-06
(54)【発明の名称】間仕切り用暖簾
(51)【国際特許分類】
A47H 23/00 20060101AFI20220330BHJP
【FI】
A47H23/00 B
(21)【出願番号】P 2018095483
(22)【出願日】2018-05-17
【審査請求日】2021-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】599019672
【氏名又は名称】有限会社美鈴
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三 輪 勇 一
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-265602(JP,A)
【文献】実開平02-064381(JP,U)
【文献】特開2013-040498(JP,A)
【文献】特開2016-202657(JP,A)
【文献】特開2004-321628(JP,A)
【文献】特開2002-142967(JP,A)
【文献】登録実用新案第3196474(JP,U)
【文献】米国特許第05070924(US,A)
【文献】独国実用新案第08206043(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47H 1/00 - 23/14
E06B 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の開口部を通行可能に遮蔽する間仕切り用暖簾であって、
1辺の長さが前記建築物の開口部の高さと略同等の長さを有する複数の遮蔽基体と、
前記建築物の開口部の上辺に沿って架け渡され、前記遮蔽基体を着脱可能に吊下げる形状固定支持具が取り付けられる竿体と、を備え、
前記遮蔽基体は、吊下げられた状態における水平断面形状が1つの山部と1つの谷部が連接した山谷形状をなすように形状記憶加工が施され、
前記形状固定支持具は、前記遮蔽基体の水平断面形状と略同形の山谷形状の断面形状を有し、
前記遮蔽基体の側縁部と隣り合う遮蔽基体の側縁部とが互いに重ね合わされて前記竿体に吊下げられていることを特徴とする間仕切り用暖簾。
【請求項2】
前記遮蔽基体の側縁部と隣り合う遮蔽基体の側縁部との重ね合わせは、前記遮蔽基体の山谷形状の谷部第1面の側縁部と隣り合う遮蔽基体の山谷形状の山部第2面の側縁部との重ね合わせであることを特徴とする請求項1に記載の間仕切り用暖簾。
【請求項3】
前記遮蔽基体は、下縁部に下部筒状部を有し、
前記下部筒状部には、前記遮蔽基体の水平断面形状と略同形の山谷形状の断面形状を有する重し部材が挿通されることを特徴とする請求項1又は2に記載の間仕切り用暖簾。
【請求項4】
前記遮蔽基体に形状記憶加工される山谷形状が、波型形状、S字形状、鋸歯形状、角型S字形状のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の間仕切り用暖簾。
【請求項5】
前記竿体の一面には、前記遮蔽基体に装着された前記形状固定支持具を嵌合させて、前記遮蔽基体を吊下げるための遮蔽基体装着溝が形成され、
前記遮蔽基体装着溝は、前記遮蔽基体の水平断面形状と略同形の山谷形状の溝面形状を有する複数の溝が隣り合う2つの溝の一部が接するように穿溝されて直列に配列された溝面形状を有し、
前記竿体及び前記形状固定支持具には両者を結合させる係合穴が設けられ、該係合穴に係合ピンを貫通させて前記遮蔽基体を前記竿体に吊下げるものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の間仕切り用暖簾。
【請求項6】
前記形状固定支持具は、前記遮蔽基体の上縁部に設けられた上部筒状部に挿通されて、前記遮蔽基体に装着されるものであることを特徴とする請求項5に記載の間仕切り用暖簾。
【請求項7】
前記形状固定支持具はその側面に面ファスナーを備え、前記遮蔽基体の上縁部に設けられた面ファスナーに貼付されて、前記遮蔽基体に装着されるものであることを特徴とする請求項5に記載の間仕切り用暖簾。
【請求項8】
前記形状固定支持具は、前記遮蔽基体の断面形状と略同形の山谷形状の断面形状を有し、前記遮蔽基体の上縁部に設けられた筒状部に挿通される遮蔽基体支持爪と、該遮蔽基体支持爪の一方の端部を回動可能に前記竿体に固定する回動ピンと、前記遮蔽基体支持爪の他方の端部を着脱可能に固定する固定ピンと、を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の間仕切り用暖簾。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の室内開口部等に取り付ける間仕切り用暖簾に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、敷地の大きさに対してリビング空間等の主空間を大きくすることを目的に、廊下等の通路を減らし階段もリビング内に設けるなどしたタイプの住宅が作られるようになってきた。このような居住空間は、広々としたリビングで居住者間の交流が豊かになる等の利点はあるものの、遮光、防音、空調の面から多目的利用が難しいという難点も有している。
【0003】
大空間室内の多目的利用のために間仕切りを用いることは、古くから行われており、間仕切り間の通行性を有するようにした暖簾装置の提案もなされている(特許文献1参照)。
間仕切り用暖簾は、遮蔽布の下部がスリット状に切断されていることで間仕切り間の通行を可能にする一方、スリット部が空調等の気流によりめくれるため、遮蔽性が劣るという欠点を有している。特許文献1に記載された暖簾装置は、隣り合う帯状体の縁部を重ね合わせるようにすることで、遮蔽性を高めようとしたものだが、平板状の帯状体を用いているため、重ね合わせ部が空調等の気流により隣り合う帯状体の間隔が開き、その隙間からダイレクトに音や光が洩れてしまうため、遮光、防音、空調の遮蔽性を低下させることが起きやすいという欠点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、通行性を確保しつつ、遮光、防音、空調の遮蔽性を高めた間仕切り用暖簾を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による間仕切り用暖簾は、建築物の開口部を通行可能に遮蔽する間仕切り用暖簾であって、1辺の長さが前記建築物の開口部の高さと略同等の長さを有する複数の遮蔽基体と、前記建築物の開口部の上辺に沿って架け渡され、前記遮蔽基体を着脱可能に吊下げる形状固定支持具が取り付けられる竿体と、を備え、前記遮蔽基体は、吊下げられた状態における水平断面形状が1つの山部と1つの谷部が連接した山谷形状をなすように形状記憶加工が施され、前記形状固定支持具は、前記遮蔽基体の水平断面形状と略同形の山谷形状の断面形状を有し、前記遮蔽基体の側縁部と隣り合う遮蔽基体の側縁部とが互いに重ね合わされて前記竿体に吊下げられていることを特徴とする。
【0007】
前記遮蔽基体の側縁部と隣り合う遮蔽基体の側縁部との重ね合わせは、前記遮蔽基体の山谷形状の谷部第1面の側縁部と隣り合う遮蔽基体の山谷形状の山部第2面の側縁部との重ね合わせであることが好ましい。
【0008】
前記遮蔽基体は、下縁部に下部筒状部を有し、前記下部筒状部には、前記遮蔽基体の水平断面形状と略同形の山谷形状の断面形状を有する重し部材が挿通されることが好ましい。
【0009】
前記遮蔽基体に形状記憶加工される山谷形状が、波型形状、S字形状、鋸歯形状、角型S字形状のいずれかであることが好ましい。
【0010】
前記竿体の一面には、前記遮蔽基体に装着された前記形状固定支持具を嵌合させて、前記遮蔽基体を吊下げるための遮蔽基体装着溝が形成され、前記遮蔽基体装着溝は、前記遮蔽基体の水平断面形状と略同形の山谷形状の溝面形状を有する複数の溝が隣り合う2つの溝の一部が接するように穿溝されて直列に配列された溝面形状を有し、前記竿体及び前記形状固定支持具には両者を結合させる係合穴が設けられ、該係合穴に係合ピンを貫通させて前記遮蔽基体を前記竿体に吊下げるものであることが好ましい。
【0011】
前記形状固定支持具は、前記遮蔽基体の上縁部に設けられた上部筒状部に挿通されて、前記遮蔽基体に装着されるものであることが好ましい。
【0012】
前記形状固定支持具はその側面に面ファスナーを備え、前記遮蔽基体の上縁部に設けられた面ファスナーに貼付されて、前記遮蔽基体に装着されるものであることが好ましい。
【0013】
前記形状固定支持具は、前記遮蔽基体の断面形状と略同形の山谷形状の断面形状を有し、前記遮蔽基体の上縁部に設けられた筒状部に挿通される遮蔽基体支持爪と、該遮蔽基体支持爪の一方の端部を回動可能に前記竿体に固定する回動ピンと、前記遮蔽基体支持爪の他方の端部を着脱可能に固定する固定ピンと、を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の間仕切り用暖簾によれば、水平断面形状が山谷形状に形状記憶加工された複数の遮蔽基体が、その側縁部と隣り合う遮蔽基体の側縁部を互いに重ね合わされ、遮蔽基体を竿体に支持する形状固定支持具が遮蔽基体の水平断面形状と略同形の山谷形状の断面形状を有して遮蔽基体の山谷形状を保持しているので、本発明の間仕切り用暖簾が間仕切る空間において風圧差が生じて遮蔽基体が揺らいだとしても、遮蔽基体の形状効果により隣り合う遮蔽基体の隙間からのダイレクトの漏れを防止できるので、遮光、遮音、冷暖気の遮断の効果を十分に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態による間仕切り用暖簾の斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態による間仕切り用暖簾の正面図である。
【
図3】
図2の間仕切り用暖簾のI-I断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態による形状固定支持具の正面図及び平面図である。
【
図5】本発明の一実施形態による竿体の側面図及び平面図である。
【
図6】本発明の他の実施形態による形状固定支持具の正面図及び平面図である。
【
図7】本発明の他の実施形態による形状固定支持具が固定された竿体の正面図及び平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態による間仕切り用暖簾を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態による間仕切り用暖簾1の斜視図であり、
図2は本発明の一実施形態による間仕切り用暖簾1の正面図である。
本実施形態の間仕切り用暖簾1は、建築物の開口部の上辺に沿って架け渡されて固定された竿体2と、竿体2に形状固定支持具3を介して上縁が吊下げられた略同一形状の複数枚(図示例では4枚)の遮蔽基体4とを備えている。
本実施形態における形状固定支持具3は、遮蔽基体4の上縁部に設けられた上部筒状部に挿入されて竿体2に装着されているため
図1、2には図示していない。
【0017】
間仕切り用暖簾1が取り付けられる建築物内の開口部は、建築物内の通路や部屋の間仕切り部等であり、特に限定されるものではない。
竿体2は、建築物内の開口部の上辺に固定具5によって取り付けられる。
図1、2に示す例では、竿体2の上面に固定用レール部材5aが設けられ、建築物内の開口部の上辺に固定された複数(図示例では2個)のアタッチメント5bに着脱可能に装着されている。
【0018】
各遮蔽基体4の吊下げられた高さ方向の1辺は、建築物内の開口部の高さと略同等の長さであり、建築物内の開口部の上辺に架け渡される方向の1辺は、水平断面形状(図示例ではI-Iの断面)が1つの山部と1つの谷部が連接した山谷形状になるよう形状記憶加工が施され、遮蔽基体4の山谷形状の谷部側縁部4bと隣り合う遮蔽基体4の山部側縁部4aとが互いに重ね合わされている。
【0019】
図3は、
図1、2の間仕切り用暖簾1のI-I断面図である。遮蔽基体4の水平断面は、1つの山部と1つの谷部が連接した山谷形状であり、山谷形状としては例えば、波型形状、S字形状、鋸歯形状、角型S字形状が挙げられ、図示例では波型形状である。
図示例における遮蔽基体4の重ね合わせは、左端の遮蔽基体4の右端の谷部側縁部4bの1面(紙面奥側の面)に右隣の蔽基体4の左端の山部側縁部4aの2面(紙面手前側の面)を重ね、該右隣の蔽基体4の谷部側縁部4bの1面にその右隣の蔽基体4の左端の山部側縁部4aの2面を重ね、順次、同様にして重ねて合わされている。
遮蔽基体4の水平断面形状が1つの山部と1つの谷部が連接した山谷形状を有し、遮蔽基体4の谷部側縁部4bと隣り合う遮蔽基体4の山部側縁部4aとが互いに重ね合わされていることにより、遮蔽基体4が空調等による局部的な風圧を受けて遮蔽基体4間に隙間が生じた場合にも、山谷形状の屈曲構造により暖冷気、音、光のダイレクトな漏れが防止できる。
隣接する遮蔽基体4同士の重ね合わせ部の幅は、暖冷気、音、光のダイレクトな漏れ防止や通行のし易さの点で、遮蔽基体4の山谷形状の1斜面幅(水平幅の略1/4)の1/5~1/2が好ましい。
【0020】
遮蔽基体4の材質は、布地や軟質樹脂等の軟質基材であり、布地としては、例えば、ポリエステル、アクリル等の合成繊維のみからなる編織物、又は合成繊維と天然繊維、再生繊維もしくは半合成繊維とを混紡、交織、交編等の手段で複合してなる編織物等が挙げられる。
遮蔽基体4は、また、複数の軟質基材の重ね合わせであってもよい。複数の軟質基材の重ね合わせにより、遮蔽基体4の交換の手間なしで遮光性等の遮蔽性の制御も可能となる。遮蔽基体4の重ね合わせの方法としては、面ファスナーやホック等の公知の方法で行うことができる。
遮蔽基体4は、所定の形状に形状記憶加工が施されている。形状記憶加工の方法としては、スチーム加熱・加圧による方法や成形剤を基材に含侵させて成形する方法等公知の形状記憶加工方法で行うことができる。
【0021】
本実施形態による遮蔽基体4は、上縁部に上部筒状部が形成され、上部筒状部には、断面形状が遮蔽基体4の水平断面形状と略同形の山谷形状を有し、側面に支持具係止穴3aが設けられた形状固定支持具3が挿通される。
図4は、本実施形態による形状固定支持具3の正面図及び平面図である。形状固定支持具3は、遮蔽基体4の水平断面形状を保持して竿体2に遮蔽基体4を吊下するための部材であり、断面形状が遮蔽基体4の水平断面形状と略同形の山谷形状になっていることにより軟質素材である遮蔽基体4の山谷形状を保持し、形状固定支持具3の側面に設けられた基体係止穴3aと竿体2の側面に設けられた装着溝係止穴2bを共に挿通する係止ピン6により遮蔽基体4を竿体2に吊下している。
形状固定支持具3は竿体2に設けられた遮蔽基体装着溝2aに嵌合されるが、形状固定支持具3の嵌合される方向の高さは、遮蔽基体装着溝2aの溝の深さと略同一の長さとすることが好ましい。形状固定支持具3の高さと遮蔽基体装着溝2aの溝の深さをそろえることにより、形状固定支持具3を挿通させた遮蔽基体4の上部筒状部を遮蔽基体装着溝2aの溝内に収めることができ、外観の美観を高めることができる。
【0022】
また、遮蔽基体4は、下縁部に下部筒状部が形成され、該下部筒状部には、断面形状が遮蔽基体4の水平断面形状と略同形の山谷形状を有する重し部材が挿通されることが好ましい。
遮蔽基体4の下部筒状部に重し部材を挿通させることにより、遮蔽基体4の水平断面形状を保持して遮蔽性を高めることができる。
【0023】
本実施形態の竿体2の遮蔽基体4を吊下げる面には、形状固定支持具3を挿通した遮蔽基体4の上部筒状部が嵌合する遮蔽基体装着溝2aが形成されている。
図5は、本実施形態による竿体2の側面図及び平面図である。図示のように遮蔽基体装着溝2aは、遮蔽基体4の断面形状と略同形の山谷形状が複数繋がった溝面形状を有し、山谷形状単位の溝が接続する部分の溝幅は他の部分の溝幅よりも太くなっている。
遮蔽基体装着溝2aには遮蔽基体4の上部筒状部4cが嵌合するが、前述の溝幅の拡大部分は、遮蔽基体4の重なり部分の上部筒状部4cが嵌合する部位であり、遮蔽基体装着溝2aに形状固定支持具3を挿通した遮蔽基体4の上部筒状部4cが嵌合することにより、遮蔽基体4の重なり部が保持される。
【0024】
竿体2の側面には、一方の側面から前記遮蔽基体装着溝2aを貫通して他方の側面に到達する複数の装着溝係止穴2bが形成されている。
前述の通り、遮蔽基体4は、形状固定支持具3の側面に設けられた支持具係止穴3aと竿体2の側面に設けられた装着溝係止穴2bを共に挿通する係止ピン6により竿体2に吊下されているが、遮蔽基体装着溝2aの溝の深さ及び装着溝係止穴2bが穿溝される位置は、支持具係止穴3aと装着溝係止穴2bが重なり合うように定められる。
【0025】
図6は、本発明の他の実施形態による形状固定支持具13の正面図及び平面図である。
本実施形態は、形状固定支持具13の構成と遮蔽基体14の上縁部に上部筒状部の代わりに面ファスナー部を設けた構成以外は、第一の実施形態と同一の構成であり、第一の実施形態と同一の構成の部分については同一の符号を付してその説明を省略ないしは簡略化する。
【0026】
本実施形態の形状固定支持具13は、断面形状が遮蔽基体14の水平断面形状と略同形の山谷形状を有し、側面に支持具係止穴3aが設けられている点は第一の実施形態と同一の構成であるが、形状固定支持具13の高さが遮蔽基体装着溝2aの溝の深さよりも高く、溝から露出した部分の側面に面ファスナーが設けられた支持具面ファスナー部13aを有する。
本実施形態の形状固定支持具13は、面ファスナーが設けられる側面の片端部に突出部を有し、該突出部にも面ファスナーが設けられ支持具面ファスナー部13aの一部となっている。
支持具面ファスナー部13aに設けられた突出部は、遮蔽基体14の上縁側縁部を固定して、隣り合う遮蔽基体14の重ね合わせを維持する。
【0027】
本実施形態の遮蔽基体14は、上縁部に筒状部が形成されておらず、上縁部に面ファスナーが設けられている点以外は第一の実施形態と同一の構成である。
遮蔽基体14の上縁部には、形状固定支持具13の支持具面ファスナー部13aに対応する位置に面ファスナーが設けられた基体面ファスナー部14aが設けられ、支持具面ファスナー部13aと基体面ファスナー部14aを合わせることにより形状固定支持具13への遮蔽基体14の装着を行うことができる。
【0028】
図7は、本発明の他の実施形態による形状固定支持具23が固定された竿体22の正面図及び平面図である。
本実施形態は、竿体22の構成と形状固定支持具23の構成以外は、第一の実施形態と同一の構成であり、第一の実施形態と同一の構成の部分については同一の符号を付してその説明を省略ないしは簡略化する。
【0029】
本実施形態の竿体22は、遮蔽基体4を装着、固定する溝及びピン穴を有さず、複数の形状固定支持具23をその一面に備える。
本実施形態の形状固定支持具23は、遮蔽基体4の水平断面形状と略同形の山谷形状の断面形状を有し、遮蔽基体4に設けられた上部筒状部に挿通される遮蔽基体支持爪23aと、遮蔽基体支持爪23aの一方の先端部にあって、竿体22に遮蔽基体支持爪23aを回動可能に固定する回動ピン23bと、竿体22に固定され、蔽基体支持爪23aの他方の先端部に設けられたピン止め構造と着脱可能な固定ピン23cと、を有する。
【0030】
図7に示すように、本実施形態の竿体22の一面には、遮蔽基体支持爪23a、回動ピン23b、固定ピン23cからなる複数(図示例では4個)の形状固定支持具23が直列に配置される。
図示例では、左端の固定支持具23の遮蔽基体支持爪23aの谷部第1面(紙面奥側の面)の一部と右隣の固定支持具23の遮蔽基体支持爪23aの山部第2面(紙面手前側の面)の一部が略重なり合うように回動ピン23bと固定ピン23cが配置され、他の固定支持具23も順次同様になるように配置される。
本実施形態に係る間仕切り用暖簾によれば、遮蔽基体4の交換が容易で、遮光、遮音、冷暖気の遮断の優れた効果が得られる。
【符号の説明】
【0031】
1 間仕切り用暖簾
2、22 竿体
2a 遮蔽基体装着溝
2b 装着溝係止穴
3、13、23 形状固定支持具
3a 支持具係止穴
4、14 遮蔽基体
4a 山部側縁部
4b 谷部側縁部
5 固定具
5a 固定用レール部材
5b アタッチメント
6 係止ピン
13a 支持具面ファスナー部
23a 遮蔽基体支持爪
23b 回動ピン
23c 固定ピン