(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-29
(45)【発行日】2022-04-06
(54)【発明の名称】口腔ケア装置のためのワークピース保持機構
(51)【国際特許分類】
A61C 17/00 20060101AFI20220330BHJP
F16B 7/20 20060101ALI20220330BHJP
【FI】
A61C17/00 T
F16B7/20 A
(21)【出願番号】P 2021502627
(86)(22)【出願日】2019-07-23
(86)【国際出願番号】 EP2019069837
(87)【国際公開番号】W WO2020020907
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-01-15
(32)【優先日】2018-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】グローヴス ジェフリー
【審査官】宮部 愛子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2000/037017(WO,A1)
【文献】実開昭52-023893(JP,U)
【文献】特開昭60-85737(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102006060133(DE,A1)
【文献】英国特許出願公開第1331003(GB,A)
【文献】中国特許出願公開第106667606(CN,A)
【文献】特開2013-213(JP,A)
【文献】特開2004-33769(JP,A)
【文献】特表2017-500971(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 17/00-17/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔ケア装置のハンドルアセンブリにワークピースを固定するための接続機構であって、
少なくとも1本の軸方向に延在する梁、及び前記梁から径方向に延在する突出部を持つ、コレットと、
前記突出部におけるラッチ面であって、前記接続機構が、前記ラッチ面が前記ワークピースの対応する面と係合したロック構成にあるときに、前記ワークピースが、第1の軸方向に前記ハンドルアセンブリから引き出されるのを防止するよう構成された、ラッチ面と、
前記第1の軸方向とは反対である第2の軸方向に前記コレットにかかる軸力を、前記接続機構を前記ラッチ面が前記ワークピースの対応する面に係合していない非ロック構成に遷移させるためのデフォルト構成からの前記梁の径方向の偏向に変換するよう構成された、カム機能部と、
を有し、前記梁は、前記径方向の偏向に起因する前記梁における歪みエネルギーにより、前記軸力が解放された後に、前記デフォルト
構成に戻るよう構成された、接続機構。
【請求項2】
前記突出部は、前記第2の軸方向における前記ワークピースの挿入の間、前記ワークピースを受容するよう構成された前記ラッチ面とは軸方向反対側の受容面を含む、請求項1に記載の接続機構。
【請求項3】
前記梁は、前記歪みエネルギーが前記梁をデフォルト構成に戻す、前記ワークピースの前記対応する面に、前記ラッチ面が軸方向に整列されているときに、前記接続機構を前記ロック構成に遷移させるため、前記受容面に対して前記ワークピースの増大された係合に応じて、径方向に偏向するよう構成された、請求項2に記載の接続機構。
【請求項4】
前記梁は、前記軸力が前記コレットにかけられているか否かにかかわらず、前記ワークピースに応じて径方向に偏向するよう構成された、請求項3に記載の接続機構。
【請求項5】
前記対応する面は、前記ワークピースの戻り止めにより定義された、請求項3に記載の接続機構。
【請求項6】
前記口腔ケア装置のユーザから軸力を受け、前記軸力を前記コレットに伝達するよう構成された、カラーを更に有する、請求項1に記載の接続機構。
【請求項7】
前記カム機能部は、前記コレットの軸方向端部に係合したフレア状の又は傾斜した面を含む、請求項1に記載の接続機構。
【請求項8】
前記突出部は、前記ワークピースの戻り止めにおいて受容されるよう構成された、請求項1に記載の接続機構。
【請求項9】
請求項1に記載の接続機構を介してハンドルアセンブリに接続されるワークピースを含む、口腔ケア装置。
【請求項10】
ワークピースと、
前記ワークピースを受容するよう構成されたハンドルアセンブリと、
接続されたときに前記ハンドルアセンブリから前記ワークピースを通って径方向に形成された流体通路と、
接続機構であって、前記ハンドルアセンブリの外部に径方向に配置された軸方向に延在する複数の梁を持つコレットを有し、各前記梁は、デフォルト構成にあるときに、前記ハンドルアセンブリの内側面の径方向内側の位置に、前記ハンドルアセンブリにおける開口を通って延在する突出部を持つ、接続機構と、
各突出部におけるラッチ面であって、前記接続機構が、前記ラッチ面が前記ワークピースの戻り止めと係合したロック構成にあるときに、第1の軸方向において前記ハンドルアセンブリから前記ワークピースが引き出されることを防止するよう構成された、ラッチ面と、
前記第1の軸方向とは反対の第2の軸方向における前記ワークピースの挿入の間、前記ワークピースの先行端を受容するように構成された、前記ラッチ面に対して径方向に反対側の各突出部における受容面と、
前記コレットのまわりに径方向に配置され、前記第2の軸方向において
口腔ケア装置のユーザからかけられた軸力を前記コレットに伝達するよう構成された、カラーと、
前記コレットの軸方向端部に係合可能である開口に隣接し、前記突出部が前記戻り止めから径方向外向きに配置され、前記ラッチ面が前記ワークピースとは係合していない、非ロック構成に、前記接続機構を遷移させるため、前記コレットにかけられた軸力を、前記梁の径方向外向きの偏向に変換するよう構成された、前記ハンドルアセンブリの傾斜面と、
を有し、前記梁は、前記径方向外向きの偏向に起因する前記梁における歪みエネルギーにより、前記軸力が解放された後に、前記デフォルト
構成に戻るよう構成された、口腔ケア装置。
【請求項11】
接続機構とあわせて口腔ケア装置のハンドルアセンブリとワークピースとを接続する方法であって、
第1の軸方向において前記ハンドルアセンブリに前記ワークピースを挿入するステップと、
前記接続機構がロック構成にあるときに、前記接続機構のコレットの軸方向に延在する梁から径方向に延在する突出部のラッチ面を、前記ワークピースの対応する面に係合させるステップと、
前記第1の軸方向に前記コレットに対して軸力をかけるステップと、
前記ハンドルアセンブリの傾斜面に対して、前記梁の軸方向端部を係合するステップと、
前記軸力を、前記傾斜面を介して前記梁のデフォルト構成からの前記梁の径方向の偏向に変換するステップと、
前記径方向の偏向の結果として、前記ワークピースから、前記ラッチ面の係合を外すステップと、
前記係合を外した後に、前記ハンドルアセンブリから前記ワークピースを取り外すステップと、
前記径方向の偏向に起因する前記梁における歪みエネルギーにより、前記梁を前記デフォルト構成に戻すステップと、
を有する方法。
【請求項12】
前記ラッチ面を前記突出部に係合する前に、
前記ラッチ面とは径方向反対側である、前記突出部の受容面に、前記ワークピースの先行端を係合するステップと、
前記受容面に対する前記先行端の係合に応答して、前記デフォルト構成から径方向に前記コレットの前記梁を偏向させるステップと、
前記ワークピースにおける戻り止めを前記突出部と径方向に整列させるステップと、
前記戻り止めが前記突出部に整列させられたときに、前記梁の径方向の偏向に起因する前記梁における歪みエネルギーにより、前記梁を前記デフォルト構成に戻すステップと、
を更に有する、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記受容
面に対する前記先行端の係合に応答した前記デフォルト構成からの前記コレットの梁の径方向の偏向は、前記軸力が前記コレットにかけられているか否かにかかわらず生じる、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記軸力をかけるステップは、軸力をカラーにかけるステップと、前記カラーから前記コレットへ前記軸力を伝達するステップと、を含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、口腔ケア装置に関し、より詳細には、口腔ケア装置の構成要素をあわせて固定するための機構に関する。
【背景技術】
【0002】
口腔保健ケアを改善するため、口腔洗浄器及び流体ベースのフロッシング装置などの口腔ケア装置が利用され得る。一部の口腔用洗浄器には取り外し可能なワークピース又はノズル要素が装備されており、使用中はハンドルに固定されるが、ユーザの希望に応じて取り外し及び交換が可能である。ワークピース要素は、対応する固定機構のユーザ操作を介してハンドルからロック解除されても良い。例えば、固定機構は、ハンドルアセンブリの一部であるねじを切った外径リングと、ワークピース上に位置するねじを切った内部ロック機能とを含んでも良い。しかしながら、既存の固定機構は、追加の可動ワークピースを必要とし、ワークピース要素の挿入及び取り外しの両方の間に、ユーザによって操作される必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、とりわけ置換可能又は交換可能なワークピースを有する口腔ケア装置のような装置の動作中に漏れない、口腔ケア装置の構成要素のための費用対効果の高い解決策を提供する、付加的な接続機構に対するニーズが、当技術分野において継続的にある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、口腔ケア装置のための接続機構に関する。該機構は、雄型インタフェース又は挿入部を有する第1の構成要素と、雌型インタフェース又はソケットを有する第2の構成要素と、を含む。第1及び第2の構成要素は、ワークピース及び/又はノズル構成要素と、口腔洗浄器又は流体ベースのフロッシング装置などの口腔ケア装置のハンドルアセンブリと、を含んでも良い。雄型及び雌型インタフェースの接続は、第1及び第2の構成要素を一緒に取り外し可能にロックすることができる。接続機構は、径方向に延在する突出部を有する1つ又は複数の軸方向に延在する指状部又は梁を持つコレットを含んでも良い。有利には、コレットの材料の歪みエネルギーは、突出部が相対的に径方向内側に配置されるロック構成と、突出部が相対的に径方向外側に配置される非ロック位置との間で、突出部が繰り返し遷移することを可能にするばね力を発生させるために使用することができる。径方向外向きに位置決めされると、突出部のラッチ面は、雄型インタフェースから係合解除され、これにより、雄型インタフェースを雌型インタフェースから切り離すことが可能になる。歪みエネルギーによって生成されるばね力は、突出部が径方向外側にシフトして、雄型インタフェースが挿入され、次いで雄型インタフェースの1つ以上の対応する戻り止めと係合するように、径方向内側に弾性的に後退することを可能にするためにも使用され得る。有利にもこのことは、雄型インタフェースと雌型インタフェースとの間の接続を形成しつつ、少数のワークピースしか含まず、コレットのユーザ操作を必要としない、コンパクトな機構を提供する。
【0005】
ワークピースを受け入れるように構成されたハンドルアセンブリと、接続されたときに前記ハンドルアセンブリから前記ワークピースを通って軸方向に形成される流体経路と、軸方向に延在する梁及び前記梁から径方向に延在する突出部を有するコレットと、前記接続機構が前記ワークピースの対応する表面に係合されているときに、前記ワークピースが第1の軸方向に前記ハンドルアセンブリから引き出されるのを防止するように構成された前記突出部上のラッチ面と、前記第1の軸方向とは反対の、第2の軸方向において前記コレットに働く軸力を、前記接続機構を初期設定から径方向へ変換して、前記ラッチ面が前記ワークピースの前記対応する表面から離脱するロック解除構成に移行するように構成されたカム機能部と、を含み、前記梁は、前記径方向偏向に起因する前記梁の歪みエネルギーに起因して前記軸力が解除された後に、前記初期設定位置に戻るように構成されている、口腔ケア装置のための接続機構。
【0006】
一実施例においては、突出部は、ワークピースの第2の軸方向への挿入中にワークピースを受け入れるように構成されたラッチ面と軸方向反対側にある受容面を含む。一実施例においては、梁は、歪みエネルギーが梁をデフォルト構成に戻すワークピースの対応する表面とラッチ面が軸方向に整列しているときに、ロック構成への接続機構を遷移させるために、受容面に対するワークピースの係合の増大に応答して径方向に偏向するように構成される。
【0007】
一実施例においては、梁は、軸力がコレットに加えられるかどうかにかかわらず、ワークピースに応答して径方向に偏向するように構成される。一実施例においては、対応する表面は、ワークピースの戻り止めによって画定される。一実施例においては、梁は、ハンドルアセンブリの径方向外側に配置され、ハンドルアセンブリは、突出部が通って径方向内側に延在する開口部を含む。
【0008】
一実施例においては、接続機構は更に、口腔ケア装置のユーザから軸力を受け取り、コレットに軸力を伝達するように構成されたカラーを含む。一実施例においては、カム機能部は、コレットの軸方向端部と係合可能なフレア又は傾斜面を含む。一実施例においては、突出部は、ワークピースの戻り止めにおいて受け入れられるように構成される。
【0009】
一般に、別の態様においては、本明細書に開示される実施例による接続機構を介してハンドルアセンブリに接続された流体ワークピースを持つワークピースを含む口腔ケア装置物が提供される。
【0010】
一般に、別の態様においては、口腔ケア装置のための接続機構が提供される。接続機構は、ワークピースと、ワークピースを受け入れるように構成されたハンドルアセンブリと、接続されたときにワークピースを通って軸方向に形成された流体経路と、ハンドルアセンブリの外側に径方向に配置された複数の軸方向に延在する梁とを有するコレットと、を含み、ここでデフォルト構成の場合、各梁は、ハンドルアセンブリの開口部を通って、ハンドルアセンブリの内面の径方向内側の位置まで延在する突出部を持ち、該接続機構は更に、接続機構がワークピースの戻り止めに係合されている場合に、ワークピースが第1軸方向にハンドルアセンブリから引き出されるのを防止するように構成されたラッチ面と、第1軸方向とは反対の第2の軸方向にワークピースの挿入中に、ワークピースの先行端を受け入れるように構成された各突出部上の受容面と、コレットの周囲に径方向に配置され、口腔ケア装置のユーザからコレットに加えられる軸力を伝達するように構成されたカラーと、前記接続機構を、前記突出部が前記戻り止めから径方向外側に位置決めされ、かつ前記ラッチ面が前記ワークピースから離脱するロック解除構成に遷移させるよう、コレットの軸方向端部と係合可能であり、かつコレットにかかる軸力を径方向外側への偏向に変換するように構成された前記開口部の境界にあるハンドルアセンブリの傾斜面と、を含み、前記径方向外側の偏向に起因する前記梁の歪みエネルギーに起因して前記軸力が解放された後に、前記梁がデフォルト構成に戻るように構成されている。
【0011】
一般的に、一態様においては、接続機構と共に、ワークピースと口腔ケア装置のハンドルアセンブリとを接続する方法が提供される。該方法は、第1の軸方向においてハンドルアセンブリにワークピースを挿入するステップと、接続機構がロック構成の場合に、接続機構のコレットの軸方向に延在する梁から径方向に延在する突出部のラッチ面をワークピースの対応する表面に係合するステップと、第1の軸方向においてコレットに軸力をかけるステップと、ハンドルアセンブリの傾斜面に対して梁の軸方向端部を係合するステップと、軸力を、傾斜面を介して梁のデフォルト構成からの径方向偏向に変換するステップと、径方向偏向の結果としてラッチ面をワークピースから離脱させるステップと、離脱後にワークピースをハンドルアセンブリから除去するステップと、径方向偏向から生じる梁の歪みエネルギーによって梁をデフォルト構成に戻すステップと、を含む。
【0012】
一実施例においては、本方法は更に、ラッチ面を突出部に係合させる前に、ワークピースの先行端を、ラッチ面とは軸方向に反対である突出部の受容面に係合させるステップでと、先行端を受容面に係合させることに応答して、デフォルト構成から径方向にコレットの梁を偏向させるステップと、ワークピース内の戻り止めを突出部に軸方向に整合させるステップと、戻り止めが突出部に整合されたときに梁を径方向に偏向させることに起因する梁内の歪みエネルギーにより、梁をデフォルト構成に戻すステップと、を含む。
【0013】
一実施例においては、先行端と受け縁との係合に応答してコレットの梁をデフォルト構成から径方向に偏向させることは、コレットに軸力が作用するかどうかに関わらず生じる。
【0014】
一実施例においては、軸力をかけるステップは、カラーに軸力をかけるステップと、カラーからコレットに軸力を伝達するステップとを含む。
【0015】
前述の概念と、以下でより詳細に論じられる追加の概念とのすべての組合せ(そのような概念が相互に矛盾しないという条件で)が、本明細書で開示される本発明の主題の一部であると考えられることを理解されたい。特に、本開示の末尾にある請求項の対象は、本明細書に開示される発明対象の一部であることが意図される。特に、本明細書に明示的に用いられ、参照により組み込まれている任意の開示にも現れるであろう専門用語は、本明細書に開示された特定の概念と最も整合する意味を有するものとする。
【0016】
図面において、同様の参照文字は概して、異なる図面を通じて同一の部分を指す。また、図面は必ずしも定縮尺ではなく、一般的に本発明の原理を示す際に強調が為されている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】ここで開示される一実施例による接続機構によりハンドルアセンブリに接続されたワークピースを持つ口腔ケア装置の前面図である。
【
図2】ここで開示される一実施例によるロック構成における接続機構の断面図である。
【
図4】非ロック構成における
図2の接続機構の断面図である。
【
図6】挿入要素がソケット要素から外された、非ロック構成における
図2の接続機構の断面図である。
【
図7】挿入部とコレットとの間の接続を開始するため挿入要素の先行端がコレットの対応する面に係合した、
図2の接続機構の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示は、口腔ケア装置のための接続機構の様々な実施例を記載する。より一般的には、本出願人は、コレットの材料の歪みエネルギーに依存してロック構成と非ロック構成との間を移行するコレットを有する接続機構を提供することが有益であることを認識した。本開示の特定の実施例の利用の特定の目的は、コスト効率良く製造することができ、少数の構成要素しか含まず、2つの構成要素と該機構との接続を生成するために該機構の手動のユーザ操作を必要としない、接続機構を提供することである。
【0019】
以上に鑑みて、様々な実施例及び実装例は、口腔ケア装置のための接続機構を対象とする。該機構は、雄型インタフェース又は挿入部を有する第1の構成要素と、雌型インタフェース又はソケットを有する第2の構成要素と、を含む。第1及び第2の構成要素は、口腔洗浄器又は流体ベースのフロッシング装置などの口腔ケア装置の、ワークピース及び/又はワークピース構成要素と、ハンドルアセンブリと、を含んでも良い。雄型及び雌型インタフェースの接続は、第1及び第2の構成要素を一緒に取り外し可能にロックすることができる。接続機構は、径方向に延在する突出部を有する1つ又は複数の軸方向に延在する指状部又は梁を有するコレットを含んでも良い。有利にも、コレットの材料の歪みエネルギーは、突出部が相対的に径方向内側に配置されるロック構成と、突出部が相対的に径方向外側に配置される非ロック位置との間で、突出部が繰り返し遷移することを可能にするばね力を発生させるために使用することができる。径方向外向きに位置決めされると、突出部のラッチ面は、雄型インタフェースから係合解除され、これにより、雄型インタフェースを雌型インタフェースから切り離すことが可能になる。歪みエネルギーによって生成されるばね力は、突出部が径方向外側にシフトして、雄型インタフェースが挿入され、次いで雄型インタフェースの1つ以上の対応する戻り止めと係合するように、径方向内側に弾性的に後退することを可能にするためにも使用され得る。有利にもこのことは、雄型インタフェースと雌型インタフェースとの間の接続を形成しつつ、少数のワークピースしか含まず、コレットのユーザ操作を必要としない、コンパクトな機構を提供する。
【0020】
図1を参照すると、一実施例において、口腔ケア装置10には、取り付け可能なワークピース12及びハンドルアセンブリ14が設けられている。口腔ケア装置10は、口腔洗浄器、フロッシング装置、電動歯ブラシ又はその他の口腔ケア装置であっても良い。取り付け可能なワークピース12は、口腔ケア装置がユーザによって操作されるときに口腔ケア機能を提供するように配置された構成要素、例えばノズル、歯ブラシヘッド、フロッサ、多目的構成要素又はその他の口腔ケア構成要素であっても良い。例えば、
図1において、取り付け可能なワークピース12は、ハンドルアセンブリ14から延在し、ワークピースから出口16を介してワークピース内の流体経路29(
図2参照)を通って、口腔ケア装置10のハンドルアセンブリ14内の流体リザーバ(図示せず)から流体(例えば水、口腔洗浄液など)及び/又は流体と気体の混合物を送達し、歯間洗浄などの口腔ケアルーチンの実施においてユーザを補助するように配置されたノズルである。ハンドルアセンブリ14は対応して、プロセッサ、メモリ、無線通信モジュール、モータ、ポンプ、歯車装置、バッテリ、流体リザーバ、流体導管などの、口腔ケア装置10の動作を可能にする及び/又は制御するための要素を含んでも良い。
【0021】
ここで開示される実施例によれば、口腔ケア装置10は、ワークピース12がハンドルアセンブリ14から取り外し可能に、解放可能に又は着脱可能に接続されることを可能にする接続機構18を含む。接続機構18は、ハンドルアセンブリ14からのワークピース12の接続又は切り離しを容易にするためにユーザによって操作されるように構成された、カラー20又はその他の外部に位置する要素を含む。例えば、より詳細に後述するように、図示の方向にカラー20に力22を加えると、機構18が非ロック状態又は構成に遷移し、該構成において、図示のように反対方向にワークピース12に力24を加えると、ワークピース12がハンドルアセンブリ14から切り離される。また、より詳細に後述するように、接続機構18は、ねじ、溝等を整列させて固定するなどの手段によって、カラー20を操作する必要なく、ワークピース12とハンドルアセンブリ14が一緒になったときに接続を形成できるように構成されている。
【0022】
ロック構成における機構18の断面図が
図2に示されており、その一部は
図3に拡大されている。上述したように、機構18は、ワークピース12とハンドルアセンブリ14との間に解放可能な接続を生成するように構成される。より具体的には、ワークピース12とハンドルアセンブリ14の機構18はともに、雄型要素又は挿入部26と雌型要素又はソケット28とを備える。例えば、ワークピース12は挿入部26を含み、一方、ハンドルアセンブリ14の筐体はソケット28を含んでも良く、又はその逆であっても良い。挿入部26及びソケット28は、例えば、機構18を介してワークピース12がハンドルアセンブリ14に接続されているときに、ハンドルアセンブリ14内の流体リザーバからワークピース12への流体接続を可能にするように、そこを通って形成された流体経路29を含んでも良い。図示されていないが、封止部(例えばOリング)が、流体密な接続を提供するために、挿入部26とソケット28との間に含まれても良いことは、理解されるべきである。
【0023】
機構18はまた、例えば、
図1に関連して述べたようなカラー20と、コレット30と、を含む。コレット30は、ソケット28の周囲に環状に配置されたラッチ幾何を有する1つ又は複数の指状部又は梁32を含む。例えば、図示の実施例においては、梁32の各々は、ソケット28の径方向外側にあり、ソケット28の対応するスロット又は開口36を介して径方向内側に延在する突出部34として形成されたラッチ要素を含む。このようにして、突出部34は、挿入部26が挿入されるソケット28の径方向内部領域、すなわちソケット28の内面35の径方向内側に延在する突出部34へのアクセスを提供される。またコレット30は、ソケット28のカム機能部40に係合するように構成された軸方向端部38を含み、この軸方向端部は、開口部36に接している。図示の実施例においては、カム機能部40は、傾斜面として形成され及び/又は傾斜面又はフレア面42を含むソケット28の一部を含む。軸方向端部38に対向する梁32の端部は、開口部36内の突出部34に加えて、コレット30をソケット28に対して固定する、ソケット28を取り囲むリングのような共通の構成要素によって、一緒に接合されても良い。
【0024】
図2乃至
図3のロック構成では、突出部34のラッチ面44は、挿入部26に形成された戻り止め46(例えば個々の戻り止め又は円周方向の溝)によって形成されるような、挿入部26の対応するリップ部又は表面に対して係合される。このようにして、突出部34は、挿入部26を把持し、把持し、保持し又はその他の方法で係合し、これにより、挿入部26がソケット28との接続から軸方向に引き抜かれることを防止する。換言すれば、ワークピース12とハンドルアセンブリ14とは、そのロック構成にあるとき、機構18によってともにロックされる。戻り止め46の代わりに、挿入部26は、突出部34のラッチ面44と係合するための対応するラッチ面を有するリップ部、フランジ、バルジ、突出部などを備えて構成されても良いことは、理解されるべきである。
【0025】
非ロック状態にある機構18が
図4に示されており、その一部が
図5に拡大されている。コレット30及びカム機能部40は、軸方向に向けられた力がコレット30に加えられると(例えば、コレット30に直接、及び/又はカラー20を操作するユーザを介して、加えられ得る力22)、軸方向端部38がフレア面42に沿って乗るときに、コレット30の梁32が径方向外側に偏向するように配置されていることが理解できる。換言すれば、コレット30の軸方向端部38とカム機能部40のフレア面42との相互作用は、(例えばカラー20を介して)コレット30上の軸力を突出部34の径方向運動に遷移させる又は変換する。
【0026】
開口部36は、梁32が径方向外側に偏向されるときに、ソケット28に対する突出部34のある程度の相対的な軸方向の移動を同時に可能にするために、軸方向の突出部34よりも大きい。
図5に最も良く示されているように、梁32の径方向外側への偏向は、突出部のラッチ面44を挿入体26の対応する面、例えば戻り止め46から外す。一旦解放されると、挿入部26は、ソケット28との係合から取り外し又は引き抜くことができ、ワークピース12とハンドルアセンブリ14とを分離することができる。このことは、
図6に示すように、また
図1に示し
図1に関して論じられるように、挿入部26を力24の方向にソケット28から引き離すことによって達成することができる。梁32の外方への径方向の偏向及び突出部34の軸方向の移動は、カム機能部40の先行端に対して低い位置にあるラッチ面44によって制限され得る。
【0027】
梁32の偏向は、ユーザがコレット30に、例えばカラー20を介して力22を加え続ける限り、維持することができる。コレット30は、金属などの比較的硬い弾性材料、又はポリプロピレンなどの半結晶性プラスチックから構成することができる。このようにして、材料の歪みエネルギーは、力22が解放されたときにコレット30を元の又はデフォルトの構成に戻すために、径方向内向き方向に梁32にバネ力を与えることができる。例えば、
図7は、挿入部26が突出部34との係合から引き抜かれた後に、コレット30がその自然な構成に戻された状態を示す。コレット30をロック状態から非ロック状態に移動させるために必要な力22の値は、コレット30の材料又は材料特性、個々の梁32の長さ、個々の梁32の厚さ/幅、フレア面42の角度などを変更することによって変化させることができることが理解されるべきである。
【0028】
再び
図7を参照すると、挿入部26をソケット28内にロックするために、カラー20又はコレット30の外部操作は必要でないことが理解されるべきである。例えば、ワークピース12を最初に取り付けるとき、又は別のワークピースのために1つのワークピースを交換するとき、挿入部26の先行端48が突出部34の受容面50(ラッチ面44と軸方向に反対側)に係合するまで、挿入部26をソケット28に挿入することができる。このようにして、挿入部26に継続的な力を加えると、梁32は上記と同様に、しかしながら挿入部26の先行端48に沿って摺動する受容面50のため、径方向外側に偏向する。挿入部26が、突出部34を戻り止め46と軸方向に整列させるためにソケット内に十分深く挿入されると、コレット30の材料の弾力性によって、梁32がばね的に戻り、突出部34が、
図2に示すような機構18のロック構成に対応するコレット30のデフォルト構成に戻る。上述したものと同様に、挿入部26をソケット28内に刺すのに必要な力の値は、コレット30の材料又は材料特性、個々の梁32の長さ、個々の梁32の厚さ/幅、先行端48及び/又は受容面50の角度等を変更することによって設定できることは、理解されるべきである。
【0029】
図2乃至3に示すように、突出部34が戻り止め46と整列するまでの挿入体26の挿入は、戻り止め46によって形成された挿入体26の対応する表面とラッチ面44の上述した係合を生じさせ、それによって、挿入体26とソケット28との係合を介して、ワークピース12とハンドルアセンブリとを一緒に軸方向にロックする。斯くして、ここで記載されるような機構18は、有利にも、小さい空間しか占有せず、わずかな部分しか必要としない、迅速に作用する結合又は接続を可能にするために必要とされる部分の数を最小限に抑え、従って、口腔ケア装置10のワークピース12などの交換可能又は使い捨ての構成要素によって、コスト効率良く利用され得る。
【0030】
幾つかの本発明の実施例がここで説明され例示されたが、当業者は、機能を実行するため及び/又はここで説明された結果及び/又は利点の1つ以上を得るため、多様な他の手段及び/又は構造を容易に想到するであろう。斯かる変形及び/又は変更のそれぞれは、ここで説明された本発明の実施例の範囲内であるとみなされる。更に一般的に、当業者は、ここで説明された全てのパラメータ、寸法、材料及び構成は、例であることが意図されたものであり、実際のパラメータ、寸法、材料及び/又は構成は、本発明の教示が利用される特定の用途に依存することを、容易に理解するであろう。当業者は、単なる一般的な実験を用いて、ここで説明された特定の本発明の実施例に対する多くの同等物を認識し、又は確認することが可能である。それ故、以上の実施例は、単に例として提示されたものであり、添付される請求項及びその等価物の範囲内において、本発明の実施例は、明示的に記載されて請求されるものとは異なって実行され得る。本開示の本発明の実施例は、ここで説明されたそれぞれの個々の特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法に向けたものである。更に、斯かる特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法の2つ以上のいずれかの組み合わせもが、斯かる特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法が相互に矛盾しない場合には、本開示の本発明の範囲内に含まれる。
【0031】
本明細及び請求項において用いられる「及び/又は(and/or)」なる句は、斯様に併記された要素の「いずれか又は両方」、幾つかの場合においては結合して存在し、別の場合においては離隔されて存在する要素を意味するものとして理解されるべきである。「及び/又は」により列記された複数の要素は、同様に解釈されるべきであり、即ち斯様に併記された要素の「1つ以上」として解釈されるべきである。「及び/又は」節により明示的に特定される要素の以外の要素が、明示的に特定されたこれら要素に関連するものであっても関連しないものであっても、任意に存在しても良い。本明細及び請求項において用いられる「又は(or)」は、以上に定義されたような「及び/又は」と同じ意味を持つとして理解されるべきである。
【0032】
明示的に示されない限り、1つより多いステップ又は動作を含む、請求項に記載されるいずれの方法においても、該方法のこれらステップ及び動作の順序は、必ずしも該方法のステップ及び動作が列記された順序に限定されるものではないことも、理解されるべきである。