(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-29
(45)【発行日】2022-04-06
(54)【発明の名称】トップローディング衣類処理設備及びその蓋開閉システム
(51)【国際特許分類】
D06F 37/10 20060101AFI20220330BHJP
D06F 37/28 20060101ALI20220330BHJP
D06F 39/14 20060101ALI20220330BHJP
D06F 33/30 20200101ALI20220330BHJP
D06F 103/40 20200101ALN20220330BHJP
【FI】
D06F37/10
D06F37/28
D06F39/14 Z
D06F33/30
D06F103:40
(21)【出願番号】P 2020542295
(86)(22)【出願日】2019-01-30
(86)【国際出願番号】 CN2019073927
(87)【国際公開番号】W WO2019149221
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】201810105150.7
(32)【優先日】2018-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810105142.2
(32)【優先日】2018-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】520198579
【氏名又は名称】ハイアール・スマート・ホーム・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park, No.1 Haier Road, Laoshan District, Qingdao, Shandong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 涛
(72)【発明者】
【氏名】王 開明
(72)【発明者】
【氏名】▲ジァイ▼ 清明
(72)【発明者】
【氏名】于 明亮
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06233981(US,B1)
【文献】特公平05-053160(JP,B2)
【文献】特開2005-160511(JP,A)
【文献】特開2003-103095(JP,A)
【文献】特開平01-317488(JP,A)
【文献】特開平02-274294(JP,A)
【文献】特許第2503599(JP,B2)
【文献】中国特許出願公開第107164917(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F37/00-37/42
D06F 39/14
D06F 33/30
D06F 103/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、前記ハウジング内に設置される外筒と、前記外筒内に枢動可能に設置され、内筒蓋が設けられる内筒とを備えるトップローディング衣類処理設備用の蓋開放システムであって、
蓋開放システムは、前記ハウジング又は前記外筒に設置される蓋開放ロックを含み、
前記蓋開放ロックには、突出して前記内筒蓋に設置される蓋開放ボタンに当接することで前記内筒蓋を開くことができる第1のラッチが設けられ
、
前記蓋開放ロックには、さらに、突出して前記内筒蓋に当接することで前記第1のラッチを前記蓋開放ボタンに当接させることができる第2のラッチが設けられ、
前記内筒蓋にはストッパが設けられており、前記内筒蓋は、前記ストッパによって前記第2のラッチに当接し、
前記ハウジング内には、前記内筒に駆動接続される駆動モーターが設けられ、前記蓋開放システムは、さらに前記蓋開放ロックと前記駆動モーターにそれぞれ制御接続されるコントローラを含み、
前記コントローラは、前記第2のラッチを突出させるように前記蓋開放ロックを制御するために、前記内筒を駆動して前記ストッパと前記第2のラッチとが合わさる位置まで回動させるように前記駆動モーターを制御するために、及び前記第1のラッチを突出させて前記内筒蓋を開くように前記蓋開放ロックを制御するために使用され、
前記第2のラッチの自由端には第2のローラーが設けられ、前記第2のラッチは前記第2のローラーを通じて前記ストッパに当接することを特徴とするトップローディング衣類処理設備用の蓋開放システム。
【請求項2】
前記第1のラッチの自由端には第1のローラーが設けられ、前記第1のラッチは前記第1のローラーを通じて前記蓋開放ボタンに当接し、及び/又は
、
前記内筒蓋と前記内筒の間には戻しバネが設けられており、前記第1のラッチが前記蓋開放ボタンに当接すると、前記戻しバネは自動的に前記内筒蓋を開くことができることを特徴とする請求項
1に記載のトップローディング衣類処理設備用の蓋開放システム。
【請求項3】
ハウジングと、前記ハウジング内に設置される外筒と、前記外筒内に枢動可能に設置され、内筒蓋が設けられる内筒とを備えるトップローディング衣類処理設備用の蓋閉止システムであって、
前記蓋閉止システムは、前記ハウジング又は前記外筒に設置される蓋閉止ロックを含み、
前記蓋閉止ロックには、突出すると前記内筒蓋に当接することで前記内筒蓋を閉じることができる第1のラッチが設けられ
、
前記蓋閉止ロックには、さらに、突出すると前記内筒蓋に当接することで前記第1のラッチを前記内筒蓋に当接させて前記内筒蓋を閉じることができる第2のラッチが設けられ、
前記内筒蓋にはストッパが設けられており、前記内筒蓋は、前記ストッパによって前記第2のラッチに当接し、
前記ハウジング内には、前記内筒に駆動接続される駆動モーターが設けられ、前記蓋閉止システムは、さらに前記蓋閉止ロックと前記駆動モーターにそれぞれ制御接続されるコントローラを含み、
前記コントローラは、前記第2のラッチを突出させるように前記蓋閉止ロックを制御するために、前記内筒を駆動して前記ストッパと前記第2のラッチとが合わさる位置まで回動させるように前記駆動モーターを制御するために、及び前記第1のラッチを突出させて前記内筒蓋を閉じるように前記蓋閉止ロックを制御するために使用され、
前記第2のラッチの自由端には第2のローラーが設けられ、前記第2のラッチは前記第2のローラーを通じて前記ストッパに当接することを特徴とするトップローディング衣類処理設備用の蓋閉止システム。
【請求項4】
前記第1のラッチの自由端には第1のローラーが設けられ、前記第1のラッチは前記第1のローラーを通じて前記内筒蓋に当接し、及び/又は
、
前記内筒蓋と前記内筒の間には戻しバネが設けられており、前記第1のラッチが前記内筒蓋に当接するときに、前記内筒蓋は緩やかに閉じることができるように、前記内筒蓋が前記戻しバネにより開く傾向にあることを特徴とする請求項
3に記載のトップローディング衣類処理設備用の蓋閉止システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は家庭電器の分野に関するもので、具体的にはトップローディング衣類処理設備及びその蓋開閉システムが提供される。
【背景技術】
【0002】
トップローディングドラム洗濯機は、主に、ハウジング、外筒、内筒を備える。その中で、ハウジングの頂部には上蓋が設けられ、外筒の周方向に上蓋と合わさる位置に、外筒蓋が設けられ、内筒の周方向に外筒蓋と対応する位置に、内筒蓋が設けられる。内筒蓋が回動して内筒の頂部に到達すると、上蓋、外筒蓋と内筒蓋が合わさるようになり、ユーザーは、上蓋、外筒蓋と内筒蓋を開き、衣類を内筒内に投入したり、内筒内から衣類を取り出したりすることができる。
【0003】
しかし、従来技術におけるトップローディングドラム洗濯機は、ユーザーが外筒蓋と内筒蓋を別々に操作して、外筒蓋と内筒蓋を別々に開けたり、閉じたりする必要がある。外筒蓋と内筒蓋の上述した操作手順は煩雑であり、ユーザーにとって使用が不便で、ユーザー体験が悪い。
【0004】
したがって、上記課題を解決するため、本分野では新しいトップローディングドラム洗濯機が必要とされる。
【発明の概要】
【0005】
従来技術における上記の問題、すなわち、従来のトップローディングドラム洗濯機は外筒蓋と内筒蓋の開放操作が複雑であるという問題を解決するために、本発明は、トップローディング衣類処理設備用の蓋開閉システムが提供され、前記トップローディング衣類処理設備は、ハウジング、前記ハウジング内に設置される外筒、及び前記外筒内に駆動可能に設置される内筒を備え、前記内筒には内筒蓋が設けられ、前記蓋開閉システムは蓋開放システム及び/又は蓋閉止システムを含む。
【0006】
前記蓋開閉システムの好ましい技術案では、前記蓋開放システムは、前記ハウジング又は前記外筒に設置される蓋開放ロックを含み、前記蓋開放ロックには、突出して前記内筒蓋に設置される蓋開放ボタンに当接することで前記内筒蓋を開くことができる第1のラッチが設けられる。
【0007】
前記蓋開閉システムの好ましい技術案では、前記蓋開放ロックには、さらに、突出して前記内筒蓋に当接することで前記第1のラッチを前記蓋開放ボタンに当接させることができる第2のラッチが設けられる。
【0008】
前記蓋開閉システムの好ましい技術案では、前記内筒蓋にはストッパが設けられており、前記内筒蓋は、前記ストッパによって前記第2のラッチに当接する。
【0009】
前記蓋開閉システムの好ましい技術案では、前記ハウジング内には、前記内筒に駆動接続され、前記内筒を駆動して前記ストッパと前記第2のラッチとが合わさる位置まで回動させるための駆動モーターが設けられる。
【0010】
前記蓋開閉システムの好ましい技術案では、前記蓋開放システムは、さらに前記蓋開放ロックと前記駆動モーターにそれぞれ制御接続されるコントローラを含み、前記コントローラは、前記第2のラッチを突出させるように前記蓋開放ロックを制御するために、前記内筒を駆動して前記ストッパと前記第2のラッチとが合わさる位置まで回動させるように前記駆動モーターを制御するために、及び前記第1のラッチを突出させて前記内筒蓋を開くように前記蓋開放ロックを制御するために使用される。
【0011】
前記蓋開閉システムの好ましい技術案では、前記第1のラッチの自由端には第1のローラーが設けられ、前記第1のラッチは前記第1のローラーを通じて前記蓋開放ボタンに当接する。
【0012】
前記蓋開閉システムの好ましい技術案では、前記第2のラッチの自由端には第2のローラーが設けられ、前記第2のラッチは前記第2のローラーを通じて前記ストッパに当接する。
【0013】
前記蓋開閉システムの好ましい技術案では、前記内筒蓋と前記内筒の間には戻しバネが設けられており、前記第1のラッチが前記蓋開放ボタンに当接すると、前記戻しバネは自動的に前記内筒蓋を開くことができる。
【0014】
また、本発明はさらに、前記蓋開閉システムの好ましい技術案のいずれか一項に記載の蓋開放システムを備えるトップローディング衣類処理設備が提供される。
【0015】
前記トップローディング衣類処理設備の好ましい技術案では、前記トップローディング衣類処理設備は洗濯機、乾燥機、又は一体型洗濯乾燥機である。
【0016】
前記蓋開閉システムの好ましい技術案では、前記蓋閉止システムは、前記ハウジング又は前記外筒に設置される蓋閉止ロックを含み、前記蓋閉止ロックには、突出して前記内筒蓋に当接することで前記内筒蓋を閉じることができる第1のラッチが設けられる。
【0017】
前記蓋開閉システムの好ましい技術案では、前記蓋閉止ロックには、さらに、突出して前記内筒蓋に当接することで前記第1のラッチを前記内筒蓋に当接させて前記内筒蓋を閉じることができる第2のラッチが設けられる。
【0018】
前記蓋開閉システムの好ましい技術案では、前記内筒蓋にはストッパが設けられており、前記内筒蓋は、前記ストッパによって前記第2のラッチに当接する。
【0019】
前記蓋開閉システムの好ましい技術案では、前記ハウジング内には、前記内筒に駆動接続され、前記内筒を駆動して前記ストッパと前記第2のラッチとが合わさる位置まで回動させるための駆動モーターが設けられる。
【0020】
前記蓋開閉システムの好ましい技術案では、前記蓋閉止システムは、さらに前記蓋閉止ロックと前記駆動モーターにそれぞれ制御接続されるコントローラを含み、前記コントローラは、前記第2のラッチを突出させるように前記蓋閉止ロックを制御するために、前記内筒を駆動して前記ストッパと前記第2のラッチとが合わさる位置まで回動させるように前記駆動モーターを制御するために、及び前記第1のラッチを突出させて前記内筒蓋を閉じるように前記蓋閉止ロックを制御するために使用される。
【0021】
前記蓋開閉システムの好ましい技術案では、前記第1のラッチの自由端には第1のローラーが設けられ、前記第1のラッチは前記第1のローラーを通じて前記内筒蓋に当接する。
【0022】
前記蓋開閉システムの好ましい技術案では、前記第2のラッチの自由端には第2のローラーが設けられ、前記第2のラッチは前記第2のローラーを通じて前記ストッパに当接する。
【0023】
前記蓋開閉システムの好ましい技術案では、前記内筒蓋と前記内筒の間には戻しバネが設けられており、前記第1のラッチが前記内筒蓋に当接するときに、前記内筒蓋は緩やかに閉じることができるように、前記内筒蓋が前記戻しバネにより開く傾向にある。
【0024】
また、本発明はさらに、前記蓋開閉システムの好ましい技術案のいずれか一項に記載の蓋閉止システムを備えるトップローディング衣類処理設備が提供される。
【0025】
前記トップローディング衣類処理設備の好ましい技術案では、前記トップローディング衣類処理設備は洗濯機、乾燥機、又は一体型洗濯乾燥機である。
【0026】
当業者は、本発明の好ましい技術案では、ハウジング又は外筒に蓋開放ロックを設置することにより、当該蓋開放ロックの第1のラッチが突出する時に、内筒蓋上における蓋開放ボタンに当接できるとともに、第1のラッチがさらに突出することに伴い、蓋開放ボタンが押され、内筒蓋をロック解除することができるようになると理解できる。ロック解除された内筒蓋は、自身の戻しバネの作用で自動的に開くことができる。そのため、本発明の蓋開放システムをトップローディングドラム洗濯機に適用すると、洗濯機の内筒蓋は自動的にロック解除して開くことができ、好ましくは、内筒蓋は、ユーザーが外筒蓋を開くと同時に、又はその後、自動的に開かれる。そのため、本発明の蓋開放システムは、ユーザーが内筒蓋を手動で開放する操作を低減させ、ユーザー体験が最適化される。
【0027】
好ましくは、蓋開放ロックには、さらに第2のラッチが設けられ、内筒蓋にはストッパが設けられる。洗濯機が洗濯作業を完了した後、内筒は、まず位置決めロックにより、内筒蓋と外筒蓋とが合わさる位置に、位置決めされる。そして、位置決めロックのラッチが退縮され、内筒が駆動モーターの駆動により回動し、また第2のラッチが突出する。内筒が第2のラッチとストッパーとが当接する位置に回動すると、内筒は回動を停止する。第1のラッチを突出させて、内筒蓋をロック解除して開く。内筒蓋をロック解除して開いた後、第1のラッチと第2のラッチはいずれも退縮される。内筒を内筒蓋と外筒蓋とが合わさる位置に再度回動させ、位置決めロックで内筒をロックする。最後に、上蓋と外筒蓋を開き、外筒蓋が開かれた後、内筒蓋は自身の戻しバネの作用で自動的に開かれるようになる。
【0028】
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照しながら、トップローディングドラム洗濯機と合わせて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図3】本発明の蓋開放システムの構造概略図である。
【
図5】本発明の内筒蓋が開かれる時のフローチャートである。
【
図6】本発明の蓋閉止システムの構造概略図である。
【
図8】本発明の内筒蓋が閉じられる時のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
当業者は、本実施形態が本発明の技術的原理を説明するためだけに使用され、本発明の保護範囲を制限するためのものではないと理解すべきである。例えば、本発明の位置決め装置はトップローディングドラム洗濯機にだけでなく、トップローディング乾燥機とトップローディング一体型洗濯乾燥機にも適用できる。当業者は、具体的な用途に適応するために必要に応じてそれを調整することができ、調整された技術案は、依然として本発明の保護範囲に属する。
【0031】
なお、本発明の説明において、用語「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「内」、「外」などの方向又は位置関係を示す用語は、図面に示される方向又は位置関係に基づいており、これは説明の便宜上のものであり、前記装置又は素子が特定の方向を有し、特定の方向で構築や操作をする必要があることを示したり暗示したりするものではないため、本発明に対する制限としては理解されない。また、用語「第1」、「第2」、「第3」は目的を説明するためだけに使用され、相対的な重要性を示したり暗示したりするものとは理解できない。
【0032】
また、本発明の説明において、特に明確な規定や限定がない限り、用語「装着」、「連通」、「接続」は広義的に理解されるべきであり、例えば、固定接続であっても良いし、取り外し可能に接続しても良いし、一体的に接続しても良い。機械的な接続であっても良いし、電気的な接続であっても良い。直接に接続しても良いし、中間媒体を介して間接的に接続しても良いし、2つの素子の内部における連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上述の用語が本発明における具体的な意味を理解できる。
【0033】
図1に示すように、本発明のトップローディングドラム洗濯機は、主に、ハウジング(図示せず)、外筒1、及び内筒2を外側から内側に向けて順に備える。その中で、ハウジングの頂部には上蓋(図示せず)が設けられ、外筒1の頂部に上蓋と合わさる位置に、外筒蓋(図示せず)が設けられ、内筒2の周方向に外筒蓋と対応する位置に、内筒蓋が設けられる。内筒蓋が回動して内筒2の頂部に到達すると、上蓋、外筒蓋と内筒蓋が合わさるようになり、ユーザーは、上蓋、外筒蓋と内筒蓋を開き、衣類を内筒2内に投入したり、内筒2内から衣類を取り出したりすることができる。
【0034】
さらに、
図1に示すように、内筒蓋は、分割型の第1の内筒蓋21と第2の内筒蓋22とを備え、また第1の内筒蓋21と第2の内筒蓋22は、閉じられた後に互いにロック可能である。その中で、第1の内筒蓋21と内筒2との間には、第1の内筒蓋21を閉じた状態から自動的に開くための第1の戻しバネ(図示せず)が設けられている。第2の内筒蓋22と内筒2との間には、第2の内筒蓋22を閉じた状態から自動的に開くための第2の戻しバネ(図示せず)が設けられている。
【0035】
さらに、図示してしないが、第1の内筒蓋21と第2の内筒蓋22との間には連動機構を有し、当該連動機構によって、第1の内筒蓋21と第2の内筒蓋22を同期して開いたり、閉じたりすることができる。第1の内筒蓋21と第2の内筒蓋22を同期して開いたり、閉じたりすることを実現する連動機構は、トップローディングドラム洗濯機における比較的一般的な機構であるため、ここでは説明を省略する。
【0036】
図1及び
図2に示すように、第1の内筒蓋21には、蓋開放ボタン211が設けられる。蓋開放ボタン211が押されると、互いにロックされている第1の内筒蓋21と第2の内筒蓋22はロック解除することができる。第1の内筒蓋21と第2の内筒蓋22はロック解除された後、第1の戻しバネと第2の戻しバネの作用で自動的に開くことができる。
【0037】
引き続き
図1を参照すると、本発明のトップローディングドラム洗濯機はさらに、ベルト車3、ベルト4と駆動モーター5を備える。当該ベルト車3は、外筒1の外側に設置され、且つ内筒2と同軸に固定される。駆動モーター5は、ハウジング内に設置され、当業者は必要に応じて駆動モーター5をハウジングや外筒1に固定できる。駆動モーター5の出力軸は、駆動モーター5が回動する時にベルト4を介してベルト車3を回動駆動し、さらに内筒2を回動駆動することができるように、ベルト4を介してベルト車3に駆動接続される。
【0038】
さらに、図示していないが、本発明のトップローディングドラム洗濯機は、さらに外筒に設置される位置決めロックを備える。内筒2は内筒蓋と外筒蓋とが合わさる位置まで回動すると、位置決めロックのラッチが突出した後ベルト車3に設置されるロックスロットに挿入され、内筒2をベルト車3とともに現在の位置にロックできる。
【0039】
引き続き
図1を参照すると、本発明のトップローディングドラム洗濯機は、さらに蓋開放システムと蓋閉止システムのいずれかを含む蓋開閉システムを備える。その中で、蓋開放システムは、主に、洗濯機の洗濯終了後に第1の内筒蓋21と第2の内筒蓋22を自動的に開くための蓋開放ロック6が備えられる。蓋閉止システムは、主に、洗濯機の洗濯開始前に第1の内筒蓋21と第2の内筒蓋22を自動的に閉じるための蓋閉止ロック7が備えられる。
【0040】
以下、本発明の蓋開放システムを
図1から
図4と合わせて、詳しく説明する。
【0041】
図1及び
図2に示すように、本発明の蓋開放ロック6は外筒1に設置され、且つ外筒の口元付近に設置される。あるいは、当業者はまた、必要に応じて、蓋開放ロック6をハウジングに設置することもできる。さらに、本発明の蓋開放システムは、さらに第1の内筒蓋21に設置される第1のストッパ212を含む。当該第1のストッパ212は、蓋開放ロック6と協働して、ともに閉止状態にある第1の内筒蓋21及び第2の内筒蓋22が自動的に開かれるようにする。当業者は、本発明の第1のストッパ212が、例えばフック、板状構造、柱状構造などの如何なる実現可能な構造であってもよいと理解できる。
【0042】
図3及び
図4に示すように、本発明の蓋開放ロック6は、主に、蓋開放ロック本体(図示せず)と、第1のラッチとしての蓋開放ラッチ61と、第2のラッチとしての蓋開放位置決めラッチ62と、駆動部材(図示せず)とを備える。その中で、蓋開放ラッチ61と蓋開放位置決めラッチ62は、自身の軸線方向に沿って蓋開放ロック本体にスライド可能に接続される。駆動部材は、蓋開放ラッチ61と蓋開放位置決めラッチ62を駆動して自身の軸線方向に沿ってスライドさせるために使用される。好ましくは、蓋開放位置決めラッチ62は2つあり、それぞれ蓋開放ラッチ61の両側に設置され、第1の内筒蓋21は、蓋開放位置決めラッチ62が第1のストッパ212に当接する時に変形するのを防止するために用いられる。それに対応して、第1のストッパ212も2つ設けられている。蓋開放位置決めラッチ62が突出すると、第1のストッパ212は、内筒2の回動に伴って蓋開放位置決めラッチ62に当接できる。第1のストッパ212が蓋開放位置決めラッチ62に当接すると、蓋開放ラッチ61は、突出した後、ちょうど蓋開放ボタン211に当接できる。なお、蓋開放ラッチ61が蓋開放ボタン211に当接できることを保証することを前提にして、蓋開放位置決めラッチ62の数は、
図4に示された2つに限定されず、例えば、1つ、3つや4つなど、任意の数であってもよい。さらに、蓋開放ラッチ61が蓋開放ボタン211に当接できることを保証することを前提にして、当業者はまた、必要に応じて蓋開放位置決めラッチ62と第1のストッパ212の設置を省略することもでき、例えば、内筒2に角度センサーを設け、当該角度センサーによって内筒2を蓋開放ボタン211と蓋開放ラッチ61とが合わさる位置まで正確に回動させる。
【0043】
図示していないが、本発明の蓋開放システムは、さらに、位置決めロック、駆動モーター5、及び蓋開放ロック6の動作を制御するためのコントローラを含む。
【0044】
以下、
図5を参照して本発明の蓋開放システムが内筒蓋を開く主なステップを、説明する。
【0045】
ステップS11に示すように、洗濯機の洗濯作業が完了した後、コントローラは駆動モーター5を制御して、ベルト車3をロックスロットと位置決めロックのラッチとが合わさる位置まで回動させ、その後位置決めロックのラッチをロックスロットに挿入させて内筒2を内筒蓋と外筒蓋とが合わさる位置にロックする。
【0046】
ステップS12に示すように、位置決めロックがベルト車3をロックした後(例えば5秒間隔後)、コントローラは駆動モーター5を制御して、ベルト車3を内筒2を伴って逆回動させるとともに、蓋開放ロック6の蓋開放位置決めラッチ62を突出させる。
【0047】
ステップS13に示すように、第1の内筒蓋21上における第1のストッパ212が突出した蓋開放位置決めラッチ62に当接すると、コントローラは駆動モーター5の回動を停止させ、これにより内筒2も回動を停止するようになる。さらに、コントローラは、蓋開放ロック6の蓋開放ラッチ61を突出させる。あるいは、当業者は、必要に応じて、蓋開放ラッチ61を、蓋開放位置決めラッチ62が突出すると同時に突出させることもできる。
【0048】
ステップS14に示すように、蓋開放ラッチ61は、突出するのに伴い第1の内筒蓋21上における蓋開放ボタン211に当接するとともに、蓋開放ボタン211を押すことにより、第1の内筒蓋21と第2の内筒蓋22をロック解除することができる。第1の内筒蓋21と第2の内筒蓋22がロック解除された後、コントローラは、蓋開放ラッチ61と蓋開放位置決めラッチ62を退縮させ、駆動モーター5で内筒2を駆動して正方向に回動させる。
【0049】
当業者は、第1の内筒蓋21と第2の内筒蓋22がロック解除された後、第1の内筒蓋21と第2の内筒蓋22の自由端は第1の戻しバネと第2の戻しバネの作用で、外筒1の内壁又は外筒蓋の内側に押し付けられると理解できる。
【0050】
ステップS15に示すように、内筒2は内筒蓋と外筒蓋とが合わさる位置まで再び回動すると、コントローラは、駆動モーター5の回動を停止させ、位置決めロックのラッチをベルト車3上におけるロックスロットに挿入させて内筒2とベルト車3とをロックする。
【0051】
そのため、本発明の蓋開放システムによって、ユーザーが内筒蓋を手動で開放する操作を低減させ、ユーザー体験が最適化される。
【0052】
なお、ステップS13に対応して、蓋開放ロック6内には、蓋開放位置決めラッチ62が第1のストッパ212に当接しているか否かを検出するためのセンサーが設けられている。当業者は、当該センサーが、例えば蓋開放位置決めラッチ62の底端に設置される圧力センサー、蓋開放位置決めラッチ62の頂端に設置される近接スイッチ、第1のストッパ212に接触可能なスイッチなど、如何なる実現可能なセンサーであってもよいと理解できる。
【0053】
また、ステップS14に対応して、蓋開放ラッチ61の突出ストロークは、蓋開放ラッチ61が完全に突出した後、ちょうど蓋開放ボタン211を押して、第1の内筒蓋21と第2の内筒蓋22がロック解除することができるように設置される。また、蓋開放ラッチ61が完全に突出した後、コントローラは蓋開放ラッチ61を退縮させる。
【0054】
さらに、蓋開放ラッチ61と蓋開放位置決めラッチ62の摩損を防止するために、当業者はまた、必要に応じて、蓋開放ラッチ61と蓋開放位置決めラッチ62の自由端にそれぞれローラーを設置して、蓋開放ラッチ61と蓋開放位置決めラッチ62が、それぞれ各自のローラーを介して、蓋開放ボタン211と第1のストッパ212に当接することもできる。
【0055】
以下、本発明の蓋閉止システムを
図1、
図2、
図6及び
図7と合わせて、詳しく説明する。
【0056】
図1及び
図2に示すように、本発明の蓋閉止ロック7は外筒1に設置され、且つ外筒口付近に設置される。あるいは、当業者はまた、必要に応じて、蓋閉止ロック7をハウジングに設置することもできる。さらに、本発明の蓋閉止システムは、さらに第2の内筒蓋22に設置される第2のストッパ221を含む。当該第2のストッパ221は、蓋閉止ロック7と協働して、ともに開放状態での第1の内筒蓋21及び第2の内筒蓋22が自動的に閉じられるようにする。当業者は、本発明の第2のストッパ221が、例えばフック、板状構造、柱状構造などのような如何なる実現可能な構造であってもよいと理解できる。
【0057】
図6及び
図7に示すように、本発明の蓋閉止ロック7は、主に、蓋閉止ロック本体(図示せず)と、蓋閉止ラッチ71と、蓋閉止位置決めラッチ72と、駆動部材(図示せず)とを備える。その中で、蓋閉止ラッチ71と蓋閉止位置決めラッチ72は、自身の軸線方向に沿って蓋閉止ロック本体にスライド可能に接続される。駆動部材は、蓋閉止ラッチ71と蓋閉止位置決めラッチ72を駆動して自身の軸線方向に沿ってスライドさせるために使用される。好ましくは、蓋閉止位置決めラッチ72は2つあり、それぞれ蓋閉止ラッチ71の両側に設置され、第2の内筒蓋22は、蓋閉止位置決めラッチ72が第2のストッパ221に当接する時に変形されるのを防止するために用いられる。それに対応して、第2のストッパ221も2つ設けられている。蓋閉止位置決めラッチ72が突出すると、第2のストッパ221は、内筒2の回動に伴って蓋閉止位置決めラッチ72に当接できる。第2のストッパ221が蓋閉止位置決めラッチ72に当接すると、蓋閉止ラッチ71は突出した時に第2の内筒蓋22を閉じることができる。なお、蓋閉止ラッチ71が第2の内筒蓋22を閉じることができるのを保証することを前提にして、蓋閉止位置決めラッチ72の数は、
図7に示された2つに限定されず、例えば、1つ、3つや4つなど、任意の数であってもよい。さらに、蓋閉止ラッチ71が第2の内筒蓋22を閉じることができるのを保証することを前提にして、当業者はまた、必要に応じて蓋閉止位置決めラッチ72と第2のストッパ221の設置を省略することもでき、例えば、内筒2に角度センサーを設け、当該角度センサーによって内筒2を蓋閉止ラッチ71が第2の内筒蓋22を閉じることができる位置まで正確に回動させる。
【0058】
図示していないが、本発明の蓋閉止システムは、さらに、位置決めロック、駆動モーター5、及び蓋閉止ロック7の動作を制御するためのコントローラを含む。当業者はまた、必要に応じて、蓋閉止システムと蓋開放システムが1つのコントローラを共同で使用することもできる。
【0059】
以下、
図5を参照して本発明の蓋閉止システムが内筒蓋を閉じる主なステップを、説明する。
【0060】
ステップS21に示すように、コントローラは位置決めロックを制御してラッチをベルト車3上におけるロックスロットから退縮させ、且つ駆動モーター5を制御して、ベルト車3を内筒2を伴って正回動させるとともに、蓋閉止ロック7の蓋閉止位置決めラッチ72を突出させる。
【0061】
ステップS22に示すように、第2の内筒蓋22上における第2のストッパ221が突出した蓋閉止位置決めラッチ72に当接すると、コントローラは駆動モーター5の回動を停止させ、これにより内筒2も回動を停止するようになる。さらに、コントローラは、蓋閉止ロック7の蓋閉止ラッチ71を突出させる。あるいは、当業者はまた、必要に応じて、蓋閉止ラッチ71を、蓋閉止位置決めラッチ72が突出すると同時に突出させることもできる。
【0062】
ステップS23に示すように、蓋閉止ラッチ71は、突出するのに伴い第2の内筒蓋22を閉じることができ、第1の内筒蓋21と第2の内筒蓋22との間には連動機構があるため、第2の内筒蓋22が閉じられると同時に、第1の内筒蓋21も閉じられることになる。第1の内筒蓋21と第2の内筒蓋22が閉じられた後、コントローラは、蓋閉止ラッチ71と蓋閉止位置決めラッチ72を退縮させる。
【0063】
ステップS24に示すように、ステップS23が完了した後、コントローラは洗濯機に洗濯作業を開始させる。
【0064】
そのため、本発明の蓋閉止システムによって、ユーザーが内筒蓋を手動で閉じる操作を低減させ、ユーザー体験が最適化される。
【0065】
なお、ステップS22に対応して、蓋閉止ロック7内には、蓋閉止位置決めラッチ72が第2のストッパ221に当接しているか否かを検出するためのセンサーが設けられている。当業者は、当該センサーが、例えば蓋閉止位置決めラッチ72の底端に設置される圧力センサー、蓋閉止位置決めラッチ72の頂端に設置される近接スイッチ、第2のストッパ221に接触可能なスイッチなど、如何なる実現可能なセンサーであってもよいと理解できる。
【0066】
また、ステップS23に対応して、蓋閉止ラッチ71の突出ストロークは、蓋閉止ラッチ71が完全に突出した後、ちょうど第1の内筒蓋21と第2の内筒蓋22を閉じることができるように設置される。また、蓋閉止ラッチ71が完全に突出した後、コントローラは蓋閉止ラッチ71を退縮させる。
【0067】
さらに、蓋閉止ラッチ71と蓋閉止位置決めラッチ72の摩損を防止するために、当業者はまた、必要に応じて、蓋閉止ラッチ71と蓋閉止位置決めラッチ72の自由端にそれぞれローラーを設置して、蓋閉止ラッチ71と蓋閉止位置決めラッチ72が、それぞれ各自のローラーを介して、第2の内筒蓋22の外側と第2のストッパ221に当接することもできる。
【0068】
当業者は、本発明の内筒蓋が、上述した好ましい実施形態における分割型の第1の内筒蓋21と第2の内筒蓋22に加えて、例えば、内筒蓋が、内筒2に駆動可能に接続されてもよく、内筒2にスライド可能に接続されてもよい1つの蓋体のみからなるなど、如何なる実現可能な内筒蓋であってもよいと理解できる。
【0069】
さらに、当業者はまた、本発明のトップローディング洗濯機が、上述した好ましい実施形態に記載の別体に設置された上蓋と外筒蓋に加えて、上蓋と外筒蓋を一体に設置して、当該蓋が閉じられたときに外筒とハウジング上における衣類投入口をすべて閉じることができるようにしてもよいと理解できる。
【0070】
これで、本発明の技術案を、図面に示された好ましい実施形態と合わせて説明したが、本発明の保護範囲がこれらの具体的な実施形態に限定されないことは、当業者には容易に理解される。本発明の原理から逸脱することなく、当業者は、関連する技術特徴に対して同等の変更又は置換を行うことができ、これらの変更又は置換後の技術案はいずれも、本発明の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0071】
1 外筒
2 内筒
21 第1の内筒蓋
211 蓋開放ボタン
212 第1のストッパ
22 第2の内筒蓋
221 第2のストッパ
3 ベルト車
4 ベルト
5 駆動モーター
6 蓋開放ロック
61 蓋開放ラッチ
62 蓋開放位置決めラッチ
7 蓋閉止ロック
71 蓋閉止ラッチ
72 蓋閉止位置決めラッチ