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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-29
(45)【発行日】2022-04-06
(54)【発明の名称】傘の水切り装置
(51)【国際特許分類】
   F26B 9/00 20060101AFI20220330BHJP
   A45B 25/28 20060101ALI20220330BHJP
   F26B 5/14 20060101ALI20220330BHJP
【FI】
F26B9/00 B
A45B25/28
F26B5/14
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020518481
(86)(22)【出願日】2019-10-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-25
(86)【国際出願番号】 KR2019013533
(87)【国際公開番号】W WO2020166783
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2020-04-07
(31)【優先権主張番号】10-2019-0015838
(32)【優先日】2019-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0086263
(32)【優先日】2019-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520103768
【氏名又は名称】モリスアンドコー,カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,テ ボン
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0032212(KR,A)
【文献】特開2001-317870(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1526260(KR,B1)
【文献】特開2001-169814(JP,A)
【文献】韓国登録実用新案第20-0341570(KR,Y1)
【文献】韓国登録特許第10-1690695(KR,B1)
【文献】韓国登録実用新案第20-0393832(KR,Y1)
【文献】韓国登録実用新案第20-0341566(KR,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 9/00
F26B 5/14
A45B 25/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
濡れ傘に付着した水滴を集めて排水する傘の水切り装置であって、
受け部と、
前記受け部の上面に一定の間隔だけ離れるように配されたプレート状の第1脱水部及び第2脱水部と、
前記第1脱水部及び第2脱水部の内面に取着される着脱パッドと、
前記第1脱水部及び第2脱水部の内面にそれぞれ取着された着脱パッドの間に形成された脱水空間と、
前記着脱パッドに上下方向に沿って前記脱水空間に向かって突出した複数の突出部と、を含み、
前記突出部は、前記脱水空間を通って移動する濡れ傘との摩擦を増加させ、前記突出部を通過しながら濡れ傘から発生する振動により、濡れ傘に付着した水滴が振り落とされ易く、これとともに、濡れ傘の通過後に、突出部の振動により、突出部に吸着された水滴が振り落とされ易く、
前記着脱パッドと突出部とには無数の突起が前記脱水空間に向かって突設され、前記突起には前記突起よりも小さな無数の補助突起が前記脱水空間に向かって突設されることにより、前記濡れ傘の水滴と円滑に接触して濡れ傘から水滴をスムーズに吸着し、これとともに、前記無数の突起と無数の補助突起との相互支持により、前記脱水空間に向かって突出した前記突出部の形状がよく保持されるようにし、
前記突出部は、下部に位置する下部突出部と、上部に位置する上部突出部とを含み、前記下部突出部は、鉛直方向に長尺状に形成され、前記上部突出部は、鉛直方向から傾くように形成され、向かい合う上部突出部は互いに交差するように形成される、
傘の水切り装置。
【請求項2】
前記突出部は、前記着脱パッドから前記脱水空間に向かって進んでいて、折り曲げられて戻される二重に形成される、請求項1に記載の傘の水切り装置。
【請求項3】
前記脱水空間は、上広下狭の形状に形成されて濡れ傘と着脱パッドとの接触面積が広くなるとともに、濡れ傘が通過し易い、請求項1に記載の傘の水切り装置。
【請求項4】
前記第1脱水部及び第2脱水部の下部に連結されて前記脱水空間の下部を遮蔽する案内部材をさらに含む、請求項1に記載の傘の水切り装置。
【請求項5】
前記突出部の内部に挿入されて突出部の弾性力を増加させる補強部材をさらに含む、請求項2に記載の傘の水切り装置。
【請求項6】
前記補強部材は、シリコン、プラスチック、金属のいずれか一種から形成され、側面には凹凸部が上下方向に長尺状に形成されて、突出部の内部に染み込んだ水滴を流下させ易くする、請求項に記載の傘の水切り装置。
【請求項7】
前記突起及び補助突起は、ポリエステル(Polyester)から作製される、請求項に記載の傘の水切り装置。
【請求項8】
前記案内部材に着脱可能な水滴ガイド部材を備え、
前記水滴ガイド部材は、固定部とガイド部とを含んでいてもよく、前記固定部は、前記案内部材の内側と外側とにそれぞれ緊密に密着する内側板と外側板とを含み、ガイド部は、固定部から外側に向かって上方に傾斜するように延びており、傘の水切り装置に近づくかまたは遠ざかる傘から落下する水滴を受け部に案内することができ、ガイド部は、U字状またはV字状に形成されてもよく、
前記水滴ガイド部材は、不要時には傘の水切り装置から取り除いてもよく、または非使用時にはガイド部を引き出して傘の水切り装置の内側に向かうように配置することで簡単に保管しておいてもよい、
請求項4に記載の傘の水切り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傘の水切り装置に係り、さらに詳しくは、濡れ傘に付着した水滴を容易に取り除く傘の水切り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、雨を避けるための手段として傘を多く使用している。傘を使用した後にデパート、ディスカウントストア、オフィスビルなどに入る場合、水滴が室内の床に落ちて室内の環境を汚染する要因とされている。また、落ちた水滴は、通行に不便をきたし、床面が滑りやすくなって転倒するなどの危険を招く。
【0003】
近年、傘袋スタンド(傘ぽん)などが建物などの入り口に配置されて使用されている。しかし、使用済みの傘袋がリサイクルされずにゴミとして捨てられて、リソースが無駄になり、環境汚染にも繋がるという問題がある。また、傘袋スタンドは、高価であり、傘袋を頻繁に交換する必要があり、頻繁な故障で使用に困難がある。
【0004】
上記の問題を解決するために、本願出願人は、「水滴の叩き落とし装置」を韓国公開特許第10-2018-0032212号公報にて提案している。この従来の技術には、向かい合う第1ボディと第2ボディとの間を通過する濡れ傘が、第1及び第2ボディの複数の突起に接触しながら、水滴が除去される技術が開示されている。
【0005】
しかし、上記従来の技術は、濡れ傘が第1ボディ及び第2ボディの突起と単純に摩擦されるだけのことで、水滴を円滑に取り除くことができないという問題を有する。
【0006】
また、第1及び第2ボディの突起が吸着した水滴をそのまま含んでいるため、次の傘の水滴を円滑に取り除くことができないという問題を有する。
【0007】
さらにまた、水滴の叩き落とし装置に近づくかまたは遠ざかる傘から水滴が地面に多量に落下することで装置の前後のところが汚れてしまうという問題を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0032212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題を解決するために案出されたものであり、その目的は、着脱パッドに突出部を備えることにより、濡れ傘の振動により傘の水滴が振り落とされ易く、これとともに、突出部の振動により、突出部に吸着された水滴も下側に振り落とされ易くなる傘の水切り装置を提供することである。
【0010】
また、本発明の他の目的は、突出部には無数の突起が形成され、突起には突起よりも小さな無数の補助突起が形成されることにより、濡れ傘の水滴をスムーズに吸着し、これとともに、無数の突起と無数の補助突起との相互支持により、脱水空間に向かって突出した突出部の形状がよく保持される傘の水切り装置を提供することである。
【0011】
また、本発明の他の目的は、脱水空間を上広下狭の形状に形成することにより、濡れ傘と着脱パッドとの接触面積が広くなるとともに、濡れ傘が通過し易い傘の水切り装置を提供することである。
【0012】
また、本発明の他の目的は、ガイド部材を備えることにより、傘の水切り装置の前後で多量の水滴が落下する問題を解消する傘の水切り装置を提供することである。
【0013】
また、本発明の他の目的は、突出部の内部に補強部材を備えることにより、突出部の弾性を保持し続けて水滴を効率よく取り除ける傘の水切り装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一例による傘の水切り装置は、濡れ傘に付着した水滴を集めて排水する傘の水切り装置であって、受け部と、前記受け部の上面に一定の間隔だけ離れるように配されたプレート状の第1脱水部及び第2脱水部と、前記第1脱水部及び第2脱水部の内面に取着される着脱パッドと、前記第1脱水部及び第2脱水部の内面にそれぞれ取着された着脱パッドの間に形成された脱水空間と、前記着脱パッドに上下方向に沿って前記脱水空間に向かって突出した複数の突出部と、を含み、前記突出部は、前記脱水空間を通って移動する濡れ傘との摩擦を増加させ、前記突出部を通過しながら濡れ傘から発生する振動により、濡れ傘に付着した水滴が振り落とされ易く、これとともに、濡れ傘の通過後に、突出部の振動により、突出部に吸着された水滴が振り落とされ易くすることができる。
【0015】
前記突出部は、前記着脱パッドから前記脱水空間に向かって進んでいて、折り曲げられて戻される二重に形成されてもよい。
【0016】
前記着脱パッドと突出部とには無数の突起が前記脱水空間に向かって突設され、前記突起には前記突起よりも小さな無数の補助突起が前記脱水空間に向かって突設されることにより、前記濡れ傘の水滴と円滑に接触して濡れ傘から水滴をスムーズに吸着し、これとともに、前記無数の突起と無数の補助突起との相互支持により、前記脱水空間に向かって突出した前記突出部の形状をよく保持することができる。
【0017】
前記脱水空間は、上広下狭の形状に形成されて濡れ傘と着脱パッドとの接触面積が広くなるとともに、濡れ傘を容易に通過させることができる。
【0018】
前記第1脱水部及び第2脱水部の下部に連結されて前記脱水空間の下部を遮蔽する案内部材をさらに含んでいてもよい。
【0019】
前記突出部は、下部に位置する下部突出部と、上部に位置する上部突出部とを含み、前記下部突出部は、鉛直方向に長尺状に形成され、前記上部突出部は、鉛直方向から傾くように形成され、向かい合う上部突出部は互いに交差するように形成されてもよい。
【0020】
前記突出部の内部に挿入されて突出部の弾性力を増加させる補強部材をさらに含んでいてもよい。
【0021】
前記補強部材は、シリコン、プラスチック、金属のいずれか一種から形成され、側面には凹凸部が上下方向に長尺状に形成されて、突出部の内部に染み込んだ水滴を流下させ易くすることができる。
【0022】
前記突起及び補助突起は、ポリエステル(Polyester)から作製されてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、着脱パッドに突出部を備えることにより、濡れ傘が振動しながら傘の水滴が振り落とされ易く、これとともに、突出部の振動により、突出部に吸着された水滴も下側に振り落とされ易くなる。
【0024】
また、本発明によれば、突出部には無数の突起が形成され、突起には突起よりも小さな無数の補助突起が形成されることにより、濡れ傘の水滴をスムーズに吸着し、これとともに、無数の突起と無数の補助突起との相互支持により、脱水空間に向かって突出した突出部の形状をよく保持することができる。
【0025】
また、本発明によれば、脱水空間を上広下狭の形状に形成することにより、濡れ傘と着脱パッドとの接触面積が広くなるとともに、濡れ傘を容易に通過させることができる。
【0026】
また、本発明によれば、ガイド部材を備えることにより、傘の水切り装置の前後で多量の水滴が落下する問題を解消することができる。
【0027】
また、本発明によれば、突出部の内部に補強部材を備えることにより、突出部の弾性を保持し続けて水滴を効率よく取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明が適用された傘の水切り装置の斜視図である。
図2】本発明が適用された傘の水切り装置の分離斜視図である。
図3】本発明が適用された傘の水切り装置の正面構成図である。
図4】本発明が適用された傘の水切り装置の側面構成図である。
図5】本発明が適用された傘の水切り装置の平面構成図である。
図6】本発明が適用された傘の水切り装置の側断面構成図である。
図7】本発明の傘の水切り装置に水滴ガイド部材が適用されたことを示す分離斜視図である。
図8】本発明が適用された傘の水切り装置の一例の補強部材を示す平断面構成図である。
図9】本発明が適用された傘の水切り装置の他の例の補強部材を示す平断面構成図である。
図10】本発明が適用された傘の水切り装置の垂れ防止部を示す斜視図である。
図11】本発明が適用された傘の水切り装置の使用状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の一部の実施形態を例示的な図面を参照して詳細に説明する。各図面の成要素に参照符号を付加するにあたって、同一の構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されても可能な限り同一の符号を付けるようにしている。また、本発明の実施形態を説明するにあたって、関連の公知構成または機能についての具体的な説明が本発明の実施形態に対する理解を阻害すると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0030】
また、本発明の実施形態における構成要素の説明において、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を用いることができる。これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって当該の構成要素の本質や順番又は順序等が限定されることはない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載されている場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結されたり接続されたりできるが、各構成要素の間に更なる構成要素が「連結」、「結合」又は「接続」されてもよい。
【0031】
図1は、本発明が適用された傘の水切り装置の斜視図であり、図2は、本発明が適用された傘の水切り装置の分離斜視図であり、図3は、本発明が適用された傘の水切り装置の正面構成図であり、図4は、本発明が適用される傘の水切り装置の側面構成図であり、図5は、本発明が適用された傘の水切り装置の平面構成図であり、図6は、本発明が適用された傘の水切り装置の側断面構成図である。
【0032】
本発明の一例による傘の水切り装置100は、濡れ傘10に付着した水滴を集めて排水するものであり、受け部110、第1脱水部120及び第2脱水部120’、着脱パッド130、突出部140を含んでいてもよい。
【0033】
受け部110は、濡れ傘10から落下する水滴を集めて排水し、第1脱水部120及び第2脱水部120’を支えて支持することができる。受け部110は、下部プレート111、上部プレート112、及び排水管113を含んでいてもよい。排水管113は弁を備えてもよい。弁を閉じて水滴を受け部110に一時貯留し、必要に応じて弁を開けて水滴を排水することができる。
【0034】
下部プレート111は、板状に形成されてもよい。上部プレート112は、下部プレート111の上部に形成されて脱水部120,120’を支えて支持してもよい。上部プレート112と下部プレート111とは一定の間隔だけ離れて水滴が貯留される空間を形成してもよい。この離間部分には、周囲に沿って側面板が設けられてもよい。上部プレート112及び側面板は、下部プレート111から折り曲げられて形成されてもよい。
【0035】
排水管113は、下部プレート111に貫設されたたホール(図示せず)に設けられて、濡れ傘10から落下する水滴を排水することができる。前記ホール(図示せず)は、下部プレート111の中央または縁部に形成されてもよい。下部プレート111は、ホール(図示せず)の方向に所定の角度だけ傾くように形成されることにより、水滴の円滑な排水を図る。
【0036】
下部プレート111の上側には、水気を吸収する素材から形成された所定の厚さのクッション部114が設けられてもよい。クッション部114は、濡れ傘10から落下する水滴を一時吸収して水滴の過多排出を防止することができる。
【0037】
下部プレート111の下側には、傘の水切り装置100の移動便宜のためのキャスター115が設けられてもよい。
【0038】
第1脱水部120及び第2脱水部120’は、上部プレート112に垂直に設けられてもよい。第1脱水部120及び第2脱水部120’の内面には着脱パッド130が取着されてもよい。着脱パッド130は、磁力により第1脱水部120及び第2脱水部120’に取着されてもよい。このために、着脱パッド130に磁石を取り付けるか、着脱パッド130の内部に磁石を埋め込むか、または着脱パッド130に磁性体物質を含んでもよい。
【0039】
第1脱水部120と第2脱水部120’との間の下部には案内部材121が設けられてもよい。案内部材121は、脱水空間130’の下部を遮蔽することができる。案内部材121は、第1脱水部120の下部と第2脱水部120’の下部とを相互結合することができる。案内部材121が第1脱水部120及び第2脱水部120’の下部を遮蔽することにより、水滴の貯留空間をより大きく確保することができる。案内部材121の上部には、濡れ傘10の移動を案内する凹溝が形成されてもよい。
【0040】
図7に示すように、案内部材121に水滴ガイド部材122がさらに着脱可能に設けられてもよい。水滴ガイド部材122は、 脱水空間 130’に近づくかまたは 脱水空間130’から遠ざかる濡れ傘10から落下する水滴を受け部110に案内することができる。
【0041】
水滴ガイド部材122は、固定部122aとガイド部122bとを含んでいてもよい。固定部122aは、案内部材121の内側と外側とにそれぞれ緊密に密着する内側板と外側板とを含み、案内部材121に着脱可能に固定されてもよい。ガイド部122bは、固定部122aから外側に向かって上方に傾斜するように延びており、傘の水切り装置に近づくかまたは遠ざかる傘10から落下する水滴を受け部110に案内することができる。ガイド部122bは、U字状またはV字状に形成されてもよい。
【0042】
水滴ガイド部材122は、不要時には傘の水切り装置から取り除いてもよく、または非使用時にはガイド部122bを引き出して傘の水切り装置の内側に向かうように配置することで簡単に保管しておいてもよい。
【0043】
着脱パッド130は、第1脱水部120及び第2脱水部120’の内部に取着されて濡れ傘10に付着した水滴を吸着する構成要素であって、織物などのように水を吸着できる素材から形成されてもよい。
【0044】
第1脱水部120及び第2脱水部120’に取着された着脱パッド130の間に脱水空間130’が形成されてもよい。
【0045】
脱水空間130’を通って濡れ傘10が移動することができる。脱水空間130’は、上広下狭の形状に形成されてもよい。これにより、濡れ傘10と着脱パッド130との接触面積が広くなって水滴を容易に取り除き、これとともに、濡れ傘10を容易に通過させることができる。上部が広い脱水空間130’の場合、第1及び第2脱水部120,120’そのものを外側に向かって傾斜状に形成してもよく、または内部面を外側に向かって傾斜状に形成してもよい。
【0046】
着脱パッド130は、第1及び第2脱水部120,120’の下部に取着される下部着脱パッド130aと、上部に取着される上部着脱パッド130bとを含んでいてもよい。着脱パッド130は、前述の磁石のほかベルクロテープのような構成(図示せず)により第1脱水部120及び第2脱水部120’の内面に着脱可能に取着されてもよい。
【0047】
下部着脱パッド130aと上部着脱パッド130bは、第1及び第2脱水部120,120’に取り付けられる位置に応じて複数で着脱可能に取り付けられるものであり、第1及び第2脱水部120,120’の内面に着脱パッド130を複数に分割せずに一つにして取着することもできる。
【0048】
突出部140は、脱水空間130’を通って移動する濡れ傘10との摩擦を増加させるために着脱パッド130に複数突設されてもよい。濡れ傘10が突出部140とぶつかりながら発生する振動により、水滴が濡れ傘10から下側に振り落とされるか、または突出部140に容易に吸着するようになる。言い換えれば、突出部140は、通過する濡れ傘10から水滴を吸着し、濡れ傘10が通過することで発生する振動により、吸着した水滴を下側に容易に振り落すことができる。
【0049】
突出部140は、着脱パッド130から脱水空間130’に向かって進んでいて、折り曲げられて戻される二重に形成されてもよい。この場合、着脱パッド130を折り曲げ縫製することにより容易に製造することができる。また、二重の構成により、適切な支持力を有することができ、突出部140が脱水空間130’に向かって突出した形状をよく保持することができる。したがって、突出部140は、濡れ傘10と円滑に接触し、濡れ傘10に振動を発生させて水滴を振り落とし易くすることができる。これとともに、濡れ傘10が通過した後、突出部140自体も振動することにより、吸着した水滴を下側に振り落とす。これにより、相次いで通過する濡れ傘10の水滴を容易に吸着除去することができるようになる。
【0050】
着脱パッド130と突出部140とには無数の複数の突起131,141が脱水空間130’に向かって突設されてもよい。突起131,141の内部は、弾性空間が形成された中空構造であってもよい。この中空構造は、突起131,141の重量を減少させて弾性力を持たせ、自重による垂れを防止することができる。したがって、濡れ傘10に円滑に接触して、濡れ傘10に付着した水滴を効果的に除去することができる。
【0051】
突起131,141には、小さく微細な無数の補助突起132,142が脱水空間130’に向かって突設されてもよい。無数の突起131,141と、突起131,141に形成された微細な無数の補助突起132,142との相互支持により、脱水空間130’に向かって突出した突出部140の形状をよく保持することができる。脱水空間130’に向かって突出した形状をよく保持した突出部140は、繰り返し通過する濡れ傘10の水滴を容易に吸着除去することができる。
【0052】
突起131,141及び補助突起132,142は、ポリエステル(Polyester)から作製されてもよい。そして、前記着脱パッド130及び突出部140もまたポリエステルから作製されてもよい。前記ポリエステルは、水に濡れても強度が変わらなく、耐久性の良い素材なので、着脱パッド130及び突出部140の変形を防止することができ、これとともに、形状を保持することができる。
【0053】
突出部140は、上下方向に長尺状に形成され、これとともに、向かい合う着脱パッド130に互いに対応するように位置するかまたは互い違いに位置してもよい。互いに対応するように位置するかまたは互い違いに位置する突出部140は、通過する濡れ傘10を振動させることにより、濡れ傘10に付着した水滴を吸着したり、下側に振り落としたりすることができる。また、突出部140は、濡れ傘10の通過後に、それ自体が振動することにより、吸着した水滴を下側に振り落したり、流下させたりすることができる。
【0054】
突出部140は、下部に位置する下部突出部と、上部に位置する上部突出部とを含んでいてもよい。下部突出部は、鉛直方向に長尺状に形成され、上部突出部は、鉛直方向から一定の角度だけ傾くように形成されてもよい。また、向かい合う傾斜した上部突出部は、互いに交差するように形成されてもよい。互いに交差するように形成された上部突出部は、前後に往復する濡れ傘10との摩擦力を増加させて水滴を効果的に吸着したり振り落としたりすることができる。また、鉛直方向に形成された下部突出部は、吸着した水滴または上側から降りてきた水滴を下側に円滑に流下させることができる。
【0055】
図8及び図9に示すように、前記突出部140の内部に、突出部140の弾性力を増加させる補強部材143をさらに備えてもよい。補強部材143は、シリコン、プラスチック、さびがつかない金属のいずれか一種から形成されてもよい。補強部材143は、側面に凹凸部が形成されて柔軟性と弾性力を有することにより、濡れ傘10が通過する際に、柔軟に曲げられた後、弾力的に戻されて次の動作を待機することができる。
【0056】
前記凹凸部は、凹部と凸部が繰り返し形成されて、突出部140の内部に染み込んだ水滴が受け部110に流下するように案内することができる。
【0057】
図10のように、着脱パッド130を支えて支持して着脱パッド130の垂れを防ぐ垂れ防止部150をさらに含んでいてもよい。垂れ防止部150は、支持体151、抜け止め支持部材152、及び押され防止支持部材153を含んでいてもよい。
【0058】
支持体151は、着脱パッド130を支えて支持できるようにブロック状に形成されてもよい。
【0059】
抜け止め支持部材152は、支持体151の一側面に傾斜して突設され、下部プレート111の上面に定着したクッション部114に打ち込まれて、支持体151が下部プレート111の中央部に移動して抜けてしまうことを効果的に防止することができる。
【0060】
押され防止支持部材153は、抜け止め支持部材152と直交するように支持体151の一側面に傾斜して突設され、下部プレート111の上面に定着したクッション部114を加圧しながらクッション部114に打ち込まれて、支持体151が押されることを効果的に防止することができる。
【0061】
以下では、傘の水切り装置100の作製及び使用過程について説明する。
【0062】
まず、一定の大きさのプレート状の下部プレート111の上部に上部プレート112を形成してもよい。前記上部プレート112は、下部プレート111を折り曲げて形成してもよい。下部プレート111に貫通したホールには排水管113が設けられてもよい。下部プレート111の底面にはキャスター115が設けられてもよい。下部プレート111上面にはクッション部114が設けられてもよい。
【0063】
上部プレート112には、プレート状の第1脱水部120及び第2脱水部120’が固定されてもよい。第1脱水部120及び第2脱水部120’は、設計図面に基づいて上部プレート112の端部で折り曲げられて形成されてもよい。
【0064】
第1脱水部120及び第2脱水部120’の下部には案内部材121を結合してもよい。案内部材121を、第1脱水部120、第2脱水部120’及び受け部110に連結することで、受け部110の内部に水滴を貯留する空間を形成することができる。
【0065】
案内部材121には水滴ガイド部材122を選択的に設けてもよい。水滴ガイド部材122の固定部122aの内側板と外側板とを、案内部材121の内側と外側とにそれぞれ面当接するように挟んで嵌合してもよい。ガイド部122bを、固定部122aから外側に向かって上方に傾斜するように延設されてもよい。ガイド部122bは、脱水空間130’に近づくかまたは遠ざかる塗れ傘10から落下する水滴を受け部110に案内することにより、室内の床に落下する水滴の量を最小限に抑えて床の汚れを減らすことができる。
【0066】
脱水空間130’は、上広下狭の形状に形成されてもよい。したがって、この構造は、濡れ傘10と着脱パッド130及び突出部140との接触面積を拡大して摩擦力を増大させることができる。これは、着脱パッド130が取り付けられた第1脱水部120及び第2脱水部120’を傾斜するように形成して脱水空間130’を傾斜するように形成することができるということを意味する。
【0067】
着脱パッド130は、第1脱水部120及び第2脱水部120’の内面に取着部材(図示せず)により取着されてもよい。取着部材(図示せず)は、着脱パッド130に内蔵される磁石であってもよく、ベルクロテープであってもよい。磁石は、第1脱水部120及び第2脱水部120’に内蔵されてもよい。
【0068】
突出部140の内部には、凹凸形状に形成された補強部材143が内蔵されてもよい。垂れ防止部150の支持体151を用いて着脱パッド130を支えて支持することができる。前記支持体151の底面をクッション部114に定着させ、また支持体151の上面を着脱パッド130底面に密着させることにより、着脱パッド130の垂れを防止し、これにより、本発明の傘の水切り装置100の作製が完了する。
【0069】
垂れ防止部150の支持体151を着脱パッド130底面に位置させた状態で第1脱水部120及び第2脱水部120’の両側、すなわち、案内部材121の方向に押して移動させると、前記支持体151の一側面に傾斜して突設された抜け止め支持部材152は、クッション部114に打ち込まれて固定されて、前記支持体151が下部プレート111の中央部に移動して抜けてしまうことを効果的に防止することができ、また、前記抜け止め支持部材152と直交するように前記支持体151の一側面に傾斜して突設された押され防止支持部材153は、クッション部140に打ち込まれて固定されて、支持体151が押されることを効果的に防止することができる。
【0070】
上記過程を経て作製された傘の水切り装置100を、雨天時に建物の出入口に配置した状態で、図11のように、水滴が付着した濡れ傘10を脱水空間130’を通って移動させたり数回往復させたりすることができる。
【0071】
濡れ傘10が脱水空間130’の先端部に突出した水滴ガイド部材122のガイド部122bの上部に移動するに伴い、濡れ傘10から落下する水滴がガイド部122bに沿って受け部110の空間に導かれるので、濡れ傘10から室内の床に落下する水滴の量を大幅に減らすことができ、その結果、床の汚染度を低減させることができる。
【0072】
前記水滴ガイド部122を通過して脱水空間130’に移動した濡れ傘10を、脱水空間130’の一方の側から他方の側にまたはその逆方向に繰り返し移動させるが、この場合、前記濡れ傘10を回転させて移動させることもできる。
【0073】
前記脱水空間130’は、上広下狭の形状に形成されているので、脱水空間130’を通って移動する濡れ傘10の外部と、第1脱水部120及び第2脱水部120’に付着した着脱パッド130の複数の突起131との接触面積を最大限に拡大することができ、前記濡れ傘10が複数の突起131に順次接触しながら移動することができる。
【0074】
前記濡れ傘10は、脱水空間130’の一方の側から他方の側にまたはその逆方向に移動する過程において、着脱パッド130の複数の突起131と順次接触しながら発生する摩擦力及び弾性力等により水滴が濡れ傘10の外面から離脱して下部プレート111の方向に振り落とされる。
【0075】
また、前記濡れ傘10は、前記脱水空間130’の一方の側から他方の側にまたはその逆方向に移動する過程において、前記着脱パッド130に互いに対応するようにまたは互い違いに位置し、傾斜してまたは鉛直方向に形成された突出部140を通過する。この場合、前記突出部140が突出した領域と突出部140が突出していない領域とを移動する過程において、濡れ傘10に加えられる力の違いにより、濡れ傘10が突出部140を通過しながら振動が発生し、この振動により水滴が濡れ傘10の外面から離脱して円滑に振り落とされる。
【0076】
前記突出部140が位置している領域及び突出部140が位置していない領域を、すなわち、着脱パッド130の間を順次繰り返し移動するので、濡れ傘10に付着している水滴を効果的に脱水させて水滴の脱水効率を向上させることができる。このとき、前記突出部140に突設された複数の突起141と接触しながら発生する摩擦力及び弾性力等により、水滴が傘10の外面から離脱して下部プレート111の方向に振り落とされる。
【0077】
前記突出部140には、凹凸形状の補強部材143が内蔵されているので、濡れ傘10が 脱水空間130’を通って移動しながら突出部140を加圧すると、前記突出部140が柔軟に曲げられ、その後、濡れ傘10が前記突出部140を通過して濡れ傘10の前記突出部140への加圧力が解除されると、前記補強部材143自体の弾力により戻されて次の動作を待機することになる。
【0078】
また、濡れ傘10から離脱した水滴のうち、一部の水滴は受け部110に落下して貯留される一方、他の一部の水滴は突出部140に含まれる。前記突出部140が含む水滴の一部は、突出部140内部の補強部材143の凹凸部に流れ下りながら受け部110に落下することになる。
【0079】
ここで、前記着脱パッド130の複数の突起131及び突出部141の複数の突起141には前記突起131,141よりも小さな無数の補助突起132,142が突設されて、濡れ傘10の水滴と円滑に接触することができ、これにより水滴が濡れ傘10から円滑に振り落とされることができ、これとともに、無数の突起131,141と無数の補助突起132,142との相互支持により、脱水空間130’に向かって突出した突出部141の形状をよく保持することができる。
【0080】
前記下部プレート111の方向に落下して受け部110の空間に貯留された水滴は、バルブの開放により排水管113を介して排出される。一方、前記バルブを有さない場合は、前記空間に落下する水滴が排水管113を介して排出されるが、この際、前記排水管113が設けられた下部プレート111の上面、すなわち、床面を、水滴が排水管113に流れていくように傾斜状に形成することで、排水を円滑に導くことができる。
【0081】
前記傘の水切り装置100では、着脱パッド130に対する水滴の付着度合いに応じて交換使用が可能であり、前記傘の水切り装置100を使用し終わると、前記着脱パッド130を、必要に応じて第1脱水部120及び第2脱水部120’から取り外して乾燥させ、再び取り付け及び保管しておくことができる。
【0082】
また、前記水滴ガイド部材122は、不要時に、前記案内部材121から引き出して別のところに保管しておいてもよく、水滴ガイド部材122のガイド部122bが 脱水空間130’に位置するように固定部122aを案内部材121に装着して保管しておき、次の動作を待機していてもよい。
【0083】
以上において、本発明の実施例を構成する全ての構成要素が、一つに結合するか結合して動作するものと説明されたからといって、本発明が必ずしもこのような実施例に限定されるものではない。すなわち、本発明の目的の範囲内であれば、その全ての構成要素が一つ以上で選択的に結合して動作することもできる。また、以上で記載した「含む」、「構成する」または「有する」等の用語は、特別に反対になる記載がない限り、該当構成要素が内在し得ることを意味するものであるため、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含むことができるものと解釈されるべきである。技術的や科学的な用語を含む全ての用語は、別に定義されない限り、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味がある。辞書に定義された用語のように一般的に使用される用語は、関連技術の文脈上の意味と一致するものと解釈されるべきであり、本発明で明白に定義しない限り、理想的や過度に形式的な意味に解釈されない。
【0084】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎないものであって、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性を外れない範囲内で様々な修正、変更、および置換が可能であるだろう。したがって、本発明に開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、請求の範囲によって解釈されなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれると解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0085】
100 傘の水切り装置
110 受け部
120,120’ 第1脱水部及び第2脱水部
130 着脱パッド
130’ 脱水空間
140 突出部
図1
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図3
図4
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図6
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