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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-29
(45)【発行日】2022-04-06
(54)【発明の名称】プローブ組立体及びプローブユニット
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/073 20060101AFI20220330BHJP
【FI】
G01R1/073 D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018067484
(22)【出願日】2018-03-30
(65)【公開番号】P2019178925
(43)【公開日】2019-10-17
【審査請求日】2020-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000153018
【氏名又は名称】株式会社日本マイクロニクス
(74)【代理人】
【識別番号】100095452
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 博樹
(72)【発明者】
【氏名】清野 洋二
(72)【発明者】
【氏名】赤平 恵
(72)【発明者】
【氏名】山口 恒
【審査官】島田 保
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-281360(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101303370(CN,A)
【文献】特開2012-007987(JP,A)
【文献】特開2012-132891(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0090037(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/073
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブ支持体と、
前記プローブ支持体の第1方向における両端部に取り付けられているサイドカバーと、
前記両端部のサイドカバーに固定され、前記第1方向における一方側のサイドカバーから前記第1方向における他方側のサイドカバーまで延設されるバー部材と、
前記バー部材を通す貫通穴を有するとともに前記第1方向と交差する第2方向に延設され、前記一方側のサイドカバーと前記他方側のサイドカバーとの間に複数配置されるブレード型プローブと、
を備え、
前記ブレード型プローブは、被検査体に接触させる接触端を各々有し、
前記ブレード型プローブとして、前記第1方向に沿う第1列に各々の接触端が並ぶように配置される複数の第1列用ブレード型プローブと、前記第2方向において前記第1列とは異なる位置に形成される列であって前記第1方向に沿う第2列に各々の接触端が並ぶように配置される複数の第2列用ブレード型プローブと、を有し、
前記第2列用ブレード型プローブに形成される前記貫通穴は、前記バー部材に対する前記第2方向における前記第2列用ブレード型プローブの移動を許容する隙間を前記バー部材に対して有し、
前記バー部材に対する前記第2方向における前記第2列用ブレード型プローブの移動を規制する規制部を備えることを特徴とするプローブ組立体。
【請求項2】
請求項1に記載のプローブ組立体において、
前記第2列用ブレード型プローブに形成される前記貫通穴は、前記第2方向に長い長穴であることを特徴とするプローブ組立体。
【請求項3】
請求項1または2に記載のプローブ組立体において、
前記規制部は、
前記両端部のサイドカバーに固定され、前記一方側のサイドカバーから前記他方側のサイドカバーまで延設される第2列用ブレード型プローブ用バー部材と、
前記第2列用ブレード型プローブに形成され、前記バー部材を通すとともに前記バー部材に対して隙間が設けられていない第2列用ブレード型プローブ用貫通穴と、
を有していることを特徴とするプローブ組立体。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のプローブ組立体において、
前記プローブ支持体には、前記ブレード型プローブの一部を挿入可能であって、前記第2方向に延びる溝部が形成されており、
前記第2列用ブレード型プローブを挿入可能な前記溝部は、前記第2列用ブレード型プローブの前記第2方向における移動範囲の移動を許容する形状に構成されていることを特徴とするプローブ組立体。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のプローブ組立体を複数備えることを特徴とするプローブユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネルのような平板状の被検査体の電気的試験に用いられるプローブ組立体、及びそのプローブ組立体を備えたプローブユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、フラットパネルディスプレイの表示パネル(例えば液晶表示パネル)のような平板状の被検査体の電気的試験には、薄板状の接触子であるブレード型プローブを複数備え、それらプローブの針先(接触端)が整列するように重ねて保持されているプローブ組立体が使用されている。このようなプローブ組立体を用いて検査される被検査体には、プローブ組立体を構成する各プローブの針先と接触させる多数の電極パッドが配列されており、プローブ組立体の各プローブの針先をその電極パッドに接触させた状態で被検査体に制御信号を送信することにより電気的試験が行われる。
【0003】
しかしながら、液晶表示パネル等の表示パネルは、近年、集積化が進み、電極パッドが極めて狭い間隔で配列される場合がある。これに対応するため、被検査体においては、電極パッドの位置を互いにずらして配置し、プローブ組立体においては、針先位置が異なる複数種のプローブを組み合わせることによって、被検査体の電極パッドの位置に合わせてプローブの針先位置を互いにずらしたプローブ組立体が従来から知られている。
【0004】
例えば、特許文献1には、複数の電極パッドが交互にずれて2列に配置されている被検査体に対応するように、針先位置が異なる2種類のブレード型プローブを交互に重ねて、プローブの針先が2列に並ぶようにしたプローブ組立体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-7987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1で開示されるプローブ組立体を用いて電気的試験が行われる被検査体のように、電極パッドの列が複数列になっている被検査体においては、被検査体の種類などにより電極パッドの列同士の間隔が異なっている場合がある。このため、従来のプローブ組立体を使用して被検査体の電気的試験を実行する場合、被検査体の電極パッドの列同士の間隔に変更が有るときは、それに合わせてプローブ組立体のプローブの針先(接触端)の列同士の間隔も調整する必要がある。このため、プローブ組立体に備えられる複数種のブレード型プローブの一部の種類を、異なる針先位置を有する別の種類のブレード型プローブに交換して、針先の列同士の間隔を電極パッドの列同士の間隔に合わせる場合があった。例えば、針先位置の異なる2種類のブレード型プローブが組み合わされて針先位置が2列に配置されているプローブ組立体の場合には、その内の1列分のブレード型プローブを針先位置が異なる別の種類のブレード型プローブに交換する必要があり、また、その交換する1列分のブレード型プローブを別途用意する必要があった。
【0007】
このように、複数種のブレード型プローブの一部を交換すること、及び、その交換用に針先位置の異なる別の種類のブレード型プローブを用意することは、手間や時間、コストもかかるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、電極パッドの列同士の間隔が異なる被検査体に対して、針先位置が異なる別な種類のブレード型プローブに交換することなしに対応できるプローブ組立体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様に係るプローブ組立体は、プローブ支持体と、前記プローブ支持体の第1方向における両端部に取り付けられているサイドカバーと、前記両端部のサイドカバーに固定され、前記第1方向における一方側のサイドカバーから前記第1方向における他方側のサイドカバーまで延設されるバー部材と、前記バー部材を通す貫通穴を有するとともに前記第1方向と交差する第2方向に延設され、前記一方側のサイドカバーと前記他方側のサイドカバーとの間に複数配置されるブレード型プローブと、を備え、前記ブレード型プローブは、被検査体に接触させる接触端を各々有し、前記ブレード型プローブとして、前記第1方向に沿う第1列に各々の接触端が並ぶように配置される複数の第1列用ブレード型プローブと、前記第2方向において前記第1列とは異なる位置に形成される列であって前記第1方向に沿う第2列に各々の接触端が並ぶように配置される複数の第2列用ブレード型プローブと、を有し、前記第2列用ブレード型プローブに形成される前記貫通穴は、前記バー部材に対する前記第2方向における前記第2列用ブレード型プローブの移動を許容する、隙間を前記バー部材に対して有し、前記バー部材に対する前記第2方向における前記第2列用ブレード型プローブの移動を規制する規制部を備えることを特徴とする。
【0010】
本態様によれば、共にバー部材を通す貫通穴を有する複数の第1列用ブレード型プローブと複数の第2列用ブレード型プローブとを有し、第2列用ブレード型プローブに形成される貫通穴は、バー部材に対する第2方向における第2列用ブレード型プローブの移動を許容する隙間をバー部材に対して有する。すなわち、該隙間があることで、1の被検査体の電気的試験を実行した後に別の被検査体の電気的試験を実行する場合、電極パッドの列同士の間隔の変更に合せて接触端の列同士の間隔(第1列と第2列の間隔)を調整することができる。このため、1列分の複数のブレード型プローブ(第2列用ブレード型プローブ)を交換することなく、第1列用ブレード型プローブの接触端の列と第2列用ブレード型プローブの接触端の列との間隔を調整することができる。したがって、様々な電極パッド配置の被検査体に対応することができる。
【0011】
また、本態様によれば、バー部材に対する第2方向における第2列用ブレード型プローブの移動を規制する規制部を備えるので、第2列用ブレード型プローブを固定でき、第2列用ブレード型プローブの位置がずれることを抑制できる。
【0012】
本発明の第2の態様に係るプローブ組立体は、前記第1の態様において、前記貫通穴は、前記第2方向に長い長穴であることを特徴とする。
【0013】
本態様によれば、貫通穴は第2方向に長い長穴であるので、バー部材に対する第2方向における第2列用ブレード型プローブの移動を許容する構成を簡単に形成することができる。
【0014】
本発明の第3の態様に係るプローブ組立体は、前記第1または第2の態様において、前記規制部は、前記両端部のサイドカバーに固定され、前記一方側のサイドカバーから前記他方側のサイドカバーまで延設される第2列用ブレード型プローブ用バー部材と、前記第2列用ブレード型プローブに形成され、前記バー部材を通すとともに前記バー部材に対して隙間が設けられていない第2列用ブレード型プローブ用貫通穴と、を有していることを特徴とする。
【0015】
本態様によれば、サイドカバーに固定された第2列用ブレード型プローブ用バー部材で第2列用ブレード型プローブ用貫通穴を固定するという簡単な構成で、第2列用ブレード型プローブの位置がずれることを抑制できる。
【0016】
本発明の第4の態様に係るプローブ組立体は、前記第1から第3のいずれか1つの態様において、前記プローブ支持体には、前記ブレード型プローブの一部を挿入可能であって、前記第2方向に延びる溝部が形成されており、前記第2列用ブレード型プローブを挿入可能な前記溝部は、前記第2列用ブレード型プローブの前記第2方向における移動範囲の移動を許容する形状に構成されていることを特徴とする。
【0017】
本態様によれば、溝部によりブレード型プローブの第1方向における位置を精度よく位置決めすることができる。また、溝部の内、前記第2列用ブレード型プローブを挿入可能な前記溝部は、第2列用ブレード型プローブの第2方向における移動範囲の移動を許容する形状に構成されているので、第2列用ブレード型プローブを第1方向において精度よく位置決めすることができるとともに、第2列用ブレード型プローブの第2方向における移動(位置の調整)を該溝部に沿って簡単に行うことができる。
【0018】
本発明の第5の態様に係るプローブユニットは、前記第1から第4のいずれか1つの態様のプローブ組立体を複数備えることを特徴とする。
【0019】
本態様によれば、プローブ組立体を複数備えることで、効率よく被検査体の電気的試験を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係るプローブユニットを示す概略斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係るプローブユニットを示す側面図である。
図3図2に示すプローブユニットのプローブ組立体を分解して示す分解斜視図である。
図4図2に示すプローブユニットのプローブ組立体を下方から見た斜視図である。
図5図4に示すプローブ組立体を示す側面図である。
図6図4に示すプローブ組立体の外側サイドカバーを示す側面図である。
図7図4に示すプローブ組立体の内側サイドカバーを示す側面図である。
図8図2に示すプローブユニットのプローブ組立体の断面図である。
図9図2に示すプローブユニットのプローブ組立体の断面図である。
図10図2に示すプローブユニットのプローブ組立体の断面図である。
図11】(A)は図4に示すプローブ組立体で用いる第1列用ブレード型プローブを示す図であり、(B)は図4に示すプローブ組立体で用いる第2列用ブレード型プローブを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[用語について]
以下の説明においては、図2における上下方向を上下方向又はZ方向といい、ブレード型プローブが延設される方向(ブレード型プローブの長手方向)を前後方向又はY方向といい、ブレード型プローブが並べられる方向を左右方向又はX方向という。しかし、それらの方向は、ワークテーブルのようなパネル受けに受けられた被検査体の姿勢に応じて異なる。それゆえに、プローブユニットは、本発明でいう上下方向(Z方向)が、実際に、上下方向となる状態、上下逆となる状態、斜めの方向となる状態等、いずれかの方向となる状態に試験装置に取り付けられて、使用される。
【0022】
[プローブユニット]
最初に、本発明の一実施形態に係るプローブユニット1の概要について説明する。
図1は、本実施形態に係るプローブユニット1を示す概略斜視図であり、図2は、図1に示すプローブユニット1の一部(プローブベース16の一部と、プロープ装置4)の側面図である。図1及び図2においては、プローブユニット1などの概略形状を表しているため一部の構成部材が省略されていたり形状が簡略化されて表されている。
【0023】
本実施形態のプローブユニット1は、図1に示すように、被検査体2(具体的には液晶表示パネル等のような表示パネル)の検査装置に用いられる装置である。図1に示される被検査体2は、長方形の形状をしており、また複数の電極パッド14(図2参照)を長方形の隣り合う2つの辺に対応する縁部に所定のピッチで形成している。各電極パッド14は、被検査体2の表面の回路の高集積化に伴って複数段の千鳥状に配設されている。各電極パッド14はこれが配置された縁部の辺に対して垂直方向(X方向又はY方向)へ延びる帯状の形状を有している。
【0024】
本実施形態のプローブユニット1は、不図示の本体フレームに取り付けられる板状のプローブベース16と、プローブベース16の前端部上側に左右方向(X方向)に延びる状態に配置された支持台18と、支持台18に左右方向(X方向)に間隔をおいて載置された複数のプローブ装置4(図2においてはこのうち1つを示す。)と、プローブベース16の上に配置された板状の中継ベース22と、中継ベース22に載置された中継基板24とを含む。
【0025】
プローブベース16は、試験装置の本体フレームに、該プローブベース16の前端部が被検査体2における電極パッド14が配置された1つの縁部の長手方向(本実施例ではX方向)に沿う方向になるように(図1参照)、直接又は板状ベースのような部材などを介して取り付けられる。プローブベース16は、本体フレーム側に固定された状態で、支持台18を介してプローブ装置4を支持している。
【0026】
支持台18は、プローブベース16にプローブ装置4を取り付けるための部材であり、左右方向(X方向)へ延びる板状の主体部18aと、主体部18aの左右方向(X方向)における端部から下方へ延びる一対の脚部18b,18bとにより、門型の正面形状となるように形成されている。これにより、支持台18は、前方、後方及び下方に開放する空間26(図2参照)を有する。支持台18は、プローブベース16の左右方向(X方向)に離間した箇所を下方から上方に貫通して、脚部18bに螺合された一対のねじ部材(図示せず)により、プローブベース16の上に取り付けられている。
【0027】
プローブ装置4は、被検査体2の電極パッド14に電気的に接触させるための複数のプローブを含むプローブ組立体10と、プローブ組立体10を支持すると共に支持台18に取り付ける構造とを備えている。図2で示される本実施形態のプローブユニット1の例では、支持台18は、複数のプローブ装置4で共通とされている。したがって、プローブ装置4は、左右方向(X方向)に離間して、支持台18の主体部18aの上に取り付けられている。しかし、1つ又は複数のプローブ装置4毎に支持台18を設けてもよい。
【0028】
[プローブ装置]
次に、図1及び図2で表される本実施形態に係るプローブユニット1が備えるプローブ装置4について更に詳細に説明する。
ここで、図3は、図2に示すプローブ装置4におけるプローブ組立体10を分解して示す分解斜視図である。また、図4は、図2に示すプローブ装置4におけるプローブ組立体10を下方から見た斜視図である。また、図5は、図4に示すプローブ組立体10を示す側面図である。また、図6は、図4に示すプローブ組立体10の外側サイドカバー56を示す側面図である。また、図7は、図4に示すプローブ組立体10の内側サイドカバー54を示す側面図である。また、図8から図10は、図2に示すプローブ装置4の一部断面図であり、各々第2列用ブレード型プローブ40bの位置が異なる状態を表している。そして、図11は、図4に示すプローブ組立体10で使用されるブレード型プローブ40を表しており、このうち、図11(A)は第1列用ブレード型プローブ40aを示す図であり、図11(B)は第2列用ブレード型プローブ40bを示す図である。なお、図3から図11においても、図1及び図2と同様、必要に応じて一部の構成部材が省略されていたり形状が簡略化されて表されている。
【0029】
各プローブ装置4は、プローブ組立体10と、プローブ組立体10を支持するブローブ組立体支持ブロック32と、ブローブ組立体支持ブロック32を支持する連結ブロック34と、ブローブ組立体支持ブロック32の下側に支持された結合ブロック36と、ブローブ組立体支持ブロック32と結合ブロック36の間に配置されて、ブローブ組立体支持ブロック32の下側に取り付けられた接続ブロック38とを含む。
【0030】
プローブ組立体10は、複数のブレード型プローブ40と、プローブ支持体70と、サイドカバー54、56と、バー部材50と、を含む。複数のブレード型プローブ40は複数の第1列用ブレード型プローブ40a及び複数の第2列用ブレード型プローブ40bを含んでおり、プローブ支持体70は、支持片44と、一対のスリットバー組立体46及び48とを含んでおり、サイドカバーは、内側サイドカバー54と外側サイドカバー56と含んでおり、バー部材50は、第1列用ブレード型プローブ及び第2列用ブレード型プローブの両方を支持するためのバー部材50a、50bと、第2列用ブレード型プローブを支持するためのバー部材50cとを含んでいる。
【0031】
図3及び図4などに示すように、プローブ組立体10は、導電性材料により製作された複数のブレード型プローブ40(複数の第1列用ブレード型プローブ40a及び複数の第2列用ブレード型プローブ40b)を、一対のスリットバー組立体46及び48に設けられた溝部66(スリット)に挿入させて、左右方向(X方向)に間隔をおいて前後方向(Y方向)に延びる状態となるように、交互に配置している。スリットバー組立体46及び48は、ブロック状の支持片44の下側に前後方向(Y方向)に間隔をおいて組み付けられている。
【0032】
スリットバー組立体46は、支持片44の前方側下方に取り付けられており、第1列用ブレード型プローブの先端側(後述する先端領域42b)が挿入される溝部66である第1溝部66aを備えた第1スリットバー62と、第2列用ブレード型プローブの先端側(後述する先端領域43b)が挿入される溝部66である第2溝部66bを備えた第2スリットバー64とを備えている。スリットバー組立体48は、支持片44の後方側下方に取り付けられており、第列用ブレード型プローブの後端側(後述する後端領域43c)が挿入される溝部66である第3溝部66cを備えた第3スリットバー72と、第列用ブレード型プローブの後端側(後述する後端領域42c)が挿入される溝部66である第4溝部66dを備えた第4スリットバー74とを備えている。
【0033】
第1列用ブレード型プローブ40aには、2つのバー部材50(バー部材50a及び50b)が貫通状態に挿通されている。また、第2列用ブレード型プローブ40bには、3つのバー部材50(バー部材50a、50b及び50c)が貫通状態に挿通されている。第1列用ブレード型プローブ40a及び第2列用ブレード型プローブ40bは、バー部材50と、それらバー部材50の各端部を受け入れている板状の内側サイドカバー54と、内側サイドカバー54の外側に位置された板状の外側サイドカバー56とにより支持片44に組み付けられている。ここで、内側サイドカバー54には、バー部材50aを固定する固定穴54a、バー部材50bを固定する固定穴54b、バー部材50cを固定する固定穴54c、が設けられている。
【0034】
第1列用ブレード型プローブ40aは、図11(A)に示すように、略矩形をした板状の針主体部42aと、針主体部42aの前端から前方へ片持ち梁状に一体的に延びる先端領域42bと、針主体部42aの後端から後方へ片持ち梁状に一体的に延びる後端領域42cとを備えたブレードタイプの針である。先端領域42bは、被検査体2の電極バッドに接触させる接触端であって先端領域42bの先端部から下方へ一体的に延びる先端針先42dを有している。また、後端領域42cは、後述する電気的接続具96に接触させる接触端であって後端領域42cの後端部から上方へ一体的に延びる後端針先42eと、後端領域42cから上方へ突出すると共に前後方向(Y方向)へ延びる板状の突起部42fとを有している。また、針主体部42aにはバー部材50aを通す貫通穴45a及びバー部材50bを通す貫通穴45bが形成されている。そして、断面形状が円形であるバー部材50a及びバー部材50bに対応してこれらが隙間なく貫通されるように貫通穴45a及び貫通穴45bは共に円形状をしている。
【0035】
第2列用ブレード型プローブ40bは、図11(B)に示すように、板状の針主体部43aと、針主体部43aの前端から前方へ片持ち梁状に一体的に延びる先端領域43bと、針主体部43aの後端から後方へ片持ち梁状に一体的に延びる後端領域43cとを備えたブレードタイプの針である。先端領域43bは、被検査体2の電極バッドに接触させる接触端であって先端領域43bの先端部から下方へ一体的に延びる先端針先43dと、先端領域43bから上方へ突出すると共に前後方向(Y方向)へ延びる板状の突起部43gとを備えている。また、後端領域43cは、後述する電気的接続具96に接触させる接触端であって後端領域43cの後端部から上方へ一体的に延びる後端針先43eと、後端領域43cから上方へ突出すると共に前後方向(Y方向)へ延びる板状の突起部43fとを有している。また、針主体部43aにはバー部材50aを通す貫通穴45c、バー部材50bを通す貫通穴45d、さらに、バー部材50cを通す貫通穴45eが形成されている。そして、断面形状が円形であるバー部材50a及びバー部材50bに対応して、図8から図10で表されるように、バー部材50a又はバー部材50bに対してZ方向に隙間なく接すると共にY方向に沿って隙間Sができるようにして貫通されるように貫通穴45c及び貫通穴45dは共にY方向に長い長穴状をしている。一方、断面形状が円形であるバー部材50cに対応してこれが隙間なく貫通されるように貫通穴45eは円形状をしている。
【0036】
なお、図9は、第1列用ブレード型プローブ40aに対して第2列用ブレード型プローブ40bを、最も前方側(各先端針先42dで構成される第1列R1に対して各先端針先43dで構成される第2列R2が最も近くなる側)に位置させた状態を表している。図10は、第1列用ブレード型プローブ40aに対して第2列用ブレード型プローブ40bを、最も後方側(各先端針先42dで構成される第1列R1に対して各先端針先43dで構成される第2列R2が最も遠くなる側)に位置させた状態を表している。図8は、第1列用ブレード型プローブ40aに対する第2列用ブレード型プローブ40bの位置が、図9で表される状態と図10で表される状態の中間となっている状態を表している。
【0037】
このように、第2列用ブレード型プローブ40bは、バー部材50a又はバー部材50bに対してY方向に沿って隙間Sができるように形成された、Y方向に長い長穴状の貫通穴45c及び貫通穴45dを有している。このため、固定穴54a及び固定穴54bに対してY方向における配置を異ならせた固定穴54cを有する内側サイドカバー54を用意して交換することで、第1列用ブレード型プローブ40a及び第2列用ブレード型プローブ40bの少なくとも一方を交換することなく、第1列用ブレード型プローブ40aに対する第2列用ブレード型プローブ40bのY方向における位置を簡単に変更することができる。
【0038】
ここで一旦まとめると、本実施形態のプローブ組立体10は、プローブ支持体70と、プローブ支持体70の第1方向(X方向)における両端部に取り付けられているサイドカバー(内側サイドカバー54)と、両端部の内側サイドカバー54,54に固定され、X方向における一方側の内側サイドカバー54からX方向における他方側の内側サイドカバー54まで延設されるバー部材50a及び50bと、バー部材50a及び50bを通す貫通穴45を有するとともに第1方向(X方向)と交差する第2方向(Y方向)に延設され、一方側の内側サイドカバー54と他方側の内側サイドカバー54との間に複数配置されるブレード型プローブ40と、を備えている。そして、ブレード型プローブ40は、被検査体2に接触させる接触端(先端針先42d、先端針先43d)を各々有しており、また、該ブレード型プローブ40として、X方向に沿う第1列R1に各々の先端針先42dが並ぶように配置される複数の第1列用ブレード型プローブ40aと、Y方向において第1列R1とは異なる位置に形成される列であってX方向に沿う第2列R2に各々の先端針先43dが並ぶように配置される複数の第2列用ブレード型プローブ40bと、を有している(図4参照)。そして、第2列用ブレード型プローブ40bに形成される貫通穴45c及び45dは、バー部材50a及び50bに対するY方向における第2列用ブレード型プローブ40bの移動を許容する、隙間Sをバー部材50a及び50bに対して有している。また、移動が許容される第2列用ブレード型プローブ40bの移動を規制する規制部も備えている。
【0039】
本実施形態のプローブ組立体10は、このように隙間Sがあることで、1の被検査体2の電気的試験を実行した後に別の被検査体2の電気的試験を実行する場合、電極パッド14の列同士の間隔の変更に合せてブレード型プローブ40の先端の列同士の間隔(第1列R1と第2列R2の間隔)を調整することができる。このため、1列分の複数のブレード型プローブ40(第2列用ブレード型プローブ40b)を交換することなく、第1列用ブレード型プローブ40aの先端針先42dの列(第1列R1)と第2列用ブレード型プローブ40bの先端針先43dの列(第2列R2)との間隔を調整することができる。したがって、本実施形態のプローブ組立体10は、電極パッド14の列同士の間隔が様々な被検査体2に対応することができる構成になっている。
【0040】
また、上記規制部は、両端部の内側サイドカバー54に固定され、一方側の内側サイドカバー54から他方側の内側サイドカバー54まで延設される第2列用ブレード型プローブ用バー部材50cと、第2列用ブレード型プローブ40bに形成され、バー部材50cを通すとともにバー部材50cに対して隙間が設けられていない第2列用ブレード型プローブ用貫通穴45eと、を有している。
【0041】
上記のように、第2列用ブレード型プローブ40bには、長穴である貫通穴45c及び45dのほかに、断面形状が円形であるバー部材50cに対応してこれが隙間なく貫通されるように円形状に構成された貫通穴45eを備えている。別の表現をすると、本実施形態のプローブ組立体10は、内側サイドカバー54に固定されたバー部材50cに対してY方向における第2列用ブレード型プローブ40bの移動を規制する規制部(第2列用ブレード型プローブ用貫通穴としての貫通穴45e及び第2列用ブレード型プローブ用バー部材としてのバー部材50c)を備えている。このため、本実施形態のプローブ組立体10は、このような簡単な構成で、第2列用ブレード型プローブ40bを所定の位置に固定し、第2列用ブレード型プローブ40bの位置がずれることを抑制している。
【0042】
なお、本実施例のプローブ組立体10は、サイドカバーとして内側サイドカバー54と外側サイドカバー56とを備えているが、サイドカバーはこのような構成に限定されない。例えば、内側サイドカバー54に相当する部材のみで構成されていてもよいし、外側サイドカバー56に相当する部材にバー部材50a及び50bがネジなどで直接固定されている構成でもよいし、内側サイドカバー54と外側サイドカバー56とが一体的に形成された構成でもよい。
【0043】
ここで、図8から図10で表されるように、貫通穴45c及び45dはY方向に長い長穴であるので、バー部材50a及び50bに対するY方向における第2列用ブレード型プローブ40bの移動(別の表現をすると、第1列用ブレード型プローブ40aに対するY方向における第2列用ブレード型プローブ40bの移動)を許容する構成を簡単に形成している。
【0044】
ここで、本実施例における支持片44は、電気絶縁性を有するセラミック、合成樹脂等により製作されている。また、図3で表されるように、支持片44は、その先端部及び後端部が下方に突出しており、下方、左方及び右方に開放する凹所60(図3参照)を有する。第1列用及び第2列用の、ブレード型プローブ40a、40bの針主体部42a、43aは、凹所60及びその下方に位置し、先端領域42b、43bは、支持片44の先端部の下方に位置し、後端領域42c及び43cは支持片44の後端部の下方に位置する。
【0045】
図3で表されるように、前方に位置するスリットバー組立体46は、支持片44の先端部下側に配置された第1スリットバー62と、第1スリットバー62の下側に配置された第2スリットバー64とを含む。第1スリットバー62及び第2スリットバー64は、それぞれ電気絶縁性を有するセラミック、合成樹脂等により、T字状及び逆L字状の断面形状を有する形状に製作されている。
【0046】
第1スリットバー62及び第2スリットバー64は、それぞれ、図3図8から図10に示すように、左右方向に間隔を置いて前後方向に延びると共に、前後方向両側及び下方に開放している複数の溝部66を備えている。第1スリットバー62に設けられている溝部66を第1溝部66a、第2スリットバー64に設けられている溝部66を第2溝部66bとする。
【0047】
第1スリットバー62は、支持片44の先端部下側に、ねじ止め、接着等の適宜な手段により取り付けられている。第2スリットバー64は、第1スリットバー62の下側に、第2溝部66bが第1溝部66aに対し左右方向に2分の1ピッチずれると共に後方に位置するように、ねじ止め、接着等の適宜な手段により取り付けられている。
【0048】
また、後方に位置するスリットバー組立体48は、支持片44の後端部下側に配置された第3スリットバー72と、第3スリットバー72の下側に配置された第4スリットバー74とを含む。第3スリットバー72及び第4スリットバー74は、電気絶縁性を有するセラミック、合成樹脂等により、逆L字状の断面形状を有する形状に製作されている。
【0049】
第3スリットバー72及び第4スリットバー74は、それぞれ、図3図8~10に示すように、左右方向に間隔を置いて前後方向に延びると共に、前後方向両側及び下方に開放している複数の溝部66を備えている。第3スリットバー72に設けられている溝部66を第3溝部66c、第4スリットバー74に設けられている溝部66を第4溝部66dとする。
【0050】
第3のスリットバー72は、支持片44の後端部下側に、ねじ止め、接着等の適宜な手段により取り付けられている。第4のスリットバー74は、第3のスリットバー72の下側に、第4溝部66dが第3溝部66cに対し左右方向に2分の1ピッチずれると共に前方に位置するように、ねじ止め、接着等の適宜な手段により取り付けられている。
【0051】
第1溝部66aと第4溝部66dはそれぞれ同一線上に位置し、その線から2分の1ピッチずれた同一線上に第2溝部66bと第3溝部66cがそれぞれ位置している。そして、第1列用ブレード型プローブ40aは、その先端領域42bの一部が第1スリットバー62の第1溝部66aに挿入可能になっていると共に、その後端領域42cの一部が第4スリットバー74の第4溝部66dに挿入可能になっている。また、第2列用ブレード型プローブ40bは、その先端領域43bの一部が第2スリットバー64の第2溝部66bに挿入可能になっていると共に、その後端領域43cの一部が第3スリットバー72の第3溝部66cに挿入可能になっている。
【0052】
このように、本実施形態のプローブ組立体10のプローブ支持体70には、ブレード型プローブ40の一部を挿入可能であって、Y方向に延びる溝部66が形成されているので、該溝部66によりブレード型プローブ40のX方向における位置を精度よく位置決めすることができる。
なお、溝部66には、本実施例のプローブ支持体70のように、支持片44に取り付けられた部材(例えばスリットバー組立体46及び48)に形成される溝部66の他に、支持片44に直接形成される溝部66を含んでもよい。
【0053】
なお、図8から図10で表されるように、第2列用ブレード型プローブ40bを挿入可能な溝部66(66b、66c)は、第2列用ブレード型プローブ40bのY方向における移動範囲の移動を許容する形状に構成されている。このため、本実施形態のプローブ組立体10は、第2列用ブレード型プローブ40bをX方向において精度よく位置決めすることができるとともに、第2列用ブレード型プローブ40bのY方向における移動(位置の調整)を該溝部66に沿って簡単に行うことができる構成になっている。
【0054】
詳細には、第2列用ブレード型プローブ40bには突起部43f及び43gが形成されており、第2列用ブレード型プローブ40bを挿入可能な溝部66(66b及び66c)は、突起部43f及び43gを挿入可能であって、第2列用ブレード型プローブ40bのY方向における移動範囲の移動に伴う突起部43f及び43gの移動を許容する長さに構成されている。別の表現をすると、第2列用ブレード型プローブ40bを最も前方に移動させたときの先端針先43d(又は後端針先43e)の位置と、最も後方に移動させたときの後端針先43d(又は後端針先43e)の位置との間隔(すなわち、隙間S)に基づいた長さで溝部(66b及び66c)の長さが設定されている。更に別な表現をすると、第2列用ブレード型プローブ40bを最も前方に移動させたときの突起部43f(又は突起部43g)のY方向後端の位置と、最も後方に移動させたときの突起部43f(又は突起部43g)のY方向前端の位置との間隔よりも大きい長さで溝部(66b及び66c)の長さが設定されている。本実施例では、第2列用ブレード型プローブ40bが挿入される溝部66b及び66cの長さは、第1列用ブレード型プローブ40aが挿入される溝部66a及び66dの長さより長くなっている。そして、第2列用ブレード型プローブ40bを最も前方に移動させたとき及び最も後方に移動させたときに突起部43f及び突起部43gが第2溝部66b及び第3溝部66c内にほぼ収まる長さ、すなわち隙間Sと突起部43f(又は突起部43g)のY方向幅を足した長さに溝部66b及び66cの長さが設定されている。
【0055】
バー部材50(バー部材50a、50b及び50c)は、何れも図示の例では円形の断面形状を有しており、またセラミックのような硬質の電気絶縁性の材料により形成されている。しかし、それらのバー部材50a、50b及び50cは、導電性の材料を電気絶縁性の材料で被覆したものであってもよく、また矩形、六角形等の多角形のような他の横断面形状を有していてもよい。
【0056】
バー部材50aは、第1列用ブレード型プローブ40aの貫通穴45a及び第2列用ブレード型プローブ40bの貫通穴45cに挿し通されていると共に、各端部を内側サイドカバー54に設けられた固定穴54a(図3及び図7参照)に受け入れられて、内側サイドカバー54に支持されている。バー部材50bも、第1列用ブレード型プローブ40aの貫通穴45b及び第2列用ブレード型プローブ40bの貫通穴45dに挿し通されていると共に、各端部を内側サイドカバー54に設けられた固定穴54b(図3及び図7参照)に受け入れられて、内側サイドカバー54に支持されている。そして、バー部材50cは、第2列用ブレード型プローブ40bの貫通穴45eに挿し通されていると共に、各端部を内側サイドカバー54に設けられた固定穴54c(図3及び図7参照)に受け入れられて、内側サイドカバー54に支持されている。
【0057】
第1列用ブレード型プローブ40a及び第2列用ブレード型プローブ40bは、針主体部42a及び43aの厚さ方向がX方向となりかつ先端針先42d及び43dと後端針先42e及び43eとがそれぞれ支持片44から前方及び後方へ突出された状態となるように、スリットバー組立体46及び48に並列的に配置されている。第1列用ブレード型プローブ40a及び第2列用ブレード型プローブ40bは、X方向に交互に位置されている。
【0058】
第1列用ブレード型プローブ40aは、先端領域42bを溝部66aに摺動可能に嵌合させるとともに、後端領域42cの突起部42fを溝部66dに摺動可能に嵌合させている。そして、上記のように、第2列用ブレード型プローブ40bは、先端領域43bの突起部43gを溝部66bに摺動可能に嵌合させるとともに、後端領域43cの突起部43fを溝部66cに摺動可能に嵌合させている(図8から図10参照)。
【0059】
なお、本実施例では、第1列用ブレード型プローブ40aの先端領域42bには溝部66に嵌合させるために上方に突出した突起部を設けていないが、設けるようにしてもよい。また、突起部42f、43f、43gを特段設けずに先端領域42b、43b又は後端領域42c、43cの一部を溝部66に嵌合させるようにしてもよい。
【0060】
上記のように本実施例のブレード型プローブ40は、その厚さ方向(X方向)に間隔をおいて並列的に揃えられている。このため、隣り合うブレード型プローブ40の貫通穴45は互いに整列されている。
【0061】
内側サイドカバー54及び外側サイドカバー56は、電気絶縁材料または導電性材料で板状に製作されている。図3に示すように、内側サイドカバー54は、ブレード型プローブ40の貫通穴45に通されたバー部材50の端部を固定穴54a、54b及び54cに受け入れて、ブレード型プローブ40を支持している。なお、第2列用ブレード型プローブ40bの貫通穴45c及び45dは上記のように長穴なので、固定穴54a及び54bに対するY方向における配置の異なる固定穴54cを備える内側サイドカバー54を交換して使用してバー部材50cのY方向における位置を変えることで、第2列用ブレード型プローブ40bをバー部材50a及び50bに対して移動可能である。
【0062】
内側サイドカバー54及び外側サイドカバー56は、支持片44をX方向における一方側から他方側まで貫通するねじ部材75(図2及び4参照)及び不図示のナットにより、支持片44のX方向における側面に取り外し可能に取り付けられている。このような構成となっていることにより、ブレード型プローブ40は、バー部材50、内側サイドカバー54、外側サイドカバー56、ねじ部材75により、支持片44に分離可能に組み付けられている。
【0063】
なお、第1列用ブレード型プローブ40aは、溝部66(第1溝部66a、第4溝部66d)によりX方向の位置が決められ、バー部材50a及び50bによりY方向の位置が決められる。一方、第2列用ブレード型プローブ40bは、溝部66(第2溝部66b、第3溝部66c)によりX方向の位置が決められ、バー部材50cによりY方向の位置が決められる。繰り返しとなるが、第2列用ブレード型プローブ40bは、バー部材50a及び50bの位置(すなわち、第1列用ブレード型プローブ40aの位置)に対して隙間Sの分だけ、Y方向の位置を調整可能である。ただし、該Y方向の位置の調整の際は、内側サイドカバー54の交換が必要になる。
【0064】
なお、図2で表されるように、プローブ組立体10は、ブローブ組立体支持ブロック32の支持部32bを上方から下方に貫通して支持片44に螺合されたねじ部材のような適宜な結合具84で、支持片44がブローブ組立体支持ブロック32の下側に組み付けられることにより、ブローブ組立体支持ブロック32の下側に維持されている。
【0065】
ブローブ組立体支持ブロック32は、左右方向に間隔をおいて上下方向へ延びる一対のガイドレール86と、両ガイドレール86の間を上下方向へ延びるガイド88とにより、連結ブロック34の主体部34aの前面に上下方向へ移動可能に連結されている。そして、ボルト90により、連結ブロック34の延長部34bに上下方向の位置を調整可能に連結されている。
【0066】
両ガイドレール86及びガイド88は、それぞれ、リニアレール及びリニアガイドである。両ガイドレール86は、ブローブ組立体支持ブロック32の支持部32aの後端面に取り付けられている。これに対し、ガイド88は、両ガイドレール86がガイド88に対し上下方向へ移動可能であるように、左右方向における両ガイドレール86の間に配置されており、また連結ブロック34の主体部34aの前端面に取り付けられている。
【0067】
ボルト90は、連結ブロック34の延長部34bを上方から下方へ貫通しており、またブローブ組立体支持ブロック32に形成されたねじ穴(図示せず)に螺合されている。ブローブ組立体支持ブロック32は、左右方向に間隔をおいて配置された一対の圧縮コイルばね92(図2においては、その1つを示す)により下方に付勢されている。
【0068】
各圧縮コイルばね92は、連結ブロック34の延長部34bの上に複数のねじ部材(図示せず)により取り付けられた板状のばね押え94と、ブローブ組立体支持ブロック32の支持部32aとの間に、配置されている。また、各圧縮コイルばね92は、ボルト90が該圧縮コイルばね92と連結ブロック34の延長部34bとを上下方向に貫通する状態となるように、配置されている。これにより、連結ブロック34の延長部34bへのボルト90のねじ込み量を調整することにより、ブローブ組立体支持ブロック32ひいてはプローブ組立体10の高さ位置を調整することができる。
【0069】
ばね押え94は、ドライバーのような工具の先端部を上方から差し込んで、ボルト90の回転量を調整する貫通穴94aを有する。これにより、ばね押え94を連結ブロック34から取り外すことなく、ブローブ組立体支持ブロック32ひいてはプローブ組立体10の高さ位置の調整を行うことができる。このため、そのような高さ位置の調整作業が容易になっている。
【0070】
連結ブロック34は、連結ブロック34の主体部34aを上方から下方に貫通して支持台18の主体部18aに螺合された複数のボルト(図示せず)により支持台18に取り外し可能に取り付けられている。
【0071】
中継ベース22は、厚さ方向を上下方向とした状態に、不図示の複数のねじ部材によりプローブベース16の上に配置されている。中継基板24は、それぞれがプローブ装置20のブレード型プローブ40に対応された複数の配線(図示せず)を有する配線基板である。中継基板24の配線は、プローブ装置20毎に備えられた電気的接続具96により、対応するブレード型プローブ40に電気的に接続されている。
【0072】
接続ブロック38は、ブローブ組立体支持ブロック32の下側をX方向へ延びており、また結合ブロック36の後端部とブローブ組立体支持ブロック32との間に位置されている。接続ブロック38は、X方向に間隔をおいた複数のねじ部材(図示せず)によりブローブ組立体支持ブロック32の下側に分離可能に取り付けられている。
【0073】
電気的接続具96は、前後方向へ延びる複数の配線を有しており、またプローブ装置20から後方へ延びるシート状の第1の配線領域96aと、第1の配線領域96aから後方へ延びるシート状の第2の配線領域96bとを含む。第1及び第2の配線領域96a及び96bは、それぞれ、X方向に間隔をおいて前後方向へ延びる複数の第1の配線98a(図4及び図8から図10参照)及び複数の第2の配線(図示せず)を有する。
【0074】
第1の配線領域96aは、フレキシブル印刷配線回路(FPC)、タブ(TAB)、又はそれらを組み合わせた複合回路シートとされており、また第2の配線領域は、フレキシブル印刷配線回路(FPC)とされている。第1の配線領域96aは、結合ブロック36の下側に位置されており、また被検査体2を駆動する集積回路100(図2参照)を中間領域に配置しており、さらに結合ブロック36の下側を後方に延びている。
【0075】
図8から図10に示すように、第1の配線領域96aの前端部は、第1の配線98aの先端部が下方に露出する状態に、結合ブロック36の下面に維持されている。これにより、プローブ装置20が組み立てられた状態において、各ブレード型プローブ40の後端針先42e及び43eは、第1の配線98aの先端部に押圧されて電気的に接続される。
【0076】
図2に示すように、第1の配線領域96aの後端部は、第1の配線領域96aが結合ブロック36の後端部において上方及び前方にU字状に折り返されていることにより、第1の配線領域96aの後端部が上方に露出する状態に、結合ブロック36の上面に維持されている。
【0077】
図2に示すように、第2の配線領域96bの先端部は、第1の配線領域96aの折り返し部の上方に位置する状態になり、第2の配線の先端部が下方となる状態になるように、接続ブロック38の下面に維持されている。これにより、プローブ装置20が組み立てられた状態において、第1の配線98aの後端部と第2の配線の前端部とは、互いに押圧されて、電気的に接続されている。
【0078】
第2の配線領域96bは、接続ブロック38の後端とプローブベース16の前端との間から、プローブベース16の上側に導かれ、また支持台18の空間26に通され、さらにプローブベース16の上を後方に延びている。
【0079】
第2の配線領域96bは、その後端に設けられたコネクタ102(図2参照)により、中継基板24に結合されている。コネクタ102は、電気的接続具96の配線を介して、対応するプローブ装置20のブレード型プローブ40に接続された複数の端子を備える。それらの端子は、中継基板24の前記した配線に接続される。
【0080】
中継基板24の配線は、試験信号を発生する電気回路(図示せず)に接続される。試験信号は、そのような電気回路から、電気的接続具96を介してブレード型プローブ40に供給されて、被検査体2を駆動(点灯)させる。
【0081】
プローブ組立体10及び電気的接続具96の交換は、結合ブロック36をブローブ組立体支持ブロック32から分離した状態で行うことができる。ブレード型プローブ40の交換は、プローブ組立体10を結合ブロック36から分離した状態で行うことができる。電気的接続具96の交換は、結合ブロック36をブローブ組立体支持ブロック32から分離し、接続ブロック38をブローブ組立体支持ブロック32から分離した状態で行うことができる。
【0082】
プローブ組立体10においては、プローブ装置4が、前方、後方及び下方に開放する空間を備える支持台18を介してプローブベース16に支持されている。このため、配線通し穴をプローブベース16に設けることなく、電気的接続具96の後部側の領域を、プローブベース16の上側に導くことができると共に、支持台18の空間26を経るように延在させることができる。その結果、第1及び第2の配線領域96a及び96bの配線の電気的有効長さ寸法が短くなり、その分信号の減衰量が低下し、有効な試験信号を被検査体2に供給することができる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、液晶表示パネルのみならず、多数の発光素子又は受光素子を用いた表示パネルのような他の平板状被検査体の電気的試験に用いるプローブ組立体にも適用することができる。
【0084】
本発明は、上述の実施例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0085】
1…プローブユニット、2…被検査体、4…プローブ装置、10…プローブ組立体、
14…電極パッド、16…プローブベース、18…支持台、18a…主体部、
18b…脚部、32…ブローブ組立体支持ブロック、 34…連結ブロック、
36…結合ブロック、40…ブレード型プローブ、
40a…第1列用ブレード型プローブ、40b…第2列用ブレード型プローブ、
42a…針主体部、42b…先端領域、42c…後端領域、
42d…先端針先(接触端)、42e…後端針先、42f…突起部、
43a…針主体部、43b…先端領域、43c…後端領域、
43d…先端針先(接触端)、43e…後端針先、43f…突起部、43g…突起部、
44…支持片、45…貫通穴、45a…貫通穴、45b…貫通穴、45c…貫通穴、
45d…貫通穴、45e…貫通穴(規制部:第2列用ブレード型プローブ用貫通穴)、
46…スリットバー組立体、48…スリットバー組立体、50…バー部材、
50a…バー部材、50b…バー部材、
50c…バー部材(規制部:第2列用ブレード型プローブ用バー部材)、
54…内側サイドカバー、54a…固定穴、54b…固定穴、54c…固定穴、
56…外側サイドカバー、60…凹所、66…溝部、66a…第1溝部、
66b…第2溝部、66c…第3溝部、66d…第4溝部、70…プローブ支持体、
75…ねじ部材、84…結合具、96…電気的接続具、96a…第1の配線領域、
96b…第2の配線領域、R1…第1列、R2…第2列、S…隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11