(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-29
(45)【発行日】2022-04-06
(54)【発明の名称】電動弁及び電動弁の製造方法
(51)【国際特許分類】
F16K 31/04 20060101AFI20220330BHJP
F16K 1/32 20060101ALI20220330BHJP
【FI】
F16K31/04 Z
F16K1/32 B
(21)【出願番号】P 2020539039
(86)(22)【出願日】2018-05-17
(86)【国際出願番号】 CN2018087275
(87)【国際公開番号】W WO2019148692
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2020-07-15
(31)【優先権主張番号】201810094300.9
(32)【優先日】2018-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514239545
【氏名又は名称】浙江三花制冷集団有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲呂▼ ▲銘▼
(72)【発明者】
【氏名】支 建成
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ ▲達▼▲ 邁▼
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-518361(JP,A)
【文献】特開2017-203509(JP,A)
【文献】特開2013-130271(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/00-31/05
F16K 1/00- 1/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動弁であって、
第1流体ポートが含まれる弁本体を有する弁ボディ部材と、
前記弁ボディ部材に固定接続されており、第2流体ポートが含まれる弁座体を有する弁座部材と、
前記電動弁の弁室に設けられており、螺合するスクリュロッドとナットとを有する伝動部材と、
前記弁室に設けられ、弁体本体と下ストッパ部材とを有する弁体部材とを備え、
前記電動弁において、
前記弁体本体は略管状を呈して、前記弁体本体は一体構成であり、前記弁体本体は環状薄肉部を含み、
前記下ストッパ部材は前記弁体本体の内室に設けられ、前記下ストッパ部材は下ストッパ部を含み、前記下ストッパ部の上方には上室を含み、前記下ストッパ部の下方には下室を含み、前記下ストッパ部材は前記上室と前記下室に連通する第1軸方向通孔を含み、
前記ナットは前記上室に位置する径方向凸出部を含み、前記径方向凸出部が前記弁体部材の上ストッパ部と係合可能であり、前記ナットによって前記弁体部材を軸方向に沿って上に移動させ、前記環状薄肉部が前記弁座部材の封止部と当接しまたは分離でき、前記下ストッパ部が前記ナットの下端部と係合可能であ
り、
さらに前記弁室に設けられる弁体ガイド部材を含み、前記弁体ガイド部材が前記弁ボディ部材に固定接続されるガイドスリーブを含み、
前記弁体本体が縮径段と大径段とを含み、前記縮径段と前記大径段との間には第2軸方向通孔が含まれ、前記ナットが前記第2軸方向通孔を貫通するように配置され、前記縮径段の外壁と前記ガイドスリーブの内壁との間には収容空間が含まれ、封止ユニットが前記収容空間に設けられ、前記封止ユニットが前記縮径段の外壁と前記ガイドスリーブの内壁との間に設けられ、前記大径段の外壁が前記ガイドスリーブの内壁と隙間滑り嵌め、前記縮径段と前記大径段との間には遷移段が設けられ、前記封止ユニットが前記遷移段の上方に設けられ、前記遷移段の下端面部は前記上ストッパ部として形成されることを特徴とする電動弁。
【請求項2】
前記封止ユニットは前記縮径段の外周部に外挿される下位置制限部材と、上位置制限部材と、前記下位置制限部材と前記上位置制限部材との間に設けられる封止部材とを含み、前記下位置制限部材が前記遷移段の上端面部にラップし、前記上位置制限部材が前記縮径段に溶接固定され、または前記縮径段の上端部にかしめ圧着され係合され、前記封止部材は環状のスライドシートと前記スライドシートの外周部に嵌められる封止リングとを含むことを特徴とする請求項1に記載の電動弁。
【請求項3】
前記大径段の内壁は段階面が下向きである第1位置制限段階部を含み、前記下ストッパ部材は前記第1位置制限段階部に当接される下止め部材を含み、前記下止め部材が前記大径段の内壁に溶接固定され、前記下止め部材には前記第1軸方向通孔が開設され、前記下止め部材の上端面部は前記下ストッパ部として形成されることを特徴とする請求項1に記載の電動弁。
【請求項4】
前記ナットはさらに筒状の下延伸部を含み、前記下延伸部が収容室を有し、弾性部品の少なくとも一部が前記収容室に設けられ、前記弾性部品の一端が前記ナットに当接され、他端が前記下ストッパ部に当接され、前記環状薄肉部が前記封止部から分離すると、前記下延伸部の下端と前記下ストッパ部との間には軸方向の隙間があり、前記環状薄肉部が前記封止部に当接されると、前記下延伸部の下端が前記下ストッパ部に当接されることを特徴とする請求項3に記載の電動弁。
【請求項5】
前記弁座部材は前記弁ボディ部材に固定接続される弁座体と、前記弁座体に固定接続される弁座芯とを含み、前記弁座芯がプラスチック材質であり、前記弁座芯の上端面部は前記封止部として形成され、前記環状薄肉部の下端部が円弧構成であり、前記円弧構成の底端が前記封止部と当接しまたは分離することを特徴とする請求項1~4のいずれかの1項に記載の電動弁。
【請求項6】
前記大径段は前記ガイドスリーブと隙間滑り嵌めるガイド係合段と、前記ガイド係合段の下方に位置する前記環状薄肉部とを含み、前記環状薄肉部の外径が前記ガイド係合段の外径より大きく、前記環状薄肉部の内径が前記ガイド係合段の内径より大きく、前記ガイド係合段の外壁の、水平方向での投影が、前記円弧構成の底端が位置する環状線とほぼ重なることを特徴とする請求項5に記載の電動弁。
【請求項7】
前記弁体本体の前記ガイド係合段の外面から前記環状薄肉部の外面までの距離が0.5mmの以下であることを特徴とする請求項6に記載の電動弁。
【請求項8】
前記弁座部材は前記弁ボディ部材に固定接続される弁座体と、前記弁座体に固定接続される弁座芯とを含み、前記弁座芯がプラスチック材質であり、前記弁座芯の上端面部は前記封止部として形成され、前記環状薄肉部の下端部は、上が大きく、下が小さい円錐台構成であり、前記円錐台構成の下端面は環状封止平面として形成され、前記環状封止平面が前記封止部と当接しまたは分離できることを特徴とする請求項1~4のいずれかの1項に記載の電動弁。
【請求項9】
前記大径段は前記ガイドスリーブと隙間滑り嵌めるガイド係合段と、前記ガイド係合段の下方に設けられる前記環状薄肉部とを含み、前記環状薄肉部の外径が前記ガイド係合段の外径より大きく、前記環状薄肉部の内径が前記ガイド係合段の内径より大きく、前記ガイド係合段の外壁の、水平方向での投影が前記環状封止平面の中心環状線とほぼ重なることを特徴とする請求項8に記載の電動弁。
【請求項10】
前記弁体本体の前記ガイド係合段の外面から前記環状薄肉部の外面までの距離が0.5mmの以下であることを特徴とする請求項9に記載の電動弁。
【請求項11】
前記弁体本体はガイド係合段と前記環状薄肉部とを有し、前記ガイド係合段が直管状を呈して、前記電動弁はさらに前記弁室に設けられる前記弁体ガイド部材を含み、前記弁体ガイド部材が前記弁ボディ部材に固定接続される前記ガイドスリーブを含み、前記ガイドスリーブがガイド段と装着段とを含み、前記ガイド段の内壁と前記装着段の内壁とが略円筒状を呈して、前記ガイド段の内径が前記装着段の内径より小さく、前記装着段の内壁と前記ガイド係合段の外壁との間には前記収容空間が含まれ、前記封止ユニットが前記収容空間に設けられることを特徴とする請求項1に記載の電動弁。
【請求項12】
前記ガイド段と前記装着段とは段階面が下向きである第2位置制限段階部を形成し、前記封止ユニットは前記弁体本体の外周部に外挿される封止部材と、前記装着段の下端部にかしめ圧着され係合されまたは溶接固定される下位置制限部材とを含み、前記封止部材が前記第2位置制限段階部と前記下位置制限部材との間に設けられ、前記封止部材が環状のスライドシートと、前記スライドシートの外周部に外挿される封止リングとを含むことを特徴とする請求項11に記載の電動弁。
【請求項13】
前記下ストッパ部材は前記弁体本体の内壁に溶接固定される支持部材と、前記支持部材の上端部に当接される止め部材とを含み、前記止め部材には前記第1軸方向通孔が開設され、前記止め部材の上端面部は前記下ストッパ部として形成されることを特徴とする請求項11に記載の電動弁。
【請求項14】
前記支持部材は略管状を呈して、前記支持部材は金属材料を引っ張りまたはプレスすることで成形され、前記止め部材は略板状を呈して、前記支持部材の上端部と前記止め部材の下端部との間には支持環とフィルタとを含む濾過部材が装着され、前記支持環が外フランジング部と第3軸方向通孔付きの内凹部とを含み、前記外フランジング部の上端面が前記下ストッパ部材の下端面に当接され、前記外フランジング部の下端面が前記弁体本体の上端面に当接され、前記フィルタが前記第3軸方向通孔を貫通するように配置され、前記フィルタが前記下室と前記第1軸方向通孔に連通することを特徴とする請求項13に記載の電動弁。
【請求項15】
前記ナットはさらに前記上室に設けられる環状の下延伸部を含み、弾性部品は前記下延伸部の外周に設けられ、前記弾性部品の一端が前記径方向凸出部に当接され、他端が前記下ストッパ部に当接され、前記環状薄肉部が前記封止部と分離すると、前記下延伸部の下端と前記下ストッパ部との間には軸方向の隙間があり、前記環状薄肉部が前記封止部と当接すると、前記下延伸部の下端が前記下ストッパ部に当接されることを特徴とする請求項13に記載の電動弁。
【請求項16】
前記弁体部材はさらに前記弁体本体に溶接固定されまたはかしめ圧着され係合される上ストッパ部材を有し、前記上ストッパ部材の下端面部は前記上ストッパ部として形成され、前記上ストッパ部材が前記上室に連通する前記第2軸方向通孔を含み、または前記弁体本体が前記弁体本体の上端に沿って、径方向に延伸する横方向曲げ部を含み、前記横方向曲げ部の下端面部を前記上ストッパ部として、前記横方向曲げ部が前記上室に連通する前記第2軸方向通孔を含むことを特徴とする請求項11に記載の電動弁。
【請求項17】
前記弁座部材は前記弁ボディ部材に固定接続される弁座体と、前記弁座体に固定接続される弁座芯とを含み、前記弁座芯がプラスチック材質であり、前記弁座芯の上端面部は前記封止部として形成され、前記環状薄肉部の下端部が円弧構成であり、前記円弧構成の底端が前記封止部と当接しまたは分離できることを特徴とする請求項11~16のいずれかの1項に記載の電動弁。
【請求項18】
前記弁体本体は前記ガイドスリーブと隙間滑り嵌める前記ガイド係合段と、前記ガイド係合段の下方に設けられる前記環状薄肉部とを含み、前記環状薄肉部の外径と内径とがそれぞれ前記ガイド係合段の外径と内径より大きく、前記ガイド係合段の外壁の、水平方向での投影が、前記円弧構成の底端が位置する環状線とほぼ重なることを特徴とする請求項17に記載の電動弁。
【請求項19】
前記弁体本体の前記ガイド係合段の外面から前記環状薄肉部の外面までの距離が0.5mmの以下であることを特徴とする請求項18に記載の電動弁。
【請求項20】
前記弁座部材は前記弁ボディ部材に固定接続される弁座体と、前記弁座体に固定接続される弁座芯とを含み、前記弁座芯がプラスチック材質であり、前記弁座芯の上端面部は前記封止部として形成され、前記環状薄肉部の下端部は、上が大きく、下が小さい円錐台構成であり、前記円錐台構成の下端面は環状封止平面として形成され、前記環状封止平面が前記封止部と当接しまたは分離できることを特徴とする請求項12~17のいずれかの1項に記載の電動弁。
【請求項21】
前記弁体本体は前記ガイドスリーブと隙間滑り嵌める前記ガイド係合段と前記ガイド係合段の下方に設けられる前記環状薄肉部とを含み、前記環状薄肉部の外径と内径とがそれぞれ前記ガイド係合段の外径と内径より大きく、前記ガイド係合段の外壁の、水平方向での投影が前記環状封止平面の中心環状線とほぼ重なることを特徴とする請求項20に記載の電動弁。
【請求項22】
前記弁体本体の前記ガイド係合段の外面から前記環状薄肉部の外面までの距離が0.5mmの以下であることを特徴とする請求項21に記載の電動弁。
【請求項23】
前記弁座部材は前記弁ボディ部材に固定接続される弁座体と、前記弁座体に固定接続される弁座芯と、前記弁座芯に外挿される弁口シースとを含み、前記弁口シースが前記弁座芯と係合する筒部を含み、前記弁口シースの上端部が軸方向に沿って前記封止部より高くして、前記弁口シースの筒部の内縁壁と前記環状薄肉部の水平方向の投影の中心環状線との間の径方向の最短距離が2mmより小さいことを特徴とする請求項1~4及び11~16のいずれかの1項に記載の電動弁。
【請求項24】
電動弁の製造方法であって、以下のステップを有し、即ち、
S1:一体構成の中空の弁体本体を提供し、弁体本体が縮径段と大径段とを含み、縮径段と大径段との間には遷移段が含まれ、
S2:封止部付きの弁座芯と、金属材料から加工された弁座体、弁口シースを提供し、前記弁座体の上端面部には、前記弁座芯を装着するための、段階面が上向きである上段階部が加工され、前記弁座芯を前記上段階部に装着するとともに前記弁座体の上端にかしめ圧着し係合し、前記弁口シースの外壁を前記弁座体の内壁に固定し、
S3:ガイドスリーブを提供し、前記ガイドスリーブを弁本体に溶接固定することで第1組立ユニットを形成し、
S4:ナット、スクリュロッド、封止ユニット、弾性部品及び下ストッパ部材を提供し、前記封止ユニットを前記縮径段の外周部に外挿し、前記縮径段の上端を前記封止ユニットにかしめ圧着し係合し、前記ナットを前記弁体本体の内室に入り込ませるとともに前記ナットの螺合端を前記弁体本体から張り出させ、前記ナットの径方向凸出部が前記遷移段によって位置制限され、前記弾性部品が装着された後、前記下ストッパ部材を前記内室に装着し、そして、前記弁体本体と前記下ストッパ部材とを溶接固定することで第2組立ユニットを形成し、
S5:前記ナットと前記スクリュロッドとが螺合するように、前記第1組立ユニットに対して前記第2組立ユニットを下から上へ組み立て、
S6:前記弁本体を前記弁座体に溶接固定することを特徴とする電動弁の製造方法。
【請求項25】
前記下ストッパ部材は下止め部材を含み、前記ステップS1において、前記弁体本体は、金属材料を引っ張りまたはプレスし一体加工することで基体を形成するというステップを有し、前記弁体本体の上端部の外壁には段階面が上向きである上位置決め段階が加工され、前記封止ユニットは上位置制限部材を含み、前記上位置決め段階が前記上位置制限部材に当接されるために用いられ、前記弁体本体の内壁には段階面が下向きである第1位置決め段階部が加工され、前記第1位置決め段階部が前記下止め部材に当接されるために用いられることを特徴とする請求項24に記載の電動弁の製造方法。
【請求項26】
前記ステップS4において、前記ナットはプラスチック材料から射出成形され、前記ナットには径方向凸出部と、ほぼ前記径方向凸出部の下方に沿って下向きに延伸する下延伸部とが加工され、下延伸部には前記弾性部品を装着するための収容室が加工されることを特徴とする請求項24に記載の電動弁の製造方法。
【請求項27】
前記ステップS2において、前記弁座芯はプラスチック材料から加工され形成され、前記弁座芯は円環状を呈して、基部と前記基部より高くする突出部とを含み、前記突出部の外径が前記基部の外径より小さく、前記突出部の上端面部は前記弁座芯の封止部として形成され、
前記ステップS1において、前記弁体本体の前記大径段は、前記ガイドスリーブと隙間滑り嵌めるためのガイド係合段と、前記ガイド係合段の下方に位置する環状薄肉部とを含むことを特徴とする請求項24に記載の電動弁の製造方法。
【請求項28】
電動弁の製造方法であって、以下のステップを有し、即ち、
S1:一体構成の中空の弁体本体を提供し、弁体本体が縮径段と大径段とを含み、縮径段と大径段との間には遷移段が含まれ、
S2:封止部付きの弁座芯と、金属材料から加工された弁座体、弁口シースを提供し、前記弁座体の上端面部には、前記弁座芯を装着するための、段階面が上向きである上段階部が加工され、前記弁座芯を前記上段階部に装着するとともに前記弁座体の上端にかしめ圧着し係合し、前記弁口シースの外壁を前記弁座体に固定し、
S3:ガイドスリーブと封止ユニットを提供し、前記ガイドスリーブがガイド段と装着段とを含み、前記装着段の内壁と前記ガイド段の内壁との間が段階面が下向きである第2位置決め段階部を形成し、前記封止ユニットを前記第2位置決め段階部に装着した後、環状の下位置制限部材を前記装着段の下端にかしめ圧着しまたは溶接固定し、
S4:前記ステップS3の後、前記ガイドスリーブを弁本体に溶接固定することで第1組立ユニットを形成し、
S5:ナット、スクリュロッド、弾性部品及び下ストッパ部材を提供し、前記下ストッパ部材が支持部材と止め部材とを含み、前記ナットを前記弁体本体の内室に入り込ませるとともに、前記ナットの螺合端を前記弁体本体から張り出させ、前記ナットの径方向凸出部を前記弁体本体内に位置制限させ、その後、前記弾性部品を前記ナットに組み立て、その後、第1軸方向通孔付きの止め部材を前記弁体本体の内室に装着してから、前記支持部材を装着し、最後は、前記支持部材を前記弁体本体に溶接固定することで第2組立ユニットを形成し、
S6:前記ナットと前記スクリュロッドとが螺合するように、前記第1組立ユニットに対して前記第2組立ユニットを下から上へ組み立て、
S7:前記弁本体を前記弁座体に溶接固定することを特徴とする電動弁の製造方法。
【請求項29】
前記ステップS1において、前記弁体本体は薄肉状であり、前記弁体本体は金属材料を引っ張りまたはプレスして一体加工することで成形されることを特徴とする請求項28に記載の電動弁の製造方法。
【請求項30】
前記ステップS5において、前記ナットはプラスチック材料から射出成形され、前記ナットには、前記径方向凸出部と、ほぼ前記径方向凸出部の下方に沿って下向きに延伸する下延伸部とが加工され、前記弾性部品が前記下延伸部の外周部に外挿されることを特徴とする請求項28に記載の電動弁の製造方法。
【請求項31】
前記ステップS2において、前記弁座芯はプラスチック材料から加工され形成され、前記弁座芯は円環状を呈して、基部と前記基部より高くする突出部とを含み、前記突出部の外径が前記基部の外径より小さく、前記突出部の上端面部は前記弁座芯の封止部として形成され、前記ステップS1において、前記弁体本体の前記大径段は、前記ガイドスリーブと隙間滑り嵌めるためのガイド係合段と、前記ガイド係合段の下方に位置する環状薄肉部とを含むことを特徴とする請求項28に記載の電動弁の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2018年1月31日にて中国特許庁に提出され、出願番号が201810094300.9であり、発明名称が「電動弁及び電動弁の製造方法」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が援用されることで本出願に結合される。
本発明は流体制御という技術分野に関わり、具体的には電動弁及び電動弁の製造方法に関わる。
【背景技術】
【0002】
いくつかの空調、特に多連式などの業務用空調システムにおいて、複数の室内機に連通するための一つの室外機を必要とするから、各々室内機の冷媒回路にはいずれも、冷媒の切断または流量の大きさの調節のための電動弁が装着されなければならない。現在、電動弁の動作性能に対する要求がますます高くなるから、当業者は弁の動作性能を向上させるために、努力しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、弁の動作性能を向上させる電動弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に開示される電動弁は、第1流体ポートが含まれる弁本体を有する弁ボディ部材と、
前記弁ボディ部材に固定接続されており、第2流体ポートが含まれる弁座体を有する弁座部材と、
前記電動弁の弁室に設けられており、螺合するスクリュロッドとナットとを有する伝動部材と、
前記弁室に設けられ、弁体本体と下ストッパ部材とを有する弁体部材とを備え、
前記弁体本体は略管状を呈して、前記弁体本体は一体構成であり、前記弁体本体は環状薄肉部を含み、前記下ストッパ部材は前記弁体本体の内室に設けられ、前記下ストッパ部材は下ストッパ部を含み、前記下ストッパ部の上方には上室を含み、前記下ストッパ部の下方には下室を含み、前記下ストッパ部材は前記上室と前記下室に連通する第1軸方向通孔を含み、
前記ナットは前記上室に位置する径方向凸出部を含み、前記径方向凸出部が前記弁体部材の上ストッパ部と係合可能であり、前記ナットによって前記弁体部材を軸方向に沿って上に移動させ、前記環状薄肉部が前記弁座部材の封止部と当接しまたは分離でき、前記下ストッパ部が前記ナットの下端部と係合可能である。
【0005】
本発明により提供される電動弁において、弁体部材は弁体本体と下ストッパ部材とを含み、弁体本体が略管状を呈して、前記弁体本体は一体構成であり、前記弁体本体は環状薄肉部を含み、前記下ストッパ部材は前記弁体本体の内室に設けられ、前記下ストッパ部材は下ストッパ部を含み、前記下ストッパ部の上方には上室を含み、前記下ストッパ部の下方には下室を含み、前記下ストッパ部材は前記上室と前記下室に連通する第1軸方向通孔を含み、弁の動作性能を向上させる。
【0006】
本発明はさらに前記機能を有する電動弁の製造方法を提供し、以下のステップを有し、即ち、
S1:一体構成の中空の弁体本体を提供し、弁体本体が縮径段と大径段とを含み、縮径段と大径段との間には遷移段が含まれ、
S2:封止部付きの弁座芯と、金属材料から加工された弁座体、弁口シースを提供し、前記弁座体の上端面部には、前記弁座芯を装着するための、段階面が上向きである上段階部が加工され、弁座芯を前記上段階部に装着するとともに前記弁座体の上端にかしめ圧着し係合し、前記弁口シースの外壁を前記弁座体の内壁に溶接固定し、
S3:前記ガイドスリーブを提供し、前記ガイドスリーブを前記弁本体に溶接固定することで第1組立ユニットを形成し、
S4:ナット、封止ユニット、弾性部品及び下ストッパ部材を提供し、前記封止ユニットを前記縮径段の外周部に外挿し、前記縮径段の上端を前記封止ユニットにかしめ圧着し係合し、前記ナットが前記弁体本体の内室に入り込むようにするとともに、前記ナットの螺合端を前記弁体本体から張り出させ、前記ナットの径方向凸出部が前記遷移段によって位置制限され、前記弾性部品が装着された後、前記下ストッパ部材を前記内室に装着し、そして、前記弁体本体と下ストッパ部材とを溶接固定することで第2組立ユニットを形成し、
S5:前記ナットと前記スクリュロッドとが螺合するように、前記第1組立ユニットに対して前記第2組立ユニットを下から上へ組み立て、
S6:前記弁本体を前記弁座体に溶接固定する。
【0007】
本発明はさらに前記機能を有する電動弁の他の製造方法を提供し、以下のステップを有し、即ち、
S1:一体構成の中空の弁体本体を提供し、
S2:封止部付きの弁座芯と、金属材料から加工された弁座体、弁口シースを提供し、前記弁座体の上端面部には、前記弁座芯を装着するための、段階面が上向きである上段階部が加工され、弁座芯を前記上段階部に装着するとともに前記弁座体の上端にかしめ圧着し係合し、前記弁口シースの外壁を前記弁座体に溶接固定し、
S3:前記ガイドスリーブと前記封止ユニットを提供し、ガイドスリーブがガイド段と装着段とを含み、前記装着段の内壁と前記ガイド段の内壁との間が、段階面が下向きである第2位置決め段階部を形成し、前記封止ユニットを前記第2位置決め段階部に装着した後、環状の下位置制限部材を前記装着段の下端にかしめ圧着しまたは溶接固定し、
S4:前記ステップS3の後、前記ガイドスリーブを前記弁本体に溶接固定することで第1組立ユニットを形成し、
S5:ナット、弾性部品及び下ストッパ部材を提供し、前記下ストッパ部材が支持部材と止め部材とを含み、前記ナットが前記弁体本体の内室に入り込むようにするとともに、前記ナットの螺合端を前記弁体本体から張り出させ、前記ナットの径方向凸出部を前記弁体本体内に位置制限させ、その後、前記弾性部材を前記ナットに組み立て、その後、第1軸方向通孔付きの止め部材を前記弁体本体の内室に装着してから、前記支持部材を装着し、最後は、前記支持部材を前記弁体本体に溶接固定することで第2組立ユニットを形成し、
S6:前記ナットと前記スクリュロッドとが螺合するように、前記第1組立ユニットに対して前記第2組立ユニットを下から上へ組み立て、
S7:前記弁本体を前記弁座体に溶接固定する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施例または従来技術における技術案をより明らかに説明するために、以下は実施例または従来技術の記載にとって必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の記載における図面は本発明のいくつかの実施例のみであり、当業者にとって、進歩性に値する労働をしない前提で、これらの図面に応じて他の図面を取得し得る。
【
図1】本発明により提供される第1種の電動弁の、全開状態での構成模式図である。
【
図2】本発明により提供される第1種の電動弁の、全閉状態での構成模式図である。
【
図3】
図1に示される電動弁における弁ボディ部材の構成模式図である。
【
図4】
図1に示される電動弁の伝動部材の構成模式図である。
【
図5】
図1に示される電動弁のナットキットの立体図である。
【
図6】
図1に示される電動弁の弁座部材を軸方向接続管に固定した後の構成模式図である。
【
図6A】
図2におけるI
A部位の変形例の構成模式図である。
【
図7】
図1に示される電動弁の弁座体の構成模式図である。
【
図8】
図1における弁体シースの構成模式図である。
【
図9A】
図1における弁体部材の構成模式図である。
【
図10】
図1に示される電動弁の弁体ガイド部材と封止ユニットとが係合する構成模式図である。
【
図12】本発明により提供される第2種の電動弁の、開弁状態での構成模式図である。
【
図13】
図12に示される電動弁のナットと弁体部材とが係合した後の構成模式図である。
【
図14】本発明により提供される第3種の電動弁のナットと弁体部材とが係合する構成模式図である。
【
図15】
図14におけるスプリングシートをOリングに置き換えた後の構成模式図である。
【
図16】本発明により提供される第2種の電動弁の弁体本体の変形例の構成模式図である。
【
図17】
図9AのI
2における他の変形例の構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
当業者がよりよく本発明の方案を理解するために、以下は図面と具体的な実施形態を結合して本発明をさらに詳しく説明する。
【0010】
ここで説明しようとするのは、本明細書に関わる上と下などの方位用語は、部品が明細書の図面に示される位置にある際に定義され、ただ技術案を明らか且つ便利に表現するために用いられる。理解するように、本明細書が採用した方位用語は本出願の請求項の保護範囲を限定していない。
【0011】
本明細書に記載の「軸方向」は、紙面に沿う、上から下へまたは下から上への方向を指し、即ちロータ、弁体ガイド部材の軸方向に相当し、本明細書に記載の「径方向」は、軸方向に垂直する方向を指し、本明細書に記載「弁口を開放させまたは閉じる」ことは、弁口にある流体を、軸方向接続管と径方向接続管との間に流通させまたは流通させていないことを指す。説明しようとするのは、本明細書における「一体」は、二つまたは二つ以上の部品を組み合わせまたは固定することで形成されず、一つの部品から加工され形成されることを指す。本明細書に記載の「薄肉」は、肉厚が0.3mm~2.0mmの間にあることを指し、即ち、肉厚をMとして定義すると、0.3mm≦M≦2.0mmになる。
【0012】
本明細書に記載の「固定接続」は、二つの部品が直接的に固定接続されてもよく、二つの部品が他の部品を介して固定接続を実現し、即ち二つの部品が間接的に固定接続されてもよい。
【0013】
図1は本発明により提供される第1種の電動弁の、全開状態での構成模式図であり、
図2は本発明により提供される第1種の電動弁の、全閉状態での構成模式図であり、
図3は
図1に示される電動弁における弁ボディ部材の構成模式図であり、
図4は
図1に示される電動弁の伝動部材の構成模式図であり、
図5は
図1に示される電動弁のナットキットの立体図であり、
図6は
図1に示される電動弁の弁座部材を軸方向接続管に固定した後の構成模式図であり、
図7は
図1に示される電動弁の弁座体の構成模式図であり、
図8は
図1における弁体シースの構成模式図であり、
図9Aは
図1における弁体部材の構成模式図であり、
図9Bは
図9AのI
1における局所拡大図であり、
図9Cは
図9AのI
2における変形例の構成模式図であり、
図9Dは
図9CのI
3における局所拡大模式図であり、
図9Dは
図9CのI
3における局所拡大模式図であり、
図10は
図1に示される電動弁の弁体ガイド部材と封止ユニットとが係合する構成模式図であり、
図11Aは
図1における弾性部品の構成模式図であり、
図11Bは
図11Aにおける弾性部品の立体図である。
【0014】
図1~
図3に示すように、本技術案の電動弁は弁体部材10と、弁座部材20と、伝動部材30と、弁ボディ部材40と、ナットキット50と、弁体ガイド部材60とコイル部材70とを有する。弁ボディ部材40の外周部にはコイル部材70が設けられ、具体的には、コイル部材70が弁ボディ部材40の外周に外挿されるとともに、ホルダ44を介して弁ボディ部材40に固定接続される。
【0015】
弁ボディ部材40は、溶接を介して固定接続される弁本体41と弁カバー42とを含む。
【0016】
弁本体41は略筒状構成であり、具体的な加工過程で、加圧成形/プレス/圧延または押圧成形などの方法で製造され、加工プロセスが簡単で、且つ生産効率が高い。該弁本体41は略三段式であり、具体的には上筒部41aと、中筒部41bと下筒部41cとを含む。上筒部41aの外縁の直径が最小であり、中筒部41bの外縁の直径が上筒部41aの外縁の直径より大きい。下筒部41cの外縁の直径が相対的に最大であり、このような配置は、内部での機能部材の装着及び外部での部品の溶接装着をより便利にして、構成がよりコンパクトになる。下筒部41cの側壁には第1流体ポート401が開設され、径方向の接続管43が弁本体41の下筒部41cに溶接固定されるとともに第1流体ポート401に連通する。弁カバー42が弁本体41の中筒部41bの外壁に溶接固定され、弁本体41の上筒部41aが弁カバー内に入り込む。理解するように、弁カバー42は溶接ジョイントを介して間接的に弁本体41に固定されてもよい。以下の他の部材の溶接手段に対して、間接的な固定方法を採用してもよく、ここで贅言していない。また、理解するように、組立要求を満たす前提で、弁本体41に対して、中筒部41bと下筒部41cとの外縁の直径が一致する構成を採用してもよく、つまり、弁本体41が略二段式の構成であることに相当する。
【0017】
図1及び
図4に示すように、伝動部材30は弁室に設けられ、磁気ロータ34と、スクリュロッド31とナット32とを有する。スクリュロッド31が弁カバー42に対して軸方向の変位が生じていない。磁気ロータ34が弁カバー42内に設けられ、接続シート35を介してスクリュロッド31に固定接続され、ナット32の下端部が弁本体41内に入り込むとともにナット32とネジ係合する。大流量の電動弁において、スクリュロッド31とナット32との間は、非セルフロック螺合という方式を採用して、その利点は、係止などのリスクを避けることにある。
【0018】
磁気ロータ34、スクリュロッド31、弁ボディ部材40、コイル部材70の間は軸方向で相対的な変位が生じていないから、磁気ロータ34がコイル部材70の駆動力の作用で回転する場合に、スクリュロッド31が磁気ロータ34とともに周方向に回転し、スクリュロッド31の周方向の回転はさらにナット32の軸方向の移動に変換されることで、電動弁を開放させまたは閉じるように、ナット32が弁体部材10を軸方向に沿って上下に移動させる。
【0019】
スクリュロッド31と弁ボディ部材40とが軸方向で相対的な変位が生じていなく、磁気ロータ34がスクリュロッド31に固定接続されるから、磁気ロータ34、スクリュロッド31、弁ボディ部材40、コイル部材70の間は軸方向で相対的な変位が生じていなく、作動過程で、コイル部材70の駆動力が弁体部材(以下を参照)の軸方向の移動に連れて変化することがなく、同じ大きさの弁口に対して、より小さいサイズのモータを利用し得て、製品の小型化に寄与する。
【0020】
ナット32はスクリュロッド31の回転を軸方向の移動に変換することで弁体部材10を軸方向に移動させるように確保するために、
図1及び
図5に示すように、弁本体41とナット32との間には、ナット32は周方向の回転が生じることを制限するためにナット32と係合するナットキット50が配置され、ナットキット50が弁本体41に溶接固定される。ナット32の、ナットキット50と係合する部位の外周壁は、横断面が非円形である柱状構成である。ナットキット50は、ナット32と係合し、ナット32の回転を制限するためのナット制限部51と、弁体部材10の上向きの移動ストロークを制限するための弁体制限部52とを有し、ナット32は弁体部材10を軸方向に沿って上に弁体部材10に移動させ、弁体制限部52に当接させた後、続いて上向きに移動させることができない。具体的には、ナットキット50は金属板材、例えば鋼材をプレスしカールすることで製造され、筒形部55と前記筒形部55の下端部から外部に折り曲げられることで形成される平板部56とを含み、筒形部55の内壁が少なくとも一つの軸方向平面部58を含む。平面部58とナット32の外縁部とが係合することで、ナット32の周方向の回転を制限する。本技術案において、筒形部55の内壁の横断面は略四角形の構成であり、四角形の四つの辺の間は円弧の遷移であり、即ち、本具体的な技術案において、四つの平面部58を配置することでナット32の周方向の回転を制限する。本具体的な実施例において、ナットキット50の平板部56を弁本体41の中筒部の内縁に溶接することで、全体の構成を簡単にする。ナットキット50は筒形部55と平板部56をそれぞれ加工して、両者を溶接固定するという方式で形成されてもよい。平板部56は弁体制限部として、弁体部材10の、軸方向に沿って上向きに移動する最大のストロークを制限する。即ち、構成が簡単である一つのナットキット50によって、ナット32の周方向の回転の防止、及び弁体部材10に対する軸方向の位置制限という二重機能を実現する。
【0021】
図1、
図6及び図7に示すように、弁座部材20を弁本体41の下開口部に溶接固定するとともに弁室416を形成する。弁座部材20は弁座体21と、弁座芯22と弁口シース24とを含む。弁座体21は軸方向で貫通し、その上端が弁口200を含み、その下端が第2流体ポート201を含む。弁座体21の外壁には、段階面が弁本体41の下筒部41cに向かう外段階部213が設けられ、弁本体41の下筒部41cが外段階部213の段階面に当接されるとともに、溶接によって固定される。
【0022】
弁座体21は略環状構成であり、その内壁には、段階面が上向きである上段階部211が設けられ、弁座芯22は上段階部211に設けられており、弁座芯22は弁体部材と係合する封止部222を含む。具体的には、弁座芯22は非金属軟性材料、例えばプラスチック材料から製造され、金属から製造される(本実施例において鋼板である)弁体部材10との間の封止性能を容易に保証する。弁座芯22は弁口シース24に外挿され、中部通孔付きの略「凸」字形を呈して、その横断面が円環状を呈して、弁座芯22は基部221と、前記基部221の上端面に対して上に延伸する突出部220とを含み、突出部220の外径が基部221の外径より小さく、突出部220の上端面は封止部222として形成される。突出部220と基部221とが段階部を形成し、段階部には弁口押圧片25が設けられ、弁座体21を加工する際に、弁座体21の上端部には凸起部214が加工される(
図7に示される凸起部214はかしめ圧着される前の状態である)。製品を組み合わせる場合に、凸起部214をかしめ圧着することで、弁口押圧片25を弁座芯22の段階部に当接させ、弁座芯22の装着と位置決めを実現する。弁口シース24が弁座芯22の内側に設けられ、弁口押圧片25とともに、弁座芯22の装着と位置決めをさらに保証する。
【0023】
本技術案において、弁座体21の内壁にはさらに、段階面が下向きである下段階部212が設けられる。
図1、
図6及び
図8に示すように、弁口シース24は環状の薄肉筒部材であり、筒部243とフランジングを介して形成されたフランジ部244とを含み、フランジ部244が下段階部212の内底面に当接され、軸方向接続管23の端部がフランジ部244に当接されるとともに第2流体ポートに連通する。軸方向接続管23が溶接を介して弁座体21に固定される。説明しようとするのは、弁口シース24は両体の構成であってもよく、即ち、筒部243とフランジ部244とは二つの部品であり、溶接などの形態で固定接続される。
【0024】
図6と
図8に示すように、本技術案において、弁口シース24の筒部243の、上段階部211の内底面に対応する位置には、バランス通路として、弁口シース24の内室に連通するバランス孔241が設けられる。このような配置の目的は以下の通り、即ち、電動弁の作動過程で、弁座芯22の底部と弁座体21の上段階部211の段階面との間には一部の媒体が入るとともに残存し、電動弁の開弁/閉弁の時、圧力が瞬間に変化することで、媒体が瞬間に気化するなどの異常の変動衝撃を発生させ、弁座芯22を弁座体21から離脱させ、製品の失効を招致する恐れがあり、バランス孔241の開設によって、弁座芯22の底部の媒体が軸方向接続管23の内室に連通するように保持し、前記状況の発生を避ける。
【0025】
本技術案における弁座部材は、各々部品の装着係合がコンパクトで、互いの位置精度を保証し得て、工程が簡単であり、製品の確実性が強い。
【0026】
弁室416には、弁座部材20と接触しまたは分離する弁体部材10が設けられ、伝動部材30によって弁体部材10と弁座部材20との接触しまたは分離を制御することで、電動弁を開放させまたは閉じる。
【0027】
図1及び
図9Aに示すように、弁体部材10は弁体本体11と下ストッパ部材とを含む。弁体本体11が略管状を呈して、ここでの管状は、弁体本体11の内部が軸方向で貫通する構成を呈することを指し、即ち、組み立てられる前に、弁体本体11は中空構成である。弁体本体11は一体構成であり、金属材料を一体として引っ張りまたはプレスすることで成形され、その上端が第2軸方向通孔115を含み、その下端が下開口部116を含み、具体的には、弁体本体11は溶接鋼管を一体としてプレスしまたは鋼板を一体として引っ張ることで形成され、加工プロセスが簡単であり、コストを節約し、重量が軽い。弁体本体11は環状薄肉部112を含み、環状薄肉部112が弁座部材20の封止部222に当接されると、 第2流体ポートが第1流体ポート401に連通していなく、環状薄肉部112と封止部222とが分離すると、第1流体ポート401が第2流体ポート201に連通する。具体的には、弁口200を開放させまたは閉じるように、環状薄肉部112の下端部100が弁座芯22と当接しまたは分離する。環状薄肉部112の配置によって、流体が早めに弁体本体11と弁座部材20との間に流して、弁体部材10が受けた差圧を
減少させ、弁の動作性能を向上させる。
【0028】
下ストッパ部材は弁体本体11の内室101に設けられるとともに、弁体本体11に対して軸方向で変位が生じていなく、下ストッパ部材の下ストッパ部の上方が上室2を含み、下ストッパ部の下方が下室3を含む。例えば下ストッパ部が内室101を上室2と下室3に区画し、下ストッパ部材は支持部材17と止め部材18とを有する。支持部材17は上下が開口する円筒状の構成であり、金属材料を引っ張りまたはプレスすることで成形され、本実施例において、具体的には、溶接鋼管をプレスしまたは鋼板を引っ張り成形されることで一体加工され形成される薄肉円筒状である。支持部材17は弁体本体11の内壁に溶接固定される。止め部材18は第1軸方向通孔4付きの板状構成であり、支持部材17によって間接的に支持されるように弁体本体11内に設けられるとともに、支持部材の上端部に当接され、止め部材18の上端面部は前記下ストッパ部181として形成される。第1軸方向通孔4が上室2と下室3に連通する。支持部材17と止め部材18との加工も材料を節約し、加工プロセスが簡単で、重量が軽い。且つ、支持部材17が弁体本体11の内壁に溶接された後、止め部材18が支持部材17の上端面部に取り付けられればよく、溶接の必要がなくなり、組立が便利になる。
【0029】
本技術案において、弁体部材10はさらに上ストッパ部材14を含み、具体的には、上ストッパ部材14が金属ガスケットとして設計され、上ストッパ部材14が弁体本体11にカシメ接続されまたは溶接固定され、上ストッパ部材14と止め部材18との間には前記上室2が形成され、ナット32の径方向凸出部321が上室2に位置制限される。この場合、上ストッパ部材14の下端面部は、ナット32の径方向凸出部321に当接される上ストッパ部121とする。上ストッパ部材14と弁体本体11という二つの部品が係合する形態を利用する場合に、弁体本体11は溶接鋼管から加工され、材料コストを節約する。
【0030】
さらに説明しようとするのは、上ストッパ部材14を単独に配置しなくてもよく、弁体本体11の上端部が径方向に沿って延伸する横方向曲げ部として形成さればよく、横方向曲げ部の下端面部を上ストッパ部として、横方向曲げ部の内縁を上室に連通する第2軸方向通孔として形成してもよく、例えば、金属材料を引っ張りまたはプレスすることで一体成形され、このように、加工プロセスはより簡単になる。
【0031】
説明しようとするのは、本技術案において、「止め部材18は支持部材17によって間接的に支持される」ことは、止め部材18と支持部材17とは直接的に接触していないと指す。本技術案において、弁体部材10にはさらに、弁内の流体における不純物を濾過するための一つの濾過部材13が含まれる。濾過部材13が支持部材17の上端部と止め部材18の下端部との間にラップし、濾過部材13がフィルタ131とフィルタ131を装着するための支持環132とを含む。支持環132が外フランジング部1321と第3軸方向通孔5付きの内凹部1322とを含む。外フランジング部1321の上端面部が止め部材18の下端面部と支持部材17の上端面部に当接され、フィルタ131が第3軸方向通孔5を貫通するように配置され、フィルタ131が下室3と第1軸方向通孔4に連通する。理解するように、濾過部材13が配置されていない場合に、止め部材18が支持部材17によって直接的に支持されてもよい。
【0032】
弁体部材10はさらに弁体本体11の下開口部116と、下室3と、止め部材18の第1軸方向通孔4と、上室2と、弁体本体11の第2軸方向通孔115とを含むバランス流路を有する。バランス流路の配置は、弁体部材10の上下の圧力のバランス、及び弁体部材10の軸方向の移動過程で受けた圧力差に対する軽減に寄与する。
【0033】
前記ナット32はプラスチック材料から射出成形され、その一端が上室に入り込み、他端が上室2から張り出し、ナット32は第2軸方向通孔115に対して軸方向に移動し、ナット32と第2軸方向通孔115の孔壁との間には大きい隙間があり、ナット32は上室2の径方向凸出部321に位置して、径方向凸出部321が弁体部材10の上ストッパ部121と係合することで、ナット32は弁体部材10を下記のガイドスリーブの軸方向に沿って上に移動させる。ナット32は弁体部材10を上向きに弁体部材10までに移動させ、ナットキット50の弁体制限部52に当接させると、電動弁が全開状態にある。ナット32は下に移動すると、径方向凸出部321が上ストッパ部21を支持するから、弁体部材10が自身重力の作用で、下向きに移動し、これによって、環状薄肉部112の下端部100が弁座芯22の封止部222に当接される。弁が全閉になると、ナット32の下向きの移動を制限するように、ナット32の下端部が下ストッパ部181と係合する。
【0034】
図1及び
図10に示すように、弁体部材10の、ナット32とともに軸方向に移動する過程で軸方向のずれが生じていないように保証するために、弁室416内において、弁体部材10の外周部には、弁ボディ部材40に固定接続されるとともに弁体部材10をガイドするための、弁本体41の中筒部41bの内縁に溶接固定される弁体ガイド部材60が設けられる。弁体ガイド部材60がガイドスリーブ61を含む。
【0035】
具体的に配置する場合に、ガイドスリーブ61は上が小さく、下が大きい略筒状の構成であり、ガイドするように弁体部材10と隙間滑り嵌めるガイド段612と、ガイド段612の下方に位置する装着段613とを含み、ガイド段612と装着段613との内壁が略円筒状を呈する。ガイド段612の内径が装着段613の内径より小さい。具体的には、ガイド段612の内壁65がガイド面として、具体的に弁体部材10をガイドする。装着段613の内壁と弁体本体11の外壁との間には封止ユニットを収容するための収容空間1が含まれる。封止ユニットが弁体本体11の外周部に外挿されるとともに、装着段613の内壁と弁体本体11の外壁との間に設けられる。封止ユニットが封止部材と下位置制限部材64とを含む。封止部材が環状のスライドシート63と、スライドシート63の外周部に外挿される封止リング62とを含む。具体的には、ガイド段612と装着段613との間には、段階面が下向きである第2位置決め段階部611が形成され、下位置制限部材64が装着段613の下端部にかしめ圧着され係合されまたは溶接固定され、封止部材が第2位置決め段階部611を介して位置決めされるとともに、軸方向に下位置制限部材64を介して軸方向で第2位置決め段階部611と下位置制限部材64との間に位置制限され、本具体的な技術案において、下位置制限部材64が具体的にガスケットである。
【0036】
図1及び
図9A~9Bに示すように、前記技術案に基づき、閉弁際の封止性能を向上させるために、環状薄肉部112の下端部100は円弧の構成として設計されてもよい。且つ、さらに、弁体本体11は上が細く、下が粗い構成として設計され、ガイドスリーブ61と隙間滑り嵌める直管状のガイド係合段1111と、ガイド係合段1111の下方に設けられる前記環状薄肉部112とを含み、環状薄肉部112の外径と内径とがそれぞれガイド係合段1111の外径と内径より大きく、さらに、封止ユニットと弁体本体11のガイド係合段1111との封止部位の直径をD1として定義し、D1が弁体本体11のガイド係合段1111の外径である。環状薄肉部112の下端部100は
図9Bに示される円弧構成であり、円弧構成の底端102が弁座芯22と係合し封止され、円弧構成の底端102が位置する円環の直径をD2として定義し、弁体本体11の外壁の直径をD1として定義し、D1がD2と等しくまたはほぼ等しくなるように設計され、即ち、弁体本体11の外壁の、水平方向での投影が前記円弧の底端が位置する環状線とほぼ重なり、これは、弁体部材10の、流体から受けた圧力差をなるべく小さくして、開弁と閉弁の動作がより順調になり、開弁と閉弁を便利にして、弁の動作の確実性をさらに向上させることを目的とする。
【0037】
代用案として、
図9C及び
図9Dに示すように、環状薄肉部112の下端部100の下端は、
図9Dに示され、弁口200方向に向かって直径がだんだん小さくなる(即ち上が大きく、下が小さい)円錐台式の構成であってもよく、それは弁座芯22と当接しまたは分離する環状封止平面102’を有する。ガイド係合段1111の外壁の、水平方向での投影が前記環状封止平面102’の中心環状線とほぼ重なる。即ち、弁体本体11の外壁の、環状封止平面102’での投影を封止リングX’、その直径をD3、環状封止平面102’の外環状線yの直径をD4、内環状線Zの直径をD5として定義すると、D3がD4-D5後の2分の1と等しくまたはほぼ等しく、即ち、D3=(D4-D5)/2、またはD3≒(D4-D5)/2であり、弁体部材10の、流体から受けた圧力差を小さく、開弁と閉弁の動作がより順調になり、開弁と閉弁を容易にするという作用も果たす。
【0038】
他の代用案として、弁体本体11の前記ガイド係合段1111の外面から環状薄肉部112の外面までの距離が、0.5mmの以下である。
図17に示すように、ガイド係合段1111の外面から環状薄肉部112の外面までの距離はサイズaとして示され、該距離a≦0.5mmであり、このような配置によって、弁体本体11のガイド係合段1111の外面と環状薄肉部112の外面との間に遷移形成された環状の面積が相対的に小さくて、外側差圧がより小さくなるほど(差圧=環状面積*圧力差)、弁の動作性能をさらに向上させる。
【0039】
また、本実施例の電動弁は、弁口シースに対して変更設計を行っても良い。
図6Aは
図2におけるI
A部位の変形例の構成模式図である。
図6Aに示すように、弁口シース24’の筒部243’の上端部が、軸方向で弁座芯22の封止部222より高くすることを示し、環状薄肉部112の水平方向での投影の中心環状線と筒部243’の内縁壁との間の径方向の最短距離Hが2mmより小さい。環状薄肉部112の水平方向での投影が円環形を呈して、中心環状線から、該投影の内辺と外辺までの距離が等しい。弁口シース24’が軸方向に沿って弁座芯22の封止部222より高くするから、弁体部材10の環状薄肉部112が弁座芯22の封止部222から離脱して弁口200を開放させる瞬間で、その弁口シース24’における封止部222より高くする部分が高圧流体の瞬間衝撃を阻止し、開弁の過程を安定にする。また、前記径方向の最短距離Hが2mmより小さくするように制御することも、高圧流体の環状薄肉部112に対する瞬間衝撃を緩めて、開弁の過程を安定にする。
【0040】
該電動弁は双方向流通を実現し、流体が径方向接続管43から流入し、軸方向接続管23から流出してもよく、軸方向接続管23から流入し、径方向接続管43から流出してもよい。
【0041】
以下は、流体が径方向接続管43から流入し、軸方向接続管23から流出することを例として説明する。磁気ロータ34が電磁コイルの駆動で、時計回りに回転してもよく、反時計回りに回転してもよく、これによって、ナット32を軸方向に沿って上下に移動させる。磁気ロータ34が時計回りに回転する際に、弁体部材10が弁口200に向かって移動し、磁気ロータ34が反時計回りに回転する際に弁体部材10が弁口200から離れて移動するように配置される。
図1及び
図2に示すように、電動弁が
図1に示される全開状態にある場合に、弁体部材10が弁体制限部52の制限のため、続いて軸方向に沿って上に移動することができず、コイル部材70に通電することで、磁気ロータ34を時計回りに回転させ、磁気ロータ34の周方向の回転がスクリュロッド31の回転を介してナット32の軸方向の移動に変換され、これによって、環状薄肉部112の下端部100が弁口200を閉じて、即ち、電動弁が
図2に示される状態にあるまでに、ナット32が弁体部材10を下に移動させる。弁を開放させようと、コイル部材70に通電することで、磁気ロータ34を反時計回りに回転させ、ナット32の径方向凸出部321が弁体部材10の上ストッパ部121に当接され、これによって、弁体部材10がナットキット50の弁体制限部52に当接され、
図1に示される弁の全開状態になるまでに、ナット32が弁体部材10を軸方向に沿って上向きに移動させる。
【0042】
前記電動弁の動作過程で、電動弁の電気を遮断した後、磁気ロータのトルクがスクリュロッド31を介してナット32と弁体部材10に伝達されることで、弁体部材10の位置を保持するように弁を閉じる。ただし、電動弁の実際の作動で、振動などの原因で、スクリュロッド31とナット32との伝動のネジスリップを招致し、スクリュロッド31からナット32と弁体部材10に伝達されるロック力が失効になり、弁を効果的に閉じることができず、漏れ問題に繋げる。
【0043】
そのため、さらなる設計で、
図1、
図4及び
図11A、
図11Bに示すように、本技術案の電動弁において、ナット32がさらに上室2内に設けられるとともに、ほぼ径方向凸出部321の下方に沿って下向きに延伸する環状の下延伸部322を有する。ナット32と止め部材18との間には弾性部品33が設けられ、弾性部品33が下延伸部322の外周に外挿される。弾性部品33の一端が径方向凸出部321に当接され、他端が下ストッパ部181に当接される。環状薄肉部112が封止部222から分離する際に、下延伸部322の下端と下ストッパ部181との間には軸方向の隙間がある。閉弁状態で、環状薄肉部112が封止部222に当接された後、下延伸部322の下端が下ストッパ部181に当接され、前記漏れを招致し得る状況があれば、弾性部品33の弾力も弁体部材10を弁座芯22にしっかりと押し付けて、弁口200を閉じるように確保し、漏れを防止し得る。本技術案における弾性部品は、具体的には
図11Aと
図11Bに示されるスプリングシート33であり、無論、弾性部品は、具体
的には以下の実施例2における
図14に示される圧縮スプリングであってもよく、圧縮スプリングとして配置される場合に、ナット32の構成に対して、相応的に実施例2におけるナット32Aとして変更設計される。また、弾性部品は、具体的には以下の実施例2における
図15に示されるOリングであってもよく、前記機能を実現すればよい。
【0044】
以下は本実施例の電動弁の製造方法に対して例を挙げて説明し、
S1:一体構成の中空の弁体本体11を提供し、
S2:封止部222付きの弁座芯22と、金属材料から加工された弁座体21、弁口シース24を提供し、弁座体21の上端面部には弁座芯を装着するための、段階面が上向きである上段階部211が加工され、弁座芯22を上段階部211に装着するとともに弁座体21の上端にかしめ圧着し係合し、弁口シース24の外壁を弁座体21に溶接固定し、
S3:ガイドスリーブ61と封止ユニットを提供し、装着段613の内壁とガイド段612の内壁とは、段階面が下向きである第2位置制限段階部611を形成し、封止ユニットを第2位置制限段階部611に装着し、その後、環状の下位置制限部材64をガイドスリーブ61の下端にかしめ圧着し溶接固定し、
S4:ステップS3の後、ガイドスリーブ61を弁本体41に溶接固定することで、第1組立ユニットを形成し、
S5:ナット32、上ストッパ部材14、弾性部品33及び下ストッパ部材を提供し、下ストッパ部材が支持部材17と止め部材18とを含み、上ストッパ部材14を弁体本体11に溶接固定し、その後、ナット32が弁体本体11の内室101に入り込み、ナット32の螺合端を弁体本体11から張り出させ、ナット32の径方向凸出部321が上ストッパ部材によって位置制限され、その後、弾性部材33をナット32の下端部の外周の外に配し、その後、第1軸方向通孔4付きの止め部材18を弁体本体の内室に装着してから、支持部材17を装着し、最後は、支持部材17を弁体本体11に溶接固定することで第2組立ユニットを形成し、
S6: 第1組立ユニットに対して第2組立ユニットを下から上へ組み立て、ナット32をスクリュロッド31に螺合し、
S7:弁本体41を弁座体21に溶接固定し、
S8:接続シート35を介してロータ41をスクリュロッド31の上端に固定接続し、
S9:弁本体41を弁カバー42に溶接固定し、
S10: ホルダ44を介してコイル部材70を弁カバー42の外周部に固定する。
【0045】
説明しようとするのは、該S1~S7ステップの符号は各ステップの間の順序関係を示していなく、本実施例の電動弁の製造を実現すれば、各々ステップの間の関係を調整し得る。
【0046】
図12は本発明により提供される第2種の電動弁の、開弁状態での構成模式図であり、
図13は
図12に示される電動弁のナットと弁体部材とが係合する構成模式図である。
【0047】
記載を便利にするために、本実施例では、前記実施例の構成と同様な部品に対して同じ参照符号を利用する。
【0048】
図12及び
図13に示すように、本技術案の電動弁は弁体部材10Aと、弁座部材20と、伝動部材30Aと、弁ボディ部材40と、ナットキット50Aと、弁体ガイド部材60Aとコイル部材70とを有する。
【0049】
本技術案において、弁座部材20、弁ボディ部材40、ナットキット50A、コイル部材70、伝動部材30Aのスクリュロッド31、磁気ロータ34、環状薄肉部112Aの下端部100及び
図6Aに示される弁口シースの内壁と環状薄肉部との間の距離関係などについて、実施例1に関する文字説明及び関する図面を参照して理解し、且つ本実施例に適用すればよく、ここで、その具体的な構成に対して繰り返して説明していない。本実施例の弁体部材10Aと弁体ガイド部材60Aとは、実施例1における構成と異なり、相応的には、封止ユニットと弁体ガイド部材60A、弁体部材10Aとの間の係合形態も変更する。
【0050】
図面に示すように、本技術案において、弁体部材10Aをガイドする弁体ガイド部材60Aは略円筒状の構成であり、弁本体41の中筒部41bの内縁に溶接固定されるガイドスリーブ61Aを含む。
【0051】
弁体部材10Aはガイドスリーブ61Aの内室で、軸方向に沿って上下に移動し、ガイドスリーブ61Aの内壁と隙間滑り嵌める。弁体部材10Aは環状薄肉部112Aを含み、弁体部材10Aの軸方向の移動を制御することで、環状薄肉部112Aと弁座部材20の封止部との接触または分離を制御し、これによって、電動弁を開放させまたは閉じる。
【0052】
本実施例における弁体部材10Aは弁体本体11Aと、弁体本体11A内に設けられる下ストッパ部材とを含み、弁体本体11Aが略中空の管状を呈して、一体構成であり、弁体本体11Aは金属材料を一体として引っ張りまたはプレスすることで成形されており、上開口部と下開口部116Aとを有し、具体的には、弁体本体11Aが溶接鋼管をプレスしまたは鋼板を引っ張ることで成形され、加工プロセスが簡単で、コストを節約し、重量が軽い。
【0053】
弁体本体11Aは縮径段110Aと、ガイドスリーブ61Aの内壁と隙間滑り嵌める大径段111Aとを含み、大径段111Aの内径と外径とがそれぞれ縮径段110Aの内径と外径より大きい。大径段111Aと縮径段110Aとの間には第2軸方向通孔115Aが含まれる。大径段111Aがガイドスリーブ61Aの内壁と隙間滑り嵌めるガイド係合段1111Aと、ガイド係合段の下方に設けられる環状薄肉部112Aとを含み、環状薄肉部112Aの内径と外径とがそれぞれ大径段111Aの内径と外径より大きく、環状薄肉部112Aの下端部100が弁座芯22の封止部222と当接しまたは分離し、当接すると、第2流体ポート201が第1流体ポート401に連通していなく、分離すると、第2流体ポート201が第1流体ポート401に連通する。縮径段110Aと大径段111Aとの間には遷移段121Aが形成され、遷移段121Aの下端面部は上ストッパ部として形成され、縮径段110Aの上端には、封止ユニットをかしめ圧着し固定するためのかしめ圧着部114Aが形成される(
図13に示されるのは、かしめ圧着部114Aのかしめ圧着される前の状態である)。
【0054】
ガイド係合段1111Aの内壁は、段階面が下向きである第1位置決め段階部1113Aを含み、下ストッパ部材は大径段111Aの内壁に溶接固定される板状の下止め部材18Aを含み、下止め部材18Aは第1軸方向通孔4Aを含み、下止め部材18Aの上端面は下止め部181Aとして形成される。下止め部材18Aの上端が第1位置決め段階部1113Aの段階面に当接されるとともに、ガイド係合段1111Aの内壁に溶接固定される。下止め部材18Aの下止め部181Aの上方が上室2Aを含み、下止め部181Aの下方が下室3Aを含む。例えば、下止め部181Aによって、弁体本体11Aの内室101Aを上室2Aと下室3Aに区画する。下止め部材18Aの第1軸方向通孔4Aが上室2Aと下室3Aに連通する。
【0055】
弁体部材10Aとガイドスリーブ61Aとの間には封止ユニットが設けられる。電動弁が全閉状態にある場合に、該封止ユニットは電動弁の径方向接続管43と弁口200との間が連通していないように保証する。具体的には、本実施例の封止ユニットは弁体本体11Aの縮径段110Aとガイドスリーブ61Aとの間の収容空間1A内に装着されるとともに、縮径段110Aの外縁とガイドスリーブ61Aの内壁との間に位置する。封止ユニットは上位置制限部材67Aと、下位置制限部材66Aと、下位置制限部材66Aと上位置制限部材67Aとの間に設けられる封止部材とを有し、封止部材が耐摩耗性材料から製造された封止リング62とゴム材料から製造されたスライドシート63とを含み、封止リング62がスライドシート63内に嵌められる。上位置制限部材67Aと下位置制限部材66Aとがガスケットであってもよく、下位置制限部材66Aが縮径段110Aの外周に外挿されるとともに、遷移段121Aの上端面部にラップし、弁体本体11Aの縮径段110Aの上端部の外縁には上位置決め段階113Aが設けられ、上位置制限部材67Aが上位置決め段階113Aを介して位置決めされるとともに縮径段110Aに溶接固定され、または縮径段110Aの上端を介して上位置制限部材67Aをかしめ圧着し固定し、封止ユニットが上ガスケット67Aと下ガスケット66Aの間に設けられ、両者によって軸方向で位置制限される。
【0056】
ナット32Aは上室2Aに位置する径方向凸出部321Aと下延伸部322Aとを含み、開弁状態で、ナット32Aの径方向凸出部321Aが弁体本体11Aの上ストッパ部に当接されることで、ナット32Aは弁体部材10をガイドスリーブ61の軸方向に沿って上に移動させる。弁口200を閉じる必要がある場合に、ナット32Aが閉弁方向に向かって移動し、弁体部材10Aも下に移動し、弁が全閉状態にある場合に、下延伸部322Aの下端が下止め部181Aに当接される。
【0057】
ナット32Aはさらに収容室323Aを含み、弾性部品33Aの少なくとも一部が収容室323Aに設けられ、本技術案において、弾性部品は具体的に圧縮スプリング33Aである。ナット32Aの下延伸部322Aとストッパ部材18Aの下止め部181Aとの間には所定隙間があり、圧縮スプリング33Aの一端が下止め部181Aに当接され、他端がナット32Aに当接される。圧縮スプリング33Aが実施例1における弾性部品の作用を有する以外、本技術案において、圧縮スプリング33Aの上端にはさらに弁内の流体における不純物を濾過するための一つの濾過ユニット13Aが支持される。無論、理解するように、本実施例において、ナット32Aの構成は、実施例1におけるナット32と同じように設計され、圧縮スプリング33Aに対して、相応的に実施例1に示されるスプリングシートまたはOリングとして変更設計されてもよい。
【0058】
前記構成設計に応じて分かるように、弁体部材10Aは、弁体本体11Aの下開口部116Aと、下室3Aと、止め部材18Aの第1軸方向通孔4Aと、上室2Aと縮径段110Aの上開口部とを有するバランス流路を含む。バランス流路の配置は、弁体部材10Aの上下の圧力のバランス、及び弁体部材10Aが受けた圧力差に対する軽減に寄与する。
【0059】
本技術案において、環状薄肉部112Aの受圧面積を低減させるために、環状薄肉部112Aの下端部100Aについて、
図9B及び
図9Dにおける環状薄肉部112の下端部100を参照して設計すればよく、ここで贅言していなく、ここで説明しようとするのは、この場合、D1が封止ユニットとガイドスリーブ61Aとの封止部位の直径であり、その大きさが大径段111Aの外径またはガイドスリーブ61Aの内径にほぼ相当する。
【0060】
該電動弁の有益な効果と作動過程は前記実施例1に類似するから、実施例1を参照して理解すればよく、ここで贅言していない。説明しようとするのは、本実施例と実施例1との相違点は主に以下の通り、即ち、本実施例において、封止ユニットが弁体部材10Aの移動に連れて同期移動する。実施例1において、電動弁の全体の作動過程で、封止ユニットがガイドスリーブ61内に固定されるから、封止ユニットが弁体部材10の軸方向の移動に連れて移動していない。本実施例の電動弁も前記実施例1の電動弁の有益な効果を有し、且つこれに基づき、実施例1に比べると、その弁体部材10Aの構成とプロセスとがより簡単になり、部品の数が少なくなり、装着もより便利になる。
【0061】
以下は本実施例の電動弁の製造方法を説明し、以下のステップを有し、
S1:一体構成の中空の弁体本体11Aを提供し、縮径段110Aの上端部の外壁には段階面が上向きである上位置決め段階113Aが加工され、
S2:封止部222付きの弁座芯22と、金属材料から加工された弁座体21、弁口シース24を提供し、弁座体21の上端面部には、弁座芯を装着するための、段階面が上向きである上段階部211Aが加工され、弁座芯を上段階部211Aに装着するとともに、弁座体21の上端にかしめ圧着し係合し、弁口シース24の外壁を弁座体21の内壁に溶接固定し、
S3:ガイドスリーブ61Aを提供し、ガイドスリーブ61Aを弁本体41に溶接固定することで、第1組立ユニットを形成し、
S4:ナット32A、封止ユニット、弾性部品33A及び下ストッパ部材を提供する。封止ユニットを縮径段の外周部に外挿し、上位置制限部材67Aの下端が上位置決め段階113Aに当接され、縮径段110Aの上端を封止ユニットにかしめ圧着し係合し、ナット32Aが弁体本体11Aの上室2Aに入り込むとともに、ナット32Aの螺合端を弁体本体11Aから張り出させ、ナット32Aの径方向凸出部321Aが遷移段121Aによって位置制限され、下ストッパ部材を内室に装着した後、弁体本体を下上ストッパ部材に溶接固定することで、第2組立ユニットを形成し、
S5:第1組立ユニットに対して第2組立ユニットを下から上へ組み立て、ナット32Aをスクリュロッド31に螺合し、
S6:弁本体41を弁座体21に溶接固定する。
S6後の組立ステップについて、前の実施例を参照して理解すればよく、ここで繰り返して説明していない。
【0062】
説明しようとするのは、該S1~S6のステップの符号は各々ステップの間の順序関係を示していなく、本実施例の電動弁の製造を実現すれば、各々ステップの間の関係を調整し得る。
【0063】
図14は本発明により提供される第3種の電動弁のナットと弁体部材とが係合した構成模式図である。
【0064】
本実施例の他の部分は基本的に実施例2の構成と同様で、即ち、
図14に示される部品以外、実施例2における部品の構成に対する記載は本実施例に結合されるから、ここで贅言していない。
【0065】
図面に示すように、弁体本体11Bは金属材料を一体として引っ張りまたはプレスすることで成形され、上開口部115Bと下開口部116Bとを含む筒部材であり、加工プロセスが簡単で、コストを節約し、且つ重量が軽い。弁体本体11Bは縮径段110Bと、ガイドスリーブの内壁と隙間滑り嵌める大径段111Bと、内部の直径が大径段111Bより大きい環状薄肉部112Bとを含む。縮径段110Bと大径段111Bとの間には、本技術案における上ストッパ部121Bとしての遷移段が形成され、縮径段110Bの上端は封止ユニットをかしめ圧着し固定するためのかしめ圧着部114Bとして形成される。下ストッパ部材は大径段111Bの内壁に溶接固定される支持部材17Bと、支持部材17Bを介して間接的に支持される止め部材18Bとを含み、止め部材18Bの上端面は下ストッパ部181Bとして形成される。
【0066】
弁体本体11Bと下ストッパ部材との間には上室2Bが形成され、ナット32Bが上室2Bに位置する径方向凸出部321Bと下延伸部322Bとを含み、開弁状態で、ナット32Bの径方向凸出部321Bが弁体本体11Bの遷移段121Bに当接される。前記構成設計に応じて分かるように、弁体部材10Bは、弁体本体11Bの下開口部116B、下止め部材18Bの第1軸方向通孔4B、上室2Bと弁体本体11Bの上開口部とを有するバランス流路を含む。バランス流路の配置は、弁体部材10Aの上下の圧力のバランス、及び弁体部材10Bが受けた圧力差に対する軽減に寄与する。
【0067】
ナット32Bと下ストッパ部材との間には弾性部品が設けられ、本技術案において、具体的にはスプリングシート33Bであり、スプリングシート33Bの構成について、
図11A及び
図11Bを参照すればよい。無論、理解するように、本実施例におけるスプリングシート33Bの代わりに、Oリング33Cを採用してもよい。
図15は、
図14に示される構成におけるスプリングシートをOリングに置き換えた構成模式図である。ナット32Bの構成は、実施例2におけるナット32Aと同じように設計されるとともに、相応的に、スプリングシート33Bは実施例2に示される圧縮スプリング33Aとして変更設計されてもよい。
【0068】
本実施例において、環状薄肉部112Bの下端部100Bの構成について、
図9B及び
図9Dを参照して設計すればよく、ここで贅言していない。
【0069】
説明しようとするのは、本明細書において、具体的な実施例によって本発明の核心思想を説明し、理解するように、各実施例における弁体部材の弁体本体の環状薄肉部は、ガイド係合段の外径と内径と同様であってもよく、即ち、環状薄肉部は、拡径に類似する形状として配置されなくてもよく、例えば、第2種の電動弁における弁体本体11Aに対して変形設計を行ってもよい。
図16は、本発明により提供される第2種の電動弁における弁体本体の変形例の構成模式図である。図に示すように、弁体本体11A’の大径段は、外径がほぼ一致する円筒状を呈している。
【0070】
本実施例の電動弁は、弁体本体が略管状を呈する一体構成であり、加工プロセスが簡単であり、且つ容易に薄肉部材として加工され、材料を節約し、弁の重量を減少させ、下ストッパ部材が弁体本体の内室に設けられるため、弁の空間を余計に占めることがなく、弁の小型化に寄与する。下ストッパ部材の下ストッパ部は内室を上室と下室に区画し、下ストッパ部材は、上室と下室を連通する第1軸方向通孔を含むことで、弁体が軸方向で貫通する構成として形成され、弁の内部バランスに寄与し、弁体本体は弁座部材の封止部と係合する環状薄肉部を含み、環状薄肉部の配置によって、弁体部材が受けた差圧をさらに減少させ、弁の内部圧力のバランスに寄与して、弁の動作性を向上させる。
【0071】
説明しようとするのは、前記技術案に対する説明に基づき、理解するように、本出願の電動弁は、スイッチング弁として利用されるとともに、弁口の流量を制御するための流量調節弁として利用されてもよい。
【0072】
以上は本発明により提供される電動弁及び電動弁の製造方法を詳しく紹介する。本明細書において、具体的な例を利用して本発明の原理及び実施形態を記載し、以上の実施例に対する説明は、ただ本発明の方法及びその核心思想に対する理解のために用いられる。指摘すべきは、当業者にとって、本発明の原理から離脱しない前提で、本発明に対して若干の改良及び修飾を行ってもよく、これらの改良及び修飾も本発明の請求項の保護範囲に該当している。