(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-29
(45)【発行日】2022-04-06
(54)【発明の名称】デバイス、特に車載用部品の操作ユニット
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20220330BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20220330BHJP
H03K 17/96 20060101ALI20220330BHJP
【FI】
G06F3/041 480
B60R16/02 630L
H03K17/96 H
(21)【出願番号】P 2019541321
(86)(22)【出願日】2018-01-30
(86)【国際出願番号】 EP2018052273
(87)【国際公開番号】W WO2018141745
(87)【国際公開日】2018-08-09
【審査請求日】2020-12-17
(31)【優先権主張番号】102017201624.8
(32)【優先日】2017-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102017208238.0
(32)【優先日】2017-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508066083
【氏名又は名称】ベーア-ヘラー サーモコントロール ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【氏名又は名称】天野 一規
(72)【発明者】
【氏名】キルシュ,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】パンクラッツ,ハリ
(72)【発明者】
【氏名】ナーゲル,ディルク
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0276878(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0127767(US,A1)
【文献】国際公開第2016/027708(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
B60R 16/02
H03K 17/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチスクリーン、タッチパッド、ディスプレイ又はタッチスクリーンやディスプレイのカバープレート等の操作領域(16)を有する操作素子(14)を有し、特に車両のダッシュボードや車両のセンターコンソールといったデバイス内及び/又はデバイスに締結されることを企図された筐体(12)と、
操作素子(14)の動作を認識するセンサ(20)と、
操作素子(14)の動作が認識された場合に操作素子(14)を機械的に励振させる駆動装置(24、24a、24b、24d)と、
筐体(12)内又はその上に移動可能に装着された平衡錘(30、30a)と
を備え、
操作素子(14)が筐体(12)に弾性的に装着されており、
平衡錘(30、30a)が、操作素子(14)の動作が認識された場合に駆動装置(24、24a、24b、24d)又は他の駆動装置により機械的に励振可能であり、
平衡錘(30、30a)が、駆動装置(24、24a、24b、24d)が作動した時に発生する操作素子(14)の移動の結果、筐体(12)に作用する力を実体的補償及び/又は抑止及び/又は減衰するように移動可能であり、
駆動装置(24、24a、24b、24d)が、
弾性体、特にバネ鋼を含み、第1外面(42)と第2外面(44)とを有する支持板(32、32a)と、
耐剪断性のある方法で支持板(32、32a)に接続され、支持板(32、32a)の長手方向の範囲で、電気的に作動していない時に想定される第1の長さと、電気的に作動した時に想定され、第1の長さとは異なる第2の長さを有し、電気的に制御可能な第1及び第2の圧電素子(34、36)と、
支持板(32、32a)のどちらか一方の側に第1の距離を持って配置された操作素子(14)及び平衡錘(30)を反対方向へ転置することで、支持板(32、32a)を非作動状態からたわませつつ作動状態へ移動させ、また支持板(32、32a)を作動状態から非作動状態に戻すために、圧電素子(34,36)を作動させることができる制御ユニット(74)と
を有し、
支持板(32、32a)が第1取付部(40)と、第2取付部(44)と、この2つの取付部(40、44)の間に配置される第1中間部(48)とで形成され、第1取付部(40)、第1中間部(48)及び第2取付部(44)が支持板(32,32a)の長手方向の範囲に連続して配置される少なくとも1つの分割された群(38)を有し、
その長手方向の範囲に隣接する複数の群(38)を有する場合については、支持板(32、32a)が1の群(38)の第2取付部(44)及びこれと隣接する群(38)の第1取付部(40)の間に第2中間部(50)を有し、
少なくとも1つの第1圧電素子(34)が支持板(32、32a)の第1外面(42)の第1取付部(40)に配置され、少なくとも1つの第2圧電素子(36)が支持板(32、32a)の第2外面(46)の第2取付部(44)に配置されており、
支持板(32、32a)の第1中間部(48)及び、存在するなら第2中間部(50)が支持板(32、32a)を固定するため機械的に筐体(12)に連結しており、
支持板(32、32a)が第1取付部(40)で操作素子(14)と機械的に連結し、第2取付部(44)で平行錘(30)と機械的に連結している、
例えば車載部品、特にヒューマンインターフェイス(MMI又はHMI)であるデバイスの操作ユニット。
【請求項2】
支持板(32、32a)が非作動状態で基準線に沿って延び、支持板(32、32a)の波状形態(56)が上記支持板の作動状態で基準線の片側にある第1半波(58)と、基準線の反対側にある第2半波(60)とを有し、支持板(32、32a)の各第1取付部(40)が、第1圧電素子(34)を基準線に面するように、又は代わりに面しないようにしつつ、かつ第2外面(46)を基準線に面しないように、又は代わりに面するようにしつつ、第1半波(58)を有し、支持板(32、32a)の各第2取付部(44)が、第2圧電素子(36)を基準線に面するように、又は代わりに面しないようにしつつ、かつ第2外面(46)を基準線に面しないように、又は代わりに面するようにしつつ、第2半波(60)を形成する請求項1に記載の操作ユニット。
【請求項3】
支持板(32、32a)が、第1又は第2中間部(48、50)により隣接する第2取付部(44)から順に離間している第1取付部(40)がその隣に配置されている第2中間部(50)を長手方向の範囲において両端部(70、72、72a)のそれぞれに有する請求項1又は請求項2に記載の操作ユニット。
【請求項4】
支持板(32、32a)が、その側縁のそれぞれに、筐体(12)に締結するための第1装着フランジ(62)を有し、装着フランジ(62)がブリッジ(70)によって第1の及び、存在するなら第2中間部(48、50)に接続され、ブリッジ(70)と隣接する支持板(32、32a)の側縁との間に配置さ
れ、支持板(32、32a)及び/又は装着フランジ(62)に
支持板(32、32a)が波状に変形することを可能にするための孔部(66,68)が形成されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の操作ユニット。
【請求項5】
第1装着フランジ(62)が、支持板(32、32a)に対してその側面と角度をつけられて、特に直角の角度をつけられて延びる請求項4に記載の操作ユニット。
【請求項6】
支持板(32、32a)が、長手方向の範囲における両端部(72)のそれぞれに、筐体(12)に固定するための第2装着フランジ(64、64a)を有する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の操作ユニット。
【請求項7】
第2装着フランジ(64、64a)が、支持板(32、32a)に対してその側面と角度をつけられて、特に直角の角度をつけられて延びる請求項6に記載の操作ユニット。
【請求項8】
筐体(12)内又は筐体(12)上に支持板(32、32a)を固定するための接続素子(
54a)が、第1の及び、存在するなら第2の中間部(48、50)に設けられ、支持板(32、32a)から突出している請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の操作ユニット。
【請求項9】
平衡錘(30a)
に、
接続素子(54a)が挿通するための貫通孔(80)
が形成されている請求項8に記載の操作ユニット。
【請求項10】
支持板(32、32a)の作動状態で、第1半波(58)の振幅(76)の第2半波(60)の振幅(78)に対する比が、操作素子(14)の重量の平衡錘(30、30a)の重量に対する比の逆数である請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の操作ユニット。
【請求項11】
平衡錘(30、30a)が材料板として形成されている請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の操作ユニット。
【請求項12】
駆動装置(24、24a、24b、24d)が操作素子14の第1縁部(26)に沿って配置されている請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の操作ユニット。
【請求項13】
タッチスクリーン、タッチパッド、ディスプレイ又はタッチスクリーンやディスプレイのカバープレート等の操作領域(16)を有する操作素子(14)を有し、特に車両のダッシュボードや車両のセンターコンソールといったデバイス内及び/又はデバイスに締結されることを企図された筐体(12)と、
操作素子(14)の動作を認識するセンサ(20)と、
操作素子(14)の動作が認識された場合に操作素子(14)を機械的に励振させる駆動装置(24c)と、
筐体(12)内又はその上に移動可能に装着された平衡錘(30)と、
2つの支持板(32c、32’c)及び接続素子(82)により形成された配列のどちらか一方の側に操作素子(14)及び平衡錘(30c)が互いに第1の距離を持って配置された非作動状態から、操作素子(14)及び平衡錘(30c)を反対方向へ転置することで、操作素子(14)及び平衡錘(30c)が互いに第1の距離とは異なる第2の距離を持って配置された波状の作動状態に移動させるため、また支持板(32c、32’c)をその作動状態から非作動状態に戻すために、圧電素子(34,36)を作動させることができる制御ユニット(74)と
を備え、
操作素子(14)が筐体(12)に弾性的に装着されており、
平衡錘(30)が、操作素子(14)の動作が認識された場合に駆動装置(24c)又は他の駆動装置により機械的に励振可能であり、
平衡錘(30)が、駆動装置(24c)が作動した時に発生する操作素子(14)の移動の結果、筐体(12)に作用する力を実体的補償及び/又は抑止及び/又は減衰するように移動可能であり、
駆動装置(24c)が、
弾性体、特にバネ鋼を含み、第1外面(42c)と第2外面(44c)とを有する第1支持板(32c)と、
弾性体、特にバネ鋼を含み、第1支持板(32c)と平行に延び、第1支持板(32c)の第1外面(42c)に面する第1外面(32c)と、第1支持板(32c)の第1外面(42c)に面しない第2外面(46c)とを有する第2支持板(32’c)と、
2つの支持板(32c、32’c)が互いに接続され、2つの支持板(32c、32’c)を固定するために筐体(12)に接続される接続素子(82)と、
耐剪断性のある方法で2つの支持板(32c、32’c)に接続され、支持板(32c、32’c)の長手方向の範囲で、電気的に作動していない時に想定される第1の長さと、電気的に作動した時に想定され、第1の長さとは異なる第2の長さを有し、電気的に作動可能な第1及び第2の圧電素子(34c、36c)と
を有し、
第1支持板(32c)が2つの第1取付部(40c)と、それらの間に配置される第2取付部(44c)とを有し、取付部(40c、44c)が第1支持板(32c)の長手方向の範囲に連続して配置される少なくとも1つの分割された群(38c)を有し、
第2支持板(32’c)が2つの第1取付部(40c)と、それらの間に配置される第2取付部(44c)とを有し、取付部(40c、44c)が第2支持板(32’c)の長手方向の範囲に連続して配置される少なくとも1つの分割された群(38c)を有し、
接続素子(82)が、第1外面(32c)で第1支持板(32c)の第1取付部(40c)を、第1外面(42c)で第2支持板(32’c)の第1取付部(40c)に接続し、
少なくとも1つの第1圧電素子(34c)が第2外面(46c)で第1支持板(32c)の各第1取付部(40c)に配置され、少なくとも1つの第2圧電素子(36c)が第1外面(42c)で第1支持板(32c)の各第2取付部(44c)に配置され、少なくとも1つの第1圧電素子(34c)が第2外面(46c)で第2支持板(32’c)の各第1取付部(40c)に配置され、少なくとも1つの第2圧電素子(36c)が第1外面(42c)で第2支持板(32’c)の第2取付部(44c)に配置されており、
第1支持板(32c)が操作素子(14)に各第2取付部(44c)で機械的に連結され、第2支持体(32’c)が平衡錘(30)に各第2取付部(44c)で機械的に連結されている、
例えば車載部品、特にヒューマンインターフェイス(MMI又はHMI)であるデバイスの操作ユニット。
【請求項14】
2つの支持板(32c、32’c)が非作動状態で基準線に沿って延び、2つの支持板(32c、32’c)の波状形態(56)がその作動状態で対応する基準線の片側にある第1半波(58)と、対応する基準線の反対側にある第2半波(60)とを有し、第1支持板(32c)の各第1取付部(40c)が、第1圧電素子(34c)を第1支持板(32c)の基準線に面するように、又は代わりに面しないようにしつつ、かつ第1外面(42c)を第1支持板(32c)の基準線に面しないように、又は代わりに面するようにしつつ、第1半波(58)を有し、第1支持板(32c)の各第2取付部(44c)が、第2圧電素子(36c)を第1支持板(32c)の基準線に面するように、又は代わりに面しないようにしつつ、かつ第1外面(42c)を第1支持板(32c)の基準線に面しないように、又は代わりに面するようにしつつ、第2半波(60)を有し、第2支持板(32’c)の各第1取付部(40c)が、第1圧電素子(34c)を第2支持板(32’c)の基準線に面するように、又は代わりに面しないようにしつつ、かつ第1外面(42c)を第2支持板(32’c)の基準線に面しないように、又は代わりに面するようにしつつ、第1半波(58)を有し、第2支持板(32’c)の各第2取付部(44c)が、第2圧電素子(36c)を第2支持板(32’c)の基準線に面するように、又は代わりに面しないようにしつつ、かつ第2外面(46c)を第2支持板(32’c)の基準線に面しないように、又は代わりに面するようにしつつ、第2半波(60)を形成する請求項13に記載の操作ユニット。
【請求項15】
接続素子(82)が2つの支持板(32c、32’c)の間の隙間に配置され、支持板(32c、32’c)によって占められる領域の外側で筐体(12)に接続されている請求項13又は請求項14に記載の操作ユニット。
【請求項16】
両方の支持板(32c、32’c)の作動状態で、第1支持板(32c)の第1及び第2半波(58、60)の振幅(76、78)の和の第2支持板(32’c)の第1及び第2半波(58、60)の振幅(76、78)の和に対する比が、操作素子(14)の重量の平衡錘(30、30a)の重量に対する比の逆数である請求項13から請求項15のいずれか1項に記載の操作ユニット。
【請求項17】
駆動装置(24c)が操作素子14の第1縁部(26)に沿って配置されている請求項13から請求項16のいずれか1項に記載の操作ユニット。
【請求項18】
各支持板(32c、32’c)が、第1取付部(40c)と隣接する群(38’c)の第1取付部(40c)の隣に配置される第2取付部(44c)とを含む少なくともさらに1つの分割された群(38c)を有し、
接続素子(82)が2つの支持板(32c、32’c)を、それぞれのさらなる群(38c)の第1取付部(40c)で接続し、
操作素子(14)がそれぞれのさらなる群(38’c)の第2取付部(44c)の第2外面(46c)で第1支持板(32c)と機械的に連結され、平衡錘(30c)がそれぞれのさらなる群(38’c)の第1取付部(40c)の第2外面(46c)で第2支持板(32’c)と機械的に連結され、
第1圧電素子(34c)が耐剪断性を有する方法で、それぞれのさらなる群(38’c)の第1取付部(40c)の各支持板(32c、32’c)の第2外面(46c)で対応する支持板(32c、32’c)と接続され、第2圧電素子(36c)が耐剪断性を有する方法で、それぞれのさらなる群(38’c)の第2取付部(44c)の各支持板(32c、32’c)の第1外面(42c)で対応する支持板(32c、32’c)と接続されている請求項13から請求項17のいずれか1項に記載の操作ユニット。
【請求項19】
駆動装置(24)が圧電素子付駆動装置として形成され、電気的に励振可能な圧電セラミック素子と、上記圧電セラミック素子の線形伸長(その後の長さの減少)を操作素子(14)の移動に変換する機械的ギア機構とを有し、上記機械的ギア機構が、平衡錘(30)及び/又は平衡錘(30)及び/又は操作素子(14)の弾性的な装着の一部を形成する少なくとも1つのギア機構素子と、操作素子(14)の弾性的な装着を形成する少なくとも1つのさらなるギア機構素子とを有する請求項1から請求項18のいずれか1項に記載の操作ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、2017年2月1日出願の10 2017 201 624.8及び2017年5月16日出願の10 2017 208 238.0の独特許出願に基づく優先権を主張し、その内容は、参照により本明細書の内容の一部を構成するものである。
【0002】
本発明は、デバイス、特に車載用部品の操作ユニットに関する。最も一般的な形態として、本発明は、能動的触覚フィードバックの結果として発生する操作ユニットの振動が(例えば音響学や力学の点で)有害な影響を操作ユニットの動作環境に与えないように、外へ向かって働きかける力を抑止しつつ、能動的触覚フィードバックを有するヒューマンインターフェイス(MMI又はHMI)に関する。
【背景技術】
【0003】
車両に搭載される表示モジュールには、しばしば能動的触覚フィードバックが搭載されている。少なからぬ大きさで操作領域に供給されるフィードバックをきっかけに、車両に対して許容できない力の伝達を発生させるべきではない。なぜならこれはその取り付けられた状態に依存して車両に寄生ノイズや振動を誘発し得るためである。
【0004】
さらに、この触覚フィードバックは、操作ユニットの周囲の環境(例えばダッシュボードやセンターコンソール)への接続部分の弾力から十分に独立していなければならない。
【0005】
能動的触覚フィードバックが搭載されたデバイスは、多くの場合、バネ構造によってデバイス筐体に弾力的に締結されたタッチパッドやタッチスクリーンといった操作領域を有する操作素子と、操作領域を偏らせるための駆動装置と、例えば車両に固定して取り付けられた筐体とから構成される。
図1にこの種のデバイス設計において働く力を示す。
【0006】
触覚フィードバックを生成するためには、ディスプレイは、その非作動位置からあるパスx1(t)に沿って動かされる。上記ディスプレイの加速度a1(t)は、30m/s2より大きいと想定され得る。動かされるディスプレイの0.5kgを超える質量m1と一般に小型の筐体の質量m2とにより、上記車両のデバイス締結具には、少なからぬ動的な力F2(t)が加わることとなる。
【0007】
デバイスが強固に装着されていたり、(強いバネ構造c2、d2により)締結されていたりする場合、この力は時間と共に素早く変化し、上記車両に許容できないノイズや振動を生じさせ得る。
【0008】
これに対し、(緩いバネ構造c2、d2により)緩やかに締結されている場合、上記車両に上記デバイスの取付交差を守ることが困難であることが証明されている。さらに、特に筐体の動きx2(t)の自由度の増加と、それに加えてシステムの固有周波数とによって、駆動装置に必要な連続した力FACT(t)を適切に設定することができないおそれがある。
【0009】
上記筐体に働く力は、上記操作素子が機械的に励振されたことにより上記筐体に働くが、上記操作素子と逆方向に励振可能な平衡錘で補償し得る。これに対応する機器(駆動装置、平衡錘やバネ構造)のため、上記筐体内に取付空間が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、能動的触覚フィードバックを有する操作ユニットの構想を造り出すことにあり、駆動装置、平衡錘やバネ構造に必要な空間を可能な限り低減しつつ、寄生ノイズや振動の発生を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的を達成するため、本発明では、デバイス、特に車載用部品の操作ユニット、いわゆるヒューマンインターフェイス(MMI又はHMI)が提案されている。つまり、本発明の操作ユニットは、タッチスクリーン、タッチパッド、ディスプレイ又はタッチスクリーンやディスプレイのカバープレート等の操作領域を有する操作素子を有し、特に車両のダッシュボードや車両のセンターコンソールといったデバイス内及び/又はデバイスに締結されることを企図された筐体と、上記操作素子の動作を認識するセンサと、上記操作素子の動作が認識された場合に上記操作素子を機械的に励振させる駆動装置と、上記筐体内又はその上に移動可能に装着された平衡錘とを備え、上記操作素子が上記筐体に弾性的に装着されており、上記平衡錘が、上記操作素子の動作が認識された場合に上記駆動装置又は他の駆動装置により機械的に励振可能であり、上記平衡錘が、上記駆動装置が作動した時に発生する上記操作素子の移動の結果、上記筐体に作用する力を実体的補償及び/又は抑止及び/又は減衰するように移動可能であり、上記駆動装置が、弾性体、特にバネ鋼を含み、第1外面と第2外面とを有する支持板と、耐剪断性のある方法で上記支持板に接続され、上記支持板の長手方向の範囲で、電気的に作動していない時に想定される第1の長さと、電気的に作動した時に想定され、第1の長さとは異なる第2の長さを有し、電気的に制御可能な第1及び第2の圧電素子と、上記支持板のどちらか一方の側に第1の距離を持って配置された上記操作素子及び上記平衡錘を反対方向へ転置することで、上記支持板を非作動状態からたわませつつ作動状態へ移動させ、また上記支持板を作動状態から非作動状態に戻すために、上記圧電素子を作動させることができる制御ユニットとを有し、上記支持板が第1取付部と、第2取付部と、この2つの取付部の間に配置される第1中間部とで形成され、上記第1取付部、第1中間部及び第2取付部が上記支持板の長手方向の範囲に連続して配置される少なくとも1つの分割された群を有し、その長手方向の範囲に隣接する複数の群を有する場合については、上記支持板が1の群の上記第2取付部及びこれと隣接する群の上記第1取付部の間に第2中間部を有し、少なくとも1つの第1圧電素子が上記支持板の上記第1外面の第1取付部に配置され、少なくとも1つの第2圧電素子が上記支持板の上記第2外面の第2取付部に配置されており、上記支持板の上記第1中間部及び、存在するなら上記第2中間部が上記支持板を固定するため機械的に上記筐体に連結しており、上記支持板が(例えばその第2外面の)第1取付部で上記操作素子と機械的に連結し、(例えばその第1外面の)第2取付部で上記平行錘と機械的に連結している。
【0012】
本発明の操作ユニットは、操作領域を有する操作素子を有する筐体を有している。上記操作素子は例えばタッチスクリーン、タッチパッド、ディスプレイ又はタッチスクリーンやディスプレイのカバープレートである(これらの操作素子の上面に操作領域が形成されている)。上記筐体は、上記デバイスに、又は上記デバイス内に締結され得る。例えば上記制御ユニットの筐体は車両のダッシュボードやセンターコンソールに組み込まれる。上記操作素子は、上記筐体に弾性的に装着されている。上記操作素子の手動操作、つまり上記操作素子の操作領域上での手による操作は、作動センサ(例えばタッチパネル)によって識別される。ここで、上記操作素子はほとんど目立たない程度に移動することが好ましく、上記操作素子上のカバーされた経路や作用する力はセンサ(いわゆる力覚)によって識別される。
【0013】
能動的触覚フィードバック(力のフィードバック)による機械的励振は、駆動装置によって達成される。平行錘は、上記筐体内又は筐体上に同様に取り付けられている平衡錘が機械的に励振する際に、上記操作素子の移動に対して反対方向に(180度位相をずらして)動くことが好ましい。上記平衡錘も同様に上記筐体に弾性的に装着されている。
【0014】
本発明によれば、上述のような圧電素子を備える駆動装置(以下、簡単化のため「圧電素子付駆動装置」ともいう)は上記操作素子を機械的に励振させるための駆動装置として用いられる。本発明による圧電素子付駆動装置は互いに反対方向を向いた2つの外面(第1外面及び第2外面)を有する弾性体から形成された支持板を備える。電気的に作動可能な圧電セラミック素子(以下、簡単化のため「圧電素子」ともいう)は、例えば1つ以上の層に形成され、両方の外面に配置される。つまり、上記圧電素子は圧電セラミックから形成された1以上の層を備えてもよい。上記圧電素子は剪断耐力を有する、つまり耐剪断性のある方法で上記支持板に接続され、長さ方向で、すなわち電気的励振が発生した場合に上記支持板の長手方向軸に相当する範囲で変化を生じさせる。上記圧電素子の交互配置によって、好ましくはバネ鋼を含む上記支持板は、非作動状態から脱する際、波状の形態が想定される。上記非作動状態は、波状の推移ではない例えば直線的な推移又は曲線的な推移により特徴付けることも可能である。上記圧電素子により占められていない2つの外面の自由領域で、上記支持板は上記操作素子に一方側が機械的に接続され、上記平衡錘に他方側が機械的に接続されている。上記支持板自体は上記筐体に機械的に固定されており、上記筐体に固定されているにも関わらず、圧電素子が設けられた領域内で、半波形状で可逆的に変形し得る。上記支持板は、第1取付部、第2取付部、及び上記2つの取付部間に配置された第1中間部を含む少なくとも1つの分割された群を有する。この種の複数の群が備えられてもよい。各群で(上記支持板の長手方向の範囲に相当する方向で)第1取付部は第1中間部に隣接し、第1中間部は第2取付部に隣接する。この種の複数の群を備える場合、第2中間部が隣接する群間に配置される。上記支持板は例えば上記筐体内の第1中間部及び、存在するなら第2中間部の領域に固定することができる。
【0015】
上記圧電素子は、上記支持板の2つの外面に交互に配置される。つまり、第1圧電素子は上記支持板の第1取付部の第1外面に配置され、第2圧電素子は上記支持板の第2取付部の第2外面に配置される。上記支持板の各取付部の任意の外面で、上記支持板は上記操作素子及び上記平衡錘に両面で機械的に連結されている。つまり、例えば上記支持板の上記第1取付部は、上記操作素子に第2外面で機械的に連結され、上記第2取付部は上記平衡錘に第1外面で機械的に連結される。
【0016】
他の方法として、上記支持板は、上記取付部内で上記圧電素子が配置されている外面上でも上記操作素子又は上記平衡錘に接続することができる。この場合、上記支持板と上記操作素子又は上記平衡錘との間の上記支持板側の接続点は露出し、取付部ごとに例えば2つの離間した圧電素子を上記支持板に耐剪断性のある方法で接続することで実現でき、操作素子又は平衡錘への上記支持板の機械的連結が上記圧電素子間に提供される。
【0017】
上記圧電素子の励振と上記支持板に対する耐剪断性のある上記連結とにより、上記支持板は波状の形態を有する。上記支持板が波状の形態を有しているとき、この形状によって上記支持板が非作動状態での上記操作素子と平衡錘との間の距離を変化させ得る。上記支持板がその非作動状態から波状の作動状態に移行するとき、上記操作素子と支持板とは互いに反対方向に相対移動、より具体的には互いに近づいたり離れたりする。正確には、本発明では当該操作ユニットの外向きに作用するモーメントを回避(パルス回避)するため、この操作素子及び平衡錘の反対方向への移動が用いられる。ここでは、上記操作素子のストローク運動の上記平衡錘のストローク運動に対する比は、上記操作素子の重量の上記平衡錘の重量に対する比の逆数とされる。別のストローク運動、例えば上記支持板の(典型的にはそれぞれで長さの等しい)上記第1取付部の長さを(同様に典型的には長さの等しい)上記第2取付部の長さと異なるものとすることで実現してもよい。いずれのやり方でも、代替又は追加として、様々な範囲で拡張及び収縮する圧電素子も上記第1及び第2取付部に配置し得る。
【0018】
本発明による駆動装置は、比較的小型のフラットデザインに好適である。上記平衡錘に機械的に連結される上記取付部に相当する上記支持部の質量の一部が上記平衡錘に寄与し、これにより上記駆動装置に内在する平衡錘が形成される。上記支持板は弾性体で構成されているので、操作素子及び平衡錘は、上記駆動装置の不可欠部分にすでに弾性的に取付けられている。上記圧電素子は、上記支持板の回復機能も補助する。本発明の駆動装置は、好適なことに、操作素子と例えば操作素子の筐体のフレームとの間の狭い隙間に収容することができる。この取付空間は一般に寸法が小さく、本発明の“支持板駆動装置”の形態にも助けられ、最適に利用することができる。
【0019】
本発明によれば、1つの駆動装置を互いに並列する上記操作素子の2つの端部のそれぞれに用いることもできる。しかし、この場合、第2駆動装置は平衡錘を有さず、触覚フィードバックを生じる駆動装置の一方が上記操作素子に反発する方法で第1駆動装置と同期して配置され、同時に他方の駆動装置が上記操作素子を引き付ける。2つの駆動装置のうちの一方はなお上記平衡錘に作用し、上記平衡錘は上記駆動装置上で上記操作領域に反発し、同様に反発されるように配置されるか、上記駆動装置上で上記操作素子を引き付け、同様に上記駆動装置に引き付けられるように配置されるか、いずれかとされている。いずれの場合も、上記平衡錘は上記2つの駆動装置により開始される上記操作素子の移動とは反対の方向に動く。
【0020】
適切な設計措置(例えば、直接的又は間接的に、任意にギア機構を介した機械接続)により、一方では上記操作素子に向かって、他方では上記平衡錘に向かって上記支持板のたわみが伝わることがあるが、全体としてパルス回避に用いられる。ここで上記平衡錘に連結されたたわみ部分では、上記支持板の質量は、それ自体すでにパルス回避に要求される平衡錘(の一部)と解釈できる。上記構成により、回復可能な上記支持板は、戻りバネとして機能し、付加的なバネが省略できるか、少なくとも弱くなるように設定できる。いったん駆動装置の作動が完了すると、自動的に非作動状態に戻るように変形するので、上記圧電素子自体もバネとして機能する。上記圧電素子が厚いほど、上記回復効果は強くなる。
【0021】
個々の、特に多層の圧電セラミックが上記支持板上に圧電素子として配置されている個数に応じて、上記支持板の力-経路比率が異なる。一般に次の関係が成立する。(より短く)個々の圧電素子を多く使用するほど、たわみストロークが減少する分、力が大きくなる。より長い(かつ、少数の)圧電素子は、より大きなたわみストロークを生むが、力は小さくなる。
【0022】
本発明によれば、上記筐体内又は筐体上への上記駆動装置の上記支持板の機械的固定は、上記支持板の両側縁から突出し、上記支持板に対して斜め方向、特に直角に延びる第1装着フランジによって好適に達成できる。この種の駆動装置の実施形態では、上記支持板の側縁及び装着フランジ上の一方又は両方に凹部が設けられ、第1及び第2装着部に沿って延びている。上記支持板は上記装着フランジに第1中間部の領域で、もし存在するなら第2中間部の領域でも、ブリッジによって接続されている。斜めに取り付けられた上記装着フランジにより、上記支持板は、その中間部の領域で安定性を有しており、上記圧電素子が作動すると、上記装着フランジ間の凹部によって曲がり得る。波状の作動状態となるため上記支持板は上記中間部でねじれている。これについて、非作動状態での上記支持板の波状の形態は上記支持板が弾性的につまり可逆的に変化するようなものであることに留意されたい。
【0023】
本発明の上記駆動装置の上記支持板を上記筐体でさらに安定させ固定するために、上記支持板の(長手方向の範囲に相当する方向の)両端に配置され、上記支持板の側面に対して斜め方向、特に直角に延びるように配置される第2装着フランジを設けることができる。両端の第2装着フランジは、上記支持板の共通する側面に対して、又は上記支持板の対向する側面に対して角度をつけることができる。
【0024】
本発明のさらに好ましい実施形態では、接続素子が、上記支持板の片側、好ましくは上記平衡錘とは反対側から突出し、上記支持板を上記筐体内又は筐体上に固定するために用いられることである。これらの接続素子は例えば補強板、すなわち平面状に形成され、好ましくは上記支持板の幅全体に渡って延びている。例えば材料板本体として形成され、釣り合いを取る錘は、この場合好適には凹部を有し、この凹部を通って上記接続素子が遊びを有して延びる。ただし、上記平衡錘は、隣接する接続素子間の個々の(特に固体の)物体として配置される部分質量で構成することもできる。このように上記支持板は例えば上記筐体が上記操作素子の縁部に平行に延びる上記筐体の領域で上記接続素子により固定され、上記平衡錘が支持板と筐体との間に配置されている。そして、上記操作素子は、上記平衡錘と反対側の面で上記支持板の側面に配置されている。
【0025】
本発明のさらに好適な実施形態が、従属請求項に記載されている。
【0026】
本発明の一変形例は、上述の説明によるデバイス用の操作ユニットに取り付けられ得る駆動装置であって、弾性体、特にバネ鋼を含み、第1外面と第2外面とを有する第1支持板と、弾性体、特にバネ鋼を含み、上記第1支持板と平行に延び、上記第1支持板の第1外面に面する第1外面と、上記第1支持板の第1外面に面しない第2外面とを有する第2支持板と、この2つの支持板が互いに接続され、上記2つの支持板を固定するために上記筐体に接続される接続素子と、耐剪断性のある方法で上記2つの支持板に接続され、上記2つの支持板の長手方向の範囲で、電気的に作動していない時に想定される第1の長さと、電気的に作動した時に想定され、第1の長さとは異なる第2の長さを有し、電気的に作動可能な第1及び第2の圧電素子とを備え、上記第1支持板が、2つの第1取付部と、それらの間に配置される1つの第2取付部とを有し、これらの取付部が上記第1支持板の長手方向の範囲に連続して配置される少なくとも1つの分割された群を有し、上記第2支持板が2つの第1取付部とそれらの間に配置される1つの第2取付部とを有し、これらの取付部が上記第2支持板の長手方向の範囲に連続して配置される少なくとも1つの分割された群を有し、上記接続素子が、上記第1支持板の第1外面で上記第1支持板の第1取付部を、上記第2支持板の第2外面で上記第2支持板の第1取付部に接続するものであり、少なくとも1つの第1圧電素子が上記第1支持板の第2外面で上記第1支持板の各第1取付部に配置され、少なくとも1つの第2圧電素子が上記第1支持板の第2外面で上記第1支持板の各第2取付部に配置され、少なくとも1つの第1圧電素子が上記第2支持板の第2外面で上記第2支持板の各第1取付部に配置され、少なくとも1つの第2圧電素子が上記第2支持板の第1外面で記第2支持板の各第2取付部に配置されており、上記第1支持板が(例えばその第2外面の)各第2取付部で上記操作素子と機械的に連結され、上記第2支持板が(例えばその第1外面の)各第2取付部で上記平行錘と機械的に連結されており、また、制御ユニットが提供され、この制御ユニットが、2つの支持板及び接続素子により形成された配列のどちらか一方の側に互いに第1の距離を持って配置された上記操作素子及び上記平衡錘を反対方向へ転置することで、上記両方の支持板を非作動状態から波状の作動状態へ移動させ、また上記支持板を作動状態から非作動状態に戻すために、上記圧電素子を作動させることができる。
【0027】
上述した最初の変形例における駆動装置が1つの支持板を有するのに対し、上述の第2の変形例における駆動装置は、2つの支持板を有し、接続素子によって互いに接続されている。個々の支持板駆動装置に関連して上述のようにそれぞれの支持板は両側に交互に第1及び第2圧電素子を備える。上記2つの支持板は互いに平行に配置され、例えば両方の支持板の間を通る接続素子の長手方向の軸に対して対称に配置し得る。両方の支持板は上記圧電素子の作動により非作動状態から波状の作動状態に移行し得る。2つの支持板及び接続素子で形成される構成は、操作素子と平衡錘との間に位置し、上記圧電素子が作動した際、操作素子と平衡錘との距離が変化する(さらに詳細には、大きくなったり小さくなったりする)。その結果、操作素子と平衡錘との反対方向への変位運動が生じる。この種の2つの支持板の圧電素子付駆動装置は、二重に設置し得る。ここで、2つの駆動装置のうちの1つは平衡錘を有さない点も事実である。この点、平行で対向する縁にある単一支持板の圧電素子付駆動装置の重複配置についての上述の説明と同様である。
【0028】
好適には、各支持板が、第1取付部と、隣接する群の第1取付部の隣に配置される第2取付部とを含む少なくともさらに1つの分割された群を有し、上記接続素子が、それぞれのさらなる群の上記2つの支持板の各第1取付部の第1外面で上記2つの支持板を接続し、上記操作素子が、それぞれのさらなる群の上記第2取付部の第2外面で上記第1支持板と機械的に連結され、上記平衡錘が、それぞれのさらなる群の上記第1取付部の第2外面で上記第2支持板と機械的に連結され、第1圧電素子が、それぞれのさらなる群の上記第1取付部の各支持板の上記第2外面で対応する上記支持板と耐剪断性を有する方法で接続され、第2圧電素子が、それぞれのさらなる群の上記第2取付部の各支持板の上記第1外面で対応する上記支持板と耐剪断性を有する方法で接続される。
【0029】
本発明の駆動装置の第2変形例では、上記操作素子への一方の支持板の機械的接続及び上記平衡錘への他方の支持板の機械的接続、また、上記接続素子への両方の支持板の機械的接続は、上記2つの支持板の外面にあり、圧電素子を有さない又は圧電素子で占められているいずれかの個々の取付部により実現され得るのも事実である。上記駆動装置の機械的連結の別の可能な実施形態について、単一支持板の圧電素子付駆動装置についての詳細と同様である。
【0030】
本発明によれば、上記支持板の波状の形態は、交互に連続して上記支持板の両外面に耐剪断性を有する方法、例えば接着により配置された上記圧電素子により実現される。上記支持板には、作動時に上記圧電素子の線形伸長によって波状の形態が与えられる。そうすることで、上記圧電素子及び上記支持板の両方が弾性変形し、従って波状の形態がわずかな伸びのみで提供されるが、上記操作素子は、触覚フィードバックについて1/10mmの領域でしか励振しないので、これで十分である。
【0031】
上記圧電素子は、上記支持板の2つの外面のうちの1つに全て配置することもできる。このときは、上記支持板に作動時の波状の形態を与えるため、各第2圧電素子はその長さが増加しなければならず、他の圧電素子はその長さを減少させなければならない。
【0032】
本発明のさらなる変形例としては、上記駆動機構が圧電素子付駆動装置として設計されており、上記駆動装置が電気的に励振可能な圧電セラミック素子と、上記圧電セラミック素子の線形伸長(その後の長さの減少)を上記操作領域の移動に変換する機械的ギア機構とを有し、上記機械的ギア機構が、釣り合いを取る錘、及び/又は釣り合いを取る錘及び/又は上記操作領域の弾性的な装着の一部を形成する少なくとも1つのギア機構素子と、上記操作領域の弾性的な装着を形成する少なくとも1つのさらなるギア機構素子とを有する。
【0033】
本発明は、様々な例示的な実施形態に基づき、図面を参照して以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1は、能動的触覚フィードバックを有する操作ユニットに発生する力の概略図である。
【
図2】
図2は、釣り合いを取る錘として平衡錘を本発明で使用する際に発生する力の概略図である。
【
図3】
図3は、モーメントの釣り合いを説明するため、操作ユニットにおける反力補償された触覚フィードバックの構成の概略図であるが、駆動装置はその構造についてより詳細には特定されていない。
【
図4】
図4は、本発明を説明するためのさらなる概略図である。
【
図5】
図5は、本発明を説明するためのさらなる概略図である。
【
図6】
図6は、筐体及び筐体フレームを有する操作ユニットを示す平面図であり、本発明の駆動装置が上記フレームと操作素子との間の筐体フレームの縁部に沿って配置されている。
【
図8】
図8は、駆動装置の構造及び操作素子と筐体フレームとの間のその配置を示す分解斜視図である。
【
図9】
図9は、
図7のIX-IX線に沿った断面図であり、
図8と同様に、駆動装置は非作動状態で示されている。
【
図10】
図10は、
図9示す断面図に類似しているが、駆動装置が作動状態で示されている断面図である。
【
図11】
図11は、
図8に示す分解斜視図と同様の分解斜視図であり、第2の例示的な実施形態である駆動装置が示されている。
【
図12】
図12は、
図9に示す断面図と同様の断面図であり、
図11と同様に、駆動装置は非作動状態で示されている。
【
図14】
図14は、
図8及び
図11に示す分解斜視図と同様の分解斜視図であり、本発明のさらなる例示的な実施形態である駆動装置を示す。
【
図17】
図17は、本発明のさらなる例示的な実施形態である駆動装置を示す断面図であり、より具体的には非作動状態における駆動装置を示す。
【
図18】
図18は、本発明のさらなる例示的な実施形態である駆動装置を示す断面図であり、より具体的には作動状態における駆動装置を示す。
【
図19】
図19は、本発明のさらなる例示的な実施形態である駆動装置を使用した操作ユニットの縁部領域を示す断面図であり、より具体的には非作動状態における駆動装置を示す。
【
図20】
図20は、本発明のさらなる例示的な実施形態である駆動装置を使用した操作ユニットの縁部領域を示す断面図であり、より具体的には作動状態における駆動装置を示す。
【0035】
作動状態にある駆動装置及び駆動装置の支持板の図でのイラストに関し、波状の形態の図は、本発明をさらに鮮明としその原理を強調するため、非常に誇張して示されている。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明によれば、筐体10’に作用する力の均衡をとるため、駆動装置16’と筐体10’との間に弾性的に装着された(バネ質量減衰システム22’参照)可動式の平衡錘20’の使用が提案されている(
図2)。操作素子12’の作動は作動センサ19’によって認識される。そして、その信号は作動センサ19’によって受け取られ、評価及び制御ユニット21’を経由して、制御信号が駆動装置16’に送られ、駆動装置16’が作動する。
【0037】
付加的なバネ質量減衰システム22’の適切な設計、つまりc3、d3、m3により、車両に作用する合力F2(t)は除去することができる(重力により生成される静的な力はノイズや振動又はその両方の生成には何ら役割を果たさない)。
【0038】
予め任意に定義されたディスプレイのたわみx
1(t)に対して、デバイス筐体のたわみx
2(t)/移動量と、デバイス締結具の力F
2(t)とは、以下の条件のもとで除去することができる。
【0039】
これにより、平衡錘20’に以下のたわみが与えられる。
【0040】
これらの条件下では、デバイス締結具18’の弾性も触覚フィードバックに影響を与えない。平衡錘20’つまりm3は通常設置スペースの仕様によって制限され、ディスプレイ質量m1よりも小さい。理想的にはそれは駆動装置16‘の一部として実現できる。
【0041】
本発明は以下を可能とする。
-周囲の環境に対する動的なパルス効果を用いることなく重量のある表面での触覚フィードバックを生成すること。
-デバイス締結具の弾性とは独立した操作デバイスで触覚フィードバックを生成すること。
【0042】
能動的触覚フィードバックを有する当該操作ユニットでパルス回避するために取られた対策を説明するため、
図3に反力補償された触覚フィードバックを有するデバイスを示す。
【0043】
示されている例では駆動装置16’は、電機子を有する電磁石として形成され、駆動コイルを有する筐体10’に弾性的に装着した固定子積層コア、すなわち固定子26’と、操作素子12’に固定して接続された電機子積層コア、すなわち電機子28’とを有する。固定子26’は可動式の平衡錘20’を形成するか、又はそれを含む。電機子を有する電磁石で30’で示される空気の隙間を調整する際、操作素子12’と平衡錘20’との相対的な最大たわみが考慮されなければならない。固定子26’は筐体10’で弾性的に(バネ質量減衰システム22’に)装着されているが、代わりに操作素子12’に弾性的に接続することもできる。操作素子ガイドは32’で示されている。筐体10’は車両24’(例えばそのダッシュボード)に締結されている。
【0044】
上述から明らかなように、実際に動かされるディスプレイユニットに加え、すなわち実際に動かされる操作領域に加え、当該操作ユニットの堅くて曲がらない筐体に対して移動可能に(バネによる方法で)装着されている平衡錘も、触覚フィードバックのパルス回避のために動かされる。この平衡錘の経路、質量、減衰及びバネ定数の適切な選択によって、システム全体のパルスが車体本体に伝達されることを防げる。
【0045】
能動的触覚フィードバックを有する操作素子の重量が小さいほど、上記操作素子と比較して上記平衡錘がパルス回避のために反対方向に動かねばならない範囲は少なくなる。例えばタッチスクリーンのタッチパネルやそのカバープレート(カバーガラス)は、ディスプレイに対して移動可能に配置されなければならないという目的のため、潜在的に軽い重量の操作素子である。
【0046】
たわみの原因となる駆動装置が、圧電素子付駆動装置(具体的には機械式伝動装置)として実現される場合、平衡錘、バネ及びダンパーで構成される追加で必要となる部品を上記駆動装置や予備の付加部品に組み入れることが可能となる。
【0047】
本発明の利点は、特に外向きのパルスのない触覚フィードバックに関する圧電セラミック材料の機械的特性の巧妙な利用にある。その結果、コストと取付空間とが節約できる。
【0048】
触覚フィードバック用の圧電素子付駆動装置の場合に、顕著なたわみと力とを得るため、これらの駆動装置は、電極で互いに分離された多数のセラミック層で構成される。しかし、上記たわみは一般に小さすぎるため、触覚フィードバックに容易には利用することができない。
【0049】
伝達比によって特徴付けられる機械的なレバーを用いることができる。これにより駆動装置の力の影響は、小さなたわみの負担でも増加するであろうし、また逆も成立する。これらのレバーは、多くの場合、柔軟性のある材料(例えば金属)で作られ、実際の圧電セラミックに装着される。
【0050】
圧電セラミックは、通常たわみが大きくなると戻る力も大きくなるように設計される。従って、伝動装置としての機能は別として、機械的な見地から、それらもまたバネで構成され、そのバネ剛性cはその構造の影響を受ける可能性がある。それらの質量mも、例えば体積の増加や適切な材料の選択によって変化させることができる。減衰dは使用された材料と選択された形状から決まる。
【0051】
図2と比較して、構成要素c
3、d
3及びm
3は上記駆動装置の一部と解釈できる。パルスを避けるためのパラメータは、なお以下の式を満たす必要がある。
【0052】
ここで、上記式を満たす場合、経路x_3及びx_1には以下の関係があることに注意すべきである。
また、力F
actは圧電素子の力-経路グラフから直接決定することはできなくなる。代わりに、圧電素子での変数(Pで示される)から、機械的な伝達比nを考慮して直接決定する必要がある(
図5参照)。
【0053】
【0054】
図2から始めて、
図4のレバーによって、
図5の機械的構成要素m
3、c
3及びd
3と、nとが実現される。
【0055】
機械式伝動装置は、付加的に力の向きを変えることに用いることができる。設置空間に起因して(積み重ねた)圧電セラミックを、そのたわみの主方向が触覚フィードバックの所望する方向と一致しないような配置をする必要がある場合もある。かなり一般的と考えられているが、この欠点は、レバーの概念を適切に選択することで対処できる。
【0056】
本発明の圧電素子付駆動装置の第1の例示的な実施形態を有する操作ユニットが、
図6~
図10を参照して以下に説明される。
【0057】
図6は筐体12と、操作素子14とを有する操作ユニット10の平面図であり、
図7は部分断面図である。操作素子14は、操作面16を有し、その周囲に筐体のフレーム18が通っている。この例示的実施形態における操作ユニット10は、例えば作動センサ20(例えば
図7及び
図8参照)として静電タッチパネルを有するタッチスクリーンであり、また作動センサシステムは、変位センサ若しくは力学センサによって又は上記タッチパネルに加えて備えることができるこの種の変位センサ又は力センサによって実現できることに留意する必要がある。従って、操作素子14の有効な作動は、操作素子14のわずかな押下げ運動を前提とすることができる。これは、本発明、特に能動的触覚フィードバック用の駆動装置の設計に対して付随して重要な点である。
【0058】
図6に示すように、駆動装置24は、フレーム部分22内に位置し、フレーム18と、このフレームに平行に延びる操作素子14の縁部26との間に配置されている。駆動装置24の詳細は、
図7から
図10に示す。
【0059】
図8によれば、駆動装置24は上記筐体に固定された支持体28と、この例示的実施形態では板材本体として形成されている平衡錘30とを有する。駆動装置の一部としての支持体28は、柔軟性のある材料、例えばバネ鋼で作られた支持板32を有し、その両側面で支持板32の長手方向の範囲に沿う方向に、第1及び第2圧電素子34、36が交互に配置されている。概念的には、この例示的実施形態では、支持板32は3つの連続する群38に分けられ、それぞれの群は、第1取付部40と第2取付部44とを含み、第1取付部40では、支持板32の第1外面42側に第1圧電素子34が配置され、第2取付部44では、支持板32の第2外面44側に第2圧電素子36が配置される。第1中間部48は、2つの接続部40、44の間に配置されている。支持板32の第2中間部50は隣接する分割された群38の間に位置する。第1取付部40の領域で支持板32の第2外面46が機械的に操作素子14に連結されており(
図9の操作素子接続素子42参照、これは
図8にも示されている)、支持板32の第1外面42が第2取付部44の領域で平衡錘30に平衡錘接続素子54を介して機械的に連結されている。
【0060】
既に上述したように、支持板32は弾性体であり、すなわち曲げることができる。この支持板32の曲がりは、圧電素子34、36の作動によってもたらされる。これらの圧電素子36、36は、作動時に、それらの長さ、つまり支持板32の長手方向の延びが変わり得る。これによって支持板32は、
図8及び
図9に示す非作動状態から作動状態に移行する際、
図10に示すように、波状形態56をとる。波状形態56は第1半波58と、反対側を向いた第2半波60とから作られる。
【0061】
支持体28は、第1フランジ62及び第2フランジ64により固定されている。第1フランジ62は支持板32の側縁に沿って配置され、第1外面42から角度、特に直角の角度がつけられている。凹部66、68は、第1装着フランジ62の側縁に沿って、又は(場合によって追加的に)支持板32の側縁に沿って、より具体的には第1取付部40及び第2取付部45の領域内で延びている。また、ブリッジ70が、隣接する凹部66、68の間の第1及び第2中間部48、50に形成され、このブリッジを介して第1装着フランジ62が支持板32に接続されている。第2装着フランジ64は、長手方向の範囲に対向して配置される支持板32の端部72に配置され、第1装着フランジと同様に、より具体的にはこの例示的実施例では第2外面46に対して、直角の角度を付けられていることが好ましい。支持体28は、装着フランジ62、64によってフレーム18の内側に固定されている。凹部66、68は、支持板32の波状の変形を可能とし、中間部48、50のブリッジ70によって装着フランジ62に可動式に接続されている。
【0062】
図8は、さらに、圧電素子34、36を作動させるように作動センサシステム20からの信号を受信する制御ユニット74も示している。操作素子14と平衡錘30とは、支持板32が非作動位置(
図9参照)から作動位置(
図10参照)へ移動した際、反対方向に同期して動く。
【0063】
図10は、作動状態で、支持板32の波状形態56の第1半波58の振幅76が、第2半波60の振幅78より小さいことを示している。このため、操作素子14が受けるストローク運動は平衡錘30のストローク運動より小さい。パルス回避のためには、操作素子14で費やされる運動エネルギーは、平衡錘30に加えられる運動エネルギーと等しくなければならないことは事実である。両者は反対方向に移動するが、これは平衡錘のストローク運動78が大きいほど、平衡錘30は操作素子14より小さい重量となることを意味する。
【0064】
図9及び
図10から、操作素子14及び平衡錘30の運動概念が「反発の原理」に基づくものであることが分かる。支持板32がその作動状態に移行するとき及び支持板32がその作動状態から非作動状態に戻るとき、操作素子14及び平衡錘30はパルス補償のため、互いに離れる。いずれの場合でも操作素子14の移動のために外向きに作用する力は補償される(パルス回避)。
【0065】
図17及び
図18は、駆動装置24bの逆の運動原理を示す。この目的のため、圧電素子34、36の交互配置と、操作素子14及び平衡錘30の支持板32への機械的連結とが入れ替わり、支持板32外面上の上述の素子配置に影響を及ぼす。これにより、操作素子14と平衡錘30は、支持板32がその作動状態に移行するとき、今度は互いに向かって移動し、上記支持板が作動状態から非作動状態へ戻るとき、それに従って互いに離れる。
【0066】
図11から
図13は、第2の例示的実施形態による駆動装置24aを示す。駆動装置24aの素子が
図8及び
図10の駆動装置24と、構成若しくは機能又はその両方の点で等しい限り、それらは
図11から
図13において
図8及び
図10と同じ参照符号で示されているか、文字aを付した同じ参照符号で示されている。
【0067】
駆動装置24aは、横方向に延びる端部72aで装着フランジ64aを介してフレーム部分22に固定された支持板32aを含む。支持板32aの個々の分割された群38への分割、つまり個々の取付部40、44及び中間部48、50は
図8と同様に選択される。
【0068】
図8から
図10の駆動装置24とは対照的に、駆動装置24aは、特に平面である接続素子54aを介してフレーム部分22に支持されている。これらの接続素子54aは中間部48、50に配置され、支持板32aからその第1外面42の横方向に突出する。それらは平衡錘30aの凹部80を通って延びている。平衡錘30a及び操作素子14の各場合の支持板32aへの接続は、
図8から
図10と合わせてさらに上述したようにして実現される。
【0069】
駆動装置24aの支持板32aの非作動状態及び作動状態での状況は、
図12及び
図13の断面図に示されている。
【0070】
図14から
図16は、同様に板状に形成された駆動装置24cのさらに別の例示的実施形態を示す。
図8から
図13の操作ユニット及び駆動装置の素子と機能若しくは構成又はその両方の点で等しいか又は対応する駆動装置24c及び操作ユニットの素子は、
図14から
図16で同一の参照符号又は文字cを付した同じ参照符号で示されている。
【0071】
駆動装置24cは、二重支持板付駆動装置として設計されており、第1支持板32cと第2支持板32’cとを備える。両方の支持板32c、32’cには、第1及び第2圧電素子34c、36cが交互に設けられている。これらの圧電素子は、対応する支持板32c、32’cの第1及び第2外面42c、46cに交互に配置されている。両方の支持板は、それぞれ第1の分割された1つの群38cと、第2の分割されたさらに2つの群38’cとに分割されている。第1群38cは、2つの第1取付部40cと、第1群38cの2つの第1取付部40cの間に位置する1つの第2取付部44cとを有する。さらにそれぞれの第2群38’cは、1つの第2取付部44cと、1つの第1取付部40cとを含む。
【0072】
接続素子82は、2つの支持板32c、32’cの間に延び、同様に板状に形成され、支持板32c、32’cへの接続ブリッジ84を含む。接続ブリッジ84は、2つの支持板32c、32’cを、より具体的には、上記支持板の第1取付部40cにおいて上記支持板の第1外面42cで互いに接続する。接続素子82は、長手方向の範囲に対向して配置された両端部で筐体12のフレーム18に接続されている。これは、接続素子86により
図14から
図16に示されている。
【0073】
第1支持板32cは、その第2外面46cで接続素子88によって各第2取付部44c内で操作素子14に機械的に接続され、第2支持板32’cは、上記支持板の第2外面46cで各第2接続部44c内に配置される接続素子90によって平衡錘30に接続されている。
【0074】
図14及び
図15では、駆動装置24cは非作動状態で示されており、支持板32c、32’cは、この例示的実施形態では直線状である。圧電素子34c、36cが制御ユニット74により作動した場合、支持板32c、32’cは、
図16に示すように、波状の形態に変形する。上記接続素子に基づいて、操作素子14及び平衡錘30は、反対方向に反発し、つまり互いに離れるように移動する。ここで、支持板32’cの圧電素子34c、36cの適切な厚さ及び大きさの選択により、上記支持板のストローク運動78は、第1支持板32cにより実現されるストローク運動76よりも大きくなるように選択すべきである。これによって、平衡錘30の重量は、操作素子14の重量に比べて小さくなるように選択でき、なおパルス回避される。
【0075】
完全を期すために、この時点で
図14から
図16に示す駆動装置24cの操作素子14及び平衡錘30の反発作用の概念も、逆の選択が可能であることを述べておかねばならない。(2つの支持板32c、32’cの外面を基準に)上記圧電素子を逆配列することで、駆動装置24cが作動した際、平衡錘30及び操作素子14で構成される2つの素子が互いに近づくようにすることが可能である。そして同様にパルス補償がある。
【0076】
本発明による駆動装置24dのさらなる例示的実施形態を
図19及び
図20に基づいて説明するが、この駆動装置は
図8から
図10に示す駆動装置24の変形である。機能若しくは構造又はその両方の点で駆動装置24と類似又は同様の駆動装置24dの素子は、
図19及び
図20で、
図8から
図10と同じ参照符号で示されている。
【0077】
駆動装置24dが駆動装置24と異なる点は、2つの第1及び第2圧電素子34、36がそれぞれ個々の取付部40、44内に配列されていることであり、これら対の圧電素子の間に、機械的に操作素子14と接続するための接続素子52及び支持板32を平衡錘30と接続するための接続素子54とが配置されている。圧電素子34、36(及び接続素子52、54)は、それぞれ支持板32の半波の弧の外側に配置されている。
【0078】
本発明は、上述のように、圧電素子が上記支持板の両外面に交互に配置され、電気的に作動する際、(また)全てが上記支持板の長手方向に拡張又は収縮する例示的実施形態により既に説明されている。ただし、上記圧電素子は上記支持板の両外面に配置することもできる。波状の形態を得るため、上記圧電素子は、作動時に、各第2圧電素子が拡張し、その間に配置された上記圧電素子が収縮し、上記支持板の他方の外面上の対向する圧電素子が逆の振る舞いをするように、一方の外面に配置しなければならない。上記支持板の単に1つの共通の外面に圧電素子を配置することもできる。ここでも同様に上記圧電素子の作動は、各第2圧電素子が拡張し、その間に配置された圧電素子が収縮するようにしなければならない。さらに上記支持板は、複数の分離された部分支持板素子から構成されてもよい。各部分支持板素子は、少なくとも一方の外面に少なくとも1つの圧電素子を含む。上述の変形例及び詳細に説明した例示的実施形態の変形例は、個々の圧電素子に変えて、同一動作をする圧電素子の複数の群を有するように拡張することもできる。圧電素子の複数の群は、異なる面、一方の面又は両方の面に交互に配置される。
【符号の説明】
【0079】
10’ 筐体
12’ 操作素子
14’ 筐体への操作素子の弾性的取付のバネ減衰システム
16’ 駆動装置
18 車体への筐体の(弾性的)取付のバネ減衰システム
19’ 作動センサ
20’ 平衡錘
21’ 評価及び制御ユニット
22’ 筐体若しくは操作素子又はその両方への平衡錘の弾性的取付のバネ減衰システム
24’ 車両又は車両のダッシュボード
26’ 駆動装置として具体化された電機子を備えた電磁石の固定子
28’ 電機子を備えた電磁石の電機子
30’ 電機子を備えた電磁石の空気の隙間
32’ 触覚フィードバック時の移動の操作領域ガイダンス
m1 操作領域の質量
x1(t) 操作領域のたわみ
FAct(t) 駆動装置の力の進行
F1(t) 筐体10’作動時に筐体10’に作用する操作領域の力(F1(t)=FAct-m1×a1)
c1 筐体への操作領域の弾性的取付のバネ定数
d1 筐体への操作領域の弾性的取付の減衰
m2 筐体の質量
x2(t) 機械的に励振した操作領域によって加えられる力の結果としての筐体のたわみ
F2(t) 筐体締結具に作用する力
m3 平衡錘の質量
x3(t) 平衡錘のたわみ
F3 平衡錘によって筐体に作用する力
c3 平衡錘の筐体への弾性的取付のバネ定数
d3 平衡錘の筐体への弾性的取付の減衰
10 操作ユニット
12 筐体
14 操作素子
16 操作面
18 筐体のフレーム
20 作動センサ
22 フレーム部分
24 駆動装置
24a 駆動装置
24b 駆動装置
24c 駆動装置
24d 駆動装置
26 縁部
28 支持体
30 平衡錘
30a 平衡錘
32 支持板
32a 支持板
32c 第1支持板
32’c 第2支持板
34 第1圧電素子
34c 第1圧電素子
36 第2圧電素子
36c 第2圧電素子
38 分割された群
38c 第1群
38’c さらなる群
40 第1取付部
40c 第1取付部
42 第1外面
42c 第1外面
44 第2取付部
44c 第2取付部
46 第2外面
46c 第2外面
48 第1中間部
50 第2中間部
52 操作素子接続素子
54 平衡錘接続素子
54a 平面接続素子
56 波状形態
58 第1半波
60 第2半波
62 第1装着フランジ
62a 接続素子
64 第2装着フランジ
64a 第2装着フランジ
66 凹部
68 凹部
70 ブリッジ
72 支持板の反対側の端部
72a 支持板の端部
74 制御ユニット
76 振幅
78 振幅
80 凹部
82 接続素子
84 接続ブリッジ
86 接続素子
88 接続素子
90 接続素子