(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-29
(45)【発行日】2022-04-06
(54)【発明の名称】無人航空機による液体輸送、その方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
B64C 39/02 20060101AFI20220330BHJP
B64C 27/08 20060101ALI20220330BHJP
A01K 53/00 20060101ALI20220330BHJP
A01K 51/00 20060101ALI20220330BHJP
A23K 50/90 20160101ALI20220330BHJP
【FI】
B64C39/02
B64C27/08
A01K53/00
A01K51/00
A23K50/90
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019134421
(22)【出願日】2019-07-22
(62)【分割の表示】P 2017209357の分割
【原出願日】2017-10-30
【審査請求日】2020-10-30
(32)【優先日】2016-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517380569
【氏名又は名称】ジョン エム ルッソ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】ジョン エム ルッソ
【審査官】長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0075422(US,A1)
【文献】特開2010-208623(JP,A)
【文献】国際公開第2016/025341(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/015301(WO,A1)
【文献】特開2013-257039(JP,A)
【文献】国際公開第2015/163106(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 39/02
B64C 27/08
A01K 53/00
A01K 51/00
A23K 50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
UAV輸送手段を用いて液体を第1のステーションから第2のステーションに輸送する方法であって、
前記UAV輸送手段を前記第1のステーションとドッキングさせるステップと、
前記第1のステーションから前記UAV輸送手段に液体を供給するステップと、
前記UAV輸送手段を前記第1のステーションからドッキング解除するステップと、
前記UAV輸送手段を前記第2のステーションの付近に飛行させるステップと、
前記UAV輸送手段を前記第2のステーションとドッキングさせるステップと、
前記液体の少なくとも一部を前記UAV輸送手段から前記第2のステーションに送給するステップと、
前記第2のステーションの位置と前記第1のステーションから第2のステーションに配送される前記液体の量とを含むコンピュータ命令を前記UAV輸送手段に伝達するステップと、を備え、
前記UAV輸送手段をドッキングさせるステップが、ドッキング案内機構を使用するステップを有し、該ドッキング案内機構が、
前記第2のステーションの誘導補助手段を読み
前記第2のステーションを識別し前記
第2のステーションにドッキングすることを容易にする視覚的センサを有し、
前記UAV輸送手段は、
リザーバと、該リザーバに連結され液体を前記リザーバから前記第2のステーションに搬送する少なくとも1つのポートと、を有し、
前記少なくとも1つのポートがノズルを有し、さらに、
前記UAV輸送手段の本体に支持され複数の電動式ロータに給電するバッテリと、
前記ノズルに支持され前記バッテリに電気的に連結された充電アダプタと、を有し、該充電アダプタは、前記UAV輸送手段が前記基地ステーションにドッキングしている間、前記バッテリを充電することができるように前記
第1及び第2の基地ステーションとの電気的に連結を可能に
し、
前記第2のステーションが給餌器である、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第2のステーションが給水器である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記液体が薬物を含んでいる、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記液体が消毒薬を含んでいる、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のステーションが複数の第1のステーションを含んでいる、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のステーションが複数の第2のステーションを含んでいる、
請求項1または5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送システム及び方法に関し、より具体的には、液体を養蜂箱に配送する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ミツバチを飼育する複雑性が増しており、養蜂の経済的な継続性が脅されている。2015年5月にUSDAから発表された2014年-2015年のミツバチレポートでは、米国国内のミツバチの養蜂箱の全登録数のうちの42%は、1年間存続していないと推定されている。持続可能な損失率は、15~18%の範囲と予測されている。これらの損失の多くの原因はわかっていない。養蜂箱の損失は、米国国内の養蜂の経済面において重要な要因を示す。前記の観点から、受粉及び蜂蜜生産に必要不可欠なミツバチ業界は、大きなリスクにさらされている。
【0003】
損失率が業界の持続可能性の許容範囲に向かって下がる限りは、これらの損失率を達成するために必要とされる努力の強化が重要である。コスト増加、労力増加、及び材料増加には2つの要素がある。養蜂箱のミツバチの群れの病気の抑制及び栄養管理のための餌及び薬物の配給は、養蜂箱損失の低減に努める養蜂家にとって重要な資源投資である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
必要とされるのは、養蜂箱へ餌及び薬物を配給するためのシステム及び方法である。前述のコストをこの新しいシステム及び方法によって管理できる場合、見込みのある持続可能性を養蜂箱損失数の低減から得ることが可能であろう。
【0005】
本明細書に示される図面は、単に例示を目的としており、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明のシステムの1つの実施形態の概略図である。
【
図2】
図1のシステムの基地ステーションの1つの実施形態の概略図である。
【
図3】
図1のシステムの無人航空機の1つの実施形態の概略図である。
【
図4】
図1のシステムの受け入れステーションの1つの実施形態の概略図である。
【
図5】
図4の受け入れステーションの自己フラッシング式養蜂箱上部の給餌器の1つの実施形態の概略図である。
【
図6】
図1のシステムの無人航空機及び受け入れステーションのドッキングシステムの1つの実施形態の概略図である。
【
図7】
図1のシステムの無人航空機用の制御命令の1つの実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の何らかの実施形態において、液体を調達して配送するための無人航空機(UAV)を備えることができる。本発明の何らかの実施形態において、液体を第1のステーションつまり基地ステーションから1又は複数の受け入れステーションに配送するためのUAV及びシステムを備えることができる。本発明の何らかの実施形態において、受け入れステーションの1又は2以上は、養蜂箱と関連づけることができる。本発明の何らかの実施形態において、液体は、ミツバチ用の餌を含むことができる。本発明の何らかの実施形態において、液体は、ミツバチ用の薬物、例えば、ノゼマ病、バロア病、又はその両方を処置する薬物を含むことができる。
【0008】
以下に記載の本発明の実施形態は、本発明の実施例であり、一部の実例において、本発明の前述の実施形態よりも広いが、前述の実施形態の広さ又は本発明の広さを制限することは意図されていない。このような実施形態に記載の本発明の追加的な特徴部は随意的である。以下に記載の何らかの実施形態の特徴部は、以下に記載の何らかの実施形態の何らかの他の特徴部の有無を問わず、前述の実施形態と組み合わせることができる。以下で説明する何らかの方法、プロセス、装置、デバイス、又はシステムの全ての特性、ステップ、パラメーター、及び特徴部は、以下に記載するものを含め、何らかの特定の実施形態に限定されず、代わりに、本発明の前述の実施形態の何れかに、及び随意的に本発明の何れか又は全部の実施形態に同じように適用可能とすることができる。一部の実例において、広義の用語及び記述は、本開示を特定の用語又は記述に制限することなく、しかしながら、単に検討及び理解を容易にするために、より具体的な用語及び記述と置き換えられる。
【0009】
本発明の何れの実施形態も、ノゼマ病抑制及び餌供給を重点的に取り組みことができる。クワッドローター又は他の精密飛行システム、全地球測位システム(GPS)ナビゲーション、及び画像処理を含むUAV技術の進歩を利用することができる。本発明の何らかの実施形態を使用して、養蜂箱のミツバチ群の健康を向上させて年間損失を低減することを目的として、養蜂業務のコストを低減することができる。
【0010】
餌及び薬物を多数の養蜂箱に配給するコストを低減するため、本発明の何らかの実施形態において、システムは、基地ステーション、UAV輸送手段、少なくとも1つの受け入れステーション、及び何らかの適切な形式の制御システムを備えることができる。
【0011】
図1は、本発明のシステム21の1つの実施形態を示す。システム21は、任意の数の基地ステーション22を含むことができ、各基地ステーションは、任意の数の基地ステーションドック23を含む。各基地ステーションは、第1のステーションと呼ぶことができる。
図1において、例えば、システム21は、複数の基地ステーションドック23、より具体的には3つの基地ステーションドックを有する単一の基地ステーション22を有するように示されている。システム21は、任意の数の養蜂箱ドック24をさらに含むことができ、養蜂箱ドック24は、基地ステーション22によってサポートすることができる。各養蜂箱ドックは、第2のステーションと呼ぶことができる。養蜂箱ドック24は、任意の数の場所に存在することができる。
図1において、例えば、システム21は、第1の場所26に位置する単一の養蜂箱ドック24と、第1の場所26から離間して第1の場所26から遠く離れた第2の場所27に位置する、複数の(より具体的には3つの)他の養蜂箱ドック24とを含む。システム21は、基地ステーション22から1又は2以上の養蜂箱ドック24に供給を行う任意の数の無人航空機つまりUAV31をさらに含むことができる。何らかの実施形態において、UAV31の各々は、例えば、UAV31の数が基地ステーションドック23の数に等しいように基地ステーションドック23とペアにすることができる。
図1に示すように、例えば、UAV31は、基地ステーション22の基地ステーションドック23の1つから提供され、現在、当該養蜂箱ドック24とのドッキングに備えて第1の場所26での養蜂箱ドック24の上方でホバリングしている。
図1に示すように、第2のUAV31は、例えば、当該養蜂箱ドック24の補充を行うために第2の場所27での養蜂箱ドック24の1つとドッキングしている。
図1に示すように、第3のUAV31は、例えば、補充、再充填を行うか又は任意の数の他の機能を基地ステーション22において実行するために基地ステーションドック23の1つにドッキングしている。任意の数の基地ステーションドック23が任意の数のUAV31をサポートできることが想定されている。
【0012】
基地ステーション22は、液体又は他の配送製品を適切なUAV輸送手段31に供給するために設けることができる。何らかの実施形態において、配送される液体は、養蜂箱のミツバチ群のための餌、又は薬物、又はその両方である。このような薬物としては、ノゼマ病、バロア病、又はその両方を処置する薬物を挙げることができる。簡単にするために、以下の多くの実例において、液体は、餌と呼ぶこととする。何らかの実施形態において、基地ステーションは、餌ミキサー32を含むことができ、餌ミキサー32は、例えば、ミキサー32に接続された1又は2以上の容器又はタンク33に貯蔵された粉材料の餌を自動的に混合する。例えば
図2に示ように、餌ミキサー32は、例えば1又は2以上の容器又はタンク33に貯蔵された餌に薬物を追加することができる。何らかの実施形態において、基地ステーション22は、養蜂場サイトにある。
【0013】
基地ステーション22は、例えば、
図1に概略的に又は単純に示すように、もしくは
図2に詳細に示すように、何らかの適切な形式とすることができる。何らかの実施形態において、基地ステーション22は、適切なUAV輸送手段31を自動的に受け入れるドッキング受け部23を含むことができる。基地ステーションドック、UAVドック、UAV受け部、又は前記の任意の組み合わせで呼ぶこともできる当該ドッキング受け部23は、基地ステーション22に又はその近くに設けることができ、1又は2以上のUAV31に供給するための基地ステーションからのペイロードの受け入れに対応することができる。基地ステーション22は、任意の数のUAV輸送手段31に同時に又は順次に対応する任意の数のドッキング受け部23を含むことができる。各ドッキング受け部23は、何らかの適切な形式とすることができ、UAV輸送手段31に取り外し可能に接続する何らかの適切な形式のドッキングポート34を含むことができる。
【0014】
何れの実施形態も、基地ステーション22は、液体又は他の製品をUAV輸送手段31に供給する適切なリザーバ又は容器35を含むことができる。1つのこのようなリザーバ又は容器は、例えば
図2に示される液体餌供給タンク35とラベル付けされた液体餌供給タンク又は供給タンクである。液体供給タンク35はミキサー32に接続することができ、ミキサー32によって処理された液体を受け入れるようになっている。基地ステーション22にはセンサ36を設けることができ、例えばリザーバ容器35と連通してリザーバ又は容器35内の餌のレベル又は量を監視するようになっている。また、供給タンク35、供給容器33、又はその任意の組み合わせにおける餌の量を記録するために(時間の関数とすることを含めて)、データログ37は、基地ステーション22又はシステムの他の場所に保持することがきる。データログ37は、何らかの適切な形式の、例えば、コンピュータメモリ又は他の記憶装置とすることができる。何らかの実施形態において、液体を基地ステーション22の供給タンク35から各ドッキング受け部23に供給するポンプ、バルブ、又は他の適切な制御送給機構38、又はその任意の数を設けることができる。何らかの実施形態において、ポンプなどの複数の制御送給機構38を備えることができ、例えば、当該機構38の1つを基地ステーションドック23の各々に設けることができる。機構38は、何らかの適切な方法で、例えば、連続的に(
図2に示すように)、並列に、又は前記の任意の組み合わせで容器35とドック23との間に結合することができる。
【0015】
随意的に、各ドッキング受け部23は、例えば
図6に示すような何らかの適切な再充電アダプタ42によってUAV輸送手段31を充電するための適切なUAV充電器41を備えることができ、UAV充電器41は、UAV輸送手段31がドッキング受け部23にドッキングするか、さもなければ基地ステーション22にある間にUAV輸送手段のバッテリを再充電するためにUAV輸送手段31に電気的に接続する。充電器41は、
図2に示すように各ドッキング受け部23に設けること、又は複数のドッキング受け部23に結合して機能を果たすことができる。随意的に、ドッキング受け部23は、UAV輸送手段31と通信するための適切なデータ転送インターフェース及び機構43を備えることができる。何らかの実施形態において、データ転送インターフェース及び機構43は、何らかの適切な無線形式とすることができ、何らかの適切な無線通信プロトコルを使用することができる。例えば、当該インターフェース及び機構は、シリアルプロトコルを使用する無線周波数又は他のモジュールを利用することができる。何らかの実施形態において、例えば、複数の基地ステーションドック23を有する本発明のシステムにおいて、データ転送インターフェース及び機構43は、複数の同時接続をサポートするブルートゥース(登録商標)又は他の無線技術を利用することができる。簡単にするために、
図2において、データログ37及び無線通信機構43は一緒に示されている。何らかの実施形態において、UAV輸送手段とドッキング受け部との間の有線接続は、データ転送のために、例えば、UAV輸送手段と基地ステーションドックとの間にハードウェアアダプタ(図示せず)を協働的に係合することによって提供することができる。何らかの実施形態において、UAV輸送手段の配線アダプタは、UAV輸送手段のノズル(図示せず)によって保持することができる。当該有線接続は、シリアル又は任意の他の適切な伝送プロトコルを利用することができる。
【0016】
何れの実施形態にも、各ドッキング受け部23は、ドッキング受け部又は基地ステーションドック23に対するUAV輸送手段31のドッキングを容易にするための適切な誘導補助手段51を設けることができる。例えば、何らかの実施形態において、各ドッキング受け部23は、UAVドッキング誘導及び位置合わせを容易にする視覚的マーキング51を含むことができ、例えば、UAV輸送手段31による基地ステーション22の空中又はフィールド識別、及びUAV輸送手段31の基地ステーション22との、例えば基地ステーションのドッキング受け部23とのドッキングを容易にする何らかの適切な視覚的QR又はスキャンコードを含むことができる。
【0017】
各基地ステーション22は、制御装置を含むこと、又は制御装置61、例えば電子制御装置に接続することができる。制御装置61は、基地ステーションの作動を自動的に制御することができ、例えば何らかの実施形態において、基地ステーション22は人間の介在なしに作動することができる。この点に関して、制御装置22は、各ドッキング受け部23、基地ステーションの各ポンプ又は他の制御送給機構38、基地ステーションの各UAV充電器41、餌ミキサー32、液体供給タンク35、液体供給タンク又は容器のセンサ36、データログ37、データ転送インターフェース及び機構43、又は前記の任意の組み合わせに対して電気的に接続することができる。電子制御装置61は、例えば、マイクロプロセッサ、メモリ、又は他の適切な記憶装置、及びユーザーインターフェース62を有する何らかの適切な形式のコンピュータとすることができる。制御装置61に電力を供給するバッテリ(図示せず)を設けること、又は、制御装置には任意の他の適切な手段によって電力を供給することができる。制御装置61は、例えば、ファームウェア、ソフトウェア、又はその両方でプログラムすることができ、供給タンク23内の餌の適切なレベルの維持、補充中のドックポンプ又はバルブ38の作動、UAV充電器41の電源オン及びオフ、及びUAV輸送手段31のドッキング受け部23とのドッキングの支援を含む、基地ステーション22の機能を制御するようになっている。何らかの実施形態において、制御装置61は、基地ステーション22及びシステム21の他の構成要素の何れか又は全てから遠く離れて位置することができ、又は、一部は基地ステーション22と一緒に、一部は遠隔に位置することができる。何らかの実施形態において、制御装置61は、部分的に又は全体的にクラウド内に位置することができる。
【0018】
何れの実施形態も、制御装置61は、例えば、1又は2以上のUAV輸送手段31への液体又は他の供給製品の配給を管理するスケジューラ63の機能を果たすか又はこれを含むことができる。スケジューラ63は、各養蜂箱の状態及び各養蜂箱の配給プランを追跡するスケジューリングシステムを含むことができる。餌又は薬物の配給が必要とされる場合、スケジューラは、例えば、餌ミキサー32又は基地ステーション22の何らかの他の場所において特殊配合でのペイロードのオンデマンド混合を開始し、ペイロードを所要の目的地に配送するために1又は2以上のUAV輸送手段31への指示又は割り当てを開始することができる。何らかの実施形態において、このような割り当ては、UAV輸送手段31の基地ステーション22とのドッキング中に達成することができる。何らかの実施形態において、割り当て又は他の情報は、飛行中に無線でUAV輸送手段31に伝達される。制御装置及びスケジューラ61は、餌の調合法、日付及び量、及び目的の養蜂箱などの情報を養蜂家、ユーザー、又はオペレータ66から受信するようにプログラムすることができる。何らかの実施形態において、制御装置及びスケジューラ61は、遠隔制御することができる。例えば、養蜂家は、スケジューラ63を介して全体システム21をインターネット経由で遠隔操作によって管理することができる。
【0019】
制御装置に電気的に又は無線で接続することができる、制御装置61のユーザーインターフェース62は、何らかの適切な形式とすることができる。何らかの実施形態において、養蜂家、ユーザー、又は他のオペレータ66は、ユーザーインターフェース62を利用して、供給スケジュール情報を指定することができる。インターフェース62は、従来型のコンピュータGUI、ウェブベースのアプリケーション、携帯又はスマートフォンアプリケーション、又は前記の任意の組み合わせを含むことができる。何らかの実施形態において、インターフェース62を使用して、配送完了、配送中、又はその両方を監視すること、並びにUAVイベント及び配送前に個々の養蜂箱から報告された餌レベルなどのログ情報を再検討することができる。
【0020】
基地ステーション22は、例えば、1又は2以上のUAV輸送手段、1又は2以上の養蜂箱ドック24、又は前記の任意の組み合わせと通信する適切な無線送信器及び受信器を含むことができる。無線送信器及び受信器は、データ転送インターフェース及び機構43を含み、何らかの適切な手段によって制御装置61に電気的に接続することができる。何らかの実施形態において、制御装置は、各養蜂箱ドック24での餌の量を含む情報をシステム21の養蜂箱ドック24から受信し、供給タンク35内の十分な餌の形成、及び餌を必要とする養蜂箱ドック24において餌を補給するために1又は2以上のUAV輸送手段31による配送を調整する。受信又は収集された情報は、周期的に、連続的に、もしくは基地ステーション22又は養蜂箱ドック24が必要とするときに送信することができる。
【0021】
何れの実施形態でも、基地ステーション22から個々の養蜂箱への餌の配給は、何らかの適切なUAV輸送手段31によって実現することができる。何らかの実施形態において、このような輸送手段31は、UAV輸送機自体を含むことができ、追加的に液体貯蔵タンク又は供給タンクと、適切な液体ペイロードを受け取るために基地ステーション22とドッキングする能力、UAVを再充電するために基地ステーションとドッキングする能力、スケジューラ62又はスケジューリングシステムと通信するUAVの能力、又は前記の任意の組み合わせと含むことができる。何らかの実施形態において、UAV31は、ホバリングが可能であり、正確なナビゲーション制御を有する。これは所定の養蜂箱又は基地ステーション22へ独立してナビゲートする能力を有することができる。何らかの実施形態において、UAV31は、目的地、例えば、基地ステーション22又は特定の養蜂箱ドック24を取得すると、基地ステーション22又は養蜂箱ドック24と自動的にドッキングすることが可能である。
【0022】
図3は、本発明のUAV輸送手段31の1つの実施形態を概略的に示す。UAV輸送手段は、UAV輸送機71自体を含み、UAV輸送機71自体は、本体72と、本体の上昇及び舵取りを行う複数のロータ73と、ロータ73を作動させる本体72の1又は2以上のモーター(図示せず)と、電力を1又は2以上のモーター及びUAV輸送手段の他の電気部品に供給するバッテリ(図示せず)とを含むことができる。UAV輸送手段は、追加的に本体72によって運ばれる又はその中で運ばれる何らかの適切な形式の制御装置74を含むことができる。配送制御装置と呼ぶことができる制御装置は、例えば、マイクロプロセッサ、メモリ又は他の適切な記憶装置、バッテリ、及びユーザーインターフェースを有する何らかの適切な電子形式のコンピュータとすることができる。制御装置は、上昇及び方向制御、餌、液体、又は他のペイロードの配送、ペイロードの積み降ろし、スケジューラ63からの配送目的地の受信、目的地への誘導及び基地ステーション22への帰還、例えばデータログ76内の関連の配送データ及びイベントの記録、又は前記の任意の組み合わせを含む、UAV31のあらゆる状況の管理に関与することができる。データログ76は、例えば、コンピュータメモリ又は他の記憶装置である何らかの適切な形式とすることができる。この点に関して、制御装置74は、例えば、ファームウェア、ソフトウェア、又はその両方によって適切に構成又はプログラムすることができ、基地ステーション22によって、又は基地ステーション22にいる間に制御装置に送給されたコマンドに従って作動することができる。UAV輸送手段31は、UAVの制御装置74を含む、UAV31との無線通信を可能にする送受信装置77を含むことができ、UAV31に関する位置データを供給するGPS受信器78などのGPS機能を含むことができる。簡単にするために、
図3において、データログ76及び無線送信器及び受信器77は一緒に示されている。何らかの実施形態において、UAV輸送手段の制御装置74は、飛行中にUAV輸送手段31を人間の介在又は制御なしに基地ステーション22から1又は2以上の養蜂箱ドック24まで誘導し、基地ステーションに戻るようにプログラムするか又は他の方法で構成することができる。すなわち、誘導は、全自動とすることができる。例えば、制御装置74は、自動化された操縦装置回路、プログラミング、又はその両方を含むことができ、本発明のシステム21のステーション間のこのような自動化された飛行を可能にするために、例えば、GPS受信器78又は他の方法によって位置データを周期的に又は連続的に取得することができる。
【0023】
何れの実施形態にも、ペイロードシステム又は組立体96は、UAV輸送手段31に設けることができ、例えば、UAVの本体72によって運ぶことができる。ペイロード組立体96は、何らかの適切な形式とすることができ、養蜂箱に配送するために基地ステーション22から取得した餌を貯蔵するタンク97を含むことができる。何らかの実施形態において、ポンプ、バルブ、又は他の制御送給機構98及びノズル99を設けて餌又はペイロードタンク97に接続することができ、餌を、例えば、ノズル99の端部の開口部100を介して基地ステーションから取得して餌をタンク97に貯蔵し、餌タンクからの餌を、例えばノズル99の端部の開口部100を介して養蜂箱ドック24に配送するようになっている。ノズルの開口部100は、出口開口部と呼ぶことができる。本発明の特定の実施形態において、当該制御送給機構98は、基地ステーション、養蜂箱ドック、又はその両方のポンプを不要にすることができる。UAV輸送手段が基地ステーション22、何らかの養蜂箱ドック24、又はその両方においてドッキングされている場合にUAV輸送手段31の何れか又は全てのバッテリを充電することを可能にする適切な電荷アダプタ101は、例えば、ペイロード組立体96の一部として設けることができる。何らかの実施形態において、充電アダプタ101は、供給ノズル99に機械的に結合することができ、UAV輸送手段が餌を基地ステーション22から取得している間の又は餌を養蜂箱ドック24に配送している間の充電を支援するようになっている。充電アダプタ101は、UAV輸送手段31のバッテリの充電を可能にするために、ノズルにアクセス可能な電気接点を含むことができる。何らかの実施形態において、充電アダプタ101を含むシステム21の充電アダプタは、誘導構成要素を使用して無接点接続を実行することができる。随意的に、ペイロードシステム96は、ペイロードタンク97内の内容物のレベルを監視する何らかの適切な形式のセンサ102を含むことができる。
【0024】
UAV輸送手段31は、ペイロード組立体又はシステム96に包含されるような、例えば、本体72によって運ばれる何らかの適切な形式のドッキング誘導機構103を含むことができ、ドッキング誘導機構103は、UAV輸送手段31と、基地ステーション22、養蜂箱ドック24、又はその両方とのドッキングを支援する何らかの適切な形式の視覚、イメージ、ビデオ、又は他の誘導センサ104を含むことができる。何らかの実施形態において、ドッキング誘導機構103は、UAV輸送手段のノズル99をそれぞれの基地ステーション22又は養蜂箱ドック24のドッキングガイドに案内するための情報をUAV輸送手段の配送及び飛行制御構成要素に供給することができる。何らかの実施形態において、UAV輸送手段の視覚、イメージ、又はビデオセンサ104を利用して、基地ステーション23上の誘導補助手段51、養蜂箱ドック24上の誘導補助手段160、基地ステーション、養蜂箱ドック、又はその両方に設けられた視覚的QR又はスキャンコードを読み取り、例えば、ステーション22又はドック24を識別して、ステーション又はドック、その両方とのUAVのドッキング、又は何らかの他の目的を支援することができる。このような視覚的QRコード(登録商標)又はスキャンコードは、例えば、基地ステーション22の誘導補助手段51を含むことができる。UAV輸送手段31の制御装置74は、輸送部の視覚又は他の誘導センサ104の助けにより、互いに近くに位置する複数のドッキングステーション、例えば、複数の基地ステーションドック23又は養蜂箱ドック24を人間の介在又は制御なしに区別して、UAV輸送手段を複数のドッキングステーションのうちの予め指定された1つとドッキングするように自動的に移動させることができる。
【0025】
何れの実施形態も、UAV輸送手段31のペイロードシステム又は組立体96並びにドッキング誘導機構103の何れか又は全ての態様は、UAV輸送手段の制御装置74に結合し、制御装置74によって制御することができる。何らかの実施形態において、ペイロードシステム及びドッキング誘導機構は、全自動とすることがでるので、それぞれの作動中に人間の介在又は制御を必要としない。
【0026】
養蜂箱ドック又はドッキング受け部と呼ぶことができる適切なドッキング機構24は、例えば、
図4に示すように、UAV輸送手段31のサービスを受ける各養蜂箱121に取り付けることができる。組み合わされたドッキング機構24及び養蜂箱121は、養蜂箱組立体、養蜂箱組立体、養蜂箱供給組立体、養蜂箱装置、又は、前記の任意の組み合わせなどの組立体又は装置122と呼ぶことができる。養蜂箱121は、養蜂箱と、養蜂箱内のミツバチが生産した蜂蜜を収容するための養蜂箱本体123とを有する従来型の養蜂箱とすることができる。何らかの実施形態において、養蜂箱ドック24は、例えば、養蜂箱本体の上部に結合することによって養蜂箱本体123によって支えることができる。何らかの実施形態において、養蜂箱ドック24は、従来型の上部給餌器のような従来型の養蜂箱121の上部に置くことができる。養蜂箱ドック24は、UAV輸送手段31にペイロードを養蜂箱121に配送する能力を提供する。
【0027】
何れの実施形態も、養蜂箱ドック24は、UAV輸送手段31から餌を受け取るリザーバ又は容器126を含むことができる。リザーバ又は容器126は、何らかの適切な形式とすることができ、何らかの実施形態において蓋なし容器、例えば、トレイ、ボトル、タンク、瓶、又は前記の任意の組み合わせとすることができる。養蜂箱のミツバチが餌リザーバ126内の餌にアクセスすることを可能にするビーラダー(bee ladder)又は他の適切なアクセスデバイス又は機構127を養蜂箱ドック24内に含むことができる。餌リザーバ内の餌のレベル又は量を監視する随意的なセンサ148を養蜂箱ドック24内に設けることができ、養蜂箱ドックは、情報をUAV輸送手段31、基地ステーション22、及びシステム21の任意の他の構成要素から送信又は受信する、無線送信器129、何らかの実施形態において受信器を含むことができる。このような送信された情報は、餌リザーバ126内の検知レベルを含むことができる。また、餌リザーバ126内の餌の量を記録する(時間の関数とすることを含む)データログ131は、養蜂箱ドック24に又はシステムの他の位置に保持することができる。データログ131は、例えば、コンピュータメモリ又は他の記憶装置である、何らかの適切な形式とすることができる。簡単にするために、
図4において、送受信器129及びデータログ131は一緒に示されている。例えば、センサ148から取得したログ131内のデータを使用して、UAV輸送手段31からリザーバ又は容器126への餌、薬物、他の液体、又は前記の任意の組み合わせの配送量を調整することができる。
【0028】
何れの実施形態でも、随意的に、リザーバフラッシング装置、組立体、機構、又はシステム136は、養蜂箱ドック24内に設けることができる。フラッシングシステム136は、例えば、新鮮な餌を餌リザーバ126に送給する前に古い又はおそらく腐敗した餌を除去する何らかの適切な形式とすることができる。随意的なフラッシングシステム136は、例えば、データログ131の使用の有無を問わずデータログ131から独立して設けることができる。従って、例えば、フラッシングシステム136は、
図4に示す実施形態から取り除くことができる。何らかの実施形態において、随意的なフラッシング装置又はシステム136は、バルブ又は他の制御放出機構137を含むことができ、これは餌リザーバ126に流体結合しており、未使用の餌を餌リザーバから、例えばリザーバの底部から排出する。制御放出機構137は、何らかの適切な形式とすることができ、何らかの実施形態において電動バルブとすることができる。何らかの実施形態において、随意的なフラッシング装置又はシステム136は、餌リザーバ126を洗浄するためにジェット又はノズル139に加圧液体を送給する何らかの適切なポンプ、バルブ、洗浄用供給ポート、又は他の制御された流体送給機構138を含むことができ、加圧液体は、バルブ又は他の制御放出機構137から抜くことができる。送給機構138及びジェット139に供給される液体は、何らかの適切な現場の又は他の供給源から供給することができる。例えば、何らかの実施形態において、UAV輸送手段31は、餌リザーバ126のより徹底的な洗浄のために、洗浄溶液又は水を送給機構138又は上部給餌器141上の他の位置に配給することができる。
【0029】
図5は、養蜂箱121用の上部給餌器141の1つの実施形態を示す。上部給餌器又はリザーバは、例えば、養蜂箱121上に置くように設けられている。上部給餌器は、養蜂箱121のミツバチが消費する餌、他の液体、及び任意の他の物質を保持する何らかの適切な容器又はリザーバ126、例えば、蓋なし容器を含むことができる。養蜂箱のミツバチがリザーバつまり容器126及びその中の内容物にアクセスすることを可能にするビーラダー127を設けることができる。ビーラダー127は、例えば
図5に示すように、容器の近くで、容器の付近で、又は容器内で開口するポート又は開口部142を含むことができる。給餌器141は、餌及び他の液体をUAV輸送手段31又は他の場所から給餌器のリザーバ又は容器126に送給する何らかの適切な形式の充填ポート又は充填ポートデバイス143を含むことができる。例えば、管状組立体又はチューブ144は、餌又は他の液体をUAV輸送手段のノズル組立体99などのUAV輸送手段31から受け取って、上部給餌器のリザーバ又は容器126に供給するために上部給餌器141の充填ポート143に輸送する入口を養蜂箱ドック24のドッキングポートに有することができる。何らかの実施形態において、充填ポート143は、給餌器の容器内への餌又は他の液体の流れを調整するバルブを含むことができる。バルブ又は制御送給機構146は、何らかの適切な形式とすることができ、何らかの実施形態において当該機構は電動バルブとすることができる。
【0030】
給餌器141は、随意的に自己フラッシング給餌器とすることができ、例えば、制御放出機構137、制御送給機構138、及びジェット139を含む、フラッシング装置又はシステム136を含むことができる。給餌器141は、フラッシング装置又はシステム136の一部又は全ての態様を含む、給餌器の何らかの又は全ての態様を制御する何らかの適切な形式の制御装置147をさらに含むことができる。フラッシング又は給餌制御装置147と呼ぶことができる制御装置は、例えば、マイクロプロセッサと、メモリ又は他の適切な記憶装置と、バッテリと、ユーザーインターフェースとを有するコンピュータを含むことができる。制御装置は、充填ポート143に電気的に結合又は接続して、当該ポート及びその任意の構成要素の動作を制御し、該ポート及びその任意の構成要素に電力を供給することができる。制御装置147は、制御放出機構137、制御送給機構138又はその両方に電気的に結合又は接続し、当該機構及びその任意の構成要素の動作を制御し、該機構及びその任意の構成要素に電力を供給することができる。
【0031】
何れの実施形態でも、リザーバ内の液体の量又はレベルを監視するセンサ148又は別の適切な液体センサ又は他のセンサを上部給餌器141の容器又はリザーバ126に設けることができる。センサ148は、給餌制御装置147に電気的に結合又は接続して、検知された情報を制御装置に通信することができる。何らかの実施形態において、給餌制御装置147は、充填ポートバルブ又は他の制御送給機構146の作動を、例えば、検知された情報の関数として調整し、容器126内の所望の液体の一定量又はレベルを維持するか、又は容器内の液体が一定レベルに到達した場合に充填ポートバルブ146を開くことができる。制御装置147は、何らかの適切な手段によって、例えば本明細書で説明されるデータ転送機構のいずれかによってUAV輸送手段31、基地ステーション22、又はその両方と通信することができる。例えば、供給御装置147との無線通信を可能にする送受信器129を備えることができる。何らかの実施形態において、供給制御装置は、例えば、ハードワイヤ接続によって、本明細書で開示するものを含む、UAV輸送手段31及び養蜂箱組立体122のドッキングポート24が保持する何らかの適切な通信又は信号アダプタを利用して、UAV輸送手段31と直接通信することができる。
【0032】
給餌器141は、新しい餌又は他の液体が容器に供給される前に、古い餌又は他の液体を給餌器のリザーバ又は容器126から除去し、随意的に容器の内側をリンス又はクリーニングする構成要素を含むことができる。何らかの実施形態において、ドレイン構成要素又は要素137は、例えば、容器126を制御可能に空にするバルブ又は他の制御放出機構を備えることができる。ドレイン構成要素137は、何らかの適切な形式とすること、例えば、供給又はフラッシング制御装置147に電気的に結合されて結果的にこの制御装置によって操作される電動バルブとすることができる。給餌器の随意的なフラッシング構成要素は、クリーニング溶液を容器126に送給して容器からの古い餌又は他の液体の除去及び容器のクリーニングを強化することができる給餌器141の充填ポート143を含むことができる。何らかの実施形態において、クリーニング溶液は、例えば、餌がUAV輸送手段から給餌器に供給されるような方法で、UAV輸送手段31から給餌器141に供給することができる。例えば、クリーニング溶液は、充填ポートチューブ144を介して充填ポート143に供給することができる。クリーニング溶液及び餌は、薬物の有無を問わず、同じUAV輸送手段によって、又は異なるUAV輸送手段によって供給することができる。何らかの実施形態において、クリーニング溶液は、UAV輸送手段31以外の供給源、例えば、養蜂箱の近く又は遠くに位置して1又は2以上の養蜂箱に供給を行うことができる加圧タンク又は容器(図示せず)によって供給することができる。何らかの実施形態において、クリーニング液は、地方自治体設置の蛇口などの現場供給源の水とすることができる。このような供給源は、制御送給機構138、充填ポート143、又は、前記の任意の組み合わせに流体結合することができる。何らかの実施形態において、当該クリーニング溶液の容器126への供給は、電動式充填ポートバルブ又は他の制御送給機構138又は146、又はその両方によって調整し、システムの供給制御装置147又は何らかの他の制御装置によって制御することができる。クリーニング溶液の加圧タンク又は容器は、それぞれの制御装置、例えば制御装置147に接続された電動ポンプ(図示せず)、及びこのようなタンク内の液体の圧力を維持又は制御する圧力センサ又は他のセンサ(図示せず)を含むことができる。
【0033】
何れの実施形態も、随意的なフラッシング構成要素は、例えば、容器への再供給前にこれを空にすることに関連して、容器126をクリーニングする1又は2以上のジェット又はノズル139を含むことができる。1又は2以上のノズル又はジェットは、何らかの適切な液体源、例えば、上部給餌器141の充填ポート143に接続することができる。何らかの実施形態において、1又は2以上のノズル139は、充填ポート143に接続された何らかの加圧供給源又は他の供給源を含む、充填ポート143とは別個の異なる加圧液体供給源(図示せず)に接続することができる。当該加圧液体供給源は、バルブ又は他の制御送給機構、例えば制御送給機構138によって1又は2以上のノズル139に接続することができる加圧水容器などの、何らかの適切な形式とすることができる。何らかの実施形態において、加圧水容器は、養蜂箱組立体122の近くに又は遠くに位置することができ、1又は2以上の養蜂箱に供給を行うことができる。何らかの実施形態において、当該バルブ又は他の制御送給機構は、上部給餌器141の制御装置147又はシステム21の任意の他の制御装置に電気的に接続されかつ制御される電動バルブとすることができる。加圧水供給部又は他の液体供給部は、それぞれの制御装置に接続される電動ポンプ(図示せず)、及び当該供給部内の液体の圧力を維持又は制御する圧力センサ又は他のセンサ(図示せず)を含むことができる。
【0034】
本発明のフラッシング式上部給餌器141の何らかの作動方法において、上部給餌器の制御装置147は、例えば、ソフトウェア、ファームウェア、又はその組み合わせによって、例えば、機構143、138、及び137を含み、例えば、給餌器141の液位センサ又は他のセンサ148からの制御装置が受け取った情報の関数として、上部給餌器の様々な電気構成要素の作動を選択的に制御するようにプログラムすることができる。例えば、制御装置147は、上部給餌器のリザーバ又は容器126内の液体のレベルを周期的に又は連続的に監視し、直ちに又は将来のある時点で、例えば、容器内の液体が所定レベルに低下した後に、又は餌保管寿命が満了した後に、又は前記の任意の組み合わせにて、その中の液体を抜くか又は空にすることができる。このようなリザーバ又は容器126を抜くことは、例えば、制御放出機構又はバルブ137を含む何らかの適切な手段によって行うことができる。次に、随意的に、制御装置147は、充填ポート143の電動バルブ146、クリーニングノズル139の電動バルブ138、又はその両方に容器126のクリーニングを開始するように命令することができる。容器126のクリーニングは、UAV輸送手段31による給餌器141へのクリーニング溶液の送給に時間を合わせることができる。容器126を空にすること及び随意的なクリーニングの後で、制御装置147は、容器への餌又は他の液体の再供給の信号を送ることができる。容器126のこのような充填は、UAV輸送手段31による養蜂箱組立体122のドッキングポート又は養蜂箱ドック24及び上部給餌器141への新しい餌又は他の液体の送給を含むことができ、このような餌又は他の液体は、充填ポート143から容器に供給される。フラッシング式上部給餌器141を作動させる他の方法を提供することができる。例えば、何らかの方法において、容器126を空にして、随意的に容器をフラッシング又はクリーニングし、容器への再供給を行う供給制御装置147の命令は、UAV輸送手段31によって伝達され、無線で又はUAV輸送手段31の養蜂箱ドック24とのドッキングシーケンスの一部として制御装置147に中継することができる。何らかの実施形態において、給餌器141、フラッシング装置又はシステム136、そのどちらか又はその両方の任意の態様は、制御装置147以外の制御装置、例えば、制御装置61、制御装置74、システム21の別の制御装置、又は前記の任意の組み合わせなどの、給餌器141から遠くにある制御装置によって作動させることができる。このような他の制御装置又は制御装置類は、通信リンク129又は任意の他の適切な手段を経由して給餌器141もしくはフラッシング装置又はシステム136と通信することができる。
【0035】
養蜂箱ドック24は、何らかの適切な形式とすることができ、例えば、その上部の上にUAV輸送手段31を受け入れて、UAV輸送手段が餌を餌リザーバ126に送給することを可能にするドッキングポート156を含むことができる。何らかの実施形態において、UAV輸送手段31のドッキングノズル99は、ドッキングポート156によって受け取ることができ、UAV輸送手段がドッキングポート上に着陸したときに、例えば、ノズル99の出口開口部100が養蜂箱ドック24内側の餌リザーバ126の上方にあるように、ドッキングポートを貫通して延びることができる。このようにして、UAV輸送手段31からの、例えば餌又はペイロードタンク97からの餌は、輸送部から餌リザーバ126に重力によって供給することができる。何らかの実施形態において、ポンプ、バルブ、又は他の適切な制御送給機構(任意数)、例えば制御送給機構98は、UAV輸送手段31からの餌を養蜂箱ドック24内の餌リザーバ126に送給するために設けることができる。何らかの実施形態において、随意的に、養蜂箱ドック24はUAV輸送手段31を充電するための適切なUAV充電器157を備えることができ、例えば、UAV輸送手段の飛行範囲を広げるようにUAV輸送手段のバッテリを再充電することができる。充電器157は、充電のために何らかの適切な手段によって、例えば何らかの適切な充電アダプタ158によって、UAVに協働的に接続することができる。UAV充電器157及び電気エネルギーを必要とする養蜂箱ドックの何らかの構成要素に電力を供給する適切な電源は、養蜂箱ドック24に包含することができる。電源は、太陽電池パネル又はセル159、又は風力発電機(図示せず)などの、再生電源とすることができる。何らかの実施形態において、養蜂箱ドック24は、UAV輸送手段31のドッキングポート156とのドッキングを容易にする適切な誘導補助手段160を備えることができる。何らかの実施形態において、養蜂箱ドック24は、例えば、UAV輸送手段31による養蜂箱ドックの空中又はフィールド識別、及びUAV輸送手段の養蜂箱ドック24とのドッキングを容易にする何らかの適切な視覚的QR又はスキャンコードを含むことができる。
【0036】
UAV輸送手段31と基地ステーションドック23又は養蜂箱ドック24との間のドッキングシステム171は、何らかの適切な形式とすることができ、UAV輸送手段上の第1のドッキング部分172と、それぞれのドック上の相補的な第2のドッキング部分173とを含むことができる(
図6参照)。何らかの実施形態において、第1のドッキング部分172は、UAV輸送手段31の送給ノズル99を含むことができる。何らかの実施形態において、例えば、
図6に示すように、UAV輸送手段31のペイロードシステム96は、餌をUAV輸送手段に供給し、餌をUAV輸送手段から送給するノズル組立体又はノズル99と、液体の餌を輸送中に保持するペイロードタンク97と、ノズルとペイロードタンク97との間の流量を制御するポンプ、バルブ、又は他の制御送給機構98と、UAV輸送手段31のそれぞれのドック23、24とのドッキングを支援するドッキング誘導機構103とを含むことができる。ペイロードタンクは、餌タンク97と呼ぶことができる。ペイロードシステム96は、UAV輸送手段31の本体72によって運ぶこと、又はUAV輸送手段31の本体72の一部とすることができる。送給ノズルと呼ぶことができるノズル組立体99は、何らかの適切な形式とすることができる。何らかの実施形態において、ノズル組立体99は、制御流体送給機構98に流体接続され、それぞれのドックが受け入れる自由端177を有する管状部材又は細長いチューブ176を含むことができる。何らかの実施形態において、ノズル99は、それぞれのドック内でのノズルの着座を容易にする位置補正手段又はドッキング調整組立体178を含むことができる。位置補正手段178は、何らかの適切な形式とすることができ、ノズル上の任意の場所に、例えば、UAV輸送手段31の本体72に接合されたノズルの端部に配置することができる。位置補正手段178は、ノズルの自由端177の垂直調整、水平調整又はその両方をUAV輸送手段31の本体72に対して行うことができる。このような垂直調整は、垂直位置着座補正と呼ぶことができ、このような水平調整は、水平位置着座補正と呼ぶことができる。何らかの実施形態において、位置補正手段は、ばね付勢式の圧縮接続部178とすることができる。何らかの実施形態において、UAVペイロードシステム96は、UAV輸送手段のバッテリを充電するために利用することができる充電アダプタを含むことができる。充電アダプタは、何らかの適切な形式、例えば、それぞれのドックの協働機構に係合する充電アダプタ101とすることができる。何らかの実施形態において、例えば、ペイロードシステム96の充電アダプタ101は、ノズルの自由端177の少なくとも一部の周りに、例えば、ノズル組立体99によって運ぶことができる。何らかの実施形態において、UAVペイロードシステム96は、ドッキングポートのデータ転送及びインターフェース機構(図示せず)と相互作用するデータ転送機構(図示せず)を含むことができる。当該データ転送機構は、何らかの適切な形式、例えば、当技術分野で公知の形式とすることができ。例えば、このようなデータ転送がハードワイヤで達成される場合、UAV輸送手段のノズル組立体99は、ドッキングポートのデータ転送及びインターフェース機構と協働する当該データ転送機構を含むことができる。何らかの実施形態において、データ転送は、無線で、例えば、無線周波数手段、赤外線手段、又は任意の他の適切な手段によって達成することができる。UAV輸送手段31及びそのペイロードシステム96は、ノズルとドックとの間の餌の移動中にノズル組立体99及びそれぞれのドック23、24の周りの流体密封シールに貢献する適切なドッキングシール181をノズルの自由端周りに含むことができる。ドッキングシール181は、ゴム又は別のエラストマ材料などの何らかの適切な材料で作ることができる。
【0037】
第2のドッキング部分173、例えば、基地ステーションドック23のドッキングポート34又は養蜂箱ドック24のドッキングポート156は、何らかの適切な形式とすることができる。何らかの実施形態において、例えば、
図6に示すように、第2のドッキング部分173は、UAV輸送手段31の送給ノズルシステム99をドッキングシーケンスの間にそれぞれのドッキングポート34、156の開口部189に対して案内するドッキングガイド186を含むことができる。例えば、ドッキングガイド186は、UAV輸送手段31のノズル組立体99をドッキングポートの開口部189との係合位置に案内することができる。何らかの実施形態において、ドッキングガイド186は、それぞれのドックの上面188から延び、UAVノズル99の自由端177を受け入れる開口部189を底部にて有する切端円錐形の又は他の形状の案内面187を含むことができる。案内面187は、中実材料、剛性材料、レール、又は他の案内要素など、何らかの適切な材料から形成することができる。案内面187は、ドック上面に凹部191を形成することができ、ノズル99は、凹部191の中に延びて案内面によって案内される。案内面は、ノズル受け部187と呼ぶことができる。ドッキングポート42、156は、デブリ又は他の汚染物質がノズル受け部187に入るのを阻止する扉又は他の密閉装置(図示せず)を含むことができる。
【0038】
何れの実施形態においても、管状部材又は通路192は、ドッキングガイド186の底部からそれぞれのドック23、24のタンクリザーバに延びることができ、それぞれのドック23、24は、基地ステーション22の餌供給タンク又は容器35と、養蜂箱ドック24の餌リザーバ126とを含むことができる。管状部材又は通路192は、UAV輸送手段31がそれぞれのドックとドッキングする際にノズルの自由端の少なくとも一部を受け入れるようにノズル99の自由端177よりも大きなサイズで成形することができる。UAV輸送手段31がそれぞれのドックとドッキングした際にノズル99のドッキングシール181に封止可能に係合する適切なドッキングシール又は着座部193は、例えば、ドッキングガイド186の底部において管状部材又は通路192より上方に設けることができる。ドッキングシール193は、餌輸送中の漏れを阻止することができる。何らかの実施形態において、ドッキングシール193は、それぞれのドック内の餌の外部環境からの汚染を防止する扉又は他の密閉装置194を含むことができる。当該扉194は、UAV輸送手段31がそれぞれのドック23、24とドッキングされていない場合に自動的にシール可能とすることができる。何らかの実施形態において、餌を餌供給タンク35からUAV輸送手段31に又はUAV輸送手段から養蜂箱餌リザーバ126に送給するポンプ、バルブ又は他の適切な制御送給機構196(任意数)をそれぞれのドックの第2のドッキング部分173内に設けることができる。例えば、当該制御送給機構196は、基地ステーション22の1又は2以上の制御送給機構38を含むことができる。特定の実施形態において、このようなポンプ、バルブ、又は他の適切な制御送給機構196は、重力によって餌を配送することができる養蜂箱ドック24のドッキングポート156においては、又は、例えば、UAV輸送手段31のペイロードシステム96が餌を輸送部に供給するための、餌を輸送部から送給するための、又はその両方のためのポンプ、バルブ、又は他の制御送給機構98を含む場合には、第2のドッキング部分173には必要がない場合がある。
【0039】
何れに実施形態においても、第2のドッキング部分173は、ドックとドッキングされている間にUAV輸送手段31のバッテリを充電するUAV充電器を含むことができる。この点に関して、例えば、基地ステーション22の充電器41及び養蜂箱ドック24の充電器157を含むことができる当該UAV充電器は、UAV輸送手段31のUAV充電アダプタ101と協働することができる。何らかの実施形態において、充電要素又はアダプタは、ドックのUAV充電器に電気的に結合又は接続し、UAV充電アダプタ101と電気的に結合又は接続する、ドッキングガイド凹部191内へ延びる部分を有することができる。第2のドッキング部分の充電要素又はアダプタは、例えば、基地ステーション22の充電アダプタ42及び養蜂箱ドック24の充電アダプタ158を含むことができる。何らかの実施形態において、第2のドッキング部分173の充電要素又はアダプタは、電気接点又は誘導を利用してUAV充電アダプタ101と電気的につながることができる。
【0040】
何れの実施形態においても、ドッキングシステム171の第2のドッキング部分173には、例えば、第2のドッキング部分の識別、UAV輸送手段31の誘導、又はUAV輸送手段31の第2のドッキング部分とのドッキング、又は、その両方を容易にする機械可読マーキングを含む、適切な誘導補助手段を設けることができる。何らかの実施形態において、第2のドッキング部分173は、何らかの適切なドッキング誘導視覚補助手段を含むことができ、何らかの適切なドッキング誘導視覚補助手段は、視覚的QR又はスキャンコードを含むことができる。このような誘導補助手段としては、例えば、基地ステーション22の誘導補助手段51及び養蜂箱ドック24の誘導補助手段160を挙げることができる。誘導補助手段は、
図6に例示するように、第2のドッキング部分の頂面つまり上面188上、例えば、ドッキング部分のドッキングガイド186の近く又はその近傍に存在することができる。
【0041】
何れの実施形態においても、UAV輸送手段31は、粗ナビゲーションから詳細な精密ナビゲーションへシームレスに遷移するために、GPS受信器、例えば、GPS受信器78、及びカメラセンサ、画像センサ、映像センサ、又は、例えば、視覚的能力を有する他のセンサ、例えば、誘導センサ104を含むことができる。本発明の1つのドッキングシーケンスにおいて、UAV輸送手段31は、所定の高さでホバリングすることができ、その時点で、GPSナビゲーションは、UAV輸送手段が入力された目標まで移動してその上方でホバリングするようにさせる。UAV輸送手段31の配送制御装置74は、UAV輸送手段のドッキング誘導機構103からの情報を使用して、目標を、例えば、互いから2、3フィート以内になど、互いの近くにグループ化された複数の目標から視覚的に識別し、所望の目標の上方でのUAV輸送手段の位置を調整し、目標のドック又はドッキング部上の視覚的誘導パターンを使用して、UAV輸送手段31のノズル99を所望の目標の上に位置合わせし、UAV輸送手段のノズルがポートのドッキングガイド186に着座するまで、目標の第2のドッキング部分173、例えば、基地ステーションドック23のドッキングポート34又は養蜂箱ドック24のドッキングポート156上に下降することができる。何らかの実施形態において、ドッキングポートの充電アダプタ、例えば、基地ステーション22の充電アダプタ42及び養蜂箱ドック24の充電アダプタ158を使用して、ポートのドッキングガイド186内のUAV輸送手段31のノズル99の確実な着座を知らせることができる。
【0042】
ドック、例えば、基地ステーションのドック23又は養蜂箱のドック24からUAV輸送手段31まで液体の流れを実行する様々な方法を提供することができる。ポンプは、基地ステーションのドック、養蜂箱のドック、UAV輸送手段上に設けることができ、もしくは設ける必要はない。例えば、何らかの実施形態において、基地ステーション22から供給される餌が、例えば、基地ステーションの餌供給タンク35内で加圧状態である場合、餌は、それぞれのドッキングポート上の、例えばドッキングポート34上の自動バルブ及びUAV輸送手段31上のチェックバルブによって、UAV輸送手段に輸送することができる。ドッキングポート34上の当該自動バルブは、例えば、1又は2以上の制御送給機構38を含むことができ、輸送部31上の当該チェックバルブは、例えば制御送給機構98を含むことができる。何らかの実施形態において、UAV輸送手段31は、餌を自動バルブ又は機構38と共に重力を利用して送給することができる。それにも関わらず、UAV31上のポンプ又は機構98を含む種々の利点を有することができる。例えば、ポンプ又は制御送給機構並びに計量器を用いて、UAV輸送手段は、より正確な量の餌を養蜂箱に分配することができ、このことは、より高度なスケジューリングアルゴリズム、特に、UAV輸送手段が基地に戻る前に複数の目標目的地に配送することを含むアルゴリズムにおいて重要である可能性がある。
【0043】
本発明のシステムは、何らかの適切な方法で作動することができるが、UAV輸送手段31に関する本発明の自動システムを作動させる何らかの方法は、以下の通りである。
1.スケジューラ63は、自動運転もために、例えば本明細書に記載のように餌及び薬物の養蜂箱要件で、養蜂家66によって、又はその両方でプログラムすることができる。スケジューラは、ペイロードの準備を1又は2以上のUAV輸送手段31に関して自動的に又はコマンドで開始することができ、1又は2以上のUAV輸送手段の配送に十分な餌の準備を含むことができる。
2.例えば、
図7の装荷ステップ201に示すように、UAV輸送手段31は、基地ステーション22と自動的にドッキングすることができ、基地ステーション22は第1のステーションと呼ぶことができる。何らかの実施形態において、輸送部31のバッテリは、基地ステーションでのドッキング中に充電することができる。第2のステーションの場所と、第1のステーションから第2のステーションに送給される液体の量とを含むコンピュータ命令は、UAV輸送手段が基地ステーション22にドッキングしている間にUAV輸送手段31に伝達することができる。例えば、配送ログデータ及び1又は2以上の目標養蜂箱は、UAV輸送手段31に制御装置61又はスケジューラ63によって無線で又は電気的に伝達することができる。制御装置又はスケジューラは、基地ステーション22に、適切な量の餌を、例えば、UAV輸送手段の指示された配送を達成するのに少なくとも十分な餌を自動的にUAV輸送手段に充填するように指示することができる。このような餌は、例えば、餌タンク35から供給することができる。
3.例えば、
図7の捕捉ステップ202に示すように、UAV輸送手段31は、第1の予定された目的地又は目標、例えば、養蜂箱ドック24の付近に自動的に移動することができる。目的地又は目標は、第2のステーションと呼ぶことができる。
4.例えば、
図7の除荷ステップ203に示すように、UAV輸送手段31は、ターゲット養蜂箱ドック24と自動的にドッキングし、指示されたペイロードを養蜂箱ドックに自動的に送給し、養蜂箱に特有のデータを養蜂箱ドックから受信することができる。指示されたペイロードは、UAV輸送手段31が運ぶ液体つまりペイロード全体の一部とすることができる。何らかの実施形態において、随意的に、UAV31は、餌又は他の液体がUAV輸送手段から餌リザーバに自動的に補給される前に養蜂箱ドック24の餌リザーバ126の自動フラッシングを開始することができる。UAV輸送手段31は、第2のステーションからドッキング解除し、第3のステーションの付近まで飛行し、第3のステーションとドッキングして、少なくとも残留液体の一部をUAV輸送手段31から第3のステーションに送給することができる。例えば、基地ステーション22に自動的に戻るか、もしくは任務を完了する前に、UAV輸送手段31は移動して複数の養蜂箱ドック24とドッキングすることができる。この点に関して、さらなる配送が必要とされる場合、UAV輸送手段は、自動的にドッキング解除して、例えば、
図7の取得するステップ202を繰り返すことによって次の目標養蜂箱ドック24に移動することができる。
5.例えば、
図7の帰還ステップ204に示すように、UAV輸送手段31は、ペイロード全体が配送される、ペイロード格納容器が空になる、又は配送スケジュールが完了するまで、
図7の捕捉ステップ及び除荷ステップを繰り返すことができる。その後、UAV輸送手段31は、例えば、別の任務のために基地ステーション22に戻ることができる。例えば、UAV輸送手段31は、第3のステーションからドッキング解除し、第1の又は基地ステーション22の付近まで飛行し、第1のステーションとドッキングして、第1の又は基地ステーション22から追加的な液体を供給されることになる。
【0044】
任意の数のUAV輸送手段31は、前記の方法で、例えば、順次又は同時に作動することができる。いずれのUAVのステップも人間の介在なしに、例えば自律的に又は半自律的に実行することができる。
【0045】
本発明の1つの態様において、液体をUAV輸送手段で第1のステーションから第2のステーションに輸送する方法が提供され、本方法は、UAV輸送手段を第1のステーションとドッキングさせるステップと、液体を第1のステーションからUAV輸送手段に供給するステップと、UAV輸送手段を第1のステーションからドッキング解除させるステップと、UAV輸送手段を第2のステーションの付近に飛行させるステップと、UAV輸送手段を第2のステーションとドッキングさせるステップと、液体の少なくとも一部をUAV輸送手段から第2のステーションに送給するステップと、を含むことができる。
【0046】
本方法は、UAV輸送手段が第1のステーションにドッキングしている間に、第2のステーションの場所と、第1のステーションから第2のステーションに配送される液体の量とを含むコンピュータ命令をUAV輸送手段に伝達するステップをさらに含むことができる。本方法は、UAV輸送手段を第2のステーションからドッキング解除させるステップと、UAV輸送手段を第3のステーションの付近に飛行させるステップと、UAV輸送手段を第3のステーションとドッキングさせるステップと、液体の少なくとも一部をUAV輸送手段から第3のステーションに送給するステップとをさらに含むことができる。本方法は、UAV輸送手段を第3のステーションからドッキング解除させるステップと、UAV輸送手段を第1のステーションの付近に飛行させるステップと、UAV輸送手段を第1のステーションとドッキングさせるステップと、UAV輸送手段に第1のステーションからの追加の液体を供給するステップとをさらに含むことができる。UAV輸送手段に追加の液体を供給するステップは、追加の液体を人間の介在なしにUAV輸送手段に供給するステップを含むことができる。第2のステーションは、養蜂箱とすることができ、液体は、養蜂箱のミツバチの餌を含むことができる。液体は、ミツバチ用の薬物を含むことができる。飛行させるステップは、飛行中の人間の介在なしにUAV輸送手段を飛行させるステップを含むことができる。UAV輸送手段は、ナビゲーションのためにGPS装置を利用することができる。飛行させるステップは、UAV輸送手段を第2のステーションの付近に飛行させるステップと、第2のステーションを複数の同じ位置に配置されたステーションと自動的に区別するステップとを含むことができる。ドッキングステップは、人間の介在なしにUAV輸送手段を第2のステーションとドッキングさせるステップを含むことができる。送給するステップは、人間の介在なしにUAV輸送手段の液体の少なくとも一部を第2のステーションに送給するステップを含むことができる。
【0047】
本発明の1つの態様において、液体を第1のステーションから第2のステーションに配送するUAV輸送手段が提供され、UAV輸送手段は、本体と、該本体が支持して該本体を持ち上げる複数の電動式ロータと、本体によって運ばれて液体を運ぶリザーバと、リザーバに接続され、液体を第1のステーションからリザーバに供給しかつ液体をリザーバから第2のステーションに送給する少なくとも1つのポートと、を含むことができる。
【0048】
少なくとも1つのポートは、ノズルを含むことができる。UAVは、本体によって支持されて電力を複数の電動式ロータに供給するバッテリと、ノズルによって支持されてバッテリに電気的に接続された電気接点とをさらに含むことができ、電気接点は、UAV輸送手段が基地ステーションにドッキングしている間にバッテリを充電するために基地ステーションとの電気接続部をもたらす。UAV輸送手段は、リザーバと少なくとも1つのポートとの間に接続されたポンプをさらに含むことができる。UAV輸送手段は、本体によって支持されてUAV輸送手段の動作を制御するプロセッサと、本体によって支持されて第1のステーションから受信した、液体の少なくとも一部を第2のステーションに配送する命令を記憶するコンピュータメモリとをさらに含むことができ、コンピュータメモリは、プロセッサに電気的に接続され、このような命令をプロセッサに供給する。第2のステーションは、養蜂箱とすることができ、液体は、養蜂箱のミツバチの餌を含むことができる。
【0049】
本発明の1つの態様において、養蜂箱の底部を有する餌トレイをメンテナンスする方法が提供され、この方法は、既存の餌を餌トレイの底部のポートから抜き、新しい餌をトレイに追加するステップを含むことができる。
【0050】
本方法は、餌トレイを液体でリンスし、リンス液をポートから抜くステップをさらに含むことができる。ポートは、電気作動式バルブを含むことができる。追加ステップは、新しい餌をトレイにUAV輸送手段で追加するステップを含むことができる。排出ステップを開始する命令は、UAV輸送手段によって伝達することができる。
【0051】
本発明の1つの態様において、養蜂箱のミツバチに栄養分を与える液体餌と共に使用される上部給餌器が提供され、上部給餌器は、液体餌を受け入れるようになっている容器を含むことができ、容器は、開口上部と底部とを有し、新しい液体餌が容器に追加される前に液体餌を容器から抜くことを可能にするバルブが、容器の底部内に設けられる。
【0052】
上部給餌器は、バルブに結合されてバルブの遠隔操作を可能にする機構をさらに含むことができる。バルブは、電気的に動作可能なバルブとすることができる。上部給餌器は、容器を液体で洗浄する少なくとも1つの液体ノズルをさらに含むことができる。少なくとも1つの液体ノズルは、容器を液体で洗浄する複数の液体ノズルとすることができる。上部給餌器は、加圧液体を少なくとも1つの液体ノズルに供給するポンプをさらに含むことができる。上部給餌器は、少なくとも1つのノズルに供給された液体用のリザーバをさらに含むことができる。容器は、トレイとすることができる。
【0053】
本発明のシステム及び方法は、特定の領域内の任意の数の養蜂箱への液体餌及び医薬用餌の配給を自動化することができ、養蜂家がより多数の養蜂箱をより少ない労力でより集中的に管理することを可能にすることができる。本発明のシステム及び方法は、結果的により健全なミツバチ及び年間の養蜂箱低損失率が得られるので、養蜂業務の経済的側面を向上させることができる。
【0054】
本発明の方法及びシステムは、液体又は他の流動可能なペイロードを1又は2以上の養蜂箱に配送する1又は2以上のUAV輸送手段として説明したが、何らかの実施形態において、本発明の方法及びシステムは、1又は2以上の適切なUAV輸送手段による1又は2以上の養蜂箱への任意のペイロードの配送に利用することができる。何らかの実施形態において、本発明の方法及びシステムは、1又は2以上の適切なUAV輸送手段による1又は2以上の適切な目標への液体又は他の流動性ペイロードの配送に利用することができる。
【0055】
本発明の方法及びシステムは自動化されているが、何らかの実施形態において、人又は手作業による介在が許容され、任意のステップにて随意的に行うことができる。
【0056】
本発明のシステム、輸送手段、及び方法の利点は多数ある。適切な餌の量は、個々の巣箱の定員(strength)の係数とすることができる。本発明のシステムによって蓄積されたデータの記録を用いて、各養蜂箱の将来的な餌の必要量を個別に予測し、次に、適切な量を基地ステーションから単一の飛行で様々な養蜂箱に個別に分配することが可能である。UAV輸送手段の餌タンクの容量が十分に大きい場合、これは非常に重要である可能性がある。ペイロード能力が低いほど、養蜂箱の餌リザーバを満たすために単一の養蜂箱への複数の飛行を必要とする可能性がある。ミツバチが摂取又は消費した餌の量の記録データを使用して養蜂箱の定員を推定することも可能である。
【0057】
本発明のシステムは、システムをメンテナンスする措置が必要であるという知らせがある前に、人間の介在なしに、周期的に、例えば毎日、有意な時間の長さ、例えば数週間の間で作動することができる。例えば、このような措置は、餌タンク、ミキサー、又はホッパー内の低い成分レベルを補給することとすることができる。
【0058】
養蜂箱の弱ったミツバチ群が全ての食物を摂取することができない場合に既存の食物が発酵する可能性があるので、養蜂箱での餌リザーバのフラッシングは好都合な場合がある。新鮮な餌を腐敗した餌に追加した場合の方が、餌は早く腐敗する可能性がある。
【0059】
発明者は、約10年間ミツバチを飼育してきた。しばらく前に、データ、問題の診断、及び処置適用の記録を開始した。現地分析と研究所レベルの分析の組み合わせによって、損失した養蜂箱で最も一般的な問題の記録を開始した。データ収集及び処置適用の結果は、ミツバチの養蜂箱の健康に影響を与える可能性がある3つの主要な問題、すなわち、バロア病、ノゼマ病、及び食物供給を提示するように思える。発明者は、積極的なバロア病及びノゼマ病対策に焦点をあてた養蜂技術の変更、及び餌不足期間中の餌供給管理によって有意な改善が得られたことを見出した。
【0060】
液体餌の配給は、養蜂箱を管理する際の重要な要素である。養蜂箱は、相当の材料を消費し、これは個別に各養蜂箱に好都合に配給される必要があることが分かっている。餌は、好ましくは頻繁に配給される必要がある。週に約1回は、スケジュール設定することができる最長の間隔であろう。これ以上長くなると、シロップの発酵が頻発し、もはや摂取されない場合がある。さらに、同じ理由からシロップを前もって混合することが難しい場合がある。長くなるほど、シロップは発酵するか、又はカビを防止する添加物がないとカビが容器の内部で成長する場合がある。
【0061】
ノゼマ病薬物は、餌(シロップ)によって配給することができるので、ノゼマ配給の方法が、餌だけの配給と同じであることが分かっている。ノゼマ病薬物は、混合されると腐りやすいので、好ましくは同じ日に配給されるべきである。さらに、ノゼマ病薬物は高価な場合があるので、ノゼマ病は、必要に応じてのみ処置することが望ましい場合があり、各養蜂箱は、適切な餌又は薬物が正しい養蜂箱に分配されたことを評価する必要があることが分かっているので、現場での配給の複雑性が増大する可能性がある。ノゼマ病薬物の配給は、予防的に又は症状が観察された場合に全ての養蜂箱にスケジュール設定することができる。
【0062】
バロア病対策は、養蜂箱のミツバチ群の健康維持に重要であるが、バロア病対策の現行の薬物配給方法はノゼマ病及び食物配給と著しく異なる。しかしながら、発明者は、RNA干渉など、バロア病対策の新しい方法の研究は、適時な餌配給に左右され、傷みに類似した問題であることを観察している。したがって、発明者は、将来的なバロア病治療も効率的な餌及び他の液体配給に大きく左右される可能性があると考えている。
【0063】
一部の養蜂家は高い損失を経験し続けており、80~100%も珍しいことではないが、前記の手順を用いて発明者が管理している様々な養蜂所では、これよりも相当低い損失になっている。