(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-29
(45)【発行日】2022-04-06
(54)【発明の名称】共押出フィードブロック装置
(51)【国際特許分類】
B29C 48/495 20190101AFI20220330BHJP
B29C 48/21 20190101ALI20220330BHJP
B29C 48/90 20190101ALI20220330BHJP
B29C 48/31 20190101ALI20220330BHJP
B29C 48/08 20190101ALI20220330BHJP
【FI】
B29C48/495
B29C48/21
B29C48/90
B29C48/31
B29C48/08
(21)【出願番号】P 2017181168
(22)【出願日】2017-09-21
【審査請求日】2020-09-23
(32)【優先日】2016-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391019120
【氏名又は名称】ノードソン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】サルヴァトーレ ジ ユリアーノ
(72)【発明者】
【氏名】デール ピー ピッチ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ケイ トラスコット
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン エム アンドレア
【審査官】田中 則充
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-085729(JP,A)
【文献】米国特許第04789513(US,A)
【文献】特開平02-286217(JP,A)
【文献】特開平07-001560(JP,A)
【文献】特開2016-030446(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0031145(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 48/00-48/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
中央押出チャネルと、
前記中央押出チャネルと合流する共押出チャネルと、
回転可能なコンバイン翼板と、
回転可能なプロファイルアクチュエータと、
前記回転可能なプロファイルアクチュエータ上に取り外し可能に取り付けられたプロファイルバーと、
を備え、
前記回転可能なコンバイン翼板によって、前記共押出チャネルが方向を変換して前記中央押出チャネルに合流するようになっており、
前記プロファイルバーと前記回転可能なプロファイルアクチュエータとは共に移動するようになっており、
前記プロファイルバーは、プロファイリングフェースを規定しており、
前記中央押出チャネルと前記共押出チャネルとが、前記ハウジングを貫通しており、
前記回転可能なコンバイン翼板と前記回転可能なプロファイルアクチュエータ
上に取り付けられた前記プロファイルバーとが、前記共押出チャネルの反対側に位置決めされていて、互いに向き合っており、
前記回転可能なプロファイルアクチュエータは、(a)その第1方向の回転が、前記プロファイリングフェースを前記共押出チャネル内のある位置へと移動させることによって、前記プロファイルバーが前記共押出チャネルを通るポリマーに与えるプロファイリング影響を、増大し、(b)その第2方向の回転が、前記プロファイリングフェースを前記共押出チャネル内の別のある位置へと移動させることによって、前記プロファイルバーが前記共押出チャネルを通るポリマーに与えるプロファイリング影響を、減少させる、というように構成されている
ことを特徴とする共押出フィードブロック装置。
【請求項2】
前記プロファイリングフェースは、1または複数の隆起領域を有し、前記共押出チャネルの全幅に沿って延在するサイズである
ことを特徴とする請求項1に記載の共押出フィードブロック装置。
【請求項3】
前記回転可能なプロファイルアクチュエータは、1、5インチ以上の直径を有するロッドを有している
ことを特徴とする請求項1に記載の共押出フィードブロック装置。
【請求項4】
前記回転可能なプロファイルアクチュエータは、前記プロファイルバーが取り外し可能に取り付けられる軸方向溝を有するロッドを有している
ことを特徴とする請求項1に記載の共押出フィードブロック装置。
【請求項5】
インサートアセンブリを更に備え、
前記インサートアセンブリは、分配インサートブロックを有し、
前記ハウジングは、前記分配インサートブロックが取り外し可能に取り付けられる取り付け開口を更に有し、
前記回転可能なプロファイルアクチュエータは、前記分配インサートブロックに取り付けられ、当該分配インサートブロックと共に前記取り付け開口から取り外し可能となっており、
前記インサートアセンブリは、前記取り付け開口に取り外し可能に取り付けられる共押出インサートブロックを更に有し、
前記回転可能なコンバイン翼板は、前記共押出インサートブロックに取り付けられ、当該共押出インサートブロックと共に前記取り付け開口から取り外し可能となっており、
前記分配インサートブロックと前記共押出インサートブロックとは、前記取り付け開口内に並んで取り付けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の共押出フィードブロック装置。
【請求項6】
前記ハウジングの外部にあるアクチュエータを更に備え、
前記外部アクチュエータは、前記回転可能なプロファイルアクチュエータと結合されており、
前記回転可能なプロファイルアクチュエータは、前記外部アクチュエータの起動に応じて、第1姿勢及び第2姿勢との間で回転するようになっている
ことを特徴とする請求項1に記載の共押出フィードブロック装置。
【請求項7】
前記アクチュエータは、前記回転可能なプロファイルアクチュエータに取り付けられた制御シャフトを有し、
前記回転可能なプロファイルアクチュエータは、前記制御シャフトの回転に応じて回転し、
前記制御シャフトは、前記ハウジングの外部にある一端を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の共押出フィードブロック装置。
【請求項8】
前記回転可能なコンバイン翼版は、略対向する第1及び第2流れ接触面を有し、
前記第1流れ接触面は、前記中央押出チャネルに曝されており、
前記第2流れ接触面は、前記共押出チャネルに曝されている
ことを特徴とする請求項1に記載の共押出フィードブロック装置。
【請求項9】
前記回転可能なコンバイン翼板の前記第1流れ接触面は、第1輪郭を有する第1プロファイルドフェースを有しており、
前記回転可能なコンバイン翼板の前記第2流れ接触面は、第2輪郭を有する第2プロファイルドフェースを有しており、
前記第1輪郭は、前記第2輪郭とは異なっている
ことを特徴とする請求項8に記載の共押出フィードブロック装置。
【請求項10】
前記回転可能なコンバイン翼板の前記第1流れ接触面は、複数のチャネルと畝部とを有しており、
前記回転可能なコンバイン翼板の前記第2流れ接触面も、複数のチャネルと畝部とを有している
ことを特徴とする請求項8に記載の共押出フィードブロック装置。
【請求項11】
第2の共押出チャネルと、
第2の回転可能なコンバイン翼板と、
第2の回転可能なプロファイルアクチュエータと、
当該第2の回転可能なプロファイルアクチュエータに取り外し可能に取り付けられた第2のプロファイルバーと、
を更に備え、
前記第2の回転可能なコンバイン翼板と前記第2の回転可能なプロファイルアクチュエータとが、前記第2の共押出チャネルの反対側に位置決めされていて、互いに向き合っている
ことを特徴とする請求項1に記載の共押出フィードブロック装置。
【請求項12】
前記中央押出チャネルを通るポリマーをプロファイリングするように位置決めされた押出プロファイル調和部材を更に備え、
前記回転可能なコンバイン翼板は、前記押出プロファイル調和部材の下流にあり、
前記押出プロファイル調和部材は、前記中央押出チャネルを通るポリマーに様々な輪郭を提供するように曲がり変形可能なリストリクタバーを有している
ことを特徴とする請求項1に記載の共押出フィードブロック装置。
【請求項13】
前記リストリクタバーに沿って間隔を空けた場所で当該リストリクタバーに取り付けられた一連の調整アセンブリを更に備え、
前記リストリクタバーは、前記調整アセンブリの1または2以上を起動することに応じて、局所的に曲がるようになっており、
前記調整アセンブリの各々が、一端で前記リストリクタバーに固定された調整シャフトを有しており、
(i)前記リストリクタバーが、前記調整シャフトの軸方向の一方向の動きに応じて第1方向に曲がり、また、
(ii)前記リストリクタバーが、前記調整シャフトの軸方向の他方向の動きに応じて第2方向に曲がる
ことを特徴とする請求項12に記載の共押出フィードブロック装置。
【請求項14】
第2の押出プロファイル調和部材を更に備え、
前記第2の押出プロファイル調和部材は、前記中央押出チャネルを通るポリマーに様々な輪郭を提供するべく曲がり変形可能なリストリクタバーを有し、
前記2つのリストリクタバーは、互いに向き合っており、
前記中央押出チャネルは、前記2つのリストリクタバーの間を通過しており、
前記2つのリストリクタバーは、前記中央押出チャネルを通るポリマーを同時に輪郭付けするように位置決めされている
ことを特徴とする請求項12に記載の共押出フィードブロック装置。
【請求項15】
前記中央押出チャネルは、6インチより大きい幅を有している
ことを特徴とする請求項1に記載の共押出フィードブロック装置。
【請求項16】
前記回転可能なプロファイルアクチュエータ上に取り外し可能に取り付けられた第2プロファイルバーを更に備え、
前記2つのプロファイルバーは、異なる輪郭の2つのそれぞれのプロファイリングフェースを有しており、前記回転可能なプロファイルアクチュエータの周縁で互いから間隔を空けており、
前記2つのプロファイルバーのいずれか一方が、前記回転可能なプロファイルアクチュエータを所望の第1姿勢または第2姿勢に回転することで、前記共押出チャネルを通るポリマー流を輪郭付けするために位置決めされる
ことを特徴とする請求項1に記載の共押出フィードブロック装置。
【請求項17】
前記プロファイルアクチュエータは、隣接する共押出チャネルの全幅に広がっている
ことを特徴とする請求項1に記載の共押出フィードブロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押出装置に関している。特には、本発明は、共押出フィードブロック装置に関している。
【背景技術】
【0002】
共押出フィードブロック装置は、複数の押出機からの熱可塑性材料の溶融流を一緒にもたらすべく利用される。異なる押出機からの個々の流れが、特定の多層構造を形成するために、共押出フィードブロック装置内において一緒にもたらされる。結果として得られる多層の押出流が、後続の押出ダイや別の下流のツールに供給されて、所望の複合押出物が製造される。
【0003】
異なる熱可塑性材料の複数の溶融流を一緒にもたらすプロセスにおいて、当該異なる熱可塑性材料は、一般に異なる特性を有している。例えば、異なる熱可塑性材料は、異なる粘性を示す傾向がある。粘度や他の特性における変動(ばらつき)は、結果として得られる多層の共押出構造の層均一性に不利な影響を与え得る。これを補償するために、異なる溶融流が通過する1または2以上のチャネルの輪郭(プロファイル)を調整することが、時々所望される。過去において、これは、所定のタイプのプロファイリング(輪郭調整)システムを用いて、実現されていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現存するプロファイリングシステムは、全ての応用にとって理想的であるとは言えず、特定の制限があり、幾つかの態様で改善される余地がある。例えば、現存するプロファイリング要素による、共押出フローチャネルに対する影響及び/または調整能力は、限定されている。また、従来のプロファイリングシステムは、共押出フローチャネルに対する調整能力を有するのみである。更に、幾つかのプロファイリングシステムは、全てのプロファイル調整組立体のため、オフラインでの調整を必要とする。これは、押出が停止され、各プロファイリング要素が取り出され、機械加工及び研磨加工によってプロファイリングされる必要がある、ということを意味する。更に、幾つかの公知のプロファイリング要素は、それらが影響を与え得る調整組立体のタイプに関しても制限される。更に、多くの従来の共押出フィードブロック装置は、当該フィードブロック装置からダイに向けて押出物を供給する時の歪み(ねじれ)を制御する能力について、制限がある。これは、押出物を最終的なフィルム、シートまたはコーティングへと押し広げることに影響する。
【0005】
1または2以上の共押出チャネルのための1または2以上のプロファイリング要素を有する共押出フィードブロック装置を提供することが所望されている。特に、その場において(すなわち、フィードブロック装置から取り外す必要無しで、フィードブロック装置内において)調整され得る1または2以上のプロファイリング要素を提供することが、所望されている。また、特に、1または2以上の共押出チャネルのための粗い調整組立体と微細な調整組立体との両方をなすように構成されたプロファイリング要素を提供することが、所望されている。
【0006】
更に、幾つかの場合、主要な(中央の)フローチャネルのための1または2以上のプロファイリング要素と、1または2以上の共押出チャネルのためのプロファイリング要素と、を含む共押出フィードブロック装置を提供することが、所望されている。また、従来のプロファイリングシステムよりも良好な調整影響力と調整反復性範囲とを提供し得るプロファイリング要素の組合せ(例えば、1または2以上の共押出チャネル用のプロファイリング要素と、選択的に主要なフローチャネル用のプロファイリング要素と)を提供することが、所望されている。最後に、幾つかの場合、フィードブロック装置からダイへの押出物の供給中、そして、結果的な押出物の最終的なフィルム、シートまたはコーティングへの押し広げ中、の歪み(ねじれ)を最小化するように構成された共押出フィードブロック装置を提供することが、所望されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ハウジングと、中央押出チャネルと、共押出チャネルと、回転可能なコンバイン翼板と、回転可能なプロファイルアクチュエータと、前記回転可能なプロファイルアクチュエータ上に取り外し可能に取り付けられたプロファイルバーと、を備えた共押出フィードブロック装置が開示される。中央押出チャネルと共押出チャネルとが、ハウジングを貫通している。回転可能なコンバイン翼板と回転可能なプロファイルアクチュエータとが、共押出チャネルの反対側に位置決めされていて、互いに向き合っている。好適には、回転可能なプロファイルアクチュエータは、(a)その第1方向の回転が、当該回転可能なプロファイルアクチュエータが共押出チャネルを通るポリマーに与えるプロファイリング影響を、増大し、(b)その第2方向の回転が、当該回転可能なプロファイルアクチュエータが共押出チャネルを通るポリマーに与えるプロファイリング影響を、減少させる、というように構成されている。
【0008】
以下の図面は、本発明の特定の実施形態を図示しているが、本発明の範囲を制限するものではない。当該図面は、必ずしも縮尺については正確でなく、以下の詳細な説明に提供されている内容と関連して用いることが意図されている。本発明の実施形態は、添付の図面と関連して、以下に説明される。図面内において、同様の要素は、同様の参照符号を用いて示されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】本発明の一実施形態による、共押出フィードブロック装置の斜視図である。
【
図1B】
図1Aの共押出フィードブロック装置の別の斜視図である。
【
図1C】
図1Aの共押出フィードブロック装置の断面図である。
【
図2】所定の実施形態による、共押出フィードブロックハウジングの斜視図である。共押出インサートブロックと分配インサートブロックとが取り外されている。
【
図3A】
図1Aの共押出フィードブロック装置の、取り外し可能な共押出インサートブロックの斜視図である。
【
図3B】
図3Aの取り外し可能な共押出インサートブロックの組合せ面の斜視図である。
【
図3C】
図3Aの取り外し可能な共押出インサートブロックの組合せ面の斜視図である。
【
図4A】所定の実施形態による、共押出フィードブロックハウジングの断面図である。
図3Aの取り外し可能な共押出インサートブロックが、当該フィードブロックハウジング内に動作可能に取り付けられている。
【
図4B】
図3Aの取り外し可能な共押出インサートブロックのリストリクタバーの斜視図である。
【
図5A】
図1Aの共押出フィードブロック装置の、取り外し可能な分配インサートブロックの側面図である。
【
図5B】
図5Aの取り外し可能な分配インサートブロックの斜視図である。
【
図6A】
図5Aの分配インサートブロックの回転可能なプロファイルアクチュエータの斜視図である。
【
図6B】
図5Aの分配インサートブロック上での使用のための、別の回転可能なプロファイルアクチュエータの斜視図である。
【
図7A】
図6Aの回転可能なプロファイルアクチュエータ上での使用のための、取り外し可能なプロファイルバーの斜視図である。
【
図7B】
図6Aの回転可能なプロファイルアクチュエータ上での使用のための、別の取り外し可能なプロファイルバーの斜視図である。
【
図7C】
図6Aの回転可能なプロファイルアクチュエータ上での使用のための、更に別の取り外し可能なプロファイルバーの斜視図である。
【
図8】本発明の別の実施形態による、共押出フィードブロック装置の断面図である。
【
図9A】別の実施形態による、回転可能なプロファイルアクチュエータの、異なる方向から見た斜視図である。
【
図9B】別の実施形態による、回転可能なプロファイルアクチュエータの、異なる方向から見た斜視図である。
【
図10】本発明の更に別の実施形態による、共押出フィードブロック装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な説明は、本質的に例示であって、本発明の範囲、適用可能性、構成、形態等を限定することは意図されていない。本明細書は、本発明の好適な実施形態を実施するための実際的な図示ないし説明を提供する。構成、材料、寸法、及び製造方法の例示は、選択された要素のために提供されている。全ての他の要素は、本発明の分野において当業者に知られたものを採用する。当業者は、所与の実施形態の多くが様々な好適な代替物を有することを、認識するであろう。
【0011】
図1A乃至
図1Cを参照して、共押出フィードブロック装置10が図示されている。共押出フィードブロック装置10は、ハウジング100と、中央の(主要な)押出チャネル200と、共押出チャネル300と、回転可能なコンバイン翼板50と、回転可能なプロファイルアクチュエータ600と、回転可能なプロファイルアクチュエータ600上に取り外し可能に取り付けられたプロファイルバー650と、を備えている。中央押出チャネル200と共押出チャネル300とが、ハウジング100を貫通している。回転可能なコンバイン翼板50と回転可能なプロファイルアクチュエータ600とが、共押出チャネル300の反対側に位置決めされていて、好適には互いに向き合っている。
【0012】
フィードブロックハウジング100は、好適には、互いに接合された第1ブロック120と第2ブロック180とを有している。中央押出チャネル200は、2つのブロック120、180の間の界面(インタフェース)に位置する経路に沿って延びている。従って、2つのブロック120、180は、集約的に中央押出チャネル200を包囲しており、それぞれが中央押出チャネル200に曝されている(例えば、4辺で境界付けられている)。他の実施形態では、2つの側方プレートが、図示のものと類似の2つのブロックの2つの側方側にそれぞれ設けられ得る。当該側方プレートは、中央押出チャネルの内側の側方壁を規定するように、設けられ得て、当該側方プレートの間に挟まれた2つのブロックが、中央押出チャネルの頂壁と底壁とを規定し得る。
【0013】
図示の実施形態では、フィードブロック装置10は、押出入口部101を有している。当該押出入口部101には、押出機が、(使用中に)ポリマーを中央押出チャネル200内へと供給するように動作可能に結合されている。フィードブロック装置10は、また、1または2以上の共押出入口部102、103を有している。当該共押出入口部102、103には、1または2以上の付加的な押出機が、(使用中に)ポリマーを共押出導管300内へと供給するように動作可能に結合されている。入口部101、102、103は、フィードブロック装置10の様々な異なる位置で提供され得る。更に、代替的に、フィードブロック装置10の単一の入口部が、2以上の共押出導管にポリマーを供給するために提供され得る。図示のフィードブロック装置10は、出口プレート190を有しているが、これは常に必要とはされない構成要素である。
【0014】
図示の実施形態では、中央押出チャネル200の幅Zは、好適には6インチよりも大きく、例えば約7インチである。これは、最終的なダイの幅への伸展比率を低減する。これにより、共押出の安定性が改善される。これはまた、より良好でより直感的な(intuitive)層プロファイルを提供する。従って、中央押出チャネル200の幅Zは、好適には6インチよりも大きく、例えば約7インチなのである。もっとも、中央押出チャネル200は、従来と同様に小さい幅であってもよい。
【0015】
中央押出チャネル200の形態は、多くの様々な応用に適合するために変更され得る。
図1A乃至
図1Cでは、単一の中央押出チャネル200が、フィードブロック装置10の中央に位置する直線経路に沿って延びている。これは、
図8の実施形態においても、
図10の実施形態においても、そうである。もっとも、中央押出チャネルがフィードブロック装置の中央に位置することは、必須ではない。代わりに、フィードブロック装置の頂壁や底壁により近く設けられていてもよい。中央チャネルは、湾曲されていたり、角度付けられていてもよい。もっとも、一般的には、チャネル内の流れ抵抗を最小化することが望ましい。更に、幾つかの場合では、1または2以上の共押出チャネルからの層が、中央チャネルから供給されるコア層に対して、一方側には適用されるが、両側には適用されない。そのような場合、1または2以上の共押出チャネル(1または2以上の回転可能なプロファイルアクチュエータと1または2以上のコンバイン翼板も同様)は、中央押出チャネルの一方側に位置するが、他方側には位置しない。
【0016】
図1A乃至
図1Cにおいて、共押出フィードブロック装置10は、単一の中央押出チャネル200と、2つの共押出チャネル300と、を有する。これはまた、
図10の実施形態の場合においても、そうである。この特徴を有するフィードブロック装置は、3層押出構造を製造するために用いられる。当業者は、そのようなフィードブロック装置10を用いて単層ないし2層の押出構造をも製造され得ることを、理解するであろう。これは、例えば、図示の共押出チャネル300の一方または両方を使用しないか、閉塞することで、実現され得る。より一般的には、共押出チャネル300の数及び配置は、多くの様々な応用に適合するために変更され得る。フィードブロック装置は、例えば、代替的に、単一の共押出チャネルを有し得る。別の例として、5層の共押出構造が所望される時には、フィードブロック装置は、典型的には、4つの共押出チャネルを有する。
図8は、そのような場合の一実施形態を示している。更に別の例として、7層の共押出構造が所望される時には、フィードブロック装置は、典型的には、6つの共押出チャネルを有する。
【0017】
共押出チャネル300は、高さ(ギャップ高さ)、幅、及び、長さを有している。図示の実施形態では、共押出チャネル300の幅は、少なくとも当該共押出チャネル300が中央押出チャネル200と交差する領域において、中央押出チャネル200の幅と等しい。これは、一般的に充足される特徴であるが、必須ではない。前述のように、フィードブロック装置10は、共押出チャネル300の高さが調整可能であるように、構成される。
【0018】
図1A乃至
図1Cの実施形態の参照を継続して、押出物は、共押出チャネル300の入口領域を通ってフィードブロック装置10に供給される。共押出チャネル300の第1部分は、フィードブロック装置10のハウジング100を通って延びている。共押出チャネル300の第2部分は、共押出インサートブロック800(以下に詳述される)を通って延びている。共押出チャネル300は、その後、回転可能なコンバイン翼板50と回転可能なプロファイルアクチュエータ600との間を延びる。
図1C、
図8及び
図10が参照される。
【0019】
本発明は、共押出チャネル300の様々な特徴を開示する。フィードブロック装置10が複数の共押出チャネル300を有する場合、共押出チャネルのために本明細書で説明される特徴は、各共押出チャネルのために、選択的に提供され得る。他の構成要素や特徴について本明細書で説明される内容も、同様である。それらは、選択的に、対になって、あるいは他の倍数の形態で、提供され得る。
【0020】
図示の実施形態では、2つの共押出インサートブロック800内において、2つの共押出チャネル300が方向を変換して、互いに向かって且つ中央押出チャネル200に向かって集結する。もっとも、各共押出チャネルは、フィードブロック装置を通る異なる経路を辿るように設計されてもよい。
【0021】
更に、図示の実施形態では、各共押出チャネル300は、中央チャネル200内に開口して、各共押出チャネルの二次的な押出物フローが中央押出チャネルの押出物フローと合流し、多層の押出物フローを製造する。中央チャネルから供給される層は、コア層とも呼ばれる。共押出導管からの1または2以上の層は、コア層上に積層される。結果としての多層の押出物フローは、中央押出チャネル200の残りの部分に沿って移動し、出口部109に到達する。出口部109から、多層の押出物フローは、押出ダイや他の下流のツール、例えば層マルチプライヤや他のフィードブロック装置、へと供給され得る。
【0022】
回転可能なプロファイルアクチュエータ600が、隣接する共押出チャネル300を通るポリマーと接触する(プロファイリングする)ように、位置決めされている。これは、
図1Cの実施形態、
図8の実施形態、及び、
図10の実施形態において、当てはまる。幾つかの場合では、回転可能なプロファイルアクチュエータ600は、隣接する共押出チャネル300を通るポリマーをプロファイリングするように構成(例えば成形)されている。例えば、回転可能なプロファイルアクチュエータ600上のプロファイルバー650が、選択的に、1または2以上の隆起領域695が付いたプロファイリングフェース690を有し得る。これらの例が、
図7A乃至
図7Cに示されている。
【0023】
共押出チャネル300を通るポリマーは、好適には、回転可能なプロファイルアクチュエータ600を貫いて流れない。むしろ、共押出チャネル300を流れるポリマーは、隣接する回転可能なプロファイルアクチュエータ600に沿って(接触するように)流れる。従って、回転可能なプロファイルアクチュエータ600は、好適には、隣接する共押出チャネル300を流れるポリマーが回転可能なプロファイルアクチュエータに沿って流れて、それを貫いては流れない、というように位置決めされて構成される。
【0024】
前述のように、プロファイルバー(分配バー)650が、回転可能なプロファイルアクチュエータ600上に取り外し可能に取り付けられている。プロファイルバー650は、好適には、回転可能なプロファイルアクチュエータ600の周縁165の取り外し可能な一部を規定している。
図5A乃至
図6Bは、具体的な設計例の詳細を示しているが、回転可能なプロファイルアクチュエータ600が軸方向に延びる溝(例えば、ありほぞ(dovetail)溝)620を有しており、その中にプロファイルバー650が取り外し可能に取り付けられている。図示の実施形態では、プロファイルバー650は、隣接する共押出チャネル300の全体の幅に沿って延在するようなサイズとなっているが、フィードブロックハウジング100の全体の幅Wに沿って延在してはいない。プロファイルバー650は、好適には、6インチよりも大きく、例えば約7インチである。
【0025】
他の実施形態では、プロファイルバーは、隣接する共押出チャネルの全体の幅に沿っては延在していない。プロファイルバーは、例えば、回転可能なプロファイルアクチュエータの全長よりも短く広がっていてよい。図示のプロファイルバーは、単一部品であり、好適には中実の(中空でない)構造を有する。他の実施形態は、回転可能なプロファイルアクチュエータ上に隣り合うように取り付けられて集約的に回転可能なプロファイルアクチュエータの全長に広がるかその所望の一部に広がる複数部品の形態のプロファイルバーを提供する。フローの状況に依存して、これらの部品は、互いから間隔を空けて配置され得る。更に、幾つかの実施形態は、回転可能なプロファイルアクチュエータ上に取り外し可能に取り付けられる単一の部品ないしインサートのみを有し得る。
【0026】
プロファイルバー650は、回転可能なプロファイルアクチュエータ600のプロファイリングフェース690を規定する。プロファイルアクチュエータ600を所望の回転方向に回転することによって、プロファイリングフェース690は、隣接する共押出チャネル300の流路内で(更に深く、あるいは異なる位置へと)移動され得る。プロファイルバー650は回転可能なプロファイルアクチュエータ600上に取り外し可能に取り付けられるので、第1製造運転中、プロファイルアクチュエータ上で第1プロファイルバーを使用することが可能であり、続いて、第2製造運転のために、第1プロファイルバーを取り外して第2プロファイルバー(異なって成形されたプロファイリングフェースを有する)で交換することが可能である。
【0027】
図5B、
図6A、
図7A乃至
図7Cにおいて、プロファイルバー650は、区分的に輪郭付けられたプロファイリングフェース690を有している。この特徴を有する実施形態では、プロファイリングフェース690の輪郭は、隣接する共押出チャネルを通るポリマーの輪郭(分布)を変更するように成形されている。
【0028】
プロファイリングフェース690は、様々な異なる輪郭のいずれかを有するように、機械加工され得るか、他の態様で形成され得る。
図6Aに図示された輪郭は、2つの隆起した三角形領域695によって特徴付けられている。この形態は、「M」パターン状況または「W」パターン状況にとって、所望され得る。もっとも、これは単なる一例である。多くの他の輪郭が、取り組まれる均一性状況に依存して、所望され得る。例えば、
図7Aは、重厚な(heavy)端部フロー状況のために所望され得る形態を示している。別の例として、
図7Bは、重厚な(heavy)中央フロー状況のために所望され得る形態を示している。
図7Bの輪郭は、単一の隆起した三角形領域695によって特徴付けられている。このように、多くの場合において、プロファイリングフェースの輪郭は、1または2以上の隆起領域695によって特徴付けられる。
【0029】
好適には、回転可能なプロファイルアクチュエータ600は、(a)その第1方向の回転が、隣接する共押出チャネル300を通る(から流れてくる)ポリマーに与えるプロファイリング影響の大きさを増大し、一方、(b)その第2方向の回転が、隣接する共押出チャネル300を通る(から流れてくる)ポリマーに与えるプロファイリング影響の大きさを、減少させる、というように構成されている。例えば、プロファイルアクチュエータ600は、第1姿勢及び第2姿勢の間で回転可能である。このような場合、回転可能なプロファイルアクチュエータ600が第1姿勢にある時、それは、隣接する共押出チャネル300を通る(から流れてくる)ポリマーへのプロファイリング影響の大きさが最大であるように、位置決めされており、回転可能なプロファイルアクチュエータ600が第2姿勢にある時、それは、隣接する共押出チャネル300を通る(から流れてくる)ポリマーへのプロファイリング影響の大きさが最小であるように、位置決めされている。幾つかの場合、最小のプロファイリング影響とは、プロファイリング影響が無いことを意味し得る。例えば、代替的な実施形態では、プロファイルアクチュエータは、実際に、隣接する共押出チャネルを通るポリマーに全く作用しない位置にまで回転され得る。
【0030】
幾つかの場合、回転可能なプロファイルアクチュエータ600は、その第1位置への回転が、プロファイルバー650のプロファイリングフェース690を隣接する共押出チャネル300内のある位置(例えば、中央押出チャネル200により近い位置)まで移動させ、その第2位置への回転が、プロファイルバー650のプロファイリングフェース690を隣接する共押出チャネル300内の別のある位置(例えば、中央押出チャネル200からより遠い位置)まで移動させる、というように構成されている。
【0031】
図1A乃至
図1Cの実施形態では、回転可能なプロファイルアクチュエータ600が回転されて、プロファイルバー650が中央押出チャネル200から離れるように移動する場合、当該プロファイルバーのプロファイリングフェース690は、隣接する共押出チャネル300を通るポリマーへのプロファイリング影響がより小さい位置まで、移動される。対照的に、回転可能なプロファイルアクチュエータ600が回転されて、プロファイルバー650が中央押出チャネル200に向かうように移動する場合、当該プロファイルバーのプロファイリングフェース690は、隣接する共押出チャネル300を通るポリマーへのプロファイリング影響がより大きい位置まで、移動される。これは、
図8の実施形態及び
図10の実施形態でも、そうである。これにより、プロファイルバー650のプロファイリングフェース690が隣接する共押出チャネル300を通るポリマーに与えるプロファイリング影響の大きさを低減することが所望される場合には、それが保持するプロファイルバーが中央押出チャネル200から離れるように移動するように、回転可能なプロファイルアクチュエータ600が回転され得る。対照的に、プロファイルバー650のプロファイリングフェース690が隣接する共押出チャネル300を通るポリマーに与えるプロファイリング影響の大きさを増大することが所望される場合には、それが保持するプロファイルバーが中央押出チャネル200に向かうように移動するように、回転可能なプロファイルアクチュエータ600が回転され得る。
【0032】
図示の実施形態では、プロファイルバー650がコンバイン地点にある(それに向いている)場合、そのプロファイリング(再分配)効果が最大化される。それを、その最も上流側の位置に(例えば隣接する共押出チャネルに面するように)回転することによって、そのプロファイリング効果が最小化される。これらの両端間の全ての位置を通して回転することで、使用者に、多様なプロファイリングのバリエーション(有意に弱められたプロファイリングから強く強調されたプロファイリングまで)を提供することができる。このように、図示のプロファイルアクチュエータ600は、回転姿勢のある範囲内で回転可能に構成されており、その回転姿勢の各々が、特有のプロファイリングの大きさまたは作用に対応している。
【0033】
図示のプロファイルアクチュエータ600は、中央押出チャネル200の長手方向軸Lを横断する(例えば略垂直な)方向に延びている。好適には、プロファイルアクチュエータ600は、隣接する共押出チャネル300の全体の幅に広がっているが、フィードブロックハウジング100の全体の幅Wにまでは広がっていない。回転可能なプロファイルアクチュエータ600の長さは、好適には6インチよりも大きく、例えば約7インチである。
【0034】
図1A乃至
図1Cの実施形態では、回転可能なプロファイルアクチュエータ600が、ロッドを有している。これは、
図8の実施形態及び
図10の実施形態でも、そうである。この回転可能なロッド(プロファイリングロッド)は、好適には、1.5インチ以上の直径を有している。このような大径を提供することによって、プロファイリングロッドは、回転可能なプロファイルアクチュエータがそれに沿って流れるポリマーと接触する延長されたランド距離を提供する。これは、隣接する共押出チャネル300を通るポリマーに主要な(major)プロファイリング効果を与えることを可能にする。また、それは、単にプロファイリングロッドを異なる姿勢に回転することだけで、プロファイリング効果の大きさを実質的に変更することを可能にする。プロファイリングロッドの直径は、フィードブロック装置のサイズのような変数(パラメータ)に依存して変化し得るが、プロファイリングロッドは、一般に、1.5インチから5インチの範囲の直径を有し得る。1つの非制限的な例では、当該直径は約2インチである。
【0035】
好適なプロファイリングロッドは、特大(oversized)のものとして説明され得る。前述のように、好適なプロファイリングロッドが特大であるという性質は、当該ロッドのプロファイリング効果を高めることができる。それは、当該ロッドをして、プロファイリング効果のレベルのある範囲を提供可能にする。好適な実施形態では、特大であるという性質は、15立方インチよりも大きい、例えば18立方インチから120立方インチまでの範囲である、有効体積を有するプロファイリングロッドによって特徴付けられる。「有効体積」という用語は、ここでは、円筒形の半径(直径Dを2で割った値)の2条にπを掛け、更に円筒形の長さXを掛けたものとして定義される。
【0036】
回転可能なプロファイルアクチュエータ600は、選択的に、第1及び第2のプロファイリングフェースを有し得る。そのような場合、第1プロファイリングフェースは、第1輪郭を有し、第2プロファイリングフェースは、第2輪郭を有し、これらの2つの輪郭は、異なっている(異なって成形されている)。この特徴を有する実施形態では、回転可能なプロファイルアクチュエータは、第1及び第2姿勢の間で回転可能であり、第1プロファイリングフェースが、第1姿勢にある時、隣接する共押出チャネルに面し(例えば当該共押出チャネルの流路内に突出し)、第2プロファイリングフェースが、第2姿勢にある時、隣接する共押出チャネルにする(例えば当該共押出チャネルの流路内に突出する)。これにより、そのような回転可能なプロファイルアクチュエータがその第1姿勢にある時、それは隣接する共押出チャネルを通るポリマーに第1プロファイルを与えるように構成されており、そのような回転可能なプロファイルアクチュエータがその第2姿勢にある時、それは隣接する共押出チャネルを通るポリマーに第1プロファイルとは異なる第2プロファイルを与えるように構成されている。
【0037】
幾つかの場合、回転可能なプロファイルアクチュエータの第1プロファイリングフェースが、プロファイルアクチュエータ上に取り外し可能に取り付けられたプロファイルバーによって規定されている。そのような場合、当該プロファイルアクチュエータの第2プロファイリングフェースは、選択的に、当該プロファイルアクチュエータの一定の周面それ自身によって規定され得る。あるいは、それは、回転可能なプロファイルアクチュエータ上に取り外し可能に取り付けられる第2プロファイルバーによって規定され得る。
【0038】
図9A及び
図9Bを参照すると、当該回転可能なプロファイルアクチュエータの周縁で互いから離れた位置に第1及び第2プロファイルバー650が取り外し可能に取り付けられた回転可能なプロファイルアクチュエータ600が図示されている。2つの図示されたプロファイルバー650は、異なる輪郭の2つのそれぞれのプロファイリングフェースを有している。2つのプロファイルバー650のいずれか一方が、プロファイルアクチュエータ600を第1または第2の所望の姿勢に回転することで、隣接する共押出チャネルを通るポリマー流をプロファイリングするために位置決めされ得る。
【0039】
所望される場合、回転可能なプロファイルアクチュエータは、更に第3プロファイリングフェースを有し得る。その場合、第3プロファイリングフェースは、第1輪郭及び第2輪郭とは異なる第3輪郭を有する。幾つかの場合、プロファイルアクチュエータは、第1、第2及び第3姿勢の間で回転可能である。第1プロファイリングフェースが、第1姿勢にある時、隣接する共押出チャネルに面し(例えば当該共押出チャネルの流路内に突出し)、第2プロファイリングフェースが、第2姿勢にある時、隣接する共押出チャネルに面し(例えば当該共押出チャネルの流路内に突出し)、第3プロファイリングフェースが、第3姿勢にある時、隣接する共押出チャネルにする(例えば当該共押出チャネルの流路内に突出する)。これにより、そのような回転可能なプロファイルアクチュエータがその第1姿勢にある時、それは隣接する共押出チャネルを通るポリマーに第1プロファイルを与えるように構成されており、そのような回転可能なプロファイルアクチュエータがその第2姿勢にある時、それは隣接する共押出チャネルを通るポリマーに第1プロファイルとは異なる第2プロファイルを与えるように構成されており、そのような回転可能なプロファイルアクチュエータがその第3姿勢にある時、それは隣接する共押出チャネルを通るポリマーに第1プロファイル及び第2プロファイルとは異なる第3プロファイルを与えるように構成されている。
【0040】
前述のように、そのような回転可能なプロファイルアクチュエータの第1プロファイリングフェースは、プロファイルアクチュエータ上に取り外し可能に取り付けられたプロファイルバーによって規定されている。そのような場合、当該プロファイルアクチュエータの第2及び第3プロファイリングフェースは、選択的に、当該プロファイルアクチュエータ上に取り外し可能に取り付けられる第2及び第3プロファイルバーによって、それぞれ規定され得る。例えば、回転可能なプロファイルアクチュエータは、選択的に、3つのププロファイルバーを保持し得る(例えば、
図7A乃至
図7Cに図示された3つのタイプのプロファイルバー)。3つのプロファイルバーは、例えば、プロファイルアクチュエータの周面の周りに間隔を空けて3つのそれぞれの位置に取り外し可能に取り付けられ得る。あるいは、プロファイルアクチュエータの1または2以上のプロファイリングフェースは、当該プロファイルアクチュエータの一定の周面それ自身によって規定され得る。
【0041】
従って、回転可能なプロファイルアクチュエータは、選択的に、複数の異なるプロファイリングフェースを有し得て、それらは、選択的に、隣接する共押出チャネルの流路内へと回転され得る。所望される場合、回転可能なプロファイルアクチュエータは、各々が特有の輪郭を有する、3よりも多いプロファイリングフェースを有し得る。
【0042】
フィードブロック装置10は、好適には、プロファイルアクチュエータ600を回転するように構成されたアクチュエータ700を備えている。アクチュエータ700は、選択的に、フィードブロックハウジングに対して外側に配置され得る。より詳細には、フィードブロック装置10は、好適には、回転可能なプロファイルアクチュエータ600に結合されたアクチュエータ700を備えていて、当該アクチュエータ700の起動に応じて、プロファイルアクチュエータ600が異なる回転姿勢の間(例えば第1姿勢と第2姿勢との間)で回転するようになっている。図示のアクチュエータ700は、フィードブロック装置10の外部にある端部751を有する制御シャフト750を有している。従って、アクチュエータは、選択的に、外部アクチュエータであり得る。
【0043】
従って、図示のプロファイルアクチュエータ600は、制御シャフト750の回転に応じて回転する。プロファイルアクチュエータ600の回転は、共押出チャネル300の幅に略平行な軸回りに行われる。
図1Bに示すように、図示の制御シャフト750の一端751が、外部からアクセス可能であり、制御シャフトを回転させるべくオペレータによって回転され得る。これによって、プロファイルアクチュエータ600が回転され得る。これにより、図示の制御シャフト750の一端751は、回転可能なプロファイルアクチュエータ600のコントローラとして作用する。
図1Cに示すように、図示の制御シャフト750(例えばその一部)は、回転可能なプロファイルアクチュエータ600内のキー開口の多面体状の内部形態と合致する、多面体状の外部形態を有する。これにより、制御シャフト750の一部が回転可能なプロファイルアクチュエータ600のキー開口内に取り付けられる時、制御シャフト及び回転可能なプロファイルアクチュエータは、結合回転のために共にキー結合される。代替的に、他の機構も、プロファイルアクチュエータ600を回転させるために利用され得る。
【0044】
回転可能なプロファイルアクチュエータ600は、好適には、所望される回転姿勢に調整された後で、更なる回転に対してロックされるようになっている。回転可能なプロファイルアクチュエータ600は、ブレーキを有するロックシステムを有し得る。当該ブレーキは、係合される時、それぞれの状態の制御シャフト750を回転に対して保持する。例えば、1または2以上のロックネジが、制御シャフト750の外側端751に隣接して設けられ得る。そのようなロックネジを緩めることによって、プロファイルアクチュエータ600は、回転のために解放される。プロファイルアクチュエータ600は、それを所望される回転姿勢に回転することで調整され得て、その姿勢において、ロックネジを締めることで、ブレーキパッドがそれぞれの制御シャフト750に対して押圧され得て、それが更なる回転に対して保持される。多くの他のロックシステムが利用され得ることも、理解されるであろう。
【0045】
回転可能なプロファイルアクチュエータ600は、好適には、フィードブロックハウジングの取り付け開口内に取り外し可能に取り付けられたインサート900によって保持される。図示のインサート900は、フィードブロックハウジング100の取り付け開口890内に取り外し可能に取り付けられた分配インサートブロックである。好適には、回転可能なプロファイルアクチュエータ600は、分配インサートブロック900の先端(すなわち作用端)に取り付けられている。取り付け開口890は、おそらく
図2に最もよく示されている。より詳細には、図示の分配インサートブロック900は、当該分配インサートブロック900を取り付け/取り外し軸A(
図1C参照)に沿って移動することによって、取り付け開口890に挿入可能、及び、取り付け開口890から取り外し可能である。図示の実施形態では、取り付け/取り外し軸Aは、図示の中央押出チャネル200が延びる長手方向軸Lに対して垂直である。同様に、
図1A乃至
図1Cにおいては、取り付け/取り外し軸Aは、中央押出チャネル200内のポリマーが流れる平面に対して垂直である。
【0046】
図1A乃至
図1Cは、回転可能なプロファイルアクチュエータ600が取り外し可能なインサートブロック900に取り付けられた実施形態を図示しているが、これは必須ではない。他の実施形態では、取り外し可能なインサートが省略されて、回転可能なプロファイルアクチュエータは、フィードブロックハウジングの内壁に(当該内壁に形成された細長い開口内に受容されるように)取り付けられる。
【0047】
コンバイン翼板50を参照すると、この構成要素は、略対向する第1流れ接触面58及び第2流れ接触面52を有する。第1流れ接触面58は、中央押出チャネル200に曝されており、第2流れ接触面52は、隣接する共押出チャネル300に曝されている。これは、
図1C、
図3A乃至
図3C、
図8並びに
図10を参照することで、最も良く理解される。
【0048】
コンバイン翼板50は、好適には、回転可能であって、楔形である。図示のコンバイン翼板50は、回転可能であって、i)中央押出チャネル200の高さと、ii)隣接する共押出チャネル300の高さと、を同時に変更する。第1流れ接触面58は、好適には凸形状(あるいは略平坦形状)であり、第2流れ接触面52は、好適には凹形状である。
【0049】
図示の実施形態では、回転可能なプロファイルアクチュエータ600は、隣接する共押出チャネル300に曝された略凸状の流れ接触周縁165を有しており、隣接するコンバイン翼板50の凹状の第2流れ接触面52に面している。
【0050】
幾つかの場合には、コンバイン翼板50の流れ接触面52、58の少なくとも一方が、例えば特有の流れプロファイリング輪郭を有するように、輪郭付け(プロファイル)されている。
図3A乃至
図3Cにおいて、コンバイン翼板50の第1流れ接触面58及び第2流れ接触面52は、両方とも輪郭付け(プロファイル)されている。輪郭付け(プロファイル)された流れ接触面は、選択的に、1または2以上の凹状領域と、1または2以上の隆起領域と、を有し得る。
図3A乃至
図3Cに図示されたように、輪郭付けされた流れ接触面は、例えば、2つの凹状領域(すなわちチャネル)51と、それらの間の少なくとも1つの隆起領域(すなわち畝部)57と、を有し得る。
図3A乃至
図3Cの実施形態では、各流れ接触面52、28が、複数の凹状領域51と複数の隆起領域57とを有している。凹状領域51と隆起領域57とは、図示のコンバイン翼板50の長さに沿って、交互に配置されている。
【0051】
図3A乃至
図3Cにおいて、コンバイン翼板50の第1流れ接触面58は、第1輪郭を有する第1プロファイルドフェースを有しており、コンバイン翼板50の第2流れ接触面52は、第2輪郭を有する第2プロファイルドフェースを有しており、第1輪郭と第2輪郭とは異なっている。
【0052】
図示のコンバイン翼板50の形態は、第1流れ接触面58が当該コンバイン翼板50の所定の長さに沿った凹状領域51を有することと、第2流れ接触面52が当該コンバイン翼板50の同じ長さに沿った隆起領域57を有することと、によって特徴付けられている。より詳細には、図示の形態は、複数の輪郭領域を有していて、これら複数の輪郭領域の各々は、コンバイン翼板50の一側に(流れ接触面の一方に)隆起領域57を有しており、コンバイン翼板50の他側に(流れ接触面の他方に)凹状領域51を有している。
【0053】
図3A乃至
図3Cの実施形態では、第1流れ接触面58は、その長さについての2つの対向端領域のそれぞれに位置する2つの隆起領域(すなわち畝部)57を有しており、第2流れ接触面52は、その長さについての当該2つの対向端領域のそれぞれに位置する2つの凹状領域(すなわちチャネル)51を有している。
【0054】
従って、図示の実施形態は、当該共押出チャネル300の両側にプロファイリング要素(すなわち、回転可能なプロファイルアクチュエータ600、及び、輪郭付けされた回転可能なコンバイン翼板50)を有する共押出チャネル300を提供する。
【0055】
図3A乃至
図3Cは、チャネル及び畝部の特定の配置例を示している。多くの他のプロファイルも、様々な流れ状況や特定の処理などに適合するように、提供され得る。さらに、フィードブロック装置10内のコンバイン翼板50の流れ接触面52、58の一方または両方が、何らかの隆起領域または凹状領域を有する輪郭付けされた形状を有するということは、必須ではない。代わりに、1または2以上の(例えば全ての)回転可能な翼板は、選択的に、全体的に平坦な(すなわち、輪郭付けされていない)流れ接触面を有していてもよい。そのような場合、隣接する共押出チャネルを流れるポリマーのプロファイリングは、全体的に、隣接する回転可能なプロファイルアクチュエータ600によってなされ得る。
【0056】
回転可能なコンバイン翼板50は、好適には、円筒状ベース領域を有しており、そこから楔領域が突出している。楔領域は、円筒状ベース領域からの距離が増大するにつれて厚みが狭くなって、先端59に至っている。コンバイン翼板50の先端59では、2つのポリマー流(中央押出チャネル200から、及び、隣接する共押出チャネル300から)が、コンバインポイント(すなわち流れコンバイン領域)において一緒になる。前述のように、この地点において、複数の押出流がコンバイン(統合)される。このように、共押出チャネル300は、コンバインポイントに隣接して中央押出チャネル200に開口する出口部を有している。
【0057】
幾つかの場合、回転可能なコンバイン翼板50は、選択的な制御シャフト530の回転に応じて回転するように構成されている。コンバイン翼板50の当該回転は、共押出チャネル300の幅に略平行な軸回りに行われる(例えば軸Wに平行)。好適には、制御シャフト530の少なくとも一端が、外部からアクセス可能である。例えば、制御シャフト530の一端531が、コンバイン翼板50の回転を駆動するためのコントローラとして作用し得る。
図1A及び
図1Cが参照される。
図1Cに示すように、制御シャフト530(例えばその一部)は、選択的に、コンバイン翼板50内のキー開口の多面体状の内部形態と合致する、多面体状の外部形態を有し得る。このような場合、制御シャフト530がキー開口内に取り付けられる時、制御シャフト及びコンバイン翼板50は、結合回転のために共にキー結合される。
【0058】
回転可能なコンバイン翼板50は、選択的に、所望される回転姿勢に調整された後で、更なる回転に対して当該コンバイン翼板50を係止するように構成されたロックに結合され得る。当該ロックは、選択的に、ブレーキを有し得る。当該ブレーキは、係合される時、回転に対してシャフト530をロックする。一例として、1または2以上のロックネジが、制御シャフト530の第一端531に隣接して設けられ得る。そのようなロックネジを緩めることによって、コンバイン翼板50は、回転のために解放される。コンバイン翼板50は、(当該コンバイン翼板50を共に回転させる)制御シャフト530を所望される回転姿勢に回転することで調整され得て、その姿勢において、ロックネジを締めることで、ブレーキパッド等が制御シャフトに対して押圧され得て、それが回転に対して保持される。多くの他のロックシステムが利用され得ることも、理解されるであろう。
【0059】
付加的に、あるいは、代替的に、回転可能なコンバイン翼板50は、自由浮遊モードでの利用のためにも適合され得る。この場合、それは、中央押出チャネル200と隣接する共押出チャネル300との間のポリマー流の差圧に応じて、自由に回転する。これにより、回転可能なコンバイン翼板50は、制御シャフトを有しないかもしれない。あるいは、コンバイン翼板と共に自由に回転することが許容された制御シャフトを有するかもしれない。図面に示されたコンバイン翼板50は、単一部品からなるが、複数部品が組み合わされた翼板に置換され得て、各部品は独立に調整され得る。
【0060】
回転可能なコンバイン翼板50は、好適には、フィードブロックハウジングの取り付け開口内に受容された取り外し可能なインサート800に取り付けられる。図示の実施形態では、回転可能なコンバイン翼板50は、隣接する回転可能なプロファイルアクチュエータ600が取り付けられた取り外し可能なインサート(ブロック)900とは異なる、取り外し可能なインサート(ブロック)800に取り付けられている。図示の取り外し可能なインサート(ブロック)800は、共押出インサートブロックであり、それは、ハウジング100の取り付け開口890内に取り外し可能に取り付けられている。
図1Cに示すように、回転可能なコンバイン翼板50を保持することに加えて、図示の共押出インサートブロック800は、それを貫く共押出チャネル300を有している。
図1A乃至
図1Cにおいて、共押出インサートブロック800は、フィードブロック装置に動作可能に取り付けられる時、隣接する分配インサートブロック900から上流にある。より詳細には、図示のフィードブロックハウジング100は、単一の開口890を有しており、その中に、共押出インサートブロック800及び隣接する分配インサートブロック900が横に並んだ配置で取り付けられている。
図1Cに示すように、所定の長さの隣接する共押出チャネル300が、これら2つのブロック800、900間に延在している。
【0061】
図1A乃至
図1Cの実施形態において、フィードブロック装置10は、第2の共押出チャネル300と、第2の回転可能なコンバイン翼板50と、第2の回転可能なプロファイルアクチュエータ600と、当該第2の回転可能なプロファイルアクチュエータ600に取り外し可能に取り付けられた第2のプロファイルバー650と、を更に備えている。これは、
図8及び
図10の実施形態にも当てはまる。第1の共押出チャネル300と、第1の回転可能なコンバイン翼板50と、第1の回転可能なプロファイルアクチュエータ600と、第1のプロファイルバー650と、についての前述の説明は、第2の共押出チャネル300と、第2の回転可能なコンバイン翼板50と、第2の回転可能なプロファイルアクチュエータ600と、第2のプロファイルバー650と、にも当てはまる。一例として、第2の回転可能なコンバイン翼板50は、好適には楔形状である。別の例として、第2の回転可能なプロファイルアクチュエータ600は、第2の共押出チャネル300を通るポリマーと接触する(例えば、プロファイリングする)ように位置決めされている。図示の第1及び第2の回転可能なプロファイルアクチュエータ600は、中央押出チャネル200がそれらの間を通過するように、(例えば互いに面するように)位置決めされている。
【0062】
回転可能なプロファイルアクチュエータ600の各々は、好適には、1インチよりも大きい直径を有する回転可能なプロファイリングロッドを有する。各プロファイリングロッドの直径は、フィードブロック装置のサイズのような変数(パラメータ)に依存して変化し得るが、各プロファイリングロッドは、一般に、1.5インチから5インチの範囲の直径を有し得る。1つの非制限的な例では、当該直径は約2インチである。
【0063】
幾つかの実施形態では、フィードブロック装置10は、中央押出チャネル200に曝された押出プロファイル調和部材400を備えている。この調和部材400は、好適には、(中央押出チャネルに沿った)フィードブロック装置のコンバインポイントの上流にある。選択的な押出プロファイル調和部材400が、コア押出層(すなわち、中央押出チャネルを通る押出層)を形成するポリマーの分配を精製するべく利用され得る。
図1A乃至
図1Cは、このような実施形態を示している。
図1Cに最も良く示されているように、図示の押出プロファイル調和部材400は、中央押出チャネル200の流路内に突出するようになっている。より詳細には、図示の押出プロファイル調和部材400は、中央押出チャネル200の流路内に突出するか、突出するように調整可能である、プロファイリングフェース490を有している。
図8は、このような実施形態を示している。
【0064】
押出プロファイル調和部材400は、好適には、調整可能である。すなわち、好適には、それは、中央押出チャネル200を流れるポリマーに異なる輪郭を提供するべく調整され得る。幾つかの場合、当該調整は、その場において、すなわち、押出プロファイル調和部材400がフィードブロックハウジング100の内部にある状態のままで、実施され得る。より詳細には、押出プロファイル調和部材400は、好適には、その調整がフィードブロック装置の外側から起動され得る、というように構成される。
図1A乃至
図1C並びに
図8の実施形態では、押出プロファイル調和部材400は、ハウジング100からそれを取り外す必要なく、フィードブロック装置10を分解する必要もなく、また、フィードブロック装置10の動作を停止させる必要もなく、調整され得る。
【0065】
図1A乃至
図1C並びに
図8の実施形態では、押出プロファイル調和部材400は、取り外し可能なインサートに取り付けられている。より詳細には、押出プロファイル調和部材400は、コンバイン翼板50と同じインサート(ブロック)800に取り付けられている。前述のように、取り外し可能なインサート(ブロック)800は、共押出インサートブロックであり、それは、取り付け開口890内に取り外し可能に取り付けられている。図示の実施形態では、押出プロファイル調和部材400及びコンバイン翼板50は、両方とも、共押出インサートブロック800の先端に取り付けられている。より詳細には、押出プロファイル調和部材400は、共押出インサートブロック800のある場所に取り付けられており、当該場所は、フィードブロック装置10に作動可能に取り付けられた時に、コンバイン翼板50が共押出インサートブロック上に取り付けられた場所よりも上流である。
図1C及び
図8に示すように、押出プロファイル調和部材400とコンバイン翼板50とを保持することに加えて、図示の共押出インサートブロック800は、それを貫く共押出チャネル300を有している。
【0066】
図1A乃至
図1C並びに
図8は、押出プロファイル調和部材400が取り外し可能なインサート800に取り付けられた実施形態を示しているが、他の実施形態では、取り外し可能なインサートが省略されて、押出プロファイル調和部材は、フィードブロックハウジングの内壁に(当該内壁に形成された細長いチャネル内に受容されるように)取り付けられる。更に、押出プロファイル調和部材400は、選択的であって、フィードブロック装置10が中央押出チャネルにおいて押出プロファイル調和部材を有しない実施形態も、想定される。
図10に示された非制限的な例が参照される。
【0067】
前述のように、図示の押出プロファイル調和部材400は、取り外し可能なインサート800の先端に取り付けられている。当該インサート800は、フィードブロックハウジング100内に作動可能に取り付けられる時、その先端と、それに保持された押出プロファイル調和部材400とが、中央押出チャネル200に曝される。
図3A及び
図8では、図示された押出プロファイル調和部材400は、取り外し可能なインサート800の先端に形成された細長いチャネル内に取り付けられている。
【0068】
押出プロファイル調和部材400は、好適には、中央押出チャネル200の流路内に突出するか、突出するように調整可能である、プロファイリングフェース490を有している。幾つかの場合、押出プロファイル調和部材400は、予め輪郭付け(プロファイル)される。例えば、そのプロファイリングフェース490は、フィードブロック装置10の内部に取り付けられる前に、所望の輪郭に加工され得る、あるいは、他の態様で形成され得る。従って、幾つかの場合、押出プロファイル調和部材400は、その場では調整不可能である。
【0069】
好適には、押出プロファイル調和部材400は、中央押出チャネル200の流路内に突出するか、突出するように曲がり変形可能である。図示の押出プロファイル調和部材400は、リストリクタバー450を有している。当該リストリクタバー450は、フィードブロック装置10の幅W(
図1A参照)に沿って延びている。好適には、リストリクタバー450は、中央押出チャネル200の全幅に広がっているが、フィードブロック装置10の全幅にまでは広がっていない。幾つかの場合、リストリクタバー450の長さは、6インチよりも大きく、例えば約7インチである。
【0070】
好適には、リストリクタバー450は、中央押出チャネル200を通るポリマーに様々な輪郭を与えるべく、変形可能である。
図1A乃至
図1Cの実施形態では、リストリクタバー450は、中央押出チャネル200を通るポリマーに様々な輪郭を与えるべく、曲げ変形可能である。図示のリストリクタバー450は、局所的に曲げられるように構成されている。一例として、その2つの対向する端部領域が、中央押出チャネル200内に突出する(または更に突出する)ように曲げられ得る。これは、重厚な(heavy)端部フロー状況のために所望され得る。別の例として、リストリクタバー450の中央領域が、中央押出チャネル200内に突出する(または更に突出する)ように曲げられ得る。これは、重厚な(heavy)中央フロー状況のために所望され得る。
【0071】
図4A及び
図4Bは、一つの例示的なリストリクタバーの形態の詳細を示している、図示のリストリクタバー450は、当該バーの長さに沿って間隔を空けた一連のアジャスタ取り付けポイント440を有する細長いバーである。これらのアジャスタ取り付けポイント440は、そのプロファイリングフェース490とは反対の、リストリクタバー450の一側にある。図示の実施形態では、リストリクタバー450は、アジャスタ取り付けポイント440を規定する一連の肩部を有している。
図4A及び
図4Bの実施形態は、当該バーに沿って間隔を空けた6つのアジャスタ取り付けポイント440を有するリストリクタバー450を含むが、他の数及び場所も、調整アタッチメントポイントのために利用され得る。例えば、別の実施形態は、リストリクタバーの長さに沿って間隔を空けた4つのアジャスタ取り付けポイントのみを有する。所望される場合、リストリクタバーは、その曲げ性能を増大するように構成された一連の間隔を空けたノッチを有し得る。以下に説明されるように、リストリクタバー450の所望の局所的な曲げは、好適には、フィードブロック装置10の外側から起動され得る。
【0072】
従って、
図3Aは、その先端において曲げ可能なリストリクタバー450を有する共押出インサートブロック800を図示している。好適には、共押出インサートブロック800は、リストリクタバーの長さに沿って間隔を空けた場所でリストリクタバー450に取り付けられた一連の調整アセンブリ801を有している。例えば、リストリクタバー450は、1または2以上の調整アセンブリを起動することに応じて、局所的に曲がるようになっている。これは、
図4Aを参照することで、最も良く理解される。図示の実施形態では、調整アセンブリ801の各々が、一端でリストリクタバー450に固定された調整シャフト805を有している。これにより、(i)リストリクタバーが第1方向(例えば、シャフトの軸方向の一方向に対応する中央押出チャネル200内に(更に)向かう方向)に曲がり、また、(ii)リストリクタバーが第2方向(例えば、シャフトの軸方向の他方向に対応する中央押出チャネル200から離れる方向)に曲がる。より詳細には、図示のシャフト805は、ネジ付きのシャフトであって、(i)リストリクタバー450は、ネジ付きのシャフトの時計回り回転に応じて第1方向に曲がり、(ii)リストリクタバー450は、ネジ付きのシャフトの反時計回り回転に応じて第2方向に曲がる。
【0073】
図4Aに示すように、1または2以上の(例えば2つの)共押出チャネル300が、2つの調整シャフト805の間に延在している。これは、押出プロファイル調和部材400が設けられた任意の実施形態に、選択的に当てはまる。
【0074】
図1A乃至
図1Cの実施形態において、調整アセンブリ801は、外部からアクセス可能である(すなわち、それらは、フィードブロック装置10の外側から起動されるように構成されている)。これは、
図8の実施形態にも当てはまる。これにより、オペレータは、フィードブロック装置を開放する必要なく、それを分解する必要なく、また、その作動を停止させる必要なく、フィードブロック装置の外側から調整アセンブリの任意の所望の1または2以上を起動し得る。より詳細には、図示の調整アセンブリ801は、各々、外部アクセス可能な端部を有している。図示の調整アセンブリ8091の各々の外側端は、六角形状キャップを有しており、それが、例えばレンチ、ソケットまたは他の工具を用いて回転され得る。調整アセンブリ801の制御は、選択的に、モータを用いて機械化され得る。
【0075】
図1A乃至
図1C並びに
図8の実施形態において、フィードブロック装置10は、更に、第2の押出プロファイル調和部材400を備えている。押出プロファイル調和部材400についての前述の説明は、第2の押出プロファイル調和部材400にも当てはまる。例えば、第2の押出プロファイル調和部材400は、好適には、その調整がフィードブロック装置の外側から起動され得るように構成される。幾つかの場合、第2の押出プロファイル調和部材400は、中央押出チャネル200を通るポリマーに様々な輪郭を提供するべく変形可能(例えば曲げ変形可能)であるリストリクタバーである。
【0076】
図1A乃至
図1C並びに
図8において、2つの図示の押出プロファイル調和部材400は、互いに向き合っている。それらは、中央押出チャネル200を通るポリマーの流れ(の両側)を同時に輪郭付けするように位置決めされている。より詳細には、2つの図示の押出プロファイル調和部材400は、互いに向き合う2つのリストリクタバーであり、中央押出チャネル200はそれらの間を通っている。このようにして、2つの図示のリストリクタバーは、中央押出チャネルを通るポリマーを同時に輪郭付けするように位置決めされている。
【0077】
好適には、第2の押出プロファイル調和部材400は、フィードブロックハウジング100の第2の取り付け開口890内に受容される第2の取り外し可能なインサート800に取り付けられる。
図1A乃至
図1Cの実施形態では、インサート800のための2つの取り付け開口(またはポケット)890が、互いに向かって開口している(例えば、全体的にハウジングの頂部と底部との間に延在する1つの開口の2つの領域となっている)。図示の第2のインサート800は、例えば前述の特性を有する共押出インサートブロックである。図示の実施形態では、各対の2つの共押出インサートブロック800は、中央押出チャネル200を挟んで互いに向き合うようにフィードブロックハウジング100の2つの取り付け開口890内にそれぞれ取り付けられるように構成されている。
【0078】
図1A乃至
図1C並びに
図8の実施形態では、2つの図示の共押出インサートブロック800と2つのそれぞれの取り付け開口890とが、好適には、共押出インサートブロック800を取り付け/取り外し軸A(
図1C参照)に沿って移動することによって、それぞれの取り付け開口890に挿入可能、及び、それぞれの取り付け開口890から取り外し可能である。前述のように、取り付け/取り外し軸Aは、中央押出チャネル200の長手方向軸Lに対して垂直である(そして、中央押出チャネル200内のポリマーが流れる平面に対して垂直である)。
【0079】
このように、
図1A乃至
図1C並びに
図8において、2つの押出プロファイル調和部材400は、2つの取り外し可能な共押出インサートブロック800の2つの先端に、それぞれ取り付けられている。これらの共押出インサートブロック800が、フィードブロックハウジング100内に動作可能に取り付けられる時、それらの先端部とそれらが保持する押出プロファイル調和部材400とは、中央押出チャネル200に曝される。より詳細には、2つの図示の押出プロファイル調和部材400は、2つの図示の共押出インサートブロック800の先端部に形成された2つの細長いチャネル内に、それぞれ取り付けられる。
【0080】
図1A乃至
図1C並びに
図8を継続的に参照して、図示のフィードブロック装置10は、2つの取り外し可能な共押出インサートブロック800を備えており、その各々は、押出プロファイル調和部材400と回転可能なコンバイン翼板50とを保持している。このような場合において、2つの共押出インサートブロック800が、2つのそれぞれの取り付け開口890内に動作可能に取り付けられる時、2つの回転可能なコンバイン翼板50は中央押出チャネル200を挟んで互いに対向し、2つの押出プロファイル調和部材400も中央押出チャネル200を挟んで互いに対向する。好適には、図示の2つの押出プロファイル調和部材400と2つのコンバイン翼板50とは、2つの取り外し可能な共押出インサートブロック800の2つの先端部にそれぞれ取り付けられる。これにより、これらの共押出インサートブロック800がフィードブロックハウジング100に動作可能に取り付けられる時、それらの先端部とそれらが保持する押出プロファイル調和部材400及び回転可能なコンバイン翼板50とは、中央押出チャネル200に曝される。
【0081】
図示の実施形態では、回転可能なコンバイン翼板50は、独立に調整可能である。
図1A乃至
図1Cを参照して、図示のコンバイン翼板50の各々は、第1端(好適にはフィードブロック装置の外側に位置する)からフィードブロック装置を貫いてそれぞれのコンバイン翼板50との接続部へと延在する制御シャフト530を有している。各コンバイン翼板50は、それぞれの制御シャフト530の回転に応じて回転するように構成されている。コンバイン翼板50の結果としての回転は、中央押出チャネル200と隣接する共押出チャネル300との両方の高さを同時に変更する。より詳細には、中央押出チャネルの高さが増大する時、同時に、隣接する共押出チャネルの高さが減少し、逆もまた然りである。
【0082】
図示の実施形態では、流れコンバイン領域に入る場所における中央押出チャネル200の高さは、2つの対向するコンバイン翼板50の間の分離距離によって設定される。
【0083】
前述のように、中央押出チャネル200は、好適には、6インチよりも大きい幅を有し、例えば約7インチである。また、各リストリクタバー450は、好適には、6インチよりも大きい長さを有し、例えば約7インチである。中央押出チャネル、各回転可能なプロファイルアクチュエータ、及び、各リストリクタバーの寸法は、フィードブロック装置のサイズのような変数(パラメータ)に依存して変化し得るが、中央押出チャネルは、一般に、5インチから10インチの範囲の幅を有し、各回転可能なプロファイルアクチュエータ600は、一般に、5インチから10インチの範囲の長さを有し、選択的な各リストリクタバー450は、一般に、5インチから10インチの範囲の長さを有する、
【0084】
図示の実施形態では、アクチュエータ500、700が、六角形状キャップを有しており、それが、例えばレンチ、ソケットまたは他の工具を用いて回転され得る。更に、アクチュエータ500、700の制御は、選択的に、モータを用いて機械化され得る。好適には、フィードブロック装置10は、アクチュエータ500、700のためのゲージ(目盛り)を有している。各ゲージは、それぞれ回転可能なコンバイン翼板50や回転可能なプロファイルアクチュエータの位置姿勢を表示(指示)する。
【0085】
図1A乃至
図1C、
図8並びに
図10の実施形態は、当該共押出チャネルの両側にプロファイリング要素(すなわち、回転可能なプロファイルアクチュエータ600と輪郭付けされた回転可能なコンバイン翼板50と)を有する共押出チャネル300を提供する。
図1A乃至
図1C並びに
図8の実施形態は、また、中央押出チャネル200の両側に一対のプロファイリング要素400を提供する。これらのプロファイリング要素の組合せは、顕著な柔軟性を提供して、様々な多層の押出物をプロファイリング(輪郭付け)することを制御する。
【0086】
本発明の好適な実施形態が説明されたが、本発明の精神及び添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な変更、適応、修正が本発明においてなされ得ることが、理解されるべきである。