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特許7049666昇降システムを設定および制御するための改良された方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-30
(45)【発行日】2022-04-07
(54)【発明の名称】昇降システムを設定および制御するための改良された方法
(51)【国際特許分類】
   B66F 3/46 20060101AFI20220331BHJP
   B60S 9/02 20060101ALI20220331BHJP
   B66F 7/28 20060101ALI20220331BHJP
【FI】
B66F3/46
B60S9/02
B66F7/28 B
【請求項の数】 31
(21)【出願番号】P 2018559279
(86)(22)【出願日】2017-05-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-07-04
(86)【国際出願番号】 IB2017052944
(87)【国際公開番号】W WO2017199204
(87)【国際公開日】2017-11-23
【審査請求日】2020-05-13
(31)【優先権主張番号】UA2016A003564
(32)【優先日】2016-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】508095441
【氏名又は名称】オー.エムイー.アール.エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ロッサート,オリエッタ
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0236183(US,A1)
【文献】特開昭57-137596(JP,A)
【文献】特開平10-281764(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0240300(US,A1)
【文献】特開平03-166199(JP,A)
【文献】特開2001-261292(JP,A)
【文献】特開昭62-235199(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 3/46
B60S 9/02
B66F 7/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷重、好ましくは自動車(11)を昇降させるための昇降システムを設定および制御するための改良された方法であって、前記システムが、同時に作動可能な少なくとも2台の可動式昇降コラム(4)を備えるようなものであり、前記方法が、以下のステップであって:
ユーザが、前記システムに属するとして登録されることが意図される各コラム(4)に対応して、任意の順序で、コラム(4)からコラムへと身を置き、前記ユーザが、前記コラムの相互位置、昇降される前記荷重(11)に対する前記コラムの動作位置、および昇降される前記荷重(11)に対する前記コラムの配置順序に関する関係性を設定および定義せずに、前記昇降システムに属するとして前記コラムを登録するために、前記コラム(4)それぞれの対応するユーザインタフェース(12)に提供される少なくとも1つ作動コマンドに作用を及ぼすステップであり;前記コラム(4)それぞれの前記ユーザインタフェース(12)が、前記ユーザインタフェース(12)によって、他のコラムおよび前記荷重(11)に対する、前記ユーザが作用を及ぼしている前記コラムの位置に関する情報を前記ユーザに提供しないように構成されている、ステップと、
前記ユーザが、前記荷重(11)を昇降させるために設けられた任意の動作領域/位置(17)に対応して前記コラムを配置するように、登録された各コラム(4)を任意の順序で物理的に移動させるステップと、
前記ユーザが、登録された前記コラム(4)の1台に対応するように身を置き、前記コラムの前記ユーザインタフェース(12)に作用を及ぼすことにより、前記昇降システムの他のコラムの命令コラムの役割を前記コラムに割り当てるステップと、
前記ユーザが、前記命令コラムの前記ユーザインタフェース(12)に作用を及ぼすことにより、前記昇降システムのコラムの少なくとも1台および/または全ての同時の上昇/降下を命令するステップと、を含み、
前記昇降システム(2)は、各ステップを実施するためのソフトウェアを実行する制御ユニット、及び、前記コラム(4)を他のコラム(4)と通信および機能接続する手段を備え、
前記昇降システム(2)の各コラム(4)の前記制御ユニットの前記ソフトウェアが、前記命令コラムの役割が前記コラム(4)の1台に割り当てられるときに、前記昇降システム(2)の他のコラムが、自動的に被制御コラムの状態となるように構成されており、ユーザが命令コラムの役割を1台の前記コラム(4)に割り当てるステップを行うと、他のコラム(4)が、自動的に被制御コラムの状態となり、前記命令コラムの役割を割り当てた前記コラム(4)だけが、アクティブなコントロールを他のコラムに送信し得るようになることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの作動コマンドに作用を及ぼすことにより、前記ユーザが、前記昇降システム(2)の一部を形成することが意図されるコラム(4)の台数を設定/定義することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの作動コマンドが、前記昇降システム(2)の一部を形成することが意図されるコラム(4)の台数を示す/描写することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記コラム(4)それぞれの前記ユーザインタフェース(12)における各コラム(4)の前記少なくとも1つの作動コマンドが、他のコラムおよび昇降される前記荷重(11)の両方に対する前記コラム(4)の位置に関する情報および描写を提供しないようにおよび/または前記情報および前記描写に関連付けられないように構成及び配置されていることを特徴とする、請求項1~3のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
各コラム(4)の前記ユーザインタフェース(12)に作用を及ぼすことにより、前記ユーザは、前記コラム(4)それぞれに関連付けられる一意の識別子を選択および設定し、各コラムの前記一意の識別子が、前記ユーザが各コラムを前記昇降システム(2)に登録する順序に関係なく、前記コラム(4)に関連付けられることを特徴とする、請求項1~4のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記昇降システム(2)に属するとしてコラムを登録するために、かかるコラム(4)それぞれの対応する前記ユーザインタフェース(12)に提供される前記少なくとも1つの作動コマンドに作用を及ぼすことにより、前記ユーザは、前記コラム(4)それぞれに関連付けられる一意の識別子を選択および設定し、各コラムの前記一意の識別子が、前記
ユーザが各コラムを前記昇降システム(2)に登録する順序に関係なく、前記コラム(4)に関連付けられることを特徴とする、請求項1~5のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記ユーザインタフェース(12)において各コラム(4)を表す目印が、前記ユーザインタフェース(12)によって、他のコラムおよび昇降される前記荷重(11)の両方に対する、前記ユーザが作用を及ぼしている前記コラムの位置に関する情報を提供しないように構成及び配置されていることを特徴とする、請求項1~6のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記昇降システム(2)に属する前記コラムのうち、同時に作動可能ないずれか少なくとも2台のコラム(4’、4”)のグループを定義するための以下のステップも含むことを特徴とし、また前記ステップにおいて:
- 前記ユーザが、前記昇降システム(2)に属し、前記グループの一部を形成することが意図される第1のコラム(4’)に身を置き、前記第1のコラム(4’)の対応する前記ユーザインタフェース(12’)に作用を及ぼすことにより、少なくとも2台のコラムから成るグループがアクティブである動作モードを設定し、
- 前記ユーザが、前記昇降システム(2)に属し、前記グループの一部を形成することが意図される第2のコラム(4”)に身を置き、前記第2のコラム(4”)の対応する前記ユーザインタフェース(12”)に作用を及ぼすことにより、少なくとも2台のコラムから成るグループがアクティブである動作モードを設定し、
- 前記ユーザが、前記2台のコラム(4’、4”)の一方の前記ユーザインタフェース(12’、12”)に作用を及ぼして、作業グループの他のコラムの命令コラムの役割を対応する前記コラムに割り当て、
- 前記ユーザが、前記命令コラムの前記ユーザインタフェース(12)に作用を及ぼすことにより、そのように定義された前記グループの少なくとも2台のコラムの同時の上昇/降下を命令することを特徴とする、請求項1~7のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
コラム(4’、4”)の前記グループが、昇降される前記荷重(11)に対して交差するように並べられた2台のコラムを備える、および/またはコラム(4’、4”)の前記グループが、昇降される前記荷重(11)の同じ側に共に配置された少なくとも2台のコラムを備えることを特徴とする、請求項1~8のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
荷重、好ましくは自動車(11)を昇降させるためのシステム(2)のための可動式昇降コラム(4)であって、同時に作動可能な少なくとも2台の前記可動式昇降コラム(4)を有する昇降システム(2)を構成するようなものであり、前記可動式コラム(4)が:
- 支持構造(6)と、
- 前記支持構造に沿って垂直に摺動し、昇降される前記荷重に係合するように構成された昇降手段(8、9)と、
- 前記昇降手段(8、9)を駆動する手段(3)と、
- 昇降される前記荷重(11)に対して前記コラム(4)を適正に配置するために作業面上で前記支持構造(6)を移動させる手段(7)と、
- ユーザインタフェース(12)と、
- 制御ユニットと、
- 前記コラムを他のコラム(4)と通信および機能接続する手段とを備え、
請求項1~9のうちのいずれか1項に記載の方法を実施するためのソフトウェアが、前記コラムの前記制御ユニットにロードされて実行されることを特徴とする、可動式昇降コラム(4)。
【請求項11】
前記ソフトウェアが、前記昇降システム(2)の一部を形成するとして登録された全ての前記可動式コラム(4)を互いに通信および機能接続の状態に置くように構成されていることを特徴とする、請求項10に記載の可動式昇降コラム(4)。
【請求項12】
前記ユーザインタフェース(12)が、前記昇降システム(2)に関する情報を表示するように操作可能に構成された表示装置(13)を備え、前記表示装置(13)が:
- 前記昇降システム(2)に属するとして登録されたコラムの台数を示すグラフィック描写(20)、および/または
- 命令コラムが前記昇降システム(2)内で特定されたかを示すグラフィック描写(30)を含むことを特徴とする、請求項10または11に記載の可動式昇降コラム(4)。
【請求項13】
前記表示装置(13)が、前記表示装置(13)に整理された順序で表示された、前記昇降システム(2)の各コラム(4)について1つの一連の識別コード(22)を含むことを特徴とする、請求項10~12のうちのいずれか1項に記載の可動式昇降コラム(4)。
【請求項14】
前記グラフィックインタフェース(12)の前記表示装置(13)が、他のコラムおよび/または昇降される前記荷重(11)に対する前記コラムの位置に関する情報を提供しないことを特徴とする、請求項13に記載の可動式コラム。
【請求項15】
前記グラフィック描写(20)が、他のコラムおよび/または昇降される前記荷重(11)に対する前記コラムの位置に関する情報を提供せずに、前記昇降システム(2)を定義するために互いに接続されたコラムの台数のみを示すことを特徴とする、請求項14に記載の可動式コラム。
【請求項16】
前記ユーザインタフェース(12)が、他のコラムおよび/または昇降される前記荷重(11)に対する前記コラム(4)の位置に関する関係性を定義または設定せずに、前記昇降システム(2)に属するとして前記コラム(4)を登録するために操作可能に作動される入力手段が設けられた、個々の前記コラム(4)を構成するためのパネルを備えることを特徴とする、請求項10~15のうちのいずれか1項に記載の可動式昇降コラム(4)。
【請求項17】
個々の前記コラム(4)を構成するための前記パネルには、以下の操作であって:
- 前記昇降システム(2)を定義するコラムの台数を設定する操作と、
- 前記ユーザが作用を及ぼしている前記入力手段が設けられたその特定のコラムに一意の識別子番号を関連付ける操作と、
- その特定のコラムを前記昇降システム(2)内の命令コラムとして設定する操作と
のうちの少なくとも1つを行うように操作可能に作動される入力手段が設けられていることを特徴とする、請求項16に記載の可動式コラム。
【請求項18】
前記ユーザインタフェース(12)の前記表示装置(13)が、前記表示装置(13)の個々のスクリーンショットに垂直および/または水平に並べて整理された順序で配置された前記一連の一意の識別コード(22)を含み、各識別コードが、前記昇降システム(2)のコラム(4)に対応することを特徴とする、請求項10~17のうちのいずれか1項に記載の可動式昇降コラム(4)。
【請求項19】
前記表示装置(13)が:
- 前記昇降システム(2)のコラム(4)にそれぞれ対応する一連の一意の識別コード(22)が、垂直および/または水平に並んで順に表示される第1の部分(43)と、
- 前記第1の部分(43)とは別個であり、独立しており、昇降される前記荷重(11
)のグラフィック描写が表示される第2の部分(45)と、
を有する個々のスクリーンショットを含むことを特徴とする、請求項10~18のうちのいずれか1項に記載の可動式昇降コラム(4)。
【請求項20】
前記表示装置(13)の前記識別コード(22)が、数字および/または英字であり、累進的なものであることを特徴とする、請求項10~19のうちのいずれか1項に記載の可動式昇降コラム(4)。
【請求項21】
前記ユーザインタフェース(12)の前記表示装置(13)が、前記昇降システム(2)を定義するために、何台のコラム(4)が互いに接続済みであるか、および/または前記昇降システム(2)を完成するために、何台のコラムが他のコラムと接続されるべきかを示すためのグラフィック描写(20)を含むことを特徴とする、請求項10~20のうちのいずれか1項に記載の可動式昇降コラム(4)。
【請求項22】
前記ユーザインタフェース(12)の前記表示装置(13)が、前記支持構造(6)に対する前記昇降手段(8)の垂直移動を安定的に阻止する電気機械式ストッパ(14)が、前記昇降システム(2)の全ての前記コラム(4)において同じ状態にあるかを示すためのグラフィック描写(34)を含むことを特徴とする、請求項10~21のうちのいずれか1項に記載の可動式昇降コラム(4)。
【請求項23】
前記ユーザインタフェース(12)の前記表示装置(13)が、前記昇降システム(2)または作業グループのコラム(4)の前記昇降手段(8)の高さが、他のコラムの昇降手段に対して揃っていないことを示す/情報伝達するグラフィック描写を含み、前記表示装置(13)がまた、他のコラムの前記昇降手段に対して揃っていない前記昇降手段(8)を有する前記コラム(4)の前記識別コード(22)の情報伝達を含むことを特徴とする、請求項10~22のうちのいずれか1項に記載の可動式昇降コラム(4)。
【請求項24】
前記ユーザインタフェース(12)の前記表示装置(13)が、前記昇降システム(2)または作業グループの各コラム(4)について1つの、複数のグラフィック記号(52’、52”、52”’、52””)を有するスクリーンショット(50)を含み、前記複数のグラフィック記号が、他のコラムの昇降手段に対して前記昇降手段(8)の高さが揃っていない可能性があるコラムをグラフィック的に示すように、前記表示装置(13)自体に配置されていることを特徴とする、請求項10~23のうちのいずれか1項に記載の可動式昇降コラム(4)。
【請求項25】
前記昇降システム(2)または作業グループの前記コラム(4)の前記昇降手段(8)を自動再位置合わせするステップ中に、他のコラムの昇降手段に対して前記昇降手段(8)の高さが揃っていない前記コラムを表す前記グラフィック記号(52)の位置が、前記ユーザインタフェース(12)の前記表示装置(13)の前記スクリーンショット(50)においてリアルタイムで更新されることを特徴とする、請求項10~24のうちのいずれか1項に記載の可動式昇降コラム(4)。
【請求項26】
荷重、好ましくは自動車(11)を昇降させるためのシステム(2)であって、請求項10~25のうちのいずれか1項に記載の、同時に作動可能な少なくとも2台の可動式昇降コラム(4)を備えることを特徴とし、前記制御ユニットにロードされて実行される前記ソフトウェアおよび前記昇降システム(2)の各コラム(4)の対応する前記ユーザインタフェース(12)が、前記システムの前記コラム間の相互位置、昇降される前記荷重(11)に対する前記コラムの配置、および/または昇降される前記荷重(11)に対する前記コラムの配置順序に関する関係性を設定および定義せずに、前記コラム(4)のそれぞれを前記昇降システム(2)に属するとして前記ユーザに登録させるように構成されていることを特徴とする、システム(2)。
【請求項27】
前記制御ユニットにロードされて実行される前記ソフトウェアおよび前記昇降システム(2)の各コラム(4)の対応する前記ユーザインタフェース(12)が、前記昇降システム(2)の一部を形成するコラム(4)の台数を前記インタフェース(12)の前記入力手段を用いて前記ユーザに定義させるように構成されていることを特徴とする、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記制御ユニットにロードされて実行される前記ソフトウェアおよび各コラム(4)の対応する前記ユーザインタフェース(12)が、同時に作動可能な可動式コラムのグループを前記入力手段を用いて前記ユーザに定義させるように構成されており、前記グループが、前記昇降システム(2)の一部を形成する前記コラムのうち任意の少なくとも2台の可動式コラム(4)を含む、請求項26又は27に記載の昇降システム(2)。
【請求項29】
奇数台の可動式コラム(4)から成ることを特徴とする、請求項26~28のうちのいずれか1項に記載の昇降シテスム(2)。
【請求項30】
前記昇降システム(2)の一部を形成する前記可動式コラム(4)のうち、同時に作動可能な可動式コラム(4)のグループを備え、前記グループが、奇数台の可動式コラム(4)から成ることを特徴とする、請求項26~29のうちのいずれか1項に記載の昇降シテスム(2)。
【請求項31】
昇降される前記荷重(11)の周りに互いに対向しないように配置されることが意図される少なくとも2台の可動式コラム(4)を備えることを特徴とする、請求項26~29のうちのいずれか1項に記載の昇降システム(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷重、好ましくは自動車を昇降させるためのシステムを設定および制御するための改良された方法に関する。また、本発明は、前記プロセスにより設定および制御される昇降システムに関し、改良されたユーザインタフェースを有し、前記昇降システムの一部を形成するのに適した可動式昇降コラムにも関する。メンテナンス作業および/または修理を行うべく、自動車自体の下部領域へのユーザのアクセスを可能にするために作業場で一般に使用される、自動車を昇降させるための機器が知られている。
【背景技術】
【0002】
知られている自動車用の昇降機器の中には、機械的に独立しているが、ケーブルを介してまたは無線で互いに電子的に接続されて通信する複数台の可動式コラムから成る昇降機器がある。
【0003】
特に、各可動式コラムは、垂直サポートを備え、同サポートに沿って、昇降される自動車の対応する領域に係合するための水平アームが設けられた荷台が垂直に摺動する。コラムにはまた、例えば電気機械式または油圧式の、垂直サポートに対して荷台を昇降させるための駆動手段が設けられ、好適な制御システムおよびユーザとのインタフェースディスプレイも設けられる。
【0004】
かかる背景技術に対して、米国特許出願公開第2009/0236183号明細書は、システムの各コラムに、表示スクリーンを有するインタフェースが設けられ、表示スクリーンにおいてシステムの他のコラムおよび車両に対する各コラムの位置が描写され;特に、このために、表示スクリーンにおいて、車両を描写する好適なグラフィック記号の周りにシステムの全てのコラムがグラフィック描写される、昇降システムを提案している。したがって、ユーザは、それにより、識別番号をコラムに関連付けることも、コラムが物理的に配置されている場所を確認することも必要とせずに、コラムを選択および制御するために、個々のコラムのインタフェースから他のコラムおよび車両の両方に対するコラムの関係性を認識し得る。
【0005】
特に、コラムを昇降システムに登録するために、ユーザは、そのコラムとグラフィック的に関連付けられるとともに、そのコラムの車両に対する位置を表す、各コラムのコマンドインタフェース上の対応するボタンを選択する。
【0006】
よって、かかるシステムでは、昇降システムが一旦設定される(つまり、かかるシステムの一部を形成するとしてコラムが登録される)と、他のコラムおよび車両に対する各コラムの配置が要求され、他の車両に関してシステムを再配置する場合でも、配置が常に同じとなる。
【0007】
例えば、新たなコラムが、昇降システムに登録されるときに右前車輪の動作位置に関連付けられた場合、かかる関係性は、そのように定義された昇降システムをさらに連続して使用する場合にも常に保たれる。つまり、システムが使用されるたびに、そのコラムは、昇降される車両の右前車輪に常に配置され、このことは、システムの他の全てのコラムに関して定義される全ての位置関係性についても当てはまる。
【0008】
かかる登録方法が、その昇降システムの一部を形成するコラムをある車両から別の車両へと再配置することの助けとならず、再配置を素早く行えないことに気付くのは容易である。
【0009】
この既知のシステムでは、昇降システムが一旦構成されると、同時に作動可能なコラムのグループも新設され得るが、このグループは、車両の横軸線に対してのみ並べられた/対向する最小の2台のコラムから成る。
【0010】
国際公開第2015/005772号は、少なくとも2台のコラムを有し、全てのコラムに共通の外部制御システム(遠隔制御)が設けられた昇降システムを記載している。特に、ユーザは、昇降システムの一部を形成するコラムを選択するために、かかる外部集中制御システムに識別キーを用いて作用を及ぼす。
【0011】
米国特許出願公開第2013/240300号明細書は、互いに無線通信し、電源が投入されると、追加される新たなコラムが存在するかを自動で確認する少なくとも2台のコラムを有する昇降システムを記載している。
【0012】
国際公開第2004/024612号は、識別カードを挿入するためのカードホルダが設けられた少なくとも2台のコラムを有する昇降システムを記載している。かかる解決策では、まずマスターコラムが登録され、さらに、他のコラムがマスターコラムに関連付けられる特定の順序により、他のコラムに対して各コラムの一意の識別コードが定義される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】米国特許出願公開第2009/0236183号明細書
【文献】国際公開第2015/005772号
【文献】米国特許出願公開第2013/240300号明細書
【文献】国際公開第2004/024612号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、荷重、好ましくは自動車を昇降させるためのシステムを設定および制御するための、従来方法を改良するおよび/または代替する改良された方法を提案することである。
【0015】
本発明の別の目的は、他のコラムおよび車両の両方に対する、最初の配置および/または各コラムの再配置の連続操作が、全く要求されず、予め定義されない方法を提案することである。
【0016】
本発明の別の目的は、他のコラムおよび車両の両方に対する、様々なコラムの配置順序が、完全に自由であり、ランダムであり、毎回異なり得る方法を提案することである。
【0017】
本発明の別の目的は、可動式コラムを有するシステムが一旦設定されると、かかるシステムが、昇降されるある車両から別の車両に素早くかつ容易に転換できる方法を提案することである。
【0018】
本発明の別の目的は、システム自体の全てのコラムのうち同時に制御可能なコラムの任意の1つのグループが、定義され得る方法を提案することである。
【0019】
本発明の別の目的は、実装が簡単であり、素早く、容易にかつ直感的に使用されるユーザインタフェースを有する可動式昇降コラムを提供することである。
【0020】
本発明の別の目的は、コラムの位置決め/再位置決めステップ中にユーザを助けるユーザインタフェースを有する可動式昇降コラムを提供することである。
【0021】
本発明の別の目的は、従来システムの欠点を克服し、簡単に、素早く、かつ直感的に新設、設定および制御が行われる、自動車を昇降させるための可動式コラムを有する昇降システムを提供することである。
【0022】
本発明の別の目的は、システム自体の1台以上のコラムが揃っていない状態をユーザに警告する、可動式コラムを有する昇降システムを提供することである。
【0023】
本発明の別の目的は、構成および機能の観点で従来システムに代わる特徴を有する、可動式コラムを有する昇降システムを提供することである。
【0024】
本発明の別の目的は、簡単に、素早くかつ低コストで作ることができる、可動式コラムを有する昇降システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
これら目的の全てが、請求項1に示した特徴を有する方法、請求項10に示した特徴を有する可動式コラム、および請求項26に示した特徴を有する昇降システムによる本発明によって達成される。
【0026】
本発明は、添付図面を参照して単なる非限定的な例として以下に示される、本発明のいくつかの好ましい実施形態においてさらに明確にされる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明による可動式コラムの斜視図である。
図2】本発明による可動式コラムの垂直断面図である。
図3】昇降システムを設定/新設する前の複数台の昇降コラムの斜視図である。
図4】可動式コラムの第1の配置で動作状態にある本発明による昇降システムの側面図である。
図5図4と同じ視点および状態にある同じ昇降システムを可動式コラムの第2の異なる配置にて示す。
図6】本発明による可動式コラムのインタフェースの表示装置に表示された第1のスクリーンショットを示す。
図7】コラムの異なる動作モードを示す記号を示す。
図8】同時に制御可能な2台のコラムのグループを定義する可動式コラムのインタフェースの表示装置における対応するスクリーンショットを示す。
図9】同時に制御可能な2台のコラムのグループを定義する可動式コラムのインタフェースの表示装置における対応するスクリーンショットを示す。
図10】コラムの昇降手段の相互位置合わせを表示/制御するために表示装置に表示されたスクリーンショットを示す。
図11】荷重を昇降させる前に荷重の周りに配置された、本発明による昇降システムの第3の実施形態の斜視図である。
図12】荷重を昇降されている間の、図11の昇降システムの斜視図である。
図13図11の昇降システムの一部を形成する可動式コラムの表示装置のスクリーンショットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図面に示すように、荷重、好ましくは自動車の荷重を昇降させるための、本発明によるシステム2は、機械構造的に実質的に従来式である2台以上の可動式コラム4を備える。
【0029】
好都合にも、図3図5に描写する実施形態において、昇降システム2は4台の可動式コラム4によって定義されているが、かかるシステムが、昇降される自動車の車輪数に応じて2台だけ、6台、または8台以上のコラムを備えてもよいことが理解される。
【0030】
特に、図1および図2に描写するように、本発明による各可動式コラム4は、垂直支持構造6を備え、垂直支持構造に沿って昇降手段が垂直に摺動し、昇降手段は、昇降される自動車の所定領域に係合することが意図される水平アーム9が設けられた荷台8を備える。
【0031】
特に、垂直支持構造6の底部には、垂直支持構造を作業敷地内で移動させるための手段、例えば、車輪7付きの荷台が設けられる。
【0032】
コラム4には、垂直支持構造6に沿って昇降手段8および9を移動させるための、電気機械式または油圧式の駆動手段3も設けられ、制御ユニットおよびユーザインタフェース12も設けられる。
【0033】
特に、ユーザインタフェース12は、表示装置13と、ユーザによって操作可能に作動される入力手段が設けられた構成パネルとを備える。例えば、ユーザインタフェース12は、タッチスクリーン、および/またはキーボード/プッシュボタンパネルに関連付けられた表示モニタを備える。
【0034】
さらに、コラム4には、垂直支持構造6に対する荷台8の垂直移動を安定的に阻止するための電気機械式ストッパ14が設けられる。
【0035】
システム2の可動式コラム4は、互いにケーブル通信および/または無線通信する。
【0036】
図3に描写するように、可動式コラム4を車両の周りに配置する前に、コラム自体は、例えば作業場などの作業敷地の空間15に、特定の配置順序を伴わずに無造作に都合良く集められる。有利には、かかる非動作状態において、可動式コラム4は、作業敷地内でのコラムの全体ボリュームを最適化および最小化するように、特に互いに近接される。
【0037】
これにより、複数台の可動式コラム4から昇降システム2を設定および新設するために、ユーザは、以下の操作を順に行う。
【0038】
有利には、ユーザは、システムの特定のニーズおよび用途に必要な台数の、場合によってはより多くの可動式コラム4が登録される昇降システム2を設定および新設し得る。例えば、図4および図5に描写する車両11を昇降させるために、ユーザは、車両11の各車輪に1台ずつ、4台の可動式コラム4が必要であると判断する。
【0039】
特に、昇降システム2を設定および新設するために、ユーザは、システム2に属するとして登録されることが意図され、かつ作業空間15内に存在するコラムから都合良く選択される、各可動式コラム4のユーザインタフェース12に1つずつ、所定の順序を伴わずに身を置く。
【0040】
これにより、各コラムについて、ユーザは、ユーザが設定している昇降システム2に属するとしてコラムを登録するように、かかるコラムそれぞれの対応するユーザインタフェース12に提供される作動コマンドに作用を及ぼす。特に、かかる作動コマンドに作用を及ぼすことにより、ユーザは、他のコラムに対するかかるコラムの相互位置、昇降される荷重11に対するコラムの配置、および昇降される荷重11に対するコラムの配置順序に関する関係性を設定および定義せずに、コラムを作動させる。
【0041】
有利には、コラム4を昇降システム2に登録するための作動コマンドは、システム自体を形成するコラムの台数を示す/表すコントロールである(例えば、開示される例では、ユーザは、全てのコラムにおいて数「4」を設定し得る)。
【0042】
有利には、コラム4を昇降システム2に登録するための作動コマンドにより、一意の識別コード(例えば、番号)を選択し、設定し、各コラムに関連付けることができる。好都合にも、かかる一意の識別コードは、対応するコラムのユーザインタフェース12にユーザが直接作用を及ぼすことにより、各コラムに関連付けられる(つまり、システム自体または各コラムの処理ユニットによって自動で新設されず、関連付けられない)。特に、かかる一意の識別コードは、ユーザが各コラムを昇降システム2に登録する順序から独立しており、同順序に関係しておらず;したがって、例えば、昇降システム2に最初に登録されるコラム4が、ユーザによって選択され、「3」、「2」または「1」の番号にも対応する数値識別コードに関連付けられ得る。
【0043】
有利には、各コラム4のユーザインタフェース12上の前記各コラム4の作動コマンドは、他のコラムおよび昇降される前記荷重11の両方に対するコラム4の位置に関する情報および描写の提供および/または同情報および描写との関連付けを行わないように構成および配置される。つまり、作動コマンドは、他のコラムおよび昇降される荷重11の両方に対するコラム4の位置に関するグラフィックおよび/または情報の観点において独立しており、関係していない。
【0044】
次いで、ユーザは、システム2に属するとして登録されたコラム4を1台ずつ選択し、任意の順序で、かついかなる場合もコラム間または荷重に対する位置関係性から自由に、昇降される車両11の車輪17または荷重を昇降させるために設けられた動作領域にコラムを配置する。
【0045】
コラム4および昇降システム2の登録が、車両11の車輪17または荷重を昇降させるために設けられた動作領域にコラムを配置した後に行われてもよいことが理解される。特に、この場合も、かかる配置は、任意の順序で行われ、他のコラムおよび荷重の両方に対するコラムの配置関係性から自由である。
【0046】
特に、図4図5の対比に示すように、そのように新設された昇降システム2の各コラム4は、車両11に対して任意の動作位置に配置され得る。実際に、コラム4’は、例えば、車両11の右前車輪17’(図4を参照)または車両の右後車輪17”(図5を参照)に配置されてもよく、同様にコラム4”は、例えば、車両11の右後車輪17”(図4を参照)または車両の右前車輪17”(図5を参照)に配置されてもよい。
【0047】
このことは特に有利である。なぜなら、既に設定され、第1の車両を昇降させるために使用された、4台のコラム4を有する昇降システム2が、第2の車両を昇降させるために再使用されて再配置される予定である場合に、作業時間を短縮できるためである。特に、本発明による昇降システム2の設定/新設により、かかるシステムは、第1の荷重を昇降させるために一旦使用されると、第2の荷重を昇降させるために再使用されて自由に再配置され得、このことは、他のコラムおよび第2の荷重の両方に対する個々のコラムの選択順序および/または動作配置とは関係しない。
【0048】
このために特に、各コラム4の制御ユニットにロードされるソフトウェアは、コラムの相互位置、昇降される車両に対するコラムの位置、および/またはコラムの配置/作動順序に関する関係性を設定および定義せずに、かかるシステムの構成要素の数だけが設定される昇降システム2を定義するように構成される。より詳細には、このために、有利には前記ソフトウェアは、システムの全てのコラムを、各コラムが他の全てのコラムと通信し得るように互いに接続および結合するように構成される。このことは、昇降システムが代わりに、2台ずつ互いに接続および結合される交差方向に並べられたコラムからそれぞれ成る複数対のコラムから成る先行技術とは異なる。
【0049】
昇降システム2の全てのコラム4が車両11の車輪17または好適な動作領域に一旦配置されると、ユーザは、昇降システム2の1台のコラム4に身を置き、コラムのユーザインタフェース12に作用を及ぼすことにより、前記コラムに他のコラムの命令コラムの役割を割り当て、これにより、他のコラムが被制御コラムとなる。
【0050】
これにより、命令コラムのユーザインタフェース12に作用を及ぼすことにより、ユーザは、以下でより明らかになるように、システムのコラムの全てまたは少なくとも1台に、場合によっては、かかるシステム2に登録されたコラムの一部のみから成るコラムグループに同時の昇降を命令する。
【0051】
好都合にも、本発明によるシステム2における各コラム4の制御ユニットは、好ましくは所定順序に従って、常に同じ優先順位で、他の全ての制御ユニットと通信するように構成される。さらに、各コラム4の制御ユニットは、何台かのコラム4が、システムの各コラム上でユーザによって最初に設定されたコラムに対応して作動されることを制御するように構成される。
【0052】
有利には、本発明によるシステム2において、昇降システム2の一部を形成するコラムの台数が各コラム4において一旦設定されると、ユーザは、システム自体の一部を形成するコラム4を任意の順序で選択し、再配置し、作動させ得る。例えば、システム2のコラム4は、まずコラム4’、次にコラム4”、次に4”’、最後に4””を提供する順に、選択、再配置および/または作動され得るが、システムの同じコラムは、他の順序(例えば、まずコラム4””、次にコラム4”’、次に4”、最後に4’)で選択、再配置および/または作動されてもよい。
【0053】
各コラム4のインタフェース12は、インタフェース自体によって、他のコラムおよび昇降される荷重11の両方に対する、ユーザが作用を及ぼしているコラムの位置に関する情報をユーザに提供しないように構成される。好ましくは、他のコラムおよび昇降される荷重11の両方に対するコラム4の位置の描写が、グラフィックインタフェース12上に提供されず、または、いかなる場合も、コラム4の制御および表示のために提供される目印は、各コラム4および荷重11の描写から独立しており、切り離されている。
【0054】
好ましくは、グラフィックインタフェース12の表示装置13は:
- 互いに接続され、昇降システム2に属するとして登録されたコラム20の台数と、
- 各コラムを一意に識別し、グラフィックインタフェース12の入力手段に能動的にかつ手動で作用を及ぼすことにより、ユーザ自身によって手動で設定されるコード22を示す。
【0055】
好ましくは、新設されたまたは新設される昇降システム2内のコラム4を一意に識別するコード22は、数字または英数字であり、累進的なものである。好ましくは、かかるコード22は、整理された順で1つずつ配置され、好ましくは、水平および/または垂直に並べられる。
【0056】
好ましくは、各コラム4のインタフェース12の表示装置13に表示される、図6に描写するようなスクリーンショット19は:
- 昇降システム2の一部を形成するとしてユーザが設定したコラムの台数の表示20と、
- 新設ステップ中に新設された昇降システム2内のコラム4を一意に識別するコード22と、
- コラム4の実際の高さを示す第1の数24およびコラムにより達成可能な最大高さを示す第2の数26と、
- そのコラム4について設定された動作/作動モードを示す第1のグラフィック描写28と、
- コラム4が、命令コラムとして設定されているか、昇降システム2内またはその作業グループ内の被制御コラムとして設定されているかを示す第2のグラフィック描写30と、
- タッチスクリーンの場合に、スクリーンロックを有効/無効にするためにクリックするタッチスクリーンの領域を示す第3のグラフィック描写32と、
- 垂直支持構造6に対する荷台8の垂直移動を安定的にロックする電気機械式ストッパ14が、昇降システム2の全てのコラム4に対して作動位置にあるか否かを示す第4のグラフィック描写34と、
- 対応するコラムが静止していることを示す第5のグラフィック描写36とを含む。
【0057】
有利には、同様に、ユーザが作用を及ぼしているインタフェース12のコラム4を識別し、かつユーザが設定し/かかるコラムに関連付けたコード22に実質的に対応するコード23が、表示装置13に提供され得る。
【0058】
有利には、同様に、車両または荷重11の種類を示し、かつグラフィックおよび情報の両方に関して前記表示20および前記コード22とは常に関係せずに独立した、さらなるグラフィック描写41が表示装置13に提供され得る。好ましくは、かかるグラフィック描写41は、その種類の荷重に必要な昇降動作領域の数だけを描写するように構成される。特に車両の場合、グラフィック描写41は、かかる車両の車軸の数を記すようなものである。
【0059】
好都合にも、表示装置13は:
- 垂直および/または水平に並べられ、グラフィックインタフェース12の入力手段に作用を及ぼすことによりユーザによって手動で関連付けられる、昇降システム2のコラム4それぞれに対応する一意の識別コード22が順に表示される第1の部分43と、
- 昇降される荷重11のグラフィック描写41が表示される第2の部分45であり;グラフィック表示および情報の両方に関して第1の部分43とは別個であり、独立しており、切り離されている第2の部分45とを有する個々のスクリーンショット19を含む。
【0060】
有利には、表示装置13には、使用言語、コラム4のバッテリの充電状態、およびコラムを互いに接続するためのWi-Fi信号の存在をそれぞれに示すさらなる記号38、40および42も提供される。
【0061】
好都合にも、各目印の有効または無効状態および/または各目印をスクリーンに表示するグラフィック描写は、好適な記号および/または異なる色によって定義され得る。
【0062】
好ましくは、コード22の有効または無効状態により、昇降システム2を定義するために互いに接続済みのコラムの台数、および/またはかかるシステムを完成するために他のコラムに接続されるべきコラムの台数をユーザに通知することができる。
【0063】
好都合にも、ユーザは、コラム4のインタフェース12とインタラクトし、コラム自体の状態の変更を目的とする入力コントロールを送るために、提供された様々な目印および/またはグラフィック描写をタッチスクリーンモニタ13上でクリックしてもよく、またはコラム4に関連付けられたキーボードまたは別の好適な入力デバイスに作用を及ぼしてもよい。
【0064】
有利には、各コラム4の制御ユニットのソフトウェアは、ユーザが、同コラムを昇降システム2内の命令コラムとして設定するように、(例えば、第2のグラフィック描写30のクリックによって)コラムのインタフェース12に作用を及ぼすときに、システムの他のコラムが、被制御コラムとして自動的に設定されるように構成される。
【0065】
好都合にも、システム2のコラム4は、常に互いに通信しているが、制御コラムが一旦設定されると、各コラム4の制御ユニットのソフトウェアは、命令コラムだけがアクティブなコントロールを他のコラムに送信し得るように構成される。
【0066】
図6図8図9および図13から明らかなように、インタフェース12のスクリーン13に表示されるスクリーンショット19は、車両11および/またはシステム2の他のコラムに対する、ユーザが作用を及ぼしているそのコラム4の位置に関する情報を示す/提供するグラフィック描写を提供しない。
【0067】
そのコラム4に設定された動作/作動モードを示す、スクリーンショット19上の第1のグラフィック描写28は、図7に描写する記号、特に:
- 昇降システム2の一部を形成するコラムのうち、ユーザが作用を及ぼしている個々のコラムから成るグループを設定する/示すための第1の記号44と、
- 昇降システム2の一部を形成するコラムのうち、2台のコラム、特に、ユーザが作用を及ぼしているコラムと、システム2の一部を形成する任意の他のコラムとだけから成るグループを設定する/示すための第2の記号46と、
- 昇降システム2の4台のコラム全てがアクティブである動作モードを設定する/示すための第3の記号48とのうちの1つを含み得る。
【0068】
昇降システム2が一旦新設および設定されると、ユーザは、システム2の一部を形成する全てのコラム4のうち、1台または2台のコラム4だけから成るグループを新設する必要がある場合がある。
【0069】
このために、ユーザは、対応するユーザインタフェース12に作用を及ぼすように、定義されるグループのコラム4のそれぞれに順に物理的に身を置く。
【0070】
特に、システム2の一部を形成する4台のコラムのうち2台のコラム4’、4”だけから成るグループを同時に作動可能にシステムを設定するために、ユーザは、以下のように作用を及ぼす:
- ユーザは、第1のコラム4’に身を置き、まずスクリーンショット19’のグラフィック描写28’のクリックにより、記号46’を表示して、2台のコラムから成る1つのグループだけが作動される動作モードをコラム4’に設定するようにインタフェース12’(図8を参照)に作用を及ぼし;次いで、スクリーンショット19’上のグラフィック描写30’のクリックにより、ユーザは、第1のコラム4’をグループの被制御コラムとして設定し、
- ユーザは、次いでコラム4”に身を置き、まずスクリーンショット19”のグラフィック描写28”のクリックにより、記号46”を表示して、2台のコラムから成る1つのグループだけが作動される動作モードをコラム4”に設定するようにインタフェース12”に作用を及ぼし(図9を参照);次いで、スクリーンショット19”のグラフィック描写30”のクリックにより、ユーザは、コラム4”をグループの命令コラムとして設定する。
【0071】
好都合にも、図8図9の対比から明らかなように、被制御コラムを識別するグラフィック描写30’は、命令コラムを識別するグラフィック描写30”とは、例えば色が異なる。
【0072】
かかる構成ステップは、まず、被制御コラムになることが意図されるコラム4’に作用を及ぼし、次いでグループの命令コラムになることが意図されるコラム4”に作用を及ぼすか、またはその逆で、ユーザによって行われ得ることが理解される。
【0073】
かかるグループの構成が一旦行われると、ユーザは、命令コラム4”のインタフェース12”に身を置いて、そのように定義されたグループのコラム4’、4”のそれぞれの昇降荷台8’および8”の同時の移動を命令する。
【0074】
新設されたグループのコラム4’、4”が車両11と交差するように並べられた場合、コラムの作動により、例えば、メンテナンス作業を行うために、車両の車軸で車両を昇降させ得る。
【0075】
設定されたグループのコラム4’、4”の両方が代わりに車両11の同じ側に配置された場合、コラムの作動により、例えば、車載タンクを空にするように、車両を横に傾け得る。
【0076】
好都合にも、図11図13に描写する実施形態によれば、昇降システム2は、-かかるシステムにおいて定義された昇降ユニットにも当てはまるが-3台の可動式コラム4によって定義されるが、任意の他の奇数台の可動式コラム4(つまり5台、7台など)によって定義されてもよい。特に、かかる場合には、全ての可動式コラム4が、昇降される荷重11の中心の周りに都合良く配置される。有利には、奇数台の可動式コラム4を有する昇降システム2または昇降ユニットの新設/設定は、各コラム4がシステム2に属するとして一旦設定されると、各コラムが、システム自体に登録された他の全てのコラム4と通信することによって得られる。特に、図11図13の実施形態の昇降システム2は、他の実施形態を参照して上述したのと同じ手順によって設定および制御される。また、図13に示すように、奇数台の可動式コラム4から成る昇降システム2の各コラム4におけるグラフィックインタフェース12の表示装置13のスクリーンショット19は、他の実施形態を参照して上述したのと同じ本質的かつ優先的な特徴を有する。
【0077】
好都合にも、本発明による昇降システムは、荷重自体を横切る基準軸線に関して互いに反対側ではない、荷重11を昇降させるために設けられた動作領域に配置され得るという意味で、昇降される荷重11の周りに対向しないように配置される2台以上の可動式コラム4を備え得る。
【0078】
さらに、本発明によるシステム2はまた、システムの動作中、システム2または作業グループのコラム4の昇降荷台8の間の垂直位置合わせを制御、表示および調節するようにも構成される。
【0079】
特に、各コラム4には、各昇降荷台8の高さを検出する手段が設けられ、また、各コラム4の制御処理ユニットは、前記手段によって検出された高さ値を受信し、高さ値が、他のコラム4において作動された昇降荷台8の高さに一致するか、またはその所定の許容範囲内にあるかを対比するように構成される。
【0080】
また、1台以上のコラム4の昇降荷台8の高さが、他の昇降荷台と揃っていないと検出された場合、制御処理ユニットは、他の全てのコラムの昇降荷台8の移動を阻止するように、かつユーザのための好適な警告信号をインタフェース12の表示装置13に表示するように構成される。好ましくは、かかる警告信号は、ユーザが作用を及ぼしている命令コラムの表示装置13に表示され、また、昇降荷台8の高さが他のコラムの昇降荷台と揃っていないコラムを示す。
【0081】
これにより、かかる警告に対して、ユーザは、揃っていない荷台8を有するコラムに物理的に身を置き、対応する表示装置13上にシステム/グループのコラム4の全ての荷台8の高さを示すスクリーンショット50を表示するようにインタフェース12に作用を及ぼす。
【0082】
より詳細には、スクリーンショット50は:
- 昇降システム2のコラム4の昇降荷台8をそれぞれに表すグラフィック記号52’、52”、52”’、52””、例えば点状の記号、
- システムのコラムの昇降荷台8の位置合わせ平面を示す線53、
- コラムの荷台間の位置合わせのための、それぞれ非許容領域および許容領域である2つの領域54および56を含む。
【0083】
例えば、位置合わせスクリーンショット50(図10を参照)は、作業システムの第1のコラム4’の荷台8に対応する第1の点52’が、他の3台のコラム4の荷台8に対応する3つの点52”、52”’、52””を繋ぐ線53と揃っておらず、非許容領域54にあることを示す。
【0084】
揃っていない荷台を有するコラムのインタフェース12に作用を及ぼすことにより、ユーザは、かかるコラムの荷台を他の荷台に対して垂直再位置合わせさせる垂直移動を命令し、他の荷台は、その間に静止したままである。
【0085】
有利には、自動再位置合わせステップ中、ユーザは、昇降荷台8の自動再位置合わせステップをリアルタイムで表示し、位置合わせスクリーンショット50上で互いに揃えられた荷台8を示す他の点と揃えるように移動する、揃っていない荷台を表す点52’を見ながら見守ることができる。
【0086】
本発明による手順、可動式コラムおよび昇降システムは、従来のものよりも有利であることが上記から明らかである。なぜなら:
- 荷重または車両の周りにおけるコラムの配置または再配置の順序が完全にランダムであり自由である。これは、コラムをシステムに登録するステップ中に、他のコラムおよび車両に対するコラムの配置に関する関係性が要求または定義されないことによる。
- これにより、奇数台のコラムから成る昇降システムまたは昇降ユニットを定義することができる。
- ニーズに応じて、任意の2台コラムによって定義される昇降サブグループを設定することができ、その作業軸線は、ユーザによって都合良く選択される。
- コラムの位置合わせ状態を制御することを可能にし、それらの1台が揃っていない場合には、その自動再位置合わせを可能にし、ユーザは、かかる操作のパフォーマンスを視覚的に制御することもできる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13