(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-29
(45)【発行日】2022-04-06
(54)【発明の名称】ウルトラ超高比重アルコール飲料を生成するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
B01D 61/00 20060101AFI20220330BHJP
C12H 6/00 20190101ALI20220330BHJP
B01D 61/02 20060101ALI20220330BHJP
B01D 61/58 20060101ALI20220330BHJP
【FI】
B01D61/00 500
C12H6/00
B01D61/02 500
B01D61/58
(21)【出願番号】P 2020531071
(86)(22)【出願日】2018-12-06
(86)【国際出願番号】 US2018064281
(87)【国際公開番号】W WO2019113335
(87)【国際公開日】2019-06-13
【審査請求日】2020-07-31
(32)【優先日】2017-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509009795
【氏名又は名称】クアーズ ブリューイング カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Coors Brewing Company
【住所又は居所原語表記】3939 W. Highland Boulevard Milwaukee Wisconsin 53208 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【氏名又は名称】江間 晴彦
(74)【代理人】
【識別番号】100197583
【氏名又は名称】高岡 健
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・ダーキー
(72)【発明者】
【氏名】フレデリク・ハヴェル
【審査官】高橋 成典
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/210337(WO,A2)
【文献】特表2011-514140(JP,A)
【文献】特開2017-006843(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0031954(US,A1)
【文献】米国特許第09206060(US,B1)
【文献】特開2014-097444(JP,A)
【文献】特表2016-514039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 61/00 - 71/82
C02F 1/44
C12G 1/00 - 3/08
C12H 6/00 - 6/04
1/00 - 3/04
C12C 1/00 - 13/10
C12F 3/00 - 5/00
C12J 1/00 - 1/10
C12L 3/00 - 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
第1アルコール体積(ABV)百分率を有するアルコール飲料を受け、
第1ABV百分率より高い
第2ABV百分率を有す
るアルコール飲料を生じる逆浸透サブコンポーネント;
第2ABV百分率を有するアルコール飲料及び駆動溶液をインプットとして受け、正浸透を介して、
第2ABV百分率より高い
第3ABV
百分率を有す
るアルコール飲料及び使用済み駆動溶液を生じる、正浸透のサブコンポーネント;ならびに
逆浸透を介して使用済み駆動溶液を処理し、新たな駆動溶液を生成する逆浸透システムを有して成る、システム。
【請求項2】
新たな駆動溶液が脱水された使用済み駆動溶液に相当する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
第1ABV百分率が5%~14
%である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
第2ABV百分率が16%~22
%である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
第3ABV百分率が24%~46
%である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
新たな駆動溶液がリサイクルされる駆動溶液として正浸透サブコンポーネントへと送り込まれる、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
逆浸透サブコンポーネントが、受けた
第1ABV百分率を有するアルコール飲料から水分を除去し、その水分が水パージタンクに貯められる、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
正浸透サブコンポーネントが、
第2ABV百分率を有するアルコール飲料に接する正浸透フィルター膜を少なくとも一つ有して成り、少なくとも一つの正浸透フィルター膜は
第2ABV百分率を有するアルコール飲料から水分を分離する、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
方法であって、
第1アルコール体積(ABV)百分率よりも高い
第2ABV百分率を有するアルコール飲料を生成するための、
第1ABV百分率を有するアルコール飲料の
逆浸透システムによる処理;
第2ABV百分率よりも高い
第3ABV
百分率を有す
るアルコール飲料を生成するための、
第2ABV百分率を有するアルコール飲料の
正浸透システムによる処理;
を含んで成り、
第2ABV百分率を有するアルコール飲料を
第3ABV百分率を有するアルコール飲料にする処理は駆動溶液を利用し、そこから使用済み駆動溶液を生成し、使用済み駆動溶液は少なくとも一回の逆浸透あるいは蒸留によって駆動溶液へと処理される、方法。
【請求項10】
第1ABV百分率を有するアルコール飲料の処理に先立って、
流入ストリームの一部として
、パイプラインを介して第1ABV百分率を有するアルコール飲料を
逆浸透システムに供給すること
を含んで成る、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第2ABV百分率を有するアルコール飲料を生成するための
第1ABV百分率を有するアルコール飲料の
逆浸透システムによる処理であって、
第1ABV百分率を有するアルコール飲料を一次脱水ステーションへ移送すること
を含んで成り、
一次脱水ステーションは、
第1ABV百分率を有するアルコール飲料を
第2ABV百分率を有するアルコール飲料ストリームと除去された水ストリームとに分離する少なくとも1つの半透膜
を有して成る逆浸透フィルターを有して成る、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
第3ABV百分率を有するアルコール飲料を生成する
第2ABV百分率を有するアルコール飲料の
正浸透システムによる処理が、
第2ABV百分率を有するアルコール飲料ストリームを二次脱水ステーションへ移送すること
を含んで成り、
二次脱水ステーションは、
第2ABV百分率を有するアルコール飲料に接する少なくとも一つの正浸透フィルター膜を有して成り、少なくとも一つの正浸透フィルター膜は、
第2ABV百分率を有するアルコール飲料ストリームから
正浸透を介して水分を分離する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
第1ABV百分率が5%~14
%である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
第2ABV百分率が16%~22
%である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
第3ABV百分率が24%~46
%である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
システムであって、
流体ラインに沿って移送される
、第1ABV百分率を有するアルコール飲料;
逆浸透フィルター;
正浸透フィルター;
を有して成り、
前記逆浸透フィルターは、
第1ABV百分率を有する移送され
たアルコール飲料を、
第1ABV百分率よりも高い
第2ABV
百分率を有す
るアルコール飲料ストリームと除去された水ストリームとを含んで成る別のストリームに分離する半透膜を有して成り、
前記正浸透フィルターは、逆浸透フィルターを出る
第2ABV百分率を有するアルコール飲料ストリームに接する正浸透膜を有して成り、正浸透膜は、正浸透を介して
第2ABV百分率を有するアルコール飲料ストリームから水分を分離し、
第2ABV百分率よりも高い
第3ABV
百分率を有す
るアルコール飲料を生成する、システム。
【請求項17】
逆浸透を介して、使用済み駆動溶液を含む
第2ABV百分率を有するアルコール飲料ストリームから分離した水分を処理して、新たな駆動溶液にする逆浸透システム
をさらに有して成り、
新たな駆動溶液はリサイクルされ、
第2ABV百分率を有するアルコール飲料ストリームからさらなる水分を分離するのに使用するため正浸透フィルターへ移送される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
第1ABV百分率が5%~14
%であって、
第2ABV百分率が16%~22
%であって、
第3ABV百分率が24%~46
%である、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
第2ABV百分率を有するアルコール飲料ストリームから分離され、処理された水分が、新たな駆動溶液と別れて別の流体ラインに移送される飲用水を有して成る、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
第1ABV百分率を有するアルコール飲料が、ビール、サイダー、もしくはアルコール性の麦芽ベースである、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条(e)の下、2017年12月7日に出願された「飲料中のアルコール含有分を濃縮するための方法およびシステム」と題された米国仮出願第62/595,950号の利益と優先権を主張し、教示する全ておよび全ての目的のため、その全開示を参照することにより、そのまま本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般的に、アルコール水溶液を対象としている。特に、本開示はビール、サイダー(cider)、及びアルコールの麦芽ベース(alcoholic malt bases)等のアルコール飲料の脱水を対象としている。
【背景技術】
【0003】
発酵麦芽飲料、ハード・サイダー、ビール、アルコポップ等を含むほとんどの飲料において、水は主成分である。飲料中の水分(または水分量、the amount of water)が多いほど、飲料自体の物理的重量は大きくなる。認識され得るように、水分が多く重量の増加した飲料の輸送もしくは運送は、環境、及び飲料品のコストにおいてマイナス効果を有する。
【0004】
麦芽飲料中の水分を減少させることは、脱水されたアルコール飲料品を製造することにより、製品の全体重量を大きく低減できる。脱水されたアルコール飲料品の重量の低減により、製品を効率的に運送、輸送、及び貯蔵できる。予定した届け先に製品が着いたら、消費前に、単に炭酸水を加えることによって、脱水されたアルコール飲料品を元に戻す(または再構成する、reconstitute)ことができる。他の利益のなかでも、脱水されたアルコール飲料品の製造は、標準の、もしくは販売する比重(gravity)のアルコール飲料及び製品の輸送、及び貯蔵に関連したコストや環境への影響を低減できる。
【発明の概要】
【0005】
ある実施形態では、本開示は、実質的に脱水、あるいは乾燥した(または脱水した、もしくは脱水和した、dehydrated)ウルトラ超高比重(またはウルトラ高重力、UHG:ultra-high gravity)アルコール飲料品を供する方法、及びシステムに関する。
【0006】
ある実施形態では、プロセスは、約5%~14%のアルコール体積百分率(ABV:alcohol by volume)を有する高比重(HG:high-gravity)アルコール飲料(例えば、ビール、サイダー、アルコールの麦芽ベースなど)を受けることを含んでよい。HGアルコール飲料は、正浸透(FO:forward osmosis)システムに送り込まれてもよく、そのシステムにおいて、UHGアルコール飲料品(例えば、約24%以上のABVを有する)はFOを用いて製造されてもよい。特に、HGアルコール飲料がFOシステムにおいて処理される際に、HGアルコール飲料溶液の水分はかなり減じられ、結果としてUHGアルコール飲料品を生じる。いくつかの実施形態では、FOシステムへと戻され得る駆動溶液(またはドロー溶液、draw solution)を生成するため、FOシステムからの使用済み駆動溶液を複数ステージの逆浸透(RS:reverse osmosis)システムに送り込んでよい。この例において、複数ステージのROシステムからパージされた水(または取り除かれた水、purged water)は、システムにおける別の場所へ向けられてよい(例えば、他の使用、別の目的への再利用(repurposing)、リサイクルのためなど)。パージされた水は、リサイクルされる駆動溶液とは別に、別個の流体ラインで移送され得る飲用水を含んで成ってよい。UHGアルコール飲料品の製造は可能であるものの、一般的に、FO処理は、それ自体によって、多くの駆動溶液の量(または荷重、load)ならびに大きなFOユニット及びタンクを必要とする。
【0007】
上述の問題及び他の課題に関して、本明細書に示された実施形態が考えられた。効率的で、廃棄物が少ないROおよび次のFO脱水システムの規則的な組合せを用いて、HGアルコール飲料からUHGアルコール飲料を生成するためにシステム及びプロセスが供される。特に、本明細書で説明される実施形態は、HGアルコール飲料(例えば、約5%ABV以上)を受けること、及び一次ROシステムを用いてHGアルコール飲料を約16%~22%ABVまで脱水することを説明する。この約16%~22%ABVのアルコール飲料は、超高比重(VHG:very-high gravity)アルコール飲料と称すこともできる。VHGアルコール飲料は次いでFOシステムに送り込まれてもよく、そこでFOシステムを用いて、さらなる割合の含水分がVHGアルコール飲料から除去される。FOシステムを介してさらなる水分を減じ、約24%~46%ABV以上のUHGアルコール飲料が生成する。本明細書で説明されるように、RO及び次のFO脱水システムの組合せにより、アルコール飲料の比重を連続的に増加させる効率的なアプローチが供される。特に、これらの効率的な方法及びシステムにより、80%より多い量のFOの駆動溶液を削減でき(例えば、FOとRO脱水アプローチを比較した場合等)、ならびに、脱水ユニット、タンク、及び機器の必要とされるサイズを減少できる。さらに、プロセスの新しい組合せは、上述の複数ステージのROシステムからいくつかのROステージを除くことにより、駆動溶液のリサイクル・プロセスの複雑性を減じる。
【0008】
さらなる特徴及び利点は本明細書で説明しているところ、後述の説明及び図から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に従う、正浸透及び逆浸透システムを用いたアルコール飲料を脱水するためのシステムのブロック図である;
【
図2】
図2は、本開示の実施形態に従う、逆浸透及び正浸透システムを用いたアルコール飲料を脱水するためのシステムのブロック図である;ならびに
【
図3】
図3は、本開示の実施形態に従う、アルコール飲料を脱水するための方法を示したフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態は、アルコール飲料から水分を除去する単一浸透型脱水アプローチの、効率的で廃棄物の少ない代替案に関して説明される。いくつかの実施形態において、本明細書で説明される方法及びシステムは、一次ROシステムでHGアルコール飲料(例えば、5%ABV~14%ABVの間等)を受けてもよく、そのシステムにおいてVHGアルコール飲料(例えば、約16%ABVと22%ABVの間)はROプロセス及びシステムを用いて生成される。VHGアルコール飲料はFOシステムに送り込まれてよく、そのシステムにおいてUHGアルコール飲料(例えば、約24%ABVと46%ABVの間)はFOプロセス及びシステムを用いて生成される。いくつかの実施形態では、FOシステムに戻され得る、リサイクルされる駆動溶液を生成するため、FOシステムからの使用済み駆動溶液は、簡易化したROシステムもしくは蒸留システムへ送り込まれてよい。ある実施形態では、ROシステムからパージされた水は、リサイクル、梱包、あるいはシステムを用いるための他の所へ向けられてよい。
【0011】
本明細書で説明されるように、アルコール系飲料中の水分を除去すると、得られた脱水されたアルコール飲料の全体の比重は増加し得る。「アルコール飲料」、「アルコール系飲料」「アルコール流体」、「アルコール溶液」などの用語は、ビール、ラガー、スタウト、エール、ポーター、発酵した麦芽飲料、サイダー(例えば、リンゴ、ナシなど)、アルコールの麦芽ベースなどのいずれか、及び/あるいはこれらの組合せを称するために、本明細書において互換的に用いられ得る。さらに、「高比重」あるいは「HG」、「超高比重」あるいは「VHG」、ならびに、「ウルトラ超高比重」あるいは「UHG」という用語は、アルコール飲料に残存する水に溶けた固形分の全数の量、または水と比較したアルコール飲料の相対的な強さを指すために本明細書で用いられ得る。例えば、アルコール飲料に残存する水に溶けた固形分の量につき、UHGビールはVHGビールより大きな量を有し、アルコール飲料に残存する水に溶けた固形分の量につき、VHGビールはHGビールよりも大きな量を有する、などである。さらに、アルコール飲料に残存するアルコールの量につき、UHGビールはVHGビールよりも多い量を有し、アルコール飲料に残存するアルコールの量につき、VHGビールはHGビールよりも多い量を有する、などである。
【0012】
図1を参照すると、アルコール飲料から水分を除去するためのシステム100のブロック図が、本開示の実施形態に従って示されている。UHGアルコール飲料110を生成するために、HGアルコール飲料102を正浸透(FO)システム104へと供給してよい。いくつかの実施形態では、1つ以上の流体ライン、パイプ、タンクなどを介してHGアルコール飲料を供給してよい。ある実施形態では、製造源から流体ラインに従って、HGアルコール飲料をポンプで送り込むか、あるいは移送してよい。
【0013】
図1に示されるように、FOシステム104内で必要な(減少した)浸透圧を与えるために、FOシステム104には駆動溶液が利用されてよい。FOシステム104は、一つ以上のFOフィルター膜のセット(または組合せ、set)、あるいはバンク(または集合体、bank)を有して成るFO濾過デバイスに相当し得る。FOシステム104において、フィルター膜(例えば、半透膜、及び/あるいは一連の半透膜など)の一方の側は、脱水されるHGアルコール飲料102に接してよく、フィルター膜の他方の側は駆動溶液に接してよく、結果として、駆動溶液はフィルターを通してHGアルコール飲料102から少なくともいくらかの水を「引き抜く」。いくつかの実施形態では、所望の生産要件に適応するために、FOシステム104は、システム104を通る所望の体積流量を扱うように構成されてよい。例えば、FOシステム104は、脱水及び所望の処理量を最適化するためのHGアルコール飲料102の流路を供する、一つ以上のFO膜を有して成ってよい。流路は、蛇行パターン、あるいは曲がりくねった(またはねじれ曲がった、tortuous)他のパターンの流路を含んでよく、当該流路において、HGアルコール飲料ストリーム及び駆動溶液の両方に接するFO膜の表面積が、脱水するHGアルコール飲料102ストリームの所望のレベルを保証する。また、所望の生産処理量要件を満たすべく、FOシステム104が、直列あるいは並列に配置された複数のFOフィルターを含み得るということも想定される。
【0014】
HGアルコール飲料102ストリーム及び駆動溶液ストリームは、FOシステム104を通って所望の流速を与えるために加圧されてよい。したがって、それぞれのストリームを加圧するために、一つ以上のポンプが用いられ得る。代わりに、ストリームがシステム104を通って流れるのに十分な圧力水頭を有するFOシステム104へと、ストリームの一方あるいは両方が自重(または重力、gravity fed)で送り込まれ得る。
【0015】
浸透水(または透過水、permeate water)及び駆動溶液は、リサイクルするために、続いてROシステム106に輸送され得る使用済み駆動溶液を生成(または規定、define)し、使用済み駆動溶液は余分の水分を除去するために処理される。いくつかの実施形態では、除去された余分な水は水パージ(water purge)108に(例えば、タンク、パイプ、あるいは他の流体ラインを介して)集められてよい。FOシステム104を介して生成されたUHGアルコール飲料110は、さらなる処理ステップを必要としない、梱包の準備をされてよい。ある実施形態では、UHGアルコール飲料が約24%以上46%以下のABV範囲を有するように、UHGアルコール飲料110は、減じられた水分を有してよい。
【0016】
使用済み駆動溶液は、再使用するために元の濃度(または強度、strength)まで戻されてよく、これは、水及び駆動溶液をROステージのカスケード・セット(cascading set)に通過させることで達成され得る。第一ROステージにおいて、第一ROステージからの残渣溶液(retentate solution)は別のRO濾過ステージへ輸送されてよく、第二ROステージからの残渣溶液は、また別のRO濾過ステージ等へ輸送されてよい、などである。この使用済み駆動溶液のカスケーディング、あるいはシリアル処理(または直列的な処理、serial treatment)は、処理後の溶液(または結果として得られた溶液、the resultant solution)が所望の水分量となるまで続けられる。この処理後の溶液は、FOシステム104におけるFO濾過で再び使用できる。いくつかの実施形態では、所望の含水量に処理されるまで駆動溶液が継続的に循環するように、各ROステージからの透過ストリームは、類似の含水量を有する、前のRO濾過ステージへと戻され得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、HGアルコール飲料102を脱水される状態により良くするために、HGアルコール飲料102は前処理、あるいは予備調整(preconditioned)されてよい。例えば、HGアルコール飲料102において、溶存酸素を除去することが望ましい。これは、HGアルコール飲料102が通過する、窒素でパージされた流体ラインを使用することで達成できる。窒素ガスでパージされた流体ラインをHGアルコール飲料102が通る際に、溶存酸素はHGアルコール飲料102から除去される。
【0018】
いくつかの実施形態では、FOシステム104に供給されるHGアルコール飲料102は、物理的に安定化されてよい(例えば、脱水前など)。いくつかの実施形態では、HGアルコール飲料102は、FOシステム104に入る前に「チルプルーフ(chill proofed)」されてよい。いずれにしても、タンニン酸、SiOH、PVPP処理、タンパク質分解酵素、ペクチナーゼ酵素のいずれか1つ以上の選択的な追加、及び/あるいはHGアルコール飲料102を-1℃~-7℃の温度にて所定時間保時する冷却処理など、ならびに/またはそれらの組み合わせによって、物理的な安定化が得られ得る。
【0019】
処理されたHGアルコール飲料102ストリームは、UHGアルコール飲料110としてFOシステム104の下流を出る。次いで、UHGアルコール飲料110はUHGアルコール飲料品を供する梱包ステーションへ送られてよい。
【0020】
UHGアルコール飲料110が消費の準備をされる際に、所望の炭酸化(例えば、炭酸水など)とともに、計量された水がUHGアルコール飲料110に加え戻されてよい。このように、UHGアルコール飲料110は、水分を除去することによって製品の全体重量を減じて輸送、及び運送されることができ、消費前には、製品を再水和及び/あるいは炭酸化することができる。
【0021】
図2は、本開示の実施形態に従う、供給されるアルコール飲料(例えば、HGアルコール飲料102及びVHGアルコール飲料等)から水分を効率的に除去するためのシステム200のブロック図である。ある実施形態では、5%以上14%以下のABVを含んで成るHGアルコール飲料102ストリームは、一つ以上の流体ラインを介してROシステム202へ供されてよい。いくつかの実施形態では、ROシステム202は、そのシステムに供給されるHGアルコール飲料102について最初の水分除去処置を供してよい。例えば、HGアルコール飲料102は、圧力下(例えば、ポンプで汲みだされる等)で、一つ以上の半透膜を有して成るROシステム202(例えば、システム200の一次脱水ステーション)へ移送される。半透膜は、HGアルコール飲料102から水分を除去するように作用し得る。ROシステム202によって除去された水は、一つ以上の半透膜の一方の側から、水パージ204タンク、あるいは流体ラインに集められてよい。いくつかの実施形態では、この水は再使用、リサイクル、あるいは梱包等されてよい。HGアルコール飲料102から水分を除去するにあたって、ROシステム202は、1つ以上の半透膜の他方の側にVHGアルコール飲料を供する。いくつかの実施形態では、このVHGアルコール飲料は16%以上22%以下のABVを有し得る。そして、このVHGアルコール飲料はFOシステム206(例えば、システム200における二次脱水ステーション)へ送り込まれてよく、これにより、例えば約24%~46%のABVを有するUHGアルコール飲料が生成する。いくつかの実施形態では、
図2と併せて説明されるFOシステム206は、まったく同じではなくとも、
図1と併せて説明されるFOシステム104と類似してよい。
【0022】
ある実施形態では、FOシステム206は、FOシステム206内の必要な(減じられる)浸透圧を供するため、駆動溶液を利用してよい。使用済み駆動溶液は、蒸留、あるいは次のROシステム210へ移送されるか、あるいは供されてよい。蒸留あるいはROシステム210は使用済み駆動溶液を脱水してよく、余分の水は第二水パージ212に引き抜かれてよい。蒸留あるいはROシステム210を出た駆動溶液は、次いでFOシステム206内へ再導入されてよい。いくつかの実施形態では、蒸留あるいはROシステム210とFOシステム206との間の、駆動溶液のこのリサイクルのプロセスは、
図1と併せて説明される駆動溶液のリサイクルのプロセス(例えば、ROシステム106とFOシステム104との間等)と同様、あるいは類似してよい。いずれにしても、第一水パージ204及び/あるいは第二水パージ212からのパージされた水は、再使用、リサイクル、移送、あるいは他の所へ向けられてもよい。
【0023】
図3は、本開示の実施形態に従う、アルコール飲料を脱水する方法300を示すフロー図である。ある実施形態では、方法300はHGアルコール飲料を受け取ることで始まる(ステップ302)。HGアルコール飲料102は、流入ストリームから供されるか、あるいはHGアルコール飲料102タンクからポンプで送り込まれるなどされてよい。ある実施形態では、例えば、HGアルコール飲料102は、アルコール飲料供給源から直接的にパイプラインを介して連続的に供給されてよい。いくつかの実施形態では、HGアルコール飲料102は、トラック、貨車(またはトロッコ、railcar)、パイプライン、オンサイト貯蔵庫(on-site storage)、あるいは他の槽(または容器、vessel)を介して受けられてよい。いくつかの場合では、HGアルコール飲料102は5%~14%のABVを有し得る。
【0024】
次に、HGアルコール飲料102は、流体ラインに従って一次脱水システムへ移送される(例えば、ポンプで送り込まれる、移動される等)。HGアルコール飲料102は、ROシステム202へ移送され、そのシステムにおいて、HGアルコール飲料102はVHGアルコール飲料へと変えられる(ステップ304)。例えば、ROシステム202はHGアルコール飲料102を別のストリームに分離する。当該ストリームは、VHGアルコール飲料ストリームと除去された水のストリームとを含んで成る。いくつかの実施形態では、水はROシステム202を介して除去され、第一水パージ204に集められてよい。上述で供されたように、この水は再使用、リサイクル、及び/あるいは梱包されてもよい。VHGアルコール飲料ストリームは、16%以上22%以下のABVを有し得る。
【0025】
方法300は、流体ラインに従ってVHGアルコール飲料をFOシステム206に移送すること(例えば、ポンプで送り込む、移動する等)によって継続する(ステップ306)。ステップ306では、VHGアルコール飲料及び駆動溶液は、それぞれUHGアルコール飲料及び使用済み駆動溶液に変えられる。このステップにより、16~22%のABVを有するVHGアルコール飲料の比重を、24~46%以上のABVを有するUHGアルコールの比重まで増加させることができる。VHGアルコール飲料のUHGアルコール飲料への変換は、まったく同じではなくとも、
図2のFOシステム206と併せて説明されるプロセスに類似してよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、使用済み駆動溶液は、FOシステム206へ再導入するため、新たな(またはフレッシュな、fresh)駆動溶液に変えられてもよい(例えば、蒸留及び/あるいはROシステム210を介して)(ステップ308)。特に、この工程によりシステムにおける水の効率的な使用が供され、余分な水を再使用、リサイクル、及び/あるいは梱包することが可能になる。
【0027】
上述のプロセス300は、ステップ302にHGアルコール飲料ストリームが供給される限り、及び使用済み駆動溶液/新たな駆動溶液が存在する限り、連続的にループされてよい。
【0028】
本開示の代表的なシステム及び方法を、脱水されるアルコール飲料(例えば、ビール、サイダー、発酵麦芽飲料等)及び同じものを作るための効率的なプロセスに関して説明した。しかしながら、本開示が不必要にわかりにくくなるのを避けるため、前述において、多くの既知の構造及びデバイスを省略している。この省略は、開示の特許請求の範囲の限定と解釈されるものではない。特定の詳細は、本開示の理解を供するために述べられる。しかしながら、本明細書で述べられる特定の詳細を超える種々の方法で本開示が実施され得るということは認識されるべきである。
【0029】
特定の一連の事象に関して、フローチャートによって論じ、図示してきた一方で、開示された実施形態、構成、及び態様の動作に実質的に影響を与えることなく、この一連の事象に変更、追加、及び省略が起こり得るということが認識されるべきである。
【0030】
本開示の多くの変更及び修正が用いられ得る。他のものを供することなく、本開示のいくつかの特徴に供することが可能であろう。
【0031】
また別の実施形態では、専用コンピュータ(special purpose computer)、プログラムされたマイクロプロセッサー(microprocessor)あるいはマイクロコントローラー(microcontroller)及び周辺集積回路素子(peripheral integrated circuit element(s))、ASICあるいは他の集積回路、デジタル信号プロセッサー(digital signal processor)、ディスクリート素子回路(または分離素子回路、discrete element circuit)等のハード・ワイヤード(hard-wired)の電子あるいはロジック回路、PLD、PLA、FPGA、PAL等のプログラムで制御される(programmable)ロジック・デバイス(logic device)あるいはゲート・アレイ(gate array)、専用コンピュータ、いずれかの相当する手段などと併せて、本開示のシステム及び方法が実行され得る。一般的に、本明細書で示される方法を実行できる、いずれかのデバイスあるいは手段は、本開示の種々の態様を実行するために用いられ得る。本開示に用いられ得る代表的なハードウェアには、コンピュータ、携帯型(または手持ちの、handheld)デバイス、電話(例えば、携帯、インターネット可能、デジタル、アナログ、ハイブリッド等)、ならびに当業者に知られている他のハードウェアが含まれる。これらのデバイスのいくつかは、プロセッサー(例えば、単一あるいは複数のマイクロプロセッサー)、メモリー、不揮発性ストレージ(または不揮発性記憶、nonvolatile storage)、インプット・デバイス、及びアウトプット・デバイスが含まれる。さらに、限定はしないものの、分散処理あるいは成分(あるいは要素、component)/オブジェクト(または物、object)分散処理、並列処理、あるいは仮想の機械(virtual machine)処理を含む、代替のソフトウェアの実行も、本明細書で述べた方法を実行するために構築され得る。
【0032】
また別の実施形態では、オブジェクトを用いたソフトウェア、または、様々なコンピュータあるいはワークステーション・プラットフォーム(workstation platforms)に利用され得る、移植可能な(またはポータブルな、portable)ソースコードを供するオブジェクト指向のソフトウェア開発環境を用いたソフトウェアと併せて、開示される方法が容易に実行され得る。代わりに、開示されるシステムは、標準ロジック回路(standard logic circuits)あるいはVLSI設計を用いるハードウェアにおいて、部分的、あるいは全体的に実行されてよい。本開示に従ってシステムを実行するために用いられるのがソフトウェアであろうとハードウェアであろうと、システム、特定の機能、及び、利用されている特定のソフトウェア、あるいはハードウェアのシステム、あるいはマイクロプロセッサーあるいはマイクロコンピュータのシステムにおける、速度及び/または効率の要求に依存する。
【0033】
本開示は、様々な実施形態、構成、及び態様において、本明細書において示し、説明したように、様々な実施形態、小結合(またはサブコンビネーション、subcombinations)、及びそれらの小集団(またはサブセット、subset)を含む、成分、方法、工程、システム、及び/あるいは装置を実質的に含んで成る。当業者は、本開示を理解した後、本明細書で開示されたシステム及び方法を構成、及び使用する方法を理解するだろう。本開示は、様々な実施形態、構成、あるいは態様において、例えば性能の改善、容易さの達成、及び/あるいは実行のコストの削減のために前記のデバイスあるいはプロセスが用いられた可能性のあるようなアイテムの非存在下を含む、様々な実施形態、構成、及びこれらの態様において、本明細書において示されていない、及び/あるいは説明されていないアイテム(または項目、品目、items)の非存在下におけるデバイス及びプロセスを供することを含んで成る。
【0034】
本開示の前述の説明により、図示および記述の目的が提示された。前述は、本開示を、本明細書で開示する形態あるいは複数の形態に制限することを意図するものではない。前述の詳細な説明において、例えば、本開示を合理化する目的のため、本開示の様々な特徴が一つ以上の実施形態、構成、あるいは態様にまとめられている。本開示の実施形態、構成、あるいは態様の特徴は、上述のもの以外の代替の実施形態、構成、あるいは態様と組み合わせてもよい。本開示のこの方法は、主張される本開示が、各特許請求の範囲において明示的に述べられたよりも多くの特徴を要求するという意図を反映すると解釈されるものではない。むしろ、後述の特許請求の範囲が反映するように、発明的な態様は、単一の前述の開示された実施形態、構成、あるいは態様の全ての特徴よりも少ないことにある。従って、後述の特許請求の範囲は本明細書によってこの詳細な説明に組み込まれ、各請求項は本開示の別の好ましい実施形態として、それ自身において独立している。
【0035】
さらに、本開示の記述には一つ以上の実施形態、構成、あるいは態様ならびに一定の変更及び修正が含まれるものの、本開示を理解した後(例えば、当業者の能力及び知識内にあり得る場合)、他の変更、組み合わせ、及び修正は本開示の範囲内である。特許可能な主題を公に示すことを意図することなく、代替する、交換可能な、及び/あるいは同等の構造、機能、範囲またはステップが本明細書に開示されようとされなかろうと、代替する、交換可能な、及び/または同等の構造、機能、範囲、またはステップを、主張されたそれらまでを含む、代替の実施形態、構成、あるいは態様を、許容される範囲までを含む権利を得ることを意図している。
【0036】
実施形態は、システムであって、
高比重アルコール飲料を受けて、高比重アルコール飲料よりも高いアルコール体積百分率(ABV)を有する超高比重アルコール飲料を生じる、逆浸透サブコンポーネント(または小成分、subcomponent);インプットとして超高比重アルコール飲料及び駆動溶液を受け、正浸透を介して、超高比重アルコール飲料よりも高いABVを有するウルトラ超高比重アルコール飲料及び使用済み駆動溶液を生じる、正浸透サブコンポーネント;ならびに、使用済みドロー溶液を処理し、逆浸透を介して、新らたな駆動溶液を生成する逆浸透システム
を有して成る、システムを含む。
【0037】
上述のシステムの態様は、新たな駆動溶液が脱水した使用済み駆動溶液に相当することを含む。上述のシステムの態様は、高比重アルコール飲料が実質的に5%~14%ABVであることを含む。上述のシステムの態様は、超高比重アルコール飲料が実質的に16%~22%ABVであることを含む。上述のシステムの態様は、ウルトラ超高比重アルコール飲料が実質的に24%~46%ABVであることを含む。上述のシステムの態様は、新たな駆動溶液がリサイクルされる駆動溶液として逆浸透サブコンポーネントへ送り込まれることを含む。上述のシステムの態様は、逆浸透サブコンポーネントが受けた高比重アルコール飲料から水分を除去すること、及びその水分が水パージタンクに貯められることを含む。上述のシステムの態様は、正浸透サブコンポーネントが高比重アルコール飲料と接する少なくとも一つの正浸透フィルター膜を有して成ること、及び少なくとも一つの正浸透フィルター膜が高比重アルコール飲料から水分を分離することを含む。
【0038】
実施形態は、方法であって、
高比重アルコール飲料よりも高いアルコール体積百分率(ABV)を含んで成る超高比重アルコール飲料を生成するための、高比重アルコール飲料の処理;超高比重アルコール飲料よりも高いABV百分率を含んで成るウルトラ超高比重アルコール飲料を生成するための、超高比重アルコール飲料の処理;
を含んで成り、
超高比重アルコール飲料をウルトラ超高比重アルコール飲料にする処理には駆動溶液を使用し、そこから使用済み駆動溶液を生成し、使用済み駆動溶液は、少なくとも一つの逆浸透あるいは蒸留によって駆動溶液に処理される、方法を含んで成る。
【0039】
上述の方法の態様は、高比重アルコール飲料の処理に先立って、方法が、連続的な送り込みストリームの一部として高比重アルコール飲料を受けることを含んで成る、ということを含む。上述の方法の態様は、超高比重アルコール飲料を生成するための高比重アルコール飲料の処理が、一次脱水ステーションへ高比重アルコール飲料を移送することを含んで成り、一次脱水ステーションが、高比重アルコール飲料を超高比重アルコール飲料ストリームと除去された水ストリームとに分離する、少なくとも一つの半透膜を有して成ることを含む。上述の方法の態様は、ウルトラ超高比重アルコール飲料を生成するための超高比重アルコール飲料の処理が、超高比重アルコール飲料ストリームを二次脱水ステーションに移送することを含んで成り、二次脱水ステーションが、超高比重アルコール飲料と接する少なくとも一つの正浸透フィルター膜を有して成り、ならびに、少なくとも一つの正浸透フィルター膜は、超高比重アルコール飲料ストリームから水分を分離する、ということを含む。上述の方法の態様は、高比重アルコール飲料が5%~14%のABVにおいて受けられることを含む。上述の方法の態様は、超高比重アルコール飲料ストリームが実質的に16%~22%ABVであることを含む。上述の方法の態様は、ウルトラ超高比重アルコール飲料が実質的に24%~46%ABVであることを含む。
【0040】
実施形態は、システムであって、
流体ラインに従って移送される高比重アルコール飲料;移送された高比重アルコール飲料を、受けた高比重アルコール飲料より高いアルコール体積百分率(ABV)を有する超高比重アルコール飲料ストリームと除去された水ストリームとを含んで成る別のストリームに分離する半透膜を有して成る逆浸透フィルター;ならびに、逆浸透フィルターを出る超高比重アルコール飲料ストリームと接する正浸透膜を有して成る正浸フィルター
を有して成り、
正浸透膜は、正浸透を介して、超高比重アルコール飲料ストリームから水分を分離し、超高比重アルコール飲料ストリームより高いABVを有するウルトラ超高比重アルコール飲料を生成する、システムを含んで成る。
【0041】
上述のシステムの態様は、超高比重アルコール飲料ストリームから分離した使用済み駆動溶液を含む水分を、逆浸透を介して、新たな駆動溶液に処理する逆浸透システムをさらに有して成り、新たな駆動溶液はリサイクルされ、超高比重アルコール飲料ストリームからさらなる水を分離するのに使用するため、逆浸透フィルターへ移送される。上述のシステムの態様は、高比重アルコール飲料が実質的に5%~14%ABVであること、超高比重アルコール飲料ストリームが実質的に16%~22%ABVであること、ウルトラ超高比重アルコールが実質的に24%~46%ABVであることを含む。上述のシステムの態様は、超高比重アルコール飲料ストリームから分離され、処理された水分が、新たな駆動溶液から分かれた別の流体ラインに移送される飲用水を含んで成ることを含む。上述のシステムの態様は、高比重アルコール飲料がビール、サイダー、あるいはアルコールの麦芽ベースであることを含む。
【0042】
態様/実施形態のいずれか一つ以上が本明細書で実質的に開示される。
【0043】
本明細書に実質的に開示されているいずれか一つ以上の他の態様/実施形態と任意に組み合わせて、態様/実施形態のいずれか一つ以上が本明細書に実質的に開示される。
【0044】
上述の態様/実施形態のいずれか一つ以上を実施するために適合される一つ以上の手段が、本明細書に実質的に開示される。
【0045】
「少なくとも一つ」、「一つ以上」、「または」、「及び/あるいは」という用語は、動作において接続的であって離接的でもある、制限しない表現である。例えば、「A、B及びCの少なくとも一つ」、「A、B、あるいはCの少なくとも一つ」、「A,B、及びCの一つ以上」、「A、B、あるいはCの一つ以上」、「A、B、及び/またはC」、ならびに「A、B、またはC」という表現は各々、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBを合わせて、A及びCを合わせて、B及びCを合わせて、またはA、B及びCを合わせて、ということを意味する。
【0046】
「a」あるいは「an」という語句の実体(または構成要素、entity)は、一つ以上のその実体を指す。したがって、「a」(あるいは「an」)、「一つ以上」及び「少なくとも一つ」という語句は、本明細書で互換的に用いられ得る。また、「有して成る」、「含んで成る(または含む、including)」、及び「有する」という語句も、互換的に用いられ得ることに留意されたい。
【0047】
「自動の(automatic)」及びその変形の用語は、本明細書で用いられる際には、処理あるいは動作が行われるに際して、主として、身体的な(または物質的な、material)人のインプットなしで実施される、連続的あるいは半連続的な、いずれかの処理あるいは動作を指す。しかしながら、処理あるいは動作に、身体的あるいは非身体的な(または非物質的な、immaterial)人のインプットが用いられたとしても、そのインプットが処理あるいは動作を実施する前に受けられるものであれば、その処理あるいは動作は自動であり得る。そのようなインプットが、処理あるいは動作が実行される方法に影響を与えるのであれば、人のインプットは身体的であると見なされる。処理あるいは動作の実行に同意する人間のインプットは、「身体的」であるとは見なされない。