(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-29
(45)【発行日】2022-04-06
(54)【発明の名称】ピットの床面構造、及びこれに用いられる車両用リフト装置
(51)【国際特許分類】
B66F 7/28 20060101AFI20220330BHJP
B60S 9/10 20060101ALI20220330BHJP
【FI】
B66F7/28 M
B60S9/10
(21)【出願番号】P 2017225466
(22)【出願日】2017-11-24
【審査請求日】2020-11-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 展示会での公開 展示日:2017年6月1日~3日 展示会名:第35回 オートサービスショー2017 展示場所:東京ビッグサイト東京国際展示場 公開者:株式会社アルティア 出品の内容:ピットを備えた工場の床面を想定して、ピットの開口部分に多数のピットカバを配列し、このピットカバ間が開閉される、というピットの床面構造の発明の内容を公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】000226600
【氏名又は名称】株式会社アルティア
(74)【代理人】
【識別番号】100080366
【氏名又は名称】石戸谷 重徳
(72)【発明者】
【氏名】新井 仁
(72)【発明者】
【氏名】池渕 武
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 勝己
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-001529(JP,A)
【文献】特開2002-116118(JP,A)
【文献】特開2017-198690(JP,A)
【文献】特開平10-044945(JP,A)
【文献】特開2000-044184(JP,A)
【文献】実開平03-060051(JP,U)
【文献】特開2007-234498(JP,A)
【文献】特開平03-232695(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0149520(US,A1)
【文献】特開2000-159492(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 7/00 - 7/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピットを備えた工場において、前記ピットの床面開口部に移動可能に配列された幅方向の多数のピットカバ一と、前記多数のピットカバ一を閉塞方向に付勢するピットカバ一付勢手段と、前記ピット内の長手方向に移動可能に設置されて、前記ピットカバ一付勢手段の開放時、前記多数のピットカバ一の任意の位置の隣接する両ピットカバ一の少なくとも、一方を移動させて、前記両ピットカバ一間に作業用開口部を形成するピットカバ一開口形成手段とからなり、前記ピット内に設置された作業装置の使用時、前記ピットカバ一開口形成手段により前記作業用開口部を形成させることを特徴とするピットの床面構造。
【請求項2】
前記作業装置回りの作業用開口部を塞ぐ装置部ピットカバ一を有することを特徴とする請求項1記載のピットの床面構造。
【請求項3】
前記ピットカバ一が、概略断面コの字型で、その開口部が下向きにピットの床面開口部に配列される部材であることを特徴とする請求項1、又は請求項2記載のピットの床面構造。
【請求項4】
前記ピットカバ一付勢手段が、伸縮ロッドを有する付勢用伸縮シリンダであることを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3記載のピットの床面構造。
【請求項5】
前記ピットカバ一開口形成手段が、前記ピット内の長手方向に移動可能に設置された伸縮ロッドを有する開口用伸縮シリンダからなり、その伸縮ロッドを、前記隣接するピットカバ一の少なくとも、一方側に係止して移動させて、前記隣接する両ピットカバ一間に作業用開口部を形成させることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、又は請求項4記載のピットの床面構造。
【請求項6】
前記ピットカバ一開口形成手段の開口用伸縮シリンダを前記作業装置側に設置したことを特徴とする請求項5記載のピットの床面構造。
【請求項7】
前記装置部ピットカバ一が、予め、前記作業装置に組み付けられ、前記作業装置側から上昇されて、前記作業装置回りの作業用開口部を塞ぐことを特徴とする
請求項2記載のピットの床面構造。
【請求項8】
前記ピットの床面開口部の長手方向の両縁部の少なくとも一方側で、前記配列された幅方向の多数のピットカバ一間の境界部分に発光部を配列すると共に、前記作業装置には位置検知センサを設け、かつ前記多数のピットカバ一の背面側には前記位置検知センサによって検知されるセンサ被検知体を設けて、前記作業装置の前記ピットの床面開口部の長手方向での移動時、前記位置検知センサとセンサ被検知体との検知信号により前記作業装置の移動位置に対応する発光部を発光させることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、又は請求項7記載のピットの床面構造。
【請求項9】
前記ピットの床面構造において使用される作業装置で、前記装置部ピットカバ一が、予め、組み付けられていることを特徴とする
請求項2、又は請求項7記載の車両用リフト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピットを備えた工場におけるピットの床面構造、及びこれに用いられる車両用リフト装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の整備工場にあっては、地下にピット(地下室)を作って、そこに車両用リフト装置を設置し、これによって整備車両を持ち上げると共に、ピットの床面開口部には、 ピットカバ一を、踏み板として配列させて、そこで整備作業を行う形態の工場がある。
【0003】
この形態の整備工場では、車両用リフト装置の不使用時には、車両用リフト装置をピット内に収容させておき、ピットの床面開口部をピットカバ一で塞いでおけばよいので、工場を広く使えるという利点がある。特に、地価の高い地域にあっては、工場敷地が少なくて済むため、地価コストの低減が得られる。
【0004】
ところが、一方で、ピットの床面開口部を塞ぐ構造が複雑になり易い、という問題点があった。このため、従来から、さまざまな構造が提案されている。例えば、多数のピットカバ一を、キャタピラ方式に連結させて、ピットの床面開口部を開閉させる方法がある(特許文献1及び2)。しかし、キャタピラ方式の構造であると、構造上、スムーズなピットカバ一の収納を確保するためには、隣接するピットカバ一同士の当接面間に面取りする必要があった。この結果、キャタピラ方式では、構造が複雑になる、というだけではなく、ピットカバ一同士の当接面間に凹み部が発生する、という避けられない問題点があった。つまり、ピットカバ一配列のほぼ完全なフルフラット化は困難であった。さらに、大型のバスやトラックなどの整備車両では、ピットカバ一の移動量が大きくなるため、その分、作業効率が低下する、という問題点もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-296805号公報
【文献】特開2017-001529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ピットを備えた工場において、床面のフルフラット化を図ったピットの床面構造と、この床面構造で用いられる車両用リフト装置に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1の発明は、ピットを備えた工場において、 前記ピットの床面開口部に移動可能に配列された幅方向の多数のピットカバ一と、前記多数のピットカバ一を閉塞方向に付勢するピットカバ一付勢手段と、前記ピット内の長手方向に移動可能に設置されて、前記ピットカバ一付勢手段の開放時、前記多数のピットカバ一の任意の位置の隣接する両ピットカバ一の少なくとも、一方を移動させて、前記両ピットカバ一間に作業用開口部を形成するピットカバ一開口形成手段とからなり、前記ピット内に設置された作業装置の使用時、前記ピットカバ一開口形成手段により前記作業用開口部を形成させることを特徴とするピットの床面構造にある。
【0008】
本発明の請求項2の発明は、前記作業装置回りの作業用開口部を塞ぐ装置部ピットカバ一を有することを特徴とする請求項1記載のピットの床面構造にある。
【0009】
本発明の請求項3の発明は、前記ピットカバ一が、概略断面コの字型で、その開口部が下向きにピットの床面開口部に配列される部材であることを特徴とする請求項1、又は請求項2記載のピットの床面構造にある。
【0010】
本発明の請求項4の発明は、前記ピットカバ一付勢手段が、伸縮ロッドを有する付勢用伸縮シリンダであることを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3記載のピットの床面構造にある。
【0011】
本発明の請求項5の発明は、前記ピットカバ一開口形成手段が、前記ピット内の長手方向に移動可能に設置された伸縮ロッドを有する開口用伸縮シリンダからなり、その伸縮ロッドを、前記隣接するピットカバ一の少なくとも、一方側に係止して移動させて、前記隣接する両ピットカバ一間に作業用開口部を形成させることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、又は請求項4記載のピットの床面構造にある。
【0012】
本発明の請求項6の発明は、前記ピットカバ一開口形成手段の開口用伸縮シリンダを前記作業装置側に設置したことを特徴とする請求項5記載のピットの床面構造にある。
【0013】
本発明の請求項7の発明は、前記装置部ピットカバ一が、予め、前記作業装置に組み付けられ、前記作業装置側から上昇されて、前記作業装置回りの作業用開口部を塞ぐことを特徴とする請求項2記載のピットの床面構造にある。
【0014】
本発明の請求項8の発明は、前記ピットの床面開口部の長手方向の両縁部の少なくとも一方側で、前記配列された幅方向の多数のピットカバ一間の境界部分に発光部を配列すると共に、前記作業装置には位置検知センサを設け、かつ前記多数のピットカバ一の背面側には前記位置検知センサによって検知されるセンサ被検知体を設けて、前記作業装置の前記ピットの床面開口部の長手方向での移動時、前記位置検知センサとセンサ被検知体との検知信号により前記作業装置の移動位置に対応する発光部を発光させることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、又は請求項7記載のピットの床面構造にある。
【0015】
本発明の請求項9の発明は、前記ピットの床面構造において使用される作業装置で、前記装置部ピットカバ一が、予め、組み付けられていることを特徴とする請求項2、又は請求項7記載の車両用リフト装置にある。
【発明の効果】
【0016】
本発明の請求項1の発明によると、ピットを備えた工場において、ピット内の作業装置の不使用時には、多数のピットカバ一により、ピットの床面開口部が塞がれるため、安全で、広く、作業性に優れた工場(作業)床面が得られる。また、多数のピットカバ一は、単にピットの床面開口部に移動可能に配列するだけの構成であるため、構造が簡単で、コスト低減が可能である。
【0017】
本発明の請求項2の発明によると、作業装置回りの作業用開口部も、装置部ピットカバ一により、塞がれるため、迅速に安全で、広く、作業性に優れた工場床面が得られる。
【0018】
本発明の請求項3の発明によると、ピットカバ一が、概略断面コの字型の部材、例えば、鋼材の成形品、組付け品で済むため、安価な提供が可能である。
【0019】
本発明の請求項4の発明によると、ピットカバ一付勢手段が、伸縮ロッドを有する付勢用伸縮シリンダであるため、簡単な構成で、確実な付勢(固定)状態が得られる。
【0020】
本発明の請求項5の発明によると、ピットカバ一開口形成手段が、伸縮ロッドを有する開口用伸縮シリンダであるため、簡単な構成で、確実な開口状態が得られる。
【0021】
本発明の請求項6の発明によると、ピットカバ一開口形成手段の開口用伸縮シリンダを、作業装置側に設置して、開口用伸縮シリンダ用独自の取付け手段を不要とした、兼用型の構成としてあるため、確実で安価な提供が可能である。
【0022】
本発明の請求項7の発明によると、装置部ピットカバ一が、予め、作業装置に組み付けられて、装置部ピットカバ一用独自の据付け手段を不要とした、兼用型の構成としてあるため、確実で安価な提供が可能である。
【0023】
本発明の請求項8の発明によると、位置検知センサによって作業装置の移動位置に対応する発光部が発光するため、整備作業者は、事前にピット内における作業装置の動きや、ピットカバ一部分における床面開口部の形成位置を知ることができ、危険防止の観点から、高い安全性が得られる。
【0024】
本発明の請求項9の発明によると、作業装置が車両用リフト装置であって、予め、装置部ピットカバ一が組み付けてあるため、車両用リフト装置の動作に同動して、装置部ピットカバ一を確実に付設することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明に係る工場のピットの床面構造において、2台の作業装置である車両用リフト装置を上昇させた状態の一例を示した概略斜視図である。
【
図2】本発明に係る工場のピットの床面構造とこれに搬入させる整備車両の一例を示した概略平面図である。
【
図3】本発明に係る工場のピットの床面構造に整備車両を搬入させた状態の一例を示した概略縦断面図である。
【
図4】
図3の整備車両を持ち上げた状態の一例を示した概略縦断側面図である。
【
図5】
図4におけるピットの床面構造と本発明に係る一方の車両用リフト装置を示した部分拡大縦断側面図である。
【
図6】
図5におけるピットカバ一付勢手段の一例を示した部分拡大斜視図である。
【
図9】本発明の車両用リフト装置における装置部ピットカバ一の組み付け状態を示した要部の拡大斜視図である。
【
図10】
図5の状態から、ピットカバ一を開口させて作業用開口部を形成させた状態を示した部分拡大縦断側面図である。
【
図11】
図10の作業用開口部から、車両用リフト装置の上昇途上を示した状態の部分拡大縦断側面図である。
【
図12】
図11の状態における、車両用リフト装置における装置部ピットカバ一の動作状態を示した要部の拡大斜視図である。
【
図13】
図10の作業用開口部から、車両用リフト装置の上昇時を示した状態の部分拡大縦断側面図である。
【
図14】
図13の状態における、車両用リフト装置における装置部ピットカバ一の動作状態を示した要部の拡大斜視図である。
【
図15】
図13の状態から、車両用リフト装置の装置部ピットカバ一と前後のピットカバ一との当接状態を示した部分拡大縦断側面図である。
【
図16】
図15の状態から、車両用リフト装置の下降途上を示した状態の部分拡大縦断側面図である。
【
図17】
図16の状態から、ピットカバ一の作業用開口部を閉じた状態を示した部分拡大縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1において、100は本発明の一例になるピットの床面構造、200A、200Bは本発明の一例になる作業装置の車両用リフト装置である。ピットの床面構造100は、車両整備工場のピット10の床面開口部11の長手方向に移動可能に配列された幅方向の多数のピットカバ一110からなる。車両用リフト装置200A、200Bは、ピット10内に設置された作業装置であって、不使用時には、ピット10内に収納されており、使用時には、
図1のように、リストポスト(昇降軸)210のリフト受台220を上昇させて、
図4に示すように、整備車両(検査車両や塗装車両など、全ての車両を含む)Cを持ち上げるものである。 なお、本発明における作業装置としては、この車両用リフト装置200A、200Bに限定されるものではない。
【0027】
ピットカバ一110は、本実施の態様では、同じ幅、同じ厚さ(高さ)の概略断面コの字型の鋼材の成形品や組付け品などで構成してある。そして、コの字型の開口部を下向きにして、ピット10の床面開口部11の長手方向に移動可能に配列してある。ピットカバ一110の移動可能な手段は、特に限定されないが、例えば、
図8に示すように、ピットカバ一110の両端部に回転コロ111を設けて、ピット10の床面開口部11側に設けたピットカバ一レール20に転接させるようにするとよい。なお、本発明では、ピットカバ一110の両端部を直接、又は両端部に設けたシャフト軸部を介して、ピットカバ一レール20に摺接させてもよい。ピットカバ一110は、後述するように、外力により強制的に移動させられるため、摺接でも、特に問題はない。
【0028】
多数のピットカバ一110は、勿論、配列した状態で、ピット10の床面開口部11と同一の高さとなる厚さ(高さ)に設定してある。 このため、多数のピットカバ一110を配列するだけで、本発明のピットの床面構造100の部分は、工場の床面高さと同一になって、フルフラットな床面が得られる。また、各ピットカバ一110の互いに接触する表面縁部には、従来のキャタピラ方式のピットカバ一のように、面取り処理も必要なく、鉛直に形成してあるため、隣接する両ピットカバ一110、110間の表面縁部に凹み部が生じることもなく、理想的なフルフラット化が得られる。また、概略断面コの字型の場合、構造的に高強度のものが得られるため、その部材が薄くてよく、軽量化、低コスト化も図られる。 なお、本発明のピットカバ一110は、概略断面コの字型の鋼材の成形品や組付け品などに限定されない。その形状や構造も、特に限定されない。強化プラスチックなどを用いた高強度の複合材などで構成することもできる。
【0029】
車両用リフト装置200Aは、整備車両Cの後方(リア)を持ち上げるもので、車両の車種(車輪長さ)によって、持ち上げる部位(位置)が異なるため、
図3に示すように、整備車両Cに対応して、ピット10内の長手方向に移動可能に設置してある。この車両用リフト装置200Aの上昇時には、それまで閉じている多数のピットカバ一110の配列部分において、リフト装置の作業用開口部Sを形成する必要がある。つまり、
図10に示すように、隣接する両ピットカバ一110、110を、それぞれピット10の長手方向の前後に移動させて、作業用開口部Sを形成することになる。なお、本発明では、この作業用開口部Sの形成に当たって、両ピットカバ一110、110を前後に移動させる構成に限定されない。一方のピットカバ一110のみを移動させてもよい。つまり、ピットカバ一の移動の形態は、特に限定されない。
【0030】
車両用リフト装置200Bは、整備車両の前方(フロント)を持ち上げるもので、整備車両Cの前輪が止まる(位置する)部分には、幅方向に延び、好ましくは、適当な厚みや中央に凹み部などのある車輪受け30を設けるとよい。これが、車両搬入者の目印となり、また、適当な厚みや凹み部などが車両搬入者に適度のショックを与えるため、所定の位置に前輪が、納まったことを車両搬入者に体感的に知らせることができ、スムーズな搬入が可能となる。
【0031】
この前輪用の車両用リフト装置200Bの場合、基本的には、どの車両でも、同じ場所でよいため、ピット10の長手方向に移動させる必要はなく、固定式としてある。このため、この車両用リフト装置200B側には、本発明のピットの床面構造100を設ける必要性が低いため、その対応は省略してある。 勿論、必要により、このリフト装置200B側にも、本発明のピットの床面構造100を設けることは可能である。
【0032】
また、車両用リフト装置200Aにおいて、その使用時(上昇時)には、リフト受台220のリストポスト210の装置回りには、通常、隙間が生じる。このため、車両用リフト装置200Aには、予め、この隙間を塞ぐため、専用の装置部ピットカバ一(フラットカバ一など)120が組み付けてある。この車両用リフト装置200Aの場合、隣接する両ピットカバ一110、110の移動により作業用開口部Sが形成されて、ここから、リストポスト210が上昇するため、この作業用開口部Sにおいて、装置回りの隙間が生じる。この隙間は、整備車両Cの車種によって、その場所が異なるため、危険度が高く、是非とも、塞ぐ必要のある隙間と言える。従って、予め、車両用リフト装置200Aに装置部ピットカバ一120が組み付けてあれば、後述するように、リフト装置の駆動、リストポスト210の上昇と同動して、この隙間を自動的に塞ぐことができる。これによって、本発明では、リフト装置の使用時にあっても、広く、安全で、作業性に優れた、フルフラット化の図られた工場床面が得られる。本発明の場合、勿論、装置部ピットカバ一120の表面高さが、ピットカバ一110の高さ、及び工場の床面高さと同じになるように設定してある。
【0033】
なお、車両用リフト装置200Bにおいても、リフト受台220で塞がれていた部分がリストポスト210の上昇によって、装置回りの隙間が生じる。 このため、車両用リフト装置200Aの場合と同構造の、装置部ピットカバ一120を有するリフト装置として、装置回りの隙間を自動的に塞ぐものとする。
図1では、車両用リフト装置200B側にも、車両用リフト装置200Aの場合と同構造の装置部ピットカバ一120を有する態様として示してある。ただし、車両用リフト装置200Bの場合、固定式であって、車両用リフト装置200Aのような移動部分は不要であるため、装置部ピットカバ一120を有するリフト装置であれば、特に限定されない。
【0034】
以下において、本発明について、より詳細に説明する。
図2に示すように、車両用リフト装置200A、200Bに対する整備車両Cの搬入前には、ピット10の床面開口部11の全面が、多数のピットカバ一110の配列によって塞がれて、本発明のフルフラットなピットの床面構造100が形成されている。このため、安心して、車両搬入者は、整備車両Cを搬入させることができる。
【0035】
図3は、整備車両Cを所定の位置に搬入させた状態を示す。この状態では、整備車両Cの前輪を車輪受け30に載せて止める。この後、整備車両Cの車種に対応させて(車種により大きさ、すなわち長さが異なるため)、ピット10内の車両用リフト装置200Aを、所定のリフト位置に移動させる。この移動は、図示しないが、リフト装置用のリフトコントローラ(コンピューターなどの内蔵されたリフト制御装置)によって行うものとする。リフトコントローラの記憶部には、必要な車輪車種情報などを記憶(保存)させてあり、好ましい例として、付属のリモコン(リモートコントーラ)によって、操作できるように設定してある。 例えば、リモコンで、整備車両Cの車種を決定すれば、車両用リフト装置200Aの収納位置から、車種に対応した、リフト位置をリフトコントローラで演
算して、車両用リフト装置200Aをそのリフト位置に自動的に移動させることができる。勿論、手動で行うこともできる。
【0036】
この車両用リフト装置200Aの場合、使用前には、多数のピットカバ一110で塞がれたピット10内にあるため、整備作業者は、その収納位置を目視できない。しかし、危険防止などの観点から、予め、整備作業者は、車両用リフト装置200Aの収納位置や、その後の移動位置を知っていることが望ましい。特に、リフト位置にあっては、リフト装置の上昇用として、隣接する両ピットカバ一110、110が移動して、一種の穴である、作業用開口部Sが形成されるため、整備作業者は、是非とも、事前に知っていることが望まれる。
【0037】
このため、本発明では、多数のピットカバ一110の端部に相当するピット10の床面開口部11の長手方向の両縁部には、
図2に示すように、多数の発光部130(発光ダイオードなど)を配列させてある。具体的には、配列された多数のピットカバ一110、110間の境界部やその近傍に配列させてある。 そして、後述するように、車両用リフト装置200Aの移動時には、その移動に連動させて、発光部130が発光するように設定してある。勿論、この作動は、リフトコントローラによって自動的に行うようにしてある。
これにより、整備作業者は、その作業中において、事前に車両用リフト装置200Aのピット10内における移動位置、及びピットの床面構造100における作業用開口部Sの形成位置を知ることができる。これによって、高い安全性が得られる。なお、多数の発光部130の配列は、ピット10の床面開口部11の長手方向の両縁部に限定されず、いずれの一方側とすることもできる。また、無線式の発光部130をピットカバ一110側に設けることも可能である。
【0038】
図4は、各車両用リフト装置200A、200Bを上昇させて、整備車両Cを所定の作業位置に上昇させた状態を示す。この状態において、整備作業者は、整備車両Cの下に入り、所定の整備作業を行うことになる。このとき、ピット10の床面開口部11は、多数のピットカバ一110によるピットの床面構造100と各車両用リフト装置200A、200Bの装置部ピットカバー120とによって塞がれているため、フルフラットな床面が形成される。従って、整備作業者は安全に作業することができる。
【0039】
ピットの床面構造100において、多数のピットカバ一110が閉じているとき、不用意にピットカバ一110が動く(移動する)と、危険であるから、この閉塞状態は確実に付勢(固定)させておく必要がある。このため、本発明では、ピットカバ一配列の各最外方の両ピットカバ一110、110には、
図5に示すように、前後にピットカバ一付勢手段140、140が設けてある。 本実施の態様では、付勢用伸縮シリンダを用い、これを、ピット10の床面開口部11の表面寄りに設置し、それぞれの伸縮ロッド141、141を最外方側の両ピットカバ一110、110に連結させてある。 具体的には、例えば、
図6に示すように(図中、右端側は省略)、付勢手段用ブラケット(取付け部材)142、142をピット10の幅方向に設けて、このブラケットに付勢用伸縮シリンダ140を取付けてある。
【0040】
図5における、前後の各ピットカバ一付勢手段140、140の伸縮ロッド141、141を伸長させることで多数のピットカバ一110が付勢(固定)されることになる。逆に、各ピットカバ一付勢手段140、140による付勢圧を解けば、多数のピットカバ一110の付勢が解除されることになる。この解除により、任意の隣接する両ピットカバ一110、110が移動可能となるため、リフト装置の作業用開口部Sを形成することができる。なお、ピットカバ一付勢手段140は、付勢用伸縮シリンダに限定されない。例えば、圧縮されたコイルスプリングなどの弾性体、さらには、後述する、ガススプリングによる付勢手段とすることもできる。また、ピットカバ一付勢手段140としては、前後2台を用いる場合に限定されない。1台で1枚のピットカバ一110を移動させる構成とすることもできる。
【0041】
また、
図5において、使用される車両用リフト装置200Aは、本発明独自の構成部分である、装置部ピットカバ一120の組み付け部分を除けば、基本的には、通常のリフト装置と同構成のものでよい。そして、この要部を拡大すると、
図7及び
図8の如くである。この点については、車両用リフト装置200Bの場合も、同様である。
【0042】
この車両用リフト装置200Aのリフト装置本体部230には、例えば、油圧ユニット部240と種々の部品が組み付けられる枠体フレーム250を有してなる。 この枠体フレーム250の中央貫通部には、リフト受台220のリフトポスト210が昇降可能に装着されている。 このリフトポスト210の内部には、
図6や
図9に示すように、昇降用シリンダ211が組み付けてあり、これによって、昇降できるようになっている。
【0043】
枠体フレーム250には、
図8に示すように、ピット10の両側壁面に設けたリフト走行用レール40、40に装着される、例えば、前後左右4個の走行車輪251が設けてあって、これが、同じく、この枠体フレーム250に付設された伝動モータ252、伝動チェン253、スプロケット254、255などの動力伝動系によって、回転駆動されるようになっている。従って、この伝動モータ252を回転駆動させれば、車両用リフト装置200Aをピット10の長手方向に移動させることができる。また、リフトポスト内蔵の昇降用シリンダ211を伸縮駆動させれば、車両用リフト装置200Aのリフトポスト210を自在に昇降させることができる。
【0044】
また、枠体フレーム250の上面側には、
図5、
図7及び
図8に示すように、その前後(ピット10の長手方向)及び左右に、任意の位置における、隣接する両ピットカバ一110、110を前後に移動させて、開き、作業用開口部Sを形成するための、複数のピットカバ一開口形成手段150が設けてある。本実施の態様において、具体的には、横向きに設置された開口用伸縮シリンダ151で構成し、このシリンダの伸縮ロッド151a側に対して、縦向きに設置された係止用伸縮シリンダ152を取付けてなる。この構成から、前後の開口用伸縮シリンダ151、151のシリンダの伸縮ロッド151a、151aが伸長されると、前後の係止用伸縮シリンダ152、152の伸縮ロッド152a、152a間の間隔(長さ)が大きくなる。
【0045】
このとき、この係止用伸縮シリンダ152、152の伸縮ロッド152a、152aを伸長させれば、
図10に示すように、伸縮ロッド152a、152aがピットカバ一110の概略断面コの字型の内側の縁部に係止して、隣接する両ピットカバ一110、110を前後に移動させて、開き、作業用開口部Sを形成することができる。このとき、前後のピットカバ一開口形成手段150、150側にあっては、少なくとも、移動する最外方のピットカバ一110、110を受け入れるスペースが必要なため、最外方のピットカバ一110、110側には、これを底面側に受け入れるピットカバ一用の終端部カバ一パネル121、121が、
図1に示すように、設置してある。 勿論、床面のフルフラット化のため、終端部カバ一パネル121としては、強度のある薄手の金属板を用いるとよい。勿論、本発明はこの金属板に限定されない。この終端部カバ一パネル121、121の外側(最外方のピットカバ一110、110の反対側)には、ピット10内のピットカバ一付勢手段140、140の上方を覆うピット床パネル122、122を設置してある。このピット床パネル122は工場床面と同一高さの部材であれば、特に限定されない。ピットカバ一110と同構造とする概略断面コの字型のパネルであってもよい。これによってコスト低減が図れる。
【0046】
また、枠体フレーム250の上面側には、
図7及び
図8に示すように、近接センサなどの位置検知センサ260が設置してあり、また、この位置検知センサ260により検知されるセンサ被検知体160が、例えば、ピットカバ一110の内側から吊設させたセンサブラケット(接触子)として設けてある。 従って、これらの位置検知センサ260及びセンサ被検知体160の働きによって、車両用リフト装置200Aの動き(移動)を検知して、ピット10の床面両縁部に設置させた発光部130を発光させることができる。
【0047】
具体的には、好ましい態様として、
図5に示すように、位置検知センサ260とセンサ被検知体160の検知位置(接触位置)において、丁度、車両用リフト装置200Aのリフトポスト210のセンタ(中心軸)が、隣接する両ピットカバ一110、110の境界部分、すなわち両ピットカバ一110、110が開いて、作業用開口部Sが形成される位置になったとき、発光部130を発光させるように設定してある。なお、これらの位置検知センサ260とセンサ被検知体160は、本実施の態様における、近接センサや接触子による接触式のものに限定されない。磁気センサとセンサ磁性体による磁気的な非接触式のものや、発光素子と受光素子による光学式のものなども使用することができる。さらには、位置を検知する機能のあるセンサであれば、広くその他のセンサも使用することができる。また、位置検知センサとセンサ被検知体の取付け位置なども、特に限定されない。
作業用開口部Sの形成位置を検知できる構成であれば、他の構成、方法も、広く含むものとする。
【0048】
このようにして、車両用リフト装置200Aの使用時、リフト装置が動けば、近接センサ260の働きによって、リフト装置に対応する位置の発光部130が発光するため、整備作業者は、リフト装置の移動位置を知ることができる。例えば、先ず、近接センサ260が、最も近いピットカバ一110のセンサ被検知体160と接触して、このピットカバ一110に対応する発光部130が発光されるというように、リフト装置の移動位置に対応して、次々と別の発光部130が発光される。そして、最終的には、リフト装置がリフト位置で停止するため、この停止位置に対応する発光部130が発光して、発光し続けることになる。これによって、勿論、整備作業者は、本来は見えないピット10内における、車両用リフト装置200Aの移動位置を、タイムリーに知ることができる。特に、リフト位置では、隣接する両ピットカバ一110、110が開いて、リフト装置のための、作業用開口部Sが形成される部分であるため、危険防止の観点から、整備作業者にとっては、是非とも、知りたい位置と言える。なお、近接センサ260の検知信号は、リフトコントローラにより処理して、発光部130を発光させるように設定してある。
【0049】
さらに、枠体フレーム250の幅方向の左右側には、
図9、
図12及び
図14に示すように、リフトフランジ部材257に固着された各2個のコの字型などのガススプリング用ブラケット258を介して、左右各2本のガススプリング270が設けてある。このガススプリング270の他端(図中上端側)は、枠体フレーム250側に組み付けられた装置部ピットカバ一120に連結させてある。 このガススプリング270により車両用リフト装置200Aのリフトポスト210が上昇すると、この上昇に同動して、装置部ピットカバ一120が上昇し、最終的には、
図14に示すように、この装置部ピットカバ一120の表面高さが、ピット10の床面開口部11におけるピットカバ一110の表面高さと同一となるように設定してある。 このガススプリング270は、リフト装置が駆動して、装置部ピットカバ一120に対する負荷が解除されると、そのスプリング機能を動作させて、装置部ピットカバ一120を押し上げるものである。その弾性力は強く、押し上げられた装置部ピットカバ一120に整備作業者が作業中に乗っても、通常、動くことはない。 本発明では、このガススプリング270に限定されず、通常の一般的な伸縮シリンダに変えて、同様の動作をさせることもできる。
【0050】
図5における、車両用リフト装置200Aのリフト位置から、隣接する両ピットカバ一110、110を移動させて、作業用開口部Sを形成するには、
図10に示すように、前後のピットカバ一開口形成手段150、150を駆動させることで行う。つまり、先ず、ピットカバ一開口形成手段150、150の前後の係止用伸縮シリンダ152、152の伸縮ロッド152a、152aをそれぞれ伸長させる。そうすると、各伸長された伸縮ロッド152a、152aが両ピットカバ一110、110の概略断面コの字型の下向きの側壁面に係止される(引っ掛かる)高さとなる。この状態から、次に、前後の開口用伸縮シリンダ151、151の伸縮ロッド151a、151aを伸長させれば、隣接する両ピットカバ一110、110が前後に移動させられて、作業用開口部Sが形成される。
本実施の態様では、ピットカバ一110の概略断面コの字型の下向きの側壁面を係止部として用いたが、これに限定されない。例えば、ピットカバ一110をフラットな平板としたときには、底面側に係止片などの突出部を設けて、係止部とすることができる。このことは、ピットカバ一110が概略断面コの字型の場合、特に、係止部を設ける必要がなく、下向きにするだけで、その側壁面を係止部として、利用することができるため、係止部形成のコスト低減が図られる。
【0051】
本発明の場合、作業用開口部Sを形成するにおいて、ピットカバ一110の移動量は極めて少なくて済む構成である。本実施の態様のように、2枚のピットカバ一110、110を移動させる場合には、各ピットカバ一110、110の移動量は作業用開口部S幅の半分でよい。1枚のピットカバ一110を移動させる場合でも、その移動量は作業用開口部S幅で済む。これは、従来のキャタピラ方式のピットカバ一の移動量に比べると、大幅に小さくなり、迅速な動作が可能となる。つまり、優れた作業性が得られる。
【0052】
このようにして、作業用開口部Sが形成されたら、
図11及び
図13に示すように、車両用リフト装置200Aを駆動させて、リストポスト210とリフト受台220を所定の作業位置まで上昇させる。これによって、整備車両Cは持ち上げられる。この動作中、リフト受台220の上昇によって、装置部ピットカバ一120が無負荷状態となって、開放されるため、枠体フレーム250側のガススプリング270が働いて、装置部ピットカバ一120は、作業用開口部Sにおいて、装置回りに発生する隙間を自動的に塞ぐことになる。これによって、整備作業者は、面倒な装置回りの隙間に対する解消に煩わされることもなく、装置部ピットカバ一120及び多数のピットカバ一110が、一体となって、ピット10の床面開口部11が塞がれることになり、安全性、作業性が高く、広い、フルフラット化の図られた工場床面が得られる。
【0053】
このように、作業用開口部Sにおける装置回りの隙間は、装置部ピットカバ一120で自動的に塞がれるわけであるが、この状態を、より確実なものとするためには、
図15に示すように、装置部ピットカバ一120とこれと当接する前後のピットカバ一110、110を強制的に押圧して、一体化させるとよい。 つまり、前後のピットカバ一付勢手段140、140を駆動させて、すなわち、それらの付勢用伸縮シリンダの伸縮ロッド141、141を少々伸長(微調整的な伸長)させて、前後のピットカバ一110、110を装置部ピットカバ一120の前後の壁面に押し当てることにする。
【0054】
このフルフラット化された工場床面で、整備作業が終わると、
図16に示すように、車両用リフト装置200Aを、リモコンの操作などによって、降下させる。 この降下時には、ピットカバ一開口形成手段150、150の前後の係止用伸縮シリンダ152、152の伸縮ロッド152a、152aが収縮されるように設定してあるため、伸縮ロッド152a、152aの収縮は自動的に行われる。 なお、この降下にあたっては、
図15に示した装置部ピットカバ一120とこれと当接する前後のピットカバ一110、110の押圧による一体化は当然、解除する。
【0055】
この後は、
図17に示すように、前後のピットカバ一付勢手段140、140が駆動して、すなわち、それらの付勢用伸縮シリンダの伸縮ロッド141、141が伸長して、各最外方の両ピットカバ一110、110が強制的に移動させられ、それに伴って、各内側のピットカバ一配列群が一緒に移動するため、作業用開口部Sは塞がれる。勿論、これらの動作も、自動的に行われるように設定してある。 これにより、本発明のピットの床面構造100が形成され、整備作業者にとって、安全性、作業性が高く、広い、フルフラット化の図られた工場床面が得られる。
【0056】
本発明のピットの床面構造100において、本実施の態様では、車両用リフト装置200Aが1台の場合であったが、本発明はこれに限定されない。必要であれば、台数を増やすことができる。整備車両Cが大型のバスやトラックなどの場合には、2台とすればよい。これによって、安定した持ち上げが可能となる。
【0057】
次に、本発明のピットの床面構造100で用いられる、作業装置としての、本発明の車両用リフト装置200Aであるが、このリフト装置については、これまでの説明によって、既に、明らかにしてあるから、その説明は省略する。 基本的には、装置部ピットカバ一120の組み付け部分を除けば、通常の一般的なリフト装置と同じ構造のもと言える。
【符号の説明】
【0058】
10・・・ピット、11・・・ピットの床面開口部、 100・・・ピットの床面構造、110・・・ピットカバ一、120・・・装置部ピットカバ一、130・・・発光部、140・・・ピットカバ一付勢手段、150・・・ピットカバ一開口形成手段、200A、200B・・・車両用リフト装置、210・・・リフトポスト、220・・・リフト受台、260・・・位置検知センサ、