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特許7049466真空蒸発源用ヒータおよび絶縁体アセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-29
(45)【発行日】2022-04-06
(54)【発明の名称】真空蒸発源用ヒータおよび絶縁体アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/26 20060101AFI20220330BHJP
   C23C 14/24 20060101ALI20220330BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20220330BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20220330BHJP
【FI】
C23C14/26 A
C23C14/24 B
H05B33/14 A
H05B33/10
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020540319
(86)(22)【出願日】2018-12-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 KR2018015757
(87)【国際公開番号】W WO2019160228
(87)【国際公開日】2019-08-22
【審査請求日】2020-07-20
(31)【優先権主張番号】10-2018-0018605
(32)【優先日】2018-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519077436
【氏名又は名称】アルファ プラス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】ソン ドン パク
(72)【発明者】
【氏名】ヨン ハ クォン
(72)【発明者】
【氏名】イル クォン ムン
(72)【発明者】
【氏名】ス ヨン チャ
【審査官】山本 一郎
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2017-0004582(KR,A)
【文献】特開2015-023152(JP,A)
【文献】実開平05-007507(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/26
C23C 14/24
H01L 51/50
H05B 33/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空蒸発源用ヒータおよび絶縁体アセンブリであって、
複数の直線部と複数のベンディング部とを含み、それぞれの前記ベンディング部の両端に複数の前記直線部のうち二つの前記直線部がそれぞれ連結される熱線と、
それぞれの前記ベンディング部が二つの前記直線部とともに挿入されて二つの前記直線部が互いに対向して置かれるそれぞれの挿入スロットを含む一つ以上の第1絶縁体と、
互いに対向する二つの前記直線部の間を離隔させる一つ以上の第2絶縁体と、を含み、
複数の前記ベンディング部は、
前記熱線の上部をなす複数の上部ベンディング部と、
前記熱線の下部をなす複数の下部ベンディング部と、を含み、
一つ以上の前記第1絶縁体は、
それぞれの前記上部ベンディング部が挿入されるそれぞれの上部挿入スロットを有する環形状の第1上部絶縁体と、
それぞれの前記下部ベンディング部が挿入されるそれぞれの下部挿入スロットを有する環形状の第1下部絶縁体と、を含み、
一つ以上の前記第2絶縁体は、
複数の前記直線部のうちそれぞれの前記上部挿入スロットに挿入される二つの前記直線部の間を離隔させる第2上部絶縁体と、
複数の前記直線部のうちそれぞれの前記下部挿入スロットに挿入される二つの前記直線部の間を離隔させる第2下部絶縁体と、を含む、真空蒸発源用ヒータおよび絶縁体アセンブリ。
【請求項2】
それぞれの前記上部ベンディング部とそれぞれの前記下部ベンディング部は、互いに交互に位置し、
それぞれの前記上部挿入スロットとそれぞれの前記下部挿入スロットは、互いに対してずれて位置してそれぞれの前記上部ベンディング部とそれぞれの前記下部ベンディング部を互いにずらして収容する、請求項に記載の真空蒸発源用ヒータおよび絶縁体アセンブリ。
【請求項3】
複数の前記上部ベンディング部は、
第1上部ベンディング部および第2上部ベンディング部を含み、
複数の前記下部ベンディング部は、
第1下部ベンディング部および第2下部ベンディング部を含み、
前記第1上部ベンディング部と前記第2上部ベンディング部との間には前記第1下部ベンディング部が置かれ、
前記第1下部ベンディング部と前記第2下部ベンディング部との間には前記第2上部ベンディング部が置かれる、請求項に記載の真空蒸発源用ヒータおよび絶縁体アセンブリ。
【請求項4】
二つの前記直線部は、
第1直線部および第2直線部からなり、
前記第1直線部は、前記第1上部ベンディング部の一端と前記第1下部ベンディング部の一端を連結し、
前記第2直線部は、前記第1上部ベンディング部の他端と前記第2下部ベンディング部の一端を連結し、
前記第1直線部は、複数の前記上部挿入スロットのうち一つの前記上部挿入スロットの右側と複数の前記下部挿入スロットのうち一つの前記下部挿入スロットの左側に支持される、請求項に記載の真空蒸発源用ヒータおよび絶縁体アセンブリ。
【請求項5】
前記直線部は弾性を有し、
それぞれの前記第2絶縁体は、
環形状の絶縁本体と、
前記絶縁本体の内周面に間隔を置いて突出する複数の絶縁スペーサと、を含む、請求項1に記載の真空蒸発源用ヒータおよび絶縁体アセンブリ。
【請求項6】
前記直線部は弾性を有し、
それぞれの前記第2絶縁体は、
環形状の絶縁本体と、
前記絶縁本体の外周面に間隔を置いて突出する複数の絶縁スペーサと、を含む、請求項1に記載の真空蒸発源用ヒータおよび絶縁体アセンブリ。
【請求項7】
前記熱線は、その断面が円形であるワイヤ形状を有する、請求項1に記載の真空蒸発源用ヒータおよび絶縁体アセンブリ。
【請求項8】
前記熱線は、その断面が四角形であるバンド形状を有する、請求項1に記載の真空蒸発源用ヒータおよび絶縁体アセンブリ。
【請求項9】
前記真空蒸発源用ヒータおよび絶縁体アセンブリは、
複数の前記下部ベンディング部をその下で支える絶縁受け台をさらに含む、請求項に記載の真空蒸発源用ヒータおよび絶縁体アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェハや基板上に薄膜を形成するために用いられる真空蒸発源に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、真空蒸発源は、高真空のチャンバ内に配置された基板上に所定の薄膜を形成するために薄膜形成用物質を加熱して蒸発させるものであり、半導体の製造工程でウェハ表面に特定物質からなる薄膜を形成したり、大型平板ディスプレイ装置の製造工程でガラス基板などの表面に所望する物質の薄膜形成に用いられている。
【0003】
図1は従来の真空蒸発源を概略的に示す一部切開断面図であり、図2図1の真空蒸発源に用いられたヒータ絶縁モジュールを分離して示す斜視図である。
【0004】
従来の真空蒸発源10は、図1に示すように、ケース11と、ケースの内部空間に備えられ、薄膜形成用物質が入れられるルツボ12と、ルツボを囲む形態で備えられ、薄膜形成用物質を蒸発させるためにルツボを加熱するヒータおよび絶縁体アセンブリ13と、そしてヒータおよび絶縁体アセンブリを支持してヒータおよび絶縁体アセンブリの熱をルツボに反射させる熱反射板14を含む。特に、ヒータおよび絶縁体アセンブリ13は、図2に示すように、熱線13aと、そして熱線の直径大きさに形成された複数の挿入孔Hを有する絶縁体13bを含み、熱線13aが絶縁体13bの最初の挿入孔H1に嵌め込まれた後曲げられ、再び絶縁体13bの二番目の挿入孔H2に嵌め込まれた後曲げられる過程を繰り返して組み立てられる。
【0005】
しかし、従来の真空蒸発源10用ヒータおよび絶縁体アセンブリ13は、その組み立てのために熱線13aを絶縁体13bの挿入孔Hに嵌め込んで曲げる過程を繰り返さなければならないので、組み立てが難しく多くの組み立て時間を必要とする問題がある。
【0006】
また、熱線13aの直径を1mm以上に大きくすると絶縁体13bのそれぞれの挿入孔Hに嵌め込んで曲げる作業が非常に難しい問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の技術的課題は、組み立てが容易であり、組み立て時間を短縮させることができ、そして熱線の短絡(short circuit)を防止できる真空蒸発源用ヒータおよび絶縁体アセンブリを提供することにある。
【0008】
本発明の他の技術的課題は、相対的に大きい直径または厚さの熱線にも使用が可能な真空蒸発源用ヒータおよび絶縁体アセンブリを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明の実施形態による真空蒸発源用ヒータおよび絶縁体アセンブリは、複数の直線部と複数のベンディング部とを含み、それぞれの前記ベンディング部の両端に複数の前記直線部のうち二つの前記直線部がそれぞれ連結される熱線と、それぞれの前記ベンディング部が二つの前記直線部とともに挿入されて二つの前記直線部が互いに対向して置かれるそれぞれの挿入スロットを含む一つ以上の第1絶縁体と、互いに対向する二つの前記直線部の間を離隔させる一つ以上の第2絶縁体と、を含む。
【0010】
複数の前記ベンディング部は、前記熱線の上部をなす複数の上部ベンディング部と、前記熱線の下部をなす複数の下部ベンディング部と、を含み得、一つ以上の前記第1絶縁体は、それぞれの前記上部ベンディング部が挿入されるそれぞれの上部挿入スロットを有する環形状の第1上部絶縁体と、それぞれの前記下部ベンディング部が挿入されるそれぞれの下部挿入スロットを有する環形状の第1下部絶縁体と、を含み得る。
【0011】
それぞれの前記上部ベンディング部とそれぞれの前記下部ベンディング部は、互いに交互に位置し得、それぞれの前記上部挿入スロットとそれぞれの前記下部挿入スロットは、互いに対してずれて位置してそれぞれの前記上部ベンディング部とそれぞれの前記下部ベンディング部を互いにずらして収容し得る。
【0012】
複数の前記上部ベンディング部は第1上部ベンディング部および第2上部ベンディング部を含み得、複数の前記下部ベンディング部は第1下部ベンディング部および第2下部ベンディング部を含み得、前記第1上部ベンディング部と前記第2上部ベンディング部との間には前記第1下部ベンディング部が置かれ得、前記第1下部ベンディング部と前記第2下部ベンディング部との間には前記第2上部ベンディング部が置かれ得る。
【0013】
二つの前記直線部は、第1直線部および第2直線部からなり、前記第1直線部は、前記第1上部ベンディング部の一端と前記第1下部ベンディング部の一端を連結し得、前記第2直線部は、前記第1上部ベンディング部の他端と前記第2下部ベンディング部の一端を連結し得、前記第1直線部は、複数の前記上部挿入スロットのうち一つの前記上部挿入スロットの右側と複数の前記下部挿入スロットのうち一つの前記下部挿入スロットの左側に支持され得る。
【0014】
一例として、前記直線部は弾性を有し、それぞれの前記第2絶縁体は、環形状の絶縁本体と、前記絶縁本体の内周面に間隔を置いて突出する複数の絶縁スペーサと、を含み得る。
【0015】
他の例として、前記直線部は弾性を有し、それぞれの前記第2絶縁体は、環形状の絶縁本体と、前記絶縁本体の外周面に間隔を置いて突出する複数の絶縁スペーサと、を含み得る。
【0016】
一つ以上の前記第2絶縁体は、複数の前記直線部のうちそれぞれの前記上部挿入スロットに挿入される二つの前記直線部の間を離隔させる第2上部絶縁体と、複数の前記直線部のうちそれぞれの前記下部挿入スロットに挿入される二つの前記直線部の間を離隔させる第2下部絶縁体と、を含み得る。
【0017】
一例として、前記熱線は、その断面が円形であるワイヤ形状を有し得る。
【0018】
他の例において、前記熱線は、その断面が四角形であるバンド形状を有し得る。
【0019】
上述した本発明の実施形態による真空蒸発源用ヒータおよび絶縁体アセンブリは、複数の前記下部ベンディング部をその下で支える絶縁受け台をさらに含み得る。
【発明の効果】
【0020】
本発明の実施形態によれば、熱線のそれぞれのベンディング部がその両端に連結された二つの直線部とともに第1絶縁体のそれぞれの挿入スロットに挿入され、この挿入スロットで二つの直線部が互いに対向して置かれ、このように互いに対向して置かれる二つの直線部の間を第2絶縁体が離隔させる技術構成を提供するので、熱線が複数回折り曲げられた状態を有してもそれぞれのベンディング部をそれぞれの挿入スロットに一度に挿入させることができ、組み立てが容易で組み立て時間を短縮させることができ、ベンディング部とともに挿入スロットに挿入されて対向する二つの直線部の間を第1絶縁体によって離隔させることができ、変形などによって接して発生する熱線の短絡(short circuit)現象を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】従来の真空蒸発源を概略的に示す一部切開断面図である。
図2図1の真空蒸発源用ヒータおよび絶縁体アセンブリを示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態による真空蒸発源用ヒータおよび絶縁体アセンブリを概略的に示す斜視図である。
図4図3の真空蒸発源用ヒータおよび絶縁体アセンブリが組み立てられる過程を示す分解斜視図である。
図5図3の真空蒸発源用ヒータおよび絶縁体アセンブリの第2絶縁体を概略的に示す平面図である。
図6】第2絶縁体の変形例を概略的に示す平面図である。
図7】本発明の他の実施形態による真空蒸発源用ヒータおよび絶縁体アセンブリを概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態に実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0023】
図3は本発明の一実施形態による真空蒸発源用ヒータおよび絶縁体アセンブリを概略的に示す斜視図であり、図4図3の真空蒸発源用ヒータおよび絶縁体アセンブリが組み立てられる過程を示す分解斜視図であり、そして図5図3の真空蒸発源用ヒータおよび絶縁体アセンブリの第2絶縁体を概略的に示す平面図である。図6は第2絶縁体の変形例を概略的に示す平面図である。
【0024】
本発明の一実施形態による真空蒸発源用ヒータおよび絶縁体アセンブリ100は、図3ないし図5に示すように、熱線110と、一つ以上の第1絶縁体120と、一つ以上の第2絶縁体130を含む。以下、図3ないし図5を引き続き参照して各構成要素について詳細に説明する。
【0025】
熱線110は、図3および図4に示すように複数のベンディング部(111および112)と複数の直線部(113および114)を有する。例えば、複数のベンディング部(111および112)は、図3および図4に示すように、熱線110の上部をなす複数の上部ベンディング部111と、そして熱線110の下部をなす複数の下部ベンディング部112を含み得る。複数の直線部(113および114)は、上述した複数のベンディング部(111または112)と共に熱線をなすようにそれぞれのベンディング部(111または112)の両端にそれぞれ連結される形態に置かれる。すなわち、図3に示すように、一つのベンディング部112の両端には互いに並んで置かれる二つの直線部(113および114)が連結される形態を繰り返して一つの熱線110をなす。
【0026】
特に、それぞれの上部ベンディング部111とそれぞれの下部ベンディング部112は互いに交互に位置することができる。例えば、図3に示すように、複数の上部ベンディング部111が第1上部ベンディング部および第2上部ベンディング部(111a,111b)を含み、複数の下部ベンディング部112が第1下部ベンディング部および第2下部ベンディング部(112a,112b)を含む場合、第1上部ベンディング部と第2上部ベンディング部(111a,111b)の間には第1下部ベンディング部112aが置かれ、第1下部ベンディング部と第2下部ベンディング部(112a,112b)の間に第2上部ベンディング部111bが置かれる。
【0027】
さらに、熱線110はその断面が円形であるワイヤ形状(wire shape)を有することができる。
【0028】
一つ以上の第1絶縁体120は、セラミックなどの材質からなり、熱線110を絶縁可能に支持するものであり、図3および図4に示すように、それぞれのベンディング部(111または112)が、その両端に連結された二つの直線部(113または114参照)とともに挿入されるそれぞれの挿入スロットSを有する。したがって、熱線110のそれぞれのベンディング部(111または112)が二つの直線部(113または114参照)とともに第1絶縁体120のそれぞれの挿入スロットSに挿入されるので、図4に示すように、熱線110が複数回折り曲げられた状態を有してもそれぞれのベンディング部(111または112)を二つの直線部とともにそれぞれの挿入スロットSに一度に挿入させることができる。
【0029】
例えば、一つ以上の第1絶縁体120は、図3および図4に示すように第1上部絶縁体121と第1下部絶縁体122を含み得る。第1上部絶縁体121は、それぞれの上部ベンディング部111が挿入されるそれぞれの上部挿入スロットS1を有することができ、第1下部絶縁体122はそれぞれの下部ベンディング部112が挿入されるそれぞれの下部挿入スロットS2を有することができる。
【0030】
特に、図3および図4に示すように、それぞれの上部ベンディング部111とそれぞれの下部ベンディング部112は互いに交互に位置する場合、それぞれの上部挿入スロットS1とそれぞれの下部挿入スロットS2は互いに対してずれて位置してそれぞれの上部ベンディング部111とそれぞれの下部ベンディング部112を互いにずれて収容することができる。したがって、図3に示すように、いずれか一つの上部ベンディング部(111a参照)の一端といずれか一つの下部ベンディング部112aの一端を連結する第1直線部113が互いにずれて形成された上部挿入スロット(S1参照)の右側と下部挿入スロット(S2参照)の左側に支持される。
【0031】
より具体的には、図3および図4に示すように、複数の上部ベンディング部111が、第1上部ベンディング部および第2上部ベンディング部(111a,111b)を含み、複数の下部ベンディング部112が、第1下部ベンディング部および第2下部ベンディング部(112a,112b)を含み、第1上部ベンディング部と第2上部ベンディング部(111a,111b)の間には第1下部ベンディング部112aが置かれ、第1下部ベンディング部と第2下部ベンディング部(112a,112b)の間に第2上部ベンディング部111bが置かれる場合、第1上部ベンディング部111aの一端は第1直線部113により第1下部ベンディング部112aの一端に連結される。したがって、第1直線部113は、複数の上部挿入スロットS1のうち一つの上部挿入スロット(S1参照)と複数の下部挿入スロットS2のうち一つの下部挿入スロット(S2参照)に挿入されるので、第1直線部113が上部挿入スロット(S1参照)の右側と下部挿入スロット(S2参照)の左側で左右に支持される。
【0032】
さらに、熱線110が円形断面のワイヤ形状を有する場合、図4に示すように、それぞれの挿入スロットSの幅W1は熱線110の断面直径Dより大きく、それぞれの挿入スロットSの長さL1はそれぞれのベンディング部(111または112)の幅G1より熱線110の熱膨張係数を勘案した分だけ大きくすることができる。
【0033】
したがって、それぞれの挿入スロットSの幅W1が、熱線110の直径Dより大きいので、熱線110が熱膨張しても第1絶縁体120の挿入スロットSが形成された部分が破損せず、これと共にそれぞれの挿入スロットSの長さL1がそれぞれのベンディング部(111または112)の幅G1より熱線110の熱膨張係数を考慮した大きさだけ大きくしているので、熱線110が熱膨張した後挿入スロットSの長さ方向に拘束されて固定される。
【0034】
一つ以上の第2絶縁体130は、セラミックなどの材質からなり、上述した第1絶縁体120とともに熱線110を絶縁可能に支持するとともに、熱線110のそれぞれの挿入スロットSで互いに対向して置かれる二つの直線部(図3の113または114参照)が熱などによって変形されても互いに接触しないようにする構成要素である。
【0035】
一例として、第2絶縁体130は、図3ないし図5に示すように、環形状の絶縁本体130aと、絶縁本体130aの内周面に間隔を置いて突出する複数の絶縁スペーサ130bを含み得る。したがって、熱線110のそれぞれの直線部(113または114参照)は、それぞれの絶縁スペーサ130bにより絶縁されると同時に離隔している状態に置かれるようになるので、それぞれの直線部(113または114参照)が熱などによって変形されても互いに接触せず熱線110の短絡(short circuit)現象を防止することができる。特に、第2絶縁体130を熱線110に組み立てる方法としては、熱線110の直線部(113および114参照)を絶縁本体130aの中心方向に押した後絶縁本体130aが熱線110の直線部(113および114参照)を囲むようにし、熱線110の直線部(113および114参照)を絶縁本体130aの半径方向に移動させると直線部(113および114参照)がそれぞれの絶縁スペーサ130bの間の空間に挿入される。熱線110の直線部(113および114参照)は自体弾性を有し得るため内側に押した後再び外側に元の位置に戻すことが容易である。
【0036】
他の例として、第2絶縁体230は、図6に示すように、環形状の絶縁本体230aと、絶縁本体230aの外周面に間隔を置いて突出する複数の絶縁スペーサ230bを含み得る。したがって、熱線110のそれぞれの直線部(113または114参照)は、それぞれの絶縁スペーサ230bにより絶縁されると同時に離隔した状態に置かれるようになるので、それぞれの直線部(113または114参照)が熱などによって変形されても互いに接触せず熱線110の短絡(short circuit)現象を防止することができる。特に、第2絶縁体230を熱線110に組み立てる方法としては、熱線110の直線部(113および114参照)を絶縁本体230aの外側に向かう半径方向に引いた後熱線110の直線部(113および114参照)が絶縁本体230aを囲むようにしてから、熱線110の直線部(113および114参照)を絶縁本体230aの中心方向に移動させると直線部(113および114参照)がそれぞれの絶縁スペーサ230bの間の空間に挿入される。熱線110の直線部(113および114参照)は、自体弾性を有し得、外側に引いた後再び内側に元の位置に戻すことが容易である。
【0037】
このような一つ以上の第2絶縁体130は、図3に示すように、第2上部絶縁体131と第2下部絶縁体132を含み得る。第2上部絶縁体131は、第1上部絶縁体121に隣接し得、それぞれの上部挿入スロットS1に挿入される二つの直線部(113または114参照)の間を離隔させることができる。第2下部絶縁体132は、第1下部絶縁体122に隣接し得、それぞれの下部挿入スロットS2に挿入される二つの直線部(113または114参照)の間を離隔させることができる。
【0038】
特に、図3および図4に示すように、第2絶縁体130が熱線110の直線部(113,114等)に沿って滑り落ちないように第2絶縁体130は第1絶縁体120の上に支持されて位置することができる。
【0039】
これと共に、本発明の一実施形態による真空蒸発源用ヒータおよび絶縁体アセンブリ100は、図3および図4に示すように、複数の下部ベンディング部112をその下で支える絶縁受け台140をさらに含み得る。例えば、絶縁受け台140はセラミックなどの材質からなる。
【0040】
以下、図7を参照して本発明の他の実施形態による真空蒸発源用ヒータおよび絶縁体アセンブリ300について説明する。
【0041】
図7は本発明の他の実施形態による真空蒸発源用ヒータおよび絶縁体アセンブリを概略的に示す斜視図である。
【0042】
本発明の他の実施形態による真空蒸発源用ヒータおよび絶縁体アセンブリ300は、図7に示すように、熱線310の形状を除いては上述した本発明の一実施形態と同様であるために、以下では熱線310の形状を中心に説明する。また、下の挿入スロットSの幅W2と長さL1、熱線310の厚さT、ベンディング部の幅G2を詳細に示すため便宜上、第1絶縁体120が第2絶縁体130の上に置かれる場合を示すが、上述した本発明の一実施形態で言及したように第2絶縁体130が滑り落ちないように第2絶縁体130は第1絶縁体120の上に支持されて置かれることが好ましい。
【0043】
熱線310はその断面が四角形であるバンド形状(band shape,帯形状ともいう)を有することができる。
【0044】
この場合、それぞれの挿入スロットSの幅W2は熱線310の厚さTより大きく、それぞれの挿入スロットSの長さL1はそれぞれのベンディング部の幅G2より熱線210の熱膨張係数を勘案した大きさだけ大きくてもよい。
【0045】
したがって、それぞれの挿入スロットSの幅W2が熱線210の厚さTより大きいので、バンド形状の熱線310が熱膨張しても第1絶縁体120の挿入スロットSが形成された部分が破損せず、これと共にそれぞれの挿入スロットSの長さL2がそれぞれのベンディング部(311または312)の幅G2より熱線310の熱膨張係数を考慮した大きさだけ大きくしており、熱線310の膨張後の挿入スロットSの長さ方向に拘束されて固定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7