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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-29
(45)【発行日】2022-04-06
(54)【発明の名称】圧力センサ
(51)【国際特許分類】
   G01L 9/00 20060101AFI20220330BHJP
   H01L 29/84 20060101ALI20220330BHJP
【FI】
G01L9/00 303E
H01L29/84 B
H01L29/84 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021502225
(86)(22)【出願日】2020-02-21
(86)【国際出願番号】 JP2020007236
(87)【国際公開番号】W WO2020175408
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-06-18
(31)【優先権主張番号】P 2019036554
(32)【優先日】2019-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135183
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 克之
(74)【代理人】
【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】矢澤 久幸
(72)【発明者】
【氏名】大川 尚信
(72)【発明者】
【氏名】石曽根 昌彦
(72)【発明者】
【氏名】高橋 亨
(72)【発明者】
【氏名】大塚 彩子
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-003099(JP,A)
【文献】特開平08-279621(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0145853(US,A1)
【文献】特開2002-373991(JP,A)
【文献】特開平04-328434(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0152679(US,A1)
【文献】米国特許第06006607(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 7/00-23/32
G01L 27/00-27/02
H01L 29/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン基板に形成されたダイヤフラムと、前記ダイヤフラムの歪みに応じて抵抗値が変化する複数のピエゾ素子領域とを有する圧力センサであって、
前記複数のピエゾ素子領域は、第1ピエゾ素子領域、第2ピエゾ素子領域、第3ピエゾ素子領域および第4ピエゾ素子領域を有し、
前記第1ピエゾ素子領域と前記第2ピエゾ素子領域とが第1出力端子を介して直列接続され、前記第3ピエゾ素子領域と前記第4ピエゾ素子領域とが第2出力端子を介して直列接続され、前記第1ピエゾ素子領域と前記第3ピエゾ素子領域とが入力端子を介して接続され、前記第2ピエゾ素子領域と前記第4ピエゾ素子領域とが接地端子を介して接続され、前記第1ピエゾ素子領域から前記第4ピエゾ素子領域によってフルブリッジ回路が構成され、
前記ダイヤフラムが歪んだときに、前記第2ピエゾ素子領域および前記第3ピエゾ素子領域のそれぞれの抵抗値は大きくなり、前記第1ピエゾ素子領域および前記第4ピエゾ素子領域の抵抗値は小さくなるように形成されており、
前記ダイヤフラムは、所定の圧力を受けて撓んだ際の最大応力値の80%以上となる最大撓み領域を有し、
前記第1ピエゾ素子領域、前記第2ピエゾ素子領域、前記第3ピエゾ素子領域および前記第4ピエゾ素子領域は、前記最大撓み領域内に配置された、ことを特徴とする圧力センサ。
【請求項2】
前記第1ピエゾ素子領域、前記第2ピエゾ素子領域、前記第3ピエゾ素子領域および前記第4ピエゾ素子領域のそれぞれにおける長手方向の長さは、短手方向の長さの2倍以上10倍以下である、ことを特徴とする請求項1記載の圧力センサ。
【請求項3】
前記第1ピエゾ素子領域、前記第2ピエゾ素子領域、前記第3ピエゾ素子領域および前記第4ピエゾ素子領域のそれぞれは、複数のピエゾ素子要素を有し、
前記ダイヤフラムの平面視において、前記第1ピエゾ素子領域と前記第4ピエゾ素子領域とが対向して配置され、前記第2ピエゾ素子領域と前記第3ピエゾ素子領域とが対向して配置され、
前記第1ピエゾ素子領域および前記第4ピエゾ素子領域は、前記ダイヤフラムが撓む方向と直交する方向に前記ピエゾ素子要素の長手方向が配置され、
第2ピエゾ素子領域および前記第3ピエゾ素子領域は、前記ダイヤフラムが撓む方向と同じ方向に前記ピエゾ素子要素の長手方向が配置された、ことを特徴とする請求項1または2に記載の圧力センサ。
【請求項4】
前記ダイヤフラムの平面視は4辺を有する略四角形に構成され、
前記ダイヤフラムの平面視において、前記第1ピエゾ素子領域と前記第4ピエゾ素子領域とが前記ダイヤフラムの対向する2辺のそれぞれの略中央部に配置され、前記第2ピエゾ素子領域と前記第3ピエゾ素子領域とが前記ダイヤフラムの対向する他の2辺のそれぞれの略中央部に配置された、請求項3記載の圧力センサ。
【請求項5】
前記第1ピエゾ素子領域、前記第2ピエゾ素子領域、前記第3ピエゾ素子領域および前記第4ピエゾ素子領域のそれぞれは、複数のピエゾ素子要素を有し、
前記第1ピエゾ素子領域および前記第4ピエゾ素子領域のそれぞれの前記ピエゾ素子要素の形状は、前記第2ピエゾ素子領域および前記第3ピエゾ素子領域のそれぞれの前記ピエゾ素子要素の形状と相違する、請求項1から4のいずれか1項に記載の圧力センサ。
【請求項6】
前記第1ピエゾ素子領域、前記第2ピエゾ素子領域、前記第3ピエゾ素子領域および前記第4ピエゾ素子領域のそれぞれは、複数のピエゾ素子要素を有し、
前記第1ピエゾ素子領域および前記第4ピエゾ素子領域のそれぞれの前記複数のピエゾ素子要素の数は、第2ピエゾ素子領域および第3ピエゾ素子領域のそれぞれの前記複数のピエゾ素子要素の数と異なる、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の圧力センサ。
【請求項7】
前記第1ピエゾ素子領域、前記第2ピエゾ素子領域、前記第3ピエゾ素子領域および前記第4ピエゾ素子領域のそれぞれの前記複数のピエゾ素子要素はミアンダ形状に接続された、請求項3から6のいずれか1項に記載の圧力センサ。
【請求項8】
前記第1ピエゾ素子領域、前記第2ピエゾ素子領域、前記第3ピエゾ素子領域および前記第4ピエゾ素子領域のそれぞれにおける長手方向の長さは、前記ダイヤフラムの1つの辺の長さの1/5以下である、請求項2に記載の圧力センサ。
【請求項9】
前記第1ピエゾ素子領域、前記第2ピエゾ素子領域、前記第3ピエゾ素子領域および前記第4ピエゾ素子領域のそれぞれにおける長手方向の長さは、前記ダイヤフラムの1つの辺の長さの1/6以上1/5以下である、請求項8に記載の圧力センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力センサに関し、より詳しくは、ダイヤフラムの歪みに応じて抵抗値が変化する複数のピエゾ素子を有する圧力センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術などを用いてダイヤフラムを形成し、歪みに応じて抵抗値が変化するピエゾ素子をダイヤフラムに設けた圧力センサが知られている。
【0003】
特許文献1には、圧力の検出感度を向上させた半導体圧力センサが開示される。この半導体圧力センサでは、ピエゾ抵抗素子の形状として、ダイヤフラムの変形時に大きな応力の発生する領域にピエゾ抵抗素子の多くの部分が配置されるようにしている。
【0004】
特許文献2には、優れた検出精度を有する物理量センサーが開示される。この物理量センサーでは、応力が多く加わるダイヤフラムの外縁部にピエゾ抵抗部を配置することによってピエゾ抵抗素子の抵抗値変化をより大きくすることができ、その結果ブリッジ回路の出力変化を大きくできるようになっている。
【0005】
特許文献3には、ダイヤフラムと感応抵抗素子との相対位置ずれによる影響が小さい半導体圧力センサが開示される。この半導体圧力センサでは、ピエゾ抵抗素子の熱変動に起因する通電変動を抑制するために、各ピエゾ抵抗部のピエゾ抵抗素子群配置領域の面積をすべて同じで、かつ領域の外形形状を同形状にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2000-214027号公報
【文献】特開2015-179000号公報
【文献】特開2012-002646号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ダイヤフラムおよびピエゾ素子を用いた圧力センサでは、4つのピエゾ素子によってブリッジ回路を構成し、ダイヤフラムの歪に応じて変化する抵抗値に基づき出力(圧力)を計測している。このため、ダイヤフラムの撓みによる応力の分布と、4つのピエゾ素子のレイアウトとの関係が、ブリッジ回路の出力値のばらつきや、圧力センサの出力に含まれる高次の非線形成分の発生に大きな影響を及ぼす。
【0008】
本発明は、ダイヤフラムおよびピエゾ素子を用いた圧力センサにおいて、高精度で、高出力を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、シリコン基板に形成されたダイヤフラムと、ダイヤフラムの歪みに応じて抵抗値が変化する複数のピエゾ素子領域とを有する圧力センサである。この圧力センサにおいて、複数のピエゾ素子領域は、第1ピエゾ素子領域、第2ピエゾ素子領域、第3ピエゾ素子領域および第4ピエゾ素子領域を有する。第1ピエゾ素子領域と第2ピエゾ素子領域とは第1出力端子を介して直列接続される。第3ピエゾ素子領域と第4ピエゾ素子領域とは第2出力端子を介して直列接続される。第1ピエゾ素子領域と第3ピエゾ素子領域とは入力端子を介して接続される。第2ピエゾ素子領域と第4ピエゾ素子領域とは接地端子を介して接続される。そして、第1ピエゾ素子領域から第4ピエゾ素子領域によってフルブリッジ回路が構成される。ダイヤフラムが歪んだときに、第2ピエゾ素子領域および第3ピエゾ素子領域のそれぞれの抵抗値は大きくなり、第1ピエゾ素子領域および第4ピエゾ素子領域の抵抗値は小さくなるように形成される。ダイヤフラムは、所定の圧力を受けて撓んだ際の最大応力値の80%以上となる最大撓み領域を有する。第1ピエゾ素子領域、第2ピエゾ素子領域、第3ピエゾ素子領域および第4ピエゾ素子領域は、ダイヤフラムの最大撓み領域内に配置される。
【0010】
このような構成によれば、複数のピエゾ素子領域のそれぞれがダイヤフラムの最大撓み領域内に配置されるため、ダイヤフラムの歪による応力を各ピエゾ素子領域で十分かつ均等に受けることができる。これにより、圧力センサの出力に含まれる高次の非線形成分が抑制され、全体構成(ダイヤフラムサイズや厚さなど)を変えることなく、ブリッジ回路の出力電圧を最大化させることができる。
【0011】
上記圧力センサにおいて、第1ピエゾ素子領域、第2ピエゾ素子領域、第3ピエゾ素子領域および第4ピエゾ素子領域のそれぞれにおける長手方向の長さは、短手方向の長さの2倍以上10倍以下程度であることが好ましい。これにより、各ピエゾ素子領域の歪抵抗特性を維持しつつ、各ピエゾ素子領域を最大撓み領域内にレイアウトできるようになる。
【0012】
上記圧力センサにおいて、第1ピエゾ素子領域、第2ピエゾ素子領域、第3ピエゾ素子領域および第4ピエゾ素子領域のそれぞれは、複数のピエゾ素子要素を有し、ダイヤフラムの平面視において、第1ピエゾ素子領域と第4ピエゾ素子領域とが対向して配置され、第2ピエゾ素子領域と第3ピエゾ素子領域とが対向して配置され、第1ピエゾ素子領域および第4ピエゾ素子領域は、ダイヤフラムが撓む方向と直交する方向にピエゾ素子要素の長手方向が配置され、第2ピエゾ素子領域および第3ピエゾ素子領域は、ダイヤフラムが撓む方向と同じ方向にピエゾ素子要素の長手方向が配置されていてもよい。これにより、各ピエゾ素子領域の歪抵抗特性を維持しつつ、複数のピエゾ素子要素を最大撓み領域内にレイアウトできるようになる。
【0013】
上記圧力センサにおいて、ダイヤフラムの平面視は4辺を有する略四角形に構成され、ダイヤフラムの平面視において、第1ピエゾ素子領域と第4ピエゾ素子領域とがダイヤフラムの対向する2辺のそれぞれの略中央部に配置され、第2ピエゾ素子領域と第3ピエゾ素子領域とがダイヤフラムの対向する他の2辺のそれぞれの略中央部に配置されていてもよい。これにより、各ピエゾ素子領域の歪抵抗特性を維持しつつ、各ピエゾ素子領域を最大撓み領域内にレイアウトできるようになる。
【0014】
上記圧力センサにおいて、第1ピエゾ素子領域、第2ピエゾ素子領域、第3ピエゾ素子領域および第4ピエゾ素子領域のそれぞれは、複数のピエゾ素子要素を有し、第1ピエゾ素子領域および第4ピエゾ素子領域のそれぞれのピエゾ素子要素の形状は、第2ピエゾ素子領域および第3ピエゾ素子領域のそれぞれのピエゾ素子要素の形状と相違してもよい。これにより、各ピエゾ素子領域の歪抵抗特性を維持しつつ、複数のピエゾ素子要素を最大撓み領域内にレイアウトできるようになる。
【0015】
上記圧力センサにおいて、第1ピエゾ素子領域、第2ピエゾ素子領域、第3ピエゾ素子領域および第4ピエゾ素子領域のそれぞれは、複数のピエゾ素子要素を有し、第1ピエゾ素子領域および第4ピエゾ素子領域のそれぞれの複数のピエゾ素子要素の数は、第2ピエゾ素子領域および前記第3ピエゾ素子領域のそれぞれの複数のピエゾ素子要素の数と異なっていてもよい。これにより、各ピエゾ素子領域に含まれる複数のピエゾ素子要素を最大撓み領域内にレイアウトできるようになる。
【0016】
上記圧力センサにおいて、第1ピエゾ素子領域、第2ピエゾ素子領域、第3ピエゾ素子領域および第4ピエゾ素子領域のそれぞれの複数のピエゾ素子要素はミアンダ形状に接続されていてもよい。これにより、各ピエゾ素子領域の歪抵抗特性を維持しつつ、複数のピエゾ素子要素を最大撓み領域内にレイアウトできるようになる。
【0017】
上記圧力センサにおいて、第1ピエゾ素子領域、第2ピエゾ素子領域、第3ピエゾ素子領域および第4ピエゾ素子領域のそれぞれにおける長手方向の長さは、ダイヤフラムの1つの辺の長さの1/5以下程度であることが好ましく、1/6以上1/5以下であることがより好ましい。これにより、各ピエゾ素子領域の歪抵抗特性を維持しつつ、各ピエゾ素子領域を最大撓み領域内にレイアウトできるようになる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ダイヤフラムおよびピエゾ素子を用いた圧力センサにおいて、高精度で、高出力を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態に係る圧力センサを例示する平面図である。
図2】(a)および(b)は、ピエゾ素子領域の構成を例示する平面図である。
図3】本実施形態に係る圧力センサの回路構成図である。
図4】(a)および(b)は、ダイヤフラムの応力分布を示す図である。
図5】(a)および(b)は、ダイヤフラムの応力分布を示す図である。
図6】(a)および(b)は、略四角形のダイヤフラムを用い、本実施形態を適用していない圧力センサの出力値の非線形性を示す図である。
図7】(a)および(b)は、略四角形のダイヤフラムを用い、本実施形態を適用した圧力センサの出力値の非線形性を示す図である。
図8】(a)および(b)は、円形のダイヤフラムの応力分布を示す図である。
図9】(a)および(b)は、円形のダイヤフラムを用い、本実施形態を適用した圧力センサの出力値の非線形性を示す図である。
図10】(a)および(b)は、円形のダイヤフラムを用い、本実施形態の他の例を適用した圧力センサの出力値の非線形性を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。
【0021】
(圧力センサの構成)
図1は、本実施形態に係る圧力センサを例示する平面図である。
図2(a)および(b)は、ピエゾ素子領域の構成を例示する平面図である。
図3は、本実施形態に係る圧力センサの回路構成図である。
【0022】
図1に示すように、本実施形態に係る圧力センサ1は、シリコン基板2に形成されたダイヤフラム3と、ダイヤフラム3の歪みに応じて抵抗値が変化する複数のピエゾ素子領域A~Dとを有する。
【0023】
シリコン基板2としては、例えばSOI(Silicon on Insulator)基板が用いられる。SOI基板は、第1シリコン基板と第2シリコン基板とを、酸化層(例えばSiO2)を挟んで積層した構成を有する。例えば第1シリコン基板を上側、第2シリコン基板を下側とした場合、第2シリコン基板にキャビティ(凹部)が形成されており、キャビティ上の酸化層および第1シリコン基板によりダイヤフラム3が形成される。図1では、ダイヤフ

ラム3の領域を破線で示している。
【0024】
ダイヤフラム3の平面視は4辺を有する略四角形に構成される。略四角形には、四角形の隅部が僅かに丸みを帯びている形状や、四角形の隅部が斜めに面取りされている形状が含まれる。
【0025】
本実施形態では、複数のピエゾ素子領域A~Dとして、第1ピエゾ素子領域A、第2ピエゾ素子領域B、第3ピエゾ素子領域Cおよび第4ピエゾ素子領域Dの4つが設けられる。ここで、ピエゾ素子領域A~Dとは、後述する複数のピエゾ素子要素P1、P2によって構成される外接矩形領域のことをいう。
【0026】
第1ピエゾ素子領域Aと第2ピエゾ素子領域Bとは、第1出力端子11を介して直列接続される。第3ピエゾ素子領域Cと第4ピエゾ素子領域Dとは、第2出力端子12を介して直列接続される。また、第1ピエゾ素子領域Aと第3ピエゾ素子領域Cとは、入力端子21を介して接続される。第2ピエゾ素子領域Bと第4ピエゾ素子領域Dとは、接地端子22を介して接続される。
【0027】
このような第1ピエゾ素子領域A、第2ピエゾ素子領域B、第3ピエゾ素子領域Cおよび第4ピエゾ素子領域Dによって図3に示すフルブリッジ回路が構成される。すなわち、第1ピエゾ素子領域Aの特性と第4ピエゾ素子領域Dの特性とは等しく、第2ピエゾ素子領域Bの特性と第3ピエゾ素子領域Cの特性とは等しく、第1ピエゾ素子領域Aの特性と第2ピエゾ素子領域Bの特性とは異なっている。
【0028】
そして、ダイヤフラム3の平面視形状が略四角形の場合、ダイヤフラム3の平面視において、第1ピエゾ素子領域Aと第4ピエゾ素子領域Dとがダイヤフラム3の対向する2辺のそれぞれの略中央部に配置され、第2ピエゾ素子領域Bと第3ピエゾ素子領域Cとがダイヤフラム3の対向する他の2辺のそれぞれの略中央部に配置される。
【0029】
第1出力端子11、第2出力端子12、入力端子21および接地端子22は、いずれもシリコン基板2のダイヤフラム3の外側の領域に形成される。第1出力端子11、第2出力端子12、入力端子21および接地端子22のそれぞれには接続配線31が設けられ、この接続配線31を介して各ピエゾ素子領域A~Dが導通接続される。
【0030】
このダイヤフラム3に圧力が印加され、ダイヤフラム3が歪む(変位する)と、その歪みに応じて第1ピエゾ素子領域A、第2ピエゾ素子領域B、第3ピエゾ素子領域Cおよび第4ピエゾ素子領域Dのそれぞれの抵抗値が変化し、4つのピエゾ素子領域A~Dによって形成されたブリッジ回路の中点電位が変化する。
【0031】
ダイヤフラム3に圧力が付与されたときの変位は、一対の第1ピエゾ素子領域Aおよび第4ピエゾ素子領域Dに対しては圧縮方向に作用して抵抗値が小さくなるように働き、対向する一対の第2ピエゾ素子領域Bおよび第3ピエゾ素子領域Cに対しては引っ張り方向に作用して抵抗値が大きくなるように働く。
【0032】
このように、第1ピエゾ素子領域A、第2ピエゾ素子領域B、第3ピエゾ素子領域Cおよび第4ピエゾ素子領域Dのそれぞれに作用する圧縮方向および引っ張り方向の力によって変化する抵抗値により変位する中点電位が、圧力センサ1のセンサ出力となる。
【0033】
このような本実施形態に係る圧力センサ1において、第1ピエゾ素子領域A、第2ピエゾ素子領域B、第3ピエゾ素子領域Cおよび第4ピエゾ素子領域Dのそれぞれは、ダイヤフラム3の最大撓み領域S内に配置されている。ここで、ダイヤフラム3の最大撓み領域Sとは、ダイヤフラム3が所定の圧力を受けて撓んだ際、ダイヤフラム3に加わる最大応力値の80%以上となる領域のことをいう。
【0034】
第1ピエゾ素子領域A、第2ピエゾ素子領域B、第3ピエゾ素子領域Cおよび第4ピエゾ素子領域Dのそれぞれがダイヤフラム3の最大撓み領域S内に配置されることで、ダイヤフラム3の歪による応力を各ピエゾ素子領域A~Dで十分かつ均等に受けることができる。
【0035】
すなわち、ダイヤフラム3の最大撓み領域Sにはダイヤフラム3が歪んだ際の最大応力値の80%以上の応力が加わる。この最大撓み領域S内に各ピエゾ素子領域A~Dが配置されていることで、各ピエゾ素子領域A~Dのそれぞれに印加される応力は、全体的かつ集中的に印加されることになる。これにより、圧力センサ1の出力に含まれる高次の非線形成分が抑制され、全体構成(ダイヤフラム3のサイズや厚さなど)を変えることなく、ブリッジ回路の出力電圧を最大化させることができる。
【0036】
(ピエゾ素子領域の構成)
次に、ピエゾ素子領域の構成について説明する。
図2(a)には、第4ピエゾ素子領域Dの構成が例示される。なお、第1ピエゾ素子領域Aは、第4ピエゾ素子領域Dと対称な形状であるため、ここでは第4ピエゾ素子領域Dに基づき説明を行う。
【0037】
第4ピエゾ素子領域Dは、複数のピエゾ素子要素P1を有する。本実施形態では、3つのピエゾ素子要素P1がミアンダ形状に接続されている。1つのピエゾ素子要素P1は平面視で長方形になっており、ダイヤフラム3の撓み方向(ダイヤフラム3の辺と直交する方向)DDが短手方向、撓み方向DDと直交する方向が長手方向となっている。これにより、第4ピエゾ素子領域Dのピエゾ素子要素P1では、ダイヤフラム3の歪みによって圧縮応力を受け、抵抗値が小さくなるように働く。3つのピエゾ素子要素P1は、全て最大撓み領域S内に配置される。
【0038】
図2(b)には、第2ピエゾ素子領域Bの構成が例示される。なお、第3ピエゾ素子領域Cは、第2ピエゾ素子領域Bと対称な形状であるため、ここでは第2ピエゾ素子領域Bに基づき説明を行う。
【0039】
第2ピエゾ素子領域Bは、複数のピエゾ素子要素P2を有する。本実施形態では、5つのピエゾ素子要素P2がミアンダ形状に接続されている。1つのピエゾ素子要素P2は平面視で長方形になっており、ダイヤフラム3の撓み方向DDが長手方向、撓み方向DDと直交する方向が長手方向となっている。これにより、第2ピエゾ素子領域Bのピエゾ素子要素P2では、ダイヤフラム3の歪みによって引っ張り応力を受け、抵抗値が大きくなるように働く。5つのピエゾ素子要素P2は、全て最大撓み領域S内に配置される。
【0040】
ここで、一対の第1ピエゾ素子領域Aおよび第4ピエゾ素子領域Dの出力と、一対の第2ピエゾ素子領域Bおよび第3ピエゾ素子領域Cの出力との相似性を高めるため、これらの領域(外接矩形領域)は相似的になっていることが好ましい。すなわち、第4ピエゾ素子領域D(第1ピエゾ素子領域A)の長手方向の長さをa、短手方向の長さをb、第2ピエゾ素子領域B(第3ピエゾ素子領域C)の長手方向の長さをc、短手方向の長さをdとした場合、a≒cおよびb≒dを同時に満たす。つまり、a/bおよびc/dは、ほぼ同じである。
【0041】
また、a/bおよびc/dは、2以上10以下程度、好ましくは6程度に設定するとよい。さらに、aおよびcは、ダイヤフラム3の一辺の長さの、0超1/5以下程度であることが好ましく、1/6以上1/5以下であることより好ましい。ピエゾ素子要素が配置されるピエゾ素子領域(第1ピエゾ素子領域Aから第4ピエゾ素子領域D)は、ダイヤフラム3が圧力に応じて撓む変形を測定するために必須であるが、ピエゾ素子領域が過度に大きくなると、ピエゾ素子領域がダイヤフラム3の変形の程度に与える影響が大きくなり、感度の低下など測定結果に影響を与えることが懸念される。そこで、上記のようにピエゾ素子領域(第1ピエゾ素子領域Aから第4ピエゾ素子領域D)がダイヤフラム3の一辺の長さの1/5以下程度とすることにより、ピエゾ素子領域がダイヤフラム3の変形(撓み)に与える影響が適切に抑制される。それゆえ、各ピエゾ素子領域A~Dの歪抵抗特性を維持しつつ、各ピエゾ素子領域A~Dを最大撓み領域S内にレイアウトでき、圧力センサ1の感度を向上させることができる。、
【0042】
また、第4ピエゾ素子領域D(第1ピエゾ素子領域A)と第2ピエゾ素子領域B(第3ピエゾ素子領域C)とは相似的な領域ではあるものの、第4ピエゾ素子領域D(第1ピエゾ素子領域A)の長手方向と、第2ピエゾ素子領域B(第3ピエゾ素子領域C)の長手方向とは、互いに90度相違している。一方、第4ピエゾ素子領域D(第1ピエゾ素子領域A)のピエゾ素子要素P1の長手方向と、第2ピエゾ素子領域B(第3ピエゾ素子領域C)のピエゾ素子要素P2の長手方向とは、互いに一致している。
【0043】
このように、90度向きが異なるピエゾ素子領域A,DおよびB,Cに、長手方向が同じ向きとなる複数のピエゾ素子要素P1、P2を、総面積が等しくなるように配置するため、第4ピエゾ素子領域D(第1ピエゾ素子領域A)のピエゾ素子要素P1の数は、第2ピエゾ素子領域B(第3ピエゾ素子領域C)のピエゾ素子要素P2の数とは異なっている。これにより、各ピエゾ素子領域A~Dに含まれる複数のピエゾ素子要素P1、P2を最大撓み領域S内にレイアウトできるようになる。
【0044】
また、第4ピエゾ素子領域D(第1ピエゾ素子領域A)のピエゾ素子要素P1の形状は、第2ピエゾ素子領域B(第3ピエゾ素子領域C)のピエゾ素子要素P2の形状と相違している。これにより、各ピエゾ素子領域A~Dの歪抵抗特性を維持しつつ、複数のピエゾ素子要素P1、P2を最大撓み領域S内にレイアウトできるようになる。
【0045】
(ダイヤフラムの応力分布)
図4(a)から図5(b)は、ダイヤフラムの応力分布を示す図である。図4(a)および図5(a)にはダイヤフラム3の平面視の応力分布が示され、図4(b)には図4(a)のA-A線における応力分布が示され、図5(b)には図5(a)のB-B線における応力分布が示される。
【0046】
図4(a)および(b)に示すように、略四角形のダイヤフラム3における中央部での応力分布は、辺の近傍が最も高く、中央部にも高い領域が存在する。図5(a)および(b)に示すように、略四角形のダイヤフラム3における辺に沿った位置での応力分布は、中央部が最も高く、隅部に向かうほど低くなっている。
【0047】
ダイヤフラム3が歪んだ際の応力を集中的に受けられるようにするため、各ピエゾ素子領域A~Dは、ダイヤフラム3の最大応力値の80%以上となる最大撓み領域S内に配置される。図4および図5に示す例では、最大応力45Mpaであるため、その80%以上である36Mpa以上の領域が最大撓み領域Sとなる。本例では、最大撓み領域Sの長手方向の長さは約119μm、短手方向の長さは約10μmである。このサイズの最大撓み領域S内に複数のピエゾ素子要素P1、P2が配置される。
【0048】
(ダイヤフラムの非線形性)
上記のように、ダイヤフラム3の応力分布は各辺において辺中央が辺端部に比べて高応力となる非線形な分布をもつ。上下のピエゾ素子領域の抵抗変化と左右のピエゾ素子領域の抵抗変化は、ダイヤフラム3の各辺に対する位置関係および方向が対称でないと異なる特性を示すことになる。その結果、圧力非線形性に複雑な高次の成分が発生することになる。
【0049】
本実施形態に係る圧力センサ1では、第1ピエゾ素子領域Aから第4ピエゾ素子領域Dがダイヤフラム3の最大撓み領域S内に配置されている。このように、本実施形態では、上下ピエゾ抵抗素子、左右ピエゾ抵抗素子をそれぞれの応力分布に対して最適化した構造とすることで、抵抗変化効果が相殺されることで圧力特性のリニアリティ特性の高次の成分を抑制することが可能となる。
また、応力分布変化が集中する最大撓み領域S内に、各ピエゾ素子領域A~Dを共に最適配置するため、センサブリッジ回路の出力電圧を最大化するうえでも有効となる。
【0050】
図6(a)および(b)は、略四角形のダイヤフラムを用い、本実施形態を適用していない圧力センサの出力値の非線形性を示す図である。図6(a)には、略四角形のダイヤフラム3に対する各ピエゾ素子領域A~Dの配置状態が示され、図6(b)には圧力誤差の非線形性(一次近似からのずれ、二次近似からのずれ)が示される。図6(a)に示す圧力センサでは、各ピエゾ素子領域A~Dの一部が最大撓み領域Sから外れた位置に配置される。
【0051】
このように、各ピエゾ素子領域A~Dの一部が最大撓み領域Sから外れた位置に配置された圧力センサでは、図6(b)に示すように、圧力に対する圧力誤差の一次近似からのずれが崩れた三次関数のようになっており、二次近似からのずれも70Pa程度の誤差が生じている。圧力誤差に高次成分が含まれているほど、補正回路による補正が難しくなり、測定精度の低下を招きやすい。
【0052】
図7(a)および(b)は、略四角形のダイヤフラムを用い、本実施形態を適用した圧力センサの出力値の非線形性を示す図である。図7(a)には、略四角形のダイヤフラム3に対する各ピエゾ素子領域A~Dの配置状態が示され、図7(b)には圧力誤差の非線形性(一次近似からのずれ、二次近似からのずれ)が示される。図7(a)に示す圧力センサでは、各ピエゾ素子領域A~Dが最大撓み領域S内に配置される。
【0053】
このように、各ピエゾ素子領域A~Dが最大撓み領域S内に配置された圧力センサでは、図7(b)に示すように、二次近似からのずれが非常に小さくなっている(約16Pa程度)。また、一次近似からのずれは二次曲線的になっている。これは、高次の誤差成分を減少できているためである。このように、高次の誤差成分が減少することで、補正回路による補正精度が向上し、測定精度を高めることが可能となる。なお、補正回路による補正精度の観点から、圧力誤差は、一次近似を基準としたときに小さくなることが最良であり、次に好ましいのは二次近似を基準としたときに小さくなること、さらに次に好ましいのは三次近似を基準としたときに小さくなることである。これらのうち、最も測定誤差を少なくできる近似に合わせて補正回路を構成すればよい。
【0054】
(ダイヤフラムの他の形状の例)
図8(a)および(b)は、円形のダイヤフラムの応力分布を示す図である。図8(a)にはダイヤフラム3の平面視の応力分布が示され、図8(b)に(a)のC-C線における応力分布が示される。
【0055】
図8(a)および(b)に示すように、円形のダイヤフラム3では、中心を通る線に沿った位置での応力分布は、ダイヤフラム3の境界(端部)が最も高く、中心部にも高い領域が存在する。円形のダイヤフラム3では、中心を通るどの線上であっても同様な応力分布になる。円形のダイヤフラム3において、最大応力値の80%以上となる領域は、ダイヤフラム3の境界に沿った領域と、ダイヤフラム3の中央部分の一部領域とが存在する。しかし、この場合の最大撓み領域Sは、最大応力値の80%以上の領域で、最大応力値を含む領域とする。このため、円形のダイヤフラム3における最大撓み領域Sは、ダイヤフラム3の境界に沿ったドーナツ状の領域となる。
【0056】
図8に示す例では、最大応力36Mpaであるため、その80%以上である28.8Mpa以上の領域のうちダイヤフラム3の境界に沿ったドーナツ状の領域が最大撓み領域Sとなる。本例では、最大撓み領域Sの幅(径方向の長さ)は約17.2μmである。このサイズの最大撓み領域S内に複数のピエゾ素子要素P1、P2が配置される。
【0057】
(ダイヤフラムの非線形性)
図9(a)および(b)は、円形のダイヤフラムを用い、本実施形態を適用した圧力センサの出力値の非線形性を示す図である。図9(a)には、円形のダイヤフラム3に対する各ピエゾ素子領域A~Dの配置状態が示され、図9(b)には圧力誤差の非線形性(一次近似からのずれ、二次近似からのずれ)が示される。図9に示す圧力センサでは、各ピエゾ素子領域A~Dが最大撓み領域S内に配置される。図9(a)に示す圧力センサでは、各ピエゾ素子領域A~Dが最大撓み領域S内に配置される。各ピエゾ素子領域A~Dの形状は、図7(a)に示す略四角形のダイヤフラム3に配置した各ピエゾ素子領域A~Dの形状と同様である。
【0058】
このように、各ピエゾ素子領域A~Dが円形のダイヤフラム3の最大撓み領域S内に配置された圧力センサでは、図9(b)に示すように、二次近似からのずれが非常に小さくなっている(約5Pa程度)。また、一次近似からのずれは二次曲線的になっているため、補正回路によって補正しやすく、測定精度を高めることが可能となる。
【0059】
図10(a)および(b)は、円形のダイヤフラムを用い、本実施形態の他の例を適用した圧力センサの出力値の非線形性を示す図である。図10(a)には、円形のダイヤフラム3に対する各ピエゾ素子領域A~Dの配置状態が示され、図10(b)には圧力誤差の非線形性(一次近似からのずれ、二次近似からのずれ)が示される。図10(a)に示す圧力センサでは、各ピエゾ素子領域A~Dが最大撓み領域S内に配置されるとともに、各ピエゾ素子領域A~Dが円形のダイヤフラム3の周に沿うような扇型の領域となっている。
【0060】
このように、各ピエゾ素子領域A~Dが円形のダイヤフラム3の最大撓み領域S内に配置され、さらにダイヤフラム3の周に沿うような扇型の領域になっている圧力センサでは、図10(b)に示すように、二次近似からのずれが非常に小さくなっている(約5Pa程度)。また、一次近似からのずれは二次曲線的になっているため、補正回路によって補正しやすく、測定精度を高めることが可能となる。さらに、一次近似からのずれは、図9に示す圧力センサよりも小さくなっている。図10に示す圧力センサは、図9に示す圧力センサよりも最適化されていることが分かる。
【0061】
以上説明したように、本実施形態によれば、ダイヤフラム3およびピエゾ素子を用いた圧力センサ1において、高精度で、高出力を得ることが可能になる。
【0062】
なお、上記に本実施形態を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、上記の例では略四角形のダイヤフラム3について説明したが、略四角形以外の多角形であってもよい。また、複数のピエゾ素子領域はダイヤフラム3の中心を直交する軸上に対称に配置される場合のほか、ダイヤフラム3の中心を交差(非直交)する軸上に配置されるものであってもよい。また、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の構成例の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。
【符号の説明】
【0063】
1…圧力センサ
2…シリコン基板
3…ダイヤフラム
11…第1出力端子
12…第2出力端子
21…入力端子
22…接地端子
31…接続配線
A…第1ピエゾ素子領域
B…第2ピエゾ素子領域
C…第3ピエゾ素子領域
D…第4ピエゾ素子領域
DD…撓み方向
P1…ピエゾ素子要素
P2…ピエゾ素子要素
S…最大撓み領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10