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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-29
(45)【発行日】2022-04-06
(54)【発明の名称】冊子
(51)【国際特許分類】
   B42D 15/02 20060101AFI20220330BHJP
   B42D 1/00 20060101ALI20220330BHJP
【FI】
B42D15/02 501B
B42D1/00 H
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018162782
(22)【出願日】2018-08-31
(65)【公開番号】P2020032668
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-04-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】トッパン・フォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 駿
(72)【発明者】
【氏名】関原 浩之
【審査官】小池 俊次
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-144655(JP,A)
【文献】特開2012-240412(JP,A)
【文献】特開2017-154427(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 1/00
B42D 1/02
B42D 1/06
B42D 15/02
B42D 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1、第2、第3及び第4の紙片がこの順で重ね合わされて剥離可能に貼着され、一辺を綴じ辺として綴じられて構成された冊子であって、
前記第2の紙片と前記第4の紙片とは、前記綴じ辺を介して連接した1枚のシートからなり、前記綴じ辺を中心として折り畳まれて構成され、
前記第1、第2及び第3の紙片は、前記綴じ辺から該綴じ辺に対向する辺までの長さが、前記第1の紙片が最も短く、前記第3の紙片が最も長く、
前記第3の紙片と前記第4の紙片とは、前記綴じ辺から該綴じ辺に対向する辺までの長さが互いに異なる、冊子。
【請求項2】
請求項1に記載の冊子において、
前記第1の紙片と前記第4の紙片とは、前記綴じ辺から該綴じ辺に対向する辺までの長さが互いに等しい、冊子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数枚の紙片が剥離可能に貼着されてその一辺を綴じ辺として綴じられてなる冊子に関する。
【背景技術】
【0002】
商品等のカタログやパンフレットは、複数枚の紙片が綴じられた冊子として提供されているものが多い。このようなカタログやパンフレットは、冊子状となっていることにより、多くの情報を表示することができるとともに、利用者が見やすいものとなっている。一般的に、冊子状となったカタログやパンフレットは、同一形状の複数枚の紙片が、その一辺が綴じ辺として綴じられて冊子状とされたり、同一形状の複数枚の紙片が、その中心部が綴じ部として綴じられ、中心部が折り部として折り畳まれることにより冊子状とされたりしている。
【0003】
冊子状となったカタログやパンフレットは、1頁ずつ捲れやすくなっていることが好ましい。特に、未開封のカタログやパンフレットは、表面の印刷によるインクや静電気によって複数枚の紙片どうしがくっつくあるいは離れにくくなっている場合があり、頁を捲る際、複数の頁を同時に捲ってしまうことがある。また、頁どうしがくっついている場合、1頁ずつ捲るために紙片どうしを指でずらすようにすると、紙片が折れてしまったり、破れてしまったりする虞れがある。
【0004】
ここで、同一形状を有する複数枚の紙片を互いにずれるように重ね合わせ、その後、綴じ辺となる部分を中心として複数枚の紙片を折り畳むことで、複数枚の紙片の綴じ辺と対向する辺を段差形状とし、それにより、剥離可能に貼着された複数枚の紙片どうしを剥離する際の指がかりを補助する冊子が考えられている(例えば、特許文献1,2参照。)。このように構成された冊子においては、複数枚の紙片が剥離された後においても、段差形状によって複数枚の紙片を1枚ずつ捲れやすくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実公平7-37888号公報
【文献】特許第48034481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、同一形状の複数枚の紙片が、その一辺が綴じ辺として綴じられて冊子状とされたものにおいては、冊子を構成する複数枚の紙片が他の紙片から分離して脱落してしまう虞がある。
【0007】
また、特許文献1,2に開示された冊子のように、同一形状を有する複数枚の紙片を互いにずれるように重ね合わせ、その後、綴じ辺となる部分を中心として複数枚の紙片を折り畳むことで、複数枚の紙片の綴じ辺と対向する辺を段差形状とするものにおいては、複数枚の紙片を折り畳むことで冊子を構成するため、複数枚の紙片が他の紙片から分離して脱落してしまう可能性は低減する。しかしながら、複数枚の紙片が重ね合わされた状態で複数枚の紙片を折り畳むことになるため、複数枚の紙片を折り畳む際に紙片どうしが意図せずにずれてしまう虞があり、その場合、意図する段差を形成することができなくなってしまうという問題点がある。
【0008】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、複数枚の紙片が一辺を綴じ辺として綴じられ、綴じ辺に対向する辺にて段差を有する冊子において、冊子を構成する紙片が脱落してしまう可能性を低減させながらも、段差を確実に形成することができる冊子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、
第1、第2、第3及び第4の紙片がこの順で重ね合わされて剥離可能に貼着され、一辺を綴じ辺として綴じられて構成された冊子であって、
前記第2の紙片と前記第4の紙片とは、前記綴じ辺を介して連接した1枚のシートからなり、前記綴じ辺を中心として折り畳まれて構成され、
前記第1、第2及び第3の紙片は、前記綴じ辺から該綴じ辺に対向する辺までの長さが、前記第1の紙片が最も短く、前記第3の紙片が最も長く、
前記第3の紙片と前記第4の紙片とは、前記綴じ辺から該綴じ辺に対向する辺までの長さが互いに異なる。
【0010】
上記のように構成された本発明においては、冊子を構成する第1、第2、第3及び第4の紙片のうち、第2の紙片と第4の紙片とが、綴じ辺を介して連接した1枚のシートからなり、綴じ辺を中心として折り畳まれて構成され、この第2の紙片と第4の紙片との間に第3の紙片が挟まれて剥離可能に貼着された状態となっていることで、冊子を構成する紙片が脱落してしまう可能性が低減する。また、そのような構成としながらも、冊子を構成する第1、第2、第3及び第4の紙片のうち1枚のシートが折り畳まれて構成される紙片が第2の紙片と第4の紙片のみであるため、折り畳まれるシートが1枚のみとなり、それにより、シートを折り畳む際にシートがずれることで段差が形成されなくなってしまうことが回避される。
【0011】
また、重ね合わされた紙片の数が、その数が最も多い部分に対して少ない部分においては、紙片どうしを剥離可能に貼着するために表裏から押圧された際に、その押圧力が十分に伝わらずに、紙片どうしの貼着が不十分となることでいわゆる浮きが生じたり、不用意に剥離してしまったりするが、第1~第3の紙片のうち綴じ辺から綴じ辺に対向する辺までの長さが最も短い第1の紙片と第4の紙片とが、綴じ辺から綴じ辺に対向する辺までの長さが互いに等しければ、重ね合わされた紙片の数が、その数が最も多い部分に対して少ない部分が、第2の紙片と第3の紙片とが重ね合わされた部分のみとなるため、浮きが生じたり不用意に剥離したりする部分が少なくなる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、冊子を構成する第1、第2、第3及び第4の紙片のうち、第2の紙片と第4の紙片とのみが、綴じ辺を介して連接した1枚のシートからなり、綴じ辺を中心として折り畳まれて構成され、この第2の紙片と第4の紙片との間に第3の紙片が挟まれて剥離可能に貼着された状態となっているため、複数枚の紙片が一辺を綴じ辺として綴じられ、綴じ辺に対向する辺にて段差を有する冊子において、冊子を構成する紙片が脱落してしまう可能性を低減させながらも、段差を確実に形成することができる。
【0013】
また、第1の紙片と第4の紙片とが、綴じ辺から綴じ辺に対向する辺までの長さが互いに等しいものにおいては、重ね合わされた紙片の数が、その数が最も多い部分に対して少ない部分が、第2の紙片と第3の紙片とが重ね合わされた部分のみとなるため、紙片どうしを剥離可能に貼着するために表裏から押圧された際に、その押圧力が十分に伝わらずに浮きが生じたり不用意に剥離したりする部分を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の冊子の第1の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA-A’断面図、(c)は裏面図である。
図2図1に示した郵送冊子の製造方法を説明するための断面図である。
図3図1に示した郵送冊子の作用効果を説明するための断面図である。
図4図1に示した郵送冊子の使用方法を説明するための図である。
図5図1に示した郵送冊子の使用方法を説明するための図である。
図6図1に示した郵送冊子の使用方法を説明するための図である。
図7】本発明の冊子の第2の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA-A’断面図である。
図8図7に示した郵送冊子の作用効果を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の冊子の第1の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA-A’断面図、(c)は裏面図である。
【0017】
本形態は図1に示すように、表紙片10と、中紙片20a,20bと、裏紙片30との4枚の紙片がこの順で重ね合わされて剥離可能に貼着された郵送冊子1である。
【0018】
表紙片10は、本願発明における第1の紙片となるものである。表紙片10は、長方形の形状を有し、長辺の一辺が綴じ辺11となり、綴じ辺11に沿ってミシン目12が形成されている。
【0019】
中紙片20aは、本願発明における第2の紙片となるものである。中紙片20aは、長方形の形状を有し、長辺の一辺が綴じ辺21aとなっている。そして、この綴じ辺21aが表紙片10の綴じ辺11と重なり合うように表紙片10の裏面に積層され、表紙片10との積層面に積層された擬似接着層50によって表紙片10の裏面に剥離可能に貼着されている。また、表紙片10との積層面には、表紙片10のミシン目12に対向する領域と綴じ辺21aとの間の領域に粘着剤層60が積層されており、この領域においては、表紙片10と中紙片20aとが剥離困難に貼着されている。なお、剥離困難とは、表紙片10と中紙片20aとを人間の手によって剥離した場合に、表紙片10や中紙片20a自体が裂かれたり厚み方向に分割されたりする程度に強く貼着されていることである。また、中紙片20aの短辺方向となる綴じ辺21aから綴じ辺21aに対向する辺までの長さL2は、表紙片10の短辺方向となる綴じ辺11から綴じ辺11に対向する辺までの長さL1よりも長いものとなっている。また、中紙片20aの長辺方向の長さは、表紙片10の長辺方向の長さと等しいものとなっている。
【0020】
中紙片20bは、本願発明における第3の紙片となるものである。中紙片20bは、長方形の形状を有し、長辺の一辺が綴じ辺21bとなっている。そして、この綴じ辺21bが中紙片20aの綴じ辺21aと重なり合うように中紙片20aの表紙片10との積層面とは反対側の面に積層され、中紙片20aとの積層面に積層された擬似接着層50によって表紙片10の裏面に剥離可能に貼着されている。また、表紙片10のミシン目12に対向してミシン目22が形成されている。また、中紙片20aとの積層面には、ミシン目22と綴じ辺21bとの間の領域に粘着剤層60が積層されており、この領域においては、中紙片20aと中紙片20bとが剥離困難に貼着されている。また、中紙片20bの短辺方向となる綴じ辺21bから綴じ辺21bに対向する辺までの長さL3は、中紙片20aの短辺方向となる綴じ辺21aから綴じ辺21aに対向する辺までの長さL2よりも長いものとなっている。また、中紙片20bの長辺方向の長さは、中紙片20aの長辺方向の長さと等しいものとなっている。
【0021】
裏紙片30は、本願発明における第4の紙片となるものである。裏紙片30は、長方形の形状を有し、長辺の一辺が綴じ辺31となっている。そして、この綴じ辺31が中紙片20bの綴じ辺21bと重なり合うように中紙片20bの中紙片20aとの積層面とは反対側の面に積層され、中紙片20bの裏紙片30との積層面に積層された擬似接着層50によって中紙片20bの裏面に剥離可能に貼着されている。中紙片20aと裏紙片30とは、綴じ辺21a,31を連接辺として連接した1枚のシートから構成されており、綴じ辺21a,31を折り部23とし、中紙片20bを挟んだ状態で折り畳まれて構成されている。また、裏紙片30の短辺方向となる綴じ辺31から綴じ辺31に対向する辺までの長さL4は、表紙片10の短辺方向となる綴じ辺11から綴じ辺11に対向する辺までの長さL1と等しいものとなっている。また、裏紙片30の長辺方向の長さは、中紙片20bの長辺方向の長さと等しいものとなっている。
【0022】
以下に、上記のように構成された郵送冊子1の製造方法について説明する。
【0023】
図2は、図1に示した郵送冊子1の製造方法を説明するための断面図である。なお、表紙片10及び中紙片20bにそれぞれ形成されるミシン目12,22及び粘着剤層60についての説明は省略する。
【0024】
図1に示した郵送冊子1を製造する場合はまず、中紙片20bと中紙片20aと裏紙片30と表紙片10とがこの順で連接してなる連続シート2の一方の面の全面に擬似接着剤を塗布することで擬似接着層50を積層する(図2(a))。なお、連続シート2は、中紙片20bと中紙片20aと裏紙片30と表紙片10との連接方向に直交する方向に、これら連接した中紙片20bと中紙片20aと裏紙片30と表紙片10とが複数連続して構成されている。
【0025】
次に、中紙片20a,20bの他方の面の全面にも擬似接着剤を塗布することで擬似接着層50を積層する(図2(b))。
【0026】
次に、中紙片20aと中紙片20bとを切り離すとともに、表紙片10と裏紙片30とを切り離す(図2(c))。なお、中紙片20aと裏紙片30とは切り離されずに連接した1枚の連接シート3となっている。
【0027】
次に、中紙片20aと裏紙片30とが連接した連接シート3を裏紙片30の擬似接着層50が積層されていない面が内側となるように連接辺を折り部23として折り畳み、その際、中紙片20aと裏紙片30との間に中紙片20bを挟み込むとともに、中紙片20aの中紙片20bとは反対側の面に表紙片10を積層し、これら重ね合わされた表紙片10と中紙片20a,20bと裏紙片30とを表裏から所定の圧力で押圧することで、擬似接着層50によって剥離可能に貼着する(図2(d))。
【0028】
その後、重ね合わされて互いに剥離可能に貼着された表紙片10と中紙片20a,20bと裏紙片30とを単片状に断裁し、図1に示した郵送冊子1を完成させる。
【0029】
以下に、上記のようにして製造された郵送冊子1の作用効果について説明する。
【0030】
図3は、図1に示した郵送冊子1の作用効果を説明するための断面図である。
【0031】
図1に示した郵送冊子1においては、上述したように、表紙片10と中紙片20a,20bと裏紙片30とを擬似接着層50によって剥離可能に貼着するためには、重ね合わされた表紙片10と中紙片20a,20bと裏紙片30とを表裏から所定の圧力で押圧することになる。その際、重ね合わされた紙片の数が、その数が最も多い部分に対して少ない部分においては、その押圧力が十分に伝わらずに、重ね合わされた紙片どうしの貼着が不十分となることでいわゆる浮きが生じたり、不用意に剥離してしまったりする。
【0032】
ところが、図1に示した郵送冊子1においては、上述したように、表紙片10と中紙片20a,20bとのうち綴じ辺から綴じ辺に対向する辺までの長さが最も短い表紙片10の綴じ辺11から綴じ辺11に対向する辺までの長さと、裏紙片30の綴じ辺31から綴じ辺31に対向する辺までの長さとが互いに等しいものとなっている。そのため、図3(a)に示すように、図1に示した郵送冊子1においては、重ね合わされた紙片の数が最も多い部分は、表紙片10と中紙片20a,20bと裏紙片30との4枚の紙片全てが重ね合わされた領域となる一方、重ね合わされた紙片の数が4枚に対して少ない部分は、中紙片20a,20bの2枚の紙片が重ね合わされた領域のA部のみとなる。
【0033】
このように、重ね合わされた紙片の数が、その数が最も多い4枚の紙片が重ね合わされた部分に対して少ない部分が、中紙片20a,20bの2枚の紙片が重ね合わされた部分のみとなるため、表紙片10と中紙片20a,20bと裏紙片30とを剥離可能に貼着するために表裏から押圧された際に、その押圧力が十分に伝わらずに、いわゆる浮きが生じたり不用意に剥離したりする部分を少なくすることができる。
【0034】
また、図1に示した郵送冊子1においては、中紙片20aと裏紙片30とが綴じ辺21a,31を介して連接した1枚のシートからなり、綴じ辺21a,31を折り部23として折り畳まれて構成されることで、図3(b)中矢印で示すように、この中紙片20aと裏紙片30との間に中紙片20bが挟まれて剥離可能に貼着された状態となり、中紙片20aに表紙片10が貼着され、中紙片20aと裏紙片30とに中紙片20bが貼着されているため、例え上述したように中紙片20aと中紙片20bとの間に浮きが生じたとしても、郵送冊子1を構成する紙片が脱落しにくいものとなる。
【0035】
また、複数の紙片が連接したシートが中紙片20aと裏紙片30とが連接したシート1枚のみであるため、重ね合わされた場合に段差が生じる郵送冊子1において、複数の紙片が連接したシートを折り畳む際に紙片間でずれが生じて段差が形成されなくなってしまうことが回避され、段差を確実に形成することができるようになる。
【0036】
以下に、上述した郵送冊子1の使用方法について説明する。
【0037】
図4図6は、図1に示した郵送冊子1の使用方法を説明するための図である。
【0038】
図1に示した郵送冊子1は、例えば、郵送冊子1の郵送先の住所や氏名からなる郵送情報が表紙片10に印字されており、この郵送情報に従って郵送先に郵送されていく。
【0039】
郵送冊子1が郵送先に届けられた後、郵送冊子1の郵送先において、図4(a)に示すように、表紙片10が、ミシン目12が沿う綴じ辺11とは反対側の辺の角部を剥離開始端部として中紙片20aから剥離されていく。表紙片10と中紙片20aとは擬似接着層50によって剥離可能に貼着されているため、表紙片10を中紙片20aから剥離することができる。さらにその際、表紙片10の綴じ辺11とは反対側の辺と、中紙片20aの綴じ辺21aとは反対側の辺との間には、表紙片10の綴じ辺11から綴じ辺11に対向する辺までの長さが、中紙片20aの綴じ辺21aから綴じ辺21aに対向する辺までの長さよりも短いことにより段差が生じているため、この段差を利用して表紙片10の剥離開始端部が摘みやすくなっている。
【0040】
表紙片10が中紙片20aから剥離されていくと、表紙片10の綴じ辺11に沿う領域が粘着剤層60によって中紙片20aと剥離困難に貼着されており、さらに、表紙片10には、粘着剤層60に沿ってミシン目12が形成されているため、図4(b)に示すように、表紙片10をミシン目12にて折り畳むことで粘着剤層60が積層された領域を中心として表紙片10と中紙片20aとを見開くことができる。これにより、表紙片10の中紙片20aとの積層面に表示された通知情報14と、中紙片20aの表紙片10との積層面に表示された通知情報24aとが視認可能となり、これら通知情報14,24aを郵送冊子1の郵送先に通知することができる。
【0041】
その後、図5(a)に示すように、中紙片20aが綴じ辺21aとは反対側の辺の角部を剥離開始端部として中紙片20bから剥離されていく。中紙片20aと中紙片20bとは擬似接着層50によって剥離可能に貼着されているため、中紙片20aを中紙片20bから剥離することができる。さらにその際、中紙片20aの綴じ辺21aとは反対側の辺と、中紙片20bの綴じ辺21bとは反対側の辺との間には、中紙片20aの綴じ辺21aから綴じ辺21aに対向する辺までの長さが、中紙片20bの綴じ辺21bから綴じ辺21bに対向する辺までの長さよりも短いことにより段差が生じているため、この段差を利用して中紙片20aの剥離開始端部が摘みやすくなっている。
【0042】
中紙片20aが中紙片20bから剥離されていくと、中紙片20aの綴じ辺21aに沿う領域が粘着剤層60によって中紙片20bと剥離困難に貼着されており、さらに、中紙片20bには、粘着剤層60に沿ってミシン目22が形成されているため、図5(b)に示すように、中紙片20bをミシン目22にて折り畳むことで粘着剤層60が積層された領域を中心として中紙片20aと中紙片20bとを見開くことができる。これにより、中紙片20aの中紙片20bとの積層面に表示された通知情報25aと、中紙片20bの中紙片20aとの積層面に表示された通知情報24bとが視認可能となり、これら通知情報24b,25aを郵送冊子1の郵送先に通知することができる。
【0043】
また、郵送冊子1の郵送先においては、図6(a)に示すように、裏紙片30が綴じ辺31とは反対側の辺の角部を剥離開始端部として中紙片20bから剥離されていく。裏紙片30と中紙片20bとは擬似接着層50によって剥離可能に貼着されているため、裏紙片30を中紙片20bから剥離することができる。さらにその際、裏紙片30の綴じ辺31とは反対側の辺と、中紙片20bの綴じ辺21bとは反対側の辺との間には、裏紙片30の綴じ辺31から綴じ辺31に対向する辺までの長さが、中紙片20bの綴じ辺21bから綴じ辺21bに対向する辺までの長さよりも短いことにより段差が生じているため、この段差を利用して裏紙片30の剥離開始端部が摘みやすくなっている。
【0044】
裏紙片30が中紙片20bから剥離されていくと、裏紙片30が綴じ辺31を連接辺として中紙片20aと連接しているため、図6(b)に示すように、綴じ辺31を中心として裏紙片30と中紙片20bとを見開くことができる。これにより、表紙片20bの裏紙片30との積層面に表示された通知情報25bと、裏紙片30の中紙片20bとの積層面に表示された通知情報34とが視認可能となり、これら通知情報25b,34を郵送冊子1の郵送先に通知することができる。
【0045】
(第2の実施の形態)
図7は、本発明の冊子の第2の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA-A’断面図である。
【0046】
本形態は図7に示すように、図1に示したものに対して、裏紙片130の大きさが異なる郵送冊子101である。
【0047】
本形態における裏紙片130は、綴じ辺131から綴じ辺131に対向する辺までの長さL4が、表紙片110と中紙片120a,120bとのうち綴じ辺から綴じ辺に対向する辺までの長さが最も長い中紙片120bの綴じ辺121bから綴じ辺121bに対向する辺までの長さL3よりも長くなっている。
【0048】
以下に、本形態における郵送冊子101の作用効果について説明する。
【0049】
図8は、図7に示した郵送冊子101の作用効果を説明するための断面図である。
【0050】
図7に示した郵送冊子101においては、図1に示した郵送冊子1と同様に、中紙片120aと裏紙片130とが綴じ辺121a,131を介して連接した1枚のシートからなり、綴じ辺121a,131を折り部123として折り畳まれて構成されることで、図8中矢印で示すように、この中紙片120aと裏紙片130との間に中紙片120bが挟まれて剥離可能に貼着された状態となり、中紙片120aに表紙片110が貼着され、中紙片120aと裏紙片130とに中紙片120bが貼着されているため、例え郵送冊子101を構成する紙片間に浮きが生じたとしても、郵送冊子101を構成する紙片が脱落しにくいものとなる。
【0051】
また、複数の紙片が連接したシートが中紙片120aと裏紙片130とが連接したシート1枚のみであるため、重ね合わされた場合に段差が生じる郵送冊子101において、複数の紙片が連接したシートを折り畳む際に紙片間でずれが生じて段差が形成されなくなってしまうことが回避され、段差を確実に形成することができるようになる。
【0052】
なお、上述した実施の形態においては、表紙片10,110と中紙片20a,20b,120a,120bと裏紙片30,130との4枚の紙片がこの順で重ね合わされて剥離可能に貼着ものを例に挙げて説明したが、表紙片10,110や裏紙片30,130の外側にさらに紙片を剥離可能に貼着した構成としてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1,101 郵送冊子
2 連続シート
3 連接シート
10,110 表紙片
11,21a,21b,31,111,121a,121b,131 綴じ辺
12,22,112,122 ミシン目
14,24a,24b,25a,25b,34 通知情報
20a,20b,120a,120b 中紙片
23,123 折り部
30,130 裏紙片
50,150 擬似接着層
60,160 粘着剤層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8