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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-29
(45)【発行日】2022-04-06
(54)【発明の名称】ディスプレイドライバを動作させる方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20220330BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20220330BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20220330BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20220330BHJP
   G03H 1/02 20060101ALN20220330BHJP
【FI】
G09G3/36
G02F1/13 505
G02F1/133 550
G09G3/20 611H
G09G3/20 623C
G09G3/20 623D
G09G3/20 623F
G09G3/20 632Z
G09G3/20 641P
G09G3/20 642A
G09G3/20 642P
G09G3/20 660X
G09G3/20 680G
G03H1/02
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019522318
(86)(22)【出願日】2017-10-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-12
(86)【国際出願番号】 GB2017053221
(87)【国際公開番号】W WO2018078366
(87)【国際公開日】2018-05-03
【審査請求日】2019-06-27
【審判番号】
【審判請求日】2021-03-01
(31)【優先権主張番号】1618207.3
(32)【優先日】2016-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1622021.2
(32)【優先日】2016-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517080957
【氏名又は名称】デュアリタス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(72)【発明者】
【氏名】クリスマス ジェイミーソン
【合議体】
【審判長】中塚 直樹
【審判官】濱本 禎広
【審判官】清水 靖記
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-194276(JP,A)
【文献】特開2005-284037(JP,A)
【文献】特開2006-243232(JP,A)
【文献】特開2005-269110(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0252504(US,A1)
【文献】特開2010-122577(JP,A)
【文献】特開2010-60842(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0077367(US,A1)
【文献】特開平07-121144(JP,A)
【文献】特開2001-147673(JP,A)
【文献】特開2008-216648(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00-3/38
G02F 1/133
G03H 1/00-5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動回路を含む表示装置のための方法であって、前記表示装置は、それぞれの複数のアナログ駆動電圧に従って複数の階調で動作する複数の画素を含み、前記駆動回路は、複数の単一階調チャネルを含み、各単一階調チャネルが、入力と、出力と、前記入力と前記出力との間に接続された信号プロセッサとを含み、各信号プロセッサが、デジタル・アナログ変換器(DAC)と、電圧オフセットを有する演算増幅器(オペアンプ)とを含み、
前記方法は、
それぞれの信号プロセッサを使用して前記入力で受け取られたデジタル信号を前記出力でアナログ電圧に変換するステップと、
各単一階調チャネルの前記出力に接続されたスイッチング回路を利用して、前記スイッチング回路に接続された較正サブシステムが、各単一階調チャネルの前記出力から各アナログ電圧を受け取るステップと、
各単一階調チャネルについて、前記受け取った当該階調チャネルのアナログ電圧に基づいて各オペアンプの前記電圧オフセットを個別に補正する較正プロセスを実行するステップとを含み、
前記較正プロセスは、
複数のデジタル入力への各単一階調チャネルの出力応答を、前記駆動回路の動作範囲にわたって個別に決定するステップであって、複数のデジタル入力への各単一階調チャネルの出力応答を測定するステップを含むステップと、
各単一階調チャネルについて、前記階調チャネルの個別に決定された出力応答に基づいて、前記出力で各アナログ駆動電圧を達成するために必要なデジタル入力を決定するステップとを含み、
前記方法は、前記較正プロセスの前に、
アナログ電圧への前記複数の画素の階調応答に基づいて前記複数の階調のいずれかを選択するステップであって、選択された前記複数の階調の輝度が等間隔であるステップと、
前記複数の画素の階調応答に基づいて、それぞれの複数の階調を達成するために前記複数の画素のそれぞれが必要とする前記複数のアナログ駆動電圧を決定するステップとをさらに含む、
方法。
【請求項2】
前記複数の単一階調チャネルの任意の1つの単一階調チャネルの前記出力に各画素を選択的に接続する工程をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各画素が、前記画素を通過する光のパラメータを変調するように構成され、各階調が変調レベルである、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記パラメータが位相であり、各変調レベルが位相遅延レベルである、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記入力で受け取られる前記デジタル信号が8ビットの2値信号である、
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の階調が、各画素の下側階調と上側階調との間で輝度が等間隔である請求項5に記載の方法。
【請求項7】
各単一階調チャネルにひとつの階調を割り当てるステップと、前記それぞれ割り当てられた階調に前記必要なアナログ電圧を出力するために各単一階調チャネルが必要とする前記デジタル入力を確立するステップとをさらに含む、
請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
表示中に前記単一階調チャネル間の階調の前記割り当てを変更するステップをさらに含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
128の階調電圧をそれぞれ提供する128の単一階調チャネルがある、
請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記表示装置が空間光変調器である、
請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記表示装置が反射型液晶(LCOS)空間光変調器である、
請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
駆動回路を含む表示装置を含むシステムであって、
前記駆動回路が、
複数の単一階調チャネルであって、各単一階調チャネルが、入力と、出力と、前記入力と前記出力との間に接続された信号プロセッサとを含み、各プロセッサが、前記入力で受け取られたデジタル信号を前記出力でアナログ電圧に変換するように構成され、各信号プロセッサが、デジタル・アナログ変換器(DAC)と、電圧オフセットを有する演算増幅器(オペアンプ)とを含む、前記複数の単一階調チャネルと、
各単一階調チャネルの前記出力に接続されたスイッチング回路であって、前記複数の単一階調チャネルの各単一階調チャネルの前記アナログ電圧を切り換え可能に受け取るように構成された、前記スイッチング回路と、を含み、
前記システムが、
各オペアンプに接続された較正サブシステムであって、前記スイッチング回路から各アナログ電圧を受け取り、各単一階調チャネルについて、受け取った当該階調チャネルのアナログ電圧に基づいて各オペアンプの前記電圧オフセットを個別に補正する較正プロセスを実行するように構成された、前記較正サブシステムをさらに含み、
前記較正プロセスが、
複数のデジタル入力への各単一階調チャネルの出力応答を、前記駆動回路の動作範囲にわたって個別に決定するステップであって、複数のデジタル入力への各単一階調チャネルの出力応答を測定するステップを含むステップと、
各単一階調チャネルについて、前記階調チャネルの個別に決定された出力応答に基づいて、前記出力で各アナログ駆動電圧を達成するために必要なデジタル入力を決定するステップとを含み、
前記較正サブシステムが、さらに、前記較正プロセスの前に
アナログ電圧への前記表示装置の複数の画素の階調応答に基づいて前記複数の階調のいずれかを選択し、選択された前記複数の階調の輝度は等間隔であり、
前記複数の画素の階調応答に基づいてそれぞれの複数の階調を達成するために前記複数の画素のそれぞれが必要とする前記複数のアナログ駆動電圧を決定するように構成されている
システム。
【請求項13】
前記較正サブシステムが、請求項2から11のいずれか一項に記載の方法を行うように構成されている、
請求項12に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置の駆動方法に関する。より詳細には、本開示は、反射型液晶(liquid crystal on silicon)空間光変調器の駆動方法に関する。本開示はさらに、複数の階調(grey-level)電圧について演算増幅器回路を較正することに関する。実施形態は、反射型液晶空間光変調器のバックプレーンを動作させる方法に関する。実施形態は、反射型液晶空間光変調器の駆動回路を較正する方法と、反射型液晶空間光変調器の駆動回路で使用される演算増幅器のランダムなオフセット電圧を補正する方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
物体から散乱される光は振幅と位相の両方の情報を含む。この振幅および位相の情報は、例えば、干渉縞を含むホログラフィック記録、すなわち「ホログラム」を形成する周知の干渉法によって感光板上に取り込むことができる。ホログラムは、元の物体を表す二次元(再生画像)または三次元のホログラフィック再構成を形成するために適切な光で照らすことによって再構成され得る。
【0003】
コンピュータ生成ホログラフィは、干渉プロセスを数値的にシミュレートし得る。コンピュータ生成ホログラム(CGH)は、フレネル変換やフーリエ変換などの数学的変換に基づく技法によって計算され得る。これらの種類のホログラムは、フレネルホログラムまたはフーリエホログラムと呼ばれることがある。フーリエホログラムは、物体のフーリエ領域表現または物体の周波数領域表現とみなされ得る。CGHはまた、例えば、コヒーレント・レイ・トレーシングや点群技術によっても計算され得る。
【0004】
CGHは、入射光の振幅および/または位相を変調するように構成された空間光変調器(SLM)上で符号化され得る。光変調は、例えば、電気的にアドレス指定可能な液晶、光学的にアドレス指定可能な液晶またはマイクロミラーを使用して達成され得る。
【0005】
SLMは、セルまたは素子とも呼ばれ得る複数の個別にアドレス指定可能な画素を含み得る。光変調方式は、2値、多重レベルまたは連続であり得る。
【0006】
あるいは、装置は連続していてもよく(すなわち、画素で構成されていなくてもよく)、したがって光変調は装置全体にわたって連続し得る。SLMは、変調光が反射してSLMから出力されることを意味する、反射性であってもよい。SLMは同様に、変調光が透過であるSLMから出力されることを意味する、透過性であってもよい。
【0007】
記載の技術を使用してホログラフィックプロジェクタが提供され得る。そのようなプロジェクタは、例えば、ニアアイデバイスを含む、ビデオプロジェクタ、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、およびヘッドマウントディスプレイ(HMD)に応用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本明細書では、投影に使用される空間光変調器などの表示装置のための改善された駆動法が開示されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の態様は、添付の独立請求項に定義されている。
【0010】
本発明者は、空間光変調器などの表示装置のための改善された駆動方法を提供している。実施形態は、例示にすぎないが、LCOS表示装置に言及している。本開示は、複数の階調または位相遅延レベルを提供するために複数のアナログ電圧を必要とする任意の表示装置に適用可能である。実施形態は、例示にすぎないが、128階調を提供する駆動回路に言及している。本開示は、任意の数の階調に適用可能である。
【0011】
本開示の駆動回路は、複数の演算増幅器(オペアンプ)を使用する。しかしながら、演算増幅器にはランダムなオフセット電圧が発生し、これによりそれらの出力電圧を設定するための精度が低下する。本発明者は本明細書において、演算増幅器によって引き起こされる電圧誤差を低減させるシステムおよび方法を開示する。本開示では、表示装置を駆動するために階調チャネルの各演算増幅器に発生する電圧オフセットを個別に補正する方法について説明する。実施形態では、本方法は、所望のまたは目標の階調電圧を提供するよう対応する演算増幅器のパラメータを較正することによって、各個別演算増幅器の電圧オフセットを補正する。他の実施形態では、本方法は、演算増幅器の出力応答に基づいて所望のまたは目標の階調電圧を提供する入力を決定することによって、各個別演算増幅器の電圧オフセットを補正する。
【0012】
本開示は、階調電圧ごとに信号プロセッサを形成するデジタル・アナログ変換器(DAC)/オペアンプ対が設けられた装置に関するものである。したがって、本明細書で階調チャネルの演算増幅器の「パラメータを較正する」または「入力を決定する」という場合それは、DAC/オペアンプ対を含む信号プロセッサ、または階調チャネルの信号プロセッサの個別のDACもしくはオペアンプのパラメータを較正することまたは入力を決定することを含むことが意図されている。
【0013】
実施形態は、例示にすぎないが、表示装置上にホログラムを表示することに言及している。本開示は、表示装置上に通常の画像を表示することにも等しく適用可能である。本開示は、複数の電圧レベルを使用して表示装置上に任意の種類の情報を表示することに適用可能である。
【0014】
階調、変調レベルおよび位相遅延レベルを含む「レベル」が全体を通して言及されている。「レベル」という用語は、本開示では離散値を意味するために使用される。すなわち、記載されているパラメータは、複数の離散値のうちの1つに等しい値のみを取り得る。言い換えると、パラメータは特定の値に制約される。例えば、ディスプレイ業界では、ディスプレイの各画素が光の強度を変調し、黒から白までまたはその逆の128階調などの複数の階調で動作し得ることが理解されている。各画素は、複数の変調レベルで動作する光変調素子として説明され得る。光変調素子は、0、π/2、π、3π/2、2πなどの複数の位相遅延レベルで動作する位相変調素子であり得る。開示の便宜と一貫性のためにのみ「階調」が全体を通して言及されている。位相変調画素に関連した実施形態では、「階調」という用語は「位相遅延レベル」と読み替えることができる。言い換えると、これらの実施形態では、各「階調」は「位相遅延」である。例えば、階調番号1は0の位相遅延であり、階調番号128は2πの位相遅延であり得る。
【0015】
したがって、本明細書で「階調チャネル」という場合それは、対応する離散階調でディスプレイの画素を駆動するための電圧レベルを提供する、DAC/オペアンプ対を含む上述した信号プロセッサを含む、駆動パスまたは駆動回路を指す。よって、特定の表示時間間隔(例えば、フレームまたはサブフレーム)の間、階調チャネルは、対応する階調を表示することを意図されたディスプレイのすべての画素を駆動するために使用される固定電圧レベルを提供する。
【0016】
「ホログラム」という用語は、物体に関する振幅および/または位相の情報を含む記録を指すのに使用される。「ホログラフィック再構成」という用語は、ホログラムを照射することによって形成される物体の光学的再構成を指すのに使用される。「再生フィールド」という用語は、ホログラフィック再構成が形成される空間内の平面を指すのに使用される。
【0017】
「符号化する」、「書き込む」または「アドレス指定する」という用語は、各画素の変調レベルをそれぞれ決定する関連複数の制御値をSLMの複数の画素に提供するプロセスを記述するのに使用される。SLMの画素は、複数の制御値を受け取ったことに応答して光変調分布を「表示」するように構成されると言える。
【0018】
「光」という用語は、本明細書ではその最も広い意味で使用されている。実施形態は、可視光、赤外光および紫外光、ならびにそれらの任意の組み合わせに等しく適用可能である。
【0019】
実施形態は、例示にすぎないが、1Dおよび2Dのホログラフィック再構成について説明する。他の実施形態では、ホログラフィック再構成は3Dホログラフィック再構成である。すなわち、実施形態では、各コンピュータ生成ホログラムは3Dホログラフィック再構成を形成する。
【0020】
例示にすぎないが、以下の図を参照して特定の実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、画面上にホログラフィック再構成を生成する反射型SLMを示す概略図である。
図2A図2Aは、例示的なGerchberg-Saxton型アルゴリズムの最初の反復を示す図である。
図2B図2Bは、例示的なGerchberg-Saxton型アルゴリズムの2回目以降の反復を示す図である。
図3図3は、反射型LCOS SLMの概略図である。
図3B図3Bは、本開示による演算増幅器の固有の電圧オフセットを示す図である。
図4図4は、2つの単一階調チャネルを含む一実施形態を示す図である。
図5図5は、電圧に対する液晶を含む画素などの光変調素子の応答例を示す図である。
図6図6は、電圧に対する液晶を含む画素などの光変調素子の応答例を示す図である。
図7図7は、電圧に対する液晶を含む画素などの光変調素子の応答例を示す図である。
図8図8は、単一階調チャネル間の階調の分布の例を示す図である。
図8B図8Bは、単一階調チャネル間の階調の分布の例を示す図である。
図8C図8Cは、単一階調チャネル間の階調の分布の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
同じかまたは類似した部分を指すために、図面全体を通して同じ参照符号が使用される。
【0023】
本発明は、以下に記載される実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲の全範囲に及ぶ。すなわち、本発明は様々な形態で実施されてもよく、記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。
【0024】
単数形の用語は、他に指定されない限り、複数形を含み得る。
【0025】
別の構造物の上部/下部に、または別の構造物の上面/下面に形成されていると記述される構造物は、それらの構造物が互いに接触する場合、さらに、それらの間に第3の構造物が配置されている場合を含むと解釈されるべきである。
【0026】
時間関係を説明する際に、例えば、事象の時間的順序が「~の後の(after)」、「後続の(subsequent)」、「次の(next)」、「~の前の(before)」などとして記述される場合、本開示は、特に指定しない限り、連続的事象および非連続的事象を含むものと解釈されるべきである。例えば、「ちょうど(just)」、「即時の(immediate)」、または「直接(direct)」などの表現が使用されていない限り、その記述は連続的ではない場合を含むと解釈されるべきである。
【0027】
本明細書では様々な要素を記述するために「第1」、「第2」などの用語が使用され得るが、これらの要素はこれらの用語によって限定されない。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ使用されているにすぎない。例えば、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶこともでき、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶこともできる。
【0028】
異なる実施形態の特徴が、互いに部分的にまたは全体的に結合されるかまたは互いに組み合わされてもよく、様々に相互運用されてもよい。実施形態は、互いに独立して実行されてもよく、または共依存関係で一緒に実行されてもよい。
【0029】
許容品質のホログラフィック再構成を、元の物体に関連した位相情報のみを含む「ホログラム」から形成できることが判明している。そこのようなホログラフィック記録は位相限定ホログラムと呼ばれることがある。実施形態は、例示にすぎないが、位相限定ホログラフィに関するものである。すなわち、実施形態では、空間光変調器は位相遅延分布のみを入射光に適用する。実施形態では、各画素によって適用される位相遅延は多重レベルである。すなわち、各画素は、離散的な数の位相レベルのうちの1つに設定され得る。離散的な数の位相レベルは、ずっと大きいパレットの中から選択され得る。
【0030】
実施形態では、コンピュータ生成ホログラムは、再構成のための物体のフーリエ変換である。これらの実施形態では、ホログラムは物体のフーリエ領域表現または周波数領域表現であると言える。図1に、反射型SLMを使用して位相限定フーリエホログラムを表示し、再生フィールドでホログラフィック再構成を生成する一実施形態を示す。
【0031】
光源110、例えばレーザまたはレーザダイオードが、コリメートレンズ111を介してSLM140を照明するように配置されている。コリメートレンズは、光のおおむね平面状の波面をSLMに入射させる。波面の方向は、法線からずれている(例えば、透明層の平面に対する真の直角から2度または3度離れている)。他の実施形態では、おおむね平面状の波面は、例えば、ビームスプリッタを使用して垂直入射で提供される。図1に示す例では、構成は、光源からの光がSLMの鏡面背面から反射され、位相変調層と相互作用して出射波面112を形成するようになっている。出射波面112は、画面125で合焦するフーリエ変換レンズ120を含む光学系に適用される。
【0032】
フーリエ変換レンズ120は、SLMから位相変調光のビームを受け取り、周波数空間変換を行って画面125でホログラフィック再構成を生成する。
【0033】
光はSLMの位相変調層(すなわち位相変調素子の配列)を横切って入射する。位相変調層を出る変調光は再生フィールドにわたって分散される。特に、この種のホログラフィでは、ホログラムの各画素が全体の再構成に寄与する。すなわち、再生画像上の特定の点と特定の位相変調素子との間に1対1の相関関係はない。
【0034】
これらの実施形態では、空間的なホログラフィック再構成の位置は、フーリエ変換レンズの屈折力によって決定される。図1に示す実施形態では、フーリエ変換レンズは物理レンズである。すなわち、フーリエ変換レンズは光学フーリエ変換レンズであり、フーリエ変換は光学的に行われる。どんなレンズもフーリエ変換レンズとして機能することができるが、レンズの性能によりレンズが行うフーリエ変換の正確さが制限される。当業者であれば、レンズを使用して光学フーリエ変換を行う方法を理解している。しかしながら、他の実施形態では、フーリエ変換は、ホログラフィックデータにレンズ作用データを含めることによって計算的に行われる。すなわち、ホログラムは、レンズを表すデータと、物体を表すデータとを含む。コンピュータ生成ホログラムの分野では、レンズを表すホログラフィックデータを計算する方法が知られている。レンズを表すホログラフィックデータはソフトウェアレンズと呼ばれることがある。例えば、その屈折率および空間的に変化する光路長に起因してレンズの各点によって引き起こされる位相遅延を計算することによって位相限定ホログラフィックレンズが形成され得る。例えば、凸レンズの中心における光路長は、レンズの縁における光路長よりも長い。フレネル・ゾーン・プレートによって振幅限定ホログラフィックレンズ形成され得る。コンピュータ生成ホログラムの技術分野では、物理的フーリエレンズを必要とせずにフーリエ変換を行うことができるようにレンズを表すホログラフィックデータを、物体を表すホログラフィックデータと組み合わせる方法も知られている。実施形態では、レンズ作用データが単純なベクトル加法によってホログラフィックデータと組み合わされる。実施形態では、フーリエ変換を行うために、物理的レンズがソフトウェアレンズと併用される。あるいは、他の実施形態では、ホログラフィック再構成が遠視野で行われるように、フーリエ変換レンズは完全に省かれる。別の実施形態では、ホログラムは格子データ、すなわちビームステアリングなどの回折格子の機能を果たすように構成されたデータを含み得る。また、コンピュータ生成ホログラムの分野では、そのようなホログラフィックデータを計算し、それを物体を表すホログラフィックデータと組み合わせる方法も知られている。例えば、ブレーズド回折格子の表面上の各点によって引き起こされる位相遅延をモデル化することによって位相限定ホログラフィック回折格子が形成され得る。振幅限定ホログラムの角度ステアリングを提供するために、物体を表す振幅限定ホログラム上に振幅限定ホログラフィック回折格子が単純に重ね合わせられ得る。
【0035】
2D画像のフーリエホログラムは、Gerchberg-Saxtonアルゴリズムなどのアルゴリズムの使用を含む、いくつかの方法で計算され得る。Gerchberg-Saxtonアルゴリズムは、(2D画像などの)空間領域の振幅情報からフーリエ領域の位相情報を導出するために使用され得る。すなわち、物体に関連した位相情報は、強度、または振幅、空間領域内の情報のみから「取得」され得る。したがって、物体の位相限定フーリエ変換が計算され得る。
【0036】
実施形態では、Gerchberg-Saxtonアルゴリズムまたはその変形を使用して振幅情報からコンピュータ生成ホログラムが計算される。Gerchberg Saxtonアルゴリズムは、それぞれ平面Aおよび平面Bにおける光ビームの強度断面I(x,y)およびI(x,y)が知られており、I(x,y)とI(x,y)が単一のフーリエ変換によって関連付けられる場合の位相回復問題を考慮する。与えられた強度断面で、平面Aおよび平面Bにおける位相分布への近似、Ψ(x,y)およびΨ(x,y)がそれぞれ見つかる。Gerchberg-Saxtonアルゴリズムは、反復プロセスに従ってこの問題の解を見つける。
【0037】
Gerchberg-Saxtonアルゴリズムは、空間領域とフーリエ(スペクトル)領域の間で、I(x,y)とI(x,y)とを表すデータセット(振幅および位相)を繰り返し伝達しながら、空間的制約およびスペクトル制約を繰り返し適用する。空間的制約およびスペクトル的制約は、それぞれI(x,y)およびI(x,y)である。空間領域またはスペクトル領域のどちらかにおける制約がデータセットの振幅に課される。対応する位相情報は一連の反復を通して取得される。
【0038】
実施形態において、ホログラムは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる英国特許第2498170号または第2501112号に記載されているようなGerchberg-Saxtonアルゴリズムに基づくアルゴリズムを使用して計算される。
【0039】
実施形態によれば、Gerchberg-Saxtonアルゴリズムに基づくアルゴリズムは、既知の振幅情報T[x,y]を生じさせるデータセットのフーリエ変換の位相情報Ψ[u,v]を取得する。振幅情報T[x,y]は目標画像(例えば写真)を表す。位相情報Ψ[u,v]は、画像平面において目標画像を表すホログラフィックを生成するために使用される。
【0040】
大きさと位相はフーリエ変換において本来組み合わされるので、変換された大きさ(および位相)は計算されたデータセットの正確さに関する有用な情報を含む。よって、アルゴリズムは振幅情報と位相情報の両方についてフィードバックを提供し得る。
【0041】
本開示の実施形態によるGerchberg-Saxtonアルゴリズムに基づく例示的なアルゴリズムについて図2を参照して以下で説明する。このアルゴリズムは反復的で収束的である。このアルゴリズムは、入力画像を表すホログラムを生成するように構成されている。このアルゴリズムは、振幅限定ホログラム、位相限定ホログラム、または完全に複雑なホログラムを決定するために使用され得る。本明細書に開示される例は、例示にすぎないが、位相限定ホログラムを生成することに関するものである。図2Aは、アルゴリズムの最初の反復を示しており、アルゴリズムのコア部分を表している。図2Bは、アルゴリズムの後続の反復を示している。
【0042】
この説明では、振幅および位相の情報が別々に考察されるが、これらは本来、混成複合データセットを形成するように組み合わされる。図2Aを参照すると、アルゴリズムのコア部分は、第1の複合データを含む入力と第4の複合データを含む出力とを有すると考えることができる。第1の複合データは、第1の振幅成分201と第1の位相成分203とを含む。第4の複合データは、第4の振幅成分211と第4の位相成分213とを含む。この例では、入力画像は二次元である。したがって、振幅および位相の情報は、遠視野画像における空間座標(x,y)の関数およびホログラムフィールドの(u,v)の関数である。すなわち、各平面における振幅および位相は、各平面における振幅および位相の分布である。
【0043】
この最初の反復では、第1の振幅成分201は、そのホログラムが計算されている入力画像210である。この最初の反復では、第1の位相成分203は、単にアルゴリズムの開始点として使用されるランダムな位相成分230である。処理ブロック250は、第1の複合データのフーリエ変換を行って、第2の振幅成分(図示せず)および第2の位相情報205を有する第2の複合データを形成する。この例では、第2の振幅成分は廃棄され、処理ブロック252によって第3の振幅成分207で置き換えられる。他の例では、処理ブロック252は、異なる機能を実行して第3の振幅成分207を生成する。この例では、第3の振幅成分207は光源を表す分布である。第2の位相成分205は処理ブロック254によって第3の位相成分209を生成するように量子化される。第3の振幅成分207および第3の位相成分209は第3の複合データを形成する。第3の複合データは、逆フーリエ変換を行う処理ブロック256に入力される。処理ブロック256は、第4の振幅成分211および第4の位相成分213を有する第4の複合データを出力する。第4の複合データは、次の反復の入力を形成するために使用される。すなわち、n回目の反復の第4の複合データは、(n+1)回目の反復の第1の複合データセットを形成するために使用される。
【0044】
図2Bに、アルゴリズムの2回目以降の反復を示す。処理ブロック250は、前の反復の第4の振幅成分211から導出された第1の振幅成分201および前の反復の第4の位相成分に対応する第1の位相成分213を有する第1の複合データを受け取る。
【0045】
この例では、以下で説明するように、第1の振幅成分201は、前の反復の第4の振幅成分211から導出される。処理ブロック258は、前の反復の第4の振幅成分211から入力画像210を減算して、第5の振幅成分215を形成する。処理ブロック260は、第5の振幅成分215を利得係数αでスケーリングし、それを入力画像210から減算する。これは数学的には次の式で表される。
n+1[x,y]=F’{exp(iψ[u,v])}
Ψ[u,v]=∠F{η exp(i∠R[x,y])}
η=T[x,y]-α(|R[x,y]|-T[x,y])
式中、
F’は、逆フーリエ変換であり、
F、順フーリエ変換の場合、
Rは、再生フィールドであり、
Tは、目標画像であり、
∠は、角度情報であり、
Ψは、角度情報の量子化バージョンであり、
εは、新しい目標の大きさ、ε>0であり、
αは、1とほぼ等しい利得要素である。
【0046】
利得要素αは、固定でも可変でもよい。例では、利得要素αは、入ってくる目標画像データのサイズおよびレートに基づいて決定される。
【0047】
処理ブロック250、処理ブロック252、処理ブロック254、および処理ブロック256は、図2Aを参照して説明したように機能する。最後の反復では、入力画像210を表す位相限定ホログラムΨ(u,v)が出力される。位相限定ホログラムΨ(u,v)は、周波数領域またはフーリエ領域における位相分布を含むと言える。
【0048】
他の例では、第2の振幅成分は廃棄されない。代わりに、入力画像210が第2の振幅成分から減算され、その振幅成分の倍数が入力画像210から減算されて第3の振幅成分307が生成される。他の例では、第4の位相成分は完全にはフィードバックされず、例えば最後2回の反復にわたるその変化に対する一部分の比だけがフィードバックされる。
【0049】
実施形態では、画像データを受け取り、アルゴリズムを使用してリアルタイムでホログラムを計算するように構成されたリアルタイムエンジンが設けられている。実施形態では、画像データは画像フレームのシーケンスを含むビデオである。他の実施形態では、ホログラムは、予め計算され、コンピュータメモリに格納され、SLM上に表示するために必要に応じて呼び出される。すなわち、実施形態では、所定のホログラムのリポジトリが設けられている。
【0050】
しかしながら、実施形態は、例示にすぎないが、フーリエホログラフィおよびGerchberg-Saxton型アルゴリズムに関するものである。本開示は、フレネルホログラフィおよび点群法に基づく技法などの他の技術によって計算されたホログラムにも等しく適用可能である。
【0051】
本開示は、いくつかの異なる種類のSLMのうちの任意の1つを使用して実施され得る。SLMは、空間変調光を反射または透過として出力し得る。実施形態では、SLMは反射型液晶(LCOS)SLMであるが、本開示はこの種類のSLMに限定されない。
【0052】
LCOS装置は、小さな開口に大規模な位相限定素子の配列を表示することができる。小さな素子(典型的には約10ミクロン以下)は、光学系がさほど長い光路を必要としないように、実用的な回折角(数度)をもたらす。LCOS SLMの小さな開口(数平方センチメートル)を十分に照射する方が、より大きな液晶装置の開口を照射するよりも容易である。LCOS SLMはまた、大きな口径比を有し、(画素を駆動する回路がミラーの下に埋め込まれているので)画素間のデッドスペースが非常に少ない。これは再生フィールドにおける光学雑音を低減させるための重要な問題である。シリコンバックプレーンを使用することには画素が光学的に平坦であるという利点があり、これは位相変調装置にとって重要である。
【0053】
適切なLCOS SLMについて、例示にすぎないが、図3を参照して以下で説明する。LCOS装置は単結晶シリコン基板302を使用して形成される。LCOS装置は、基板の上面に配置された、ギャップ301aだけ離間された、正方形の平面アルミニウム電極301の2D配列を有する。各電極301を、基板302に埋め込まれた回路302aを介してアドレス指定することができる。各電極はそれぞれの平面鏡を形成している。電極の配列上に配向膜303が配置されており、配向膜303上に液晶層304が配置されている。液晶層304上に第2の配向膜305が配置されており、第2の配向膜305上に例えばガラスの平面透明層306が配置されている。透明層306と第2の配向膜305との間に、例えばITOの単一の透明電極307が配置されている。
【0054】
各正方形電極301は、透明電極307および介在する液晶材料の覆い重なる領域と共に、画素とも呼ばれることの多い、制御可能な位相変調素子308を定義する。有効画素面積、すなわちフィルファクタは、画素301a間の間隔を考慮に入れて、光学的に活性である総画素のパーセンテージである。透明電極307に関して各電極301に印加される電圧を制御することによって、それぞれの位相変調素子の液晶材料の特性が変わり、それによってその上に入射する光に可変遅延が与えられ得る。その効果は、波面に位相限定変調を提供することであり、すなわち振幅効果は生じない。
【0055】
記載のLCOS SLMは反射として空間変調光を出力するが、本開示は透過型LCOS SLMにも等しく適用可能である。反射型LCOS SLMには、信号線、ゲート線およびトランジスタが鏡面の下にあるという利点があり、これにより(典型的には90%を上回る)高いフィルファクタおよび高い解像度がもたらされる。反射型LCOS空間光変調器を使用する別の利点は、液晶層の厚さを、透過型装置が使用された場合に必要になる厚さの半分にすることができることである。これにより、液晶の切り換え速度(動画像の投射に重要な点)が大幅に向上する。
【0056】
本発明者は、LCOS装置などの表示装置のための改善された駆動方法を提供している。実施形態は、例示にすぎないが、LCOS表示装置に言及している。本開示は、複数の階調を提供するために複数のアナログ階調電圧を必要とする任意の表示装置に適用可能である。実施形態は、例示にすぎないが、128階調を提供する駆動法に言及している。本開示は、任意の数の階調に適用可能である。
【0057】
LCOSデジタル・アナログ変換器における電圧オフセット変動を補正または調整する方法が提供される。本開示のLCOSバックプレーン設計は、電圧レベルごとに1つのデジタル・アナログ変換器を含む。各DACは、一緒にDAC/オペアンプ対(すなわち信号プロセッサ)を形成するオペアンプを必要とする。各オペアンプにはランダムなオフセット電圧が発生し、これにより電圧レベルを設定するための精度が低下する。すべての場合において、DACはシステム内の階調よりも多くのビットを有する。
【0058】
本発明者は本明細書で、128の階調チャネルの各々の演算増幅器に発生する電圧オフセットを個別に補正する方法を開示している。実施形態は、スイッチング回路を使用して、128の出力電圧の各々が、線形性および性能が測定される出力ピンにスイッチング回路を介して経路指定されることを可能にする。これらの測定値は、電圧誤差を最小にするために目標階調電圧と併用され得る。位相レベルごとの電圧の正確さは、位相限定ホログラフィックシステムでは、電圧誤差が画像内でランダムノイズとして現れる位相誤差であるために特に重要である。
【0059】
特に、本開示は、階調チャネルごとにDAC/オペアンプ対を含む信号プロセッサが提供された装置に関するものである。各DAC/オペアンプ対は1つの出力のみを提供する。具体的には、各DAC/オペアンプ対は、特に所与の表示時間間隔(例えば、フレームまたはサブフレーム)の間に、一度にただ1つの階調電圧を提供することに一義的に専念する。したがって各DAC/オペアンプ対は、複数の階調のうちの1つに対応する単一階調電圧を提供することが理解されよう。したがって本開示は、対応する複数のDAC/オペアンプ対を使用して複数の単一階調チャネルを提供することに関するものである。例えば、駆動回路が128の階調を生成することを必要とされる場合、128の対応する階調チャネルの128のDAC/オペアンプ対があることになる。
【0060】
図3Bには、電圧出力対バイナリ入力がプロットされている。理想的なDAC/オペアンプ対の応答は線370で表される。しかしながら、実際には、本開示によるDAC/オペアンプ対は、オペアンプの製造プロセスにおける不完全性のために、線360で表された応答を有する。電圧オフセット350がy軸上に示されている。電圧オフセット350は、階調チャネルへの各バイナリ入力が期待される電圧出力を生じないことを意味する。さらに、各オペアンプには電圧出力の公差として現れる公差がある。いくつかの用途では、電圧出力におけるこの公差は完全に許容できる。しかしながら、この公差は、本明細書に開示されているいくつかの用途には許容できない。
【0061】
いくつかの実施形態では、表示装置は複数の光変調画素を含み、各光変調画素は、その画素の能動素子、例えば液晶、の両端に印加される電圧によって決定される量だけ光を変調するように構成される。
【0062】
いくつかの実施形態では、表示装置は、それぞれの複数のアナログ駆動電圧に従って複数の階調で動作する複数の画素を含み、各画素は、複数の単一階調チャネルの任意の1つの単一階調チャネルの出力に選択的に接続可能である。いくつかの実施形態では、画素は液晶を含む。いくつかの実施形態では、各画素は、その画素を通過する光のパラメータを変調するように構成され、各階調が変調レベルである。いくつかの実施形態では、パラメータは位相であり、各変調レベルは位相遅延レベルである。いくつかの実施形態では、画素は、個別の独立した位相変調器、任意選択で液晶位相変調器として動作するように構成される。
【0063】
位相変調器としての液晶の使用は十分に理解されているが、あまり知られていないのが、位相変調の正確さが画質、特にコントラストの直接の原因であるということである。例えば、位相限定ホログラフィックディスプレイでは、位相変調を生じさせる液晶の厳密な電圧制御を達成することが最も重要である。この電圧精度は、多数のビットを有するデジタル・アナログ変換器を必要とし、それによって任意の所与の電圧範囲に対して多数の電圧ステップを必要とする。例えば、いくつかの実施形態では、入力で受け取られるデジタル信号は8ビットの2値信号である。特定のLCOSバックプレーン設計が階調/位相レベルごとに1つのDACを使用する場合には、負荷駆動能力を向上させるオペアンプ回路がそれと関連付けられることになる。いくつかの実施形態では、各画素が5Vまでの電圧を必要とする。例えば、128の等間隔の階調が必要とされる場合には、階調電圧は約40mVだけ分離される必要がある。オペアンプの特性の一部としてのオフセット電圧の変動は、保証することができず、+/-100mVの範囲になる可能性がある。100mV未満の精度が要求される(これは128階調についてのものである)場合には、この手法を使用することは不可能である。しかしながら、本発明者は、DAC/オペアンプ対が階調ごとに必要な電圧精度で使用され得るようにするためにこの問題に取り組んだ。
【0064】
図4に、第1の単一階調チャネル410と第2の単一階調チャネル420とを含む一実施形態を示す。図4には、例示にすぎないが、2つの単一階調チャネルが示されている。本開示は、128などの任意の複数の単一階調チャネルにまで及ぶことが理解されよう。上述したように、各単一階調チャネルは、複数の離散階調のうちの1つで表示装置の画素を駆動する電圧レベルを提供するために使用される。第1の単一階調チャネル410は、第1の入力412および第1の出力418を含む。第1の入力412および第1の出力418は、第1のDAC414および第1のオペアンプ416によって直列に接続されている。第1のDAC414および第1のオペアンプ416は集合的に第1の信号プロセッサを形成している。第2の単一階調チャネル420は、第2の入力422および第2の出力428を含む。第2の入力422および第2の出力428は、第2のDAC424および第2のオペアンプ426によって直列に接続されている。第2のDAC424および第2のオペアンプ426は集合的に第2の信号プロセッサを形成している。第1の出力418および第2の出力428はスイッチング回路430に接続されており、スイッチング回路430は、フィードバックパラメータ445を出力する較正サブシステムまたは回路440に接続されている。
【0065】
例えば、第1の入力412は16進数信号0100hであり得る。第1のDAC414はこのデジタル信号をアナログに変換し、第1のオペアンプ416は適切な駆動能力を提供する。このためにDACおよびオペアンプを構成する方法は信号処理の分野では公知であり、したがってここではこれ以上の説明は不要である。オペアンプが、オペアンプの電圧オフセットを変更または調整するための他の構成部品および/または回路を組み込むことができることも公知である。例えば、オペアンプが入力電圧オフセットを含み得ることが知られている。第1の出力418は、表示装置の1つまたは複数の画素を第1の階調で駆動するように構成された電圧を供給する。
【0066】
同様に、第2の入力422は16進数信号0101hであり得る。DAC424はこのデジタル信号をアナログに変換し、オペアンプ426は適切な振幅を提供する。第2の出力428は、表示装置の1つまたは複数の画素を第2の階調で駆動するように構成された電圧を供給する。
【0067】
したがって、第1の出力418は表示装置のための第1の階調電圧である。したがって、第2の出力428は表示装置のための第2の階調電圧である。階調電圧間の電圧差が特定の表示装置のため選択され得る方法は理解されよう。より具体的には、第1の出力418と第2の出力428との間の電圧差450は、表示装置の動作パラメータに基づいて選択され得る。実施形態では、128階調(したがって、128の単一階調チャネル)が提供され、隣接する階調(例えば、階調0100hと階調0101h)の間の電圧差450は数mVであり得る。表示装置の全動作電圧範囲が階調間で、例えば均等に、分割され得る方法は理解されよう。
【0068】
スイッチング回路430は、較正プロセスの一部として、単一階調チャネルの各電圧出力を順に受け取るように構成される。較正サブシステムまたは回路440は、スイッチング回路430から各電圧出力を受け取り、受け取った電圧出力を分析する。特に、較正サブシステムまたは回路440は、受け取った電圧出力を当該階調の基準電圧と比較し得る。例えば、基準電圧は当該階調の目標電圧を表し得る。ルックアップテーブルを使用して、対応する出力電圧に基づいて各単一階調チャネルのオペアンプのフィードバックパラメータが決定され得る。フィードバックパラメータは直接または間接的にオペアンプのオフセット電圧に影響を与えるか、またはこれを決定する。実施形態では、フィードバックパラメータは、オペアンプまたはオペアンプ回路のパラメータである。オペアンプが、オペアンプの挙動を調整する、抵抗器などの関連構成部品をどのように有し得るかは当分野で公知である。オペアンプとその関連構成部品とは、オペアンプ回路を形成しているとみなされ得る。実施形態では、フィードバックパラメータは、オペアンプまたはオペアンプ回路の電気構成部品の値である。例えば、フィードバックパラメータは、オペアンプの1つの端子の電圧などの電圧や、オペアンプ回路を形成する可変抵抗器の値などの抵抗であり得る。したがって、単一階調チャネルからの受け取り電圧出力と基準電圧との比較に基づき、フィードバックパラメータを使用して、各単一階調チャネルが正しい電圧出力を提供するようにするためにスイッチング回路および較正サブシステムまたは回路が使用され得る方法が理解されよう。例えば、単一階調チャネルからの電圧出力が降下した場合、階調電圧を上げるために関連付けられたオペアンプのオフセット電圧を調整する効果を有する異なるフィードバックパラメータがルックアップテーブルにおいて識別され得る。すなわち、フィードバックパラメータは、階調チャネルごとのオペアンプのオフセット電圧を微調整または較正するために使用される。図3Bを参照して上述したように、各単一階調チャネルのオペアンプでは、その他の階調チャネルのオペアンプとは異なる電圧オフセットを生じ得るので、階調チャネルごとのオペアンプの個別較正によりオペアンプに発生するランダムなオフセット電圧が補正される。したがって、実施形態は、駆動回路と表示装置の対を自己較正することによって、階調チャネルの各オペアンプに発生するランダムなオフセット電圧を個別に補正する方法を提供することが理解されよう。例えば、この較正プロセスは、最初の電源投入時に1回だけ、装置が電源投入される都度かつ/または適切なリフレッシュポイントで実行されてもよく、かつ/または動作中に周期的に実行されてもよい。したがって、駆動回路の各階調は個別に較正され得る。
【0069】
したがって、駆動回路を含む表示装置を含むシステムが提供され、駆動回路は、複数の単一階調チャネルであって、各単一階調チャネルが、入力と、出力と、入力と出力との間に接続された信号プロセッサとを含み、各プロセッサが、入力で受け取られたデジタル信号を出力でアナログ電圧に変換するように構成され、各信号プロセッサが、デジタル・アナログ変換器「DAC」と、電圧オフセットを有する演算増幅器「オペアンプ」とを含む、複数の単一階調チャネルと、各単一階調チャネルの出力に接続されたスイッチング回路であって、複数の単一階調チャネルの各単一階調チャネルのアナログ電圧を切り換え可能に受け取るように構成された、スイッチング回路と、各オペアンプに接続された較正サブシステムであって、スイッチング回路から各アナログ電圧を受け取り、受け取った当該階調チャネルのアナログ電圧に基づいて各オペアンプの電圧オフセットを個別に補正するように構成された、較正サブシステムと、を含む。サブシステムは回路であり得る。サブシステムは、表示装置のバックプレーンの内部または外部に配置され得る。
【0070】
代替実施形態では、階調チャネルの各オペアンプに発生するランダムなオフセット電圧を個別に補正する別の方法が使用される。特に、各DAC/オペアンプ対の電圧出力は、複数のバイナリ入力で測定される(例えば、図3BのV1、V2…V6を参照)。これらの測定値は、分析されて、ルックアップテーブルに格納されるか、または階調ごとに近似アルゴリズムを計算するために使用される。すなわち、単一階調チャネルごとに、電圧出力が複数のバイナリ入力で測定され、測定値が格納される。格納された測定値は、各単一階調チャネルのDAC/オペアンプ対を含む信号プロセッサの特定の電圧または出力応答を表す。階調チャネルごとの電圧応答は分析され、当該階調チャネルに正しい階調電圧を提供するために使用され得る。したがって、特定の電圧が必要な場合は、必要なバイナリ入力が検索され(または計算され)、正しい電圧が表示装置バックプレーンに供給される。この較正プロセスは、動作範囲にわたる出力応答を決定するために複数のバイナリ入力に応答して電圧出力の測定値を分析することを含み、1個ごとに必要である。すなわち、この較正プロセスは各単一階調チャネルで実行される。図3Bには、例示にすぎないが、線形応答を示す例示的なDAC/オペアンプ対が示されている。各DAC/オペアンプ対は、例えば非線形応答を含む任意の種類の応答を示し得ることが理解されよう。実施形態では、較正サブシステムまたは回路440は、アナログ・デジタル変換器(ADC)と、ADCの出力を対応するDACへのバイナリ入力と比較するように構成された比較器とを含む。これらの構成部分は、バックプレーンの外部または内部に配置され得る。
【0071】
したがって、いくつかの実施形態では、較正サブシステムは、複数のデジタル入力への各単一階調チャネルの出力応答を個別に決定し、単一階調チャネルごとに、単一階調チャネルの個別に決定された出力応答に基づいて、出力で各アナログ駆動電圧を達成するために必要なデジタル入力を決定するように構成される。各単一階調チャネルの出力応答は任意の手段によって決定され得る。いくつかの実施形態では、較正サブシステムは、複数のデジタル入力への各単一階調チャネルの出力応答を測定することによって、各単一階調チャネルの出力応答を個別に決定するように構成される。いくつかの実施形態では、較正サブシステムは、当該単一階調チャネルの測定出力応答間を補間するように構成される。
【0072】
図5に、電圧VLCへの液晶の第1の応答例を示す。いくつかの実施形態では、アナログ電圧への画素の応答が測定される。他の実施形態では、画素の階調応答は、例えば製造者によって定義された表示装置の性能特性である。多くの液晶は、0.7V未満の電圧には応答しない。例えば、等間隔の階調を提供するためには、必要な対応する電圧が必ずしも等間隔ではないことも、図5から理解されよう。図5は、例示にすぎないが、4つの階調を示している。いくつかの実施形態では、128階調が必要とされるが、やはり、本開示は任意の数の階調に等しく適用可能である。液晶の応答および各DAC/オペアンプ対の応答を理解することによって、必要な(例えば、等間隔の)各階調を達成するのに必要なバイナリ入力が、単一階調チャネルごとに決定され得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、較正サブシステムは、アナログ電圧への画素の階調応答に基づいて複数の階調を選択し、画素の階調応答に基づいてそれぞれの複数の階調を達成するために画素が必要とする複数のアナログ駆動電圧を決定するように構成される。階調は、用途の要件に従って、階調値の範囲において所定の分布(例えば階調間の間隔)を有し得る。
【0074】
いくつかの実施形態では、複数の階調は、各画素の下側階調と上側階調との間に等間隔で配置され、任意選択で、各画素の最小階調と最大階調との間に等間隔で配置される。しかしながら、本開示はこの点において限定されず、階調は、例えば、不均一な間隔で配置されてもよい。
【0075】
図6に、電圧VLCへの液晶システムの第2の応答例を示す。やはり、等間隔の階調を達成するために必要な電圧が決定され、ルックアップテーブルを提供するために各DAC/オペアンプ対の測定された挙動と相関され得る。いくつかの実施形態では、液晶の応答挙動は動的に変更可能である(例えば表示中に操作することができる)。これが達成されるのは、実施形態では、各単一階調チャネルがある範囲にわたって較正されるからである。いくつかの実施形態では、各単一階調チャネルはその全動作範囲にわたって完全に較正される。
【0076】
図7に、電圧VLCへの液晶システムの第3の応答例を示す。この第3の応答例は、第1の応答例と実質的に逆である。位相限定画像では、液晶の応答を逆にすると画像が上下反転する。
【0077】
上記の代替実施形態によれば、液晶ベースのディスプレイを駆動するための方法は、二段階較正プロセスを使用する。第1の段階は液晶システムの応答に基づいて複数の離散階調を選択する。選択された離散階調は等間隔に配置され得る。液晶システムの階調応答は、測定されてもよいし、それ以外の方法で(例えば製造者データから)取得されてもよい。画素応答に基づいて、プロセスは、選択された複数の階調の各階調を達成するために液晶画素が必要とする複数のアナログ駆動電圧を決定する。第2の段階で、プロセスは、複数のバイナリ入力電圧への階調チャネルごとのDAC/オペアンプ対を含む信号プロセッサの出力応答を個別に決定する。このプロセスは、各階調チャネルの決定された出力応答を分析し、そして第1段階によって決定された複数のアナログ駆動電圧を提供するために必要な対応するバイナリ入力を決定する。特に、第2の段階は、階調チャネルごとの信号プロセッサ出力応答と第1の段階からの液晶システム応答とを相関させ、次いで、階調チャネルごとに、液晶システムの複数の階調の各々を達成するように複数のアナログ駆動電圧を提供するのに必要なバイナリ入力電圧を決定する。よって、各階調チャネルは、0Vから5Vまたは6Vなどの動作電圧範囲にわたって較正される。複数の階調に必要なバイナリ入力電圧は、階調チャネルごとにルックアップテーブルに格納され得る。よって、各階調チャネルは、ルックアップテーブルからの対応するバイナリ入力を使用して、複数の離散階調のうちの任意の1つに対応する出力電圧を供給し、その他の階調チャネルと実質的に同じ画素応答を生成することができる。よって、この方法は、複数の階調チャネルのオペアンプに発生するランダムなオフセット電圧を個別に補正する。この方法は、選択された複数の離散階調(例えば、等間隔の階調)に対応する複数の電圧レベルについての異なる階調チャネルの応答の変動を補正する。よって、この方法は、異なる階調チャネルによって提供されるアナログ出力電圧への一貫した画素応答を達成する。
【0078】
代替実施形態による方法は、図4に示されるようなスイッチング回路430および較正サブシステム440によって実行され得る。特に、スイッチング回路430は、各単一階調チャネルの複数のバイナリ入力電圧の各々に応答して、順に電圧出力を受け取るように構成され得る。較正サブシステム440は、この方法に従ってスイッチング回路430からの電圧出力を受け取り、分析するように構成された任意の適切な処理システムを含み得る。特に、較正サブシステム430は、階調チャネルごとの信号プロセッサ出力応答を決定し、各信号プロセッサ応答と液晶システム応答とを相関させ得る。較正サブシステム430は、液晶システムの応答を決定する測定を行い、複数の離散階調および決定された対応するアナログ駆動電圧を選択し、またはそのようなデータを他の場所(例えば、外部システムや内部データ記憶)から取得し得る。よって、較正サブシステム430は、選択された複数の離散階調の各々で特定の表示装置の画素を駆動する正しいアナログ出力電圧レベルを提供するために各階調チャネルが必要とするバイナリ入力電圧を識別するために使用できるルックアップテーブル(または等価のアルゴリズム)を生成し得る。動作に際して、較正サブシステム430またはドライバの他の適切な構成部品は、ルックアップテーブル(またはアルゴリズム)を使用して、フィードバックパラメータ445を各階調チャネルに提供することができ、フィードバックパラメータ445は、階調チャネルに現在割り当てられている階調に必要なバイナリ入力を指示する。よって、較正サブシステム440は、本明細書に記載されるように変動を補正するために、表示装置を駆動するよう各階調チャネルを個別に制御することができる。
【0079】
実施形態では、階調の全範囲、例えば、全2πの位相が利用可能できることを保証するために、温度に従って電圧への液晶の応答を動的に変更することによって、液晶の粘度変化が補正される。他の実施形態では、応答は変調のための入射光の色に従って変更される。
【0080】
いくつかの実施形態では、システムは、上述したように、画素の階調応答を変更し、単一階調チャネルの個別の較正を繰り返し、それによって発生するランダムなオフセット電圧を補正するように構成される。いくつかの実施形態では、画素の階調応答は、画素の光変調素子を変更すること(すなわち、画素内部の変更)によって調整される。
【0081】
いくつかの実施形態では、階調が各単一階調チャネルに割り当てられ、それぞれの割り当てられた階調を達成するために各単一階調チャネルが必要とするデジタル入力が確立される。この情報を記録するためにルックアップテーブルが使用され得る。例えば、階調64が必要であると決定された場合、ルックアップテーブルは、どの単一階調チャネル、例えばチャネル12が、階調64を割り当てられているかを識別し、階調64を達成するためにチャネル12が必要とするデジタル入力、例えば0101hを抽出することになる。次いでチャネル12の出力は、階調64を必要とする画素に(または複数の画素にさえも)に印加される。いくつかの実施形態では、階調チャネルへの階調の割り当てを固定することができ、そのため各単一階調チャネルは常に複数の離散階調のうちの特定の1つで表示装置の画素を駆動するための出力電圧を供給する。他の実施形態では、後述するように、階調チャネルへの階調の割り当ては、表示時間間隔の間に動的に変更され得る。階調チャネルへの階調の割り当てが変更され得る実施形態では、階調の割り当ては、サブフレームやフレームなどの表示時間間隔の期間中固定されたままである。
【0082】
図8図8Bおよび図8Cに、いくつかの実施形態による駆動回路の例示的な電気光学的応答を示す。より具体的には、図8、8B、および8Cには、複数の階調チャネルが、位相レベルなど、それぞれの複数の階調を提供するために使用され得る方法が示されている。図8Aに、最初のチャネルが最低の階調を提供し、続く各チャネルが次の階調を提供する第1の構成を示す。したがって最後のチャネルは最高の階調を提供する。図8Bおよび図8Cに、連続するチャネルは一般に次の階調を提供するが、最低の階調チャネルがどちらの端にもない、それぞれの第2の構成および第3の構成を示す。したがって、階調分布に不連続性がある。チャネル間の階調の折り返しの分布が提供されると言える。
【0083】
いくつかの実施形態では、この方法は、チャネル間の階調の分布を変更することを含む。この方法は、折り返しの分布における不連続性を、移動させ、変更し、または動的変更を含めて、変動させすることを含むと言える。いくつかの実施形態では、チャネル間の階調の分布は、表示中に、例えばフレームシーケンスのフレーム間で変更される。他の実施形態では、各フレームは、例えば、表示装置がリフレッシュを必要とするので、同一または実質的に同一のサブフレームからなるかまたは同一のサブフレームを含み、分布がサブフレーム間で変更される。すなわち、いくつかの実施形態では、分布は表示中に動的に変更される。この方法は、表示中に単一階調チャネル間の階調の割り当てを変更することを含むと言える。本発明者は、単一階調チャネル間の階調分布を動的に変更することによって導入されたランダム性が画像にスペックル除去効果をもたらすことを確認している。このランダム性は、レーザスペックルのランダム性を少なくとも部分的に補正するのに十分である。したがって、スペックルを低減させる計算方法が提供される。したがって、改善された画像が提供される。いくつかの実施形態では、画素は位相変調画素であり、階調は、例えば0から2πの範囲の位相値である。いくつかの実施形態では、スペックルによって引き起こされる画像内の雑音を低減させるために、チャネル間の位相遅延分布が動的に変更される(例えば、π/2だけ前後にシフトされる)。
【0084】
いくつかの実施形態では、各階調を提供するためにどのチャネルを使用するか、および割り当てられた階調を達成するために各チャネルがどんなデジタル入力を必要とするかを決定するルックアップテーブルが提供される。このルックアップテーブルは、較正プロセスからの分析に基づいて生成され、駆動方法の動作中に使用され得る。
【0085】
したがって、複数の階調チャネルを使用する表示装置を駆動するための方法が提供される。各階調チャネルは、ディスプレイの画素を複数の離散階調のうちの1つで駆動するための電圧レベルで出力電圧を提供する信号プロセッサを含む。この方法は、較正プロセスによって、異なる階調チャネルにおけるランダムな変動、特にDAC/オペアンプ対の信号プロセッサにおけるオペアンプの電圧オフセットにおけるランダムな変動を補正する。実施形態は、各階調チャネルの1つまたは複数のアナログ電圧出力を分析する。較正は分析に基づいて行われ得る。いくつかの実施形態では、分析は、アナログ出力電圧を、階調チャネルの基準電圧(例えば目標電圧)と比較する。これらの実施形態では、方法は、その電気構成部品の値を変更するフィードバックパラメータを使用して各階調チャネルを個別に較正する。よって、各較正階調チャネルは、対応する階調の目標電圧出力を提供する。他の実施形態では、分析は、その動作範囲にわたる複数のデジタル入力への各階調チャネルの出力応答を決定する。出力応答に基づいて、分析はさらに、複数の階調のうちの1つまたは複数に対応する目標アナログ出力電圧を達成するために必要とされるデジタル入力を決定する。複数の階調は、画素(例えば液晶)応答、およびそれから決定される対応するアナログ出力電圧に基づいて選択され得る。よって、実施形態は、各階調チャネルの応答を階調画素応答に相関させる。各階調チャネルはある範囲の電圧にわたって較正されるので、それは一度に複数の階調のうちのいずれかに割り当てられ得る。よって、階調の割り当ては、レーザスペックルを少なくとも部分的に補正するランダム性を導入するように動的に変更され得る。さらに、階調の割り当てが動的に変更される場合、異なる階調チャネルは、同じ階調に一貫した画素応答を生成する電圧を提供する。
【0086】
本開示は、ランダムな変動に起因する異なるオペアンプに発生する電圧オフセットの変動と関連付けられる不都合点を軽減するために、単一階調チャネルの信号プロセッサのオペアンプの電圧オフセットを補正する技法を提供することが理解されよう。したがって、本明細書に記載の実施形態は、各オペアンプと関連付けられた電圧オフセットを除去するのではなく、むしろ信号プロセッサ、よって複数の階調チャネル間の電圧オフセットの変動の影響を補正し得る。特に、実施形態は、各単一階調チャネルを操作して、当該チャネルに割り当てられた階調の所望または目標の電圧にできるだけ近いアナログ出力電圧を提供することを意図している。「電圧オフセットを補正する」という用語は、上記に照らして理解されたく、その意味は、信号プロセッサのオペアンプに発生する電圧オフセットを排除または低減することに限定されない。
【0087】
実施形態では、空間光変調器は位相限定空間光変調器である。これらの実施形態は、振幅を変調することによって光エネルギーが失われないので有利である。
【0088】
したがって、効率的なホログラフィック投影システムが提供される。しかしながら、本開示は、振幅限定空間光変調器または振幅および位相変調器でも等しく実施され得る。ホログラムはこれに対応して位相限定、振幅限定、または完全複合になることが理解されよう。
【0089】
実施形態では、光源はレーザである。実施形態では、検出器は光検出器である。実施形態では、画面は拡散器である。本開示のホログラフィック投影システムは、改善されたヘッドアップディスプレイまたはヘッドマウントディスプレイを提供するために使用され得る。実施形態では、ホログラフィック投影システムを含む車両が提供される。
【0090】
実施形態群はおおむね別々に開示されているが、任意の実施形態または実施形態群の任意の特徴が、任意の実施形態または実施形態群の任意の他の特徴または特徴の組み合わせと組み合わされてもよい。すなわち、本開示に開示されている特徴のあらゆる可能な組み合わせおよび順列が想定されている。
【0091】
ホログラフィック再構成の品質は、画素化空間光変調器を使用することの回折的性質の結果である、いわゆるゼロ次問題の影響を受ける可能性がある。そのようなゼロ次光は「雑音」と見なすことができ、例えば鏡面反射光や、SLMからの他の不要な光を含む。
【0092】
フーリエホログラフィの例では、この「雑音」は、ホログラフィック再構成の中心に、「DCスポット」として知られる輝点をもたらすフーリエレンズの焦点に集束される。ゼロ次光は単純に遮られ得るが、これは輝点を暗点で置き換えることを意味することになる。実施形態は、ゼロ次のコリメート光線のみを除去するための角度選択フィルタを含む。実施形態はまた、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、欧州特許第2030072号に記載されているゼロ次を扱う方法も含む。
【0093】
本明細書に記載の実施形態は、空間光変調器上でフレームごとに1つのホログラムを表示することを含むが、本開示はこれに関して決して限定されず、複数のホログラムが一度にSLM上に表示されてもよい。例えば、実施形態は、SLMの表面積がいくつかの多数のタイルにさらに分割され、各タイルが元のタイルの位相分布と同様または同一の位相分布で設定される、「タイリング」の技法を実施する。したがって各タイルは、SLMの割り当て領域全体が1つの大きな位相パターンとして使用された場合よりも小さい表面積のものである。タイル内の周波数成分の数が少ないほど、またはタイルの数が多いほど、画像が生成されたときに再構成された画素がより離れて分離される。画像はゼロ回折次数内で生成され、1次以降の次数は、画像と重ならないように十分遠くに変位され、空間フィルタによってブロックされ得ることが好ましい。
【0094】
上述したように、この方法によって生成されたホログラフィック再構成(タイリングの有無にかかわらず)は、画像画素を形成するスポットを含む。使用するタイルの数が多いほど、これらのスポットは小さくなる。無限正弦波のフーリエ変換の例をとると、単一の周波数が生成される。これが最適な出力である。実際には、ただ1つのタイルが使用される場合、これは、ゼロ値が正弦波の端点から正と負の方向に無限に伸びる単一サイクルの正弦波の入力に対応する。そのフーリエ変換から単一の周波数が生成される代わりに、主周波数成分はその両側の一連の隣接する周波数成分と共に生成される。タイリングを使用すると、これらの隣接する周波数成分の大きさが減少し、この直接の結果として、隣接する画像画素間で発生する干渉(建設的にせよ破壊的にせよ)が少なくなり、それによって画質が向上する。好ましくは、各タイルはタイル全体であるが、実施形態はタイルの小部分を使用する。
【0095】
本明細書に開示される例では、合成色を提供するために3つの異なる色の光源および3つの対応するSLMが使用される。これらの例は、空間的に分離された色、「SSC」と呼ばれることもある。本開示に含まれる変形形態では、色ごとの異なるホログラムが同じSLMの異なる領域に表示され、次いで組み合わさって合成カラー画像を形成する。しかしながら、本開示の装置および方法の少なくともいくつかは、合成カラーホログラフィック画像を提供する他の方法にも等しく適用可能であることを当業者は理解するであろう。
【0096】
これらの方法の1つは、フレーム・シーケンシャル・カラー(FSC)として知られている。例示的なFSCシステムでは、3つのレーザ(赤、緑および青)が使用され、各レーザはビデオの各フレームを生成するために単一のSLMに向けて連続して発射される。各色は、見る人間に3つのレーザの組み合わせからの多色画像が見えるのに十分な速度で(赤、緑、青、赤、緑、青などと)循環される。したがって、各ホログラムは色別である。例えば、毎秒25フレームのビデオでは、最初のフレームは赤のレーザを1/75秒間発射することによって生成され、次いで緑のレーザが1/75秒間発射され、最後に青のレーザが1/75秒間発射される。次いで、次のフレームが赤のレーザから始めて生成され、以下同様である。
【0097】
FSC法の利点は、SLM全体が色ごとに使用されることである。これは、SLM上のすべての画素がカラー画像ごとに使用されるので、生成される3つのカラー画像の品質が損なわれないことを意味する。しかしながら、FSC法の不都合点は、各レーザが3分の1の時間しか使用されないため、生成される全体の画像がSSC法によって生成される対応する画像ほど明るくならず約3分の1になることである。この欠点は、レーザを過励振させることによって、またはより強力なレーザを使用することによって潜在的に対処され得るが、これにはより多くの使用電力が必要であり、より高いコストを伴い、システムを小型化しにくくなる。
【0098】
SSC法の利点は、3つのレーザすべてが同時に発射されるために画像が明るくなることである。しかしながら、スペースの限界により、ただ1つのSLMを使用する必要がある場合には、SLMの表面積を、実質的に3つの別々のSLMとして機能する3つの部分に分割することができる。これの欠点は、単色画像ごとに利用可能なSLM表面積が減少するために、各単色画像の品質が低下することである。したがって、多色画像の品質もそれに応じて低下する。利用可能なSLM表面積が減少することは、使用できるSLM上の画素がより少ないことを意味し、よって画像の品質が低下する。画像の品質が低下するのは、解像度が低下するからである。
【0099】
例は、可視光でSLMを照明することを記述しているが、例えば本明細書に開示されているように、光源およびSLMは赤外線や紫外線を向けるためにも等しく使用され得ることを当業者は理解するであろう。例えば、当業者は、ユーザに情報を提供するために赤外線および紫外線を可視光に変換する技術を知っているであろう。例えば、本開示は、蛍光体および/または量子ドット技術の使用にまで及ぶ。
【0100】
本明細書に記載の方法およびプロセスは、コンピュータ可読媒体上で具現化され得る。「コンピュータ可読媒体」という用語は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、バッファメモリ、フラッシュメモリ、およびキャッシュメモリなど、データを一時的または永続的に格納するように構成された媒体を含む。「コンピュータ可読媒体」という用語はまた、命令が、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、機械に、本明細書に記載される任意の1つまたは複数の方法の全部または一部を行わせるといった、機械が実行するための命令を格納することができる任意の媒体、または複数の媒体の組み合わせを含むと理解されるものである。
【0101】
「コンピュータ可読媒体」という用語は、クラウドベースのストレージシステムも包含する。「コンピュータ可読媒体」という用語は、ソリッドステート・メモリ・チップ、光ディスク、磁気ディスク、またはそれらの任意の適切な組み合わせなどの例示的な形態の1つまたは複数の有形かつ非一時的なデータリポジトリ(例えばデータボリューム)を含むが、これらに限定されない。いくつかの例示的実施形態では、実行のための命令は搬送媒体によって伝達され得る。そのような搬送媒体の例には、一時的媒体(例えば、命令を伝達する伝搬信号)が含まれる。
【0102】
本開示の態様を以下に示す。
【0103】
駆動回路を含む表示装置および対応する方法が提供される。駆動回路は複数の単一階調チャネルを含み、各単一階調チャネルは入力と、出力と、入力と出力との間に接続された信号プロセッサとを含む。各信号プロセッサは、入力で受け取られたデジタル信号を出力でアナログ電圧に変換するように構成され、デジタル・アナログ変換器(DAC)と、電圧オフセットを有する、演算増幅器(オペアンプ)とを含む。スイッチング回路が各単一階調チャネルの出力に接続され、スイッチング回路は、複数の単一階調チャネルの各単一階調チャネルのアナログ電圧を切り換え可能に受け取るように構成される。回路の較正サブシステムは、スイッチング回路から各アナログ電圧を受け取り、受け取った当該階調チャネルのアナログ電圧に基づいて各オペアンプの電圧オフセットを個別に較正する。較正サブシステムは、例えば、単一階調チャネルの各アナログ電圧を対応する基準電圧と比較することによって、アナログ電圧を分析するように構成され得る。較正は分析に基づいて行われ得る。
【0104】
実施態様では、較正サブシステムまたは回路は、オペアンプごとのフィードバックパラメータを個別に選択することによって各オペアンプの電圧オフセットを個別に較正するように構成され得る。スイッチング回路によって受け取られた対応するアナログ電圧に基づいてオペアンプごとのフィードバックパラメータを識別するルックアップテーブルが設けられ得る。フィードバックパラメータは、オペアンプの電気構成部品の値、または関連付けられたオペアンプ回路内の電気構成部品の値であり得る。
【0105】
各単一階調チャネルは単一の階調電圧を提供する。例では、128の階調電圧をそれぞれ提供する128の単一階調チャネルがある。
【0106】
表示装置は、空間光変調器、例えば、反射型液晶(LCOS)空間光変調器とすることができる。
【0107】
階調ごとに1つのDACを含むバックプレーンを有するLCOS装置を較正するための方法が提供され、各DACはオペアンプを含む。この方法は、スイッチング回路を使用して128の出力電圧の各々を出力ピンに経路指定するステップと、各出力電圧を測定するステップと、オペアンプ内の電圧誤差を最小にするためにこの測定値を目標階調電圧と併用するステップと、を含む。
【0108】
駆動回路を含む表示装置のための方法が提供される。駆動回路は複数の単一階調チャネルを含み、各単一階調チャネルは入力と、出力と、入力と出力との間に接続された信号プロセッサとを含む。各信号プロセッサは、デジタル・アナログ変換器(DAC)と、電圧オフセットを有する演算増幅器(オペアンプ)とを含む。それぞれの信号プロセッサを使用して入力で受け取られたデジタル信号が出力でアナログ電圧に変換される。複数の単一階調チャネルの各単一階調チャネルのアナログ電圧は、例えば、各単一階調チャネルの出力に接続されたスイッチング回路を使用して、切り換え可能に受け取られる。各アナログ電圧は、例えば、スイッチング回路から較正サブシステムによって受け取られる。この方法は、受け取った当該階調チャネルのアナログ電圧に基づいて各オペアンプの電圧オフセットを個別に補正する。例えば、受け取った階調チャネルのアナログ電圧が分析される。分析に基づいて、駆動回路は、受け取った当該階調チャネルのアナログ電圧に基づいて各オペアンプの電圧オフセットを個別に補正するように動作する。
【0109】
実施態様では、表示装置は、それぞれの複数のアナログ駆動電圧に従って複数の階調で動作する複数の画素を含む。各画素は、複数の単一階調チャネルの任意の1つの単一階調チャネルの出力に選択的に接続可能である。各画素は、その画素を通過する光のパラメータを変調するように構成でき、各階調が変調レベルである。例えば、パラメータは位相であり、各変調レベルは位相遅延レベルである。
【0110】
入力で受け取られたデジタル信号は、8ビットの2値信号であり得る。
【0111】
実施態様では、複数のデジタル入力への各単一階調チャネルの出力応答がさらに決定される。単一階調チャネルごとに、出力で各アナログ駆動電圧を達成するのに必要なデジタル入力が、単一階調チャネルの出力応答に基づいて決定される。
【0112】
各単一階調チャネルの出力応答を個別に決定することは、複数のデジタル入力への各単一階調チャネルの出力応答を測定することを含み得る。実施態様では、出力応答を決定するために当該単一階調チャネルの測定された出力応答間の補間が使用され得る。
【0113】
実施態様では、方法は、アナログ電圧への画素の階調応答に基づいて複数の階調を選択するステップと、画素の階調応答に基づいてそれぞれの複数の階調を達成するために画素が必要とする複数のアナログ駆動電圧を決定するステップと、を含む。
【0114】
複数の階調は、各画素の下側階調と上側階調との間に等間隔で配置され、任意選択で、各画素の最小階調と最大階調との間に等間隔で配置され得る。しかしながら、用途の要件に従って特定の表示装置の、画素の階調の任意の所望の分布(例えば間隔)が可能である。
【0115】
実施態様では、階調が各単一階調チャネルに割り当てられ、方法は、それぞれ割り当てられた階調に必要なアナログ電圧を出力するために各単一階調チャネルが必要とするデジタル入力を確立する。階調の割り当ては、表示中の単一階調チャネル間で、例えば、フレームやサブフレームなどの表示時間間隔間で変更され得る。
【0116】
実施態様では、アナログ電圧への画素の階調応答が変更され得る。この場合、方法は繰り返される。よって、各階調チャネルの出力応答は、新しい階調画素応答と相関される。各画素の階調応答を変更することは、画素の内部の変更または画素の外部の変更を行うことを含み得る。
【0117】
添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な改変および変形を行い得ることが当業者には明らかであろう。本開示は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内のすべての改変形態および変形形態を含む。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C