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特許7049846タイヤ内面用離型剤、タイヤ内面用離型剤の製造方法、タイヤ内面用離型剤水分散液、タイヤの製造方法およびタイヤ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-30
(45)【発行日】2022-04-07
(54)【発明の名称】タイヤ内面用離型剤、タイヤ内面用離型剤の製造方法、タイヤ内面用離型剤水分散液、タイヤの製造方法およびタイヤ
(51)【国際特許分類】
   B29C 33/64 20060101AFI20220331BHJP
   B29C 33/02 20060101ALI20220331BHJP
   B29C 35/02 20060101ALI20220331BHJP
   B29L 30/00 20060101ALN20220331BHJP
【FI】
B29C33/64
B29C33/02
B29C35/02
B29L30:00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018020343
(22)【出願日】2018-02-07
(65)【公開番号】P2019136895
(43)【公開日】2019-08-22
【審査請求日】2020-09-17
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390029458
【氏名又は名称】ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】下原 宗一
(72)【発明者】
【氏名】坂本 一幸
(72)【発明者】
【氏名】岡 孝生
(72)【発明者】
【氏名】向田 芳純
(72)【発明者】
【氏名】江幡 勝由
【審査官】▲高▼村 憲司
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-178278(JP,A)
【文献】特開2015-020332(JP,A)
【文献】特開2015-036209(JP,A)
【文献】特開2017-019231(JP,A)
【文献】特開2005-193448(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/00 - 33/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)~(D)を含み、
タイヤ内面用離型剤の質量全体に対して、成分(A)の含有率が10~50質量%であり、成分(B)の含有率が20~70質量%であり、成分(C)の含有率が1~17質量%であり、成分(D)の含有率が1~15質量%であり、
嵩密度が、0.70~1.5g/cmであり、かつ、粉末状であることを特徴とするタイヤ内面用離型剤。
(A)マイカ
(B)前記成分(A)以外の無機成分
(C)界面活性剤
(D)シリコーン成分
【請求項2】
前記成分(A)の質量(Aw)と、前記成分(B)の質量(Bw)との比が、Aw/Bw=0.1~5である請求項1記載のタイヤ内面用離型剤。
【請求項3】
平均粒子径が0.1~10mmである請求項1または2記載のタイヤ内面用離型剤。
【請求項4】
目開き9.5mmの篩を通過しない粒子の割合が50質量%未満である請求項1から3のいずれか一項に記載のタイヤ内面用離型剤。
【請求項5】
目開き0.10mmの篩を通過する粒子の割合が50質量%未満である請求項1から4のいずれか一項に記載のタイヤ内面用離型剤。
【請求項6】
タイヤ内面用離型剤の質量全体に対して、前記成分(C)の含有率が2~17質量%である請求項1から5のいずれか一項に記載のタイヤ内面用離型剤。
【請求項7】
嵩密度が、0.85~1.5g/cmである請求項1から6のいずれか一項に記載のタイヤ内面用離型剤。
【請求項8】
下記成分(A)および下記成分(B)を撹拌し混合物を得る第一撹拌工程と、
前記混合物に、下記成分(C)および下記成分(D)を添加して撹拌する第二撹拌工程とを含み、
タイヤ内面用離型剤の質量全体に対して、成分(A)の含有率を10~50質量%とし、成分(B)の含有率を20~70質量%とし、成分(C)の含有率を1~17質量%とし、成分(D)の含有率を1~15質量%とし、
前記第一撹拌工程および前記第二撹拌工程の撹拌に、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー、ハイスピードミキサー、ナウターミキサー、ニューグラマシン、シュギミキサー、プロシェアミキサー、スパルタンミキサー、パグミキサー、タービュライザー、水平円筒型混合機、混練押出機、横型連続式のニーダーおよび密閉式の圧密化処理装置からなる群から選択される少なくとも一つの撹拌装置を用いることで、嵩密度が0.70~1.5g/cmである粉末状のタイヤ内面用離型剤を製造することを特徴とするタイヤ内面用離型剤の製造方法。
(A)マイカ
(B)前記成分(A)以外の無機成分
(C)界面活性剤
(D)シリコーン成分
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ内面用離型剤、タイヤ内面用離型剤の製造方法、タイヤ内面用離型剤水分散液、タイヤの製造方法およびタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴム用離型剤の一種として、タイヤ内面用離型剤がある。例えば、特許文献1には、粉体からなる無機成分(無機粉末)と、シリコーン成分と、界面活性剤と、多価アルコールと、水とを含むタイヤ内面用離型剤が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-228783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タイヤ内面用離型剤は、例えば、つぎのように用いられる。すなわち、タイヤの製造工程において、未加硫生タイヤの加硫成型では、ブラダーと呼ばれるゴム製袋を未加硫生タイヤの内側に配置し、前記ブラダーを温風、熱水または蒸気で膨張させることで、金型内部に前記未加硫生タイヤを押し当て、圧入成型とともに加硫が行われる。この工程を円滑に行うため、生タイヤのインナーライナー面(内面)に、タイヤ内面用離型剤が予めスプレー塗布される。タイヤ内面用離型剤は、専用タンク内で事前に溶媒に溶解され、数日間保管される。数日後、保管されたタイヤ内面用離型剤は、溶媒に再分散され使用される。そのため、タイヤ内面用離型剤では、数日の保管の間、無機粉末の沈降を抑制することが必要となる。これまで、無機粉末の経時沈降の抑制は、例えば、特許文献1に記載のように、タイヤ内面用離型剤のスラリー(水分散液)の粘度を上げることで行っていた。
【0005】
しかしながら、スラリー(水分散液)の粘度を上げると、生タイヤ内面へのスプレー塗布の際、前記内面へのタイヤ内面用離型剤の均一付着が困難となる。このように、タイヤ内面用離型剤における経時沈降抑制と、スプレー塗布による均一付着との両立は困難である。
【0006】
そこで、本発明は、経時沈降抑制と、スプレー塗布による均一付着との両立が可能なタイヤ内面用離型剤、タイヤ内面用離型剤の製造方法、およびタイヤ内面用離型剤水分散液を提供することを目的とする。さらに、本発明は、前記タイヤ内面用離型剤水分散液およびタイヤ内面用離型剤を用いたタイヤの製造方法、およびタイヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明のタイヤ内面用離型剤は、下記成分(A)~(D)を含み、
成分(A)~(D)の質量の合計に対して、成分(A)の含有率が10~50質量%であり、
嵩密度が、0.70~1.5g/cmであることを特徴とする。
(A)マイカ
(B)前記成分(A)以外の無機成分
(C)界面活性剤
(D)シリコーン成分
【0008】
本発明のタイヤ内面用離型剤の製造方法は、
下記成分(A)および下記成分(B)を撹拌し混合物を得る第一撹拌工程と、
前記混合物に、下記成分(C)および下記成分(D)を添加して撹拌する第二撹拌工程とを含み、
成分(A)~(D)の質量の合計に対して、成分(A)の含有率を10~50質量%とし、
前記第一撹拌工程および前記第二撹拌工程の撹拌に、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー、ハイスピードミキサー、ナウターミキサー、ニューグラマシン、シュギミキサー、プロシェアミキサー、スパルタンミキサー、パグミキサー、タービュライザー、水平円筒型混合機、混練押出機、横型連続式のニーダーおよび密閉式の圧密化処理装置からなる群から選択される少なくとも一つの撹拌装置を用いることで、嵩密度が0.70~1.5g/cmであるタイヤ内面用離型剤を製造することを特徴とする。
(A)マイカ
(B)前記成分(A)以外の無機成分
(C)界面活性剤
(D)シリコーン成分
【0009】
本発明のタイヤ内面用離型剤水分散液は、
前記本発明のタイヤ内面用離型剤と、
水と、
を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明のタイヤの製造方法は、
未加硫ゴム製生タイヤの内面およびブラダーの外面の少なくとも一方に前記本発明のタイヤ内面用離型剤水分散液を付着させ、さらに水を揮発させる離型用前処理工程と、
前記離型用前処理工程後、成形型内で前記生タイヤに収容された前記ブラダーを膨張させることにより、前記成形型内面に前記生タイヤ外面を押し当て、その状態で前記生タイヤを加熱して加硫する加硫工程と、
を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明のタイヤは、前記本発明のタイヤ内面用離型剤を生タイヤの内面に付着させ、加硫してなることを特徴とする。
【0012】
また、本発明のタイヤは、タイヤの内面に、前記本発明のタイヤ内面用離型剤が付着していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明のタイヤ内面用離型剤、タイヤ内面用離型剤の製造方法またはタイヤ内面用離型剤水分散液によれば、経時沈降抑制と、スプレー塗布による均一付着との両立が可能である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明について、さらに具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の説明により限定されない。
【0015】
本発明のタイヤ内面用離型剤、タイヤ内面用離型剤の製造方法およびタイヤ内面用離型剤水分散液は、例えば、前記成分(A)の質量(Aw)と、前記成分(B)の質量(Bw)との比が、Aw/Bw=0.1~5であってもよい。
【0016】
[1.タイヤ内面用離型剤]
本発明のタイヤ内面用離型剤における各成分は、特に限定されず、例えば、つぎのとおりである。
【0017】
[1-1.マイカ(A)]
マイカ(A)(成分(A))は、特に限定されず、例えば、マスコバイト、セリサイト、白雲母、黒雲母、金雲母、イライト、カラーマイカ等が挙げられる。成分(A)は、マイカを1種類のみ含んでもよいし、2種類以上のマイカを併用してもよい。
【0018】
本発明のタイヤ内面用離型剤における成分(A)の含有率は、前述のとおり、タイヤ内面用離型剤の質量全体に対して、10~50質量%である。前記成分(A)の含有率は、例えば、15~45質量%、または20~40質量%であってもよい。
【0019】
[1-2.成分(B)]
前記成分(A)以外の無機成分(成分(B))は、特に限定されず、例えば、一般的なタイヤ内面用離型剤に用いられている無機成分であってもよい。無機成分(B)としては、例えば、タルク、クレー、水膨潤性粘土鉱物、炭酸カルシウム、ゼオライト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチブンサイト、モンモリロナイトを含有するベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、無水ケイ酸等が挙げられ、これらは天然物でも良いし合成物でも良い。
【0020】
本発明のタイヤ内面用離型剤における成分(B)の含有率は、目的に応じて選択可能であり、例えば、タイヤ内面用離型剤の質量全体に対して、20~70質量、または25~65質量%であってもよい。
【0021】
本発明のタイヤ内面用離型剤において、前記成分(A)の質量(含有率Aw)と、前記成分(B)の質量(含有率Bw)との比(Aw/Bw)は、特に限定されず、例えば、0.1~5、0.1~3、または0.2~1.1であってもよい。
【0022】
[1-3.界面活性剤(C)]
界面活性剤(C)(成分(C))は、例えば、乳化安定性付与を担う成分として機能する。なお、前記「乳化安定性」は、本発明のタイヤ内面用離型剤水分散液が乳化物である場合における、前記乳化物の安定性をいう。前記乳化物は、前記成分(A)~(D)が、水の中に分散された乳化物であることが好ましい。このような乳化物は、すなわち、水中油滴型の乳化物(エマルジョン)である。なお、本発明のタイヤ内面用離型剤水分散液は、油中水滴型の乳化物でもよいが、スプレー性、付着性、離型性等の観点から、水中油滴型の乳化物であることが好ましい。
【0023】
前記界面活性剤は、特に限定されず、カチオン界面活性剤でも、ノニオン界面活性剤でも、アニオン界面活性剤でもよいが、ノニオン界面活性剤およびアニオン界面活性剤の少なくとも一方が好ましい。前記ノニオン界面活性剤としては、例えば、[1]ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル、[2]ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、[3]ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノオレエート等のポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、[4]ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、[5]ポリオキシアルキレン硬化ひまし油、[6]ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル、[7]ポリグリセリン脂肪酸エステル、[8]アルキルグリセリンエーテル、[9]ポリオキシアルキレンコレステリルエーテル、[10]アルキルポリグルコシド、[11]ショ糖脂肪酸エステル、[12]ポリオキシアルキレンアルキルアミン、[13]オキシエチレン-オキシプロピレンブロックポリマー、等が挙げられる。前記アニオン界面活性剤としては、例えば、[1]オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、オレイン酸トリエタノールアミン等の脂肪酸塩、[2]ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩、[3]ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩、[4]ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、[5]ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、[6]ステアロイルメチルタウリンNa、ラウロイルメチルタウリンNa、ミリストイルメチルタウリンNa、パルミトイルメチルタウリンNa等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、[7]ラウロイルサルコシンナトリウム等のN-アシルサルコシン塩、[8]モノステアリルリン酸ナトリウム等のアルキルリン酸塩、[9]ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸ナトリウム等のポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、[10]ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の長鎖スルホコハク酸塩、[11]N-ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N-ステアロイル-L-グルタミン酸ジナトリウム等の長鎖N-アシルグルタミン酸塩、等が挙げられる。成分(C)は、界面活性剤を1種類のみ含んでもよいし、2種類以上の界面活性剤を併用してもよい。
【0024】
本発明のタイヤ内面用離型剤における成分(C)の含有率は、目的に応じて選択可能であり、例えば、タイヤ内面用離型剤の質量全体に対して、1~17質量%、1~15質量%、または2~13質量%であってもよい。タイヤ内面用離型剤の乳化安定性の観点、および、生タイヤ若しくはブラダーへの濡れ性が低下しハジキが発生する現象を防止する観点から、前記成分(C)の含有率は、1質量%以上が好ましい。また、タイヤ内面用離型剤の付着性および離型性の観点、並びに、タイヤの貼り合せ部に離型剤が入り込んで接着阻害を起こす現象を防止する観点から、前記成分(C)の含有率は、17質量%以下が好ましい。
【0025】
[1-4.シリコーン成分(D)]
シリコーン成分(D)(成分(D))は、例えば、離型性向上を担う成分として機能する。シリコーン成分(D)は、特に限定されず、例えば、オルガノポリシロキサン類が挙げられる。前記オルガノポリシロキサン類は、シリコーンオイル、シリコーンゴム、およびシリコーン樹脂を含む概念である。前記オルガノポリシロキサン類としては、より具体的には、例えば、[1]ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、メチルイソプロピルポリシロキサン、メチルドデシルポリシロキサン等のアルキルポリシロキサン、[2]メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルフェニルポリシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体等のアルキルフェニルポリシロキサン、[3]メチル(フェニルエチル)ポリシロキサン、メチル(フェニルプロピル)ポリシロキサン等のアルキルアラルキルポリシロキサン、[4]3,3,3-トリフルオロプロピルメチルポリシロキサン等が挙げられる。前記シリコーン成分は、1種類のみ用いてもよいし、複数種類併用してもよい。
【0026】
シリコーン成分(D)(成分(D))は、例えば、シリコーン成分と界面活性剤とを含むシリコーン乳化物であってもよい。前記成分(D)が前記シリコーン乳化物である場合、それに含まれる界面活性剤の含有率は、後述の成分(D)の含有率には含ませず、前記成分(C)の含有率に含ませるものとする。前記シリコーン乳化物において、前記シリコーン成分は、剥離性(離型性)の観点から、分子構造が直鎖状で、重合度が低く常温で流動性を有するシリコーンオイル等が好ましい。前記シリコーン成分の粘度は、特に限定されず、例えば、離型性と製品安定性のバランスの観点から、25℃において、1000~10万mPa・s、5000~5万mPa・sである。
【0027】
前記シリコーン乳化物に含まれる前記界面活性剤は、特に限定されず、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤およびノニオン界面活性剤のいずれでもよいが、アニオン界面活性剤およびノニオン界面活性剤の少なくとも一方を含むことが好ましい。前記アニオン界面活性剤は、特に限定されず、例えば、[1]高級脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸塩、アルキル(またはアルケニル)アミドエーテルカルボン酸塩、アシルアミノカルボン酸塩等のカルボン酸型、[2]高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレン高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、グリセリン脂肪酸エステルモノ硫酸エステル塩等の硫酸エステル型、[3]アルカンスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、α-スルホ脂肪酸エステル塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等のスルホン酸型、[4]アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル塩等のリン酸エステル型、等が挙げられる。前記ノニオン界面活性剤も、特に限定されず、例えば、[5]ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル、[6]ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、等が挙げられる。前記界面活性剤は、1種類のみ用いてもよいし、複数種類を併用してもよい。
【0028】
前記シリコーン乳化物(シリコーンエマルジョン)は、例えば、前記シリコーン成分を、前記界面活性剤を用いて水中に分散させ、乳化させて製造してもよい。分散および乳化方法は、特に限定されず、一般的な分散および乳化方法を用いてよい。例えば、まず、シリコーン成分に、ノニオン界面活性剤およびアニオン界面活性剤の少なくとも一方を混合する。一方、予め乳化機を設置した容器に規定量の水を入れる。つぎに、前記水を前記乳化機により撹拌しながら、前記シリコーン成分と前記界面活性剤との混合液を、少しずつ(例えば、1時間かけて)投入し、分散させる。さらに、乳化するまで撹拌することにより、前記シリコーン乳化物(シリコーンエマルジョン)を製造する。前記乳化機は、特に限定されず、一般的な乳化機でもよく、例えば、ホモミキサー、ホモディスパー等が挙げられる。また、前記シリコーン乳化物は、例えば、市販のシリコーン乳化物(シリコーンエマルジョン)をそのまま用いてもよい。前記市販のシリコーン乳化物(シリコーンエマルジョン)としては、例えば、信越化学工業株式会社製の商品名KM-862T、東レ・ダウコーニング株式会社製の商品名FZ-4157等が挙げられる。前記シリコーン乳化物は、1種類のみ用いてもよいし、複数種類を併用してもよい。
【0029】
なお、特に限定するものではないが、前記シリコーン乳化物を120℃で1時間乾燥した後の残渣質量は、前記乾燥前の前記シリコーン乳化物の質量全体に対して、例えば、20~80質量%、30~70質量%、または30~65質量%であってもよい。
【0030】
本発明のタイヤ内面用離型剤における成分(D)の含有率は、目的に応じて選択可能であり、例えば、タイヤ内面用離型剤の質量全体に対して、1~15質量%、3~13質量%、または5~10質量%であってもよい。
【0031】
[1-5.任意成分]
本発明のタイヤ内面用離型剤は、成分(A)~(D)以外の任意成分を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。前記任意成分としては、例えば、透明性向上に寄与し得る多価アルコール、水、シリコーン系消泡剤、鉱物油系消泡剤等の各種消泡剤、各種防腐剤等が挙げられる。
【0032】
前記多価アルコールとしては、特に限定されず、例えば、[1]ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール等のポリエチレングリコール類、[2]ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ペンタプロピレングリコール、ヘキサプロピレングリコール等のポリプロピレングリコール類、[3]ジブチレングリコール、トリブチレングリコール、テトラブチレングリコール、ペンタブチレングリコール、ヘキサブチレングリコール等のポリブチレングリコール類、[4]エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,7-へプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,2-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,2-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,2-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,2-ドデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,2-テトラデカンジオール、1,16-ヘキサデカンジオール、1,2-ヘキサデカンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジメチル-2,4-ジメチルペンタンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ジメチロールオクタン、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジエチル-1、5-ペンタンジオール、1,2-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,2-シクロへプタンジオール、トリシクロデカンジメタノール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6-ヘキサントリオール、3-メチルペンタン-1,3,5-トリオール、ヒドロキシメチルヘキサンジオール、トリメチロールオクタン、およびこれらの2種類以上の共重合体等が挙げられる。これらの多価アルコールは、1種類のみ用いてもよいし、複数種類を併用してもよい。
【0033】
本発明のタイヤ内面用離型剤の嵩密度は、0.70~1.5g/cmである。本発明のタイヤ内面用離型剤によれば、所定量の前記成分(A)と、前記成分(B)~(D)とを含み、且つ、嵩密度が前記範囲であることで、経時沈降抑制と、スプレーによる均一塗布とを両立可能である。前記嵩密度は、例えば、後述の実施例に記載の方法で測定できる。前記嵩密度は、例えば、0.75~1.45g/cm、または0.80~1.40g/cmであってもよい。
【0034】
[2.タイヤ内面用離型剤の製造方法]
本発明のタイヤ内面用離型剤の製造方法は、特に限定されず、例えば、前述の本発明のタイヤ内面用離型剤の製造方法により製造できる。
【0035】
具体的には、本発明のタイヤ内面用離型剤は、例えば、つぎのようにして製造(調製)できる。すなわち、まず、粉末成分である前記成分(A)および前記成分(B)と、必要に応じて他の任意の粉末成分とを、ヘンシェルミキサーに入れ、100~4000rpm(例えば、1000rpm)で3~50分間(例えば、5分間)撹拌する。前記ヘンシェルミキサーに代えて、例えば、レーディゲミキサー、ハイスピードミキサー、ナウターミキサー、ニューグラマシン、シュギミキサー、プロシェアミキサー、スパルタンミキサー、パグミキサー、タービュライザー、水平円筒型混合機、混練押出機、横型連続式のニーダー、密閉式の圧密化処理装置等も用い得る。つぎに、前記ヘンシェルミキサーに、液体成分である前記成分(C)および前記成分(D)と、必要に応じて他の任意の液体成分とを順次撹拌しながら添加した後、さらに、100~4000rpm(例えば、1000rpm)で10~30分間撹拌することで、本発明のタイヤ内面用離型剤を製造(調製)できる。全成分添加後の撹拌における撹拌フルード数は、例えば、0.5~25、または0.9~20であってもよい。前記撹拌フルード数を0.5以上とすると、水分散液安定性およびスプレー性の悪化を抑制できる。また、前記撹拌フルード数を25以下とすると、設備のコスト高を抑制できる。前記撹拌フルード数(Fr)は、例えば、下記式(1)で定義されるものである。前記撹拌フルード数と撹拌時間(単位:分)との積P(すなわち、P=撹拌フルード数×撹拌時間(分))は、例えば、5~200、または10~150であってもよい。

Fr=V/[(R×g)0.5] (1)
V:撹拌翼の先端の周速(m/s)
R:撹拌翼の回転半径(m)
g:重力加速度(m/s
【0036】
製造されたタイヤ内面用離型剤の平均粒子径は、例えば、0.1~10mm、または0.2~8mmであってもよい。前記平均粒子径を0.1mm以上とすると、水分散液安定性およびスプレー性の悪化を抑制できる。また、前記平均粒子径を10mm以下とすると、溶解性の悪化を抑制できる。前記平均粒子径は、例えば、ふるい(篩)法を用いて測定される質量基準の積算分率における50%径である。具体的には、前記平均粒子径は、例えば、目開き16000μm(16mm)、9500μm(9.5mm)、5000μm(5.0mm)、1000μm、500μmおよび100μm(0.10mm)の6段の篩と、受け皿を用いた分級操作により測定する。前記分級操作では、前記受け皿に、目開きの小さい篩から目開きの大きな篩の順に積み重ね、最上部の篩の上から100g/回の試料(タイヤ内面用離型剤)を入れ、蓋をしてロータップ型篩振盪機(株式会社飯田製作所製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間振動させた後、それぞれの篩上および受け皿上に残留した試料(分級サンプル)を篩目ごとに回収する。各粒子径の分級サンプルの質量を測定し、質量頻度(%)を算出する。前記平均粒子径を求める際には、積算の質量頻度が50%以上となる最初の篩の目開きを「a(μm)」、a(μm)よりも一段大きい篩の目開きを「b(μm)」とし、また、受け皿から目開きa(μm)の篩までの質量頻度の積算値を「c(%)」、目開きa(μm)の篩上の質量頻度を「d(%)」とし、下記式(2)により求められる平均粒子径(50質量%粒径)を、前記平均粒子径とする。

平均粒子径(50質量%粒径)
=10[50-{c-d/(logb-loga)×logb}]/{d/(logb-loga)} (2)

製造されたタイヤ内面用離型剤は、目開き9.5mmの篩を通過しない粒子の割合が50質量%未満であることが好ましく、30質量%未満であることがより好ましい。また、製造されたタイヤ内面用離型剤は、目開き0.10mmの篩を通過する粒子の割合が50質量%未満であることが好ましく、30質量%未満であることがより好ましい。
【0037】
前記成分(C)、前記成分(D)および前記他の任意の液体成分の添加順序に、特に制限はない。例えば、前記撹拌に、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー、ハイスピードミキサー、ナウターミキサー、ニューグラマシン、シュギミキサー、プロシェアミキサー、スパルタンミキサー、パグミキサー、タービュライザー、水平円筒型混合機、混練押出機、横型連続式のニーダー、密閉式の圧密化処理装置等の高速回転可能な撹拌装置を用いることで、嵩密度の高いタイヤ内面用離型剤を得ることができる。
【0038】
本発明のタイヤ内面用離型剤の形態は、特に限定されず、例えば、前記成分(A)~(D)が、水の中に分散された乳化物(水分散液)であることが好ましい。
【0039】
本発明のタイヤ内面用離型剤水分散液の製造(調製)方法も、特に限定されず、例えば、水に前記本発明のタイヤ内面用離型剤を混合して分散させるのみで良い。本発明のタイヤ内面用離型剤水分散液において、前記本発明のタイヤ内面用離型剤の濃度は、特に限定されず、例えば、20~75質量%、30~70質量%、または30~65質量%であってもよい。
【0040】
本発明のタイヤ内面用離型剤の使用方法も、特に限定されず、例えば、一般的なタイヤ内面用離型剤と同様でよい。具体的には、例えば、本発明のタイヤ内面用離型剤を、原液の状態で、または水に希釈した状態で、スプレーを用いて、未加硫ゴム製生タイヤの内面およびブラダー外面の少なくとも一方に塗布して用いればよい。
【0041】
本発明のタイヤ内面用離型剤は、前述のとおり、乳化物(エマルジョン、水分散液)であってもよい。前記乳化物の平均粒子径は、特に限定されず、例えば、50~2000nm、100~1500nm、または150~1300nmであってもよい。界面活性剤の必要配合量が増大することによる付着性低下および離型性低下防止の観点、並びに、貼り合せ部に離型剤が入り込んだ際の接着阻害防止の観点から、前記乳化物の平均粒子径は、50nm以上が好ましい。また、乳化粒子のクリーミングおよび合一防止の観点、並びに、水溶成分と油溶成分が分離し製品安定性が不良となることを防止し得る観点から、前記乳化物の平均粒子径は、2000nm以下が好ましい。なお、本発明において、前記乳化物の平均粒子径は、例えば、BECKMAN社製のサブミクロン粒子アナライザー(レーザー回折/散乱法)を用いて乳化粒子の体積分布を測定し、測定した前記乳化粒子の体積分布に基づいて、前記平均粒子径を算出することができる。ただし、この測定方法は、例示であり、本発明は、この測定方法により限定されない。
【0042】
[3.タイヤの製造方法およびタイヤ]
本発明のタイヤの製造方法およびタイヤについては、前述のとおりである。これらについても、特に限定はなく、例えば、一般的なタイヤ内面用離型剤(水分散液の形態であるタイヤ内面用離型剤)に代えて、前記本発明のタイヤ内面用離型剤水分散液またはタイヤ内面用離型剤を用いること以外は、一般的なタイヤの製造方法およびタイヤと同様でよい。本発明のタイヤの製造方法において、前記成形型としては、例えば、金型等が挙げられる。本発明のタイヤの製造方法は、前述の剥離用前処理工程および加硫工程に加えて、加硫タイヤと前記ブラダーとの間、および、加硫タイヤと前記成形型との間を離型処理する離型処理工程を有してもよい。
【実施例
【0043】
[実施例1~21および比較例1~4]
下記表1Aに記載された成分(A)および成分(B)を、ヘンシェルミキサーに入れ、200rpmで3分間撹拌した。つぎに、前記ヘンシェルミキサーに、成分(C)および成分(D)を順次撹拌しながら添加した後、さらに、600rpmで10分間撹拌して、実施例1の粉末状のタイヤ内面用離型剤を製造した。また、下記表1A、表1Bおよび表2に示すように、全成分添加後の撹拌条件および成分(A)~(D)の含有率の少なくとも一方を変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2~21および比較例1~4の粉末状のタイヤ内面用離型剤を製造した。実施例8~18、20および21、並びに、比較例3および4では、前記ヘンシェルミキサーに代えて、ハイスピードミキサーを用いた。比較例1では、前記ヘンシェルミキサーを用いずに、成分(A)~成分(D)を人手で撹拌した。比較例2では、前記ヘンシェルミキサーに代えて、リボンミキサーを用いた。なお、下記表1A、表1Bおよび表2に記載された各成分の製品名(商品名)および製造元を、下記表3に示す。また、下記表1A、表1Bおよび表2における嵩密度は、下記方法により測定した。
(嵩密度の測定方法)
各例のタイヤ内面用離型剤を、容量が40%以下となるように袋に入れ、空気を前記袋内に取り込み20回程振り混ぜた後、予め質量を測定しておいた120mLカップに、スパーテルを用いて振りながら入れ、上部を擦りきった後、質量を測定した。このときの100mLあたりの質量を算出し、嵩密度とした。
【0044】
【表1A】
【0045】
【表1B】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
表1A、表1Bおよび表2に記載の実施例1~21および比較例1~4の各タイヤ内面用離型剤水分散液を用いて、下記の評価を行った。各例のタイヤ内面用離型剤水分散液の製造方法は、つぎのとおりである。すなわち、まず、2Lガラスビーカーに水道水450gを仕込んだ後、直径5cmの3枚のプロペラ羽を備えた撹拌機で20rpmの速度で撹拌した。前記水中に、撹拌しながら、各例で製造した粉末状のタイヤ内面用離型剤550gを投入し、30分間撹拌して分散させることで、各例のタイヤ内面用離型剤水分散液を製造した。
【0049】
(水分散液安定性(経時沈降抑制))
前記各タイヤ内面用離型剤水分散液を目開き0.355mmの篩でろ過した後、室温で、大気中に静置した。その後、何日間分散状態を維持していたかを目視にて評価した。7日以上維持したものを合格とした。
【0050】
(スプレー性(スプレー塗布による均一付着))
前記各タイヤ内面用離型剤水分散液を、ノズル口径φ1.0mmのスプレーガンを用い、エアー圧0.5MPaにて10秒間スプレーし、スムーズさ(スプレー性)を評価した。スプレー性は、ノズル詰まりなくスムーズに10秒間スプレーできたものを○、スプレー10秒間のうちスプレー詰まりが2~4回のものを△、スプレー詰まりが5回以上のものを×と評価した。
【0051】
(水分散性(溶解性))
前記各タイヤ内面用離型剤水分散液を、目開き0.355mmの篩でろ過した際に残渣がないものを○、残渣があるものを×と評価した。
【0052】
上記評価結果を、前記表1A、表1Bおよび表2に示した。表1Aおよび表1Bに示したとおり、実施例1~21は、水分散液安定性、スプレー性および水分散性の評価のいずれも良好であった。これに対し、表2に示したとおり、比較例1および2は、タイヤ内面用離型剤の嵩密度が0.70g/cm未満となり、水分散液安定性、およびスプレー性の評価が悪かった。また、比較例3および4では、タイヤ内面用離型剤の嵩密度が1.5g/cmを超え、水分散液安定性、および水分散性の評価が悪かった。