(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-30
(45)【発行日】2022-04-07
(54)【発明の名称】通知表作成支援システム及び通知表作成支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20220331BHJP
G06F 16/30 20190101ALI20220331BHJP
G09B 19/00 20060101ALI20220331BHJP
B42D 15/00 20060101ALN20220331BHJP
【FI】
G06Q50/20
G06F16/30
G09B19/00 H
B42D15/00 301S
(21)【出願番号】P 2018088083
(22)【出願日】2018-05-01
【審査請求日】2021-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】507313526
【氏名又は名称】株式会社教育同人社
(74)【代理人】
【識別番号】100096002
【氏名又は名称】奥田 弘之
(74)【代理人】
【識別番号】100091650
【氏名又は名称】奥田 規之
(72)【発明者】
【氏名】清水 悦幸
(72)【発明者】
【氏名】安藤 純一
【審査官】池田 聡史
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-295753(JP,A)
【文献】特開2005-258985(JP,A)
【文献】特開2011-76190(JP,A)
【文献】国際公開第2003/049063(WO,A1)
【文献】特開2011-90463(JP,A)
【文献】特開2013-30089(JP,A)
【文献】特開2005-157621(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 16/00-16/958
G09B 19/00
B42D 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の所見文例と、各所見文例のキーワードとしてのタグを関連付けて登録しておく所見文例記憶手段と、
各児童・生徒毎に、入力済みの既入力所見文例のタグと、所見の種類とを関連付けて登録しておく既入力所見文例タグ記憶手段と、
上記既入力所見文例タグ記憶手段に登録された各児童・生徒の既入力所見文例のタグを参照し、上記所見文例記憶手段内から上記既入力所見文例のタグと同じタグが登録されている所見文例を抽出する手段と、
抽出した所見文例を表示部に出力する手段
を備えたことを特徴とする通知表作成支援システム。
【請求項2】
コンピュータを、
複数の所見文例と、各所見文例のキーワードとしてのタグを関連付けて登録しておく所見文例記憶手段、
各児童・生徒毎に、入力済みの既入力所見文例のタグと、所見の種類とを関連付けて登録しておく既入力所見文例タグ記憶手段、
上記既入力所見文例タグ記憶手段に登録された各児童・生徒の既入力所見文例のタグを参照し、上記所見文例記憶手段内から上記既入力所見文例のタグと同じタグが登録されている所見文例を抽出する手段、
抽出した所見文例を表示部に出力する手段、
として機能させることを特徴とする通知表作成支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は通知表作成支援システム及び通知表作成支援プログラムに係り、特に、通知表の記載項目である児童・生徒の「所見」を先生が作成する際の負担を軽減できる通知表作成支援システム及び通知表作成支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
小中学校等において、先生が、各児童・生徒を評価して作成する通知表には、教科の成績と共に、各児童・生徒の学校での様子や行動を、児童・生徒本人及び保護者へ文章で通知する「所見」が記載されている。
この「所見」には、学校生活全般について記載する「総合所見」の他、「外国語活動に関する所見」、「道徳に関する所見」、「総合的な学習に関する所見」等、複数の種類が有る。
【0003】
上記「所見」は、通知表の所見欄の枠内に記述されるものであるが、数多い児童・生徒の一人一人に的確で、且つ、意欲の高まる所見を考えることは難しく、また、児童・生徒間の公平性を保つため、所見欄の枠内いっぱいに文章が記載されていることを求められるため、通知表作成時の先生の大きな負担となっている。
【0004】
近年、小中学校等の教育現場において、先生の負担軽減等の観点から、情報通信技術(ICT=Information and Communication Technology)を活用した教育(ICT教育)の普及が開始されており、その一環として、各先生がパソコン等の情報端末を使用し、通知表に記載する成績データ等の通知表データを作成・管理することが行われている(例えば、特許第6234961号公報参照)。
【0005】
図13は、本願出願人が提供する従来の通知表作成支援システムにおいて、先生が使用するパソコンの液晶ディスプレイ(LCD)の表示画面に表示された「総合所見入力画面70」の一例を示すものである。
図13に示す総合所見入力画面70は、小学5年生の総合所見用の入力画面であり、各児童毎に総合所見を作成するための総合所見入力欄72が設けられている。
図13においては、児童「AAAA」の総合所見入力欄72に「こつこつと努力し、時間がかかってもなしとげる姿には好感がもてます。」という文章が総合所見として入力されている事例が示されている。
【0006】
従来の通知表作成支援システムにおいては、所見作成時の先生の負担を軽減するため、所見文例が用意されており、総合所見入力画面70中の「文例集の呼び出しボタン74」をクリックすると、
図14に示す文例集画面76が表示される。
文例集画面76においては、「総合所見」と表示されている文例種類表示欄78、「社会」と表示されている文例項目表示欄80、上記文例項目「社会」に関連付けられた所見文例(「わが国の国土の様子」の学習では・・・等)が表示されている文例選択欄82、選択した所見文例が入力・表示される文例表示欄84が設けられている。
上記文例項目は、文例集画面76に表示されるプルダウンメニュー86から選択できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記した通り、児童・生徒間の公平性を保つため、先生は、所見欄の枠内いっぱいに文章を記載することが求められていることから、所見欄には複数の文章が記載されているのが一般的である。
【0009】
この場合、所見に記載される複数の文章は、相互に関連性が有って纏まり良く記載されるていることが適切である。
しかしながら、所見文例画面76で、先生が対象児童・生徒に適切と考えて選択・入力済みの所見文例と関連性の有る他の所見文例を見つけるのは必ずしも容易ではなく、所見作成に時間が掛かることがあった。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、既に選択・入力済みの所見文例と関連性の有る所見文例を容易に選択でき、所見作成時の先生の負担を軽減できる通知表作成支援システム及び通知表作成支援プログラムを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の通知表作成支援システムは、
複数の所見文例と、各所見文例のキーワードとしてのタグを関連付けて登録しておく所見文例記憶手段と、
各児童・生徒毎に、入力済みの既入力所見文例のタグと、所見の種類とを関連付けて登録しておく既入力所見文例タグ記憶手段と、
上記既入力所見文例タグ記憶手段に登録された各児童・生徒の既入力所見文例のタグを参照し、上記所見文例記憶手段内から上記既入力所見文例のタグと同じタグが登録されている所見文例を抽出する手段と、
抽出した所見文例を表示部に出力する手段
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の通知表作成支援プログラムは、
コンピュータを、
複数の所見文例と、各所見文例のキーワードとしてのタグを関連付けて登録しておく所見文例記憶手段、
各児童・生徒毎に、入力済みの既入力所見文例のタグと、所見の種類とを関連付けて登録しておく既入力所見文例タグ記憶手段、
上記既入力所見文例タグ記憶手段に登録された各児童・生徒の既入力所見文例のタグを参照し、上記所見文例記憶手段内から上記既入力所見文例のタグと同じタグが登録されている所見文例を抽出する手段、
抽出した所見文例を表示部に出力する手段、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載した通知表作成支援システム及び請求項2に記載した通知表作成支援プログラムにあっては、既入力所見文例のタグと同じタグが登録された所見文例を抽出して表示部へ出力するよう構成したので、入力済みの所見文例と関連性の有る所見文例を容易に選択でき、所見作成時の先生の負担を軽減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明に係る第1の通知表作成支援システム10の機能構成を示すブロック図である。
この第1の通知表作成支援システム10は、所見の最大入力可能文字数の範囲内に収まる所見文例を容易に選択でき、所見作成時の先生の負担を軽減できるシステムである。
すなわち、上記「所見」は、通知表の所見欄の枠内に収まるよう、所見の種類毎に、「最大入力可能文字数」が設定されており、先生は、上記最大入力可能文字数の範囲内で所見を作成・入力する必要があった。
【0015】
このため、従来は、所見文例画面76(
図13参照)で、先生が対象児童・生徒に適切と考えて選択した所見文例が、上記最大入力可能文字数を越えてしまって使うことができず、再度の文例選択や文字数調整のための文章編集を行う必要が生じ、かえって時間や手間の掛かる事態を生じることがあった。
上記問題点を解決するために、本発明は
図1のブロック図に示す第1の通知表作成支援システム10を備えているのである。
【0016】
図1に示す第1の通知表作成支援システム10は、制御部12と、記憶手段としての記憶部14を備えている。
上記制御部12は、通知表を作成する先生が使用する情報端末(コンピュータ)としてのパソコン、タブレット端末等のコンピュータのCPUが、OS及び専用のアプリケーションプログラムに従って必要な処理を実行し、後述する各種機能を実行・実現する。
【0017】
上記制御部12には、入力部16から入力された指令が、インターフェースとして機能する入出力制御部18を介して入力されると共に、制御部12から出力された処理結果が、入出力制御部18を介して表示部20に出力される。
上記入力部18としては、パソコンの物理キーボードやマウス等、また、手書及びタッチペンでの入力可能なタッチ入力機能を有するタブレット端末・パソコン等のタッチパネルやソフトウェアキーボード等が該当する。
上記表示部20としては、パソコンの液晶パネル、また、タブレット端末・パソコン等のタッチパネル等が該当する。
【0018】
上記記憶部14は、記憶手段としての所見文例データベース22、通知表情報データベース24、所見入力設定記憶部26、既入力文字数記憶部28、作業データ記憶部30、画面定義記憶部32を備えている。
上記所見文例データベース22、通知表情報データベース24、所見入力設定記憶部26、既入力文字数記憶部28、画面定義記憶部32は、パソコンやタブレット端末等の情報処理端末を構成するハードディスク等の記憶装置内に格納されている。
【0019】
上記作業データ記憶部30は、本システム10が起動されると上記制御部12によって確保され、入力データや演算結果を一時的に記憶する記憶部であり、メインメモリ(RAM)等の一時記憶装置内に置かれている。
【0020】
上記画面定義記憶部32は、本システム10が上記表示部20の表示画面に表示する各種画面の画面定義情報(例えば、表示する項目情報やそのレイアウト情報及び入力編集可否情報等)を記憶した記憶部である。
【0021】
上記所見文例データベース22には、多数(複数)の所見文例が登録されており、各所見文例毎に、「対象とする学年」、「所見文例の種類」、各所見文例のジャンルを表す「文例項目」、所見文例の「文字数」、各所見文例のキーワードとしての「タグ」が関連付けられて登録されている。
尚、「所見」には、学校生活全般について記載する「総合所見」の他、「外国語活動に関する所見」、「総合的な学習に関する所見」、「道徳に関する所見」等、複数の種類が存在している。
【0022】
図2は、所見文例データベース22内に登録されている所見文例の一例を示すものである。
例えば、所見文例「英語でのあいさつの仕方を覚え、友達とコミュニケーションを楽しんでいました。」に関して、対象学年「5年生」、所見文例種類「外国語活動」、所見文例項目「コミュニケーションへの関心意欲態度」、所見文例文字数「37」、タグ1「あいさつ」、タグ2「仲よく」、タグ3「楽しむ」が関連付けられて登録されている。
また、所見文例「写生では、観察したり感じたりしたことを、豊かな色彩で表現することができました。」に関して、対象学年「5年生」、所見文例種類「総合所見」、所見文例項目「図工」、所見文例文字数「39」、タグ1「写生」、タグ2「絵画」、タグ3「表現」が関連付けられて登録されている。
図2においては、各所見文例に複数(3つ)のタグを関連付けて登録している場合を例示しているが、タグの数は1個以上で任意に設定可能である。
【0023】
上記通知表情報データベース24には、各児童・生徒毎に、国語・社会等の各科目の「評価データ(例えばA評価、B評価、C評価等)」や各種の「所見文章」等の通知表データが関連付けられて登録されている。
【0024】
上記所見入力設定記憶部26には、所見の種類毎に、所見文章の最大入力可能文字数、行数、1行あたりの文字数等、所見文章の入力設定情報が登録されている。
尚、各所見の最大入力可能文字数等は学校によって異なる場合があることから、所見文章の入力設定は、学校から権限を与えられた管理者(学年主任教諭等)であれば図示しない管理画面において変更可能である。
【0025】
上記既入力文字数記憶部28には、先生が既に入力済みの各児童・生徒毎の所見文章の既入力文字数が、所見の種類及び各児童・生徒と関連付けて登録されている。
尚、所見文章の入力が無い状態では、既入力文字数は0と登録される。
【0026】
以下、第1の通知表作成支援システム10において、先生が所見文章の作成を行う場合の処理手順を
図1のブロック図及び
図3のフローチャートに基づいて説明する。
【0027】
図4は、表示部20を構成する液晶ディスプレイ(LCD)の表示画面に表示された「総合所見入力画面34」を示すものである。この総合所見入力画面34は、上記画面定義記憶部32に予め登録されているものであり、上記入力部16から入力された指令に基づき、制御部12が画面定義記憶部32から読み出して表示部20へ出力し、表示画面に表示するものである。
図4において、36は総合所見入力欄36であり、
図4においては、児童「AAAA」の総合所見入力欄36に、先生が所見文例から選択した「こつこつと努力し、時間がかかってもなしとげる姿には好感がもてます。」という33文字の文章が入力された状態を例示している。
【0028】
上記総合所見入力欄36に所見文章が入力されると、制御部12は入力された所見文章の文字数をカウントし(S10)、カウントした既入力文字数を、所見の種類「総合所見」及び当該児童「AAAA」と関連付けて既入力文字数記憶部28に登録する(S12)。
本実施形態においては、既入力文字数「33文字」が、所見の種類「総合所見」及び児童「AAAA」と関連付けて登録される。
【0029】
次に、総合所見入力画面34において、先生が次の所見文例を参照するために「文例集の呼び出しボタン38」をクリックすると、入出力制御部18を介して、所見文例の表示要求が制御部12に入力される(S14)。
【0030】
上記所見文例の表示要求を受けた制御部12は、既入力文字数記憶部28に登録された児童「AAAA」の「総合所見」の「既入力文字数」と、所見入力設定記憶部26内に登録されている「総合所見の最大入力可能文字数」を参照(S16)した上で、最大入力可能文字数から既入力文字数を減じる「総合所見の最大入力可能文字数-既入力文字数」の演算処理を行って所見文章の「入力可能文字数」を算出する(S18)。
本システム10においては、総合所見の最大入力可能文字数は「60文字」に設定されており、「60文字(最大入力可能文字数)-33文字(既入力文字数)」の演算処理の結果、入力可能文字数は27文字と算出される。
【0031】
次に、制御部12は、所見文例データベース22内を参照し、S18で算出した「入力可能文字数27文字」以下の所見文例を抽出する(S20)。
次に、制御部12は、抽出した入力可能文字数27文字以下の所見文例を、入出力制御部18を介して表示部20に出力する(S22)。
【0032】
図5は、表示部20の表示画面に表示された文例集画面40を示すものであり、制御部12が抽出した入力可能文字数27文字以下の所見文例が表示されている。
図5においては、複数の所見文例を、文字数の昇順(文字数の少ない所見文例から文字数の多い所見文例の順)に配置して出力している。勿論、複数の所見文例を、文字数の降順(文字数の多い所見文例から文字数の少ない所見文例の順)に配置して出力することもできる。
【0033】
図6は、表示部20の表示画面に表示された他の文例集画面42を示すものであり、該文例集画面42においては、「総合所見」と表示されている文例種類表示欄44、「入賞・表彰」と表示されている文例項目表示欄46、上記文例項目「入賞・表彰」に関連付けられた複数の所見文例が表示されている文例選択欄48、選択した所見文例が入力・表示される文例表示欄50が設けられている。
図6の文例集画面42においては、制御部12が抽出した入力可能文字数27文字以下の所見文例(市内書き初め展で金賞を受賞しました。)の文字色を、28文字以上の他の所見文例の文字色と違えて出力し、以て、入力可能文字数が28文字以上の他の所見文例との差別化を行っているものである。
【0034】
上記第1の通知表作成支援システム10にあっては、所見文章の最大入力可能文字数から既入力文字数を減じる演算処理を行って入力可能文字数を算出した上で、上記入力可能文字数以下の所見文章を抽出して表示部20へ出力するよう構成したので、所見の最大入力可能文字数の範囲内に収まる所見文例を容易に選択でき、所見作成時の先生の負担を軽減することができる。
【0035】
図7は、本発明に係る第2の通知表作成支援システム52の機能構成を示すブロック図である。尚、第2の通知表作成支援システム52において、上記第1の通知表作成支援システム10と実質的に共通する構成要素については、同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0036】
第2の通知表作成支援システム52は、制御部12と記憶部14を備えており、上記記憶部14は、所見文例データベース22、通知表情報データベース24、所見入力設定記憶部26、既入力所見文例タグ記憶部54、作業データ記憶部30、画面定義記憶部32を有している。
【0037】
上記既入力所見文例タグ記憶部54には、先生が選択して既に入力済みの所見文例のタグが、所見の種類及び上記所見文章の対象児童・生徒と関連付けて登録されている。
【0038】
以下、第2の通知表作成支援システム52において、先生が所見文章の作成を行う場合の処理手順を
図7のブロック図及び
図8のフローチャートに基づいて説明する。
【0039】
上記した
図4において、児童「AAAA」の総合所見入力欄36に、先生が所見文例から選択した「こつこつと努力し、時間がかかってもなしとげる姿には好感がもてます。」という所見文例が入力されているが、上記所見文例には、タグとして「努力」、「時間」、「好感」の3つが関連付けられて所見文例データベース22内に登録されているものである(図示省略)。
【0040】
上記総合所見入力欄36に所見文例が入力されると、制御部12は所見文例データベース22内に登録されている既入力所見文例のタグを抽出し(S30)、抽出したタグを、所見の種類「総合所見」及び当該児童「AAAA」と関連付けて既入力所見文例タグ記憶部54に登録する(S32)。
本実施形態においては、タグ「努力」、「時間」、「好感」の3つが、所見の種類「総合所見」及び児童「AAAA」と関連付けて登録される。
【0041】
次に、
図4の総合所見入力画面34において、先生が次の所見文例を参照するために「文例集の呼び出しボタン38」をクリックすると、入出力制御部18を介して、所見文例の表示要求が制御部12に入力される(S34)。
【0042】
上記所見文例の表示要求を受けた制御部12は、既入力所見文例タグ記憶部54に登録された児童「AAAA」の「総合所見」の「タグ」を参照する(S36)。
上記の通り、児童「AAAA」と関連付けて登録されている既入力所見文例のタグは「努力」、「時間」、「好感」の3つであることから、係るタグ「努力」、「時間」、「好感」が参照される。
【0043】
次に、制御部12は、所見文例データベース22内を参照し、S36で参照した既入力所見文例のタグと同じタグが登録されている所見文例を抽出する(S38)。
本実施形態の如く、各所見文例に複数(3つ)のタグが登録されている場合、参照した複数(3つ)のタグ「努力」、「時間」、「好感」の何れか1つでも同じタグを有する所見文例であれば、同じタグを有する所見文例として制御部12によって抽出される。
【0044】
次に、制御部12は、抽出した所見文例を、入出力制御部18を介して表示部20に出力する(S40)。
【0045】
図9は、表示部20の表示画面に表示された文例集画面56を示すものであり、制御部12が抽出した「努力」、「時間」、「好感」の何れか1つ以上のタグと同じタグが登録されている所見文例が表示されている。
【0046】
図10は、表示部20の表示画面に表示された他の文例集画面58を示すものであり、該文例集画面58においては、「総合所見」と表示されている文例種類表示欄60、「学習態度」と表示されている文例項目表示欄62、上記文例項目「学習態度」に関連付けられた複数の所見文例が表示されている文例選択欄64、選択した所見文例が入力・表示される文例表示欄66が設けられている。
図10の文例集画面58においては、制御部12が抽出した「既入力所見文例のタグ(努力)、(時間)、(好感)」と同じタグを有する所見文例「落ち着いた態度で根気強く学習ができました。」の文字色を、他の所見文例の文字色と違えて出力し、以て、他の所見文例との差別化を行っているものである。
【0047】
上記第2の通知表作成支援システム52にあっては、既入力所見文例のタグと同じタグが登録された所見文例を抽出して表示部20へ出力するよう構成したので、入力済みの所見文例と関連性の有る所見文例を容易に選択でき、所見作成時の先生の負担を軽減することができる。
【0048】
図11は、本発明に係る第3の通知表作成支援システム68を示すブロック図であり、この第3の通知表作成支援システム68は、上記第1の通知表作成支援システム10の機能及び第2の通知表作成支援システム52の機能を備えているものである。尚、第3の通知表作成支援システム68において、上記第1の通知表作成支援システム10及び第2の通知表作成支援システム52と実質的に共通する構成要素については、同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0049】
図11に示す通り、第3の通知表作成支援システム68は、制御部12と記憶部14を備えており、上記記憶部14は、所見文例データベース22、通知表情報データベース24、所見入力設定記憶部26、既入力文字数記憶部28、既入力所見文例タグ記憶部54、作業データ記憶部30、画面定義記憶部32を有している。
【0050】
以下、第3の通知表作成支援システム68において、先生が所見文章の作成を行う場合の処理手順を
図11のブロック図及び
図12のフローチャートに基づいて説明する。
【0051】
図4に示すように、児童「AAAA」の総合所見入力欄36に所見文例「こつこつと努力し、時間がかかってもなしとげる姿には好感がもてます。」が入力されると、制御部12は入力された所見文章の文字数をカウントし(S50)、カウントした既入力文字数を、所見の種類「総合所見」及び当該児童「AAAA」と関連付けて既入力文字数記憶部28に登録する(S52)。
本実施形態においては、既入力文字数「33文字」が、所見の種類「総合所見」及び児童「AAAA」と関連付けて登録される。
【0052】
また、制御部12は所見文例データベース22内に登録されている上記既入力所見文例「こつこつと努力し、時間がかかってもなしとげる姿には好感がもてます。」のタグを抽出し(S54)、抽出したタグを、所見の種類「総合所見」及び当該児童「AAAA」と関連付けて既入力所見文例タグ記憶部54に登録する(S56)。
本実施形態においては、タグ「努力」、「時間」、「好感」の3つが、所見の種類「総合所見」及び児童「AAAA」と関連付けて登録される。
【0053】
次に、
図4の総合所見入力画面34において、先生が次の所見文例を参照するために「文例集の呼び出しボタン38」をクリックすると、入出力制御部18を介して、所見文例の表示要求が制御部12に入力される(S58)。
【0054】
上記所見文例の表示要求を受けた制御部12は、既入力文字数記憶部28に登録された児童「AAAA」の「総合所見」の「既入力文字数」と、所見入力設定記憶部26内に登録されている「総合所見の最大入力可能文字数」を参照(S60)した上で、最大入力可能文字数から既入力文字数を減じる「総合所見の最大入力可能文字数-既入力文字数」の演算処理を行って所見文章の「入力可能文字数」を算出する(S62)。
本システム68においては、総合所見の最大入力可能文字数は「60文字」に設定されており、「60文字(最大入力可能文字数)-33文字(既入力文字数)」の演算処理の結果、入力可能文字数は27文字と算出される。
【0055】
また、制御部12は、既入力所見文例タグ記憶部54に登録された児童「AAAA」の「総合所見」の「タグ」を参照する(S64)。
上記の通り、児童「AAAA」と関連付けて登録されている既入力所見文例のタグは「努力」、「時間」、「好感」の3つであることから、係るタグ「努力」、「時間」、「好感」が参照される。
【0056】
次に、制御部12は、所見文例データベース22内を参照し、S62で算出した入力可能文字数以下であり、且つ、S64で参照した既入力所見文例のタグと同じタグが登録されている所見文例を抽出する(S66)。
すなわち、入力可能文字数が27文字以下であり、且つ、既入力所見文例のタグは「努力」、「時間」、「好感」と同じタグを有する所見文例が制御部12によって抽出されるのである。
次に、制御部12は、抽出した所見文例を、入出力制御部18を介して表示部20に出力するのである(S68)。
【0057】
上記第3の通知表作成支援システム68は、所見文章の入力可能文字数以下であり、且つ、既入力所見文例のタグと同じタグが登録された所見文例を抽出して表示部20へ出力するよう構成したので、所見の最大入力可能文字数の範囲内に収まると共に、入力済みの所見文例と関連性の有る所見文例を容易に選択でき、所見作成時の先生の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【
図1】本発明に係る第1の通知表作成支援システムの機能構成を示すブロック図
【
図2】所見文例データベース内に登録されている所見文例を示す説明図
【
図3】第1の通知表作成支援システムにおいて、所見文章の作成を行う場合の処理手順を示すフローチャート
【
図4】表示部の表示画面に表示された総合所見の入力画面を示す説明図
【
図5】表示部の表示画面に表示された第1の通知表作成支援システムの文例集画面を示す説明図
【
図6】表示部の表示画面に表示された第1の通知表作成支援システムの他の文例集画面を示す説明図
【
図7】本発明に係る第2の通知表作成支援システムの機能構成を示すブロック図
【
図8】第2の通知表作成支援システムにおいて、所見文章の作成を行う場合の処理手順を示すフローチャート
【
図9】表示部の表示画面に表示された第2の通知表作成支援システムの文例集画面を示す説明図
【
図10】表示部の表示画面に表示された第2の通知表作成支援システムの他の文例集画面を示す説明図
【
図11】本発明に係る第3の通知表作成支援システムの機能構成を示すブロック図
【
図12】第3の通知表作成支援システムにおいて、所見文章の作成を行う場合の処理手順を示すフローチャート
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図13】従来の表示部の表示画面に表示された総合所見の入力画面を示す説明図
【
図14】従来の表示部の表示画面に表示された文例集画面を示す説明図
【符号の説明】
【0059】
10 第1の通知表作成支援システム
12 制御部
14 記憶部
16 入力部
18 入出力制御部
20 表示部
22 所見文例データベース
24 通知表情報データベース
26 所見入力設定記憶部
28 既入力文字数記憶部
30 作業データ記憶部
32 画面定義記憶部
34 総合所見入力画面
36 総合所見入力欄
38 文例集の呼び出しボタン
40 文例集画面
42 文例集画面
44 文例種類表示欄
46 文例項目表示欄
48 文例選択欄
50 文例表示欄
52 第2の通知表作成支援システム
54 既入力所見文例タグ記憶部
56 文例集画面
58 文例集画面
60 文例種類表示欄
62 文例項目表示欄
64 文例選択欄
66 文例表示欄
68 第3の通知表作成支援システム