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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-29
(45)【発行日】2022-04-06
(54)【発明の名称】改善された固定強度を有する構造パネル
(51)【国際特許分類】
   C04B 28/14 20060101AFI20220330BHJP
   C04B 24/26 20060101ALI20220330BHJP
   C04B 24/38 20060101ALI20220330BHJP
   C04B 14/42 20060101ALI20220330BHJP
   E04C 2/04 20060101ALI20220330BHJP
   E04C 2/06 20060101ALI20220330BHJP
【FI】
C04B28/14
C04B24/26 C
C04B24/38 Z
C04B14/42 Z
E04C2/04 F
E04C2/06
【請求項の数】 5
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020172948
(22)【出願日】2020-10-14
(62)【分割の表示】P 2017522609の分割
【原出願日】2015-11-19
(65)【公開番号】P2021011429
(43)【公開日】2021-02-04
【審査請求日】2020-11-04
(31)【優先権主張番号】1420674.2
(32)【優先日】2014-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】517113093
【氏名又は名称】サン-ゴバン プラコ ソシエテ パル アクシオン サンプリフィエ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】ブルックス ローラ
(72)【発明者】
【氏名】ジャップ ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】スパークス ジョアンナ
(72)【発明者】
【氏名】リチャードソン アダム
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】リドー ジャン
【審査官】手島 理
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-299460(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0031652(US,A1)
【文献】ソ連国特許発明第01076422(SU,A)
【文献】米国特許出願公開第2001/0001218(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 28/14
C04B 24/26
C04B 24/38
C04B 14/42
E04C 2/04
E04C 2/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中に分布した第1のポリマー添加剤及び第2のポリマー添加剤を含む石膏パネルであって、
前記第1のポリマー添加剤がポリ酢酸ビニルであり、前記第2のポリマー添加剤がデンプンであり、
前記第1のポリマー添加剤が石膏に対して6wt%以上の質量で存在し、及び前記第2のポリマー添加剤が石膏に対して1.25wt%以上の質量で存在し、前記第1のポリマー添加剤及び前記第2のポリマー添加剤の総量が、前記石膏に対して20wt%以下であり、
前記石膏パネルがその中に埋め込まれた繊維を石膏に対し2wt%より多く10wt%未満の質量で有する、
前記石膏パネル。
【請求項2】
前記第1のポリマー添加剤が、前記第2のポリマー添加剤以上の量で存在する、請求項1に記載の石膏パネル。
【請求項3】
前記デンプンがエチル化デンプンである、請求項1または2に記載の石膏パネル。
【請求項4】
前記繊維がガラス繊維である、請求項1~3のいずれか1項に記載の石膏パネル。
【請求項5】
前記繊維が、前記石膏に対して3wt%以上10wt%未満の質量で存在する、請求項1~4のいずれか1項に記載の石膏パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、建築構造に用いるパネルに関する。特に、本発明は、シンク、テレビ、又はラジエーター等の品物を取り付け得る区画を提供するためのパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
発明に対する背景
プラスターボード(例えば石膏プラスターボード)、ポリスチレンボード及びファイバーボード等の軽量パネルは、一般的に建築物内に区画を提供するために用いられる。この用途にとってのそれらの利点としては、それらが軽く、設置が速いことが挙げられる。
しかしながら、ある一定の場合、該軽量パネルは、固定物(例えばシンク、テレビ、ラジエーター、消化器、棚、及びパネルへの取り付けを必要とするその他の品物)を支持するのに十分強くないという欠点を有することがある。このような場合、固定物の重量によって、固定物が区画から外れて落ちるように、固定手段(例えばネジ)がパネルから引き抜かれてしまうことがある。
典型的に、この問題は、合板シートを設けてパネルの固定強度を高めることによって対処している。この場合、合板シートは、固定物を配置すべき側の反対のパネル面に設けられる。合板シートは、固定物をパネルに締め付けるために利用される1種以上の固定手段(例えばネジ)を保持するための強度上昇をもたらし得る。典型的に、合板シートが区画枠内に配置され、次にプラスターボードが合板に固定され、その結果、プラスターボードは区画枠外に位置する。
代替物として、金属支持手段を設けてよい。これらは固定プレート、チャネル、ストラップ、又は金属ファスナーを含み得る。合板シートの場合のように、金属支持手段は、一般的に固定物を固定すべき側の反対のパネル面に配置され、固定物をパネルに取り付けるために用いられる固定手段、例えば固定ネジを受けて締め付ける役割を果たす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらの配置は両方ともパネルと、現場で互いに貼り付けるべき追加の支持成分とを必要とするという欠点を有する。さらに、金属支持手段を使用するときに、複数の該支持手段は、固定物をパネルに締め付けるために必要な固定手段のフルセットを支持する必要があり得る。従って、設置プロセスは時間及び費用がかかり得る。
さらに、金属支持手段又は合板シートの追加は、区画の重量及び厚さを増大させ、及び/又は空洞壁空間の低減をもたらす。一般に、合板自体は現場で大きさに合わせてカットしなければならないので、設置に必要な時間が長くなり、ダスト及び潜在的に有害な成分の放出につながる可能性がある。
従って、固定手段を保持し、固定物を支持することができ、かつ時間のかかる設置プロセスを必要としない改善されたパネルを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の概要
石膏製品を強化するためのポリマー添加剤の使用について調査した。驚くべきことに、デンプンと合成ポリマーの組み合わせを使用することによって、石膏製品の製造及び性能に、ある一定の利点をもたらし得ることが分かった。
従って、第1の態様において、本発明は、中に分布した第1のポリマー添加剤及び第2のポリマー添加剤を含む石膏製品であって、第1のポリマー添加剤が合成ポリマーであり、第2のポリマー添加剤がデンプンである、石膏製品を提供することができる。
デンプンと合成ポリマーの組み合わせは、石膏製品の製造及び性能における下記利点の1つ以上をもたらし得ることが分かった:
・強度上昇;
・両添加剤を含有するスタッコスラリーの流動性上昇のためのより容易な製造;及び
・吸湿膨張に対する耐性増大。
典型的に、第1の添加剤は第2の添加剤以上の量で存在する。しかしながら。ある一定の場合、第1の添加剤が第1及び第2の添加剤の総量の40%未満、おそらく30%未満で存在することがある。
一般に、第1及び第2のポリマー添加剤の総量は、石膏に対して3wt%より多く、好ましくは4wt%より多い。典型的に、第1及び第2のポリマー添加剤の総量は、石膏に対して15wt%未満、好ましくは13wt%未満である。
好ましくは、デンプンは、石膏製品の質量に対して、1.0%以上、好ましくは1.25wt%以上、さらに好ましくは2.0wt%以上の量で存在する。
好ましくは、第1の添加剤はポリ酢酸ビニルである。
【0005】
デンプンは、例えば、小麦、ジャガイモ、タピオカ、又はトウモロコシ由来であってよい。好ましくは、デンプンはトウモロコシ由来である。特定実施形態では、デンプンは天然デンプン(すなわち、未加工デンプン)である。他の実施形態では、デンプンは加工デンプン、例えば、酸で希釈した(acid-thinned)デンプンであり得る。
特定実施形態では、デンプンは、参照することによりここに援用するUS7048794に記載されているような置換デンプンである。置換デンプンは、化学的に反応させてヒドロキシル官能基の1つ以上を置き換えたデンプン誘導体である。典型的に、このプロセスは、デンプンポリマー骨格に沿ってエーテル又はエステル結合を付加するデンプン又は加工デンプンのエーテル化又はエステル化を含む。このプロセスは、酸化、酸希釈、架橋、及びアルファ化等のデンプンに典型的に行なわれる他の加工と異なるが、1つ以上のタイプの官能性による置換の前又は後に、該プロセスをデンプンに施してもよい。
置換デンプンは、プラスターボードの無機相、例えば石膏用の効率的な結合剤として作用し、結果としてプラスターボードのコア強度を高めると考えられる。好ましくは、デンプンは冷却水に溶けないが、プラスターボードの形成、硬化、又は乾燥中のより高い加工温度で溶解する。これは、デンプンの過剰な遊走を制限し、その結果、デンプンはプラスターボード内に残存して、石膏結晶のための結合剤を形成すると考えられる。
置換デンプンは、ヒドロキシエチル化、ヒドロキシプロピル化、及び/又はアセチル化デンプンを含み得る。好ましくは、デンプンはヒドロキシエチル化デンプンである。
【0006】
デンプンは、遊走性(migratory)又は非遊走性デンプンであってよい。非遊走性デンプンは、プラスターボードのコア内に保持され、ボード表面に遊走しない。対照的に、遊走性デンプンは典型的にプラスターボードの表面に遊走し、紙製表面仕上げ(使用する場合)へのプラスターボードコアの結合を改善する目的に役立つ。
本発明で使用し得る非遊走性デンプンはデキストリンである。
好ましくは、デンプンが石膏に対して少なくとも3wt%のレベルで存在する場合、デンプンは遊走性デンプンである。驚くべきことに、これらの相対的に高いデンプン含量では、遊走性デンプンさえプラスターボードの固定強度を増強するのに十分な量でプラスターボードコア内に保持されることが分かった。同時に、遊走性デンプンは、紙製表面仕上げ(使用する場合)へのプラスターボードコアの結合を改善する助けとなり得、その結果、プラスターボード内に複数のデンプン変種を含める必要がない。
デンプンが石膏に対して少なくとも3wt%のレベルで存在する場合、デンプンは、アルファ化デンプンではなく天然デンプンであるのが好ましい。これらの相対的に高いデンプンレベルでは、アルファ化デンプンは石膏スラリーに過剰の粘性を付与すると考えられる。
他の場合、デンプンはアルファ化デンプンであってよい。
【0007】
特定実施形態において、デンプンは、60℃未満の温度では低粘度(例えば60cps未満のブルックフィールド粘度)を有し、70℃の温度ではずっと高い粘度(例えば10000cpsを超えるブルックフィールド粘度)を有するように選択可能である。該デンプンは、例えば、参照することによりここに援用するUS8252110に記載されている。これらのデンプンは、強い温度依存性のレオロジーを有し、低温では、デンプンがコア内で分散されて、結晶間空間に浸透し得ると考えられる。温度が600℃を超えるとすぐに、デンプンの粘度が急速に非常に高いレベルまで上昇して、確実にデンプンが実際にコア内に残存し、コア/表面仕上げ界面まで遊走しないようにする。
特定の場合、スタッコスラリーに粉(例えば小麦粉)を添加することによって石膏製品にデンプンを組み入れてよい。
【0008】
好ましくは、石膏製品は、その中に埋め込まれた繊維を含む。典型的に、繊維は、石膏に対して2wt%より多い、好ましくは3wt%より多い量で存在する。典型的に、繊維は、石膏に対して10wt%未満、好ましくは7wt%未満の量で存在する。一般に、繊維はガラス繊維である。
好ましくは、石膏製品は実質的にホウ素を含まない。ホウ素添加剤は、石膏製品の製造中に健康及び安全へのリスクを呈すると考えられる。
特定実施形態において、石膏製品はプラスターボードである。一般に、プラスターボードは紙製表面仕上げを有する。これらの紙製表面仕上げは、セルロース繊維とガラス繊維を両方含んでよく、これはプラスターボードの耐火性を改善すると考えられる。他の場合、プラスターボードは、表面が一部又は完全に埋め込まれたマット、例えば、ガラスマットを有してよい。
特定の実施形態において、石膏製品は、シリコーン油又はワックス等の疎水性添加剤を含む。
特定実施形態において、石膏製品は、殺生物剤を含有してよい。
特定実施形態において、石膏製品は、製品の耐火性を改善するために、非膨張バーミキュライト、マイクロシリカ、及び/又は粘土等の収縮防止剤を含有してよい。
特定実施形態は、泡又は軽量凝集体、例えばパーライトを含めてよい。該添加剤は、許容できる厚さを有する低密度ボードを作製するために当技術分野で知られている。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
ここで、単に例として本発明を説明する。
下記一般的方法論を用いて石膏プラスターボードを調製した。
スタッコ及び他の乾燥添加剤をバッグに量り入れ、振り混ぜてそれらを混合した。水及び湿潤添加剤をボールに量り入れた。繊維を秤量し、ボール内の湿潤添加剤に加え、電動ミキサーを用いて60秒間一緒に混合した。
ボール内の湿潤添加剤に乾燥粉末添加剤を加えて電動ミキサーで30秒間混合した。
結果として生じたスラリーを2枚の紙製ライナー間に挟み込み、混合時間から測って25分間水和させた。このボードを今度はオーブン内で160℃にて1時間乾燥させた。
結果として生じたプラスターボードは15mmの厚さだった。
【実施例
【0010】
実施例1
下記成分から石膏プラスターボードを調製した:
・スタッコ;
・スタッコに対して6wt%の量のポリ酢酸ビニル(ポリ酢酸ビニルは商標名Mowilith S1で入手可能);
・スタッコに対して6wt%の量のデンプン(デンプンは商標名C Flex 03408で入手可能);
・スタッコに対して3wt%の量のガラス繊維。
実施例2
下記成分から石膏プラスターボードを調製した:
・スタッコ;
・スタッコに対して6wt%の量のポリ酢酸ビニル(ポリ酢酸ビニルは商標名Vinamul 8481で入手可能);
・スタッコに対して6wt%の量のデンプン(デンプンは商標名C Flex 03408で入手可能);
・スタッコに対して3wt%の量のガラス繊維。
実施例3
下記成分から石膏プラスターボードを調製した:
・スタッコ;
・スタッコに対して2.5wt%の量のポリ酢酸ビニル(ポリ酢酸ビニルは商標名Vinamul 8481で入手可能);
・スタッコに対して2.5wt%の量のデンプン(デンプンは商標名Merifilm 102で入手可能);・スタッコに対して5wt%の量のガラス繊維。
【0011】
実施例4
下記成分から石膏プラスターボードを調製した:
・スタッコ;
・スタッコに対して3.75wt%の量のポリ酢酸ビニル(ポリ酢酸ビニルは商標名Vinamul 8481で入手可能);
・スタッコに対して1.25wt%の量のデンプン(デンプンは商標名Merifilm 102で入手可能);
・スタッコに対して5wt%の量のガラス繊維。
実施例5
下記成分から石膏プラスターボードを調製した:
・スタッコ;
・スタッコに対して6.25wt%の量のポリ酢酸ビニル(ポリ酢酸ビニルは商標名Mowilith SIで入手可能);
・スタッコに対して6.25wt%の量のデンプン(デンプンはGrain Processing Corporationから商標名Coatmaster K57Fで入手可能);
・スタッコに対して3wt%の量のガラス繊維。
実施例6
下記成分から石膏プラスターボードを調製した:
・スタッコ;
・スタッコに対して6wt%の量のポリ酢酸ビニル(ポリ酢酸ビニルは商標名Vinamul 8481で入手可能);
・スタッコに対して0.5wt%の量のデンプン(デンプンは商標名Merifilm 102で入手可能);・スタッコに対して2wt%の量のガラス繊維。
【0012】
実施例7
下記成分から石膏プラスターボードを調製した:
・スタッコ;
・スタッコに対して0.5wt%の量のポリ酢酸ビニル(ポリ酢酸ビニルは商標名Vinamul 8481で入手可能);
・スタッコに対して6wt%の量のデンプン(デンプンは商標名Merifilm 102で入手可能);
・スタッコに対して2wt%の量のガラス繊維。
実施例8
下記成分から石膏プラスターボードを調製した:
・スタッコ;
・スタッコに対して4.5wt%の量のポリ酢酸ビニル(ポリ酢酸ビニルは商標名Vinamul 8481で入手可能);
・スタッコに対して1.5wt%の量のデンプン(デンプンは商標名Merifilm 102で入手可能);・スタッコに対して2wt%の量のガラス繊維。
実施例9
下記成分から石膏プラスターボードを調製した:
・スタッコ;
・スタッコに対して1.5wt%の量のポリ酢酸ビニル(ポリ酢酸ビニルは商標名Vinamul 8481で入手可能);
・スタッコに対して4.5wt%の量のデンプン(デンプンは商標名Merifilm 102で入手可能);・スタッコに対して2wt%の量のガラス繊維。
【0013】
比較例1a
下記成分から石膏プラスターボードを調製した:
・スタッコ;
・スタッコに対して12wt%の量のデンプン(デンプンは商標名C Flex 03408で入手可能);・スタッコに対して3wt%の量のガラス繊維。
比較例3a
下記成分から石膏プラスターボードを調製した:
・スタッコ;
・スタッコに対して5wt%の量のデンプン(デンプンは商標名Merifilm 102で入手可能);
・スタッコに対して5wt%の量のガラス繊維。
比較例5a
下記成分から石膏プラスターボードを調製した:
・スタッコ;
・スタッコに対して12.5wt%の量のデンプン(デンプンはGrain Processing Corporationから商標名Coatmaster K57Fで入手可能);
・スタッコに対して3wt%の量のガラス繊維。
【0014】
流動性
プラスボードの作製に用いたスタッコスラリーの流動性の指標としてスランプ径を測定した。英国規格EN13963に沿った手順を行なった。スラリーを機械的振動にさらす前に直径を測定した。結果を表1に示す。
【0015】
表1
【0016】
湿気による膨張
ASTM D1037に従って23℃及び相対湿度50%の初期条件から20℃及び相対湿度90%の最終条件まで湿気による膨張を測定した。サンプルは長さ200mm及び厚さ50mmだった。結果を表2に示す。
【0017】
表2.
【0018】
ネジ引き抜き強さ
23℃の温度及び50%の相対湿度で条件づけした寸法100mm×100mmのサンプルについてネジ引き抜き試験を行なった。サンプルの表面に配置した金属荷重伝達要素を通して50mmの一条木ネジをサンプルに挿入した。荷重伝達要素は、ネジ頭とサンプルの表面との間に位置するように形成された第1部分、及び試験機と係合して、ネジの軸に沿ってネジに荷重を加えられるように形成された第2部分を有する。1Nmのトルクまでネジを締めた。
次に試料をZwick Universal試験機に載せ、ネジの軸に沿ってネジに10Nの予荷重を加えた。引き続き、引き抜きが達成されるまで10mm/分の一定のクロスヘッド速度を設定することによって荷重を増やした。
結果を表3に示す。これらは、それぞれ8つのサンプルから取った平均である。
【0019】
表3