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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-30
(45)【発行日】2022-04-07
(54)【発明の名称】パネル枠
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/78 20060101AFI20220331BHJP
【FI】
E04B2/78
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017164697
(22)【出願日】2017-08-29
(65)【公開番号】P2019044334
(43)【公開日】2019-03-22
【審査請求日】2020-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141243
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】野月 雄太
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開昭52-107113(JP,A)
【文献】実開昭56-097321(JP,U)
【文献】特開2017-089242(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/74-2/78
E04C 2/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
竪枠と横枠とが結合されて構成されたパネル枠であって、
前記竪枠は、見込み方向の中央側に形成された凹部と、当該凹部の見込み方向の両側に形成された縁部とを備え、
前記横枠は、前記竪枠側の端部に結合部材を備え、
前記結合部材が前記竪枠の凹部内に嵌め込まれた状態で、前記竪枠の凹部と前記結合部材とが結合手段によって結合されたことによって、前記竪枠と前記横枠とが結合されたパネル枠において、
前記横枠は、見込み方向に沿った幅長が、前記凹部の見込み方向に沿った幅長よりも長い構成とされ、
前記結合部材は、前記竪枠の凹部の内底面と接触して当該凹部内に嵌め込まれる嵌合部と、前記横枠における前記竪枠側の端部に取付けられる取付部とを備え、
前記取付部は、前記嵌合部より見込み方向に沿って延長するように設けられて前記横枠の見込み方向の両端に位置される両方の側板の内面に接触又は近接する規制板を備えたことを特徴とするパネル枠。
【請求項2】
前記横枠は、パネル枠の内側に区画される開口部の上側に位置される上枠であり、
前記上枠は、前記開口部の幅方向に延長する長尺部材により構成され、前記見込み方向及び開口部の幅方向に延長する下板と、当該下板の見込み方向における両端側から同一方向である上方向に延長する両方の側板と、当該両方の側板の延長端より見込み方向に沿って互いに近づく方向に延長する上板とを備え、
前記結合部材は、前記竪枠の凹部の内底面と接触する接触面を有した接触板と、当該接触板の上端及び下端より同方向に延長する上板及び下板と、前記上板の延長端側側縁より前記上枠の両方の側板に近づく方向に延長して当該両方の側板の内面に接触又は近接する上側規制板と、前記下板の延長端側側縁より前記上枠の両方の側板に近づく方向に延長して当該両方の側板の内面に接触又は近接する下側規制板とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のパネル枠。
【請求項3】
前記上枠は、前記下板の竪枠側の端縁側における見込み方向の中央側に切欠凹部を備え、当該切欠凹部は、前記下板の竪枠側の端縁から開口部の幅方向に延長するように形成された互いに平行な一対の側縁と、当該一対の側縁の各延長端同士を繋ぐ凹部底縁とで囲まれた切欠凹部により構成され、
前記上枠における切欠凹部の一対の側縁が前記竪枠の両方の縁部の上端縁よりも上方に突出した前記竪枠の凹部の各側板の外側板面に接触又は近接して、前記竪枠の凹部が前記上枠における切欠凹部に入り込むとともに、前記上枠の切欠凹部の見込み方向の両側に位置する前記下板の側部分が前記竪枠の両方の縁部の上端縁上に載置された状態で、前記結合部材の前記接触板の接触面と前記凹部の内底面とが接触するように、当該結合部材の前記取付部が前記上枠における下板及び上板の端縁側に固定手段により固定されたことを特徴とする請求項に記載のパネル枠。
【請求項4】
前記竪枠は、上端部において、前記凹部の上端縁と前記両方の縁部の上端縁とが一致した高さとなるように形成され、
前記上枠の竪枠側の端縁における見込み方向の両側の部分が、前記竪枠の両方の縁部における前記開口部側に位置する内板の外側板面と接触可能となるように、前記結合部材が前記上枠の竪枠側の内面に固定手段により固定されたことを特徴とする請求項に記載のパネル枠。
【請求項5】
前記結合手段は、前記竪枠の凹部の内底面を形成する底板と前記内底面に接触する接触面を有した前記結合部材の接触板とにそれぞれ形成されたボルト通し孔と、これらボルト通し孔を貫通するボルトと、当該ボルトに締結されるナットとを備えたことを特徴とする請求項2乃至請求項のいずれか一項に記載のパネル枠。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、学校の校舎を教室と廊下に仕切ったり、複数の教室に仕切ったりする際に用いられる間仕切り用パネルのパネル枠に関するものである。
【背景技術】
【0002】
竪枠と横枠とを四角形状に結合して形成されたパネル枠の開口に引戸等の建具、鏡板等のパネルが取り付けられて構成された間仕切り用パネルが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6080203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたパネル枠は、竪枠と横枠との結合部分の構造が複雑であり、製造コスト等の面で課題があった。例えば、特許文献1に係るパネル枠の結合部分においては、竪枠や横枠に特殊な形状の嵌入用孔部を形成する構造であるため、加工コストが高くなる。また、2つの金具を用いて結合したり、嵌入片を嵌入用孔部に嵌入した後に金具を用いて結合する結合構造であるため、結合作業が煩雑であるという課題があった。
【0005】
本発明は、竪枠と横枠との結合部分の構造が簡単で、結合作業を容易とできるとともに、竪枠と横枠とを所望の状態に強固に結合可能なパネル枠を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るパネル枠は、竪枠と横枠とが結合されて構成されたパネル枠であって、前記竪枠は、見込み方向の中央側に形成された凹部と、当該凹部の見込み方向の両側に形成された縁部とを備え、前記横枠は、前記竪枠側の端部に結合部材を備え、前記結合部材が前記竪枠の凹部内に嵌め込まれた状態で、前記竪枠の凹部と前記結合部材とが結合手段によって結合されたことによって、前記竪枠と前記横枠とが結合されたパネル枠において、前記横枠は、見込み方向に沿った幅長が、前記凹部の見込み方向に沿った幅長よりも長い構成とされ、前記結合部材は、前記竪枠の凹部の内底面と接触して当該凹部内に嵌め込まれる嵌合部と、前記横枠における前記竪枠側の端部に取付けられる取付部とを備え、前記取付部は、前記嵌合部より見込み方向に沿って延長するように設けられて前記横枠の見込み方向の両端に位置される両方の側板の内面に接触又は近接する規制板を備えた構成とした。
本構成によれば、横枠に取付けた結合部材を竪枠の凹部に嵌合した状態で当該竪枠の凹部と結合部材とが結合手段によって結合するだけでよいので、竪枠と横枠との結合部分の構造を簡単にできて、製造コストを抑えることができ、かつ、結合作業を容易とできるとともに、竪枠と横枠とを所望の状態に強固に結合できる。
また、本発明では、前記横枠は、パネル枠の内側に区画される開口部の上側に位置される上枠であり、前記上枠は、前記開口部の幅方向に延長する長尺部材により構成され、前記見込み方向及び開口部の幅方向に延長する下板と、当該下板の見込み方向における両端側から同一方向である上方向に延長する両方の側板と、当該両方の側板の延長端より見込み方向に沿って互いに近づく方向に延長する上板とを備え、前記結合部材は、前記竪枠の凹部の内底面と接触する接触面を有した接触板と、当該接触板の上端及び下端より同方向に延長する上板及び下板と、前記上板の延長端側側縁より前記上枠の両方の側板に近づく方向に延長して当該両方の側板の内面に接触又は近接する上側規制板と、前記下板の延長端側側縁より前記上枠の両方の側板に近づく方向に延長して当該両方の側板の内面に接触又は近接する下側規制板とを備えた構成とした
た、前記上枠は、前記下板の竪枠側の端縁側における見込み方向の中央側に切欠凹部を備え、当該切欠凹部は、前記下板の竪枠側の端縁から開口部の幅方向に延長するように形成された互いに平行な一対の側縁と、当該一対の側縁の各延長端同士を繋ぐ凹部底縁とで囲まれた切欠凹部により構成され、前記上枠における切欠凹部の一対の側縁が前記竪枠の両方の縁部の上端縁よりも上方に突出した前記竪枠の凹部の各側板の外側板面に接触又は近接して、前記竪枠の凹部が前記上枠における切欠凹部に入り込むとともに、前記上枠の切欠凹部の見込み方向の両側に位置する前記下板の側部分が前記竪枠の両方の縁部の上端縁上に載置された状態で、前記結合部材の前記接触板の接触面と前記凹部の内底面とが接触するように、当該結合部材の前記取付部が前記上枠における下板及び上板の端縁側に固定手段により固定された構成とした。
あるいは、前記竪枠は、上端部において、前記凹部の上端縁と前記両方の縁部の上端縁とが一致した高さとなるように形成され、前記上枠の竪枠側の端縁における見込み方向の両側の部分が、前記竪枠の両方の縁部における前記開口部側に位置する内板の外側板面と接触可能となるように、前記結合部材が前記上枠の竪枠側の内面に固定手段により固定された構成とした。
また、前記結合手段は、前記竪枠の凹部の内底面を形成する底板と前記内底面に接触する接触面を有した前記結合部材の接触板とにそれぞれ形成されたボルト通し孔と、これらボルト通し孔を貫通するボルトと、当該ボルトに締結されるナットとを備えた構成としたので、横枠に取付けた結合部材を竪枠の凹部に嵌合した状態で、結合部材と竪枠とをボルト、ナットによる結合手段で結合すればよいので、結合作業が容易となるとともに、竪枠と横枠とを所望の状態に強固に結合できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】パネル枠における竪枠と横枠との結合状態を示す斜視図(実施形態1)。
図2】竪枠と上枠と結合部材とを分解して示す斜視図(実施形態1)。
図3】結合部材が取り付けられた上枠と竪枠とを分解して示す斜視図(実施形態1)。
図4】竪枠と無目と結合部材とを分解して示す斜視図(実施形態1)。
図5】結合部材が取り付けられた無目と竪枠とを分解して示す斜視図(実施形態1)。
図6】竪枠と下枠と結合部材とを分解して示す斜視図(実施形態1)。
図7】結合部材が取り付けられた下枠と竪枠とを分解して示す斜視図(実施形態1)。
図8】竪枠と上枠との結合状態を示す縦断面図(実施形態1)。
図9】竪枠と上枠との結合状態を示す平面図(実施形態1)。
図10】竪枠の凹部と結合部材との嵌合状態を示す斜視図(実施形態1)。
図11】パネル枠の開口にパネルを備えた間仕切り用パネルを示す正面図(実施形態1)。
図12】パネル枠における竪枠と横枠との結合状態を示す斜視図(実施形態2)。
図13】竪枠と上枠と結合部材とを分解して示す斜視図(実施形態2)。
図14】結合部材が取り付けられた上枠と竪枠とを分解して示す斜視図(実施形態2)。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施形態1
図11図1に示すように、実施形態1に係るパネル枠1は、竪枠2と横枠3とが結合されて構成される。
図11に示すように、パネル枠1で区画された内側の開口部Xに、引戸等の建具、鏡板等のパネルYが取り付けられて間仕切り用パネルが構成される。
【0009】
図1に示すように、竪枠2は、上下方向に延長する長尺部材により構成され、見込み方向(開口部Xを通過する方向、パネルYの板面と直交する方向)Dの中央側に形成された凹部4と、凹部4における見込み方向Dの両側に形成された縁部5,5とを備える。
竪枠2は、例えば所定の厚さの鋼板などの金属製の平板をロール成形などにより成形して形成される。
尚、図2に示すように、実施形態1の竪枠2は、上端部において、凹部4が各縁部5,5の上端縁55,55よりも上方に突出した形状に形成されている。
【0010】
図2に示すように、凹部4は、上下方向及び見込み方向Dに延長する底板41と、底板41の見込み方向Dにおける両端側から開口部幅方向Wに沿った同一方向に延長して板面が底板41の板面に対して垂直な側板42,42とを備える。
一方の縁部5は、一方の側板42の延長端より当該側板42の板面に対して垂直な方向かつ凹部4から離れる方向に延長して板面が一方の側板42の板面に対して垂直な内板51と、当該内板51の延長端より見込み方向Dと直交する方向に延長して板面が一方の側板42の板面と平行に対向する側板52と、当該側板52の延長端より延長して板面が内板51の板面と平行に対向する外板53とを備える。
他方の縁部5は、他方の側板42の延長端より当該側板42の板面に対して垂直な方向かつ凹部4から離れる方向に延長して板面が他方の側板42の板面に対して垂直な内板51と、当該内板51の延長端より見込み方向Dと直交する方向に延長して板面が他方の側板42の板面と平行に対向する側板52と、当該側板52の延長端より延長して板面が内板51の板面と平行に対向する外板53とを備える。
即ち、縁部5,5は、板が、凹部4の各側板42,42の延長端から見込み方向Dに沿って互いに離れる方向に延長した後に折り返えされて見込み方向Dに沿って互いに近づく方向に延長するように形成される。
尚、各縁部5,5において、内板51と側板52との境界部54が、凹部4から離れる方向の弧を有した湾曲形状(R形状)に形成されている。
【0011】
図1に示すように、横枠3としては、上枠6、無目7、下枠8を備える。
横枠3は、例えば所定の厚さの鋼板などの金属製の平板をロール成形などにより成形して形成される。
【0012】
図2に示すように、上枠6は、開口部幅方向Wに延長する長尺部材により構成され、見込み方向D及び開口部幅方向Wに延長する下板61と、下板61の見込み方向Dにおける両端側から同一方向である上方向に延長して板面が下板61の板面に対して垂直な両方の側板62,62と、両方の側板62,62の延長端より見込み方向Dに沿って互いに近づく方向に延長して板面が下板61の板面と平行な両方の上板63,63と、を備える。
下板61の下面には、開口部Xに設けられる例えば引き戸等の建具のレールとなる突起64,64が設けられる。
また、下板61の竪枠2側の端縁66側における見込み方向Dの中央側には、切欠凹部65が形成されている。
この切欠凹部65は、下板61の竪枠2側の端縁66から開口部幅方向Wに延長するように形成された互いに平行な一対の側縁67,67と、当該一対の側縁67,67の各延長端同士を繋ぐ凹部底縁68とで囲まれた四角形状の切欠凹部である。
【0013】
図2に示すように、竪枠2と上枠6とを結合するための結合部材10は、竪枠2の凹部4の内底面43と平行に対向して当該内底面43と接触する接触面19を有した接触板11と、接触板11の上端及び下端より板面が接触板11の板面と直交するように開口部幅方向Wに沿った同方向に延長する上板12及び下板13と、上板12の延長端側側縁より上枠6の両方の側板62,62に近づく方向に延長して当該両方の側板62,62の内面に接触又は近接する上側規制板14,14と、下板13の延長端側側縁より上枠6の両方の側板62,62に近づく方向に延長して当該両方の側板62,62の内面に接触又は近接する下側規制板15,15と、を備える。
【0014】
図3に示すように、上枠6における切欠凹部65の一対の側縁67,67が竪枠2の各縁部5,5の上端縁55,55よりも上方に突出した凹部4の各側板42,42の外側板面42f,42fに接触又は近接して、当該凹部4が上枠6における切欠凹部65に入り込むとともに、上枠6の切欠凹部65の見込み方向Dの両側に位置する下板61の側部分61s,61sが竪枠2の各縁部5,5の上端縁55,55上に載置された状態において、結合部材10の接触面19と凹部4の内底面43とが接触するように、当該結合部材10の取付部が上枠6における下板61及び両方の上板63,63の端縁66側に溶接などの固定手段により固定されている。結合部材10の取付部は、例えば、上側規制板14,14の両端側、及び、下板13、下側規制板15,15である。
【0015】
つまり、図10に示すように、竪枠2と結合部材10との結合部分は、結合部材10の接触板11の接触面19と竪枠2の凹部4の内底面43とを接触させるとともに、結合部材10の前側部分である嵌合部16における見込み方向Dの両側の側縁17,17(即ち、結合部材10の接触板11における見込み方向Dの両側の位置する両側縁、及び、接触板11側の上板12及び下板13における見込み方向Dの両側の位置する両側縁)を凹部4の両側の側板42,42の内面42u,42uに接触又は近接させて、竪枠2の各縁部5,5の上端縁55,55よりも上方に突出した凹部4の内側に結合部材10の嵌合部16が嵌まり込むように構成される。
また、上枠6の切欠凹部65の見込み方向Dの両側に位置する下板61の側部分61s,61sが竪枠2の各縁部5,5の上端縁55,55に載置されることにより(図1参照)、上枠6における切欠凹部65の一対の側縁67,67が竪枠2の各縁部5,5の上端縁55,55よりも上方に突出した凹部4の各側板42,42の外側板面42f,42fに接触又は近接して、凹部4を見込み方向Dの両側から挟み込むように構成される。
以上の状態で、例えば、図2,3に示すように、竪枠2の凹部4の底板41に形成されたボルト通し孔44と結合部材10の接触板11に形成されたボルト通し孔18とにボルト45を通して当該ボルト45にナット46を締結することによって、図1図8図9に示すように、竪枠2の凹部4の底板41と結合部材10の接触板11とがボルト45及びナット46等による結合手段によって強固に結合され、竪枠2と上枠6とが所望の状態に強固に結合されることになる。
【0016】
即ち、上枠6の竪枠2側の端縁66側に固定された結合部材10の嵌合部16が、竪枠2の上端側の凹部4内に嵌め込まれるとともに、上枠6における切欠凹部65の一対の側縁67,67が、竪枠2の上端側の凹部4を見込み方向Dの両側から挟み込むように設置されることによって、竪枠2と結合部材10、及び、竪枠2と上枠6が、凹凸嵌合状態に組み合わされ、当該凹凸嵌合状態に組み合わされた状態にて、竪枠2の凹部4の底板41と結合部材10の接触板11とがボルト45及びナット46等による結合手段によって結合されたので、竪枠2と上枠6とが所望の状態に強固に結合されることになる。
【0017】
図1図4図5に示すように、無目7は、開口部幅方向Wに延長する長尺部材により構成され、見込み方向D及び開口部幅方向Wに延長する上板71と、上板71の見込み方向における両端側から同一方向に延長して板面が上板71の板面に対して垂直な両方の側板72,72と、両方の側板72,72の延長端より見込み方向Dに沿って互いに近づく方向に延長して板面が上板71の板面と平行な両方の下板73,73と、を備える。
上板71の上面には、開口部Xに設けられる例えば引き戸等の建具のレールとなる突起74,74が設けられる。
【0018】
竪枠2と無目7とを結合するための結合部材20は、竪枠2の凹部4の内底面43と平行に対向して当該内底面43と接触する接触面29を有した接触板21と、接触板21の上端及び下端より板面が接触板11の板面と直交するように開口部幅方向Wに沿った同方向に延長する上板22及び下板23と、上板12の延長端側側縁より無目7の両方の側板72,72に近づく方向に延長して当該両方の側板72,72の内面に接触又は近接する上側規制板24,24と、下板13の延長端側側縁より無目7の両方の側板72,72に近づく方向に延長して当該両方の側板72,72の内面に接触又は近接する下側規制板25,25と、を備える。
【0019】
そして、結合部材20の接触板21の接触面29と竪枠2の上下間に位置する凹部4の内底面43とが接触するとともに、結合部材20の前側部分である嵌合部26における見込み方向Dの両側の側縁27,27(即ち、結合部材20の接触板21における見込み方向Dの両側の位置する両側縁、及び、結合部材20の接触板21側の上板22及び下板23における見込み方向Dの両側の位置する両側縁)が凹部4の両側の側板42,42の内面42u,42uに接触又は近接し、さらに、無目7の竪枠2側の端縁75における見込み方向Dの両側の部分が、竪枠2の内板51の外側板面51f,51fと接触可能となるように、結合部材20の取付部が無目7の竪枠2側の内面に溶接などの固定手段により固定されている。結合部材20の取付部は、例えば、上板22、上側規制板24,24、及び、下板23、下側規制板25,25である。
【0020】
従って、無目7の竪枠2側の内面に固定された結合部材20の接触板21の接触面29と竪枠2の上下間に位置する凹部4の内底面43とを接触させるとともに、結合部材20の嵌合部26における見込み方向Dの両側の側縁27,27を凹部4の両側の側板42,42の内面42u,42uに接触又は近接させ、さらに、無目7の竪枠2側の端縁75における見込み方向Dの両側の部分と竪枠2の内板51の外側板面51f,51fとを接触させた状態で、例えば、図4,5に示すように、竪枠2の凹部4の底板41に形成されたボルト通し孔44と結合部材20の接触板21に形成されたボルト通し孔28とにボルト45を通して当該ボルト45にナット46を締結することによって、図1に示すように、竪枠2の凹部4の底板41と結合部材20の接触板21とがボルト45及びナット46等による結合手段によって結合され、竪枠2と無目7とが所望の状態に強固に結合されることになる。
【0021】
即ち、無目7の竪枠2側の端縁75側に固定された結合部材20の嵌合部26が、竪枠2の凹部4内に嵌め込まれるとともに、無目7の竪枠2側の端縁75における見込み方向Dの両側の部分と竪枠2の内板51の外側板面51f,51fとを接触させた状態に設置されることによって、竪枠2と結合部材20、及び、竪枠2と無目7が、凹凸嵌合状態に組み合わされ、当該凹凸嵌合状態に組み合わされた状態にて、竪枠2の凹部4の底板41と結合部材20の接触板21とがボルト45及びナット46等による結合手段によって結合されたので、竪枠2と無目7とが所望の状態に強固に結合されることになる。
【0022】
図1図6図7に示すように、下枠8は、開口部幅方向Wに延長する長尺部材により構成され、見込み方向D及び開口部幅方向Wに延長する下板81と、下板81の見込み方向Dにおける両端側から同一方向である上方向に延長して板面が下板81の板面に対して垂直な両方の側板82,82と、両方の側板82,82の延長端を繋ぐ上板83と、を備える。
上板83の上面には、開口部Xに設けられる例えば引き戸等の建具の走行ガイド溝となる凹部84が形成される。
【0023】
竪枠2と下枠8とを結合するための結合部材30は、竪枠2の凹部4の内底面43と平行に対向して当該内底面43と接触する接触面39を有した接触板31と、接触板31の上端より板面が接触板31の板面と直交するように開口部幅方向Wに沿った方向に延長する上板32と、上板32の延長端より板面が接触板31の板面と直交するように下方に延長する後板33とを備える。
上板32の延長端側及び後板33は、下枠8の両方の側板82,82に近づく方向に延長して当該両方の側板82,82の内面に接触又は近接する規制板として機能する。
【0024】
そして、結合部材30の接触板31の接触面39と竪枠2の下端側の凹部4の内底面43とが接触するとともに、結合部材30の前側部分である嵌合部36における見込み方向Dの両側の側縁37,37(即ち、結合部材30の接触板31における見込み方向Dの両側の位置する両側縁、結合部材30の接触板31側の上板32及び下板33における見込み方向Dの両側の位置する両側縁)が凹部4の両側の側板42,42の内面42u,42uに接触又は近接し、さらに、下枠8の竪枠2側の端縁85における見込み方向Dの両側の部分が、竪枠2の外側板面51f,51fと接触可能となるように、当該結合部材30の取付部が下枠8の竪枠2側の内面に溶接などの固定手段により固定されている。結合部材30の取付部は、例えば、後板33の後側部分である。
【0025】
従って、下枠8の竪枠2側の内面に固定された結合部材30の接触板31の接触面39と竪枠2の下端側に位置する凹部4の内底面43とを接触させるとともに、結合部材30の嵌合部36における見込み方向Dの両側の側縁37,37を凹部4の両側の側板42,42の内面42u,42uに接触又は近接させ、さらに、下枠8の竪枠2側の端縁85における見込み方向Dの両側の部分と竪枠2の内板51,51の外側板面51f,51fとを接触させた状態で、例えば、図6,7に示すように、竪枠2の凹部4の底板41に形成されたボルト通し孔44と結合部材30の接触板31に形成されたボルト通し孔38とにボルト45を通して当該ボルト45にナット46を締結することによって、図1に示すように、竪枠2の凹部4の底板41と結合部材30の接触板31とがボルト45及びナット46等による結合手段によって結合され、竪枠2と下枠8とが所望の状態に強固に結合されることになる。
【0026】
即ち、下枠8の竪枠2側の端縁85側に固定された結合部材30の嵌合部36が、竪枠2の凹部4内に嵌め込まれるとともに、下枠8の竪枠2側の端縁85における見込み方向Dの両側の部分と竪枠2の内板51の外側板面51f,51fとを接触させた状態に設置されることによって、竪枠2と結合部材30、及び、竪枠2と下枠8が、凹凸嵌合状態に組み合わされ、当該凹凸嵌合状態に組み合わされた状態にて、竪枠2の凹部4の底板41と結合部材30の接触板31とがボルト45及びナット46等による結合手段によって結合されたので、竪枠2と下枠8とが所望の状態に強固に結合されることになる。
【0027】
実施形態1に係るパネル枠によれば、竪枠2と横枠3(上枠6、無目7、下枠8)とが、横枠3の竪枠2側の端部に固定された結合部材10,20,30を介して結合される構造であって、横枠3の竪枠2側の端部に固定された結合部材10,20,30の嵌合部16,26,36が、竪枠2の凹部4内に嵌め込まれた状態にて、竪枠2の凹部4の底板41と結合部材10,20,30の接触板11,21,31とがボルト45及びナット46等による結合手段によって結合されたので、竪枠2と横枠3とが所望の状態に強固に結合されることになる。
即ち、結合部材10,20,30が、竪枠2の凹部4の内底面43と接触して当該凹部4内に嵌め込まれる嵌合部16,26,36と、前記竪枠2側の端部に取付けられる取付部とを備え、結合手段が、竪枠2の凹部4の内底面43を形成する底板41と内底面43に接触する接触面19,29,39を有した結合部材10,20,30の接触板11,21,31とにそれぞれ形成されたボルト通し孔18,28,38と、これらボルト通し孔18,28,38を貫通するボルト45と、当該ボルト45に締結されるナット46とを備えた構成としたので、竪枠2と横枠3との結合部分の構造が簡単で、結合作業を容易とできるとともに、竪枠2と横枠3とを所望の状態に強固に結合可能なパネル枠1となる。
【0028】
また実施形態1に係るパネル枠1によれば、上枠6の切欠凹部65の見込み方向Dの両側に位置する下板61の側部分61s,61sを竪枠2の各縁部5,5の上端縁55,55に載置する構成としたことにより、図1に示すように、天井板90の端面を、上枠6の側板62における平面状の外側板面に対向する形状に加工すれば良いので、天井板90の加工が容易となる。
【0029】
また、実施形態1に係るパネル枠1によれば、竪枠2の各縁部5,5において、内板51と側板52との境界部54が、凹部4から離れる方向の弧を有した湾曲形状(R形状)に形成されているので、人が境界部54に衝突した場合の衝撃を緩和でき、安全性の高いパネル枠1を提供できる。
【0030】
実施形態2
実施形態1では、上枠6の切欠凹部65の見込み方向Dの両側に位置する下板61の側部分61s,61sを竪枠2の各縁部5,5の上端縁55,55に載置する構成としたが、上枠、及び、結合部材を、図12乃至図14に示すような構成としてもよい。
図13に示すように、上枠6Aは、実施形態1の上枠6と同じように、開口部幅方向Wに延長する長尺部材により構成され、下板61と、両方の側板62,62と、両方の上板63,63と、を備え、下板61の下面には、開口部Xに設けられる例えば引き戸等の建具のレールとなる突起64,64が設けられる。
また、実施形態2の竪枠2Aは、上端部において、凹部4の上端縁4tと各縁部5,5の上端縁55,55とが一致した高さとなるように形成されている。
また、竪枠2Aと上枠6Aとを結合するための結合部材10Aは、実施形態1の結合部材10と同じように、竪枠2の凹部4の内底面43と平行に対向して当該内底面43と接触する接触面19を有した接触板11と、上板12及び下板13と、上側規制板14,14と、下側規制板15,15と、を備える。
上枠6A及び結合部材10Aは、見込み方向Dの幅寸法が実施形態1の上枠6の幅寸法よりも小さく、無目7や下枠8の見込み方向Dの幅寸法とほぼ同じ寸法に形成されている。
【0031】
そして、結合部材10Aの接触板11の接触面19と竪枠2の凹部4の内底面43とが接触するとともに、結合部材10Aの嵌合部16における見込み方向Dの両側の側縁17,17(即ち、結合部材10Aの接触板11における見込み方向Dの両側の位置する両側縁、及び、結合部材10Aの接触板11側の上板12及び下板13における見込み方向Dの両側の位置する両側縁)が凹部4の両側の側板42,42の内面42u,42uに接触又は近接し、さらに、上枠6Aの竪枠2側の端縁69における見込み方向Dの両側の部分が、竪枠2の内板51,51の外側板面51f,51fと接触可能となるように、結合部材10Aが上枠6Aの竪枠2側の内面に溶接などの固定手段により固定されている。
【0032】
従って、上枠6Aの竪枠2A側の内面に固定された結合部材10Aの接触板11の接触面19と竪枠2Aの凹部4の内底面43とを接触させるとともに、結合部材10Aの嵌合部16における見込み方向Dの両側の側縁17,17を凹部4の両側の側板42,42の内面42u,42uに接触又は近接させ、さらに、上枠6Aの竪枠2A側の端縁69における見込み方向Dの両側の部分と竪枠2Aの内板51,51の外側板面51f,51fとを接触させた状態で、例えば、図13,14に示すように、竪枠2Aの凹部4の底板41に形成されたボルト通し孔44と結合部材10Aの接触板11に形成されたボルト通し孔18とにボルト45を通して当該ボルト45にナット46を締結することによって、図12に示すように、竪枠2Aの凹部4の底板41と結合部材10Aの接触板11とがボルト45及びナット46等による結合手段によって結合され、竪枠2Aと上枠6Aとが所望の状態に強固に結合されることになる。
【0033】
即ち、上枠6Aの竪枠2A側の端縁69側に固定された結合部材10Aの嵌合部16が、竪枠2Aの凹部4内に嵌め込まれるとともに、上枠6Aの竪枠2A側の端縁69における見込み方向Dの両側の部分と竪枠2Aの内板51,51の外側板面51f,51fとを接触させた状態に設置されることによって、竪枠2Aと結合部材10A、及び、竪枠2Aと上枠6Aが、凹凸嵌合状態に組み合わされ、当該凹凸嵌合状態に組み合わされた状態にて、竪枠2Aの凹部4の底板41と結合部材10Aの接触板11とがボルト45及びナット46等による結合手段によって結合されたので、竪枠2Aと上枠6Aとが所望の状態に強固に結合されることになる。
【0034】
実施形態2に係るパネル枠1Aによれば、実施形態1に係るパネル枠1と同様に、竪枠2Aと横枠3との結合部分の構造が簡単で、結合作業を容易とできるとともに、竪枠2Aと横枠3とを所望の状態に強固に結合可能なパネル枠1Aを提供できる。
また、実施形態2に係るパネル枠1Aによれば、天井裏空間の高さ(天井懐)を高くできない場合に、対応できるようになる。
【符号の説明】
【0035】
1 パネル枠、2 竪枠、3 横枠、4 凹部、5 縁部、6,6A 上枠(横枠)、7 無目(横枠)、8 下枠(横枠)、10,10A,20,30 結合部材、
11,21,31 接触板、16,26,36 嵌合部、
18,28,38,44 ボルト通し孔、19,29,39 接触面、
41 凹部の底板、43 凹部の内底面、45 ボルト、46 ナット。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14