(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-29
(45)【発行日】2022-04-06
(54)【発明の名称】水中清掃作業機
(51)【国際特許分類】
B08B 3/02 20060101AFI20220330BHJP
【FI】
B08B3/02 F
(21)【出願番号】P 2019006933
(22)【出願日】2019-01-18
【審査請求日】2021-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】尾池 傑
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-059764(JP,U)
【文献】特表平05-503049(JP,A)
【文献】特開2001-276754(JP,A)
【文献】特公昭49-037160(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 3/02
B63B 59/06~59/10
F04D 1/00~35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中に存在する清掃対象物の表面に沿って移動しながら、前記清掃対象物を清掃する水中清掃作業機であって、
前記清掃対象物に向かって高圧水を噴射して清掃する清掃装置と、前記清掃装置による清掃後の汚水を吸引する吸引装置と、を備え、
前記清掃装置と前記吸引装置は、外部の高圧水ポンプから供給される高圧水によって駆動さ
れ、
前記清掃装置は、前記清掃対象物に対する高圧水の噴射の反力により回転する円盤状の清掃体を備え、
前記清掃体の外周側には、前記清掃体の前後を取り囲むように配置される第1のカバーと、前記清掃体の外周に沿って配置される第2のカバーによって構成される、拡散防止用カバーが設けられる、水中清掃作業機。
【請求項2】
前記清掃装置と前記吸引装置は、前記高圧水ポンプから1本の高圧ホースを介して圧送
された高圧水が分配される、請求項1に記載の水中清掃作業機。
【請求項3】
前記吸引装置は、前記清掃体の内方側に設けられる吸水口を備えており、汚水は前記清掃体の外周側及び内方側の空隙を通って前記吸水口から吸引される、請求項1又は2に記載の水中清掃作業機。
【請求項4】
前記吸引装置は、汚水を吸引するための吸引ポンプを含み、
前記吸引ポンプは、中空円柱状のケーシングと、前記ケーシング内に配置されたインペラと、前記ケーシングに形成された複数の吸引口と、を備え、
前記インペラは、前記インペラに設けられた噴射ノズルからの高圧水の噴射の反力により駆動される、請求項1~
3の何れか1項に記載の水中清掃作業機。
【請求項5】
前記複数の吸引口は、前記ケーシングの底面に円周方向に沿って配設されており、前記吸引口は、前記ケーシングの接線方向に向かって開口している、請求項
4に記載の水中清掃作業機。
【請求項6】
前記噴射ノズルは、前記インペラの回転軸を挟んで一対設けられる、請求項
4に記載の水中清掃作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中清掃作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、船舶の海水浸漬面に付着した貝や藻類等を除去する水中洗掃機が開示されている。この水中洗掃機には、洗掃に使用するブラシを回転させるためのブラシ回転用ポンプ、船体に向けて機体を圧着するためのスクリューを回転させるモータ、清掃時に発生する汚水を吸引し排出する汚水ポンプ等、複数の駆動装置が搭載されており、機体自体が重量物となり、取扱性や操作性に問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は上記課題に鑑み、水中で清掃作業をする作業機をより軽いものでありながら、海水の汚染を確実に防止することができる水中清掃作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の水中清掃作業機は、水中に存在する清掃対象物の表面に沿って移動しながら、前記清掃対象物を清掃する水中清掃作業機であって、
前記清掃対象物に向かって高圧水を噴射して清掃する清掃装置と、前記清掃装置による清掃後の汚水を吸引する吸引装置と、を備え、
前記清掃装置と前記吸引装置は、外部の高圧水ポンプから供給される高圧水によって駆動されるものである。
【0006】
本発明の水中清掃作業機は、清掃装置による清掃後の汚水を吸引する吸引装置を備えるため、海水の汚染を確実に防止することができる。また、本発明の水中清掃作業機によれば、清掃装置と吸引装置が外部の高圧水ポンプから供給される高圧水によって駆動されるため、清掃装置と吸引装置を駆動するための複数の駆動装置を機体に搭載する必要がなく、作業機が軽量となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態に係る水中清掃作業機の平面図である。
【
図2】本実施形態に係る水中清掃作業機の右側面図である。
【
図3】本実施形態に係る水中清掃作業機の底面図である。
【
図4】
図1に示す水中清掃作業機のA-A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0009】
図1~
図4は、本実施形態に係る水中清掃作業機1を示す。水中清掃作業機1は、水中に存在する清掃対象物(例えば船体、養殖魚網等)の表面に沿って移動しながら、清掃対象物を清掃するものである。水中清掃作業機1は、作業機本体2と、走行装置3と、推進力発生用プロペラ4と、清掃ノズルユニット5(清掃装置に相当)と、吸引装置6と、を備えている。
【0010】
作業機本体2は、推進力発生用プロペラ4が配置されるプロペラ側本体2Aと、清掃ノズルユニット5が配置されるノズル側本体2Bと、プロペラ側本体2Aとノズル側本体2Bを連結する連結体2Cと、を備えている。連結体2Cは、上下方向に延びる複数のパイプで構成されている。
【0011】
プロペラ側本体2Aは、開口21を有する複数個(本実施形態では3個)の筒状のダクト20A,20B,20Cを備えている。ダクト20A,20B,20Cは、作業機本体2の左右方向に配設されており、各開口21の内部に推進力発生用プロペラ4がそれぞれ収容されている。
【0012】
ノズル側本体2Bには、走行装置3が設けられている。走行装置3は、水中モータM1,M2がそれぞれ収容されるモータケース31A,31Bと、前後左右4個の車輪32,33,34,35と、左右一対のクローラ装置36,37と、を備えている。
【0013】
前側のモータケース31Aに収容される水中モータM1は、右前側の車輪33を回転駆動させる。一方、後側のモータケース31Bに収容される水中モータM2は、左後側の車輪34を回転駆動させる。水中モータM1,M2はDCモータで構成されている。
【0014】
左側のクローラ装置36は、左後側の車輪34の回転軸に固定され、水中モータM2により回転駆動される駆動輪36aと、左前側の車輪32の回転軸に固定された第1従動輪36bと、駆動輪36aと第1従動輪36bとの間であって駆動輪36aと第1従動輪36bよりも上方に回転自在に支持された第2従動輪36cと、駆動輪36a、第1従動輪36b、及び第2従動輪36cの間に巻き掛けられた環状のクローラ36dと、を備えている。これにより、クローラ装置36は、水中モータM2の回転によりクローラ36dが回転するとともに、左前側の車輪32も同時に回転させる。すなわち、水中モータM2は、左後側の車輪34、左前側の車輪32、及び左側のクローラ装置36を同じ方向に同時に回転させる。
【0015】
右側のクローラ装置37は、右前側の車輪33の回転軸に固定され、水中モータM1により回転駆動される駆動輪37aと、右後側の車輪35の回転軸に固定された第1従動輪37bと、駆動輪37aと第1従動輪37bとの間であって駆動輪37aと第1従動輪37bよりも上方に回転自在に支持された第2従動輪37cと、駆動輪37a、第1従動輪37b、及び第2従動輪37cの間に巻き掛けられた環状のクローラ37dと、を備えている。これにより、クローラ装置37は、水中モータM1の回転によりクローラ37dが回転するとともに、右後側の車輪35も同時に回転させる。すなわち、水中モータM1は、右前側の車輪33、右後側の車輪35、及び右側のクローラ装置37を同じ方向に同時に回転させる。
【0016】
各水中モータM1,M2には不図示の給電ケーブルが接続され、船上又は陸上の電源装置から給電ケーブルを介して各水中モータM1,M2へ給電させる。
【0017】
清掃ノズルユニット5は、不図示の高圧ホースから供給された高圧水を清掃対象物に向かって噴射し、その噴流によって清掃対象物の清掃を行う。清掃ノズルユニット5は、ノズル側本体2Bに回転自在に支持された回転軸7の下部に固定されている。回転軸7の中間部には、ロータリジョイント71が配置されている。ロータリジョイント71は、回転する清掃ノズルユニット5に高圧水を搬送するためのものである。ロータリジョイント71は、後述するロータリジョイント624の構成と略同じのため、詳細な説明は省略する。ロータリジョイント71には、船上又は陸上の不図示の高圧水ポンプから高圧ホースを介して圧送される高圧水が供給される。高圧ホースは、分岐継手81に接続されており、分岐継手81にて分岐された高圧水は、分岐継手81から延びる各接続ホース82,83,84を介して各ロータリジョイント71へ供給される。ロータリジョイント71に供給された高圧水は、回転軸7内部の流路を通って清掃ノズルユニット5に供給される。
【0018】
清掃ノズルユニット5は、回転軸7の下端に固定された円盤状の清掃体51と、清掃体51の外周部に設けられた複数個の清掃ノズル52と、を備えている。
【0019】
清掃体51は、例えばステンレスで形成されており、清掃対象物に付着した貝類等に回転しながら接触し、貝類等を除去することもできる。清掃体51の外周側には、ノズル側本体2Bの下面から突出するように拡散防止用カバー53が設けられている。拡散防止用カバー53を設けることで、清掃時の汚水の拡散を防止することができる。拡散防止用カバー53は、3個の清掃体51の前後を取り囲むように配置される第1カバー部53aと、隣り合う清掃体51の間に各清掃体51の外周に沿って配置される第2カバー部53bと、を備えている。第1カバー部53aの突端部には、不図示のゴムパッキンが設けられる。また、本実施形態では、ノズル側本体2Bの外周に、清掃対象物の表面に接する車輪32,33,34,35とクローラ装置36,37とが配置されているため、清掃時の汚水の拡散をさらに防止することができる。
【0020】
本実施形態では、2個の清掃ノズル52が清掃体51の軸心を挟んで対向するように配置されている。清掃ノズル52は、高圧水ポンプから圧送された高圧水を噴射する。各清掃ノズル52は、高圧水の噴射方向が清掃対象物に向くように所定角度だけ下方に傾斜するようになっている(
図2を参照)。これにより、清掃ノズル52から高圧水が噴射された場合、この高圧水が清掃対象物の表面に吹き付けられることによって発生する噴射の反力により、清掃ノズルユニット5が回転軸7とともに回転する。
【0021】
推進力発生用プロペラ4は、回転軸7の上端に固定されている。そのため、清掃ノズル52から高圧水が噴射され、その噴射反力によって清掃ノズルユニット5とともに回転軸7が回転すると、推進力発生用プロペラ4も一体的に回転する。
【0022】
推進力発生用プロペラ4の回転により、プロペラ側本体2Aとノズル側本体2Bの間の水がダクト20A,20B,20Cに導入され、開口21から噴き出される水流が発生し、これによって水中清掃作業機1には推進力が得られ、水中清掃作業機1は清掃対象物へ押し付けられる。このため、各車輪32,33,34,35及び各クローラ装置36,37が清掃対象物から浮き上がることなく、水中清掃作業機1が清掃対象物の表面に沿って安定して走行しながら、清掃対象物を清掃することができる。
【0023】
吸引装置6は、清掃ノズルユニット5による清掃後の汚水(残渣水)を吸引する。吸引装置6は、汚水が吸引される吸水口61と、汚水を吸引するための吸引ポンプ62と、を備えている。
【0024】
吸水口61は、ノズル側本体2Bの下面に形成されている。また、吸水口61は、清掃体51の内方側、すなわち清掃体51の上側に設けられている。本実施形態では、各清掃体51に対して2個の吸水口61が設けられ、2個の吸水口61は、回転軸7の軸心を挟んで対向するように配置されている。
【0025】
清掃ノズルユニット5による清掃後の汚水は、
図4に一点鎖線にて示すように、清掃体51の外周側及び内方側の空隙を通って吸水口61から吸引される。このとき、清掃体51の周囲には拡散防止用カバー53が設けられていることで、汚水は吸水口61から効果的に吸引される。
【0026】
吸引ポンプ62は、ノズル側本体2Bの上面に固定されている。
図5は、吸引ポンプ62の側面図を示している。説明の便宜のため、
図5の上下方向を吸引ポンプ62の上下方向と称する。
【0027】
吸引ポンプ62は、中空円柱状のケーシング621と、ケーシング621内に配置されたインペラ622と、ケーシング621に形成された複数の吸引口623と、を備えている。
【0028】
ケーシング621の上部端面621aには、下部軸受621cが固定されている。また、ケーシング621の下部端面(底面)621bには、円柱状に突出する吸引部621dが形成され、吸引部621dの外周部には、複数の吸引口623が配設されている。本実施形態では、6個の吸引口623が吸引部621dの円周方向に沿って等間隔で配置されている。各吸引口623は、ケーシング621の接線方向、具体的には吸引部621dの接線方向に向かって開口している(
図4を参照)。各吸引口623は、不図示の吸引ホースにより各吸水口61と接続されている(
図4を参照)。これにより、吸水口61から吸引された汚水は、吸引ホース及び吸引口623を介してケーシング621内に吸引される。
【0029】
また、ケーシング621の外周部には、吸引された汚水を排出する排出部621eが設けられている。排出部621eの先端には、不図示の汚水移送ホースが接続されており、吸引ポンプ62から排出された汚水は、汚水移送ホースを介して船上又は陸上に移送される。
【0030】
ケーシング621の上部端面621aには、中部ケースカバー621fが固定され、中部カバー621fの上面には上部ケースカバー621gが固定されている。中部ケースカバー621fは、下部軸受621cを覆っている。上部ケースカバー621gの内部には、後述するロータリジョイント624が収容されている。また、上部ケースカバー621gの上面には上部軸受621hが固定されている。
【0031】
インペラ622は、円盤状のインペラ本体622aと、インペラ本体622aの外周部に設けられた複数個の噴射ノズル622bと、インペラ本体622aの下面に設けられた複数個の羽根部622cと、インペラ本体622aの上面に固定された回転軸622dと、を備えている。
【0032】
噴射ノズル622bは、インペラ622の回転軸を挟んで一対設けられる。言い換えると、2個の噴射ノズル622bがインペラ本体622aの軸心を挟んで対向するように配置されている。噴射ノズル622bは、前述した不図示の高圧水ポンプから圧送された高圧水を噴射する。各噴射ノズル622bは、高圧水の噴射方向がインペラ本体622aの接線方向に向くように配置されている。そのため、噴射ノズル622bから高圧水が噴射された場合、この高圧水の噴射の反力により、インペラ本体622aが回転する。すなわち、インペラ622は、噴射ノズル622bからの高圧水の噴射の反力によって駆動される。
【0033】
羽根部622cは、インペラ本体622aとともに回転することで、ケーシング621内の液体に遠心力を与える。本実施形態では、6個の羽根部622cがインペラ本体622aの円周方向に沿って等間隔で配置されている。
【0034】
回転軸622dの下端は、インペラ本体622aに固定されている。回転軸622dは、下部軸受621cと、上部軸受621hとにより回転自在に支持されている。回転軸622dには、高圧水を軸方向へ送るための流路622eが形成されている。流路622eの上端は、回転軸622dの中央部に位置している。流路622eの下端は、インペラ本体622aまで延び、接続パイプ622fを介して噴射ノズル622bと連通している。
【0035】
ロータリジョイント624は、回転するインペラ622に高圧水を搬送するためのものである。ロータリジョイント624は、インペラ622の回転軸622dと、回転軸622dを取り囲む固定ハウジング624aとから構成されている。
【0036】
回転軸622dには、流路622eと連通する受給孔624bが形成されている。一方、固定ハウジング624aには、受給孔624bに対応する高さに供給孔624cが形成されている。
【0037】
固定ハウジング624aは、中部ケースカバー621fの上面に固定されている。固定ハウジング624aの供給孔624cには、クランク継手625が接続されている。クランク継手625には、分岐継手81から延びる接続ホース85(
図1を参照)が接続されている。
【0038】
これにより、船上又は陸上の不図示の高圧水ポンプから圧送される高圧水が、高圧ホース、分岐継手81、接続ホース85、及びクランク継手625を介してロータリジョイント624へ供給される。ロータリジョイント624に供給された高圧水は、回転軸622dの流路622e及び接続パイプ622fを通って噴射ノズル622bに供給され、噴射ノズル622bから噴射される。
【0039】
インペラ622は、噴射ノズル622bからの高圧水の噴射の反力によって回転駆動される。インペラ622が回転することで、ケーシング621内の液体に遠心力が与えられるため、吸引ポンプ62は、排出部621eから汚水を排出するとともに、吸引口623から汚水を吸引する。すなわち、吸引ポンプ62は、外部の高圧水ポンプから供給される高圧水によって駆動されるため、吸引装置6を駆動するためのモータ等の駆動装置を機体に搭載する必要がない。
【0040】
以上のように、本実施形態の水中清掃作業機1は、水中に存在する清掃対象物の表面に沿って移動しながら、清掃対象物を清掃する水中清掃作業機1であって、清掃対象物に向かって高圧水を噴射して清掃する清掃ノズルユニット5と、清掃ノズルユニット5による清掃後の汚水を吸引する吸引装置6と、を備え、清掃ノズルユニット5と吸引装置6は、外部の高圧水ポンプから供給される高圧水によって駆動される。
【0041】
これにより、清掃ノズルユニット5による清掃後の汚水を吸引する吸引装置6を備えるため、海水の汚染を確実に防止することができる。また、清掃ノズルユニット5と吸引装置6が外部の高圧水ポンプから供給される高圧水によって駆動されるため、清掃ノズルユニット5と吸引装置6を駆動するための複数の駆動装置を機体に搭載する必要がなく、作業機が軽量となる。
【0042】
本実施形態では、清掃ノズルユニット5と吸引装置6は、高圧水ポンプから1本の高圧ホースを介して圧送された高圧水が分配される。ただし、清掃ノズルユニット5と吸引装置6に対して、複数個の高圧水ポンプから高圧ホースを介して圧送された高圧水をそれぞれに供給してもよい。
【0043】
本実施形態では、清掃ノズルユニット5は、清掃対象物に対する高圧水の噴射の反力により回転する円盤状の清掃体51を備え、吸引装置6は、清掃体51の内方側に設けられる吸水口61を備えており、汚水は清掃体51の外周側及び内方側の空隙を通って吸水口61から吸引される。
【0044】
本実施形態では、清掃体51の外周側には、汚水の拡散を防止する拡散防止用カバー53が設けられる。
【0045】
本実施形態では、吸引装置6は、汚水を吸引するための吸引ポンプ62を含み、吸引ポンプ62は、中空円柱状のケーシング621と、ケーシング621内に配置されたインペラ622と、ケーシング621に形成された複数の吸引口623と、を備え、インペラ622は、インペラ622に設けられた噴射ノズル622bからの高圧水の噴射の反力により駆動される。
【0046】
本実施形態では、複数の吸引口623は、ケーシング621の底面に円周方向に沿って配設されており、吸引口623は、ケーシング621の接線方向に向かって開口している。
【0047】
本実施形態では、噴射ノズル622bは、インペラ622の回転軸622dを挟んで一対設けられる。
【0048】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0049】
1 水中清掃作業機
2 作業機本体
3 走行装置
4 推進力発生用プロペラ
5 清掃ノズルユニット
51 清掃体
52 清掃ノズル
53 拡散防止用カバー
6 吸引装置
61 吸水口
62 吸引ポンプ
621 ケーシング
622 インペラ
622b 噴射ノズル
623 吸引口
624 ロータリジョイント