(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-29
(45)【発行日】2022-04-06
(54)【発明の名称】電圧測定システムのための検証ユニット
(51)【国際特許分類】
G01R 19/155 20060101AFI20220330BHJP
G01R 35/00 20060101ALI20220330BHJP
【FI】
G01R19/155
G01R35/00 E
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017218395
(22)【出願日】2017-11-13
【審査請求日】2020-08-31
(32)【優先日】2016-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509233459
【氏名又は名称】フルークコーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Fluke Corporation
【住所又は居所原語表記】6920 Seaway Boulevard, Everett, Washington 98203 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デビット・エル・エッパアソン
(72)【発明者】
【氏名】リカード・ロドリグエ
【審査官】島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】特許第5847339(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0319675(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0237048(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0146319(US,A1)
【文献】米国特許第05847339(US,A)
【文献】中国特許出願公開第103245824(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 19/155
G01R 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流(DC)電源サブシステムの出力を介して、DC電源から受け取られたDC電力を提供することと、
DC-AC変換器の入力において、前記DC電源サブシステムから
の出力である前記DC電力を受け取ることと、
前記DC-AC変換器を介して、前
記DC電力の電圧を前記DC-AC変換器の出力において
AC電圧出力に変換することと、
ユーザインタフェースを介して、少なくとも第1の操作機能と第2の操作機能からなる複数の操作機能から一つの操作機能の選択を受け取ることであり、該第1の操作機能が別個の非接触AC電圧測定システムの動作を検証することからなり、第2の操作機能が別個の接触AC電圧測定システムの動作を検証することからなることと、
第1の操作機能の選択に応じて、前記DC-AC変換器によって出力された前記AC電圧で絶縁ワイヤに電圧を加えることであって、前記絶縁ワイヤは、絶縁層によって囲まれた第1の導体を備え、かつ前記絶縁ワイヤ内の前記第1の導体と
直接電気接触することなく前記絶縁ワイヤの電圧を測定できる
前記別個の非接触AC電圧測定システムにアクセス可能である、ことと、
第2の操作機能の選択に応じて、別個の接触AC電圧測定システムのテスト機器プローブにそれぞれアクセス可能な一対の電気接点に印加されるAC 電圧をDC-AC変換器に出力させることと、
を含む、方法。
【請求項2】
更に、前記絶縁ワイヤの第1の導体を、ユーザの人体容量を介して、前記
別個の非接触AC電圧測定システムと容量結合することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
更に、前記絶縁ワイヤの第1の導体を、第2の導体を介して、前記
別個の非接触AC電圧測定システムと結合することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも前記絶縁ワイヤの長さが、前記DC電源サブシステム及び前記DC-AC変換器を収容するハウジングの外側にあるように、前記絶縁ワイヤを支持することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の操作機能が別個の接触AC電圧測定システムの動作の検証からなる第3の操作機能からなる方法であって、該方法が、更に、第3の操作機能の選択に応じて、前記一対の電気接点に印加されるDC 電圧をDC電源サブシステムに出力させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
DC電力を提供することは、DC電力を少なくとも1つの電池から提供することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ユーザインターフェースを介して、複数のAC電圧レベルからの1つのAC電圧レベルの選択を受け取ることと、
前記DC-AC変換器に、前記選択
の少なくとも一部に基づいて、前記選択されたAC電圧レベルで前記AC電圧を
提供させることと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
AC電源サブシステムを介して、AC電力をAC電源から受け取ることと、
前記AC電源サブシステムを介して、電力を前記DC-AC変換器に直接的又は間接的に提供することと、を更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
電力を前記DC-AC変換器に提供することは、電力を、前記DC電源サブシステムに電気結合された少なくとも1つの電池に提供することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
DC電圧を提供する少なくとも1つの出力を備える直流(DC)電源サブシステムと、
入力及び出力を備えるDC-AC変換器であって、前記DC-AC変換器の前記入力は、前記DC電源サブシステムの前記少なくとも1つの出力のうちの少なくとも1つに電気結合されており、動作中に、前記DC-AC変換器は、前記DC電源サブシステムから前記DC電圧を受け取り、前記DC電圧を、前記DC-AC変換器の前記出力におい
てAC電圧に変換する、DC-AC変換器と、
絶縁層によって囲まれた導体を備える
と共に、前記導体が前記DC-AC変換器の前記出力に選択的に電気結合可能である絶縁ワイヤであって、
前記絶縁ワイヤ内の前記導体と直接電気接触することなく、前記絶縁ワイヤの電圧を測定できる別個の非接触AC電圧測定システムにアクセス可能である絶縁ワイヤと、
前記DC-AC変換器の前記出力、又は前記DC電源サブシステムの前記少なくとも1つの出力の
うちの少なくとも1つに選択的に電気結合可能な1対の電気接点であって、前記1対の電気接点のそれぞれ
の電気接点は、別個の接触電圧測定システムの試験機器プローブにアクセス可能である、1対の電気接点と、
を備える、検証ユニット。
【請求項11】
前記DC電源サブシステムは、動作中に、前記DC電源サブシステムの前記少なくとも1つの出力のうちの少なくとも1つ
をDC電圧に調整するDC調整器回路を備える、請求項10に記載の検証ユニット。
【請求項12】
前記DC電源サブシステム及び前記DC-AC変換器を収容するハウジングであって、前記1対の電気接点が前記ハウジングの外面に配設されているハウジングと、
前記絶縁ワイヤの長さの少なくとも一部分が前記ハウジングの外面の外側にあるように前記絶縁ワイヤを物理的に支持する、前記絶縁ワイヤに結合されたワイヤ支持部分と、を更に備える請求項10に記載の検証ユニット。
【請求項13】
前記ワイヤ支持部分は、前記ハウジングから外向きに延在する第1のワイヤ支持部材と、前記ハウジングから外向きに延在する第2のワイヤ支持部材と、を備え、前記第2のワイヤ支持部材は、前記第1のワイヤ支持部材から間隔をあけており、前記第1のワイヤ支持部材が前記絶縁ワイヤの第1の端部を支持し、前記第2のワイヤ支持部材が前記第1の端部の反対側の前記絶縁ワイヤの第2の端部を支持することにより、絶縁ワイヤは、前記第1のワイヤ支持部材と前記第2のワイヤ支持部材との間にまたがっている、請求項12に記載の検証ユニット。
【請求項14】
前記DC電源サブシステム及び前記DC-AC変換器を収容するハウジングを更に備え、前記1対の電気接点は、前記ハウジングの外面の陥凹部分にそれぞれ配設されている、請求項10に記載の検証ユニット。
【請求項15】
少なくとも1つの電池を中で受け取るようにサイズ設定され、かつ寸法取りされた電池小室を備えるハウジングを更に備え、前記DC電源サブシステムは、前記電池小室内に設置された少なくとも1つの電池に電気結合可能である入力を備える、請求項10に記載の検証ユニット。
【請求項16】
前記DC-AC変換器は、スイッチング昇圧変換器又は変圧器のうちの少なくとも1つを備える、請求項10に記載の検証ユニット。
【請求項17】
電圧が前記絶縁ワイヤに存在するか否か、又は電圧が前記1対の電気接点にわたって存在するか否かについての表示を動作中に提供する表示器を更に備え、前記表示器は、可聴式表示器又は視覚式表示器のうちの少なくとも1つを備える、請求項10に記載の検証ユニット。
【請求項18】
ユーザインターフェースと、
前記ユーザインターフェース、前記DC-AC変換器、及び前記DC電源サブシステムに通信可能に結合された少なくとも1つのプロセッサと、を更に備え、動作中に、前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記ユーザインターフェースを介して、前記検証ユニットの
機能の選択を受け、
前記検証ユニットの機能の選択に応じて、
前記DC-AC変換器に前
記AC電圧を前記絶縁ワイヤに出力させるか、
前記DC-AC変換器に前
記AC電圧を前記1対の電気接点にわたって出力させるか、又は
前記DC電源サブシステムに前
記DC電圧を前記1対の電気接点にわたって出力させる、請求項10に記載の検証ユニット。
【請求項19】
AC電源サブシステムを更に備え、動作中に、前記AC電源サブシステムは、AC電力をAC電源から受け取り、電力を前記DC-AC変換器又は前記DC電源サブシステムに直接的又は間接的に提供する、請求項10に記載の検証ユニット。
【請求項20】
前記AC電源サブシステムは、電力を、前記DC電源サブシステムに電気結合された少なくとも1つの電池に提供する、請求項19に記載の検証ユニット。
【請求項21】
絶縁ワイヤの電圧を前記絶縁ワイヤ内の導体に
直接電気的に接触することなく測定できる非接触交流(AC)電圧測定システムと、
前記非接触交流(AC)電圧測定システムの動作を検査するための検証ユニットと、を備え
るキットであって、前記検証ユニットは、
ハウジングと、
前記ハウジング内に配設された直流(DC)電源サブシステムであって、前記DC電源サブシステムは、電力を少なくとも1つの電池から受け取る入力、及びDC電圧を提供する出力を備える、DC電源サブシステムと、
前記ハウジング内に配設されたDC-AC変換器であって、前記DC-AC変換器は、入力及び出力を備え、前記DC-AC変換器の前記入力は、前記DC電源サブシステムの前記出力に電気結合されており、動作中に、前記DC-AC変換器は、前記DC電圧を前記DC電源サブシステムから受け取り、前記DC電圧を前記DC-AC変換器の前記出力におい
てAC電圧に変換する、DC-AC変換器と、
絶縁層によって囲まれた導体を備える絶縁ワイヤであって、前記導体は、前記DC-AC変換器の前記出力に電気結合されている、絶縁ワイヤと、
前記絶縁ワイヤの長さの少なくとも一部分が前記ハウジングの外面の外側に設置
されるように前記絶縁ワイヤを物理的に支持する、前記絶縁ワイヤに結合されたワイヤ支持部分と、
前記DC-AC変換器の前記出力、又は前記DC電源サブシステムの前記少なくとも1つの出力うちの少なくとも1つに選択的に電気結合可能な1対の電気接点であって、前記1対の電気接点のそれぞれの電気接点は、別個の接触電圧測定システムの試験機器プローブにアクセス可能である、1対の電気接点と、
を備える、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、電気特性の測定に関し、より詳細には、交流(AC)及び/又は直流(DC)電圧の接触及び非接触測定のための検証ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
電圧計は、電気回路の電圧を測定するために使用される器具である。複数の電気特性を測定する器具は、マルチメータ又はデジタルマルチメータ(DMM)と呼ばれ、サービス、故障診断、及びメンテナンス用途に概して必要とされるいくつかのパラメータを測定するように動作する。かかるパラメータは、一般に交流(AC)電圧及び電流、直流(DC)電圧及び電流、並びに抵抗又は導通を含む。また、例えば電力特性、周波数、キャパシタンス、及び温度等の別のパラメータが、特定の用途の必要を満たすために測定されてもよい。
【0003】
AC電圧を測定する従来の電圧計又はマルチメータについては、少なくとも1つの測定電極又はプローブを導体とガルバニックに接触させる必要があり、そのため、前もって、絶縁電気ワイヤの絶縁体の部分を切り取るか、又は測定用の端末を準備することがしばしば必要とされる。ガルバニック接触のために露出されたワイヤ又は端末を必要とする他に、電圧計プローブを剥離ワイヤ又は端末に接触させるステップは、感電又は感電死のリスクのせいで比較的危険であり得る。
【0004】
非接触検電器は、回路とのガルバニック接触を必要とすることなく、一般に高電圧である交流(AC)電圧の存在を検出するために使用されることがある。電圧が検出されると、ユーザは、光、ブザー、又は振動モータ等の表示によって警告される。かかる非接触検電器は、AC電圧の有無の表示だけを提供し、AC電圧の実際の大きさ(例えばRMS値)の表示を提供しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明にかかわる方法は、直流(DC)電源サブシステムの出力を介して、DC電源から受け取られたDC電力を提供することと、DC-AC変換器の入力において、DC電源サブシステムから出力されたDC電力を受け取ることと、DC-AC変換器を介して、DC電力の電圧をDC-AC変換器の出力においてAC電圧出力に変換することと、ユーザインタフェースを介して、少なくとも第1の操作機能と第2の操作機能からなる複数の操作機能から一つの操作機能の選択を受け取ることであり、該第1の操作機能が別個の非接触AC電圧測定システムの動作を検証することからなり、第2の操作機能が別個の接触AC電圧測定システムの動作を検証することからなることと、第1の操作機能の選択に応じて、DC-AC変換器によって出力された所定のAC電圧で絶縁ワイヤに電圧を加えることであって、絶縁ワイヤは、絶縁層によって囲まれた第1の導体を備え、かつ絶縁ワイヤ内の第1の導体と直接電気接触することなく絶縁ワイヤの電圧を測定できる別個の非接触AC電圧測定システムにアクセス可能である、ことと、第2の操作機能の選択に応じて、別個の接触AC電圧測定システムのテスト機器プローブにそれぞれアクセス可能な一対の電気接点に印加されるAC 電圧をDC-AC変換器に出力させることと、を含む方法として要約され得る。更に、本願発明にかかわる方法は、絶縁ワイヤの第1の導体を、ユーザの人体容量を介して、別個の非接触AC電圧測定システムと容量結合することを含んでもよい。また、本願発明にかかわる方法は、第2の導体を介して、別個の非接触AC電圧測定システムと結合することを含んでもよい。
【0007】
その方法は、少なくとも絶縁ワイヤの長さが、DC電源サブシステム及びDC-AC変換器を収容するハウジングの外側にあるように、絶縁ワイヤを支持することを更に含んでもよい。更に、その方法は、前記複数の操作機能が別個の接触AC電圧測定システムの動作の検証からなる第3の操作機能からなり、更に、第3の操作機能の選択に応じて、前記一対の電気接点に印加されるDC 電圧をDC電源サブシステムに出力させることを含んでもよい。DC電力を提供することは、DC電力を少なくとも1つの電池から提供することを含んでもよい。
【0008】
前記方法は、ユーザインターフェースを介して、複数のAC電圧レベルからの1つのAC電圧レベルの選択を受け取ることと、DC-AC変換器に、前記選択の少なくとも一部に基づいて、選択されたAC電圧レベルでAC電圧を提供させることと、を更に含んでもよい。
【0009】
前記方法は、AC電源サブシステムを介して、AC電力をAC電源から受け取ることと、AC電源サブシステムを介して、電力をDC-AC変換器に直接的又は間接的に提供することと、を更に含んでもよい。電力をDC-AC変換器に提供することは、電力を、DC電源サブシステムに電気結合された少なくとも1つの電池に提供することを含んでもよい。
【0010】
本願発明にかかわる検証ユニットは、直流(DC)電圧を提供する少なくとも1つの出力を備える直流(DC)電源サブシステムと、入力及び出力を備えるDC-AC変換器であって、DC-AC変換器の入力は、DC電源サブシステムの少なくとも1つの出力のうちの少なくとも1つに電気結合されており、動作中に、DC-AC変換器は、DC電源サブシステムからDC電圧を受け取り、DC電圧を、DC-AC変換器の出力においてAC電圧に変換する、DC-AC変換器と、絶縁層によって囲まれた導体を備えると共に、前記導体が、DC-AC変換器の出力に選択的に電気結合可能である絶縁ワイヤであって、絶縁ワイヤ内の導体と直接電気接触することなく、絶縁ワイヤの電圧を測定できる別個の非接触AC電圧測定システムにアクセス可能である絶縁ワイヤと、DC-AC変換器の出力、又はDC電源サブシステムの少なくとも1つの出力のうちの少なくとも1つに選択的に電気結合可能な1対の電気接点であって、1対の電気接点のそれぞれの電気接点は、別個の接触電圧測定システムの試験機器プローブにアクセス可能である、1対の電気接点と、を備える検証ユニットとして要約され得る。DC電源サブシステムは、動作中に、DC電源サブシステムの少なくとも1つの出力のうちの少なくとも1つをDC電圧に調整するDC調整器回路を備えてもよい。
【0011】
前記検証ユニットは、DC電源サブシステム及びDC-AC変換器を収容するハウジングであって、1対の電気接点が、ハウジングの外面に配設されているハウジングと、絶縁ワイヤの長さの少なくとも一部分がハウジングの外面の外側にあるように絶縁ワイヤを物理的に支持する、前記絶縁ワイヤに結合されたワイヤ支持部分と、をさらに備えてもよい。ワイヤ支持部分は、ハウジングから外向きに延在する第1のワイヤ支持部材と、ハウジングから外向きに延在する第2のワイヤ支持部材と、を備え、第2のワイヤ支持部材は、第1のワイヤ支持部材から間隔をあけており、第1のワイヤ支持部材が絶縁ワイヤの第1の端部を支持し、第2のワイヤ支持部材が第1の端部の反対側の絶縁ワイヤの第2の端部を支持することにより、絶縁ワイヤは、第1のワイヤ支持部材と第2のワイヤ支持部材との間にまたがっている。
【0012】
前記検証ユニットは、DC電源サブシステム及びDC-AC変換器を収容するハウジングを更に備えてもよく、1対の電気接点は、ハウジングの外面の陥凹部分にそれぞれ配設されている。
【0013】
前記検証ユニットは、少なくとも1つの電池を中で受け取るようにサイズ設定をされ、かつ寸法取りされた電池小室を備えるハウジングを更に備えてもよく、DC電源サブシステムは、電池小室内に設置された少なくとも1つの電池に電気結合可能である入力を備える。DC-AC変換器は、スイッチング昇圧変換器又は変圧器のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0014】
前記検証ユニットは、電圧が絶縁ワイヤに存在するか否か、又は電圧が1対の電気接点にわたって存在する否かについての表示を動作中に提供する表示器を更に備えてもよく、表示器は、可聴式表示器又は視覚式表示器のうちの少なくとも1つを備える。
【0015】
前記検証ユニットは、ユーザインターフェースと、該ユーザインターフェース、DC-AC変換器、及びDC電源サブシステムに通信可能に結合される少なくとも1つのプロセッサと、を更に備えてもよく、動作中に、少なくとも1つのプロセッサは、ユーザインターフェースを介して、検証ユニットの機能の選択を受け、前記検証ユニットの機能の選択に応じて、DC-AC変換器にAC電圧を絶縁ワイヤに出力させるか、DC-AC変換器にAC電圧を1対の電気接点にわたって出力させるか、又は、DC電源サブシステムにDC電圧を1対の電気接点にわたって出力させる。
【0016】
前記検証ユニットは、AC電源サブシステムを更に備えてもよく、動作中に、AC電源サブシステムは、AC電力をAC電源から受け取り、電力をDC-AC変換器又はDC電源サブシステムに直接的又は間接的に提供する。AC電源サブシステムは、電力を、DC電源サブシステムに電気結合された少なくとも1つの電池に提供してもよい。
【0017】
本願発明にかかわるキットは、絶縁ワイヤの電圧を絶縁ワイヤ内の導体に直接電気的に接触することなく測定できる非接触交流(AC)電圧測定システムと、非接触交流(AC)電圧測定システムの動作を検査するための検証ユニットと、を備え、検証ユニットは、ハウジングと、ハウジング内に配設された直流(DC)電源サブシステムであって、DC電源サブシステムは、電力を少なくとも1つの電池から受け取る入力、及びDC電圧を提供する出力を備える、直流(DC)電源サブシステムと、ハウジング内に配設されたDC-AC変換器であって、DC-AC変換器は、入力及び出力を備え、DC-AC変換器の入力は、DC電源サブシステムの出力に電気結合されており、動作中に、DC-AC変換器は、DC電圧をDC電源サブシステムから受け取り、DC電圧をDC-AC変換器の出力においてAC電圧に変換する、DC-AC変換器と、絶縁層によって囲まれた導体を備える絶縁ワイヤであって、導体は、DC-AC変換器の出力に電気結合されている、絶縁ワイヤと、絶縁ワイヤの長さの少なくとも一部分がハウジングの外面の外側に設置されているように絶縁ワイヤを物理的に支持する、絶縁ワイヤに結合されたワイヤ支持部分と、前記DC-AC変換器の前記出力、又は前記DC電源サブシステムの前記少なくとも1つの出力うちの少なくとも1つに選択的に電気結合可能な1対の電気接点であって、前記1対の電気接点のそれぞれの電気接点は、別個の接触電圧測定システムの試験機器プローブにアクセス可能である、1対の電気接点と、を備えると要約されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図面においては、同一の参照番号は、類似した要素及び行為を識別する。図面における構成要素のサイズ及び相対位置は、必ずしも尺度どおりに描かれていない。例えば、様々な要素の形状及び角度が必ずしも縮尺通りに描かれているわけではなく、これらの要素のいくつかは、より明瞭に描くために恣意的に拡大され、かつ設置されることがある。更に、描かれているような要素の特定形状は、必ずしも特定要素の実際の形状に関して何らかの情報を伝えることを意図されているわけではなく、そして、図面での認識の容易さのためだけに選択される場合がある。
【
図1】
図1は、1つの図示した実施例に従う、ワイヤとのガルバニック接触を必要とせずに絶縁ワイヤに存在するAC電圧を測定するために、非接触電圧測定システムがオペレータによって使用され得る環境についての絵図である。
【
図2】
図2は、1つの図示した実施例に従う、非接触電圧測定システム検証ユニットの等角図である。
【
図3】
図3は、
図2の非接触電圧測定システム検証ユニットの正面立面図である。
【
図4】
図4は、非接触電圧測定システムの動作を検査するために検証ユニットの絶縁ワイヤと接触している非接触電圧測定システムの前方端部と共に示される、
図2の非接触電圧測定システム検証ユニットの正面立面図である。
【
図5】
図5は、1つの図示した実施例に従う非接触電圧測定システム検証ユニットの概略ブロック図である。
【
図6】
図6は、1つの図示した実施例に従う、ストラップを非接触電圧測定システム検証ユニットに選択的に結合するためのストラップ取付け部を含む非接触電圧測定システム検証ユニットの絵図である。
【
図7】
図7は、1つの図示した実施例に従う、非接触電圧測定システム及び接触電圧測定システムの両方の動作を試験又は検証するように動作可能である電圧測定システム検証ユニットの概略ブロック図である。
【
図8】
図8は、1つの図示した実施例に従う、非接触電圧測定システム及び接触電圧測定システムの両方の動作を試験又は検証するように動作可能である電圧測定システム検証ユニットの絵図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
近年、試験されている回路とのガルバニック接触を必要とすることなく、簡便で正確な電圧測定を提供するAC電圧測定システムが開発されている。いくつかの用途では、かかる非接触電圧測定システムを使用する技術者が、非接触電圧測定システムの動作を検査するための既知の電圧源を見つけることができない区域にいる場合がある。例えば、技術者が、電源が遮断されなければならないか、又は天候その他の原因のためにオフラインになった風力発電機の塔内又は遠隔のポンプ場にいることがある。いくつかの用途では、回路についての試験が実行される前に、及びことによるとその後に、既知の電圧源において非接触電圧測定システムの動作を検査する必要又は要求があることがある。本開示の実施例は、有利に携帯型非接触電圧測定システム検証ユニット又は「検証ユニット」を提供し、この検証ユニットは、既知の電圧源がないか、又は全ての既知の電圧源が断たれている状況において、技術者によって使用され得る。少なくともいくつかの実施例では、検証ユニットは、また、接触電圧測定システム(例えば従来のDMM)を検証するための機能を提供してもよい。以下の説明では、特定の詳細が、様々な開示された実施例についての完全な理解を提供するために述べられる。しかし、関連技術分野の熟練者であれば、実施例が、これらの特定の詳細のうちの1つ又は複数によらずに、又は別の方法、構成要素、材料等によって実施され得ることを理解するであろう。別の例では、コンピュータシステム、サーバーコンピュータ、及び/又は通信ネットワークと関連する周知の構造が詳細に示されないか又は説明されないことにより、実施例の説明を必要以上に不明瞭にすることを回避した。
【0020】
以降の明細書及び請求項を通して、文脈が異なるように要求しない限り、「備える」という語は、「含む」と同義であり、そして、包括的であるか、又は変更可能である(すなわち、付加的な列挙されていない要素又は方法等を排除しない)。
【0021】
「一実施例」又は「実施例」への本明細書を通しての参照は、実施例と関連して説明された特定の特徴、構造又は特性が、少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。このため、本明細書全体の様々な場所にある語句「一実施例では」又は「実施例では」が、必ずしも全て同じ実施例を指すわけではない。更に、特定の特徴、構造又は特性が、1つ又は複数の実施例において任意の好適な態様で組み合わされてもよい。
【0022】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用するときに、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確に異なるように示さない限り、複数の指示対象を含む。用語「又は」は、文脈が明確に異なるように示さない限り、「及び/又は」を含むそれ自体の意味で概して使用されることにも留意されたい。
【0023】
本明細書で提供される開示の見出し及び要約は、便宜的なものに過ぎず、実施例の範囲又は趣旨を解釈するものではない。
【0024】
下記で更に検討するように、本明細書で検討される検証ユニットの実施例のうちの少なくともいくつかは、非接触電圧測定システムの安全な試験を可能にする携帯型検査済み電圧源を提供する。本開示の検証ユニットは、検査済み電圧出力(例えば交流100V、交流120V、交流240V、交流250V)を提供し得、その電圧出力は、固定されてもよく、又は好適なユーザインターフェース(例えばスイッチ、ダイヤル、タッチスクリーン)によってユーザ選択可能であってもよい。検証ユニットは、検証ユニットが実際に検証ユニットの規格で出力電圧を供給しているという表示をユーザに提供する視覚式表示器(例えばLED、ディスプレイ)、及び/又は可聴式又は触覚式表示器(例えばスピーカ、ブザー)を含み、それで、ユーザは、検証ユニットが正常に動作しており、非接触電圧測定システムを試験する準備ができていることを認知することになる。この例では、検証ユニットがいかなる理由(例えば低電圧)であっても所定の電圧出力を提供できない場合に、表示器は、検証ユニットが現在機能していないという信号をユーザに提供する。
【0025】
図1は、非接触電圧測定システム102が、非接触電圧測定システムとワイヤ106との間のガルバニック接触を必要とすることなく絶縁ワイヤ106に存在するAC電圧を測定するために、技術者104によって使用され得る場合の環境100についての絵図である。
図2~
図6は、非接触電圧測定システム102又は別の非接触電圧測定システムの動作を検査するために使用されてもよい非接触電圧測定システム検証ユニット又はシステム200についての様々な図を示す。
図7及び
図8は、それぞれ、電圧測定システム検証ユニット300及び350を示し、それらは、非接触電圧測定システム及び接触電圧測定システムの両方についての動作を検査するように動作可能である。
【0026】
再び
図1を参照すると、非接触電圧測定システム102は、グリップ部分又は端部110と、グリップ部分の反対側にあって、本明細書では前方端部とも呼ばれるプローブ部分又は端部112と、を含むハウジング又は本体108を含む。ハウジング108は、また、非接触電圧測定システム102とユーザとの対話処理を容易にするユーザインターフェース114を含んでもよい。ユーザインターフェース114は、任意の数の入力(例えばボタン、ダイヤル、スイッチ、タッチセンサ)、及び任意の数の出力(例えばディスプレイ、LED、スピーカ、ブザー)を含んでもよい。非接触電圧測定システム102は、また、1つ又は複数の有線及び/又は無線通信インターフェース(例えば、USB、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標))を含んでもよい。
【0027】
少なくともいくつかの実施例では、プローブ部分112は、絶縁ワイヤ106を受け取る陥凹部分116を含んでもよい。絶縁ワイヤ106は、導体122と、導体122を囲む絶縁体124と、を含む。陥凹部分116は、絶縁ワイヤが非接触電圧測定システム102の陥凹部分116内に設置されるときに、絶縁ワイヤ106の絶縁体124近傍に静止するセンサ又は電極を含んでもよい。明瞭のために示されないけれども、センサがハウジング108の内部に配設されることにより、センサと別の物体との間の物理的及び電気的接触を防止し得る。
【0028】
図1に示すように、使用中、オペレータ104は、ハウジング108のグリップ部分110を把持して、プローブ部分112を絶縁ワイヤ106近傍に置いてもよく、それにより、非接触電圧測定システム102は、アースグランド(又は別の基準地点)に対する、ワイヤに存在するAC電圧を正確に測定し得る。別の実施例では、プローブ端部112が陥凹部分116を有するとして示されるけれども、プローブ部分112は、異なるように構成されてもよい。例えば、少なくともいくつかの実施例では、プローブ部分112は、選択的に移動可能なクランプ、フック、センサを含む平坦又は弓形の表面、あるいは非接触電圧測定システム102のセンサが絶縁ワイヤ106近傍に設置されることを可能にする別のタイプのインターフェースを含んでもよい。
【0029】
少なくともいくつかの実施例では、オペレータの人体は、接地/地面への基準として作用し得る。本明細書で検討される測定機能は、接地に対して測定するだけの用途に限定されない。外部基準は、任意の別の電位に容量結合されてもよい。例えば、外部基準が三相システムでの別の相に容量結合される場合には、相間電圧が測定される。
【0030】
下記で更に検討するように、少なくともいくつかの実施例では、非接触電圧測定システム102は、AC電圧測定中に、オペレータ104と地面128との間の人体容量(C
B)を利用してもよい。地面という用語がノード128に対して使用されるけれども、ノードは、必ずしも接地/地面であるわけではなく、容量結合(
図4を参照)によって、ガルバニックに絶縁された態様で任意の別の基準電位に接続される場合がある。
【0031】
図2及び
図3は、非接触電圧測定システム102等の非接触電圧測定器具又はシステムが適切に機能していることを検査するか、又は「検証する」ために使用され得る非接触電圧検証ユニット又はシステム200の実施形態を示す。
図5は、非接触電圧検証ユニット200の様々な構成要素の概略ブロック図を示す。
【0032】
図示した実施例では、検証ユニット200は、上面218、上面の反対側の底面220、正面側壁222、正面側壁の反対側の背面側壁224、左の側面側壁226、及び左の側面側壁の反対側の右の側面側壁228を有する、概して立方形状を有するハウジング又は本体216を含む。別の実施例では、検証ユニット200は、様々な形状のハウジング又は本体を有してもよい。
【0033】
左の側面側壁226近傍には、ハウジング216の上面218から外向きに延在する第1のワイヤ支持部材230がある。右の側面側壁228近傍には、ハウジングの上面218から外向きに延在する第2のワイヤ支持部材232がある。第1のワイヤ支持部材230及び第2のワイヤ支持部材232は、本明細書では集合的にワイヤ支持部分と呼ばれ得る。第1のワイヤ支持部材230及び第2のワイヤ支持部材232は、ワイヤ支持部材同士の間のハウジング216の長さに実質的に及ぶ絶縁ワイヤ212を支持する。絶縁ワイヤ212の長さの少なくとも一部分は、ハウジング216の上面218から外向きに間隔をあけていることにより、クランプ又はフックが非接触電圧測定システムの試験中に絶縁ワイヤを把持し得、その結果、クランプ又はフックを含む非接触電圧測定システムについての試験を可能にする。絶縁ワイヤ212は、破線で示された導体234と、導体を囲む絶縁層236と、を含む。絶縁ワイヤ212は、剛性であっても可撓性であってもよい。更に、絶縁ワイヤ212のサイズ及び寸法は、例えば、1つ又は複数の非接触電圧測定システムによって測定されることを意図された絶縁ワイヤに類似するように選ばれてもよい。概して、絶縁ワイヤ212は、絶縁ワイヤ内の導体234とガルバニックに接触することなく絶縁ワイヤの電圧を測定可能である別個の非接触電圧測定システムにアクセス可能である。
【0034】
ハウジング216の正面側壁222は、ユーザインターフェース214を含んでもよく、このユーザインターフェースは、ユーザが制御機能を入力する(例えば、電圧レベルを選択する、周波数を選択する)ことを可能にする1つ又は複数の入力(例えばボタン、ダイヤル)、及び/又はユーザに表示(例えば運転状態)を提供する1つ又は複数の出力(例えば光(例えばLED)、ディスプレイ、スピーカ、ブザー)を含む。ユーザインターフェース214が図示した実施例の正面側壁222上に示されているけれども、ユーザインターフェース214は、ハウジング216の外面上のうちの任意のものの1つ又は複数に配設されてもよいことを理解されたい。好適なユーザインターフェースが、代替として、検証ユニット200と有線又は無線伝達を介して通信する別個の装置に提供されてもよい。
【0035】
図2に示すように、ハウジング216は、また、1つ又は複数の電池206を選択的に受け入れるハウジング内部の電池小室にアクセスを提供する電池出入口238を含んでもよい。別の実施例では、ハウジング216は、1つ又は複数の充電式電池等の、1つ又は複数の電池を恒久的に受け入れる電池小室を含んでもよい。
【0036】
図5に示すように、検証ユニット200は、DC電源サブシステム207から電力を受け取り得る電源装置204を含み、そしてこの電源サブシステムは、1つ又は複数の電池206を含んでもよく、又はそれに選択的に電気結合されてもよい。検証ユニット200は、また、AC電源(例えばAC幹線)からAC電力を受け取るAC電源サブシステム208を任意選択的に含んでもよい。1つ又は複数の電池206は、任意の好適な充電式又は非充電式電池(例えば、アルカリ、リチウムイオン、亜鉛-炭素、ニッケル-カドミウム、ニッケル-金属水素化物)であってもよい。少なくともいくつかの実施例では、AC電源サブシステム208は、AC電力を受け取ってもよく、そしてDC電力を生成してDC電源サブシステムと関係する1つ又は複数の電池206を再充電してもよい。かかる例では、AC電源サブシステム208は、AC-DC変換器を含んでもよい。1つ又は複数の電池206は、ハウジング216から着脱可能でもよく、又は、充電式電池が利用される実施例では、1つ又は複数の電池は、ハウジング内に固定され、検証ユニット200をAC電源サブシステム208に結合されたAC電源等の好適な電源に接続することによって時々充電されてもよい。
【0037】
電源装置204は、インバータとも呼ばれるDC-AC変換器を含んでもよく、このDC-AC変換器は、DC電源サブシステム207からのDC電圧、又はAC電源サブシステムによって生成されたDC電力を、AC電圧に変換する。電源装置204は、既知の又は所定の固定AC電圧レベルで、あるいはその代替として、様々な既知の又は所定のユーザ選択可能又は装置選択可能AC電圧レベル(例えば交流100V、交流200V)で、AC電圧出力210を提供する。AC電圧出力210は、既知の又は所定の固定周波数(例えば60Hz)、あるいはその代替として、様々なユーザが選択可能又は装置選択可能周波数(例えば50Hz、60Hz)を有してもよい。AC電圧出力210は、絶縁ワイヤ212の導体234を通して送出され、電圧が非接触電圧測定システムによって測定され得る十分な振幅(例えば交流100V)のものである。
【0038】
電源装置204は、DC電圧をAC電圧に変換するための任意の好適な設計を含んでもよい。例えば、電源装置204は、スイッチング昇圧変換器を含んでもよく、この変換器は、DC電源サブシステム207に結合された電池206からのDC電圧を昇圧し、次いで、昇圧されたDC電圧をAC電圧に変換する。別の例として、電源装置204は、1つ又は複数の変圧器を利用してAC出力電圧を生成してもよい。少なくともいくつかの実施例では、AC電圧出力210は、純粋の正弦波、改変された正弦波等であってもよい。
【0039】
検証ユニット200は、ユーザインターフェース214に動作可能に結合されているコントローラ240(
図5)を含んでもよい。コントローラ240は、また、電源装置の動作を制御するように、及び/又は電源装置204からの情報(例えば、状態情報、構成情報)を受け取るように電源装置204に動作可能に結合されてもよい。コントローラ240は、1つ又は複数のプロセッサ、記憶装置、バス、入出力インターフェース、通信システム等を含むことにより、検証ユニット200の機能を制御してもよい。
【0040】
例えば、コントローラ240は、電源装置204の出力を監視する電圧監視回路を含んでもよく、又はそれに結合されてもよい。したがって、コントローラ240は、AC電圧出力210が所定の電圧レベルにない場合を検出するように動作可能である。かかる決定をすると、コントローラ240は、ユーザインターフェース214の出力(例えば光、ディスプレイ、スピーカ)にユーザへの視覚式、可聴式、及び/又は触覚式表示を提供させてもよく、この表示は、検証ユニット200が適切に機能しておらず、非接触電圧測定システムの動作を検査するために使用されてはならないというものである。
【0041】
電源装置204が複数のユーザ選択可能又は装置選択可能な出力電圧、及び/又は周波数を出力できる実施例では、コントローラ240は、所定の電圧レベル及び/又は所定の周波数レベルを出力するように、電源装置(例えばDC-AC変換器)に選択的に命令することもできる。電源装置204は、任意の好適な技術を利用することにより、複数の異なる電圧レベル及び/又は周波数を提供し得る。一例として、電源装置204は、電源装置204によって出力されるべき所定の電圧レベル及び/又は周波数に基づいて、回路の内外に切り替えられる様々な構成要素を含んでもよい。別の例として、1つ又は複数の動作パラメータ(例えばスイッチング周波数、スイッチデューティサイクル)が、電源装置204によって出力されるべき所定の電圧レベル及び/又は周波数に基づいて選択的に調整されてもよい。
【0042】
本明細書で使用されるとき、プロセッサという用語は、当該技術分野においてコンピュータと呼ばれる集積回路に限定されることなく、別のもののうちの、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、マイクロプロセッサ、プログラマブルロジックコントローラ、特定用途向け集積回路、別のプログラマブル回路、上記のものの組合せを広く指す。コントローラ240は、命令の実行を支援すること、並びに、データを1つ又は複数の記憶装置、入出力インターフェース、及び通信システムから読取り及び書込みをすることによって、検証ユニット200の計算中心として機能する。コントローラ240と関係する記憶装置は、非一過性のプロセッサ可読記憶媒体の1つ又は複数の形式を含んでもよい。非一過性のプロセッサ可読記憶媒体は、コントローラのプロセッサ等の1つ又は複数の装置構成要素によってアクセス可能なプログラム及びデータを格納するのに好適な任意の現在利用可能な、又は今後の開発される媒体である。非一過性のプロセッサ可読記憶媒体は、着脱可能又は非着脱可能であってもよく、そして揮発性又は不揮発性であってもよい。非一過性のプロセッサ可読記憶媒体の例としては、ハードディスクだけでなく、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュタイプのメモリ等が挙げられ得る。
【0043】
ユーザインターフェース214としては、ディスプレイ、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)装置、発光ダイオード(LED)装置、及び/又は有機発光ダイオード(OLED)装置等が挙げられ得る。ユーザインターフェース214としては、タッチスクリーンが挙げられ得、このタッチスクリーンは、現在公知又は今後の開発される任意のタイプのタッチスクリーンであってもよい。例えば、タッチスクリーンは、容量性装置、赤外線装置、抵抗性装置、又は弾性表面波(SAW)装置であってもよい。
【0044】
ユーザインターフェース214は、検証ユニット200への入力を通信する単一の入力装置、又は入力装置の組合せを含んでもよい。入力装置は、例えば、ボタン、スイッチ、トリガースイッチ、セレクタ、ロータリスイッチ、又は当業者に公知の別の入力装置を含んでもよい。入力装置は、検証ユニット200の動作状態(例えばオン/オフ)をトグルで切り換えるために使用されてもよく、及び/又は、1つ又は複数のAC電圧出力レベル(例えば、交流100V、交流120V、交流200V、交流240V)、及び/又は1つ又は複数のAC周波数レベル(例えば50Hz、60Hz)を選択するために使用されてもよい。
【0045】
動作中に、技術者は、最初にユーザインターフェース214の入力(例えばボタン、スイッチ)を介して検証ユニット200をオンにし得る。検証ユニット200が複数のAC電圧レベル、及び/又は複数のAC周波数を供給するように動作可能である実施例では、技術者は、また、検証ユニットによって出力されるAC電圧レベル、及び/又はAC周波数を、ユーザインターフェース214を介して選択し得る。
【0046】
一旦検証ユニット200が電源をオンにされると、電源装置204は、絶縁ワイヤ212内の導体234にAC出力電圧210まで電圧を加える。光(例えばLED)又はディスプレイ等のユーザインターフェース214の出力は、検証ユニット200が実際に所定のAC出力電圧を出力しているという視覚式及び/又は可聴式表示をユーザに提供し得、それによって、検証ユニットが動作中であり、使用準備完了していることをユーザに知らせる。
【0047】
図4に示すように、ユーザは、次いで、非接触電圧測定システム102のプローブ端部112を絶縁ワイヤ212と接触させて設置することにより、非接触電圧測定システムの動作を検査又は検証し得る。非接触電圧測定システム102は、非接触電圧測定システムが正しく作動している場合、絶縁ワイヤ212において検証ユニット200によって出力されたのと同じAC電圧レベルを測定して表示するはずである。一旦非接触電圧測定システム102が検証ユニット200によって検査を完了されると、非接触電圧測定システムは、次いで、所望の測定値を取得するための領域で標準的に使用され得る。
【0048】
図4に示すように、少なくともいくつかの実施例では、結合容量(C
C)は、非接触電圧測定システム102と検証ユニット200の電圧源との間で有益であり得るか、又は必要とされ得る。例えば、結合容量(C
C)は、ユーザの人体容量(C
B)を含んでもよいか、又は非接触電圧測定システム102と検証ユニット200の電圧源との間に結合された導電路(例えばワイヤ又は別の導体)であってもよい。特に、結合容量(C
C)は、基準信号を生成する非接触電圧測定システムにとって有益であるか、又は必要とさえされる場合があり、その理由は、この結合が、非接触電圧測定システムによって検出され得る複合波形(例えば、基準信号及び測定されるべき信号)の生成を可能にするからである。
【0049】
図6は、非接触電圧測定システム検証ユニット250の別の実施例を示す。非接触電圧測定システム検証ユニット250は、多くの点で非接触電圧測定システム検証ユニット200と類似していてもよく、又は同一であってもよい。したがって、検証ユニット250についての詳細な検討は、簡潔のために省略される。この実施例では、非接触電圧測定システム検証ユニット250は、検証ユニット250のハウジング216の底面220から外向きに延在する付着点又はストラップ取付け部252を含む。ストラップ取付け部252は、底面220と共に閉ループ254を形成してもよく、そのループ254は、それを通してストラップ256を着脱可能に受け取ってもよい。ストラップ256は、検証ユニット250が定着物から垂れ下がるように定着物(例えば設備、ラック)に付着されてもよく、それにより、ユーザが検証ユニットを保持する必要がない状態で検証ユニットを利用することを可能にして、ユーザの手を自由にする。
【0050】
ストラップ取付け部252が、
図6においてハウジング216の底面220にあるように示されているけれども、別の実施例では、ストラップ取付け部は、ハウジングの1つ又は複数の別の面(例えば、左の側面側壁226、右の側面側壁228、背面側壁224)に設置されてもよい。更に、ストラップ取付け部252は、ストラップ256がハウジング216に固着されることを可能にする好適な態様に整形され、サイズ設定され、かつ寸法取りされてもよい。それに加えて、少なくともいくつかの実施例では、ストラップ取付け部252は、ハウジング216から選択的に着脱可能であってもよい。例えば、ストラップ取付け部252は、ねじ切部材を含んでもよく、そして、ハウジング216は、ハウジング216にストラップ取付け部252を固着するためにねじ切部材を選択的に受け取るねじ切開口をその中に含んでもよい。
【0051】
図7は、電圧測定システム検証ユニット300の概略ブロック図である。検証ユニット300のいくつかの構成要素は、上記で検討した検証ユニット200と類似していても、又は同一であってもよく、そのため、上記の検討の一部又は全部が検証ユニット300に適用可能である。検証ユニット200と同様に、検証ユニット300は、電力供給DC-AC変換器204と、電池206を受け取るDCサブシステム207と、任意選択のACサブシステム208及びAC出力210と、絶縁ワイヤ212と、ユーザインターフェース214と、コントローラ240と、を含む。これらの構成要素のそれぞれは、上記で検討されている。
【0052】
少なくともいくつかの実施例では、非接触電圧測定システム102の動作を試験又は検証するように動作可能であることに加えて、検証ユニット300は、また、接触電圧測定システム308(例えば、従来のデジタルマルチメータ(DMM))の動作を試験又は検証するように動作可能である。かかる機能を達成するために、検証ユニット300は、また、DC調整器回路302、DC出力304、及び電気接点306(例えば正接点、負接点)を含んでもよい。
【0053】
DC調整器回路302は、DC信号をDCサブシステム207から受け取り、電気接点306にわたって提供されるDC出力304電圧を生成するように動作可能であってもよい。例えば、DC調整器回路302は、DC-DC変換器(例えば昇圧変換器)と、DCサブシステムから受け取られたDC信号を、電気接点306にわたって提供される好適な出力値(例えば直流120V、直流240V)に調整するように動作可能な関係回路(例えば整流器、濾過器)と、を含んでもよい。それに付加して又はその代替として、検証ユニット300は、AC出力210(又は、例えば更なる変換器からの別のAC出力)を電気接点306に提供するように動作可能であってもよい。
【0054】
説明目的のために別個の構成要素として示されるけれども、DC調整器回路302は、DCサブシステム207の下位構成要素であってもよい。したがって、DCサブシステムは、専門の調整回路によって、又はそれによらずに、電気接点306にわたって提供される出力と、DC-AC変換器204に提供される出力と、を含んでもよい。少なくともいくつかの実施例では、DCサブシステム207は、調整回路によらずにDC出力を提供してもよい。したがって、DCサブシステム207の出力とDC調整器回路302の出力とは、本明細書では、少なくともいくつかの実施例において相互交換可能であるように参照されてもよい。
【0055】
したがって、検証ユニット300は、AC信号を絶縁ワイヤ212に、DC電圧を接点306にわたって、及び/又はAC電圧を接点にわたって出力するように動作可能であってもよい。少なくともいくつかの実施例では、検証ユニット300は、かかる電圧の組合せを同時に出力する(例えば、AC電圧を絶縁ワイヤに、かつAC電圧を接点にわたって出力するか、又はAC電圧を絶縁ワイヤに、かつDC電圧を接点にわたって出力する)ように動作可能であってもよい。動作中に、ユーザは、検証ユニット300の機能を、例えばユーザインターフェース214によって、又は遠隔の有線及び/又は無線インターフェースによって選択してもよい。更に、上記で検討したように、絶縁ワイヤ212又は接点306でのAC又はDC電圧の大きさは、ユーザインターフェース214を介してユーザ選択可能であってもよい。
【0056】
図8は、非接触電圧測定システム360及び接触電圧測定システム362(例えば、従来のDMM)の両方の動作を試験又は検証するように動作可能である電圧測定システム検証ユニット350の絵図である。検証ユニット350は、例えば、上記で検討した
図7の検証ユニット300に類似していても、又は同一であってもよい。更に、検証ユニット350の構成要素又は部品のうちの多くが、上記で検討した検証ユニット200に類似していても、又は同一であってもよいので、かかる構成要素についての検討は、ここでは繰り返さない。少なくともいくつかの実施例では、検証ユニット350は、非接触電圧測定システム360及び接触電圧測定システム362のうちの少なくとも1つを含むキットとして提供され(例えば販売され)得る。
【0057】
この実施例では、検証ユニット350のハウジング216の正面側壁222(又は別の面)が、接触電圧測定システム362についての検証を可能にする1対の陥凹接点352及び354を含んでもよい。少なくともいくつかの実施例では、ハウジング216の正面側壁222(又は別の面)は、任意選択的に基準又は共通(COM)ポート356を含んでもよく、このポートは、
図4に関して上記で検討したように、導電路(例えば、好適なコネクタを有するワイヤ又は別の導体)が、検証ユニット350の電圧源と非接触電圧測定システム360との間に提供されることにより、それらの間に結合を提供することを可能にする。
【0058】
非接触電圧測定システム360の動作を試験又は検証するための検証ユニット350の動作は、
図4の非接触電圧測定システム102の動作を試験又は検証するための検証ユニット200の使用に関する上記の検討を考慮すれば直ちに明かになるであろう。
【0059】
接触電圧測定システム360の動作を試験又は検証するように検証ユニット350を動作させるために、ユーザは、最初に、検証ユニット350がDC又はAC電圧を陥凹接点352及び354にわたって出力するか否かについて、ユーザインターフェース214を介して選択してもよい。上記のように、少なくともいくつかの実施例では、ユーザは、また、接点352及び354にわたって出力されるDC又はAC電圧の大きさを選択してもよい。
【0060】
図8に示すように、接触電圧測定システム362は、試験リード線(例えばワイヤ)を介して正端子364に結合される正機器プローブ368を含む。接触電圧測定システム362は、また、試験リード線(例えばワイヤ)を介して負又は共通端子366に結合される負又は共通機器プローブ370を含む。
【0061】
接触電圧測定システム362の動作を試験するために、ユーザは、接触電圧測定システムの正機器プローブ368及び負機器プローブ370を、検証ユニット350の正及び負陥凹接点352及び354の中にそれぞれ挿入してもよい。ユーザは、次いで、接触電圧測定システム362によって提供される電圧測定値が、検証ユニット350によって出力された電圧に一致するか、又は実質的に一致することを検査することにより、接触電圧測定システムの動作を検証し得る。
【0062】
少なくともいくつかの実施例では、検証ユニット350は、少なくとも接触電圧測定システムを検証するために、常に「オン」であってもよい。例えば、検証ユニット350は、試験機器プローブが陥凹接点352及び354と接触しているか、又はそれらを押圧しているときに検出するように動作可能であってもよく、そして、かかる検出に応じて接点にわたってDC又はAC電圧を自律的に出力してもよい。この機構は、ユーザが接触電圧測定システムを能動的に試験していない限り、接点352及び354が電圧を加えられていないことを保証する。検証ユニット350は、機械的検出、電気的検出、又は任意の別の検出方法を使用して、試験機器プローブが陥凹接点352及び354と接触しているか、又はそれらを押圧しているときに検出してもよい。
【0063】
前述の詳細な説明は、ブロック線図、概略図、及び用例の使用を介して、装置、及び/又はプロセスについての様々な実施例を述べてきた。かかるブロック線図、概略図、及び用例が1つ又は複数の機能、及び/又は動作を含む範囲において、かかるブロック線図、フローチャート、又は用例でのそれぞれの機能、及び/又は動作が、広範囲にわたるハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの実質的に任意の組合せによって個々に、及び/又は集合的に実施され得ることを当業者であれば理解するであろう。1つの実施例では、本主題は、特定用途向け集積回路(ASIC)を介して実施されてもよい。しかし、当業者であれば、本明細書で全体的に又は部分的に開示された実施例が、標準的な集積回路において、1つ又は複数のコンピュータ上で動作する1つ又は複数のコンピュータプログラムとして(例えば、1つ又は複数のコンピュータシステム上で動作する1つ又は複数のプログラムとして)、1つ又は複数のコントローラ(例えばマイクロコントローラ)上で動作する1つ又は複数のプログラムとして、1つ又は複数のプロセッサ(例えばマイクロプロセッサ)上で動作する1つ又は複数のプログラムとして、ファームウェアとして、又は、それらの実質的に任意の組合せとして、同等に実施され得ること、並びに、回路を設計すること、及び/又はソフトウェア及び/又はファームウェアのためのコードを書くことは、この開示を考慮すれば十分に当業者のスキルの範囲内にあるであろうことを理解するであろう。
【0064】
当業者であれば、本明細書で述べられた方法又はアルゴリズムのうちの多くが付加的な行為を利用してもよく、いくつかの行為を省略してもよく、及び/又は所定とは異なる順序で行為を実行してもよいことを認識するであろう。一例として、少なくともいくつかの実施例では、非接触電圧測定システム検証ユニットは、命令を実行するためにプロセッサを利用しないことがある。例えば、非接触電圧測定システム検証ユニットは、本明細書で論じられた機能のうちのいくつか、又は全てを提供するために物理的に組み込まれてもよい。それに加えて、少なくともいくつかの実施例では、非接触電圧測定システム検証ユニットは、本明細書で論じられた様々な機能を生じさせるか又は開始するためにプロセッサを利用しないことがある。例えば、かかる非接触電圧測定システム検証ユニットは、検証ユニットに絶縁ワイヤ212上でAC電圧を出力させる、ユーザ始動ボタン等の1つ又は複数の別個の入力に依存してもよい。
【0065】
それに加えて、当業者であれば、本明細書で教示された機構が、様々な形式のプログラム製品として配布され得ること、及び、例示的な実施例が、現実に配布を実行するために使用される特定タイプの信号担持媒体に関わらず等しく適用されることを理解するであろう。信号担持媒体の例としては、例えばフロッピーディスク、ハードディスクドライブ、CD ROM、デジタルテープ、及びコンピュータメモリ等の記録可能タイプ媒体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0066】
上記の様々な実施例は、更なる実施例を提供するために組み合わされてもよい。本明細書の特定の教示及び定義と矛盾しない限り、2016年11月11日に出願された米国仮特許出願第62/421,124号が参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0067】
上記の説明を考慮すれば、実施例へのこれらの及び他の変更を行うことができる。概して、次の請求項において、使用される用語は、請求項を明細書及び請求項で開示された特定の実施例に限定すると解釈されるべきではないが、かかる請求項が権利を与えられたものの等価物の全範囲と共に全ての考えられる実施例を含むと解釈されるべきである。したがって、請求項は、開示内容によって限定されない。