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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-30
(45)【発行日】2022-04-07
(54)【発明の名称】測定装置
(51)【国際特許分類】
   G08C 25/00 20060101AFI20220331BHJP
   H04B 5/02 20060101ALI20220331BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20220331BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20220331BHJP
【FI】
G08C25/00 A
H04B5/02
G06K19/077 220
G06K7/10 232
G06K7/10 244
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2017156831
(22)【出願日】2017-08-15
(65)【公開番号】P2019036118
(43)【公開日】2019-03-07
【審査請求日】2020-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】596157780
【氏名又は名称】横河計測株式会社
(74)【上記1名の代理人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】風間 淳志
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-229215(JP,A)
【文献】特開2004-165089(JP,A)
【文献】特開2007-315917(JP,A)
【文献】特表2009-508437(JP,A)
【文献】特開2013-240623(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0124001(US,A1)
【文献】特開2005-327622(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 13/00-25/04
H04B 5/02
G01R 13/00-13/42、
23/00-23/20
G06K 19/00-19/18、
7/00-7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別子を記録したRFタグが付された信号入力デバイスと接続するコネクタを複数チャンネル分備えた測定装置であって、
前記RFタグと無線通信を行なうためのアンテナを前記チャンネル毎に備え
前記チャネル毎のコネクタは水平方向に並び、
前記コネクタの上下方向に壁が形成され、両壁の内側に、前記コネクタを挟むように前記アンテナが配置されていることを特徴とする測定装置。
【請求項2】
前記アンテナは、前記RFタグと定期的に通信を行なうことを特徴とする請求項に記載の測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号入力デバイスと非接触通信を行なう測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
オシロスコープに代表される波形測定器、電力測定器、データ収集装置等の測定装置は、測定装置本体に、測定プローブ、測定ケーブル等の信号入力デバイスを接続して用いられる。以下では、信号入力デバイスとして、測定プローブを用いる場合を例に説明する。
【0003】
測定装置に測定プローブを接続する際に、測定プローブの周波数特性等に応じて測定装置本体の特性を調整することが行なわれている。例えば、特許文献1には、測定プローブに周波数応答データを記録したメモリを設けておき、測定装置が測定プローブのメモリから取得した周波数応答データに応じて自動的に特性を調整することが記載されている。
【0004】
また、測定プローブ等の信号入力デバイスにメモリを設けることに関連する技術として、特許文献2には、プローブカードにメモリを搭載し、メモリにプローブカードの固有番号や通算接触回数等の情報を記録することが記載されている。
【0005】
このように、信号入力デバイスにメモリを搭載することで、信号入力デバイス毎に固有の情報を管理することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2002-202325号公報
【文献】特開平5-297021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
測定プローブ等の信号入力デバイスに設けられたメモリにアクセするためには、測定装置と信号入力デバイスとの間で電源の供給が必要となるため、パッシブ型の測定プローブや測定ケーブルに従来の技術をそのまま適用することはできない。
【0008】
また、アクティブ型の測定プローブや測定ケーブルであっても、あらかじめメモリを搭載した機種でなければ固有の情報を管理することはできない。
【0009】
そこで、本発明は、測定装置に接続する信号入力デバイスの固有情報の管理を汎用的に行なえるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の測定装置は、識別子を記録したRFタグが付された信号入力デバイスと接続するコネクタを複数チャンネル分備えた測定装置であって、前記RFタグと無線通信を行なうためのアンテナを前記チャンネル毎に備えたことを特徴とする。
ここで、前記アンテナが、前記コネクタの周囲に配置されていてもよい。
このとき、前記アンテナが、前記コネクタの周囲を囲んでいてもよい。
また、前記アンテナは、前記RFタグと定期的に通信を行なうことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、測定装置に接続する信号入力デバイスの固有情報の管理を汎用的に行なえるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態に係る測定装置と測定プローブとを説明するブロック図である。
図2】RFタグの測定プローブへの取付例を示す図である。
図3】コネクタの周囲に配置されたアンテナを示す図である。
図4】コネクタの周囲に配置されたアンテナを示す図である。
図5】コネクタの周囲の上下に壁を設けてアンテナを配置した例を示す図である。
図6】コネクタの周囲を囲む壁を設けてアンテナを配置した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る測定装置100と測定プローブ200とを説明するブロック図である。測定プローブ200は、信号入力デバイスの一例であり、例えば、測定ケーブル等であってもよい。測定プローブ200は、アクティブ型、パッシブ型のいずれであってもよい。
【0014】
測定装置100は、複数のチャンネルを備えており、本図の例では、チャンネルCh-Dのコネクタ107に測定プローブ200が接続されている。なお、チャンネルCh-Dに着目し、チャンネルCh-A~Ch-Cについては詳細な記載を省略しているが、チャンネルCh-Dと同様の構成とすることができる。
【0015】
本実施形態において、測定プローブ200には、識別子を記録したRFタグ210が取り付けられている。RFタグ210は、測定プローブ200内に埋め込まれていてもよいし、外部に取り付けられていてもよい。また、識別子以外の情報を記録してもよい。例えば、測定プローブ200の特性に関する情報や、測定に関する情報、補正に関する情報、製造情報等である。
【0016】
図2は、RFタグ210の測定プローブ200への取付例を示す図である。図2(a)~図2(c)は、測定プローブ200のコネクタ部分201にRFタグ210を埋め込んだ例であり、図2(b)は、コネクタ部分201の周方向に配置した場合を示し、図2(b)は、コネクタ部分201の長手方向に配置した場合を示している。
【0017】
図2(d)(e)は、ゴムなどのフレキシブルな素材あるいはタイラップ203を用いてRFタグ210を後付けにて測定プローブ200に取り付けた例であり、図2(d)は、コネクタ部分201に取り付けた場合を示し、図2(e)は、ケーブル部分202に取り付けた場合を示している。このように、RFタグ210は、測定プローブ200に後付けすることもできる。
【0018】
いずれの場合も、RFタグ210の種類は問わず、例えば、ICタグであってもよいし、コイル型を用いてもよい。ただし、電源を必要としないパッシブタグ型を使用する。
【0019】
図1の説明に戻って、測定装置100は、制御部101、演算部102、アナログ入力回路103、メモリ104、電源105、表示部106、コネクタ107、送受信回路108、アンテナ109を備えている。
【0020】
送受信回路108、アンテナ109により、コネクタ107に接続された測定プローブ200に取り付けられたRFタグ210との非接触通信を行なう。RFタグ210に記録されたデータの読取りに加え、データの書込みを行なえるようにしてもよい。
【0021】
非接触通信の方法として、例えば、RFID規格であるISO/IEC14443あるいはISO/IEC15693等のHF帯のものを使用することができる。チャンネル間の干渉を考慮すると、通信距離は10mm~20mm程度が望ましい。RFタグ210とアンテナ109との通信は、例えば、電磁誘導方式とすることができる。
【0022】
アナログ入力回路103は、測定プローブ200が測定したアナログ信号を入力し、デジタル信号に変換して演算部102に送信する。メモリ104には、測定プローブ200のRFタグ210から取得した情報に基づいて測定データの演算処理に用いるデータが記録されている。例えば、測定プローブ200毎の補正値やパラメータ等である。
【0023】
例えば、RFタグ210に識別子が記録されている場合において、メモリ104には測定プローブ200の個体毎の補正値等を記録しておくことができる。また、RFタグ210に周波数特性が記録されている場合において、メモリ104は、周波数特性に応じた調整値等を記録しておくことができる。
【0024】
演算部102は、アナログ入力回路から取得したアナログ値に対して、送受信回路108から取得したRFタグ210に記録された情報と、メモリ104に記録された情報に基づいた所定の演算を行ない、測定値を算出する。
【0025】
制御部101は、演算部102が算出した測定値等を波形データ等として液晶表示装置等の表示部106に表示する。
【0026】
送受信回路108は、電源105から電源の供給を受けて、アンテナ109を介してRFタグ210と通信を行なう。送受信回路108は、定期的に通信を行なうことにより、測定プローブ200の着脱を検知する。アンテナ109は、アナログ信号電位と同電位であってもよいし、絶縁されていてもよい。
【0027】
送受信回路108は、測定プローブ200が接続されたことを検出すると、RFタグ210から識別子を読み出して演算部102に出力するとともに、メモリ104に記録する。メモリ104に記録した識別子と、RFタグ210から定期的に取得した識別子とを比較することにより、測定プローブ200が取り替えられたことを検出することもできる。
【0028】
アンテナ109は、コネクタ107の周囲に配置されている。これにより、隣接する別チャンネルのコネクタ107に接続された測定プローブ200のRFタグ210と誤通信を行なうことを防いでいる。
【0029】
具体的には、図3に示すように、コネクタ107の周囲を囲むようにアンテナ109を配置している。ここで、コネクタ107は、BNCコネクタが一般的であるが、他の形式であってもよい。図4は、測定プローブ200との接続方向から見たアンテナ109の配置図である。これにより、別チャンネルとの誤通信を防ぐことに加え、コネクタ107周囲の360度の指向性を実現できるため、測定プローブ200のRFタグ210の取り付け位置の自由度を高めることができる。
【0030】
チャンネル毎のコネクタ107が水平方向に並んでいる場合には、図5に示すように、コネクタ107の上下方向に壁120を形成し、両壁120の内側に、コネクタ107を挟むようにアンテナ109を配置してもよい。これにより、水平方向へのアンテナ感度を低減し、隣接する別チャンネルのコネクタ107に接続された測定プローブ200のRFタグ210と通信を行なうことを防いでいる。
【0031】
あるいは、図6に示すように、コネクタ107の周囲を囲む壁130を形成し、壁130の内側にアンテナ109を配置してもよい。壁130の形状は円環状に限られず、多角形環状であってもよい。この場合も、コネクタ107周囲の360度の指向性を実現できるため、測定プローブ200のRFタグ210の取り付け位置の自由度を高めることができる。
【0032】
以上説明したように、本実施形態の測定装置100は、RFタグ210が取り付けられた測定プローブ200と通信が行なえるため、測定プローブ200の固有情報の管理を汎用的に行なえる。
【0033】
また、RFタグ210と通信を行なうためのアンテナ109をコネクタ107の周囲に配置しているため、隣接する別チャンネルのコネクタ107に接続された測定プローブ200のRFタグ210と通信を行なうことを防いでいる。
【符号の説明】
【0034】
100…測定装置、101…制御部、102…演算部、103…アナログ入力回路、104…メモリ、105…電源、106…表示部、107…コネクタ、108…送受信回路、109…アンテナ、120…壁、130…壁、200…測定プローブ、201…コネクタ部分、202…ケーブル部分、203…タイラップ、210…RFタグ
図1
図2
図3
図4
図5
図6