(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-29
(45)【発行日】2022-04-06
(54)【発明の名称】印刷システムおよび印刷システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20220330BHJP
B41J 25/20 20060101ALI20220330BHJP
B41J 11/66 20060101ALI20220330BHJP
B41J 11/46 20060101ALI20220330BHJP
【FI】
G06F3/12 342
G06F3/12 352
G06F3/12 304
B41J25/20
B41J11/66
B41J11/46
G06F3/12 364
(21)【出願番号】P 2018025448
(22)【出願日】2018-02-15
【審査請求日】2020-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000137823
【氏名又は名称】株式会社ミマキエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【氏名又は名称】小平 晋
(72)【発明者】
【氏名】福岡 順子
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-177798(JP,A)
【文献】特開2017-062536(JP,A)
【文献】国際公開第2011/013190(WO,A1)
【文献】特開2005-335315(JP,A)
【文献】特開2017-087475(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 25/20
B41J 11/66
B41J 11/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に印刷を行うプリンタと、前記プリンタで印刷された印刷後の前記媒体に対して所定の処理を行う処理装置と、前記プリンタを制御するためのプリンタ制御部と、前記処理装置を制御するための処理装置制御部と、前記プリンタで前記媒体に印刷を行うための印刷用データと前記処理装置で印刷後の前記媒体に対して処理を行うための処理用データとを作成するためのデータ作成部と、前記データ作成部で作成された前記印刷用データおよび前記処理用データを受け取るとともに受け取った前記印刷用データを前記プリンタ制御部に送り、かつ、受け取った前記処理用データを前記処理装置制御部に送るデータ処理部とを備え、
前記データ処理部は、前記処理装置において前記媒体を位置合わせするための位置合わせ用データを前記印刷用データおよび前記処理用データに基づいて作成して、前記プリンタ制御部に送り、
前記プリンタ制御部は、前記データ処理部から受け取った前記位置合わせ用データに基づいて前記プリンタを制御して、前記媒体に位置合わせ用マークを印刷し、
前記位置合わせ用マークは、
前記処理装置のテーブルに形成されるマークを目印として前記位置合わせ用マークの位置合わせを行うことで印刷後の前記媒体を前記処理装置に人手によってセットするためのものであることを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記処理装置は、印刷後の前記媒体を所定形状に切断する切断装置であり、
前記処理用データは、印刷後の前記媒体を所定形状に切断するためのカット用データであり、
前記プリンタ制御部は、前記データ処理部から受け取った前記印刷用データに基づいて前記プリンタを制御して、前記媒体に印刷を行い、
前記切断装置には、印刷後の前記媒体が前記位置合わせ用マークを用いて人手によってセットされ、
前記処理装置制御部は、前記データ処理部から受け取った前記カット用データに基づいて前記切断装置を制御して、前記媒体を切断することを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
【請求項3】
前記データ処理部は、前記印刷用データおよび前記処理用データの全体が含まれる四角形の枠状の前記位置合わせ用データを作成し、
前記プリンタは、四角形の枠状の前記位置合わせ用マークを前記媒体に印刷することを特徴とする請求項1または2記載の印刷システム。
【請求項4】
前記データ処理部は、前記位置合わせ用データの特色を指定して、前記印刷用データと一緒に前記位置合わせ用データを前記プリンタ制御部に送ることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の印刷システム。
【請求項5】
媒体に印刷を行うプリンタと、前記プリンタで印刷された印刷後の前記媒体に対して所定の処理を行う処理装置と、前記プリンタを制御するためのプリンタ制御部と、前記プリンタで前記媒体に印刷を行うための印刷用データと前記処理装置で印刷後の前記媒体に対して処理を行うための処理用データとを作成するためのデータ作成部とを備える印刷システムの制御方法であって、
前記データ作成部で作成された前記印刷用データおよび前記処理用データに基づいて、前記処理装置において前記媒体を位置合わせするための位置合わせ用データを作成するデータ作成ステップと、
前記データ作成ステップで作成された前記位置合わせ用データおよび前記印刷用データを前記プリンタ制御部に送るデータ送信ステップと、
前記プリンタ制御部が前記位置合わせ用データに基づいて前記プリンタを制御して、前記媒体に位置合わせ用マークを印刷する印刷ステップとを備え、
前記位置合わせ用マークは、
前記処理装置のテーブルに形成されるマークを目印として前記位置合わせ用マークの位置合わせを行うことで印刷後の前記媒体を前記処理装置に人手によってセットするためのものであることを特徴とする印刷システムの制御方法。
【請求項6】
媒体に対して所定の処理を行う処理装置と、前記処理装置で処理された処理後の前記媒体に印刷を行うプリンタと、前記処理装置を制御するための処理装置制御部と、前記プリンタを制御するためのプリンタ制御部と、前記処理装置で前記媒体に対して処理を行うための処理用データと前記プリンタで処理後の前記媒体に印刷を行うための印刷用データとを作成するためのデータ作成部と、前記データ作成部で作成された前記印刷用データおよび前記処理用データを受け取るとともに受け取った前記印刷用データおよび前記処理用データを前記プリンタ制御部に送り、かつ、受け取った前記処理用データを前記処理装置制御部に送るデータ処理部とを備え、
前記プリンタ制御部は、前記データ処理部から受け取った前記処理用データに基づいて前記プリンタを制御して、前記処理装置で処理された前記媒体を前記プリンタにおいて位置合わせするための位置合わせ用マークを、前記媒体とは別の第2の媒体に印刷することを特徴とする印刷システム。
【請求項7】
前記処理装置は、前記媒体を所定形状に切断する切断装置であり、
前記処理用データは、前記媒体を所定形状に切断するためのカット用データであり、
前記プリンタ制御部は、前記データ処理部から受け取った前記カット用データに基づいて前記プリンタを制御して、前記切断装置で切断された前記媒体を前記プリンタにおいて位置合わせするための前記位置合わせ用マークを前記第2の媒体に印刷することを特徴とする請求項6記載の印刷システム。
【請求項8】
前記プリンタにセットされた前記第2の媒体上に、切断後の前記媒体が前記位置合わせ用マークを用いて人手によってセットされ、
前記プリンタ制御部は、前記データ処理部から受け取った前記印刷用データに基づいて前記プリンタを制御して、切断後の前記媒体に印刷を行うことを特徴とする請求項7記載の印刷システム。
【請求項9】
前記データ作成部では、前記処理用データの特色が指定され、
前記データ処理部は、前記印刷用データと一緒に前記処理用データを前記プリンタ制御部に送ることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の印刷システム。
【請求項10】
前記媒体は、樹脂で形成された平板状の樹脂板であり、
前記切断装置は、レーザ光で前記媒体を切断するレーザカッターであることを特徴とする請求項7または8記載の印刷システム。
【請求項11】
媒体に対して所定の処理を行う処理装置と、前記処理装置で処理された処理後の前記媒体に印刷を行うプリンタと、前記プリンタを制御するためのプリンタ制御部と、前記処理装置で前記媒体に対して処理を行うための処理用データと前記プリンタで処理後の前記媒体に印刷を行うための印刷用データとを作成するためのデータ作成部とを備える印刷システムの制御方法であって、
前記データ作成部で作成された前記印刷用データおよび前記処理用データを前記プリンタ制御部に送るデータ送信ステップと、
前記プリンタ制御部が前記処理用データに基づいて前記プリンタを制御して、前記処理装置で処理された前記媒体を前記プリンタにおいて位置合わせするための位置合わせ用マークを、前記媒体とは別の第2の媒体に印刷する印刷ステップとを備えることを特徴とする印刷システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体に印刷を行うプリンタを備える印刷システム、および、かかる印刷システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カッティング機能を備えたプリンタが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のプリンタは、記録紙に印刷を行うインクヘッドと、記録紙を切断するカッティングヘッドとを備えている。このプリンタでは、記録紙の印刷後に記録紙を切断する印刷切断処理と、記録紙の切断後に記録紙に印刷を行う切断印刷処理とが可能となっている。
【0003】
特許文献1に記載のプリンタで印刷切断処理を行うときには、まず、画像データに基づいて記録紙に所定の画像を印刷するとともに、画像の四隅の近傍にクロップマークを印刷する。その後、センサでクロップマークを検知し、クロップマークから切断の基準となる位置を取得して、カッティングデータに基づいて記録紙を切断する。一方、特許文献1に記載のプリンタで切断印刷処理を行うときには、まず、カッティングデータに基づいて記録紙を所定形状に切断するとともに、所定形状に切断した部分の四隅の近傍にクロップマークとして正方形状のカッティングを行う。その後、センサでクロップマークであるカッティングを検知し、クロップマークから印刷の基準となる位置を取得して、画像データに基づいて記録紙に画像を印刷する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明者は、別々の装置となっている媒体印刷用のプリンタと媒体切断用の切断装置とを用いて、プリンタで印刷を行った後の媒体を切断装置で所定形状に切断することや、切断装置で切断した後の媒体にプリンタで印刷を行うことを検討している。また、本願発明者は、たとえば、画像を作成するためのソフトウエアと、プリンタを制御するためのソフトウエアと、切断装置を制御するためのソフトウエアとがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC)を用いて、媒体に印刷を行うための印刷用データと媒体を切断するためのカット用データとをユーザに作成させるとともに、作成された印刷用データをプリンタに送り、かつ、作成されたカット用データを切断装置に送ることを検討している。
【0006】
プリンタと切断装置とが別々の装置となっている場合、印刷後の媒体を所定形状に切断するときには、印刷後の媒体をプリンタから切断装置まで運んで切断装置にセットする必要がある。また、印刷後の媒体を切断装置にセットするときには、印刷位置と切断位置とがずれないように、媒体の基準位置と切断装置の基準位置とを合わせる必要がある。そこで、本願発明者は、切断装置において媒体を位置合わせするための位置合わせ用のマークを媒体に印刷することを検討している。
【0007】
位置合わせ用のマークを媒体に印刷する場合、位置合わせ用のマークを媒体に印刷するための位置合わせ用データを、印刷用データおよびカット用データと一緒にPC上でユーザに作成させ、作成された位置合わせ用データをプリンタに送って、プリンタで位置合わせ用のマークを媒体に印刷すれば良い。しかしながら、この場合には、ユーザが位置合わせ用データを作成しなければならず、ユーザに煩雑な作業が要求される。
【0008】
そこで、本発明の第1の課題は、ユーザが煩雑な作業をしなくても、印刷後の媒体に対して所定の処理を行う処理装置において媒体を位置合わせするための位置合わせ用マークを媒体に印刷することが可能な印刷システムを提供することにある。また、本発明の第1の課題は、ユーザが煩雑な作業をしなくても、印刷後の媒体に対して所定の処理を行う処理装置において媒体を位置合わせするための位置合わせ用マークを媒体に印刷することが可能となる印刷システムの制御方法を提供することにある。
【0009】
また、プリンタと切断装置とが別々の装置となっている場合、切断後の媒体に印刷を行うときには、切断後の媒体を切断装置からプリンタまで運んでプリンタにセットする必要がある。また、切断後の媒体をプリンタにセットするときには、切断後の媒体の適切な箇所に印刷が行われるように、切断後の媒体の基準位置とプリンタの基準位置とを合わせる必要がある。そこで、本願発明者は、切断後の媒体をプリンタにおいて位置合わせするための位置合わせ用のマークをプリンタで別の媒体に印刷して、位置合わせ用のマークが印刷された別の媒体をプリンタにセットするとともに、位置合わせ用のマークが印刷された別の媒体上に切断後の媒体を載せることを検討している。
【0010】
位置合わせ用のマークを別の媒体に印刷する場合、位置合わせ用のマークを別の媒体に印刷するための位置合わせ用データを、印刷用データおよびカット用データと一緒にPC上でユーザに作成させ、作成された位置合わせ用データをプリンタに送って、プリンタで位置合わせ用のマークを別の媒体に印刷すれば良い。しかしながら、この場合には、ユーザが位置合わせ用データを作成しなければならず、ユーザに煩雑な作業が要求される。
【0011】
そこで、本発明の第2の課題は、ユーザが煩雑な作業をしなくても、所定の処理装置で処理された処理後の媒体をプリンタで位置合わせするための位置合わせ用マークを別の媒体に印刷することが可能な印刷システムを提供することにある。また、本発明の第2の課題は、ユーザが煩雑な作業をしなくても、所定の処理装置で処理された処理後の媒体をプリンタで位置合わせするための位置合わせ用マークを別の媒体に印刷することが可能となる印刷システムの制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の第1の課題を解決するため、本発明の印刷システムは、媒体に印刷を行うプリンタと、プリンタで印刷された印刷後の媒体に対して所定の処理を行う処理装置と、プリンタを制御するためのプリンタ制御部と、処理装置を制御するための処理装置制御部と、プリンタで媒体に印刷を行うための印刷用データと処理装置で印刷後の媒体に対して処理を行うための処理用データとを作成するためのデータ作成部と、データ作成部で作成された印刷用データおよび処理用データを受け取るとともに受け取った印刷用データをプリンタ制御部に送り、かつ、受け取った処理用データを処理装置制御部に送るデータ処理部とを備え、データ処理部は、処理装置において媒体を位置合わせするための位置合わせ用データを印刷用データおよび処理用データに基づいて作成して、プリンタ制御部に送り、プリンタ制御部は、データ処理部から受け取った位置合わせ用データに基づいてプリンタを制御して、媒体に位置合わせ用マークを印刷し、位置合わせ用マークは、処理装置のテーブルに形成されるマークを目印として位置合わせ用マークの位置合わせを行うことで印刷後の媒体を処理装置に人手によってセットするためのものであることを特徴とする。
【0013】
また、上記の第1の課題を解決するため、本発明の印刷システムの制御方法は、媒体に印刷を行うプリンタと、プリンタで印刷された印刷後の媒体に対して所定の処理を行う処理装置と、プリンタを制御するためのプリンタ制御部と、プリンタで媒体に印刷を行うための印刷用データと処理装置で印刷後の媒体に対して処理を行うための処理用データとを作成するためのデータ作成部とを備える印刷システムの制御方法であって、データ作成部で作成された印刷用データおよび処理用データに基づいて、処理装置において媒体を位置合わせするための位置合わせ用データを作成するデータ作成ステップと、データ作成ステップで作成された位置合わせ用データおよび印刷用データをプリンタ制御部に送るデータ送信ステップと、プリンタ制御部が位置合わせ用データに基づいてプリンタを制御して、媒体に位置合わせ用マークを印刷する印刷ステップとを備え、位置合わせ用マークは、処理装置のテーブルに形成されるマークを目印として位置合わせ用マークの位置合わせを行うことで印刷後の媒体を処理装置に人手によってセットするためのものであることを特徴とする。
【0014】
本発明の印刷システムでは、データ処理部は、処理装置において媒体を位置合わせするための位置合わせ用データを印刷用データおよび処理用データに基づいて作成して、プリンタ制御部に送っている。また、本発明の印刷システムの制御方法では、データ作成ステップにおいて、印刷用データおよび処理用データに基づいて位置合わせ用データを作成し、データ送信ステップにおいて、位置合わせ用データおよび印刷用データをプリンタ制御部に送っている。すなわち、本発明では、ユーザが位置合わせ用データを作成しなくても、印刷用データおよび処理用データに基づいて位置合わせ用データを自動で作成してプリンタ制御部に送っている。
【0015】
また、本発明の印刷システムでは、プリンタ制御部は、データ処理部から受け取った位置合わせ用データに基づいてプリンタを制御して、媒体に位置合わせ用マークを印刷し、本発明の印刷システムの制御方法では、印刷ステップにおいて、プリンタ制御部が位置合わせ用データに基づいてプリンタを制御して、媒体に位置合わせ用マークを印刷している。そのため、本発明では、ユーザが煩雑な作業をしなくても、処理装置において媒体を位置合わせするための位置合わせ用マークを媒体に印刷することが可能になる。
【0016】
本発明において、たとえば、処理装置は、印刷後の媒体を所定形状に切断する切断装置であり、処理用データは、印刷後の媒体を所定形状に切断するためのカット用データであり、プリンタ制御部は、データ処理部から受け取った印刷用データに基づいてプリンタを制御して、媒体に印刷を行い、切断装置には、印刷後の媒体が位置合わせ用マークを用いて人手によってセットされ、処理装置制御部は、データ処理部から受け取ったカット用データに基づいて切断装置を制御して、媒体を切断する。この場合には、ユーザが煩雑な作業をしなくても、印刷後の媒体を切断装置において位置合わせするための位置合わせ用マークを媒体に印刷することが可能になる。
【0017】
本発明において、たとえば、データ処理部は、印刷用データおよび処理用データの全体が含まれる四角形の枠状の位置合わせ用データを作成し、プリンタは、四角形の枠状の位置合わせ用マークを媒体に印刷する。この場合には、位置合わせ用マークが四角形の枠状に形成されているため、処理装置において媒体を位置合わせしやすくなる。
【0018】
本発明において、データ処理部は、位置合わせ用データの特色を指定して、印刷用データと一緒に位置合わせ用データをプリンタ制御部に送ることが好ましい。このように構成すると、印刷用データと一緒に位置合わせ用データをプリンタ制御部に送っても、プリンタ制御部は、特色を用いて印刷用データと位置合わせ用データとを区別することが可能になるため、印刷用データと位置合わせ用データとをデータ処理部からプリンタ制御部に同時に送ることが可能になる。したがって、データ処理部からプリンタ制御部へのデータの転送時間を短縮することが可能になる。
【0019】
また、上記の第2の課題を解決するため、本発明の印刷システムは、媒体に対して所定の処理を行う処理装置と、処理装置で処理された処理後の媒体に印刷を行うプリンタと、処理装置を制御するための処理装置制御部と、プリンタを制御するためのプリンタ制御部と、処理装置で媒体に対して処理を行うための処理用データとプリンタで処理後の媒体に印刷を行うための印刷用データとを作成するためのデータ作成部と、データ作成部で作成された印刷用データおよび処理用データを受け取るとともに受け取った印刷用データおよび処理用データをプリンタ制御部に送り、かつ、受け取った処理用データを処理装置制御部に送るデータ処理部とを備え、プリンタ制御部は、データ処理部から受け取った処理用データに基づいてプリンタを制御して、処理装置で処理された媒体をプリンタにおいて位置合わせするための位置合わせ用マークを、媒体とは別の第2の媒体に印刷することを特徴とする。
【0020】
また、上記の第2の課題を解決するため、本発明の印刷システムの制御方法は、媒体に対して所定の処理を行う処理装置と、処理装置で処理された処理後の媒体に印刷を行うプリンタと、プリンタを制御するためのプリンタ制御部と、処理装置で媒体に対して処理を行うための処理用データとプリンタで処理後の媒体に印刷を行うための印刷用データとを作成するためのデータ作成部とを備える印刷システムの制御方法であって、データ作成部で作成された印刷用データおよび処理用データをプリンタ制御部に送るデータ送信ステップと、プリンタ制御部が処理用データに基づいてプリンタを制御して、処理装置で処理された媒体をプリンタにおいて位置合わせするための位置合わせ用マークを、媒体とは別の第2の媒体に印刷する印刷ステップとを備えることを特徴とする。
【0021】
本発明の印刷システムでは、データ処理部は、データ作成部で作成された処理用データをプリンタ制御部に送り、プリンタ制御部は、データ処理部から受け取った処理用データに基づいてプリンタを制御して、処理装置で処理された媒体をプリンタにおいて位置合わせするための位置合わせ用マークを、媒体とは別の第2の媒体に印刷している。また、本発明の印刷システムの制御方法では、データ送信ステップにおいて、データ作成部で作成された処理用データをプリンタ制御部に送り、印刷ステップにおいて、プリンタ制御部が処理用データに基づいてプリンタを制御して、処理装置で処理された媒体をプリンタにおいて位置合わせするための位置合わせ用マークを、媒体とは別の第2の媒体に印刷している。
【0022】
すなわち、本発明では、処理装置で処理された処理後の媒体をプリンタにおいて位置合わせするための位置合わせ用データをユーザが作成しなくても、データ処理部からプリンタ制御部に処理用データが自動的に送られ、プリンタで、処理用データに基づいて、処理後の媒体をプリンタにおいて位置合わせするための位置合わせ用マークが第2の媒体に印刷されている。そのため、本発明では、ユーザが煩雑な作業をしなくても、所定の処理装置で処理された処理後の媒体をプリンタで位置合わせするための位置合わせ用マークを別の媒体に印刷することが可能になる。
【0023】
本発明において、たとえば、処理装置は、媒体を所定形状に切断する切断装置であり、処理用データは、媒体を所定形状に切断するためのカット用データであり、プリンタ制御部は、データ処理部から受け取ったカット用データに基づいてプリンタを制御して、切断装置で切断された媒体をプリンタにおいて位置合わせするための位置合わせ用マークを第2の媒体に印刷する。この場合には、ユーザが煩雑な作業をしなくても、切断後の媒体をプリンタで位置合わせするための位置合わせ用マークを別の媒体に印刷することが可能になる。
【0024】
本発明において、たとえば、プリンタにセットされた第2の媒体上に、切断後の媒体が位置合わせ用マークを用いて人手によってセットされ、プリンタ制御部は、データ処理部から受け取った印刷用データに基づいてプリンタを制御して、切断後の媒体に印刷を行う。
【0025】
本発明において、データ作成部では、処理用データの特色が指定され、データ処理部は、印刷用データと一緒に処理用データをプリンタ制御部に送ることが好ましい。このように構成すると、印刷用データと一緒に処理用データをプリンタ制御部に送っても、プリンタ制御部は、特色を用いて印刷用データと処理用データとを区別することが可能になるため、印刷用データと処理用データとをデータ処理部からプリンタ制御部に同時に送ることが可能になる。したがって、データ処理部からプリンタ制御部へのデータの転送時間を短縮することが可能になる。
【0026】
本発明において、たとえば、媒体は、樹脂で形成された平板状の樹脂板であり、切断装置は、レーザ光で媒体を切断するレーザカッターである。この場合、印刷後の媒体をレーザカッターで切断すると、切断後の媒体の端部のインクが溶けてしまうため、切断後の媒体の端部まで印刷を行うと、切断後の媒体の見た目が悪くなるが、本発明では、切断後の媒体に印刷が行われるため、切断後の媒体の端部まで印刷を行っても、切断後の媒体の見た目が良くなる。
【発明の効果】
【0027】
以上のように、本発明では、ユーザが煩雑な作業をしなくても、印刷後の媒体に対して所定の処理を行う処理装置において媒体を位置合わせするための位置合わせ用マークを媒体に印刷することが可能になる。また、本発明では、ユーザが煩雑な作業をしなくても、所定の処理装置で処理された処理後の媒体をプリンタで位置合わせするための位置合わせ用マークを別の媒体に印刷することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の実施の形態にかかる印刷システムの構成を説明するためのブロック図である。
【
図2】
図1に示すディスプレイの表示の一例を示す図である。
【
図3】
図1に示すデータ処理部で作成される位置合わせ用データを説明するための図である。
【
図4】
図1に示すデータ処理部から切断装置制御部に送られるカット用データを説明するための図である。
【
図5】
図1に示すプリンタで媒体に印刷された画像の一例を示す図である。
【
図6】
図1に示す切断装置で切断された後の媒体を示す図である。
【
図7】本発明の他の実施の形態にかかる切断後の媒体を示す図である。
【
図8】
図7に示す媒体を位置合わせするための位置合わせマークを示す図である。
【
図9】
図7に示す媒体に印刷が行われた後の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0030】
(印刷システムの構成および制御方法)
図1は、本発明の実施の形態にかかる印刷システム1の構成を説明するためのブロック図である。
図2は、
図1に示すディスプレイ6の表示の一例を示す図である。
図3は、
図1に示すデータ処理部12で作成される位置合わせ用データD3を説明するための図である。
図4は、
図1に示すデータ処理部12から切断装置制御部10に送られるカット用データD2を説明するための図である。
図5は、
図1に示すプリンタ3で媒体2に印刷された画像の一例を示す図である。
図6は、
図1に示す切断装置4で切断された後の媒体2A~2Cを示す図である。
【0031】
本形態の印刷システム1は、媒体2(
図5参照)に印刷を行うプリンタ3と、媒体2を所定形状に切断する切断装置4と、プリンタ3および切断装置4が接続されるパーソナルコンピュータ(PC)5とを備えている。また、印刷システム1は、PC5に接続される液晶ディスプレイ等のディスプレイ6を備えている。媒体2は、樹脂で形成された平板状の樹脂板である。本形態の媒体2は、アクリル板等の透明な樹脂板である。
【0032】
プリンタ3は、インクジェットプリンタである。プリンタ3は、媒体2が載置されるテーブルを備えている。切断装置4は、レーザ光で媒体2を切断するレーザカッターである。切断装置4は、媒体2が載置されるテーブルを備えている。本形態では、切断装置4は、プリンタ3で印刷された印刷後の媒体2を切断する。本形態の切断装置4は、プリンタ3で印刷された印刷後の媒体2に対して所定の処理を行う処理装置である。
【0033】
PC5は、ハードディスクドライブ等の記憶手段やCPU等の演算手段等の各種のハードウエアを備えている。PC5には、画像を作成するためのソフトウエア(画像作成ソフトウエア)と、プリンタ3を制御するためのソフトウエア(プリンタドライバ)と、切断装置4を制御するためのソフトウエア(切断装置用ソフトウエア)とがインストールされている。
【0034】
また、PC5は、プリンタ3を制御するためのプリンタ制御部9と、切断装置4を制御するための切断装置制御部10と、プリンタ3で媒体2に印刷を行うための印刷用データD1と切断装置4で印刷後の媒体2を所定形状に切断するためのカット用データD2とを作成するためのデータ作成部11と、データ作成部11で作成された印刷用データD1およびカット用データD2を受け取るとともに受け取った印刷用データD1をプリンタ制御部9に送り、かつ、受け取ったカット用データD2を切断装置制御部10に送るデータ処理部12とを備えている。本形態の切断装置制御部10は、処理装置制御部であり、カット用データD2は、処理装置である切断装置4において媒体2に対して処理を行うための処理用データである。
【0035】
プリンタ制御部9は、プリンタドライバと、プリンタドライバのプログラムを実行するPC5のハードウエアとによって構成されている。切断装置制御部10は、切断装置用ソフトウエアと、このソフトウエアのプログラムを実行するPC5のハードウエアとによって構成されている。データ作成部11およびデータ処理部12は、画像作成ソフトウエアと、このソフトウエアのプログラムを実行するPC5のハードウエアとによって構成されている。
【0036】
印刷システム1のユーザは、画像作成ソフトウエアを利用して、印刷用データD1とカット用データD2とを作成する。たとえば、ユーザは、画像作成ソフトウエアを利用して、ディスプレイ6に表示される画像を確認しながら、
図2の実線で示す3個の印刷用データD1と、3個の印刷用データD1のそれぞれを囲む3個のカット用データD2(すなわち、
図2の破線で示すカット用データD2)とを作成する。なお、本形態では、カット用データD2が印刷用データD1より大きくなっているが、カット用データD2が印刷用データD1より小さくなっていても良い。すなわち、印刷用データD1の一部がカット用データD2からはみ出していても良い。
【0037】
また、ユーザは、画像作成ソフトウエアを利用して、印刷用データD1のプロセスカラーまたは特色を指定するとともに、カット用データD2の特色を指定する。印刷用データD1およびカット用データD2は、データ作成部11で作成される。また、印刷用データD1のプロセスカラーまたは特色と、カット用データD2の特色とは、データ作成部11で指定される。カット用データD2の特色は、印刷用データD1の特色とは異なっている。
【0038】
データ作成部11は、データ処理部12に印刷用データD1およびカット用データD2を送る。データ処理部12は、データ作成部11で作成された印刷用データD1およびカット用データD2を受け取る。また、データ処理部12は、切断装置4において印刷後の媒体2を位置合わせするための位置合わせ用データD3を印刷用データD1およびカット用データD2に基づいて作成する(データ作成ステップ)。すなわち、データ処理部12は、データ作成部11で作成された印刷用データD1およびカット用データD2に基づいて位置合わせ用データD3を作成する。
【0039】
本形態では、データ処理部12は、
図3の一点鎖線で示すように、印刷用データD1およびカット用データD2の全体が含まれる四角形の枠状の位置合わせ用データD3を作成する。具体的には、データ処理部12は、長方形の枠状に形成される位置合わせ用データD3を作成する。また、データ処理部12は、位置合わせ用データD3の特色を指定する。位置合わせ用データD3の特色は、カット用データD2の特色および印刷用データD1の特色と異なっている。
【0040】
また、データ処理部12は、位置合わせ用データD3をプリンタ制御部9に送る(データ送信ステップ)。具体的には、データ処理部12は、位置合わせ用データD3を印刷用データD1と一緒にプリンタ制御部9に送る。より具体的には、データ処理部12は、位置合わせ用データD3および印刷用データD1と一緒にカット用データD2もプリンタ制御部9に送る。すなわち、データ処理部12は、印刷用データD1とカット用データD2と位置合わせ用データD3とを1つのデータファイルとしてプリンタ制御部9に送る。また、データ処理部12は、カット用データD2を切断装置制御部10に送る(
図4参照)。なお、データ処理部12は、カット用データD2をプリンタ制御部9に送らなくても良い。すなわち、データ処理部12は、印刷用データD1と位置合わせ用データD3とを1つのデータファイルとしてプリンタ制御部9に送っても良い。
【0041】
プリンタ制御部9は、データ処理部12から受け取った印刷用データD1に基づいてプリンタ3を制御して、媒体2に所定の画像Fを印刷する(
図5参照)。また、ユーザが所定の操作を行うと、プリンタ制御部9は、データ処理部12から受け取った位置合わせ用データD3(特色が指定された位置合わせ用データD3)に基づいてプリンタ3を制御して、印刷後の媒体2を切断装置4において位置合わせするための位置合わせ用マークM1を媒体2に印刷する(印刷ステップ)。本形態では、プリンタ3は、四角形の枠状に形成される位置合わせ用マークM1を媒体2に印刷する(
図5参照)。なお、画像Fの印刷と位置合わせ用マークM1の印刷とは順次行われても良いし、同時に行われても良い。
【0042】
プリンタ3での印刷が終了すると、ユーザは、印刷後の媒体2をプリンタ3から切断装置4まで運んで切断装置4にセットする。このときには、ユーザは、位置合わせ用マークM1を用いて切断装置4に印刷後の媒体2をセットする。たとえば、切断装置4のテーブルに、媒体2を位置合わせするためのマークが形成されており、透明な樹脂板である媒体2に印刷された位置合わせ用マークM1と切断装置4のテーブルのマークとが重なるように、切断装置4に印刷後の媒体2をセットする。すなわち、切断装置4には、印刷後の媒体2が位置合わせ用マークM1を用いて人手によってセットされる。
【0043】
切断装置4に印刷後の媒体2がセットされた後に、ユーザが所定の操作を行うと、切断装置制御部10は、データ処理部12から受け取ったカット用データD2に基づいて切断装置4を制御して、媒体2を切断する。切断装置4での切断処理が終了すると、
図6に示すように、3個の媒体2A~2Cが完成する。
【0044】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、データ処理部12は、データ作成部11で作成された印刷用データD1およびカット用データD2に基づいて位置合わせ用データD3を作成して、プリンタ制御部9に送っている。すなわち、本形態では、ユーザが位置合わせ用データD3を作成しなくても、データ処理部12が印刷用データD1およびカット用データD2に基づいて位置合わせ用データD3を自動で作成してプリンタ制御部9に送っている。また、本形態では、プリンタ制御部9は、データ処理部12から受け取った位置合わせ用データD3に基づいてプリンタ3を制御して、媒体2に位置合わせ用マークM1を印刷している。そのため、本形態では、ユーザが煩雑な作業をしなくても、印刷後の媒体2を切断装置4において位置合わせするための位置合わせ用マークM1を媒体2に印刷することが可能になる。
【0045】
本形態では、データ処理部12は、位置合わせ用データD3の特色を指定している。そのため、本形態では、印刷用データD1と一緒に位置合わせ用データD3をプリンタ制御部9に送っても、プリンタ制御部9は、特色を用いて印刷用データD1と位置合わせ用データD3とを区別することが可能になる。したがって、本形態では、印刷用データD1と位置合わせ用データD3とをデータ処理部12からプリンタ制御部9に同時に送ることが可能になり、その結果、データ処理部12からプリンタ制御部9へのデータの転送時間を短縮することが可能になる。また、本形態では、プリンタ3で、四角形の枠状に形成される位置合わせ用マークM1が媒体2に印刷されるため、切断装置4において媒体2を位置合わせしやすくなる。
【0046】
(媒体の印刷・切断方法の変形例)
図7は、本発明の他の実施の形態にかかる切断後の媒体2D~2Fを示す図である。
図8は、
図7に示す媒体2D~2Fを位置合わせするための位置合わせマークM2を示す図である。
図9は、
図7に示す媒体2D~2Fに印刷が行われた後の状態を示す図である。
【0047】
上述した形態において、切断装置4で媒体2を所定形状に切断した後、切断後の媒体2D~2Fにプリンタ3で印刷を行っても良い。この場合であっても、上述した形態と同様に、ユーザは、画像作成ソフトウエアを利用して、切断装置4で媒体2を所定形状に切断するためのカット用データD2と、プリンタ3で切断後の媒体2に印刷を行うための印刷用データD1とを作成する。また、ユーザは、画像作成ソフトウエアを利用して、印刷用データD1のプロセスカラーまたは特色を指定するとともに、カット用データD2の特色を指定する。
【0048】
また、この変形例では、上述した形態と同様に、印刷用データD1およびカット用データD2は、データ作成部11で作成され、印刷用データD1のプロセスカラーまたは特色と、カット用データD2の特色とは、データ作成部11で指定される。データ処理部12は、データ作成部11で作成された印刷用データD1およびカット用データD2を受け取る。また、データ処理部12は、カット用データD2を切断装置制御部10に送る。切断装置制御部10は、データ処理部12から受け取ったカット用データD2に基づいて切断装置4を制御して、媒体2を切断する。切断装置4は、たとえば、
図7に示すように、媒体2を3個の媒体2D~2Fに切断する。
【0049】
また、データ処理部12は、印刷用データD1およびカット用データD2をプリンタ制御部9に送る(データ送信ステップ)。具体的には、データ処理部12は、印刷用データD1と一緒にカット用データD2をプリンタ制御部9に送る。その後、ユーザが所定の操作を行うと、プリンタ制御部9は、データ処理部12から受け取ったカット用データD2に基づいてプリンタ3を制御して、切断装置4で切断された媒体2D~2Fをプリンタ3において位置合わせするための位置合わせ用マークM2(
図8参照)を、媒体2とは別の媒体52に印刷する(印刷ステップ)。位置合わせ用マークM2は、媒体2D~2Fと同形状となっている。本形態の媒体52は、第2の媒体である。
【0050】
媒体52への位置合わせ用マークM2の印刷が終了すると、ユーザは、切断後の媒体2D~2Fを切断装置4からプリンタ3まで運んで、プリンタ3のテーブル上にセットされた媒体52にセットする。このときには、ユーザは、媒体2D~2Fが位置合わせ用マークM2と重なるように、媒体52に媒体2D~2Fをセットする。すなわち、プリンタ3にセットされた媒体52上に、切断後の媒体2D~2Fが位置合わせ用マークM2を用いて人手によってセットされる。
【0051】
媒体52に切断後の媒体2D~2Fがセットされた後、ユーザが所定の操作を行うと、プリンタ制御部9は、データ処理部12から受け取った印刷用データD1に基づいてプリンタ3を制御して、媒体2D~2Fに所定の画像Fを印刷する。プリンタ3での印刷処理が終了すると、3個の媒体2D~2Fが完成する。
【0052】
この変形例では、データ処理部12は、データ作成部11で作成されたカット用データD2をプリンタ制御部9に送り、プリンタ制御部9は、データ処理部12から受け取ったカット用データD2に基づいてプリンタ3を制御して、切断装置4で切断された媒体2D~2Fをプリンタ3において位置合わせするための位置合わせ用マークM2を、媒体2とは別の媒体52に印刷している。
【0053】
すなわち、この変形例では、切断後の媒体2D~2Fをプリンタ3において位置合わせするための位置合わせ用データをユーザが作成しなくても、データ処理部12からプリンタ制御部9にカット用データD2が自動的に送られ、プリンタ3で、カット用データD2に基づいて位置合わせ用マークM2が媒体52に印刷されている。そのため、この変形例では、ユーザが煩雑な作業をしなくても、切断後の媒体2D~2Fをプリンタ3で位置合わせするための位置合わせ用マークM2を媒体52に印刷することが可能になる。
【0054】
また、この変形例では、特色が指定されたカット用データD2をプリンタ制御部9に送っているため、印刷用データD1と一緒にカット用データD2をプリンタ制御部9に送っても、プリンタ制御部9は、特色を用いて印刷用データD1とカット用データD2とを区別することが可能になる。したがって、本形態では、印刷用データD1とカット用データD2とをデータ処理部12からプリンタ制御部9に同時に送ることが可能になり、その結果、データ処理部12からプリンタ制御部9へのデータの転送時間を短縮することが可能になる。
【0055】
なお、上述した形態のように、印刷後の媒体2をレーザカッターである切断装置4で切断すると、切断後の媒体2A~2Cの端部のインクが溶けてしまうため、切断後の媒体2A~2Cの端部まで印刷を行うと、切断後の媒体2A~2Cの見た目が悪くなる。これに対して、この変形例では、切断後の媒体2D~2Fに印刷が行われるため、切断後の媒体2D~2Fの端部まで印刷を行っても、切断後の媒体2D~2Fの見た目が良くなる。
【0056】
(他の実施の形態)
上述した形態および変形例において、切断装置4は、レーザカッター以外の切断装置であっても良い。たとえば、切断装置4は、カッティングプロッターであっても良い。また、上述した形態および変形例において、プリンタ3は、インクジェットプリンタ以外のプリンタであっても良い。また、上述した形態において、位置合わせ用データD3は、長方形以外の四角形の枠状に形成されていても良いし、四角形以外の枠状に形成されていても良い。また、位置合わせ用データD3は、たとえば、鉤型(L型)等の枠状以外の形状に形成されていても良い。すなわち、位置合わせ用マークM1は、長方形以外の四角形の枠状に形成されていても良いし、四角形以外の枠状に形成されていても良いし、鉤型等の枠状以外の形状に形成されていても良い。
【0057】
上述した形態において、プリンタ3で印刷された印刷後の媒体2に対して所定の処理を行う処理装置は、切断装置4以外の処理装置であっても良い。たとえば、印刷後の媒体2に対して所定の処理を行う処理装置は、印刷後の媒体2に樹脂(たとえば、蛍光塗料を含む樹脂)を盛る樹脂吐出装置(ディスペンサー)であっても良い。この場合には、データ作成部11は、カット用データD2に代えて、媒体2に樹脂を盛るための処理用データを作成し、データ処理部12は、この処理用データを受け取るとともに受け取った処理用データを樹脂吐出装置に送る。
【0058】
また、データ処理部12は、樹脂吐出装置において媒体2を位置合わせするための位置合わせ用データを印刷用データD1および処理用データに基づいて作成して、プリンタ制御部9に送る。プリンタ制御部9は、この位置合わせ用データに基づいてプリンタ3を制御して、媒体2に位置合わせ用マークを印刷する。また、プリンタ制御部9は、印刷用データD1に基づいてプリンタ3を制御して、媒体2に画像を印刷する。プリンタ3での印刷が終了すると、ユーザは、印刷後の媒体2をプリンタ3から樹脂吐出装置まで運び、位置合わせ用マークを用いて樹脂吐出装置にセットする。
【0059】
また、上述した変形例において、プリンタ3で印刷が行われる前の媒体2に対して所定の処理を行う処理装置は、切断装置4以外の処理装置であっても良い。たとえば、印刷前の媒体2に対して所定の処理を行う処理装置は、印刷前の媒体2に樹脂を盛る樹脂吐出装置であっても良い。この場合には、データ作成部11は、カット用データD2に代えて、媒体2に樹脂を盛るための処理用データを作成し、データ処理部12は、この処理用データを受け取るとともに受け取った処理用データを樹脂吐出装置に送る。
【0060】
また、データ処理部12は、印刷用データD1および処理用データをプリンタ制御部9に送る。プリンタ制御部9は、データ処理部12から受け取った処理用データに基づいてプリンタ3を制御して、樹脂吐出装置で樹脂が盛られた媒体2をプリンタ3において位置合わせするための位置合わせ用マークを媒体52に印刷する。媒体52への位置合わせ用マークの印刷が終了すると、ユーザは、樹脂が盛られた媒体2をプリンタ3まで運び、位置合わせ用マークを用いてプリンタ3のテーブル上にセットされた媒体52にセットする。
【0061】
上述した形態では、カット用データD2および位置合わせ用データD3の特色が指定されており、特色によって、印刷用データD1とカット用データD2と位置合わせ用データD3とが区別されている。すなわち、上述した形態では、印刷用データD1とカット用データD2と位置合わせ用データD3とを特色によって管理しているが、印刷用データD1とカット用データD2と位置合わせ用データD3とを特色以外で管理しても良い。たとえば、印刷用データD1とカット用データD2と位置合わせ用データD3とをレイヤー分けして、レイヤーによって印刷用データD1とカット用データD2と位置合わせ用データD3とを管理しても良い。
【0062】
この場合には、データ処理部12は、印刷用データD1とカット用データD2と位置合わせ用データD3とを別々のデータとして、個別にプリンタ制御部9に送る。すなわち、この場合には、データ処理部12は、印刷用データD1とカット用データD2と位置合わせ用データD3との3個のデータを個別にプリンタ制御部9に送る。なお、この場合には、カット用データD2および位置合わせ用データD3の特色は指定されていなくても良い。また、上述した変形例において、印刷用データD1とカット用データD2とを、たとえば、レイヤーによって管理しても良い。
【符号の説明】
【0063】
1 印刷システム
2、2A~2F 媒体
3 プリンタ
4 切断装置(処理装置)
9 プリンタ制御部
10 切断装置制御部(処理装置制御部)
11 データ作成部
12 データ処理部
52 媒体(第2の媒体)
D1 印刷用データ
D2 カット用データ(処理用データ)
D3 位置合わせ用データ
M1、M2 位置合わせ用マーク